説明

パージエア制御装置

【課題】ゲートディスクの摩耗をなくして、ゲートディスクの寿命を長く保ち、且つ、スリットに灰が堆積することを防止したパージエア制御装置を提供する。
【解決手段】このパージエア制御装置は、パージエアをスリット13、14に供給するパージエア供給源1と、パージエア供給源1からのパージエアを供給又は停止する電磁弁(制御弁)2と、ゲートディスク7の開閉動作を行なうエアシリンダ(ゲート駆動手段)9と、エアシリンダ9にエアーを供給してシリンダを駆動するエアー駆動部10と、ゲートディスク7の開閉状態を検知するリミットスイッチ6と、リミットスイッチ6の信号に基づいて電磁弁2及びエアー駆動部10を制御する制御ユニット(制御部)5と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パージエア制御装置に関し、さらに詳しくは、排煙脱硫装置から発生する灰を搬送する灰搬送配管に備えられたゲートディスクと灰搬送配管との間に存在するスリットに堆積する灰を効果的に除去する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電プラントでは、石炭や重油を燃料としてボイラーを加熱して、そこから発生する高圧蒸気を動力源として発電機を回転している。特に、石炭を燃料とする発電プラントでは、排煙に含まれる硫黄酸化物を排煙脱硫装置により除去して排煙している。また、排煙脱硫装置から回収された灰を回収して船舶で輸送するために、発電設備から桟橋まで灰搬送配管を用いて搬送している。
図9は従来の灰搬送配管の一部を図示したものである。灰搬送配管103には、灰を搬送したり、搬送を停止するためのゲートディスク107がゲート部に備えられている。また、ゲートディスク107が閉止時にスリット113、114に灰が堆積するために、常時パージエア供給源101からパージエアをスリット113、114に供給して灰を除去している。パージエアの圧力は手動弁141により適宜調整して供給している。
特許文献1には、スリット内並びに環状空間内に入り込んだスラリー等の流体中の固形分が圧密されることを防止し、ナイフプレートとシートリングとの密着性を良好に保持し、締切性能の向上を図ったナイフゲート弁について開示されている。
【特許文献1】特開2004−124997公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図9に示した従来の灰搬送配管では、スリット113、114内に堆積した灰を除去するために、パージエアが常時噴射されていたため、ゲートディスク107が閉止されているときは、パージエアがゲートディスク107に当たって、その部分が摩耗して損耗し、最悪の場合には穿孔するといった問題がある。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、ナイフゲートとシートリングとの密着性を良くするために、シートリングの構成が複雑になるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ゲートディスクの開閉を検知して、ゲートディスクが開いているときだけパージエアを噴射することにより、ゲートディスクの摩耗をなくして、ゲートディスクの寿命を長く保ち、且つ、スリットに灰が堆積することを防止したパージエア制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、排煙脱硫装置から発生する灰を搬送する灰搬送配管の途中に設けられ、該灰搬送配管の流路の開閉を行なうゲートディスクと前記灰搬送配管との間に存在するスリット内に堆積する灰を除去するパージエア制御装置であって、パージエアを前記スリットに供給するパージエア供給源と、前記パージエア供給源からのパージエアを供給又は停止する制御弁と、前記ゲートディスクの開閉動作を行なうゲート駆動手段と、前記制御弁及び前記ゲート駆動手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ゲートディスクが開放状態にあるときに、前記パージエアを前記スリットに供給するように前記制御弁を制御することを特徴とする。
従来のパージエア制御装置は、スリットに堆積した灰を除去するために、常時スリットにパージエアを噴射していた。従って、ゲートディスクが開いているときは特に問題はないが、ゲートディスクが閉止されているときは、パージエアがゲートディスクの特定の部位に噴射されるため、その部位が摩耗して極端なときは穴が開くといった問題があった。そこで本発明では、パージエアの噴射をゲートディスクが開いているときにのみ行い、ゲートディスクが閉止されているときは、パージエアの噴射を停止する。これにより、ゲートディスクの摩耗をなくして、ゲートディスクの寿命を長く保ち、且つ、スリットに灰が堆積することを防止することができる。
【0005】
請求項2は、前記ゲートディスクの開閉状態を検知するリミットスイッチを備え、前記制御部は、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの開放を検知すると前記制御弁を制御して前記パージエアを供給し、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの閉止を検知すると前記制御弁を制御して前記パージエアを停止することを特徴とする。
ゲートディスクの開閉を検知するには、ゲートディスクの動きを検知すれば可能である。その方法として、ゲートディスクにストライカを設け、ゲートディスクを閉止したときのストライカの位置と、ゲートディスクを開放したときのストライカの位置にリミットスイッチを備えることで可能となる。これにより、制御手段は、リミットスイッチの状態を検知することで正確にゲートディスクの開閉状態を認識することができる。
【0006】
請求項3は、前記制御部は、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの開放開始を検知すると、前記制御弁を制御して前記パージエアを所定の時間供給し、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの開放完了を検知すると、再び前記制御弁を制御して前記パージエアを連続的に供給することを特徴とする。
ゲートディスクの開放が開始されると、ゲートディスク先端側のスリットにはゲートディスクの隙間から灰が進入してくる。また、ゲートディスク末端側のスリットをゲートディスクが通過するまでには所定の時間を要する。そこで本発明では、ゲートディスク先端側のスリットをゲートディスクが抜けると、その時点で所定の時間パージエアを噴射する。パージエアは最初の噴射では圧力が高いので、灰の除去能力は高くなる。そして、リミットスイッチがゲートディスクの開放完了を検知すると、再び、パージエアを連続的に供給する。これにより、ゲートディスク先端側のスリットに堆積した灰を効率よく除去することができる。
【0007】
請求項4は、前記リミットスイッチは、前記ゲートディスクが閉止完了したことを検知する閉リミットスイッチと、前記ゲートディスクが開放完了したことを検知する開リミットスイッチと、を備え、前記閉リミットスイッチが前記ゲートディスクの閉止完了を検知した状態から異なる状態に変化したことにより、前記ゲートディスクの開放開始と見做すことを特徴とする。
ゲートディスクは所定の長さを有し、その開閉には所定の時間が必要である。即ち、ゲートディスクが所定の位置に閉止したことを検知する閉リミットスイッチと、ゲートディスクが所定の位置に開放したことを検知する開リミットスイッチとを設けた場合、例えば、ゲートディスクが所定の位置に閉止したときに閉リミットスイッチがONであるとすると、ONの状態から閉リミットスイッチがOFFになるということは、ゲートディスクが開放される方向に移動したと見做せる。つまり、開放の開始と見做すことができる。これにより、各スイッチの2つの状態からゲートディスクの移動方向を検知することができる。
【0008】
請求項5は、前記制御弁は、電流の有無により弁を開閉する電磁弁により構成されていることを特徴とする。
パージエアの供給と停止を自動的に制御するには、パージエア供給源の管の途中に電気的に作動する弁を設ける必要がある。そこで本発明では、制御弁を電磁弁により構成する。これにより、制御部からの信号に基づいて制御弁の開閉を制御することができる。
請求項6は、前記ゲート駆動手段は、エアーの力により駆動するエアシリンダにより構成されていることを特徴とする。
一般に灰搬送配管は多くの灰を効率的に搬送するために、その直径はかなり大きくなる。ゲートディスクの幅はこの直径以上必要であり、且つ、灰を閉止するためにそれなりの強度が必要であるので、必然的に重量が重くなる。ゲート駆動手段は、このゲートディスクを上下、或いは左右に移動させるため、大きな駆動パワーが必要となる。そこで本発明では、ゲート駆動手段としてエアシリンダを使用する。これにより、大きな駆動力と駆動負荷の変動に柔軟に対応することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パージエアの噴射タイミングをゲートディスクが開いているときに行い、ゲートディスクが閉止されているときは、パージエアの噴射を停止するので、ゲートディスクの摩耗をなくして、ゲートディスクの寿命を長く保ち、且つ、スリットに灰が堆積することを防止することができる。
また、ゲートディスクにストライカを設け、ゲートディスクを閉止したときのストライカの位置と、ゲートディスクを開放したときのストライカの位置にリミットスイッチを備えるので、制御手段は、リミットスイッチの状態を検知することで正確にゲートディスクの開閉状態を認識することができる。
また、ゲートディスク先端側のスリットをゲートディスクが抜けると、その時点で所定の時間パージエアを噴射し、リミットスイッチがゲートディスクの開放完了を検知すると、再び、パージエアを連続的に供給するので、ゲートディスク先端側のスリットに堆積した灰を効率よく除去することができる。
また、ゲートディスクが所定の位置に閉止したときに閉リミットスイッチがONであるとすると、ONの状態から閉リミットスイッチがOFFになるということは、ゲートディスクが開放される方向に移動したと見做せる。つまり、開放の開始と見做すことができるので、各スイッチの2つの状態からゲートディスクの移動方向を検知することができる。
また、制御弁を電磁弁により構成するので、制御部からの信号に基づいて制御弁の開閉を制御することができる。
また、ゲート駆動手段としてエアシリンダを使用するので、大きな駆動力と駆動負荷の変動に柔軟に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明のパージエア制御装置がゲートディスクを閉止した状態を説明するための模式図である。このパージエア制御装置は、図示しない排煙脱硫装置から発生する灰を搬送する灰搬送配管3の途中に設けられ、灰搬送配管3の流路の開閉を行なうゲートディスク7と灰搬送配管3との間に存在するスリット13、14に堆積する灰を除去するパージエア制御装置であって、パージエアをスリット13、14に供給するパージエア供給源1と、パージエア供給源1からのパージエアを供給又は停止する電磁弁(制御弁)2と、ゲートディスク7の開閉動作を行なうエアシリンダ(ゲート駆動手段)9と、エアシリンダ9にエアーを供給してシリンダを駆動するエアー駆動部10と、ゲートディスク7の開閉状態を検知するリミットスイッチ6と、リミットスイッチ6の信号に基づいて電磁弁2及びエアー駆動部10を制御する制御ユニット(制御部)5と、を備えて構成されている。
また、スリット13、14には、ゲートディスク7が図1のように閉止した状態で灰4が流路4a、4bから流入しないように、シール部材11a、11bと12a、12bが夫々備えられている。また、リミットスイッチ6は、ゲートディスク7が完全に閉止した状態を検知する閉リミットスイッチ6aと、ゲートディスク7が完全に開放した状態を検知する開リミットスイッチ6bとを有している。
図1では、閉リミットスイッチ6aがONであり、開リミットスイッチ6bがOFFである。このときは、制御ユニット5は電磁弁2の弁を閉鎖して、パージエア供給源1からのパージエアを管16に流さないようにする。
【0011】
図2は本発明のパージエア制御装置がゲートディスクを開放した状態を説明するための模式図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。図2では、制御ユニット5がエアー駆動部10を介してエアシリンダ9を矢印Bの方向に駆動することにより、ゲートディスク7を開放する。それにより、リミットスイッチ6aがOFFとなり、リミットスイッチ6bがONとなる。このときは、制御ユニット5は電磁弁2の弁を開放して、パージエア供給源1からのパージエアを管16に供給する。
即ち、従来のパージエア制御装置は、スリットに堆積した灰を除去するために、常時スリットにパージエアを噴射していた。従って、ゲートディスクが開いているときは特に問題はないが、ゲートディスクが閉止されているときは、パージエアがゲートディスクの特定の部位に噴射されるため、その部位が摩耗して極端なときは穴が開くといった問題があった。そこで本実施形態では、パージエアの噴射タイミングをゲートディスク7が開いているときに行い、ゲートディスク7が閉止されているときは、パージエアの噴射を停止する。これにより、ゲートディスク7の摩耗をなくして、ゲートディスク7の寿命を長く保ち、且つ、スリット13、14に灰が堆積することを防止することができる。
また、ゲートディスク7の開閉を検知するには、ゲートディスク7の動きを検知すれば可能である。その方法として、ゲートディスク7にストライカ8を設け、ゲートディスク7を閉止したときのストライカ8の位置と、ゲートディスク7を開放したときのストライカ8の位置に、夫々閉リミットスイッチ6aと開リミットスイッチ6bを備えることで可能となる。これにより、制御ユニット5は、リミットスイッチ6の状態を検知することで正確にゲートディスク7の開閉状態を認識することができる。
【0012】
図3はスリット周辺の流路を説明する図であり、図3(a)はスリット13からゲートディスク7の先端が抜けた場合の流路を示す図であり、図3(b)はスリット14からゲートディスク7の先端が抜けた場合の流路を示す図である。図3(a)のように、スリット13からゲートディスク7の先端が抜けた場合、エアー噴射口16aからパージエアを噴射すると、灰搬送配管3内に流路aが発生して、その流れに乗ってパージエアが流路bのように発生する。また、図3(b)のように、スリット14からゲートディスク7の先端が抜けた場合、エアー噴射口16bからパージエアを噴射すると、灰搬送配管3内に流路aが発生しているので、その流れに乗ってパージエアが流路cのように発生する。このように、スリット13、14内にパージエアを噴射する噴射口16a、16bを設けることにより、スリット内に堆積した灰を効率よく除去することができる。
【0013】
図4は本発明の第1の実施形態に係るパージエア制御装置の動作を説明するフローチャートである。図5は図4のフローチャートに対応する各部のタイミングチャートである。図4と図5を参照して説明する。
まず前提として、ゲートディスク7が閉止されている状態とする。このときは、電磁弁2は閉鎖されている。この状態から制御ユニット5は、エアー駆動部10に対してゲートディスク7を開放するように制御する(S1)。ゲートディスク7が開動作を開始すると(a点)、閉リミットスイッチ6aがOFFとなる(b点)(S2でYES)。制御ユニット5は閉リミットスイッチ6aがOFFになったことを検知すると、電磁弁2を開放する(c点)(S3)。これにより、スリット13にはパージエアが噴射されて(d点)堆積した灰を除去する。このとき、パージエアは噴射直後は圧が高いが、徐々に一定値に低下する。ゲートディスク7は開動作を継続するので、制御ユニット5は開リミットスイッチ6bがONになるかを監視する(S4)。開リミットスイッチ6bがONになると(e点)(S4でYES)、所定の時間tをカウントして(S5)、エアー駆動部10に対してゲートディスク7を停止するように制御する(f点)(S6)。ここで所定時間tは0でも構わない。この状態でゲートディスク7は開放が完了して、パージエアがスリット13、14に連続的に噴射される。
【0014】
次に制御ユニット5がゲートディスク7を閉止すると判断すると、エアー駆動部10に対してゲートディスク7を閉止するように制御する(g点)(S7でYES)。そして、開リミットスイッチ6bがOFFになるかを監視し(S8)、開リミットスイッチ6bがOFFになると(h点)(S8でYES)、電磁弁2を閉鎖して(i点)パージエアを停止する(j点)(S9)。この状態ではゲートディスク7は閉止動作を継続しているので、制御ユニット5は閉リミットスイッチ6aがONになったかを監視する(S10)。閉リミットスイッチ6aがONになると(k点)、ゲートディスク7の閉止動作を停止する(l点)(S11)。その後、制御ユニット5がゲートディスク7を開放すると判断すると(S12でYES)、ステップS1に戻って繰り返す。
【0015】
図6は本発明の第2の実施形態に係るパージエア制御装置の動作を説明するフローチャートである。図7は図6のフローチャートに対応する各部のタイミングチャートである。図6と図7を参照して説明する。
まず前提として、ゲートディスク7が閉止されている状態とする。このときは、電磁弁2は閉鎖されている。この状態から制御ユニット5は、エアー駆動部10に対してゲートディスク7を開放するように制御する(S11)。ゲートディスク7が開動作を開始すると(a点)、閉リミットスイッチ6aがOFFとなる(b点)(S12でYES)。制御ユニット5は閉リミットスイッチ6aがOFFになったことを検知すると、時間t1経過後に(S13でYES)電磁弁2を所定の時間開放する(c点)(S13)。
これにより、スリット13にはパージエアが噴射されて(d点)堆積した灰を除去する。このとき、パージエアは噴射直後は圧が高いが、徐々に低下する。ゲートディスク7は開動作を継続するので、制御ユニット5は開リミットスイッチ6bがONになるかを監視する(S14)。開リミットスイッチ6bがONになると(e点)(S15でYES)、電磁弁2を開放する(f点)(S16)。これにより、スリット14にはパージエアが噴射されて(g点)堆積した灰を除去する。次に、所定の時間t2をカウントして(S17)、エアー駆動部10に対してゲートディスク7を停止するように制御する(h点)(S18)。ここで所定時間t2は0でも構わない。この状態でゲートディスク7は開放が完了して、パージエアがスリット13、14に連続的に噴射される。
【0016】
次に制御ユニット5がゲートディスク7を閉止すると判断すると、エアー駆動部10に対してゲートディスク7を閉止するように制御する(i点)(S19でYES)。そして、開リミットスイッチ6bがOFFになるかを監視し(S20)、開リミットスイッチ6bがOFFになると(j点)(S20でYES)、電磁弁2を閉鎖して(k点)パージエアを停止する(S21)。この状態ではゲートディスク7は閉止動作を継続しているので、制御ユニット5は閉リミットスイッチ6aがONになったかを監視する(S22)。閉リミットスイッチ6aがONになると(l点)、ゲートディスク7の閉止動作を停止する(m点)(S23)。その後、制御ユニット5がゲートディスク7を開放すると判断すると(S24でYES)、ステップS11に戻って繰り返す。
即ち、ゲートディスク7の開放が開始されると、ゲートディスク7先端側のスリット13にはゲートディスク7の隙間から灰が進入してくる(図3(a)参照)。また、ゲートディスク7末端側のスリット14をゲートディスク7が通過するまでには所定の時間を要する。そこで本発明では、ゲートディスク7先端側のスリット13をゲートディスク7が抜けると、その時点で所定の時間パージエアを噴射する(S14参照)。パージエアは最初の噴射では圧力が高いので、灰の除去能力は高くなる。
そして、開リミットスイッチ6bがゲートディスク7の開放完了を検知すると、再び、パージエアを連続的に供給する。これにより、ゲートディスク7先端側のスリット13に堆積した灰を効率よく除去することができる。
また、ゲートディスク7は所定の長さを有し、その開閉には所定の時間が必要である。即ち、ゲートディスク7が所定の位置に閉止したことを検知する閉リミットスイッチ6aと、ゲートディスク7が所定の位置に開放したことを検知する開リミットスイッチ6bとを設けた場合、例えば、ゲートディスク7が所定の位置に閉止したときに閉リミットスイッチ6aがONであるとすると、ONの状態から閉リミットスイッチ6aがOFFになるということは、ゲートディスク7が開放される方向に移動したと見做せる。つまり、開放の開始と見做すことができる。これにより、各スイッチの2つの状態(ON/OFF)からゲートディスク7の移動方向を検知することができる。
【0017】
図8は本発明のパージエア制御装置を利用した灰搬送配管の実施例を示す図である。この実施例では、回収原粉サイロ20より、桟橋側33と海砂側29に原粉21を切り替える構成であり、本発明のパージエア制御装置を海砂側29の管31に取り付けた場合について説明する。海砂側29の管31の途中には、エアシリンダ22によりゲートディスク23を開閉して流路に原粉24を搬送したり、停止したりする。この管31は斜めに配置されているため、管31の途中に構成したスリット25に原粉が堆積し易い。そこで、スリット25に噴射口を設け、制御エアー30から元弁27と電磁弁26を介して接続されている。
この構成により、ゲートディスク23が開放されているときに、電磁弁26を開放して噴射口からパージエアを噴射するようにする。また、ゲートディスク23が閉止されているときに、電磁弁26を閉鎖して噴射口からパージエアが噴射しないようにする。図ではリミットスイッチは記載されていないが、ゲートディスク23に図1のようなリミットスイッチを備え、その信号に基づいてゲートディスク23と電磁弁26を制御することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のパージエア制御装置がゲートディスクを閉止した状態を説明するための模式図である。
【図2】本発明のパージエア制御装置がゲートディスクを開放した状態を説明するための模式図である。
【図3】(a)はスリット13からゲートディスク7の先端が抜けた場合の流路を示す図、(b)はスリット14からゲートディスク7の先端が抜けた場合の流路を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るパージエア制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートに対応する各部のタイミングチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るパージエア制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートに対応する各部のタイミングチャートである。
【図8】本発明のパージエア制御装置を利用した灰搬送配管の実施例を示す図である。
【図9】従来のパージエア制御装置における問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0019】
1 パージエア供給源、2 電磁弁、3 灰搬送配管、4 灰、5 制御ユニット、6 リミットスイッチ、7 ゲートディスク、8 ストライカ、9 エアシリンダ、10 エアー駆動部、11、12 シール部材、13、14 スリット、15、16 管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排煙脱硫装置から発生する灰を搬送する灰搬送配管の途中に設けられ、該灰搬送配管の流路の開閉を行なうゲートディスクと前記灰搬送配管との間に存在するスリット内に堆積する灰を除去するパージエア制御装置であって、
パージエアを前記スリットに供給するパージエア供給源と、前記パージエア供給源からのパージエアを供給又は停止する制御弁と、前記ゲートディスクの開閉動作を行なうゲート駆動手段と、前記制御弁及び前記ゲート駆動手段を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ゲートディスクが開放状態にあるときに、前記パージエアを前記スリットに供給するように前記制御弁を制御することを特徴とするパージエア制御装置。
【請求項2】
前記ゲートディスクの開閉状態を検知するリミットスイッチを備え、
前記制御部は、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの開放を検知すると前記制御弁を制御して前記パージエアを供給し、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの閉止を検知すると前記制御弁を制御して前記パージエアを停止することを特徴とする請求項1に記載のパージエア制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの開放開始を検知すると、前記制御弁を制御して前記パージエアを所定の時間供給し、前記リミットスイッチが前記ゲートディスクの開放完了を検知すると、再び前記制御弁を制御して前記パージエアを連続的に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のパージエア制御装置。
【請求項4】
前記リミットスイッチは、前記ゲートディスクが閉止完了したことを検知する閉リミットスイッチと、前記ゲートディスクが開放完了したことを検知する開リミットスイッチと、を備え、
前記閉リミットスイッチが前記ゲートディスクの閉止完了を検知した状態から異なる状態に変化したことにより、前記ゲートディスクの開放開始と見做すことを特徴とする請求項2又は3に記載のパージエア制御装置。
【請求項5】
前記制御弁は、電流の有無により弁を開閉する電磁弁により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のパージエア制御装置。
【請求項6】
前記ゲート駆動手段は、エアーの力により駆動するエアシリンダにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパージエア制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−275882(P2009−275882A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129855(P2008−129855)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】