説明

パーソナルクレンジング製品

【課題】皮膚又は毛髪を洗浄するために有用な、実質的に乾燥した使い捨てパーソナルクレンジング製品の提供。
【解決手段】多層を含む生地を有する使い捨てクレンジング製品であり、これらの製品は、使用者がその乾燥品を水で濡らすことによって利用される。該製品は、湿潤伸長性である少なくとも第一の部分と、前記第一の部分より湿潤伸長性がより小さい少なくとも第二の部分を有する水不溶性生地と、発泡界面活性剤を有する。製品は、更にコンディショニング成分を含むのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、皮膚又は毛髪のクレンジング及びコンディショニングの両方に有用な、実質的に乾燥した使い捨てパーソナルクレンジング製品に関し、特に、好適には多数の層からなる生地を有する使い捨てクレンジング及びコンディショニング製品に関する。これらの製品は消費者がこの乾燥製品を水で濡らすことによって使用される。上記製品は、湿潤伸長性である少なくとも第一の部分、及び上記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さい少なくとも第二の部分を有する水不溶性生地と、発発泡界面活性剤とを含む。好適には本発明の製品はコンディショニング成分を更に含んでいる。
【0002】
上記生地の使用は、低濃度の界面活性剤で泡立ちを高め、洗浄及び剥落を高め、コンディショニング成分類の付与及び付着を最適にし、肌理、厚さ及びバルク等の望ましい特性を齎す。その結果、本発明は望ましい特性を有する生地を用いることによって優れたコンディショニング効果を与えつつ、低濃度の、従って比較的刺激性の少ない濃度の界面活性剤を用いて効果的な洗浄を行っている。
【0003】
本発明は、皮膚又は毛髪への付与のための種々の活性成分を含む製品も包含する。
【0004】
本発明は、皮膚又は毛髪にコンディショニング剤を確実に付着させるための方法も包含する。
本発明は、本発明の製品を用いて皮膚又は毛髪を洗浄並びに保湿するための方法、及びこれらの製品を製造する方法をも含む。
【背景技術】
【0005】
(発明の背景)
パーソナルクレンジング製品は、伝統的に固形石鹸、クリーム、ローション及びゲル等の種々の形で市販されている。これらのクリーム組成物については、消費者に受け入れられるべき多数の基準を満たす努力が行われてきた。これらの基準には、洗浄効果、皮膚感覚、肌、毛髪及び眼粘膜に対する非刺激性、泡発生量等が含まれる。理想的なパーソナルクレンザーは、皮膚又は毛髪を優しく洗浄し、殆ど又は全く刺激を起こさず、度々使用後も皮膚又は毛髪を過度に乾燥したままにはしない。
【0006】
しかしながら、これらの伝統的形のパーソナルクレンジング製品は、コンディショニング効果の発現に対して洗浄効果をバランスさせるという固有の問題を有する。この問題の一つの解決法は、別々のクレンジング製品とコンディショニング製品とを使用することであるが、これは必ずしも便利でも実際的でもなく、多くの消費者は、肌又は毛髪を洗浄し且つコンディショニングする単一の製品を使用する方を好む。典型的なクレンジング組成物において、コンディショニング成分類の比率を決定することは難しいというのは、多くのコンディショニング成分が界面活性剤とは溶け合わず、その結果、好ましくない不均質混合物が生成するからである。コンディショニング成分類との均質混合物を得るために、そしてコンディショニング成分が付着する前に失われるのを防ぐために、追加的成分、例えば、乳化剤、増粘剤、及びゲル化剤を加えて上記コンディショニング成分を界面活性剤混合物中に懸濁させることがよく行われる。これは感覚的に心地よい均質混合物を生成するが、上記コンディショナー類が乳化されていて洗浄中に効率的に解放されないため、コンディショニング成分類の付着が良くないという結果になる。また、多くのコンディショニング剤は、泡立ちを抑制するという欠点を有する。消費者の多くは、豊かでクリーミーな、優しい泡立ちを齎すクレンジング製品を求めているから、泡立ちの抑制は問題である。
【0007】
従って、界面活性剤とコンディショニング成分とを一緒にすることを試みた従来のクレンジング製品は、界面活性剤とコンディショナーとの非相溶性のために本来的に生ずる不具合を有することが理解される。単一製品で、効果的な洗浄を行い、しかもなお十分なコンディショニング作用を安定して齎すクレンジング製品を開発するニーズが明らかに存在する。
【0008】
使い捨ての一回用製品によってクレンジング効果及びコンディショニング効果を得ることが非常に望ましい。使い捨て製品は、クレンジング製品及びコンディショニング製品の取り扱いにくいビン、固形物、ジャー、チューブ、その他のものを持ち運ぶ必要がないため便利である。また、使い捨て製品は、複数回の再使用を意図したスポンジ、浴用タオル又はその他の洗浄具の使用に対してより衛生的な代替品でもあるというのは、かかる用具には再使用に関連して、細菌増殖、不快臭及びその他の望ましくない現象が発生するからである。
【0009】
その上、二つの表面を有する使い捨て製品を使用する消費者の習慣にはかなり変動がある。このような製品を使用する準備の際に、消費者はその製品を濡らし、それから「泡立て」、その後にその製品を自分の肌又は毛髪に接触させる。「泡立て」は、上記製品の使用前にその製品の両面を擦り合わせることによって行う。もしもコンディショニング剤を含む表面が最初に泡立てのために使用され、それからその同じ表面が皮膚又は毛髪に接触させるように使用されるならば、界面活性剤によってコンディショニング剤が乳化するので、そのコンディショニング剤の付着は相当に低下する。しかしながら、コンディショニング剤を含まない表面(例えば界面活性剤を含む表面)を擦り合わせて泡立て、それからコンディショニング剤を含む表面を用いて皮膚又は毛髪に接触させるならば、コンディショニング剤の最大付着が得られる。もしも製品の両面をコンディショニング剤で処理するならば、同じ不完全な付着が起き得る。コンディショニング剤を含む泡立たない表面が皮膚又は毛髪に接触する場合に限りコンディショニング剤の最大付着がおきる。
【0010】
驚いたことに、もしもコンディショニング含有成分(複数コンディショニング剤の組み合わせ)が最小脂質硬度値0.02kgを有するならば、コンディショニング剤のこの付着の不確実性がかなり軽減することが判明した。コンディショニング含有成分の硬度値が増加すると、生地内の移動は減少し、更に泡立て段階中の界面活性剤によるコンディショニング剤の乳化も低減すると考えられる。その結果、より多くのコンディショニング剤がそこに留まって、皮膚又は毛髪との接触を介して機械的に移動できる状態にある。
【0011】
浴用タオルの特質を有するクレンジング及びコンディショニング製品を提供することも非常に望ましい。これらの望ましい特性は、使い捨て製品に正しい肌理、厚さ(caliper)及びかさ(単位重量当たりの容量)を持たせることによって実現され得る。皮膚及び毛髪の洗浄を助けるためには比較的高い数値の肌理が望ましい。液体を受け入れて保持するための製品にボリュームを与えるためには、比較的高い数値のキャリパー及びかさが望ましい。典型的には、このような浴用タオル状製品は、1種類以上の材料又は層を含む生地を有する。該生地は、使用前に湿潤剤で予め湿りを与えられるか、又は該製品の使用時点で液体と一緒にすることができる。予め湿らせた拭き取り製品は「ウェット−ワイプ」及び「タオレット」とも言われる。
【0012】
浴用タオル状製品に「肌理」及び「かさ」を備えさせる一つの方法は、異なる性質を有する複数のプライ層を組み合わせることである。1984年9月4日発行のトロッカンの米国特許第4,469,735号は、湿った微小収縮型拘束紙層と、乾燥したクレープ状被拘束紙層とを有する多層ティッシュペーパーを開示している。被拘束層の部分が拘束層に接着されている。多プライ製品が湿らされると、被拘束層の非接着部分はZ方向に襞になり、肌理及びかさを与える。
【0013】
米国特許第4,469,735号の構造は、湿潤時に肌理及びかさを齎すが、このような構造を作るためにはペーパーマシン(抄紙機)を用いて湿式微小縮み処理を行う必要がある。更に、’735特許の構造は、湿潤厚みが対応する乾燥厚みより小さいと報告されている。
【0014】
驚いたことに、浴用タオルの望ましい特性を有する、便利で安価、そして衛生的な使い捨てパーソナルクレンジング製品における、効率的なクレンジング効果及びコンディショニング効果を齎す製品を開発し得ることが本発明において見いだされた。本発明は、別々のクレンジング製品及びコンディショニング製品の両方を使用する必要がないという便利さを提供する。本発明は、使用する前に濡す、実質的に乾燥した製品の形をとるため、使用が非常に便利である。
【0015】
本発明は、皮膚又は毛髪の洗浄及びコンディショニングの両方に有効な、乾燥した使い捨てパーソナルクレンジング製品に関する。これらの製品は、使用者が乾燥製品を水で濡らすことによって用いられる。該製品は、少なくとも一部が湿潤伸長性である水不溶性の生地と、発泡界面活性剤と、より好ましくは最低0.02kgの脂質硬度値を有するコンディショニング成分とからなる。理論によって制限されるものではないが、該生地は、低濃度の界面活性剤でも泡立ちを良くし、洗浄及び剥落を増大し、該コンディショニング成分の供給及び安定した付着を最適化すると考えられる。コンディショニング成分の脂質硬度値が少なくとも0.02kgである場合、コンディショニング剤の皮膚又は毛髪への付着は、より効率的で安定したものであることも考えられる。その結果、本発明は低濃度の、従って刺激性のより少ない界面活性剤の使用によって効率的な洗浄を実現し、一方優れたコンディショニング効果を安定し且つ効果的な態様で達成する。これらの製品は、洗浄プロセス中に、皮膚又は毛髪に広範囲の活性成分を付与するのに役立つことも見いだされた。
【0016】
よって、本発明の目的は、皮膚又は毛髪をクレンジング及びコンディショニングするための実質的に乾燥した浴用タオル状製品であって、水と組み合わせて用いる製品を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、水に溶けない生地、界面活性剤、及び脂質硬度値が少なくとも0.02kgであるコンディショニング成分を含んでなる製品を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、使い捨てであって、一回使用を目的とする製品を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は皮膚又は毛髪に優しい製品を提供することである。
【0020】
本発明の又別の目的は、濡れたときに、約30ml以上の平均泡容積を発生することができる製品を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、クレンジング及びコンディショニングプロセス中に、活性成分類を皮膚又は毛髪に付与するために役立つ製品を提供することである。
【0022】
本発明の又別の目的は、コンディショニング成分及びその他の活性成分類を皮膚又は毛髪に安定して付着させる製品を提供することである。
【0023】
本発明の又別の目的は皮膚又は毛髪を洗浄し、安定してコンディショニングする方法を提供することである。
【0024】
本発明のもう一つの目的は、コンディショニング剤及びその他の活性成分類を皮膚又は毛髪に安定して付着させる方法を提供することである。
【0025】
本発明の又別の目的は、本発明の製品の製造方法を提供することである。
【0026】
本発明の又別の目的は、濡れたときの肌理及びかさが増加した使い捨てのクレンジング及びコンディショニング製品を提供することである。
【0027】
本発明の他の目的は、上記製品の乾燥時の厚みより大きい湿潤時厚みを有する使い捨てのクレンジング及びコンディショニング製品を提供することである。
【0028】
本発明の又別の目的は、収縮され、濡れたときに肌理及びかさが増加する有孔ペーパー層を有する使い捨てクレンジング及びコンディショニング製品を提供することである。
【0029】
本発明のこれらの及びその他の目的は、下記の開示により明らかになる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0030】
(発明の概要)
本発明は、(A)水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地と、(B)前記生地上に付加させるか又は前記生地中にしみ込ませた少なくとも1種類の発泡界面活性剤とを含む一回用パーソナルクレンジング製品に関係する。該製品は、使用前は実質的に乾燥している。本発明の好適な実施例は、濡れたときに約30ml以上の平均泡容積を発生することができる。
【0031】
別の実施形態において、本発明は更に、生地上に付加するか又は生地中にしみ込ませたコンディショニング成分を有している。上記コンディショニング成分は、好適には約0.02kg以上の脂質硬度値を有する。
【0032】
更に別の実施形態において、本発明は、
(A)水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地と、
(B)該生地の表面に付加させるか又は生地中にしみ込ませたクレンジング及びコンディショニング組成物であって、
(i)少なくとも1種類の発泡界面活性剤、及び
(ii)コンディショニング成分
を有する組成物と
を含む使い捨て、1回用パーソナルクレンジング製品に関係する。
【0033】
この実施形態においては、発泡界面活性剤及びコンディショニング成分は、別々に又は同時に水不溶性の生地の表面に付加されるか又は生地中にしみ込ませられる。このような実施形態において、該製品は使用前には実質的に乾燥しており、濡れた際に上記の平均泡容積を発生することが好ましい。
【0034】
更に別の実施形態において、本発明は多層の使い捨て可能なクレンジング及びコンディショニング製品を提供する。該拭き取り製品は、少なくとも2つの層、即ち2プライを有している。第一層は濡れたときに展延でき、孔があいているのが好ましい。第二層は濡れたとき、第一層より小さい湿潤伸長性を示す。第一層の選択された部分を第二層に結合させて、第一層の平面における第一層の湿潤伸長を抑制する。
【0035】
第一層が濡れたとき、第二層は第一層の平面における第一層の拡がりを拘束する。その結果、第一層の諸部分は、例えば座屈を起こしたり、即ちしわを発生させたりしてZ方向(第一層の面に垂直な方向)に変形する。
【0036】
第一層は、この後述する「湿潤伸長性試験法」を用いて測定した際、少なくとも約4%の湿潤伸長性を有するのが好ましく、より好適には少なくとも約10%、更により好適には少なくとも約20%の湿潤伸長性を有する。上記第一層は、縮ませて所望湿潤伸長性を与えることができる。一実施形態において、第一層は乾燥クレーピングによって約30%収縮した湿式形成の多孔紙を有している。
【0037】
第二層は、第一層の湿潤伸長性よりも小さい湿潤伸長性を有する。第一層の湿潤伸長性−第二層の湿潤伸長性は、好適には少なくとも約4%、より好適には少なくとも約10%、更により好適には少なくとも約20%である。第二層は天然繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせの不織ウェブを含むことができる。一実施形態において、第二層はレーヨン及びポリエステル繊維の水交絡された不織ウェブを含む。
【0038】
使い捨てのクレンジング及びコンディショニング製品は、1.0より大きく、より好適には少なくとも約1.1、更により好適には少なくとも約1.2、最も好適には最低約1.4の、乾燥厚さ(キャリパー)に対する湿潤厚さの比を有するが、乾燥厚さに対する湿潤厚さの比が、上記クレンジング及びコンディショニング製品の湿潤厚さ及び乾燥厚さの相対的測定値である。乾燥厚さ(キャリパー)に対する湿潤厚さの比は、本明細書で後に示す方法によって測定される。
【0039】
好適には第一層の選択部分を予め決めた接着パターンで第二層に接合し、層間に複数の非結合領域を形成する。一実施形態においては第一層及び第二層はホットメルト接着剤を
用いて接着される。
【0040】
更に別の実施形態において、本発明は、水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地に、
(A)少なくとも1種類の発泡界面活性剤と、
(B)コンディショニング成分と
を別々又は同時に付加又はしみ込ませる段階を含む、使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品の製造方法に関する。製造された製品は実質的に乾燥しており、湿潤時に上述の平均泡容積を発生することができるのが好ましい。
【0041】
又別の実施形態において、本発明は皮膚又は毛髪を本明細書に記載のパーソナルクレンジング製品で洗浄及びコンディショニングする方法に関する。
【0042】
更に別の実施形態において、本発明はコンディショニング剤を皮膚又は毛髪に安定して付着させる方法に関する。
【0043】
本明細書で用いられるパーセント及び比は全て、異なるように明記されない限り、重量により、全ての測定は異なるように明記されない限り25℃で行われた。本発明は、ここに記載の本質的な成分並びにオプションの成分を含み、又はこれらの成分から構成され、又はこれらの成分から本質的に構成されることができる。
【0044】
(発明の詳細な説明)
本発明のパーソナルクレンジング製品は、皮膚又は毛髪を洗浄するのに非常にききめがあり、一方同時にコンディショニング剤を効果的に付着させる。該製品は、皮膚又は毛髪に付着させたい他の非コンディショニング活性成分も含むことができる。
【0045】
理論によって制限されるものではないが、該生地は泡の発生並びにコンディショニング剤及びその他のいかなる活性成分の付着にも著しく寄与すると考えられている。泡立ち及び付着のこの増加は、生地の表面作用の結果であると考えられる。その結果として、より刺激の少ない、ごく少量の界面活性剤を用いることができる。必要とされる界面活性剤の量の減少は、界面活性剤による皮膚又は毛髪の乾燥作用の低減に関連すると考えられる。更に、界面活性剤の使用量の減少は、界面活性剤が示すコンディショニング剤の付着阻害作用(例えば、界面活性剤の乳化作用又は直接的除去作用による)を劇的に減らす。
【0046】
理論によって制限されるものではないが、該生地は又コンディショニング剤及び活性成分の付着も促進する。本発明は乾燥形であるから、本発明は、コンディショニング剤及び活性成分の付着を阻害することのある乳化剤を必要としない。更に、皮膚コンディショナー及び活性成分は生地上に乾燥付着され、又は生地にしみこまされているから、濡らした製品と皮膚との表面接触によって、該コンディショナー及び活性成分は、皮膚又は毛髪に直接的に移る。
【0047】
該生地は洗浄も促進する。該生地は各側面に異なる肌理、例えば、ざらついた側面と滑らかな側面を持つことができる。該生地は、効率的な泡立ち及び剥落用具として機能する。物理的に皮膚又は毛髪に接触することによって、該生地は、洗浄、及び汚れ、メーキャップ、垢やその他の異物の除去に大きく役立つ。
【0048】
最後に、湿潤伸長性を有する部分を少なくとも有する生地は、浴用タオルの望ましい特性(例えば適切な肌理、厚さ及びかさ)を与える。これらの特殊なタイプの生地は、泡の発生も促進するとも考えられる。
【0049】
コンディショニング成分が最小脂質硬度値0.02kgを有することは、コンディショニング剤の生地内への移動を減らし、泡立て工程中の界面活性剤によるコンディショニング剤の乳化を減らすことによって、コンディショニング剤の皮膚又は毛髪への付着を安定して行うと考えられている。
【0050】
「発泡界面活性剤」とは、水と一緒になって機械的に撹拌されたときに泡を発生する界面活性剤を意味する。好適には、これらの界面活性剤はマイルドであり、これらの界面活性剤が十分な洗浄又は界面活性効果を齎すが、皮膚又は毛髪を過度には乾燥せず(例えば、自然の油及び/又は水分を過度に除去しない)、しかも上述の泡立ち基準に適合することを意味する。
【0051】
ここで用いられる用語「発泡生産品」又は「発泡製品」は、その生産品又は製品が本明細書に記載される泡量試験において30ml以上の泡量を発生するのに十分な界面活性剤を含むことを意味する。これらの泡量測定は95℃で、中間硬度の水(8−10グレイン/ガロン)で行われる。
【0052】
用語「使い捨て」又は「一回使用」は、本明細書ではこれらのそのままの意味で、1回使用後は処分され、又は捨てられる製品を意味するように用いられる。
【0053】
ここに用いられる用語「コンディショニング成分」は、コンディショニング剤の組み合わせ体を意味する。この組み合わせ体は脂質硬化物質も含むことができる。
【0054】
ここに用いられる用語「水活性化」とは、本発明が消費者には乾燥形状で提供され、水で濡らした後に用いられることを意味する。これらの製品は、泡を生成するか、又は水と接触させ、その後更にその製品にこすり摩擦等の機械的力を作用させて「活性化」されることが見いだされる。
【0055】
ここで用いられる用語「実質的に乾燥」とは、使用前に製品が実質的に水を含まず、触れると概ね乾いていると感ずることを意味する。例えば、本発明の製品は乾燥した、例えば低湿度の環境で測定して、約10重量%未満の水、好適には約5重量%の水、より好適には約1重量%の水を含む。当業者は、本発明におけるこのような製品の水分含有量は環境の相対的湿度で変化し得ることを理解する。
【0056】
本発明の発泡界面活性剤及び製品に関して、本明細書に用いる用語「マイルド」は、本発明の製品が、刺激の少ないアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS)界面活性剤をベースにした合成固形石鹸、即ちsynbarと同等に、皮膚に対して刺激が小さいことを意味している。界面活性剤含有製品のマイルドさ、又は逆に刺激性を測定する方法は、皮膚境界破壊試験に基づいている。この試験では、界面活性剤がマイルドであればあるほど、皮膚境界の破壊は少ない。皮膚境界の破壊は、試験溶液から皮膚表皮を通って拡散物質チェンバーに含まれる生理的緩衝液に入る放射性標識(トリチウム標識)水(3H−H2O)の相対量によって測定する。この試験はT.J.フランツによって、J.Invest.Dermatol.1975、64巻、190−195ページに記載され;そして1987年6月16日発行のスモールらの米国特許第4,673,525号に記載されているが、これらは引用により完全な形で本明細書に組み込まれる。当業者に知られているその他の界面活性剤のマイルドさ測定方法もまた使用できる。
【0057】
ここで用いられる用語「付着安定性」は、消費者のこのクレンジング及びコンディショニング製品の使用準備及び実際の使用が如何なるものであっても(例えば、コンディショニング成分を担持した生地側を泡立てても、反対に界面活性剤を担持した生地側を泡立てても)、上記コンディショニング成分を含むコンディショニング剤の付着が相対的に不変であることを意味する。本発明の製品は、約60%より大きい付着安定性、より好適には約70%より大きい付着安定性、最も好適には約75%より大きい付着安定性を有する。付着安定性の尺度は、「非理想的泡立ち及び使用」によって生ずるコンディショニング剤の付着量を、「理想的泡立ち及び使用」によって生ずるコンディショニング剤の付着量で割った商である。ここに用いる「非理想的泡立ち」は、コンディショニング剤を含む製品表面を一緒に或いはそれだけで擦り、それから同じ表面を皮膚又は毛髪に接触させることによって泡立てることを意味する。これはコンディショニング剤の非効率的付着を生ずる。なぜならばコンディショニング剤の若干は界面活性剤によって乳化されるからである。ここに用いられる用語「理想的泡立ち」は、界面活性剤を含むがコンディショニング剤を含まない製品表面を一緒に、又はそれだけを擦り、それからコンディショニング成分を含む表面を皮膚又は毛髪に接触させることにより泡立ちが行われることを意味する。もし生地の両面がコンディショニング剤で処理されている場合、同様のことがいえる(例えば、泡立てて、乳化したコンディショニング剤を含む同じ泡立て表面と皮膚とを接触させて得られる付着 対 乳化されていないコンディショニング剤を含む泡立っていない表面と皮膚とを接触させて得られる付着)。付着安定性は、コンディショニング成分の脂質硬度値が約0.02kgより大きいときに最大となる。
【0058】
本発明のパーソナルケア製品は次の必須の構成要素を含む:(A)水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地、及び(B)前記生地上に付加させるか又は前記生地中にしみ込ませた少なくとも1種類の発泡界面活性剤。本発明の製品は、前記生地に付着され又はしみこまされたコンディショニング成分を更に含むことができる。
【0059】
[湿潤伸長性である少なくとも一つの部分を有する水不溶性生地]
本発明の製品は、水不溶性生地の少なくとも第一の部分は湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さくなっている水不溶性生地を有している。「水不溶性」とは、該生地が水に溶解しないか、又は水に浸した際に容易に分解しないことを意味する。湿潤伸長性とは、材料が水に濡れたときに、少なくとも一方向には伸びる傾向を有することを意味する。伸長性の測定試験は、以下に説明される。水不溶性生地は、本発明の発泡界面活性剤及びコンディショニング成分を皮膚又は毛髪に供給して洗浄、コンディショニングするための道具又は手段である。理論によって制限されるものではないが、該生地は、機械的力を伝達し、撹拌をもたらす手段として、泡発生効果を齎し、コンディショニング成分の付着を助ける。
【0060】
少なくとも、湿潤伸長性である少なくとも一つの部分を有する水不溶性生地の一実施形態が、図1〜図3に示されている。この実施形態において、本発明は、多層の使い捨て拭き取り製品20を有している。図1〜図3は、本発明の2つの層、即ち2プライの実施形態を例示している。代替的に、使い捨て拭き取り製品は、2つの層より多くの層を有することができる。
【0061】
使い捨てのクレンジング及びコンディショニング製品20は、概括的に参照数字22によって示される生地を有している。生地22は、第一層100及び第二層200を含む。第一層100は伸長性があり、特に濡れたときに伸長性があり、例えば、第一層は湿潤伸長性がある。「湿潤伸長性」とは、或る材料が濡れた際に、少なくとも一方向に伸びる傾向を有することを意味する。一般に「濡れる」とは、水溶液、例えば、水で濡れ、第一層の展延を引き起こし得ることを意味する。例えば、水は収縮させた紙の皺を緩和し、それによってその紙平面の少なくとも一方向にそれを伸長させる。理論によって制限されるものではないが、皺の緩和は水の存在によって紙構造内に生ずる水素結合の喪失の結果であり得る。しかしながら、この皺の緩和を引き起こす液体、混合物又は溶液は、該製品を「濡らす」と考えられる。第二層200は、濡れた際、第一層100よりも相対的に小さい湿潤伸長性を有する。伸長性は以下に述べる「湿潤伸長性試験」によって測定され、パーセントとして報告される。
【0062】
第一層100の選択された部分を第二層200に直接又は間接的に結合し、第一層の面における第一層の湿潤伸長を抑制する。図1及び図2では、第一層100の選択された部分が第二層200に接合されて、110で示される連続的な結合領域と、分離された非結合領域114を形成している。
【0063】
図1に示される好適な実施形態において、結合領域110は、概ねダイヤモンド形の非結合領域114を形成する交差ラインの連続的な網目状構造として示されている。結合領域110の交差ラインの幅及び間隔は、ダイヤモンド形の非結合領域114の望ましい大きさ及び間隔に対して調節することができる。交差ラインの連続的な網目状構造は、実質上いかなるパターン(模様)でもよく、例えば、四角形、矩形及び三角形などの、実質的無制限の幾何学的形の非結合領域を形成する。該網目状の構造は、完全に連続している必要はなく、真っすぐな又は均一なラインの模様に制限されるものでもなく、例えば、丸、楕円又はその他の非多形角の幾何学形を形成する網目状構造でよい。図1〜図3の参照数字300によって示されるホットメルト接着剤などの接着剤を用いて第一層100を第二層200に接合することができる。
【0064】
第一層が濡れると、第一層100は、第一層の平面における1つ以上の方向に沿って広がる傾向がある。(第一層の平面は、図1の平面に平行である)。しかし、第二層200の湿潤伸長性は相対的に低いので、第二層は第一層100の第一層平面における伸びを制限する。その結果、第一層100の非結合領域114は変形し、第一層100の面に垂直なZ方向に歪んだり皺が寄ったりする。
【0065】
図5Aは、第一層100を濡らす前の、クレンジング及びコンディショニング製品20の断面図である。図5Aに示すように、この拭き取り製品は、濡らす前は概ね平らである。図5Bは図5Aのそれと同様な断面図であるが、第一層100を濡らした後の製品20を示している。図5Bは、第一層100を濡らした後の、第一層100の平面離脱変形を示している。図5A及び図5BにはZ方向が示されている。濡れた第一層100の変形により、製品20には盛り上がった山120が生じ、それは製品20の湿潤肌理、湿潤キャリパー(厚さ)及び湿潤かさを増大する。また、盛り上がった山120は、第一層100の非結合部分と第二層の基礎部分との間にポケット150を形成する。特に、製品20は、1.0より大きく、好適には少なくとも約1.1、より好適には少なくとも約1.2、最も好適には少なくとも約1.4の、乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比を有する。乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比は、濡らす前の乾燥製品20の厚さに対する湿潤時の製品20の厚さの割合である。乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比は、以下に述べる手順「乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比」によって測定される。
【0066】
図1に示す好適な実施形態において、第一層100は有孔であり、第一層100は、第一層100の厚さを通して延びる多数の孔102を有している。孔は、本発明の実施には必ずしも必要ではないが、拭き取り製品20の望ましい肌理及びかさに大きく貢献する。図1〜図3においては、わかりやすいように、孔102は第一層100の一部にのみ示されている。有孔の第一層を用いる際、濡らした第一層100の変形によって、この場合も製品に盛り上がった山120が生じ、それは製品20の湿潤肌理、湿潤キャリパー(厚さ)及び湿潤かさを増大する。しかし、この実施形態において、盛り上がった山120には孔102があり、それは液体及び/又は微細粒子がポケット150に入るための流路となる。
【0067】
その上、製品20は界面活性剤等の泡立ち剤と一緒に用いられる、即ちこのような泡立ち剤を含んでいるので、これらの孔102は泡立ち中の空気の取り込みに役立ち、それによって泡の発生を改善する。例えば、製品20の一部分が、以下により詳しく説明するように、界面活性組成物でコーティングされたり、又はその他の方法で処理されている。製品20は、水で濡らして界面活性剤を活性化することができ、その製品の使用中(例えば、洗浄又は拭き取り)に、その孔102を通って発生する空気流は泡の発生を助ける。
【0068】
孔102の大きさ及び数は、泡の発生速度及び生成される泡の性質に影響を及ぼす。比較的大きい孔102が比較的少数ある場合には、泡発生に要する時間が短縮される傾向があるが、透明な外観をもった比較的大きい泡玉が形成される。他方、比較的小さい孔102が比較的多数ある場合は、気泡の大きさは小さくなり、そのため泡のクリーミーさ及び不透明性が増加する傾向があるが、泡発生に要する時間は増加する。1平方インチ当たり約4〜約300個(1平方センチメートル当たり0.62〜46.5個)の孔が適切な泡の発生速度及び性質を与える。
【0069】
第一層100に孔がある場合、もう一つの利点が確認された。図5Bに示すように、盛り上がった山120の形成に加えて、孔102の周囲の第一層100が濡れて拡がると、カスプ106、即ち孔102によって形成される表面凹凸として最もよく説明できるものを形成する。カスプ106は、第一層100の有孔面22側の表面に追加的肌理を与える。この追加的肌理は、孔102の大きさ及び間隔の調節によって、要求通りに修正される。
【0070】
また、図3に描かれているように、結合及び非結合領域の形態には、その他のバリエーションもある。示された実施形態において、結合領域110は、製品20のほぼ全長にわたって延びる概ね平行で、間隔のある領域であり、第一層100の概ね平行で、間隔のある非結合領域114を画成する。図3において、非結合領域114は、製品20のほぼ全長に亘って延びる。図1及び図2の参照番号300、及び図3の参照番号300、310A〜310Dで示される接着剤を用いて、第一層100を第二層200に接合することができる。
【0071】
現時点で好適な実施形態において、本発明の拭き取り20は、有孔セルロースペーパーの第一層を有し、この第一層は、ダイヤモンド形の非結合領域を画成する交差ラインの連続的な網目状構造を成して合成不織布に結合している。材料と結合方法と結合パターンの組み合わせが、濡らされた時の一つの側の肌理及びかさの増加を示す一方、他の側では比較的滑らかなソフトさを維持する、乾燥キャリパーより大きい湿潤キャリパーを有する好適な拭き取りを実現する。
【0072】
上記の説明に加えて、接着後に生地を加熱することを含む追加的処理工程が、拭き取りの肌理及びかさ、並びに全体的な美的品質を更に改善することが判明した。理論によって制限されるものではないが、加熱処理が熱可塑性接着剤を収縮させ、それによって更に第一層、同様に第二層の面離脱(Z−方向)変形をおこすと考えられる。拭き取り製品の平面内収縮によって、両方の層がZ方向のキャリパー増加を受け、心地よいひだのある外観と共に全体的なキャリパーの増加を齎す。
【0073】
例えば、EVAホットメルト接着剤(適切な接着剤の一つが、ウィスコンシン州、WauwatosaのAto-findley AdhesivesからH1382−01として商業的に入手できる。)で接着した拭き取りは、積層後熱処理の後で、キャリパーを10〜20%増加させる。このケースにおいて、適切なホットメルト接着剤が塗布され、生成した製品を室温まで冷やす。その後、例えば、温度を100℃に上げて20秒間熱処理を行うが、これは重合体の網目状構造の収縮の開始には十分である。理論によって限界付けられないが、このプロセスを効果的にするには、接着パターンが連続的な網目状構造又は実質的に連続的な網目状構造でなければならないと考えられている。接着部位が分離している場合は、製品の外観を改善するほど十分には収縮しない。
【0074】
[第一層]
製品20の構成部材をより詳細に参照すると、第一層を形成することができる適切な材料には、縮ませた(例えばクレーピングによって)wetlaid紙布がある。その他の適切な材料としては、織物、不織材料、フォーム、バットなどがある。
【0075】
第一層100は、少なくとも4パーセント、より好適には少なくとも約10パーセント、更に好適には少なくとも約20パーセントの湿潤伸長性を持つように構成しなければならない。一実施形態において、第一層は、少なくとも約25パーセントの湿潤伸長性を有する。好適には、第一層の湿潤伸長性と第二層の湿潤伸長性との差(第一層の湿潤伸長性−第二層の湿潤伸長性)は、少なくとも約4パーセント、より好適には少なくとも約10パーセント、更に好適には少なくとも約25パーセントである。
【0076】
第一層100の繊維又はフィラメントは天然製(例えば、木材パルプ繊維、コットンリンター、バガス繊維等のセルロース繊維)でも、合成品(例えば、ポリオレフィン類、レーヨン、ポリアミド類又はポリエステル類)でも、又はこれらの組み合わせでもよい。
【0077】
好適な一実施形態において、第一層100は、乾式クレーピングによって少なくとも約4パーセント、より好適には少なくとも約10パーセント、更に好適には少なくとも約20パーセント縮ませたセルロース木材パルプ繊維の湿式重ね紙から構成される。図4を参照するに、第一層100は、第一層100の収縮に対応したクレープ隆起105を有するように示されている。機械方向(MD)及び機械交差方向(CD)が図1〜図4に示されている。機械方向は、第一層100の巻取紙の製造方向に一致する。クレープ隆起105は第一層100の巻取紙の機械方向に概ね垂直であり、機械垂直方向に概ね平行である。
【0078】
第一層100の巻取紙は、1平方メートル当たり約15〜約65グラムの坪量を有することができる。好適な一実施形態において、第一層の坪量は1平方メートル当たり約25〜約45グラムであり、より好適な実施形態において、第一層100の坪量は、1平方メートル当たり約35グラムである。
【0079】
理論によって束縛されることは望まないが、紙の強度は完成品の全体的外観を大きく変え得ると考えられている。第一層に挿入されるクレープの量は、平面の膨張量に比例し、従って湿潤時に発生するキャリパー(厚さ)の量に比例する。しかし、もしもこの紙製品の湿潤強度が不十分ならば「座屈」がおこり、より小さいキャパー(厚さ)を有する、より「皺の多い」生産物が形成されるかも知れない。そこでクレープ及び湿潤強度を共に調節して、製品の意図した目的に応じた肌理の量を得るようにすることができる。湿潤破裂強さをThwing-Albert破裂テスター1300−77型によって測定した。これは完全に湿潤した生地のピーク荷重を試験するものである。この試験では0.5インチ(1.27cm)のボール直径、5インチ/分(12.7cm/分)のボール速度を用い、試験試料をボールの動きに垂直な3.5インチ(8.89cm)直径の円の周囲に締め付ける。ピーク荷重湿潤破裂強度は、1プライ当たり100〜1200グラムである。より好適には、1プライあたり100〜1200グラムである。より好適には、1プライ当たり400〜700グラム、最も好適には、1プライ当たり500〜600グラムである。
【0080】
より好適な実施形態において、第一層100は、セルロース系木材パルプ繊維の有孔wetlaid巻取紙からできている。孔102は、第一層に適当な方法で形成することができる。例えば、第一層100の巻取紙の形成中に、孔102を第一層100に形成することができ、又はこれに代えて、第一層100の巻取紙の製造後に形成してもよい。一実施形態において、第一層100の巻取紙は、引用により本明細書に組み込まれる下記の米国特許の一つ以上の教示によって生成される:1993年9月14日に発行されたトロクハンらの米国特許第5,245,025号;1994年1月11日発行のファンらの米国特許第5,277,761号;及び1997年8月5日発行のトロクハンらの米国特許第5,654,076号。特に、米国特許第5,277,761号は、第10欄に有孔巻取紙の生成を開示している。
【0081】
クレープされた第一層100は、第一層を濡らす前に、1平方インチ当たり約4〜約300個(1平方センチメートル当たり約0.62〜約46.5個)の孔102を持つことができ、より好適には、約4〜約100個(1平方センチメートル当たり約0.62〜約15.5個)の孔102を持つことができる。クレープされた巻取紙を濡らすと、もし拘束がなければ、その巻取紙は、少なくとも一方向、例えば機械方向に膨張し、そのため濡れた後の1平方インチ当たりの孔102の数は、濡らす前の1平方インチ当たりの孔の数より少なくなる。同様に、巻取紙に孔が形成され、その後に巻取紙をクレープする場合も、クレーピング前の平方インチ当たりの孔の数はクレーピング後の平方インチあたりの孔の数より小さくなる。よって、巻取紙の寸法に言及する場合は、クレーピング後で、濡らす前の寸法を言う。
【0082】
孔102は、第一層100の総表面の約15%〜約75%を占めることができる。図2に示される孔102は、反復する規則正しいパターンで左右相称に互い違いに(機械方向及び機械垂直方向両方に互い違いに)配列している。一実施形態において、第一層100は、乾燥時25パーセントクレープし(25パーセント収縮)、約25パーセント以上の湿潤伸長性を備え、そして1平方インチ当たり約40〜約50個(1平方センチメートル当たり約6.2〜約7.75個)の孔102を有し、それらの孔102は、約0.10〜約0.18インチ(約0.254〜約0.457cm)の長さ及び約0.07〜約0.15インチ(約0.178〜約0.381cm)の幅を有し、孔と孔との間隔106が約0.05〜約0.08インチ(約0.127〜約0.203cm)である巻取紙から構成される。
【0083】
巻取紙は、先ず最初に水性製紙組成物を形成することによって製造される。この組成物は製紙繊維を含んでおり、種々の添加物を更に含むことができる。1993年6月29日発行のファンらの米国特許第5,223,096号が、種々の木材パルプ及び製紙添加物を開示する目的で引用により本明細書に組み込まれる。
【0084】
第一層100を作るための適切な巻取紙は、下記の説明に従って製造できる。製紙組成物は、水及び北洋軟材(NSK)から誘導される高度に精製したクラフトパルプから製造され、その製紙組成物は、約0.2パーセント(組成物の総重量で割った乾燥繊維重量が0.02である)の繊維コンシステンシーを有する。カルボキシメチルセルロース(CMC)等の乾燥強度添加剤を100%NSK組成物に、乾燥製紙繊維1トン当たりCMC約5ポンド(約2.27kg)の割合で加える。カイメン(Kymen)557H(デラウェア州、ウィルミントンのハークルス社から入手可能)等の湿潤強度添加剤を上記組成物に、乾燥製紙繊維1トン当たりカイメン固体約28ポンド(約12.7kg)の割合で加える。
【0085】
図6を参照するに、上記組成物は、製紙機械のヘッドボックス500から成形要素600に、繊維コンシステンシー約0.2パーセントで加えられる。成形要素600は図6において連続ベルトの形をしている。製紙繊維のスラリーは成形要素600の上に吐き出され、水が成形要素600を通してそのスラリーから排出され、図6の参照数字543によって示される製紙繊維の初期ウェブが形成される。
【0086】
図7は成形要素600の一部を示している。成形要素600は2つの互いに相対する面を有する。図7に示された面は、成形すべきウェブの製紙繊維に接触する面である。図7に示される型の成形要素の説明は、上に引用した米国特許第5,245,025号、第5,277,761号及び第5,654,076号に示されている。
【0087】
成形要素600は、樹脂突起物659の形の流れ制限部材を有する。示した成形要素600は、補強構造657に結合され、パターンされた配列の突起物659を有し、上記補強構造は、織物スクリーン又はその他の有孔枠体等の有孔要素から構成することができる。突起物659が補強構造657の上に広がっている。
【0088】
適当な成形要素600は、成形要素600の表面1平方インチ当たり約37個(1平方センチメートル当たり約5.74個)の突起物659を有し、突起物659は図7に見られる成形要素600の表面の約35パーセントを占め、上記突起物は、補強構造657の表面の上方で0.0255インチ(0.6477mm)延びている。突起物は、機械方向長さXが約0.1511インチ(約3.8mm)で、機械垂直方向の幅Yが約0.0924インチ(約2.3mm)である。
【0089】
補強構造657は実質的に液体透過性であり、突起物659は実質的に液体不透過性である。よって、製紙組成物の液体が成形要素を通って滴り落ちる際には、組成物中の製紙繊維は上記補強構造657上に留まり、初期ウェブ543には、突起物659の大きさ、形及び位置に概ね一致する大きさ、形及び位置を持った孔が残る。
【0090】
図6に戻り、初期ウェブ543は、真空ピックアップ・シュー560の力を借りて従来からある脱水フェルト550に移される。ウェブ543は、約4パーセントの繊維コンシステンシーでフェルト550に移される。ウェブ543は、フェルト550上を、真空圧ロール572とヤンキードライヤードラム575との間に形成されたニップ570に運ばれる。ウェブ543は、ヤンキードラム575上で乾燥されて繊維コンシステンシーが約96パーセントになるが、その時点でウェブはヤンキードラム575から、ベベル角約25度、衝撃角約81度を有するドクターブレード577でクレープされる。ウェブは、ヤンキードラムの表面速度より25パーセントだけ遅い速度で(1秒間に1フィート(約0.3m)の線速度)リールに巻かれ(リール速度は、ヤンキー速度の0.75倍である)、ウェブを約25パーセント縮める。収縮したウェブは、1平方インチ当たり95グラム(1平方センチメートル当たり14.7グラム)の閉じ込め圧、及び2インチ(5.08cm)直径のload footで測定して、1平方メートル当たり約33グラムの坪量と、約12〜13ミル(0.012〜0.013インチ(0.3048〜0.3302mm)の厚さをもつことができる。生成された収縮ウェブは、少なくとも約25%の湿潤伸長性を有する第一層100を形成するために使用される。
【0091】
[第二層]
第一層100が第二層200に接合され、第一層が濡れたときに第一層100の選択された部分の伸びを制限する。第二層200は、第一層100の湿潤伸長性よりも低い湿潤伸長性を有する。
【0092】
第二層200を形成し得る適切な材料としては、織物、不織材料(air-laid、wet-laid、毛羽立て、及び水交絡不織材料)、フォーム、バットなどがある。特に好ましい材料は、「air-laying」又は或る種の「wet-laying」プロセスにおけるような、ランダムに分布した繊維又はフィラメントを有するか、又は或る種の「wet-laying」及び「毛羽立て」処理におけるような或る程度の方向性を有する不織ウェブである。
【0093】
合成材料から作られ本発明において有益な不織布生地は、広範な市販元から得ることができる。ここに有用な、適切な不織の層材料の非制限的例を以下に列挙する:約50%のレーヨン及び50%のポリエステルを含み、坪量約43グラム/平方ヤード(gsy)(約51.4グラム/平方メートル)を有し、マサチュセッツ州、ワルポールのベラテック社から入手できる有孔水交絡材料であるHEF 40−047;約50%のレーヨンと50%のポリエステルを含み、坪量約56gsy(約66.98グラム/平方メートル)を有し、マサチュセッツ州、ワルポールのベラテック社から入手できる有孔水交絡材料であるHEF 140−102;約100%のポリプロピレンを含み、坪量約50gsy(約59.80グラム/平方メートル)を有し、熱接着性グリッド−パターン材料であるノボネットR 149−616;約69%のレーヨン、約25%のポリプロピレン、及び約6%の綿を含み、坪量約75gsy(約90.19グラム/平方メートル)を有し、マサチュセッツ州、ワルポールのベラテック社から入手できる熱接着性グリド−パターン材であるノボネットR 149−801;約69%のレーヨン、約25%のポリプロピレン及び約6%の綿を含み、坪量約100gsy(約119.60グラム/平方メートル)を有し、マサチュセッツ州、ワルポールのベラテック社から入手できる熱接着性グリド−パターン材料であるノボネットR 149−191;約100%のポリエステルを含み、坪量約70gsy(約83.72グラム/平方メートル)を有し、マサチュセッツ州、ワルポールのベラテック社から入手できる、結節のある有孔水交絡材料であるHEF ヌブテッ
クスR 149−801;約75%のレーヨン、約25%のアクリル繊維を含み、坪量約43gsy(約51.43グラム/平方メートル)を有し、ニュージャージー州、ニューブランズウィックのチコピーから入手できる、乾式成形された有孔材料であるキーバクR 951V;約75%のレーヨン、約25%のポリエステルを含み、坪量約39gsy(約46.65グラム/平方メートル)を有し、ニュージャージー州、ニューブランズウィックのチコピーから入手できる有孔材料であるキーバクR 1368;約100%のレーヨンを含み、坪量約40〜約115gsy(約47.84〜約137.54グラム/平方メートル)を有し、ニュージャージー州、ニューブランズウィックのチコピーから入手できる有孔水交絡材料であるドュラレースR 1236;約100%のポリエステルを含み、坪量約40gsy〜約115gsy(約47.84〜約137.54グラム/平方メートル)を有し、ニュージャージー州、ニューブランズイックのチコピーから入手できる有孔水交絡材料であるドュラレースR 5904;約70%のレーヨン、約30%のポリエステル、及びオプションとして約5w/w%までのラテックスバインダー(EVA)を含み、約50〜約75gsy(約59.80〜約89.70グラム/平方メートル)の坪量を有するニュージャージー州、ニューブランズイックのチコピーから入手できる毛羽立てされた水交絡材料であるチコピーR 5763;50%レーヨン/50%ポリエステルから0%レーヨン/100%ポリエステル又は100%レーヨン/0%ポリエステルまでの繊維組成物を含み、坪量約30〜約70gsy(約35.88〜約83.72グラム/平方メートル)を有し、ニュージャージー州、ニューブランズウィックのチコピーから入手できる毛羽立てられた水交絡材料であるチコピーR 9900シリーズ(例えば、52gsy(62.19グラム/平方メートル)、50/50レーヨン/ポリエステルのチコピー9931、及び42gsy(50.23グラム/平方メートル)、50/50レーヨン/ポリエステルのチコピー9950);約50%のセルロース及び約50%のポリエステルを含み、坪量約60gsy(約71.76グラム/平方メートル)を有し、デュポンケミカル社から入手できる水交絡材料であるソンタラ8868。好適な不織布の生地材料は、約20gsy〜約80gsy(約23.92〜約95.68グラム/平方メートル)、より好適には約30gsy〜約70gsy(約35.88〜約83.72グラム/平方メートル)、最も好適には約35gsy〜約65gsy(約41.86〜約77.74グラム/平方メートル)の坪量を有する。
【0094】
上記生地は、例えば、平らなパッド、厚いパッド、薄いシーツ、球形の手段、不規則な形状の手段などを含む、表面積約1平方インチ(約6.45平方センチメートル)から約数百平方インチまでの大きさを有する非常に種々様々の外形形状に形成できる。正確な大きさは、所望の用途及び製品特性に依存する。特に便利なのは、約1平方インチ〜約144平方インチ(約6.45〜約929.0平方センチメートル)、好適には約10平方インチ〜約120平方インチ(約64.5〜約774.2平方センチメートル)、そしてより好適には約30平方インチ〜約80平方インチ(約193.5〜約516.1平方センチメートル)の表面積を有する四角形、丸形、矩形又は楕円形パッドである。更に、本発明の生地は、丸みのある角を有することが好ましい。この特徴は、水が、角張った四角形の生地の角に溜まるのを避ける。
【0095】
[結合]
第一層100の選択された部分を予め決めた結合パターンで第二層200に直接(又は第三の構成要素を介するなどによって間接的に)接合すると、第一層の複数の結合領域及び非結合領域ができる。図1〜図3において、結合領域は110として示され、非結合領域は114として示される。第一層100及び第二層200の各々は、機械方向を持つことができ、第一層及び第二層は、第一層の機械方向が第二層の機械方向に概ね平行となるように結合することができる。
【0096】
第一層100及び第二層200は、これに制限されないが、接着剤結合、機械的結合、熱結合、機械的熱結合、超音波結合及びこれらの組み合わせ等のような適当な方法を用いて結合される。特に、好適な実施形態においては、接着剤は、グラビヤ印刷、逆グラビヤ印刷、スクリーン印刷、フレキソグラフ印刷等の印刷法によって塗布される。一つの好適な実施形態において、EVAホットメルト接着剤は、概して図1に示すような格子模様にスクリーン印刷される。この実施形態のための適切なスクリーンは、マサチュセッツ州、ニューベッドフォードのロステック・エングレイビング社によって製造される40メッシュのガルバノスクリーンである。
【0097】
接着剤は、製品20を水で濡らしても第一層及び第二層の剥離が起きないように、水不溶性であるのが好ましい。接着剤は、好適には耐界面活性剤性でもある。「耐界面活性剤性」とは、接着剤の結合特性が界面活性剤の存在によって破壊されないことを意味する。適切な接着剤には、EVA(エチレン酢酸ビニル)ベースのホットメルト接着剤がある。適切な接着剤の一つは、ウィスコンシン州、ワウワトサのアト−フィンドリー・アデーシヴス(Ato-Findley Adhesives)からH1382‐01として商業的に販売されるホットメルト接着剤である。
【0098】
図1及び図2に関し、ホットメルト接着剤は、不織布の第二層200に、不連続で多数の非結合領域114を画成する連続的な網目状構造として塗布される。図1に示される好適な一実施形態において、接着剤は平行で間隔のある第一の方向の線として塗布され、それらの線に、第二方向の平行で間隔のある線が交差する。これらの交差線は、仕上製品において非結合領域のダイヤモンド形のパターンを形成する。図1に示された実施形態では、ホットメルト接着剤は、幅約0.01インチ〜約0.5インチ(約0.0254〜約1.27センチメートル)、好適には約0.05〜約0.07インチ(約0.127〜約0.1778センチメートル)を有する線として塗布することができる。接着剤の隣接ライン間の間隔は、約0.2インチ〜約2.0インチ(約0.508〜約5.08センチメートル)、好適には約0.4〜約0.6インチ(約1.016〜約1.524センチメートル)である。
【0099】
図3に関し、ホットメルト接着剤は、不織布の第二層200の機械方向に概ね平行に延びるバンドとして不織布の第二層に塗布される。上記ホットメルト接着剤は、約0.125インチ(約3.2mm)〜約1インチ(25.4mm)の幅W(図3)を有するストライプ310として塗布される。隣接ストライプ間の間隔Dは、約0.125〜約2インチ(約3.2〜約50.8mm)である。図3には、4本のストライプ310A、310B、310C及び310Dが示される。
【0100】
平行したストライプ、ライン又はバンドとして塗布される際、接着剤はスロットコーティング塗布具を用いて不織布の第二層200に塗布することができる。適切なスロットコーティング塗布具は、ジョージア州、ノルクロスのノードソン社から商業的に入手できる押し出しヘッド付きノードソンMXシリーズ ホットメルターである。上に引用したH1382−01接着剤は、約350°F(約177℃)の温度で、1平方インチ当たり約0.03グラム(1平方センチメートル当たり約0.0047グラム)接着剤の塗布レベルで第二層200に塗布される。接着剤を不織布の第二層200に塗布後、直ちに不織布の第二層200と紙の第一層100とを、第二層200と第一層100との間に置かれた接着剤と共にプレスすることによって、これら二つの層100及び200を接着することができる。上記二つの層100及び200をプレスする適切な一手段は、その二つの層を2つのローラーの間に形成されるニップを通過させることである。この際ローラーに負荷をかけて、接着のために十分なニップ圧を発生せしめる。
【0101】
第一層及び第二層から生成されるラミネートは、約28.5ミル(0.0285インチ(0.7239ミリメートル))の平均乾燥キャリパー、約32.1ミル(0.0321インチ(0.81534ミリメートル))の平均湿潤キャリパー、及び約1.1の、乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比を有する。乾燥キャリパー、湿潤キャリパー、及び乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比は、以下に「乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比」の項に記載されるようにして測定される。
【0102】
[湿潤伸長性試験]
層100又は層200のような層の湿潤伸長性は、下記の手順を用いて測定する。試料を試験に先立ち2時間の間、70°F、50パーセント相対湿度の条件下に置く。
【0103】
最初に、層平面における最大湿潤伸長方向が決められる。乾燥し、クレープされた巻取紙では、この方向は機械方向に平行となり、一般にはクレープされた隆起とは垂直である。
【0104】
最大湿潤伸長の方向がわからない場合、シート上に引かれた基準線に対して0度から90度までの間で配向された試料長さを持つ7つの試料をシートから切り取ることによって決めることができる。その後、それら試料を下記のように測定して最大湿潤伸長性を決める。
【0105】
ひとたび最大湿潤伸長方向が決まったならば、最大湿潤伸長方向に平行に測定して約7インチ(約17.78センチメートル)の長さと、少なくとも1インチ(2.54センチメートル)の幅とを持つ8つの試料を切り取る。試料は、層100、200の非結合部分から切り取り、もしも上記の寸法の非結合部分が製品20から切り取れない場合は、層100、200を接着する前にそれらの層から切り取る。各試料にインキペン等で2個のマークをつける。それらマークは、最大湿潤伸長の方向に平行に測定して5インチ(12.7センチメートル)の間隔をもつ。この5インチ(12.7センチメートル)の長さは、その試料の最初の乾燥試験長さである。
【0106】
各試料を水浴中の蒸留水に30秒間沈めることによって完全に濡らす。各試料を水浴から取り出し、直ちに、2本のマークが大体垂直になるように、垂直に吊るす。湿潤試料を、2本のマーク間の伸びが妨害されないように(例えば、試料の2本のマークの間には接触しないクリップで)支える。試料の湿潤試験長さは、2つのマーク間の距離である。その距離を、水浴から試料を取り出して30秒以内に測定する。
【0107】
各試料で、湿潤伸長パーセントは、次のようにして計算される
試料の湿潤伸長=(湿潤試験長さ−最初の乾燥試験長さ)/(最初の乾燥試験長さ)×100
例えば、湿潤試験長さ6.5インチ(16.51センチメートル)及び最初の乾燥試験長さ5インチ(12.7センチメートル)が測定された場合は、湿潤伸長は((6.5−5)/5)×100=30パーセントである。
【0108】
試料の湿潤伸長性は、8つの試料の湿潤伸長計算値の平均である。
【0109】
[乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比]
乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比を、下記の方法を用いてスイング−アルバート インスツルメント社の電子厚さ測定器II型で測定する。試料は、試験に先立ち、2時間の間、70°F及び50%相対湿度の条件下に置かれる。
【0110】
製品20の乾燥キャリパーを95グラム/平方インチ(14.73グラム/平方センチメートル)の閉じ込め圧及び直径2インチ(5.08センチメートル)のload footを用いて測定する。乾燥キャリパーを8つの試料について測定する。各試料で、キャリパーを第一層100の非結合領域上に中心を置いたload footで測定する。8個のキャリパー測定値を平均して平均乾燥キャリパーを出す。
【0111】
蒸留水浴中に各試料を30秒間浸漬することによって、その試料を濡らす。それから試料を水浴から取り出し、約5秒間垂直に吊るして水を切る。湿潤試料のキャリパーを、その試料を水浴から取り出した30秒以内に測定する。湿潤キャリパーを、前に乾燥キャリパーを測定した同じ位置で測定する。8個の湿潤キャリパー測定値を平均して平均湿潤キャリパーを出す。乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比は、平均湿潤キャリパーを平均乾燥キャリパーで割った値である。
【0112】
[発泡界面活性剤]
本発明の製品は、生地上に付加させるか又は生地中にしみ込ませた1種類以上の発泡界面活性剤を含む。本発明の好適な製品は、該製品が下記の泡量試験によって30ml以上の泡量を発生するように(95℃の中間硬度の水)十分量の1種類以上の発泡界面活性剤を含む。好適には、本発明の製品は、水不溶性の生地の約0.5重量%〜約12.5重量%、より好適には約0.75重量%〜約11重量%、最も好適には約1重量%〜約10重量%の発泡界面活性剤を含む。
【0113】
発泡界面活性剤とは、水と一緒にして機械的にこすった際に、製品が全体的に泡立つように十分のフォーム又は泡を発生する界面活性剤を意味する。好適には、これらの界面活性剤又は界面活性剤類の組み合わせは、マイルドでなければならない。これは、これらの界面活性剤が十分な洗浄又は界面活性効果を与える一方、皮膚又は毛髪を過度には乾燥せず、しかも上記の泡立ち基準に適合することを意味する。
【0114】
種々様々の発泡界面活性剤がここでは有用であり、アニオン性発泡界面活性剤、非イオン性発泡界面活性剤、両性発泡界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。一般に、発泡界面活性剤は、コンディショニング剤の付着を強くは阻害せず、例えば、かなり水溶性で、通常約10より高いHLB値を有する。カチオン性界面活性剤も、必要な発泡界面活性剤の全体的泡特性にマイナスの影響を与えない限り、任意成分として使用できる。
【0115】
[アニオン性発泡界面活性剤]
本発明の組成物に有用なアニオン性発泡界面活性剤の非制限的例は、allured出版会社から出版されたマクカッチョン著、洗剤及び乳化剤、北米版(1986);マクカッチョン著、機能的物質、北米版(1992);及び1975年12月30日発行のローリンらの米国特許第3,929,678号に開示されており、これらは引用により完全な形でここに組み込まれる。
【0116】
本発明においては、種々様々なアニオン性界面活性剤が有用である。アニオン性発泡界面活性剤の非制限的例は、サルコシネート類、スルフェート類、イセチオネート類、タウレート類、ホスフェート類、ラクチレート類、グルタメート類、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。イセチオネート類の中では、アルコイルイセチオネート類が好ましい。スルフェート類の中では、アルキル及びアルキルエーテルスルフェート類が好ましい。アルコイルイセチオネートは、一般的には、式RCO−OCHCHSOMを有し、上記式中、Rは炭素原子約10〜約30個のアルキル又はアルケニルであり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミン等の水溶性カチオンである。これらのイセチオネートの非制限的例には、アンモニウムココイルイセチオネート、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムラウロイルイセチオネート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルコイルイセチオネート類が含まれる。
【0117】
アルキル及びアルキルエーテルスルフェート類は、典型的には、それぞれの式ROSOM及びRO(CO)SOMを有し、上記式中、Rは炭素原子が約10〜約30個のアルキル又はアルケニル、xは約1〜約10であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミン等の水溶性カチオンである。アニオン性界面活性剤のその他の適した群は、下記の式で表される有機性硫酸反応生成物の水溶性塩である:
R1--SO--M
上記式中、R1は炭素原子約8〜約24個、好適には約10〜約16個を有する直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、且つMはカチオンである。また、別のアニオン性合成界面活性剤類には、スクシナメート、炭素原子が約12〜約24個のオレフィンスルホネート、及びb−アルキルオキシ アルカン スルホネートと呼ばれる群が含まれる。これら物質の例は、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウムである。
【0118】
ここで有用なその他のアニオン性物質は、脂肪酸の石鹸類(即ち、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又カリウム塩)、一般的には、約8〜約24個の炭素原子、好適には約10〜約20個の炭素原子を有するものである。石鹸の製造に用いられる脂肪酸は、天然資源、例えば、植物又は動物由来グリセリド類(例えば、ヤシ油、ココナツ油、大豆油、ヒマシ油、タロウ、ラード等)から得ることができる。脂肪酸は、合成によっても製造できる。石鹸類は、米国特許第4,557,853号においてより詳細に記載されている。
【0119】
その他のアニオン性物質には、モノアルキル、ジアルキル及びトリアルキル燐酸塩等のホスフェート類がある。
【0120】
その他のアニオン性物質は、式RCON(CH)CHCHCOMに相当するアルカノイル サルコシネート類を含み、上記式中、Rは炭素原子が約10〜約20個のアルキル又はアルケニルであり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)等の水溶性カチオンであり、この好適例は、ラウロイルサルコシネートナトリウム、ココイルサルコシネートナトリウム、ラウロイルサルコシネートアンモニウム、及びミリストイルサルコシネートナトリウムである。サルコシネート類のTEA塩も有用である。
【0121】
2−アミノエタンスルホン酸としても知られているタウリンをベースにしたタウレートも有用である。特に有用なのは、C8〜C16炭素鎖を有するタウレートである。タウレートの例には、引用により完全な形で本明細書に組み込まれた米国特許第2,658,072号の教示によるドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとの反応によって作られるようなN−アルキルタウリン等がある。その他の非制限的例には、ラウロイルメチルタウレート、ミリストイルメチルタウレート及びココイルメチルタウレートのアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びアルカノールアミン(例:トリエタノールアミン)塩がある。
【0122】
ラクチレート類、特にC8〜C16炭素鎖を有するものも有用である。ラクチレートの非制限的例は、ラウロイルラクチレート、ココイルラクチレート、ラウロイルラクチレート、及びカプロイルラクチレートのアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びアルカノールアミン(例:トリエタノールアミン)塩を含む。
【0123】
ここでグルタメート類、特にC8〜C16炭素鎖を有するものもアニオン性界面活性剤として有用である。グルタメートの非制限的例は、ラウロイルグルタメート、ミリストイルグルタメート及びココイルグルタメートのアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びアルカノールアミン(例:トリエタノールアミン)塩を含む。
【0124】
ここで有用な好適なアニオン性発泡界面活性剤の非制限的例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルラクチル ナトリウム、ラウロイルラクチル トリエタノールアミン、カプロイルラクチル ナトリウム、ラウロイルサルコシン ナトリウム、ミリストイルサルコシン ナトリウム、ココイルサルコシン ナトリウム、ラウロイル メチルタウリン ナトリウム、ココイル メチルタウリン ナトリウム、ラウロイル グルタミン酸ナトリウム、ミリストイル グルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0125】
本発明に特に好適に使用できるのは、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン ナトリウム、ココイルサルコシン ナトリウム、ミリストイルサルコシン ナトリウム、ラウロイルラクチル ナトリウム、及びラウロイル ラクチル トリエタノールアミンである。
【0126】
[非イオン性発泡界面活性剤]
本発明の組成物に使用するための非イオン性発泡界面活性剤の非制限的例は、allured出版会社から出版されたマクカッチョン著、洗剤及び乳化剤、北米版(1986);マクカッチョン著、機能的物質、北米版(1992)に開示されており、これらは引用により両方共完全な形で本明細書に組み込まれる。
【0127】
本発明に有用な非イオン性発泡界面活性剤には、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシル化脂肪酸エステル類、発泡スクロースエステル類、アミンオキシド類及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。
【0128】
アルキルグルコシド類及びアルキルポリグルコシド類は本発明に有用であり、広義には、長鎖アルコール、例えば、C8〜30アルコールと、糖若しくは澱粉、又は糖若しくは澱粉ポリマー類との縮合生成物、即ちグリコシド類又はポリグリコシド類と定義することができる。これらの化合物は式(S)n−O−Rによって表され、ここでSはグルコース、フルクトース、マンノース及びガラクトース等の糖部分であり、nは約1から約1000までの整数であり、RはC8〜30アルキル基である。アルキル基を誘導し得る長鎖アルコールの例には、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、 ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール等がある。これらの界面活性剤の好適例は、Sがグルコース部分で、RがC8〜20アルキル基で、nが約1〜約9の整数であるものを含める。これらの界面活性剤の商業的に入手できる例には、デシルポリグルコシド(ヘンケルからAPG325として入手できる)及びラウリルポリグルコシド(ヘンケルからAPG600CS及び625CSとして入手できる)等がある。スクロース ココエート及びスクロース ラウレート等のスクロースエステル界面活性剤
も有用である。
【0129】
その他の有用な非イオン性界面活性剤には、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤があり、そのより特殊な例としては、次の構造式に相当するグルコサミド類がある:
【0130】
【化1】

【0131】
上記式中、R1はH、C1〜C4アルキル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−プロピル、好適にはC1〜C4アルキル、より好適にはメチル又はエチル、最も好適にはメチルであり;R2はC5〜C31アルキル又はアルケニル、好適にはC7〜C19アルキル又はアルケニル、より好適にはC9〜C17アルキル又はアルケニル、最も好適にはC11〜C15アルキル又はアルケニルであり;Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に結合している線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分、又はそのアルコキシル化誘導体(好適には、エトキシル化又はプロポキシル化)である。Zは好適にはグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、キシロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される糖部分である。上記構造に一致する特に好適な界面活性剤は、ココナツアルキルN−メチルグルコシドアミド(即ち、上記式中R2CO−部分がココナツ油脂肪酸から誘導される)である。ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類を含む組成物類の製法は、例えば、1959年2月18日に公開されたトーマスヘドリー社による英国特許明細書第809,060号;1960年12月20日に発行されたイー.アール.ウィルソンの米国特許第2,965,576号;1955年3月8日発行のエー.エム.シュワルツの米国特許第2,703,798号;及び1934年12月25日発行のピゴットの米国特許第1,985,424号に開示されている。これらは引用により、完全な形で本明細書に組み込まれる。
【0132】
非イオン性界面活性剤のその他の例は、アミンオキシド類を含んでいる。アミンオキシドは、一般式R1R2R3NOに相当し、ここにおいて、R1は炭素原子が約8〜約18個のアルキル、アルケニル又はモノヒドロキシアルキル基、0〜約10個のエチレンオキシド部分、及び0〜約1個のグリセリル部分を含み、R2及びR3は約1〜約3個の炭素原子及び0〜約1個のヒドロキシ基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル基を含む。式中の矢は、半極性結合の一般的表示である。本発明に適切に使用できるアミンオキシドの例は、ジメチル−ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルオクチルアミンオキシド、ジメチル−デシルアミンオキシド、ジメチル−テトラデシルアミンオキシド、3,6,9−トリオキサヘプタデシルジエチルアミンオキシド、ジ(2−ヒドロキシエチル)−テトラデシルアミンオキシド、2−ドデコキシエチルジメチルアミンオキシド、3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルジ(3−ヒドロキシプロピル)アミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシドを含める。
【0133】
本発明に用いられる好適な非イオン界面活性剤の非制限的例は、C8〜C14グルコースアミド類、C8〜C14アルキルポリグルコシド類、スクロース ココエート、スクロース ラウレート、ラウラミン オキシド、ココアミン オキシド及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0134】
[両性発泡界面活性剤]
本明細書に用いる用語「両性発泡界面活性剤」は、当業者には両性界面活性剤のサブセットとして知られている双極イオン性界面活性剤も包含するものとする。
【0135】
種々様々の両性発泡界面活性剤を本発明の組成物に使用できる。特に有用なのは、脂肪族第二及び第三アミンの誘導体として広く記載されているものであり、その中で、特に窒素がカチオン状態にあり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖で、それらラジカルの一つがイオン化可能の水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートであるものが好ましい。
【0136】
本発明の組成物に有用な両性界面活性剤の非制限的例は、allured出版会社によって出版されたマクカッチョンの洗剤及び乳化剤、北米版(1986);及びマクカッチョン著、機能的材料、北米版(1992)に開示されており、これらは共に、引用により完全な形で本明細書に組み込まれる。
【0137】
両性又は双極イオン性界面活性剤の非制限的例は、ベタイン類、サルテイン類、ヒドロキシサルテイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0138】
ベタインの例は、比較的高次のアルキルベタイン類、例えば、ココジメチルカルボキシメチル ベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチル ベタイン、ラウリルジメチル アルファカルボキシエチル ベタイン、セチルジメチルカルボキシメチル ベタイン、セチルジメチルベタイン(ロンザ社からロンザイン16SPとして入手できる)、ラウリル ビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチル ガンマ−カルボキシプロピル ベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチル ベタイン、ココジメチルスルホプロピル ベタイン、ラウリルジメチルスルホエチル ベタイン、ラウリル ビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピル ベタイン、アミドベタイン類及びアミドスルホベタイン類(ここでは、RCONH(CH
ラジカルがベタインの窒素原子に結合している)、オレイルベタイン(ヘンケルから両性ベルベテックス OLB−50として入手できる)、及びコカミドプロピル ベタイン(ヘンケルからベルベテックスBK−35及びBA−35として入手できる)を含む。
【0139】
サルテイン類及びヒドロキシサルテイン類の例は、コカミドプロピルヒドロキシサルテイン(ローヌ−プーランからミラテイン CBSとして入手できる)等の材料を含む。
【0140】
ここで好適に使用できるのは、下記の構造を有する両性界面活性剤である:
【0141】
【化2】

【0142】
上記式中、R1は炭素原子約9〜約22個の未置換、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖アルキルである。好適なR1は炭素原子約11〜約18個を有する;より好適には約12
〜約18個の炭素原子;更により好適には約14〜約18個の炭素原子を有する;mは1〜約3の整数、より好適には約2〜約3の整数、更により好適には約3である;nは0か1であり、好適には1である;R2及びR3は炭素原子1〜約3個を有する、未置換又はヒドロキシでモノ置換されているアルキルからなる群から独立して選択され、好適なR2及びR3はCHであり;XはCO、SO及びSOからなる群から選択され;R4は未置換又はヒドロキシによりモノ置換された、炭素原子1〜約5を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖アルキルからなる群から選択される。XがCOであるとき、R4は好適には1〜3個の炭素原子を有し、より好適には1個の炭素原子を有する。XがSO又はSOであるとき、R4は好適には約2〜約4個の炭素原子を有し、より好適には3個の炭素原子を有する。
【0143】
本発明の両性界面活性剤の例には下記の化合物がある:
セチルジメチル ベタイン(この材料はCTFA命名法ではセチルベタインとも呼ばれる)
【0144】
【化3】

【0145】
コカミドプロピルベタイン
【0146】
【化4】

【0147】
式中、Rは約9〜約13個の炭素原子を有する。
コカミドプロピルヒドロキシサルテイン
【0148】
【化5】

【0149】
式中、Rは約9〜約13個の炭素原子を有する。
【0150】
その他の有用な両性界面活性剤の例は、アルキルイミノアセテート類、及び式RN[(CH)COM]及びRNH(CH)COMで表されるイミノジアルカノエート類及びアミノアルカノエート類である;ここでmは1〜4であり、RはC8〜C22アルキル又はアルケニルであり、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属アンモニウム又はアルカノールアンモニウムである。また、イミダゾリニウム及びアンモニウム誘導体も含まれる。適切な両性界面活性剤の特別の例は、3−ドデシル−アミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、引用により完全な形で本明細書に組み込まれた米国特許第2,438,091号の教示により製造されるようなN−高次アルキルアスパラギン酸;そして「ミラノール」という製品名で販売され、引用により完全な形で本明細書に組み込まれた米国特許第2,528,378号に記載された製品を含む。有用な両性界面活性剤のその他の例は、両性ホスフェート、例えば、コアミドプロピルPG−ジモニウム燐酸塩化物(モナ社からモナカットPTCとして商業的に入手できる)等を含む。ラウロアンフォ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム等のアンフォアセテート類及びこれらの混合物なども有用である。
【0151】
本発明に使用できる好適な発泡界面活性剤は次の通りであるが、ここにおいて、アニオン性発泡界面活性剤は、ラウロイルサルコシンアンモニウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオネート アンモニウム、ココイルイセチオネート ナトリウム、ラウロイルイセチオネート ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイルラクチル ナトリウム、ラウロイルラクチル トリエタノールアミン及びこれらの混合物からなる群から選択され;非イオン性発泡界面活性剤は、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、デシルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、スクロースココエート、C12〜14グルコサミド類、スクロースラウレート及びこれらの混合物からなる群から選択され;そして両性発泡界面活性剤は、ラウロアンフォ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピル ベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシ サルテイン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0152】
[泡量試験]
本発明の製品は、上記製品が好適には平均泡量約30ml以上、より好適には約50ml以上、更により好適には約75ml以上、最も好適には約150ml以上発生することができるのに十分な発泡界面活性剤を含むのが好ましい。平均泡量とは、泡量試験によって決められる測定値である。この試験は、ここに記載の製品によって発生する泡/フォームの量の確実な測定値である。泡量試験手順は、以下に記載される:
(1)試験を行う前に手をアイボリー石鹸で洗う。このステップは、測定精度に影響し得る汚れを全て除去する。
(2)試験製品を、利き手でない方の手に開いたままにし、端を折り返す。
(3)95℃の水(約8〜10グレン/ガロンの中間的硬度)10m.を10ccスポイト又はブリンクマン・リピペッターによって試験製品上に加える。
(4)試験製品を利き手で円を描くように手のひら間で適度な圧力(例えば、4オンス(0.113kg))で6秒間こすり(毎秒2回まわす)、製品を手のひら間でぐしゃぐしゃにする。
(5)それから試験製品を利き手でない方の手に開いておき、更に95℃の水(約8〜10グレン/ガロンの中間的硬度)10mlを10ccスポイト又はブリンクマン・リピペッターによって試験製品上に加える。湿潤製品を再び適度な力(例えば、4オンス(0.113kg))をかけて利き手でこする(3回転)と、試験製品は手のひらの間でぐしゃぐしゃになる。
(6)その後、試験製品を開き、製品の一端を片方の手に持ち、他端を持つ手をまわすというやり方で5回こすり、更に泡立てる。
(7)試験製品をさっとひっくり返し、ステップ#6を他の手を用いて繰り返す。
(8)カップ形にした手に試験製品を入れ、他の手で試験製品から泡をかき取ることによって泡を集める。試験製品から泡だけをかき取るように注意する。試験製品からの泡を、生成した泡が入るような十分大きい目盛り付きシリンダー又はビーカーに入れる。この方法を同じ試験製品で5回繰り返す。各反復回からの泡を同じ目盛りつきシリンダー又はビーカーに蓄積する。これらの反復操作から集められた泡を泡量と呼ぶ。
(9)一貫した結果を得るために、平均泡量は、試験試料の段階1〜8の3回の繰り返しの平均として報告される。
【0153】
[コンディショニング成分]
本発明の製品は、上記製品の使用中に皮膚又は毛髪にコンディショニング効果を与えるために有用なコンディショニング成分を更に含むことができる。上記コンディショニング成分は、前記水不溶性生地の約0.05重量%〜約99重量%、好適には約0.1重量%〜約50重量%、そしてより好適には約1重量%〜約25重量%を構成する。
【0154】
本発明のコンディショニング成分は:水溶性コンディショニング剤;油溶性コンディショニング剤;コンディショニングエマルション;又はこれら3者の組み合わせを含むことができる。油溶性コンディショニング剤は、1種類以上の油溶性コンディショニング剤から、油溶性コンディショニング剤の加重算術平均溶解度係数が10.5以下になるように選択される。水溶性コンディショニング剤は、1種類以上の水溶性コンディショニング剤から、該水溶性コンディショニング剤の加重算術平均溶解度係数が10.5より大きくなるように選択される。この溶解度係数の数学的定義に基づき、例えば、2種類以上の化合物を含む油溶性コンディショニング剤では、上記化合物類の1つが10.5より大きい個々の溶解度係数をもつとしても、要求される加重算術平均溶解度係数、即ち10.5以下を得ることができると理解できる。反対に、2種類以上の化合物を含んでなる水溶性コンディショニング剤では、もしその化合物類の1つが10.5以下の個々の溶解度係数を有するとしても、適切な加重算術平均溶解度係数、即ち10.5より大きい数値を得ることができる。
【0155】
溶解度係数は、当該分野の通常の知識を有する製剤化学者には良く知られており、製剤プロセスにおける材料の相溶性及び溶解性を測定するための指針として日常的に用いられる。
【0156】
化学化合物の溶解度係数δは、その化合物の凝集エネルギー密度の平方根として定義される。一般的には、ある化合物の溶解度係数は、その化合物の成分の蒸発熱及びモル
体積に対する添加物群寄与の数表表示値から下記の式を用いて計算される。
【0157】
【数1】

【0158】
式中、ΣiEi=蒸発熱加群寄与の総和、及び
Σimi=モル体積加群寄与の総和である。
種々の原子及び原子群の蒸発熱及びモル体積の加群寄与の標準的表示は、A.F.M.バートン著、溶解度係数ハンドブック、CRCプレス、6章、表3、64−66ページ(1985)に集められ、これは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。上記の溶解度係数の式は、アール.エフ.フェドーズの「液体の溶解度係数及びモル体積の推定法」、ポリマー エンジニアリング アンド サイエンス、14巻、2号、147−154ページ(1974年2月)に記載され、これは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。
【0159】
溶解度係数は、「ある材料混合物の溶解度係数は、その混合物の各成分の溶解度係数の加重算術平均(即ち、加重平均)によって与えられる」という混合物の法則に従う。引用により完全な形で本明細書に組み込まれている化学及び物理学ハンドブック、第57版、CRCプレス、C−726頁(1976−1977)を参照されたい。
【0160】
製剤化学者は、一般的に溶解度係数を(cal/cm1/2の単位で報告し、使用する。「溶解度係数ハンドブック」中の蒸発熱の加群寄与の表示値は、kJ/molの単位で報告されている。しかし、これらの作表蒸発熱値は、下記の公知の関係を用いて容易にcal/molに変換される:
1J/mol=0.239006cal/mol及び1000J=1kJ
エー.ジェー.ゴードンらの「ケミスト コンパニオン」、ジョンウィリー&ソンズ、456−463頁(1972)を参照されたい。これは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。
【0161】
溶解度係数は、種々様々の化学物質についても表示されている。溶解度係数の表示値は、上記の「溶解度係数ハンドブック」に見いだされる。「製品、包装、浸透及び保存における溶解度効果」、シー.デー.ボーガン、コスメティクス アンド トイレタリーズ、103巻、1988年10月、47−69頁も参照されたい。これは引用により完全な形で本明細書に組み込まれて
いる。
【0162】
油溶性コンディショニング剤として有用なコンディショニング剤の非制限的例は、鉱油、ペテロラタム、C7〜C40分岐鎖炭化水素類、C1〜C30カルボン酸のC1〜C30アルコールエステル類、C2〜C30ジカルボン酸のC1〜C30アルコールエステル類、C1〜C30カルボン酸のモノグリセリド類、C1〜C30カルボン酸のジグリセリド類、C1〜C30カルボン酸のトリグリセリド類、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールモノエステル類、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールジエステル類、C1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールモノエステル類、C1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールジエステル類、糖のC1〜C30カルボン酸モノエステル類及びポリエステル類、ポリジアルキルシロキサン類、ポリジアリールシロキサン類、ポリアルカリルシロキサン類、珪素原子3〜9個を有するシクロメチコン類、植物油、水素化植物油、ポリプロピレングリコールC4〜C20アルキルエーテル類、ジC8〜C30アルキルエーテル類、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。
【0163】
ペテロラタム液としても知られている鉱油は、石油から得られる液体炭化水素類の混合物である。メルクインデックス、第10版、エントリー7048、1033ページ(1983)及び国際化粧品成分辞典、第5版、1巻、415−417頁ジ(1993)を参照されたい。これらは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。
【0164】
石油ゼリーとしても知られているペテロラタムは、非直鎖固体炭化水素及び高沸点液体炭化水素のコロイド系であり、液体炭化水素の大部分は、ミセル内に保持されている。メルクインデックス、第10版、エントリー7048、1033頁(1983);シンドラー、ドラグ. コスメット. 工業 89巻、36−37、76、78−80、82頁(1961);及び国際化粧品成分辞典、第5版、1巻、537頁(1993)を参照されたい。これらは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。
【0165】
炭素原子約7〜約40個を有する直鎖及び分岐鎖炭化水素がここでは有用である。これらの炭化水素化合物の非制限的例は、ドデカン、イソドデカン、スクアラン、コレステロール、水素化ポリイソブチレン、ドコサン(即ち、C22炭化水素)、ヘキサデカン、イソヘキサデカン(ニュージャージー州、サウスプレンフィールドのプレスパーズからパーメチル(登録商標)101Aとして販売されている市販炭化水素)を含む。C7〜C40分岐鎖炭化水素であるC7〜C40イソパラフィンも有用である。
【0166】
直鎖及び分岐鎖物質並びに芳香族誘導体を含む、C1〜C30カルボン酸及びC2〜C30ジカルボン酸のC1〜C30アルコールエステルも有用である。エステル類、例えばC1〜C30カルボン酸のモノグリセリド類、C1〜C30カルボン酸のジグリセリド類、C1〜C30カルボン酸のトリグリセリド類、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールモノエステル類、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールジエステル類、C1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールモノエステル類、C1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールジエステル類も有用である。直鎖、分岐鎖のアリールカルボン酸がここには含まれる。これらの物質のプロポキシル化及びエトキシル化誘導体も有用である。非制限的例には、ジイソプロピルセバセート、ジイソプロピルアジペート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ミリスチルプロピオネート、エチレングリコールジステアレート、2−エチルヘキシルパルミテート、イソデシル ネオペンタノエート、ジ−2−エチルヘキシルマレエート、セチルパルミテート、ミリスチルミリステート、ステアリルステアレート、セチルステアレート、ベヘニルベヘンレート、ジオクチルマレエート、ジオクチルセバセート、ジイソプロピルアジペート、セチルオクタノエート、ジイソプロピルジリノレエート、カプリル/カプリン トリグリセリド、PEG−6カプリル/カプリン トリグリセリド、PEG−8カプリル/カプリン トリグリセリド、及びこれらの混合物等がある。
【0167】
グリセリンの種々のC1〜C30モノエステル類及びポリエステル類及び関連物質も有用である。これらのエステル類は、グリセリン及び1つ以上のカルボン酸部分から誘導される。構成酸及びグリセリンにより、これらのエステル類は、室温において液体にも固体にもなる。固体エステル類の非制限的例は、グリセリル トリベヘネート、グリセリル ステアレート、グリセリル パルミテート、グリセリル ジステアレート、グリセリル ジパルミテートを含む。
【0168】
糖の種々のC1〜C30モノエステル類及びポリエステル類及び関連物質も有用である。これらのエステルは、糖又はポリオール部分と、1つ以上のカルボン酸部分とから誘導される。構成酸及び糖に依って、これらのエステル類は、室温で液体とも固体形ともなる。液体エステルの例は、次のものを含む:グルコース テトラオレエート、大豆油脂肪酸(不飽和)のグルコーステトラエステル類、混合大豆油脂肪酸のマンノーステトラエステル類、オレイン酸のガラクトース テトラエステル類、リノール酸のアラビノーステトラエステル類、キシロース テトラリノレエート、ガラクトース ペンタオレエート、ソルビトール テトラオレエート、不飽和大豆油脂肪酸のソルビトール ヘキサエステル類、キシリトール ペンタオレエート、スクロース テトラオレエート、スクロース ペンタオレエート、スクロース ヘキサオレエート、スクロース ヘパトレエート、スクロース オクタオレエート、及びこれらの混合物。固体エステルの例は、次のものを含む:カルボン酸エステル部分が1:2のモル比のパルミトレエートとアラキデートであるソルビトール ヘキサエステル;カルボン酸エステル部分が1:3のモル比のリノレエートとベヘネートであるラフィノース オクタエステル;エステル化カルボン酸部分が、3:4のモル比のひまわり油脂肪酸とリグノセレートであるマルトース ヘプタエステル;エステル化カルボン酸部分が、 2:6のモル比のオレエートとベヘネートであるスクロース オクタエステル;及びエステル化カルボン酸部分が1:3:4のモル比のラウレートとリノレエートとベヘネートであるスクロース オクタエステル。好適な固体材料は、エステル化度が7〜8で、脂肪酸部分がC18モノ−及び/又はジ不飽和及びベヘンであり、不飽和:ベヘンのモル比が1:7〜3:5であるスクロースポリエステルである。特に好適な固体の糖ポリエステルは、分子中に約7のベヘン脂肪酸部分と約1のオレイン酸部分とが存在するスクロース オクタエステルである。その他の材料は、スクロースの綿実油又は大豆油脂肪酸エステル類である。これらのエステル化合物は、米国特許第2,831,854号、1977年1月25日発行のジャンダセクの米国特許第4,005,196号;1977年1月25日発行のジャンダセクの米国特許第4,005,195号、1994年4月26日発行のレットンらの米国特許第5,306,516号;1994年4月26日発行のレットンらの米国特許第5,306,515号;1994年4月26日発行のレットンらの米国特許第5,305,514号;1989年1月10日発行のジャンダセクらの米国特許第4,797,300号;1976年6月15日発行のリジ)らの米国特許第3,963,699号;1985年5月21日発行のボルペンハインの米国特許第4,518,772号;及び1985年5月21日発行のボルペンハインの米国特許第4,517,360号により詳細に記載されている。これらは全て引用によりそのまま本明細書に組み込まれている。
【0169】
ポリジアルキルシロキサン類、ポリジアリールシロキサン類及びポリアルカリルシロキサン類などの不揮発性シリコーン類も有用な油である。これらシリコーン類は、1991年12月3日発行のオルの米国特許第5,069,897号に開示され、これは引用によりそのまま本明細書に組み込まれている。ポリジアルキルシロキサンは、一般化学式RSiO[RSiO]SiRで表され、前記式中、Rはアルキル基(好適には、Rはメチル又はエチル、より好適にはメチル)、そしてxは所望の分子量を得るために選択される約500までの整数である。商業的に入手できるポリジアルキルシロキサンは、ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサン類を含み、その非制限的例は、ゼネラル・エレクトリック社から販売されているヴィカシル(登録商標)シリーズ及びダウ・コーニング社から販売されるダウコーニング(登録商標)200シリーズを含む。本発明に有用なポリジメチルシロキサンの特殊な例は、10センチストークスの粘度及び200℃より高い沸点を有するダウコーニング(登録商標)225液、及び粘度がそれぞれ50、350及び12,500センチストークスで、沸点が200℃より高いダウコーニング(登録商標)200液を含む。トリメチルシロキシシリケートなどの材料も有用であり、それは一般化学式[(CH)SiO1/2][SiO]で表され、上記式中、xは約1〜約500の整数であり、yは約1〜約500の整数である重合物質である。市販のトリメチルシロキシシリケートは、ジメチコンとの混合物として、ダウコーニング(製品名)593液として販売されている。ヒドロキシ末端ジメチルシリコーンであるジメチコノール類もここでは有用である。これらの材料は、一般化学式RSiO[RSiO]SiR2OH及びHORSiO[RSiO]SiROHによって表され、ここでRはアルキル基(好適には、Rはメチル又はエチル、より好適にはメチル)、そしてxは所望の分子量を得るために選択される約500までの整数である。市販のジメチコノールは、一般にはジメチコン又はシクロメチコン(例、ダウコーニング(登録商標)1401、1402、及び1403フルード)との混合物として販売されている。ポリアルキルアリールシロキサン類もここでは有用であり、25℃で約15〜約65センチストークスの粘度を有するポリメチルフェニルシロキサン類が好適である。これらの材料は、例えば、SF1075メチルフェニル フルード(ゼネラル・エレクトリック社から販売)及び556化粧品級フェニルトリメチコンフルード(ダウコーニング社から販売)として入手できる。
【0170】
植物油及び水素化植物油も本発明において有用である。植物油及び水素化植物油の例は、サフラワー油、ひまし油、ココナツ油、綿実油、メンハーデン油、ヤシ種油、パーム油、ピーナツ油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、米糠油、松根油、ごま油、ひまわり種油、水素化サフラワー油、水素化ひまし油、水素化ココナツ油、水素化綿実油、水素化メンハーデン油、水素化ヤシ種油、水素化ヤシ油、水素化ピーナツ油、水素化大豆油、水素化菜種油、水素化亜麻仁油、水素化米糠油、水素化ゴマ油、水素化ひまわり種油、及びこれらの混合物を含む。
【0171】
プロピレングリコール類のC4〜C20アルキルエーテル類、ポリプロピレングリコールのC1〜C20カルボン酸エステル類、及びジC8〜C30アルキルエーテル類も有用である。これらの材料の非制限的例は、PPG−14ブチルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、ジオクチルエーテル、ドデシルオクチルエーテル、及びこれらの混合物を含む。
【0172】
水溶性コンディショニング剤として有用なコンディショニング剤の非制限的例は、多価アルコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコール類、尿素、ピロリドンカルボン酸、エトキシル化及び/又はプロポキシル化C3〜C6ジオール類及びトリオール類、アルファ−ヒドロキシC2〜C6カルボン酸、エトキシル化及び/又はプロポキシル化砂糖、ポリアクリル酸コポリマー類、約12個までの炭素原子を有する糖、約12個までの炭素原子を有する糖アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。有用な水溶性コンディショニング剤の特殊な例は、尿素;グアニジン;グリコール酸及びグリコレート塩(例、アンモニウム及び第四アルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例:アンモニウム及び第四アルキルアンモニウム);スクロース、フルクトース、グルコース、エルトロース、エリトリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなど;PEG−2、PEG−3、PEG−30、PEG−50などのポリエチレングリコール、PPG−9、PPG−12、PPG−15、PPG−17、PPG−20、PPG−26、PPG−30、PPG−34等のポリプロピレングリコール類;アルコキシル化グルコース;ヒアルロン酸;及びこれらの混合物を含む。アロエベラの種々の形(例えば、アロエベラ・ゲル)、キチン、澱粉グラフト ポリアクリル酸ナトリウム、例えばサンウェット(RTM)IM−1000、IM−1500、IM−2500等(バージニア州、ポーツマスのセレネーズ・スーパーアブソルベント・マテリアルズ、から入手可能);ラクタミド モノエタノールアミン;アセタミド モノエタノールアミン;及びこれらの混合物等の材料も有用である。1990年12月11日発行のオルらの米国特許第4,976,953号に記載されているプロポキシル化グリセロールに記載のプロポキシル化グリセロール類も有用であり、これは引用によりそのままの形で本明細書に組み込まれている。
【0173】
本発明のコンディショニング成分は、製品の使用中に皮膚又は毛髪にコンディショニング効果を与えるために有用なコンディショニングエマルションも含むことができる。ここに用いる用語「コンディショニングエマルション」は、油溶性物質を含んでいる連続相によって包まれた、水溶性コンディショニング剤を含んでいる分散相の組み合わせを意味する。好適な実施形態において、コンディショニングエマルションは、乳化剤も更に含む。コンディショニングエマルションは、前記水不溶性生地の約0.25%〜約150%、好適には約0.5%〜約100%、より好適には約1%〜約50%を構成する。コンディショニングエマルションとは、油溶性物質を含んでなる連続相に包まれた、水溶性コンディショニング剤を含む分散相の組み合わせを意味する。好適な実施形態において、コンディショニングエマルションは乳化剤も更に含む。
【0174】
コンディショニングエマルションは、(i)上記のような水溶性コンディショニング剤を含む分散相と、(ii)前文には、油溶性コンディショニング剤の項に、また後文には「脂質硬度値を高めるために用いる材料」の項に記載されている油溶性物質を含む連続相を含む。別の実施形態において、コンディショニングエマルションは、前記分散相及び連続相のエマルションを生成することができる乳化剤を更に含む。分散相及び連続相のエマルションを形成することができる乳化剤が本発明において好ましいとはいえ、乳化剤を使用せずに、油溶性材料が水溶性コンディショニング剤を包むことができることは、スキンケア製剤の分野において認識されている。水溶性コンディショニング剤が油溶性物質によって包まれ、そのため洗浄プロセス中にすすぎ流されずに保護される限り、該組成物は本発明の範囲内にある。
【0175】
任意に、分散相は、コンディショニングエマルションの安定性に悪影響を与えないその他の水溶性又は分散性物質を含むことができる。そのような材料の一つは、水溶性電解質である。溶解した電解質は、脂質相に存在する物質の水相に溶解する傾向を最小にする。分散相にイオン強度を与えることができる電解質も用いることができる。適当な電解質には、水溶性ハロゲン化物等の、水溶性一価−、二価−、又は三価無機塩類、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩化物、硝酸塩及び硫酸塩等がある。このような電解質の例としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び炭酸水素ナトリウム等がある。電解質は、一般に分散相の約1〜約20%の範囲の濃度で含まれる。
【0176】
分散相に存在し得るその他の水溶性又は分散性物質には、増粘剤及び粘度調整剤がある。適切な増粘剤及び粘度調整剤には、水溶性ポリアクリル及び疎水性に変性されたポリアクリル樹脂、例えば、カーボポール(Carbopol)及びペムレン(Pemulen)等、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉等の澱粉類、タピオカ、ガールゴムやアラビアゴム等のゴム類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類等がある。これらの増粘剤及び粘度調整剤は、典型的には分散相の約0.05〜約0.5%の濃度で含まれる。
【0177】
内部水相に存在し得るその他の水溶性又は分散性物質には、水−脂質界面で立体安定性をもたらすポリカチオン性ポリマー、及び油中水エマルションを安定させる非イオン性ポリマー類がある。適切なポリカチオン性ポリマー類には、レテン(Reten)201、カイメン(Kymene)557H(登録商標)及びアッコ(Acco)7112等がある。適切な非イオン性ポリマーには、カーボワックス等のグリコール類(PEG)がある。これらのポリカチオン性及び非イオン性ポリマー類は、一般には分散相の約0.1〜約1.0%の範囲の濃度で含まれる。
【0178】
コンディショニングエマルションを含む本発明の好適な実施形態は、分散相及び連続相のエマルションを生成し得る乳化剤を含む。本発明のエマルションにおいて、乳化剤は、有効量分が含まれる。「有効量」となり得る量は、多くの要因、例えば、油溶性作用物質のそれぞれの量、使用乳化剤のタイプ、乳化剤に存在する不純物の濃度等の要因に依存する。一般的に、乳化剤は、コンディショニングエマルションの約0.1重量%〜約20重量%、好適には約1重量%〜約10重量%、より好適には約3重量%〜約6重量%である。
【0179】
本発明に有用な乳化剤は、一般的には油溶性であるか、又は特に脂質物質が溶融する温度で油溶性連続相物質と混和可能である。それはまた、比較的低いHLB値を持っていな
ければならない。本発明に適切に使用できる乳化剤は、約1〜約7の範囲のHLB値を有し、種々の乳化剤の混合物を含む。好適には、これらの乳化剤は、約1.5〜約6のHLB値、より好適には約2〜約5のHLB値を有する。
【0180】
種々様々の乳化剤がここにおいて使用され、これらに制限されるものではないが、ソルビタン エステル類、グリセリル エステル類、ポリグリセリル エステル類、 メチルグルコース エステル類、スクロース エステル類、 エトキシル化脂肪アルコール、水素化ヒマシ油エトキシレート類、ソルビタンエステル エトキシレート類、重合乳化剤、及びシリコーン乳化剤等からなる群から選択されたものを含む。
【0181】
ソルビタンエステル類が本発明において有用である。C16〜C22飽和、不飽和、及び分岐鎖脂肪酸のソルビタンエステル類が好ましい。それらの一般的に製造される方法により、これらのソルビタン エステル類は、モノ−、ジ−、トリ−等のエステル類の混合物を通常含んでいる。適当なソルビタンエステル類の代表的例としては、ソルビタン モノオレエート(例:SPAN(登録商標))、ソルビタン セスキオレエート(例:Arlacel(登録商標)83)、ソルビタン モノイソステアレート(例:クローダによって製造されるCRILL(登録商標)6)、ソルビタン ステアレート(例:SPAN(登録商標)60)、ソルビタン トリオレエート(例:SPAN(登録商標)85)、ソルビタン トリステアレート(例:SPAN(登録商標)65)、ソルビタン ジパルミテート類(例:SPAN(登録商標)40)、及びソルビタン イソステアレートがある。ソルビタン モノイソステアレート及びソルビタン セスキオレエートが、本発明に使用するのに特に好ましい乳化剤である。
【0182】
本発明に適切に使用できるその他の乳化剤は、これに制限するものではないが、グリセリル モノエステル類、好適には、グリセリル オレエート、グリセリル モノステアレート、グリセリル モノパルミテート、 グリセリル モノベヘネート、及びこれらの混合物のようなC16〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のグリセリル モノエステル類;ポリグリセリル−4イソステアレート、ポリグリセリル−3オレエート、ジグリセロール モノオレエート、テトラグリセロール モノオレエート及びこれらの混合物のようなC16−C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のポリグリセリルエステル類;メチルグルコースエステル類、好適にはメチルグルコース ジオレエート、メチルグルコース セスキイソステアレート、及びこれらの混合物のようなC16〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のメチルグルコースエステル;スクロース脂肪酸エステル類、好適にはスクロース ステアレート、スクロース トリラウレート、スクロース ジステアレート(例:クロデスタ(Crodesta)(登録商標)F10)、及びこれらの混合物のようなC16〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のスクロースエステル類;オレス−2、オレス−3、ステアレス−2及びこれらの混合物等のC12〜C22エトキシル化脂肪アルコール類;PEG−7水素化ヒマシ油等の水素化ヒマシ油エトキシレート類;PEG−40ソルビタン ペロレエート、ポリソルベート−80、及びこれらの混合物等のソルビタン エステル エトキシレート類;エトキシル化ドデシルグリコール コポリマー等の重合乳化剤;及びラウリルメチコン コポリオール、セチルジメチコン、ジメチコン コポリオール、及びこれらの混合物等のシリコーン乳化剤を含む。
【0183】
これらの主要な乳化剤に加えて、本発明の組成物はオプションとして補助乳化剤を含み、水−脂質乳化安定性を付加することができる。適当な補助乳化剤には、これらに制限するものではないが、レシチン類のようなホスファチジルコリン類及びホスファチジルコリン含有組成物;ステアリン酸ナトリウム等の長鎖C16〜C22脂肪酸塩類;ジタロウ ジメチル塩化アンモニウム及びジタロウ ジメチル メチル硫酸アンモニウム等の長鎖C16〜C22二脂肪、短鎖C1〜C4二脂肪第四アンモニウム塩;ジタロウオイル−2−ヒドロキシエチル ジメチル塩化アンモニウム等の長鎖C16〜C22ジアルコイル(アルケノイル)−2−ヒドロキシエチル、短鎖C1〜C4二脂肪第四アンモニウム塩類;メチル−1−タロウ アミドエチル−2−タロウ イニダゾリニウム メチルスルフェート及びメチル‐1‐オレイル アミド エチル−2−オレイル イニダゾリニウム メチルスルフェート等の長鎖C16〜C22二脂肪イニダゾリニウム第四アンモニウム塩類;ジメチル ステアリル ベンジル塩化アンモニウム等の短鎖C1〜C4二脂肪、長鎖C16〜C22一脂肪ベンジル第四アンモニウム塩類、そしてステアラミドプロピルPG−ジモニウムクロリド(モナ・インダストリーから販売される燐脂質PTS)等の合成燐脂質がある。
【0184】
[脂質硬度値]
コンディショニング成分を更に含む実施形態において、本発明の製品は、約0.02kgの最小脂質硬度値を有するのが好ましい。脂質硬度値とは、上記コンディショニング成分内の全てのコンディショニング剤を組み合わせたものの物理的硬度測定値である。脂質硬度値の増加は、消費者が用いる泡立て法には種々バラツキがあるにも拘わらず、該コンディショニング剤の付着安定性を高めると考えられている。コンディショニング成分の硬度が増加すると、生地内の移動は減少し、泡立て段階中の界面活性剤によるコンディショニング剤の乳化も減少すると考えられる。その結果として、皮膚又は毛髪との接触による移動機械的のために、コンディショニング剤のより多くが有効に留まる。
【0185】
本発明のコンディショニング成分は、約0.02kgより大きい、好適には約0.05より大きい、より好適には約0.10より大きい脂質硬度値を有する。好適には、コンディショニング成分の脂質硬度値は、約5.00kgより大きくない、より好適には約4.00kgより大きくなく、最も好適には3.00kgより大きくなくあるべきであるというのは、この点を超える硬度レベルはコンディショニング成分中のコンディショニング剤の皮膚又は毛髪への付着にマイナスの影響を与え得るからである。
【0186】
脂質硬度試験
脂質硬度値は、固形石鹸の硬度を測定するために一般的に用いる試験によって測定される。チャティロン・フォース・ゲージを用いてコンディショニング成分の5〜8オンス(0.142〜0.227kg)試料の硬度値を測定する。幾つかの読みを、新しい試料の各々で取り、平均値を得る。チャティロン・フォース・ゲージ型番DFIS100は、ノースカロライナ州、グリーンスボロにあるチャティロン社によって製造されるものである。
【0187】
[脂質硬度値を高めるために用いる材料]
本発明のクレンジング及びコンディショニング製品は、既述のコンディショニング成分を構成するコンディショニング剤と組み合わせて用いる硬化材を含むことができる。多くの材料がコンディショニング剤及び脂質硬化材の両方として用いられる。実際、これまでに述べた固体コンディショニング剤はみな、脂質硬化材として用いられる。0.02kgの最小脂質硬度値を実現するために必要な硬化材の量は、使用する特定の物質に依存し、当業者によって容易に決定される。硬化材は、個々の硬化材として、又は硬化材類の組み合わせとして使用でき、コンディショニング成分の約0.1重量%〜約99.9重量%、好適には約0.5重量%〜約75重量%、より好適には約1重量%〜約50重量%、更により好適には約2重量%〜約25重量%の範囲で含まれる。
【0188】
ここで用いる用語「硬化材」とは、約30℃より高い、好適には約30℃〜約250℃、より好適には約37℃〜約100℃、更により好適には約37℃〜約80℃の融点を有する材料を言う。
【0189】
下記の基準に適合するならば、いかなる物質もコンディショニング成分の脂質硬度値を高めるために用いることができる:(i)その材料がコンディショニング成分のコンディショニング剤に溶解するものでなければならず、且つ(ii)その材料が20℃より高い融点を有して(例えば、室温で固体である)いなければならない。適切な硬化材の例は、これらに制限されるものではないが、ペトロラタム、高度に分岐した炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸エステル類、植物油、水素化植物油、ポリプロピレングリコール類、アルファ−ヒドロキシ脂肪酸類、約10〜約40個の炭素原子を有する脂肪酸類、二及び/又は三塩基性カルボン酸のアルキルアミド、n−アシルアミノ酸誘導体、及びこれらの混合物を含む。本発明において有用な硬化材は、1990年4月24日発行のデックナーらの米国特許第4,919,934号に更に詳しく記載されているが、これは引用によりそのままの形で本明細書に組み込まれている。
【0190】
ここで適切に使用できる高度に分岐した炭化水素は、炭素原子約17〜約40個を有する炭化水素化合物を含んでいる。これらの炭化水素化合物の非制限的例は、スクアラン、コレステロール、ラノリン、ドコサン(即ち、C22炭化水素)及びイソパラフィンを含んでいる。
【0191】
ここで適切に使用できる脂肪アルコールは、ここで乳化剤として有用なエトキシル化脂肪アルコール及び脂肪アルコールエステル類を除く、一価アルコール、エトキシル化脂肪アルコール、及び脂肪アルコールエステル等を含んでいる。商業的に入手できる脂肪アルコールの特殊な例は、これらに制限するものではないが、ユニリン(Unilin)550、ユニリン700、ユニリン425、ユニリン400、ユニリン350、及びユニリン325等であり、これら全てペトロライト(Petrolite)から供給される。適切なエトキシル化脂肪アルコール類は、これらに制限するものではないが、ユニソックス(Unithox)325、ユニソックス400、及びユニソックス450、ユニソックス480、ユニソックス520、ユニソックス550、ユニソックス720、ユニソックス750を含み、これらは全てペトロライトから入手可能である。適切な脂肪アルコールエステルの非制限的例は、トリ−イソステアリル シトレート、エチレングリコール ジ−12−ヒドロキシステアレート、トリステアリルシトレート、ステアリルオクタノエート、ステアリル ヘプタノエート、トリラウリルシトレートを含んでいる。
【0192】
本発明に適切に使用できる脂肪酸エステルは、エステルワックス類、モノグリセライド類、ジグリセライド類、トリグリセライド類及びこれらの混合物を含んでいる。適切なエステルワックスの非制限的例は、ステアリルステアレート、ステアリルベヘネート、パルミチルステアレート、ステアリルオクチルドデカノール、セチルエステル類、セテアリル ベヘネート、ベヘニルベヘネート、エチレングリコール ジステアレート、エチレングリコール ジパルミテート、及び蜜蝋を含んでいる。市販用のエステルワックスの例には、コスター・コイネンからのケスター(Kester)ワックス類、クローダからのクロダモル(Crodamol)SS及びローヌ-プーランからのデマルケア(Demalcare)SPSが含まれる。
【0193】
約20℃〜約25℃の周囲温度で固体又は半固体である植物油及び水素化植物油も、本発明において硬化材として役に立つ。適切な植物油及び水素化植物油の例は、乳脂肪、
ヒナドリ脂肪、カモ脂肪、ウマ脂肪、ラード(脂肪組織)油、ウサギ脂肪、サージン油、タロウ(ビーフ)、タロウ(マトン)、シナ脂、ババスー油、ココアバター、ココナツ油、ヤシ油、ヤシの実油、水素化サフラワー油、水素化ひまし油、水素化ココナツ油、水素化綿実油、水素化メンハーデン油、水素化ヤシの実油、水素化ヤシ油、水素化ピーナツ油、水素化大豆油、水素化菜種油、水素化亜麻仁油、水素化米糠油、水素化ゴマ油、水素化ひまわり種油、これらの誘導体及びこれらの混合物などを含む。
【0194】
適切に使用できるポリプロピレングリコールには、ポリプロピレングリコールのC4〜C16アルキルエーテル類、及びポリプロピレングリコールのC1〜C16カルボン酸エステル類が含まれる。これらの材料の非制限的例には、PPG−14ブチルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、PPG−9、PPG−12、PPG−15、PPG−17、PPG−20、PPG−26、PPG−30、PPG−34、及びこれらの混合物が含まれる。
【0195】
炭素原子約10〜約40個を有する適切なアルファ−ヒドロキシ脂肪酸及び脂肪酸の例には、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシラウリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ステアリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、イソステアリン酸及びこれらの混合物が含まれる。幾つかの適切な脂肪酸の例は、1995年7月4日発行のホフリヒターらの米国特許第5,429,816号及び1996年9月3日発行のモトリーの米国特許第5,552,136号に更に詳しく記載されているが、これらは引用により本明細書に組み込まれている。
【0196】
本発明に使用するための適当な二及び/又は三塩基性カルボン酸アルキルアミド類には、二置換又は分岐モノアミド類、一置換又は分岐ジアミド類、トリアミド類及びこれらの混合物が含まれる。二及び三塩基性カルボン酸の若干の特殊な例は、これに制限されるものではないが、クエン酸、トリカルバリル酸、アコニット酸、ニトリロトリ酢酸及びイタコン酸のアルキルアミド類、例えば、1,2,3−プロパン トリブチラミド、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパン トリブチラミド、1−プロペン−1,2,3−トリオクチルアミド、N,N’,N”−トリ(メチルデシルアミド)アミン、2−ドセシル−N,N’−ジブチルスクシンアミド、及びこれらの混合物を含む。その他の適切なアミドは、1995年7月4日発行のホフリヒターの米国特許第5,429,816号に記載されているn−アシル アミノ酸誘導体を含む。
【0197】
約1乃至約10、好適には約6、最も好適には約5のHLBを有するワックス類も本発明に適切に使用できる。HLB(「親水性−親油性バランス」の略語)値システムが出版物「乳化剤
選択のための適切な指針」(デラウェア州、ウィルミントンのICIアメリカ発行、1984年)の中に詳細に記載され、種々の材料のHLB値が記されているが、これらの開示は引用によりそ
のままここに組み込まれている。
【0198】
有用なエステルワックスは、C10〜C40脂肪酸、C10〜C40脂肪酸のジエステル類(この場合アルコールは、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン又はグリセリンである)、C10〜C40脂肪酸のトリグリセリド類又はジグリセリド類、C10〜C40脂肪酸のペンタエリトリトール トリ−又はテトラ−エステル類、ソルビタントリエステルのC10〜C40脂肪酸類、3〜8モルの置換基を有するスクロースポリエステルのC10〜C40脂肪酸類、ミリスチルミリステート、パラフィン、フィッシャー・トロープ(Fischer-Tropsche)ワックスのような合成ワックス、微晶質ワックス、カスターワックス、部分的水素化植物油、ベヘニルベヘンレート及びミリスチルプロピオネート及びこれらの混合物類を含む。
【0199】
有用なジエステルワックスには、シンクロワックスERL−C(C18〜36酸グリコールエステル)(クローダから入手できる)及び、エチレングリコール ジステアレートやグリコール ジステアレートを含むプロピレングリコール ジエステル ワックスが含まれる。有用なトリグリセリド ワックスには、シアバター、ココアバター、シンクロワックスHGL−C(C18〜36酸トリグリセリド)、シンクロワックスHRC(トリベヘニン)、シンクロワックスHRC−C[トリベヘニン(及び)ベヘン酸カルシウム](全てクローダ社から入手可能)、トリステアリン、トリミリステート及び完全に水素化された植物油及びこれらの混合物が含まれる。約5:1〜約1:1の比、そしてより好適には約4:1〜約1:1の比のジエステルワックスとトリグリセリドワックスの混合物が好適である。
【0200】
本発明の組成物に有用なワックスは、引用により完全な形でここに組み込まれている下記に開示されている:1993年6月15日に発行されたウーディン・ジュニアらの米国特許第5,219,558号;1977年9月20日発行のエルスノーの米国特許第4,049,792号;1975年4月24日発行のゲアリーらの米国特許第4,151,272号;1980年10月21日発行のゲリアの米国特許第4,229,432号;1981年7月28日発行のターニーらの米国特許第4,280,994号;1978年11月21日発行のデイビーらの米国特許第4,126,679号;及び1984年8月29日発行のメイの欧州特許出願第117,070号;「ワックスの化学及びテクノロジー」、A.H.ワース著、第二版、1960年再版、レインホルド出版社、391−393頁及び421頁;「石油化学産業」、R.F.ゴールドスタイン及びA.L.ワディーム著、第三版(1967)、E & F.N.スパン社、33−40頁;「化粧品の化学及び製法」、M.G.デナヴァル著、第二版(1970)、ヴァンノストランド社、354−376頁;及び「化学工学辞典」、24巻、カーク−オスマー、第三版(1979)、466−481頁。
【0201】
有用な硬化材料の追加の非制限的例は、ソルビタンエステル類、グリセリルエステル類、ポリグリセリルエステル類、メチルグルコースエステル類、スクロースエステル類、エトキシル化脂肪アルコール類、水素化ひまし油エトキシレート類、ソルビタンエステル エトキシレート類、重合乳化剤、及びシリコーン乳化剤からなる群から選択されるものである。
【0202】
ソルビタンエステル類は、本発明に有用である。C16〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のソルビタンエステル類が好ましい。これらの一般的製法では、これらのソルビタンエステル類は、モノ−、ジ−、トリ−等のエステル類の混合物であるのが普通である。適当なソルビタンエステルの代表例は、ソルビタン モノオレエート(例、SPAN(登録商標)80)、ソルビタン セスキオレエート(例、Arlacel(登録商標)83)、ソルビタン モノイソステアレート(例、クローダにより製造されるCRILL(登録商標)6)、ソルビタン ステアレート類(例、SPAN(登録商標)60)、ソルビタン トリオレエート(例、SPAN(登録商標)85)、ソルビタン トリステアレート(例、SPAN(登録商標)65)、ソルビタン ジパルミテート類(例、SPAN(登録商標)40)及びソルビタン イソステアレートである。ソルビタン モノイソステアレート及びソルビタン セスキオレエートが、本発明において特に好適に使用できる乳化剤である。
【0203】
本発明に適切に使用できるその他の硬化材には、制限するものではないが、グリセリル モノエステル類、好適にはC16〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のグリセリルモノエステル類、例えば、グリセリルオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノパルミテート、グリセリルモノベヘネート及びこれらの混合物;C16〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のポリグリセリルエステル類、例えば、ポリグリセリル−4イソステアレート、ポリグリセリル−3オレエート、ジグリセロール モノオレエート、テトラグリセロール モノオレエート及びこれらの混合物;メチルグルコースエステル類、好適にはC16〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のメチルグルコースエステル類、例えば、メチルグルコースジオレエート、メチルグルコースセスキイソステアレート及びこれらの混合物;スクロース脂肪酸エステル、好適にはC12〜C22飽和、不飽和及び分岐鎖脂肪酸のスクロースエステル類、例えば、スクロースステアレート、スクロース トリラウレート、スクロース ジステアレート(例、Crodesta(登録商標)F10)及びこれらの混合物;C12〜C22エトキシル化脂肪アルコール類、例えば、オレス−2、ステアレス−2及びこれらの混合物等;水素化ひまし油エトキシレート類、例えばPEG−7水素化ひまし油等;ソルビタンエステル エトキシレート類、例えばPEG−40ソルビタンペロレエート、ポリソルベート−80及びこれらの混合物等;重合乳化剤、例えば、エトキシル化ドデシルグリコール コポリマー;及びシリコーン乳化剤、例えば、ラウリルメチコン コポリオール、セチルジメチコン、ジメチコン コポリオール及びこれらの混合物等が含まれる。
【0204】
その他の有用な硬化材には、制限するものではないが、ホスファチジルコリン及びホスファチジルコリン含有組成物、例えば、レシチン等;長鎖C16〜C22脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸ナトリウム;長鎖C16〜C22二脂肪及び短鎖C1〜C4二脂肪の第四アンモニウム塩類、例えば、ジタロウ ジメチル 塩化アンモニウム及びジタロウ ジメチル メチル硫酸アンモニウム;長鎖C16〜C22ジアルコイル(アルケノイル)−2−ヒドロキシエチル、短鎖C1〜C4二脂肪第四アンモニウム塩類、例えば、ジタロウオイル−2−ヒドロキシエチル ジメチル塩化アンモニウム;長鎖C16〜C22二脂肪イミダゾリニウム第四アンモニウム塩類、例えば、メチル−1−タロウアミド エチル−2−タロウ イミダゾリニウム メチルスルフェート及びメチル−1−オレイル アミド エチル−2−オレイル イミダゾリニウム メチルスルフェート;短鎖C1〜C4二脂肪及び長鎖C16〜C22モノ脂肪のベンジル第四アンモニウム塩類、例えば、ジメチル ステアリルベンジル塩化アンモニウム等、並びにステアラミドプロピル PG−ジモニウム クロリド(モナ・ジンダストリーからの燐脂質PTS)の合成燐脂質等が含まれる。
【0205】
[重量比及び重量パーセンテージ]
本発明において、発泡界面活性剤とコンディショニング成分との重量比は、約40:7未満、好適には約5:1未満、より好適には2.5:1未満、そしてより好適には約1:1未満である。
【0206】
本発明の特定の実施形態において、クレンジング及びコンディショニング成分は、発泡界面活性剤と油溶性コンディショニング剤及び水溶性コンディショニング剤を更に含むコンディショニング成分とを含むと定義され、該発泡界面活性剤は、該クレンジング及びコンディショニング成分の約1重量%〜約75重量%、好適には約10重量%〜約65重量%、より好適には約15重量%〜約45重量%を構成し、且つ該コンディショニング成分は、該クレンジング及びコンディショニング成分の約15重量%〜約99重量%、好適には約20重量%〜約75重量%、そしてより好適には約25重量%〜約55重量%を構成する。
【0207】
[付加的な成分]
本発明の製品の表面に付加されるか又は製品中にしみ込ませた組成物は、非常に広範な任意の成分を含むことができる。これらの諸成分の幾つかをより詳細にここで挙げる。特に有用なのは、追加ポリマー類(生地を形成する重合材料とは区別される)、種々の活性成分、並びにクレンジング及びコンディショニング過程の間に、皮膚又は毛髪に種々の非コンディショニング効果又は非クレンジング効果を与えるのに役立つカチオン性界面活性剤である。
【0208】
[ポリマー類]
本発明の製品は、1種以上のポリマー、好適にはカチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー及びこれらの混合物、そして更に好適には、カチオン性ポリマー含むことができる。このようなカチオン性ポリマーは、好適には水分散性である。ここで用いる「水分散性」とは、本明細書に記載の製品が濡らされ、そして振られて泡を生成した際、又は発泡界面活性剤と水溶性コンディショニング剤とを独立的若しくは組み合わせて水不溶性生地に付加されるか又はしみ込ませた該生地が複合化前のコアセルベートと反応する際に、カチオン性ポリマーが分散性であることを意味する。カチオン性ポリマーの複合体コアセルベートは、本発明の製品のアニオン性界面活性剤、又はこの製品に任意に加えることができるアニオン性ポリマー(例えば、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)で形成できる。複合体コアセルベートは、皮膚又は毛髪上に水溶性コンディショニング剤をより容易に付着させると考えられている。このような訳で、一般に、カチオン性ポリマーは、本発明の製品の表面又は内部に複合体化したコアセルベート相として存在するか、又はこれらの製品を濡らし、そして振った後に生成する泡が希釈された際に、コアセルベート相を形成するのが好ましい。もしも該カチオン性ポリマーが本発明の製品の内部又は表面にコアセルベートをまだ形成していないならば、該ポリマーは希釈時に複合体コアセルベートの形で存在するのが好ましい。
【0209】
コアセルベートの製剤は、分子量、濃度及び相互作用するイオン物質の比率、イオン強度(例えば、塩類添加等によるイオン強度の変更を含む)、カチオン性及びアニオン性種の電荷密度等の種々のクライテリアに依存する。コアセルベート系及びこれらのパラメーターの効果は、これまでにも研究されてきた。例えば、J.カエルスらの「混合系におけるアニオン性及びカチオン性化合物」、コスメテックス トイレトリーズ、106巻、1991年4月、49−54頁;ヴァンオスの「コアセルベーション、複合体コアセルベーション及び凝集」、J.分散科学と技術(Dispersion Science and Technology)、9巻(5、6)、1988−89、561−573頁;D.J.バーゲスの「複合体コアセルベート系の実践分析」、ジャーナル オブ コロイドと界面科学(J.of Colloid and Interface Science)、140巻、1号、1990、11月、227−238頁;1988年2月10日発行のグレンJr.らの米国特許第5,716,920号を参照されたい。
【0210】
複合体コアセルベート生成の分析法は、当業分野で知られている。例えば、任意の希釈段階において、泡を顕微鏡分析する方法を用いてコアセルベート相が形成されたか否かを識別する。このようなコアセルベート相は、付加的乳化相として確認でき、泡に分散するその他の不溶性相からコアセルベート相とを区別するには染料が役立つ。
【0211】
本発明において有用なカチオン性及び非イオン性ポリマー類の非制限的例には、これらに制限するものではないが、ゴム、親水性コロイド、生物学的ポリマー類及びタンパク質及びこれらの混合物等が含まれる。これらの材料の適切な例には、カルボキシメチル ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル ヒドロキシプロピル ガール、カラゲナン、セルロースゴム、ゼラチン、ガールゴム、ガール ヒドロキシプロピルトリモニウム クロリド、 ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル セルロース、メチルセルロース、キサンタンゴム、キチン、キトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、馬鈴薯澱粉、カラスムギ蛋白、乳蛋白、ココイル加水分解コラーゲン、ココイル加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム ゼラチン、及びこれらの混合物が含まれる。
【0212】
セルロース誘導性ポリマー類もまた、ここでは役立つ。ここで用いるセルロース誘導性ポリマーは、セルロース主鎖、即ち反復グルコース単位の多糖主鎖を含むポリマー類を記述することを意味する。これらのセルロース誘導性ポリマー類において、セルロースポリマーのヒドロキシ基は、ヒドロキシアルキル化され(好適には、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化され)てヒドロキシアルキル化セルロースを形成し、これはその後カチオン性第四アンモニウム又はプロトン化アンモニウム基で更に変性される。好適なカチオン性変性基は、少なくとも1個のC10〜20アルキル鎖及び2個の比較的短いアルキル鎖(即ち、C1又はC2)を窒素上に持つものである。セルロースポリマー上の置換基は、例えば、−(X)NRR’R”と記され、式中、Xはヒドロキシアルキル(好適には、OCHCH−又はOCHCHOHCH−)であり、R及びR’はメチル又はエチルであり、R”はC10〜20アルキル[好適には、ラウリル、ステアリル又はココイル(即ち、ココナツ油に由来するアルキル基の混合物)]である。これに代わる別の構造では、R、R’、及びR”が全てメチルである場合(即ち、トリモニウム基)も、有用なセルロースポリマーが得られることが判明した。更に別の構造では、セルロース上のカチオン性置換基は、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基を両方含み、その部分は−(OCHCHO)−CHCHOHCHNRR’R”と表され、ここでR、R’、R”はメチル又はエチルで、R”はC10〜20アルキル[好適にはラウリル、ステアリル、又はココイル(即ちココナツ油に由来するアルキル基の混合物)]であるか、又はR、R’、及びR”が全てメチルである(即ち、トリモニウム基)。
【0213】
商業的に入手できるカチオン性変性セルロースには:ラウルジモニウム ヒドロキシエチルセルロース(ここで上記式中、Xは−OCHCH−、R及びR'はメチル、そしてR”はラウリルである)、ステアルジモニウム ヒドロキシエチル セルロース(上記式中、Xは−OCHCH−、R及びR'はメチル、R”はステアリルである)、及びココジモニウム ヒドロキシエチル セルロース(ここで上記式中、Xは−OCHCH−、R及びR'はメチル、R”はココイルである)が含まれる。これらの3つの材料は、それぞれ製品名クロダセルQL、クロダセルQS、及びクロダセルQMとして知られており、全てクローダ社から商業的に入手できる。その他の非常に有用なカチオン性セルロースは、ラウルジモニウム ヒドロキシプロピル オキシエチルセルロースである(ここでセルロース上の変性基は(OCHCHO)−CHCHOHCHNRR’R”であり、この式中、R、R’はメチルで、R”はラウリルである)。これは、クローダ社からクロダセルQLスペシャルとして商業的に入手できる。その他の有用なカチオン性セルロースとしては、次のものがある:アマーコル社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州、エジソン)から提供されるポリマーシリーズJRTN、LRTN及びLKTNにおける、業界(CTFA)では、ポリクオタニウム10と呼ばれる、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩;ポリマージュニアの商標でユニオンカーバイド社から商業的に入手できる米国特許第3,816,616号、同第4,272,515号に記載されているカチオン性セルロースエーテル;及びポリマーLM−200の製品名でアマーコル社(米国、ニュージャージー州、エジソン、)から入手でき、業界ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの重合第四アンモニウム塩。
【0214】
ここで用いることができるその他の適切なカチオン性ポリマー類には、JAGUARの商標で商業的に入手でき、米国特許第4298494号に記載されるカチオン性ポリガラクトマンナンゴム誘導体;JAGUAR C−13−S及びJAGUAR C−17の商標(CTFA命名法ではガールヒドロキシプロピルトリモニウム クロリド)で商業的に入手できるガールゴムのヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム誘導体;並びにJAGUAR C−16として知られているヒドロキシプロピル化カチオン性ガール誘導体(セレネーズ社からジャガール(登録商標)シリーズとして入手できる)のようなカチオン性ガールゴム誘導体が含まれる。その他の物質には、第四窒素含有セルロースエーテル類(例えば、引用によりここに組み込まれている米国特許第3,962,418号に記載されている)及びエーテル化セルロース及び澱粉のコポリマー類(例えば、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第3,958,581号に記載されている)が含まれる。特に好適なカチオン性ポリマー類には、ポリクオタニウム10が含まれる。
【0215】
これらのセルロースポリマーに関係があるのは、その他の糖(又はそれらに関連する酸、アルコール、アミン等)、例えば、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、フコース、フルクトース、グルコサミン、ガラクトサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、5又は6員環ポリアルコール類及びこれらの混合物から誘導される主鎖を有するものである。
【0216】
蛋白質誘導性ポリマー類は、又別のタイプの天然発生ポリマーの有用な誘導体である。本発明において有用な蛋白質誘導性ポリマーは、種々様々の蛋白質ソースから誘導される。しかし、加水分解蛋白質(即ち、約1000MW〜約5000MWの低分子セグメントに破壊された蛋白質)から誘導されるものが好ましい。加水分解蛋白質は、当該分野における通常の技術を有する化粧品化学者によく知られており、種々の蛋白質ソースの酸、アルカリ、又は酵素加水分解等の標準的合成技術を用いて誘導できる。使用する蛋白質ソースは得られる加水分解蛋白質の究極的アミノ酸組成物を決める。ここでポリマーとして有用な加水分解蛋白質の非制限的例には、加水分解カゼイン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキオリン蛋白質、加水分解コーン蛋白質、加水分解エラスチン、加水分解フィブロネクチン、加水分解毛髪ケラチン、加水分解ヒト胎盤タンパク質、加水分解ケラチン、加水分解馬鈴薯蛋白質、加水分解米蛋白質、加水分解シルク、加水分解大豆蛋白質、加水分解植物蛋白質、加水分解羊毛蛋白質、加水分解小麦蛋白質及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。これらの加水分解蛋白質は、CTFA国際化粧品成分辞典、1991、246−249頁に記載されており、これは引用によりそのままの形で本明細書に組み込まれている。
【0217】
カチオン性に変性された加水分解蛋白質は、本発明の特に有用なポリマーであることが判明した。化学分野の通常技術者に知られているので種々の合成法を用いて、これらの加水分解蛋白質を含むアミノ酸の窒素原子がヒドロキシアルキル化されて(好適には、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化)ヒドロキシアルキル化蛋白質加水分解物を生成することができ、これは更にカチオン性第四アンモニウム又はプロトン化アンモニウム基で変性する。好適なカチオン性変性基は、少なくとも1つのC10〜20アルキル鎖及び2つの比較的短いアルキル鎖(即ち、C1又はC2)を窒素上に有するものである。加水分解蛋白質上の置換基は、−(X)NRR’R”と記され、ここで、Xはヒドロキシアルキル(好適には、−OCHCH−は、−OCHCHOHCH−)、R及びR’はメチル又はエチル、R”はC10〜20アルキル[好適にはラウリル、ステアリル、又はココイル(即ち、ココナツ脂に由来するアルキル基の混合物)]である。これに代わる別の構造では、R、R’、及びR”が全てメチルである場合も(即ち、トリモニウム基)、有用なカチオン性加水分解蛋白質が得られることが判明した。商業的に入手できるカチオン性変性蛋白質加水分解物には:ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解カゼイン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解シルク、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解大豆蛋白質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解植物性蛋白質、及びヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦蛋白質が含まれ、ここで、これらの各蛋白質加水分解物の−(X)NRR’R”置換基は、Xが−OCHCHOHCH−で、R、R’及びR”がメチルである。これらの加水分解蛋白質は、CTFA国際化粧品辞典、1991、254−255頁に記載されており、これらは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。その他の商業的に入手できるカチオン性変性蛋白質加水分解物には、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解シルク、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解大豆蛋白質、ステアリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ステアリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ステアリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ステアリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解米蛋白質、ステアリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解シルク、ステアリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解植物性蛋白質、ステアリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解小麦蛋白質、ココジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ココジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米蛋白質、ココジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解シルク、ココジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解大豆蛋白質、ココジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解小麦蛋白質が含まれ、ここにおいて、これら蛋白質加水分解物の各々において、−(X)NRR’R”置換基は、Xが−OCHCHOHCH−で、R及びR’がメチルで、R”がラウリル又はステアリル又はココイルであるものである。これらの加水分解蛋白質は、CTFA国際化粧品成分辞典、1991、112−113頁、293−294頁、586頁に記載されており、これらは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。これらのカチオン性加水分解蛋白質の中で好適なものは、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解クデラチン、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、 ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解シルク、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解大豆蛋白質、及びこれらの混合物である。
【0218】
重合エーテルも本発明には有用である。これらの材料は、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールとしても知られている(CTFAではそれぞれPEG及びPPGと命名されている)。これらの材料の非制限的例は、PEG2M、PEG7M、PEG14M、PEG25M、PEG75、PEG90、PEG100、及びこれらの混合物を含む。
【0219】
合成カチオン性ポリマー及びコポリマーもここでは有用である。適切なカチオン性ポリマーには、例えば、カチオン性アミン又は、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド類、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド類、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、及びビニルピロリドンのような水溶性スペーサーモノマーを備えた第四アンモニウム官能価を有するビニルモノマーのコポリマーが含まれる。アルキル及びジアルキル置換モノマー類は、好適にはC1〜C7アルキル基、より好適にはC1〜C3アルキル基を有する。その他の適切なスペーサーモノマー類には、ビニルエステル類、ビニルアルコール(ポリビニルアセテートの加水分解によって作られる)、マレイン酸無水物、プロピレングリコール、及びエチレングリコールが含まれる。
【0220】
カチオン性アミンは、シャンプーの特定の種類及びpHに応じて、第一、第二、又は第三アミンでよい。概して第二及び第三アミン、特に第三アミンが好ましい。
【0221】
アミン置換ビニルモノマー類は、アミン型に重合することができ、その後、第四級化反応によってアンモニウムに任意に変換できる。アミンはまた、ポリマーの形成に続いて、同様に第四級化することもできる。例えば、第三アミンの官能価を式R’Xの塩との反応によって第四級化することができ、ここにおいて、R’は短鎖アルキル、好適にはC1〜C7アルキル、より好適にはC1〜C3アルキルで、Xは第四アンモニウムと水溶性塩を形成するアミンである。
【0222】
適切なカチオン性アミノ及び第四アンモニウムモノマー類には、例えば、ジアルキルアミノアルキル アクリレート、ジアルキルアミノアルキル メタクリレート、モノアルキルアミノアルキル アクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキル メタクリルオキシアルキル アンモニウム塩、トリアルキル アクリルオキシアルキル アンモニウム塩、ジアリル第四アンモニウム塩で置換したビニル化合物、及びピリジニウム、イミダゾリウム及び第四ピロリドン等の環状カチオン性窒素含有環を有するビニル第四アンモニウムモノマー、例えば、アルキルビニル イミダゾリウム、アルキルビニル ピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩が含まれる。これらのモノマーのアルキル部分は、好適にはC1〜C3アルキルのような低級アルキル類、より好適にはC1及びC2アルキルである。
【0223】
ここに適切に使用できるアミン置換ビニルモノマーには、ジアルキルアミノアルキル アクリレート、ジアルキルアミノアルキル メタクリレート、ジアルキルアミノアルキル アクリルアミド及びジアルキルアミノアルキル メタクリルアミドがあり、ここで該アルキル基は、好適にはC1〜C7ヒドロカルビル類、より好適にはC1〜C3アルキル類である。
【0224】
本発明のカチオン性ポリマー類は、アミン−及び/又は第四アンモニウム置換モノマー及び/又は相溶性スペーサーモノマー類から誘導されるモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0225】
適切な合成カチオン性ポリマー類には、例えば:1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例:塩化物塩)とのコポリマー類(当業界では“化粧品、トイレトリー及び香水学会、CTFA”によりポリクオタニウム−16と呼ばれている。)、例えば、BASFワイアンドット社(米国、ニュージャージー州、パルシアパニー)からルビケート(Luviquat)の商標で商業的に入手出来るもの(例、ルビケートFC370);1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー類(CTFA命名法ではポリクオタニウム−11と呼ばれている。)、例えば、米国特許第4,080,310号に記載され、ISPコーポレーション(米国、ニュージャージー州、ウェイン)から商標フケート(Gafquat)として販売されるもの(例、ガフケート755及び755N);例えば、業界では(CTFA)ポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7とそれぞれ呼ばれる、ジメチルジアリル塩化アンモニウム ホモポリマー及びアクリルアミドとジメチルジアリル塩化アンモニウムとのコポリマーを含むカチオン性ジアリル第四アンモニウム含有ポリマー類;米国特許第4,009,256号に記載されているような、炭素原子3〜5個を有する不飽和カルボン酸のホモ−及びコ−ポリマー類のアミノ−アルキルエステル類の鉱酸塩;米国特許第4,048,301号に記載されているような、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチル メタクリレート及びポリエチレングリコールを含むグラフト カチオン性コポリマー;米国特許第3,186,911号に記載されているようなエチル化澱粉のポリマー類;英国特許出願94031565.4に記載されているタイプのカチオン性ポリアクリルアミド;CTFAではクオタニウム−40(高度に帯電したカチオン性ジメチルジアリル塩化アンモニウム ホモポリマー)及びクオタニウム−41(ジメチルジアリル塩化アンモニウムとアクリルアミドで製造された高度に帯電したカチオン性コポリマー)と呼ばれ、メルク社からメルカット(Merquat)100及びメルカット550の商標で商業的に入手できるる高分子カチオン性ポリマー類;そしてこれらの混合物が含まれる。その他の適切な合成ポリマー類の非制限的例には、アクリリレート類/C10〜30アルキルアクリレート クロスポリマー、 アクリレート コポリマー、アクリレート/PVPコポリマー、アクリレート/VAコポリマー、ブチル化ポリオキシメチレン尿素、ブチル化PVP、カルボマー、ヒドロキシエチルPEI−1000、メチルメタクリレート クロスポリマー、PEI−1000、PEI−1500、PEI−2500、ポリブテン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレン、ポリイソブテン、ポリメチル メタクリレート、ポリクオタニウム(1−44)、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、PVP、PVP/エイコセン コポリマー、PVP/VAコポリマー、アクリル酸ナトリウム コポリマー、カルボマー ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、スチレン/PVPコポリマー、TEAカルボマー及びこれらの混合物等が含まれる。
【0226】
その他の有用な水溶性ポリマーには、ポリビニルピロリドンと、酢酸ビニル、ジメチルアミノエチルメタクリレート及び硫酸メチルを有するこれらの第四級化化合物を含むもののようなビニルピロリドンのコポリマーと、ビニルアルコール及び酢酸ビニルのポリマー及びコポリマーとが含まれる。別の非常に有用なポリマーは、ポリエチレンイミンのプロトン化形である。ポリエチレンイミンは、エチレンイミンの重合から生成されるポリマーである。ここで好ましいプロトン化ポリエチレンイミンポリマーは、分子量約500,000〜約750,000を有し、第一窒素と第二窒素と第三窒素の比が約1:2:1であるように分岐し、第三窒素部位は平均約3個〜約3.5個の原子ごとにあらわれ、pH4.5で1グラムあたり約20ミリ等量の電荷密度、約1070kg/mの密度、及び約17,000〜約28,000ミリ−パスカルの粘度を有するものである。この記述に適合するプロトン化ポリエチレンイミンポリマーは、BASF社からポリミン(Polymin P)として商業的に入手できる。
【0227】
ここで有用なカチオン性ポリマーの中で好ましいのは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピルオキシエチル セルロース、ラウルジモニウム ヒドロキシエチルセルロース、ステアルジモニウム ヒドロキシエチル セルロース、ココジモニウム ヒドロキシエチル セルロース、ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解シルク、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解大豆蛋白質、プロトン化ポリエチレンイミン、ポリクオタニウム10及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。より好ましいのは、ラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウルジモニウム ヒドロキシプロピル オキシエチル セルロース及びこれらの混合物である。ヒドロキシアルキルセルロースエーテル及びカチオン性ガールゴムからなる群から付着補助剤を選択するのが好ましい。特に好ましい付着補助剤は、カチオン電荷密度0.8meq/gを有するジャガールC13Sである。その他の特に好適な材料には、ジャガールC15、ジャガールC17、ジャガールC16、ジャガールC162、ポリクオタニウム10及びこれらの混合物が含まれる。最も好適なのはポリクオタニウム10である(例えば、ポリマーJR400及びポリマーJR30M)。
【0228】
ここで役立つ非イオン性ポリマー類の中では、加水分解カゼイン、加水分解コラーゲン、加水分解植物性蛋白質、ガールゴム、ポリビニルピロリドン、PEG14M、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましい。PEG14M及び加水分解カゼインがより好ましい。
【0229】
[活性成分]
本発明の製品は、1種類以上の活性成分又は薬物学的に容認されるそれらの塩類を安全で且つ有効な量を任意に含むことができる。
【0230】
ここで用いられる用語「安全で且つ有効な量」とは、取り扱うべきコンデションを改善し、所望の皮膚効果を与えるのに十分な量であると共に、重大な副作用を避けるように十分少ない量であって、健全な医学的判断の範囲内では合理的な利益とリスクの比を有する活性成分量を意味する。活性成分の安全且つ有効量というものは、特定の活性成分、その活性成分の皮膚浸透力、使用者の年齢、健康状態及び皮膚の状態、並びにその他のこの種の要因と共に変わる。
【0231】
ここに有用な活性成分は、それらの治療効果又はそれらの予想作用モードによって分類できる。しかしながら、ここに有用な活性成分は、若干の例では1種類より多い治療効果を齎し、又は1種類より多い作用モードによって機能し得ることを理解すべきである。そのため、ここに示す分類は、便宜のために行われるものであって、活性成分を、以下に列挙する特定の利用(1つ又は複数)に制限するものではない。また、これらの活性成分の薬物学的に容認される塩類もここでは有用である。下記の活性成分は、本発明の組成物において有用である。
【0232】
[抗アクネ剤]
有用な抗アクネ剤の例には、サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸)、5−オクタノイルサリチル酸及び4−メトキシサリチル酸のようなサリチル酸誘導体、並びにレゾルシノール等の角質溶解剤;レチノイン酸及びその誘導体(例、cis及びtrans)のようなレチノイド類;硫黄含有D及びLアミノ酸及びそれらの誘導体類及び塩類、特にそれらのN−アセチル誘導体類、その好適例であるN−アセチル−L−システイン;リポ酸;過酸化ベンゾイル、オクトピロックス、テトラサイクリン、2,4,4'−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4'−トリクロロバニリド、アゼライン酸及びその誘導体、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、酢酸エチル、クリンダマイシン及びメクロサイクリン等の抗生物質並びに抗菌剤;フラボノイド類及びビオフラボノイド類等の皮脂分泌抑制物質;硫酸スキムノール及びその誘導体、デオキシコレート、及びコレート等の胆汁酸塩;アビエチン酸;アダパ
レン;アラントイン;アロエエキス;アルビエチン酸及びその塩類;ASEBIOL(ニュージャージー州、サマヴィルにあるLaboratories Serobiologiqusから入手できる);アザレイン酸;バールベリーエキス;バールベリーエキス;ヒオウギ;ベンゾキノリノン類;ベルベリン;BIODERMINE(ニューヨーク州、ブルックリンにあるセデルマから入手できる);ビサボロール;S−カルボキシメチル システイン;人参エキス;カッシン油;チョウジ エキス;シトラール、シトロネラ;CREMOGEN M82(ニュージャージー州、トトワにあるドラゴコから入手できる);胡瓜 エキス;デヒドロ酢酸及びその塩類;デヒドロエプランデルステロン サリチレート;商業的にCOMPLETECH MBAC-OSとして(ニュージャージー州、パターソンにあるリポ社から)入手できるジクロロフェニル イミダゾールジオキソラン;DLバリン及びそのエステル類;DMDMヒダントイン;エリスロマイシン;エスシノール;エチル ヘキシル モノグリセリルエーテル;エチル 2−ヒドロキシ ウンデカノエート;ファルネソール;ファルネソール酢酸;ゲラノイル;グラブリジン;グルコン酸;グルコノラクトン;グリセリル モノカプレート;グリコール酸;グレープフルーツ種エキス;ググ脂質;ヘスペリチン;ヒノキトール;ホップエキス;水素化ロジン;10ヒドロキシデカン酸;イヒチオール;インターロイキン 1 アルファ拮抗剤;ケトコナゾール;乳酸;レモングラス油;リノール酸;LIPACIDE C8CO(フランス国、パリにあるセピク社から入手できる); ロバスタチン;メトロニダゾール;ミノサイクリン;ムクロッシ(mukurossi);インドセンダン種油;ビタミンB化合物類(ナイアシンアミド及びチコチン酸等);ナイアシン;オクトピロックス;パンテノール;1−ペンタデカノール;ペオニア(peonia)エキス;ペパミントエキス;フェラデンドロンエキス;2−フェニル
−ベンゾチオフェン誘導体;フロレチン;PHLOROGINE(Secmaから入手できる); ホスファチジルコリン;蛋白分解酵素;ケルセチン;レッド サンダルウッドエキス;ローズマリーエキス;ルチン;サージエキス;タツナミソウエキス;シバー ヘグナー エキス;シベリア ユキノシタ エキス;シリコール;ラウリル硫酸ナトリウム;スルホアセタミド ナトリウム;ソルビン酸;硫黄;サンダー バーティ エキス;茶の木油;テトラサイクリン;テトラヒドロアビエチン酸;タイムエキス;チオキソロン;トコフェロール;トレハロース 6−ウンデシレノエート;3トリデセン−2−オル;トロポロン;UNITRIENOL T27(オランダ国、ゴーダのユニケームから入手できる);ビタミンD 及びその類似体;白色タイム油;ウォゴニン;イランイラン油;亜鉛グリセロレート;亜鉛リノレエート;酸化亜鉛;ピリチオン亜鉛;硫酸亜鉛;及びこれらの混合物が含まれる。
【0233】
[抗しわ剤及び抗皮膚萎縮剤]
抗しわ剤及び抗皮膚萎縮剤には、レチノイン酸及びその誘導体(例えば、cis及びtrans);レチノール;レチナール;レチニルエステル類(例:レチニル酢酸、レチニル パルミテート、レチニルプロピオネート);ビタミンB化合物(ナイアシンアミド及びニコチン酸等)、サリチル酸及びその誘導体(例;5−オクタノイルサリチル酸、ヘプチロキシ−4−サリチル酸及び4−メトキシサリチル酸);硫黄含有D及びLアミノ酸並びにそれらの誘導体と塩類、特にその好適例がN−アセチル−L−システインであるN−アセチル誘導体、;チオール類、例えば、エタンチオール;ヒドロキシ酸;フィチン酸;リポ酸;リソオスファチジン酸、及び皮膚剥離剤(例えば、フェノール等);アダパレン;アデメチニン;アデノシン;アレトリスエキス;アロエ誘導性レクチン類;3−アミノプロピル二水素ホスフェート;アニスエキス;AOSINE(セスマから入手できる);ASC III(ドイツ国、ダルムシュタットのメルク社から入手できる);アスコルビン酸;アスコルビル パルミテート;アジア酸;アジアチコシド類;ARLAMOL GEO(商標)(デラウェア州、ウィルミントンのICIから入手できる);アザレイン酸;安息香酸誘導体;ブラジルナットの木エキス;ベツリン酸;BIOCHANIA A AND BIOPEPTIDE CL(ニューヨーク州、ブルックリンにあるセデルマから入手できる);BIOPEPTID EL(セデルマから入手できる);ブラックベリー樹皮エキス;ヒオウギ エキス;コホッシュ エキス;ブタノイルベツリン酸;クエン酸エステル類;イタリヤ=ニンジンボク エキス;クロバーエキス;ダイゼイン;デブロモ ラウリンテロール;1−デカノイル−グリセロ−ホスホン酸;デヒドロコレステロール;デヒドロジクレオゾル;デヒドロジオイゲノール;デヒドロエピアンデルステロン;DERMOLECTINE(セデルマから入手できる);デヒドロアスコルビン酸;デヒドロエピアンデルステロン硫酸;ジアネトール;2,4−ジヒドロキシ安息香酸;ジオスゲニン;アスコルビル燐酸二ナトリウム;ドデカンジオン酸;エストロゲン及びその誘導体;エトシン;ELESERYL SH(ニューヨーク州、サマヴィルにある Laboratories Serobiologiqus から入手できる);ENDONUCLEINE(Laboratories Serobiologiqus から入手できる);エルゴステロール;エリストビン酸;ウイキョウ エキス;コロカ種 エキス;FIBRASTIL(セデルマから入手できる);FIBROSTIMULINES SandP(セデルマから入手できる);FIRMOGEN LS8445(Laboratories Serobiologiqus から入手できる);ホルムオノネチン;レンギョウ果実エキス;没食子酸エステル;ガンマ−酪酸;GATULINE RC(仏国、プリーストにある Gattlefosse 社から入手できる);ゲニステイン;ゲニステイン;ゲニスト酸;イチョウエキス;朝鮮人参エキス;ギンセノシド(RO、R6−1、R6−2、R6−3、RC、RD、RE、RF、RF−2、RG−1、RG−2);グルコ ピラノシル−l−アスコルベート;グルタチオン及びそのエステル類;ヘキサヒドロクルクミン;HMG−補酵素A還元酵素;ホップエキス;11ヒドロキシ ウンデカン酸;10ヒドロキシデカン酸;25−ヒドロキシコレステロール;キネチン;L-2-OXO-チアゾリジン−4−カルボン酸エステル類;乳酸脱水素酵素インヒビター;1−ラウリル;−リソ−ホスファチジルコリン;リコリスエキス;ルミステロール;ルテオリン;アスコルビル燐酸マグネシウム;メラトニン;金属蛋白質分解酵素インヒビター;メトプレン;メトプレン酸;MPC COMPLEX(CLRから入手できる);Nメチルセリン;Nメチルタウリン;N,N1−ビス(ラクチル)システアミン;ナリンゲニン;ネオチゴゲニン;オレアノール酸;フォトアネトン;胎盤エキス;プラテンゼイン;プレグネノロン;酢酸プレグネノロン;琥珀酸プレグネノロン;プレマリン;ラロキシフェン;REPAIR FACTOR1及びREPAIR FACTOR FCP(両方共セデルマから入手できる);レチノエート類(C2〜C20アルコールのエステル類);レチニル グルクロネート;レチニル リノレエート;S−カルボキシメチルシステイン;SEANAMINE FP(Laboratories Serobiologiqus から入手できる);大豆エキス;脾臓エキス;タキステロール;タザロテン;サイムレン;胸腺エキス;チゴゲニン;トコフェリル レチノエート;トラウマ酸;クエン酸トリコリン;トリフォシド;ウルソル酸;ビタミンD及びその類似体;ヤマイモのエキス;ヤモゲニン;ゼアチン;及びこれらの混合物が含まれる。
【0234】
[皮膚バリア修復剤]
皮膚バリア修復剤は、表皮の天然保湿バリア機能を修復及び補充することができるスキンケア活性成分である。皮膚バリア修復剤の非制限的例には、ブラシカステロール;カフェイン;カンペステロール;カノラ誘導性ステロール類;CERAMAX(英国、アッシュフォードにあるケストから入手できる);CERAMIDE 2及びCERAMIDE HO3(商標)(共にセデルマから入手できる);CERAMIDE II 及びCERAMIDE III(両方共ケストから入手できる);IIIB(オランダ国、デフトのコスモフェルムから入手できる);CERAMIDE LS 3773(Laboratories Serobiologiqus から入手できる)、CERAMINOL(Inocosm から入手できる);コレステロール;コレステロール ヒドロキシステアレート;コレステロール イソステアレート;7 デヒドロコレステロール;DERMATEIN BRC及びDERMATEIN GSL(両方共ホルメルから入手できる);ELDEW CL 301及びELDEW PS203(両方共、味の素から入手できる);グリセリン セリン アミド;乳酸;ラノリンアルコール類;ラノステロール;ラウリン酸Nラウリルグルカミド;リポ酸;N‐アセチルシステイン;N‐アセチル‐L‐セリン;N メチル‐L‐セリン;ビタミンB化合物類(ナイアシンアミド及びニコチン酸);パルミチン酸;パンテノール;パンテチン;ホスホジエステラーゼ インヒビター;PHYTO/CER(Intergenから入手できる);フィトグリコリピド穀粒エキス(ニュージャージー州、エングルウッドにあるバーネット プロダクツ ディストリビューターから入手できる);PHYTOSPHINGOSINE(ペンシルバニア州、キング オブ プルシアにあるギスト ブロケーズから入手できる);PSENDOFILAGGRIN(ニュージャージー州、サウスプレンフィールドにあるブルックス インダストリーズから入手できる);QUESTAMIDE H(ケストから入手できる);セリン;シグマステロール;シトステロール;大豆由来ステロール類;スフィンゴシン;S‐ラクトイル グルタチオン;ステアリン酸;SUPER STEROL ESTERS(クローダから入手できる);チオクト酸;THSC CERAMIDE OIL(カンポ リサーチ から入手できる);トリメチルグリシン;トコフェリル ニコチネート;ビタミンD;Y2(Ocean Pharmaceutical から入手できる);及びこれらの混合物が含まれる。
【0235】
[非ステロイド性美容用鎮静剤]
美容用鎮静剤は、皮膚の炎症を防止又は治療するのに有効である。鎮静剤は、本発明の皮膚外観効果を高め、例えば、このような活性成分は、より均一でより容認できる皮膚の調子又は色合いを齎す。組成物中に使用される抗炎症剤の正確な量は、このような作用物質は効力が非常に種々様々なので、利用する特定の抗炎症剤に依ってきまる。美容用鎮静剤の非制限的例には、下記の種類が含まれる:プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸誘導体;ビフェニルカルボン酸誘導体;及びオキシカム類である。これらの美容用鎮静剤の全ては、1991年1月15日に発行されたサンシャインらの米国特許第4,985,459号に詳細に記載されていて、これは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。有用な美容用鎮静剤の非制限的例には、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、アブシンチウム、アカシア、エスクリン、セイヨウイソノキエキス、アラントイン、アロエ、アロエ、APT(Centerchem から入手できる)、アルニカ、ゲンゲ、ゲンゲ根エキス、アズレン、バイカル タツナミソウ、 baizhu、カナダバルサム、ハチ花粉、BIOPHYTEX(Laboratories Serobiologiqus から入手できる)、ビサボロール、コホッシュ、コホッシュ エキス、ブルーコホッシュ、ブルーコホッシュエキス、 フジバカマ、ルリヂサ、ルリヂサ油、ブロメライン、キンセンカ、キンセンカエキス、カンデリラ ワックス、Cangzhu、カノーラ フィトステロール類、トウガラシ、カルボキシペプチダーゼ、セロリー種子、セロリー茎エキス、CENTAURIUM(セデルマから入手できる);シマセンブリエキス;チャムアズレン、カミルレ、カミルレエキス、チャパラル、イタリヤ=ニンジンボク、イタリヤ=ニンジンボクエキス、ハコベ、チコリー根、チコリー根エキス、チレッタ、chishao、コロイド オートミル、ヒレハリソウ、ヒレハリソウエキス、CROMOIST CM GLUCAN(クローダから入手できる)、デフリアン アンゼリカ、 デブルスクロー、二価金属(例:マグネシウム、ストロンチウム、及びマンガン)、シバムギ、ハナミズキ、elleuthero、ELHIBIN(ペンタファームから入手できる)、ENTELINE 2(セクマ(Secma)から入手できる);マオウ、イカリソウ、マツヨイグサ、コゴメグサ、Fangfeng、ナツシロギク、フィシン、レンギョウの実、ガノデルマ、gaoben、ゲンチアナ、ゲルマニウムエキス、イチョウ(gingko bilboa)、 イチョウ(ginkgo)、朝鮮人参エキス、ヒドラスチス、ゴルゴニア(サンゴ虫)エキス;gotu kola;グレープフルーツエキス、ユソウボク材油、guggal エキス、ヘレナリン エステル類;指甲花;スイカズラ花、ニガハッカエキス;セイヨウトチノキ、馬の尾、huzhang、オトギリソウ、イヒチオール、永久花、トコン、ジュズダマ、ナツメ、コーラノ木の実エキス、LANACHRYS 28(ラナテックから入手できる); レモン油、lianqiao、カンゾウ根、ligusticum、セリ根(lovage root)、ヘチマ、メース、マグノリア花、マンジスタエキス、マルガスピジン、margaspidin、 マトリシン、MICROAT IRC(Nurtureから入手できる);ミント;ヤドリギ、ジャコウ、エンバクエキス、オレンジ、パンテノール、パパイン、ボタンノ茎皮、ボタン根、スベリヒユ、QUENCH T(Centerchemから入手できる)、キラヤ、 ランタナ、rehmannia、ダイオウ、ローズマリー、ロスマリン酸、ローヤルゼリー、ヘンルーダ、ルチン、sandlewood、sanqi、サルサ、ノコギリパルメット、SENSILINE(Silabから入手できる)、SIEGESBECKIA(セデルマから入手できる)、ステアリル グリチルリチネート、エゴノキノ樹脂、ベツラレンタ油、セイヨウクルマバソウ、マンジュギク、茶エキス、タイムエキス、tienchi 人参、トコフェロール、トコフェリル酢酸、ウコン、urimei、ウルソル酸、白松樹皮、アメリカマンサク、xinyi、ノコギリソウ、酵母エキス、イトラン、及びこれらの混合物が含まれる。
【0236】
[非ステロイド性消炎剤(NSAIDS)]
NSAIDSの例には、次の種類が含まれる:プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸誘導体;ビフェニルカルボン酸誘導体;及びオキシカム。これらのNSAIDSは、全て1991年1月15日発行のサンシャインらの米国特許第4,985,459号に詳細に記載されており、これは引用により完全な形で本明細書に組み込まれている。有用なNSAIDSの例には、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン及びブクロキシ酸が含まれる。ヒドロコーチゾン等を含むステロイド性消炎剤も有用である。
【0237】
[局所麻酔薬]
局所麻酔薬の例には、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロロプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ダイクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、及びこれらの薬物学的に容認される塩類が含まれる。
【0238】
[人工タンニン剤及び促進剤]
人工タンニン剤は、皮膚のメラニンを増やすことによって、または皮膚に高メラニンの外観を与えることによって自然の日焼けに見せるのに役立つ。人工タンニン剤及び促進剤の非制限的例には、ジヒドロキシアセタオン;チロシン;エチル チロシネート及びグルコース チロシネート等のチロシンエステル類;アセチルチロシン;ホスホ−DOPA;ブラジリン;カフェイン;コーヒーエキス;ジヒドロキシアセトン;DNAフラグメント;イソブチル メチル キサンチン;メチル キサンチン;プロスタグランジン類;茶エキス;テオフィリン;UNIPERTAN P2002 及び UNIPERTAN P27(両方共ユニケムから入手できる);及びこれらの混合物が含まれる。
【0239】
[皮膚光沢剤]
皮膚光沢剤は、皮膚のメラニン量を実際に減少させるか、またはその他のメカニズムによってそのような効果を与えることができる。ここに適切に用いることができる皮膚光沢剤は、6/12/95に提出されたPCT出願番号US95/07432号に対応する、1995年6月7日にヒルブランドの名義で提出された同時係属出願第08/479,935号;及び3/1/95に提出され、9/8/95に公開された、PCT出願番号US95/02809号に対応する、1995年2月24日にクヴァルネス(Kalla L.Kvalnes)、デロング(Mitchell A.DeLong)、ブラドベリー(Barton J.Bradbury)、モトリー(Cutis B.Motley)及びカーター(John D.Carter)の名義で提出された同時係属出願第08/390,152号に記載されている:これらは全て引用により本明細書に組み込まれている。本発明において有用な皮膚光沢剤の非制限的例には、アダパレン、アロエエキス、乳酸アンモニウム、アネトール誘導体、リンゴエキス、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビル パルミテート、アゼレイン酸、竹エキス、クマコケモモエキス、シラン塊茎、bupleurum falcatum エキス、バーネットエキス、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、Chuanxiong、Dang-gui、デオキシアルブチン、1,3−ジフェニルプロパン誘導体、2,5−ジヒドロキシ安息香酸及びその誘導体類、2−(4−アセトキシフェニル)−1,3−ジタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジタン、エラグ酸、エスシノール、エストラゴル誘導体類、FADEOUT(Pentapharmから入手できる)、Fangfeng、ウイキョウエキス、ガノデルマエキス、ガオベン、GATULINE WHITENING(Gattlefosseから入手できる)、ゲニスチン酸及びその誘導体類、グラブリジン及びその誘導体類、グルコピラノシルl‐アスコルベート、グルコン酸、グリコール酸、緑茶エキス、4−ヒドロキシ−5−メチル−3[2H]−フラノン、ヒドロキノン、4−ヒドロキシアニソール及びその誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、ヒドロキシカプリル酸、イノシトール アスコルベート、こうじ酸、乳酸、レモンエキス、リノレン酸、アスコルビル燐酸マグネシウム、MELAWHITE(ペンタファームから入手できる)、クワ(morusalba)エキス、クワノ根エキス、ナイアシンアミド、5−オクタノイル サリチル酸、パセリエキス、キコブタケ エキス、ピロガロール誘導体類、レチノイン酸、レチノール、レチニルエステル類(アセテート、プロピオネート、パルミテート、リノレエート)、2,4−レゾルシノール誘導体類、3,5−レゾルシノール誘導体類、ローズフルーツエキス、サリチル酸、Song-Yi エキス、3,4,5−トリヒドロキシベンジル誘導体類、トラネキサム酸、ビタミンD及びその類似体、及びこれらの混合物等が含まれる。
【0240】
[皮脂物質刺激剤]
皮脂分泌刺激剤は、皮脂腺による皮脂産生を高めることができる。これらのスキンケア活性成分は、皮脂が欠乏する閉経後の女性に特に有用である。皮脂分泌刺激剤の非制限的例には、ブリオノール酸、デヒドロエチアンドロステロン(DHEAとしても知られている)、オリザノール及びこれらの混合物が含まれる。
【0241】
[皮脂分泌抑制剤]
皮脂分泌抑制剤は、皮脂腺による皮脂産生を減らすことができる。皮脂分泌抑制剤の非制限的例には、ASEBIOL(Laboratories Serobiologiques から入手できる)、BIODERMINE(セデルマから入手できる)、COMPLETECH MBAC-0S(リポ社から入手できる)、胡瓜エキス、デヒドロ酢酸及びその塩類、ジクロロフェニル イミダゾールジオキソラン、ナイアシンアミド、フロレチン、PHLOROGINE(セクマから入手できる)、S−カルボキシメチルシステイン、チオキソロン、トコフェロール、UNITRIENOL T27(ユニケムから入手できる)、及びこれらの混合物が含まれる。
【0242】
[抗菌剤及び抗真菌剤]
抗菌及び抗真菌剤の例としては、β−ラクタム薬、キノロン薬、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,4,4'−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エサンブトール、ヘキサミジン イセチオネート、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミド、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール、テトラサイクリン塩酸、エリスロマイシン、エリスロマイシン亜鉛、エリスロマイシン エストレート、エリスロマイシン ステアレート、アミカシン硫酸、ドキシサイクリン塩酸、カプレオマイシン硫酸、クロルヘキシジン グルコネート、クロルヘキシジン塩酸、クロルテトラサイクリン塩酸、オキシテトラサイクリン塩酸、クリンダマイシン塩酸、エサンブトール塩酸、メトロニダゾール塩酸、ペンタミジン塩酸、ゲンタマイシン硫酸、カナマイシン硫酸、リネオマイシン塩酸、メタサイクリン塩酸、メテナミン馬尿酸、メテナミン マンデレート、ミノサイクリン塩酸、ネオマイシン硫酸、ネチルマイシン硫酸、パロモマイシン硫酸、ストレプトマイシン硫酸、トブラマイシン硫酸、ミコナゾール塩酸、アマンファジン塩酸、アマンファジン硫酸、オクトピロックス、パラクロロメタ キシレノール、ナイスタチン、トルナフテート、ピリチオン亜鉛、及びクロトリマゾール;アラントラクトン;イソアラントラクトン;アルカネットエキス(アラニニン);アニス;アルニカエキス(ヘレナリン酢酸及び11,13ジヒドロヘレナリン);アスピジウムエキス(フロロ、ルシノール含有エキス);バールベリーエキス(塩化ベルベリン);ベイスイートエキス;バールベリー樹皮エキス(ミリシトリン);塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;安息香酸及びその塩類;ベンゾイン;ベンジルアルコール;blessed thistle;シラン塊茎;ブラッドルート(bloodroot);ボアドローズ(bois de rose)油;ゴボウ;ブチルパラベン;ケイド油;CAE(味の素(ティーネク、NJ)から販売される);カユプテ油;Cangzhu;キャラウェー油;カスカリラ樹皮(ESSENTIAL OILの製品名で販売されている);シーダ葉油;カミルレ;チャパラル;クロルヘキシジン グルコネート;クロロフェネシン;クロルキシレノール;シナモン油;シトロネラ油;クローブ油;デヒドロ酢酸及びその塩類;ヒメウイキョウ種油;DOWICIL200(ダウケミカル(ミッドランド、MI)から入手);ウニ;エレノール酸;イカリソウ;エチルパラベン;Fo−Ti;ガルバヌム;ガーデンバーネット;GERMALL115及びGERMALLII(ISP Sutton Labs(ウェイン、NJ)から入手); ドイツカミルレ油;オオニワヤナギ;GLYDANT(ロンザ(フェアローン、NJ)から販売される);GLYDANT PLUS(ロンザから販売される); グレープフルーツ種油;ヘキサミジン ジイセチオネート; ヒノキチオール;蜂蜜;スイカズラ花;ホップ;永久花;ヨードプロピニル ブチルカルバミド(ロンザから入手);イソブチルパラベン;イソプロピルパラベン;JM ACTICARE(Microbial Systems International(ノッチンガム、NG)から販売される)、ビャクシン果実;KATHON CG(ローム&ハース(フィラデルフィア、PA)から販売される);ラブダヌム;ラベンダ;レモンバーム油;レモン草;メチルパラベン;ミント;マム;マスタード;ミルラ;インドセンダン種油;オルトフェニルフェノール;オリーブの葉;パセリ;パチョリ油;ボタン根;PHENONIP(Nipa Labs(ウィルミントン、 DE)から販売される);フェノキシエタノール;松の葉油;PLANSERVATIVE(カンポリサーチから販売される);プロピルパラベン;スベリヒユ;キラヤ;ダイオウ;ローズゼラニウム油;ローズマリー;セージ;サリチル酸;サッサフラス;キダチハッカ;シチュアーン−セリ;ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム;SOPHOLIANCE(ソリアンス(Soliance)(コンペーニュ、フランス)から入手);ソルビン酸及びその塩類;ステビア;ストラックス;タンニン酸;茶;茶の木油(カヤプト油);タイム;トリクロサン;トリクロカルバン;トロポロン;ターペンチン;ウンベリフェロン(抗真菌);ユッカ;ピリチオン亜鉛;及びこれらの混合物がある。
【0243】
[日焼け止め剤]
日焼け止め剤もここでは有用である。非常に種々様々の日焼け止め剤が、1992年2月11日発行のハフェイ(Haffey)らの米国特許第5,087,445号;1991年12月17日発行のターナー(Turner)らの米国特許第5,073,372号;1991年12月17日発行のターナーらの米国特許第5,073,371号;及び“化粧品科学及びテクノロジー”、第VIII章、189ページ以下に記載されている。これらは、全てそのまま参考として本明細書に組み込まれる。本発明の組成物に有用な日焼け止め剤の非制限的例は、2−エチルヘキシル p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−p−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オクトクリレン、オキシベンゾン、ホモメチルサリチレート、オクチルサリチレート、4,4’−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジメンゾイルメタン、3−ベンゾイリデン カンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、酸化鉄、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。また、別の日焼け止め剤が1990年6月26日に発行されたサバテリ(Sabatelli)の米国特許第4,937,370号;及び1991年3月12日発行のサバテリの米国特許第4,999,186号に開示されている;これらの二つの特許公報は、そのまま参考として本明細書に組み込まれる。これらの日焼け止め剤の特に好適な例は、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル、4−ヒドロキシジベンゾイルメタンとの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)ジベンゾイルメタンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。使用できる日焼け止め剤の正確な量は、選択した日焼け止め薬と、達成し得る所望の日焼け防御ファクター(SPF)によって変化する。SPFは、紅斑を阻止する日焼け止め剤の光防御効果を表す、一般に用いられる尺度である。1978年8月25日付の官報43巻、166号、38206−38269ページを参照されたい。これはそのまま参考として本明細書に組み込まれる。
【0244】
ここで有用な活性成分の好適例は、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリリル酸、ナイアシンアミド、cis−レチノイン酸、trans−レチノイン酸、レチノール、レチニル パルミテート、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、cis−レチノイン酸、trans−レチノイン酸、レチノール、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、アゼレイン酸、アラキドン酸、過酸化ベンゾイル、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ヒドロコーチゾン、アセトアミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4'−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ネオサイクリン硫酸、2−エチルヘキシル p−メトキシシンナム酸、オキシベンゾン、2−フェニルベンズイミドゾル−5−スルホン酸、ジヒドロキシアセトン、パンテノール、乳酸、アルブチン、こうじ酸、アラントイン、コレステロール、C10〜C30コレステロール/ラノステロール エステル、トコフェロール、酢酸トコフェリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるもの等である。
【0245】
[カチオン性界面活性剤]
本発明の製品は、任意に1種類以上のカチオン性界面活性剤を含むことができる。但し、これらの物質が必要な発泡界面活性剤の全体的泡立ち特性を妨害しないように選択されることを条件とする。カチオン性界面活性剤は、静電気防止剤として又は乳化剤として有用である。
【0246】
本発明において有用なカチオン性界面活性剤の非制限的例は、allured Publishing Corporationによって出版されたマクカッチョン著“洗剤及び乳化剤”、北米版(1986);及びマクカッチョン著“機能的材料”、北米版(1992)に開示されている。これらはそのまま参考として本明細書に組み込まれる。
【0247】
ここに有用なカチオン性界面活性剤の非制限的例は、下記の式で表されるようなカチオン性アルキルアンモニウム塩を含める:
R1R2R3R4N+X−
上記式中、R1は約12〜約18個の炭素原子を有するアルキル基、又は約12〜約18個の炭素原子を有する芳香族、アリール又はアルカリル基から選択される;R2、R3、及びR4は独立的に、水素、約1〜約18個の炭素原子を有するアルキル基、又は約12〜約18個の炭素原子を有する芳香族、アリール又はアルカリル基から選択され;Xは塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセテート、ホスフェート、ナイトレート、スルフェート、メチルスルフェート、エチルスルフェート、トシレート、ラクテート、シトレート、グリコレート、及びこれらの混合物から選択されるアニオンである。さらに、上記アルキル基はエーテル結合、又はヒドロキシ又はアミノ基置換基も含むことができる(例えば、アルキル基は、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール部分を含むことができる)。
【0248】
より好適には、R1は約12〜約18個の炭素原子を有するアルキル基であり;R2はH又は約1〜約18個の炭素原子を有するアルキル基から選択される;R3及びR4は独立的に、H、又は約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル基から選択され;Xは前節に記載のものである。
【0249】
最も好適には、R1が約12〜約18個の炭素原子を有するアルキル基である;R2、R3、及びR4はH、又は約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル基から選択され;Xは上述のものである。
【0250】
或いは、その他の有用なカチオン性界面活性剤は、アミノ−アミド類を含む。この際、上記構造において、R1は上記のものの代わりにR5CO−(CH−であり、ここでR5は約12〜約22個の炭素原子を有するアルキル基である。nは約2〜約6の整数、より好適には約2〜約4、最も好適には約2〜約3の整数である。これらのカチオン性乳化剤の非制限的例は、ステアラミドプロピル PG−ジモニウム燐酸クロリド、ステアラミドプロピル エチジウム エトスルフェート、ステアラミドプロピル ジメチル(ミリスチル アセテート)塩化アンモニウム、ステアラミドプロピル ジメチル セテアリルアンモニウムトシレート、ステアラミドプロピル ジメチル アンモニウム クロリド、ステアラミドプロピル ジメチル アンモニウム ラクテート、及びこれらの混合物を含む。
【0251】
第四アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非制限的例は、セチル塩化アンモニウム、セチル臭化アンモニウム、ラウリル塩化アンモニウム、ラウリル臭化アンモニウム、ステアリル塩化アンモニウム、ステアリル臭化アンモニウム、セチルジメチル塩化アンモニウム、セチル ジメチル臭化アンモニウム、ラウリルジメチル塩化アンモニウム、ラウリルジメチル臭化アンモニウム、ステアリルジメチル塩化アンモニウム、ステアリルジメチル臭化アンモニウム、セチルトリメチル塩化アンモニウム、セチルトリメチル臭化アンモニウム、ラウリルトリメチル塩化アンモニウム、ラウリルトリメチル臭化アンモニウム、ステアリルトリメチル塩化アンモニウム、ステアリルトリメチル臭化アンモニウム、ラウリルジメチル塩化アンモニウム、ステアリル ジメチル セチル ジタロウ ジメチル塩化アンモニウム、ジセチル 塩化アンモニウム、ジセチル臭化アンモニウム、ジラウリル塩化アンモニウム、ジラウリル臭化アンモニウム、ジステアリル塩化アンモニウム、ジステアリル臭化アンモニウム、ジセチルメチル塩化アンモニウム、ジセチル メチル臭化アンモニウム、ジラウリル メチル 塩化アンモニウム、ジラウリル メチル臭化アンモニウム、ジステアリル メチル塩化アンモニウム、ジステアリル ジメチル塩化アンモニウム、ジステアリル メチル臭化アンモニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含める。追加的第四アンモニウム塩は、C12〜C22アルキル炭素鎖がタロウ脂肪酸又はココナツ脂肪酸から誘導されるものを含む。用語“タロウ”は、一般にはC16〜C18の範囲のアルキル鎖の混合物を含むタロウ脂肪酸(一般には水素化タロウ脂肪酸)から誘導されるアルキル基を指す。用語“ココナツ”は、概ねC12〜C14範囲のアルキル鎖の混合物を有するココナツ脂肪酸から誘導されるアルキル基を指す。これらのタロウ及びココナツ ソースから誘導される第四アンモニウム塩の例は、ジタロウ ジメチル 塩化アンモニウム、ジタロウ ジメチル メチル硫酸アンモニウム、ジ(水素化タロウ)ジメチル塩化アンモニウム、ジ(水素化タロウ)ジメチル酢酸アンモニウム、ジタロウ ジプロピル燐酸アンモニウム、ジタロウジメチル 硝酸アンモニウム、ジ(ココナツアルキル)ジメチル 塩化アンモニウム、ジ(ココナツアルキル)ジメチル臭化アンモニウム、タロウ塩化アンモニウム、ココナツ塩化アンモニウム、ステアラミドプロピルPG−ジモニウム燐酸塩化物、ステアラミドプロピルエチルジモニウム エトスルフェート、ステアラミドプロピル ジメチル(ミリスチルアセテート)塩化アンモニウム、ステアラミドプロピル ジメチル セテアリル アンモニウム トシレート、ステアラミドプロピル ジメチル 塩化アンモニウム、 ステアラミドプロピル ジメチル 乳酸アンモニウム、及びこれらの混合物を含む。
【0252】
ここで有用な好適カチオン性界面活性剤は、ジラウリル ジメチル 塩化アンモニウム、 ジステアリル ジメチル 塩化アンモニウム、ジミリスチル ジメチル塩化アンモニウム、ジパルミチル ジメチル 塩化アンモニウム、ジステアリル ジメチル 塩化アンモニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含める。
【0253】
[その他の任意成分]
本発明の製品は、広範囲のその他の任意成分を含むことができる。これらの付加的成分類は、薬物学的に容認できなければならない。CTFA化粧品成分ハンドブック、第2版,1992(これはそのまま参考として本明細書に組み込まれる)は、スキンケア産業において一般的に用いられる、本発明の組成物に適切に使用できる非常に多種多様の非制限的化粧品−及び医薬品成分を記載している。諸成分の機能的クラスの非制限的例は、この参考文献の537ページに記載されている。これらの及びその他の機能的クラスの例は、次のものを含める:研磨剤、吸収剤、凝結防止剤、抗酸化剤、ビタミン、結合剤、生物学的添加物、緩衝剤、増量剤、キレート剤、化学的添加物、着色剤、化粧用アストリンゼント、化粧用殺菌剤、変性剤、薬用アストリンゼント、外用麻酔剤、フィルム形成剤、芳香成分、保湿剤、乳白剤、pH調節剤、保存料、噴射剤、還元剤、皮膚漂白剤、及び日焼け止め剤。
【0254】
香料、色素、着色剤、精油、皮膚感覚剤、アストリンゼント、皮膚を鎮静する作用物質、及び皮膚回復剤などの美的成分類も有用である。
【0255】
[製造方法]
本発明の使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品は、水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地に、少なくとも1種類の発泡界面活性剤と、コンディショニング剤とを別々に、又は同時に加えるか、しみ込ませることによって製造される。その際、前記生成製品は実質的に乾燥している。「別々に」とは、界面活性剤及びコンディショニング剤が、最初には一緒に組み合わせずに、いかなる順序ででも逐次的に加えることができることを意味する。「同時に」とは、界面活性剤とコンディショニング剤とを最初に一緒に組み合わせて、又は組み合わせずに、同時に加えることができることを意味する。発泡界面活性剤及び/又はコンディショニング成分をどちらかの層(100又は200)にどんな順序によっても加えるかしみ込ませることができる。或いは、生成した第一層100及び第二層200の組み合わせに発泡界面活性剤及び/又はコンディショニング成分を付加し、又はしみ込ませてもよい。発泡界面活性剤及び/又はコンディショニング成分による処理は、第一層100及び第二層200を一緒にする前でも、一緒にした後でもいつでも行うことができる。処理順序には無関係に、過剰の界面活性剤及び/又はコンディショニング成分は(例えば、ニッピングプロセスによって)除去しなければならない。その後処理した材料(例えば、第一層100、第二層200、両方の層(100及び200)又は接合生地)を一般的方法によって乾燥しなければならない。
【0256】
例えば、第一層100を第二層200に接合する前に、第二層を発泡界面活性剤で処理することができる。2つの層を合わせた後、層100及び/又は200の外側表面(例えば、接合されていない表面)のどちらかをコンディショニング成分で処理できる。或いは、発泡界面活性剤及びコンディショニング剤を、2つの層を合わせる前に、同時に第二層200に付加又はしみ込ませてもよい。或いは、第二層200に付加又はしみ込ませる前に、発泡界面活性剤及びコンディショニング剤を組み合わせることができる。
【0257】
或いは、2つの層を合わせる前に、第一層が伸長したり延びたりしない方法を用いて、第一層100を発泡界面活性剤で処理することができる。これは、第一層の製法において、又は熟練せる当業者に公知の種々の適用法によって達成できる。適用法の非制限的例としては、押出コーティング及びスロットコーティングがある。
【0258】
界面活性剤、コンディショニング剤及びあらゆる任意成分は、当業者に公知の手段、例えば、噴霧、レーザープリント、スプラッシ、浸漬、ソーキング又はコーティングなどによって、どちらかの層(100又は200)又は生成した接合層(100及び200)に付加するか又はしみ込ませることができる。
【0259】
水又は湿気を用いたり、それらが製造工程に存在する場合は、生成した処理ずみ生地を乾燥して、実質的に無水であるようにする。処理ずみ生地は熟練せる当業者に公知のいかなる手段によって乾燥してもよい。公知の乾燥法の非制限的例は、熱対流炉、放射熱源、マイクロウェーブオーブン、強制通風炉、及び加熱ローラー又はカンの使用を含む。乾燥は、周囲環境に存在する熱エネルギー以外の熱エネルギーを追加せずに空気乾燥することも含む。又、種々の乾燥法の組み合わせを用いることもできる。
【0260】
湿潤時に、本発明の製品が、好適には約30ml以上、より好適には約50ml以上、更により好適には約75ml以上、最も好適には約150ml以上の平均泡量を生成できることが好ましい。
【0261】
[皮膚又は毛髪をクレンジング及びコンディショニングする方法]
本発明は本発明のパーソナルクレンジング製品で皮膚又は毛髪をクレンジング及びコンディショニングする方法にも関する。これらの方法は、水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地、少なくとも1種類の発発泡界面活性剤、及びコンディショニング成分を有する実質的に乾燥した、使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品を水で濡らし、皮膚又は毛髪をこのように湿潤した製品と接触させる段階を含んでなる。また、別の実施形態において、本発明は、種々の活性成分を皮膚又は毛髪に供給するためにも有用である。
【0262】
本発明の製品は実質的に乾燥しており、使用前に水で濡らすことを意図している。上記製品を水に浸すか又はそれを水蒸気中に置くことによって湿潤させる。その製品と皮膚又は毛髪との接触前又は接触中にその製品を機械的に激しく動かしたり及び/又は変形させたりすることによって、泡がその製品から出てくる。湿潤時に本発明の製品から平均泡量約30ml以上、より好適には約50ml以上、更により好適には約75ml以上、最も好適には約150ml以上が生成するのが好ましい。生成した泡は、皮膚又は毛髪をクレンジング及びコンディショニングするのに有用である。クレンジングプロセス中、及びそれに続く水によるすすぎ中に、コンディショニング剤及び活性成分が皮膚又は毛髪に付着する。コンディショニング剤及び活性成分の付着は、生地と皮膚又は毛髪との接触によって高まる。
【0263】
[コンディショニング剤及び活性成分を皮膚又は毛髪に確実に付着させる方法]
本発明の製品は、本発明のコンディショニング剤を皮膚又は毛髪に確実に付着させるために有用である。活性成分が存在する更に別の実施形態においては、上記組成物は、その活性成分を皮膚又は毛髪に確実に付着させるためにも有用である。
【0264】
本発明の製品は、約60%より大きい付着安定性、好適には約65%より大きい、より好適には約70%より大きい、最も好適には約75%より大きい付着安定性を有する。
【0265】
付着安定性の測定値は、“非理想的泡立ち及び使用”によるコンディショニング剤の付着を、“理想的泡立ち及び使用”によるコンディショニング剤の付着によって割ることによって得られる商である。ここに使用する“非理想的泡立ち”とは、コンディショニング剤を含む製品表面をこすり、それからその同じ表面を皮膚又は毛髪と接触させることによって泡立ちを得ることを意味する。これはコンディショニングの非効率的付着を起こす。なぜならばコンディショニングの若干はその表面によって乳化されるからである。ここに用いる理想的泡立ちは、コンディショニング剤を含まない製品表面をこすり、それから皮膚又は毛髪を、コンディショニング成分を含む表面と接触させることによって得られる。もし生地の両面がコンディショニングで処理される場合、同じ判断基準があてはまる(例えば、“泡立てて、皮膚と、乳化されたコンディショニング剤を含む同じ泡表面とを接触させることによって得られる付着”に対する“皮膚と、非乳化コンディショニング剤を含む泡立たない表面とを接触させることによって得られる付着”)。付着安定性は、コンディショニング成分の脂質硬度値が0.02kgより大きい時に最大である。
【0266】
皮膚又は毛髪に付着するコンディショニング成分の定量は、熟練せる当業者である化学者には公知の種々の標準分析法によって行われる。このような方法には、例えば、皮膚又は毛髪の或る領域を適切な溶媒で抽出し、その後クロマトグラフィー(即ちガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、超臨界液体クロマトグラフィー等)、IRスペクトロスコピー、UV/VISスペクトロスコピー、質量分析等によって分析する方法がある。直接測定も皮膚又は毛髪で、IR分光分析、UV/VIS分光分析、不透明性測定、蛍光分光分析等によって実施できる。
【0267】
典型的付着測定法において、本発明の製品は、水で濡らし、しぼり、激しく動かすと泡を発生する。上記製品をその後、適した消えないマーカーを用いて印をつけた皮膚又は頭部の約25cm〜約300cm、好適には約50cm〜約100cmの部位に約15秒間こすりつける。その部位をそれから約10秒間すすぎ、それから約10分間空気乾燥させる。その部位を抽出して抽出液を分析するか、又は上に明示したような方法を用いて直接分析する。
【実施例】
【0268】
下記の実施例は、更に本発明の範囲内の実施形態を説明し、実証する。下記の実施例において、全ての成分を活性レベルで列挙する。これらの実施例は、単に説明の目的のために示されており、本発明を制限するものではないし、従って本発明の精神及び範囲を逸脱することなくその多くの変更が可能である。
【0269】
成分類は、化学名かCTFA名で記載され、全ての重量は活性成分のパーセントである。
【0270】
[実施例1〜5]
I.生地
図1、2、3、4、5A、及び5Bに記載した多層生地を本明細書に記載のように作製する。
II.界面活性剤相
適切な容器中で、下記成分を室温で混合する。均質にするために必要ならば加熱する。
【0271】
【表1】

【0272】
下記の成分を上記成分混合物に加える。
【0273】
【表2】

【0274】
別の混合容器に下記の成分を加える。プロピルパラベンが溶解するまで混合する(必要ならば40℃まで加熱する)。
【0275】
【表3】

【0276】
この混合物を最初の混合容器に加える。生成した混合物1.5〜2.5gを不織生地に塗布し、乾かす。
III.任意の脂質相
適切な容器中で下記の成分を溶融するまで加熱しながら混合する(75〜115℃)。
【0277】
【表4】

【0278】
この相の(上記表に示されている)量を、界面活性剤及び水溶性コンディショナー相からの材料を既に含む生地に塗布する。液体/溶融状態(例えば、生成脂質混合物の融解温度以上の温度)の脂質相を塗布し、その後冷やす。形成されたクレンジング製品は、水で濡らすことによって使用され、皮膚又は毛髪を同時にクレンジングし、コンディショニング剤を皮膚又は毛髪に確実に付着させるのに役立つ。
【0279】
別の製法では、発泡界面活性剤、コンディショニング成分、及びオプションの成分を別々に又は同時に水不溶性生地の一方の面又は両面に付加又はしみ込ませる。もし生地がラミネートであるならば、前に述べた成分は(i)層を結合してラミネートにする前にどちらかの層又は両方の層のどちらかの面又は両面に、又は(ii)層を結合してラミネートにした後に一方の面又は両面に塗布される。生地に界面活性剤及び/又はコンディショニング成分を付加し又はしみ込ませるプロセスは、噴霧、印刷、スプラッシ、浸漬又はコーティングによって行われる。
【0280】
別の実施形態において、その他の織物生地、水交絡生地、天然スポンジ、合成スポンジ、又は重合網メッシュ等の生地が本発明の生地の代わりに用いられる。
【0281】
[実施例6〜10]
I.生地
図1、2、3、4、5A、及び5Bに記載した多層生地をここに記載のように作製する。
II.界面活性剤相
適当な容器中で、下記成分を室温で混合する。均質にするために必要ならば加熱する。
【0282】
【表5】

【0283】
下記成分を上記成分混合物に加える
【0284】
【表6】

【0285】
別の混合容器に下記の成分を加える。プロピルパラベンが溶解するまで混合する(必要ならば40℃に加熱する)。
【0286】
【表7】

【0287】
この混合物を最初の混合容器に加える。生成した混合物1.5〜2.5gを不織生地に塗布し、それから乾かす。
III.任意のコンディショニングエマルション
適当な容器中で、下記の成分を加熱しながら(75〜115℃)溶融するまで混合する。
【0288】
【表8】

【0289】
下記の成分を一緒にして室温で均質になるまで混合する。ひとたび上記混合物が完全に融解したならば、加熱を止め、下記の成分をゆっくり加える。その間撹拌し続ける。
【表9】

【0290】
液体/溶融状態のこの相0.1〜1.0gを、界面活性剤相からの材料をすでに含む生地に塗布する。塗布後、室温(約20℃)まで冷ます。出来上がったクレンジング及びコンディショニング製品は、水で濡らして用いられ、皮膚又は毛髪のクレンジング及びコンディショニングエマルションの皮膚又は毛髪への付着に役立つ。
【0291】
別の製法では、発泡界面活性剤、コンディショニングエマルション、及び任意成分は別々に、又は同時に、(i)層を結合してラミネートにする前にどちらかの層又は両方の層のどちらかの面に付加又はしみ込ませるか、又は(ii)層を結合してラミネートにした後に、どちらかの面に付加し又はしみ込ませる。該生地に界面活性剤及び/又はコンディショニング成分を付加し又はしみ込ませるプロセスは、噴霧、印刷、スプラッシ、浸漬又はコーティングによって行われる。
【0292】
同様に、発泡界面活性剤及びコンディショニングエマルションはいかなる順序でも生地に加えることができる。プロセスシーケンスの非制限的例には、(i)先ず最初に界面活性剤を第二層に付加し、それからその生地に接合し、それからコンディショニング成分で処理する;(ii)最初に界面活性剤とコンディショニング成分とを結合し、それから第二層を処理し、それから2つの層を接合する;(iii)2つの層を合わせる前に、第二層を先ず界面活性剤で、それからコンディショニング成分で処理し、それからその2つの層を合わせることが含まれる。
【0293】
別の実施形態では、その他の生地、例えば、織物生地、水交絡生地、天然スポンジ、合成スポンジ、又は重合網メッシュが本発明の生地の代わりとなる。
【図面の簡単な説明】
【0294】
【図1】本発明のパーソナルクレンジング製品の一実施形態を示す平面図である。該製品は、伸長性の第一層と、より小さい伸長性を有する第二層とを有し、第一層は見る人に面する側であって、第一層の切り取り部分は、概ね平行した接着剤交差ラインの組からなり、第一層と第二層とを接着させるように機能する連続的な網目状構造を示すためのもので、該接着領域は、概ねダイヤモンド形の非結合領域を画成している。
【図2】本発明のパーソナルクレンジング製品の別の実施形態の例示であり、この製品は伸長性の第一層と、より伸長性の小さい第二層とを有し、第一層は見る人に面する側であり、第一層の切り取り部分は、第一層と第二層とを接着する接着剤の連続的な網目状構造を示し、該接着領域は、概ね円形の非接着領域の輪郭を画成している。
【図3】本発明のパーソナルクレンジング製品の別の実施形態を示す平面図である。該製品は、伸長性の第一層と、より伸長性の小さい第二層とを有し、第一層は見る人に面する側であり、切り取り部分に示される有孔層部分は、有孔層及び不織層の機械方向に概ね平行に延びる、概ね平行の、間隔を置いた接着剤ゾーンを示す。
【図4】図1に示すパーソナルクレンジング製品の一部の例示であり、図4は図1に対して拡大されており、伸長性のある第一層の好適な孔及び有孔層のクレーピング隆起を図示している。
【図5A】本発明のパーソナルクレンジング製品の、図1の5−5線によって示される方向に沿った断面図であり、第一層を濡らす前の製品を示している。
【図5B】図1の線5−5によって示される方向に沿った断面図であり、第一層を濡らした後の製品を示している。
【図6】本発明のパーソナルクレンジング製品の生地部分を形成する際に用いることができるセルロース巻取紙の製造に用いられる製紙機械の説明図である。
【図7】有孔セルロース巻取紙を形成するために用いられる二次成形要素の説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地と、
(B)前記生地上に付加させるか又は前記生地中にしみ込ませた少なくとも1種類の発泡界面活性剤と
を含み、使用前は実質的に乾燥している使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品。
【請求項2】
前記発泡界面活性剤が、アニオン性発泡界面活性剤、非イオン性発泡界面活性剤、両性発泡界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤である請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記アニオン性発泡界面活性剤が、サルコシネート類、スルフェート類、イセチオネート類、ホスフェート類、タウレート類、ラクチレート類、グルタメート類又はこれらの混合物である請求項2に記載の製品。
【請求項4】
前記非イオン性発泡界面活性剤が、アミンオキシド類、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシル化脂肪酸エステル類、スクロースエステル類又はこれらの混合物である請求項2に記載の製品。
【請求項5】
前記両性発泡界面活性剤が、ベタイン類、サルテイン類、ヒドロキシサルテイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類又はこれらの混合物である請求項2に記載の製品。
【請求項6】
前記生地上に付加させるか又は前記生地中にしみ込ませたコンディショニング成分を更に含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
前記コンディショニング成分が、前記水溶性生地の0.05〜99重量%を構成する請求項6に記載の製品。
【請求項8】
前記コンディショニング成分が、少なくとも1種類の油溶性コンディショニング剤と、少なくとも1種類の脂質硬化物質とを含む請求項6又は7に記載の製品。
【請求項9】
前記コンディショニング成分が、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、エトキシル化アルコール、ポリオール ポリエステル類、グリセリン モノ−エステル類、グリセリン ポリエステル類、表皮性及び皮脂性炭化水素、ラノリン、直鎖及び分岐鎖炭化水素、シリコーン油、シリコーンゴム、植物油、植物油付加物、水素化植物油、非イオン性ポリマー、天然ワックス、合成ワックス、ポリオレフィン グリコール類、ポリオレフィン モノエステル類、ポリオレフィン ポリエステル類、コレステロール類、コレステロールエステル類及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の物質を含む請求項6〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
前記コンディショニング成分が、C−C100直鎖及び分岐鎖炭化水素、C−C30モノエステル類及び糖ポリエステル類、ポリオールポリエステル類、C−C30脂肪酸、C−C30脂肪アルコール類、C−C30エトキシル化アルコール類、グリセリン モノ及びトリエステル類、コレステロール類、コレステロールエステル類、天然ワックス、合成ワックス及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の物質を含む請求項6〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
前記コンディショニング成分が、パラフィン、鉱油、ペテロラタム、コレステロール、コレステロールエステル、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、C−C30スクロース ポリエステル類、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ステアレス−1−100、セテアレス1−100、コレステロール、コレステロールエステル、グリセリル トリベヘネート、グリセリル ジパルミテート、グリセリル モノステアレート、トリヒドロキシステアリン、オゾケライトワックス、ジョジョバワックス、ラノリンワックス、エチレングリコール ジステアレート、キャンデリラワックス、カルナバワックス、蜜蝋、シリコーンワックスからなる群から選択される少なくとも1種類の物質を含む請求項6〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項12】
前記コンディショニング成分が、
(A)1種類以上の水溶性物質から選択される水溶性コンディショニング剤を含む内相と、
(B)少なくとも1種類の油溶性コンディショニング剤及び少なくとも1種類の脂質硬化物質を含む外相と
を含むコンディショニングエマルションである請求項6〜11のいずれか一項に記載の製品。
【請求項13】
前記クレンジング製品が、抗アクネ剤、抗しわ及び抗皮膚剤、皮膚バリア修復剤、非ステロイド性美容用鎮静剤、非ステロイド性消炎剤、局所麻酔薬、人工タンニン剤及び促進剤、皮膚光沢剤、皮脂分泌促進剤、皮脂分泌抑制剤、抗菌及び抗真菌剤、日焼け止め剤、抗酸化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種類以上の活性成分の安全かつ有効量を更に含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の製品。
【請求項14】
前記活性成分が、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、ナイアシンアミド、cis−レチノイン酸、trans−レチノイン酸、レチノール、レチニルパルミテート、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、アゼレイン酸、アラキドン酸、過酸化ベンゾイル、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ヒドロコーチゾン、アセトアミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ ジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、リドカイン塩酸、クロトリマゾール、ミコナゾール、ネオサイシン硫酸、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナミン酸、オキシベンゾン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ジヒドロキシアセトン、パンテノール、乳酸、アルブチン、こうじ酸、アラントイン、コレステロール、C−C30コレステロール/ラノステロールエステル、トコフェロール、トコフェリルアセテート、及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項13に記載の製品。
【請求項15】
前記水不溶性生地が、
(A)第一層であって、前記第一層が湿潤すると、第一層は第一層の平面に湿潤伸長する前記第一層と、
(B)湿潤した際に前記第一層よりも小さい湿潤伸長性を示す第二層と
を含み、前記第一生地層の選択された部分が前記第二生地層に接着剤で結合され、前記生地内に概ね平行して間隔のある複数の結合領域と、概ね平行して間隔のある複数の非結合領域とを与える請求項1〜14のいずれか一項に記載の製品。
【請求項16】
前記第一層が、少なくとも4パーセントの湿潤伸長性を有する請求項15に記載の製品。
【請求項17】
前記第一層が、少なくとも10パーセントの湿潤伸長性を有する請求項15に記載の製品。
【請求項18】
前記第一層がクレープドペーパーウェブを含み、前記第二層が不織ウェブを含む請求項15〜17のいずれか一項に記載の製品。
【請求項19】
前記水不溶性生地の少なくとも一部に孔がある請求項15〜18のいずれか一項に記載の製品。
【請求項20】
前記第一生地層の選択部分が前記第二生地層に接着剤で結合され、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な網目状の結合領域を与える15〜19のいずれか一項に記載の製品。
【請求項21】
乾燥キャリパーに対する湿潤キャリパーの比が1.0より大きい請求項1〜12のいずれか一項に記載の製品。
【請求項22】
前記製品が、湿潤時に30ml以上の平均泡量を生成することができる請求項1〜21のいずれか一項に記載の製品。
【請求項23】
前記生地の表面が、平方インチ当たり4個〜300個の頻度(平方センチメートル当たり0.62個〜46.5個)で、複数の孔を有する請求項1に記載の使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品。
【請求項24】
前記生地が丸くされた隅部を有する請求項1に記載の使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品。
【請求項25】
水不溶性生地の少なくとも第一の部分が湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分が前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地に、
(A)少なくとも1種類の発泡界面活性剤と、
(B)コンディショニング成分と
を別々又は同時に付加又はしみ込ませる段階を含み、前記生成した製品は実質的に乾燥している使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品の製造方法。
【請求項26】
前記製品が、湿潤時に30ml以上の平均泡量を生成することができる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
(A)以下の、
(i)水不溶性生地の少なくとも第一の部分は湿潤伸長性であり、前記生地の少なくとも第二の部分は前記第一の部分に比べて湿潤伸長性が小さく、前記第一の部分の選択された部分が前記第二の部分に結合されて、複数の分離された非結合領域を輪郭づける連続的な結合領域を与える水不溶性生地と、
(ii)少なくとも1種類の発泡界面活性剤と、
(iii)コンディショニング成分と
を含む、実質的に乾燥した使い捨て、一回用パーソナルクレンジング製品を水で濡らす段階、及び
(B)皮膚又は毛髪を前記濡れた製品と接触させる段階
を含む、皮膚又は毛髪をパーソナルクレンジング製品で洗浄及びコンディショニングする方法。
【請求項28】
前記製品が、湿潤時に30ml以上の平均泡量を生成することができる請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記コンディショニング成分のコンディショニング剤が、少なくとも60%の付着確実性で皮膚又は毛髪に供給される請求項27又は28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−8693(P2006−8693A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204936(P2005−204936)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【分割の表示】特願2000−511485(P2000−511485)の分割
【原出願日】平成10年8月31日(1998.8.31)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】