説明

ヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末

【課題】 読み取ったカードの識別情報と対応させて生成したテンポラリ情報の履歴を記憶し、再度識別情報を読み取った時に、前記履歴の中から当該識別情報に対応するものを検索して表示装置に再表示が可能なヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末を提供する。
【解決手段】 カードから識別情報を読み取る識別情報読取部2、識別情報に対応させてテンポラリ情報を生成するテンポラリ情報生成部3、テンポラリ情報生成部3が生成したテンポラリ情報を識別情報と対応させて記憶するテンポラリ情報履歴蓄積部4、テンポラリ情報履歴蓄積部に存在するテンポラリ情報の中から識別情報読取部が読み取った識別情報と対応するものを検索するテンポラリ情報履歴検索部5、テンポラリ情報生成部が生成したテンポラリ情報とテンポラリ情報履歴検索部の検索結果を表示装置に表示させるための表示制御部6を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店で商品を購入したり、銀行等の窓口でサービスを受ける際に、ICカードや磁気カード、さらに、ICカード機能を有する携帯電話など(以下、これらを総称してカード類という。)から、識別情報を読み取るカードリーダ端末に関するものであって、特に、カード類から読み取った識別情報に対応させて、一時的に利用する情報(例えば、その場で行ったくじ引きの結果や待ち受け番号に関する情報等、以下、テンポラリ情報という。)を生成して記憶するとともに、前記識別情報から既に記憶されているテンポラリ情報を検索して再表示する機能を備えたヒストリーリコール機能付きリーダ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、非接触ICカードや、非接触ICカードを組み込んだ携帯電話をカードリーダにかざすことで、支払いやポイント蓄積を行う端末(以下、カードリーダ端末という。)が急速に普及してきている。
【0003】
このようなカードリーダ端末においては、例えば、特許文献1に記載されているように、商品販売時にポイント(金券として利用可能な得点)を原資として全ての買い物客を対象にしたくじ引きが行えるシステムを備えたものも提案されている。
【特許文献1】特開2003−323676
【0004】
前記特許文献1に提案されている発明は、複数の店舗で顧客が商取引を行うと顧客を優遇するためのカードを発行して、売り上げ金額を端末に入力する際に、当該金額に応じた優遇得点をカードに記録し、この端末からホスト装置にカードの固有情報と優遇得点を送信してホスト装置側の記憶装置にこれらの情報を集合させ、一方、ホスト装置では各発行済みカードに関する優遇得点をそれぞれ加算し、所定の日時に達していたら総計した優遇得点を賞品としたくじ引きを行って、複数のカードを選出し、これら選出されたカードに対してのみ賞品を分配するように、記憶装置に保持部情報として記録するようにしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1に記載されているもののように、所定の日時を待つことなく、例えば、非接触ICカードをカードリーダにかざすことで、支払いやポイント蓄積を行う際に、即座にスロットマシンやくじ引き(以下、これらを総称してくじ引きという。)が可能なカードリーダ端末を想定した場合には、その場にいる運用担当者がカードリーダ端末に付属する画面の表示や音などから、当該くじ引きの「あたり」「はずれ」等の結果を認知して、くじ引き結果に対応した景品を利用客に渡すことが考えられる。
【0006】
ところが、画面表示や音だけでくじ引きの「当たり」「はずれ」を表示する場合、後続の客が控えている関係上、確認可能な数秒程度の短い時間だけ表示されて消えるようにする必要があり、表示されたときに、たまたま運用担当者が目を離すと、そのとき
「当たり」が出たのか「はずれ」だったのか、そのくじ引きの結果が不明になってしまうおそれがある。
【0007】
一方、カードリーダ端末に印刷機能を付属させておいて、くじ引き結果の履歴を紙に印刷して残すことも考えられるが、印刷機構が付属するために、カードリーダ端末の構造が複雑になってその製造コストが高くなるとともに、印刷する用紙やインク等の消耗品が必要となるため、ランニングコストも高くなる問題がある。
【0008】
また、印刷時等に用紙の屑や粉が発生して環境を汚染する問題も生じ、さらに、くじ引きの景品をその場で渡さない場合には、くじを当てた客がくじ引き結果を印刷した紙を持ち帰ることになり、紛失してしまう恐れもある。
【0009】
また、「過去にどんな金額の買い物をしたのか」の履歴を表示できる端末は従来から存在しており、これらの端末は、カード本体に書き込まれたデータか、カード事業者のサーバ上に記憶されているデータを呼び出して表示するようにしている。そこで、くじ引き結果の履歴についても、このような買い物の履歴と同様にして残すことが考えられる。
【0010】
しかしながら、ICカード等へくじ引き結果情報のような一時的に使用する情報(テンポラリ情報)を書き込んで記憶させる場合には、端末が書き込めるデータ形式でICカード等をあらかじめフォーマットしておく必要があり、また、ICカード機能を有する携帯電話においては、端末からの書き込みに対応できるような専用アプリケーションプログラムを予め携帯電話にダウンロードするなどしてインストールしておく必要がある。
【0011】
また、特に、磁気カードのような記憶容量が小さいカードにおいては、くじ引き結果のような、一時的にしか必要でないデータをそこに書き込むと、他の必要な情報を記録しておくための記憶領域を大きく消費してしまう問題もある。
【0012】
一方、くじ引き結果をサーバ上に記憶させておく場合には、カードリーダ端末とサーバとの間の通信回線が切断されているときは、結果をサーバから呼び出して表示させることができない問題がある。
【0013】
また、くじ引き結果を再表示させる場合には、その都度、カードリーダ端末から識別情報に対応するくじ引き結果をサーバへ問い合わせ、サーバ側で、そこに記憶されているくじ引き結果情報の中から当該識別情報に対応するものを検索して、検索結果をカードリーダ端末側に送り返すため、カードリーダ端末の表示画面にくじ引き結果が表示されるまでに若干時間を要する問題もある。
【0014】
そこで、本発明は、前述したような問題を解消し、カード類から読み取った識別情報と対応させてテンポラリ情報の履歴を記憶し、再度識別情報を読み取った時に、記憶しているテンポラリ情報の履歴の中から当該識別情報に対応するものを検索して表示装置に再表示できるようにしたヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的のために提供される本発明のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末は、カード類から識別情報を読み取る識別情報読取部と、前記識別情報に対応させてテンポラリ情報を生成するテンポラリ情報生成部と、前記テンポラリ情報生成部が生成したテンポラリ情報を、前記識別情報と対応させて記憶するテンポラリ情報履歴蓄積部と、前記テンポラリ情報履歴蓄積部に既に記憶されているテンポラリ情報の中から、識別情報読取部が読み取った前記識別情報と対応するテンポラリ情報を検索するテンポラリ情報履歴検索部と、前記テンポラリ情報生成部が生成したテンポラリ情報とテンポラリ情報履歴検索部の検索結果を表示装置に表示させるための表示制御部とを備えたものである。
【0016】
また、本発明のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末においては、テンポラリ情報履歴蓄積部は、そこに記憶されているテンポラリ情報を、手入力装置からの入力操作によって、選択的に消去する機能と全消去する機能のうちの少なくとも一方を有していることも望ましい。
【0017】
また、本発明のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末においては、テンポラリ情報はタイムスタンプ情報を含み、テンポラリ情報履歴蓄積部は、テンポラリ情報生成部で生成されたテンポラリ情報を生成された時点から手入力装置からの入力操作によって指定した期間のみ記憶を保持する機能を有していることも望ましい。
【0018】
また、本発明のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末においては、 テンポラリ情報はタイムスタンプ情報を含み、テンポラリ情報履歴検索部は、手入力装置からの入力操作により指定した時刻または期間にテンポラリ情報生成部で生成されたテンポラリ情報のみを検索する機能を有していることも望ましい。
【0019】
また、本発明のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末においては、異なる種類の識別情報読取部を複数備えていることも望ましい。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載された発明によれば、テンポラリ情報の履歴をオフラインで検索して表示装置に表示することができるため、外部のサーバとの間で通信回線が切断されている場合にも、サービスに支障をきたすことがない。
【0021】
また、テンポラリ情報の履歴をカードリーダ端末内部に保存するようにしているため、外部のサーバにテンポラリ情報の履歴を保持し、通信回線を介して履歴をサーバに問い合わせる場合と比較してテンポラリ情報の履歴を速やかに表示することができる。
【0022】
さらに、テンポラリ情報の履歴を印刷して残しておく必要がないので、カードリーダ端末からプリンタ機構を省くことができるため、カードリーダ端末の構造を簡略化することができ、カードリーダ端末の製造コスト、ならびに、ランニングコストを低減することができる。
【0023】
また、テンポラリ情報の履歴を用紙に印刷して残しておく場合のように、用紙の屑や粉が発生して環境を汚染する問題もなく、また、履歴を印刷した用紙を紛失してしまうような問題も生じない。
【0024】
さらに、テンポラリ情報の履歴はカード類に保存する必要もないため、識別情報読取部で読み取り可能な識別情報が記録されたカード類であれば、幅広く利用することができるとともに、そのカードの利用者を特定する情報ではなく、当該カードの識別情報のみを読み取って利用しているため、個人情報が漏洩する恐れもない。
【0025】
請求項2に記載された発明によれば、手入力装置からの入力操作により、テンポラリ情報履歴蓄積部に記憶されている不要となったテンポラリ情報を容易に消去することができる。
【0026】
請求項3に記載された発明によれば、テンポラリ情報履歴蓄積部に記憶されているテンポラリ情報の有効期限を容易に設定することができる。
【0027】
請求項4に記載された発明によれば、指定した時刻、または期間に生成されたテンポラリ情報だけを検索して抽出することができる。
【0028】
請求項5に記載された発明によれば、異なる種類の識別情報読取部を複数備えることにより、ICカード、ICカード内蔵の携帯端末、磁気カード等のそれぞれ異なった種類のカード類を一台のカードリーダ端末によって対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末(以下、単にカードリーダ端末という。)の概略構造を示すブロック図であって、同図に示すように、カードリーダ端末1は、識別情報読取部2、テンポラリ情報生成部3、テンポラリ情報履歴蓄積部4、テンポラリ情報履歴検索部5、表示制御部6から主に構成されており、表示制御部6には、表示装置7が接続されている。
【0030】
また、カードリーダ端末1には、人手による種々の入力操作を行うためのキーボードやマウスからなる手入力装置8が接続されている。前記識別情報読取部2、テンポラリ情報生成部3、テンポラリ情報履歴蓄積部4、テンポラリ情報履歴検索部5、表示制御部6、ならびに、手入力装置8は、それぞれバスライン9に連結されていて、それぞれバスライン9に対して図1に示す矢印方向にデータの送信あるいは受信が可能になっている。
【0031】
本実施形態におけるカードリーダ端末1は、スーパーマーケットや飲食店のレジ等に設置されるもので、識別情報読取部2は、顧客の持っているICカードをその上面にかざすことによって、当該ICカードに記録されている固有の識別情報を非接触で読み取ることができるようになっている。
【0032】
このカードリーダ端末1は、くじ引き機能を備えていて、テンポラリ情報生成部3においてくじ引き処理が実行されて、そのくじ引き結果に関する情報(以下、テンポラリ情報という)は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置からなるテンポラリ情報履歴蓄積部4に記憶されるとともに表示制御部6へ送られ、この表示制御部6によって、くじ引き結果が表示装置7に表示されるようになっている。
【0033】
次に、図2に示すフローに基づいて、カードリーダ端末1を用いてくじ引きを実行する場合の処理について詳細に説明する。
まず顧客がICカードをカードリーダ端末1の識別情報読取部2にかざすと、識別情報読取部2は、前記ICカードに記録されている識別情報を読み取る。(ステップS1)
【0034】
識別情報読取部2は、読み取った識別情報をバスライン9を介してテンポラリ情報履歴検索部5へ送り、これを受け取ったテンポラリ情報履歴検索部5は、当該識別情報に対応するテンポラリ情報の履歴がテンポラリ情報履歴蓄積部4に存在しているか否かを検索する(ステップS2)。
【0035】
ここでは、テンポラリ情報の履歴は、過去に行われたくじ引きの結果(例えば、2等、当たり、はずれ等)に関する情報であって、本実施形態のカードリーダ端末1においては履歴がある場合に履歴を表示するモードと表示しないモードの何れかに選択可能になっている。
【0036】
なお、このモード選択の設定は、手入力装置8からの入力操作によって行い、通常は履歴が表示されるモードを選択しておく(ステップ3のYESルート)。
【0037】
こうして、過去にくじ引きをした履歴があれば(ステップS4のYESルート)、テンポラリ情報履歴検索部5は、検索した過去のくじ引き結果に関するテンポラリ情報をバスライン9を介して表示制御部6に送り、表示制御部6は、これを表示装置7へ表示する(ステップS5)。
【0038】
ここで、表示装置7への表示は、数秒間だけ表示されて消えるようにしてもよいし、手入力装置8からの入力操作により、消去操作されるまで表示が継続されているようにしてもよい。また、複数回のくじ引きがなされている場合には、その履歴が表示装置7に一覧表示されるようになっている。
【0039】
一方、あらかじめ履歴表示を行わない設定をしてある場合(ステップS3のNOルート)や、検索の結果、過去にくじ引きをした履歴が見つからなかった場合(ステップS4のNOルート)には、表示装置7への表示は行われない。
【0040】
次いで、くじ引きを行うか否かの選択を行う(ステップS6)。この選択は、手入力装置8からの入力操作によって行うことができる。ここで、くじ引きを実行する選択を行った場合には(ステップS6のYESルート)、テンポラリ情報生成部3において、くじ引き処理が実行され、そのくじ引き結果がテンポラリ情報として生成されるとともに、この新たに生成されたテンポラリ情報は、テンポラリ情報生成部3からバスライン9を介してテンポラリ情報履歴蓄積部5へ送られて履歴として保存される(ステップS7)。
【0041】
これと同時に、この新たに生成されたテンポラリ情報は、バスライン9を介して表示制御部6へ送られ、表示装置7に今行われたくじ引きの結果が表示される(ステップS8)。
【0042】
ここで、くじ引き処理については、上記のように、テンポラリ情報生成部3が自動的に実行するようにしてもよいが、店員の前で客が実際にくじ等を引いて、その結果を確認した店員が、手入力装置8から入力することにより、テンポラリ情報生成部3が入力された情報に基づいてテンポラリ情報を生成するようにしてもよい。なお、くじ引きを実行しない選択が行われた場合(ステップS6のNOルート)には、上記ステップS7とステップS8の処理はスキップされる。
【0043】
本実施形態におけるカードリーダ端末1においては、必要に応じて、テンポラリ情報履歴蓄積部4に記憶されている今までのくじ引き結果の履歴を消去することができるようになっており、履歴の消去の処理を行うか否かの選択は、手入力装置8からの入力操作により行うことができるようになっている(ステップS9)。
【0044】
ここで、履歴の消去を行う選択をした場合には、(ステップS9のYESルート)、履歴を消去する処理(ステップS10)が行われる。本実施形態においては、くじ引き結果の履歴の消去は、表示装置7に過去のくじ引き結果の一覧を表示させておいて、手入力装置8からの入力操作によって選択的に消去を可能としたり、全消去できるようになっている。
【0045】
また、テンポラリ情報履歴蓄積部4に記憶させるテンポラリ情報にくじ引き結果とともにテンポラリ情報生成部3により生成された時のタイムスタンプ情報を含ませることにより、手入力装置8からの入力操作によって設定された期間のみ記憶を保持させておき、この期間を経過したものは自動的に消去されるようにしてもよい。
【0046】
ところで、前述したように、表示装置7にくじ引き結果が表示されたときに(図2のステップS7)、客やレジ係の店員がその表示を見逃してしまった場合や、表示装置7から表示が消えてしまった後に、過去のくじ引き結果の再確認だけを行いたい場合には、図2に示すフローにおいて、履歴表示を行い且つくじ引きは実行しない選択をしておき(ステップS3でYESルート、ステップS6は、NOルートを選択)同じカードを再び識別情報読取部2にかざすことにより、過去のくじ引き結果の履歴が表示される。
【0047】
なお、過去に複数のくじ引きの履歴がある場合には、テンポラリ情報生成部3におけるテンポラリデータ生成時に、生成するテンポラリデータにタイムスタンプ情報を含ませておくとともに、テンポラリ情報履歴検索部5がテンポラリ情報履歴蓄積部5に記憶されている、同じ識別情報に対応する複数のテンポラリ情報のうち、最新のもののみを検索したり、過去の指定した日時または期間に生成された検索できるように、種々の検索条件を手入力装置8から設定可能としておくことが望ましい。
【0048】
次に、本発明の別の実施形態として、テンポラリ情報を順番待ちの客のそれぞれに対応させた互いに異なる数字で、「122」「123」「124」のように、順番に一つずつ増加する待ち受け番号とすることで、銀行等の窓口において、カードリーダ端末1を待ち受け番号を付与するための番号付与端末として用いる場合を以下、図3に示すフロー図に基づいて説明する。
【0049】
銀行等に来店した客は、フロアの窓口に設置してあるカードリーダ端末1の識別情報読取部2に自分のカードをかざし、識別情報を読み取らせる(ステップS11)。
【0050】
そうすると、テンポラリ情報履歴検索部5は、識別情報読取部2が読み取った当該識別情報に対応するテンポラリ情報、すなわち、その客に既に割り当てられた待ち受け番号情報を、テンポラリ情報履歴蓄積部4から検索する(ステップS12)。
【0051】
しかしながら、新たな客に対しては、まだ、待ち受け番号は割り当てられていないため、テンポラリ情報履歴蓄積部4には、当該識別情報に対応するテンポラリ情報の履歴は存在していないので(ステップS13のNOルート)、テンポラリ情報生成部3は、新たに待ち受け番号を生成するとともに、テンポラリ情報履歴蓄積部4に、当該識別情報に対応させてこの番号をテンポラリ情報として保存させる(ステップS14)。
【0052】
一方、テンポラリ情報生成部3で生成されたこのテンポラリ情報は、表示制御部6へ送られて、表示装置7に待ち受け番号として表示される(ステップS15)。その後、テンポラリ履歴蓄積部4へ保存されたテンポラリ情報の履歴は、そのまま保持される(ステップS17のNOルート)。
【0053】
こうして、待ち受け番号が付与された客は、窓口に設置された表示パネル等に自分の待ち受け番号が表示されるまでフロアで順番を待つことになるが、割り当てられた待ち受け番号が表示装置7に表示された際に、これを見落すなどしたために、自分に付与された待ち受け番号を再度確認したいような場合には、カードリーダ端末1の識別情報読取部2へ再度自分のカードをかざして識別情報を読み取らせる(ステップS11)。
【0054】
そうすると、テンポラリ情報履歴検索部5は、当該識別情報に対応するテンポラリ情報を検索するが(ステップS12)、テンポラリ履歴蓄積部4には既に当該識別情報に対応するテンポラリ情報の履歴が存在するので(ステップS13のYESルート)、テンポラリ情報履歴検索部5が検索したテンポラリ情報が表示制御部6へ送られ、当該表示制御部6によって表示装置7へその客に付与された待ち受け番号が再表示される。
【0055】
また、その客の順番が来て窓口へ呼ばれたときに、同様に識別情報読取部2にカードをかざすことにより、窓口の係員がその客に付与された待ち受け番号を確認することができる。 ここで、窓口の係員は、表示パネル等に表示された待ち受け番号がカードリーダ端末1の表示装置7に表示された番号と一致していることを確認した後、客への対応を行うが、この際、その客を再びフロアに待たしてもう一度呼び出す必要がなければ、手入力装置8への入力操作により、テンポラリ履歴蓄積部4に残っているテンポラリ情報を消去する(ステップS17のYESルートからステップS18)。
【0056】
なお、本発明のリーダ端末1に接続される表示装置7には、待ち受け番号が画像表示される液晶パネル等の画像出力装置や、待ち受け番号を合成音声でアナウンスする音声出力装置を用いることができる。特に、病院等においては、視覚障害者と聴覚障害者のいずれにも対応するように、画像出力装置と音声出力装置の両方の機能を備えた表示装置を用いるようにしてもよい。
【0057】
なお、合成音声でアナウンスする場合には、聞き逃しを防止するために、アナウンスは必要回数反復させることが望ましい。
【0058】
なお、前述した実施形態においては、識別情報読取部2に非接触式のICカードから識別情報を読み取る形式のものを用いているが、これに限定するものではなく、本発明のカードリーダ端末の識別情報読取部には、識別情報を記録した磁気カードや、2次元バーコード等が印刷された光学読み取り式のカード、さらには、ICカード機能を組み込んだ携帯電話等の携帯端末機器に対応したものを用いてもよい。
【0059】
また、本発明のカードリーダ端末は、異なる種類の識別情報読取部を複数備えることにより、ICカード、ICカード内蔵の携帯端末、磁気カード等の様々なカード類を一台のカードリーダ端末で対応できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のカードリーダ端末は、スーパーマーケットや飲食店、銀行、病院、図書館等のサービス窓口等、様々な場所に設置して、幅広く利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係るカードリーダ端末の概略構造を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るカードリーダ端末の1実施形態におけるくじ引きを実行する場合の動作フローを示す図である。
【図3】本発明に係るカードリーダ端末の別の実施形態における待ち受け番号を発行する場合の動作フローを示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 カードリーダ端末
2 識別情報読取部
3 テンポラリ情報生成部
4 テンポラリ情報履歴蓄積部
5 テンポラリ情報履歴検索部
6 表示制御部
7 表示装置
8 手入力装置
9 バスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード類から識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記識別情報に対応させてテンポラリ情報を生成するテンポラリ情報生成部と、
前記テンポラリ情報生成部が生成したテンポラリ情報を、前記識別情報と対応させて記憶するテンポラリ情報履歴蓄積部と、
前記テンポラリ情報履歴蓄積部に既に記憶されているテンポラリ情報の中から、識別情報読取部が読み取った前記識別情報と対応するテンポラリ情報を検索するテンポラリ情報履歴検索部と、
前記テンポラリ情報生成部が生成したテンポラリ情報とテンポラリ情報履歴検索部の検索結果を表示装置に表示させるための表示制御部とを備えたことを特徴とするヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末。
【請求項2】
テンポラリ情報履歴蓄積部は、そこに記憶されているテンポラリ情報を、手入力装置からの入力操作によって、選択的に消去する機能と全消去する機能のうちの少なくとも一方を有していることを特徴とする請求項1のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末。
【請求項3】
テンポラリ情報はタイムスタンプ情報を含み、テンポラリ情報履歴蓄積部は、テンポラリ情報生成部で生成されたテンポラリ情報を生成された時点から手入力装置からの入力操作によって指定した期間のみ記憶を保持する機能を有していることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末。
【請求項4】
テンポラリ情報はタイムスタンプ情報を含み、テンポラリ情報履歴検索部は、手入力装置からの入力操作により指定した時刻または期間にテンポラリ情報生成部で生成されたテンポラリ情報のみを検索する機能を有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末。
【請求項5】
異なる種類の識別情報読取部を複数備えていることを特徴とする請求項1乃至4記載のヒストリーリコール機能付きカードリーダ端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−112239(P2008−112239A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293606(P2006−293606)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】