説明

ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、そのコードされた酵素、組換えベクターおよび宿主、その医薬組成物、使用および疾病の予防と治療の方法

本発明は、ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を提供し、それは、SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列を有し、又は、前記ヌクレオチド配列の487番目から1884番目のオープンリーディングフレーム以外、その他の部分は、前記ヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配列を有し、且つ該ヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームとSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームは、同一のアミノ酸配列をコードする。本発明は、また、前記遺伝子発現によるヒトグルコキナーゼ変異体、前記遺伝子を持つ組換えベクター、該組み換えベクターを含有する宿主、それらを含有する医薬組成物、それらの使用およびそれらを用いて疾病を予防・治療する方法を提供する。本発明の遺伝子発現によるヒトグルコキナーゼ変異体は、その活性が野生型のヒトグルコキナーゼより高いため、血糖の制御又は糖代謝乱れの予防および治療、特に糖尿病の予防および治療に、有力な新たなルートを提供した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、前記遺伝子発現によるヒトグルコキナーゼ変異体、前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を持つ組換えベクター、該組換えベクターを含有する宿主、前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、ヒトグルコキナーゼ変異体、組換えベクターおよび宿主から選ばれる一種類以上のものを含有する医薬組成物、前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、ヒトグルコキナーゼ変異体、組換えベクターおよび宿主は、血糖を制御する薬物又は糖代謝の乱れを予防および治療する薬物を製造するための使用、前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、ヒトグルコキナーゼ変異体、組換えベクターおよび宿主は、糖尿病の予防および治療の薬物を製造するための使用、それらを用いて血糖の制御又は糖代謝の乱れの予防および治療の方法、並びそれらを用いて糖尿病の予防および治療の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グルコキナーゼ(Ghicokinase、GK)は、ヘキソキナーゼ(hexokinase)ファミリーの1つ重要成員であって、その基本的な生物学活性は、グルコースのリン酸化を触媒するものである。ヒトのグルコキナーゼコード遺伝子は、7号の染色体の短腕上に位置し、10個のエキソンを有する。GKは、465個のアミノ酸からなり、成熟の肝細胞と膵島β細胞中に特異性的に存在し、糖代謝およびインシュリンの分泌過程中における複数の重要な一環に参与する。
【0003】
現在、体内のインシュリンの分泌反応強度は、グルコースの膵島β細胞内での代謝率に正比例することが証明されたため、グルコースを細胞に流れる速度を制御する酵素類は、インシュリンの放出を調節するグルコースセンサと認識され、GKも膵島β細胞内のグルコースセンサである。グルコースはトランスポーター2を介してβ細胞に入った際、グルコキナーゼの作用で、リン酸化を行い、そして解糖経路に入り、ATPを生じ、その数量は、β細胞に入ったグルコースに正比例する。ATPは、β細胞膜上のカリウムイオン通路を閉鎖することができるため、脱分極を起こし、更に、カルシウムイオンの流入を起こし、最終的にインシュリンの分泌に致す。GKの活性は、血中のグルコース濃度によって直接又は間接に調節されるため、グルコースのβ細胞内での代謝率を変更させ、インシュリンの分泌を調節する。同時に、該酵素は、また肝グリコーゲンの合成を促進してグルコースをグルコース-6-リン酸に変換することによって、血糖の濃度を調節する。よって、GKの活性の異常は、糖代謝乱れの発生、発展中において重要な作用を果たす。
【0004】
研究によれば、2型の糖尿病患者および飢えネズミのようなある動物の模型において、高脂肪飲食によって誘導された2型糖尿病ネズミ肝細胞のGK活性すべては、正常より明確に低下されたことを見出した。また、他の研究結果は、GK活性の向上は血糖を顕著に低下させることを示した。更に、現在の研究は、GKの遺伝子変異は、2型糖尿病の1つサブタイプである若年発症成人型糖尿病(maturity onset diabetes of the young、MODY)の発病に密接的に関連し、その遺伝子異変は、MODYの発病において決定的な作用を果たすことを証明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的問題は、ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を如何なる提供することであって、該遺伝子発現によるヒトグルコキナーゼ変異体のGK活性は、野生型より高いため、血糖の制御、糖代謝の乱れおよび糖尿病、特に2型の糖尿病の治療に新たなルートを提供した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のヌクレオチド配列を有するヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を提供する。
(1)SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列、又は、
(2)SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列の487番目から1884番目のオープンリーディングフレーム以外、その他の部分がSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配列であって、且つ該ヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームとSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームが同一のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列。
【0007】
先行技術では、タンパク質をコードする遺伝子のオープンリーディングフレームにおける塩基のミスセンス突然変異、ナンセンス突然変異およびフレームシフト突然変異は、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列の一次構造の変化を起こすため、通常、タンパク質をコードする遺伝子のエキソン部位に起きる突然異変のみは、タンパク質生成物の性能に比較的大きい変化を起こすことができることが一般的に考えられている。タンパク質をコードする遺伝子のイントロンに関して、どんな機能を有するかは、現在不明であって、一般的に、イントロンの変化は、タンパク質生成物の性能に根本的な顕著な影響を与えにくい。本発明者は、エキソンおよびイントロンに関する前記先行技術での通常結論と正反対、つまり、野生型のヒトグルコキナーゼのイントロン領域内に発生した突然異変のヒトグルコキナーゼ変異体遺伝子は、その発現したヒトグルコキナーゼ異変体も野生型と比べて明確に向上したGK活性を生じたことを意外に見出した。
【0008】
本発明は、ヒトグルコキナーゼ変異体をも提供することにあり、前記ヒトグルコキナーゼ変異体をコードする遺伝子は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子である。
【0009】
本発明は、ベクターおよびそれに搭載される目的遺伝子を含み、前記目的遺伝子は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体をコードする遺伝子であることを特徴とする組換えベクターを提供することである。
本発明は、本発明に記載した組換えベクターを含有する宿主を提供することである。
【0010】
本発明は、薬学的に許容される付形剤と、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクターおよび本発明に記載した宿主から選ばれる一種類以上のものとを含有する医薬組成物を提供することである。
【0011】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクターおよび本発明に記載した宿主の、血糖制御薬物又は糖代謝乱れ予防・治療薬物の製造における応用を提供することである。
【0012】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクターおよび本発明に記載した宿主の、糖尿病予防・治療薬物の製造における応用を提供することである。
【0013】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクター、本発明に記載した宿主および本発明に記載した医薬組成物からなる群から選ばれるものを患者に投薬する血糖制御又は糖代謝乱れ予防・治療の方法を提供することである。
【0014】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクター、本発明に記載した宿主および本発明に記載した医薬組成物からなる群から選ばれるものを患者に投薬する糖尿病予防・治療の方法を提供することである。
【発明の効果】
【0015】
本発明遺伝子発現によるヒトグルコキナーゼ変異体は、その活性が野生型のヒトグルコキナーゼより高いため、血糖の制御又は糖代謝乱れの予防および治療、特に糖尿病の予防および治療に、有力な新たなルートを提供した。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、線形化pIRES2-EGFPプラスミドと目的遺伝子(実施例1)をライゲーションして得られた電気泳動の写真である。
【図2】図2は、インシュリン単位(μ unit/ml)xと125I計数Yの間の関数関係曲線である。
【図3】図3は、pIRES2-EGFPプラスミドベクター構造の模式図である。
【図4】図4は、組み換えプラスミドベクターがトランスフェスされたmin6細胞の電気泳動の写真である。
【図5】図5は、組み換えプラスミドベクターがトランスフェスされたmin6細胞の顕微鏡の写真である。
【図6】図6は、組み換えリンク状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G262-IRES2-EGFP又は組み換えリンク状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G261-IRES2-EGFPの電気泳動の写真である。
【図7】図7は、組換えアデノウイルスpAd-GFP-G261又は組換えアデノウイルスpAd-GFP-G262の電気泳動の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、以下のヌクレオチド配列を有するヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を提供する。
(1)SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列、又は、
(2)SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列の487番目から1884番目のオープンリーディングフレーム以外、その他の部分がSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配列であって、且つ該ヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームとSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームが同一のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列。
【0018】
前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子は、SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列を有することが好ましい。ヒトグルコキナーゼをコードする遺伝子は、正常の人体の白血球から分離することができ、塩基配列表SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列を有し、つまり、ヒトグルコキナーゼをコードする野生型遺伝子である(GENBANK 登録番号BC001890、M88011.、NM033508とNM033507)。本発明のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列は、野生型と比べて、2643番目の位置において1つのCが欠失した。
【0019】
ここで、当業者は、コドンの縮退および異種中におけるコドンバイアスに基づいて、SEQ ID NO:2と異なるが、本発明のヒトグルコキナーゼ変異体をコードするヌクレオチド配列を合成できることを注意しなければならない。即ち、SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列の487番目から1884番目のオープンリーディングフレーム以外、その他の部分は、SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配列を有し、且つ該ヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームとSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームは、同一のアミノ酸配列をコードする。
【0020】
また、本発明は、ヒトグルコキナーゼ変異体を提供することにあり、前記ヒトグルコキナーゼ変異体をコードする遺伝子は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子である。
【0021】
当分野では、タンパク質を構成する20種類の異なるアミノ酸の中、Met(ATG)又はTrp(TGG)がそれぞれ単一のコドンであることを除いて、その他の18種類のアミノ酸は、それぞれ2〜6個のコドンにコードされる(Sambrookなど、分子クローン、冷泉港実験室出版社、ニューヨーク、アメリカ、第二版、1989、950頁の付録Dを参照)ことが良く知られている。即ち、遺伝子コードの縮退によって、1つのアミノ酸を決定するコドンは1つだけでないことが多く、トリプレットコドン中の三番目のヌクレオチドの置換は、アミノ酸の組成を変化させないことがよくあるため、同一のアミノ酸配列のタンパクをコードするヌクレオチド配列は異なっても良い。当業者は、公知のコドン表に基づいて、本発明によって開示されたSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列から、生物学方法(例えば、PCR方法、点突然変異方法)又は化学合成方法を通して前記ヌクレオチド配列を得て、組み換え技術および遺伝子治療に応用することができる。よって、該部分のヌクレオチド配列をも本発明の範囲内に含む。それに対して、開示されたDNA配列を利用して、Sambrook(分子クローン、冷泉港実験室出版社、ニューヨーク、アメリカ、第二版、1989)のような本領域の公知の方法を通して、本発明によって提供された核酸配列に修正することができる。
【0022】
本発明は、ベクターおよびそれに搭載される目的遺伝子を含み、前記目的遺伝子は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体をコードする遺伝子であることを特徴とする組換えベクターを提供することである。
【0023】
前記目的遺伝子は、例えば、一種類以上の目的遺伝子発現のプロモーター、ターミネーターやエンハンサー等、制御配列を更に含有してもよい。前記目的遺伝子は、標識遺伝子(例えば、β-ガラクトシターゼ、緑色蛍光タンパク質又はその他の蛍光タンパク質をコードする遺伝子)又はその産物がその他の遺伝子発現を調節する遺伝子を含有してもよい。前記目的遺伝子は、DNA以外、mRNA、tRNAやrRNAでもよく、通常転写配列と関連する転写制御配列をも含有してもよく、例えば、転写終結信号、ポリアデニル化部位や下流エンハンサー因子。
【0024】
前記ベクターは、目的遺伝子を持つことができる当分野の通常の各種ベクターでもよく、また技術発展によって改良された、目的遺伝子を持つことができる各種ベクターでもよい。前記ベクターとしては、例えば、プラスミド(naked DNA)、リポソーム、分子コンジュゲート、ポリマーおよびウイルスを挙げることができる。
【0025】
前記プラスミド(naked DNA)は、目的遺伝子を持つことができ、該目的遺伝子を持ったプラスミドは、直接注射又は遺伝子銃、エレクトロポレーション法や電気融合技術によって細胞の組織に導入することができる。また、超音波は、プラスミドのトランスファー効率を向上することに役立つ。超音波は、マイクロバブルエコー造影剤を配合して、細胞膜の通過性を向上することができるため、naked DNAのトランスファーおよび発現の効率を顕著に向上する。この細胞膜浸透技術は、細胞膜の表面に瞬間的に小穴を作り、DNAは、このチャンスを利用して細胞内に入る。
【0026】
前記リポソームは、脂質二分子膜からなる顆粒であり、目的遺伝子を細胞膜に通過することに介在し得る。前記脂質は、卵黄および大豆由来のレシチン(ホスファチジルコリン、PC)が主とする天然のリン脂質でもよく、また、ジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)等の合成リン脂質でも良く、コレステロールを含有してもよい。リポソームは、カチオン性リポソームであることが好ましく、それは、正電荷を持つ脂質類と中性補助脂質類とを同モルで混合してなる。正電荷を持つ該リポソームと負電荷を持つDNAの間は、複合物を効率的に形成し、エンドサイトーシスによって細胞内に入り込む。
【0027】
前記ポリマーは、ポリエルリジンのようなカチオン性ポリマーの正電荷を利用し、DNAの負電荷を結合して電性中和グアニジンを発生することにより、安定のポリマー/DNA複合物を形成する。得られたカチオン性ポリマーとDNAの複合物は、依然として正電荷を持つため、細胞表面の負電荷を持つ受容体と結合して、細胞内に浸入されることができる。
【0028】
前記分子コンジュゲートは、目的遺伝子である外因性DNAを細胞表面の特異受容体のリガンドや単クローン性抗体やウイルス外被タンパク質に共有結合し、特異の結合特性を介して外因性遺伝子を特定類の細胞に導入する。
【0029】
ウイルスは、効率よく特定の細胞に入ることができ、自身のタンパクを発現し、新たなウイルスを生じ、よって、改造されたウイルスは、最初的に遺伝子治療のベクターになる。例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクターやアデノ随伴ウイルスベクターおよび単純ヘルペスウイルスベクター等が挙げられる。その中、前記アデノ随伴ウイルスベクターは、非病原性の微細なウイルス属ファミリーの成員に所属し、ヘルパーウイルスに依存してこそ増殖できる。アデノ随伴ウイルスゲノムは非常に小さく、例えば、2型アデノ随伴ウイルスは、4681個のヌクレオチドからなる単鎖DNAであって、二つの遺伝子を含み、つまり、rep遺伝子(ウイルス複製の調節、構造遺伝子の発現および宿主ゲノムへの組込みに関するタンパク質をコードする)およびcap遺伝子(カプシド構造タンパク質をコードする)を含み、ゲノムの1つの末端において、1個の145bpの末端反復区域が存在する。アデノ随伴ウイルスは、分裂期と休止期の細胞を感染し、宿主細胞の染色体に挿入するか、染色体外コンカテマーDNAの形態で、長期に亘って安定に発現し、脳、骨格筋や肝臓等のタイプの細胞に有効に形質導入することができ、抗原性や毒性が小さく、およびノン発病性等の特徴を有する。
【0030】
目的遺伝子の増幅と発現を実現するよう、前記ベクターは、クローニングベクター、真核細胞発現ベクター、原核細胞発現ベクター、シャトルベクター(例えば、シャトルベクターpShuttle2)からなる群から選ばれることが好ましい。遺伝子で治療の場合、例えば、pIRES2-EGFPのような誘導型発現ベクターを用いることが好ましい。前記ベクターとしては、pIRES2-EGFP、pCMVp-NEO.BAN、pEGFT-Actin、アデノウイルスベクターからなる群から選択されることがより好ましい。最も好ましいベクターはアデノウイルスベクターである。アデノウイルスは、エンベロープなしの直鎖状二重鎖DNAウイルスであって、自然界で広く分布され、少なくとも100種類以上の血清型が存在する。アデノウイルスゲノムの長さが約36kbであって、両端では、リバース末端反復区域を一個ずつ有し、その内側はウイルスパッケージング信号である。アデノウイルスゲノムにおいて、調節の機能を担う四つの初期転写因子(E1、E2、E3とE4)および構造タンパクをコードする一つの後期転写因子が分布される。遺伝子治療のベクターとして、アデノウイルスベクターは次のメリットを有する。1)遺伝子のパッケージング容量が比較的に大きいため、ラージフラグメントの外来遺伝子を挿入することができ、最大が35kbに達する。2)感染の効率が高く、異なるタイプのヒト組織細胞に効率よく形質導入することができ、体外実験の形質導入効率が100%に近い。3)ノン分裂細胞に形質導入することができる。4)細胞培養物中において、高力価の組み換えウイルスの産量を有する。5)細胞内に入るが宿主細胞ゲノムに組み込まなく、瞬間的に発現するしかないため、安全性が高い。現在の最新のアデノウイルスベクターは、全部(ノンウイルスベクター)又は大半のアデノウイルス遺伝子(ミニアデノウイルスベクター)を欠失し、リバース末端反復区域とパッケージング信号配列のみを保留し、最大、35kbの遺伝子を挿入することができ、また、起こした細胞の免疫反応が更に弱くなり、そのベクターに核マトリックス付着領域の遺伝子を導入することにより、外源遺伝子の発現を長期に亘って保ち、安定性を向上させることできる。
【0031】
本発明は、本発明に記載した組換えベクターを含有する宿主を提供することである。本発明のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子の組換えベクターを宿主に形質導入することにより、それと糖代謝およびインシュリンの分泌の間の関係を研究する一方、活性を有するグルコキナーゼ変異体を製造することに適応することができる。前記宿主としては、例えば、大腸菌、239細胞、min-6細胞および人膵島β細胞から選ばれる一種類以上のものが好ましい。その中、大腸菌は、遺伝子工学菌として、本発明のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子の増幅を実現するよう、本発明の組み換えクローニングベクターを含有してもよく、また、本発明のヒトグルコキナーゼ変異体の大量発現を実現するよう、本発明の組み換え発現ベクターを含有してもよい。前記組み換えベクターが組換えアデノウイルスベクターである場合、該ベクターは、239細胞中において増幅されることができる。min-6細胞はマウスの膵島β細胞株であって、インシュリンを比較的に強く分泌する機能を有し、本発明の真核細胞発現ベクターとしてもよく、また本発明のヒトグルコキナーゼ変異体を生産してそのGK活性を検出する。前記人膵島β細胞は、市場で販売された細胞系でもよく、糖尿病患者のような受験者由来の人膵島β細胞でもよい。遺伝子で治療の過程中において、受験者由来の人膵島β細胞が好ましく、本発明のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を導入した後、該受験者に再移植して免疫学的拒絶反応を起こしにくい。
【0032】
本発明は、薬学的に許容される付形剤と、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクターおよび本発明に記載した宿主から選ばれる一種類以上のものとを含有する医薬組成物を提供することである。
【0033】
前記薬学的に許容される付形剤とは、無毒性固体状、半固体状又は液体状の充填剤、希釈剤、カプセル材料およびその他の医薬品添加物である。例えば、塩水、緩衝塩水、葡萄糖、水、グリセロール、エタノールやその混合物を含有してもよいが、それらに限定されない。前記医薬組成物は、胃腸外、舌下、脳の嚢内、腟内、腹腔内、直腸内、頬内又は表皮から投薬に適応する。
【0034】
胃腸外投薬は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下や関節内注射や注入を含む。胃腸外投薬に適応する医薬組成物は、無菌水溶液又は非水溶液、分散液、懸濁液又は乳液、および使用前で無菌の注射可能溶液又は分散液中に調製した粉末を含む。適宜の水性又は非水性担体、希釈剤、溶剤又は付形剤は、水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、植物オイルおよびオレイン酸エチルのような注射可能の有機エステルを含む。これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、保護剤と分散剤補助剤を更に含有してもよい。例えば、イノシトール、ソルビトールと蔗糖が挙げられる。糖類、塩化ナトリウム、塩化カリウムのような浸透圧調節剤を添加することが好ましい。
【0035】
表皮投薬は、皮膚、粘膜上や肺と目の表面に投薬することを含む。このような医薬組成物は、粉剤、軟膏剤、点滴剤、貼付剤、イオン導入法装置および吸入剤等を含む。直腸又は腟の投薬の組成物は、座薬であることが好ましく、本発明の組換えベクターとカカオバター、ポリエチレングリコールや座薬蝋のような適宜の非刺激性付形剤を混合することによって製造され、前記貼付剤又は担体は、室温で固体で、体温下で液体であるため、直腸又は腟内に溶解して、活性化合物を釈放される。
【0036】
前記医薬組成物は、注射液であることが好ましい。前記注射液は、薬学的に許容される付形剤と、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子および本発明に記載した宿主から選ばれる一種類以上のものとを含有する
【0037】
前記薬学的に許容される付形剤は、pHが4.0〜9.0である燐酸緩衝液であって、ミリリットル毎の注射液に、102〜1010コピーの前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子又は102〜1010コピーの前記組換えベクターを含有する。
【0038】
前記注射液は、保護剤および/又は浸透圧調節剤を更に含有する。前記注射液を基準として、前記保護剤の含有量は、0.01〜30重量%であって、前記保護剤は、イノシトール、ソルビトールと蔗糖から選ばれる一種類以上のものである。前記浸透圧調節剤の含有量を、注射液の浸透圧が200〜700mOsm/kgになるよう調節し、前記浸透圧調節剤は、塩化ナトリウムおよび/又は塩化カリウムである。
【0039】
前記注射液を用いて行う場合、受験者に102〜1010コピー範囲の前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を投与して、105〜108コピーが好ましく、106〜108コピーがより好ましい。或いは、102〜1010コピーの前記組換えベクターを含有し、105〜1010コピーが好ましく、106〜1010コピーがより好ましい。前記組換えベクターは、組み換えアデノウイルスベクターであることがより好ましく、投与された該アデノウイルスベクターの量の範囲は、103〜1010のプラーク形成単位(pfu)であって、105〜1010pfuが好ましく、106〜1010pfuがより好ましい。本発明に記載の医薬組成物を注射する場合、注射の用量は、当分野の通常の用量であってもよく、多くとも500マイクロリットルで、一般的に1〜200マイクロリットル、1〜10マイクロリットルが好ましい。しかし、接種部位によって、多くとも10ミリリットルの用量を用いてもよい。当業者は、最適の投薬ルートおよび用量を容易に確定することができるので、前記投薬ルートおよび用量は、参考のみとする。前記用量は、各種のパラメーター、特に治療患者の年齢、体重や病症、病気又は病症の厳重程度および投薬ルートによって確定することができる。本発明の前記医薬組成物注射液は、系統投薬してもよく、本発明の医薬組成物注射液を局部部位(例えば、骨格筋)に注射してもよい。
【0040】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクターおよび本発明に記載した宿主の、血糖制御薬物又は糖代謝乱れ予防・治療薬物の製造における使用を提供することである。
【0041】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクターおよび本発明に記載した宿主の、糖尿病予防・治療薬物の製造における使用を提供することである。
【0042】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクター、本発明に記載した宿主および本発明に記載した医薬組成物からなる群から選ばれるものを患者に投薬する血糖の制御又は糖代謝乱れの予防および治療の方法を提供することである。
【0043】
本発明は、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、本発明に記載したヒトグルコキナーゼ変異体、本発明に記載した組換えベクター、本発明に記載した宿主および本発明に記載した医薬組成物からなる群から選ばれるものを患者に投薬する糖尿病の予防および治療の方法を提供することである。
【0044】
以下は、実施例を用いて本発明の内容を更に説明するが、本発明を限定することを理解してはいけない。本発明の主旨と実質を違反しない場合は、本発明の方法、工程又は条件に対して行った修正または差し替えは、本発明の範囲内に該当する。特別に指摘された場合を除き、実施例に用いられる技術的手段は当業者にとってよく知られる通常の手段である。特別に説明された場合を除き、本発明に使用した試薬や培地すべては、市販商品である。
【実施例】
【0045】
実施例1 本発明のヒトグルコキナーゼ変異体の遺伝子(G262)の化学合成
SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列を有するヒトグルコキナーゼ変異体の遺伝子は、全長が2748bpsである。塩基配列を分析した後、該遺伝子の内部では、三つの単一の制限酵素切断部位HindIII、SacI、BamHIを有し、制限酵素切断部位は、それぞれSEQ ID NO:2の2443番目、1327番目および2250番目に位置する。合成の策略は、固相ホスホラミダイトトリエステル法を用いて部分DNAフラグメントをそれぞれ合成し、合成したフラグメントをライゲーションし、ライゲーションした遺伝子をシークエンシングし、また間違ったライゲーションを修復した。
【0046】
1、フラグメントAの合成:開始位置からSacI酵素の切断部位まで、計1360bps。
【0047】
2、シークエンシング結果:工程1で完全のフラグメントAを得られ、末端を修復してベクターPCR2.1(インビトロジェン会社)を結合した。HindIII/SacI
【0048】
3、フラグメントBの合成:SacI酵素の切断部位からBamHI酵素の制限部位まで、計939bps。
【0049】
4、シークエンシング結果:工程3で完全のフラグメントBを得られ、末端を修復してベクターPCR2.1を結合した。SacI/BamHI
【0050】
5、フラグメントCの合成:BamHIから末端まで、計551bps。
【0051】
6、シークエンシング結果:工程5で完全のフラグメントCを得られ、フラグメントCをフラグメントB含有のベクターに結合し、フラグメントDが得られ、計1457bpsである。
【0052】
7、シークエンシング結果:工程6で完全のフラグメントDが得られ、SacI制限酵素を用いて、結合しようとするフラグメントAとフラグメントDを切断し、粘着末端のDNAが得られ、T4 DNAポリメラーゼによるDNAライゲーション反応を行う。最終的に、SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列のようなヒトグルコキナーゼ変異体の遺伝子が得られた。用いた酵素および緩衝液すべては、クロンテック会社から購入されたものであって、またクロンテック会社が提供したマニュアルを準じて酵素切断およびライゲーションの工程を完成した。
【0053】
合成したフラグメントの末端は、いずれも部分的な保護配列を持ち、合成後、配列の修復に有利し、よって、合成の長さは、実際の長さよりやや長い。前記保護配列とは、DNA末端の酵素切断部位に立体障害効果が存在するため、制限酵素がDNAと正常的に結合して切断することができないため、末端の酵素切断部位において、通常、人工的に8から20個の塩基の保護配列を補充することを指し、保護塩基配列は、制限酵素の製造者であるクロンテック会社からのものである。同時に、DNA鎖は、末端から分解されるため、保護塩基の存在により、操作工程において、酵素制限部位がダメージを受けないように保護される。前記修復工程とは、制限酵素を用いてDNAフラグメントを切断し、保護塩基を除去することを指す。用いた制限酵素、T4リガーゼと用いた反応緩衝液や実験システムすべては、クロンテック会社からのものであって、該会社のホームページ(http://www. clontech. com/)は、関連商品の紹介とその標準操作プロセスを提供する。
【0054】
工程7にて結合した遺伝子配列は、PCRの増幅を通して、シークエンシングした結果は、SEQ ID NO:2と一致し、-20℃下で保存して発現ベクターの結合に用いる。
【0055】
比較例1 野生型ヒトグルコキナーゼコード遺伝子の製造(G261)
実施例1の方法を参照して、SEQ ID NO:1に示すヌクレオチドに基づいて野生型ヒトグルコキナーゼコード遺伝子を製造した。
【0056】
実施例2 発現ベクターの構築
1-1) pIRES2-EGFPプラスミドベクターの線形化
pIRES2-EGFPプラスミドは環状構造(図3を参照)であって、細胞トランスフェクショ
ン前に線形化する必要がある。制限酵素BstBI(TTCGAA)(New England Biolabs, NEB会社)を選択することは、プラスミドに該酵素による酵素切断部位を一つだけ有し、酵素で切断した後、タンパクの発現に影響しないからである。その中、IRSE(Internal ribosome entry site)は、内部リボソーム進入部位であって、1つのORFに続きこのフラグメント配列が現れると、元々翻訳終止配列についてもその後のコード配列を引き続き翻訳し得ることを特徴とする。二つの独立のコード枠を有するタンパクポリペプチドを1つの融合蛋白質に発現する。
【0057】
pIRES2-EGFPプラスミドDNA 10 μg
酵素制限緩衝液 5 μl
制限酵素 10 unit
脱イオン水でシステムを50 μlまでに補給
【0058】
37℃、3時間、インキュベートし、フェノクロ処理にてtotal DNAを抽出し、無水エタノールにてDNAを沈殿させ、前記DNA沈殿物を70%のエタノールで洗浄し、沈殿物を脱イオン水で再溶解し、1.2%のアガロースゲル電気泳動でプラスミドの分子量を測定し、線形化のpIRES2-EGFPプラスミドベクターを精製する。-20℃下で保存して用意する。
【0059】
1-2) 線形化pIRES2-EGFPプラスミドベクターと目的遺伝子の結合
線形化pIRES2-EGFPプラスミドベクター回収 0.3μg
目的遺伝子(実施例1又は比較例1)DNA 3μg
T4リガーゼ 10 unit
結合緩衝液 1.0 μl
脱イオン水でシステムを10 μlまでに補給
【0060】
14℃、12時間、インキュベートし、フェノクロ処理にてtotal DNAを抽出し、無水エタノールにてDNAを沈殿させ、前記DNA沈殿物を70%のエタノールで洗浄し、当該沈殿物を脱イオン水で再溶解し、電気泳動でプラスミドの分子量を測定し(実施例1の電気泳動の結果は図1に示し、そのレーン1は、実施例1で結合したtotal DNAの電気泳動の結果、レーン2は分子量マーカー、またレーン1中の分子量が5000より大きいバンドは、結合成功した断片となる)、目的遺伝子(実施例1又は比較例1)を持つpIRES2-EGFPプラスミドベクターをそれぞれに回収、精製した。-20℃下で保存して用意する。
【0061】
以上、用いた制限酵素(BstBI)、T4リガーゼと用いた反応緩衝液や実験システムすべては、NEB会社からのものであって、関連商品の紹介とその標準操作プロセスを準じて行った。
【0062】
2)アデノウイル発現スベクターの構築
2-1)本実施例は、ヒト5型血清型およびE1/E3欠失型ウイルスを選んで組み替えシャトルプラスミドベクターを構築する。
【0063】
a)シャトルプラスミドpShuttle2-CMV(BD会社)を提供した。(CMVとは、サイトメガロウイルスを指す)
b)制限酵素EcoRV+NotI二つの酵素を用いて工程a)のプラスミドを切断した。
c)アルカリホスファターゼ(CIP)で末端に対し脱リン酸化した。
d)3.4kbのベクターフラグメントを回収した。
e)前記工程1−2)で得られたpIRES2-EGFPプラスミドベクターを、制限酵素EcoRV+NotI二つの酵素を用いて切断し、酵素で切断して得られたG262-IRES2-EGFP又はG261-IRES2-EGFPを、T4リガーゼにより、工程d)で得られたシャトルプラスミドベクターフラグメントにそれぞれ挿入して、組み換え環状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G262-IRES2-EGFP又は組み換え環状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G261-IRES2-EGFPを得た。
f)制限酵素NheIを用いて工程e)で得られたシャトルプラスミドを切断した。
g)DNAポリメラーゼのクレノウ断片(Klenow)を用いて工程f)の制限酵素の末端を平滑化した。
h)4.1kbのフラグメントを回収した(該フラグメントは、外来遺伝子が挿入され、かつ両端が部分的なベクター配列を持つDNA断片である)。
【0064】
2-2)得られた環状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G262-IRES2-EGFP又は環状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G261-IRES2-EGFPの測定。
EcoRI酵素で前記環状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G262-IRES2-EGFP又は環状シャトルプラスミドpShuttle2-CMV-G261-IRES2-EGFPを切断し、得られた産物は、1.2%のアガロースゲル電気泳動にて測定し、陽性クローンは、二本の分子量がそれぞれ4.7kbと2.8kbであるバンドを表し、陰性クローンは、一本の3.4kbのバンドを表す。測定の結果は図6を参照し、図中のMは、分子量マーカーであって(1kbのDNA台形バンドは、上から下が、8kb、7kb、6kb、5kb、4kb、3kb、2kb、1.6kb、1kb、517bp、396bpと230bpである)、レーン1〜4すべて(二つのpShuttle2-CMV-G261-IRES2-EGFPと二つのpShuttle2-CMV-G262-IRES2-EGFPサンプル)は、陽性クローンである。
【0065】
2-3)pShuttleGFP-CMV-TrkC から、CMV-GFP-IRES-GFPをpAdアデノウイルスベクターに転換し、組み換えアデノウイルスベクターpAd-GFP-G261又は組み換えアデノウイルスベクターpAd-GFP-G262を得た。以上、使われたブランクプラスミドすべては、クロンテック会社(http://www. clontech. com/)から購入された商品化のベクター、用いた実験条件および用いたキットすべては、商品化のキットである。転換に用いたキットは、クロンテックのAdeno-X Expression System 1(クロンテック 631513)であって、クロンテックが提供した実験プロセスに基づいて行う。
【0066】
2-4)得られた組み換えアデノウイルスpAd-GFP-G261又はpAd-GFP-G262の測定。
XhoII酵素で前記組み換えアデノウイルスpAd-GFP-G261又はpAd-GFP-G262を切断し、得られた産物は、1.2%のアガロースゲル電気泳動にて測定し、陽性クローンは、以下の分子量がそれぞれ14kb、11.8kb、4.9kb、2.6kb、2.47kb、1.45kbと0.6 kbであるバンドを表し、陰性クローンは、以下の分子量がそれぞれ14kb、11.8kb、4kb、2.47kb、1.45kbと0.6 kbであるバンドを表す。測定の結果は図7を参照し、図中のMは、分子量マーカーであって(1kbのDNA台形は、上から下が、8kb、7kb、6kb、5kb、4kb、3kb、2kb、1.6kb、1kb、517bp,、396bpと230bpである)、レーン1〜5すべて(二つの組み換えアデノウイルスpAd-GFP-G261と三つの組み換えアデノウイルスpAd-GFP-G262サンプル)は、陽性クローンである。
【0067】
2−5)組み換えアデノウイルスのパッケージング、増幅、収穫、精製
工程2−4)で測定した正確の組み換えアデノウイルスDNAを239細胞にトランスフェクションし、パッケージングした後、毒種を保留した。パッケージング後のウイルスを増幅して、毒種を保留した(二世代の毒種)。得られた二世代の毒種を増幅し、二回の大規模の増幅を経た。増幅後、ウイルスを収穫し、CsCl密度勾配遠心法にてウイルスを精製し、透析にてウイルス液中に残留したCsClを除去した。
【0068】
具体的な操作が次の通りである
a)トランスフェクションが行われる24時間前、293細胞(E1-transformed human embryonic kidney cell)を1又は2個の60mm培養用ディッシュに接種し、それをトランスフェクション時、細胞培養密度率が50−70%となるようにさせる。
【0069】
b)トランスフェクション前、Pac I酵素を用いて目的プラスミド(1個の60mmの培養用ディッシュが6μgDNAを必要とする)を切断した。酵素で切断した後、プラスミドをエタノールにて沈殿させて、20μl無菌水に再懸濁した。
【0070】
c)PEI又はその他のトランスフェクション試薬を用いてPacI処理したプラスミド6μgを細胞にトランスフェクションした。
【0071】
d)8時間後、混合液を除去し、DMEMの完全培地を4ml添加した(10% CBS、1% Pen/Strep)。
【0072】
e)トランスフェクション7〜10日後、セルスクレイパーを用いて、細胞を培養用ディッシュからスクレイプオフして、50mlの円錐状のチューブに移入した。遠心後、2.0mlPBS又は完全培地中に再懸濁した。液体窒素で細胞を凍結し、37℃水浴バス中で溶解し、激しく振動した。この工程は4回を行った。-20℃下で保存した。
【0073】
f)293細胞を50〜70%の培養密度率で60mm培養用ディッシュに広げる。30〜50%の体積比でウイルス含有上澄み液を添加した。感染三日後、細胞分裂と細胞変性効果(cytopathic effect 、CPE)現象を明確に見られる。
【0074】
g)1/3から1/2の細胞が遊離.漂い時、通常、感染三日から五日後、ウイルスを収集した。ウェスタンブロット法(Western blot)又はPCR(5μlのウイルス上澄み液に10μlのPCR-grade Protease Kを添加し、55℃、1時間消化した後、サンプルを5分間で煮て、遠心後、1〜2μlを取り、PCR反応を行った)によって組み換えアデノウイルスの存在を証明する。
【0075】
h)工程f)の方法でウイルスの上澄みを収集した。この場合は、一般的に少なくとも10ウイルス顆粒/ミリリットル(infectious particles/ml)のウイルスが収集されることができる。毎回の増幅は、1桁の勾配を向上することができる。
【0076】
i)更なる増幅のため、十分量のウイルスを得るよう、工程h)で得られたウイルスの上澄みが更に100mm培養用ディッシュの細胞を感染し、工程f)の方法でウイルスを収集し、更に150mm培養用ディッシュ中の293細胞を感染した。
【0077】
j)ベックマン(Beckman)遠心管に15% CsClと40% CsClを添加し、CsCl密度勾配液を調製した。
【0078】
k)最終ウイルス顆粒豊富のウイルス上澄み液をCsCl密度勾配液に滴下した。
【0079】
l)高速遠心、30000rpm、4℃、16時間遠心した。
【0080】
m)遠心後、二本のバンドがあるべく。位置が高く且つ色が弱いバンドは、主にアデノウイルスの殻であって、感染能力を有さない。位置が低く且つ色が明るいバンドは、収集しようとする活ウイルス顆粒を含有し、16番目の針でこのバンドを収集した。
【0081】
n)TBS中(10mM Tris、0.9% NaCl、pH8.1)で一時間にて透析し、その後、10%グリセロール含有TBS中で二回透析し、毎回は、一時間で、CsClを除去した。
【0082】
o)純化したアデノウイルスをEP管に入れた。
【0083】
p)エッペンドルフ生物分光光度計(Eppendorf Biophotometer)において、透析液中の総タンパク量を測定し、1μgウイルスタンパク質は、4×109ビリオンに該当する。
【0084】
q)長期間では-70℃で保存し、短期では4℃で保存する。毒種保留量は、分注後、少なくとも1E+11VP単位/分注容器である。前記の以上の大規模増幅は、1E+12VP単位/分注容器以上のウイルス量に達するためである。
【0085】
r)アデノウイルスは、異なる細胞株の感染効率に差異が存在し、且つウイルス顆粒の細胞毒の副作用を考慮して、通常、勾配感染法によって必要とするウイルス用量を確定する。細胞数に対して1:1、10:1、100:1、1000:1のウイルス顆粒で、標的細胞を感染して、培地体積に対して1: 1000のポリブレン(1,5-ジメチル-1,5-ジアザウンデカメチレンポリメトブロミド)を添加した。37℃、30分間平板遠心した。
【0086】
s)感染8〜12時間後、液を交換して、ウイルスを収集した。
【0087】
2−6)組み換えアデノウイルスのパッケージングの質量制御
感染能力のあるウイルスの総量≧1.05×1012PFU/3ml
【0088】
2−7)組み換えアデノウイルスの保存
保存液:4% 蔗糖、 2mM MgCl2、10mM Tris、 pH 8.0
保存温度: -80℃
【0089】
実施例3 min-6細胞のトランスフェクション
1、min-6細胞の基本培地
DMEM (Gibco 11995) 830ml
FBS(Gibco. US) 150ml
P/S 10ml
Hepes(1M) 10ml
β-メルカプトエタノール 10ul
シャーレの表面は、細胞培養処理を行わなかった。すべては、フィコールフラスコ(ficol flask)である。
培養環境:37℃、5% CO2、 95%湿度
【0090】
Lipofectmine 2000(インビトロジェン)の工程に基づいて実施例2で製造した目的遺伝子(実施例1又は比較例1)を持つpIRES2-EGFPプラスミドベクターをmin-6細胞系にトランスフェクションした。具体的な工程が次の通りである。
【0091】
一日目:液体窒素での凍結細胞を復活させ、25cmの培養フラスコに接種した。
【0092】
二日目:細胞培養液の交換
【0093】
三日目:細胞密度が90%に達した時、0.2%のトリプシン(Gibco)で消化し、2×105密度で6ウェルプレート内に接種した(この時、抗生物質を除去した)。
【0094】
四日目: 4μgの線形化ベクター、Lipofectmine 10μl、Opti-Mを100μlまでに、混合して室温で10分間放置した。全部をmin-6細胞の培地に添加し、軽く混ぜて均一にした。37℃、5%CO2、95%湿度の環境下で24時間にて放置した。同時に、陰性標準対照実験を行った。
【0095】
五日目:細胞培養液の交換(抗生物質含有培地に変換してもよい)
【0096】
六日目:細胞培養液を交換し、抗生物質G418(400 ug/ml)を添加し、安定のトランスフェクションの細胞系を選別し(図5を参照して、暗い視野で緑色蛍光タンパク質が発現されたことを観察した)、八日間を連続した。
【0097】
外来性GCKタンパク質が安定に発現された細胞系を抗生物質選別を通じて得た後、そのゲノムに対しPCRレベルの測定を行い、本発明の発明者は、一対のベクター配列特異性のプライマー(上流プライマー5’-GCGGAGAAGCCTTGGATATT-3’、下流プライマー5’-TTTGATAGCGTCTCGCAGAA-3’)を設計し、該プライマーは実験および配列対比証明を経て、min-6細胞系のゲノムで増幅をすることなく、導入したベクターで653bp大きさの産物が増幅された。同時に、一対のmin-6ゲノム特異のプライマー(上流プライマー5’-CAAGCCCTGTAAGAAGCCACT-3’、下流プライマー5’-TGCTTCCAGCTACTTGAGGTC -3’)を設計し、該プライマーは同様に実験および配列対比証明を経て、ベクターで産物の増幅をすることなく、ゲノムで956bp大きさの産物を有した。よって、外来性DNA付けmin-6ゲノムを増幅した後、二本の大きさが異なる増幅産物が見られた(図4を参照)。
【0098】
min-6細胞ゲノムDNAの抽出
必要の試薬の調製
プロテナーゼK 溶解バッファー(Porteinase K buffer SNET)
20mmol/L Tris-CL (pH8.0)
5mmol/L EDTA (pH8.0)
400mmol/L NaCl
1%(m/v) SDS
400μg/ml プロテナーゼK (Proteinase K)
【0099】
細胞を膵臓プロテアーゼで消化した後、以下の工程にてゲノムDNAを抽出した。
A プロテアーゼを添加し、56℃で一晩
B 2倍体積の無水エタノールを添加し、振動して均一した
C −80℃で冷蔵庫で一晩
D 12000g、遠心15分間
E 上澄みを捨てた
F 75%のエタノールで洗浄
G 12000g、遠心10分間
H 75%のエタノールで洗浄
I 12000g、遠心10分間
J 乾燥
K 純水で溶解
【0100】
紫外線分光光度計にてDNA定量し、DNA濃度によって純水を用いて希釈し、またDNA操作液を最終濃度が50 ng/μlになるよう、調整した。原液は−20℃の冷蔵庫に保存して用意し、希釈液を4℃の冷蔵庫に放置し、PCR反応の鋳型とし、PCR反応の使用に供した。
【0101】
【表A】

【0102】
PCR タッチダウン反応プログラム
【表B】

【0103】
PCR増幅した産物は、1.2%のアガロースゲル電気泳動で測定した。測定の結果を図4に示し、そのレーンが順序に0:G262プラスミド、1:G261min-6ゲノム、2:G261min-6ゲノム、3:G262min-6ゲノム、4:G262min-6ゲノム、5:G261プラスミド、6:G261プラスミド、7:野生型min-6ゲノム、8:陰性水対照、9:陰性水対照、10:G262プラスミド、11:野生型min-6ゲノム、12:G261min-6ゲノム、13:G262min-6ゲノム、M:分子量マーカーDNA。
【0104】
2、min-6細胞を均一に12ウェルプレートに広げて、サンプル毎に四個のウェルを重複した。細胞に対し栄養飢餓による同調化を行い、上澄みを吸い、無糖クレブス-クレブス−リンゲル炭酸緩衝液(sugar-free Krebs-Ringer bicarbonate buffer (KRBB))で2回洗浄し、無糖のKRBB+ 0.1% BSAで2h予備処理した。無糖のKRBB+ 0.1% BSAの培地調合は次の通りである。
【表C】

【0105】
3、上澄みを吸い、KRBB G2.8+0.1%BSA 又はKRBB G25+0.01% BSAで細胞を1h処理し、ここで、前記G2.8とは、グルコースの濃度が504.448mg/Lであることを指し、G25とは、グルコースの濃度が4.504g/Lであることを指す。
【0106】
4、三個ウェル細胞の上澄みを収集し、-20℃で保存して測定の用意した。
【0107】
5、四番目のウェル細胞を消化し、血球計算板でカウントし、各サンプル中の細胞数を統計した。
【0108】
6、放射免疫法にて、min-6細胞による高濃度グルコース環境下でのインシュリンの分泌の強度を測定した。
【0109】
放射免疫方法において、サンプル中のインシュリン含量は、サンプル125I cpmカウントと関数関係を有するため、実験毎に、標準曲線を作る必要があり、インシュリン含量と125I cpmカウントの関数関係を計算した。
【0110】
標準曲線の作成およびサンプルの測定
【表D】

【0111】
図2に示したように、標準品中のインシュリン含量と125Iカウントに基づいて、インシュリン単位(μunit/ml)xと125IカウントYの関数関係は、
y =-1649.8Ln (x) + 10590 式1
よって、x = exp[(10590 - y)/1649.8] 式2
Wt、G261min-6とG262min-6の上澄みの125Iカウントを実際に測定し、式2によって計算し、各インシュリンの分泌量を得た。
【0112】
【表E】

【0113】
表2からわかるように、G262は、インシュリン分泌を顕著に促進させる作用を有し、そのグルコキナーゼ活性は野生型より著しく高いことを証明した。
【0114】
実施例4 組み換えアデノウイルス動物体内の実験
1、実験動物GKラット飼育
実験動物GKラットは、国家齧歯類実験動物種センター上海サブセンターから購入されたものである。実験動物GKラットは、即ち、II型糖尿病ラットSLAC/GKであって、1975年では、日本東北大学(Tohoku University)によって培養したものである。異系交雑WISTARラットから高血糖個体を選別してなる。メスは性成熟が8〜10週齢、雄は10〜12週齢である。在胎期間が21〜23日、一腹子数が7〜9個、妊娠率が60%、哺乳期が28日である。GKラットは、インシュリン非依存性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)研究によく応用される。糖尿病の発症後、高血糖、インシュリン分泌減少などの発生が素早く出て、後期では、糖尿病性網膜症、微小血管症、精神病、腎症を伴う。その他の齧歯類II型糖尿病と正反対で、GKラットは、非肥満である。本実施例は、20匹、10週齢のGKラットを選んで、自由飲食、一週間でした。
【0115】
2、投薬実施例2の組み替えアデノウイルス
(1)注射液の調製
表3に示した試薬量に基いて一組の燐酸塩緩衝液をそれぞれに調製し、121℃で、60分間滅菌した。無菌条件下で、0.45μmのミリボアフィルター膜を用いて実施例2の工程(2-6)の組み換えアデノウイルス原液をろ過し、細胞残屑を除去し、ろ過液を無菌遠心管に収集し、8000回転/分で一時間遠心し、上澄みを捨て、表3に示したウイルスタイターに基づいて、得られたウイルス沈殿を前記高温で滅菌した燐酸緩衝液に分散させ、本発明の注射液を得た。
【0116】
【表F】

【0117】
実施例2の組み換えアデノウイルスpAd-GFP-G261又は組み換えアデノウイルスpAd-GFP G262は、尻静脈を通してそれぞれに連続的に三日間注射し、毎日は、一回で、毎回の注射量は1010 pfu/Kg体重である。各調合を、二匹のラットに注射した。
【0118】
(2)血糖測定方法
ラットの目尻の静脈から血のサンプル0.5mlを採取し、オムロン血糖モニターHEA-214を用いて、説明書に準じて血糖の測定を行った。
【0119】
(3)ラット血糖の検測結果
野生型ヒトグルコキナーゼ(G261)ウイルス発現ベクターを注射した動物番号は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である。変異型ヒトグルコキナーゼ(G262)ウイルス発現ベクターを注射した動物番号は、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20である。すべてのラットは、注射前、ブランクブラッドのサンプルを採取し、血糖値を測定した。注射後、血を八回分けて採取し、血糖値を測定し,採取時間と結果を表4と表5に示した。
【0120】
【表G】

【0121】
【表H】

【0122】
表4と表5に記載したデータからわかるように、本発明のヒトグルコキナーゼ変異体の体内血糖値降下活性と安定性は、野生型ヒトグルコキナーゼより遥かによく、本発明のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子を含有する組み換えアデノウイルスを動物内に注射することによって、II型糖尿病模型ラットの血糖を有効的に制御することができるため、インシュリン分泌を有効的に増加して糖尿病を治療する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子において
(1)SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列、又は、
(2)SEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列の487番目から1884番目のオープンリーディングフレーム以外、その他の部分がSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配列であって、且つ該ヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームとSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列のオープンリーディングフレームが同一のアミノ酸配列をコードする、ヌクレオチド配列、
を有することを特徴とするヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子。
【請求項2】
前記遺伝子はSEQ ID NO:2に示すヌクレオチド配列を有することを特徴とする請求項1に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子。
【請求項3】
前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子は、請求項1又は2に記載の前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子であることを特徴とするヒトグルコキナーゼ変異体。
【請求項4】
ベクターおよびそれに搭載される目的遺伝子を含む組換えベクターであって、前記目的遺伝子は、請求項1又は2に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子であることを特徴とする組換えベクター。
【請求項5】
前記ベクターは、クローニングベクターと、真核細胞発現ベクターと、原核細胞発現ベクターと、シャトルベクターからなる群から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の組換えベクター。
【請求項6】
前記ベクターは、pIRES2-EGFPと、pCMVp-NEO.BANと、pEGFT-Actinと、アデノウイルスベクターからなる群から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の組換えベクター。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかに記載の組換えベクターを含有することを特徴とする宿主。
【請求項8】
前記宿主は大腸菌と、239細胞と、min-6細胞と、人膵島β細胞から選ばれる一種類以上のものであることを特徴とする請求項7に記載の宿主。
【請求項9】
薬学的に許容される付形剤と、請求項1〜2に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、請求項3に記載のヒトグルコキナーゼ変異体、請求項4〜6に記載の組換えベクターおよび請求項7〜8に記載の宿主から選ばれる一種類以上のものとを含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物は、注射液であって、前記注射液は、薬学的に許容される付形剤と、請求項1〜2に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、請求項4〜6に記載の組換えベクターから選ばれる一種類以上のものとを含有することを特徴とする請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記薬学的に許容される付形剤はpH4.0〜9.0の燐酸緩衝液であって、ミリリットル毎の注射液に、102〜1010コピーの前記ヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子又は102〜1010コピーの前記組換えベクターを含有することを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記注射液は、保護剤および/又は浸透圧調節剤を更に含有し、前記注射液を基準として、前記保護剤の含有量は、0.01〜30重量%であって、前記保護剤は、イノシトールと、ソルビトールと、蔗糖から選ばれる一種類以上のものであって、前記浸透圧調節剤の含有量を、注射液の浸透圧が200〜700mOsm/kgになるよう調節し、前記浸透圧調節剤は、塩化ナトリウムおよび/又は塩化カリウムであることを特徴とする請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1〜2に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、請求項3に記載のヒトグルコキナーゼ変異体、請求項4〜6に記載の組換えベクターおよび請求項7〜8に記載の宿主の、血糖制御薬物又は糖代謝乱れ予防・治療薬物の製造における使用。
【請求項14】
請求項1〜2に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、請求項3に記載のヒトグルコキナーゼ変異体、請求項4〜6に記載の組換えベクターおよび請求項7〜8に記載の宿主の、糖尿病予防・治療薬物の製造における使用。
【請求項15】
請求項1〜2に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、請求項3に記載のヒトグルコキナーゼ変異体、請求項4〜6に記載の組換えベクター、請求項7〜8に記載の宿主および請求項9〜12に記載の医薬組成物からなる群から選ばれるものを患者に投薬することを特徴とする血糖の制御又は糖代謝乱れの予防・治療の方法。
【請求項16】
請求項1〜2に記載のヒトグルコキナーゼ変異体コード遺伝子、請求項3に記載のヒトグルコキナーゼ変異体、請求項4〜6に記載の組換えベクター、請求項7〜8に記載の宿主および請求項9〜12に記載の医薬組成物からなる群から選ばれるものを患者に投薬することを特徴とする糖尿病の予防・治療の方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−514463(P2012−514463A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544778(P2011−544778)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070038
【国際公開番号】WO2010/078842
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511165599)
【Fターム(参考)】