説明

ヒドロキシビフェニルカルバルデヒドオキシム誘導体およびそのエストロゲン剤としての使用

本発明は、RからRおよびRまでが本明細書において定義されるか、またはそれらの医薬上許容される塩であるところの、構造式(I)を有するエストロゲン受容体モジュレーターを提供する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、4−ヒドロキシビフェニルカルバルデヒドオキシム誘導体、エストロゲン剤としてのその使用、およびその調製方法に関する。
【0002】
(背景技術)
哺乳類の組織におけるエストロゲンの多面発現効果はよく報告されてきており、現在エストロゲンは多くの臓器系に影響を与えると評価されている[MendelsohnおよびKaras、New England Journal of Medicine 340:1810−1811(1999年);Eppersonら、Psychosomatic Medicine 61:676−697(1999年);Crandall、Journal of Womens Health & Gender Based Medicine 8:1155−1166(1999年);MonkおよびBrodaty、Dementia & Geriatric Cognitive Disorders 11:1−10(2000年);HurnおよびMacrae、Jornal of Cerebral Blood Flow & Metabolism 20:631−652(2000年);Calvin、Maturitas 34:195−210(2000年);Finkingら、Zeitschrift fur Kardiologie 89:442−453(2000年);Brincat、Meturitas 35:107−117(2000年);Al−Azzawi、Postgraduate Medical Journal 77:292−304(2001年)]。エストロゲンは、いくつかの方法で組織に影響を与え得る。最も特徴的な作用機構は、遺伝子転写を変化させる、エストロゲン受容体との相互作用である。エストロゲン受容体は、リガンド活性化転写因子であり、核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属している。このファミリーの他のメンバーには、プロゲステロン、アンドロゲン、糖質コルチコイドおよび鉱質コルチコイド受容体を含む。リガンドと結合すると、これらの受容体は二量化し、DNA上の特定の配列に直接結合することによって、または順次特定のDNA配列に直接結合する(APIのような)他の転写因子と相互作用することによって、遺伝子転写を活性化し得る[MoggsおよびOrphanides、EMBO Reports2:775−781(2001年)、Hallら、Journal of Biological Chemistry 276:36869−36872(2001年);McDonnell、Principles Of Molecular Regulation p351−361(2000年)]。「相互調節」タンパク質のクラスはまた、リガンド結合受容体と相互作用し、さらに転写活性を調節し得る[McKennaら、Endocrine Reviews 20:321−344(1999年)]。エストロゲン受容体は、リガンド依存性およびそれに無関係の方法の両方で、NFκB介在性の転写を阻害し得ることもまた示された[Quaedackersら、Endocrinology 142:1156−1166(2001年);Bhatら、Journal of Steroid Biochemistry & Molecular Biology 67:233−240(1998年);Pelzerら、Biochemical & Biophysical Research Communications 286:1153−7(2001年)]。
【0003】
エストロゲン受容体はまた、リン酸化によって活性化され得る。このリン酸化は、EGFのような成長因子によって媒介され、リガンドを用いずに遺伝子転写に変化を引き起こす[MoggsおよびOrphanides、EMBO Reports2:775−781(2001年);Hallら、Journal of Biological Chemistry 276:36869−36872(2001年)]。
【0004】
エストロゲンが細胞に影響を与え得るそれほど特徴付けられていない手段は、いわゆる膜受容体を介するものである。そのような受容体が存在するかは論争のあるところであるが、エストロゲンが非常に迅速な細胞からの非ゲノム性反応を誘導することが周知である。これらの効果の導入に関与する分子の存在は明確には単離されていないが、それはエストロゲン受容体の核型に少なくとも関連していることを示唆する根拠がある[Levin、Journal of Applied Physiology 91:1860−1867(2001年);Levin、Trends in Endocrinology & Metabolism 10:374−377(1999年)]。
【0005】
二つのエストロゲン受容体が、現在までに発見されている。一番目のエストロゲン受容体は約15年前にクローニングされ、現在ERαと呼ばれている[Greenら、Nature 320:134−9(1986年)]。二番目は比較的最近発見され、ERβと呼ばれている[Kuiperら、Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America 93:5925−5930(1996年)]。ERβに対する早期の作用は、様々なリガンドに対するアフィニティを決定することに集中しており、実際ERαとのいくつかの相違がみられた。ERβの組織分布は、齧歯類においてよくマッピングされており、ERαとは一致していない。マウスおよびラットの子宮のような組織は大部分がERαを発現しており、一方マウスおよびラットの肺は大部分がERβを発現している[Couseら、Endocrinology 138:4613−4621(1997年);Kuiperら、Endocrinology 138:863−870(1997年)]。同一の臓器内でさえ、ERαおよびERβの分布は区分され得る。例えば、マウスの卵巣においては、ERβは顆粒膜細胞において高く発現しており、ERαの発現は莢膜および間質細胞に限られている[SarおよびWelsch、Endocrinology 140:963−971(1999年);Fitzpatrickら、Endocrinology 140:2581−2591(1999年)]。しかしながら、受容体が共に発現している実例があり、ERαおよびERβがヘテロ二量体を形成し得るという試験管内での研究による証拠もある[Cowleyら、Journal of Biological Chemistry 272:19858−19862(1997年)]。
【0006】
最も強力な体内で作られるエストロゲンは、17βエストラジオールである。多数の化合物が、17βエストラジオールの活性に似るかまたはそれをブロックすることが述べられてきた。17βエストラジオールとおおよそ同一の生物学的効果を有する化合物は、「エストロゲン受容体アゴニスト」と呼ばれている。17βエストラジオールの効果をブロックする化合物は、17βエストラジオールと組み合わせて与える場合、「エストロゲン受容体アンタゴニスト」と呼ばれる。実際には、エストロゲン受容体アゴニストおよびエストロゲン受容体アンタゴニストの活性の間には連続性があり、いくつかの化合物はある組織においてはエストロゲン受容体アゴニストとして作用し、他の組織においてはエストロゲン受容体アンタゴニストとして作用する。混合した活性を有するこれらの化合物は、選択性エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS)と呼ばれ、医薬上有用な試薬である(例えば、EVISTA)[McDonnell、Journal of the Society for Gynecologic Investigation 7:S10−S15(2000年);Goldsteinら、Human Reproduction Update 6:212−224(2000年)]。何故同一の化合物が細胞特異的な効果を有し得るのかについての正確な理由は解明されていないが、受容体の立体構造上および/または相互調節タンパク質の環境上の違いが示唆されている。
【0007】
エストロゲン受容体が、リガンドを結合する際に異なった立体構造をとることが一定期間知られてきた。しかしながら、この変化の重要性および巧妙さは、ごく最近明らかになった。ERαおよびERβの三次元構造は、様々なリガンドと結晶化することによって解明され、受容体−相互調節タンパク質相互作用に必要となるタンパク質配列に立体的障害をもたらすエストロゲン受容体アンタゴニストの存在下で、へリックス12の復位を明確に示す[Pikeら、Embo 18:4608−4618(1999年);Shiauら、Cell 95:927−937(1998年)]。それに加えて、ファージディスプレイの技術は、異なるリガンドの存在下でエストロゲン受容体と相互作用するペプチドを同定するために用いられてきた[Paigeら、Proceeding of the National Academy of Science of the United States of America 96:3999−4004(1999年)]。例えば、完全なエストロゲン受容体アゴニストの17βエストラジオールおよびジエチルスチルベストロールに結合したERαの間で区別する、ペプチドを同定した。ERαおよびERβに結合したクロミフェンの間で区別するために、他のペプチドを示した。これらのデータは、各々のリガンドが、明確な生物学的活性を有する可能性がある、特有で予測できない立体構造に、受容体を配置する可能性を秘めていることを示している。
【0008】
上記したように、エストロゲンは、一連の生物学的工程に影響を与える。それに加えて、性差が認められている場合(例えば、疾患頻度、治療に対する反応等)、説明としては、男性および女性の間のエストロゲンレベルの相違を含めるも可能である。
【0009】
(発明の開示)
本発明は、式:
【化1】


[式中:
およびRは、各々独立に、H、ハロゲン、CN、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよい低級アルキルであり;
、R、RおよびRは、各々独立に、H、OH、ハロゲン、CN、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい低級アルキル、または置換されていてもよい低級アルコキシであり;
は、各々独立に、H、−C(O)R、または置換されていてもよい低級アルキルであり;
は置換されていてもよい低級アルキルである]
で示される化合物、または医薬上許容されるその塩またはプロドラッグに関する。一つの好ましい実施形態として、RはHである。
【0010】
他の態様として、本発明は、式:
【化2】


の化合物に関する。
さらに他の態様として、本発明は、式:
【化3】


の化合物に関する。
【0011】
さらなる態様として、本発明は、式:
【化4】


[式中:
は、OH、または置換されていてもよい低級アルコキシであり;
、RおよびRは、各々独立に、H、OH、ハロゲン、CN、フェニル、低級アルキル、低級アルコキシであり、そのフェニル、低級アルキルおよび低級アルコキシは所望により置換されていてよい]
で示される化合物、または医薬上許容されるその塩またはプロドラッグに関する。
【0012】
他の態様として、本発明は、一つまたはそれより多くの本発明の化合物および医薬上許容されるキャリアを含む、医薬組成物に関する。
【0013】
さらに他の態様として、本発明は、炎症性腸疾患のような疾患の治療または阻害における、本発明の化合物の使用法に関する。
【0014】
(発明の詳細な記載)
本発明は、新規な4'−ヒドロキシビフェニルカルバルデヒドオキシム誘導体を提供する。好ましくはエストロゲン剤として作用する、これらの化合物は、(クローン病および大腸炎を含む)炎症性腸疾患のような疾患の治療または阻害に有用である。一の態様において、本発明は、式:
【化5】


[式中:
およびRは、各々独立に、H、ハロゲン、CNであり、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよい低級アルキルであり;
、R、RおよびRは、各々独立に、H、OH、ハロゲン、CNであり、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい低級アルキル、または置換されていてもよい低級アルコキシであり;
は、各々独立に、H、−C(O)Rであり、または置換されていてもよい低級アルキルであり;
およびRは置換されていてもよい低級アルキルである]
で示される化合物、または医薬上許容されるその塩またはプロドラッグに関する。一つの好ましい実施形態として、RはHである。
【0015】
本発明に従った化合物は、
【化6】


であってよい。
ある態様として、R、RおよびRは、各々独立に、H、Cl、F、メチルまたはメトキシであり、Rは、H、Cl、Fまたはメチルである。他の態様として、本発明は、式:
【化7】


の化合物に関する。
ある態様として、R、RおよびRは、各々独立に、H、Cl、F、メチルまたはメトキシであり、Rは、H、Cl、Fまたはメチルである。
【0016】
さらに他の態様として、本発明は、式:
【化8】


[式中:
は、OH、または置換されていてもよい低級アルコキシであり;
、RおよびRは、各々独立に、H、OH、ハロゲン、CN、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルコキシである]
ところの化合物、または医薬上許容されるその塩またはプロドラッグに関する。ある実施形態として、R、RおよびRは、各々独立に、H、メチル、Cl、Fまたはメトキシである。
【0017】
医薬上許容される塩は、本発明の化合物が塩基部分を含む場合、有機酸および無機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンフルスルホン酸、および同じように知られた許容される酸から形成され得る。塩はまた、本発明の化合物が酸部分を含む場合、アルカリ金属塩(例えばナトリウム、リチウムまたはカリウム)、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、炭素数1−6のアルキルアンモニウム塩または各々のアルキル基に炭素数1−6のジアルキルアンモニウム塩、および各々のアルキル基に炭素数1−6のトリアルキルアンモニウム塩のような、有機塩基および無機塩基から形成され得る。
【0018】
本明細書で用いられている「アルキル」という用語は、単独で用いられる場合もまたは他の基の一部として用いられる場合も、置換したまたは置換していない脂肪族炭水化物鎖を指し、他に明記していない限りは、1ないし12の炭素原子、好ましくは1ないし6の炭素原子を含む直鎖および分枝鎖を含むが、それだけに限定されない。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、i−ブチルおよびt−ブチルは、「アルキル」という用語によって包括される。「アルキル」の定義の中に特に含まれるものは、所望により置換してよい脂肪族炭水化物鎖である。
【0019】
本明細書の定義において用いられている炭素数は、炭素骨格および炭素分枝を指すが、アルコキシ置換基などのような置換基の炭素原子は含めない。
【0020】
本明細書で用いられている「アルケニル」という用語は、単独で用いられる場合もまたは他の基の一部として用いられる場合も、置換したまたは置換していない脂肪族炭水化物鎖を指し、2ないし8の炭素原子を有し、少なくとも一つの二重結合を含む直鎖および分枝鎖を含むが、それだけに限定されない。好ましくは、アルケニル部分は、1または2つの二重結合を有する。そのようなアルケニル部分は、EまたはZ立体構造で存在してよく、本発明の化合物は両方の立体構造を含む。「アルケニル」の定義の中に特に含まれるものは、所望により置換してよい脂肪族炭水化物鎖である。O、SまたはN−Rのような、アルケニルに結合したヘテロ原子は、二重結合に関与している炭素原子に結合すべきでない。
【0021】
本明細書で用いられている「フェニル」という用語は、単独で用いられる場合もまたは他の基の一部として用いられる場合も、置換したまたは置換していないフェニル基を指す。
【0022】
所望により置換したアルキル、アルケニルおよびフェニルは、一つまたはそれより多くの置換基によって置換してよい。適当な任意の置換基は、独立に、ニトロ、シアノ、−N(R11)(R12)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルコキシ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アリールアルキル、アルキルアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオ、−S(O)−N(R11)(R12)、−C(=O)−N(R11)(R12)、(R11)(R12)N−アルコキシアルキル、(R11)(R12)N−アルキルアリールオキシアルキル、−S(O)s−アリール(式中s=0−2)または−S(O)s−ヘテロアリール(式中s=0−2)から選択してよい。本発明のある具体例として、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルについての好ましい置換基には、ニトロ、シアノ、−N(R11)(R12)、ハロ、ヒドロキシ、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アルコキシアルキルおよびアルコキシカルボニルを含む。本発明のある具体例として、アリールおよびヘテロアリールについての好ましい置換基には、−N(R11)(R12)、アルキル、ハロ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アリールアルキルおよびアルキルアリールを含む。
【0023】
アルキルまたはアルケニル部分を置換する場合、例えば、典型的には1、2、3または多置換されてよい。ハロゲン置換基の例としては、1−ブロモビニル、1−フルオロビニル、1,2−ジフルオロビニル、2,2−ジフルオロビニル、1,2,2−トリフルオロビニル、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロ−2−ブロモエタン、CFCF、CFCFCFなどを含む。
ハロゲンという用語は、臭素、塩素、フッ素およびヨウ素を含む。
【0024】
「低級アルキル」という用語は、1ないし6の炭素原子を有するアルキル基を指し、ある具体例として、1ないし3の炭素原子が好ましい。
本明細書で用いられている「低級アルコキシ」という用語は、Rが1ないし6の炭素原子のアルキル基であり、ある具体例として1ないし3の炭素原子が好ましいところの、R−O−基を指す。
【0025】
本発明に従って用いる場合、本発明に包含される化合物または物質を供給するということに関する「供給」という用語は、直接そのような化合物または物質を投与するか、または体内で同等量の化合物または物質を形成するプロドラッグ、誘導体または類似物を投与することのいずれかを意味する。
【0026】
本発明の化合物は、少なくとも部分的にエストロゲン不足または過剰が影響する、またはエストロゲン剤の使用によって治療または阻害できる可能性のある、健康状態、障害または病態の治療または阻害に有用なエストロゲン受容体モジュレーターとして用いられ得る。本発明の化合物は、生成される体内のエストロゲンのレベルが非常に減少している、閉経前、閉経期、閉経後の患者を治療する上で特に有用である。閉経は、一般に最後の自然の月経期間として定義され、血流中の循環エストロゲンの実質的な減少につながる卵巣機能の停止によって特徴づけられる。本明細書で用いられている、閉経はまた、外科的な、化学的な、または早発性の卵巣機能の低下または停止につながる疾患によって引き起こされる、エストロゲン生成の減少状態を含む。
【0027】
従って、本発明の化合物は、骨の正味の損失につながる、個体の新しい骨組織の形成および古い組織の再吸収の不均衡から生じ得る、骨粗鬆症の治療または阻害において、骨の脱灰の阻害において有用である。そのような骨の涸渇は、ある範囲の個体、特に閉経後の女性、両側卵巣摘出術を受けた女性、長期コルチコステロイド療法を受けているまたは受けた人々、性腺発育不全の人々およびクッシング症候群に罹患している人々に生じる。歯および口の骨を含めた、骨についての特別な要求である、交換は、骨折、欠陥のある骨構造を有する個体、および骨関係の外科治療および/または人工装具の埋め込みを受けた人々における、これらの化合物を用いてもまた行い得る。上で述べた問題に加えて、これらの化合物は、骨関節症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、ページェット病、骨軟化症、骨石灰脱失、多発性骨髄腫および骨組織に有害な影響を与える他の形の癌の治療または阻害に用いられ得る。
【0028】
本発明の化合物はまた、前立腺肥大、子宮平滑筋腫、乳癌、子宮内膜症、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、良性胸部疾患、子宮腺筋症、卵巣癌、メラノーマ、前立腺癌、大腸癌、神経膠腫または星状細胞芽腫のような中枢神経系の癌を含む、良性または悪性の異常組織増殖の治療または阻害に有用である。
【0029】
本発明の化合物は心臓保護性であり、コレステロール、トリグリセリド、Lp(a)およびLDLレベルの低下において;高コレステロール血症;高脂血症;心臓血管疾患;アテローム性動脈硬化症;末梢血管疾患;再狭窄および血管攣縮の阻害または治療において;免疫関連血管傷害につながる細胞の事象に由来する血管壁傷害の阻害において有用である。この心臓血管保護の特性は、閉経後の患者をエストロゲンで治療する際に骨粗鬆症を防ぐために、また男性においてエストロゲン治療が望ましい場合に非常に重要である。
【0030】
本発明の化合物はまた抗酸化剤であり、それゆえに、フリーラジカル誘発性病態の治療または阻害に有用である。抗酸化剤療法を認可すべきと示されている特定の健康状態は、癌、中枢神経系障害、アルツハイマー病、骨疾患、加齢、炎症性疾患、末梢血管疾患、関節リウマチ、自己免疫疾患、呼吸窮迫、肺気腫、再灌流後傷害の予防、ウィルス性肝炎、慢性活動性肝炎、結核、乾癬、全身性エリテマトーデス、成人呼吸窮迫症候群、中枢神経系外傷および脳卒中のある場合である。
【0031】
本発明の化合物はまた、認知機能の向上をもたらす上で、老人性痴呆、アルツハイマー病、認知力低下、神経変性疾患の治療または阻害する上で、神経保護または認知機能の向上をもたらす上で有用である。
【0032】
本発明の化合物はまた、炎症性腸疾患、潰瘍性直腸炎、クローン病および大腸炎;ホットフラッシュ、膣または外陰部の萎縮、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛、排尿困難、頻尿、尿失禁、尿路感染症を含む血管運動神経症状、ホットフラッシュ、筋痛症、関節痛、不眠症、刺激過敏などを含む血管運動神経症状のような更年期障害;男性型禿頭症; 皮膚の萎縮;アクネ;II型糖尿病;機能不全性子宮出血;および不妊を治療または阻害する上で有用である。
【0033】
本発明の化合物は、白血病、子宮内膜剥離、慢性腎疾患または肝疾患、または凝固機能疾患または障害のような、無月経であることが都合のよい病態において有用である。
本発明の化合物は、特にプロゲスチンと結合した場合、避妊薬として用いられ得る。
【0034】
特定の病態または障害の治療または阻害のために投与する場合、有効用量は、治療を受ける個人に関する様々な身体的因子とともに、利用する特定の化合物、投与法、健康状態、およびその治療する病気の重篤度に依存して変化する可能性がある。本発明の化合物の有効な投与は、約0.1mg/日から約1000mg/日までの経口用量で行ってよい。投与は、一回の用量でまたは二回またはそれより多くに分割した用量で、好ましくは、約10mg/日から約600mg/日まで、より好ましくは、約50mg/日から約600mg/日までである。投与する一日の用量は、投与経路によって変化させることが望まれる。
【0035】
そのような用量は、経口、インプラントを介するもの、非経口(静脈内、腹膜内および皮下注射を含む)、直腸内、鼻腔内、膣内および経皮投与を含めた、本明細書の活性のある化合物をレシピエントの血流に与える際に有用であるあらゆる方法で投与してよい。
【0036】
本発明の活性のある化合物を含む経口処方は、錠剤、カプセル、バッカル形態、トローチ、ロゼンジ、および経口用液体、懸濁液または溶液を含めた、従来用いられてきたあらゆる経口用形態を含んでいてよい。カプセルは、医薬上許容されるデンプン(例えば、トウモロコシ、ポテトまたはタピオカのデンプン)、糖、人工甘味料、結晶性および微晶質のセルロースのような粉末にしたセルロース、小麦粉、ゼラチン、ゴムその他のような不活性の充填剤および/または希釈剤との、活性のある化合物の混合物を含んでいてよい。有用な錠剤の処方は、従来の圧縮、湿性顆粒化または乾性顆粒化法によって作られ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、雲母、ラウリル硫酸ナトリウム、微晶質のセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、ゼラチン、アルギン酸、アラビアゴム、キサンゴム、クエン酸ナトリウム、複雑なシリケート、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、雲母、乾燥デンプンおよび粉末にした糖を含むが、それだけに限定されない、医薬上許容される希釈剤、結合剤、潤滑剤、錠剤分解剤、表面修飾剤(界面活性剤を含む)、懸濁剤または安定剤を利用してよい。好ましい表面修飾剤には、非イオン性および陰イオン性表面修飾剤を含む。表面修飾剤の代表例には、ポリキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、硫酸ドデシルナトリウム、珪酸アルミニウムマグネシウムおよびトリエタノールアミンを含むが、それだけに限定されない。本明細書の経口処方は、活性のある化合物の吸収性を変化させるために、標準的な遅延性または徐放性処方を利用してよい。経口処方はまた、必要となる適切な溶解剤または乳化剤を含む、水中またはフルーツジュース中に活性成分を投与することを含んでいてよい。
ある場合においては、化合物をエーロゾルの形態で気道に直接投与することが望ましい可能性がある。
【0037】
本発明の化合物はまた、腸管外にまた腹膜内に投与してよい。遊離塩基または医薬上許容される塩のようなこれらの活性のある化合物の溶液または懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合した水中で調製し得る。分散剤はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの油中の混合物中で調製し得る。保存および使用の通常の条件下では、これらの調製は、微生物の増殖を防ぐための保存剤を含む。
【0038】
注射使用に適した医薬形態には、無菌の水溶液または分散液、および無菌の注射溶液または分散液を即座に調製するための無菌の粉末を含む。あらゆる場合において、その形態は無菌でなければならず、容易に注射できる程度に流動性がなければならない。製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌のような微生物の混入作用に対して保護されなければならない。キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコール)、それらの適当な混合物および植物油を含む、溶媒または分散媒であってよい。
【0039】
本明細書の目的のために、経皮投与は、体表面、および上皮および粘膜組織を含む体内通路の内側の裏打ちを介するあらゆる投与を含むと考えられている。そのような投与は、現在の化合物または医薬上許容されるそれらの塩を、ローション、クリーム、フォーム、パッチ、懸濁液、溶液および坐薬(直腸および膣用)の形で用いて実行してよい。
【0040】
経皮投与は、活性のある化合物、および活性のある化合物に対して反応性が無く、皮膚に対して無毒で、皮膚を介して血流に全身吸収させるための薬剤の輸送を可能にするキャリアを含む、経皮パッチを用いることによってなされてよい。キャリアは、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲルおよび閉鎖装置のようなあらゆる数々の形態をとっていてよい。クリームおよび軟膏は、水の中に油または油の中に水のタイプのいずれかの、粘性の液体または半固体の乳濁液であってよい。石油中または活性成分を含む親水性の石油中に散在している吸収性の粉末を含むペーストもまた、適している可能性がある。様々な閉鎖装置は、活性成分を含むキャリアまたは基質と共にあるいはなしで、活性成分を含む保存器を覆う半透膜のように、活性成分を血流に放出するために用いてよい。他の閉鎖装置は、文献において知られている。
【0041】
坐薬処方は、坐薬の融点を変化させるためのワックス、およびグリセリンを付加してまたは付加しないで、カカオバターを含めた伝統的な材料から作ってよい。様々な分子量のポリエチレングリコールのような、水溶性の坐薬の主成分もまた用いてよい。
【0042】
本発明の化合物の調製に用いられる試薬は、市販で入手するか、または文献に記述されている標準的な操作で調製するどちらかであってよい。
本発明のいくつかの代表例の調製は、次のスキーム1−11に記述されている。
【0043】
【化9】

【0044】
【化10】

【0045】
【化11】

【0046】
【化12】

【0047】
【化13】

【0048】
【化14】

【0049】
【化15】

【0050】
【化16】

【0051】
【化17】

【0052】
【化18】

【0053】
【化19】

【0054】
実施例1
4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸
方法A.−78℃のテトラヒドロフラン(200mL)中の(4−ブロモ−フェノキシ)−tert−ブチル−ジメチルシラン(20mL、23.48g、0.082モル)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5Mの溶液の39.2mL、0.098モル)を、窒素存在下で数分間攪拌しながらゆっくりと加えた。その溶液を−78℃で1時間攪拌し、ついで室温に一夜加温した。その反応物を0℃まで冷却し、水(20mL)および2NのHCl(20mL)を、その反応混合物に加えた。その後全混合物を、2NHCl(360mL)を加えて10分間攪拌した。混合物を、酢酸エチル(3×250mL)を用いて抽出した。合した有機層を、約50mLの体積に濃縮した。結晶化は冷ヘキサンで誘発され、固体の生成物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて表題の化合物14.5g(70%)を白色の固体として得た:HNMR(DMSO−d):δ0.19(6H,s),0.94(9H,s),6.80(2H,d,J=8.4Hz),7.69(2H,d,J=8.36Hz),7.87(2H,s)。
【0055】
実施例2
4'−ヒドロキシ−3−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−カルボニトリル
方法B.4−ブロモ−2−メチルベンゾニトリル(1.8g,9.18ミリモル)、4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸(3.0g,11.9ミリモル)、炭酸ナトリウム(2Mの水溶液の13.8mL、27.5ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.53g,0.46ミリモル)、およびエチレングリコールジメチルエステル(70mL)の混合物を、加熱して一晩還流した。混合物を室温まで冷却し、水に注ぎ、その後酢酸エチル(3x)を用いて抽出し、塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。シリカクロマトグラフィー(15%−25% 酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、表題の化合物1.81g(94%)を黄色を帯びた固体として得た:融点177−178℃;HNMR(DMSO−d):δ2.52(3H,s),6.88(2H,d,J=8.50Hz),7.60(3H,d,J=8.49Hz),7.71(1H,s),7.77(2H,d,J=8.12Hz),9.79(1H,s);IR2220cm−1;MS(ESI)m/z208(M−H)
1411NOについての分析:
予測値:C:80.36,H:5.30,N:6.69
実測値:C:79.91,H:5.27,N:6.57
【0056】
実施例3
4'−ヒドロキシ−3−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒド
乾燥したトルエン中の、4'−ヒドロキシ−3−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−カルボニトリル(500mg,2.39ミリモル)溶液を−78℃まで冷却し、ジイソブチルアルミニウム水素化物(トルエン中の1.5M溶液4.0mL,5.98ミリモル)を全て同時に加えた。反応混合物を3.5時間以上かけて室温まで温めた。メタノール(1.2mL)を加え、続いて0℃の水(1.2mL)を加え、混合物を室温で20分間攪拌した。1NのHCl溶液をpH<7になるまで攪拌しながら加えた。混合物を酢酸エチル(3x)を用いて抽出し、塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。シリカクロマトグラフィー(15%−25% 酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、表題の化合物459mg(91%)を白色の固体として得た:融点161−162℃;HNMR(DMSO−d):δ2.67(3H,s),6.88(2H,d,J=8.41Hz),7.59−7.65(4H,m),7.85(1H,d,J=8.03Hz),9.78(1H,s),10.22(1H,s);IR1680cm−1;MS(ESI)m/z211(M−H)
1412についての分析:
予測値:C:79.23,H:5.70
実測値:C:78.79,H:5.90
【0057】
実施例4
4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、4−ブロモベンズアルデヒド(730mg,3.97ミリモル)を4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸(1.3g,5.16ミリモル)と反応させることによって調製し、600mg(48%)の白色の結晶を得た:HNMR(DMSO−d):δ0.24(6H,s),1.01(9H,s),6.94(2H,d,J=8.54Hz),7.53(2H,d,J=8.56Hz),7.72(2H,d,J=8.19Hz),7.53(2H,d,8.20Hz),10.04(1H,s)。
【0058】
実施例5
4'− ヒドロキシ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒド
6mLの乾燥したDMF中の、4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(320mg,1.03ミリモル)、無水KF(120mg,2.06ミリモル)および48%水性HBr(35μl,0.31ミリモル)の混合物を、窒素存在下、室温で1時間攪拌した。TLCは出発物質の存在を示し、それゆえにさらに48%水性HBr(35μl,0.31ミリモル)を反応物に加え、混合物を1.5時間攪拌し続けた。混合物を冷却しながら1Nの水性HCl(30mL)に注いだ。合した抽出物を飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物(100%)は直接次の工程に用いた。HNMR(DMSO−d):δ6.89(2H,d,J=8.43Hz),7.63(2H,d,J=8.46Hz),7.83(2H,d,J=8.16Hz),7.94(2H,d,8.02Hz),9.79(1H,s),10.01(1H,s)。
【0059】
実施例6
トリクロロ−メタンスルホン酸3−クロロ−4−ホルミル−フェニルエステル
方法D.0℃のジクロロメタン80mL中の、2−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.31g,8.4ミリモル)およびピリジン(1.1mL,13.4ミリモル)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.84mL,3.08g,10.9ミリモル)を加えた。溶液をゆっくりと室温まで温め、2.5時間攪拌した。溶液を0℃まで冷却し、氷水と共に攪拌してあらゆる過剰の無水物を分解した。混合物を、飽和重炭酸ナトリウムを加えることによってわずかに塩基性にした。生じた層を分離し、水層をジクロロメタン(3×100mL)を用いて抽出した。合した有機層を塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過し、真空下で溶媒を除去してオレンジオイルを生成し、それをシリカクロマトグラフィー(5%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、表題の化合物1.83g(76%)を透明で無色の油として得た:HNMR(DMSO−d)δ7.73(1H,dd,J=2.35Hz,J=8.64Hz),8.04−8.07(2H,m),10.30(1H,s)。
【0060】
実施例7
トリクロロ−メタンスルホン酸2−フルオロ−4−ホルミル−フェニルエステル
表題の化合物を、方法Dに従って、3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.2g,8.56ミリモル)をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.87mL,3.14g,11.1ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色の油を得、それを精製することなく、直接次の工程に用いた:HNMR(CDCl):δ7.53−7.58(1H,m),7.77−7.85(2H,m),10.01(1H,d,J=1.45Hz)。
【0061】
実施例8
4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−3−クロロ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、トリフルオロ−メタンスルホン酸3−クロロ−4−ホルミル−フェニルエステル(1.78g,6.18ミリモル)を4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸(2.03g,8.03ミリモル)と反応させることによって調製し、0.92g(43%)の白色の固体として得た:融点38−39℃;HNMR(DMSO−d):δ0.23(6H,s),0.97(9H,s),6.98(2H,d,J=8.79Hz),7.74(2H,d,J=8.79Hz),7.81(1H,d,J=7.81Hz),7.89(1H,d,J=1.95Hz),7.91(1H,d,J=7.81Hz),10.34(1H,s);MS(ESI)m/z231/233(M−H)(脱保護化した生成物イオン)。
1923ClOSiについての分析:
予測値:C:65.78,H:6.68
実測値:C:65.59,H:6.60
【0062】
実施例9および10
方法Bに従って、トリフルオロメタンスルホン酸2−フルオロ−4−ホルミル−フェニルエステル(2.1g,7.72ミリモル)を、4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸(2.14g,8.49ミリモル)と反応させて、次の二つの化合物を生成した。
4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フルオロ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
1.62g(63%)のろう状の黄色を帯びた固体:HNMR(アセトン−d):δ0.28(6H,s),1.02(9H,s),7.02−7.06(2H,m),7.57−7.60(2H,m),7.71−7.78(2H,m),7.85(1H,dd,J=7.91Hz,J=1.51Hz),10.07(1H,d,J=1.73Hz);13CNMR(アセトン−d):δ−4.29,18.80,26.00,116.82(d,J=23.90Hz),121.15,126.69(d,J=3.25Hz),128.42(d,1.21Hz),131.30(d,J=3.48Hz),132.20(d,J=3.44Hz),135.27(d,J=13.61),138.09(d,J=6.64Hz),157.23,160.68(d,J=248.56Hz),191.51;IR1692cm−1;MS(ESI)m/z331(M+H),372(M+H+ACN)
1923FOSiについての分析:
予測値:C:69.06,H:7.02
実測値:C:69.71,H:7.34
2−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
0.32g(19%)の黄色を帯びた固体:融点149−150℃;HNMR(アセトン−d):δ7.08−7.13(2H,m),7.62−7.67(2H,m),7.80−7.91(2H,m),7.94(1H,dd,J=7.92Hz,J=1.58Hz),8.93(1H,s),10.16(1H,d,J=1.73Hz);IR1669cm−1;MS(ESI)m/z215(M−H)−1
13FOについての分析:
予測値:C:72.22,H:4.20
実測値:C:71.38,H:4.12
【0063】
実施例11
4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−3−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−3−クロロ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(405mg,1.17ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(154mg,2.22ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた油を得、それを精製なしで次の工程に用いた:MS(ESI)m/z362/364(M+H)
【0064】
実施例12
4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フルオロ−[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フルオロ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(450mg,1.36ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(190mg,2.73ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体を得、それを精製なしで次の工程に用いた:MS(ESI)m/z344(M−H),346(M+H)
【0065】
実施例13
3−フルオロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、4−ブロモ−2−フルオロ−カルバルデヒド(3g,14.8ミリモル)を4−メトキシフェニルボロン酸(2.70g,17.8ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体3.2g(94%)を得た:融点85−86℃;HNMR(DMSO−d):δ3.83(3H,s),7.06−7.09(2H,m),7.70−7.75(2H,m),7.79−7.82(2H,m),7.88(1H,t,J=7.96Hz),10.22(1H,s);IR1681cm−1;MS(ESI)m/z231(M+H)
1411FOについての分析:
予測値:C:73.03,H:4.82
実測値:C:72.99,H:4.73
【0066】
実施例14
3−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
方法F.0℃の塩化メチレン(35mL)中の、3−フルオロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(0.986g,4.29ミリモル)の混合物に、三臭化ホウ素(塩化メチレン中1Nの溶液10.7mL,10.7ミリモル)をゆっくりと加えた。混合物をゆっくりと室温まで温め、一晩中攪拌した。水(4mL)を、氷水の水槽中で攪拌しながら、混合物に注入した。生じた混合物を水に注ぎ、酢酸エチル(3×)を用いて抽出した。合した有機層を塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させ、シリカカラムクロマトグラフィー(15%−30%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、表題の化合物150mg(16%)を白色の固体として得た。分析用試料は逆相分取用HPLCによって供給された:融点164−166℃;HNMR(アセトン−d):δ76.98−7.01(2H,m),7.56(1H,dd,J=12.49Hz,J=1.64Hz),7.63−7.66(1H,m),7.67−7.70(2H,m),7.89(1H,t,J=7.85Hz),8.88(1H,bs),10.31(1H,s);MS(ESI)m/z215(M−H)
元素分析:C13FOとして:
予測値:C:72.22,H:4.20
実測値:C:71.83,H:4.04
【0067】
実施例15
トリフルオロ−メタンスルホン酸2−クロロ−4−ホルミル−フェニルエステル
表題の化合物を、方法Dに従って、3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5g,31.9ミリモル)をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(7.0mL,11.7g,41.5ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色の油9.15g(100%)を得、それを精製することなく、直接次の工程に用いた:HNMR:δ7.92(1H,d,J=8.48Hz),8.07(1H,dd,J=8.51Hz,J=1.93Hz),8.30(1H,d,J=1.92Hz),10.04(1H,s)。
【0068】
実施例16
2−クロロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、トリフルオロ−メタンスルホン酸2−クロロ−4−ホルミル−フェニルエステル(5g,17.4ミリモル)を4−メトキシフェニルボロン酸(3.44g,22.6ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体3.83g(89%)を得た:融点85−87℃;HNMR(DMSO−d):δ3.82(3H,s),7.07(2H,d,J=8.83Hz),7.46(2H,d,J=8.45Hz),7.63(1H,d,J=7.87Hz),7.92(1H,dd,J=7.87Hz,J=1.56Hz),8.07(1H,d,J=1.49Hz);13CNMR(DMSO−d):δ55.14,113.72,127.80,129.72,130.42,130.82,132.15,132.21,136.11,144.90,159.33,191.73;IR1692cm−1;MS(EI)m/z246/248M
元素分析:C1411ClOとして:
予測値:C:68.16,H:4.49
実測値:C:67.76,H:4.36
【0069】
実施例17
2'−クロロ−4'−(ジブロモメチル)−1,1'−ビフェニル−4−オール
表題の化合物を、方法Fに従って、2−クロロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(800mg,3.25ミリモル)を三臭化ホウ素(塩化メチレン中1Nの溶液8.1mL,8.13ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体600mg(50%)を得た:融点107−108℃;HNMR(DMSO−d):δ6.86(2H,d,J=8.52Hz),7.29(2H,d,J=8.50Hz),7.43(1H,s),7.45(1H,d,J=8.12Hz),7.64(1H,dd,J=8.07Hz,J=1.83Hz),7.74(1H,d,J=1.79Hz),9.71(1H,bs);13CNMR(DMSO−d):δ40.66,114.94,125.66,127.34,128.14,130.39,130.87,131.80,140.95,142.14,157.36;MS(ESI)m/z373/375/377/379(M−H)
元素分析:C13BrClOとして:
予測値:C:41.48,H:2.41
実測値:C:41.64,H:2.14
【0070】
実施例18
トリフルオロ−メタンスルホン酸4−ホルミル−3−メトキシ−フェニルエステル
表題の化合物を、方法Dに従って、4−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアルデヒド(3g,19.7ミリモル)をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.3mL,7.2g,25.6ミリモル)と反応させることによって調製し、褐色のシロップを得、それを精製なしで次の工程に用いた:HNMR:δ3.97(3H,s),7.21(1H,dd,J=8.64Hz,J=2.17Hz),7.47(1H,d,J=2.24Hz),7.87(1H,d,J=8.64Hz),10.31(1H,s)。
【0071】
実施例19
トリフルオロ−メタンスルホン酸4−ホルミル−2−メチル−フェニルエステル
表題の化合物を、方法Dに従って、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド(2.5g,18.4ミリモル)をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.0mL,6.75g,23.9ミリモル)と反応させることによって調製し、褐色の油を得、それを精製なしで直接次の工程に用いた。
【0072】
実施例20
4'−ヒドロキシ−3−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、トリフルオロ−メタンスルホン酸4−ホルミル−3−メトキシ−フェニルエステル(11.0ミリモル)を4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸(3.50g,13.86ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体880mg(35%、2工程にわたって)を得た:融点159−161℃;HNMR(DMDO−d):δ4.01(3H,s),6.89(2H,d,J=8.62Hz),7.31(1H,d,J=8.16Hz),7.36(1H,d,J=1.15Hz),7.66(2H,d,J=8.63Hz),7.72(1H,d,J=8.09Hz),9.80(1H,s),10.34(1H,s);融点159−161℃;IR1660cm−1;MS(ESI)m/z227(M−H),229(M+H)
元素分析:C1412として:
予測値:C:73.67,H:5.30
実測値:C:73.44,H:4.99
【0073】
実施例21
4'−ヒドロキシ−2−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、トリフルオロ−メタンスルホン酸4−ホルミル−2−メチル−フェニルエステル(9.3ミリモル)を4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸(2.35g,9.3ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体1.12mg(57%、2工程にわたって)を得た:融点94−96℃;HNMR(DMSO−d):):δ2.33(3H,s),6.86(2H,d,J=8.55Hz),7.22(2H,d,J=8.51Hz),7.39(1H,d,J=7.81Hz),7.61(1H,d,J=7.82Hz),7.81(1H,s),9.65(1H,s),10.00(1H,s);IR1670cm−1;MS(ESI)m/z211(M−H),213(M+H)
元素分析:C1412として:
予測値:C:79.23,H:5.70
実測値:C:77.49,H:5.67
【0074】
実施例22
3−フルオロ−4−メトキシフェニルボロン酸
表題の化合物を、方法Aに従って、4−ブロモ−2−フルオロアニソール(10g,0.049モル)をn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5Mの溶液23.4mL,0.059モル)と、続いてトリイソプロピルホウ素(45.2mL,36.9g,0.196モル)と反応させることによって調製し、白色の固体7.1g(85.2%)を得た:MS(ESI)m/z169(M−H)
【0075】
実施例23
3−クロロ−3'−フルオロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、トリフルオロ−メタンスルホン酸3−クロロ−4−ホルミル−フェニルエステル(2.8g,9.62ミリモル)を3−フルオロ−4−メトキシフェニルボロン酸(1.8g,10.6ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体1.87g(74%、2工程にわたって)を得た:融点116−118℃;HNMR(DMSO−d):δ3.91(3H,s),7.30(1H,t,J=8.79Hz),7.66−7.68(1H,m),7.79(1H,dd,J=12.91Hz,J=2.47Hz),7.85−7.87(1H,m),7.91(1H,d,J=8.24Hz),7.96(1H,d,J=1.65Hz),10.34(1H,s);IR1688cm−1;MS(ESI)m/z265/267(M+H)
元素分析:C1410ClFOとして:
予測値:C:63.53,H:3.81
実測値:C:63.29,H:3.63
【0076】
実施例24
3−クロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Fに従って、3−クロロ−3'−フルオロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(990mg,3.75ミリモル)を三臭化ホウ素(塩化メチレン中1Nの溶液11.25mL,11.25ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体940mg(100%)を得た。化合物は、精製なしで次の工程に用いた。分析用試料はHPLC精製によって得られた:融点206−208℃;HNMR(DMSO−d):δ7.06(1H,t,J=8.79Hz),7.51−7.53(1H,m),7.71(1H,dd,J=2.47Hz,J=12.63Hz),7.81−7.83(1H,m),7.89(1H,d,J=7.96Hz),7.91(1H,d,J=1.66Hz),10.329(1H,s),10.330(1H,s);IR1667cm−1;MS(ESI)m/z249/251(M−H)
元素分析:C13ClFOとして:
予測値:C:62.29,H:3.22
実測値:C:61.97,H:3.21
【0077】
実施例25
3−クロロ−3' ,5'−ジフルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、トリフルオロ−メタンスルホン酸3−クロロ−4−ホルミル−フェニルエステル(1g,3.5ミリモル)を3' ,5'−ジフルオロ−4−tert−ブチルジメチルシリオキシボロン酸(1.1g,3.8ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体0.56g(60%)を得た:融点233−235℃;HNMR(DMSO−d):δ7.64(2H,d,J=7.85Hz),7.85−7.91(2H,m),7.98(1H,s),10.33(1H,s),10.70(1H,bs);IR1665cm−1;MS(ESI)m/z(267/269)(M−H)
元素分析:C13ClFとして:
予測値:C:58.12,H:2.63
実測値:C:57.79,H:2.72
【0078】
実施例26および27
トリフルオロ−メタンスルホン酸3−クロロ−4−ホルミル−フェニルエステル(3.78g,13.12ミリモル)を、方法Bに従って、4−メトキシ−2−メチルフェニルボロン酸(2.61g,15.7ミリモル)と反応させ、二つの化合物を生成した:
3−クロロ−4'−メトキシ−2'−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
2.18g(64%)の白色の固体:HNMR(DMSO−d):δ2.26(3H,s),3.79(3H,s),6.88(1H,dd,J=8.41Hz,J=2.66Hz),6.93(1H,d,J=2.50Hz),7.23(1H,J=8.40Hz),7.50(1H,dd,J=7.93Hz,J=1.32Hz),7.58(1H,d,J=1.53Hz),7.91(1H,d,J=7.57Hz),10.36(1H,s);IR1682cm−1;MS(ESI)m/z261/263(M+H),372(M+H+ACN)
元素分析:C1513ClOとして:
予測値:C:69.10,H:5.03
実測値:C:69.13,H:4.73
4,4' '−ジメトキシ− 2,2' '−ジメチル−1,1': 3',1' '−テルフェニル−4'−カルバルデヒド
0.56g(12%)無色;HNMR(DMSO−d):δ2.10(3H,s),2.29(3H,s),3.78(3H,s),3.80(3H,s),6.85−6.88(2H,m),6.91(1H,d,J=2.38Hz),6.95(1H,d,J=2.38Hz),7.18(1H,d,J=8.32Hz),7.24−7.25(2H,m),7.52(1H,dd,J=7.74Hz,J=1.78Hz),7.95(1H,d,J=8.33Hz),9.68(1H,s);IR1679cm−1;MS(ESI)m/z347(M+H)
元素分析:C2322として:
予測値:C:79.74,H:6.40
実測値:C:79.25,H:6.05
【0079】
実施例28
3−クロロ−4'−ヒドロキシ−2'−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
密封したチューブの中の3−クロロ−4'−メトキシ−2'−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(1.0g,3.84ミリモル)および塩酸ピリジニウム(6g)を、攪拌しながら1時間195℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、2NのHCl溶液および酢酸エチルと共に攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(x2)を用いて抽出した。合した有機層を塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させ、暗緑色の固体(1g)を生成した。生成物は、さらなる何らかの精製なしで用いた。分析用試料は、HPLC精製によって得られ、白色の固体を得た:融点125−127℃;HNMR(DMSO−d)δ2.21(3H,s),6.68−6.72(2H,m),7.11(1H,d,J=8.15Hz),7.47(1H,d,J=7.89Hz),7.55(1H,d,J=1.48Hz),7.89(1H,d,J=7.98Hz),9.62(1H,s),10.2=35(1H,s);MS(ESI)m/z245/247(M−H),247/249(M+H)
元素分析:C1411ClOとして:
予測値:C:68.16,H:4.49
実測値:C:67.63,H:4.43
【0080】
実施例29
4'−ヒドロキシ−3−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム
15mLの無水メタノール中の、4'−ヒドロキシ−3−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒド(310mg,1.46ミリモル),ヒドロキシルアミン塩酸塩(203mg,2.92ミリモル)およびピリジン(236μl,2.92ミリモル)の混合物を、2.5時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、混合物を酢酸エチルおよび水中に溶解し、酢酸エチル(x3)を用いて抽出し、塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、再結晶化(酢酸エチル、アセトンおよびヘキサン)によって精製し、表題の化合物177mg(53%)を黄色を帯びた固体として得た:融点195−197℃;HNMR(DMSO−d)δ2.43(3H,s),6.84(2H,d,J=8.48Hz),7.42−7.45(2H,m),7.52(2H,d,J=8.51Hz),7.66(1H,d,J=8.00Hz),8.32(1H,s),9.60(1H,s),11.25(1H,s);13CNMR(DMSO−d):δ19.62,115.60,123.40,126.60,127.56,127.99,129.05,130.03,136.34,140.43,146.80,157.24;MS(ESI)m/z226(M−H),228(M+H)
元素分析:C1413NOとして:
予測値:C:73.99,H:5.77,N:6.16
実測値:C:73.81,H:5.75,N:6.04
【0081】
実施例30
4'−ヒドロキシ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、4'−ヒドロキシ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒド(1.03ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(140mg,2ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体193mg(79%,2工程にわたって)を得た:融点207−210℃;HNMR(DMSO−d):δ6.85(2H,d,J=8.37Hz),7.53(2H,d,J=8.39Hz),7.62(4H,s),8.15(1H,s),9.62(1H,s),11.21(1H,s);MS(ESI)m/z212(M−H)
元素分析:C1311NOとして:
予測値:C:73.23,H:5.20,N:6.57
実測値:C:72.78,H:5.41,N:6.38
【0082】
実施例31
3−クロロ−4'−ヒドロキシ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム
方法E.フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中の1.0M溶液1.29mL、1.293ミリモル)を、テトラヒドロフラン10mL中の4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−3−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム(1.17ミリモル)溶液に加えた。混合物を室温で10分間攪拌し、その後酢酸エチルおよび水に注いだ。生じた層を分離し、水層を酢酸エチル(3x)を用いて抽出した。合した有機層を塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去した。シリカクロマトグラフィー(20%−30%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、表題の化合物0.186mg(64%)を黄色を帯びた固体として得た:融点187−189℃;HNMR(DMSO−d):δ6.86(2H,d,J=8.55Hz),7.56−7.63(3H,m),7.71(1H,d,J=1.60Hz),7.84(1H,d,J=8.26Hz),8.36(1H,s),9.75(1H,s),11.66(1H,s);MS(ESI)m/z246(M−H),248(M+H)
元素分析:C1310ClNOとして:
予測値:C:63.04,H:4.07,N:5.66
実測値:C:62.96,H:4.10,N:5.42
【0083】
実施例32
2−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Eに従って、4'−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フルオロ−[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム(1.02ミリモル)をフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中の1.0M溶液1.12mL、1.12ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体198mg(84%)を得た:融点178−180℃;HNMR(DMSO−d):δ6.84−6.89(2H,m),7.39−5.54(5H,m),8.17(1H,s),9.71(1H,s),11.43(1H,s);MS(ESI)m/z230(M−H),232(M+H)
元素分析:C1310FNOとして:
予測値:C:67.53,H:4.36,N:6.06
実測値:C:67.13,H:4.11,N:6.00
【0084】
実施例33
3−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、3−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(154mg,0.713ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(99mg,1.43ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体156mg(95%)を得た:融点181−183℃;HNMR(DMSO−d):δ6.84−6.87(2H,m),7.48−7.53(2H,m),7.57−7.60(2H,m),7.76(1H,t,J=8.14Hz),8.22(1H,s),9.74(1H,s),11.56(1H,s);MS(ESI)m/z230(M−H),232(M+H)
元素分析:C1310FNOとして:
予測値:C:67.53,H:4.36,N:6.06
実測値:C:68.10,H:4.28,N:6.01
【0085】
実施例34
2−クロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、2'−クロロ−4'−(ジブロモメチル)−1,1'−ビフェニル−4−オール(270mg,0.722ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(185mg,2.66ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体160mg(90%)を得た:融点178−179℃;HNMR(DMSO−d):δ6.85(2H,d,J=8.54Hz),7.28(2H,d,J=8.51Hz),7.39(1H,d,J=7.98Hz),7.60(1H,dd,J=7.65Hz,J=1.42Hz),7.72(1H,d,J=1.34Hz),8.18(1H,s),9.67(1H,s),11.45(1H,s);MS(ESI)m/z246/248(M−H)
元素分析:C1310ClNOとして:
予測値:C:63.04,H:4.07,N:5.66
実測値:C:63.07,H:3.99,N:5.67
【0086】
実施例35
4'−ヒドロキシ−3−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、4'−ヒドロキシ−3−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(225mg,0.986ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(137mg,1.97ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体210mg(88%)を得た:融点228−230℃;HNMR(DMSO−d):δ3.91(3H,s),6.85(2H,d,J=8.29Hz),7.18(1H,d,J=8.08Hz),7.21(1H,s),7.56(2H,d,J=8.59Hz),7.68(1H,d,J=7.98Hz),8.28(1H,s),9.63(1H,s),11.19(1H,s);MS(ESI)m/z242(M−H),244(M+H)
元素分析:C1413NOとして:
予測値:C:69.12,H:5.39,N:5.76
実測値:C:68.87,H:5.29,N:5.64
【0087】
実施例36
4'−ヒドロキシ−2−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、4'−ヒドロキシ−2−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(350mg,1.65ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(230mg,3.30ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体360mg(96%)を得た:融点169−171℃;HNMR(DMSO−d):δ2.25(3H,s),6.82(2H,d,J=8.52Hz),7.16(2H,d,J=8.45Hz),7.18(1H,d,J=7.84Hz),7.44(1H,d,J=7.93Hz),7.47(1H,s),8.11(1H,s),9.52(1H,s),11.19(1H,s);MS(ESI)m/z226(M−H),228(M+H)
元素分析:C1413NOとして:
予測値:C:73.99,H:5.77,N:6.16
実測値:C:73.72,H:5.63,N:6.37
【0088】
実施例37
3−クロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、3−クロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(1.52ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(233mg,3.34ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色を帯びた固体260mg(66%)を得た:融点198−200℃;HNMR(DMSO−d):δ7.03(1H,t,J=8.79Hz),7.41−7.43(1H,m),7.60(1H,dd,J=12.91Hz,J=2.20Hz),7.64−7.66(1H,m),7.77(1H,d,J=1.92Hz),7.84(1H,d,J=8.24Hz),8.36(1H,s),10.16(1H,bs),11.68(1H,bs);MS(ESI)m/z264/266(M−H),266/268(M+H)
元素分析:C13ClFNOとして:
予測値:C:58.77,H:3.41,N:5.27
実測値:C:58.67,H:3.65,N:4.99
【0089】
実施例38
3−クロロ−3', 5'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、3−クロロ−3', 5'−ジフルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(200mg,0.746ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(156mg,2.24ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体100mg(47%)を得た:融点216−219℃;HNMR(DMSO−d):δ7.54(2H,d,J=8.51Hz),7.70(1H,d,J=7.97Hz),7.84−7.86(2H,m),8.37(1H,s),10.52(1H,s),11.74(1H,s);MS(ESI)m/z282/284(M−H),284/286(M+H)
元素分析:C13ClFNOとして:
予測値:C:55.05,H:2.84,N:4.94
実測値:C:54.96,H:3.02,N:4.75
【0090】
実施例39
3−クロロ−4'−ヒドロキシ−2'−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Cに従って、無水テトラヒドロフラン(50mL)およびメタノール中で、3−クロロ−4'−ヒドロキシ−2'−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(500mg,2.03ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(425mg,6.10ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体350mg(57%,2工程にわたって)を得た:融点169−171℃;HNMR(DMSO−d):δ2.19(3H,s),6.65−6.70(2H,m),7.06(1H,d,J=8.14Hz),7.31(1H,d,J=8.05Hz),7.41(1H,d,J=1.40Hz),7.83(1H,d,J=8.08Hz),8.38(1H,s),9.51(1H,s),11.69(1H,s);MS(ESI)m/z260/262(M−H),262/264(M+H)
元素分析:C1412ClNOとして:
予測値:C:64.25,H:4.62,N:5.35
実測値:C:63.87,H:4.43,N:5.31
【0091】
実施例40
(2,6−ジクロロ−4−メトキシ−フェニル)−メタノール
3,5ジクロロアニソール(16.39g,92.59ミリモル),HCl(濃縮した溶液250mL)および硫酸(濃縮した溶液2.5mL)の混合物を、60℃で一晩中攪拌した。混合物を室温まで冷却し、有機層を除去した。水層をジクロロメタン(2x100mL)を用いて抽出した。合した有機層を水で洗浄し、溶媒を蒸発させることによって除去した。残存している油に、NaOH(1N溶液180mL)およびジオクサン(85mL)を加えた。混合物を3時間還流しながら攪拌し、室温まで冷却した。有機層を除去し、水層をジクロロメタン(3x100mL)を用いて抽出した。合した有機層を水で洗浄し、塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過した。残渣をシリカ(90%ヘキサン−10%酢酸エチル)上で精製し、表題の化合物5.82g(30%)を白色の固体として得た:融点71−72℃;HNMR(CDCl):δ1.88(1H,s),3.73(3H,s),4.81(2H,s),6.81(2H,s);MS(EI)m/z206/208/210(M)。
元素分析:CClとして:
予測値:C:46.41,H:3.89
実測値:C:46.38,H:3.69
【0092】
実施例41
2,6−ジクロロ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド
ベンゼン(100mL)中の、(2,6−ジクロロ−4−メトキシ−フェニル)−メタノール(5.69g,27.49ミリモル)およびMnO(15g)の懸濁液を、Dean−Stark trapを利用して、還流しながら一晩中攪拌した。懸濁液を室温まで冷却し、Celiteによって濾過し、溶媒を蒸発させることによって除去し、粗製白色固体4.69g(83%)を得た。分析用試料は、メタノールで再結晶化することによって得られ、白色の針状結晶を得た:融点104−106℃;HNMR(DMSO−d6):δ3.90(3H,s),7.21(2H,s),10.29(1H,s);MS(EI)m/z204/206/218(M)。
元素分析:CClとして:
予測値:C:46.86,H:2.
実測値:C:46.67,H:2.89
【0093】
実施例42
2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
0℃のジクロロメタン(120mL)の、2,6−ジクロロ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(3.44g,16.8ミリモル)溶液に、三臭化ホウ素(ジクロロメタン1N42mL、42ミリモル)をゆっくりと加えた。溶液を一晩中攪拌しながら室温まで温め、飽和重炭酸ナトリウム溶液(250mL)によって急冷した。生じた混合物を酢酸エチル(3x200mL)を用いて抽出した。合した有機層を水で洗浄し、塩性溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させることによって除去し、残渣をシリカ(70%ヘキサン−30%酢酸エチル)上で精製し、桃色の固体2.19g(68%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンとともに粉砕することで、表題の化合物の分析用試料を白色固体として得た:融点214−217℃;HNMR(DMSO−d6):δ6.95(2H,s),10.26(1H,s),11.44(1H,s);MS(EI)m/z189.8/191.8/193.8(M)。
元素分析:CClとして:
予測値:C:44.02,H:2.11
実測値:C:44.08,H:2.07
【0094】
実施例43
3,5−ジクロロ−4−ホルミル−フェニルトリフルオロメタンスルホン酸塩
表題の化合物を、方法Eに従って、2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(2.35g,12.3ミリモル)をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.51g,16.0ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色の油3.45g(87%)を得た。この油のTLC分析は、放置することで出発物質のフェノールに分解することを示した。HNMR(DMSO−d):δ8.03(2H,s),10.31(1H,s)。
【0095】
実施例44
3,5−ジクロロ−4'ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Cに従って、3,5−ジクロロ−4−ホルミル−フェニルトリフルオロメタンスルホン酸塩(0.73g,2.26ミリモル)を、4−tert−ブチル−ジメチルシリオキシフェニルボロン酸(0.80g,3.2ミリモル)と反応させることによって調製し、黄色の固体0.30g(50%)を得た:融点178−180℃;HNMR(DMSO−d):δ6.88(2H,d,J=8.84Hz),7.72(2H,d,J=8.71Hz),7.84(2H,s),9.95(1H,s),10.38(1H,s);MS(EI)m/z266.0/268.0/270.0(M)。
元素分析:C13Cl・0.5HOとして:
予測値:C:56.55,H:3.29
実測値:C:56.36,H:2.90
【0096】
実施例45
2,3−ジクロロ−4−メトキシベンズアルデヒド
無水ジクロロメタン(45ml)中の、2,3−ジクロロアニソール(10.00g,56.6ミリモル)溶液に、TiCl4(10.5ml,96.1ミリモル)をすぐに加えた。α,α'−ジクロロメチルメチルエステル(5.1ml,56.6ミリモル)をその後ゆっくり加え、内部温度を15℃から20℃までの間に維持した。混合物を室温で5時間攪拌し、砕いた氷にゆっくりと注ぎ、ジクロロメタン(3x)で抽出し、pH=7まで飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、その後塩性溶液を用いて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して白色の固体11.34g(98%)を得た。分析用試料を、逆相分取用HPLCによって供給された:融点112−113℃;HNMR(CDCl):δ4.01(3H,s),6.97(1H,d,J=8.77Hz),7.90(1H,d,J=8.82Hz),10.36(1H,s);MS(ESI)m/z205/207/209(M+H)
元素分析:CClとして:
予測値:C:46.86,H:2.95
実測値:C:46.92,H:2.70
【0097】
実施例46
2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド
表題の化合物を、方法Dに従って、2,3−ジクロロ−4−メトキシベンズアルデヒド(10g,49ミリモル)を、三臭化ホウ素(CHCl中1N溶液147ml,147ミリモル)と反応させることによって調製し、暗い灰色の固体11.3gを得、それは主にHNMRによって示される設計された生成物である。それをヘキサン中30%CHClと共に粉末にし、純粋な生成物として灰色の固体3.6gを得た。分析用試料を、逆相分取用HPLCによって白色固体として供給された:融点176−178℃;HNMR(DMSO−d):δ7.10(1H,d,J=8.68Hz),7.74(1H,d,J=8.67Hz),10.16(1H,s),11.95(1H,s);MS(ESI)m/z189/191/193(M−H),193/191/195(M+H)
元素分析:CCl・0.5HOとして:
予測値:C:44.02,H:2.11
実測値:C:43.87,H:1.67
【0098】
実施例47
トリフルオロメタンスルホン酸2,3−ジクロロ−4−ホルミル−フェニルエステル
表題の化合物を、実施例43に従って、2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.50g,13.2ミリモル)をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.88ml,4.80g,17.1ミリモル)と反応させることによって調製し、褐色の結晶3.69g(82%)を得、精製なしで直接次の工程に用いた。分析用試料は、シリカクロマトグラフィー(5%酢酸エチル−ヘキサン)によって白色固体として供給された:融点44−45℃;HNMR(DMSO−d):δ7.88(1H,d,J=8.74Hz),8.02(1H,d,J=8.81Hz),10.28(1H,s);MS(EI)m/z322/324/326(M)
ClSについての分析:
予測値:C:29.74,H:0.94
実測値:C:30.19,H:0.86
【0099】
実施例48−50
トリフルオロメタンスルホン酸2,3−ジクロロ−4−ホルミル−フェニルエステル(1.39,4.33ミリモル)を、方法Bに従って、ボロン酸21(1.20g,4.76ミリモル)と反応させ、次の三つの化合物を生成した。
2,3−ジクロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(48)
白色固体310mg(27%):融点172−174℃;HNMR(DMSO−d):δ6.86−6.91(2H,m),7.32−7.35(2H,m),7.53(1H,dd,J=7.94Hz,J=0.45Hz),7.85(1H,d,J=8.01Hz),9.85(1H,s),10.35(1H,s);MS(ESI)m/z265/267/269(M−H)
元素分析:C13Clとして:
予測値:C:58.46,H:3.02
実測値:C:57.75,H:2.82
2−クロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(49)
オフホワイトの固体90mg(9%):融点114−116℃;;HNMR(DMSO−d):δ6.85−6.90(2H,m),7.32−7.36(2H,m),7.61(1H,d,J=7.87Hz),7.89(1H,dd,J=7.90Hz,J=1.55Hz),8.05(1H,d,J=1.52Hz),9.79(1H,s),10.02(1H,s);MS(ESI)m/z231/233(M−H),233/235(M+H)
元素分析:C13ClOとして:
予測値:C:67.11,H:3.90
実測値:C:67.44,H:3.87
2'− ジクロロ−4,4' '−ジヒドロキシ−1,1': 3',1' '−ターフェニル−4 '−カルバルデヒド(50)
オフホワイトの固体130mg(9%):融点222−223℃;HNMR(DMSO−d):δ6.85−6.88(2H,m),6.88−6.91(2H,m),7.17−7.20(2H,m),7.31−7.35(2H,m),7.52(1H,dd,J=7.96Hz,J=0.89Hz),7.84(1H,d,J=8.07Hz),9.55(1H,d,J=0.77Hz),9.73(1H,s),9.74(1H,s);MS(ESI)m/z323/325(M−H),325/327(M+H)
元素分析:C1913ClOとして:
予測値:C:70.27,H:4.03
実測値:C:69.80,H:3.88
【0100】
実施例51
2,3−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド
表題の化合物を、方法Bに従って、トリフルオロメタンスルホン酸2,3−ジクロロ−4−ホルミル−フェニルエステル(1.90g,5.90ミリモル)を21(1.30g,7.67ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体0.84g(47%)を得た:融点160−164℃;HNMR(DMDO−d):δ3.90(3H,m),7.28−7.30(2H,m),7.41−7.43(1H,m),7.57(1H,d,J=8.30Hz),7.87(1H,d,J=7.81Hz),10.35(1H,s);MS(EI)m/z298/300/302(M)
元素分析:C14ClFOとして:
予測値:C:56.21,H:3.03
実測値:C:57.55,H:2.97
【0101】
実施例52および53
2,3−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(0.72g,2.42ミリモル)を、方法Eに従って、三臭化ホウ素(CHCl中1N溶液7.25ml,7.25ミリモル)と反応させ、次の二つの化合物を生成した。
2',3'−ジクロロ−4'−(ジブロモメチル)−3−フルオロ−1,1'−ビフェニル−4−オール(52)
灰色の粘調なシロップ130mg(13%):HNMR(DMSO−d):δ7.04(1H,t,J=8.54Hz),7.11(1H,dd,J=8.41Hz,J=1.97Hz),7.32(1H,dd,J=12.18Hz,J=1.94Hz),7.51(1H,d,J=8.27Hz),7.54(1H,s),7.95(1H,d,J=8.23Hz),10.23(1H,s);MS(ESI)m/z425/427/429(M−H)
元素分析:C13BrClFOとして:
予測値:C:36.40,H:1.65
実測値:C:37.60,H:1.69
2,3−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(53)
白色固体140mg(20%):HNMR(DMSO−d):δ7.07(1H,t,J=8.60Hz),7.15(1H,dd,J=8.40Hz,J=1.79Hz),7.35(1H,dd,J=12.15Hz,J=1.87Hz),7.56(1H,d,J=7.97Hz),7.86(1H,d,J=8.09Hz),10.31(1H,s),10.35(1H,s);MS(ESI)m/z283/285/287(M−H)
元素分析:C13ClFOとして:
予測値:C:54.77,H:2.47
実測値:C:54.93,H:2.18
【0102】
実施例54
3,5−ジクロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Fに従って、3,5−ジクロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(170mg,0.637ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(89mg,1.27ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体160mg(89%)を得た:融点183−186℃;HNMR(DMSO−d):δ6.86(2H,d,J=8.79Hz),7.63(2H,d,J=8.79Hz),7.76(2H,s),8.25(1H,s),9.81(1H,s),11.78(1H,s);MS(ESI)m/z280/282/284(M−H),282/284/286(M+H)
【0103】
実施例55
3,5−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Fに従って、3,5−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒド(290mg,ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(140mg,1.27ミリモル)と反応させることによって調製し、白色の固体260mg(85%)を得た:融点185−190℃;HNMR(DMSO−d):δ7.03(1H,t,J=8.86Hz),7.46−7.49(1H,m),7.68(1H,dd,J=12.74Hz,J=2.26Hz),7.82(2H,s),8.25(1H,s),10.24(1H,s),11.80(1H,s);MS(ESI)m/z298/300/302(M−H),300/302/304(M+H)
元素分析:C13ClFNO・0.2HOとして:
予測値:C:51.41,H:2.79,N:4.61
実測値:C:51.70,H:2.75,N:4.21
【0104】
実施例56
2,3−ジクロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム
表題の化合物を、方法Fに従って、48(140mg,0.526ミリモル)をヒドロキシルアミン塩酸塩(110mg,1.58ミリモル)と反応させることによって調製し、オフホワイトの固体148mg(100%)を得た:融点208−210℃;HNMR(DMSO−d):δ6.84−6.87(2H,m),7.26−7.29(2H,m),7.36(1H,d,J=7.94Hz),7.80(1H,d,J=8.20Hz),8.41(1H,s),9.72(1H,s),11.83(1H,s);MS(ESI)m/z280/282/284(M−H),282/284/286(M+H)
元素分析:C13ClNOとして:
予測値:C:55.35,H:3.22,N:4.96
実測値:C:55.78,H:3.59,N:4.44
【0105】
実施例57
57(85mg,0.20ミリモル)を、方法Cに従って、ヒドロキシルアミン塩酸塩(376mg,5.39ミリモル)およびピリジン(0.43ml,5.34ミリモル)と8日間反応させ、次の二つの化合物を生成した。
2,3−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム(57)
白色固体17.6mg(30%):融点225−227℃;HNMR(DMSO−d):δ7.04(1H,t,J=8.54Hz),7.10(1H,dd,J=8.35z,J=1.88Hz),7.28(1H,dd,J=12.22z,J=2.01Hz),7.39(1H,d,J=8.14Hz),7.81(1H,d,J=8.15Hz),8.41(1H,s),10.18(1H,s),11.87(1H,s);MS(ESI)m/z298/300/302(M−H),300/302/304(M+H)
元素分析:C13ClFNO・0.09TFAとして:
予測値:C:51.00,H:2.63,N:4.51
実測値:C:50.97,H:2.37,N:4.33
メチル2,3−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルボン酸塩
白色固体16.9mg(27%):融点152−154℃;HNMR(DMSO−d):δ3.90(3H,s),7.05(1H,t,J=8.54Hz),7.11(1H,dd,J=8.41z,J=1.55Hz),7.31(1H,dd,J=12.16z,J=1.68Hz),7.47(1H,d,J=8.02Hz),7.76(1H,d,J=8.64Hz);MS(ESI)m/z313/315/317(M+H)
元素分析:C14ClFOとして:
予測値:C:53.36,H:2.88
実測値:C:51.94,H:2.54
【0106】
実施例58
表1.4'−ヒドロキシ−ビフェニル−カルバルデヒドオキシム誘導体
【化20】


【表1】


標準的な薬理学的試験操作において得られた結果は、本発明の化合物が、ERβ受容体に対して幾分強い選択的親和性を有する、エストロゲン化合物であることを実証している。本発明の化合物は、ERαよりもERβに対して高い選択的親和性を有するものから、両受容体に対してほぼ同等の親和性を有するものまである。従って、本発明の化合物は、少なくとも一部は、受容体親和性選択性プロフィールに基づいた範囲の活性に及ぶであろう。それに加えて、各々の新しい受容体リガンド複合体は特異的であり、従って様々な共調節性タンパク質との相互作用も特異的であるので、本発明の化合物は、それらがおかれる細胞の状況に基づいて異なる調節作用を示すであろう。例えば、ある細胞型において、ある化合物がエストロゲンアゴニストとして作用し、一方他の組織においてはアンタゴニストとして作用することも起こりえる。そのような活性を有する化合物は、時にSERMs(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)と呼ばれてきた。しかしながら、多くのエストロゲンとは異なり、SERMsの多くは子宮の湿性重量の増加を引き起こさない。これらの化合物は子宮においては抗エストロゲン性であり、子宮組織におけるエストロゲンアゴニストの栄養作用に完全に拮抗し得る。しかしながら、これらの化合物は、骨、心臓血管および中枢神経系においてはエストロゲンアゴニストとして作用する。これらの化合物はこのような組織選択性を有しているので、(骨または心臓血管のような特定の組織における)エストロゲン欠乏または(子宮または乳腺における)エストロゲン過剰によって引き起こされたまたはそれと関連する、哺乳類の病態または症候群の治療または予防に有用である。
【0107】
さらにそのような細胞特異的調節の他に、本発明の化合物はまた、ある受容体タイプに対してはアゴニストとして作用し、他の受容体に対してはアンタゴニストとして作用し得る。例えば、化合物がERβのアンタゴニストであり、他方ERαのアゴニストであるということがあり得るということが実証されてきた(Meyers,Marvin J.;Sun,Jun;Carlson,Kathryn E.;Katzenellenbogen,Benita S.;Katzenellenbogen,John A.,J.Med.Chem.(1999年),42(13),2456−2468)。そのようなERSAA(エストロゲン受容体選択性アゴニストアンタゴニスト)活性は、この一連の化合物において薬学上明確なエストロゲン活性を与える。
【0108】
標準的な薬理学的試験操作は、所定の試験化合物の活性プロフィールを決定するために容易に利用できる。次の実施例は、いくつかの代表的な試験操作を簡潔に要約している。SERMsについての標準的な薬理学的試験操作はまた、米国特許第4418068号および5998402号において与えられる。
【0109】
実施例59
ラットの子宮肥大/抗子宮肥大試験操作
本化合物のエストロゲン様および抗エストロゲン性は、(L.J.BlackおよびR.L.Goode,Life Sciences,26,1453(1980年)に以前記述された)幼若なラットの子宮肥大アッセイ(4日間)において決定され得る。スプレーグ・ドーレイラット(雌、18日齢)を、六つの群で検査した。動物を、注射ビヒクルとしての50%DMSO/50%食塩水と共に、10μGの化合物、100μGの化合物、抗エストロゲン性を検査するための(1μGの17βエストラジオールを加えた100μGの化合物)、1μGの17βエストラジオール毎日静脈注射によって処理する。4日目に、動物をCOでの窒息によって殺し、子宮を除去して過剰な脂質を剥がし、全ての体液を除去し、湿性重量を決定する。小断片の角質を組織学に供し、相補的成分3遺伝子発現を評価するために残りを用いてトータルRNAを単離する。
【0110】
実施例60
6週で卵巣切除したラット検査操作−骨および心臓保護
メスのスプレーグ・ドーレイCDラット、卵巣摘出群または偽手術を、Taconic Farm社から手術後1日で得る(体重の範囲240−275g)。それらを、ケージあたり3または4匹のラットずつ、12時間/12時間(明/暗)のスケジュールで部屋に収容し、食料(Purina 5K96Cラット食物)および水を自由に与える。全ての研究についての処理は、動物の到着後1日目から始め、指示されるように1週間に付き7日間で6週間投薬する。何ら処理を受けていない年齢の一致した偽手術した一群のラットを各研究について無傷のエストロゲンを十分与えた対照群に供する。
【0111】
全ての処理は、生理食塩水中の1%ツゥイーン80中で、処理体積を体重100gあたり0.1mLにする規定された濃度で調製する。17β−エストラジオールをコーンオイル(20μg/mL)中に溶解し、ラットあたり0.1mLを皮下投与する。全ての用量は、グループの平均体重測定に従って、3週間間隔で調節する。
【0112】
処理開始後5週間および研究の終了前1週間に、各々のラットを骨塩密度(BMD)について評価する。脛骨近位部の総密度および骨梁密度を、XCT−960M(pQCT;Stratec Medizintechnik,Pforzheim,ドイツ)を用いて麻酔したラットにおいて評価する。測定は次のように実行する:スキャンの15分前に、各々のラットに45mg/kgのケタミン、8.5mg/kgのキシラジンおよび1.5mg/kgのアセプロマジンを腹膜内注射して麻酔する。
【0113】
右の後肢に直径25mmのポリカーボネートチューブを通し、足関節を90°の角度で、膝関節を180°の角度でアクリルフレームに貼り付ける。ポリカーボネートチューブを、pQCTの開口部に垂直に維持する摺動性プラットホームに固定する。プラットホームを、大腿骨の遠位末端および脛骨の近位末端がスキャン範囲にあるように調節する。二次元スカウトビューを、10mmの長さおよび0.2mmの線分解能で実行する。スカウトビューがモニター上で表示された後、脛骨の近位末端の位置を確認する。pQCTスキャンを、この地点から3.4mm遠位から開始する。pQCTスキャンは1mmの厚さであり、0.140mmのボクセル(三次元ピクセル)サイズを有し、スライスを介して145の映像からなる。
【0114】
pQCTスキャンが完了した後、画像をモニター上に表示する。脛骨を含むが腓骨は除いた関心のある領域の概略を述べる。軟部組織は、反復アルゴリズムを用いて自動的に除去する。残りの骨密度(総密度)を、mg/cm単位で報告する。骨の外層55%を、同心らせん状に剥離する。残りの骨密度(骨梁密度)を、mg/cm単位で報告する。BMD評価の1週間後、ラットを二酸化炭素での窒息によって安楽死させ、血液をコレステロール決定のために収集した。子宮を摘出して、重量を量る。総コレステロールを、コレステロール/HPキットを用いたBoehringer−Mannheim Hitachi911臨床用分析器を用いて決定する。統計量を、Dunnetテストによる一元配置分散分析を用いて比較した。
【0115】
実施例61
MCF−7/ERE抗増殖検査操作
検査化合物の保存溶液(通常0.1M)を、DMSO中で調製し、その後DMSOで10ないし100倍に希釈し、1または10mMの作用溶液を作る。DMSO保存液を、4℃(0.1M)または−20℃(<0.1M)のいずれかで保存する。MCF−7細胞を、成長培地[10%(体積/体積)の熱で不活化した胎児牛血清、1%(体積/体積)のペニシリン−ストレプトマイシン、および2mMのグルタマックス−1を含むD−MEM/F−12培地]を用いて1週間に二回継代する。細胞を、5%CO/95%加湿した空気の培養器内で37℃で、通気孔のあるフラスコ内で維持する。処理の1日前に、細胞を、成長培地を用いて、ウェルあたり25000個で96ウェルプレートで平板培養し、37℃で一晩中インキュベートする。
【0116】
細胞を、実験培地[10%(体積/体積)の熱不活化チャコール処理(Charcoal stripped)胎児牛血清、1%(体積/体積)のペニシリン−ストレプトマイシン、2mMのグルタマックス−1、1mMのピルビン酸ナトリウムを含み、フェノールレッド不含のD−MEM/F−12培地]中で、アデノウィルス5−ERE−tk−ルシフェラーゼの1:10希釈液をウェルあたり50μl用いて、37℃で2時間感染させる。ついで、該ウェルを、実験培地150μlを用いて一度洗浄する。最後に、細胞を、ウェルあたり150μλのビヒクル(0.1%以下 体積/体積 DMSO)または実験培地中に1000倍以上に希釈される化合物を用いて、8ウェル/処理で、繰り返し24時間37℃で処理する。
【0117】
検査する化合物の最初のスクリーニングを、単独で(アゴニスト法)または0.1nMの17βエストラジオールと組み合わせて(EC80;アンタゴニスト法)検査する、1μMの単回投与で行う。各々96のウェルプレートはまた、ビヒクル対照群(0.1% 体積/体積 DMSO)およびアゴニスト対照群(0.1または1nMの17βエストラジオールのいずれか)を含む。投薬反応実験を、10−14から10−5Mまで対数的に増加する活性のある化合物について、アゴニスト法および/またはアンタゴニスト法のいずれかで実行する。これらの投薬反応曲線から、EC50およびIC50値を、各々算出する。各々の処理群における最終的なウェルには、ERアンタゴニスト対照群として5μlの3×10−5MICI−182,780(10−6Mの最終濃度)を含む。
【0118】
処理後、1X細胞培養溶解試薬(Promega Corporation)をウェルあたり25μlを用いて、細胞を攪拌器上で15分間溶解する。細胞溶解物(20μl)を、96ウェルの照度計プレートに移し、ルシフェラーゼ活性を、MicroLumatLB96P照度計(EG&G Berthold)中で、ルシフェラーゼ基質(Promega Corporation)をウェルあたり100μl用いて測定する。基質の注入に先立って、各々のウェルについて1秒バックグラウンド測定を行う。基質の注入後、ルシフェラーゼ活性を、1秒間の猶予の後、10秒間測定する。データを照度計からマッキントッシュパーソナルコンピューターに転送し、JMPソフトウェア(SAS Institute)を用いて分析する;このプログラムは、各々のウェルについてのルシフェラーゼ測定から、読み取られたバックグラウンドを減算し、その後各々の処理の平均および標準偏差を決定する。
【0119】
ルシフェラーゼデータを対数に変換し、Huber M−エスティメーターを中心から離れた変換した観測量を減量するために用いる。JMPソフトウェアを、一元ANOVA(Dunnetテスト)変換して定量したデータを分析するために用いる。化合物による治療を、アゴニスト法におけるビヒクル対照群結果、またはアンタゴニスト法における陽性アゴニスト対照群結果(0.1nMの17βエストラジオール)と比較する。最初の単回投薬実験について、化合物による治療結果が適切な対照群(p<0.05)と十分異なっていれば、結果は17βエストラジオール対照群に比較したパーセンテージとして報告される[すなわち、((化合物−ビヒクル対照群)/(17βエストラジオール対照群−ビヒクル対照群))×100]。JMPソフトウェアはまた、非線形投薬反応曲線からEC50および/またはIC50値を決定するために用いられる。
【0120】
実施例62
LDLの酸化の阻害−抗酸化活性
豚の大動脈を屠殺場から得て、洗浄し、冷却したPBS中に移し、大動脈の内皮細胞を採取する。細胞を採取するために、大動脈の肋間の脈管を結紮し、大動脈の一方の末端をクランプする。新鮮な、濾過滅菌した0.2%のコラゲナーゼ(Sigma タイプI)を脈管中に配置し、脈管の他方の末端をその後クランプして閉鎖系を形成する。大動脈を37℃で15−20インキュベートし、その後コラゲナーゼ溶液を収集し、2000xgで5分間遠心する。各々のペレットを、チャコール処理FBS(5%)、Nu血清(5%)、L−グルタミン(4mM)、ペニシリン−ストレプトマイシン(1000U/ml、100μg/ml)およびゲンチマイシン(75μg/ml)を補足し、フェノールレッドを含まないDMEM/HamF12培地を含む、7mLの内皮細胞培養培地中に懸濁し、100mmペトリ皿に播種し、5%CO中で37℃でインキュベートする。20分後、細胞をPBSですすぎ、新鮮な培地を加え、この操作を24時間で再び繰り返した。細胞はおよそ1週間後に集密状態となる。内皮細胞に慣例的に1週間に2回養分を与え、集密状態になった時にはトリプシン処理し、1:7の比率で蒔く。12.5μg/mlのLDLの細胞媒介性酸化は、評価すべき化合物(5μM)の存在下で4時間37℃で可能となる。結果は、遊離アルデヒドの分析のためのTBARS(チオバルビツール酸反応物質)法によって測定される、酸化過程の阻害のパーセンテージとして表現される(Yagi K.,Biochem Med 15:212−216(1976年))。
【0121】
実施例63
D12視床下部細胞検査操作
D12視床下部細胞を、RCF17親細胞系からサブクローニングし、凍結させて保存する。それらを、10%胎児牛血清(FBS)を加えた、DMEM:F12(1:1)、グルタマックス−1(2mM)、ペニシリン(100U/ml)−ストレプトマイシン(100mg/ml)中で慣例的に成長させる。細胞を、2−10%チャコール処理FBSを含み、フェノールレッドを含まない培地(DMEM:F12、グルタマックス、ペニシリン−ストレプトマイシン)中で、サブコンフルエント密度(1−4×10細胞/150mmディッシュ)で培養する。細胞を、2%CSS血清を含む培地で24時間後再び養分を与える。アゴニスト活性について検査するために、細胞を10nmの17βエストラジオールまたは様々な用量の検査する化合物(1mMまたは1pMから1mMの範囲)で処理する。アンタゴニスト活性について検査するために、様々な用量(100pMないし1mM)の検査する化合物なしでまたはその存在下で、細胞を0.1nmの17βエストラジオールで処理する。対照群のディッシュをまた、陰性対照群としてDMSOで処理する。ホルモン付加の48時間後、細胞を溶解させ、結合検査操作を実行する。
【0122】
各々の結合検査操作について、100−150mgのタンパク質を、10nMのH−R5020および100倍過剰R5020を用いて150mlの体積でインキュベートする。3倍体反応(R5020を含む三つ、R5020なしの三つ)を、96ウェルプレート中で調製する。タンパク質抽出物を最初に加え、続いてH−R5020または100x非標識R5020を加えたH−R5020を加える。反応は、室温で1−2時間実行される。反応は、100mlの冷5%チャコール(Norit SX−4)、pH7.4のTE中0.5%デキストラン69K(Pharmacia)を付加することによって停止する。室温で5分後、結合したおよび結合していないリガンドを、遠心することにより分離する(5分、1000RCF、4℃)。上澄み溶液(〜150ml)を除去し、シンチレーションバイアルに移す。シンチレーション流体(Beckman Ready Protein+)を付加した後、試料をシンチレーションカウンターで1分間カウントする。
【0123】
実施例64
CNS視索前野におけるプロゲステロン受容体
六十(60)日齢のメスのスプレーグ・ドーレイラットを、卵巣切除する。動物を、12時間明るく、12時間暗い光周期を有し、水および齧歯類の食物を自由に利用できる動物保育設備中に収容する。
【0124】
卵巣切除した動物を、無作為に、ビヒクル(50%DMSO、40%PBS、10%エタノールビヒクル)、17βエストラジオール(200ng/kg)または検査すべき化合物を用いて注射される群に分ける。追加の動物を、17βエストラジオールの注射に先立って、検査する化合物で注射し、本化合物のアンタゴニスト特性を評価する。皮下注射の6時間後、動物を致死量のCOで安楽死させ、その脳を収集して凍結させる。
【0125】
動物から収集した組織を、低温保持装置上で−16℃で切断し、シランで被覆した顕微鏡スライド上で収集する。切片を固定したスライドをその後42℃に維持したスライド加温器上で乾燥させ、−80℃で乾燥したスライドボックス内で保存する。プロセシングに先立って、乾燥したスライドボックスをゆっくり室温まで温め(−20℃で12−16時間;4℃で2時間;室温で1時間)、スライド上での結露形成を除去し、それによって組織およびRNAの分解を最小限にする。乾燥したスライドを金属のラックに載せ、4%パラホルムアルデヒド(pH9.0)中で5分間後固定し、前に記述したようにプロセシングする。
【0126】
ラットのPRcDNA9の815bp断片(リガンド結合ドメイン)を含むプラスミドを線状にし、ラットのPRmRNAの一部に相補的な、S35−UTP標識プローブを生成するために用いられる。プロセシングした切片を固定したスライドを、リボプローブ(4−6x10 6 DPM/スライド)および50%ホルムアルデヒドを含む20mlのハイブリダイゼーションミックスを用いてハイブリダイゼーションし、55℃の加湿したチャンバー内で一晩中インキュベートする。午前中に、スライドを、2xSSC(0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸ナトリウム;pH7.0)/10mMDTT中に浸した金属のラックに置く。ラックを、全て大きな容器に移し、2xSSC/10mMDTT中で室温で緩やかに攪拌しながら15分間洗浄する。その後スライドをRNAアーゼ緩衝剤中で37℃で30分間洗浄し、RNAアーゼA(2mg/ml)で37℃で30分間処理し、15分間室温の1XSSC中で洗浄する。その後、スライドを、非特異的標識を除去するために65℃で0.1XSSC中で洗浄し(2X30分)、室温の0.1XSSC中で15分間すすぎ、徐々に変化する一連のアルコール:酢酸アンモニウム(70%、95%および100%)を用いて脱水する。空気乾燥したスライドを、3日間X線フィルムに向かい合わせ、その後写真のように加工する。全ての動物に由来するスライドをハイブリダイゼーションし、洗浄し、感光させ、アッセイの間の条件の変化による相違を排除するために写真のように加工する。
【0127】
実施例65
ラットのホットフラッシュ−CNSの影響
卵巣切除したメスの60日齢スプレーグ・ドーレイラットを、手術後に得る。手術は、最初の処理に最低限8日間先立ってなされる。動物を、12時間明/暗周期の下で個別に収容し、標準的なラットの食物および水を制限無く与える。
【0128】
二つの対照群が、各々の研究に含まれる。用量を、ごま油中10%DMSO中で(皮下投与実験)、または食塩水中1.0%ツゥイーン80中で(経口投与実験)のいずれかで、mg/kg平均グループ体重に基づいて調製する。動物に、0.01から10mg/kg平均グループ体重の範囲の用量の検査する化合物を投与する。ビヒクルおよびエチニルエストラジオール(EE)対照(0.1mg/kg皮下投与、または0.3mg/kg経口投与)対照群が、各々の検査に含まれる。化合物をそのアンタゴニスト活性について検査する場合、EEは、皮下投与または経口投与研究についてそれぞれ、0.1または0.3mg/kgを共投与する。検査する化合物を、尾の皮膚温度が測定される日まで投与する。
【0129】
4日間の馴化後、動物を、関心のある化合物で毎日一度処理する。10の動物/処理グループが存在する。化合物の投与は、0.1mlを頸の首筋に皮下注射することによって、または0.5mlの体積を経口投与することのいずれかによる。処理の3日目に、モルヒネのペレット(75mg硫酸モルヒネ)を、皮下に埋め込む。処理の5日目に、一つまたは二つの追加のモルヒネのペレットを埋め込む。8日目に、動物のおよそ半分に、ケタミン(80mg/kg、筋肉内)を注射し、MacLab Data Acquisition System(API社、Milford、MA)に結合した熱電対を、尾の根本からおよそ1インチの尾に貼り付ける。この機構は、尾の皮膚の温度の継続的な測定を可能にした。基準の温度を15分間測定し、その後モルヒネの効果をブロックするためにナロキソン(1.0mg/kg)を皮下投与し(0.2ml)、尾の皮膚の温度をその1時間後に測定する。9日目に、残りの動物を同様に計画し、分析する。
【0130】
実施例66
単離したラットの大動脈輪における血管運動神経機能
スプレーグ・ドーレイラット(240−260グラム)を4グループに分ける:
1.正常の卵巣切除していないもの(無傷)
2.卵巣切除し(ovex)、ビヒクル処理したもの
3.卵巣切除し、17βエストラジオールで処理したもの(1mg/kg/日)
4.検査する化合物によって処理した卵巣切除した動物(すなわち1mg/kg/日)
動物を、処理におよそ3週間先立って卵巣切除する。各々の動物は、胃管栄養によって、1%ツゥイーン80と共に、蒸留して脱イオン化した水中に懸濁した硫酸17βエストラジオールまたは検査する化合物のいずれか1mg/kg/日を与えられる。ビヒクル処理動物は、薬剤処理群において用いられた適当な体積のビヒクルを与えられる。
【0131】
動物をCO吸入および放血によって安楽死させる。胸部大動脈を速やかに除去し、37℃の生理的溶液中に、次の組成物(mM)と共に入れる:NaCl(54.7)、KCl(5.0)、NaHCO(25.0)、MgCl 2HO(2.5)、D−グルコース(11.8)およびCaCl(0.2)、95%/5%のCO−Oでガス処理し、最終的なpHが7.4。動脈血管外膜を外表面から除去し、脈管を2−3mmの幅の輪に切断する。輪を、一方の末端を浴の底に結び、他方の末端を力変換器に結んで、10mLの組織浴に吊す。1グラムの静止張力がその輪にかかる。輪は1時間で平衡に達し、シグナルを得て分析する。
【0132】
平衡も達した後、輪を高濃度のフェニレフリン(10−8ないし10−4M)に曝し、張力を記録する。その後、浴を新しい緩衝剤で3回すすぐ。洗浄後、200mMのL−NAMEを組織浴に加え、30分間平衡状態とする。ついで、フェニルフリン濃度反応曲線を繰り返す。
【0133】
実施例67
8本の放射状迷路−認識力の向上
到着時に重さが250gであった、オスのスプレーグ・ドーレイ、CDラット(Charles River、Kingston、ニューヨーク)が用いられる。ラットを、標準的な実験室の食物および水を自由に与えて、1週間ケージあたり6匹収容する。収容するのは、22℃に維持されたコロニールームであり、午前6時に点灯する12時間の明/暗周期を有していた。設備に慣らした後、動物を個別に収容し、自由に餌を与えた重量の85%に維持する。一度安定した体重に達すると、ラットは8本の放射状迷路に順応する。
【0134】
迷路の構造は、PeeleおよびBaron(Pharmacology、Biochemistry、およびBehavior、29:143−150、1988年)の迷路に適合する。迷路を75.5cmの高さまで上昇させ、互いに等距離に、中央から8本の放射状に離れるように取り囲む円形の領域からなる。各々のアームは、58cmの長さ×13cmの高さである。各々のセッションの開始に先立って、迷路の中央部分に動物を閉じこめるために、透明のプレキシグラスシリンダーを取り付ける。迷路の各々のアームは、データ取得単位にインターフェースで接続した3セットの光電池を備えており、それはまたコンピューターにインターフェースで接続する。光電池は迷路内のラットの運動を追跡するために用いられる。各々のアームの末端にある食物カップの上に位置するペレット供給器は、アームの外層の光電池が所定のセッションにおいて最初に活性化された場合に、二つの45mgのチョコレートペレットを与える。迷路は、視覚的な手がかりを与えるために、各々の壁に黒および白の幾何学的ポスターを有する検査室に位置している。全ての訓練および検査操作の間、ホワイトノイズが聴取される(約70db)。
【0135】
訓練操作は、五つの段階からなり、各々が毎日5分または10分続くセッションを有する。ラットを迷路の中央部に配置する時、およびセッションを始めるためにシリンダーを上げる時の間には、10秒間の遅れが必要とされる。第1段階の間、食物を制限したラットの組は、迷路の8つのアームの至る所に45mgのチョコレート食物ペレットが撒き散らされた迷路に、10分間おく。第2段階の間、各々のラットを、中央の光電池から各々のアームの食物カップにペレットを撒き散らした迷路に、10分間個別におく。第3段階の間、各々のラットを、食物ペレットが各々のアームにおける食物カップ内およびその周囲のみに位置している迷路に、10分間おく。第4段階において、各々のラットに、各々のアームから二つのペレットを収集するために10分間与える。一つのアームに再び入ることは、過誤とみなす。ラットを、三日連続の訓練で全過誤が2未満またはちょうど2となるような基準成績に達するまで、この方法で毎日訓練する。馴化および訓練の総時間は、およそ3週間である。
【0136】
検査する化合物を、リン酸緩衝食塩水中で調製し、1ml/kgの体積で投与する。臭化水素酸スコポラミン(0.3mg/kg、皮下投与)は、過誤率を増加させる(記憶の損失)障害薬の役割を果たす。検査する化合物は、全ての検査日に最初に迷路に曝露させる30分前に、スコポラミンと同時に腹膜内に与える。
【0137】
検査する化合物を評価するために、最小限の動物の数で高い実験効率を達成するように、繰り返し測定で8x8で平衡を保ったラテン方格を計画する。8つの実験セッションには、週二日各々のセッション内で無作為化した8つの処理(ビヒクル、スコポラミン、スコポラミンと組み合わせた3用量の検査する化合物)を行う。各々の処理の後に、あらゆる他の処理を同回数行う。それゆえに、全ての処理の残存効果を評価でき、直接の処理効果を除去し得る。ANOVAの後、多重比較を、調節した方法でDunnet両側検定を用いて実行する。
【0138】
最初の曝露の間の5分間以内に4つの正しい選択をしなかった動物、または二度目の曝露の最後までに全部で8つの選択をしなかった動物は、そのセッションについて「時間切れ」とみなす。検査する化合物の一回より多くの用量の投与の後に「時間切れ」となった全ての動物は、分析から除外される。
【0139】
実施例68
神経保護
一次皮質ニューロン培養における時間依存性の細胞死の阻害
一次皮質ニューロンを、Monyerら、1989年、Brain Research483:347−354に記述されている方法の変法を用いて、0−1日齢のラットの脳から生成した。分散させた脳組織を、DMEM/10%PDHS(妊娠ドナーウマ血清)において三日間増殖させ、その後混合しているグリア細胞を除去するためにシトシンアラビノシド(ARC)によって二日間処理した。5日目に、ARC培地を除去し、DMEM/10%PDHSで置換した。ニューロン細胞を使用前にさらに4−7日間培養した。
【0140】
対照群の一次ニューロン培養は、培養中12日目および18日目の間で、進行性の細胞死を示す。検査する化合物を9日目にDMEMおよび10%PDHS中で維持した6つの培養に加え、残りの培養を対照群として維持した後、12の培養を酵素乳酸脱水素酵素(LD)の濃度を12日目および16日目に評価した。LDを、Wroblewskiら 1955年、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.90:210−213による方法の変法を用いてアッセイした。LDは、臨床上および組織生存力を決定するための基礎研究上の両方で一般に用いられる、細胞質基質酵素である。培地のLDの増加は、直接細胞死に関連している。
【0141】
低血糖によって誘発される細胞傷害に対する神経保護
ATCCから得られたC6グリオーマ細胞は、FALCON25cm組織培養フラスコ中で、1×10細胞/mlの濃度のFBSを有するRPMI培地中で平板培養に付した。低血糖の開始の4時間前に、維持培地を廃棄し、単層を適切な培地で二度洗浄し、その後血清を含まないでまたは検査する化合物を加えて血清は含まないで、37℃で4時間インキュベートした。クレブリンゲルリン酸緩衝剤を、適切なグルコース処理を加える前に、単層を二度洗浄するために用いた。RPMI培地は、1mlあたり2mgのグルコースを含み;フラスコを、各々100%グルコース(2mg/ml)、80%グルコース(1.6mg/ml)、60%グルコース(1.2mg/ml)、または0%グルコース(緩衝剤)、または検査する化合物を補足した緩衝剤を入れた、6のグループに分けた。全てのフラスコを20時間インキュベートし、その後トリパンブルーを利用して、総細胞数、生細胞数および死細胞数について評価した。
【0142】
興奮毒性アミノ酸に対する神経保護
SK−N−SH神経芽腫細胞を含む5つの培養ディッシュを、検査する化合物を用いて処理し、5つの培養ディッシュを、RPMI培地で処理した。4時間後、全ての細胞を、NMDA(500muM)を用いて5分間処理した。その後総生細胞および死細胞を決定した。
【0143】
酸素−グルコース欠乏に対する神経保護
アポトーシスを測定するための濃縮核の分析:皮質ニューロンを、E18ラット胎児から調製し、ポリ−D−リシン(10ng/ml)および100000細胞/ウェルの濃度の血清で予め被覆した8ウェルのチャンバースライド中に入れる。細胞を、10%FCSを含む高グルコースDMEM中に入れ、10%CO/90%空気で37℃でインキュベーター中に保存する。その翌日、血清を、培養培地をB27補剤を含む高グルコースDMEMで置換することによって除去し、細胞を実験の日までさらに培地を交換することなしにインキュベーター中に保存する。6日目に、スライドを二つの群:対照群およびOGD群に分ける。対照群中の細胞は、グルコースおよびカスタムB27(抗酸化剤なし)を含むDMEMを与えられる。OGD群中の細胞は、15分間真空下で脱気された、カスタムB27を含むグルコース不含DMEMを与えられる。細胞を、10分間気密なチャンバー中で90%N/10%COで洗い流し、37℃で6時間インキュベートする。6時間後、対照およびOGDの細胞を共に、グルコース含有のDMEM中にビヒクル(DMSO)または試験化合物のいずれかを含有する培地の、カスタムB27との置き換えに付す。細胞を、通常の酸素環境の37℃のインキュベーターに戻す。24時間後、細胞を、4%PFA中で10分間4℃で固定し、Topro(蛍光核結合色素)を用いて染色する。アポトーシスは、Laser Scanning Cytometerを用いて、濃縮核を測定することによって評価される。
【0144】
細胞死の指標としてのLDH遊離の測定:皮質ニューロンを、E18ラット胎児から調製し、ポリ−D−リシン(10ng/ml)および150000細胞/ウェルの濃度の血清で予め被覆した48ウェルの培養プレート中に入れる。細胞を、10%FCSを含む高グルコースDMEM中に入れ、10%CO/90%空気で37℃でインキュベーター中に保存する。その翌日、血清を、培養培地をB27補剤を含む高グルコースDMEMで置換することによって除去する。6日目に、細胞を二つの群:対照群およびOGD群に分ける。対照群中の細胞は、グルコースおよびカスタムB27(抗酸化剤なし)を含むDMEMを与えられる。OGD群中の細胞は、15分間真空下で脱気された、カスタムB27を含むグルコース不含DMEMを与えられる。細胞を、10分間気密なチャンバー中で90%N/10%COで洗い流し、37℃で6時間インキュベートする。6時間後、対照およびOGDの細胞を共に、グルコース含有のDMEM中にビヒクル(DMSO)または試験化合物のいずれかを含有する培地の、カスタムB27との置き換えに付す。細胞を、通常の酸素環境の37℃のインキュベーターに戻す。24時間後、細胞死を、細胞のLDH(乳酸脱水素酵素)の培養培地への遊離を測定することによって評価される。LDHアッセイのために、50μlの培地のアリコートを、96ウェルプレートに移す。0.1Mのリン酸カリウム緩衝剤(pH7.5)140μlおよび0.2mg/mlのNADH100μlを加えた後、プレートを暗所で室温で20分間放置する。反応は、ピルビン酸ナトリウム10μlを加えることによって開始される。プレートは、Thermomaxプレートリーダー(Molecular Devices)で、即座に340nMで読み取られる。NADH濃度の指標である吸光度は、6秒ごとに5分間記録され、NADH消失率を示す勾配が、LDH活性を算出するために用いられる。
LDH活性(U/ml)=(ΔA/分)(TCF)(20)(0.0833)/(0.78)
式中:0.0833=比例定数
0.78=計器光路長
【0145】
実施例69 HLAラットテスト操作−クローン病および炎症性腸疾患
オスのHLA−B27ラットを、Taconicから得て、食物(PMI Lab diet 5001)および水を制限無く得られるようにする。研究の開始において、ラットは22−26週齢である。
【0146】
ラットは、以下で列挙した処方の一つを、毎日一度7日間皮下投与する。各々の群において5匹のラットがおり、最後の用量を安楽死させる2時間前に投与する。
ビヒクル(50%DMSO/50%DulbeccoのPBS)
17α−エチニル−17βエストラジオール(10μg/kg)
検査する化合物
【0147】
排泄物の質を毎日観察し、次の尺度に従って等級付けする:下痢=3;軟便=2;正常の便=1。検査操作の最後に、血清を収集し、−70℃で保存する。結腸の断片を組織学的な分析のために調製し、追加の切片をミエロペルオキシダーゼ活性について分析する。
【0148】
次の方法は、ミエロペルオキシダーゼ活性を測定するために用いられる。結腸組織を採取し、液体窒素中で急速冷凍する。全結腸の代表的な試料は、試料間で一致していることを保証するために用いられる。組織は、使用するまで−80℃で保存する。次に、組織を計量し(およそ500mg)、5mMのHKPO(pH6)洗浄緩衝剤重量/体積1:15中で均質化する。組織を、Sorvall RC 5B遠心分離機中で、45分間2−8℃で20000×gで遠心する。その後上澄みを廃棄する。組織を再び懸濁し、50mMのHKPO2.5ml(1:5 重量/体積)中で、10mMのEDTAおよび0.5%のHex臭化アンモニウムと共に均質化し、細胞内MPOの安定化を助ける。組織を液体窒素中で冷凍し、37℃の水浴中で溶解し、細胞膜の溶解を確実にするために15秒間超音波処理する。この操作を3回反復する。その後試料を氷上に20分間おき、12000×gで15分間2−8℃で遠心する。上澄みを、これらの工程の後に分析する。
【0149】
試験混合物は、2.9mlの50mMのHKPOを0.0005%Hを含む0.167o−ジアニシジンと一緒に反応管に加えることによって調製される。過酸化水素が分解されると、o−ジアニシジンが酸化され、濃度依存的に460nmにて吸光する。混合物を25℃まで加熱する。100μLの組織上澄みを反応管に加え、1分間25℃でインキュベートし、その後1mlを使い捨てのプラスチックのキュベットに移す。ODを、2分の反応時間ごとに、反応混合物2.9mlおよび0.5%臭化アンモニウム溶液100μlを含むブランクに対して、460nmで測定する。
【0150】
酵素活性単位を、460nmにおける吸光度を、精製したヒトMPO31.1単位/ガラス瓶を用いて用意した標準曲線と比較することによって、定量化する。MPOを再び溶解し、50mMのHKPOを、10mMのEDTAおよび0.5%のHex臭化アンモニウムと共に用いて、四つの既知の濃度に連続的に希釈する。試料の吸光度を、この曲線に対して比較し、活性を決定する。
【0151】
組織学的分析は、次のように実行する。結腸組織を、10%中性緩衝ホルマリン中に浸す。各々の結腸の試料を、評価のために四つの試料に分配する。ホルマリン固定した組織を、パラフィン包埋のために真空浸透処理装置中で加工処理する。試料を5μmに細分し、その後、Boughton−Smithの後修正された尺度を用いて、盲検的に組織学的評価をするために、ヘマトキシリンおよびエオジン(H&E)で染色する。スコアの記録が完了した後試料を明らかにし、データを表に記入し、多重平均比較を用いてANOVA線型モデル化することによって分析する。
【0152】
本明細書において引用されている、全ての特許、出版物および他の文書は、出典明示により本明細書の一部とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】


[式中:
およびRは、各々独立に、H、ハロゲン、CN、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよい低級アルキルであり;
、R、RおよびRは、各々独立に、H、OH、ハロゲン、CN、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい低級アルキル、または置換されていてもよい低級アルコキシであり;
は、各々独立に、H、−C(O)R、または置換されていてもよい低級アルキルであり;
は置換されていてもよい低級アルキルである]
で示される化合物あるいはその医薬上許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項2】
がHであるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
およびRが、各々独立に、H、ハロゲン、CN、置換されていないフェニル、または置換されていない低級アルキルであるところの、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
化合物が、式:
【化2】


で示される化合物であるところの、請求項2または3記載の化合物。
【請求項5】
化合物が、式:
【化3】


で示される化合物であるところの、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
、RおよびRが、各々独立に、H、Cl、F、メチルまたはメトキシであり、RがH、Cl、Fまたはメチルであるところの、請求項2ないし5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
(a)4'−ヒドロキシ−3−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム;
(b)4'− ヒドロキシ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム;
(c)3−クロロ−4'− ヒドロキシ[1,1'−ビフェニル]−4−カルバルデヒドオキシム;
(d)2−フルオロ−4'− ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(e)3−フルオロ−4'− ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(f)2−クロロ−4'− ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(g)3−クロロ−4'− ヒドロキシ−2'−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(h)4'− ヒドロキシ−2−メチル−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(i)3−クロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(j)3−クロロ−3',5'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(k)3,5−ジクロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(l)3,5−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(m)2,3−ジクロロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
(n)2,3−ジクロロ−3'−フルオロ−4'−ヒドロキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシム;
またはこれらのいずれかの医薬上許容される塩である、請求項2記載の化合物。
【請求項8】
式:
【化4】


[式中:
は、OH、または置換されていてもよい低級アルコキシであり;
、RおよびRは、各々独立に、H、OH、ハロゲン、CN、フェニル、低級アルキル、低級アルコキシであり、そのフェニル、低級アルキルおよび低級アルコキシは置換されていてよい]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項9】
、RおよびRが、各々独立に、H、メチル、Cl、Fまたはメトキシであるところの、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
化合物が4'− ヒドロキシ−3−メトキシ−1,1'−ビフェニル−4−カルバルデヒドオキシムであるところの、請求項8記載の化合物。
【請求項11】
a)請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物、および
b)医薬用キャリア
を含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類における骨粗鬆症の阻害方法。
【請求項13】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類における骨関節症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、ページェット病、骨軟化症、骨石灰脱失、多発性骨髄腫および骨組織に有害な影響を与える他の形態の癌を阻害する方法。
【請求項14】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類における良性または悪性の異常組織増殖を阻害する方法。
【請求項15】
異常組織増殖が、前立腺肥大、子宮平滑筋腫、乳癌、子宮内膜症、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、良性胸部疾患、子宮腺筋症、卵巣癌、メラノーマ、前立腺癌、大腸癌、神経膠腫または中枢神経系の癌であるところの、請求項14記載の方法。
【請求項16】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類において、コレステロール、トリグリセリド、Lp(a)またはLDLレベルを低下させるか;または高コレステロール血症;高脂血症;心臓血管疾患;アテローム性動脈硬化症;末梢血管疾患;再狭窄または血管攣縮を阻害するか;または免疫介在血管傷害に至る細胞性事象に由来する血管壁傷害を阻害する方法。
【請求項17】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類においてフリーラジカル誘発性病態を阻害する方法。
【請求項18】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類において、認知機能の向上または神経保護をもたらすか、または老人性痴呆、アルツハイマー病、認知力低下、神経変性疾患を治療または阻害する方法。
【請求項19】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類において、炎症性腸疾患、潰瘍性直腸炎、クローン病、大腸炎、ホットフラッシュ、膣または外陰部の萎縮、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛、排尿困難、頻尿、尿失禁、尿路感染症、血管運動神経症状;男性型禿頭症; 皮膚の萎縮;アクネ;II型糖尿病;機能不全性子宮出血;または不妊を阻害する方法。
【請求項20】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、哺乳類に与えることを含む、その必要のある哺乳類において、白血病、子宮内膜剥離、慢性腎疾患または肝疾患、または凝固機能疾患または障害を阻害する方法。
【請求項21】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物の医薬品としての使用。
【請求項22】
哺乳類における、骨粗鬆症を阻害し;骨関節症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、ページェット病、骨軟化症、骨石灰脱失、多発性骨髄腫または骨組織に有害な影響を与える他の形態の癌を阻害し;良性または悪性の異常組織増殖を阻害し;コレステロール、トリグリセリド、Lp(a)またはLDLレベルを低下させ;高コレステロール血症;高脂血症;心臓血管疾患;アテローム性動脈硬化症;末梢血管疾患;再狭窄または血管攣縮を阻害し;または免疫関連血管傷害につながる細胞の事象に由来する血管壁傷害を阻害し;フリーラジカル誘発性病態を阻害し;認知機能の向上または神経保護をもたらし;または老人性痴呆、アルツハイマー病、認知力低下、または神経変性疾患を治療または阻害し;炎症性腸疾患、潰瘍性直腸炎、クローン病、大腸炎、ホットフラッシュ、膣または外陰部の萎縮、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛、排尿困難、頻尿、尿失禁、尿路感染症、血管運動神経症状;男性型禿頭症; 皮膚の萎縮;アクネ;II型糖尿病;機能不全性子宮出血;または不妊を阻害し、または白血病、子宮内膜剥離、慢性腎疾患または肝疾患、または凝固機能疾患または障害を阻害するための医薬品の調製のための、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2006−525346(P2006−525346A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513453(P2006−513453)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/013316
【国際公開番号】WO2004/099122
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
マッキントッシュ
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】