説明

ヒドロキシ芳香族化合物の臭素化

ヒドロキシ芳香族化合物を臭素化してブロモフェノールのような生成物を製造する方法が開示される。この方法は、臭素化剤として元素態臭素を使用すると共に、金属触媒の存在下でヒドロキシ芳香族化合物を臭素及び酸素と接触させることを含んでなる。好適な触媒には、元素態銅、銅化合物、及び第IV族〜第VIII族遷移金属の化合物がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒドロキシ芳香族化合物の接触臭素化に関し、さらに詳しくは、かかる反応での臭素化剤として元素態臭素を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキノンのような単環式ジヒドロキシ芳香族化合物及び4,4’−ジヒドロキシビフェニル(「ビフェノール」)のようなジヒドロキシビフェニル類は、化学工業で多数の用途を有している。例えば、いずれの化合物も、ポリマーの製造、特にポリカーボネート、ポリスルホン及びポリイミド(とりわけポリエーテルイミド)の製造で使用できる。
【0003】
ヒドロキノン及びビフェノールの製造のためには、各種の方法が存在している。かかる方法の例としては、各化合物はp−ブロモフェノールから製造できる。即ち、ヒドロキノンは加水分解で製造でき、ビフェノールは貴金属触媒、塩基及び還元剤の存在下での反応カップリングで製造できる。
【0004】
p−ブロモフェノールで例示される臭素化ヒドロキシ芳香族化合物は、通例、様々な溶媒中でヒドロキシ芳香族化合物前駆体を臭素化剤としての元素態臭素と反応させることで製造される。しかし、このプロセスは臭素の利用の点で効率が悪い。その理由は、製造される臭素化芳香族化合物1モルごとに1モルのHBrが生成する結果、元素態臭素から臭素化生成物への転化率は50%にすぎないからである。したがって、臭素から臭素化生成物への転化率の向上が望ましく、追求されてきた。
【0005】
元素態臭素に対する臭素化生成物の収率を増大させるためにいくつかの方法が開発された。例えば、典型的な臭素化反応中に生じるHBrと共に過酸化水素が使用された。過酸化物の使用はHBrからBrへの酸化を容易にし、したがって反応に仕込んだ臭素の初期量に対する臭素化生成物の収率を増大させる。他の方法には、各種触媒の組合せを過酸化物と共に用いてHBrから臭素への酸化を容易にするものがある。
【0006】
これらのアプローチは他の公知方法に比べて追加の効率を与えるものの、改良方法の探求は今なお続いている。特に、HBrを生じることなく、臭素化剤として元素態臭素を用いる臭素化反応を実施することはいくつかの理由で有利であろう。第一に、一定量の臭素から一層高率の高価な臭素化生成物(例えば、p−ブロモフェノール)を得ることができる。さらに、HBrを生成せずにかかる反応を実施できれば、HBr除去ユニットの必要性が排除されると共に、下流側設備の大部分について構造材料の融通性が増大するなど、下流側処理作業の簡略化が可能となる。
【特許文献1】米国特許出願第10/342,475号明細書
【非特許文献1】N.Narender et al.,“Liquid phase bromination of phenols using potassium bromide and hydrogen peroxide over zeolites”;Molec.Catalysis A:Chem.192,73−77(2003)
【発明の開示】
【0007】
本発明は、臭素化剤としての元素態臭素、金属触媒及び酸素含有ガスを用いてヒドロキシ芳香族化合物を臭素化するための新規で効率的な方法を提供する。従前の技術と異なり、本方法は意外にも両当量のBrを元素態臭素(Br)からヒドロキシ芳香族基質に転移させることを可能にする。このような能力は、HBrの生成を排除し、元素態臭素から臭素化生成物(例えば、p−ブロモフェノール)への転化を顕著に増加させるので有利である。
【0008】
したがって、一態様では、本発明は臭素化ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法に関する。この方法は、金属触媒の存在下でヒドロキシ芳香族化合物を酸素及び元素態臭素と接触させることを含んでなる。
【0009】
別の態様では、本発明は、4−ブロモフェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール又は4−ブロモ−3−メチルフェノールの製造方法であって、臭化第二銅の存在下でフェノール、o−クレゾール又はm−クレゾールを空気及び元素態臭素と接触させることを含んでなる方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の方法は、元素態臭素を用いてヒドロキシ芳香族化合物を臭素化する。しかし意外にも、臭素化反応から生じたHBrは、金属触媒の存在下で酸素を使用すれば、続いてヒドロキシ芳香族化合物により消費される。従前の方法と異なり、Brからブロモ化合物への転化の効率は50%超、通例は70%超であり、90%もの効率も認められる。このように本方法は、酸化体としての安価な酸素(例えば、空気中の酸素)及び金属触媒を用いることで、臭素化反応で使用する臭素の大部分の消費を可能にする。
【0011】
本発明の方法に従って得られるすべての生成物に関して共通の初期反応体はヒドロキシ芳香族化合物であり、これはフェノールのような非置換ヒドロキシ芳香族化合物であり得るか、或いは4位が非置換であり、したがって臭素化のために利用できることを条件にした置換化合物であり得る。当業者には公知の通り、ヒドロキシ基に結合した炭素に対する2位、3位及び4位はそれぞれオルト位、メタ位及びパラ位としても知られており、本明細書中でもそのようにいう。さらに、o−はオルト位をいい、m−はメタ位をいい、p−はパラ位をいう。アリール環の1−炭素又は4−炭素以外の任意の位置にも置換基は存在し得ることに注意されたい。典型的な(1以上の)置換基は、アルキル基、特にC1−4アルキルである。例示的な化合物は、次式を有するものである。
【0012】
【化1】

式中、各Rは独立に水素又は置換基(好ましくはC1−4アルキル)である。大抵の例で特に好ましいのはフェノールであり、以後は具体的な記載はフェノールについて行うことが多い。しかし、所望に応じ、o−及びm−クレゾールのような同族化合物をフェノールの代わりに使用することもできる。
【0013】
最初に、ヒドロキシ芳香族化合物をBrと接触させる。生成する臭素化化合物1モルごとに、1モルのHBrも生成する。このHBrが酸素と共に金属触媒の存在下で追加のヒドロキシ芳香族化合物と接触すると、もう1モルの臭素化化合物を生成する。各反応は約20〜150℃の範囲内の温度で実施できるが、一般には約60〜100℃の範囲内の温度が好ましい。本発明の方法は、ヒドロキシ芳香族化合物としてフェノールを用い、金属触媒として臭化第二銅を用いる下記の図式で例示される。
【0014】
【化2】

上記の臭素化反応は、最初に反応(I)を行い、次いで反応器に金属触媒を添加し、反応(II)に示すように反応器の内容物を酸素と接触させることで順次に実施できる。別法として、酸素を添加することなく、最初に金属触媒を反応(I)の反応体に添加できる(図示せず)。次に、反応(I)からの混合物を酸素と接触させ、反応(I)中に生成したHBrを消費することで反応(II)が実施される。別の実施形態では、複合系(III)に示されるように、1つの容器内ですべての成分を最初から混合できる。
【0015】
臭素化反応(I)では、ヒドロキシ芳香族化合物を元素態臭素(Br)と接触させる。Brとヒドロキシ芳香族化合物とのモル比は、ジブロモ化合物及びそれ以上の高度臭素化化合物の副生物への転化を最小限に抑えるため、好ましくは1:2未満であり、通例は約0.2〜0.9:2の範囲内にある。
【0016】
臭素はそのままの状態で反応容器に添加でき、或いは極性有機溶媒中での臭素溶液として添加できる。その例には、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、酢酸エチル及びo−ジクロロベンゼンのような極性非プロトン性溶媒、並びに水、酢酸、プロピオン酸及び過剰のヒドロキシ芳香族化合物のようなプロトン性溶媒がある。酢酸及びアセトニトリルが多くの場合に好ましい。上述の溶媒の混合物も使用できる。Brによる初期臭素化(I)で溶媒を使用する場合には、続くHBr臭素化反応(II)でも同じ溶媒が通例使用される。しかし、各反応は無水条件下で実施されることが多い。
【0017】
反応(II)に示すように、反応(I)から生じたHBrを用いて追加のヒドロキシ芳香族化合物が臭素化される。この反応は、金属触媒の存在下でヒドロキシ芳香族化合物を(I)からのHBr及び酸素と接触させることで実施される。さらに、前述の通り、臭素化反応(II)で1種以上の極性有機溶媒が存在していてもよい。
【0018】
HBrとヒドロキシ芳香族化合物とのモル比は、やはり多臭素化化合物への転化を最小限に抑えるために好ましくは1:1未満である。約0.2〜0.9:1の範囲内の比が典型的である。前述の通り、臭素化剤としてHBrを用いる臭素化反応は、約20〜約150℃、好ましくは約60〜80℃の範囲内の温度で実施される。
【0019】
酸素は化学量論的に過剰に使用され、純酸素であり得るか、或いは空気又は酸素富化空気の形態で使用できる。通常の空気が多くの場合に好ましい。接触は、流動する酸素又は空気、或いは加圧下(通例は約100気圧まで)の酸素又は空気を用いて行うことができる。オキシ臭素化反応(II)は、代理人事件番号第134860号の下で本願と同時に提供した、「ヒドロキシ芳香族化合物の選択的接触オキシ臭素化」と称する米国特許出願中に記載の通り、元素態銅、銅化合物、或いは元素周期表の第IV族〜第VIII族遷移金属の化合物又は錯体の1種以上のような金属触媒の存在下で起こる。
【0020】
銅を用いて反応を触媒する場合には、一般に銅化合物が好ましい。その例は、硫酸第二銅、塩化第二銅、臭化第二銅、塩化第一銅及び臭化第一銅である。これらのうちでは、臭化水素酸との接触が通常は他の第二銅塩も臭化物に転化させるので、比較的安価であると共に特に好適であるという理由から臭化第二銅(CuBr)がしばしば好ましい。ヒドロキシ芳香族化合物と銅触媒とのモル比としては、約10:1〜約200:1の範囲内のモル比が反応を触媒するために十分である。30:1の比が典型的である。
【0021】
元素周期表の第IV族〜第VIII族の遷移金属の化合物/錯体を触媒として使用する場合、好適な遷移金属には、例えばバナジウム、チタン、モリブデン、タングステン及び鉄がある。化学式NaVOを有するメタバナジン酸ナトリウムのようなバナジウム塩が優先的に使用される。他の好適な遷移金属触媒には、例えば、ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(VO(acac))、ビス(アセチルアセトナト)オキソチタン(TiO(acac))、酸化ナトリウムモリブデン二水和物(NaMoO・2HO)、臭化鉄(FeBr)及びタングステン酸(HWO・xHO)がある。ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウムは化学式VO(CHCOCHCOCH)を有し、ビス(アセチルアセトナト)オキソチタンは化学式TiO(CHCOCHCOCH)を有する。その上、第IV族〜第VIII族遷移金属触媒化合物は単独で又は組み合わせて(例えば、混合物として)使用できる。しかし、本発明はこれらの遷移金属触媒の使用に限定されず、他の金属、リガンド及び塩は当業者にとって自明であろう。
【0022】
ヒドロキシ芳香族化合物と遷移金属触媒とのモル比が約1:1〜約500:1の範囲内にあれば、生成物からジブロモ化合物及びそれ以上の高度臭素化化合物への転化が最小限に抑えられる。通例、200:1のモル比が使用される。
【0023】
各臭素化反応(I)及び(II)並びに複合系(III)の生成物は、通常は主としてp−ブロモ化合物であり、少量のo−ブロモ化合物並びにジブロモ化合物及びそれ以上の高度臭素化化合物も存在する。臭素の初期仕込量から臭素化生成物への転化に関する効率は、通常は70%を超え、大抵は90%にも達する。
【0024】
本明細書中で使用する、フェノールからブロモフェノールへの「転化率」は、消費された総フェノール量(重量単位又はモルで表示)を最初に存在したフェノールに対する百分率として表した値と定義される。4−ブロモフェノールに対する選択率は通常60%以上であるが、「選択率」とは生成した特定の生成物のモル数を消費されたフェノールのモル数に対する百分率として表した値を意味する。さらに、本明細書中で「モノブロモフェノール選択率」は、生成したパラ−臭素化生成物及びオルト−臭素化生成物のモル数を、生成したパラ−臭素化生成物、オルト−臭素化生成物、二臭素化生成物及びそれ以上の高度臭素化生成物に対する百分率として表した値と定義される。一般に、76%以上のモノブロモフェノール選択率が認められる。
【0025】
本発明に従って製造されたブロモフェノール化合物の分離は、当技術分野で公知の方法で実施できる。2−ブロモフェノールの沸点(194.5℃)と4−ブロモフェノールの沸点(238℃)との間には40℃以上の差が存在し、ジブロモフェノールはさらに一段と高い沸点を有するので、蒸留が一般に好ましい。蒸留は、熱分解を最小限に抑えるために減圧下で実施できる。
【実施例】
【0026】
以下の実施例は例示のために示すものであり、本発明を限定するためのものではない。本明細書中に記載した臭素化反応で使用する試薬、反応体及び触媒は、容易に入手できる物質である。
【0027】
実施例1は、反応(I)に示すように触媒の不存在下でフェノールをBrで臭素化し、次いで反応(II)に示すようにCuBrを添加してから空気の存在下で次の反応を実施する場合を例示している。この実施例では、2モル当量以上のヒドロキシ芳香族化合物に1モル当量の元素態臭素を添加し、次いで金属触媒及び酸素を添加した。
【0028】
実施例2は、過剰の空気圧を使用することなく、CuBrの存在下でフェノールをBrで臭素化した場合を例示している。続いて、混合物を空気で加圧することで、第一段階で生じたHBrを消費した。実施例2では、金属触媒の存在下で2モル当量以上のヒドロキシ芳香族化合物に1モル当量の元素態臭素を添加し、次いで酸素を添加した。
【0029】
実施例3は、上記の反応(III)に示したように、Brを除くすべての成分を加圧反応器内に仕込み、次いでBrを送入する系を示している。この実施例では、金属触媒及び酸素の存在下で2モル当量以上のヒドロキシ芳香族化合物に1モル当量の元素態臭素を添加した。基本的には、これは実施例1及び2に記載した2つの段階を合わせて1つの反応にしたものである。
【0030】
実施例1
磁気攪拌棒及び還流冷却器を備えた丸底フラスコに、55.4g(0.58モル)のフェノール及び43.6mLの水を仕込んだ。次いで、19.8g(0.12モル)のBrを含む添加漏斗を取り付けた。混合しながらBrを室温で滴下した。GC分析によれば、16%のフェノールが臭素化フェノール化合物の混合物に転化した。この混合物に3.57g(0.02モル)のCuBrを添加し、得られた混合物を機械的攪拌機構を備えたオートクレーブ反応器に移し、65℃で34.0気圧の空気に1時間暴露した。得られた混合物をGCで分析したところ、さらに9%のフェノールが臭素化フェノール化合物に添加したことがわかった。初期混合物に関しては、25%のフェノール転化率と共に、62%の4−ブロモフェノール選択率及び78%のモノブロモフェノール選択率が認められた。初期仕込量の臭素に対する効率は72%であった。
【0031】
実施例2
磁気攪拌棒及び還流冷却器を備えた丸底フラスコに、55.4g(0.58モル)のフェノール、3.57g(0.02モル)のCuBr、及び43.6mLの水を仕込んだ。次いで、19.8g(0.12モル)のBrを含む添加漏斗を取り付けた。混合しながらBrを室温で滴下した。得られた混合物は、混合物のGC分析で測定したところ、1.44wt%の2−ブロモフェノール、8.17wt%の4−ブロモフェノール、及び6.67wt%の2,4−ジブロモフェノールを含んでいた。この混合物を機械的攪拌機構を備えたオートクレーブ反応器に移し、65℃で34.0気圧の空気に1時間暴露した。得られた混合物をGCで分析したところ、さらに10%のフェノールが臭素化フェノール化合物に添加したことがわかった。初期混合物に関しては、27%のフェノール転化率と共に、63%の4−ブロモフェノール選択率及び77%のモノブロモフェノール選択率が認められた。初期仕込量の臭素に対する効率は75%であった。
【0032】
実施例3
機械的攪拌機及びガラスライナーを備えたオートクレーブ反応器に、55.4g(0.58モル)のフェノール、3.57g(0.02モル)のCuBr、及び43.6mLの水を仕込んだ。Eldex計量ポンプに取り付けた独立の貯留器に、82.5gの酢酸中に22.3gのBrを含む溶液を入れた。反応器を34.0気圧の空気で加圧し、65℃に加熱した。次いで、Br含有溶液を0.09g Br/分に相当する速度で反応器に送入し、33.9gの混合物(0.06モルのBr)が添加されるまで続けた。Brの添加を停止した後、反応を20分間進行させた。得られた混合物をGCで分析したところ、15%のフェノール転化率と共に、63%の4−ブロモフェノール選択率及び76%のモノブロモフェノール選択率が示された。初期仕込量の臭素に対する効率は90%であった。
【0033】
以上、例示目的のために典型的な実施形態を記載してきたが、上記の説明及び実施例は本発明の技術的範囲を限定するものと解すべきでない。したがって、当業者には、本発明の技術思想及び技術的範囲から逸脱せずに様々な修正例、適応例及び代替例が想起できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭素化ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法であって、金属触媒の存在下でヒドロキシ芳香族化合物を酸素及び元素態臭素と接触させることを含んでなる方法。
【請求項2】
1モル当量の元素態臭素を2モル当量以上のヒドロキシ芳香族化合物に添加し、次いで金属触媒及び酸素を添加する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記金属触媒の存在下で1モル当量の元素態臭素を2モル当量以上のヒドロキシ芳香族化合物に添加し、次いで酸素を添加する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記金属触媒及び酸素の存在下で1モル当量の元素態臭素を2モル当量以上のヒドロキシ芳香族化合物に添加する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ヒドロキシ芳香族化合物が次式を有する、請求項1記載の方法。
【化1】

式中、各Rは独立に水素又はC1−4アルキルである。
【請求項6】
前記ヒドロキシ芳香族化合物が、フェノール、o−クレゾール及びm−クレゾールからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ヒドロキシ芳香族化合物がフェノールである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記金属触媒が、元素態銅、銅化合物、及び元素周期表の第IV族〜第VIII族遷移金属の化合物又は錯体の1種以上からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記金属触媒が、臭化第二銅、硫酸第二銅、塩化第二銅、塩化第一銅及び臭化第一銅からなる群から選択される銅触媒である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記金属触媒が臭化第二銅である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
使用されるヒドロキシ芳香族化合物と銅触媒とのモル比が約10:1〜約200:1の範囲内にある、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記触媒が、バナジウム、チタン、モリブデン、タングステン、鉄及びこれらの混合物の化合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
使用されるヒドロキシ芳香族化合物と触媒とのモル比が約1:1〜約500:1の範囲内にある、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記触媒が、メタバナジン酸ナトリウム、ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム、ビス(アセチルアセトナト)オキソチタン、酸化ナトリウムモリブデン二水和物、臭化鉄(FeBr)、タングステン酸(HWO・xHO)及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記接触が無水である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
極性有機溶媒も存在する、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記溶媒が、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、o−ジクロロベンゼン、水、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、プロピオン酸及び酢酸からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記溶媒がアセトニトリル又は酢酸である、請求項16記載の方法。
【請求項19】
酸素が空気によって供給される、請求項1記載の方法。
【請求項20】
流動酸素が使用される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
加圧下の酸素が使用される、請求項1記載の方法。
【請求項22】
約20〜150℃の範囲内の温度が使用される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
使用される元素態臭素とヒドロキシ芳香族化合物とのモル比が1:2未満である、請求項1記載の方法。
【請求項24】
4−ブロモフェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール又は4−ブロモ−3−メチルフェノールの製造方法であって、臭化第二銅の存在下で各々フェノール、o−クレゾール又はm−クレゾールを空気及び元素態臭素と接触させることを含んでなる方法。

【公表番号】特表2007−504130(P2007−504130A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524642(P2006−524642)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/021992
【国際公開番号】WO2005/023738
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】