説明

ヒューズユニット

【課題】バッテリーに設置されたときにバッテリーの側面からの突出量を極力少なくする。
【解決手段】バッテリーポスト3が一段低いところに設けられているバッテリー7に取り付けられて使用されるヒューズユニット1において、バッテリーポスト3に接続されるバッテリー接続部21と、バッテリー接続部21がバッテリーポスト3に接続されたときに、バッテリー7の上面15よりも上側に位置しているとともに平面視でバッテリー7の内側に位置し、電気機器が接続される外部接続端子23と、バッテリー接続部21と外部接続端子23とを接続し、バッテリー接続部21がバッテリーポスト3に接続されたときに、バッテリー7の上面15よりも上側に位置するとともに平面視でバッテリー7の内側に位置するヒューズ部25とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズユニットに係り、特に、自動車等のバッテリーに設置されて使用されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図15〜図18で示すように、バッテリー接続部202と第1の外部接続端子204と第2の外部接続端子206とヒューズ部208(図19図、20参照)とを備え、バッテリー端子212とバッテリー接続部202とを介してバッテリー210(バッテリーポスト218)に設置されて使用されるヒューズユニット200が知られている。なお、図15〜図18ではヒューズ部208はエレメントカバー220で覆われている。
【0003】
ヒューズユニット200は、図19、図20で示すバスバー214に樹脂ボディ216をインサート成形で一体的に設けて構成されている。図19、図20で示すバスバー214の貫通孔222は、バッテリー接続部202を構成するものであり、貫通孔224は、第1の外部接続端子204を構成するものであり、貫通孔226は、第2の外部接続端子206を構成するものである。
【0004】
貫通孔224にスタッドボルト228が挿入され、この挿入されたスタッドボルト228が樹脂ボディ216によってバスバー214に一体的に設置されることで、第1の外部接続端子204が形成されている。同様にして、貫通孔226にスタッドボルト230が挿入され、この挿入されたスタッドボルト230が樹脂ボディ216によってバスバー214に一体的に設置されることで、第2の外部接続端子206が形成されている。
【0005】
なお、図19、図20から理解できるように、バッテリー接続部202と第1の外部接続端子204とはヒューズ部208を介してつながっているが、バッテリー接続部202と第2の外部接続端子206とはヒューズ部208を介することなく直接つながっている。
【0006】
ヒューズユニット200のバッテリー210への設置は、バッテリーポスト218に設置されたバッテリー端子212のスタッドボルト232が、バッテリー接続部202の貫通孔222を貫通するように、ヒューズユニット200をバッテリー端子212に係合し、この係合後に、スタッドボルト232にナット234を螺合させ、ナット232を締め付けることでなされる。
【0007】
直方体状のバッテリー210の上面240の角部には、直方体状の凹部236が形成されており、バッテリーポスト218は、凹部236の底面238から起立している。
【0008】
ヒューズユニット200がバッテリー端子212を介してバッテリー210に設置された状態では、図17や図18で示すように、高さ方向で、ヒューズ部208とエレメントカバー220と第2の外部接続端子206とが、凹部236の底面238とバッテリー210の上面240との間に位置し、第1の外部接続端子204がバッテリー210の上面240の上方に位置している。
【0009】
ヒューズユニット200がバッテリー端子212を介してバッテリー210に設置されたヒューズユニット200の各外部接続端子204,206には、電線(図示せず)が接続され、この接続された電線がほぼ水平方向に延出するようになっている。
【0010】
第1の外部接続端子204がバッテリー210の上面240の上方に位置していることで、DINバッテリー210の小さいスペースにヒューズユニット200を設置することができるようになっている。すなわち、たとえば、第1の外部接続端子204をバッテリー210の上面240の上方に位置させることで、第1の外部接続端子204からの電線の引き出し(延出)が容易になっている。
【0011】
なお、上記従来の技術に関連する文献としてたとえば、特許文献1を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−222708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、従来のヒューズユニット200では、図17や図18で示すように、ヒューズユニット200をバッテリー210に設置した場合、ヒューズ部208がバッテリー210の凹部236内に位置しており、このヒューズ部208のためのスペースが凹部236で必要になっている。そして、凹部236のスペースが不足し、ヒューズユニット200をバッテリー210に設置したとき、ヒューズユニット200(たとえば、第2の外部接続端子206)が、バッテリー210の側面から突出してしまうという問題がある(図18の参照符号P1参照)。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーポストが一段低いところに設けられているバッテリーに取り付けられて使用されるヒューズユニットにおいて、バッテリーに設置されたときにバッテリーの側面からの突出量を極力少なくすることができるヒューズユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明は、バッテリーポストが一段低いところに設けられているバッテリーに取り付けられて使用されるヒューズユニットにおいて、前記バッテリーポストに接続されるバッテリー接続部と、前記バッテリー接続部が前記バッテリーポストに接続されたときに、前記バッテリーの上面よりも上側に位置しているとともに平面視で前記バッテリーの内側に位置し、電気機器が接続される外部接続端子と、前記バッテリー接続部と前記外部接続端子とを接続し、前記バッテリー接続部が前記バッテリーポストに接続されたときに、前記バッテリーの上面よりも上側に位置するとともに平面視で前記バッテリーの内側に位置するヒューズ部とを有するヒューズユニットである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヒューズユニットにおいて、前記ヒューズユニットは、バッテリー端子を介して前記バッテリーに取り付けられるように構成されており、前記バッテリー端子を介して前記ヒューズユニットが前記バッテリーに取り付けられた状態を平面視すると、前記バッテリー端子が前記バッテリーの側面に対して斜めになっているヒューズユニットである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のヒューズユニットにおいて、前記ヒューズ部と前記外部接続端子とは複数設けられており、前記各ヒューズ部と前記各外部接続端子とは、所定方向にならんで配置されており、前記各外部接続端子に接続される配線の延伸方向はお互いがほぼ平行になるヒューズユニットである。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のヒューズユニットにおいて、前記ヒューズユニットが前記バッテリーに取り付けられた状態では、前記各ヒューズ部が前記バッテリーの側面に沿ってならんでおり、前記配線の延伸方向が、前記側面と直交するヒューズユニットである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、バッテリーポストが一段低いところに設けられているバッテリーに取り付けられて使用されるヒューズユニットにおいて、バッテリーに設置されたときにバッテリーの側面からの突出量を極力少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るヒューズユニットの概略構成を示す平面図である。
【図2】図1におけるII矢視図である。
【図3】図1におけるIII矢視図である。
【図4】図1におけるIV矢視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るヒューズユニットのバスバーの斜視図である。
【図6】三角法によるバスバーの三面図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るヒューズユニットをバッテリーに設置した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係るヒューズユニットをバッテリーに設置した状態を示す四面図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)、(d)は側面図である。
【図9】図7におけるIX部の拡大図である。
【図10】図9で示すヒューズユニット等を別の角度から見た斜視図である。
【図11】図9で示すヒューズユニット等の平面図であり、図8におけるXI部の拡大図である。
【図12】図8のXII部に対応した図であって、従来のヒューズユニットと本発明の実施形態に係るヒューズユニットとを比較した図であり、(a)は従来のヒューズユニットをバッテリーに設置した状態を示しており、(b)は本発明の実施形態に係るヒューズユニットをバッテリーに設置した状態を示している。
【図13】図8のXIII部に対応した図であって、従来のヒューズユニットと本発明の実施形態に係るヒューズユニットとを比較した図であり、(a)は従来のヒューズユニットをバッテリーに設置した状態を示しており、(b)は本発明の実施形態に係るヒューズユニットをバッテリーに設置した状態を示している。
【図14】本発明の実施形態に係るヒューズユニットの変形例を示す斜視図であって、図10に対応した図である。
【図15】従来のヒューズユニットの斜視図である。
【図16】従来のヒューズユニットの平面図である。
【図17】従来のヒューズユニットをバッテリーに設置した状態を示す斜視図である。
【図18】図17におけるXVIII矢視図である。
【図19】従来のヒューズユニットのバスバーを示す斜視図である。
【図20】従来のヒューズユニットのバスバーの二面図であって、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態に係るヒューズユニット(ヒューズ本体)1は、図7や図8等で示すように、バッテリーポスト3が一段低いところ(凹部)5に設けられているバッテリー(たとえば、従来のバッテリー210と同じ構成の自動車用のDINバッテリー)7に取り付けられて(設置されて)使用されるものである。
【0022】
バッテリー7は、直方体状のバッテリー本体部9と一対のバッテリーポスト3とを備えている。矩形状のバッテリー本体部9の上側に位置している2箇所の角部のそれぞれに、凹部5が設けられている。凹部5の形状は、バッテリー本体部9も小さい直方体状に形成されている。
【0023】
凹部5の底面13は、バッテリー本体部9の上面15よりも所定の距離だけ下方に位置していると共に、バッテリー本体部9の上面15に対して平行になっている。
【0024】
バッテリーポスト3は、円錐台状もしくは円柱状に形成されており、2つ凹部5のそれぞれの底面13から起立して設けられている。これにより、バッテリーポスト3がバッテリー本体部9の上面15よりも一段低いところに設けられていることになる。なお、バッテリーポスト3の高さは、凹部5の深さとほぼ等しくなっている。また、バッテリーポスト3は、バッテリー本体部9の側面17や凹部の側面19から所定の距離だけ離れている(図8(a)、図11等参照)。
【0025】
ヒューズユニット1は、一対のバッテリーポスト3のうちの一方のバッテリーポスト3に設置されて使用されるものであり、図1等で示すように、バッテリー接続部(バッテリー端子接続部)21と第1の外部接続端子(第1の電線接続部)23と、ヒューズ部(可溶部;可溶体)25とを備えて構成されている。
【0026】
バッテリー接続部21は、たとえばバッテリー端子(詳細は後述するバッテリー端子)27を介して、バッテリーポスト3に接続される部位である。第1の外部接続端子(外部端子接続部)23は、たとえば、自動車のオルタネータ等の電気容量の大きい電気機器が接続される端子である。バッテリー接続部21がバッテリーポスト3に接続されたときに(ヒューズユニット1がバッテリー7に取り付けられたときに)、図8や図11(b)等で示すように、バッテリー接続部21が、バッテリー7(バッテリー本体部9)の上面15よりも上側に位置しているとともに平面視でバッテリー7の内側に位置している。
【0027】
ヒューズ部25は、バッテリー接続部21と第1の外部接続端子23との間に設けられており、バッテリー接続部21と第1の外部接続端子23とをお互いに電気的におよび機械的に接続している。バッテリー接続部21がバッテリーポスト3に接続されたときに、ヒューズ部25は、図8や図11(b)等で示すように、バッテリー7(バッテリー本体部9)の上面15よりも上側に位置しているとともに平面視でバッテリー7(バッテリー本体部9)の内側に位置している。
【0028】
ヒューズユニット1をバッテリー7に取り付けた状態を平面視すると、図8や図11(b)等で示すように、バッテリー接続部21は当然にバッテリー7(バッテリー本体部9)の内側であって凹部5の内側に位置しており、また、ヒューズユニット1の大部分はバッテリー7の内側(凹部5の内側と凹部5を除くバッテリー本体部9の上面15の内側)に位置している。
【0029】
さらに、ヒューズユニット1をバッテリー7に取り付けた状態を平面視すると、第1の外部接続端子23が凹部5の内側に位置し、ヒューズ部25が凹部5の外側に位置しているが、ヒューズ部25が凹部5の内側に位置し第1の外部接続端子23が凹部5の外側に位置していてもよいし、第1の外部接続端子23とヒューズ部25とが凹部5の内側に位置していてもよいし、第1の外部接続端子23とヒューズ部25とが凹部5の外側に位置していてもよい。
【0030】
ヒューズ部25は、バッテリー接続部21と第1の外部接続端子23との間に所定の値以上の電流が所定の時間流れると熱によって溶断するようになっている。
【0031】
また、ヒューズユニット1は、図9〜図11等で示すように、バッテリーポスト3に一体的に設置されたバッテリー端子27を介して、バッテリー7に一体的に取り付けられるように構成されている。
【0032】
バッテリー端子27を介してヒューズユニット1がバッテリー7に取り付けられた状態を平面視すると、図11等で示すように、バッテリー端子27がバッテリー7(バッテリー本体部9)の側面17に対して斜めになっている。これは、バッテリー端子27のバッテリー7への設置を容易にし、バッテリー7に取り付けられたヒューズユニット1の突出量(平面視したときにおけるバッテリー本体部9の側面17や凹部5からの突出量)を極力少なくするためである。
【0033】
バッテリー端子27は、図10、図11等で示すように、金属等の導電性素材で構成されており、ヒューズユニット接合部29とバッテリーポスト接合部31と締め付け部33とを備えている。
【0034】
ヒューズユニット接合部29には、ヒューズユニット1のバッテリー接続部21が接続されるようになっている。バッテリーポスト接合部31は、バッテリー端子27がバッテリー7に設置されるときにバッテリーポスト3に接合されるようになっている。締め付け部33は、バッテリー端子27をバッテリー7に設置するときに使用され、バッテリー端子27のバッテリーポスト3への着脱をつかさどるようになっている。
【0035】
すなわち、締め付け部33に対して適宜な操作をすることで、バッテリー端子27がバッテリーポスト3に一体的に設置され、締め付け部33に対して別の適宜な操作することで、バッテリー端子27をバッテリーポスト3から離すことができるようになっている。たとえば、締め付け部33は、ネジによって構成されており、ネジを締めることで、バッテリー端子27がバッテリーポスト3に一体的に設置され、ネジを緩めることで、バッテリー端子27をバッテリーポスト3から離すことができるようになっている。
【0036】
ヒューズユニット接合部29とバッテリーポスト接合部31と締め付け部33とは、バッテリー端子27(バッテリー端子本体部35)の長手方向で、この順に並んでいる。すなわち、バッテリー端子本体部35の一端部側にヒューズユニット接合部29が位置し、バッテリー端子本体部35の中間部にバッテリーポスト接合部31が位置し、バッテリー端子本体部35の他端部側に締め付け部33が位置している。
【0037】
そして、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に設置した状態では、バッテリー端子27の長手方向が水平方向になっている。また、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に設置した状態を平面視すると、バッテリー端子27の長手方向が矩形状のバッテリー本体部9の側面17に対して斜めになっている。
【0038】
さらに説明すると、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に設置した状態を平面視すると、矩形状のバッテリー7(バッテリー本体部9)の1つの角部に矩形状の凹部5が形成されており、この凹部5内(凹部5のほぼ中央部)にバッテリーポスト3が配置されている。
【0039】
また、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に設置した状態を平面視すると、矩形状のバッテリー7の1つの辺(1つの側面)17Aから締め付け部33までの距離が、矩形状のバッテリー7の1つの辺17Aからバッテリーポスト3までの距離よりも小さくなっている。換言すれば、矩形状のバッテリー7の1つの角部から延びている2つの辺(2つの側面)17A,17Bのうちの一方の辺17Aに近くに締め付け部33が存在している。なお、矩形状のバッテリー7の1つの角部から延びている2つの辺(2つの側面)17A,17Bのうちの他方の辺17Bから締め付け部33までの距離は、他方の辺17Bからバッテリーポスト3までの距離よりも大きくなっている。
【0040】
締め付け部33を構成しているネジの軸C1は、バッテリー7の上面15(凹部5の底面13)に対して斜めに延伸しており、締め付け部33を操作するときに工具が係合する操作部(たとえば、締め付け部を構成しているナット)37は、操作部以外の締め付け部33の部位よりも、上側であって一方の辺17A側に位置している。
【0041】
具体的に説明すると、バッテリー端子27のヒューズユニット接合部29は、バッテリー端子本体部35に一体的に設けられたオスネジ(スタッドボルト)39で構成されており、バッテリー端子27のバッテリーポスト接合部31は、バッテリー端子本体部35に形成された円錐台状の貫通孔(バッテリーポストの形状と同形状の貫通孔)41によって構成されている。
【0042】
バッテリー端子27の締め付け部33は、スリット43とオスネジ(スタッドボルト)45とナット37とで構成されている。スリット43は、バッテリーポスト接合部31からバッテリー端子本体部35の他端にかけて設けられている。これにより、バッテリーポスト接合部31とバッテリー端子本体部35の他端との間には、第1の部位49と、スリット43を隔てて第1の部位49から離れている第2の部位51とが形成されている。
【0043】
第1の部位49には、スタッドボルト45が一体的に設けられている。このスタッドボルト45は、第2の部位51に設けられた貫通孔(馬鹿穴)53を貫通して、第2の部位51の外側に突出している。ナット37は、第2の部位51の外側に突出しているスタッドボルト45に螺合している。そして、ナット37を緩めてある状態では、バッテリーポスト接合部31(貫通孔41)の内径がバッテリーポスト3の外径よりも僅かに大きくなっている。一方、ナット37を締めると、バッテリーポスト接合部31(貫通孔41)の内径が小さくなって、バッテリーポスト接合部31でバッテリーポスト3が押圧され、バッテリー端子27がバッテリーポスト3に一体的に設置されるようになっている。
【0044】
なお、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に設置した状態では、ヒューズユニット接合部29のスタッドボルト39は、バッテリー7の上面15と直角になって、バッテリー端子本体部35の上方に起立している。また、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に設置した状態では、締め付け部33のスタッドボルト45の軸C1は、バッテリー7の上面15に対して斜めに延伸している(締め付け部33のスタッドボルト45の軸C1が、バッテリー端子27の第1の部位49から斜め上方に向かって延出し、第2の部位51を貫通し第2の部位51から斜め上方に向かって延伸している)。
【0045】
また、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に設置した状態を平面視すると、締め付け部33のスタッドボルト45の軸C1は、バッテリー端子本体部35の長手方向と直交する方向に延伸しており、ナット37は、第1の部位49に係合しているスタッドボルト45の部位よりも、バッテリー本体部9の側面17Aの近くに位置している。
【0046】
ここで、ヒューズユニット1についてさらに詳しく説明する。
【0047】
説明の便宜のために、バッテリー7やヒューズユニット1の水平な所定の一方向を横方向とし、バッテリー7やヒューズユニット1の水平な所定の他一方向であって横方向に直交する方向を縦方向とし、横方向と縦方向とに直交する方向を高さ方向(上下方向)とする。
【0048】
ヒューズユニット1は、図1等で示すように、バスバー55と樹脂ボディ57とを備えて構成されている。
【0049】
バスバー55は、図5や図6等で示すように、金属等の導電性素材で構成された平板をたとえば打ち抜き加工して所定形状にした後折り曲げることで、クランク状に形成されている(詳しくは後述する反起立部側上板部73の一部を除き、横方向から見たときにクランク道路状に形成されている)。
【0050】
バスバー55は、平板状の底板部59と平板状の起立部61と平板状の上板部63とを備えて構成されている。底板部59の横方向の一端部側には詳しくは後述する第2の外部接続端子(外部端子接続部)65を構成する外部端子用貫通孔67が形成されており、横方向の他端部側にはバッテリー接続部21を構成するバッテリー端子用貫通孔69が形成されている。
【0051】
起立部61は、底板部59に直交し底板部59の横方向の他端部から起立している。上板部63は、起立部61に直交し底板部59と平行になっている。また、上板部63は、起立部61の上端から横方向の他端部側に延出している。これにより、縦方向から見るとバスバー55がクランク状になっている。
【0052】
上板部63は、起立部側上板部71とヒューズ部25と反起立部側上板部73とを備えている。起立部側上板部71は、縦方向の一端部側に位置しており、起立部61につながっている。反起立部側上板部73は、縦方向の他端部側に位置しており、ヒューズ部25のみを介して起立部側上板部71につながっている。反起立部側上板部73には、第1の外部接続端子を構成する外部端子用貫通孔75が形成されている。
【0053】
なお、バスバー55を平面視すると(高さ方向から見ると)、図6(a)で示すように、横方向では、第2の外部接続端子65を構成する外部端子用貫通孔67とバッテリー接続部21を構成するバッテリー端子用貫通孔69と第1の外部接続端子23を構成する外部端子用貫通孔75とヒューズ部25とがこの順に、一端側から他端部側に向かってならんでいる。
【0054】
また、バスバー55を平面視すると、図6(a)で示すように、縦方向では、バッテリー接続部21を構成するバッテリー端子用貫通孔69とヒューズ部25と第2の外部接続端子65を構成する外部端子用貫通孔67と第1の外部接続端子23を構成する外部端子用貫通孔75とがこの順に、一端側から他端部側に向かってならんでいる。
【0055】
また、バスバー55を平面視すると、図6(a)で示すように、「コ」字状に形成されており、底板部59と上板部63の反起立部側上板部73とで、凹部(横方向の中間部で縦方向の他端部に形成されている凹部)79が形成されている。
【0056】
樹脂ボディ57は、絶縁性の合成樹脂で構成されており、たとえば、インサート成形によってバスバー55に一体的に設けられている。また、各外部端子用貫通孔67,75にスタッドボルト81,83を設置した状態でバスバー55に樹脂ボディ57を設けることで、各外部端子用貫通孔67,75のスタッドボルト81,83とバスバー55とが導通している状態で、各スタッドボルト81,83がバスバー55と一体化している。
【0057】
なお、各外部端子用貫通孔67,75に設置されたスタッドボルト81,83と、各外部端子用貫通孔67,75とこの周辺部(底板部59の上面の一部や上板部63の上面の一部)と、バッテリー端子用貫通孔69とこの周辺部(底板部59や上板部63の上下面の一部)と、ヒューズ部25とこの周辺部とで、バスバー55が露出するように、樹脂ボディ57がバスバー55に設けられている(図1等参照)。
【0058】
これにより、底板部59の外部端子用貫通孔67に設置されたスタッドボルト83と外部端子用貫通孔67の周辺部とで、第2の外部接続端子65が形成されており、上板部63の外部端子用貫通孔75に設置されたスタッドボルト81と外部端子用貫通孔75の周辺部とで、第1の外部接続端子23が形成されており、バッテリー端子用貫通孔69の周辺部でバッテリー接続部21が形成されている。
【0059】
また、バスバー55に樹脂ボディ57等を設けて構成されたヒューズユニット1は、図1等で示すように、バスバー55と同様に、平面視において概ね「コ」字状(凹部79が形成されている「コ」字状)に形成されており、縦方向から見たときに概ねクランク状に形成されている。
【0060】
ところで、樹脂ボディ57は、本体部85と、配線載置部87と、保護壁部89と、エレメントカバー設置部91とを備えて構成されている。
【0061】
本体部85は、上述したように、バスバー55に直接係合してヒューズユニット1を、概ね「コ」字状、クランク状に形成している。配線載置部87は、外部接続端子23,65から延出する配線(図示せず)が載置される部位であり、第1の外部接続端子23と第2の外部接続端子65とのそれぞれに形成されている。
【0062】
また、配線載置部87は平板状に形成されており、第1の外部接続端子23からは水平に延出しており(図3、図4参照)、外部接続端子65からは僅かに傾斜して延出している(外部接続端子65から離れるにしたがって下方に位置するように傾斜して延出している)。
【0063】
第1の外部接続端子23の配線載置部87は、図1等で示すように、第1の外部接続端子23から縦方向の他端部側に延出しており、第2の外部接続端子65の配線載置部87は、第2の外部接続端子65から横方向の一端部側に延出している。
【0064】
保護壁部89は、外部接続端子23,65から延出している配線(たとえば電線)が他の部位に接触して傷付くことを防止するためのものであり、第1の外部接続端子23とこの配線載置部87に設けられている。保護壁部89は、平面視において「U」字状に形成されており、第1の外部接続端子23の半円状の外周(配線載置部87とは反対側の半外周)と、配線載置部87の両端部とから所定の高さ(たとえば、第1の外部接続端子23に接続される配線の外径よりも僅かに高い高さ)起立している。第2の外部接続端子65とこの配線載置部87の保護壁部89も、第1の外部接続端子23とこの配線載置部87の保護壁部89と同様に構成されている。
【0065】
エレメントカバー設置部91はヒューズ部25のまわりに形成されており、エレンメトカバー(たとえば、透明な樹脂で構成され、矩形な平板を2箇所で直角に曲げて「コ」字状に形成されたエレメントカバー)93をエレメントカバー設置部91に設置することで、ヒューズ部25が覆われるようなっている。そして、ヒューズユニット1の使用時にヒューズ部25が溶断等して破損しても、この破損によって生じた残骸が外部に飛散しないようになっている。また、ヒューズユニット1の使用時にヒューズユニット1の外部からヒューズ部25へ粉塵や水滴が付着することを防止することができる。
【0066】
ここで、バッテリー7へのヒューズユニット1の設置等について説明する。
【0067】
まず、バッテリー7のバッテリーポスト3にバッテリー端子27を設置する。
【0068】
バッテリー端子27のバッテリーポスト3への設置前には、バッテリー端子27のナット37を緩めておく。そして、バッテリーポスト接合部31にバッテリーポスト3が入り込むようにして、バッテリー端子27をバッテリーポスト3に係合させる。続いて、締め付け部33のナット37を締め付けることで、バッテリー端子27のバッテリーポスト3への設置が終了する。
【0069】
バッテリー端子27をバッテリーポスト3へ設置した状態を平面視すると、前述したように、バッテリー端子27が斜めになっている。また、バッテリー端子27をバッテリーポスト3へ設置した状態では、高さ方向で、バッテリー端子27は、バッテリー7の凹部5の底面13とバッテリー7の上面15との間に位置しており、また、ヒューズユニット接合部29を構成しているバッテリー端子27のスタッドボルト39がバッテリー端子本体部35から上方に突出している。なお、バッテリー端子27のスタッドボルト39の上端は、バッテリー7の上面15とほぼ同じところに位置している。
【0070】
次に、バッテリー端子27にヒューズユニット1を設置する。
【0071】
バッテリー端子27のスタッドボルト39がバッテリー接続部21の貫通孔69を貫通するようにして、ヒューズユニット1をバッテリー端子27に係合させ、バッテリー端子27のスタッドボルト39にナット47を螺合させて、このナット47を締め付ける。これにより、ヒューズユニット1がバッテリー端子27に一体的に設置される。
【0072】
ヒューズユニット1がバッテリー端子27を介してバッテリー7に設置された状態を平面視すると、図11等で示すように、バッテリー端子27の総ての部分と、ヒューズユニット1のほとんどの部分とがバッテリー7の内側に位置している。たとえば、ヒューズユニット1の第1の外部接続端子23と、ヒューズユニット1における第1の外部接続端子23の配線載置部87と、保護壁部89と、ヒューズ部25と、エレメントカバー設置部91と、エレメントカバー93と、バッテリー接続部21と、第2の外部接続端子65とが、バッテリー7内に位置している。一方、ヒューズユニット1における第2の外部接続端子65の配線載置部87と保護壁部89との一部が、バッテリー7の横方向の一端部(側面17A)から、バッテリー7の外側に突出している。
【0073】
また、ヒューズユニット1がバッテリー端子27を介してバッテリー7に設置された状態を平面視すると、図11で示すように、ヒューズユニット1の凹部79を通して、バッテリー端子27のバッテリーポスト接合部31(バッテリーポスト3)とバッテリー端子27の締め付け部33とが覗けるようになっている。
【0074】
これにより、ヒューズユニット1の凹部79に工具を挿入することで、バッテリー端子27のナット37を緩めたり締め付けたりすることができる。そして、バッテリー端子27を介してヒューズユニット1をバッテリー7に設置後、バッテリー端子27とヒューズユニット1とが一体化している状態で、バッテリー端子27とヒューズユニット1とをバッテリー1から取り外すことができる。また、バッテリー端子27にヒューズユニット1を設置した後、バッテリー端子27とヒューズユニット1とをバッテリー7に設置することができる。
【0075】
また、ヒューズユニット1がバッテリー端子27を介してバッテリー7に設置された状態を平面視すると、図11で示すように、横方向では、第2の外部接続端子65とバッテリー接続部21と第1の外部接続端子23とヒューズ部25とがこの順に、一端側から他端部側に向かってならんでいる。
【0076】
また、ヒューズユニット1がバッテリー端子27を介してバッテリー7に設置された状態を平面視すると、図11で示すように、縦方向では、バッテリー接続部21とヒューズ部25と第2の外部接続端子65と第1の外部接続端子23とがこの順に、一端側から他端部側に向かってならんでいる。
【0077】
さらに、ヒューズユニット1がバッテリー端子27を介してバッテリー7に設置された状態を平面視すると、図11で示すように、バッテリー接続部21とヒューズユニット1とが、バッテリー7の側面(縦方向の一端部側に位置している側面)17Bの近傍に位置しており、第2の外部接続端子65が、バッテリー7の側面(横方向の一端部側に位置している側面)17Aの近傍に位置している。また、第2の外部接続端子65の配線載置部87とこの配線載置部87から起立している保護壁部89は、横方向で、バッテリー7の一端部(側面17B)から突出している。一方、第1の外部接続端子23の配線載置部87と保護壁部89とが、第1の外部接続端子23から縦方向の他端部側に延出している。
【0078】
また、ヒューズユニット1がバッテリー端子27を介してバッテリー7に設置された状態を平面視すると、図11で示すように、第1の外部接続端子23の配線載置部87とこの配線載置部87から起立している保護壁部89とが、バッテリー7の凹部5の外側に位置しており(縦方向で凹部5の他端部側から突出しており)、ヒューズ部25やエレメントカバー93がバッテリー7の凹部5の外側に位置している(横方向で凹部5の他端部側からはみ出ている)。
【0079】
また、ヒューズユニット1がバッテリー端子27を介してバッテリー7に設置された状態では、高さ方向で、バッテリー接続部21と第2の外部接続端子65とは、バッテリー7の上面15と凹部5の底面13との間に位置しており、ヒューズ部25とエレメントカバー設置部91とエレメントカバー93と第1の外部接続端子23とは、バッテリー7の上面15の上側に位置している。
【0080】
バッテリー7にバッテリー端子27とヒューズユニット1とを設置し終えた後、ヒューズユニット1に配線(図示せず)が接続される。第1の外部接続端子23への配線の接続は、配線の端部に形成されている丸型圧着端子の貫通孔に、第1の外部接続端子23のスタッドボルト81を貫通させ、このスタッドボルト81にナット(図示せず)を螺合し、ナットを締め付けて、ナットとバスバー55とで丸型圧着端子を締め付けることでなされる。第2の外部接続端子65への配線の接続も、第1の外部接続端子23への配線の接続と同様にしてなされる。
【0081】
バッテリー端子27を介してバッテリー7に設置されたヒューズユニット1に配線が接続された状態では、配線は、保護壁部89の内側で配線載置部87に載置されており、配線載置部87と同方向に延出している。なお、第2の外部接続端子65から延出している配線は、高さ方向で、バッテリー7の凹部5の底面13とバッテリー7の上面15との間に位置している。
【0082】
第2の外部接続端子65には、自動車の照明等の電気機器が図示しないヒューズボックスを介して接続されるようになっている。
【0083】
ヒューズユニット1によれば、バッテリー7に設置されたときに、第1の外部接続端子23が、バッテリー7の上面15よりも上側に位置しているとともに平面視でバッテリー7の内側に位置し、また、ヒューズ部25が、バッテリー7の上面15よりも上側に位置しているとともに平面視でバッテリー7の内側に位置するので、ヒューズ部25、第1の外部接続端子23の少なくともいずれかを、平面視において、バッテリー7の凹部5の外側に配置することができる。これにより、バッテリー7の凹部5のスペースに余裕ができ、バッテリー7に設置されたときにバッテリー7の側面17からの、ヒューズユニット1の突出量を極力少なくすることができる。
【0084】
すなわち、従来のヒューズユニット200のバッテリー210への設置状態を示す図12(a)では、ヒューズ部208が凹部236内に位置していることで、バッテリー210の凹部236の側面242から第2の外部接続端子206端まで距離aが、凹部236の寸法よりも大きくなっており、したがって、寸法P1だけヒューズユニット200がバッテリー210の側面から突出している。
【0085】
これに対して、本実施形態に係るヒューズユニット1のバッテリー7への設置状態を示す図12(b)では、ヒューズ部25をバッテリー7の上面15の上方に配置したことで、ヒューズ部25をバッテリー7の凹部5の外側に位置させることができ、バッテリー7の凹部5の側面19から第2の外部接続端子65まで距離bが、凹部5の寸法とほぼ等しくなっており、したがって、ヒューズユニット1のバッテリー7の側面17から突出が無くなっている。
【0086】
なお、図12(b)では、第2の外部接続端子65に設けられている配線載置部87とこの配線載置部87の保護壁部89とは、バッテリー7の側面から突出しているが、配線載置部87とこの配線載置部87の保護壁部89との形態を変更して、上記突出を無くすかもしくは少なくしてもよい。たとえば、図11において、第2の外部接続端子65に設けられている配線載置部87とこの配線載置部87の保護壁部89とを、第2の外部接続端子65のスタッドボルト83の中心軸を中心にして、時計まわりに90°旋回した形態にしてもよい。
【0087】
また、ヒューズユニット1によれば、ヒューズ部25が、バッテリー7の上面15よりも上方に配置されているので、ヒューズ部25の視認性が向上している。
【0088】
また、ヒューズユニット1によれば、バッテリー端子27を介してヒューズユニット1がバッテリー7に取り付けられた状態を平面視すると、バッテリー端子27がバッテリー7の側面17に対して斜めになっているので、バッテリー端子27の締め付け部33(ナット37)の周辺にスペースS1(図11、図13(b)参照)が発生し、バッテリー端子27をバッテリー7に取り付ける際の作業性が向上している。
【0089】
すなわち、従来のようにバッテリー端子212を斜めにすることなくバッテリー210に取り付けると(図13(a)参照)、バッテリー端子212の締結部を構成しているナット244が、バッテリー210の凹部236の側面242に接近しており、側面242が障害になり、ナット244を回す工具をナット244に係合させにくくなっている。
【0090】
一方、本実施形態では、バッテリー端子27がバッテリー7の側面17に対して斜めになっているので、図13(b)で示すように、ナット37とバッテリー7の凹部5の側面19との間にスペースS1が生じており、これより、工具をナット37に係合させてナット37を回しやすくなっている。
【0091】
なお、本実施形態では、ヒューズユニット1のヒューズ部25をバッテリー7の上面15に配置するとともに(図12(b)参照)、ヒューズユニット1のヒューズ部25をバッテリー7の凹部5と外側に配置したので(図13(b)参照)、バッテリー端子27を斜めにすることができたのである。すなわち、バッテリー端子27のヒューズユニット接合部29とヒューズユニット1のバッテリー接続部21とを、従来(図13(a)参照)よりもバッテリー7の凹部5の側面19側に位置させることができたのである(図13(b)参照)。
【0092】
ところで、図14で示すように、ヒューズ部25(25A,25B)と第1の外部接続端子23(23A,23B)とを複数設けてもよい。
【0093】
このように、複数のヒューズ部25と複数の第1の外部接続端子23とが設けられているヒューズユニット1では、各ヒューズ部25と第1の各外部接続端子23とは、お互いが所定の間隔をあけて所定方向(横方向)にならんで配置されている。また、第1の各外部接続端子23に接続される配線の延伸方向(導出方向)は、縦方向になってお互いがほぼ平行になる。
【0094】
また、複数のヒューズ部25と複数の第1の外部接続端子23とが設けられているヒューズユニット1をバッテリー7に取り付けられた状態では、各ヒューズ部25(25A,25B)がバッテリー7の1つの側面17Bの近傍で、バッテリー7の1つの側面17Bに沿ってならんでおり、第1の各外部接続端子23(23A,23B)が、バッテリー7の1つの側面17Bのから所定の距離だけ離れてバッテリー7の1つの側面17Bに沿ってならんでおり、第1の各外部接続端子23(23A,23B)に接続される配線の延伸方向が、1つの側面17Bと直交している(斜めに交差でもよい。)。
【0095】
換言すれば、ヒューズユニット1がバッテリー7に取り付けられた状態では、各ヒューズ部25(25A,25B)は、バッテリー7の上面15の上側でバッテリー7の上面15から僅かに離れ、バッテリー7の1つの側面17Bと上面15との境界(稜線)から僅かに離れ、上記稜線と平行にならんでいる。また、各ヒューズ部25(25A,25B)は、バッテリー接続部21の近くの箇所から、バッテリー7の反対側(ヒューズユニット1が設けられている側とは反対側)に向かって横方向にならんでいる。
【0096】
また、ヒューズユニット1がバッテリー7に取り付けられた状態では、第1の各外部接続端子23(23A,23B)は、バッテリー7の上面15の上側でバッテリー7の上面15から僅かに離れ、バッテリー7の1つの側面17Bと上面15との境界(稜線)から所定の距離だけ離れ、稜線と平行にならんでいる。さらに、第1の各外部接続端子23(23A,23B)は、バッテリー接続部21の近くの箇所から、バッテリー7の反対側(ヒューズユニット1が設けられている側とは反対側)に向かって横方向にならんでいる。
【0097】
なお、第1の各外部接続端子23(23A,23B)のそれぞれは各ヒューズ部25(25A,25B)のそれぞれを介して、バッテリー接続部21と電気的に接続されている。たとえば、1つ目の外部接続端子23Aは1つ目のヒューズ部25Aのみを介してバッテリー接続部21と電気的に接続されており、2つ目の外部接続端子23Bは2つ目のヒューズ部25Bのみを介してバッテリー接続部21と電気的に接続されている。
【0098】
ここで、1つ目の外部接続端子23Aは、バッテリー接続部21の最も近くに位置しており、2つ目の外部接続端子23Bは、1つ目の外部接続端子23Aに隣接している。1つ目のヒューズ部25Aは、バッテリー接続部21の最も近くに位置しており、2つ目のヒューズ部25Bは、1つ目のヒューズ部25Aに隣接している。
【0099】
また、第1の外部接続端子23に接続された配線は、バッテリー7の側面17Bに対して直交して延伸する。また、第1の外部接続端子23に接続された配線は、バッテリー7の反対の側面(側面17Bと対向している側面)側に延出している。
【0100】
ヒューズユニット1によれば、バッテリー7に設置されたときに、第1の外部接続端子23が、バッテリー7の上面15よりも上側に位置し、ヒューズ部25が、バッテリー7の上面15よりも上側に位置しているので、ヒューズユニット1の形状を大幅に変更することなく、第1の外部接続端子23とヒューズ部25との数を増やすことができる。
【0101】
すなわち、図18で示す従来のヒューズユニット200では、ヒューズ部208がバッテリー210の凹部236の側面242に近接しているので、スペース不足でヒューズ部208を簡単に増やすことはできない。
【0102】
これに対して、本実施形態に係るヒューズユニット1で、図14で示すように、たとえば、ヒューズ部25の個数を2つにし、第1の外部接続端子23の個数を2つにする場合、ヒューズ部25と第1の外部接続端子23とを水平方向(横方向)にならべて増やせばよく、ヒューズユニット1の他の部分(バッテリー接続部21や第2の外部接続端子65)の形態を変える必要が無いので、第1の外部接続端子23とヒューズ部25との数を増やすことが容易になっている。
【0103】
また、ヒューズユニット1によれば、ヒューズユニット1がバッテリー7に取り付けられた状態で、複数のヒューズ部25がバッテリー7の側面17Bに沿ってならんでおり、複数の第1の外部接続端子23のそれぞれに接続されている配線の延伸方向が、バッテリー7の側面17Bと直交しているので、ヒューズユニット1(ヒューズ部25)の視認性が一層向上しているとともに、配線の接続がしやすくなっている。
【符号の説明】
【0104】
1 ヒューズユニット
3 バッテリーポスト
5 凹部(一段低いところ)
7 バッテリー
17 バッテリーの側面
21 バッテリー接続部
23 外部接続端子
25 ヒューズ部
27 バッテリー端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーポストが一段低いところに設けられているバッテリーに取り付けられて使用されるヒューズユニットにおいて、
前記バッテリーポストに接続されるバッテリー接続部と、
前記バッテリー接続部が前記バッテリーポストに接続されたときに、前記バッテリーの上面よりも上側に位置しているとともに平面視で前記バッテリーの内側に位置し、電気機器が接続される外部接続端子と、
前記バッテリー接続部と前記外部接続端子とを接続し、前記バッテリー接続部が前記バッテリーポストに接続されたときに、前記バッテリーの上面よりも上側に位置するとともに平面視で前記バッテリーの内側に位置するヒューズ部と、
を有することを特徴とするヒューズユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のヒューズユニットにおいて、
前記ヒューズユニットは、バッテリー端子を介して前記バッテリーに取り付けられるように構成されており、
前記バッテリー端子を介して前記ヒューズユニットが前記バッテリーに取り付けられた状態を平面視すると、前記バッテリー端子が前記バッテリーの側面に対して斜めになっていることを特徴とするヒューズユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のヒューズユニットにおいて、
前記ヒューズ部と前記外部接続端子とは複数設けられており、
前記各ヒューズ部と前記各外部接続端子とは、所定方向にならんで配置されており、
前記各外部接続端子に接続される配線の延伸方向はお互いがほぼ平行になることを特徴とするヒューズユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のヒューズユニットにおいて、
前記ヒューズユニットが前記バッテリーに取り付けられた状態では、前記各ヒューズ部が前記バッテリーの側面に沿ってならんでおり、前記配線の延伸方向が、前記側面と直交することを特徴とするヒューズユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−20811(P2013−20811A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153192(P2011−153192)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】