説明

ヒンジ機構及び画像読取装置

【課題】本発明は、無理開き防止機能とを実現することができるヒンジ機構と、それを備えた画像読取装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のヒンジ機構は、カム12と、カム12に回動自在に取付けられると共に一面を開閉蓋に固定されるベース13と、ベース13内に挿入されたコイルスプリング14と、ベース13内でコイルスプリング14の端部を保持するスライダー15とを備え、カム12は、スライダー15と摺動する摺動面と突起部12aとを有し、ベース13はスライダー15を露出させる切欠き部を有し、スライダー15は切欠き部と係合する段差部と突起部12aと係合する窪み部を有し、開閉蓋を開き、開閉蓋の装置本体に対する開閉が所定角度となった場合、突起部12aはスライダー15の窪み部と係合して、段差部を切欠き部の端部へ係合させ、スライダー15を介してカム12とベース13の開閉動作をロックすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置等の原稿積載台の原稿を圧着する開閉蓋などに用いられるヒンジ機構と、それを備えた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機や複合機などの画像形成装置に搭載される画像読取装置には、CCD等を備えたイメージセンサモジュール(読取手段)が設けられ、この読取手段によって原稿積載台のプラテンガラスを通し光学的に原稿を読取って電子情報化する。なお、原稿の読取方式には、原稿積載台に置いた原稿を読取手段等が搭載された光学ユニットを走査して読取る走査読取方式と、搬送ローラで搬送される原稿を静止した光学ユニットで読取るシートスルー方式とがある。当然ながら走査読取方式には光学ユニットを走査するための走査機構が設けられる。
【0003】
さて、この原稿積載台による走査読取方式で読取を行う場合には、原稿を1枚、1枚プラテンガラスの上に載せて、開閉蓋で押さえて読取を行う必要がある。この操作性を向上させるために開閉蓋には少なくとも次の機能が要求される。1つ目は、開閉蓋をある程度開いて原稿を置いたりめくったりする間に、開閉蓋が自重で閉じてしまわないように、所定角度で開閉蓋の姿勢を保持する保持機能であり、2つ目は開閉蓋を限度以上(一定角度以上)開く無理な開動作を防止する無理開き防止機能である。
【0004】
これらの機能を実現するため、従来取付部材に設けられたヒンジピンを介して回動自在の支持部材を設け、その内部にカムスライダーを配設し、このカムスライダーと支持部材の間にコイルスプリングを設けると共に、原稿圧着板を閉じる際に支持部材の所角度よりピストン杆の先端をカムスライダーに当接させるダンパー手段を備えたヒンジ機構と原稿圧着板開閉装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
これはコイルスプリングによって附勢されているカムスライダーの傾斜カム面を取付部材のローラが登る際の抵抗を利用するもので、開いた原稿圧着板から手を離すと、原稿圧着板がヒンジピンの周りに発生させる回転モーメントと、コイルスプリングとローラに当接しているカムスライダーとによって創出される回転トルクを均衡させ、所定角度を保つものである。
【0006】
また、支持部材側面には凸条に迫り出したブレーキ手段が設けられており、原稿圧着板の開動作に伴ってブレーキ手段がカムスライダーと圧接し、ブレーキをかけることができる。原稿圧着板を閉じる際には、慣性による勢いがつくが、所定の角度近辺で、ダンパー手段のピストン杆の先端がカムスライダーに当接し、ダンパーがきき始め、支持部材の回転を制御し、原稿圧着板が急激に閉じられるのを防止するものである。
【0007】
更にこの(特許文献1)のほか、上部カバー部材に下部アームを設け、カバー支持部材に設けたストッパ部材に当接させて、上部カバー部材の開く角度を一定に維持させるプラテンカバー部材が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−180993号公報
【特許文献2】特開平5−257209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上説明したように(特許文献1)のヒンジ機構と画像読取装置は、原稿圧着板(開閉蓋)の開動作に、ブレーキ手段がカムスライダーと圧接してブレーキをかけ、閉動作時には、所定の角度近辺でダンパー手段のピストン杆がカムスライダーに当接し、ダンパー作用が働く。
【0009】
しかし、ブレーキ手段は僅かに突き出た凸条部分であって、カムスライダーが押すとせん断力が作用するため、原稿圧着板を強い力で無理に開いたときにはこの上面に乗り上げてしまうか、あるいはこの上面の部分を破壊してしまう可能性があった。原稿圧着板が繰り返し開閉されることを考えると、材料はかなり制限される。また、高価なダンパー手段を設ける必要もあり、部品点数が多く、コストが上昇するものであった。
【0010】
これに対して、(特許文献2)のプラテンカバー部材は、上部カバー部材に下部アームを設け、カバー支持部材のストッパ部材に当接させるもので、下部アームの側面が回転方向にストッパ部材を押圧する。従って、アームや軸部分に集中応力がかかり、無理に原稿圧着板を開いたときにプラテンカバー部材が壊れてしまう可能性があった。強度のある材料を使わなければならないという制約を受けるものである。また、上記原稿圧着板の保持機能と、無理開き防止機能が、二段階で行われるものではなく、使い勝手がよいとはいえないものであった。
【0011】
そして(特許文献1,2)のほかにも、無理開き防止機能のため開閉蓋の外装部品同士、あるいは外装部品とヒンジ機構を当接させた原稿積載台もあるが、この構成のためにヒンジ機構が出っ張り、外装部品を傷つけたりすることがあった。
【0012】
そこで本発明は、内部機構だけで安定した保持機能と無理開き防止機能とを実現することができ、コンパクトで安価な、無理な力が働かず、耐久性の高いヒンジ機構と、それを備えた画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような問題を解決するために本発明のヒンジ機構は、開閉蓋を回動自在に装置本体へ取付けるヒンジ機構であって、装置本体に固定されるカムと、カムに回動自在に取付けられると共に一面を開閉蓋に固定されるベースと、ベース内に挿入された弾性部材と、ベース内に設けられ、弾性部材の端部をカムの回動支点側から保持し、ベースの内面と摺動するスライダーと、を備え、カムは、スライダーと摺動する摺動面と摺動面に設けられ開閉蓋の装置本体に対する開閉が所定角度となる位置に突起部とを有し、ベースは、開閉蓋との固定面と反対側であってカムの回動支点側に設けられスライダーを露出させる切欠き部を有し、スライダーは、切欠き部と係合する段差部と開閉蓋側であってカムの当接面と当接する側に設けられたカムの突起部と係合する窪み部とを有し、開閉蓋を開き、開閉蓋の装置本体に対する開閉が所定角度となった場合、突起部はスライダーの窪み部と係合して、スライダーを開閉蓋と反対側に押し出してスライダーの段差部を切欠き部の端部へ係合させ、スライダーを介してカムとベースの開閉動作をロックすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像読取装置は、原稿積載台に載置された原稿を読取る読取手段と、原稿積載台に対して開閉する開閉蓋と、を備え、上記ヒンジ機構を開閉蓋に用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のヒンジ機構によれば、内部機構だけで安定した保持機能と無理開き防止機能とを実現することができ、コンパクトで安価な、無理な力が働かず、耐久性の高い構造にすることができる。
【0016】
また、本発明の画像読取装置によれば、開閉蓋の開閉を確実にロックし、ヒンジ機構の内部機構だけで保持機能と無理開き防止機能とを実現することができ、原稿積載台部分がコンパクトになり、ヒンジの耐久性が高い構造にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記課題を解決するために本発明の請求項1の発明は、開閉蓋を回動自在に装置本体へ取付けるヒンジ機構であって、装置本体に固定されるカムと、カムに回動自在に取付けられると共に一面を開閉蓋に固定されるベースと、ベース内に挿入された弾性部材と、ベース内に設けられ、弾性部材の端部をカムの回動支点側から保持し、ベースの内面と摺動するスライダーと、を備え、カムは、スライダーと摺動する摺動面と摺動面に設けられ開閉蓋の装置本体に対する開閉が所定角度となる位置に突起部とを有し、ベースは、開閉蓋との固定面と反対側であってカムの回動支点側に設けられスライダーを露出させる切欠き部を有し、スライダーは、切欠き部と係合する段差部と開閉蓋側であってカムの当接面と当接する側に設けられたカムの突起部と係合する窪み部とを有し、開閉蓋を開き、開閉蓋の装置本体に対する開閉が所定角度となった場合、突起部はスライダーの窪み部と係合して、スライダーを開閉蓋と反対側に押し出してスライダーの段差部を切欠き部の端部へ係合させ、スライダーを介してカムとベースの開閉動作をロックすることを特徴とするヒンジ機構である。
【0018】
この構成によって、突起部がスライダーの窪み部と係合して、スライダーを開閉蓋と反対側に押し出してスライダーの段差部を切欠き部の端部へ係合させ、スライダーを介してカムとベースとによる開閉動作をロックすることができ、これにより突起部とスライダーの溝部とが係合して開閉蓋の回動に伴うベースの回動を止めると共に、切欠き部の端部とスライダーの段差部とが係合することでベース内を摺動するスライダーの動きを止めるので、スライダーがベースとカムとの間に介在して開閉蓋が所定角度以上回動するのを阻止することができ、所定角度以上に開閉蓋を無理に開いた場合であっても、ヒンジ機構自体の構成のみで確実に開閉蓋の開閉動作を所定の位置で回動不能にすることができる。ヒンジ機構の内部機構だけで安定した保持機能と無理開き防止機能とを実現することができ、コンパクトで安価な、無理な力が働かず、耐久性の高い構造にすることができる。
【0019】
本発明の請求項2の発明は、請求項1の発明に従属する発明であって、スライダーは、開閉蓋の装置本体に対する開閉が所定角度となるまではベースの回動支点を軸として回動し、開閉蓋の開閉が所定角度となって突起部が窪み部と係合したとき、窪み部と係合した突起部を回動支点として回動することを特徴とするヒンジ機構である。
【0020】
この構成によって、開閉蓋の開きが所定角度に達するまではベースの回動支点を軸として回動してスライダーがベース内を摺動することでスムーズな開閉蓋の開きを可能にし、一方、開閉蓋の開きが所定角度に達したとき、窪み部と係合した突起部が回動支点を軸として回動することでベース内のスライダーを切欠き部の端部と係合する方向へ押し出すことができ、その結果、開閉蓋の開閉動作を利用するのみで、スライダーの段差部が切欠き部の端部へ係合するので、スムーズに開閉蓋の開閉動作をロックすることができる。
【0021】
本発明の請求項3の発明は、請求項1の発明に従属する発明であって、カムの摺動部は、スライダーが摺動する摺動経路の延長上に突出した隆起部を有し、開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から開閉蓋を閉じるとき、摺動部に形成された隆起部にスライダーが当接し、隆起部がスライダーをベース内に押し込んで、スライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させることを特徴とするヒンジ機構である。
【0022】
この構成によって、カムの摺動部は、スライダーが摺動する摺動経路の延長上に突出した隆起部を有し、開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から開閉蓋を閉じるとき、摺動部に形成された隆起部にスライダーが当接し、隆起部がスライダーをベース内に押し込んで、スライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させることにより、開閉蓋を閉じるとき、隆起部によって、ベースの切欠き部の端部と係合したスライダーをベース内に押し込むことができるので、開閉蓋を閉じる動作に連動させて簡単にロックの解除を行うことができる。
【0023】
本発明の請求項4の発明は、請求項1の発明に従属する発明であって、カムの摺動面は、切欠き部から露出している側であってカムの摺動面と摺動するスライダーの端部が落ち込む溝部をスライダーが摺動する摺動経路上に有し、この溝部に続いて隆起部を有し、開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から開閉蓋を閉じたとき、開閉蓋の閉方向の回動動作に従ってスライダーも回動し、隆起部がスライダーの切欠き部から露出している側を押して、スライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させることを特徴とするヒンジ機構である。
【0024】
この構成によって、スライダーの端部が溝部に係合するので、スライダーをベース内に押し込む前にカムの摺動側であるスライダーの端部を掴んで保持することとなり、斜め方向からであってもスライダーの端部を確実に捕えてスライダーをベース内に確実に押し込むことができ、その結果、スライダーの段差部と切欠き部の端部との簡単に解除できる。
【0025】
更に、開閉蓋を閉じる動作に連動してスライダーの端部が溝部に係合してスライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させるので、スライダーを介してカムとベースの開閉動作のロック解除を簡単に行うことができる。
【0026】
本発明の請求項5の発明は、請求項4の発明に従属する発明であって、開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から開閉蓋を閉じたとき、スライダーの端部は、溝部に落ち込んで摺動を止め、その後、開閉蓋の閉方向の回動動作に従って前記スライダーも回動することを特徴とするヒンジ機構である。
【0027】
この構成によって、溝部を契機に、スライダーが摺動動作から回動動作に切り替わり、このスライダーの動作の変化を契機にスライダーの段差部と切欠き部の端部との係合が解除され、簡単かつ確実にロックを解除できる。
【0028】
本発明の請求項6の発明は、請求項1の発明に従属する発明であって、カムには、開閉蓋を開き始めた直後からスライダーに対して第1の当接を行う第1の摺動面が設けられると共に、突起部が設けられたこの第1の摺動面と連なる第2の摺動面が設けられ、かつ該第1の摺動面と第2の摺動面の間にはスライダーと第2の当接を行うための隆起部が突出されて、開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から開閉蓋を閉じるとき、スライダーが隆起部と第2の当接をしてから、第1及び第2の当接を行うことを特徴とするヒンジ機構である。
【0029】
この構成によって、開閉蓋を閉じるとき、スライダーが隆起部と第2の当接をし、この第2の当接によってベースの切欠き部の端部とスライダーとの係合は確実に外れて、隆起部がベースの切欠き部の端部と係合したスライダーをベース内に押し込むことが可能になる。開閉蓋を閉じる動作に連動させて簡単にロックの解除を行うことができる。
【0030】
本発明の請求項7の発明は、請求項6の発明に従属する発明であって、第1の摺動面には隆起部との間にスライダーの端部が落ち込む溝部が設けられ、開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から開閉蓋を閉じたとき、開閉蓋の閉方向の回動動作に従ってスライダーが回動してスライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させ、更なる回動動作で隆起部に第2の当接を行ってから、スライダーの端部を溝部に落し込んで第1及び第2の当接を行うことを特徴とするヒンジ機構である。
【0031】
この構成によって、スライダーの端部が溝部に係合する(第2の当接をした状態で第1の当接を行う)ので、1箇所から2箇所の当接となり、スライダーを押し込む力の作用線の移動がスムーズで安定して行われ、作用線が斜め方向からであってもスライダーの端部を確実に捕えてスライダーをベース内に確実に押し込むことができ、その結果、スライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を簡単に解除できる。
【0032】
更に、開閉蓋を閉じる動作に連動してスライダーの端部が溝部に係合してスライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させるので、スライダーを介してカムとベースの開閉動作のロック解除を簡単に行うことができる。
【0033】
本発明の請求項8の発明は、原稿積載台に載置された原稿を読取る読取手段と、原稿積載台に対して開閉する開閉蓋と、を備え、第1乃至第7のいずれかのヒンジ機構を開閉蓋に用いたことを特徴とする画像読取装置である。
【0034】
この構成によって、開閉蓋の開閉を確実にロックし、ヒンジ機構の内部機構だけで保持機能と無理開き防止機能とを実現することができ、原稿積載台部分がコンパクトになり、ヒンジの耐久性が高い構造にすることができる。
【0035】
第1乃至第4のヒンジ機構を画像読取装置の開閉蓋に用いたため、スライダーは、開閉蓋の装置本体に対する開閉が所定角度となるまではベースの回動支点を軸として回動し、開閉蓋の開閉が所定角度となって突起部が窪み部と係合したとき、窪み部と係合した突起部を回動支点として回動することにより、開閉蓋の開きが所定角度に達するまではベースの回動支点を軸として回動してスライダーがベース内を摺動することでスムーズな開閉蓋の開きを可能にし、一方、開閉蓋の開きが所定角度に達したとき、窪み部と係合した突起部が回動支点を軸として回動することでベース内のスライダーを切欠き部の端部と係合する方向へ押し出すことができ、その結果、開閉蓋の開閉動作を利用するのみで、スライダーの段差部が切欠き部の端部へ係合するので、スムーズに開閉蓋の開閉動作をロックすることができる。
【0036】
また、開閉蓋を閉じる動作に連動してスライダーの端部が溝部に係合してスライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させるので、スライダーを介してカムとベースの開閉動作のロック解除を簡単に行うことができる。
【0037】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構と画像読取装置について説明する。図1は本発明の実施の形態1における画像読取装置を備えた画像形成装置の斜視図、図2は図1の画像形成装置のx−x断面図、図3は本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構の斜視図、図4は図3のヒンジ機構においてベースを取り除いたときの斜視図、図5は図3のヒンジ機構のベースを開閉蓋側からみたときの斜視図、図6は図3のヒンジ機構のベースを装置本体側からみたときの斜視図、図7は図3のヒンジ機構のスライダーを開閉蓋側からみたときの斜視図、図8は図3のヒンジ機構のスライダーをコイルスプリング側からみたときの斜視図である。
【0038】
また、図9は本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構が閉じた状態の断面図、図10は本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構が回転されて保持状態にある状態の断面図、図11は本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構が回転されて無理開き防止の状態の断面図、図12は図11のヒンジ機構が無理開き防止状態から閉じるときの状態を示す断面図である。
【0039】
図1、図2において、1は複写機や複合機などの画像形成装置であり、2は画像形成装置1に設けられた原稿を押さえる開閉蓋である。3は画像形成装置1に搭載された画像読取装置、3aは原稿を載せる光を透過するプラテンガラスである。
【0040】
画像読取装置3には、プラテンガラス3aの下方空間にプラテンガラス3aに沿って走査する走査機構が設けられていると共に(図示しない)、プラテンガラス3a上の原稿を読取るための光源(蛍光管)やCCD等のイメージセンサなどが配置された光学ユニットが設けられている。光源等の部分が主走査方向へ走査される。
【0041】
読取時には、蛍光管から照射された光がプラテンガラス3aを透過して原稿に到達し、ここで反射された光がリフレクタ、ミラー、レンズ等(図示しない)を経て最終的にイメージセンサにおいて結像される。このイメージセンサで受光された画像情報は、光学ユニットの下方に設けられたLSU(図示しない、Laser Scanning Unit)に出力され、このLSUからの出力で感光体(図示しない)上に静電潜像を形成し、この像が別途供給されたトナーによって現像される。
【0042】
4はこのLSUなどを制御するための画像形成装置1の操作パネルである。そして、図1、図2において、5は開閉蓋2を回動自在に支持する実施の形態1のヒンジ機構である。ヒンジ機構5は、ユーザが開閉蓋2を開閉するとき、開閉蓋2が自重で閉まってしまわないように所定角度で姿勢を保持する保持機能を有し、開閉蓋2に対する一定角度以上の無理な開動作を防止する無理開き防止機能を有している。
【0043】
そこで、図3〜図12に基づき実施の形態1のヒンジ機構について説明する。図3〜図12において、11は開閉蓋2を回動自在に画像形成装置1本体(本発明の装置本体)へ取付けるヒンジ機構5を取り出したヒンジ機構本体であって、12は画像形成装置1本体に固定されるカム、13はカム12に回動自在に取付けられると共に開閉蓋2に固定されるベースである。
【0044】
また、14はベース13内に挿入されたコイルスプリング(本発明の弾性部材)、15はベース13内に設けられ、コイルスプリング14の端部をカム12の回動の中心側から保持し、ベース13の内面と摺動するスライダーであり、16はベース13に設けられた回動軸(本発明の回動支点)である。コイルスプリング14はベース13内でスライダー15に弾発力を及ぼし、ベース13の長手方向に沿って回動軸16側へスライダー15を付勢する。
【0045】
この開閉蓋2を開閉するときは、スライダー15は弾発力でカム12の摺動面上を摺動し、ベース13がカム12の摺動面周りに回動するのに伴って、カム12の形状で摩擦力が増減する。従って、カム12の形状を摩擦力を増減できる形状にすれば、ある摩擦力の位置で開閉蓋2の自重と釣り合ってその姿勢の保持が可能になる。この状態で開閉蓋2の開閉角度を保てる。ただ、安定して確実に保持するには以下述べるように工夫がいる。また、限度を越える回動に対して直接この回動を止めるロック機構を設ければ、それ以上開閉蓋2を開くのを防止できる。
【0046】
そこで、以下ヒンジ機構本体11の細部構造について説明する。まず、カム12の細部について説明する。図3〜図12において、12aはスライダー15と摺動する摺動面とこの摺動面に設けられ開閉蓋2の画像形成装置1本体に対する開閉が所定角度となるカム12の頂部に設けられた突起部である。この突起部12aが開閉蓋2の更なる回動を止め、これがトリガとなり、ここから無理開き防止のためのロック機構が働く。
【0047】
また、12bはカム12の摺動面(本発明の摺動部)に設けられたスライダー15を支持して持ち上げるための隆起部である。開閉蓋2を開くとき、スライダー15の先端が移動して隆起部12bに当接すると、この隆起部12bを支点にしてスライダー15が持ち上げられ、ベース13の回転に従って回転される。その後ベース13の回転に伴って、スライダー15の当接部は隆起部12b上を突起部12aと反対に少しスライド(後退)し、突起部12aに係止される前にはカム12の摺動面に密着する。その後係止される。
【0048】
そして、逆に、開閉蓋2の開閉が所定角度となった位置(最大に開いた状態)から開閉蓋2を閉じるときは、スライダー15の当接部はベース13の回転に従って動き、隆起部12bに当接すると、この隆起部12bを支点にしてスライダー15を持ち上げ、ベース13の回転に従って回転させる。
【0049】
12cは突起部12aが設けられた摺動面、12dはスライダー15の先端部を係止する溝部、12eは円滑にスライダー15の先端を摺動させ開閉蓋2を開き始めた直後にスライダー15に当接する部分であり開閉蓋2をスムーズに開閉させることができる摺動面である。スライダー15の先端部が溝部12dに係止されると、隆起部12bと摺動面12eとの間で2線(断面図上2点)、すなわち2個所の当接個所で支持され、安定して開閉蓋2の自重と釣り合って保持される。これによって開閉蓋2の保持機能が簡単な構成で確実に達成できる。なお、本発明の摺動経路は、摺動面12c、溝部12d、12eから構成される。
【0050】
ここで、上述したロック機構の説明をすると、ロック機構はカム12とスライダー15、ベース13を使って次のメカニズムで実現できる。すなわち、開閉蓋2を限度以上に開くとき、突起部12aがスライダー15の更なる回動を止め(回転に制動が加わる)、この作用でスライダー15とベース13との動きに乖離が生じ、スライダー15を付勢する力の作用線がベース13の長手方向から少し傾く。
【0051】
これにより、スライダー15の先端をベース13内から回動軸16と反対側(後述する切り欠き13b側)へ押し出す力が働き、この力でスライダー15を所定位置(切り欠き13b)に係合することで確実にロックすることができる。ロック機構を解除するときは、摩擦力でスライダー15の動作がベース13の回動より遅れ、係合状態を容易に外すことができる。
【0052】
次に、ベース13の細部について説明する。図5、図6において、13aはスライダー15をベース13内で摺動させるときガイドする案内溝、13bは開閉蓋2との固定面と反対側であってカム12の回動軸16側に設けられスライダー15の先端を一部露出させる切欠き部である。なお、ベース13は開閉蓋2を開く方向に向かう側の面がネジ等で開閉蓋2に固定され、開閉蓋2の固定面となる。
【0053】
次に、スライダー15の細部について説明すると、図7、図8において、15aはカム12の当接面と当接する先端部に設けられた突起部12aと係合する窪み部である。この窪み部15aが突起部12aと係合することにより、スライダー15、ベース13、更に開閉蓋2を所定角度となる位置にロックする。
【0054】
また、15bは案内溝13aに挿入されスライダー15の動きをガイドする案内突起、15cは開閉蓋2を所定角度でロック時にスライダー15を係止する段差部である。段差部15cは開閉蓋2のロック位置に近づくとスライダー15の姿勢が変わって押し出され、切欠き部13bの一端部に係止される。
【0055】
そこで、本発明の実施の形態1のヒンジ機構による開閉蓋2の一連の開閉動作について順に説明する。図9は開閉蓋2を閉じているときのヒンジ機構5の状態を示す。この状態ではスライダー15の先端部がカム12の摺動面12eの右端の1線(断面図上1点)で支持されている。すなわち、スライダー15はカム12の摺動面12eと1箇所で当接している(本発明の第1の当接)。スライダー15に対する力の作用線は回動軸16の中心を向いている。
【0056】
この状態から開閉蓋2を開いて行くと、スライダー15が円弧をなした摺動面12e上を1箇所で当接して摺動する。この面が円弧であるため、摩擦力はほぼ一定で安定したスムーズな動きができる。
【0057】
更に開閉蓋2を開いて行くと、スライダー15の当接部がカム12の溝部12d付近に到達する。上記したスライダー15の先端の当接部の位置はこの付近に至るまで回転に伴って徐々に後方(回動軸16側と反対側)に移動し、図10に示すように所定の回転角度で、摺動面12e上のこの当接部に当接(第1の当接)しながら、更に隆起部12bと前方で2箇所目の当接(本発明の第2の当接)をする。すなわち、開閉蓋2を開いて行くとき、この回転角度以降しばらく、隆起部12bと摺動面12eの2箇所の当接部で支持される。従って、スライダー15に対する力の作用線はこの2箇所の当接部(支持点)の中間を通って回動軸16に至る。このためこの角度付近で安定した保持が可能になる。
【0058】
この状態から更に開閉蓋2を開くと、スライダー15の摺動面12eとの当接部が離れ、スライダー15の先端部が隆起部12bにだけ当接して再び1箇所で支持された状態となる。すなわち、開閉蓋2を開くとき、当初1箇所の支持から、過渡的に2箇所で支持された状態を経て、再び当初の個所とは異なる別の1箇所で支持される。
【0059】
更に開閉蓋2を回動すると図11に示すようにスライダー15の先端部が摺動面12cに密着し、最終的に突起部12aと窪み部15aが係合する。なお、隆起部12bと当接してからこの係合に至るまで、スライダー15の当接部は回転に伴ってカム12上を少し移動(後退)する。そして、このスライダー15の運動は隆起部12bによる支持点を中心に行われる。
【0060】
突起部12aと窪み部15aが係合すると、ベース13とスライダー15の間には隙間があるので、上記したとおり、スライダー15の力の作用線がベース13の長手方向からずれ始め、突起部12aを中心にして傾き始める。そしてこの相対的な回転により、段差部15cはベース13の切り欠き部13b側に押し出され、同時に切り欠き部13bも開放方向に向かっているので、切欠き部13bの一端部(上端)に係止される。これにより、段差部15c(スライダー15)は切り欠き部13bと摺動面12cとで圧縮力を受けて係止され、これ以上の回転はできず、確実に無理開き防止機能が実現できる。
【0061】
逆に、このロックされた状態から開閉蓋2を閉じるときは、スライダー15とカム12(摺動面12c)の間で摩擦力が働くため、ベース13がスライダー15より先に回動する。この遅れによりスライドした窪み部15aが突起部12aに当接し、スライダー15の段差部15cはこの突起部12aを中心に回転し、切り欠き部13bとの係合が解除される。そしてこれより後は、開閉蓋2を開けるときの逆となり、隆起部12bで1当接部だけで支持された状態を経て、図9の状態となる。
【0062】
このように実施の形態1のヒンジ機構によれば、突起部とスライダーの溝部とが係合して開閉蓋の回動に伴うベースの回動を止め、切欠き部の端部とスライダーの段差部とが係合することでベース内を摺動するスライダーの動きを止めるので、スライダーがベースとカムとの間に介在して開閉蓋が所定角度以上回動するのを阻止することができ、所定角度以上に開閉蓋を無理に開いた場合であっても、ヒンジ機構自体の構成のみで確実に開閉蓋の開閉動作を所定の位置で回動不能にすることができる。
【0063】
これによりヒンジ機構の内部機構だけで安定した保持機能と無理開き防止機能とを実現することができ、スライダーを介在させることでロックを圧縮を用いて実現することができ、無理な力が働かず、コンパクトで安価な、耐久性の高い構造にすることができる。
【0064】
また、スライダーの端部が溝部に係合するので、スライダーが1箇所から2箇所で当接することになり、スライダーを押し込む力の作用線の移動がスムーズで安定して行われ、作用線が斜め方向からであってもスライダーの端部を確実に捕えてスライダーをベース内に確実に押し込むことができる。
【0065】
また、実施の形態1の画像読取装置によれば、開閉蓋の開閉動作を利用するのみで、スライダーの段差部が切欠き部の端部へ係合するので、スムーズに開閉蓋の開閉動作をロックすることができ、開閉蓋を閉じる動作に連動してスライダーの端部が溝部に係合してスライダーの段差部と切欠き部の端部との係合を解除させるので、スライダーを介してカムとベースの開閉動作のロック解除を簡単に行うことができる。また、ヒンジ機構の内部機構だけで保持機能と無理開き防止機能とを実現することができ、原稿積載台部分がコンパクトになり、ヒンジの耐久性が高い構造にすることができる。
【0066】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2におけるヒンジ機構と画像読取装置について説明する。図13は本発明の実施の形態2におけるヒンジ機構が閉じた状態の断面図、図14は本発明の実施の形態2におけるヒンジ機構が回転されて保持状態にある状態の断面図、図15は本発明の実施の形態2におけるヒンジ機構が回転されて無理開き防止の状態の断面図である。
【0067】
実施の形態2のヒンジ機構と画像読取装置は、実施の形態1におけるヒンジ機構と画像読取装置では設けた突起部と窪み部を設けないもので、ヒンジ機構自体は開閉蓋の開閉角度を制限しない。従って、いわば実施の形態1のヒンジ機構と画像読取装置の突起部を除去したものに相当する。この構成以外の構成は共通であり、同一符号は同一内容の構成を示すものであるから、ここでは詳細な説明は実施の形態1に譲って省略する。
【0068】
図13〜図15において、12fはカム12の延長部であり、17は開閉蓋2の外装部品である。実施の形態2におけるヒンジ機構5は、カム12の延長部12fが外装部品17と当接することにより、開閉蓋2の回動に伴うベース13の回動を止め、切欠き部13bの一端部とスライダーの段差部15cとが係合することでベース内を摺動するスライダーの動きを止めることができる。
【0069】
そこで、本発明の実施の形態2のヒンジ機構による開閉蓋2の一連の開閉動作と作用について説明する。図13は開閉蓋2を閉じているときのヒンジ機構5の状態を示す。この状態から開閉蓋2を開いて行くと、スライダー15が円弧をなした摺動面12e上を摺動する。更に開閉蓋2を開いて所定の回転角度になると、図14に示すように摺動面12eの1箇所の当接部と共に隆起部12bにも当接する。すなわち、この回転角度以降、隆起部12bと摺動面12eとの間で2箇所の当接部で支持され、この角度付近で安定した状態で保持される。
【0070】
この状態から更に開閉蓋2を回動すると、スライダー15の先端部が隆起部12bに1箇所の当接部で支持された状態となる。更に開閉蓋2を回動すると図15に示すようにスライダー15の先端部が摺動面12cに載り上げ、最終的にカム12の延長部12fが外装部品17と当接する。
【0071】
ベース13とスライダー15の間には隙間があるので、延長部12fが外装部品17と当接すると、スライダー15がこの位置を中心に傾き始める。そしてこの相対的な回転により、段差部15cはベース13の切り欠き部13b側に押し出され、切欠き部13bの一端部に係止される。これにより、段差部15cは切り欠き部13bと摺動面12cとで圧縮力を受けて係止され、これ以上の回転はできず、確実に無理開き防止機能が可能になる。
【0072】
逆に、このロックされた状態から開閉蓋2を閉じるときは、スライダー15とベース13(摺動面12c)の間で摩擦力が働くため、ベース13がスライダー15より先に回動する。この遅れでスライダー15の段差部15cは切り欠き部13bとの係合が解除され、スライダー15の先端部が隆起部12bに1箇所の当接部で支持された状態となる。
【0073】
そしてこれより後は、開閉蓋2を開けるときの逆となり、図14の状態を経て、図13の状態で閉止された状態となる。
【0074】
このように実施の形態2のヒンジ機構と画像読取装置によれば、実施の形態1と同様の効果と共に、突起部と窪み部を設けないため開閉角度を大きくしたり、強度を増やせたりする効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、保持機能と無理開き防止機能を備えたヒンジ機構と、これを備えた画像読取装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1における画像読取装置を備えた画像形成装置の斜視図
【図2】図1の画像形成装置のx−x断面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構の斜視図
【図4】図3のヒンジ機構においてベースを取り除いたときの斜視図
【図5】図3のヒンジ機構のベースを開閉蓋側からみたときの斜視図
【図6】図3のヒンジ機構のベースを装置本体側からみたときの斜視図
【図7】図3のヒンジ機構のスライダーを開閉蓋側からみたときの斜視図
【図8】図3のヒンジ機構のスライダーをコイルスプリング側からみたときの斜視図
【図9】本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構が閉じた状態の断面図
【図10】本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構が回転されて保持状態にある状態の断面図
【図11】本発明の実施の形態1におけるヒンジ機構が回転されて無理開き防止の状態の断面図
【図12】図11のヒンジ機構が無理開き防止状態から閉じるときの状態を示す断面図
【図13】本発明の実施の形態2におけるヒンジ機構が閉じた状態の断面図
【図14】本発明の実施の形態2におけるヒンジ機構が回転されて保持状態にある状態の断面図
【図15】本発明の実施の形態2におけるヒンジ機構が回転されて無理開き防止の状態の断面図
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置
2 開閉蓋
3 画像読取装置
3a プラテンガラス
4 操作パネル
5 ヒンジ機構
11 ヒンジ機構本体
12 カム
12a 突起部
12b 隆起部
12c 摺動面
12d 溝部
12e 摺動面
13 ベース
13a 案内溝
13b 切欠き部
14 コイルスプリング
15 スライダー
15a 窪み部
15b 案内突起
15c 段差部
16 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉蓋を回動自在に装置本体へ取付けるヒンジ機構であって、
装置本体に固定されるカムと、
前記カムに回動自在に取付けられると共に一面を前記開閉蓋に固定されるベースと、
前記ベース内に挿入された弾性部材と、
前記ベース内に設けられ、前記弾性部材の端部を前記カムの回動支点側から保持し、前記ベースの内面と摺動するスライダーと、を備え、
前記カムは、前記スライダーと摺動する摺動面と前記摺動面に設けられ前記開閉蓋の前記装置本体に対する開閉が所定角度となる位置に突起部とを有し、
前記ベースは、前記開閉蓋との固定面と反対側であって前記カムの回動支点側に設けられ前記スライダーを露出させる切欠き部を有し、
前記スライダーは、前記切欠き部と係合する段差部と前記開閉蓋側であって前記カムの当接面と当接する側に設けられた前記カムの突起部と係合する窪み部とを有し、
前記開閉蓋を開き、前記開閉蓋の前記装置本体に対する開閉が所定角度となった場合、前記突起部は前記スライダーの窪み部と係合して、前記スライダーを前記開閉蓋と反対側に押し出して前記スライダーの段差部を前記切欠き部の端部へ係合させ、前記スライダーを介して前記カムと前記ベースの開閉動作をロックすることを特徴とするヒンジ機構。
【請求項2】
前記スライダーは、前記開閉蓋の前記装置本体に対する開閉が所定角度となるまでは前記ベースの回動支点を軸として回動し、前記開閉蓋の開閉が所定角度となって前記突起部が前記窪み部と係合したとき、前記窪み部と係合した前記突起部を回動支点として回動することを特徴とする請求項1記載のヒンジ機構。
【請求項3】
前記カムの摺動部は、前記スライダーが摺動する摺動経路の延長上に突出した隆起部を有し、前記開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から前記開閉蓋を閉じるとき、前記摺動部に形成された隆起部に前記スライダーが当接し、前記隆起部が前記スライダーを前記ベース内に押し込んで、前記スライダーの段差部と前記切欠き部の端部との係合を解除させることを特徴とする請求項1記載のヒンジ機構。
【請求項4】
前記カムの摺動面は、前記切欠き部から露出している側であって前記カムの摺動面と摺動するスライダーの端部が落ち込む溝部を前記スライダーが摺動する摺動経路上に有し、この溝部に続いて隆起部を有し、前記開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から前記開閉蓋を閉じたとき、前記開閉蓋の閉方向の回動動作に従って前記スライダーも回動し、前記隆起部が前記スライダーの前記切欠き部から露出している側を押して、前記スライダーの段差部と前記切欠き部の端部との係合を解除させることを特徴とする請求項1記載のヒンジ機構。
【請求項5】
前記開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から前記開閉蓋を閉じたとき、前記スライダーの端部は、前記溝部に落ち込んで摺動を止め、その後、前記開閉蓋の閉方向の回動動作に従って前記スライダーも回動することを特徴とする請求項4記載のヒンジ機構。
【請求項6】
前記カムには、前記開閉蓋を開き始めた直後から前記スライダーに対して第1の当接を行う第1の摺動面が設けられると共に、前記突起部が設けられたこの第1の摺動面と連なる第2の摺動面が設けられ、かつ該第1の摺動面と第2の摺動面の間には前記スライダーと第2の当接を行うための隆起部が突出されて、前記開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から前記開閉蓋を閉じるとき、前記スライダーが前記隆起部と第2の当接をしてから、前記第1及び第2の当接を行うことを特徴とする請求項1記載のヒンジ機構。
【請求項7】
前記第1の摺動面には前記隆起部との間に前記スライダーの端部が落ち込む溝部が設けられ、前記開閉蓋の開閉が所定角度となった位置から前記開閉蓋を閉じたとき、前記開閉蓋の閉方向の回動動作に従って前記スライダーが回動して前記スライダーの段差部と前記切欠き部の端部との係合を解除させ、更なる回動動作で前記隆起部に第2の当接を行ってから、前記スライダーの端部を前記溝部に落し込んで前記第1及び第2の当接を行うことを特徴とする請求項6記載のヒンジ機構。
【請求項8】
原稿積載台に載置された原稿を読取る読取手段と、
前記原稿積載台に対して開閉する開閉蓋と、を備え、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のヒンジ機構を前記開閉蓋に用いたことを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−180055(P2009−180055A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22337(P2008−22337)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】