ヒンジ機構
【課題】 この発明の目的は、前方から操作が可能なストッパーを備えたヒンジ機構を提供することである。
【解決手段】 開閉体bには、支持軸1よりも後方に突出するストッパー部b3を設け、支持部材aの背側起立片a3の背面には移動可能にしたストッパーdを設ける。そして、支持部材の背側起立片の前側から後ろ側に貫通させたボルト14を設け、このボルト14でストッパーdを固定位置に保持したり移動可能位置に保持したりする構成にし、上記固定位置にあるストッパーdに上記ストッパー部b3が当接したとき上記開閉体bが規制位置以上に回動するのを阻止する一方、上記支持部材aの背側起立片a3の前側からボルト14を操作してストッパーdを上記移動可能位置に保持した時、上記ストッパーdが上記規制位置から退避可能にしている。
【解決手段】 開閉体bには、支持軸1よりも後方に突出するストッパー部b3を設け、支持部材aの背側起立片a3の背面には移動可能にしたストッパーdを設ける。そして、支持部材の背側起立片の前側から後ろ側に貫通させたボルト14を設け、このボルト14でストッパーdを固定位置に保持したり移動可能位置に保持したりする構成にし、上記固定位置にあるストッパーdに上記ストッパー部b3が当接したとき上記開閉体bが規制位置以上に回動するのを阻止する一方、上記支持部材aの背側起立片a3の前側からボルト14を操作してストッパーdを上記移動可能位置に保持した時、上記ストッパーdが上記規制位置から退避可能にしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばコピー機などの読み取り装置と蓋とを連結するヒンジ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コピー機の蓋は、それが90度まで開いてしまうと、それが大きく開きすぎて、コピー操作のときの操作性が悪くなるとともに、車椅子を利用している人などは、蓋に手が届かなくなるなどの問題が発生する。
【0003】
また、コピー機の場合に、蓋が60度程度の範囲まではばね力を作用させているが、そのばね力は、蓋を開けるときにはアシスト力として、また、蓋を閉めるときにはそれが急激にしまるのを防止する減衰力として機能させている。
そして、60度〜90度の範囲では、上記ばね力を開放してフリーな回動範囲としているが、これはコピー機を修理するなどの特殊な場合に対応できるようにするためである。
【0004】
いずれにしても、コピー機では、蓋が0度〜60度の範囲にあるときに上記ばね力を作用させ、60度〜90度の範囲では上記ばね力が開放される構成にしているが、もし、蓋を勢いよく開けると、上記ばね力の作用で蓋が90度の範囲まで一気に開いてしまうことがある。このときには、蓋の慣性力が大きいので、ヒンジ機構を損傷したり、ひどいときには読み取り装置自体を傾けてしまったりする。
【0005】
また、蓋を90度まで大きく開けた状態で修理などをしているときに、蓋にそれを閉める方向の力が作用すると、ばね力が作用していない上記60度の位置までに回動するが、そのときの勢いで、蓋が一気に閉まってしまうこともある。このようなときに、もし、読取装置と蓋との間に頭などを突っ込んでいると、怪我をするなどの問題があった。
このようなことを考慮して、例えば、コピー機の蓋には、ある一定の開度以上開かないようにするためのストッパーを設けるのが通常である。
【0006】
そして、従来から知られているヒンジ機構は、その後方にストッパーを設けるとともに、このヒンジ機構の後ろ側に設けたストッパーを後ろからからねじ止めしていた。そのために、ストッパーを解除するときには、後ろ側に回り込んでねじを緩めてそれを外さなければならなかった。
なお、従来技術について特許公報を調査したが関連するものが見つからなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
メンテナンスなどの目的で、ストッパーを解除しなければならないことがあったが、従来は、ストッパー自体をヒンジ機構の後ろ側に設けるとともに、それを後ろからからねじ止めしていたので、ストッパーを解除するときには、後ろ側に回り込んでねじを緩めるとともに、その後ろ側にあるストッパーを取り外さなければならなかった。このように後ろからしかストッパーを解除できなかったので、その操作性が悪いという問題があった。特に、コピーなどは壁側に沿っておかれることが多いので、後ろからしか操作できないということは、その操作性が一層悪くなるという問題があった。
この発明の目的は、前方から操作が可能なストッパーを備えたヒンジ機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、読み取り対象物を押さえる押さえ板側に固定する開閉体と、この開閉体と支持軸を介して回動自在に連結されるとともに読み取り装置側に固定する支持部材とを設け、上記開閉体と支持部材との間にばね部材を介在させ、このばね部材のばね力の作用で、上記開閉体に対して開く方向の力を作用させる構成にしたヒンジ機構に関する。
【0009】
そして、第1の発明は、上記開閉体に、その開閉体の開方向の回動を規制する位置において上記支持軸よりも後方に突出するストッパー部を設け、上記支持部材の背側起立片の背面には移動可能にしたストッパーを設けるとともに、上記支持部材の背側起立片の前側から後ろ側に貫通させた操作部材を設け、この操作部材で上記ストッパーを固定位置に保持したり移動可能位置に保持したりする構成にし、上記固定位置にあるストッパーに上記ストッパー部が当接したとき上記開閉体が規制位置以上に回動するのを阻止する一方、上記支持部材の背側起立片の前側から操作部材を操作してストッパーを上記移動可能位置に保持した時、上記ストッパーが上記規制位置から退避可能にした点に特徴を有する。
【0010】
第2の発明は、上記ストッパー部には逃げ溝を設ける一方、上記ストッパーは、上記逃げ溝に対応する移動可能位置と、上記逃げ溝と食い違う固定位置との間でスライド可能にするとともに、上記操作部材を介して上記ストッパーをスライドさせる構成にした点に特徴を有する。
【0011】
第3の発明は、上記支持部材の背側起立片の背面に、上記ストッパー部と接触する位置からストッパー部と接触しない位置の範囲で回動可能にした上記ストッパーを設け、その回動位置に応じて上記移動可能位置と固定位置とを保持する一方、上記操作部材を介してストッパーを移動可能位置と固定位置とに回動させる構成にした点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、ヒンジ機構の前方からストッパーの位置を制御できるので、従来のようにヒンジ機構の後ろ側から操作するものに比べて操作性がよい。
また、上記ストッパーは、支持部材の背側起立片に移動可能に設けているので、ストッパーの位置調整をするときに、それを取り外す必要がなく、その分、操作性が良くなる。
【0013】
第2,3の発明によれば、ストッパーをスライドさせたり、回動させたりして、その位置調整ができるので、さらに操作性がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を60度に保った状態の断面図である。
【図2】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を60度に保った状態の正面図である。
【図3】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を90度に保った状態の断面図である。
【図4】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を90度に保った状態の正面図である。
【図5】第1実施形態の支持部材の斜視図である。
【図6】第1実施形態を示すもので60度の角度を保った後ろ側からの見た状態の斜視図である。
【図7】第1実施形態の60度の角度を保った状態の背面図である。
【図8】第1実施形態を示すもので90度の角度を保った状態の後ろ側から見た斜視図である。
【図9】第1実施形態の90度の角度を保った状態の背面図である。
【図10】第1実施形態のストッパーの斜視図である。
【図11】第2実施形態を示すもので60度の角度を保った状態の後ろ側から見た斜視図である。
【図12】第2実施形態の60度の角度を保った部分段面図である。
【図13】第2実施形態のストッパーの斜視図である。
【図14】第3実施形態を示すもので、60度の角度を保った状態の後ろ側から見た斜視図である。
【図15】第3実施形態の60度の角度を保った部分段面図である。
【図16】第3実施形態のストッパーの斜視図である。
【図17】第4実施形態の支持部材と開閉体との角度を60度に保った状態の断面図である。
【図18】第4実施形態の支持部材と開閉体との角度を90度に保った状態の断面図である。
【図19】第4実施形態のストッパーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜図10に示した第1実施形態はコピー機に用いるヒンジ機構で、このヒンジ機構は、コピー機の読み取り装置X側に固定する支持部材aと、第1支持軸1を介して上記支持部材aと回動自在に支持された開閉体bと、第2支持軸2を介して上記開閉体bと回動自在に支持されたリフト部材cとからなる。
【0016】
上記支持部材aは、上記コピー機の読み取り装置X側に固定する平板部a1の両側に両側起立片a2,a2を設けるとともに、これら両側起立片a2,a2間に背側起立片a3を設けている(図5参照)。
上記両側起立片a2,a2の後方延長上に支持片a6,a6を設けているが、この支持片a6,a6は背面起立片a3よりもさらに後方に突出させている。そして、この支持片a6,a6の上端には段部を形成し、この段部を最大角規制部a7としている。
なお、上記平板部a1には、当該支持部材aを上記読み取り装置Xに固定するためのボルト穴a4を形成するとともに、上記両側片a2,a2には軸孔a5,a5を形成し,この軸孔a5,a5に上記第1支持軸1が支持される構成にしている。
【0017】
また、上記軸孔a5,a5よりもやや前方下側には、第1作動体としての一対の軸部材3,3を設けるとともに、図5からも明らかなように、これら軸部材3,3は互いの軸中心線を一致させている。そして、これら軸部材3,3の先端は間隔を保持して互いに対向させている。
【0018】
さらに、軸孔a5,a5間に支持された第1支持軸1には開閉体bが回動自在に支持されるが、この開閉体bはその上板b1の両側に垂下片b2、b2を形成するとともに、上記第1支持軸1はこれら垂下片b2,b2を貫通して、上記軸孔a5,a5に支持されている。
そして、上記開閉体bの上板b1であって、第1支持軸1側の端部を、この第1支持軸1よりもさらに後方に突出させ、この突出部をストッパー部b3とするとともに、このストッパー部b3には一対の逃げ溝b4,b4を平行に形成している。
【0019】
また、上記垂下片b2,b2であって、第1支持軸1で支持された側とは反対側に第2支持軸2を掛け渡しているが、図8に示すように、この第2支持軸2の両端を垂下片b2,b2から突出させるとともに、その突出端にリフト部材cを回動自在に連結している。つまり、リフト部材cは上記開閉体bを覆う形状にし、上板c1の両側から垂下させた両側片c2,c2を、開閉体bの垂下片b2,b2の外側に沿わせるとともに、この両側片c2,c2に第2支持軸2の先端を貫通させて、このリフト部材cを回動自在に支持している。このようにした開閉体bとリフト部材cとは、第1,2支持軸1,2を中心にして互いに反対方向に回動するものである。
【0020】
そして、上記支持部材aに設けた支持片a6,a6間には、軸13を掛け渡すとともに、この軸13にはストッパーdを、その軸方向にスライド可能に設けている。すなわち、ストッパーdは、図10に示すように、一対のストッパー片部d1,d1とこのストッパー片部d1、d1間に設けた板部d2とからなる。そして、ストッパー片部d1,d1には、上記軸13が貫通する軸孔d3,d3を形成し、上記板部d2にはこの発明の操作部材であるボルト14を貫通させるボルト孔d4を形成している。
【0021】
上記のようにしたストッパーdは、その板部d2を支持部材aの背側起立片a3の背面に沿わせるようにして軸13にスライド可能に取り付ける。
一方、上記背側起立片a3には、上記軸13に平行な長孔a8を形成するとともに、この長孔a8とボルト孔d4とを一致させて、支持部材aの背側起立片a3の前側から後ろ側に向かってこの発明の操作部材であるボルト14を貫通させる。そして、背側起立片a3の前面に位置するボルト14の頭部14aには、ドライバーを差し込むプラス溝またはマイナス溝を形成している。したがって、ボルト14を当該ヒンジ機構の前面から操作して、それを緩めたり締め付けたりできる。
【0022】
そして、ボルト14を長孔a8に沿って移動することによって、ストッパーdが軸13に沿ってスライドするが、ボルト14を長孔a8の一方の端部に位置させたとき、ストッパー片部d1、d1が図6に示すように逃げ溝b4,b4と食い違い、ボルト14を長孔a8の他方の端部に位置させたとき、ストッパー片部d1、d1が図9に示すように逃げ溝b4,b4と一致するようにしている。
【0023】
そして、ストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と食い違っている状態で、開閉体bのストッパー部b3がストッパー片部d1,d1に当たったときには、当該開閉体bが60度の角度位置に保たれるようにしている。これに対して、ストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と一致しているときには、ストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4に進入し、開閉体bは上記60度以上回動可能になる。ただし、開閉体bのストッパー部b3が、支持部材aの最大角規制部a7に当たった時点でその回動が阻止されるが、このときには、開閉体bが90度の角度に維持されるようにしている。
なお、上記逃げ溝b4,b4及びストッパー片部d1,d1のそれぞれは一対設けたが、それを1つずつ設けるようにしてもよい。要するに、ストッパー片部d1が逃げ溝溝b4と食い違っているときに60度以上の回動を規制し、それらが一致しているときに、60度以上の回動が可能になればよい。
【0024】
一方、第2支持軸2に支持されたリフト部材cは、その両側片c2,c2間に第2作動体4を設けているが、この第2作動体4は上記両側片c2,c2間に掛け渡した1本の軸にローラを回転自在に設けたものである。
なお、符号c3,c3は、上記両側片c2,c2の下側に設けた取付片で、コピー機の蓋である押さえ板Y(図1参照)に固定するものである。つまり、上記両側片c2,c2部分は、押さえ板Y(以下「蓋Y」という)に埋め込んで取付片c3,c3をこの蓋Yに固定するものである。
【0025】
さらに、開閉体bの垂下片b2,b2の内側対向面であるガイド面間には、第1,2スライダー5,6を摺動自在に組み込んでいるが、これら第1,2スライダー5,6間には、圧縮時にばね力を発揮するコイルスプリング7を介在させている。なお、このコイルスプリング7がこの発明のばね部材を構成する。
そして、上記コイルスプリング7のばね力の作用で、上記第1スライダー5は第1支持軸1に圧接し、第2スライダー6は第2作動体4に圧接して、これら第1,2スライダー5,6は、第1支持軸1と第2作動体4との間に組み込まれている。
【0026】
そして、上記第1スライダー5には、図2に示すように、その前面に形成した凸部からなる挟み込み防止部材8を一体成形しているが、この挟み込み防止部材8の両側において当該挟み込み防止部材8と直角にしたカム面9,9を形成している。
そして、上記第1作動体である軸部材3、3は、開閉体bが支持部材aに対して回動する過程で、第1支持軸1を中心に円弧運動をするとともに、0度〜60度の範囲で回動する過程で上記カム面9,9を押して、コイルスプリング7を撓ませながら第1スライダー5を押し、第1スライダー5を第1支持軸1から離間させる。
【0027】
なお、支持部材aと開閉体bとの角度が設定角度以下の範囲、例えばこの実施形態では60度以下の範囲にあるとき、軸部材3,3がカム面9,9に接触し、60度〜90度の範囲では、第1作動体である軸部材3,3はカム面9,9から離なれた状態を保つ構成にしている。
そして、開閉体bが支持部材aに対して90度の位置を保っているときには、上記したように開閉体bのストッパー部b3が支持部材aの最大角規制部a7に当たって、90度以上回動しないようにしている。
【0028】
また、上記のように第1スライダー5がコイルスプリング7に抗して移動することによってコイルスプリング7を撓ませるが、そのときのコイルスプリング7のばね力が、蓋Yを押し上げる力、すなわち蓋Yを開く方向のトルクとして作用する。したがって、例えばコピー機において、蓋Yが閉まった状態からそれを開けるときには、コイルスプリング7のばね力が蓋Yを開ける力に対してアシスト力となる。
反対に、開けた状態の蓋Yを閉めるときには、コイルスプリング7のばね力が、蓋Yの急激な落下を防止するための減衰力として作用する。
【0029】
一方、カム面9,9に第1作動体である軸部材3,3を圧接させた状態において、上記挟み込み防止部材8が軸部材3,3の対向部間に突出する構成にしている。そして、開閉体bと支持部材aとの回動方向における上記挟み込み防止部材8の長さは、開閉体bと支持部材aとが回動する過程で軸部材3,3が接触する第1スライダー5の接触範囲とほぼ等しいか、あるいはそれ以上の長さを保持している。したがって、軸部材3,3と第1スライダー5との相対位置が変化する状況の中で、挟み込み防止部材8は軸部材3,3間に必ず位置することになる。
【0030】
このように第1スライダー5に設けた挟み込み防止部材8が第1作動体である軸部材3,3間に突出しているので、例えば、読み取り対象物であるコピーの原稿が軸部材3,3と第1スライダー5との間に入り込もうとしても、上記挟み込み防止部材8が邪魔になって入り込むことができない。このことは人の指に対しても同じことが言える。
【0031】
第2支持軸2に回動自在に支持されたリフト部材cは、例えば厚い本の所定のページをコピーするときに、開閉体bとは反対方向に回動させるものである。
つまり、厚い本をコピーするために、その本を読み取り装置Xに置くとともに、この状態で蓋Yを閉じる方向に回動すると、蓋Yが上記本に当たるまでは、開閉体bとリフト部材cとが一体になって、第1支持軸1を中心に回動する。
【0032】
そして、蓋Yが上記本に当たると、開閉体bはその回動をとめられて、その位置で停止するが、このように開閉体bが停止した状態でさらに蓋Yを回動すると、今度は、リフト部材cのみが第2支持軸2を中心に回動し、支持部材aとリフト部材cとが、本の厚さ分の間隔を保って平行になるものである。
【0033】
上記第1スライダー5にはばね受け10を設けるとともに、このばね受け10には調整ボルト11の先端を回転自在にはめ合わせている。このようにした調整ボルト11は、第1スライダー5及び挟み込み防止部材8に形成したねじ孔12を介して、挟み込み防止部材8の外方に突出させている。
この調整ボルト11をねじ孔12に対して回転すれば、調整ボルト11がねじ孔12に対して軸方向に移動するとともに、上記ばね受け10を移動してコイルスプリング7を撓ませ、コイルスプリング7の荷重を調整できる。
【0034】
そして、図1は、支持部材aに対する開閉体b及びリフト部材cの開度すなわち蓋Yの開度がほぼ60度に保たれた状態を示している。また、図3は、支持部材aに対する開閉体b及びリフト部材cの開度すなわち蓋Yの開度がほぼ90度に保たれている。
【0035】
上記蓋Yが60度の位置にあるとき、第1,2スライダー5,6が初期位置を保持して、コイルスプリング7は最伸張状態を維持し、そのばね力が最小になる。また、上記60度から90度の範囲では、第1作動体である軸部材3,3が第1スライダー5のカム面9,9から離れる構成にしている。したがって、この状態すなわち60度から90度の範囲では、コイルスプリング7のばね力による蓋Yを開けようとするトルクがゼロになり、60度から90度の範囲では、蓋Yはコイルスプリング7のばね力が作用しないフリー回動範囲にあることになる。
【0036】
なお、コイルスプリング7のばね力が作用しない60度〜90度の範囲は、原稿をコピーする作業のときにはほとんど使用しない。しかし、コピー機の修理時などでは蓋Yを大きくあける必要があり、このときには蓋Yを90度まで開けることがある。
【0037】
そして、蓋Yを60度の開度に保った図1の状態から、それを閉じる方向に回動すると、そのときの状態を相対的に表現すれば、第1作動体である軸部材3,3が第1スライダー5を押して、この第1スライダー5をコイルスプリング7に抗して移動させる。なお、このときには、第2スライダー6は第2作動体4に押し付けられてそれ以上後退しないので、上記のように第1スライダー5が移動すれば、コイルスプリング7が撓んでばね力を発揮する。
また、第1スライダー5がコイルスプリング7に抗して移動すれば、第1支持軸1と第1作動体である軸部材3,3とが第1スライダー5に対してトルクを発揮するためのアーム長さが徐々に短くなる。
【0038】
したがって、コイルスプリング7のばね力と上記トルクを発揮するアーム長さとの相対的な関係の中で、蓋Yを開ける方向のトルクが変化していくが、この第1実施形態におけるトルクは、蓋Yの開度が60度のときに最小で、蓋Yを閉じていくにしたがって、当該トルクが大きくなるとともに、上記開度が10〜15度前後でそのトルクが最大になるように設定されている。
なお、上記トルクは、蓋Yが自らの重さで、急激に閉まらないようにするための減衰力として作用する。
【0039】
そして、上記10〜15度よりも開度が小さくなると、コイルスプリング7の撓み量が大きくなるが、上記したようにトルクを発揮するアーム長さが短くなることと、蓋Yの重さによって決まる閉じ方向のモーメントが総体的に作用して、蓋Yを開ける方向の力が急激に弱くなり、蓋Yが完全に閉まった状態である開度ゼロのときには、コイルスプリング7の撓み量が最大になるが、第1スライダー5にトルクを作用させるための支持軸1と軸部材3,3との上記アーム長さが最小になって、蓋Yを開けようとするトルクは最小になる。
このように蓋を開けようとするトルクが最小の状態では、蓋Yが閉じた状態を維持するとともに、蓋Yの自重で原稿を押さえつけることになる。
【0040】
なお、上記開閉体bの上板b1とリフト部材cの上板c1との間に間隔を保つとともに、これら両上板b1,c1を貫通するピン孔b5,c4を形成している(図6参照)。このピン孔b5,c4には図示していないピンを差し込んで、第1スライダー5をコイルスプリング7のばね力に抗して移動してその移動位置を保持するようにする。つまり、支持部材aと開閉体bとを組み付ける組み付け工程時に、第1スライダー5を一時的に退避させるために上記ピンを差し込み、支持部材aと開閉体bの組み付け作業をやりやすくしている。
上記のようにした構成の最大の特徴は、間隔を保った上板b1,c1を利用した点で、間隔を保った両上板b1,c1にピンを通せば、そのピンが倒れないことに着目したものである。
【0041】
上記のようにした第1実施形態は、通常の使用状態のときに、支持部材aの長孔a8に対してボルト14を一方の位置に保持し、ストッパー片部d1,d1と逃げ溝b4,b4とを食い違わせておく。このようにしておけば、蓋Yが開くときに、コイルスプリング7のばね力がアシスト力として作用して当該蓋Yが勢いよく跳ね上げられたとしても、ストッパーdによって60度以上開くのが阻止される。
したがって、この第1実施形態において、上記60度がこの発明の規制位置であり、ストッパーdのストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と食い違っている位置が、この発明の固定位置となる。ただし、上記規制位置は、必ずしも60度に限定されるものではなく、必要に応じて任意に定めればよいものである。
【0042】
また、上記規制位置以上に蓋Yを開きたいときには、支持部材aの前方からボルト14の頭部14aに形成した溝にドライバーなどを差し込んで、ボルト14を緩めるとともに、その状態でドライバーごとボルト14を長孔a8の他方の位置に移動させれば、それにともなってストッパーdも軸13に沿って移動し、ストッパー片部d1,d1を逃げ溝b4,b4と一致させることができる。
【0043】
上記の状態では、開閉体bは、90度の範囲まで自由に回動するが、ストッパー部b3が最大角規制部a7に当たるので、開閉体bは90度以上開かない。
そして、上記ストッパーdのストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と一致している位置がこの発明の移動可能位置になる。
いずれにしても、この第1実施形態によれば、支持部材aの前方からボルト14を操作できるので、その操作性が極めてよいものとなる。
なお、上記第1実施形態では、一対の逃げ溝b4,b4とストッパー片部d1,d1とを設けたが、それらは最小限一つずつ備わっていればよい。
【0044】
図11〜図13に示した第2実施形態は、ストッパーdとストッパー部b3との対応関係は第1実施形態と同じである。ただし、この第2実施形態において、ストッパーdに形成した軸孔d3に第1支持軸1を貫通させ、ストッパーdがこの第1支持軸1に沿ってスライドする構成にした点が、第1実施形態と異なる点である。
上記以外の構成は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同じ構成及び作用に関しては、詳細な説明は省略する。
【0045】
図14〜図16に示した第3実施形態は、ストッパーdに引っ掛け部d5を形成し、この引っ掛け部d5を支持部材aの背側起立片a3の上辺にスライド可能に引っ掛けるようにしたものである。その他の構成は第1実施形態と同じであり、したがって、第1実施形態において、第1実施形態と同じ構成及び作用に関しては、詳細な説明は省略する。
【0046】
図17〜図19に示した第4実施形態は、ストッパーdにストッパー片部d1,d1を設けるとともに、これらの間に板部d2を設けた点は第1実施形態と同じであるが、この第4実施形態は、次の点で第1実施形態と相違する。すなわち、上記ストッパー片部d1,d1の下部に軸孔d6,d6を形成するとともに、支持部材aの支持片a6,a6間に掛け渡した軸15を上記軸孔d6,d6を通して、ストッパーdを回動自在に支持している。そして、第1実施形態と同じにしたボルト14を板部d2に形成したボルト孔d4に挿入するとともに、このボルト14を緩めることによって、上記ストッパー片部d1,d1を図18に示すようにストッパー部b3の回動範囲外に退避させることができる構成にしている。また、ボルト14を締め付けることによって、図17に示すように、ストッパー部b3の回動範囲内に保って、開閉体bが60度以上開かないようにできる構成にしている。
【0047】
したがって、この第4実施形態において、ストッパー片部d1,d1がストッパー部b3の回動範囲外に退避した位置がこの発明の移動可能位置であり、ストッパー片部d1,d1がストッパー部b3の回動範囲内にある位置がこの発明の固定位置となる。
なお、図17、図18中符号14bはボルト14の先端に設けた抜止めワッシャーである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
コピー機の読み取り装置と蓋とを連結するヒンジ機構として最適である。
【符号の説明】
【0049】
a 支持部材
a3 背側起立片
b 開閉体
b3 ストッパー部
b4 逃げ溝
d ストッパー
1 支持軸
7 ばね部材であるコイルスプリング
14 ボルト
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばコピー機などの読み取り装置と蓋とを連結するヒンジ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コピー機の蓋は、それが90度まで開いてしまうと、それが大きく開きすぎて、コピー操作のときの操作性が悪くなるとともに、車椅子を利用している人などは、蓋に手が届かなくなるなどの問題が発生する。
【0003】
また、コピー機の場合に、蓋が60度程度の範囲まではばね力を作用させているが、そのばね力は、蓋を開けるときにはアシスト力として、また、蓋を閉めるときにはそれが急激にしまるのを防止する減衰力として機能させている。
そして、60度〜90度の範囲では、上記ばね力を開放してフリーな回動範囲としているが、これはコピー機を修理するなどの特殊な場合に対応できるようにするためである。
【0004】
いずれにしても、コピー機では、蓋が0度〜60度の範囲にあるときに上記ばね力を作用させ、60度〜90度の範囲では上記ばね力が開放される構成にしているが、もし、蓋を勢いよく開けると、上記ばね力の作用で蓋が90度の範囲まで一気に開いてしまうことがある。このときには、蓋の慣性力が大きいので、ヒンジ機構を損傷したり、ひどいときには読み取り装置自体を傾けてしまったりする。
【0005】
また、蓋を90度まで大きく開けた状態で修理などをしているときに、蓋にそれを閉める方向の力が作用すると、ばね力が作用していない上記60度の位置までに回動するが、そのときの勢いで、蓋が一気に閉まってしまうこともある。このようなときに、もし、読取装置と蓋との間に頭などを突っ込んでいると、怪我をするなどの問題があった。
このようなことを考慮して、例えば、コピー機の蓋には、ある一定の開度以上開かないようにするためのストッパーを設けるのが通常である。
【0006】
そして、従来から知られているヒンジ機構は、その後方にストッパーを設けるとともに、このヒンジ機構の後ろ側に設けたストッパーを後ろからからねじ止めしていた。そのために、ストッパーを解除するときには、後ろ側に回り込んでねじを緩めてそれを外さなければならなかった。
なお、従来技術について特許公報を調査したが関連するものが見つからなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
メンテナンスなどの目的で、ストッパーを解除しなければならないことがあったが、従来は、ストッパー自体をヒンジ機構の後ろ側に設けるとともに、それを後ろからからねじ止めしていたので、ストッパーを解除するときには、後ろ側に回り込んでねじを緩めるとともに、その後ろ側にあるストッパーを取り外さなければならなかった。このように後ろからしかストッパーを解除できなかったので、その操作性が悪いという問題があった。特に、コピーなどは壁側に沿っておかれることが多いので、後ろからしか操作できないということは、その操作性が一層悪くなるという問題があった。
この発明の目的は、前方から操作が可能なストッパーを備えたヒンジ機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、読み取り対象物を押さえる押さえ板側に固定する開閉体と、この開閉体と支持軸を介して回動自在に連結されるとともに読み取り装置側に固定する支持部材とを設け、上記開閉体と支持部材との間にばね部材を介在させ、このばね部材のばね力の作用で、上記開閉体に対して開く方向の力を作用させる構成にしたヒンジ機構に関する。
【0009】
そして、第1の発明は、上記開閉体に、その開閉体の開方向の回動を規制する位置において上記支持軸よりも後方に突出するストッパー部を設け、上記支持部材の背側起立片の背面には移動可能にしたストッパーを設けるとともに、上記支持部材の背側起立片の前側から後ろ側に貫通させた操作部材を設け、この操作部材で上記ストッパーを固定位置に保持したり移動可能位置に保持したりする構成にし、上記固定位置にあるストッパーに上記ストッパー部が当接したとき上記開閉体が規制位置以上に回動するのを阻止する一方、上記支持部材の背側起立片の前側から操作部材を操作してストッパーを上記移動可能位置に保持した時、上記ストッパーが上記規制位置から退避可能にした点に特徴を有する。
【0010】
第2の発明は、上記ストッパー部には逃げ溝を設ける一方、上記ストッパーは、上記逃げ溝に対応する移動可能位置と、上記逃げ溝と食い違う固定位置との間でスライド可能にするとともに、上記操作部材を介して上記ストッパーをスライドさせる構成にした点に特徴を有する。
【0011】
第3の発明は、上記支持部材の背側起立片の背面に、上記ストッパー部と接触する位置からストッパー部と接触しない位置の範囲で回動可能にした上記ストッパーを設け、その回動位置に応じて上記移動可能位置と固定位置とを保持する一方、上記操作部材を介してストッパーを移動可能位置と固定位置とに回動させる構成にした点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、ヒンジ機構の前方からストッパーの位置を制御できるので、従来のようにヒンジ機構の後ろ側から操作するものに比べて操作性がよい。
また、上記ストッパーは、支持部材の背側起立片に移動可能に設けているので、ストッパーの位置調整をするときに、それを取り外す必要がなく、その分、操作性が良くなる。
【0013】
第2,3の発明によれば、ストッパーをスライドさせたり、回動させたりして、その位置調整ができるので、さらに操作性がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を60度に保った状態の断面図である。
【図2】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を60度に保った状態の正面図である。
【図3】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を90度に保った状態の断面図である。
【図4】第1実施形態の支持部材と開閉体との角度を90度に保った状態の正面図である。
【図5】第1実施形態の支持部材の斜視図である。
【図6】第1実施形態を示すもので60度の角度を保った後ろ側からの見た状態の斜視図である。
【図7】第1実施形態の60度の角度を保った状態の背面図である。
【図8】第1実施形態を示すもので90度の角度を保った状態の後ろ側から見た斜視図である。
【図9】第1実施形態の90度の角度を保った状態の背面図である。
【図10】第1実施形態のストッパーの斜視図である。
【図11】第2実施形態を示すもので60度の角度を保った状態の後ろ側から見た斜視図である。
【図12】第2実施形態の60度の角度を保った部分段面図である。
【図13】第2実施形態のストッパーの斜視図である。
【図14】第3実施形態を示すもので、60度の角度を保った状態の後ろ側から見た斜視図である。
【図15】第3実施形態の60度の角度を保った部分段面図である。
【図16】第3実施形態のストッパーの斜視図である。
【図17】第4実施形態の支持部材と開閉体との角度を60度に保った状態の断面図である。
【図18】第4実施形態の支持部材と開閉体との角度を90度に保った状態の断面図である。
【図19】第4実施形態のストッパーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜図10に示した第1実施形態はコピー機に用いるヒンジ機構で、このヒンジ機構は、コピー機の読み取り装置X側に固定する支持部材aと、第1支持軸1を介して上記支持部材aと回動自在に支持された開閉体bと、第2支持軸2を介して上記開閉体bと回動自在に支持されたリフト部材cとからなる。
【0016】
上記支持部材aは、上記コピー機の読み取り装置X側に固定する平板部a1の両側に両側起立片a2,a2を設けるとともに、これら両側起立片a2,a2間に背側起立片a3を設けている(図5参照)。
上記両側起立片a2,a2の後方延長上に支持片a6,a6を設けているが、この支持片a6,a6は背面起立片a3よりもさらに後方に突出させている。そして、この支持片a6,a6の上端には段部を形成し、この段部を最大角規制部a7としている。
なお、上記平板部a1には、当該支持部材aを上記読み取り装置Xに固定するためのボルト穴a4を形成するとともに、上記両側片a2,a2には軸孔a5,a5を形成し,この軸孔a5,a5に上記第1支持軸1が支持される構成にしている。
【0017】
また、上記軸孔a5,a5よりもやや前方下側には、第1作動体としての一対の軸部材3,3を設けるとともに、図5からも明らかなように、これら軸部材3,3は互いの軸中心線を一致させている。そして、これら軸部材3,3の先端は間隔を保持して互いに対向させている。
【0018】
さらに、軸孔a5,a5間に支持された第1支持軸1には開閉体bが回動自在に支持されるが、この開閉体bはその上板b1の両側に垂下片b2、b2を形成するとともに、上記第1支持軸1はこれら垂下片b2,b2を貫通して、上記軸孔a5,a5に支持されている。
そして、上記開閉体bの上板b1であって、第1支持軸1側の端部を、この第1支持軸1よりもさらに後方に突出させ、この突出部をストッパー部b3とするとともに、このストッパー部b3には一対の逃げ溝b4,b4を平行に形成している。
【0019】
また、上記垂下片b2,b2であって、第1支持軸1で支持された側とは反対側に第2支持軸2を掛け渡しているが、図8に示すように、この第2支持軸2の両端を垂下片b2,b2から突出させるとともに、その突出端にリフト部材cを回動自在に連結している。つまり、リフト部材cは上記開閉体bを覆う形状にし、上板c1の両側から垂下させた両側片c2,c2を、開閉体bの垂下片b2,b2の外側に沿わせるとともに、この両側片c2,c2に第2支持軸2の先端を貫通させて、このリフト部材cを回動自在に支持している。このようにした開閉体bとリフト部材cとは、第1,2支持軸1,2を中心にして互いに反対方向に回動するものである。
【0020】
そして、上記支持部材aに設けた支持片a6,a6間には、軸13を掛け渡すとともに、この軸13にはストッパーdを、その軸方向にスライド可能に設けている。すなわち、ストッパーdは、図10に示すように、一対のストッパー片部d1,d1とこのストッパー片部d1、d1間に設けた板部d2とからなる。そして、ストッパー片部d1,d1には、上記軸13が貫通する軸孔d3,d3を形成し、上記板部d2にはこの発明の操作部材であるボルト14を貫通させるボルト孔d4を形成している。
【0021】
上記のようにしたストッパーdは、その板部d2を支持部材aの背側起立片a3の背面に沿わせるようにして軸13にスライド可能に取り付ける。
一方、上記背側起立片a3には、上記軸13に平行な長孔a8を形成するとともに、この長孔a8とボルト孔d4とを一致させて、支持部材aの背側起立片a3の前側から後ろ側に向かってこの発明の操作部材であるボルト14を貫通させる。そして、背側起立片a3の前面に位置するボルト14の頭部14aには、ドライバーを差し込むプラス溝またはマイナス溝を形成している。したがって、ボルト14を当該ヒンジ機構の前面から操作して、それを緩めたり締め付けたりできる。
【0022】
そして、ボルト14を長孔a8に沿って移動することによって、ストッパーdが軸13に沿ってスライドするが、ボルト14を長孔a8の一方の端部に位置させたとき、ストッパー片部d1、d1が図6に示すように逃げ溝b4,b4と食い違い、ボルト14を長孔a8の他方の端部に位置させたとき、ストッパー片部d1、d1が図9に示すように逃げ溝b4,b4と一致するようにしている。
【0023】
そして、ストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と食い違っている状態で、開閉体bのストッパー部b3がストッパー片部d1,d1に当たったときには、当該開閉体bが60度の角度位置に保たれるようにしている。これに対して、ストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と一致しているときには、ストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4に進入し、開閉体bは上記60度以上回動可能になる。ただし、開閉体bのストッパー部b3が、支持部材aの最大角規制部a7に当たった時点でその回動が阻止されるが、このときには、開閉体bが90度の角度に維持されるようにしている。
なお、上記逃げ溝b4,b4及びストッパー片部d1,d1のそれぞれは一対設けたが、それを1つずつ設けるようにしてもよい。要するに、ストッパー片部d1が逃げ溝溝b4と食い違っているときに60度以上の回動を規制し、それらが一致しているときに、60度以上の回動が可能になればよい。
【0024】
一方、第2支持軸2に支持されたリフト部材cは、その両側片c2,c2間に第2作動体4を設けているが、この第2作動体4は上記両側片c2,c2間に掛け渡した1本の軸にローラを回転自在に設けたものである。
なお、符号c3,c3は、上記両側片c2,c2の下側に設けた取付片で、コピー機の蓋である押さえ板Y(図1参照)に固定するものである。つまり、上記両側片c2,c2部分は、押さえ板Y(以下「蓋Y」という)に埋め込んで取付片c3,c3をこの蓋Yに固定するものである。
【0025】
さらに、開閉体bの垂下片b2,b2の内側対向面であるガイド面間には、第1,2スライダー5,6を摺動自在に組み込んでいるが、これら第1,2スライダー5,6間には、圧縮時にばね力を発揮するコイルスプリング7を介在させている。なお、このコイルスプリング7がこの発明のばね部材を構成する。
そして、上記コイルスプリング7のばね力の作用で、上記第1スライダー5は第1支持軸1に圧接し、第2スライダー6は第2作動体4に圧接して、これら第1,2スライダー5,6は、第1支持軸1と第2作動体4との間に組み込まれている。
【0026】
そして、上記第1スライダー5には、図2に示すように、その前面に形成した凸部からなる挟み込み防止部材8を一体成形しているが、この挟み込み防止部材8の両側において当該挟み込み防止部材8と直角にしたカム面9,9を形成している。
そして、上記第1作動体である軸部材3、3は、開閉体bが支持部材aに対して回動する過程で、第1支持軸1を中心に円弧運動をするとともに、0度〜60度の範囲で回動する過程で上記カム面9,9を押して、コイルスプリング7を撓ませながら第1スライダー5を押し、第1スライダー5を第1支持軸1から離間させる。
【0027】
なお、支持部材aと開閉体bとの角度が設定角度以下の範囲、例えばこの実施形態では60度以下の範囲にあるとき、軸部材3,3がカム面9,9に接触し、60度〜90度の範囲では、第1作動体である軸部材3,3はカム面9,9から離なれた状態を保つ構成にしている。
そして、開閉体bが支持部材aに対して90度の位置を保っているときには、上記したように開閉体bのストッパー部b3が支持部材aの最大角規制部a7に当たって、90度以上回動しないようにしている。
【0028】
また、上記のように第1スライダー5がコイルスプリング7に抗して移動することによってコイルスプリング7を撓ませるが、そのときのコイルスプリング7のばね力が、蓋Yを押し上げる力、すなわち蓋Yを開く方向のトルクとして作用する。したがって、例えばコピー機において、蓋Yが閉まった状態からそれを開けるときには、コイルスプリング7のばね力が蓋Yを開ける力に対してアシスト力となる。
反対に、開けた状態の蓋Yを閉めるときには、コイルスプリング7のばね力が、蓋Yの急激な落下を防止するための減衰力として作用する。
【0029】
一方、カム面9,9に第1作動体である軸部材3,3を圧接させた状態において、上記挟み込み防止部材8が軸部材3,3の対向部間に突出する構成にしている。そして、開閉体bと支持部材aとの回動方向における上記挟み込み防止部材8の長さは、開閉体bと支持部材aとが回動する過程で軸部材3,3が接触する第1スライダー5の接触範囲とほぼ等しいか、あるいはそれ以上の長さを保持している。したがって、軸部材3,3と第1スライダー5との相対位置が変化する状況の中で、挟み込み防止部材8は軸部材3,3間に必ず位置することになる。
【0030】
このように第1スライダー5に設けた挟み込み防止部材8が第1作動体である軸部材3,3間に突出しているので、例えば、読み取り対象物であるコピーの原稿が軸部材3,3と第1スライダー5との間に入り込もうとしても、上記挟み込み防止部材8が邪魔になって入り込むことができない。このことは人の指に対しても同じことが言える。
【0031】
第2支持軸2に回動自在に支持されたリフト部材cは、例えば厚い本の所定のページをコピーするときに、開閉体bとは反対方向に回動させるものである。
つまり、厚い本をコピーするために、その本を読み取り装置Xに置くとともに、この状態で蓋Yを閉じる方向に回動すると、蓋Yが上記本に当たるまでは、開閉体bとリフト部材cとが一体になって、第1支持軸1を中心に回動する。
【0032】
そして、蓋Yが上記本に当たると、開閉体bはその回動をとめられて、その位置で停止するが、このように開閉体bが停止した状態でさらに蓋Yを回動すると、今度は、リフト部材cのみが第2支持軸2を中心に回動し、支持部材aとリフト部材cとが、本の厚さ分の間隔を保って平行になるものである。
【0033】
上記第1スライダー5にはばね受け10を設けるとともに、このばね受け10には調整ボルト11の先端を回転自在にはめ合わせている。このようにした調整ボルト11は、第1スライダー5及び挟み込み防止部材8に形成したねじ孔12を介して、挟み込み防止部材8の外方に突出させている。
この調整ボルト11をねじ孔12に対して回転すれば、調整ボルト11がねじ孔12に対して軸方向に移動するとともに、上記ばね受け10を移動してコイルスプリング7を撓ませ、コイルスプリング7の荷重を調整できる。
【0034】
そして、図1は、支持部材aに対する開閉体b及びリフト部材cの開度すなわち蓋Yの開度がほぼ60度に保たれた状態を示している。また、図3は、支持部材aに対する開閉体b及びリフト部材cの開度すなわち蓋Yの開度がほぼ90度に保たれている。
【0035】
上記蓋Yが60度の位置にあるとき、第1,2スライダー5,6が初期位置を保持して、コイルスプリング7は最伸張状態を維持し、そのばね力が最小になる。また、上記60度から90度の範囲では、第1作動体である軸部材3,3が第1スライダー5のカム面9,9から離れる構成にしている。したがって、この状態すなわち60度から90度の範囲では、コイルスプリング7のばね力による蓋Yを開けようとするトルクがゼロになり、60度から90度の範囲では、蓋Yはコイルスプリング7のばね力が作用しないフリー回動範囲にあることになる。
【0036】
なお、コイルスプリング7のばね力が作用しない60度〜90度の範囲は、原稿をコピーする作業のときにはほとんど使用しない。しかし、コピー機の修理時などでは蓋Yを大きくあける必要があり、このときには蓋Yを90度まで開けることがある。
【0037】
そして、蓋Yを60度の開度に保った図1の状態から、それを閉じる方向に回動すると、そのときの状態を相対的に表現すれば、第1作動体である軸部材3,3が第1スライダー5を押して、この第1スライダー5をコイルスプリング7に抗して移動させる。なお、このときには、第2スライダー6は第2作動体4に押し付けられてそれ以上後退しないので、上記のように第1スライダー5が移動すれば、コイルスプリング7が撓んでばね力を発揮する。
また、第1スライダー5がコイルスプリング7に抗して移動すれば、第1支持軸1と第1作動体である軸部材3,3とが第1スライダー5に対してトルクを発揮するためのアーム長さが徐々に短くなる。
【0038】
したがって、コイルスプリング7のばね力と上記トルクを発揮するアーム長さとの相対的な関係の中で、蓋Yを開ける方向のトルクが変化していくが、この第1実施形態におけるトルクは、蓋Yの開度が60度のときに最小で、蓋Yを閉じていくにしたがって、当該トルクが大きくなるとともに、上記開度が10〜15度前後でそのトルクが最大になるように設定されている。
なお、上記トルクは、蓋Yが自らの重さで、急激に閉まらないようにするための減衰力として作用する。
【0039】
そして、上記10〜15度よりも開度が小さくなると、コイルスプリング7の撓み量が大きくなるが、上記したようにトルクを発揮するアーム長さが短くなることと、蓋Yの重さによって決まる閉じ方向のモーメントが総体的に作用して、蓋Yを開ける方向の力が急激に弱くなり、蓋Yが完全に閉まった状態である開度ゼロのときには、コイルスプリング7の撓み量が最大になるが、第1スライダー5にトルクを作用させるための支持軸1と軸部材3,3との上記アーム長さが最小になって、蓋Yを開けようとするトルクは最小になる。
このように蓋を開けようとするトルクが最小の状態では、蓋Yが閉じた状態を維持するとともに、蓋Yの自重で原稿を押さえつけることになる。
【0040】
なお、上記開閉体bの上板b1とリフト部材cの上板c1との間に間隔を保つとともに、これら両上板b1,c1を貫通するピン孔b5,c4を形成している(図6参照)。このピン孔b5,c4には図示していないピンを差し込んで、第1スライダー5をコイルスプリング7のばね力に抗して移動してその移動位置を保持するようにする。つまり、支持部材aと開閉体bとを組み付ける組み付け工程時に、第1スライダー5を一時的に退避させるために上記ピンを差し込み、支持部材aと開閉体bの組み付け作業をやりやすくしている。
上記のようにした構成の最大の特徴は、間隔を保った上板b1,c1を利用した点で、間隔を保った両上板b1,c1にピンを通せば、そのピンが倒れないことに着目したものである。
【0041】
上記のようにした第1実施形態は、通常の使用状態のときに、支持部材aの長孔a8に対してボルト14を一方の位置に保持し、ストッパー片部d1,d1と逃げ溝b4,b4とを食い違わせておく。このようにしておけば、蓋Yが開くときに、コイルスプリング7のばね力がアシスト力として作用して当該蓋Yが勢いよく跳ね上げられたとしても、ストッパーdによって60度以上開くのが阻止される。
したがって、この第1実施形態において、上記60度がこの発明の規制位置であり、ストッパーdのストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と食い違っている位置が、この発明の固定位置となる。ただし、上記規制位置は、必ずしも60度に限定されるものではなく、必要に応じて任意に定めればよいものである。
【0042】
また、上記規制位置以上に蓋Yを開きたいときには、支持部材aの前方からボルト14の頭部14aに形成した溝にドライバーなどを差し込んで、ボルト14を緩めるとともに、その状態でドライバーごとボルト14を長孔a8の他方の位置に移動させれば、それにともなってストッパーdも軸13に沿って移動し、ストッパー片部d1,d1を逃げ溝b4,b4と一致させることができる。
【0043】
上記の状態では、開閉体bは、90度の範囲まで自由に回動するが、ストッパー部b3が最大角規制部a7に当たるので、開閉体bは90度以上開かない。
そして、上記ストッパーdのストッパー片部d1,d1が逃げ溝b4,b4と一致している位置がこの発明の移動可能位置になる。
いずれにしても、この第1実施形態によれば、支持部材aの前方からボルト14を操作できるので、その操作性が極めてよいものとなる。
なお、上記第1実施形態では、一対の逃げ溝b4,b4とストッパー片部d1,d1とを設けたが、それらは最小限一つずつ備わっていればよい。
【0044】
図11〜図13に示した第2実施形態は、ストッパーdとストッパー部b3との対応関係は第1実施形態と同じである。ただし、この第2実施形態において、ストッパーdに形成した軸孔d3に第1支持軸1を貫通させ、ストッパーdがこの第1支持軸1に沿ってスライドする構成にした点が、第1実施形態と異なる点である。
上記以外の構成は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同じ構成及び作用に関しては、詳細な説明は省略する。
【0045】
図14〜図16に示した第3実施形態は、ストッパーdに引っ掛け部d5を形成し、この引っ掛け部d5を支持部材aの背側起立片a3の上辺にスライド可能に引っ掛けるようにしたものである。その他の構成は第1実施形態と同じであり、したがって、第1実施形態において、第1実施形態と同じ構成及び作用に関しては、詳細な説明は省略する。
【0046】
図17〜図19に示した第4実施形態は、ストッパーdにストッパー片部d1,d1を設けるとともに、これらの間に板部d2を設けた点は第1実施形態と同じであるが、この第4実施形態は、次の点で第1実施形態と相違する。すなわち、上記ストッパー片部d1,d1の下部に軸孔d6,d6を形成するとともに、支持部材aの支持片a6,a6間に掛け渡した軸15を上記軸孔d6,d6を通して、ストッパーdを回動自在に支持している。そして、第1実施形態と同じにしたボルト14を板部d2に形成したボルト孔d4に挿入するとともに、このボルト14を緩めることによって、上記ストッパー片部d1,d1を図18に示すようにストッパー部b3の回動範囲外に退避させることができる構成にしている。また、ボルト14を締め付けることによって、図17に示すように、ストッパー部b3の回動範囲内に保って、開閉体bが60度以上開かないようにできる構成にしている。
【0047】
したがって、この第4実施形態において、ストッパー片部d1,d1がストッパー部b3の回動範囲外に退避した位置がこの発明の移動可能位置であり、ストッパー片部d1,d1がストッパー部b3の回動範囲内にある位置がこの発明の固定位置となる。
なお、図17、図18中符号14bはボルト14の先端に設けた抜止めワッシャーである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
コピー機の読み取り装置と蓋とを連結するヒンジ機構として最適である。
【符号の説明】
【0049】
a 支持部材
a3 背側起立片
b 開閉体
b3 ストッパー部
b4 逃げ溝
d ストッパー
1 支持軸
7 ばね部材であるコイルスプリング
14 ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取り対象物を押さえる押さえ板側に固定する開閉体と、この開閉体と支持軸を介して回動自在に連結されるとともに読み取り装置側に固定する支持部材とを設け、上記開閉体と支持部材との間にばね部材を介在させ、このばね部材のばね力の作用で、上記開閉体に対して開く方向の力を作用させる構成にしたヒンジ機構において、上記開閉体には、その開閉体の開方向の回動を規制する位置において上記支持軸よりも後方に突出するストッパー部を設け、上記支持部材の背側起立片の背面には移動可能にしたストッパーを設けるとともに、上記支持部材の背側起立片の前側から後ろ側に貫通させた操作部材を設け、この操作部材で上記ストッパーを固定位置に保持したり移動可能位置に保持したりする構成にし、上記固定位置にあるストッパーに上記ストッパー部が当接したとき上記開閉体が規制位置以上に回動するのを阻止する一方、上記支持部材の背側起立片の前側から操作部材を操作してストッパーを上記移動可能位置に保持したとき、上記ストッパーが上記規制位置から退避可能にしたヒンジ機構。
【請求項2】
上記ストッパー部には逃げ溝を設ける一方、上記ストッパーは、上記逃げ溝に対応する移動可能位置と、上記逃げ溝と食い違う固定位置との間でスライド可能にするとともに、
上記操作部材を介して上記ストッパーをスライドさせる構成にした請求項1記載のヒンジ機構。
【請求項3】
上記支持部材の背側起立片の背面に、上記ストッパー部と接触する位置からストッパー部と接触しない位置の範囲で回動可能にした上記ストッパーを設け、その回動位置に応じて上記移動可能位置と固定位置とを保持する一方、上記操作部材を介してストッパーを移動可能位置と固定位置とに回動させる構成にした請求項1記載のヒンジ機構。
【請求項1】
読み取り対象物を押さえる押さえ板側に固定する開閉体と、この開閉体と支持軸を介して回動自在に連結されるとともに読み取り装置側に固定する支持部材とを設け、上記開閉体と支持部材との間にばね部材を介在させ、このばね部材のばね力の作用で、上記開閉体に対して開く方向の力を作用させる構成にしたヒンジ機構において、上記開閉体には、その開閉体の開方向の回動を規制する位置において上記支持軸よりも後方に突出するストッパー部を設け、上記支持部材の背側起立片の背面には移動可能にしたストッパーを設けるとともに、上記支持部材の背側起立片の前側から後ろ側に貫通させた操作部材を設け、この操作部材で上記ストッパーを固定位置に保持したり移動可能位置に保持したりする構成にし、上記固定位置にあるストッパーに上記ストッパー部が当接したとき上記開閉体が規制位置以上に回動するのを阻止する一方、上記支持部材の背側起立片の前側から操作部材を操作してストッパーを上記移動可能位置に保持したとき、上記ストッパーが上記規制位置から退避可能にしたヒンジ機構。
【請求項2】
上記ストッパー部には逃げ溝を設ける一方、上記ストッパーは、上記逃げ溝に対応する移動可能位置と、上記逃げ溝と食い違う固定位置との間でスライド可能にするとともに、
上記操作部材を介して上記ストッパーをスライドさせる構成にした請求項1記載のヒンジ機構。
【請求項3】
上記支持部材の背側起立片の背面に、上記ストッパー部と接触する位置からストッパー部と接触しない位置の範囲で回動可能にした上記ストッパーを設け、その回動位置に応じて上記移動可能位置と固定位置とを保持する一方、上記操作部材を介してストッパーを移動可能位置と固定位置とに回動させる構成にした請求項1記載のヒンジ機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−237323(P2012−237323A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104732(P2011−104732)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000110206)トックベアリング株式会社 (83)
【出願人】(398041155)キヨタ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000110206)トックベアリング株式会社 (83)
【出願人】(398041155)キヨタ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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