説明

ヒートシール可能であり容易に開封できる包装用のエチレン/酢酸ビニル共重合体の組成物

エチレン/酢酸ビニル共重合体、粘着付与樹脂および場合によりポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)を含む組成物であって、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフルオロポリマーへの、容易に剥離可能な開封特性を備えた強固な気密ヒートシールを提供する組成物が開示される。また、これらの組成物を含む多層構造体およびパッケージも開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2004年1月29日出願の米国仮特許出願第60/540,216号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、エチレン/酢酸ビニル共重合体、粘着付与樹脂および場合によりポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)を含む組成物であって、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフルオロポリマーへの、容易に剥離可能な開封特性を備えた強固な気密ヒートシールを提供する組成物に関する。これらの組成物は、他の基材への積層だけでなく、押出コーティング、キャストおよびブローンフィルム・プロセスで有用であろう。
【0003】
本発明はまた、これらの組成物を含む多層構造体およびパッケージにも関する。
【背景技術】
【0004】
包装業界は、様々な熱可塑性樹脂および組成物から製造された多種多様なフィルムおよび容器を食品および非食品を包装するために使用している。これらのパッケージは、消費者が該製品をいつでも使用できるまで、その中に含有された製品の十分な保護(例えば、機械的損傷からの保護、空気または水分に対するバリアなど)を提供しなければならない。消費者が、適切な時に製品へ容易にアクセスできるようにパッケージがデザインされていることもまた望ましい。
【0005】
包装に使用される材料には、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フルオロポリマーが含まれる。PCTFEに特有の利点は、包装された製品のより長い貯蔵寿命を可能にする、その高い水分および酸素バリア性である。クロロトリフルオロエチレンの重合から誘導された多数のホモポリマーおよび共重合体がHoneywell,Inc.(Morristown,NJ)から商品名Aclar(登録商標)で商業的に入手可能である。それらの固有の特性のためにPCTFEのようなフルオロポリマーへの良好な接着性を提供する組成物を見いだすことは一般に困難である。
【0006】
典型的にはPCTFE層はポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレンテレフタレート(PET)の第2層に直接接着されて、パッケージに成形することができる構造体を生み出す。PVCまたはPETは、PVCおよびPETが多くのヒートシール可能な材料への高い親和性を有するので、シール面として典型的に使用される。PVCまたはPETはまた、それらがPCTFEよりもはるかに安価であるので、構造体に嵩高さも提供する。両材料とも高い清澄性および成形性を提供する。しかしながら、PVCおよびPETは、シール面として使用された場合に不十分な酸素および水分バリア性を有する。バリアトップ・シーラントウェブがPVCまたはPETにヒートシールされた場合、PCTFEのバリア性を十分に実現することができない。酸素および水分は、ヒートシール可能な蓋材料とPCTFEとの間のPVCまたはPETを透過し、短縮された貯蔵寿命につながる。
【0007】
PCTFEに接合する既存のシーラント・システムには、とりわけ、スチレン・ブタジエンまたは非晶質ポリエステルをベースとする溶剤希釈型システムが含まれる。シーラントは、ローラーまたはグラビア・システムによってキャリアウェブ(例えば1ミル厚さの箔)へ付けられ、溶剤を除去して残留溶剤の量を少なく保つために高温での乾燥を必要とする。このやり方で生み出されるヒートシール・コーティングは一般に非常に薄く、溶剤システムに可溶である原料に限定される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フルオロポリマーへの広範囲のシール強度の剥離可能な密封したシールを提供するヒートシール可能な材料を提供することである。
【0009】
従って、本発明は、ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための
(a)約10〜約90重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約35重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)0〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン、および
(d)0〜約30重量%のフィラー
を含む組成物の使用を提供する。
【0010】
本発明はまた、ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための上記のエチレン/酢酸ビニル−粘着付与剤組成物の少なくとも1つの層と、箔、紙、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン・ビニルアルコール、ポリエチレン酢酸ビニル、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体およびそのアイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンならびに酸無水物変性ポリオレフィンよりなる群から選択された材料を含む少なくとも1つの追加の層とを含む多層構造体の使用も提供する。
【0011】
本発明はまた、上記の組成物およびポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーを含むパッケージも提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で用いるところでは、用語「本質的に〜よりなる」は、名が挙げられた原料は必須であるが、本発明の利点が実現されることを妨げない他の原料もまた含まれ得ることを意味する。
【0013】
本明細書に開示されるすべての参考文献は参照により援用される。
【0014】
「共重合体」は、2種以上の異なるモノマーを含有するポリマーを意味する。用語「二元重合体」および「三元重合体」は、それぞれ、2種および3種のみの異なるモノマーを含有するポリマーを意味する。語句「様々なモノマーの共重合体」は、その単位が様々なモノマーに由来する共重合体を意味する。
【0015】
熱可塑性組成物は、圧力下に加熱された時に流れることができるポリマー材料である。メルトインデックス(MI)は、温度および圧力の制御された条件下に規定のキャピラリを通るポリマーの流れの質量速度である。本明細書に報告されるメルトインデックスは、ASTM(米国材料試験協会)1238に従って2,160g重量を用いて190℃で測定され、MIの値はグラム/10分の単位で報告される。本明細書に記載される熱可塑性組成物は、押出加工によってフィルムおよび多層構造体の製造に好適である。
【0016】
用語「箔」は、本明細書で用いるところでは、金属、特にアルミニウムの薄い柔軟なフィルムまたはシートを意味する。それはまた、多層構造体の少なくとも1つの外面層がアルミニウムの層であるという条件で、アルミニウムの少なくとも1つの層が他の材料の追加の層に接着されている多層構造体も意味する。
【0017】
剥離可能なヒートシールは、シール−シールまたはシール−差別化基材を剥離する時に3つの異なる破壊モードを有するように一般にデザインすることができる。破壊は、様々な角度の剥離での応力およびスピードの下で互いに剥離する時に界面破壊、層間剥離破壊または凝集破壊であり得る。界面シールは、選択されたシール面のヒートシール界面で破壊するようにデザインされる(すなわちシーラント層は基材層からきれいに剥離する)。ほとんどのケースでは、シール強度は温度、圧力および保圧時間によって決定される。きれいに剥離しないシールは、シールまたは蓋の断片でパッケージの中身を汚染し得る。界面隔離可能なシールがかかる汚染を防ぐために望ましい。層間剥離ヒートシールは、多層フィルム構造体の内部界面で破壊するようにデザインされる。このデザインされた破壊界面は、フィルム構造体中の実際のヒートシール層のどこか裏側の選ばれた層中にある。厚さおよび選ばれた内部層界面への接着性が剥離中のシールの強度を決定するであろう。このケースでは、フィルム構造体が剥離されつつある間に全体シーラント層は基材に移動する。デザインによる凝集シール破壊は、実際のシーラント層それ自体内で破壊する。応力およびスピード下にシールを剥離する時、シール層それ自体はその中で裂け、シーラント材料の一部をシーラント基材に移動させる。シーラント材料の内部強度は、ヒートシールの実際の強度にとって決定的な因子である。
【0018】
本発明の組成物は、界面隔離可能なシールか凝集シール破壊かのどちらかを可能にする。フィラーなしの組成物は界面剥離可能なシールを提供する。フィラーの添加は凝集シール破壊を可能にする。
【0019】
上述のように、本発明は、ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための、少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、少なくとも1種の粘着付与樹脂、場合により少なくとも1種のポリオレフィン、および場合によりフィラーを含む組成物の使用を提供する。
【0020】
(a)約30〜約60重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約25重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)約5〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン
を含む組成物の使用が好ましい。
【0021】
(a)約35〜約60重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約25重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)約25〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン
を含む組成物の使用がより好ましい。
【0022】
個々の成分は下により詳細に説明されるであろう。
【0023】
エチレン/酢酸ビニル共重合体
本発明の樹脂組成物の成分(a)は少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体を含む。エチレン/酢酸ビニル共重合体は限定されないが、好ましくは2〜40重量%、特に6〜30重量%の酢酸ビニル単位含有率を有する。エチレン/酢酸ビニルポリマーは場合により、無水マレイン酸またはマレイン酸のような、不飽和カルボン酸またはその誘導体での変性をはじめとする、当該技術で周知の方法によって変性されてもよい。エチレン/酢酸ビニル共重合体は好ましくは、ASTM D−1238に従って測定された、0.1〜40g/10分、特に0.3〜30g/10分のメルトフローレイトを有する。
【0024】
2種以上の異なるエチレン/酢酸ビニル共重合体の混合物を、コモノマー含有率についての平均値が上に示された範囲内に入る限り、単一共重合体の代わりに本発明のブレンド組成物中の成分(a)として使用することができる。特に有用な特性は、2種以上の適切に選択されたエチレン/酢酸ビニル共重合体が本発明のブレンドに使用される場合に得られるかもしれない。
【0025】
ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための成分(a)向けの3種のエチレン/酢酸ビニル共重合体および粘着付与剤の混合物を含む組成物が注目すべきである。ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための成分(a)向けの2種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、粘着付与剤およびポリオレフィンの混合物を含む組成物もまた注目すべきである。
【0026】
粘着付与樹脂
粘着付与剤は差別化基材への接着性を高めるために主として使用される。
【0027】
粘着付与剤は、米国特許第3,484,405号明細書にリストされているもののような当該技術で一般に公知の任意の好適な粘着付与剤であってもよい。かかる粘着付与剤には、様々な天然および合成樹脂ならびにロジン材料が含まれる。用いることができる樹脂は、一般に明確な融点も結晶化する傾向も持たない有機化合物の混合物の形での液体、半固体〜固体、錯体非晶質材料である。かかる樹脂は水に溶けず、植物もしくは動物起源のものであることができ、または合成樹脂であることができる。樹脂は、実質的なおよび改善された粘着性を組成物に与えることができる。好適な粘着付与剤には、下に議論される樹脂が含まれるが、必ずしもそれらに限定されない。
【0028】
粘着付与剤組成物として用いることができるクラスの樹脂成分は、パラ−クマロン−インデン樹脂のような、クマロン−インデン樹脂である。一般に、用いることができるクマロン−インデン樹脂は約500〜約5,000の範囲である分子量を有する。商業的に入手可能であるこのタイプの樹脂の例には、「Picco」−25および「Picco」−100として市販されているそれらの材料が挙げられる。
【0029】
本発明で有用な粘着付与剤として用いることができる別のクラスの樹脂は、スチレン化テルペンも含む、テルペン樹脂である。これらのテルペン樹脂は、約600〜6,000の分子量範囲を有することができる。典型的な商業的に入手可能なこのタイプの樹脂は、水素化ロジンのグリセロールエステルである、「Piccolyte」S−100として、「Staybelite Ester」#10として、およびポリテルペン樹脂である「Wingtack」95として市販されている。
【0030】
粘着付与剤として用いることができる第3のクラスの樹脂は、約500〜約5,000の範囲の分子量を有するブタジエン−スチレン樹脂である。このタイプの典型的な商品は、「Buton」100、約2,500の分子量を有する液体のブタジエン−スチレン共重合体として市販されている。本発明で粘着付与剤として用いることができる第4のクラスの樹脂は、約500〜約5,000の範囲の分子量を有するポリブタジエン樹脂である。このタイプの商業的に入手可能な製品は、「Buton」150、約2,000〜約2,500の分子量を有する液体のポリブタジエン樹脂として市販されているものである。
【0031】
粘着付与剤として用いることができる第5のクラスの樹脂は、石油の精製で得られる選択留分の触媒重合によって製造される、約500〜約5,000の分子量範囲を有するいわゆる炭化水素樹脂である。かかる樹脂の例は、「Piccopale」−100として、ならびに「Amoco」および「Velsicol」樹脂として市販されているものである。同様に、イソブチレンの重合から得られるポリブテンも粘着付与剤として含まれてもよい。
【0032】
粘着付与剤にはまた、ロジン材料、「Piccolastic」A−75、不均化ペンタエリスリトールエステルとして市販されている材料、ならびに「Velsicol」WX−1232として市販されているタイプの芳香族および脂肪族モノマーシステムの共重合体のような、低分子量スチレン硬質樹脂が含まれてもよい。本発明で用いられてもよいロジンは、ゴム、桐油またはトール油ロジンであってもよいが、好ましくはトール油ロジンである。ロジン材料はまた、二量化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、またはロジンのエステルのような変性ロジンであってもよい。エステルは、2〜6個のアルコール基を含有する多価アルコールでロジンをエステル化することによって製造することができる。
【0033】
本発明の好ましい組成物は、成分(b)の粘着付与樹脂がクマロン−インデン樹脂、テルペン樹脂、ブタジエン−スチレン樹脂、炭化水素樹脂、およびロジン材料よりなる群から選択されるものである。
【0034】
注目すべきテルペン樹脂ベース粘着付与剤は、Loos & Dilworth,Inc.からPiccolyte(登録商標)C115として入手可能な、柑橘類産業から回収されたモノマー、ポリ−リモネンから誘導される。
【0035】
注目すべき別の粘着付与樹脂は、Eastmanから入手可能なRegalite R1125である。
【0036】
本発明で用いることができる粘着付与剤のより包括的なリストは、商業的に入手可能である200をはるかに上回る粘着付与剤樹脂をリストしているTechnical Association of the Pulp and Paper Industry,Atlanta,Ga.の刊行物、TAPPI CA報告(Report)#55、1975年2月、13−20ページに包括的に提供されている。
【0037】
ポリオレフィン
本発明での使用に好適なポリオレフィンは、オレフィンモノマーが2〜20個の炭素原子を有するポリオレフィンから選択される。成分(c)の任意のポリオレフィンは限定されず、例えば、プロピレン、エチレン、ブテン、ヘキセンまたはオクテンのホモポリマーまたは共重合体、好ましくはホモポリマーであることができる。
【0038】
ポリエチレンホモポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、エチレンを含む共重合体、およびプロピレンを含む共重合体よりなる群から選択されたポリオレフィンが好ましい。本明細書に記載される組成物に有用なポリエチレン(PEと略記)は、様々な方法、例えばしかし限定されずに、周知のZiegler−Natta触媒重合(例えば米国特許第4,076,698号明細書および米国特許第3,645,992号明細書を参照されたい)、メタロセン触媒重合(例えば米国特許第5,198,401号明細書および米国特許第5,405,922号明細書を参照されたい)、バーシポール(Versipol)(登録商標)触媒重合によって、およびフリーラジカル重合によって製造することができる。重合は、溶液相プロセス、気相プロセスなどとして行うことができる。本明細書で有用なポリエチレンポリマーには、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、非常に低いまたは超低密度ポリエチレン(VLDPEまたはULDPE)のような線状ポリエチレンおよび低密度ポリエチレン(LDPE)のような分岐ポリエチレンが含まれ得る。本発明での使用に好適なポリエチレンの密度は、約0.865g/cc〜約0.970g/ccの範囲である。本明細書での使用のための線状ポリエチレンは、それらの密度をそう記載された密度範囲内に下げるためにブテン、ヘキセンまたはオクテンのようなアルファ−オレフィンコモノマーを組み入れることができる。例えば、成分(c)に使用される共重合体は、別のアルファ−オレフィンと好ましくは共重合されている主要部(重量による)のエチレンを含む。アルファ−オレフィンは好ましくは3〜約20個の炭素原子を含有し、共重合体の約20重量%以下に相当することができる。好ましいアルファ−オレフィンはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどであり、これらのアルファ−オレフィンは単独でか2種以上の混合でかのどちらかで使用されてもよい。プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび4−メチル−1−ペンテンが特に好ましい。これらのエチレン・アルファ−オレフィン共重合体の2種以上のブレンドもまた本発明に従って使用することができる。ポリエチレン共重合体はまた、二重結合を有する少量の不飽和化合物を含有するエチレン・プロピレン・エラストマーであってもよい。ブタジエン、ノルボルナジエン、ヘキサジエンおよびイソプレンのような少量のジオレフィンを有するエチレン共重合体もまた、それほど好ましくはないが、一般に好適である。用語「ポリエチレン」は、本明細書で用いられる場合、上記のエチレンを含むポリマーの任意のものまたはすべてを意味するために一般に用いられる。
【0039】
注目すべきポリエチレンはエチレンと1−ブテンとの共重合体である。3.5のメルトインデックスを有する、12.6重量%1−ブテン入りのかかる共重合体は、Exxon MobilからExact(登録商標)3035として入手可能である。
【0040】
注目すべき別のポリエチレンはエチレンと1−オクテンとの共重合体である。3.5のメルトインデックスを有する、12重量%オクテン入りのかかる共重合体は、DuPont Dow ElastomersからEngage(登録商標)8450として入手可能である。
【0041】
ポリプロピレン(PPと略記)ポリマーには、プロピレンのホモポリマー、ランダム共重合体、ブロック共重合体および三元重合体が含まれる。プロピレンの共重合体には、プロピレンとエチレン、1−ブテン、2−ブテンおよび様々なペンテン異性体などのような他のオレフィンとの共重合体、好ましくはプロピレンとエチレンとの共重合体が含まれる。プロピレンの三元重合体には、プロピレンとエチレンおよび1種の他のオレフィンとの共重合体が含まれる。統計共重合体としても知られるランダム共重合体は、プロピレンとコモノマーとがプロピレン対コモノマーの供給比に相当する比でポリマー鎖の全体にわたってランダムに分布しているポリマーである。ブロック共重合体は、プロピレンホモポリマーよりなる鎖セグメントと、例えば、プロピレンおよびエチレンのランダム共重合体よりなる鎖セグメントとで構成されている。用語「ポリプロピレン」は、本明細書で用いられる場合、上記のプロピレンを含むポリマーの任意のものまたはすべてを意味するために一般に用いられる。
【0042】
ホモポリマーおよびランダム共重合体は、任意の公知プロセスによって製造することができる。例えば、ポリプロピレンポリマーは、有機金属化合物をおよび三塩化チタンを含有する固形分をベースにする、Ziegler−Nattaとして知られるタイプの触媒システムの存在下に製造することができる。
【0043】
ブロック共重合体は、プロピレンが第1段階でそれ自体一般に最初に重合され、そしてプロピレンおよびエチレンのような追加のコモノマーが、第1段階中に得られたポリマーの存在下に、第2段階で次に重合されることを除いて、同様に製造することができる。これらの段階のそれぞれは、同じ反応器でまたは別個の反応器で、連続的にまたは非連続的に、例えば、炭化水素希釈剤中の懸濁状態で、液体プロピレン中の懸濁状態で、あるいは気相で実施することができる。
【0044】
ブロック共重合体におよびそれらの製造に関する追加情報は、参照により本説明に援用される、1973年にApplied Science Publishers Ltdによって発行された、D.C.AllportおよびW.H.Janes編の著作物「ブロック共重合体(Block Copolymers)」の章4.4および4.7に特に見いだされるかもしれない。
【0045】
本発明での使用に好適なポリオレフィンはまた、低レベル(典型的には約3重量%未満)の、例えばしかし限定されずに、酢酸ビニル、アクリル酸アルキル、一酸化炭素、メタクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸および無水マレイン酸をはじめとする極性モノマーの組み入れによって変性することができる。これらの極性コモノマーの組み入れは、共重合またはグラフト化によって成し遂げることができる。
【0046】
場合により、ポリオレフィン成分(c)のすべてまたは一部を、モノ−またはマルチ−カルボン酸部分(またはカルボン酸部分の酸無水物誘導体)で、ビニルまたはアリル官能性と酸または酸無水物部分とを有するグラフトモノマーを重合させることによってグラフトすることができる。スチレンおよび/または酢酸ビニルのような、他のグラフトモノマーをまた、カルボン酸グラフトモノマーの代わりにまたはそれに加えて使用することもできる。
【0047】
このように、多種多様なオレフィン系ポリマーおよび共重合体を本発明に従って使用することができる。
【0048】
2種以上のポリオレフィンのブレンドを、本発明のポリオレフィン成分を提供するために使用することができる。例えば、LLDPEはLDPEかHDPEかのいずれかとブレンドして本発明での使用に好適なポリエチレンブレンドを提供することができる。別の好適なポリオレフィンブレンドは、ポリプロピレンとポリ(1−ブテン)(PB)とのブレンドである。
【0049】
フィラー
本発明の組成物はまた。場合によりフィラーをはじめとする追加の成分を含有してもよい。フィラーの添加は、組成物の耐熱性を高め、剥離シール特性に影響を及ぼすための方法として機能することができる。
【0050】
フィラーは、鉱物およぼ塩のような、無機化合物の粒子を含む。本発明の組成物に含まれ得るフィラーの重量基準の百分率は第一にフィラーの密度の関数である。フィラーの粒度および形状もまたブレンドの特性に影響を及ぼすであろう。細粒度フィラーは一般により高いブレンド粘度をもたらす傾向を有し、それらはまたより高価である。No.9Whiting(約95%325メッシュ通過)は、粗さ、入手可能性、およびコストの点で存続可能な中間点を表す。より好ましいフィラーは炭酸カルシウムおよびタルク(本質的にMg3Si410(OH)3)であり、タルクが最も好ましい。本発明の組成物中に存在するフィラーの量は約0.1〜約50重量部である。
【0051】
それらの存在が組成物のヒートシール特性を実質的に変えないという条件で、当該技術で一般に行われるような様々な添加剤が組成物中に存在し得ることは認識されるべきである。このように、酸化防止剤および熱安定剤、紫外(UV)光安定剤、着色剤、顔料および染料、フィラー、艶消剤、滑り防止剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、相溶化剤、例えば摩擦係数(COF)などの表面特性を改質するための成分、帯電防止剤および防曇剤、他の加工助剤などのような様々な添加剤が有利に用いられてもよいと考えられる。これらの通常の原料は、それらが組成物の接着機能性を損なわない限り、本発明で使用される組成物中に、一般的には0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%である量で[課題を解決するための手段]で上に定義されたような組成物の総重量部には含まれない)。典型的には、多くのかかる添加剤は0.01〜5重量%で存在してもよい。0.01〜1重量%で存在してもよい酸化防止剤を注目すべきである。酸化防止剤は、Ciba Geigy Inc.,Tarrytown,New Yorkから商品名Irganoxで入手可能である。例えば、Irganox E201、CAS番号10191−41−0、またはその誘導体のようなフェノール系酸化防止剤が組成物に添加されてもよい。Irganox 1010、CAS番号6683−19−8は本発明での使用に好適な別の酸化防止剤である。注目すべき別の酸化防止剤は、Great Lakes Chemical Corporationから入手可能な、Anox(登録商標)20、非有機錫触媒入りヒンダードフェノール系酸化防止剤である。0.01〜5重量%の量で存在してもよい、摩擦係数のような表面特性を改質するための、ブロッキング防止のための、またはチルロール剥離のための添加剤もまた注目すべきである。例えば、かかる添加剤は、樹脂中へブレンドするためのキャリア・コンセントレートとして使用されるエチレン/メタクリル酸共重合体中の二酸化ケイ素(2重量%)の分散系である(Conpol(登録商標)20S2としてDuPontから入手可能な)。
【0052】
かかる通常の原料の組成物中への任意の組み入れは任意の公知の方法によって実施することができる。この組み入れは、例えば、ドライブレンディングによって、様々な成分の混合物を押し出すことによって、従来のマスターバッチ技法などによって実施することができる。
【0053】
本発明の接着性樹脂組成物は、予め定められた量のエチレン/酢酸ビニル共重合体成分(a)、粘着付与剤(b)、場合によりポリオレフィン(c)および場合によりフィラー(d)を、Henschelミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダーまたは回転式ブレンダーのようなミキサーにより混合することによって、または混合後に、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、混練機、Banburyミキサーなどにより混合物を溶融混練し、そして次に混合物をペレット化し、溶融押出し、顆粒化しまたは粉体化することによって生み出されてもよい。
【0054】
適切に溶融ブレンドまたは加熱混合すると、組成物は共押出によりダイを通して押し出すことができる。押し出されたシーラントの厚さは好ましくは約1〜400ミクロン、より好ましくは5〜100ミクロン、さらにより好ましくは10〜30ミクロンである。
【0055】
あるいはまた、本発明の組成物は、約1〜100ミクロン、より好ましくは5〜100ミクロン、さらにより好ましくは10〜75ミクロンの厚さを有するフィルムへ押し出し、その後多層構造体の一部として紙、箔、またはフィルムに積層することができる。
【0056】
本発明の接着性樹脂組成物は、様々な基材またはポリマーを互いに接合するために使用することができる。典型的には、物品はヒートシールによって接合または接着される。
【0057】
最終接着性組成物は直接に、例えば溶融共押出で使用することができ、またはそれはロープもしくはペレット形に押し出すまたは適切なアプリケーターでの使用のためのチップもしくは粉末形に縮小することができる。それは、その後の使用のためにフィルムまたはウェブ形へキャストまたは押し出すことができる。かかる造形された形で、それを接合されるべき物体の間に置き、次に熱および圧力によって活性化させることができる。本発明の接着剤は当業者により一般に用いられるホットメルト・アプリケーターの任意のものによって付け得ることが指摘されるべきである。
【0058】
これらの組成物は当業者が目的に適うと考える任意の厚さで付けることができるが、0.0002ミル〜10ミルの層厚さを用いることが好ましい。
【0059】
本発明は、ヒートシールによるPCTFEフルオロポリマーを含む容器、パッケージ、フィルムなどへの付着に好適なシールまたはラミネートであって、良好なシーリング特性を有し、容易に剥離することができるシールまたはラミネートをさらに提供する。
【0060】
上述のように、フィルムおよびコーティングは、本明細書に記載されるような組成物から製造し、他のフィルムまたは構造体上へ積層するまたはコートすることができる。あるいはまた、本発明の組成物は他の材料と同時に共押出しすることができる。要約すれば、本発明の接着性樹脂組成物は、いわゆる剥離およびシール接着を提供するための接合剤および接着剤としてのそれらの独特の化学的および物理的特性のために際立った実用性を有し、接着シート、テープ、または積層製品のような形で使用することができる。
【0061】
そのようなものとして、本発明は、PCTFEフルオロポリマーに接合するための層、典型的にはヒートシール層として本明細書に記載される接着剤を含む単層、または多層の共押出または積層構造体をさらに指向する。エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アルミニウムのような金属、TYVEK(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な)のようなスパンボンド・ポリオレフィン、MYLAR(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な)のような延伸ポリエステルなどから製造された基材をはじめとする、様々な蓋基材の接合を可能にするためにこれらの組成物のPCTFEへの剥離シール強度は、接着性組成物中のエチレン/酢酸ビニル共重合体、粘着付与剤および/またはポリオレフィン中身の量およびタイプを変えることによって調節することができる。
【0062】
上述のように、本発明は、ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための上記のエチレン/酢酸ビニル共重合体−粘着付与剤組成物の少なくとも1つの層と箔、紙、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン・ビニルアルコール、ポリエチレン酢酸ビニル、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体およびそのアイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよび酸無水物変性ポリオレフィンよりなる群から選択された材料を含む少なくとも1つの追加の層とを含む多層構造体を提供する。注目すべき多層構造体は、上に定義されたような注目すべき組成物の少なくとも1つの層を含む。好ましい構造体は上に定義されたような好ましい組成物の少なくとも1つの層を含む。
【0063】
典型的には、多層ポリマーシートは、最外構造層または乱用層、内部バリア層、バルキング層および/または接着層、ならびにパッケージの意図される内容物と接触しそして相性がよく、かつ、それ自体およびパッケージの他の部分への必要なシールを形成することができる(例えば、最も好ましくはヒートシール可能な)最内層を含むが、それらに限定されない少なくとも3つのカテゴリーの層を含むであろう。他の層もまた、これらの層を一緒に接合するのを助けるための接着層または「タイ」層として機能するために存在してもよい。
【0064】
最外構造層または乱用層は典型的には延伸ポリエステルまたは延伸もしくは非延伸ポリプロピレンであるが、延伸もしくは非延伸ポリアミド(ナイロン)または高密度ポリエチレンのようなポリエチレンまたは紙または箔を含むこともできる。この層は、光学的に透明である場合、好ましくは裏刷可能であり、そしてパッケージが多層構造体の全体厚さを通してシールされるので、パッケージを製造するために用いられるシーリング温度によって有利にも影響を受けない。外側構造層または乱用層が光学的に透明でない場合、この層は表面印刷し、次に場合により保護コーティングまたはラッカーでコートすることができる。この層の厚さは典型的には、フィルムの剛性をコントロールするために選択され、約10〜約100μm、好ましくは約12μm〜約50μmの範囲にあってもよい。
【0065】
内層は、パッケージ内部の製品に潜在的に影響を及ぼし得る大気条件(酸素、湿度、光など)に依存して、1つ以上のバリア層を含むことができる。バリア層は、例えば、金属化ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン・ビニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン、アルミ箔、ナイロン、それらのブレンドまたは複合材料、ならびにそれらの関連共重合体であることができる。バリア層厚さは、製品の感受性および所望の貯蔵寿命のような因子に依存するであろう。
【0066】
内層は1つ以上のバルキング層を含むことができる。この層は、低コストのものである一般ポリマーを使用することによって最終の所定厚さを有する構造体を創り出すために通常加えられる。バルキング層は、例えば、ポリオレフィン、ポリオレフィン極性共重合体、ポリエステルおよび/または様々なバルキング層成分のブレンドであることができる。バルキング層はまた、製造工程で発生した粉砕再生材料またはスクラップの組み入れにも好適である。例えば、ある理由または別の理由のために、販売に適さない材料から発生したスクラップ、または半完成ロールからエッジを切り取ることによって発生した材料は、粉砕し、比較的低コストで嵩高さを提供する内層中へ組み入れることができる。
【0067】
内層は1つ以上の接着層を含むことができる。この接着層は通常、外側構造層を内層に、内層を最内層に接着するように、または内層が接着剤として働くにすぎないかもしれないケースでは、外層を直接最内層に接合するようにデザインされる。
【0068】
構造およびバリア層は、水分および酸素に対する有効なバリアと清澄性、靱性および貫入抵抗のような、製品を加工するおよび/または包装するために好適なバルク機械的特性とを提供するポリマーの幾つかの層を含むように組み合わせることができる。幾つかの用途では、構造およびバリア層の機能は、好適な樹脂の単一層に組み合わせられてもよい。例えば、ナイロンまたはPETは構造およびバリア機能の両方に好適である。
【0069】
本明細書での使用に好適なポリアミド(ナイロン)には、脂肪族ポリアミド、非晶質ポリアミド、またはそれらの混合物が含まれる。「脂肪族ポリアミド」は、該用語が本明細書で用いられるところでは、脂肪族ポリアミド、脂肪族コポリアミド、およびこれらのブレンドまたは混合物を意味することができる。本発明での使用に好ましい脂肪族ポリアミドはポリアミド6、ポリアミド6.66、それらのブレンドおよび混合物である。ポリアミド6.66は、BASFから商品名「Ultramid(登録商標)C4」および「Ultramid(登録商標)C35」で、またはUbe Industries Ltdから商品名「Ube(登録商標)5033FXD27」で商業的に入手可能である。ポリアミド6は、例えば、Honeywell Internationalから商品名Capron(登録商標)で商業的に入手可能である。
【0070】
フィルムは、参照により本明細書に援用される、米国特許第5,408,000号明細書、米国特許第4,174,358号明細書、米国特許第3,393,210号明細書、米国特許第2,512,606号明細書、米国特許第2,312,966号明細書および米国特許第2,241,322号明細書に記載されているもののような他のポリアミドをさらに含んでもよい。
【0071】
フィルムはまた部分的芳香族ポリアミドを含んでもよい。本発明での使用のための幾つかの好適な部分芳香族コポリアミドは、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Companyから商品名Selar(登録商標)PAで商業的に入手可能な、またはEMSChemie AGから商品名Grivory(登録商標)G21で商業的に入手可能な非晶質ナイロン樹脂6−I/6−Tである。
【0072】
アイオノマー樹脂(「アイオノマー」)は、ナトリウム、カリウムまたは亜鉛のような、少なくとも1種以上のアルカリ金属、遷移金属、またはアルカリ土類金属カチオンが共重合体中の酸性基のある部分を中和するために使用されて、高められた特性を示す熱可塑性樹脂をもたらす、エチレンのようなオレフィンとアクリル酸またはメタクリル酸のような不飽和カルボン酸と場合により軟化モノマーとの共重合体である。例えば、「エチレン/(メタ)アクリル酸(E/(M)AAと略記)」は、エチレン(Eと略記)/アクリル酸(AAと略記)および/またはエチレン/メタクリル酸(MAAと略記)の共重合体を意味し、それは、1種以上のアルカリ金属、遷移金属、またはアルカリ土類金属カチオンによって少なくとも部分的に中和されてアイオノマーを形成する。三元重合体はまた、「より柔らかい」樹脂を提供するためにエチレンのようなオレフィン、(メタ)アクリル酸アルキルのような不飽和カルボン酸および他のコモノマーから製造することができ、それは中和されてより柔らかいアイオノマーを形成することができる。アイオノマーは従来から公知であり、それらの製造方法は、例えば、米国特許第3,344,014号明細書に記載されている。
【0073】
酸無水物または酸変性されたエチレンおよびプロピレンホモポリマーおよび共重合体は、ポリマーが互いにうまく接着しない場合にポリマーの層の接合を改善し、こうして多層構造体での層−層接着を改善するために押出可能な接着層(「タイ」層としも知られる)として使用することができる。タイ層の組成物は、多層構造体中の接合される必要がある隣接層の組成物により決定されるであろう。ポリマー同業者は、構造体に使用される他の材料に基づいて適切なタイ層を選択することができる。様々なタイ層組成物は、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Companyから商品名Bynel(登録商標)で商業的に入手可能である。
【0074】
約20〜約50モル%のエチレンを有するポリエチレン・ビニルアルコール(「EVOH」)は本明細書での使用に好適であり得る。好適なポリエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、Kurarayから商品名EVAL(登録商標)で商業的に入手可能であり、またはNippon Gosheiから商品名Soarnol(登録商標)で商業的に入手可能である。
【0075】
コーティングまたはフィルムとして本明細書での使用に好適なポリ塩化ビニリデン(PVDC)ポリマーおよび共重合体は、例えば、商品名Saran(登録商標)でDow Chemicalから商業的に入手することができる。
【0076】
最内層はシーラント層である。本発明のシーラント層は、上記のエチレン/酢酸ビニル組成物から製造される。
【0077】
上記の組成物からの本発明で使用されるフィルムの製造は、任意の公知の方法に従って実施することができる。例えば、いわゆる「ブローンフィルム」または「フラットダイ」法を用いて前記組成物を押し出すことによって一次フィルムを製造することが可能である。ブローンフィルムは、環状ダイを通してポリマー組成物を押し出し、生じたチューブ状フィルムを空気流れで膨らませてブローンフィルムを提供することによって製造される。キャスト・フラットフィルムは、フラットダイを通して組成物を押し出すことによって製造される。ダイを出たフィルムは、内部循環流体を含有する少なくとも1つのロール(チルロール)によって、または水浴によって冷却されてキャストフィルムを提供する。フィルムは、切断のような通常の技法によってサイジングされて包装フィルムを提供する。
【0078】
本発明で有用なフィルムは、フィルムの即時急冷またはキャスティングを過ぎてさらに延伸することができる。本方法は、溶融ポリマーの乱流を押し出す工程と、押出物を急冷する工程と、急冷された押出物を少なくとも1つ以上の方向に延伸する工程とを含む。「急冷された」は、該用語が本明細書で用いられるところでは、固体フィルム材料を得るためにその融点より下に実質的に冷却された押出物を表現する。
【0079】
フィルムは、延伸されない、一軸方向(例えば縦方向)に延伸される、または二軸方向(例えば縦方向および横方向)に延伸されることができる。
【0080】
フィルムは、機械的特性と物理的特性との満足のいく組合せを達成するためにフィルムの平面で2つの互いに垂直の方向に延伸することによって好ましくは二軸延伸される。
【0081】
フィルムを一軸または二軸延伸するための延伸および伸長装置は当該技術で公知であり、本発明のフィルムを製造するために当業者によって改造されてもよい。かかる装置および方法の例には、例えば、米国特許第3,278,663号明細書、米国特許第3,337,665号明細書、米国特許第3,456,044号明細書、米国特許第4,590,106号明細書、米国特許第4,760,116号明細書、米国特許第4,769,421号明細書、米国特許第4,797,235号明細書および米国特許第4,886,634号明細書に開示されているものが挙げられる。
【0082】
本発明で有用なブローンフィルムは、ダブルバブル押出法を用いて延伸されてもよく、この方法で同時二軸延伸は一次チューブを押し出すことによって達成されてもよく、一次チューブはその後急冷され、再加熱され、次に横延伸をもたらすために内部ガス圧力によって膨らませられ、そして縦延伸をもたらすであろう速度で異周速ニップまたは搬送ローラーによって延伸される。
【0083】
延伸ブローンフィルムを得るための加工は、当該技術ではダブルバブル技法として公知であり、米国特許第3,456,044号明細書にPahlkeによって記載されているように実施することができる。より具体的には、一次チューブが環状ダイから溶融押出される。この押し出された一次チューブは、結晶化を最小限にするために速やかに冷却される。それは次にその延伸温度に加熱される(例えば、水浴を用いて)。フィルム製造装置の延伸ゾーンで、二次チューブがインフレーションによって形成され、それによってフィルムは、膨張が両方向に、好ましくは同時に起こるような温度で横方向に放射状に膨らませられ、そして縦方向に引っ張られるまたは延伸され、チューブの膨張には延伸ポイントでの厚さの鋭い突然の低下が伴う。チューブ状フィルムは次に再びニップロールによって平らにされる。フィルムは再び膨らませ、アニーリング工程(熱固定)を通過させることができ、その工程中にそれは収縮性を調節するためにもう一度加熱される。
【0084】
一実施形態では、フィルムは、フィルム中のポリマー鎖を押出の方向に概して整列させる押出法によって形成される。線状ポリマーは、高度に一軸延伸された後に延伸方向にかなりの強度を有するが、横方向により少ない強度を有する。この配列は、押出の方向にフィルムに強度を追加することができる。
【0085】
処理は良好な接着のためには必要とされないが、本発明のフィルムは、コロナ放電、オゾンまたは当業界で標準的な他の手段を用いて処理されてもよい。
【0086】
容器への多層構造体のシール強度は、典型的にはエチレン/酢酸ビニル・ヒートシール層の厚さに依存する。ヒートシール層の厚さは好ましくは約10〜40ミクロン、最も好ましくは約10〜30ミクロン厚さである。
【0087】
使用時に、多層構造体は基材表面材料に押し付けられ、加熱され、それによって多層構造体をPCTFE基材に接合させる。
【0088】
典型的にはPCTFE層はPVCまたはPETの第2層に直接接着されて構造体を生み出し、構造体から容器が形成される。PVCまたはPETは、それらが多くのヒートシール可能な材料への高い親和性を有するので、シール面として使用される。PVCまたはPETの第2層はまた、それらがPCTFEよりもはるかに安価であるので、構造体に嵩高さも提供する。両材料は高い清澄性および成形性を提供する。しかしながら、これらの材料は、シール面として使用された場合に不十分な酸素および水分バリア性を有する。トップバリア・シーラントウェブがPVCまたはPETにヒートシールされた場合、PCTFEのバリア性は十分に実現することができない。酸素および水分は、ヒートシール可能な蓋材料とPCTFEとの間のPVCまたはPETを透過し、短縮された貯蔵寿命につながる。
【0089】
本発明は、PCTFEが最内層およびヒートシール可能なトップウェブに対するシーリング基材になることを可能にし、最終パッケージにPCTFEの十分なバリア性を実現させ、より長い貯蔵寿命につながる。また、PCTFEを外層の代わりに内層にすることによってそれほど多くのPCTFEの薄層化は成形工程で起こらない。本発明は、改善された貯蔵寿命の開けやすい透明なパッケージを提供する高バリアの剥離可能な蓋を可能にする。
【0090】
本発明の改善されたシーラント材料は、ブリスターパッケージングで医薬産業に非常に有用であると期待される。
【0091】
このように、本発明は、例えば、患者およびパッケージの他のユーザーに使いやすい薬物および非薬物用のブリスターパッケージのようなパッケージで有用である。それは、大量生産を容易にするやり方で構築される医薬品および他の製品の販売促進のための魅力的なおよび安価なパッケージを提供する。
【0092】
本発明のパッケージは、食品、カプセルの形の薬物、錠剤、医療機器、シリンジ、トローチ剤、ピルなど、または例えば毒物、触媒、クリーニング組成物、バッテリー、ならびに酸素および水分から保護される必要がある他の商品などの非薬物のような、1つ〜多数の物品を含有してもよい。
【0093】
ブリスターパッケージ以外のパッケージ形もまた本明細書では熟考される。本明細書に記載されるような多層構造体は、多種多様な包装用途で包装材料として有用である。それらはまた、マスキングフィルムのような工業フィルムとしても使用されてもよく、それによってフィルムは、箔またはポリエステルもしくはアクリルのような基材に熱積層され、表面保護がもはや必要とされなくなった時に剥離される。
【0094】
包装材料はまた、その中の製品についての情報を消費者に提供するためのおよび/またはパッケージの見栄えの良さを提供するための包装材料を提供するために、例えばしかし限定されずに、印刷、エンボス化、および/または着色によってさらに加工されてもよい。
【0095】
本発明の多層フィルム構造体の幾つかの例は下にリストされ、そこでシーラント層は本発明のエチレン/酢酸ビニル組成物から製造され、そしてここで、「接着」は上記のような接着システムを意味し、「タイ」は押出可能な接着層またはタイ層を意味し、「インク」は上記の印刷を意味する。
【0096】
本発明の多層フィルム構造体は、次に示される構造を有するブローンフィルムを含む。
ポリアミド(ナイロン)/タイ/EVOH/タイ/シーラント、または
PP/タイ/EVOH/タイ/シーラント
【0097】
本発明の多層フィルム構造体は、次に示される構造を有する接着積層フィルムを含む。
インク/箔/接着/PE/PE/シーラント、または
PET/インク/接着/PE/タイ/EVOH/タイ/シーラント
【0098】
本発明の多層フィルム構造体は、次に示される構造を有する押出コートフィルムを含む。
インク/箔/タイ/シーラント、
PET/PVDC/インク/タイ/シーラント、
インク/PET/タイ/シーラント、
インク/紙/PE/シーラント
【0099】
本発明の多層フィルム構造体は、次に示される構造を有する押出積層フィルムを含む。
PET/PVDC/インク/タイ/シーラント、
PET/接着/シーラント、または
PET/接着/ナイロン/タイ/シーラント
【0100】
上記の多層構造体は、当該技術で周知の標準的な方法によって、蓋付き容器のようなパッケージへ組み入れられてもよい。多層構造体は、PCTFEフルオロポリマーを含む容器用の蓋材料として特に有用である。従って、本発明は、エチレン/酢酸ビニル組成物および/または上記の多層構造体を含むパッケージを提供する。注目すべきパッケージは、上に定義されたような注目すべき組成物を含む。好ましいパッケージは、上に定義されたような好ましい組成物を含む。
【0101】
本発明は、その好ましい実施形態に関して具体的に示され、説明されてきたが、形状および詳細での様々な変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われるかもしれないことは当業者によって理解されるであろう。
【0102】
次の実施例は例示的であるにすぎず、本明細書に記載されるおよび/または特許請求される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0103】
組成物を、標準的なブレンディング技術を用いて下にリストされる材料から調製し、下の表1にまとめられる、実施例1〜13、本発明で有用な組成物を提供した。
【0104】
使用される材料
EVA−1:DuPontから入手可能な7のMIのエチレン/酢酸ビニル(7重量%)共重合体
EVA−2:DuPontから入手可能な30のMIのエチレン/酢酸ビニル(17重量%)共重合体
EVA−3:DuPontから入手可能な8のMIのエチレン/酢酸ビニル(12重量%)共重合体
EVA−4:DuPontから入手可能な3のMIのエチレン/酢酸ビニル(10重量%)共重合体
PE−1:3.5のMIのエチレンと1−ブテンとの共重合体(Exxon MobilからExact(登録商標)3035として入手可能な)
PE−2:3.5のMIのエチレンと1−オクテン(12重量%オクタン)との共重合体(DuPont Dow ElastomersからEngage(登録商標)8450して入手可能な)
Tack−1:Loos & Dilworth,Inc.からPiccolyte(登録商標)C115として入手可能なポリ−リモネンから誘導された粘着付与樹脂
Tack−2:EastmanからRegalite R1125として入手可能な粘着付与樹脂
Antiox−1:酸化防止剤Irganox(登録商標)1010
Antiox−2:酸化防止剤Anox(登録商標)20
【0105】
組成物は、量が重量部でリストされて、表1〜3にまとめられる。「--」は、成分が組成物中に存在しないことを意味する。
【0106】
表1

【0107】
表2は、本明細書に記載されるヒートシール組成物の幾つかの物理的特性をまとめる。



【0108】
表2

【0109】
実施例で用いる試験
メルトインデックス(MI)は、ASTM D−1238、条件Eに従って、2160グラム重量を用いて190℃で測定し、MIの値をグラム/10分単位で報告する。密度はASTM D−792に従って測定した。融点(m.p.)は、ASTM D−3418に従って示差走査熱量測定法(DSC)によって測定した。Vicat軟化点はASTM D−1525に従って測定した。
【0110】
剥離強度:シール層を標準的なシーリング装置および条件を用いて基材にシールして1インチ幅のシールされたストリップを与えた。特に記載のない限り、層をシール層/基材界面で分離し、12インチ/分の分離速度で「T−剥離」構造で室温の引張試験機で引っ張った。幅で割った層を分離するために必要とされた平均力を剥離強度(g/インチ)として報告する。典型的には、3〜5つの分離測定値を一緒に平均し、表に報告した。ASTM F904を参照されたい。
【0111】
表3に報告される破壊のモードは、次の可能な記述子の1つ以上で特徴づけられ、必要に応じて、かかる破壊のモードにかかわる検体の数に先行される。
「P」−基材からきれいに剥離する
「FT」−フィルム裂け(寸断)
「FB」−フィルム破壊
「CL」−コーティング浮き上がり
「ZP」−ジッパー剥離
「T」−タック
「NT」−タックなし
「D」−層間剥離
【0112】
実施例14〜16
実施例1、3、および5の組成物を含むフィルムを製造し、PCTFEを含むフィルムにヒートシールした。フィルムは、(外層からシール層へ)2ミル箔/タイ層として0.5ミルエチレン酸共重合体(8.7重量%メタクリル酸、10のMI)/1ミル試験組成物を含む構造を有した。シールを、Sentinelシーラーを用いて1秒の保圧時間で40psiで製造して1インチシール幅を提供した。
【0113】
表3は、室温および50%相対湿度での剥離データ(インチ幅当たりのグラム単位で報告される5繰り返しの平均値)を提供する。表3の比較例は、溶剤コーティングをベースとする箔蓋材料である。比較例C17は、スチレン・ブタジエンをベースとする溶剤コーティングを使用し、比較例C18は、非晶質ポリエステルをベースとする溶剤コーティングを使用する。両材料とも独国のHueck Folienから入手可能である。比較例C19は、95重量%のエチレン/アクリル酸メチル共重合体(20重量%アクリル酸メチルコモノマー、8のMI)とシール層としての5重量%の非常に高度に中和されたエチレン/メタクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマー(0.7のMI)とのブレンドを含む箔フィルム構造体である。
【0114】
表3

【0115】
表3のデータの検討は、比較例C17が低強度の剥離可能なシールを提供することを示す。比較例C18は十分な強度のシールを与えるが、層間剥離の発生は包装材料での製品の汚染の可能性を示唆する。実施例14〜16は、一貫してきれいな剥離性能の良好な〜優れた強度のシールを提供する。
【0116】
実施例21〜23
実施例1、3、および5の組成物を含むフィルムを実施例14〜16についての記載に従って製造し、PCTFEを含むフィルムにヒートシールした。PCTFEフィルムをMedipak Model CP−2l包装機(上方および下方成形温度115℃)を用いてブリスターパックブランクへ前もって熱成形した。実施例フィルムを、2,500psiのシール圧力および25容器毎分で様々な温度で成形フィルムのPCTFE面にヒートシールした。
【0117】
表4は、室温および50%相対湿度での剥離データ(5繰り返しの平均値)を提供する。比較例C20は、比較例C16で使用されたブレンドを含むフィルムを使用する。表3はC16がより高い温度を用いてPCTFEに十分にシールすることを示すが、それはこれらの低いシーリング温度ではPCTFEフィルムにシールしなかった。本発明の実施例フィルムは、低いシーリング温度を用いてでさえ、ヒートシールし、そして次にPCTFEフィルムからきれいに剥離した。


【0118】
表4

(1) ブリスターパック・ヒートシールの公称幅
【0119】
このように、ある程度の特殊性をもって本発明を説明し、例示してきたが、次の特許請求の範囲はそのように限定されるべきではなく、特許請求の範囲の各要素およびその同等物の表現に相応の範囲を与えられるべきであることは認識されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)(a)約10〜約90重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約35重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)0〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン、および
(d)0〜約30重量%のフィラー
を含む組成物を選択する工程と、
(ii)工程(i)の前記組成物をポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーと接触させる工程と、
(iii)工程(i)の前記組成物を工程(ii)の前記ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーにヒートシールするために十分な熱および圧力を十分な時間かける工程と
を含む容易に剥離可能な開封特性を備えた気密ヒートシールの製造方法。
【請求項2】
前記組成物が
(a)約30〜約60重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約25重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)約5〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が
(a)約35〜約60重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約25重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)約25〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物の成分(a)が2種以上の異なるエチレン/酢酸ビニル共重合体の混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が成分(a)向けの3種のエチレン/酢酸ビニル共重合体および粘着付与剤の混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物がポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための成分(a)向けの2種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、粘着付与剤およびポリオレフィンの混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(i)(a)約10〜約90重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約35重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)0〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン、および
(d)0〜約30重量%のフィラー
を含む組成物を選択する工程と、
(ii)箔、紙、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン・ビニルアルコール、ポリエチレン酢酸ビニル、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体およびそのアイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンならびに酸無水物変性ポリオレフィンよりなる群から選択された少なくとも1つの追加の材料を選択する工程と、
(iii)工程(i)の前記組成物を工程(ii)の前記材料とおよびポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーと接触させる工程と、
(iv)工程(i)の前記組成物をシール層として使用して、工程(ii)の前記材料を工程(iii)の前記ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーにヒートシールするために十分な熱および圧力を十分な時間かける工程と
を含む多層構造体の製造方法。
【請求項8】
前記組成物が
(a)約30〜約60重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約25重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)約5〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン
を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が
(a)約35〜約60重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約25重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)約25〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン
を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物の成分(a)が2種以上の異なるエチレン/酢酸ビニル共重合体の混合物を含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が成分(a)向けの3種のエチレン/酢酸ビニル共重合体および粘着付与剤の混合物を含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物がポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーへのヒートシールのための、成分(a)向けの2種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、粘着付与剤およびポリオレフィンの混合物を含む請求項7に記載の方法。
【請求項13】
(a)約10〜約90重量%の少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニル共重合体、
(b)約5〜約35重量%の少なくとも1種の粘着付与樹脂、
(c)0〜約45重量%の少なくとも1種のポリオレフィン、および
(d)0〜約30重量%のフィラー
を含む組成物と
ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマーとを含むパッケージ。
【請求項14】
ブリスターパッケージである請求項13に記載のパッケージ。

【公表番号】特表2007−519814(P2007−519814A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551604(P2006−551604)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/003337
【国際公開番号】WO2005/073106
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】