説明

ビアリールヘテロ環状のアミン、アミドおよび硫黄−含有化合物、並びに該化合物の製造方法および使用方法

本発明は一般的に、抗感染剤、抗増殖剤、抗炎症剤および運動促進剤の分野に関する。より具体的には、本発明は、それらの剤として有用な、ビアリールヘテロ環状のアミン、アミドおよび硫黄−含有化合物のファミリーに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許出願第60/490,855号(2003年7月29日出願)(これは、本明細書の一部を構成する)の利益および優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は通常、抗感染剤、抗増殖剤、抗炎症剤、および運動促進剤の分野に関する。より具体的には、本発明は、治療学的な薬剤として有用なビアリールヘテロ環状のアミンおよびアミド化合物のファミリーに関する。
【0003】
(背景技術)
1920年代のペニシリンおよび1940年代のストレプトマイシンの発見以来、多数の化合物が発見され、または抗生物質としての使用について具体的に設計されている。かって、感染疾患はそれらの治療学的な薬剤の使用を用いて完全に制御しまたは根絶することができると信じられていた。しかしながら、それらの信念は、現在有効な治療学的な薬剤に対して耐性である細胞または微生物の菌株が進化し続ける事実によってゆさぶられている。実際に、臨床的な使用のために開発されている実質的にあらゆる抗菌剤は、最後には耐性細菌の出現という問題に遭遇している。例えば、メチシリン耐性ブドウ球菌(staphylocci)、ペニシリン耐性連鎖球菌、およびバンコマイシン耐性腸球菌などのグラム陽性菌が発生しており、これらは、それらの耐性細菌に感染した患者に重大な結果および致死的な結果さえ引き起こし得る。マクロリド抗生物質(14〜16員のラクトン環をベースとする抗生物質)に対して耐性である細菌が発生している。また、例えばH.インフルエンザ菌、およびM.カタル球菌(catarrhalis)などのグラム陰性菌が同定されている。例えば、F. D. Lowryによる, 「Antimicrobial Resistance: The Example of Staphylococcus aureus」, J. Clin. Invest., 2003, 111(9), 1265-1273;並びに、Gold, H. S.およびMoellering, R. C., Jr.による, 「Antimicrobial-Drug Resistance」, N. Engl. J. Med., 1996, 335, 1445-53を参照。
【0004】
耐性の問題は、耐性はまた癌化学療法において使用される抗増殖剤を用いても遭遇するために、抗感染剤の分野に限られない。従って、癌細胞の耐性細菌および耐性菌株の両方に対して有効である、新規な抗感染剤および抗増殖剤に対する要求が存在する。
【0005】
抗生物質の分野において、抗生物質耐性が増加しているという問題にもかかわらず、オキサゾリジノン環含有の抗生物質である、N−[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチルアセトアミド(これは、リネゾリドとして知られており、そして商標名ジボックス(Zyvox)(登録商標)(化合物Aを参照)で販売されている)の2000年での米国における承認のために、新規な主要なクラスの抗生物質が臨床的な使用のために開発されている。R. C. Moellering, Jr.による, 「Linezolid: The First Oxazolidinone Antimicrobial」, Annals of Internal Medicine, 2003, 138(2), 135-142を参照。
【化1】

【0006】
リネゾリドは、グラム陽性生物に対して活性である抗菌剤としての使用において承認されている。残念なことに、生物のリネゾリド耐性菌株は既に報告されている。Tsiodrasらによる, Lancet, 2001, 358, 207;Gonzalesらによる, Lancet, 2001, 357, 1179;Zurenkoらによる, Proceedings Of The 39th Annual Interscience Conference On Antibacterial Agents And Chemotherapy (ICAAC);San Francisco, CA, USA, (1999年9月26-29日)を参照。リネゾリドは臨床的に有効であってそして商業的に重要な抗菌剤でもあるために、研究者は他の有効なリネゾリド誘導体を開発するために従事している。
【0007】
上述にもかかわらず、新規な抗感染剤および抗増殖剤に対する要求がいまなお存在する。その上、多数の抗感染剤および抗増殖剤が抗炎症剤および運動促進剤としての有用性を有しているので、抗感染剤および抗増殖剤として有用な新規な化合物に対する要求がいまなお存在する。
【0008】
(発明の概要)
本発明は、式:
【化2】

を有する、抗感染剤および/または抗増殖剤、例えば化学療法剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、駆虫剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、および/または運動促進(胃腸管調節)剤として有用な化合物のファミリー、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。上記式中、AおよびBは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、およびピリダジニルからなる群から選ばれ;Het−CH−Rは、式:
【化3】

からなる群から選ばれ;Lは、場合により置換されたC1〜6アルキル基であり;Xは、−NR−、−NRNR−、または−S−であり;Mは、式:
【化4】

を有し;そして、変数L、L、R、R、R、Q、mおよびnは、詳細な記載中で以下に定義する化学的な部分または整数のそれぞれの群から選ばれる。
【0009】
本発明の化合物のある実施態様は、式:
【化5】

で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグをを含み、ここで、上記式中、A、L、M、X、R、R、およびmは、詳細な記載中で以下に定義する化学的な部分または整数のそれぞれの群から選ばれる。
【0010】
加えて、本発明は、上記の化合物の製造方法を提供する。製造方法に従って、有効な量の1個以上の該化合物を、抗癌剤、抗微生物剤、抗生物質、抗真菌剤、駆虫剤、もしくは抗ウイルス剤として、または増殖性疾患、炎症性疾患もしくは胃腸管運動障害を処置するための使用として、哺乳動物に投与するために、医薬的に許容し得る担体と一緒に製剤化することができる。該化合物または製剤は、例えば経口、非経口、または局所的な経路によって投与して、有効な量の該化合物を哺乳動物に供することができる。
【0011】
本発明の上記および他の態様および実施態様は、以下の詳細な記載および特許請求の範囲を参照することによってより十分に理解することができる。
【0012】
(発明の詳細な記載)
本発明は、抗増殖剤および/または抗感染剤として使用することができる化合物のファミリーを提供する。該化合物は、例えば抗癌剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、駆虫剤および/または抗ウイルス剤として使用することができるが、これらに限定されない。更に、本発明は、抗炎症剤(例えば、慢性的な炎症性気道疾患を処置する際に使用する)および/または運動促進剤(例えば、胃腸管運動障害(例えば、胃食道逆流症、胃不全麻痺(糖尿病性および術後)、過敏性大腸症候群および便秘症)を処置する際に使用する)(これらに限定されない)として使用することができる化合物のファミリーを提供する。
【0013】
1.定義
本明細書中で使用する用語「置換(された)」とは、指定する原子の正常な原子価を超えないで、そして置換により安定な化合物を与えるという条件で、指定する原子上のいずれかの1個以上の原子が示す基からの選択肢で置き代えられることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合には、該原子上の2個の水素が置換されている。ケト置換基は、芳香族部分上には存在しない。本明細書中で使用する環内二重結合とは、2個の隣接環内原子の間で形成する二重結合(例えば、C=C、C=N、またはN=N)である。
【0014】
本発明は、本発明の化合物中に存在する原子の全ての同位体を含むと意図する。同位体は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例であって限定するものではないが、水素の同位体としては、トリチウムおよびジュウテリウムを含み、そして炭素の同位体としてはC−13およびC−14を含む。
【0015】
本明細書中に記載する化合物は、不斉中心を有し得る。非対称的に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ形態で単離することができる。光学的に活性な形態を製造する方法(例えば、ラセミ形態の分割または光学活性な出発物質からの製造)が当該分野においてよく知られる。オレフィン、C=N二重結合などの多数の幾何異性体がまた本明細書中に記載する化合物中に存在し得て、そしてそれらの安定な異性体の全てが本発明に企図される。本発明の化合物のシスおよびトランスの幾何異性体を記載し、そしてこれらは異性体の混合物としてまたは分離された異性体形態として単離することができる。特に具体的な立体化学または異性体形態が具体的に示さない限り、構造の全てのキラル形態、ジアステレオマー形態、ラセミ形態および幾何異性体形態を意図する。本発明の化合物を製造するのに使用する全ての製法およびそれらの中で製造される中間体は、本発明の一部であるとみなす。示したりまたは記載する化合物の全ての互変異性体もまた、本発明の一部であるとみなす。
【0016】
いずれかの変数(例えば、R)が化合物におけるいずれかの構成または式の中に1回以上存在する場合には、各々の場合におけるその定義は、あらゆる他の出現におけるその定義とは別個である。従って、例えば基が0〜2個のR部分で置換されていると示す場合には、該基は場合により2個までのR部分で置換され得て、そして各RはRの定義から独立して選ばれる。また、置換基および/または変数の組み合わせが許容され得るが、しかし、それらの組み合わせだけが安定な化合物を与える。
【0017】
置換基との結合が環内の2個の原子を連結する結合とクロスすると示す場合には、それらの置換基は該環中のいずれかの原子と結合することができる。置換基が原子を示さずに例示される(このことによって、該置換基は示す式の化合物の残りと結合する)場合には、該置換基は該置換基中のいずれかの原子によって結合することができる。置換基および/または変数の組み合わせが許容され得るが、しかし、それらの組み合わせが安定な化合物を与える場合だけである。
【0018】
窒素を含む本発明の化合物は、酸化剤(例えば、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)および/または過酸化水素)を用いる処理によってN−オキシドに変換して、本発明の他の化合物を得ることができる。従って、全ての示すそして特許請求する窒素−含有化合物は、原子価および構造が許容される場合には、示す化合物およびそのN−オキシド誘導体(これは、N→OまたはN−Oとして示すことができる)の両方を含むと考える。その上、他の場合において、本発明の化合物中の窒素はN−ヒドロキシまたはN−アルコキシの化合物に変換することができる。例えば、N−ヒドロキシ化合物は、親アミンを酸化剤(例えば、m−CPBA)によって酸化することによって製造することができる。全ての示すそして特許請求する窒素含有化合物はまた、原子価および構造が許容される場合には、示す化合物およびそのN−ヒドロキシ(すなわち、N−OH)およびN−アルコキシ(すなわち、N−OR、ここで、Rは、置換または無置換のC1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、C3〜14炭素環、または3〜14員ヘテロ環である)誘導体の両方を含むとも考える。
【0019】
原子または化学部分が下付きの数値範囲(例えば、C1〜6)を伴う場合には、本発明は該範囲内の各数値、並びに全ての中間の範囲を包含することを意図する。例えば、「C1〜6アルキル」とは、1、2、3、4、5、6、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜6、3〜5、3〜4、4〜6、4〜5、および5〜6の炭素を有するアルキル基を含むと意図する。
【0020】
本明細書中で使用する「アルキル」とは、具体的な数の炭素原子を有する分枝および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。例えば、C1〜6アルキルは、C、C、C、C、CおよびCアルキル基を含むことを意図する。アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、およびn−ヘキシルを含むが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書中で使用する「アルケニル」とは、鎖に沿ったいずれかの安定な位置に存在する1個以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分枝のいずれかの配置の炭化水素鎖を含むと意図する。例えば、C2〜6アルケニルは、C、C、C、CおよびCアルケニル基を含むと意図する。アルケニルの例としては、エテニルおよびプロペニルを含むが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書中で使用する「アルキニル」とは、鎖に沿ったいずれかの安定な位置に存在する1個以上の炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分枝のいずれかの配置の炭化水素鎖を含むと意図する。例えば、C2〜6アルケニルは、C、C、C、CおよびCアルキニル基を含むと意図する。アルキニルの例としては、エチニルおよびプロピニルを含むが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書中で使用する「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。「対イオン」は、小さい負電荷の種(例えば、クロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテート、およびスルフェート)を示すのに使用する。
【0024】
本明細書中で使用する「炭素環」または「炭素環状の環」とは、具体的な数の炭素を有するいずれかの安定な単環、二環、または三環(これらのいずれかは、飽和、不飽和、または芳香族であり得る)を意味すると意図する。例えば、C3〜14炭素環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を有する単環、二環、または三環を意味すると意図する。炭素環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロへプテニル、シクロヘプチル、シクロへプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、およびテトラヒドロナフチルを含むが、これらに限定されない。架橋環はまた炭素環の定義中に含まれ、例えば[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、および[2.2.2]ビシクロオクタンを含む。1個以上の炭素原子が2個の非隣接炭素原子と連結する場合に、架橋環が生じる。好ましい架橋は、1個または2個の炭素原子である。架橋は常に、単環を三環に変換すると述べておく。環が架橋している場合には、該環について記載する置換基もまた該架橋上に存在し得る。縮合(例えば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル)およびスピロ環もまた含む。
【0025】
本明細書中で使用する用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環状」とは、飽和、不飽和または芳香族であり、そして窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上の環内ヘテロ原子(例えば、1、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、または1〜6個のヘテロ原子)を含む、いずれかの安定な単環、二環、または三環を意味すると意図する。二環または三環のヘテロ環は1個の環中に1個以上のヘテロ原子を有し得るか、あるいは該ヘテロ原子は1個以上の環中に存在し得る。該窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合により酸化され得る(すなわち、N→O、およびS(O)、ここで、p=1または2である)。窒素原子が該環中に含まれる場合には、それが該環中の二重結合と結合するかどうかによって、NまたはNHのいずれかである(すなわち、窒素原子の三原子価を維持するのに必要である場合には、水素が存在する)。該窒素原子は、置換または無置換であり得る(すなわち、NまたはNR(ここで、Rは、Hまたは定義する別の置換基である))。該ヘテロ環はいずれかのヘテロ原子または炭素原子上でそのペンダント基(pendant group)と結合することができ、安定な構造を与える。本明細書中に記載する該ヘテロ環は、得られる化合物が安定である場合には、炭素原子または窒素原子上で置換され得る。該ヘテロ環中の窒素は場合により4級化され得る。該ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を超える場合には、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないことが好ましい。架橋環はまた、ヘテロ環の定義に含まれる。1個以上の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が2個の非隣接の炭素原子または窒素原子と連結する場合に、架橋環が生成する。好ましい架橋は、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子、および炭素−窒素基を含むが、これらに限定されない。架橋は常に、単環を三環に変換すると述べておく。環が架橋する場合には、環について記載する置換基はまた、該架橋上に存在し得る。スピロ環および縮合環もまた含む。
【0026】
本明細書中で使用する用語「芳香族ヘテロ環」または「ヘテロアリール」とは、安定な5、6もしくは7−員の単環もしくは二環の芳香族ヘテロ環、または7、8、9、10、11もしくは12−員の二環の芳香族ヘテロ環であって、これらは、炭素原子、および窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選ばれる1個以上のヘテロ原子(例えば、1、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、または1〜6個のヘテロ原子)から構成される、を意味すると意図する。二環のヘテロ環状の芳香族環の場合には、両方の場合もあり得るが(例えば、キノリン)、2個の環のうちの1個だけが芳香族(例えば、2,3−ジヒドロインドール)であることが必要である。該二番目の環はまた、ヘテロ環について上で定義する通り、縮合または架橋であり得る。該窒素原子は、置換または無置換であり得る(すなわち、NまたはNR、ここで、Rは、Hまたは定義する別の置換基である)。該窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合により酸化され得る(すなわち、N→OおよびS(O)、ここで、p=1または2である)。該芳香族ヘテロ環中のSおよびO原子の総数は1を超えないことに注意すべきである。
【0027】
ヘテロ環の例としては、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチオニル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフタリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル(oxindolyl)、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノオキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルを含むが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書中で使用する用語「医薬的に許容し得る」とは、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適当であって、合理的な利点/危険の比率と釣り合った、正常な医学的な判断の範囲内である、化合物、物質、組成物、担体および/または剤形を意味する。
【0029】
本明細書中で使用する「医薬的に許容し得る塩」とは、親化合物がその酸または塩基の塩を生成することによって改変される、開示する化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容し得る塩としては例えば、塩基性残基(例えば、アミン、アルカリ)の鉱酸もしくは有機酸の塩、または酸性残基(例えば、カルボン酸)の有機塩などを含むが、これらに限定されない。該医薬的に許容し得る塩は、生成する親化合物(例えば、非毒性の無機または有機の酸)の通常の非毒性塩または第4級アンモニウム塩を含む。例えば、該通常の非毒性塩としては例えば、無機および有機の酸から誘導される塩を含むが、これらに限定されない。ここで、該酸は、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコへプトン酸(glucoheptonic)、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸(glycollyarsanilic)、ヘキシルレソルシン酸(hexylresorcinic)、ヒドラバミン酸(hydrabamic)、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸(naphthoic)、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸(napsylic)、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセト酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、およびトルエンスルホン酸から選ばれる。
【0030】
本発明の医薬的に許容し得る塩は、塩基性または酸性の部分を含む親化合物から通常の化学的な方法によって製造することができる。通常、該塩は、水もしくは有機溶媒またはそれら2つの混合物(通常、非水性媒質(エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルが好ましい))中で、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態を定量の適当な塩基または酸と反応させることによって製造することができる。適当な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18版(Mack Publishing Company, 1990)中で知られる。
【0031】
プロドラッグは医薬の多数の所望する性質(例えば、溶解度、バイオアベイラビリティ、製造し易さ)を増大することが知られているために、本発明の化合物はプロドラッグ形態で運搬することができる。従って、本発明は、本発明で特許請求する化合物のプロドラッグ、そのものの運搬方法、およびそのものを含有する組成物を包含することを意図する。「プロドラッグ」とは、該プロドラッグを哺乳動物の被験者に投与する場合に、インビボで本発明の活性な親薬物を放出するいずれかの共有結合した担体を含むことを意図する。本発明のプロドラッグは、修飾がルーチンな操作またはインビボのいずれかで切断されて親化合物となるような様式で、該化合物中に存在する官能基を改変することによって製造される。プロドラッグは、本発明のプロドラッグが哺乳動物の被験者に投与されると、切断されてそれぞれ遊離のヒドロキシル基、遊離アミノ基、または遊離スルフヒドリル基を生成する、ヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基がいずれかの基と結合している本発明の化合物を含む。プロドラッグの例としては、本発明の化合物中のアルコールおよびアミンの官能基のアセテート、ホルメート、およびベンゾエート誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0032】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な程度の純度にまでの単離、および有効な治療学的な薬剤への製剤化に耐えるのに十分に頑強である化合物を意味すると意図する。
【0033】
本明細書中で使用する「処置する」または「処置」とは、哺乳動物(特に、ヒト)における疾患状態の処置を意味し、そしてこのものは、(a)哺乳動物(特に、該哺乳動物は該疾患状態に罹りやすいが、しかし、そのものを有するとこれまでに診断されていない)において生じる疾患状態の予防;(b)該疾患状態の抑制(すなわち、その発症の抑止);および/または、(c)該疾患状態の軽減(すなわち、該疾患状態の後退を引き起こすこと)を含む。
【0034】
本明細書中で使用する「哺乳動物」とは、ヒトおよび非ヒトの患者を意味する。
【0035】
本明細書中で使用する用語「有効な量」とは、単独であるいは抗増殖剤および/または抗感染剤と組み合わせて投与する場合に有効である、本発明の化合物またはその化合物の組み合わせの量を意味する。化合物の組み合わせは、相乗的な組み合わせであることが好ましい。例えば、ChouおよびTalalayによる, Adv. Enzyme Regul. 1984, 22: 27-55によって記載されている相乗作用は、組み合わせて投与する場合に該化合物の効果が単一剤として単独で投与する場合の該化合物の相加効果よりも大きい。通常、相乗効果は化合物の最適以下濃度でほとんど明らかに実証される。相乗作用は、より低い細胞毒性の観点では、抗増殖および/または抗感染の効果、または個々の成分と比較して組み合わせのいくつかの他の有利な効果を増大することができる。
【0036】
本明書中で使用する全てのパーセントおよび比率は、特に断らない限り、重量比である。
【0037】
組成物が特有の成分を有し、含み、または含有すると記載する記載において、組成物はまた、該記載する成分から本質的に構成されるかまたは構成されることを企図する。同様に、プロセスが特有のプロセス工程を有し、含み、または含有すると記載する場合には、該プロセスは、該記載するプロセス工程から本質的に構成されるかまたは構成される。更に、工程の順序または特定の作用を実施する順序は、発明が操作可能なままである限り重要でないと理解されるべきである。その上、2以上の工程または作用を同時に行なうことができる。
【0038】
2.本発明の化合物
1態様において、本発明は、式:
【化6】

で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。ここで、上記式中、
Aは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、およびピリダジニルからなる群から選ばれ;
Bは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、およびピリダジニルからなる群から選ばれ;
Het-CH-Rは、式:
【化7】

からなる群から選ばれ;
Mは、式:
【化8】

(式中、
は、結合、または場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルであり;
は、結合、または場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルであり;
Qは、a)H、b)−NR、c)−OR、およびd)場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルからなる群から選ばれ;そして、
Wは、OおよびSからなる群から選ばれる)
を有し;
Xは、a)−NR−、b)−NRNR−、およびc)−S−からなる群から選ばれ;
Lは、場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルであり;
各Rは独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONR、およびjj)R
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONR、およびjj)R
からなる群から選ばれ;
は、
a)−OR、b)−NR、c)−C(O)R、d)−C(O)OR、e)−OC(O)R、f)−C(O)NR、g)−NRC(O)R、h)−OC(O)NR、i)−NRC(O)OR、j)−NRC(O)NR、k)−C(S)R、l)−C(S)OR、m)−OC(S)R、n)−C(S)NR、o)−NRC(S)R、p)−OC(S)NR、q)−NRC(S)OR、r)−NRC(S)NR、s)−C(NR)R、t)−C(NR)OR、u)−OC(NR)R、v)−C(NR)NR、w)−NRC(NR)R、x)−OC(NR)NR、y)−NRC(NR)OR、z)−NRC(NR)NR、aa)−S(O)、bb)−SONR、およびcc)R
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)H、b)=O、c)=S、d)=NR、e)=NOR、f)=N−NR、g)−OR、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−RC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、およびii)R
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)−C(O)−C1〜6アルキル、およびd)−C(O)O−C1〜6アルキルからなる群から選ばれ、ここで、b)〜d)のいずれかは場合により1個以上のR基で置換され;
各Rは独立して、
a)−OH、b)−OC1〜6アルキル、c)−SH、d)−NO、e)−NH、f)−NHC1〜6アルキル、g)−N(C1〜6アルキル)、h)−C(O)H、i)−C(O)OH、j)−C(O)C1〜6アルキル、k)−OC(O)C1〜6アルキル、l)−C(O)OC1〜6アルキル、m)−C(O)NH、n)−C(O)NHC1〜6アルキル、o)−C(O)N(C1〜6アルキル)、p)−NHC(O)C1〜6アルキル、およびq)−S(O)1〜6アルキル
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、f)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族ヘテロ環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C2〜6アルケニル、i)−C(O)−C2〜6アルキニル、j)−C(O)−C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、k)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族のヘテロ環、l)−C(O)O−C1〜6アルキル、m)−C(O)O−C2〜6アルケニル、n)−C(O)O−C2〜6アルキニル、o)−C(O)O−C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、およびp)窒素、酸素、および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族ヘテロ環
からなる群から選ばれ、ここで、b)〜p)のいずれかは場合により1個以上のR基で置換され;
各Rは独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、およびoo)R
からなる群から選ばれ、
各Rは独立して、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、f)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族のヘテロ環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C2〜6アルケニル、i)−C(O)−C2〜6アルキニル、j)−C(O)−C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、k)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族のヘテロ環、l)−C(O)O−C1〜6アルキル、m)−C(O)O−C2〜6アルケニル、n)−C(O)O−C2〜6アルキニル、o)−C(O)O−C3〜14飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、および、p)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する、−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族ヘテロ環
からなる群から選ばれ、ここで、b)〜p)のいずれかは場合により、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OH、g)−OC1〜6アルキル、h)−SH、i)−SC1〜6アルキル、j)−CN、k)−NO、l)−NH、m)−NHC1〜6アルキル、n)−N(C1〜6アルキル)、o)−C(O)C1〜6アルキル、p)−OC(O)C1〜6アルキル、q)−C(O)OC1〜6アルキル、r)−C(O)NH、s)−C(O)NHC1〜6アルキル、t)−C(O)N(C1〜6アルキル)、u)−NHC(O)C1〜6アルキル、v)−SONH−、w)−SONHC1〜6アルキル、x)−SON(C1〜6アルキル)、およびy)−S(O)1〜6アルキルからなる群から選ばれる1個以上の部分で置換され;
mは、0、1、2、3、または4であり;
nは、0、1、2、3、または4であり;そして、
各pは独立して0、1、または2であり;
但し、該化合物は、式:
【化9】

からなる群から選ばれる式を有しない。
【0039】
本発明のある実施態様は、式:
【化10】

[式中、A、B、L、M、R、R、R、X、m、およびnは上に定義する通りである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む。
【0040】
他の実施態様は、式:
【化11】

[式中、A、B、L、M、R、R、R、X、m、およびnは上に定義する通りである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む。
【0041】
Aは、フェニルおよびピリジルからなる群から選ばれ;Bは、フェニルおよびピリジルからなる群から選ばれ;mは、0、1、または2であり;そして、nは、0、1、または2である、化合物を含む。
【0042】
ある実施態様において、A−Bは、式:
【化12】

[式中、A、Rおよびnは上に定義する通りである]
である。ある実施態様において、A−Bは、式:
【化13】

[Aは、上に記載する通りに定義する]
である。
【0043】
様々な実施態様において、A−Bは、式:
【化14】

[式中、Bは上に記載する通りに定義する]
である。
【0044】
いくつかの実施態様において、Rは−NHC(O)Rである。これらの実施態様に記載する化合物は、Rが−CHである化合物を含む。他の実施態様において、Rは、式:
【化15】

である。
【0045】
本発明の実施態様は、式:
【化16】

[式中、A、B、L、M、R、R、X、mおよびnは上に記載する通りに定義する]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む。
【0046】
本発明の他の実施態様は、式:
【化17】

[式中、A、L、M、R、R、X、およびmは上に記載する通りに定義する]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む。これらの実施態様に記載する化合物は、式:
【化18】

[式中、A、L、M、R、X、およびmは上に記載する通りに定義する]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む。
【0047】
本発明の実施態様は、式:
【化19】

[式中、L、M、X、およびRは上に記載する通りに定義する]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む。これらの実施態様に記載する化合物は、式:
【化20】

[式中、L、MおよびXは上に記載する通りに定義する]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む。
【0048】
ある実施態様において、Mは、式:
【化21】

[式中、各Rは独立して請求項1に記載する通りに定義する]
である。これらの実施態様に記載する化合物は、式:
【化22】

で示される化合物を含む。
【0049】
他の実施態様において、Mは、式:
【化23】

[式中、各Rは独立して請求項1に記載する通りに定義する]
である。これらの実施態様に記載する化合物は、式:
【化24】

で示される化合物を含む。
【0050】
ある実施態様において、Xは−NH−である。他の実施態様において、Xは式:
【化25】

である。
【0051】
別の態様において、本発明は、本発明に記載する化合物の製造方法を提供する。更に別の態様において、本発明は、上記の化合物の1個以上の有効な量および医薬的に許容し得る担体を含有する医薬組成物を提供する。適当な製剤化剤は、本明細書中の以下の項目4中で詳細に記載する。
【0052】
上記の化合物の1個以上はまた、医学的なデバイス中に含有され得る。例えば、医学的なデバイス(例えば、医学的なステント)は、本発明の化合物の1個以上を含むかあるいはこのものでコーティングされ得る。
【0053】
別の態様において、本発明は、哺乳動物における微生物感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、寄生虫疾患、増殖性疾患、炎症性疾患、または胃腸管運動障害を処置する方法を提供する。該方法は、本発明の医薬組成物の化合物または1個以上の有効な量を、例えば経口、非経口、または局所的な経路によって投与することを含む。
【0054】
本発明は、本発明の化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における疾患を処置し、それによって該疾患の症状を軽減する方法を提供する。該疾患は、皮膚感染症、院内肺炎、ウイルス感染後の肺炎、腹腔感染症、泌尿器感染症、菌血症、敗血症、心内膜炎、房室シャント感染症、血管アクセス感染症、髄膜炎、術後予防、腹膜感染症、骨感染症、関節感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、リネゾリド耐性生物感染症、および結核からなる群から選ばれる。
【0055】
3.本発明の化合物の確認
製造後に、上記の方法によって設計し、選択し、および/または最適化した化合物は、該化合物が生物学的な活性を有するかどうかを測定するために、当該分野における当業者にとって知られる様々なアッセイを用いて確認することができる。例えば、該分子は、通常のアッセイ(例えば、以下に記載するアッセイを含むが、これらに限定されない)によって、それらが予想する活性、結合活性および/または結合特異度を有するかどうかを測定することによって、確認することができる。
【0056】
その上、ハイスループットスクリーニングを用いて、該アッセイを用いる分析をスピードアップすることができる。結果として、本明細書中に記載する該分子を活性(例えば、抗癌剤、抗菌剤、抗真菌剤、駆虫剤、または抗ウイルス剤)について素早くスクリーニングすることが可能となり得る。また、当該分野において知られる技術を用いて、該化合物が、リボソームもしくはリボソームのサブユニットといかに相互作用するかどうか、および/またはタンパク質の合成の調節剤(例えば、インヒビター)として有効かどうかをアッセイすることが可能となり得る。ハイスループットスクリーニングを実施するための一般的な方法論は、例えばDevlinによる, High-throughput screening, (Marcel Dekker, 1998);および米国特許第5,763,263号中に記載されている。ハイスループットアッセイは、1個以上の異なるアッセイ技術(これは、以下に記載する技術を含むが、これらに限定されない)を使用することができる。
【0057】
(1)表面結合の研究
様々な結合アッセイが、それらの結合活性について新規な分子をスクリーニングするのに有用であり得る。1方法は、表面プラズモン共鳴法(SPR)を含み、これを用いて、リボソーム、リボソームのサブユニット、またはそれらのフラグメントに関して本発明の分子の結合性質を評価することができる。
【0058】
SPR方法論は、量子−メカニカル表面プラズモン(quantum-mechanical surface plasmon)の発生によって、リアルタイムで2個以上の巨大分子の間の相互作用を測定する。1個のデバイス(ビアコアバイオセンサー(BIAcore Biosensor)RTM(Pharmacia Biosensor, Piscatawy, N. J.製)は、金薄膜(これは、使い捨てバイオセンサー「チップ(chip)」として供する)とユーザーによって調節可能なバッファーコンパートメントとの間の界面に、多色灯(polychromatic light)の集光ビーム(focused beam)を供する。100nmの厚さの「ハイドロゲル」(これは、目的の分析の共有固定化のためのマトリックスを供する、カルボキシル化デキストランから構成される)は、該金薄膜と結合する。集光が金薄膜のフリーな電子捕獲(electron cloud)と相互作用する場合に、プラズモン共鳴は増大する。得られる反射光は、該共鳴を最適に放出する波長ではスペクトル的に枯渇(deplete)する。該反射した多色灯をその構成波長に分離し(プリズムによる)、そして枯渇する振動数を測定することによって、該ビアコアは、発生する表面プラズモン共鳴の挙動を正確に伝える光学インターフェイス(optical interface)を確立する。上記の通り設計する場合に、該プラズモン共鳴(従って、枯渇スペクトル)は、エバネッセント場(evanescent field)(これは、該ハイドロゲルの厚さにおおよそ相当する)中の質量(mass)に対して感受性である。相互作用している対の一方の成分が該ハイドロゲルに固定化され、そして該相互作用しているパートナーがバッファーコンパートメントによって供される場合には、該2個の成分間の相互作用は、該エバネッセント場中の質量の蓄積、および該枯渇スペクトルによって測定される該プラズモン共鳴のその対応する効果に基づいてリアルタイムで測定することができる。このシステムにより、いずれの成分をも標識化する必要がなく、該分子相互作用の速くて且つ鋭敏なリアルタイムの測定が可能となる。
【0059】
(2)蛍光偏光
蛍光偏光(FP)は、2個の分子間の結合反応のIC50およびKdを引き出すために、タンパク質−タンパク質、タンパク質−リガンド、またはRNA−リガンドの相互作用に容易に適用することができる測定技術である。この技術において、本発明の分子の1つは、フルオロフォアと接合する。このものは通常、該システムにおいてより小分子(この場合には、本発明の化合物)である。リガンド−プローブ接合体、およびリボソーム、リボソームのサブユニットまたはそれらのフラグメントの両方を含有する試料混合物は、垂直(vertically)偏光で励起する。光をプローブフルオロフォアによって吸収し、そして短時間(short time)レーザーを再発光する。該発光の偏光(polarization)の程度を測定する。該発光の偏光はいくつかの因子に依存するが、最も重要なのは、該溶液の粘性および該フルオロフォアのみかけの分子量(apparent molecular weight)である。適当なコントロールの場合には、該発光の偏光の程度の変化は、該フルオロフォアのみかけの分子量の変化にだけ依存し、このことは言い換えれば、該プローブ−リガンド接合体が該溶液中で遊離であるかまたは受容体と結合するかどうかに依存する。FPに基づく結合アッセイは多数の重要な利点を有し、例えば真の均一な平衡条件下でのIC50およびKd、分析の速さおよび自動化への快適さ、並びに濁った懸濁液および着色溶液中でスクリーニングできる可能性を含む。
【0060】
(3)タンパク質の合成
上記の生化学アッセイによる確認に加えて、本発明の化合物はまた、リボソームまたはリボソームのサブユニットの機能上の活性の調節剤(例えば、タンパク質合成のインヒビター)として確認することができると企図する。
【0061】
その上、より具体的なタンパク質合成の阻害アッセイは、全ての生物、組織、臓器、細胞小器官、細胞、細胞もしくは細胞内のエキス、または精製されたリボソーム製造物に該化合物を投与し、そして例えばタンパク質合成を阻害する際の阻害定数(IC50)を測定することによってその薬理学的な性質および阻害の性質を観察することによって、実施することができる。Hロイシンもしくは35Sメチオニンの取り込みまたは同様な実験を実施して、タンパク質合成の活性を研究することができる。本発明の分子の存在下、細胞中でのタンパク質合成の量または割合の変化は、該分子はタンパク質合成の調節物質であることを示す。タンパク質合成の割合または量の増大は、該分子がタンパク質の合成のインヒビターであることを示す。
【0062】
その上、該化合物は、抗増殖性質または抗感染性質について細胞レベルでアッセイすることができる。例えば、標的生物が微生物である場合には、本発明の化合物の活性は該化合物を含有するかまたは欠いているかのいずれかの媒質中での目的の微生物を増殖させることによってアッセイすることができる。増殖の抑制は、該分子がタンパク質合成インヒビターとして作用することができることの指標となり得る。より具体的には、細菌病原に対する本発明の化合物の活性は、ヒト病原体の定まった菌株の増殖を抑制する該化合物の能力によって実証され得る。本目的のために、細菌菌株のパネルは様々な標的病原種(いくつかは耐性機構は確認されている)を含むようにアセンブルすることができる。それらの生物のパネルの使用により、効力とスペクトルの観点だけでなく、耐性機構を未然に回避する観点での構造−活性の関係の測定が可能となる。該アッセイは、The National Committee for Clinical Laboratory Standards (NCCLS) guidelines(NCCLS. M7-A5-Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically; Approved Standard-Fifth Edition. NCCLS Document M100-S12/M7 (ISBN 1-56238-394-9))によって公開されている通常の方法論に従って、マイクロタイタートレイ(microtiter tray)中で実施することができる。
【0063】
4.製剤化および投与
本発明の化合物は、様々なヒトまたは他の動物の疾患(例えば、細菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、寄生虫疾患、および癌を含む)の予防または治療において有用であり得る。同定後に、本発明の活性分子は使用する前にいずれかの適当な担体中に包含され得る。活性分子の用量、投与の様式および適当な担体の使用は、意図するレシピエントおよび標的生物に依存する。本発明に記載する化合物の獣医学的な使用およびヒトの医学的な使用の両方における製剤は典型的に、該化合物を医薬的に許容し得る担体と合わせて含む。
【0064】
該担体は、該製剤の他の成分と適合し得てそして該レシピエントにとって有害でないという意味で「許容し得る」ものでなければいけない。この点で医薬的に許容し得る担体は、いずれかおよび全ての溶媒、分散媒質、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、並びに医薬的な投与に適合し得るその他のものを含むと意図する。医薬的な活性物質のそれらの媒質および剤の使用は、当該分野において知られる。いずれかの通常の媒質または剤が該活性化合物と不適合である限り以外には、該組成物におけるその使用を企図する。補助的な活性化合物(これは、本発明に従って同定されもしくは設計され、および/または当該分野において知られる)はまた、該組成物中に含有することができる。該製剤は通常、剤形で供することができ、そしてこのものは薬学/微生物学の分野においてよく知られる方法のいずれかによって製造することができる。通常、いくつかの製剤は、該化合物を液体担体もしくは細かく分割した固体担体またはその両方と合わせて、次いで必要な場合には、該製品を所望する製剤に成型することによって製造する。
【0065】
本発明の医薬組成物は、投与の意図する経路と適合し得るように製剤化するべきである。投与の経路の例としては、経口、または非経口(例えば、静脈内、皮内、吸入、経皮(局所)、経粘膜、および直腸の投与)を含む。非経口、皮内、または皮下の塗布のために使用する溶液または懸濁液としては、以下の成分を含む:減菌希釈物(例えば、注射用の水、生理食塩水、キャリアオイル(fixed oils)、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または硫酸水素ナトリウム);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);緩衝剤(例えば、酢酸、クエン酸、またはリン酸);および、張度の調節のための剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)を用いて調節することができる。
【0066】
経口または非経口のための有用な液剤は、製薬の分野においてよく知られる方法のいずれか(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18版, (Mack Publishing Company, 1990)中に記載)によって製造することができる。非経口投与のための製剤はまた、頬側投与のためのグリコール酸、直腸投与のためのメトキシサリチル酸、または膣投与のためのクエン酸をも含む。該非経口製剤は、アンプル、廃棄可能なシリンジ、またはガラスもしくはプラスチック製の複数回投与バイアル中に含有することができる。直腸投与のための坐剤はまた、該薬物を非刺激性賦形剤(例えば、ココアバター、他のグリセリド)、または室温で固体であってそして体温で液体である他の構成成分と混合することによって製剤することができる。製剤はまた、例えばポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、植物起源の油、および水素化ナフタレン)を含み得る。直接投与のための製剤は、グリセロールおよび高い粘性の他の構成成分を含み得る。これらの薬物のための他の潜在的に有用な非経口担体としては例えば、エチレン−ビニルアセテート共重合体粒子、浸透性ポンプ、インプラント可能な注入システム、およびリポソームを含む。吸入投与のための製剤は、例えばラクトースを賦形剤として含み得て、あるいは、点鼻薬の形態での投与のためのまたは鼻腔的に適用するゲルとしての、例えばポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリコール酸およびデオキシコール酸を含有する水溶液または油状溶液であり得る。停留浣腸剤(retention enemas)はまた、直腸運搬に使用することができる。
【0067】
経口投与に適当な本発明の製剤は、以下の形態であり得る:別個の単位(例えば、カプセル剤、ゼラチンカプセル剤、サッシェ剤、錠剤、トローチ剤、もしくは薬用ドロップ(lozenges)(各々は、予め決めた量の薬物を含有する);粉末もしくは顆粒の組成物;水性液体もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤;または、水中油滴乳剤もしくは油中水滴乳剤。該薬物はまた、ボーラス、練り薬(electuary)またはペーストの形態で投与することができる。錠剤は、該薬物を場合により1個以上の補助的な成分と一緒に圧縮しまたは成型することによって製造することができる。圧縮錠剤は、適当な機械中で、流動性形態(例えば、粉末または顆粒)の該薬物を圧縮し、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤によって混合することによって、製造することができる。成型錠剤は、適当な機械中で、該粉末状の薬物と不活性液体希釈物で湿らせた適当な担体との混合物を成型することによって製造することができる。
【0068】
経口組成物は通常、不活性な希釈物または食用担体を含む。経口的な治療学的な投与の目的のために、該活性化合物は賦形剤と一緒に含有することができる。洗口剤としての使用のための液体担体を用いて製造される経口組成物は液体担体中に該化合物を含み、このものは経口的に使用され、そして去痰されまたは嚥下される。医薬的に適合可能な結合剤および/またはアジュバント物質は、該組成物の一部として含むことができる。該錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、同様な性質の以下の成分または化合物を含むことができる:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントガム、またはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプン、またはラクトース);崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、またはコーンデンプン);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、またはステロテス(Sterotes));流動促進剤(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロース、またはサッカリン);または、芳香剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー(orange flavoring))。
【0069】
注射使用に適当な医薬組成物としては、減菌水性剤(この場合は、水溶性である)、または減菌注射可能な液剤もしくは分散剤の即座の調製のための分散剤および減菌散剤を含む。静脈投与の場合には、適当な担体としては、生理学的な食塩水、静菌水、クレモフォール(Cremophor)ELTM(BASF, Parsippany, NJ)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。そのものは、製造および保存の条件下で安定であるべきであり、そしてこのものは微生物(例えば、細菌または真菌)の混入作用から保存されるべきである。該担体は、溶媒、または分散媒質(これは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)を含有する)、およびそれらの適当な混合物であり得る。該適当な流動度は、例えばコーティング剤(例えば、レシチン)の使用によって、分散剤の場合には必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、保つことができる。多くの場合に、該組成物中に等張性剤(例えば、糖類、ポリアルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。該注射可能な組成物の長期間の吸収は、吸収を遅延する剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を該組成物中に含有することによって生じ得る。
【0070】
減菌注射可能な液剤は、必要な量の活性化合物を適当な溶媒中に、上記の成分の1つまたはその組み合わせと一緒に含有し、必要に応じて続いてろ過滅菌法によって製造することができる。通常、分散剤は、該活性化合物を減菌ビヒクル(これは、基材分散媒質および上記のもの由来の必要な他の成分を含む)中に含有することによって製造する。減菌注射可能な液剤の製造のための減菌粉末の場合には、製造法は真空乾燥および凍結乾燥を含み、これにより、上記の減菌ろ過した溶液から活性成分およびいずれかの更なる所望する成分の粉末を得る。
【0071】
関節内投与に適当な製剤は、微結晶形態(例えば、水性の微結晶性懸濁剤の形態)であり得る該薬物の減菌水性製剤の形態であり得る。リポソーム製剤または生分解性高分子システムをも用いて、関節内投与および眼投与の両方のための薬剤を供することができる。
【0072】
局所投与(眼処置を含む)に適当な製剤は、液体もしくは半−液体の製剤(例えば、リニメント剤、ローション剤、ゲル剤、塗布剤(applicants)、水中油滴乳剤もしくは油中水滴乳剤(例えば、クリーム剤、軟膏剤、またはペースト剤));または、液剤もしくは懸濁剤(例えば、点剤)を含む。皮膚表面への局所投与のための製剤は、該薬物を皮膚科学的に許容し得る担体(例えば、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、またはせっけん)と一緒に分散することによって製造することができる。塗布を局在化しそして除去を抑制するために皮膚上にフィルムまたは層を形成することができる担体が特に有用である。内部組織表面への局所投与の場合には、該薬物は、組織表面に接着する液体組織または組織表面への吸収を増大することが知られる他の物質中に分散することができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノーゲン/トロンビンの溶液を有利となるように使用することができる。別法として、組織コーティング溶液(例えば、ペクチン含有製剤)を使用することができる。
【0073】
吸入処置の場合には、スプレーを用いて分散される粉末(自己噴霧剤(self-propelling)またはスプレー製剤)の吸入、ネブライザ、またはアトマイザ(atomizer)を使用することができる。自己噴霧液剤およびスプレー製剤の場合には、該効果は、所望するスプレー性質(すなわち、所望する粒子サイズを有するスプレーを与えることができる)を有するバルブを選択するか、あるいは徐放性粒子サイズの懸濁された粉末として該活性成分を含有するかのいずれかによって達成し得る。該製剤は、粉末吸入デバイスまたは自己噴霧粉末を分散した製剤からの鼻腔投与のための微粉末の形態を採り得る。吸入による投与の場合には、該化合物はまた、耐圧容器もしくはディスペンサー(これは、適当なプロペラント(例えば、二酸化炭素などのガス)を含む)またはネブライザからのエアロゾルスプレーの形態で運搬することができる。
【0074】
全身投与はまた、経粘膜または経皮の手段によっても採り得る。経粘膜または経皮の投与の場合には、浸透するバリアーに適当な浸透剤(penetrants)を、該製剤化において使用する。該浸透剤は通常、当該分野において知られており、そして例えば経粘膜投与の場合には、洗浄剤および胆汁塩を含む。経粘膜投与は、鼻腔スプレーまたは坐剤の使用によって達成することができる。経皮投与の場合には、該活性化合物は典型的に、当該分野において通常知られる、軟膏剤、ロウ膏剤、ゲル剤、またはクリーム剤に製剤化する。
【0075】
該活性化合物は、該化合物を身体からの速い排出から防止する担体と一緒に製造することができ、例えば徐放性製剤(これは、インプラントおよびマイクロカプセルの運搬システムを含む)が挙げられる。生分解性、生体適合性の高分子(例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物(polyanhydrides)、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸)を使用することができる。該製剤の製造方法は、当該分野の当業者によって明らかである。リポソーム懸濁剤はまた、医薬的に許容し得る担体として使用することができる。これらは、当該分野の当業者にとって知られる方法(例えば、米国特許第4,522,811号中に記載)に従って製造することができる。
【0076】
経口または非経口の組成物は、投与の容易さおよび用量の均一性のために用量単位形態で製剤化することができる。用量単位形態は、処置する被験者のための単位用量として適合する物理学的に別個な単位であって、各単位が必要な医薬的な担体と合わせて所望する治療学的な効果を生むと算出した予め決めた量の活性化合物を含有する、ことを意味する。本発明の用量単位形態の規格は、活性化合物の特異的な性質および達成する特定の治療学的な効果、並びに個体の処置のために該活性化合物を配合するという当該分野に固有の限界によって決まり、そしてこれらによって直接に依存する。その上、投与は、ボーラスの周期的な注射により、または外部レザバー(例えば、静脈内用の嚢)からの静脈内、筋肉内、もしくは腹腔内の投与によってより連続的に行なうことができる。
【0077】
組織表面への接着が所望される場合には、該組成物は、フィブリノーゲン−トロンビン組成物または他のバイオアドヒーシブ(bioadhesive)中に分散された薬物を含み得る。次いで、該化合物は、ペイントし、スプレーし、またはそれ以外には所望する組織表面に塗布することができる。別法として、該薬物は、例えば有効な量(例えば、該薬物の適当な濃度を所望する効果を誘発するのに十分な時間で供する量)で、ヒトまたは他の哺乳動物に非経口または経口の投与のために製剤化することができる。
【0078】
活性化合物を移植方法の一部として使用する場合には、そのものは、ドナーからの組織または臓器の取り出し前に、生体組織もしくは臓器に供することができる。該化合物を、ドナー宿主に供することができる。別法としてまたは加えて、ドナーから取り出した後に、該臓器または生体組織を、活性化合物を含有する保存溶液中に置くことができる。全ての場合に、該活性化合物を、組織への注射によって所望する組織に直接に投与することができ、あるいはそのものを、本明細書中に記載しおよび/または当該分野において知られる方法および製剤のいずれかを用いた経口または非経口のいずれかの投与によって、全身的に供することができる。薬物が組織または臓器の保存溶液の部を含む場合には、いずれかの商業的に入手可能な保存溶液を使用すると、有利となり得る。例えば、当該分野において知られる有用な溶液は、コリンズ(Collins)溶液、ウィスコンシン(Wisconsin)溶液、ベルザー(Belzer)溶液、ユーロコリンズ(Eurocollins)溶液、および乳酸リンガー溶液を含む。
【0079】
本明細書中に記載する方法によって同定されまたは設計される活性化合物は、疾患を処置するために(予防学的にまたは治療学的に)、個体に投与することができる。該処置と組み合わせて、薬物ゲノミクス(すなわち、個体のゲノムタイプと、外来の化合物または薬物に対する個体の応答との間の関係の研究)を考えることができる。治療学における代謝の相違は、薬理学的に活性な薬物の用量および血中濃度の間の相関を変えることによって、激しい毒性または治療学的な失敗を生じ得る。従って、医師または臨床医は、該薬物を投与するかどうかを決定する際に、並びに該薬物を用いる処置の用量および/または治療学的なレジメを目的に合わせる(tailor)際に、関連薬物ゲノミクス研究で得られる知識を用いて考えることができる。
【0080】
哺乳動物における細菌感染症を処置しまたは闘うための治療学的な使用において、該化合物またはその医薬組成物は、抗菌的に有効であろう処置を受けている動物における活性成分の量、血中レベルまたは組織中レベルである濃度を得てそして保つための用量で、経口、非経口および/または局所的に投与する。用語「有効な量」とは、本発明の化合物が生物学的な活性(例えば、抗菌活性、抗真菌活性、抗ウイルス活性、駆虫活性、および/または抗増殖活性)を誘発するのに十分な量でレシピエント中またはレシピエント上に存在する、ことを意味すると理解する。通常、活性成分の用量の有効な量は、約0.1〜約100mg/体重kg/日(約1.0〜約50mg/体重kg/日がより好ましい)の範囲である。投与する量はまた、変数(例えば、疾患のタイプおよび大きさ、処置の指標、患者の全体の健康状態、運搬する化合物の相対的な生物学的な効力、薬物の製剤化、製剤中の賦形剤の存在およびタイプ、並びに投与の経路)に依存するであろう。投与する初期用量は、所望する血中レベルもしくは組織中レベルを速く達成するのに上記の上限レベル以下で増大することができ、あるいは該初期用量は最適値より低くすることも可能であり、そして1日用量は特定の状況に依存する処置期間中に連続的に増大することができる、と理解されるべきである。所望する場合には、1日用量はまた、複数回の投与の用量(例えば、1日に2〜4回)に分けることもできる。
【0081】
5.実施例
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、ブルカーアバンス(Bruker Avance)300もしくはアバンス500分光計、または場合によりGE−ニコレット(Nicolet)300分光計を用いて得た。通常の反応溶媒は、特に断らなければ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードまたは米国化学会(ACS)グレードのいずれか、および該製造主から得られる無水物とした。「クロマトグラフィー」または「シリカゲルによる精製」とは、特に断らなければ、シリカゲル(EM Merck社製、シリカゲル60、230〜400メッシュ)を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーを意味する。N−(t−ブトキシカルボニル)アミノ酸アミドは、文献の製法(例えば、Pozdnev, V. F.による, Tetrahedron Lett. 1995, 36 (39), 7115-7118)に従って製造した。
【0082】
本発明に記載する典型的な化合物を、表1中に例示する。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【0083】
上記の化合物およびその他は、当該分野において知られそして使用される通常の化学を用いて直接的に製造することができる。ある例示的な合成反応式の例を、非限定例として以下に例示する。
【0084】
実施例1−ビアリール前駆体の製造
反応式1は、本発明の化合物を製造するのに有用な様々なビアリール中間体の製造を示す。公知のヨードアリールオキサゾリジノン中間体1(米国特許第5,523,403号および第5,565,571号を参照)は置換されたアリールボロン酸とカップリングして(スズキ反応)、ビアリールアルコール2を得た。次いで、メシレート3、アジド4およびアミン5は、当該分野における当業者にとってよく知られる化学を用いて製造した。
【化26】

【0085】
アルコール2の製造
トルエン(120mL)中のN−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド1(14.0g、37mmol)の懸濁液を、4−(ヒドロキシメチル)フェニルボロン酸(7.87g、51.8mmol、1.4当量)、炭酸カリウム(KCO、15.32g、111mmol、3.0当量)、エタノール(EtOH、40mL)およびHO(40mL)を用いて25℃で処理し、そして得られた混合物を定常流のアルゴン下、25℃で3回脱気した。引き続いて、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、2.14g、1.85mmol、0.05当量)を該反応混合物に加え、そして得られた反応混合物を再び3回脱気し、その後に穏やかな還流まで6時間加熱した。薄層クロマトグラフィー(TLC)およびHPLCにより該カップリング反応が完結したことを示した後に、該反応混合物を室温まで冷却し、その後にHO(240mL)を用いて処理した。次いで、得られた混合物を室温で10分間撹拌し、その後にこのものを0〜5℃まで1時間冷却した。該固体沈殿物をろ過によって集め、HO(2×100mL)および20%酢酸エチル(EtOAc)/ヘキサン(2×50mL)を用いて洗浄し、そして真空下で乾燥した。粗の目的のN−[3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシメチル−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド2(12.50g、94%収率)を、オフホワイト色固体として得た。この物質は、HPLCおよびH NMRによって本質的に純粋であることが分かり、そしてこのものを更に精製することなく続く反応に直接に使用した。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.76 (s, 3H, COCH3), 3.35 (t, 2H, J = 5.4 Hz), 3.69 (dd, 1H, J = 6.4, 9.2 Hz), 4.08 (t, 1H, J = 9.1 Hz), 4.46 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2OH), 4.68 (m, 1H), 5.16 (t, 1H, J = 5.7 Hz, OH), 7.25-7.52 (m, 7H, 芳香族-H), 8.18 (t, 1H, J = 5.8 Hz, NHCOCH3)。LCMS (ESI) m/e 359 (M + H)+
【0086】
メシレート3の製造
塩化メチレン(CHCl、150mL)中の2(12.49g、34.90mmol)の懸濁液をトリエチルアミン(EtN、7.07g、9.7mL、70mmol、2.0当量)を用いて25℃で処理し、そして得られた混合物を0〜5℃まで冷却し、その後にメタンスルホニルクロリド(4.80g、3.24mL、41.9mmol、1.2当量)を用いて0〜5℃で滴下処理した。引き続いて、得られた反応混合物を0〜5℃で2時間撹拌した。TLCおよびHPLCにより該反応が完結したことを示した後に、該反応混合物をHO(100mL)を用いて0〜5℃で処理した。次いで、該混合物を真空下で濃縮して、ほとんどのCHClを除去し、そして得られたスラリーをHO(150mL)を用いて処理した。該混合物を室温で10分間撹拌し、その後にこのものを0〜5℃まで30分間冷却した。該固体の沈降物をろ過によって集めて、HO(2×100mL)および20%EtOAc/ヘキサン(2×50mL)を用いて洗浄し、そして真空下で乾燥した。粗の目的のメタンスルホン酸4−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチルエステル3(11.84g、78%収率)をオフホワイト色固体として得て、このものはTLCおよびHPLCによって本質的に純粋であることが分かり、そしてこのものを更に精製することなく続く反応に直接に使用した。LCMS (ESI) m/e 437 (M + H)+
【0087】
アジド4の製造
無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、50mL)中の3(9.27g、21.26mmol)の溶液を、アジドナトリウム(NaN、5.53g、85.04mmol、4.0当量)を用いて25℃で処理し、そして得られた反応混合物を70〜80℃まで4時間加温した。TLCおよびHPLCにより該反応が完結したことを示した後に、該反応混合物を室温まで冷却し、その後にHO(150mL)を用いて処理した。得られた混合物を室温で10分間撹拌し、その後に0〜5℃まで1時間冷却した。該固体の沈降物をろ過によって集めて、HO(2×100mL)および20%EtOAc/ヘキサン(2×50mL)を用いて洗浄し、そして真空下で乾燥した。粗の目的のN−[3−(4−アジドメチル−2−フルオロ−ジフェニル−4−イル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド4(7.16g、88%収率)をオフホワイト色固体として得た。該物質はTLCおよびHPLCによって本質的に純粋であることが分かり、そしてこのものは更に精製することなく続く反応に直接に使用した。LCMS (ESI) m/e 384 (M + H)+
【0088】
アミン5の製造
テトラヒドロフラン(THF)(100mL)中の4(7.16g、18.69mmol)の溶液をトリフェニルホスフィン(PPh、5.88g、22.43mmol、1.2当量)およびHO(3.6g、3.6mL、0.2mmol、11.0当量)を用いて25℃で処理し、そして得られた反応混合物を50〜55℃まで12時間加温した。TLCおよびHPLCにより該還元反応が完結したことを示した後に、該反応混合物を室温まで冷却し、その後に溶媒を真空下で除去した。該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜15%のメタノール(MeOH)−CHClの勾配溶出)によって精製して、オフホワイト色結晶の目的のN−[3−(4−アミノメチル−2−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド5(5.82g、87%収率)を得て、このものは続く反応に直接に使用するのに十分な純度であった。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.85 (s, 3H, COCH3), 3.04 (br.s, 2H, NH2), 3.44 (t, 2H, J = 5.4 Hz), 3.78 (m, 3H), 4.18 (t, 1H, J = 9.1 Hz), 4.77 (m, 1H), 7.25-7.60 (m, 7H, 芳香族-H), 8.20 (t, 1H, J = 5.8 Hz, NHCOCH3)。LCMS (ESI) m/e 359 (M + 2H)2+
【0089】
実施例2−化合物101の製造
化合物101は、以下の反応式2に示す通りに、アミン5およびブロモアセトアミド6から製造した。
【化27】

方法A:
無水CHCl(2mL)、MeOH(2mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基(Hunig's base)、2mL)中のアミン5(0.075g、0.21mmol)およびブロモアセトアミド6(0.030g、0.21mmol)の混合物を、80℃で18時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、そして該粗生成物をシリカゲルカラム(CHCl/MeOH/NHOHの20:1:0.05〜18:1:0.05〜16:1:0.05〜14:1:0.05)で精製して、白色固体の化合物101(0.064g、74%)を得た。
【0090】
アルデヒド7およびグリシンアミド塩酸塩8からの化合物101の別製造法は、以下の反応式3中に示す。
【化28】

【0091】
方法B:
MeOH(4mL)およびTHF(1mL)中のグリシンアミド塩酸塩8(0.076g、0.674mmol)および硫酸マグネシウム(MgSO、0.250g、2.080mmol)の懸濁液に、オキサゾリジノンアルデヒド7(これは、ヨード1および4−ホルミルボロン酸から、実施例1におけるアルコール2の製造と同じ方法で製造する)(0.120g、0.337mmol)を加えた。該混合物を室温で2時間撹拌した。トリアセトキ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc)、0.200g、0.940mmol)を加え、そして撹拌を3時間続けた。該反応液をろ過し、そして溶媒を真空下で除去した。該粗物を上記の方法Aと同様に精製して、白色固体の101(0.026g、19%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (t, J = 6 Hz, 1H), 7.65-7.39 (m, 7H), 7.32 (bs, 1H), 7.07 (bs, 1H), 4.76 (m, 1H), 4.17 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.81-3.72 (m, 3H), 3.43 (t, J = 5 Hz, 2H), 3.05 (s, 2H), 1.84 (s, 3H)。LCMS (ESI) m/e 415.2 (M + H)+
【0092】
実施例3−化合物102の製造
【化29】

化合物102は、最初にBoc−アランアミド(alanamide)9をCHCl中の50%トリフルオロ酢酸(TFA)を用いて0℃で30分間処理することによって製造した。溶媒を真空下で除去後に、該粗Boc−脱保護生成物を、101の製造についての方法Bに記載する通り(NaBHをヒドリド源として使用することを除く)、アルデヒド7と反応した。カラム精製(CHCl/MeOH/NHOHの25:1:0.05〜20:1:0.05〜15:1:0.05)後に、白色固体の化合物102を約1.4%収率で単離した。1H-NMR (300 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 7.53-7.25 (m, 7H), 4.73 (m, 1H), 4.10 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.79-3.57 (m, 3H), 3.49 (d, J = 5 Hz, 2H), 1.88 (s, 3H), 1.20 (d, J = 7 Hz, 3H)。LCMS (ESI) m/e 429.2 (M + H)+。
【0093】
実施例4−化合物103の製造
【化30】

アミド10(0.101g、0.5mmol)をCHCl(2mL)中に0℃で溶解した。トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、そして該混合物を0℃で30分間撹拌し、その後に溶媒を真空下で除去した。該粗物に、メシレート3(0.100g、0.23mmol)、DMF(3mL)およびヒューニッヒ塩基(0.3mL)を加え、そして該混合物を75〜80℃で2時間加熱した。該溶媒を真空下で除去し、そして該粗物を飽和NaHCO(30mL)および15%MeOH/CHCl(30mL)の間で分配した。該粗水相を15%MeOH/CHCl(2×30mL)を用いて抽出し直し、該有機相を合わせて硫酸ナトリウム(NaSO)を用いて乾燥し、そして該溶媒を真空下で除去した。該粗物をシリカゲル(CHCl/MeOH/NHOHの20:1:0.05〜15:1:0.05)で精製して、白色吸湿性固体の化合物103(0.032g、32%)を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 7.70-7.28 (m, 7H), 4.82 (m, 1H), 4.15 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.87-3.59 (m, 5H), 3.22 (m, 1H), 2.78 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.29 (d, J = 7 Hz, 3H)。LCMS (ESI) m/e 443.2 (M + H)+
【0094】
実施例5−化合物104の製造
【化31】

化合物104は、化合物103について記載する通り(該粗物を溶媒の蒸留後に、直接にシリカゲルで精製(CHCl/MeOH/NHOH(20:1:0.05〜15:1:0.05〜12:1:0.05)を用いて溶出)することを除く)、アミド11およびメシレート3から製造して、白色固体の化合物104を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 7.51-7.21 (m, 7H), 4.72 (m, 1H), 4.08 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.83-3.41 (m, 6H), 2.93 (m, 1H), 1.92 (s, 3H), 1.75 (d, J = 7 Hz, 3H)。LCMS (ESI) m/e 459.3 (M + H)+
【0095】
実施例6−化合物105の製造
【化32】

メチルアルコール(2mL)、塩化メチレン(2mL)およびヒューニッヒ塩基(2mL)の混合物中のアミン12(これは、ヨード1および4−ホルミル−3−フルオロフェニルボロン酸から、実施例1のアミン5と同様な方法で製造する)の溶液に、ブロモアセトアミド6(32mg、0.23mmol)を0℃で加えた。該反応混合物を室温まで昇温させ、そしてこのものを80℃の油浴で18時間加熱した。該溶液を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(14:1:0.05のCHCl/MeOH/NHOH)によって精製して、化合物105(66mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 8.27 (t, J = 6 Hz, 1H), 7.65-7.54 (m, 3H), 7.44-7.35 (m, 4H), 7.14 (s, 1H), 4.81-4.72 (m, 1H), 4.17 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.80-3.71 (m, 3H), 3.43 (t, J = 5 Hz, 2H), 3.13 (s, 2H), 1.84 (s, 3H)。LCMS (ESI) m/e 433 (M+H)+
【0096】
実施例7−化合物106の製造
【化33】

化合物106は、化合物103について記載する通りに、アミド13およびメシレート3から製造した。該粗物を、シリカゲル(最初にCHCl/MeOH(24:1〜20:1)、次いでCHCl/MeOH/NHOH(20:1:0.05〜15:1:0.05)を用いて溶出)で精製して、白色吸湿性固体の化合物106を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.47-7.21 (m, 7H), 5.98 (t, J = 6 Hz, 1H), 4.74 (m, 1H), 4.02 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.78-3.48 (m, 6H), 2.93 (s, 3H), 2.91 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), 1.17 (d, J = 7 Hz, 3H)。LCMS (ESI) m/e 457.3 (M + H)+
【0097】
実施例8−化合物107の製造
【化34】

化合物107は、化合物103について記載する通り(反応液を12時間加熱することを除く)、アミド14およびメシレート3から製造した。該粗物をシリカゲル(CHCl/MeOH/NHOHの30:1:0.04〜25:1:0.04〜20:1:0.04〜15:1:0.05〜15:1:0.1)で精製して、白色吸湿性固体の化合物107を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 7.48-7.20 (m, 7H), 4.74 (m, 1H), 4.07 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.79-3.50 (m, 5H), 3.19 (m, 1H), 1.92 (s, 3H), 1.25 (d, J = 7 Hz, 3H)。LCMS (ESI) m/e 429.2 (M + H)+
【0098】
実施例9−化合物108の製造
【化35】

MeOH(5mL)およびCHCl(5mL)中の2−ブロモアセトアミド6(827mg、5.88mmol)および4−ブロモベンジルエチルアミン15(1.00g、4.90mmol)の溶液に室温で、ヒューニッヒ塩基(15mL)を加えた。該混合物を50〜60℃で16時間撹拌した。水(30mL)を加え、そして該混合物をCHCl(4×30mL)を用いて抽出し、そしてNaSOを用いて乾燥して、白色結晶のアミド16(1.27g、100%収率)を得た。この生成物を更に精製することなく次の工程に使用した。1H-NMR (300 MHz, CDCl3, ppm): δ 7.38 (d, J = 8Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8Hz, 1H), 6.77 (s br, 1H), 5.69 (s br, 1H), 3.67 (q, J = 7Hz, 1H), 3.07 (s, 2H), 1.29 (d, J = 7Hz, 3H)。
【0099】
ボロン酸エステル17(これは、PCT国際特許出願WO 03/027083A1中に記載する通り製造)(168mg、0.4mmol)を、ジオキサン(3mL)、EtOH(1mL)およびHO(1mL)中のアミド16(103mg、0.40mmol)、ジクロロ[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl、16mg、0.02mmol)およびKCO(221mg、1.60mmol)の混合物に加えた。該混合物をアルゴンを用いて脱気し、そしてこのものを90〜95℃で3時間撹拌した。水(10mL)を加え、該混合物をCHCl(4×30mL)を用いて抽出し、そして該抽出物をNaSOを用いて乾燥した。該残渣をカラムクロマトグラフィー(7:100:0.1のMeOH/CHCl/NHOH)によって精製して、化合物108(85mg、50%収率)を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3, ppm, 一部(partial)): δ 7.70-7.30 (m, 7H), 7.09 (s br, 1H), 6.31 (s br, 1H), 5.63 (s br, 1H), 4.96-4.92 (m, 1H), 4.22 (t, J = 9Hz, 1H), 3.33 (s, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.55 (d, J = 7Hz, 3H)。LCMS (ESI) m/e 451.2 (M + Na)+
【0100】
実施例10−化合物109の製造
【化36】

DMF(10mL)中の高分子4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノールアミド樹脂(TFP, J. Comb. Chem. 2000, 2, 691)(1.00g、1.27mmol)の懸濁液を、ポリプロピレンカートリッジ(70mL)中で10分間振り混ぜ、次いでこのものをN−tert−ブトキシカルボニル−グリシン(1.11g、6.35mmol)、3−ヒドロキシベンゾトリアゾール(18mg、0.13mmol)およびジイソプロピルカルボジイミド(1.2mL、7.6mmol)を用いて処理した。該反応混合物を23℃で18時間振り混ぜ、次いで該樹脂をDMF(10×50mL)、THF(10×50mL)および塩化メチレン(10×50mL)を用いて洗浄し、そして真空下で乾燥した。
【0101】
DMF(7mL)中のTFPエステル(270mg、0.216mmol)の懸濁液をアミン5(70mg、0.196mmol)を用いて処理し、そしてこのものをポリプロピレンカートリッジ(10mL)中で18時間振り混ぜた。該ろ液を集め、そして乾燥してアミド18(90mg、0.175mmol、89%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 8.44-8.40 (m, 1H), 8.37-8.33 (m, 1H), 7.68-7.53 (m, 4H), 7.49-7.40 (m, 3H), 7.12-7.08 (m, 1H), 4.87-4.79 (m, 1H), 4.39 (d, J = 6 Hz, 2H), 4.26-4.20 (m, 1H), 3.84 (dd, J = 9.6 Hz, 1H), 3.66-3.62 (m, 2H), 3.52-3.48 (m, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.46 (s, 9H)。
【0102】
4M HCl/ジオキサン(1mL)中のアミド18(90mg、0.175mmol)の溶液を、23℃で0.5時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去した。該反応液をジクロロメタン(5mL)を用いて2回希釈し、そして該溶媒を真空下で蒸発させて、化合物109の塩酸塩(57mg、0.138mmol、79%)を得た。MS (ESI): 415.1 (M+H)+1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 9.06-9.02 (m, 1H), 8.40-8.36 (m, 1H), 8.20 (s, 3H), 7.68-7.56 (m, 4H), 7.49-7.45 (m, 3H), 4.87-4.78 (m, 1H), 4.46-4.44 (m, 2H), 4.26-4.20 (m, 1H), 3.85 (dd, J = 9.6 Hz, 1H), 3.72-3.65 (m, 2H), 3.51-3.47 (m, 2H), 1.90 (s, 3H)。
【0103】
実施例11−化合物110の製造
【化37】

CHCl(25mL)中のBoc−グリシン19(1.04g、5.88mmol)および4−ブロモベンジルエチルアミン15(1.00g、4.90mmol)の溶液に室温で、ヒューニッヒ塩基(1.30mL、7.35mmol)を加えた。該混合物を室温で16時間撹拌した。該混合物を水(40mL)および飽和NaHCO(3mL)中にそそぎ、次いでこのものをCHCl(60mL)を用いて抽出し、水洗し(100mL)、そしてNaSOを用いて乾燥した。該残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン/NHOH(50:50:0.1))によって精製して、白色結晶のアミド20(1.30g、69%収率)を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3, ppm): δ 7.37 (d, J = 7Hz, 2H), 7.09 (d, J = 7Hz, 1H), 6.50 (s br, 1H), 5.15 (s br, 1H), 5.01-4.95 (m, 1H), 3.69 (d, J = 6Hz, 2H), 1.39 (d, J = 7Hz, 3H), 1.37 (s, 9H)。
【0104】
ジオキサン(3mL)、EtOH(1mL)、およびHO(1mL)中の20(143mg、0.40mmol)、ボロン酸エステル17(168mg、0.4mmol)、Pd(dppf)Cl(16mg、0.02mmol)およびKCO(221mg、1.60mmol)の混合物を、アルゴンを用いて脱気した。該混合物を90〜95℃で3時間撹拌した。水(10mL)を加え、そして該混合物をCHCl(4×30mL)を用いて抽出し、そして該有機抽出物をNaSOを用いて乾燥した。該残渣をカラムクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/NHOHの5:100:0.1)によって精製して、Boc−保護生成物(200mg、100%収率)を得た。この中間体に、CHCl(2mL)およびTFA(2mL)を加え、そして該混合物を室温で3時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去し、そして該残渣をカラムクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/NHOHの15:85:0.1)によって精製して、化合物110(168mg、99%収率)を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3, ppm, 一部): δ 7.64-7.33 (m, 7H), 5.13-5.07 (m, 1H), 4.19 (ddd, J = 9.3, 3Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 9.7, 3Hz, 1H), 3.77-3.50 (m, 5H), 1.99 (s, 3H), 1.54 (d, J = 7Hz, 3H)。LCMS (ESI) m/e 429 (M + H)+
【0105】
実施例12−化合物11の製造
DMF(1mL)中のアミン5(70mg、0.20mmol)溶液をジイソプロピルエチルアミン(0.068mL、0.39mmol)を用いて処理し、次いで0℃まで冷却した。該反応混合物を、N,N−ジメチルグリシン(20mg、0.20mmol)および1−(3−次メチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI、41mg、0.22mmol)を用いて処理した。該反応液を0℃で2時間撹拌した。更なるN,N−ジメチルグリシン(20mg、0.20mmol)およびEDCI(34mg、0.20当量)を加え、そして該反応液を23℃で24時間撹拌した。3−ヒドロキシベンゾトリアゾール(29mg、0.22mmol)を加え、そして該反応液を23℃で16時間撹拌した。該反応液をトルエンを用いて希釈し、そして該溶媒を真空下で除去した。該粗生成物をプレパラティブ薄層クロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NHOHの10:1:0.1)によって精製して、化合物111(7mg、8%収率)を得た。MS (ESI): 443.1 (M+H)+1H-NMR (300 MHz, CH2Cl2): δ 7.56-4.47 (m, 4H), 7.43-7.33 (m, 3H), 7.24-7.23 (m, 1H), 6.35-6.45 (m, 1H), 4.84-4.76 (m, 1H), 4.52-4.50 (m, 2H), 4.10-4.04 (m, 1H), 3.81 (dd, J = 9.7 Hz, 1H), 3.71-3.61 (m, 2H), 3.02 (s, 2H), 2.29 (s, 6H), 2.02 (s, 3H)。
【0106】
実施例13−化合物113の製造
DMF(10mL)中の高分子の4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(TFP、J. Comb. Chem. 2000, 2, 691)、アミド樹脂(1.00g、1.27mmol)の懸濁液を、ポリプロピレンカートリッジ(70mL)中で10分間振り混ぜ、次いでこのものをN−tert−ブトキシカルボニル−グリシン(1.11g、6.35mmol)、3−ヒドロキシベンゾトリアゾール(18mg、0.13mmol)およびジイソプロピルカルボジイミド(1.2mL、7.6mmol)を用いて処理した。該反応混合物を23℃で18時間振り混ぜ、次いで該樹脂をDMF(10×50mL)、THF(10×50mL)、および塩化メチレン(10×50mL)を用いて洗浄し、そして真空下で乾燥した。
【0107】
DMF(1mL)中のN−BocグリシンをロードしたTFPエステル樹脂(0.051g、0.041mmol)の懸濁液をアミン12(0.014g、0.037mmol)を用いて処理し、そしてポリプロピレンカートリッジ(7mL)中で12時間振り混ぜた。該ろ液を集めそして蒸発させて、粗Boc−保護生成物(17mg)を得て、このものをジクロロメタン(2mL)およびエタノール(2mL)中に溶かし、そして4.0M HCl/ジオキサン(5mL)を用いて処理した。該反応液を23℃で2時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去することにより、塩酸塩の化合物113(0.015g、0.032mmol、2工程で87%)を得た。MS (ESI): 433 (M + H)+
【0108】
実施例14−化合物114の製造
【化38】

DMF(2mL)中のアミン21(0.079g、0.21mmol)の溶液を、N−Boc−グリシン(0.054g、0.31mmol)およびEDCI(0.060g、0.31mmol)を用いて処理し、そして23℃で2時間撹拌した。該反応混合物をジクロロメタン(50mL)を用いて希釈し、1M塩酸(2×50mL)および飽和NaHCO水溶液(50mL)を用いて洗浄し、そしてNaSOを用いて乾燥した。該溶媒を真空下で除去して、白色粉末のBoc−保護生成物(89mg)を得た。ジクロロメタン(15mL)およびメタノール(5mL)中の粗Boc−保護生成物の溶液を、ジオキサン(5mL)中の4.0M HCl(5mL)を用いて処理し、そして23℃で2時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去することにより、塩酸塩の化合物114(0.065g、66%収率)を得た。MS (ESI): 433 (M + H)+
【0109】
実施例15−化合物117の製造
【化39】

DMF(1.0mL)中のアミン5(0.070g、0.20mmol)の懸濁液をジイソプロピルエチルアミン(0.068mL、0.40mmol)を用いて処理し、そして溶解が達成するまで加熱した。該反応混合物を0℃まで冷却し、そしてN−tert−ブトキシカルボニル−アラニン(0.037g、0.20mmol)およびEDCI(0.041g、0.22mmol)を用いて処理した。更なるN−tert−ブトキシカルボニル−アラニン(0.037g、0.20mmol)およびEDCI(0.034g、0.18mmol)を加え、そして該反応混合物を23℃で12時間撹拌した。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.029g、0.22mmol)を加えた。該反応混合物をトルエン中に希釈し、そして該溶媒を真空下で除去して粗生成物を得て、このものをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CHCl(1:1)中の2〜5%MeOH)によって精製して、アミド22(0.053g、50%収率)を得た。
【0110】
塩化メチレン(1.0mL)中のアミド22(0.042g、0.080mmol)の溶液を、塩化水素(ジオキサン中の4.0M、0.24mL)を用いて処理し、そして23℃で1時間撹拌した。該反応混合物を塩化メチレンを用いて希釈し、そして該溶媒を真空下で除去して、化合物17を得た。MS (ESI): 429 (M + H)+
【0111】
実施例16−化合物119の製造
【化40】

DMF(0.56mL)中のアミン5(0.020g、0.056mmol)の溶液を、N−tert−ブトキシカルボニル−D−アラニン(0.012g、0.062mmol)およびEDCI(0.016g、0.084mmol)を用いて処理し、そして23℃で1.5時間撹拌した。該反応混合物を塩化メチレン(15mL)を用いて希釈し、1.0M塩酸(2×15mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)を用いて洗浄し、そしてNaSOを用いて乾燥して、アミド23を得た。
【0112】
塩化メチレン(1.0ml)中のアミド23(0.045g、0.085mmol)の溶液を、塩化水素(ジオキサン中の4.0M、0.50mL)を用いて処理し、そして23℃で1時間撹拌した。該反応混合物を塩化メチレンを用いて希釈し、そして該溶媒を真空下で除去して、化合物119を得た。MS (ESI): 429 (M + H)+
【0113】
実施例17−化合物126の製造
【化41】

DMF(0.50mL)中のアミン5(0.050g、0.14mmol)溶液を、N−tert−ブトキシカルボニル−D−セリン(0.032g、0.15mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、DMF中の0.8M、0.17mL、0.14mmol)およびEDCI(0.030g、0.15mmol)を用いて処理し、そして23℃で0.5時間撹拌した。該反応混合物をシリカゲルカラムに直接に加え、そしてフラッシュクロマトグラフィー(50〜100%アセトン/ヘキサン)によって精製して、アミド24(0.038g、48%収率)を得た。
【0114】
塩化メチレン(1.0mL)中のアミド24(0.038g、0.067mmol)の溶液を、塩化水素(ジオキサン中の4.0M、0.80mL)を用いて処理し、そして23℃で1時間撹拌した。該反応混合物を塩化メチレンを用いて希釈し、そして該溶媒を真空下で除去して、化合物126を得た。MS (ESI): 445 (M + H)+
【0115】
実施例18−化合物127の製造
DMF(0.5mL)中のアミン5(0.025g、0.07mmol)の溶液をN−Boc−グルタミン酸(0.054g、0.08mmol)、DMAP(0.010g、0.08mmol)およびEDCI(0.016g、0.08mmol)を用いて処理し、そして23℃で2時間撹拌した。該反応混合物をジクロロメタン(10mL)を用いて希釈し、1M HCl(2×10mL)および飽和NaHCO水溶液(10mL)を用いて洗浄し、そしてNaSOを用いて乾燥した。該溶媒を真空下で除去して白色固体のBoc−保護生成物(62mg)を得て、このものを更にシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン)によって精製して、白色粉末のBoc−保護アミン(41mg)を得た。この固体をTHF(0.5mL)中に溶かし、0℃まで冷却し、そしてジオキサン中の2N HCl(0.1mL)を用いて処理した。該混合物を0℃で4時間撹拌し、次いでこのものを濃縮して吸湿性白色固体の化合物127の塩酸塩(0.029g、0.06mL、2工程で86%)を得た。MS (ESI): 486 (M + H)+
【0116】
実施例19−化合物129の製造
DMF(0.5mL)中のアミン5(0.025g、0.07mmol)の溶液をN−Boc−L−メチオニン(0.020g、0.08mmol)、DMAP(0.010g、0.08mmol)およびEDCI(0.016g、0.08mmol)を用いて処理し、そしてこのものを23℃で2時間撹拌した。該反応混合物をジクロロメタン(10mL)を希釈し、1M HCl(2×10mL)および飽和NaHCO水溶液(10mL)を用いて洗浄し、そしてNaSOを用いて乾燥した。該溶媒を真空下で除去して、白色固体のBoc−保護生成物(62mg)を得て、このものを更にシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン)によって精製して、白色粉末の純粋なBoc−保護アミン(34mg)を得た。この固体をTHF(0.5mL)中に溶かし、0℃まで冷却し、そしてジオキサン中の2M HCl(0.1mL)を用いて処理した。該混合物を0℃で4時間撹拌し、次いで濃縮して、吸湿性白色固体の化合物129の塩酸塩(0.027g、0.055mmol、2工程で79%)を得た。MS (ESI): 489 (M + H)+
【0117】
実施例20−化合物138の製造
ジクロロメタン(0.5mL)およびメタノール(0.5mL)中の化合物129(0.010g、0.02mmol)の0℃の溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(0.005g、0.03mmol)を加え、そして該溶液を0℃で6時間撹拌した。該溶液をジクロロメタン(30mL)を用いて希釈し、そして飽和NaHCO水溶液およびブラインを用いて洗浄した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン)によって精製して、白色固体の化合物138(0.011g、0.02mmol、100%収率)を得た。MS (ESI): 521 (M + H)+
【0118】
実施例21−化合物の146の製造
【化42】

無水CHCl(10mL)、MeOH(10mL)およびヒューニッヒ塩基(4mL)中のグリシンアミド塩酸塩8(0.40g、3.40mmol)およびメシル−オキサゾリジノン25(0.50g、1.10mmol)の混合物を、80℃〜85℃の間で60時間加熱した。該溶媒を真空下で除去し、そして該粗物を希水酸化アンモニウム(pH=10)中で懸濁し、そしてろ過した。該残渣を乾燥し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(1% MeOH/CHCl、次いで16:1:0.1〜12:1:0.1のCHCl/MeOH/NHOH)によって精製して、白色固体の化合物146(0.192g、41%)を得た。LCMS (ESI): m/e 429.1 (M + H)+
【0119】
実施例22−化合物148の製造
【化43】

DMF(0.50mL)中のアミン26(0.050g、0.14mmol)の溶液を、N−tert−ブトキシカルボニル−グリシン(0.026g、0.15mmol)、DMAP(DMF中の0.8M、0.17mL、0.14mmol)、およびEDCI(0.030g、0.15mmol)を用いて処理し、そして23℃で0.5時間撹拌した。該反応混合物をシリカゲルカラムに直接に加え、そしてこのものをフラッシュクロマトグラフィー(50〜100%アセトン/ヘキサン)によって精製して、アミド27(0.031g、42%収率)を得た。
【0120】
アミド27(0.093g、0.18mmol)の溶液を塩化水素(ジオキサン中の4.0M、1.0mL)を用いて処理し、そして23℃で0.5時間撹拌した。該反応混合物を塩化メチレンを用いて希釈し、そして溶媒を真空下で除去して、化合物148(0.082g、100%収率)を得た。MS (ESI): 429 (M + H)+
【0121】
実施例23−化合物150の製造
DMF(2mL)中のアミン5(0.18g、0.50mmol)の溶液を、アセトキシ酢酸(0.065g、0.55mmol)、EDCI(0.11g、0.55mmol)およびDMAP(0.061g、0.50mmol)を用いて処理し、そして23℃で2時間撹拌した。該反応混合物をフラッシュクロマトグラフィー(50〜100%のアセトン/ヘキサン)によって精製して、O−アセチル化生成物(120mg、0.26mmol、52%)を得た。THF/メタノール/HO(3:1:1)(2.5mL)中のO−アセチル化生成物(0.11g、0.24mmol)の溶液を、水酸化リチウムモノ水和物(0.020g、0.48mmol)を用いて処理し、そして23℃で15分間撹拌した。該反応混合物をジクロロメタン(50mL)を用いて希釈し、1M 塩酸(50mL)を用いて洗浄し、そしてNaSOを用いて乾燥した。該溶媒を真空下で除去して、白色粉末の化合物150(90mg、90%収率)を得た。MS (ESI): 416 (M + H)+
【0122】
実施例24−化合物157の製造
DMF(2mL)およびTHF(2mL)中のメシレート3(220mg、0.5mmol、1当量)の溶液を、ヒューニッヒ塩基(0.3mL、1.0mmol、2当量)およびチオセミカルバジド(180mg、2.0mmol、4.0当量)を用いて室温で処理し、該得られた混合物を加熱還流し、そして6時間撹拌した。該反応混合物から沈降した目的の生成物をろ過によって集めた。カラムクロマトグラフィー(5〜10%のMeOH/CHCl勾配で溶出)によって精製することにより、オフホワイト色固体の(5S)−N−[3−(4−N−チオカルバモイルヒドラジノメチル−2−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド157(52mg、理論収量215.5mg、24%)を得た。C2022FNSとして計算、LCMS (EI): m/e 432 (M+ + H)。
【0123】
実施例25−化合物170の製造
【化44】

ジオキサン(20mL)およびピリジン(4mL)中のBoc−Ser−OH 28(2.0g、8.022mmol)溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.1g、9.626mmol)を加えた。該混合物を室温で10分間撹拌し、次いで炭酸水素アンモニウム(3.17g、40.11mmol)を加え、そして該反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(50mL)を用いて希釈し、そして飽和炭酸ナトリウム水溶液(50mL)および飽和塩化ナトリウム(50mL)を用いて洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、そして真空下で蒸発した。該残渣をTFA(5mL)中に溶解し、そして室温で30分間撹拌した。該混合物を真空下で濃縮し、そして酢酸エチル(100mL)および炭酸ナトリウム水溶液(100mL)の間で分配した。該混合物を激しく振り混ぜ、そして相分離した。該有機相をブライン(100mL)を用いて洗浄し、無水NaSOを用いて乾燥し、そして真空下で濃縮して、無色油状物のアミド29(0.85g)を得た。この物質を更に精製することなく次の反応に用いた。
【0124】
ジメチルスルホキシド(5mL)およびKCO(0.06g、0.458mmol)中のメシレート3(0.1g、0.229mmol)およびアミド29(0.02g、0.229mmol)の混合物を80℃で16時間加熱した。該反応液を冷却し、酢酸エチルを用いて希釈し、そして水(50mL)およびブライン(50mL)を用いて洗浄した。NaSOを用いて乾燥しそして真空下で濃縮することにより、黄色固体を得て、このものをプレパラティブ薄層クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)によって精製して、白色固体の化合物170を得た。LCMS (ESI): 445 (M + H)+1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 8.25 (t, J = 5 Hz, 1H), 7.61-7.39 (m, 7H), 5.25 (s, 1H), 4.75 (m, 1H), 4.54 (s, 2H), 4.15 (t, J = 9 Hz, 1H), 3.77 (m, 1H), 3.43 (d, 2H), 1.8 (s, 3H)。
【0125】
実施例26−化合物173の製造
化合物101(0.25g、0.61mmol)、アセト酢酸5(0.09g、0.73mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.10g、0.73mmol)をDMF(8mL)中に溶解し、そしてこの溶液にEDCI(0.14g、0.73mmol)を加えた。該混合物を室温で2時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去し、そして該残渣を20%MeOH/CHCl(40mL)および水(40mL)の間で分配した。該2個の相を分離し、該水相を20%MeOH/CHCl(3×30mL)を用いて抽出し、そして該有機相を合わせてNaSOを用いて乾燥した。該溶媒を真空下で除去し、そして該粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(1〜10%のMeOH/CHCl)によって精製して、黄色−白色固体の化合物173(0.116g、37%)を得た。LCMS (ESI): m/e 537.1 (M + Na)+
【0126】
本明細書中に引用する特許および科学的な文書の各々の完全な開示は、本明細書の一部を構成する。
【0127】
本発明は、その精神または本質的な性質から逸脱することなく、他の具体的な形態に具現化され得る。従って、上記の実施態様は全ての面において、本明細書中に記載する本発明を限定するよりもむしろ例示するものであると考えるべきである。従って、本発明の範囲は、上記の記載によってよりも特許請求の範囲によって示され、そして請求項の意義および均等物の範囲内にある全ての改変は本明細書中に包含されると意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
[式中、
Aは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、およびピリダジニルからなる群から選ばれ;
Bは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、およびピリダジニルからなる群から選ばれ;
Het-CH-Rは、式:
【化2】

からなる群から選ばれ;
Mは、式:
【化3】

(式中、
は、結合、または場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルであり;
は、結合、または場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルであり;
Qは、a)H、b)−NR、c)−OR、およびd)場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルからなる群から選ばれ;そして、
Wは、OおよびSからなる群から選ばれる)
を有し;
Xは、a)−NR−、b)−NRNR−、およびc)−S−からなる群から選ばれ;
Lは、場合により1個以上のR基で置換されたC1〜6アルキルであり;
各Rは独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONR、およびjj)R
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONR、およびjj)R
からなる群から選ばれ;
は、
a)−OR、b)−NR、c)−C(O)R、d)−C(O)OR、e)−OC(O)R、f)−C(O)NR、g)−NRC(O)R、h)−OC(O)NR、i)−NRC(O)OR、j)−NRC(O)NR、k)−C(S)R、l)−C(S)OR、m)−OC(S)R、n)−C(S)NR、o)−NRC(S)R、p)−OC(S)NR、q)−NRC(S)OR、r)−NRC(S)NR、s)−C(NR)R、t)−C(NR)OR、u)−OC(NR)R、v)−C(NR)NR、w)−NRC(NR)R、x)−OC(NR)NR、y)−NRC(NR)OR、z)−NRC(NR)NR、aa)−S(O)、bb)−SONR、およびcc)R
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)H、b)=O、c)=S、d)=NR、e)=NOR、f)=N−NR、g)−OR、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−RC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、およびii)R
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)−C(O)−C1〜6アルキル、およびd)−C(O)O−C1〜6アルキルからなる群から選ばれ、ここで、b)〜d)のいずれかは場合により1個以上のR基で置換され;
各Rは独立して、
a)−OH、b)−OC1〜6アルキル、c)−SH、d)−NO、e)−NH、f)−NHC1〜6アルキル、g)−N(C1〜6アルキル)、h)−C(O)H、i)−C(O)OH、j)−C(O)C1〜6アルキル、k)−OC(O)C1〜6アルキル、l)−C(O)OC1〜6アルキル、m)−C(O)NH、n)−C(O)NHC1〜6アルキル、o)−C(O)N(C1〜6アルキル)、p)−NHC(O)C1〜6アルキル、およびq)−S(O)1〜6アルキル
からなる群から選ばれ;
各Rは独立して、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、f)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族ヘテロ環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C2〜6アルケニル、i)−C(O)−C2〜6アルキニル、j)−C(O)−C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、k)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族のヘテロ環、l)−C(O)O−C1〜6アルキル、m)−C(O)O−C2〜6アルケニル、n)−C(O)O−C2〜6アルキニル、o)−C(O)O−C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、およびp)窒素、酸素、および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族ヘテロ環
からなる群から選ばれ、ここで、b)〜p)のいずれかは場合により1個以上のR基で置換され;
各Rは独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、およびoo)R
からなる群から選ばれ、
各Rは独立して、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、f)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族のヘテロ環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C2〜6アルケニル、i)−C(O)−C2〜6アルキニル、j)−C(O)−C3〜14の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、k)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族のヘテロ環、l)−C(O)O−C1〜6アルキル、m)−C(O)O−C2〜6アルケニル、n)−C(O)O−C2〜6アルキニル、o)−C(O)O−C3〜14飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、および、p)窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有する、−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和もしくは芳香族ヘテロ環
からなる群から選ばれ、ここで、b)〜p)のいずれかは場合により、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OH、g)−OC1〜6アルキル、h)−SH、i)−SC1〜6アルキル、j)−CN、k)−NO、l)−NH、m)−NHC1〜6アルキル、n)−N(C1〜6アルキル)、o)−C(O)C1〜6アルキル、p)−OC(O)C1〜6アルキル、q)−C(O)OC1〜6アルキル、r)−C(O)NH、s)−C(O)NHC1〜6アルキル、t)−C(O)N(C1〜6アルキル)、u)−NHC(O)C1〜6アルキル、v)−SONH−、w)−SONHC1〜6アルキル、x)−SON(C1〜6アルキル)、およびy)−S(O)1〜6アルキルからなる群から選ばれる1個以上の部分で置換され;
mは、0、1、2、3、または4であり;
nは、0、1、2、3、または4であり;そして、
各pは独立して0、1、または2であり;
但し、該化合物は、式:
【化4】

からなる群から選ばれる式を有しない]
【請求項2】
式:
【化5】

[式中、A、B、L、M、R、R、R、X、m、およびnは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項1記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項3】
式:
【化6】

[式中、A、B、L、M、R、R、R、X、mおよびnは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項1もしくは2記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項4】
Aは、フェニルおよびピリジルからなる群から選ばれ;
Bは、フェニルおよびピリジルからなる群から選ばれ;
mは、0、1、または2であり;そして、
nは、0、1、または2である、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項5】
A−Bは、式:
【化7】

[式中、A、R、およびnは請求項1に記載する通り定義する]
である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
A−Bは、式:
【化8】

[式中、Aは請求項1に記載する通り定義する]
である、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
A−Bは、式:
【化9】

[式中、Aは請求項1に記載する通り定義する]
である、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
A−Bは、式:
【化10】

[式中、Bは請求項1に記載する通り定義する]
である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項9】
A−Bは、式:
【化11】

[式中、Bは請求項1に記載する通り定義する]
である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項10】
は−NHC(O)Rである、請求項1〜9のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項11】
は−NHC(O)CHである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
は式:
【化12】

である、請求項1〜9のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項13】
式:
【化13】

[式中、A、B、L、M、R、R、X、mおよびnは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項14】
式:
【化14】

[式中、A、L、M、R、R、X、およびmは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項15】
式:
【化15】

[式中、A、L、M、R、Xおよびmは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項14記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項16】
式:
【化16】

[式中、L、M、R、およびXは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項14記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項17】
式:
【化17】

[式中、L、MおよびXは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項16記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項18】
式:
【化18】

[式中、L、M、R、およびXは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項14記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項19】
式:
【化19】

[式中、L、MおよびXは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項18記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項20】
式:
【化20】

[式中、A、L、M、R、R、X、およびmは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項21】
式:
【化21】

[式中、A、L、M、R、Xおよびmは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項20記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項22】
式:
【化22】

[式中、L、M、R、およびXは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項20記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項23】
式:
【化23】

[式中、L、MおよびXは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項22記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項24】
式:
【化24】

[式中、L、M、R、およびXは請求項1に記載する通り定義する]
で示される請求項20記載の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項25】
式:
【化25】

[式中、L、MおよびXは請求項1に定義する通りである]
で示される請求項24に記載する化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項26】
Mは、式:
【化26】

であって、そして各Rは独立して請求項1に記載する通り定義する、請求項1〜25のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項27】
Mは、式:
【化27】

であって、そしてRは請求項1に記載する通り定義する、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Mは、式:
【化28】

であって、そして各Rは独立して請求項1に記載する通り定義する、請求項1〜25のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項29】
Mは、式:
【化29】

であって、そしてRは請求項1に記載する通り定義する、請求項28記載の化合物。
【請求項30】
Xは−NH−である、請求項1〜29のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項31】
Xは、式:
【化30】

である、請求項1〜29のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項32】
表1中に例示する構造のいずれか1つに相当する構造式を有する化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上、および医薬的に許容し得る担体を含有する医薬組成物。
【請求項34】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における微生物感染症の処置方法。
【請求項35】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における真菌感染症の処置方法。
【請求項36】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における寄生虫疾患の処置方法。
【請求項37】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における増殖性疾患の処置方法。
【請求項38】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物におけるウイルス感染症の処置方法。
【請求項39】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における炎症性疾患の処置方法。
【請求項40】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における胃腸管運動障害の処置方法。
【請求項41】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の1個以上の有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における疾患を処置し、それによって該疾患の症状を軽減する方法であって、
該疾患は、皮膚感染症、院内肺炎、ウイルス感染後の肺炎、腹腔感染症、泌尿器感染症、菌血症、敗血症、心内膜炎、房室シャント感染症、血管アクセス感染症、髄膜炎、術後予防、腹膜感染症、骨感染症、関節感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、リネゾリド耐性生物感染症、および結核からなる群から選ばれる、該方法。
【請求項42】
化合物を経口、非経口、または局所的に投与する、請求項34〜41のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する化合物の製造方法。
【請求項44】
請求項1〜32のいずれか1つに記載する1個以上の化合物を含有する医学的なデバイス。
【請求項45】
デバイスはステントである、請求項44に記載の医学的なデバイス。

【公表番号】特表2007−500707(P2007−500707A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522027(P2006−522027)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/024334
【国際公開番号】WO2005/012270
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(502427253)リブ−エックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Rib−X Pharmaceuticals, Inc.
【住所又は居所原語表記】New Haven, Connecticut,U.S.A.
【Fターム(参考)】