説明

ビス−(アミノアルキル)−ポリシロキサンの作製のための改善されたプロセス

高純度のビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーを高い転換収量をもって産生するためのオレフィンアミンとテトラオルガノジシロキサンとの、もしくはビス(ジアルキルヒドロゲン)シロキサンとのヒドロシリル化を用い、その後の高分子ビス(アミノアルキル)ポリシロキサンへと平衡化するプロセスによって作製されるビス(アミノアルキル)シロキサンダイマーもしくはオリゴマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、2007年3月21日に出願された米国仮出願連続番号60/896113の便益を主張する。
【0002】
本発明は、ビス(アミノアルキル)シロキサンダイマーもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーの作製のため、ならびにビス(アミノアルキル)ポリシロキサンの作製のためのの改善されたプロセスに関する。ビス(アミノアルキル)ポリシロキサンはブロック化コポリマーの作製のために有用なジアミンモノマーであり、そして、ヘアケアおよび布地における、柔軟剤組成物として有用である。
【背景技術】
【0003】
ビス(アミノアルキル)ポリシロキサンの市場での使用はそのコストによって抑えられている。報告された合成方法は低い収量であり、溶媒を必要とし、複雑であるか、または、ビス(アミノアルキル)ポリシロキサン産物を得るためにさらなるプロセスステップを必要とする環状シロキサンを作製する。
【0004】
ビス(アミノアルキル)ポリシロキサンを作製する一つの手段は、末端ブロック剤であるビス(アミノアルキル)ジシロキサン、またはビス(アミノアルキル)トリシロキサンおよびビス(アミノアルキル)テトラシロキサンのような他の低分子シロキサンオリゴマーの使用と、所望のポリシロキサンを産生するためのポリジオルガノシロキサンとそれらとの平衡とを、有していた。一般に、純粋な末端ブロック剤であるビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーを作製するための現存するプロセスは欠陥を有する。
【0005】
例えば、米国特許第5,026,890号は、三つの実施態様について記載し、そこでは、ヒドロシリル化ステップ中に生じるオリゴマーおよび環状シロキサンを加工するために複雑なステップが採られる。’890特許の一実施態様において、溶媒がビス(アミノアルキル)ジシロキサンの収量を最大化するためにヒドロシリル化反応物を実質的に希釈するために用いられる。しかしながら、副産物である環状ジシロキサザンが産生され、ヒドロシリル化反応産物からの溶媒と過剰反応物との揮散の際、オリゴマーが環状ジシロキサザンより生成する。オリゴマーをビス(アミノアルキル)ポリシロキサンへと転換するため、アルコール分解が実施される。環状ジシロキサザンをビス(アミノアルキル)ポリシロキサンへと転換するため、加水分解が実施される。この特許の発明の第二の実施態様において、溶媒希釈が行われないが、ヒドロキシル化のためのシロキサン反応物がジシロキサンよりもより長い鎖長であるべきであることが要求される。第三の実施態様において、溶媒希釈無しであるが、ジシロキサン反応物を用いて、望ましくないアルケニルアミノジシロキサンとオリゴマーが産生され、この産生は酸が環状ジシロキサザンを産生するために導入されると逆転し、これはビス(アミノアルキル)ポリシロキサンを得るためにさらに加水分解により処理され得る。米国特許第5,026,890号は、ビス(アミノアルキル)ポリシロキサンのための比較的高い転換収量を教示するが、末端ブロック剤であるビス(アミノアルキル)ジシロキサンの作製は希釈溶媒の使用を通じてのみ達成され得る。
【0006】
J.L.SpeierらとJ.C.Saamらは、テトラメチルジシロキサンとアリルアミン化合物のヒドロシリル化の際に環状およびオリゴマーの副産物の生成を避けるための、保護基化学の利用を50年以上前に報告している。第1のステップにおいて、触媒として硫酸アンモニウムを用いて、アリルアミンのアミン末端をトリメチルシリル基で保護する(保護ステップ)。ヒドロシリル化ののち、アルコール分解ステップにおいてトリメチルシリル基が除去される(脱保護ステップ)。末端ブロック剤であるビス(アミノアルキル)ジシロキサンが蒸留分離される。保護ステップは報告では70%の収量を有する。ヒドロシリル化および脱保護ステップは報告では78%の収量を有する。それゆえ、プロセスの全体的な収量は乏しく54.6%である。
【0007】
他の特許は同様に、複雑なステップもしくは乏しい収量での利用を報告する。米国特許第4,584,393号は、モノシラザンのヒドロシリル化で中間体を形成し、そのあとに中間体を加水分解することからの、かなり乏しいビス(アミノアルキル)ジシロキサンの作製について報告する。このプロセスは、酸受容体の存在下でのクロロシランとオレフィンアミンとのヒドロシリル化反応とそれに続く精製からのモノシラザンの作成を必要とする。しかしながら、’393特許は産物の収量を報告しない。米国特許第4,361,346号は、シリルカルバメートのヒドロシリル化と加水分解によるビス(アミノアルキル)ジシロキサンへの転換プロセスについて記載する。シリルカルバメートは、二酸化炭素と、オレフィンアミンとクロロシランとのヒドロシリル化反応によって作製されるシラザンとを反応させることによって作製される。シリルカーバメートからのビス(アミノアルキル)シロキサンの収量は82%〜84%の範囲であると報告される。開始時のクロロシランからのシリルカーバメートの収量は報告されていない。産物は、約75%のビス(アミノアルキル)ジシロキサンと、残部の、トリシロキサンおよびテトラシロキサンのようなより高分子のビス(アミノアルキル)シロキサンを含有する。’393と’346の両方の特許におけるプロセスは、二つのヒドロシリル化ステップを用いる必要性を負い、高い反応性のクロロシランを扱う困難さによって複雑になる。さらに三つ目の同様の特許、米国特許第4,649,208は、この特許の方法をビス(アミノアルキル)ジシロキサンの作製へと適用する際の、低収量を報告する。
【0008】
米国特許第6,531,620によると、ビス(アミノアルキル)ジシロキサンは、クロロシランのアミノ化によって作製される環状シラザンの加水分解もしくはアルコール分解により高収量で作製される。しかし、クロロシランのアミノ化は、塩の生成と高圧での作業を伴い非常に複雑である。
【0009】
末端ブロック剤であるビス(アミノアルキル)ジシロキサンの作製における困難性のため、少なくとも一つの最近の特許、米国特許第6,534,615はビス(アミノアルキル)ジシロキサンの使用を避ける方法を開示する。その特許は、ビス(アミノアルキル)ポリジシロキサンを作製するための環状シラザンとビスヒドロキシ末端ポリジオルガノシロキサンとの反応を記載する。環状シラザンの作製のため、特許’615は、非常に複雑なプロセスであるクロロシランもしくはジシラザンの高圧アミノ化の利用について言及する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーの作製のためのバッチプロセスもしくは連続プロセス、ならびにそれらのビス(アミノアルキル)ポリシロキサン作製のための使用を提供し、ここで前記プロセスは:
(A)式:
【化1】

〔式中、それぞれのRは独立して、水素、C1−4の第一級もしくは第二級アルキル、フェニル、もしくは置換フェニルである〕のオレフィンアミン(試薬A)をトリメチルシリル化剤(試薬B)からのトリメチルシリル保護基と、触媒する量の酸触媒(試薬C)の存在下で、シリル化し、そのあとにシリル化産物から過剰の試薬Aを揮散するステップと;
(B)揮散をしたシリル化反応の産物と少なくとも一つの式:
【化2】

〔ここで、RはC1−4の第一級もしくは第二級アルキル、フェニル、もしくは置換フェニルであり、ならびにxは1から約300の値を持つ〕のポリジオルガノヒドロゲンシロキサン(試薬D)とを、触媒する量の白金含有ヒドロシリル化触媒(試薬E)の存在下において反応させ、
アミン基を脱保護化し、そして水による加水分解もしくはアルコールによるアルコール分解によって、所望のビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーを任意選択で触媒する量のアルカリ触媒(試薬F)の存在下において作製し、
トリメチルシリル保護基を、ビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマー産物より蒸留分離によって、ヘキサメチルジシロキサン(水による加水分解によって脱保護化)の形状もしくはトリメチルアルコキシシラン(アルコールによる脱保護化)の形状で回収し、
精製したビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーを少なくとも一つのポリジオルガノシロキサン(試薬G)と、触媒する量のアルカリ触媒(試薬H)の存在下で、所望のビス(アミノアルキル)ポリシロキサンを精製するために適切なモル比において平衡化するステップと;
を含有して不活性雰囲気下で行われる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
驚くべきことに、ビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーが高収量でかつ高純度で、そして望ましくない環状シロキサンの生成というわずらわしさも無く作製できることが発見された。われわれは、保護反応のためのより良い触媒を発見し、それが、より大きくモル過剰なオレフィンアミンを用いることと連動してして、トリメチルシリル保護されたオレフィンアミンを高収量で産生した。さらにわれわれは、脱保護反応をアルコール分解から水による加水分解へと転換することによって、高収量で簡単に精製されるビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーを作製でき、同時にトリメチルシリル基を有益な副産物、ヘキサメチルジシロキサンとして回収できた。さらにわれわれは、本発明のプロセスが、以前に見られたものより、より高品質のビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーを産生することを発見した。われわれはベータ−イソマーのより少ない産生、より少ない臭気、および無色透明の色を見出した。
【0012】
本発明は、ビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーの作製方法、ならびにそれのビス(アミノアルキル)ポリシロキサンを作製するための使用を志向し:
(A)式:
【化3】

〔式中、それぞれのRは独立して、水素、C1−4の第一級もしくは第二級アルキル、フェニル、もしくは置換フェニルである〕のオレフィンアミン(試薬A)産物と、トリメチルシリル保護基を含有するトリメチルシリル化試薬(試薬B)との触媒する量の酸触媒(試薬C)の存在下での反応であって、以下(アミン基を保護する)シリル化反応と呼ぶものと、それに続く、シリル化反応産物(以下シリル化産物)からの過剰な試薬Aの揮散のステップ;
(B)揮散された後のシリル化反応産物と式:
【化4】

〔ここで、それぞれのRは独立してC1−4の第一級もしくは第二級アルキル、フェニル、もしくは置換フェニルであり、そしてxは1、もしくは任意選択で2から約300の好ましい値を持つ〕の少なくとも一つのポリジオルガノヒドロゲンシロキサン(試薬D)とを、触媒する量の白金含有ヒドロシリル化触媒(試薬E)の存在下において反応させるステップ;
(C)アミン基を脱保護し、そして水による加水分解によって、もしくは任意選択でアルコールによって、そして任意選択で触媒する量のアルカリ触媒(試薬F)の存在下において、所望のビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーを作製するステップ;
(D)トリメチルシリル保護基を、ビス(アミノプロピル)ジシロキサン産物からの蒸留分離によって、ヘキサメチルジシロキサンの形態(水による加水分解によって脱保護化)もしくはトリメチルアルコキシシランの形態(アルコールによって脱保護化)で、回収するステップ;そして
(E)精製したビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーと少なくとも一つのポリジオルガノシロキサン(試薬G)とを、触媒する量のアルカリ触媒(試薬H)の存在下において、所望のビス(アミノアルキル)ポリシロキサンを作製するのに適切なモル比で平衡化するステップ;
を含有する。
【0013】
本発明の方法における試薬Aは少なくとも一つの式Iのオレフィンアミンである。好適なアミンはアリルアミン、メタリルアミン、および2−ブテニルアミンを含む。アリルアミンが好ましい。
【0014】
試薬Bは、トリメチルクロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルアミド、およびトリメチルシリルアミンからなる群より選択される少なくとも一つのトリメチルシリル化剤であある。好ましいものはトリメチルクロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、およびヘキサメチルジシラザンである。ヘキサメチルジシラザンがもっとも好ましい。
【0015】
試薬Cは、硫酸、オルガノスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸)、塩酸、クロロシラン、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、およびクロロ酢酸からなる群より選択されるトリメチルシリル化を促進するのに適した少なくとも一つの酸触媒である。ヘキサメチルジシラザンがトリメチルシリル化剤として用いられるとき、クロロシランが好ましく、そしてトリメチルクロロシランがもっとも好ましい。
【0016】
試薬Dは、少なくとも一つの式IIのポリジオルガノヒドロゲンシロキサンである。1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサンならびに特に1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。任意選択で、15,000〜20,000の範囲の平均分子量までのより高分子のシロキサンを用いるのは有利であり得る。
【0017】
試薬Eは白金含有ヒドロキシル化触媒である。多くのそのような触媒は当分野で既知であり、それらのいずれも本発明に利用し得る。それらはクロロ白金酸、クロロ白金酸−オレフィン錯体、白金−オレフィン錯体、白金−オレフィンポリシロキサン錯体、アルミナおよびシリカのようなさまざまな支持体上の白金、ならびに白金黒を含む。好ましいのはクロロ白金酸および白金−ビニル置換ポリジオルガノシロキサン錯体である。もっとも好ましいのは白金−ビニル置換ポリジオルガノシロキサン錯体である。
【0018】
試薬Fは水溶性のアルカリ金属、金属アルコキシド、もしくはアンモニア塩基であり、加水分解もしくはアルコール分解を促進するために有利にも用いられて良い。
【0019】
試薬Gは環状シロキサンからなる群より選択される少なくとも一つのポリジオルガノシロキサンである。好ましい環状ポリジメチルシロキサンは、一般にはテトラマーもしくはDとして知られる、オクタメチルシクロテトラシロキサンである。
【0020】
試薬Hは塩基性の平衡化触媒である。多くのそのような触媒は当分野においてポリオルガノシロキサンの重合化のために知られており、それらのいずれも本発明において使用出来る。それらはアルカリ金属の水酸化物、フェノラート、およびシロキサノラート(siloxanolate)(もしくはシラノラート(silanolate))を含む。好ましいのは、アルカリ金属シロキサノラート(もしくはシラノラート)、熱に不安定なもしくは熱に耐性の、第4級アンモニウム塩基ならびにホスホニウム塩基、そしてそれらのシロキサナート(もしくはシラノラート)、参照によりその開示がここに組み入れられる欧州特許第0250248号および米国特許第5,214,119号に開示されるような3−アミノプロピルジメチルテトラメチルアンモニウムシラノラート、および3−アミノプロピルジメチルテトラブチルホスホニウムシラノラートである。
【0021】
Michael B. Smithは、「Organic Synthesis」第2版(McGraw−Hill,New York、2002、p.537)の第7章への序章において、保護基化学を以下のように定義している:「多くの問題は合成中に起こる。いくつかの合成目標は一つ以上の官能基を有していて、そしてそれらが互いに相互作用すると、または一つの基が、他の基と競合的に、試薬と反応すると、合成は深刻なトラブルに陥り得る。そのような問題に対する一つの現実的な解決方法は、所望の変換を妨げないような新しい官能基へとそれを変換することによって反応箇所を一時的に保護することである。この新しいブロッキング基は保護基と呼ばれる。このプロセスは少なくとも二つの化学反応を要する。第一の反応は妨害する官能基を別のものへと転換するもので、所望の反応と競合せず、保護と呼ばれる。第二の化学ステップは、合成の後ろのステージにおいて、新しい官能基(すなわち保護基)を元の基へと戻すように転換する。この後のプロセスは脱保護と呼ばれる。」本発明を記載する本特許出願において、用語「保護」および「脱保護」は、上のSmithの引用に与えられる意味と共に用いられる。
【0022】
ステップAの保護反応は、一般には還流するように加熱された反応器中で実施され得る。オレフィンアミンとトリメチルシリル化剤とは、モル過剰のアミンを用いるモル比において混合される。質量作用効果を通じて、過剰アミンは、アミン上の所望の配置の一つのトリメチルシリル保護基に対してシリル化反応を進める。反応がモル過剰においてでは無いとき、二つのトリメチルシリル基は、アミンの一部から全体までの上に配置され、それゆえ、副産物を産生する。アリルアミンとヘキサメチルジシラザンとの反応の好ましい例として、理論的にトリメチルシリルアリルアミンを形成する化学量論的モル比は2.0である。好ましいトリメチルシリルアリルアミンのための反応を進めるためにモル比は2.0を超えるべきであることを見出した。そうでないなら、反応は、ある割合の、二つのトリメチルシリル基を含有するアリルヘキサメチルジシラザンを産生する。われわれは、高い割合のトリメチルシリルアリルアミンを持つことが、ステップBのヒドロシリル化反応の収量および反応速度を改善することを見出した。さらにわれわれは、強酸触媒が保護反応の収量を改善することを見出した。アリルアミンとヘキサメチルジシラザンとの反応の好ましい例として、われわれは、触媒する量のトリメチルクロロシランは実質的に保護反応の収量および反応速度を向上させることを見出した。ステップBのヒドロシリル化反応へ進む前に、過剰のオレフィンアミンは保護反応産物より揮散される。過剰のアミンは、次の保護反応において、大きな悪影響無しに、単純に再利用される。われわれは、シリル化産物より過剰のトリメチルシリル化剤を一切取り除く必要がないことを見出した。このことは揮散ステップを簡単にする。
【0023】
ステップBは、式IIのポリジオルガノヒドロゲンシロキサンとステップAからのトリメチルシリル保護のオレフィンアミンとの、標準的な白金触媒を用いるヒドロシリル化を含む。もし、ステップAの産物が、たった一つのトリメチルシリル基によて保護されているなら、ヒドロシリル化は早く進み、高収量となることを見出した。われわれはまた、もし、二つの反応物のモル比が化学量論的比に制御されるなら、両方の反応物は高収量へと転換されることを見出した。われわれは一般的に、二つのアルファイソマー産物および少量の対応するベータイソマー産物の存在を見出した。副産物は明らかに、ヒドロシリル化反応において過剰のトリメチルシリル化剤を持つことに由来する。これは明らかに所望の主要産物において第二のトリメチルシリル基をアミンへと付加しているいくらかのものを生じる。ヒドロシリル化反応の後、二種類の主要産物を有することは、ステップCの水による加水分解反応が、両方のヒドロシリル化産物を所望のビス(アミノプロピル)ジシロキサンへと転換するので、それがプロセスの結果において生ずる収量の損失を起こさない点において問題ではない。改善されたプロセスの一つの利点は、現在の材料に比べて実質的により少ないベータイソマーの産生である。われわれは、オレフィンアミンのトリメチルシリル保護が、ヒドロシリル化反応をよりアルファ位へとシフトさせるように保護アミンのエレクトロニクスを十分に変化させると信じている。
【0024】
アルコール分解の代わりに水による加水分解によってステップCの脱保護反応を実施することは、ヒドロシリル化の産物を、所望のビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーへと高収量で手際よく転換する。そしてさらに、加水分解反応は、フリーのトリメチルシリル基を有益なヘキサメチルジシロキサンへと転換する。シロキサン産物は、水相からデカントされる油相を形成する。
【0025】
蒸留のステップDは、副産物であるヘキサメチルジシロキサン(水による加水分解で脱保護化)もしくは副産物であるトリメチルアルコキシシラン(アルコールによる脱保護化)から、ビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーを分離する。高純度のビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーは容易に達成される。
【0026】
ビス(アミノプロピル)ポリシロキサンを産生するステップEの平衡重合化反応は、無水反応物を用いて最適に実施される。環状ポリジオルガノシロキサンは、所望の分子量のビス(アミノプロピル)ポリシロキサンを産生するために、触媒する量の無水の強塩基触媒の存在下で、上昇する温度において、不活性雰囲気下で制御された量のビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーと反応させられる。分子量は、ビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーの末端停止剤の量によって制御される。反応は単一のバッチステージ、複数のバッチステージ、もしくは連続して行われる。複数のステージと連続する重合化とは、分子量が最終目標へ向けて徐々に増えて行く場合、一般的により早い。
【0027】
われわれは、単一のステージの、ビス(アミノプロピル)ジシロキサン末端停止剤と環状ポリジオルガノシロキサンとの平衡重合化が、予想した分子量よりもより高分子の結果となることを見出し、そして、理論によって拘束されること無く、これは末端停止剤の不完全な組み込みの結果であるとの仮説を立てた。しかしながら、われわれは約2000もしくはそれ以下の分子量を持つ低分子ビス(アミノプロピル)ポリシロキサン産物(「N」はおおよそ24の等しい)の産生は、平衡の完了の最後近くにおける更なる末端停止剤の投入によって達成されることを見出した。この段階的な投入は、相当の低分子を達成するために複数回遂行されて良い。熱に不安定な触媒が用いられるとき、追加の末端停止剤の投入の際により多くの触媒を投入する事が有利である。重合平衡化の完了後、過剰の末端停止剤は、触媒を不活化した後、物から単純に真空蒸留により揮散される。
【0028】
使用される触媒の量は、一般に、反応物重量の0.5重量パーセントよりも少なく、好ましくは0.0025から約0.05重量パーセントである。反応温度は用いられる触媒に依存する。熱に不安定な触媒もしくは一過性の触媒が用いられるとき、反応温度は典型的には80℃から130度の範囲である。一過性の触媒は、反応産物を130℃以上に加熱し、触媒を分解することによって不活化される。アルカリ金属触媒(水酸化物、シラノラート、もしくはフェノラート)が用いられるとき、反応温度はより高くなって良い。しかしながら、温度が高すぎると産物の色が上昇するかもしれない。アルカリ金属触媒は典型的には中和によって不活化される。
【0029】
本発明は以下の実施例によってさらに開示される。しかしながら、本発明は以下に与えられる特定の実施例のみに限定されないことは理解されよう。
【実施例】
【0030】
比較例1
この比較例は、本発明の改善の参照となる基線を提供するためのSpeier、Saamらの発明の複製を意図する。マグネチックスターラー、冷却アーム(cold finger)、ト字管、温度制御器へと接続された熱電対、窒素パージチューブ、および排出口の水氷プラスドライアイストラップを備える様々なサイズの四口丸底フラスコがこの比較例のステップのために用いられた。
【0031】
A. アリルアミン保護反応
このデータは2リットルの反応フラスコにおける三つの実験の実行の結果を示す。全体で1342.30グラムのアリルアミン、989.00グラムのヘキサメチルジシラザン、および517.32グラムの硫酸アンモニウムが反応器へと充填され、ゆっくりと70℃まで加熱され、その一方で全体の還流が反応器へと戻るように維持された。反応は、産物の形成が止まるまでガスクロマトグラフによって観察された。硫酸アンモニウムのろ過の後、反応混合物はガスクロマトグラフィーで分析され、粗精製の産物混合物中の858.73グラムの全量のトリメチルシリルアリルアミンに対して、69.4%のトリメチルシリルアリルアミンを含有する事が見出された。これは、消費されたヘキサメチルジシラザンの正味量に基づいて83.2%の反応収量を表す。粗精製の産物混合物は5段被膜のOldershawカラムを用いて、ポット温度120℃かつヘッド温度114℃において大気条件で蒸留された。これは3回行われた。蒸留の最初の通過からとられた90%以下の純度の産物は集められて再蒸留された。トリメチルシリルアリルアミンの充填された量に基づく蒸留収量は89.5%であった。
【0032】
B. ヒドロシリル化反応
317.10グラムのテトラメチルジシロキサンを、産物であるビス(トリメチルシリルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサンおよびビス(ヘキサメチルジシリルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサンのアルファイソマーおよびベータイソマーを産生するために、0.83グラムのKarstedt触媒(0.0398グラムの白金)を含有する637.62グラムの蒸留したトリメチルシラニルアミンへと入れた。テトラメチルジシロキサンを入れる間、反応温度は105℃と127℃の間に保たれ、その後、127℃に保たれた。反応が完了する時間は4時間未満であった。反応混合物はガスクロマトグラフィーにより分析され、78.7%のアルファイソマーとベータイソマーとの混合物を含有する事が見出された。トリメチルシリルアリルアミンの充填量に基づいて、これは90.1%の反応の収量を示した。
【0033】
C. アルコール分解での脱保護反応
ブロック化アミンの脱保護はアルコールによって達成される。234.27グラムのメタノールを、842.79グラムのステップBのヒドロシリル化反応の産物を含有する反応フラスコへと、反応器の温度を50℃未満に保ちつつ、ゆっくりと充填した。すべてのメタノールが添加され、発熱反応が停止したとき、反応器は還流するよう加熱され、2時間保たれた。反応産物はガスクロマトグラフィーにより分析され、35.82%の所望の産物であるビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンと32.48%の副産物であるヘキサメチルジシロキサンとを含有している事が見出された。保護産物の充填量に基づいて、91.9%の収量が達成された。真空条件が用いられた事を除いて、前のステップAにおけるのと同様の装置を用いて、産物の混合物が蒸留された。蒸留はポット温度180℃、および6mmHgの圧によって遂行された。ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンの蒸留収量は94.1%である。
【0034】
この比較例の3つの反応ステップの全体の収量は68.9%である。蒸留ステップを含めると全体のプロセスの収量は58.0%である。
【0035】
実施例1
この実施例は本発明による改善を説明する。
【0036】
A. アリルアミン保護反応
マグネチックスターラー、冷却アーム、ト字管、温度制御器へと接続された熱電対、窒素パージチューブ、および排出口の水氷プラスドライアイストラップを備える2リットル丸底フラスコに対して、433.32グラムのアリルアミン、300.25グラムのヘキサメチルジシラザン、および1.76グラムのトリメチルクロロシアン触媒が充填された。反応器は、65℃〜70℃へとゆっくりと加温され、全還流が反応器へと戻るように維持した。反応は、産物産生が止まるまでガスクロマトグラフィーによって観察された。典型的には反応は4時間未満で完了した。フラスコ含有物はその後、過剰のアリルアミンを除去するため、大気圧にて揮散された。ガスクロマトグラフィー分析によって、フラスコは、粗精製の産物の混合物中に422.50グラムのトリメチルシリルアリルアミンを含有する事が見出された。ヘキサメチルジシラザンの正味量に基づいて、これは94.5%の反応収量を表す。粗精製の産物混合物は5段被膜のOldershawカラムを用いて、大気圧で、120℃のポット温度かつ114℃のヘッド温度において、蒸留された。トリメチルシリルアリルアミンの充填量に基づいて、蒸留の収量は95.7%である。
【0037】
B. ヒドロシリル化反応
288.50グラムのテトラメチルジシロキサンは、504.90グラムのトリメチルシリルアリルアミンおよび0.60グラムのKarstedt触媒(0.0288グラムの白金)とを含有する2リットル丸底フラスコに対して添加ロートを介してゆっくりと充填された。反応温度は、テトラメチルジシロキサンの供給の間88℃と95℃の間に保たれ、その後90℃に保たれた。反応が完了する時間は3時間であった。作製されるビス(トリメチルシリルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサンおよびビス(ヘキサメチルジシリルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサンのアルファイソマーおよびベータイソマーの産物の全量は、674.28グラムであり、トリメチルシリルアリルアミンの充填量を基にして、87.9%の反応収量を表す。
【0038】
C.加水分解での脱保護反応
室温のイオン交換水が、添加ロートを介して、822.39グラムの粗精製のヒドロシリル化産物を含有する2リットルの丸底フラスコに対してゆっくりと添加された。反応温度が観測され、そして水の添加は生じるアルコールが吹きこぼれするのを防ぐため最初はゆっくりと行った。350.74グラムである供給されるすべての水のうちの11%のとき、反応は78℃への発熱を持った。水の残りが添加された後、反応は80℃で1時間保持された。反応器の含有物は分液ロートへと充填され、水および産物層はデカントされた。950.19グラムの粗精製産物(最上層)が分離された。ガスクロマトグラフ分析によって、粗精製産物は395.47グラム(92.7%の加水分解反応収量を示す)の所望の脱保護産物であるビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンを含有している事が見出された。産物混合物は、真空条件が用いられることを除いて、ステップAの蒸留におけるようなものと同様の装置を用いて蒸留された。蒸留は180℃のポット温度で8mmHgの気圧において達成された。ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンの蒸留の収量は97.7%であった。
【0039】
本発明の実施例の3つの反応ステップ全体の反応の収量は77.0%で、対して比較例の収量は68.9%である。蒸留ステップを含めると、全体のプロセスの収量は72.0%で、対して比較例の収量は58.0%である。
【0040】
蒸留したビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンは13CNMRによって、2.4%のベータイソマーを含有する事が見出され、これは現存する市販の試料に見出される15〜18%の含量よりもかなり低い。蒸留されたビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンは、無色透明でかつ低臭気であった。
【0041】
実施例2
この実施例は、低分子ビス(アミノプロピル)ポリシロキサンを作製するための、実施例1からのビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン末端停止剤の使用を例示する。マグネチックスターラー、冷却アーム蒸留ヘッド、ト字管、温度制御器へと接続された熱電対、窒素パージチューブ、および排出口の水氷プラスドライアイストラップを備える250ml(250cc)の丸底フラスコに対して、27.66グラムの98.19%純度のビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、81.12グラムの真空蒸留され乾燥されたオクタメチルシクロテトラシロキサン、および0.23グラムの無水水酸化テトラメチルアンモニウムを充填した。混合物は130℃へと加熱され、その温度で22時間保たれた。その時に、追加の4.18グラムのビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンおよび0.14グラムの無水水酸化テトラメチルアンモニウムが充填された。末端停止剤および触媒の第二の投入の目的は、低分子量での平衡を強化するためであった。混合物はその後、130℃で20時間保持され、その後に触媒は1時間160℃に加熱することによって分解した。環状シロキサンおよび過剰のビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンの真空揮散による除去の後、産物の分子量はアミン含量酸滴定によって900であると測定された。現存する市販の同様の分子量のビス(アミノプロピル)ポリシロキサンの黄色い色と強い臭気と比較して、この実施例により作製された産物は、無色透明でかつ低臭気であった。
【0042】
実施例3
この実施例は、高分子量ビス(アミノプロピル)ポリシロキサンを作製するための、実施例2の900の分子量のビス(アミノプロピル)シロキサンを例示する。テフロンブレードを用いる空気駆動スターラー、冷水凝縮器/蒸留ヘッド、温度制御器へと接続された熱電対、窒素パージチューブを備える1リットルの四口フラスコに対して、522.31グラムの無水の真空蒸留されたオクタメチルシクロテトラシロキサン、および9.35グラムの前記ビス(アミノプロピル)トリシロキサンとを充填した。混合物は105℃まで加熱され、0.27グラムの無水の水酸化テトラメチルアンモニウムによって触媒された。触媒された混合物は、23時間の間保持され、粘度のためにサンプルが採られた。粘度は平衡重合化が完了したことを示す。混合物はその後、触媒を分解するため170℃へと加熱され、真空で18mmHgまで吸引し、構成要素から残余の環状シロキサンを蒸留するためこの条件で2時間保持した。その後、真空は窒素により破られ産物は冷却された。おおよそ37.0グラムの沸点の低いものが除去され451グラムの産物が保存された。産物の分子量はアミン含量酸滴定により54,945であると測定された。産物の粘度は13,800センチポアであった。産物は無色透明でかつ低臭気であった。
【0043】
実施例4
この実施例は、高分子量のビス(アミノプロピル)ポリシロキサンを作製するためのビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーの利用を例示する。用いられるオリゴマーは実施例2の方法によって作製され、分子量460もしくはおおよそ460のビス(アミノプロピル)トリシロキサンの構造である。テフロンブレードを用いる空気駆動スターラー、冷水凝縮器/蒸留ヘッド、温度制御器へと接続された熱電対、窒素パージチューブを備える1リットルのフラスコに対して、571.30グラムの脱水の真空蒸留されたオクタメチルシクロテトラシロキサンと5.17グラムの前記ビス(アミノプロピル)トリシロキサンが充填された。混合物は105℃へと加熱され、1.02グラムの25重量パーセントの水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液によって触媒された。触媒された混合物は103℃と113℃の間に17時間保持され、粘度のためにサンプルが採られた。粘度は平衡重合化が完了したことを示す。混合物はその後、触媒を分解するために150℃〜160℃へと加熱され、真空で9mmHgまで吸引し、構成要素から残余の環状シロキサンを蒸留するためこの条件で2時間保持した。真空は窒素により破られ産物は冷却された。産物の分子量がアミン含量酸滴定により50,600であると測定され、産物の粘度が11,440センチポアであった。産物の外観は無色透明で低臭気を有した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマー、またはビス(アミノアルキル)ポリシロキサンを作製するためのバッチもしくは連続プロセスであって、前記プロセスが:
(A)式:
【化5】

〔式中、それぞれのRは独立して、水素、C1−4の第一級もしくは第二級の、アルキル、フェニル、もしくは置換フェニルである〕のオレフィンアミン(試薬A)と、トリメチルシリル化試薬(試薬B)のトリメチルシリル保護基との触媒する量の酸触媒(試薬C)の存在下でのシリル化と、後に続くシリル化産物からの過剰な試薬Aの揮散のステップ;
(B)揮散された後のシリル化反応産物と式:
【化6】

〔ここで、RはC1−4の第一級もしくは第二級アルキル、フェニル、もしくは置換フェニルであり、そしてxは1から約300の値を持つ〕の少なくとも一つのポリジオルガノヒドロゲンシロキサン(試薬D)とを、触媒する量の白金含有ヒドロシリル化触媒(試薬E)の存在下において反応させるステップ;
(C)アミン基を脱保護し、そして水による加水分解によって、もしくは任意選択でアルコールによって、そして任意選択で触媒する量のアルカリ触媒(試薬F)の存在下において、所望のビス(アミノアルキル)ジシロキサンもしくはビス(アミノアルキル)シロキサンオリゴマーを作製するステップ;
(D)トリメチルシリル保護基を、ビス(アミノプロピル)ジシロキサン産物もしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーからの蒸留分離によって、ヘキサメチルジシロキサンの形態(水による加水分解によって脱保護化)もしくはトリメチルアルコキシシランの形態(アルコールによって脱保護化)で、回収するステップ;そして
(E)精製したビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマーと少なくとも一つのポリジオルガノシロキサン(試薬G)とを、触媒する量のアルカリ触媒(試薬H)の存在下において、所望のビス(アミノアルキル)ポリシロキサンを作製するのに適切なモル比で平衡化するステップ;
を含有して、不活性雰囲気下において実施される、プロセス。
【請求項2】
試薬Aが少なくとも一つの式Iのオレフィンアミンを含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記オレフィンアミンが、アリルアミン、メタリルアミン、もしくは2−ブテニルアミンである、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
試薬Bが、トリメチルクロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルアミド、およびトリメチルシリルアミンからなる群より選択される少なくとも一つのトリメチルシリル化剤である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
試薬Cが、硫酸、有機硫酸(例えばp−トルエンスルホン酸)、塩酸、クロロシラン、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、およびクロロ酢酸からなる群より選択される、トリメチルシリル化反応を促進するのに好適な少なくとも一つの酸触媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
ヘキサメチルジシラザンが前記トリメチルシリル化剤として用いられるとき、前記クロロシランがトリメチルクロロシランである、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
試薬Dが、少なくとも一つの式IIのポリジオルガノヒドロゲンシロキサンを含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
xが1であり、かつ前記ポリジオルガノヒドロゲンシロキサンが1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサンである、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサンが1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
試薬Eが、クロロ白金酸、クロロ白金酸−オレフィン錯体、白金−オレフィン錯体、白金−オレフィンポリシロキサン錯体、アルミナおよびシリカのようなさまざまな支持体上の白金、ならびに白金黒からなる群より選択される白金含有ヒドロシリル化触媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
試薬Fが、水溶性アルカリ金属、金属アルコキシド、もしくはアンモニア塩基であり、加水分解もしくはアルコール分解を促進するために有利にも用いられて良い、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
試薬Gが環状シロキサンからなる群より選択される少なくとも一つのポリジオルガノシロキサンである、請求項1のプロセス。
【請求項13】
前記環状ポリジメチルシロキサンが、オクタメチルシクロテトラシロキサンである、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
試薬Hが、ポリオルガノシロキサンの重合化のために用いられる強塩基平衡化触媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記強塩基平衡化触媒が、アルカリ金属の水酸化物、フェノラート、およびシラノラート(もしくはシロキサノラート);第4級アンモニウム塩基もしくはホスホニウム塩基、そしてそれらのシラノラート(もしくはシロキサノラート);3−アミノプロピルジメチルテトラメチルアンモニウムシラノラート、および3−アミノプロピルジメチルテトラブチルホスホニウムシラノラートからなる群より選択される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
ステップEのビス(アミノプロピル)ポリシロキサン平衡化が、約2000の分子量より大きい高分子産物のための環状ポリジオルガノシロキサンおよび/もしくは触媒の段階的添加、または約2000の分子量より小さいビス(アミノプロピル)ポリシロキサン産物のためのビス(アミノプロピル)ジシロキサンもしくはビス(アミノプロピル)シロキサンオリゴマー末端停止剤および/もしくは触媒の段階的添加を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
前記反応が、添加される溶媒の非存在下において実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
一つもしくはそれ以上の前記反応が、炭化水素溶媒の存在下において実施される、請求項1に記載のプロセス。


【公表番号】特表2010−522270(P2010−522270A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500889(P2010−500889)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/012031
【国際公開番号】WO2008/115190
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】