説明

ビルダー組成物

ビルダー組成物は、キレート成分A)、ビルダー成分B)、ポリマー成分C)、及び場合によりアルカリ成分D)及び/又はリン含有成分E)を含む。キレート成分A)は、a1)メチルグリシン−N−N−二酢酸(MGDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又はa2)N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタメート(GLDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又はa3)エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及び/又はそれらのアルカリ塩を含む。ビルダー成分B)は、b1)金属ケイ酸塩、及び/又はb2)金属炭酸塩、及び/又はb3)金属クエン酸塩を含む。ポリマー成分C)は、c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマー、及び/又はc2)ポリアクリル酸(PAA)を含んでよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本明細書は、2010年2月9日付けで提出したUS仮特許出願番号第61/302,845号の利益の保護を請求するものであり、附属書類を含み、参照をもって本願明細書にその全体を組み込んだものとする。
【0002】
発明の背景
本発明は一般に、ビルダー組成物に関する。より詳述すれば、本発明は、キレート成分、ビルダー成分、ポリマー成分、及び場合により、アルカリ成分及び/又はリン含有成分を含むビルダー組成物に関する。
【0003】
関連技術の説明
ビルダー組成物は、当業者に公知であり、特に工業及び業務用(I&I)の洗浄調合物において、洗濯調合物において、食器洗浄調合物(例えば自動皿洗い機用洗剤(ADD))において、及び硬い表面を洗浄するために使用される調合物において使用される。典型的に、水中でカチオン(例えばカルシウムイオン及びマグネシウムイオン)を結合するキレート剤及び/又は金属イオン遮閉剤を含むビルダー組成物は、通常それらの洗浄効率を高めるための洗浄調合物に添加されて、種々の環境における表面から汚れ、油、脂肪等を取り除く。
【0004】
より詳述すれば、ビルダー組成物は、特に、水を軟化及び緩衝し、かつ脂肪及び油を乳化する傾向がある。ビルダー組成物は、金属イオン封鎖及び/又は沈澱を介して硬い鉱物を不活性化することによって水を軟化する傾向がある。ビルダー組成物は、典型的に、水にアルカリ度の所望されるレベルも提供し、それによってそれらの洗浄効率を増加する。
【0005】
特に洗濯物、食器及び硬い表面の適用において除去するために問題のあるシミは、タンパク質、炭水化物、デンプンなどに基づいて、"使用したモーター油"を含む。油及び脂っこい膜は、典型的に、食器の適用においても除去することが難しい。伝統的に、それらのタイプのシミを除去することにおいて最も効果的である洗浄調合物は、リン酸塩を含有する成分を含む。リン酸塩を含むビルダー組成物は、典型的に、"高性能"として当業者に分類され、かつリン酸三ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム(STPP)を含む傾向がある。これらの高性能ビルダー組成物は、洗浄水で取り除かれうる可溶性錯体を形成するために硬い鉱物と合されると、並びに洗剤に緩衝しうる溶解したカルシウム、マグネシウム、及び鉄を封鎖すると考えられる。
【0006】
しかしながら、"高性能"ビルダー組成物を使用する場合に、硬い鉱物は、容易に食物の汚れと合すことはできない。結果として、硬い鉱物及び硬い鉱物/食品の汚れの組合せは、皿類、ガラス製品及び食器上に不溶性のシミ及び/又は膜を残す傾向があり、かつ最大の洗浄のために実施することができない。シミは美的に不快であり、かつガラス製品の洗浄度に異議を唱えるため、シミは、特に、ガラス製品、例えばコップに関する。ガラス製品の膜形成又は"白化"は、同様の問題を提起する。さらに、硬い表面上及び洗濯適用における不溶性のシミの存在は、一般の洗浄度が美的及び健康の理由のために重要であるためにも関心がある。それ自体、それらは、多くの種々の適用において多くの種々の表面に適用される場合に、優れた洗浄性能を提供する改良されたビルダー組成物を開発するための可能性が残っている。
【0007】
図面の簡単な説明
本発明のその他の利点は容易に理解される。それというのも同じことが、付属図面と共に考慮される際に次の詳細な説明を参照することによってより良好に理解されることになるからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の一実施態様の予測された合計洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、合計百分率は、以下の図2〜8に記載された洗浄百分率のおおよその合計を示す。
【図2】図2は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは汚れたモーター油であり、かつ表面は65%ポリエステル/35%綿織物であり、かつこのシミ及び表面の布きれは、型式番号DMO 7436 WRLとして、West Pittiston、PAのTestfabrics, Inc.から市販されている。
【図3】図3は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは汚れたモーター油であり、かつ表面は100%綿織物であり、かつこのシミ及び表面の布きれは、型式番号DMO 493として、Testfabrics, Inc.から市販されている。
【図4】図4は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは鉱油とカーボンブラックとの混合物であり、かつ表面は100%綿織物であり、かつこのシミ及び表面の布きれは、型式番号EMPA 106として、英国のScientific Services, Inc.から市販されている。
【図5】図5は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミはオリーブ油とカーボンブラックとの混合物であり、かつ表面は100%綿織物であり、かつこのシミ及び表面の布きれは、型式番号EMPA 104として、英国のScientific Services, Inc.から市販されている。
【図6】図6は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは口紅であり、かつ表面は100%綿織物であり、かつこのシミ及び表面の布きれは、型式番号STC EMPA 141/2として、英国のScientific Services, Inc.から市販されている。
【図7】図7は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは化粧品であり、かつ表面は100%綿織物であり、かつこのシミ及び表面の布きれは、型式番号STC EMPA 143/2として、英国のScientific Services, Inc.から市販されている。
【図8】図8は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは皮脂であり、かつ表面は65%ポリエステル/35%綿織物であり、かつこのシミ及び表面の布きれは、型式番号Dust Sebum Soiledとして、英国のScientific Services, Inc.から市販されている。
【図9】図9は、本発明の一実施態様の予測された洗浄百分率の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、4×6インチのビニルタイルは、Federal Standard Test Method #536に従って染色及び洗浄される。
【図10】図10は、本発明の一実施態様の予測された洗浄の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは、卵焼きであり、かつ表面は艶付けされたセラミックである。
【図11】図11は、本発明の一実施態様の予測された洗浄の関数として、実際に観測された合計洗浄百分率のX−Y散布図であり、シミは、焼かれたオートミール肉であり、かつ表面は艶付けされたセラミックである。
【図12】図12は、本発明の一実施態様の予測された膜形成の関数として、実際に観測された膜形成のX−Y散布図であり、膜形成は、Hobart AM−14 Commercial Dishwasherを使用して測定される。
【図13】図13は、本発明の種々の実施態様のビルダー組成物の関数として、CaCO3分散能力(mg/g)を説明する棒グラフである。
【0009】
本発明の概要及び利点
本発明はビルダー組成物を提供する。ビルダー組成物は、キレート成分A)、ビルダー成分B)、ポリマー成分C)、及び場合によりアルカリ成分D)及び/又はリン含有成分E)を含む。キレート成分A)は、a1)メチルグリシン−N−N−二酢酸(MGDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又はa2)N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタメート(GLDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又はa3)エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及び/又はそれらのアルカリ塩を含む。ビルダー成分B)は、b1)金属ケイ酸塩、及び/又はb2)金属炭酸塩、及び/又はb3)金属クエン酸塩を含む。ポリマー成分C)は、c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマー、及び/又はc2)ポリアクリル酸(PAA)を含む。
【0010】
ビルダー組成物は、シミの除去の効率、又は種々の表面上の膜形成における低減の効率を評価する種々の式によってさらに記載及び/又は改良されることができる。これらの式において、"a1"は、キレート成分a1)の質量分画であり、"a2"は、キレート成分a2)の質量分画であり、"a3"は、キレート成分a3)の質量分画であり、"b1"は、金属ケイ酸塩b1)の質量分画であり、"b2"は、金属炭酸塩b2)の質量分画であり、"b3"は、金属クエン酸塩b3)の質量分画であり、"c1"は、アクリル酸−マレイン酸コポリマーc1)の質量分画であり、"c2"は、ポリアクリル酸(PAA)c2)の質量分画であり、"D"は、任意のアルカリ成分のD)の質量分画であり、かつ"E"は、任意のリン含有成分E)の質量分画である。前記式においても、少なくとも1つのa1、a2及びa3は、0より大きくかつ1.0未満であり、少なくとも1つのb1、b2及びb3は、0より大きくかつ1.0未満であり、少なくとも1つのc1及びc2は、0より大きくかつ1.0未満であり、Dは0〜1.0未満の範囲であり、Eは0〜1.0未満の範囲であり、かつa1+a2+a3+b1+b2+b3+c1+c2+D+E=1.0である。本発明は、キレート成分A)、ビルダー成分B)、及びポリマー成分C)の特有の組合せを提供する。一般に、前記成分の特有の組合せは、優れた洗浄特性及びアンチスケール形成利益を有するビルダー組成物を提供する。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、ビルダー組成物及びビルダー組成物を含む洗剤組成物を提供する。種々の実施態様において、1つ又は複数のビルダー及び/又は洗剤組成物は、さらに、食器用ビルダー/洗剤組成物として分類される。他の実施態様において、1つ又は複数のビルダー及び/又は洗剤組成物は、さらに、洗濯用ビルダー/洗剤組成物として分類される。さらなる実施態様において、1つ又は複数のビルダー及び/又は洗剤組成物は、さらに、硬い表面(洗浄)用ビルダー/洗剤組成物として分類される。もちろん、本発明は、これらのタイプの組成物に限定されない。
【0012】
典型的に、食器用ビルダー/洗剤組成物は、皿類、料理道具、ポット、鍋、刃物、皿、カップ、グラス、ボール、ソーサー等を洗浄及び/又は殺菌するために使用される。一実施態様において、食器洗浄は、食品給仕/調理器具及び家庭用品の食品が接する表面を洗浄及び/又は殺菌することを言う。さらに、洗濯用ビルダー/洗剤組成物は、典型的に、生地、衣類、被服、織物、糸等を洗浄及び/又は殺菌するために使用される。さらに、硬い表面用ビルダー/洗剤組成物は、商用、住宅用、農業用、獣医用、病院用、ホスピタリティー、工業用及び同様の状況において、典型的に、無孔の、半孔の又は部分的に多孔質の物質を洗浄及び/又は殺菌するために使用される。さらに制限されない食器用、洗濯用及び硬い表面用の適用及び記載は、以下に記載される。
【0013】
ビルダー組成物及び洗剤組成物に加えて、本発明は、ビルダー組成物及び洗剤組成物を形成する方法、及びビルダー組成物及び洗剤組成物を使用して、表面を水洗/洗濯/洗浄/殺菌及び/又は消毒する方法も提供する。一実施態様において、表面は、硬い表面である。硬い表面の限定されない例は、台所及び浴室において、壁及び床上で、シャワー及びバスタブにおいて、調理台及びキャビネット上で、エクステリア表面上、例えば車道、中庭、羽目、デッキ等の上で、車両上で、及び大理石、ガラス、金属、ビニル、繊維ガラス、セラミック、花崗岩、コンクリート、アクリル、Formica(登録商標)、Silestone(登録商標)、Corian(登録商標)、及びラミネートされた表面で見出されるものである。他の実施態様において、表面は、柔らかい表面である。柔らかい表面の例は、制限されることなく、洗濯物、衣類、織物及びカーペットを含む。種々の実施態様において、表面は、さらに、クロス、織物及び/又は糸として定義されてよく、かつ制限されることなく、ポリエステル、綿、ナイロン、羊毛、絹、及びそれらの組合せを含んでよい。一実施態様において、生地は綿である。他の実施態様において、生地は、ポリエステル及び綿を含む織物である。さらに他の実施態様において、表面は、ポリエステル65質量%及び綿35質量%を含む織物である。さらに他の実施態様において、表面は、市販の制服、例えばカバーロールズ、オーバーオール、手術着、囚人服等を含む。
【0014】
表面は、洗濯されて、水で洗浄されて、加熱されて、蒸されて、こすり落とされて、及び/又は磨かれてよい。表面は、ドライクリーニング及び/又はシミ抜きされてよい。表面は、湿っている、乾燥してよく、又は湿っている部分及び乾燥している他の部分を含んでよい。表面は、乾燥されて、冷却されて、又は室温であってよい。表面は、多孔もしくは無孔であってよく、又は水を吸収もしくははじいてよい。
【0015】
表面は、制限されることなく、脂っこいシミ、無機のシミ、有機のシミ、石油を基礎としたシミ、卵のシミ、オートミールのシミ、タンパク質のシミ、炭水化物のシミ、デンプンのシミ、使用したモーター油のシミ、身体機能に関するシミ、皮脂、ボディーオイル、動物の脂肪、石鹸アカから得られるシミ、水アカ/石灰堆積、錆、腐食及び酸化、鉱物及び水滴から得られるシミ、インク、カビ、酵母、血液、草、カラシ、コーヒー、紅茶、アルコール、菌類及び動物の排泄物、嘔吐物から得られるシミ、ガソリン及びディーゼルエンジンから、車軸グリース、ゴム、塗料、タール、口紅、及び化粧品、パラフィン、料理油、接着剤の残りから得られるシミ、並びにそれらの組合せを含むシミで汚れていてよい。一実施態様において、シミは、典型的に、前記ガソリン又はディーゼルエンジンにおいて使用されるモーター油を含むモーター油を使用される。他の実施態様において、シミは、皮脂である。さらに他の実施態様において、シミは、化粧品、例えば美容製品として市販されている化粧品固形物である。さらに他の実施態様において、シミは、口紅である。口紅及び/又は化粧品で汚れた生地は、それぞれ型式番号STC EMPA 141/2及びSTC EMPA 143/2として英国のScientific Services, Inc.から市販されている。他の実施態様において、シミは、カーボンブラック/オリーブ油の組合せである。オリーブ油及びカーボンブラックで汚れた生地は、EMPA 104の商標名でScientific Services, Inc.から市販されている。シミは、鉱油及びカーボンブラックの組合せであってよい。鉱油及びカーボンブラックで汚れた生地は、EMPA 106の商標名でScientific Services, Inc.から市販されている。
【0016】
ビルダー組成物及び洗剤組成物は、典型的に、優れた洗浄特性を有する。これらの特徴のいくつかは、次の1つ以上を含む:硬い鉱物、例えばカルシウム及びマグネシウムを妨害/不活性化すること、汚れ、例えば食物汚れを水に浸透及び緩和させる水の表面張力を減少すること、汚れ、例えば脂っこい又は油状の汚れを水中で乳化及び/又は可溶化すること、除去した汚れを水中で懸濁及び/又は分散すること、油状/脂肪質汚れを鹸化すること、タンパク質を基礎とする汚れを酵素的に消化すること、タンパク質及びデンプン質の汚れを除去すること、タンパク質の汚れ、例えば卵及び牛乳によって生じた泡を抑制すること、水の表面張力及び界面張力を低減すること、熱及び水の腐食作用から磁気模様及び磁気金属を保護すること、及び酸性の汚れを中和すること。
【0017】
種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、以下に記載された1つ以上を含んでよい、1つ以上の優れた洗浄特性を有する。洗浄力は、汚れと表面との間の結合を破壊する能力を含む洗浄特性である。浸透及び湿潤は、水に、さもないと水をはじく汚れ粒子を囲ませる、洗浄特性である。乳化は、油を基礎とする汚れを、完全に分散させることができる小さい液滴中に分解する能力を含む洗浄特性である。可溶化は、汚れがもはや固形粒子ではないような汚れを溶解する洗浄特性である。分散は、汚れ粒子を、目的物、例えば皿洗い機の棚、皿洗い機の壁、又は洗浄される表面(皿類、ガラス製品及び食器)への固着から妨げるために、溶液(例えば洗浄水)を介して小さい汚れ粒子を広げることを導く洗浄特性である。
【0018】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、特に、水を表面にシートし、従って、水斑を最小化し、そして同様に膜形成するために特に有用である。膜は、典型的に、汚れを含む水の蒸発に対して食器及びガラス製品上に形成される。洗浄水中の固体は、皿類、ガラス製品等に存在する汚れ量及び/又は汚れから生じる。典型的に、汚れは、タンパク質、脂肪及びデンプンを基礎とする汚れを含む。水硬度は、典型的に不溶性のカルシウム塩及びマグネシウム塩の形での固体の存在に寄与する。水温は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の洗浄性能にも影響を及ぼしてよく、温度が上昇すれば、典型的にビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の洗浄性能が上昇する。
【0019】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、液体であるが、しかし典型的に液体/ゲル、ゲル、又は固体であってよい。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、種々の方法で消費者に供給されうる。典型的に、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、ボトル又は同様の容器で消費者に供給される。他の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、通常のパケット、サッシェ又はパウチ内で保持されてよい。しかしながら、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、使用の容易性のために、易流動性の形で、例えばボトル中で液体の形であってよい。
【0020】
種々の実施態様において、ビルダー組成物は、25℃で、1000cP未満、100〜1000cP、200〜900cP、300〜800cP、400〜700cP、500〜600cPの粘度を有する。代わりに、ビルダー組成物は、より高い粘度を有してよく、又は固体もしくはゲルであってよい。他の実施態様において、洗剤組成物は、25℃でのcP、少なくとも約500の、代わりに約1000〜約15000の、約1000〜約10000の、約4000〜8000の、又は約5000〜約8000の粘度を有する。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の粘度は、当業者に公知の方法によって測定されてよい。例えば、粘度は、Brookfield粘度計、Shellカップ、Zahnカップ、平行版レオメータ等を使用して測定されてよい。
【0021】
当業者は、ゲルが、一般に液体に関する粘度においてより高く、かつ/又はゲルは、液体に関するチキソトロピーの又は非ニュートンの特性を有することを評価している。それ自体、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物が液体/ゲル又はゲルである場合に、典型的に前記の及び直前に例示された同様の粘度、又は前記の及び直前に例示された同様の粘度よりも高い又は低い粘度を有する。
【0022】
使用の容易性のために、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、カバーを含んでよい又は含んではいけない貯蔵器中に注入することによって、皿洗い機の貯蔵器中に置かれてよい。代わりに、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を、皿洗い機中に直接流し込んでもよい。代わりに、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を、外部投与装置、例えば業務用皿洗い機の投与装置中に置かれてよい。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物がゲルの形である場合に、特に、貯蔵器が皿洗い機のドア上にある場合に有用であってよく、その結果、ゲルは、皿洗い機の使用中に水との接触を増加することによってドアに粘着する。本発明は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物のあらゆる特定の使用を制限しないことを理解すべきである。例えば、本発明のビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、種々の適用のために、例えば住宅/家庭用及び業務用皿洗い機の適用、住宅/家庭用及び業務用洗濯機の適用、住宅/家庭用及び業務用の硬い表面の洗浄等において有用である。
【0023】
ビルダー組成物は、(A)キレート成分を含む。(A)キレート成分は、a1)メチルグリシン−N−N−二酢酸(MGDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又はa2)N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタメート(GLDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又はa3)エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及び/又はそれらのアルカリ塩を含んでよい。(A)キレート成分は、1つ以上のa1)、a2)及びa3)を含んでよく、かつそれらの組合せを含んでよい。(A)キレート成分は、1つ以上の追加の化合物、例えばN,N,N−ニトリロ三酢酸(NTA)を含んでもよい。
【0024】
MGDAは、一般に、メチルグリシンジアセテートと当業者に言われる一方で、GLDAは、一般に、グルタミン酸ジアセテートと当業者に言われる。a1)に関して、アルカリ塩は、MGDAのナトリウム塩、例えば、当業者にメチルグリシンジアセテート、三ナトリウム塩とも言われる、Na3・MGDAである。a2)に関して、アルカリ塩は、典型的に、GLDAのナトリウム塩、例えばL−グルタミン酸四ナトリウム、N,N−二酢酸又はNa4・GLDAである。しかしながら、アルカリ塩は、あらゆるアルカリ又はアルカリ土類金属を含んでよく、かつ特に制限されない。
【0025】
以下で使用されるように、頭字語MGDAは、一般に、MGDA、もしくはMGDAのアルカリ塩(例えばNa3・MGDA)、又はそれらの塩を含むことを意味する。同様に、頭字語GLDAは、一般に、GLDA、又はGLDAのアルカリ塩を含むことを意味する。(A)キレート成分は、MGDA及びGLDAの組合せを含んでよいことが考慮されるべきである。
【0026】
典型的に、(A)キレート成分は、水性であり、(A)キレート成分は、水及び1つ以上のa1)、a2)及びa3)、例えば水及びMGDAを含む。種々の実施態様において、(A)キレート成分は、水性であり、かつMGDAが使用され、MGDAは、それぞれ(A)キレート成分100質量部に対して、約35〜約95質量部、約35〜約85質量部、又は約35〜約45質量部、又は約40質量部である。他の実施態様において、(A)キレート成分は水性であり、かつGLDAが、MGDAに関する前記と同様の量で存在する。(A)キレート成分は、粉末又はゲルの形でもよいことが評価されるべきである。
【0027】
(A)キレート剤は、水、例えば、通常の住宅用の、市販の、工業用の及び施設の皿洗い機において生じた水中の硬い鉱物及び/又は金属イオンを活性化するために有用である。水の硬度は、一般に、鉱物、例えばカルシウム及びマグネシウムに付与される。他の金属イオンは、溶解した金属、例えば鉄及びマンガンを含む。
【0028】
典型的に、MGDA及びGLDAは、沈澱しない、硬い鉱物(例えばカルシウム及びマグネシウム)並びに鉄及びマンガンを不活性化する。沈澱無しの、すなわち隔離による軟水法は、一般に硬い鉱物の沈澱によって軟化される他の化合物、例えば炭酸ナトリウムからMGDA及びGLDAを識別している。MGDA及びGLDAは、一般に、硬い鉱物と合し、溶液中でそれらを保持し、その結果硬い鉱物は、(食品の)汚れと合することができない。さらに、硬い鉱物自体も、硬い鉱物/汚れの組合せ物も、典型的に、皿等の上の不溶性のシミ又は膜を残さない。
【0029】
あらゆる特定の理論によって束縛又は制限されないで、MGDAの低い分子量は、他のキレート剤又は成分、例えばGLDAに関してより大きいキレート/分離効率を有するMGDAを付与すると考えられている。当業者は、MGDA及びGLDAが、双方共一般的に、アミノカルボキシレートに分類されることを理解している。ビルダー組成物は、単にMGDA及び/又はGLDAの使用に制限されず、かつMGDA及び/又はGLDAに加えて1つ以上のキレート剤を含んでよい。
【0030】
適した(A)キレート成分の制限されない例は、TRILON(登録商標)M、例えばTRILON(登録商標)M液体、TRILON(登録商標)A、及びTRILON(登録商標)Bの商標名で、Florham Park、NJのBASF Corporationから市販されている。適した(A)キレート成分のさらに制限されない例は、DISSOLVINE(登録商標)GLの商標名で Chicago、ILのAkzoNobelから市販されている。適した(A)キレート成分の他の制限されない例は、Schneider et al.の米国特許番号第5,786,313号及びStolte et al.の米国特許出願番号第2009/0105114号において記載されており、参照をもってその全体を本発明に組み込まれたものとし、その開示は、本発明の記載内内容の一般的な範囲内に矛盾しない。
【0031】
種々の実施態様において、(A)キレート成分は、ビルダー組成物100質量部に対して、0〜95質量部、10〜90質量部、20〜60質量部、30〜60質量部、40〜50質量部、5〜90質量部、15〜85質量部、25〜75質量部、35〜65質量部、45〜55質量部、5〜10質量部、又は5〜20質量部の量で存在する。一実施態様において、(A)キレート成分は、ビルダー組成物100質量部に対して、10〜15質量部の量で存在する。もちろん、(A)キレート成分の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。(A)キレート成分は、以下に詳細に記載された1つ以上の式に従って計算されたあらゆる量で存在してもよい。
【0032】
他の実施態様において、a1)は、ビルダー組成物100質量部に対して、0.1〜95質量部、10〜90質量部、20〜60質量部、30〜60質量部、40〜50質量部、5〜90質量部、15〜85質量部、25〜75質量部、35〜65質量部、45〜55質量部、5〜10質量部、又は5〜20質量部の量で存在する。一実施態様において、a1)は、ビルダー組成物100質量部に対して、10〜15質量部の量で存在する。さらに他の実施態様において、a2)及び/又はa3)は、a1)に関して1以上の前記量で存在する。もちろん、a1)、a2)及び/又はa3)の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。代わりに、a1)、a2)及び/又はa3)は、以下に詳細に記載された1つ以上の式に従って計算されたあらゆる量で存在してもよい。
【0033】
ビルダー組成物は、(B)ビルダー成分も含む。(B)ビルダー成分は、b1)金属ケイ酸塩、及び/又はb2)金属炭酸塩、及び/又はb3)金属クエン酸塩を含んでよい。金属は、あらゆるアルカリ金属又はアルカリ土類金属であってよい。典型的に、金属はナトリウム(Na)又はカリウム(K)である。しかしながら、金属は限定されず、かつ代わりに遷移金属を含んでよい。
【0034】
一実施態様において、(B)ビルダー成分は、1つ以上のb1)ケイ酸ナトリウム(メタケイ酸塩として公知でもある)、及び/又はb2)炭酸ナトリウム、及び/又はb3)クエン酸ナトリウムを含む。さらに制限されない使用することができる化合物の例は、重炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム及びそれらの組合せを含む。本発明の目的のために適したメタケイ酸ナトリウムの特定の例は、METSO(登録商標)、例えばMETSO(登録商標)Pentabead 20及びMETSO(登録商標)Beads 2048の商標名でMalvern、PAのPQ Corporationから市販されている。
【0035】
金属炭酸塩は、さらに、通常、特に無水物の形である場合に、当業者に"ソーダ灰"又は水和物/結晶型である場合に"洗濯ソーダ"とも言われる、炭酸ナトリウムとして定義されてよい。金属炭酸塩は、一般に強アルカリ塩であるために、金属炭酸塩は、(B)ビルダー成分として、及びOH-イオンの源としても有用である。金属炭酸塩は、アルカリ性のキレート粉末を提供し、かつ典型的に溶液から硬い鉱物を沈澱することによって水を軟化する。炭酸ナトリウムは、ビルダーを沈澱し、硬い鉱物を、分離による軟水法と対照的に、すなわち沈澱ではなく、不溶性型に変換することによって軟水化する傾向がある。典型的に、ビルダーの沈澱は、主に不溶性化合物としてカルシウムを除去することによって硬い塩を軟化又は不活性化する。
【0036】
金属炭酸塩は、表面、例えば前記に記載されたものからタンパク質及びデンプン質の汚れを破壊する及び除去を手伝うために有用でもある。金属炭酸塩は、さらに以下で記載されるように、(A)キレート成分と相乗効果を有すると考えられる。金属炭酸塩の適した品種は、種々の供給元から市販されている。
【0037】
金属クエン酸塩は、典型的に、クエン酸の金属(例えばNa又はK)塩である。それ自体、金属クエン酸塩は、いくらかの量のクエン酸自体、例えば少量のクエン酸を含んでよい。クエン酸は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中の追加の成分として使用されてもよいことを理解すべきである。
【0038】
典型的に、金属クエン酸塩は、硬い鉱物を分離する。金属クエン酸塩は、ビルダーとして、及びアルカリ緩衝液として有用でもある。金属クエン酸塩は、さらに以下で記載されるように、(A)キレート成分と相乗効果を有すると考えられる。金属クエン酸塩の適した品種は、種々の供給元から市販されている。
【0039】
種々の実施態様において、(B)ビルダー成分は、ビルダー組成物100質量部に対して、0.1〜95質量部、10〜90質量部、20〜60質量部、30〜60質量部、40〜50質量部、5〜90質量部、15〜85質量部、25〜75質量部、35〜65質量部、45〜55質量部、15〜25質量部、又は30〜35質量部、又は30〜60質量部の量で存在する。一実施態様において、(B)ビルダー成分は、ビルダー組成物100質量部に対して、20〜60質量部の量で存在する。もちろん、(B)ビルダー成分の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。(B)ビルダー成分は、以下に詳細に記載された1つ以上の式に従って計算されたあらゆる量で存在してもよい。
【0040】
他の実施態様において、b1)は、ビルダー組成物100質量部に対して、0〜95質量部、10〜90質量部、20〜60質量部、30〜60質量部、40〜50質量部、5〜90質量部、15〜85質量部、25〜75質量部、35〜65質量部、45〜55質量部、15〜25質量部、又は30〜35質量部、又は30〜60質量部の量で存在する。一実施態様において、b1)は、ビルダー組成物100質量部に対して、20〜60質量部の量で存在する。さらに他の実施態様において、b2)及び/又はb3)は、b1)に関して1以上の前記量で存在する。もちろん、b1)、b2)及び/又はb3)の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。代わりに、1つ以上のb1)、b2)及び/又はb3)は、以下の詳細な説明に記載された1つ以上の式によって計算されたあらゆる量で存在してよい。
【0041】
ビルダー組成物は、(C)ポリマー成分も含む。(C)ポリマー成分は、c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマー、及び/又はc2)ポリアクリル酸(PAA)を含んでよい。アクリル酸−マレイン酸コポリマーは、アクリル酸とマレイン塩酸及び/又はポリアクリル酸(PAA)のコポリマーである。(C)ポリマー成分は、典型的に、分散状態又は懸濁状態で商品から除去された汚れの粒子を保持し、その結果その粒子は、洗浄水がくみ出される場合に、皿洗い機からより容易に取り出される。(C)ポリマー成分は、シックナーとして有用であってもよい。適した(C)ポリマー成分の例は、SOKALAN(登録商標)、例えばSOKALAN(登録商標)PA 30 CLの商標名でBASF Corporationから市販されている。
【0042】
種々の実施態様において、(C)ポリマー成分は、ビルダー組成物100質量部に対して、0.1〜95質量部、10〜90質量部、20〜60質量部、30〜60質量部、40〜50質量部、5〜90質量部、15〜85質量部、25〜75質量部、35〜65質量部、45〜55質量部、30〜35質量部、又は50〜60質量部、又は15〜55質量部の量で存在する。一実施態様において、(C)ポリマー成分は、ビルダー組成物100質量部に対して、15〜60質量部の量で存在する。もちろん、(C)ポリマー成分の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。(C)ポリマー成分は、以下に詳細に記載された1つ以上の式に従って計算されたあらゆる量で存在してもよい。
【0043】
他の実施態様において、c1)は、ビルダー組成物100質量部に対して、0〜95質量部、10〜90質量部、20〜60質量部、30〜60質量部、40〜50質量部、5〜90質量部、15〜85質量部、25〜75質量部、35〜65質量部、45〜55質量部、30〜35質量部、又は50〜60質量部、又は15〜55質量部の量で存在する。一実施態様において、c1)は、ビルダー組成物100質量部に対して、15〜60質量部の量で存在する。さらに他の実施態様において、c2)は、c1)に関して1以上の前記量で存在する。もちろん、c1)及びc2)の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。代わりに、c1)及びc2)は、以下に詳細に記載された1つ以上の式に従って計算されたあらゆる量で存在してもよい。
【0044】
ビルダー組成物は、場合により、(D)アルカリ成分を含んでよい。(D)アルカリ成分は、典型的に、固体及び/又は液体の形で、金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等を含む。しかしながら、他の及び/又は追加の金属水酸化物及び/又はアルカリ化合物を使用してよいことも考えられる。さらに適した(D)アルカリ成分は、制限されることなく、アンモニア、窒素含有塩基、重炭酸塩等を含む。種々の実施態様において、(D)アルカリ成分は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部に対して、0〜50質量部、5〜45質量部、10〜40質量部、15〜35質量部、20〜30質量部、25〜35質量部、40〜45質量部、又は1〜45質量部の量で存在する。もちろん、(D)の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。任意の(D)アルカリ成分は、以下に詳細に記載された1つ以上の式に従って計算されたあらゆる量で存在してもよい。
【0045】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、(D)リン含有成分も含んでよい。(E)リン含有成分は、制限されることなく、リン酸三ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム(STPP)を含むあらゆる当業者に公知のものを含んでよい。種々の実施態様において、(E)リン含有成分は、ビルダー組成物100質量部に対して、0〜25質量部、5〜20質量部、又は10〜15質量部の量で存在する。もちろん、(E)リン含有成分の量は、前記の量に制限されず、かつあらゆる量、又は前記の量の範囲内又はその間の量の範囲を含んでよいことを理解すべきである。任意の(E)リン含有成分は、以下に詳細に記載された1つ以上の式に従って計算されたあらゆる量で存在してもよい。
【0046】
代わりに、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部ごとに、少なくとも5、4、3、2、1、0.5、0.25、0.1又は0.05質量部の任意の(D)アルカリ成分及び/又は任意の(E)リン含有成分を含んでよい。他の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、任意の(D)アルカリ成分及び/又は任意の(E)リン含有成分を全く有さない。
【0047】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、水を含んでもよい。さらに以下で記載された、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物内に存在する水の量を調整することは、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の粘度を調整するために有用である。種々の実施態様において、水は、それぞれビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部に対して、10〜90質量部、20〜80質量部、30〜70質量部、40〜60質量部、50〜90質量部、50〜60質量部、又は60〜80質量部の量で存在する。粘度は、水の使用に加えた又は水の使用に変えた他の方法によって、例えば1つ以上のシックナーの使用によって調整されうることを評価すべきである。
【0048】
(A)〜(E)の相互作用の関係
種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、種々の表面から種々のシミを洗浄するために、及び/又は表面上の膜形成を低減するために使用される。あらゆる特定の理論によって制限されるつもりもなく、相乗作用は、(A)キレート成分、(B)ビルダー成分、(C)ポリマー成分、及び場合により(D)アルカリ成分及び(E)リン含有成分の合計量間に存在すると考えられている、言い換えれば、異なる成分(A)〜(E)の種々の量は、シミが取り除かれるべきであるもの及び/又は膜形成における低減が所望されるかどうかに依存した最大の洗浄効率及び性能に改変されてよい。本発明の種々の実施態様の相乗効果及び改変は、制限されない式の系列において以下で示される。
【0049】
それぞれ次の式において、"a1"は、キレート成分a1)の質量分画であり、"a2"は、キレート成分a2)の質量分画であり、"a3"は、キレート成分a3)の質量分画であり、"b1"は、金属ケイ酸塩b1)の質量分画であり、"b2"は、金属炭酸塩b2)の質量分画であり、"b3"は、金属クエン酸塩b3)の質量分画であり、"c1"は、アクリル酸−マレイン酸コポリマーc1)の質量分画であり、"c2"は、PAA c2)の質量分画であり、"D"は、任意のアルカリ成分の(D)の質量分画であり、かつ"E"は、任意のリン含有成分(E)の質量分画である。
【0050】
さらに、これらの制限のない式においても、少なくとも1つのa1、a2及びa3は、0より大きくかつ1.0未満であり、少なくとも1つのb1、b2及びb3は、0より大きくかつ1.0未満であり、少なくとも1つのc1及びc2は、0より大きくかつ1.0未満であり、Dは0〜1.0未満の範囲であり、Eは0〜1.0未満の範囲であり、かつa1+a2+a3+b1+b2+b3+c1+c2+D+E=約1.0である。
【0051】
第1の制限のない式:
第1の制限のない式において、本発明の一実施態様は、セラミック基材上でタンパク質除去性能(P)に関して測定される。結果を図10において記載する。種々の実施態様において、Pは、0〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜5、2〜4、2〜3、3〜5、又は3〜4の範囲にわたる。典型的にPは、0より大きく3.5以下である。Pは、あらゆる数、分数、又は0〜5の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。
【0052】
この測定において、小さい数が、多い数と比較して良好である。言い換えれば、5.0は、4.5よりも悪いと考えられ、4.5は4.0よりも悪いと考えられる。性能数を明瞭に表現するための1つの方法は、性能の5つのレベルを含む5つのポイントスケールを使用することである。5つのポイントスケールは、優れている(例えば1.0)、非常に良好(例えば2.0)、良好(例えば3.0)、並み(例えば4.0)、及び不良(5.0)を含む。同様のスケールは、例えば10のポイントスケールを使用してもよいことを理解すべきである。
【0053】
第1の制限されない式について:
【数1】

【0054】
一実施態様において、卵を炒り、約1グラムのスクランブルエッグを艶付けされたセラミックソーサー上に塗る。そして、そのソーサーを、30分間187℃で熱対流炉中に置く。そしてそのソーサーを、使用前に室温で冷却させる。続いて、ビルダー組成物を適用して、卵を取り除く。典型的に、そのソーサーを、実施例において以下でより詳細に記載されているように、Hobart AM−14工業用皿洗い機で洗浄する。そして、そのソーサーを洗浄度に関して視覚的に評価する。きれいなソーサーは、0の等級を有し、かつ焼いたソーサーは5の評価を有する。もちろん、本発明は、卵のシミでの使用に制限されず、あらゆるタンパク質のシミに置換してよい。
【0055】
第2の制限のない式:
第2の制限のない式において、本発明の一実施態様は、セラミック基材上で炭水化物除去性能(Z)に関して測定される。結果を図11において記載する。種々の実施態様において、Zは、0〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜5、2〜4、2〜3、3〜5、又は3〜4の範囲にわたる。典型的にZは、0より大きく3.5以下である。Zは、あらゆる数、分数、又は0〜5の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。
【0056】
この測定において、小さい数が、多い数と比較して良好である。言い換えれば、5.0は、4.5よりも悪いと考えられ、4.5は4.0よりも悪いと考えられる。性能数を明瞭に表現するための1つの方法は、性能の5つのレベルを含む5つのポイントスケールを使用することである。5つのポイントスケールは、優れている(例えば1.0)、非常に良好(例えば2.0)、良好(例えば3.0)、並み(例えば4.0)、及び不良(5.0)を含む。同様のスケールは、例えば10のポイントスケールを使用してもよいことを理解すべきである。
【0057】
第2の制限されない式について:
【数2】

【0058】
一実施態様において、H2O 110gを沸騰するまで加熱する。そして、加熱をやめ、粉砕したOuaker(登録商標)オートミール10gを水に添加し、そして5分間撹拌させる。続いて、粉末化した肉汁1gを、オートミールに添加し、溶液を形成する。そして、その溶液を室温まで冷却させる。そして、その溶液約1gを、艶付けしたセラミックソーサー上に塗る。そして、そのソーサーを、30分間187℃で熱対流炉中に置く。そしてそのソーサーを、使用前に室温で冷却させる。続いて、ビルダー組成物を適用して、オートミール肉汁を取り除く。典型的に、そのソーサーを、実施例において以下でより詳細に記載されているように、Hobart AM−14工業用皿洗い機で洗浄する。そして、そのソーサーを洗浄度に関して視覚的に評価する。きれいなソーサーは、0の等級を有し、かつ焼いたソーサーは5の評価を有する。もちろん、本発明は、オートミールのシミでの使用に制限されず、あらゆる炭水化物のシミに置換してよい。
【0059】
それぞれの2つの前記の制限のない式において、セラミック表面は、伝統的にセラミックであってよく、陶器、石器、磁器、又はそれらの組合せであってよい。セラミック表面は艶付けされてよい。当業者に公知であるように、釉薬は、色、装飾、補強又は防水の目的のために、セラミックに融合するために火入れされている種々の物質の層又は被覆である。釉薬は、一般に、融剤として作用し、かつ釉薬を特定の温度で溶融させる、金属酸化物、例えばナトリウム、カリウム及びカルシウムの混合物と組み合わせて、ガラスを形成するためにシリカを含む。アルミナ(通常追加の粘土から)は、釉薬を硬化するために使用されてよく、かつセラミックの流出から妨げる。着色剤、例えば酸化鉄、炭酸銅又は炭酸コバルト、及び乳白剤、例えば酸化スズ又は酸化ジルコニウムも使用してよい種々の実施態様において、セラミック表面は、さらに、制限されることなく、カップ、ボール、ソーサー、プレート等を含む食器として定義されてよい。
【0060】
第3の制限のない式:
第3の制限のない式において、本発明の一実施態様は、ガラス基材上で膜形成の低減性能(F)に関して測定される。一実施態様において、ガラスビーカーを、膜形成の低減性能(F)を測定するために使用する。より詳述すれば、ガラスビーカーを、1つ以上の前記シミを含む、1つ以上の艶付けしたセラミックソーサーに加えて、Hobart AM−14工業用皿洗い機に加える。ソーサーを洗浄した後に、ガラス表面上の膜形成の量を、視覚的に評価し、そして0〜10の等級に割り当てる。
【0061】
この測定において、小さい数が、多い数と比較して良好である。言い換えれば、5.0は、4.5よりも悪いと考えられ、4.5は4.0よりも悪いと考えられる。種々の実施態様において、Fは、0〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜5、2〜4、2〜3、3〜5、又は3〜4の範囲である。典型的に、Fは、0より大きく、4.0以下である。Fは、あらゆる数、分数、又は0〜10の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。
【0062】
第3の制限されない式について:
【数3】

【0063】
第4の制限のない式:
第4の制限のない式において、本発明の一実施態様を、多くの異なるシミ及び表面に関するビルダー組成物のシミ除去の合計(S)に関して測定する。シミ及び表面は、式5〜11に関する以下で記載された1つ以上のシミを含んでよい。あらゆる特定の理論によって制限されることを意図しない限り、この第四の制限のない式は、以下で詳細に記載されている第5〜第11の制限のない式の結果の合計を示す。
【0064】
この第4の制限のない式において、水中での百万分率でCaCO3としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を示す変数を含む。種々の実施態様において、Sは、少なくとも175、200、225又は250である。Sは、あらゆる数、分数、又は175〜400の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図1に記載する。
【0065】
第4の制限されない式について:
【数4】

【0066】
第5の制限のない式:
第5の制限のない式において、本発明の一実施態様を、"洗浄百分率"において測定されたように、ポリエステル及び綿(例えば65%ポリエステル/35%綿)を含む織物上で、汚れたモーター油の除去性能(M)に関して測定する。"洗浄百分率"を測定するために使用した正確な方法を、以下の実施例においてより詳細に記載する。汚れたモーター油は、典型的に、ガス及び/又はディーゼルエンジンにおいて明らかに使用される油を含む。この式において、水中での百万分率でCaCO3としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を示す変数を含む。
【0067】
洗浄百分率に関して、より高い値は、低い値よりも"よりきれいである"と考えられる。前記の異なった、より高い洗浄百分率は、多くのシミは、低い洗浄百分率値よりも取り除いたと考える。種々の実施態様において、Mは、少なくとも5及び100までの範囲である。典型的に、Mは、5より大きく約50までである。Mは、あらゆる数、分数、又は5〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図2に記載する。
【0068】
第5の制限されない式について:
【数5】

【0069】
第6の制限のない式:
第6の制限のない式において、本発明の一実施態様を、"洗浄百分率"において測定されたように、綿(例えば100%綿)を含む織物上で、汚れたモーター油の除去性能(O)に関して測定する。"洗浄百分率"を測定するために使用した正確な方法を、以下の実施例においてより詳細に記載する。汚れたモーター油は、典型的に、ガス及び/又はディーゼルエンジンにおいて明らかに使用される油を含む。この式において、水中での百万分率でCaCO3としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を示す変数を含む。
【0070】
洗浄百分率に関して、より高い値は、低い値よりも"よりきれいである"と考えられる。前記の異なった、より高い洗浄百分率は、多くのシミは、低い洗浄百分率値よりも取り除いたと考える。種々の実施態様において、Oは、少なくとも15及び100までの範囲である。典型的に、Oは、15より大きく約50までである。Oは、あらゆる数、分数、又は15〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図3に記載する。
【0071】
第6の制限されない式について:
【数6】

【0072】
第7の制限のない式:
第7の制限のない式において、本発明の一実施態様を、"洗浄百分率"において測定されたように、綿(例えば100%綿)を含む織物上で、鉱油とカーボンブラックの混合物の除去性能(Y)に関して測定する。"洗浄百分率"を測定するために使用した正確な方法を、以下の実施例においてより詳細に記載する。このシミ及び表面の見本は、EMPA 106の商標名で、英国のScientific Services、Inc.から市販されている。この式において、水中での百万分率でCaCO3としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を示す変数を含む。
【0073】
洗浄百分率に関して、より高い値は、低い値よりも"よりきれいである"と考えられる。前記の異なった、より高い洗浄百分率は、多くのシミは、低い洗浄百分率値よりも取り除いたと考える。種々の実施態様において、Yは、少なくとも15及び100までの範囲である。典型的に、Yは、15より大きく約50までである。Yは、あらゆる数、分数、又は15〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図4に記載する。
【0074】
第7の制限されない式について:
【数7】

【0075】
第8の制限のない式:
第8の制限のない式において、本発明の一実施態様を、"洗浄百分率"において測定されたように、綿(例えば100%綿)を含む織物上で、口紅の除去性能(L)に関して測定する。"洗浄百分率"を測定するために使用した正確な方法を、以下の実施例においてより詳細に記載する。このシミ及び表面の見本は、STC EMPA 141/2の商標名で、英国のScientific Services、Inc.から市販されている。この式において、水中での百万分率でCaCO3としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を示す変数を含む。
【0076】
洗浄百分率に関して、より高い値は、低い値よりも"よりきれいである"と考えられる。前記の異なった、より高い洗浄百分率は、多くのシミは、低い洗浄百分率値よりも取り除いたと考える。種々の実施態様において、Lは、少なくとも30及び100までの範囲である。典型的に、Lは、30より大きく約80までである。Lは、あらゆる数、分数、又は30〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図6に記載する。
【0077】
第8の制限されない式について:
【数8】

【0078】
第9の制限のない式:
第9の制限のない式において、本発明の一実施態様を、"洗浄百分率"において測定されたように、綿(例えば100%綿)を含む織物上で、化粧品の除去性能(K)に関して測定する。"洗浄百分率"を測定するために使用した正確な方法を、以下の実施例においてより詳細に記載する。このシミ及び表面の見本は、STC EMPA 143/2の商標名で、英国のScientific Services、Inc.から市販されている。この式において、水中での百万分率でCaCO3としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を示す変数を含む。
【0079】
洗浄百分率に関して、より高い値は、低い値よりも"よりきれいである"と考えられる。前記の異なった、より高い洗浄百分率は、多くのシミは、低い洗浄百分率値よりも取り除いたと考える。種々の実施態様において、Kは、少なくとも10及び100までの範囲である。典型的に、Kは、10より大きく約85までである。Kは、あらゆる数、分数、又は10〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図7に記載する。
【0080】
第9の制限されない式について:
【数9】

【0081】
第10の制限のない式:
第10の制限のない式において、本発明の一実施態様を、"洗浄百分率"において測定されたように、ポリエステル及び綿(例えば65%ポリエステル/35%綿)を含む織物上で、皮脂の除去性能(U)に関して測定する。"洗浄百分率"を測定するために使用した正確な方法を、以下の実施例においてより詳細に記載する。このシミ及び表面の見本は、型Dust Sebum Soiledとして、英国のScientific Services、Inc.から市販されている。この式において、水中での百万分率でCaCO3としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を示す変数を含む。
【0082】
洗浄百分率に関して、より高い値は、低い値よりも"よりきれいである"と考えられる。前記の異なった、より高い洗浄百分率は、多くのシミは、低い洗浄百分率値よりも取り除いたと考える。種々の実施態様において、Uは、少なくとも60及び100までの範囲である。典型的に、Uは、60より大きく約95までである。Uは、あらゆる数、分数、又は60〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図8に記載する。
【0083】
第10の制限されない式について:
【数10】

【0084】
第11の制限のない式:
第11の制限のない式において、本発明の一実施態様を、"洗浄百分率"において測定されたように、綿(例えば100%綿)を含む織物上で、オリーブ油とカーボンブラックのシミ除去(Q)に関して測定する。"洗浄百分率"を測定するために使用した正確な方法を、以下の実施例においてより詳細に記載する。このシミ及び表面の見本は、EMPA 104の商標名で、英国のScientific Services、Inc.から市販されている。
【0085】
洗浄百分率に関して、より高い値は、低い値よりも"よりきれいである"と考えられる。前記の異なった、より高い洗浄百分率は、多くのシミは、低い洗浄百分率値よりも取り除いたと考える。種々の実施態様において、Qは、少なくとも40及び100までの範囲である。典型的に、Qは、40より大きく約75までである。Qは、あらゆる数、分数、又は40〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図5に記載する。
【0086】
第11の制限されない式について:
【数11】

【0087】
第12の制限のない式:
第12の制限のない式において、本発明の一実施態様は、ビニルタイル上でシミ除去性能(X)に関して測定される。より詳述すれば、Federal Standard Test Method #536に従って形成された油/酸化鉄のシミを、前記のように異なる4×6インチのビニルタイルに適用する。そして、本発明の種々のビルダー組成物の試料を、硬水(250ppmのCa/Mg 2/1)中で3質量%まで希釈して、希釈組成物を形成する。そして、希釈組成物を、Federal Standard Test Method #536に従ってシミタイルに適用して、洗浄百分率を測定する。より詳述すれば、X−rite反射率計を、除去したシミの量を測定するために使用する。そして、この値を、洗浄百分率に変換する。
【0088】
種々の実施態様において、Xは、少なくとも65及び100までの範囲である。典型的に、Xは、60より大きく約85までである。Xは、あらゆる数、分数、又は65〜100の範囲の数もしくは分数の範囲であってよいとも考えられる。以下に記載されたそれぞれの値が、近似的に数的に小数第二位までまとめられることを理解すべきである。結果を図9に記載する。
【0089】
第12の制限されない式について:
【数12】

【0090】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中で含まれうる添加剤
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物に関して、1つ又は双方のこれらの組成物は、1つ以上の添加剤、例えば補助ビルダー成分、漂白剤、酵素、溶剤、塩、灰色化阻害剤、汚れ放出ポリマー、色移り阻害剤、抑泡剤、錯化剤、蛍光増白剤、フレグランス、充填剤、無機増量剤、調合助剤、溶解改良剤、乳白剤、染料、腐食阻害剤、過酸化安定剤、電解質、石鹸、洗剤、酸、例えばフタル酸、アミドスルホン酸、クエン酸、乳酸、酢酸、過酸及びトリクロロイソシアヌル酸、溶剤、例えばエチレングリコール、2−ブトキシエタノール、ブチルジグリコール、アルキルグリコールエーテル及びイソプロパノール、キレート剤、例えば香料、油、酸化剤、例えば過ホウ酸塩、ジクロロイソシアヌレート、酵素、界面活性エチレンオキシ付加物、界面活性剤、及びそれらの組合せを含んでよい。
【0091】
適した非イオン界面活性剤は、制限されることなく、アルカリフェノールアルコキシレート、アルカリポリグルコシド、ヒドロキシアルキルポリグルコシド、N−アルカリグルカミド、酸化アルキレンブロックコポリマー、ポリヒドロキシ及びポリアルコキシ脂肪酸誘導体、並びにそれらの組合せを含む。アルキルフェノールアルコキシレートは、C6〜C14アルキル鎖及びアルキル鎖に付加された酸化アルキレン5〜30モルを有するアルキルフェノールアルコキシレートを含んでよい。アルキルポリグルコシド及び/又はヒドロキシアルキルポリグルコシドは、アルキル鎖において炭素原子8〜22個を有し、かつグルコシド単位1〜20個を有してよい。N−アルキルグルカミドは、C6〜C22アルキル鎖を有してよく、かつ直鎖のカルボン酸誘導体に対応する還元したアミン化糖のアクリル化から形成されてよい。さらに、酸化アルキンブロックコポリマーは、酸化エチレン、酸化プロピレン及び/又は酸化ブチレンのブロックコポリマーを含んでよい。さらに、ポリヒドロキシ及び/又はポリアルコキシ脂肪酸誘導体は、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、N−アルコキシ−及び/又はN−アリールオキシ−ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、脂肪酸アミドエトキシレート、並びに脂肪酸アルカノールアミドアルコキシレートも含んでよい。種々の実施態様において、非イオン界面活性剤は、1〜20質量%の量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在する。他の実施態様において、アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との混合物は、95:5〜20:80、及び典型的には80:20〜50:50の質量比で存在する。
【0092】
適したカチオン界面活性剤は、制限されることなく、アンモニア基、例えばアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物を含む界面活性化合物、並びに化学式RR’R’’R’’’N+X− [式中、R、R’R’’及びR’’’は、独立して、アルキル基、アリール基、アルキルアルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヒドロキシアルキル(アルコキシ)基、及びヒドロキシアリール(アルコキシ)基の群から選択され、かつXはアニオンである]を有する化合物を含む。適した両性界面活性剤は、制限されることなく、アニオン基を含む第二級及び/又は第三級アミンの脂肪族誘導体、アルキルジメチルアミノオキシド、アルキル−及び/又はアルコキシメチルアミンオキシド、並びにそれらの組合せを含む。他の適した界面活性剤は、制限されることなく、脂肪族及び/又は芳香族アルコキシル化アルコール、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホネート)、パラフィンスルホネート、FAS(脂肪アルコールスルフェート)、FAES(脂肪アルコールエーテルスルフェート)、メチルエチレングリコール、ブチルエチレングリコール、ペンチルエチレングリコール、ヘキシルエチレングリコール、ブチルプロピレングリコール、トリメチロールプロパンエトキシレート、グリセロールエトキシレート、ペンタエリトリトールエトキシレート、ビスフェノールAのアルコキシレート、4−メチルヘキサノール及び5−メチル−2−プロピルヘプタノールのアルコキシレート、ポリエチレングリコール、及びそれらの組合せを含む。さらに制限のない界面活性剤及び他の添加剤は、双方共に、Docket Number:10062/PF−61435及びタイトル"LIQUID DETERGENT COMPOSITION"に関連する、米国特許番号第7,504,373及び,503,333、並びに米国特許仮出願番号第61/302,785及び同時のPCT出願において記載される。それぞれの文献の開示は、参照を持って明確に組み込まれたものとし、該開示は、本記載内容において記載された本発明の一般の範囲と矛盾しない。
【0093】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、アニオン界面活性剤を有さなくてよく、又はアニオン界面活性剤を含んでよい。LAS界面活性剤が、最も一般的に使用されるアニオン界面活性剤である傾向がある一方で、他のアニオン界面活性剤は、アルカンスルホネート、アルキルエトキシレートスルフェート、アルキルグリセリルスルホネート、アルキルスルフェート、及びアルファオレフィンスルホネートを含む。種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、それぞれ洗剤組成物100質量部に対して、約15〜約0質量部、より典型的には約10〜約0質量部、さらにより典型的には約5.0〜約0、及びさらにより典型的には約1.0〜約0質量部の量でアニオン界面活性剤を含んでよい。ある実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、アニオン界面活性剤を完全に除外する。
【0094】
適した灰色化阻害剤は、制限されることなく、酸化ポリエチレンと、エチレングリコール及び/又はポリエチレングリコール又は芳香族及び脂肪族ジカルボン酸とのポリエステル、1つの末端で末端キャップされた酸化ポリエチレンと、二価及び/又は多価アルコール又はジカルボン酸とのポリエステル、並びにそれらの組合せを含む。適した汚れ放出ポリマーは、制限されることなく、酸化ポリアルキレン又は改質セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、並びにそれらの組合せ物上での、ビニルエステル及び/又はアクリルエステルの両親媒性グラフトポリマー又はコポリマーを含む。一実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、0.3〜15質量%の量で存在する汚れ放出ポリマーを含む。適した色移り阻害剤は、制限されることなく、色移り阻害剤、例えばビニルピロリドンの、ビニルイミダゾールの、ビニルオキサゾリドンの、及び数平均分子量15000〜10000g/molを有する4−ビニルピロリドンN−オキシドのホモポリマー及びコポリマーを含む。一実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、0.05〜5質量%の量で存在する色移り阻害剤を含む。適した泡阻害剤は、制限されることなく、オルガノポリシロキサン、シリカ、パラフィン、ロウ、微結晶ロウ、及びそれらの組合せを含む。
【0095】
添加剤は、漂白剤であってよい。漂白剤は、制限されることなく、アルカリ金属過ホウ酸塩、アルカリ金属カーボネートペルハイドレート、過酸、及びそれらの組合せを含んでよい。過酸の適した例は、制限することなく、過酢酸、C1〜C12ペルカルボン酸、C8〜C16ジペルカルボン酸、イミドペルカプロン酸、アリールジペルカプロン酸、直鎖及び分枝鎖状のオクタンモノペル酸、ノナンモノペル酸、デカンモノペル酸又はドデカンモノペル酸、デカンジペル酸及びドデカンジペル酸、モノペルフタル酸及びジペルフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸、フタルイミドペルカプロン酸、テレフタロイルジペルカプロン酸、ポリマー過酸、それらの塩、並びにそれらの組合せを含む。漂白剤は、あらゆる量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在してよい。一実施態様において、漂白剤は、0.5〜30質量%の量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在する。
【0096】
種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、塩素含有成分を有さない。塩素を含有する成分の例は、一般に強酸化剤の群に属し、全てそれらの分子に1つ以上の塩素原子を有する塩素漂白剤を含む。当該技術分野において使用される塩素漂白剤の特定の例は、塩素化イソシアヌレート、塩素化リン酸三ナトリウム、次亜塩素酸塩、及び次亜塩素酸ナトリウムを含む。
【0097】
塩素含有成分を有さないことによって、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、塩素を含有する意図的に添加された成分、例えば塩素漂白剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムの添加を含まない。ある実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、ある少量の塩素、例えば1つ以上の化合物中に存在する少量の塩素を含む。
【0098】
種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、それぞれビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部に対して、0.05〜約0質量部までの、約0.25〜約0質量部までの、及び約0.10〜約0質量部の量で塩素を含む。一実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、塩素を完全に除外する。
【0099】
ある実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、漂白剤成分を有さない。塩素漂白剤が通常漂白剤成分を使用する傾向がある一方で、他の漂白剤は、非塩素漂白剤、例えば洗浄水中で活性酸素を放出する過酸素化合物を含む。非塩素漂白剤のさらなる例は、ペルボレート/ナトリウムペルボレート、カリウムモノペルスルフェート、ナトリウムペルカーボネート、過酸化水素、及び有機過酸を含む。種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、それぞれビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部に対して、約15から0近くまでの、約10から0近くまでの、約5.0から0近くまでの、又は約1.0から0近くの量で漂白剤成分を含む。ある実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、漂白剤成分を完全に除外する。
【0100】
添加剤に関して、添加剤は、0.1〜15質量%の量で存在する漂白活性剤であってよい。漂白活性剤は、制限されることなく、ポリアシル化糖、例えばペンタアセチルグルコース、アシルオキシベンゼンスルホン酸並びにそれらのアルキル金属及び、アルカリ土類金属塩、例えばナトリウムp−イソノナノイルオキシベンゼンスルホネート及びナトリウムp−ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート、N,N−ジアセチル化及びN,N,N’,N’−テトラアシル化アミン、例えばN,N,N’,N’−テトラアセチルメチレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、N,Nジアセチルアニリン、N,N−ジアセチル−p−トルイジン又は1,3−ジアシル化ヒダントイン、例えば1,3−ジアセチル−5,5−ジメチルヒダントイン、N−アルキル−N−スルホニルカルボキサミド、例えばN−メチル−N−メシルアセトアミド及びN−メチル−N−メシルベンザミド、N−アシル化環状ヒドラジド、アシル化トリアゾール及びウラゾール、例えばモノアセチルマレイン酸ヒドラジド、O,N,N−三置換ヒドロキシルアミン、例えばO−ベンゾイル−N,N−スクシニルヒドロキシルアミン、O−アセチル−N,N−スクシニルヒドロキシルアミン及びN,N−トリアセチルヒドロキシルアミン、N,N’−ジアシルスルフリルアミド、例えばN,N’−ジメチル−N,N’−ジアセチルスルフリルアミド及びN,N’−ジエチル−N,N’−ジプロピオニルスルフリルアミド、トリアシルシアヌレート、例えばトリアセチルシアヌレート及びトリベンゾイルシアヌレート、カルボン酸無水物、例えばベンゼン酸無水物、m−クロロベンゼン酸無水物及びフタル酸無水物、1,3−ジアシル−4,5−ジアシルオキシイミダゾリン、例えば1,3−ジアセチル−4,5−ジアセトキシイミダゾリン、テトラアセチルグリコルリル、テトラプロピオニルグリコルリル、ジアシル化2,5−ジケトピペラジン、例えば1,4−ジアセチル−2,5−ジケトピペラジン、プロピレンジウレアと2,2−ジメチルプロピレンジウレアとのアシル化産物、例えばテトラアセチルプロピレンジウレア、a−アシルオキシポリアシルマロンアミド、例えばa−アセトキシ−N,N’−ジアセチルマロンアミド、ジアシルジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、例えば1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、アルキル基、例えばメチル基、又は芳香族基を有するベンズ(4H)−1,3−オキサジン−4−オン、並びにそれらの組合せを含んでよい。漂白剤は、漂白触媒との組合せであってもよい。漂白触媒は、制限されることなく、四級化イミン、スルホンイミン、マンガン錯体及びそれらの組合せを含んでよい。漂白触媒は、あらゆる量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在してよい。一実施態様において、漂白触媒は、1.5質量%の量で、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在する。
【0101】
添加剤は、前記で導入されたように、酵素であってよい。酵素は、制限されることなく、Savinase(登録商標)及びEsperase(登録商標)、リパーゼ、例えばLipolase(登録商標)、セルラーゼ、例えばCelluzym、及びそれらの組合せを含んでよい。それぞれのSavinase(登録商標)、Esperase(登録商標)、Lipolase(登録商標)、及びCelluzymは、Princeton、NJ.のNovo Nordiskから市販されている。酵素は、代わりに、アミラーゼ、セルラーゼ、もしくはペルオキシダーゼ、又はそれらの組合せを含んでよい。酵素は、汚れを分解し、より小さくほとんど錯体分子がない状態にタンパク質を分解し、かつ/又は炭水化物を分解してよい。一実施態様において、(A)キレート成分は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の性能を高める酵素と優れた相溶性を有する。適した酵素のさらに制限のない例は、PROPERASE(登録商標)、例えばPROPERASE(登録商標) Lの商標名で、及びRASTAR(登録商標)、例えばPURASTAR(登録商標)HP Amの商標名で、Copenhagen、DenmarkのDanisco A/Sから市販されている。酵素は、あらゆる量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中存在してよい。一実施態様において、酵素は、0.1〜4質量%の量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在する。他の実施態様において、酵素は、それぞれビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部に対して、約0.1〜約3質量部、より典型的には約0.5〜約2質量部、かつさらにより典型的には約1質量部の量で、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在する。
【0102】
添加剤は、腐食阻害剤であってよい。適した制限のない腐食阻害剤は、ケイ酸ナトリウムを含む。これらの阻害剤は、潤滑剤として作用することによって洗浄金属部の保護を提供することができ、かつ磁器模様及び金属の食器/家庭用品のための保護を提供することができる。適した腐食阻害剤の他の例は、硫酸亜鉛である。適した超金属腐食阻害剤の例は、BASF Corporation及びPittsburgh、PAのFisher Scientificから市販されている。種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、それぞれビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部に対して、約1〜約40質量部、約1〜約20質量部、又は約10質量部までの量で腐食阻害剤を含む。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、2つ以上の腐食阻害剤の組合せを含んでよいことを理解すべきである。
【0103】
添加剤は、充填剤、例えば硫酸ナトリウムであってよい。充填剤は、典型的に、必然的にビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の洗浄性能を影響することなしに、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物に対して安定した又は所望の物理特性を提供する。適した充填剤の例は、BASF Corporationから市販されている。水が充填剤であってよいことを理解すべきである。種々の実施態様において、充填剤は、それぞれビルダー組成物及び/又は洗剤組成物100質量部に対して、約10〜約90質量部、約40〜約80質量部、又は約70質量部での量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在する。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、2つ以上の充填剤の組合せを含んでよいことを理解すべきである。
【0104】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物のpHは、種々の数値であってよい。種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物のpHは、13、12、11、10、9、8、7、6、又は5以下である。代わりの実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物のpHは、5、6、7、8、9、10、11、又は12より大きい。一実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物のpHは、約7〜約9の範囲である。他の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物のpHは、約8である。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物のpHは、酸性又は塩基性成分の添加によって調整されうる。典型的に、高すぎるpHは、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在してよい酵素に影響しうる。
【0105】
一実施態様において、添加剤は、シミ放出ポリマーである。適したシミ放出ポリマーは、制限されることなく、酸化ポリアルキレンもしくは改質セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース上でのビニルエステル及び/又はアクリルエステルの両親媒性グラフトポリマー又はコポリマー、並びにそれらの組合せを含む。代わりに、添加剤は、制限されることなくオルガノポリシロキサン、シリカ、パラフィン、ロウ、微結晶ロウ、及びそれらの組合せを含む石鹸水/泡阻害剤であってよい。シミ放出ポリマーは、あらゆる量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在してよい。
【0106】
種々の実施態様において、添加剤は補助ビルダー成分である。特に適した制限のない補助ビルダー成分は、無機ビルダー及び有機ビルダーの双方を含む。一実施態様において、無機ビルダーは、イオン交換特性を有する結晶及び/又は非結晶のアルミノシリケート、例えばゼオライトを含む。種々のタイプのゼオライトは、制限されることなく、ナトリウムの形で泡の形でA、X、B、P、MAP及びHSゼオライトを含み、ナトリウムは、部分的に、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及び/又はアンモニウムに交換される。他の実施態様において、無機ビルダーは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び/又はアンモニウム塩として、炭酸塩及び炭化水素塩を含む。代わりに、無機ビルダーは、ポリホスフェート、例えばトリポリリン酸五ナトリウムを含んでよい。無機ビルダーは、ケイ酸アンモニウムを含んでよい、二ケイ酸塩及び/又はシート状ケイ酸塩を含んでよい。1つ以上の無機ビルダーは、あらゆる量又はあらゆる比でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在してよい。一実施態様において、無機ビルダーは、98:2〜20:80及びさらに典型的に85:15〜40:60の質量比で、アルミノシリケートと炭酸塩との混合物を含む。
【0107】
一実施態様において、有機ビルダーは、カルボン酸、カルボン酸のコポリマー、カルボン酸のテルポリマー、カルボン酸のグラフトポリマー、ポリグリオキシル酸、ポリアミドカルボン酸、ホスホン酸、及びそれらの組合せの群から選択される酸を含む。特に適したカルボン酸は、C4〜C20ジ−、トリ−及びテトラ−カルボン酸、例えばコハク酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸及びシクロペンタンテトラカルボン酸、C4〜C20ヒドロキシカルボン酸、例えばリンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルタル酸、クエン酸及びラクトビオン酸、スクロースモノ−、ジ−及びトリ−カルボン酸、C2〜C16アルキル基及び/又はアルケニル基を有するアルキル−及びアルケニル−コハク酸、アミノポリカルボン酸、例えばニトリロトリ酢酸、3−アラニン二酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、セリン二酢酸、不飽和C4〜C8ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸のコポリマー及びテルポリマー、モノエチレン性不飽和C3〜C8モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びビニル酢酸、並びにそれらの組合せを含む。
【0108】
適したジカルボン酸のコポリマーの例は、制限されることなく、モル比40:60〜80:20での、マレイン酸とC2〜C8オレフィンとのコポリマーを含む。適したカルボン酸のテルポリマーの制限のない例は、10(マレイン酸):90(アクリル酸+ビニルエステル):95(マレイン酸):10(アクリル酸+ビニルエステル)の質量比でのマレイン酸とアクリル酸とC1〜C3カルボン酸のビニルエステルとのテルポリマーを含み、その際アクリル酸とビニルエステルとの質量比は、30:70〜70:30であってよい。
【0109】
カルボン酸のグラフトポリマーの適した例は、グラフトベース及び不飽和カルボン酸を含む。カルボン酸は、制限されることなく、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸及びそれらの組合せを含んでよい。カルボン酸のグラフトポリマー中に含まれるー適したグラフトベースは、分解された多糖、例えば酸的に及び/又は酵素的に分解されたデンプン、イヌリン、セルロース、タンパク質加水分解物、還元された分解された多糖、例えばマンニトール、ソルビトール、アミノソルビトール及びN−アルキルグルカミン、酸化アルキレンブロックコポリマー、例えば酸化エチレン/酸化プロピレンブロックコポリマー、酸化エチレン/酸化ブチレンブロックコポリマー、酸化エチレン/酸化プロピレン/酸化ブチレンブロックコポリマー、並びに第一及び第二界面活性剤とは異なるアルコキシル化一価又は多価C1〜C7アルコール及び/又はC15〜C22アルコールを含む。一実施態様において、グラフトベース100質量部毎に、カルボン酸20〜80質量部が重合されてよい。この実施態様において、質量比90:10〜10:90でのマレイン酸とアクリル酸との混合物が、典型的に、グラフトベースで重合されてよい。
【0110】
さらに、有機ビルダーは、ポリアスパラギン酸、又はアスパラギン酸と、制限されることなく、C4〜C25モノ−又はジ−カルボン酸及び/又はC4〜C25モノ−又はジ−アミンを含む1つ以上のアミノ酸との共縮合物を含んでよい。一実施態様において、共縮合物は、リンを含む酸中で、C6〜C22モノ−又はジ−カルボン酸で、又はC6〜C22モノ−又はジ−アミンで改質されたポリアスパラギン酸を含む。
【0111】
さらに、有機ビルダーは、クエン酸とヒドロキシカルボン酸との縮合生成物、又はポリヒドロキシ化合物を含んでよい。最も典型的に、クエン酸との縮合生成物は、カルボキシル基を含み、かつ数平均分子量10000g/molまでを有する。さらに、有機ビルダーは、エチレンジアミン二コハク酸、オキシ二コハク酸、アミノポリカルボキシレート、アミノポリアルキレン、ホスホネート、ポリグルタメート及びそれらの組合せを含んでよい。また、適したホスホン酸の制限の例は、ヒドロキシエタンジホスホン酸を含む。
【0112】
代わりに、有機ビルダーは、オレフィン、エーテル、エステル、アミン、酸化デンプン、及びそれらの組合せから選択されてよい。適したオレフィン、エーテル、エステル及びアミンは、制限されることなく、モノエチレン性不飽和C2〜C22オレフィン、C1〜C8アルキル基を有するビニルアルキルエーテル、スチレン、C1〜C8カルボン酸のビニルエステル、(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドン、C1〜C8アルコールの(メタ)アクリルエステル、(メタ)アクリロニトリル、C1〜C8アミンの(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアルデヒド及びビニルイミダゾールを含む。一実施態様において、有機ビルダーは、0.1〜20質量%の量でビルダー組成物及び/又は洗剤組成物中に存在する。
【0113】
添加剤は、Sokalan(登録商標)CP 50の商標名でBASF Corporationから市販されている、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネートとのコポリマーであってもよい。種々の実施態様において、スルホネートは、ビルダー組成物100質量部に対して、0〜20質量部、5〜15質量部、又は10〜15質量部の量でビルダー組成物中に存在する。もちろん、本発明は、これらの量に限定されない。
【0114】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、スケール防止に関して測定されてもよい。種々の実施態様において、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の、50〜300mg CaCO3/g、50〜200mg CaCO3/g、50〜100mg CaCO3/g、150〜250mg CaCO3/g、又は200〜300mg CaCO3/gの、炭酸カルシウム(スケール)分散能力を有する。典型的に、ビルダー組成物1グラムを、ビーカー中の脱イオン水100mlに溶解する。そして、10%Na2CO3溶液約10mlをビーカーに添加し、そしてpHをNaOH溶液で11に調整する。そして、ビルダー組成物を含むNa2CO3溶液を、濁りの開始が観察されるまで、0.1Mol/L酢酸カルシウム溶液に対し滴定する。次の方程式を、mg CaCO3/gビルダーにデータを変換するために使用する:酢酸カルシウム(Mol/L)x ml 酢酸カルシウム X 100.09。結果を、図13に記載し、以下のそして実施例の段落で詳細に説明する。
【0115】
さらに制限のない及び必要のない本発明のビルダー組成物及び/又は洗剤組成物の添加剤及び/又は成分は、双方共に、Docket Number:10062/PF−61435及びタイトル"LIQUID DETERGENT COMPOSITION"に関連する、米国特許番号第7,504,373及び,503,333、並びに米国特許仮出願番号第61/302,785及び同時のPCT出願において記載される。それぞれの文献の開示は、参照を持って明確に組み込まれたものとし、該開示は、本記載内容において記載された本発明の一般の範囲と矛盾しない。
【0116】
ビルダー組成物及び洗剤組成物を形成する方法:
第一に前記で導入されたように、本発明は、ビルダー組成物及び洗剤組成物を形成する方法も提供する。ビルダー組成物の形成方法は、典型的に、容器中に、(A)キレート成分、(B)ビルダー成分、(C)ポリマー成分、及び場合により(D)アルカリ成分及び/又は(E)リン含有成分のそれぞれを導入する工程を含む。それぞれの成分を、単独で、又は1つ以上の他の成分と組み合わせて導入することができる。追加の成分、例えば前記添加剤を添加してもよい。一実施態様において、それぞれの成分をブレンダーに添加し、そして均一な溶液が得られるまで混合する。種々の容器、混合器、ブレンダー及び当業者に公知の同様の機械を使用してもよい。温度及び/又は圧力は、成分の混合を容易にするために調整されうる。洗剤組成物を、同様、又は異なる方法工程を使用して形成することができることも理解すべきである。本発明は、製造のあらゆる特定の使用を制限しないことを理解すべきである。通常の方法及び装置を使用することができる。
【0117】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を表面に適用する方法:
前記で導入されたように、本発明は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を表面に適用する方法を提供する。典型的に、その方法は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を使用して、洗浄/洗濯/清浄/浄化及び/又は殺菌する表面としてさらに定義される。一実施態様において、前記方法は、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を表面に適用する工程を含む。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を表面に適用する工程は、あらゆる公知の方法によって実施してよい。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を表面に適用する工程は、表面をビルダー組成物及び/又は洗剤組成物に曝すこととしてさらに定義されてよいと考えられる。
【0118】
ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を織物に適用する方法:
前記表面が織物である場合に、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を適用する工程は、さらに、ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物で織物をフラッシュすることと定義されてよい。ビルダー組成物及び/又は洗剤組成物を織物に適用することに関する工程は、米国特許番号第7,503,333号において記載されており、その開示は、本記載内容に記載された本発明の一般の範囲を制限しない範囲まで、参照をもって本発明にその全体を組み込まれたものとする。
【0119】
実施例
本発明の種々のビルダー組成物の効率を、洗浄効率を測定するために測定する。これらの測定の結果を、以下に記載の式において要約し、かつ図においてより詳細に記載する。
【0120】
織物/洗濯適用
種々のシミを、前記のような種々の織物に適用する。続いて、種々のビルダー組成物を、汚れた織物に適用して、シミを除去することにおけるそれらの効率を測定する。この効率を、"洗浄百分率"という。洗浄百分率を、織物の反射率測定を使用して算出する。織物の反射率測定を、3つの条件、"汚す前"、"汚した後"、及び"洗浄後"で実施する。これらの測定を、Colormasterの商標名でX−Rite Asia Pacific Ltd.から市販されている反射率計を使用して測定する。反射率系は、ハンターカラースケール(Hunter Color Scale)に基づいて3つの値を記録する。ハンターカラースケールにおいて、"L"値は、明るい(100)〜暗い(0)を示し、"a"値は、赤(+a)〜緑(−a)を示し、かつ"b"値は、黄(+b)〜青(−b)を示す。これらの3つの測定を使用して、次の式:
【数13】

[式中、ASは、"汚れた後"の状態を示し、かつACは、"洗浄後"の状態を示す]によってΔEを算出する。続いて、ΔEを使用して、次の式
【数14】

[式中、AS及びACは前記で定義し、かつBSは、"汚す前"の状態を示す]によって洗浄百分率を測定する。
【0121】
最初に、"汚す前"の織物の反射率を測定する。続いて、織物を、種々の汚れで汚す。そして、その織物を、ASTM D3050−05に従って、種々の加熱条件(120°F又は150°F)下で、10分間、tergotometerで洗浄する。続いて、その織物を、種々の水道水(2:1 Ca/Mgの150又は250ppm)で1分間洗い流す。tergotometerは、Hoboken, NJのUnited States Testing Companyから市販されている。洗浄後に、織物を乾燥させる。乾燥後に、それぞれの織物の"洗浄後"の反射率を測定する。織物に関する"汚す前"、"汚れた後"、及び"洗浄後"の反射率の測定に対して、平均の"洗浄百分率"の測定を、図に記載されたように測定する。より高い平均洗浄百分率の測定値は、洗浄効率のより高い程度を示す。
【0122】
セラミック/食器の適用
種々のシミを、前記のようなセラミック表面に適用する。
【0123】
第1の制限のない式に関して前記で記載されたように、卵を炒り、そしてスクランブルエッグ約1gを、艶付けしたセラミックのソーサー上に塗る。そして、そのソーサーを、30分間187℃で熱対流炉中に置く。そしてそのソーサーを、使用前に室温で冷却させる。続いて、ビルダー組成物を適用して、焼固めた卵の汚れを取り除き、そしてそのソーサーを、以下でより詳細に記載された方法を使用して、市販のHobart AM−14で洗浄する。そして、そのソーサーを洗浄度に関して視覚的に評価する。きれいなソーサーは、0の等級を有し、かつ焼いたソーサーは5の評価を有する。もちろん、本発明は、卵のシミでの使用に制限されず、あらゆるタンパク質のシミに置換してよい。
【0124】
第2の制限のない式に関して前記のように、H2O 110gを沸騰するまで加熱する。そして、加熱をやめ、粉砕したOuakerオートミール10gを水に添加し、そして5分間撹拌させる。続いて、粉末化した肉汁1gを、オートミールに添加し、溶液を形成する。そして、その溶液を室温まで冷却させる。そして、その溶液約1gを、艶付けしたセラミックソーサー上に塗る。そして、そのソーサーを、30分間187℃で熱対流炉中に置く。そしてそのソーサーを、使用前に室温で冷却させる。続いて、ビルダー組成物を適用して、オートミール肉汁を取り除き、そしてそのソーサーを、以下でより詳細に記載された方法を使用して、市販のHobart AM−14で洗浄する。そして、そのソーサーを洗浄度に関して視覚的に評価する。きれいなソーサーは、0の等級を有し、かつ焼いたソーサーは5の評価を有する。もちろん、本発明は、オートミールのシミでの使用に制限されず、あらゆる炭水化物のシミに置換してよい。
【0125】
より詳述すれば、汚れたソーサーを洗浄するために、Hobart AM−14 Dishwasherを、150°F(±3°F)で水で洗いし、そして排水する。そして種々のビルダー組成物の試料を、フルサイクル(150°F±3°F)中に、約1700ppmの濃度で個々に添加する。そして焼付けた卵を有する1つのソーサー及び焼付けたオートミール肉汁を有する1つのソーサーを、皿洗い機中のラック上に置く。そして"手動洗浄"1.5分の設定を選択する。1.5分後に、ラックを180°回転する。そして"手動洗浄"1.5分の設定を再選択する。さらに1.5分後に、皿洗い機を停止する。停止に続いて、ソーサーを取り出し、そして視覚的測定の前に、空気乾燥させて、洗浄度を測定する。前記測定の結果を図において説明する。
【0126】
同時に、ガラスビーカーも、皿洗い機中のラックに置く。前記洗浄後に、ガラスビーカーを、視覚的に測定して、前記の制限のない式3において記載されたように、膜形成低減の性能(F)を測定する。この測定の結果を、図12において説明する。
【0127】
硬い表面の適用
Federal Standard Test Method #536に従って形成された油/酸化鉄のシミを、前記のように異なる4×6インチのビニルタイルに適用する。そして、本発明の種々のビルダー組成物を含む種々の調合物の試料を、硬水(250ppmのCa/Mg 2/1)中で3質量%まで希釈して、希釈組成物を形成する。そして、希釈組成物を、Federal Standard Test Method #536に従ってシミタイルに適用して、洗浄百分率を測定する。
【0128】
より詳述すれば、X−rite反射率計を、除去したシミの量を測定するために使用する。これを、織物及び洗濯適用に関する前記に記載と同様の方法で行う。洗浄百分率を、ビニルタイルの反射測定を使用して算出する。ビニルの反射率測定を、3つの条件、"汚す前"、"汚した後"、及び"洗浄後"で実施する。これらの測定を、Colormasterの商標名でX−Rite Asia Pacific Ltd.から市販されている反射率計を使用して測定する。反射率系は、ハンターカラースケール(Hunter Color Scale)に基づいて3つの値を記録する。ハンターカラースケールにおいて、"L"値は、明るい(100)〜暗い(0)を示し、"a"値は、赤(+a)〜緑(−a)を示し、かつ"b"値は、黄(+b)〜青(−b)を示す。これらの3つの測定を使用して、次の式:
【数15】

[式中、ASは、"汚れた後"の状態を示し、かつACは、"洗浄後"の状態を示す]によってΔEを算出する。続いて、ΔEを使用して、次の式
【数16】

[式中、AS及びACは前記で定義し、かつBSは、"汚す前"の状態を示す]によって洗浄百分率を測定する。前記測定の結果を図において説明する。
【0129】
図13に関して、棒グラフは、本発明の種々の実施態様のビルダー組成物の関数として、CaCO3分散能力(mg/g)を説明する。この試験は、組成物の水調節能力の一般の示度である。より高い値は、一般に、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを阻害する強い能力、又はスケール形成を示す。グラフにおいて、式("形")1〜5及び7を含む種々の組成物を示す。式を、以下の表1において示す。
【0130】
【表1】

【0131】
PA30CLは、BASF Corporationから市販されているSOKALAN(登録商標)PA 30 CL、ポリアクリル酸(ナトリウム塩)である。
【0132】
TRILON(登録商標)M及びTRILON(登録商標)Pは、BASF Corporationから市販されているキレート剤である。
【0133】
CP−5及びCP−9は、BASF Corporationから市販されているSOKALAN(登録商標)CP−5及びSOKALAN(登録商標)CP−9、ポリカルボキシレートコポリマーである。
【0134】
STPPは、トリポリリン酸ナトリウムである。
【0135】
前記の及び図において説明されたデータは、種々の成分(A)〜(E)間に相互作用があり、かつそれらの成分の量を、特定のシミ及び特定の表面に関して洗浄効率を最大化するために最適化及び改変することができることを明確にしている。
【0136】
特許請求の範囲は、表現、及び特定の化合物、組成物、又は詳細な説明に記載された方法を制限せず、特許請求の範囲の範囲内にある特定の実施態様の間で変動してよい。種々の実施態様の特定の特徴又は側面を関する本記載内容におけるあらゆるマーカッシュ群に関して、異なる、特定の、及び/又は望まれていない結果を、全ての他のマーカッシュ数から独立したそれぞれのマーカッシュ群のそれぞれの数値から得られてよいことを理解すべきである。マーカッシュ群のそれぞれの数は、個々に、又は組合せで依存し、かつ特許請求の範囲の範囲内での特定の実施態様のための適切な支持を提供する。
【0137】
本発明の種々の実施態様の記載に依存するあらゆる範囲及び部分範囲は、個々に及び一括して、特許請求の範囲の範囲内にあることを理解すべきでもあり、かつそれらにおける全体の及び/又は機能的な値を含む全ての範囲を、かかる値が本記載内容に明確に記載されていない場合に、記載及び熟慮することを理解すべきである。当業者は、十分に記載された係数範囲及び部分範囲、並びに本発明の可能な種々の実施態様、及びかかる範囲及び部分範囲が、関連した二等分、三等分、四等分、五等分等にさらに描写されてよいことを容易に認識する。1つの実施例として、"0.1〜0.9の"範囲は、個々に及び一括して特許請求の範囲の範囲内である、下三分の一、すなわち0.1〜0.3、中央三分点、すなわち0.4〜0.6、及び上三分の一、すなわち0.7〜0.9にさらに描写されてよく、かつ特許請求の範囲の範囲内の特定の実施例に関して、個々に及び/又は一括して依存し、かつ正確な支持を提供してよい。さらに、範囲、例えば"少なくとも"、"より大きい"、"未満"、"以下"等を定義又は改良する言語に関して、かかる言語は、部分範囲及び/又は上限又は加減を含むことを理解すべきである。他の例として、"少なくとも10"の範囲は、固有に、少なくとも10〜35の部分範囲、少なくとも10〜25の部分範囲、25〜35の部分範囲等を含み、かつそれぞれの部分範囲は、個々に及び/又は一括して依存し、かつ特許請求の範囲の範囲内の特定の実施態様に関する適切な支持を提供する。最終的に、開示された範囲内の個々の数値は、特許請求の範囲の範囲内の特定の実施態様に依存し、適切な支持を提供する。例えば、"1〜9の"範囲は、特許請求の範囲の範囲内で依存し、かつ特定の実施態様に関する適切な支持を提供してよい、種々の個々の整数、例えば3、並びに少数位(又は小数部)、例えば4.1を含む個々の数を含む。
【0138】
ここで、本発明を例示的に記載したが、使用された文言は限定のためではなく、説明の用語の性質であることが意図されていると理解されるべきである。上記の教示に鑑みて、本発明の多くの修正および変更が可能である。本発明を、添付される特許請求の範囲内に特に記載されている以外の様式で実施してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルダー組成物であって、
A)a1)メチルグリシン−N−N−二酢酸(MGDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又は
a2)N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタメート(GLDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又は
a3)エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及び/又はそれらのアルカリ塩
を含むキレート成分、
B)b1)金属ケイ酸塩、及び/又は
b2)金属炭酸塩、及び/又は
b3)金属クエン酸
を含むビルダー成分、
C)c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマー、及び/又は
c2)ポリアクリル酸(PAA)
を含むポリマー成分、並びに
F)場合により、アルカリ成分、及び
G)場合により、リン含有成分
を含むビルダー組成物であり、その際、少なくとも1つの以下の条件P及びZ
【数1】

及び/又は
【数2】

[式中、
ix)0<P≦3.5
x)0<Z≦3.5
xi)少なくとも1つのa1、a2及びa3は、0より大きく1.0未満であり、
xii)少なくとも1つのb1、b2及びb3は、0より大きく1.0未満であり、
xiii)少なくとも1つのc1及びc2は、0より大きく1.0未満であり、
xiv)Dは、0から1.0未満の範囲であり、
xv)Eは、0から1.0未満の範囲であり、
xvi)a1+a2+a3+b1+b2+b3+c1+c2+D+E=1.0である]が適正であり、
Pは、セラミック基材上でのビルダー組成物のタンパク質除去の性能であり、Zは、セラミック基材上でのビルダー組成物の炭水化物除去の性能であり、a1は、キレート成分a1)の質量分画であり、a2は、キレート成分a2)の質量分画であり、a3は、キレート成分a3)の質量分画であり、b1は、金属ケイ酸塩b1)の質量分画であり、b2は、金属炭酸塩b2)の質量分画であり、b3は、金属クエン酸塩b3)の質量分画であり、c1は、アクリル酸−マレイン酸コポリマーc1)の質量分画であり、c2は、PAAc2)の質量分画であり、Dは、任意のアルカリ成分D)の質量分画であり、Eは、任意のリン含有成分E)の質量分画であり、
質量分画は、ビルダー組成物中に存在するキレート成分A)、ビルダー成分B)、ポリマー成分C)、並びに場合によりアルカリ成分D)及びリン含有成分E)の合計量に基づく、ビルダー組成物。
【請求項2】
次の条件F
【数3】

も適正であり、その際Fは、セラミック基材上のビルダー組成物の膜形成を低減する性能であり、かつ0<F≦3.5である、請求項1に記載のビルダー組成物。
【請求項3】
前記キレート成分A)が、Na3・MGDAを含む、請求項1に記載のビルダー組成物。
【請求項4】
前記キレート成分A)が水性であり、前記Na3・MGDAが、キレート成分A)100質量部に対して約5〜約20質量部の量で存在する、請求項3に記載のビルダー組成物。
【請求項5】
前記ビルダー組成物B)が、b1)金属クエン酸塩、b2)金属炭酸塩及びb3)金属クエン酸塩を含む、請求項4に記載のビルダー組成物。
【請求項6】
前記A)キレート成分が、a1)MGDAを含み、かつビルダー組成物100質量部に対して5〜10質量部の量で存在し、B)ビルダー成分が、ビルダー組成物100質量部に対して15〜25質量部の量で存在し、かつC)ポリマー成分が、c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマーを含み、かつビルダー組成物100質量部に対して30〜35質量部の量で存在し、かつビルダー組成物は、さらに、ビルダー組成物100質量部に対して40〜45質量部の量で存在するD)アルカリ成分を含む、請求項1に記載のビルダー組成物。
【請求項7】
ビルダー組成物であって、
A)a1)メチルグリシン−N−N−二酢酸(MGDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又は
a2)N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタメート(GLDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又は
a3)エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及び/又はそれらのアルカリ塩
を含むキレート成分、
B)b1)金属ケイ酸塩、及び/又は
b2)金属炭酸塩、及び/又は
b3)金属クエン酸
を含むビルダー成分、
C)c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマー、及び/又は
c2)ポリアクリル酸(PAA)
を含むポリマー成分、並びに
D)場合により、アルカリ成分、及び
E)場合により、リン含有成分
を含むビルダー組成物であり、その際、水中での百万分率でCaCO2としてCa2+の硬度(H)を有し、華氏度での温度(T)を有する水を使用する、少なくとも1つの以下の条件S
【数4】

[式中、
viii)180≦S
ix)少なくとも1つのa1、a2及びa3は、0より大きく1.0未満であり、
x)少なくとも1つのb1、b2及びb3は、0より大きく1.0未満であり、
xi)少なくとも1つのc1及びc2は、0より大きく1.0未満であり、
xii)Dは、0から1.0未満の範囲であり、
xiii)Eは、0から1.0未満の範囲であり、
xv)a1+a2+a3+b1+b2+b3+c1+c2+D+E=1.0である]が適正であり、
Sは、織物上でのビルダー組成物のシミ除去の性能であり、a1は、キレート成分a1)の質量分画であり、a2は、キレート成分a2)の質量分画であり、a3は、キレート成分a3)の質量分画であり、b1は、金属ケイ酸塩b1)の質量分画であり、b2は、金属炭酸塩b2)の質量分画であり、b3は、金属クエン酸塩b3)の質量分画であり、c1は、アクリル酸−マレイン酸コポリマーc1)の質量分画であり、c2は、PAAc2)の質量分画であり、Dは、任意のアルカリ成分D)の質量分画であり、Eは、任意のリン含有成分E)の質量分画であり、
質量分画は、ビルダー組成物中に存在するキレート成分A)、ビルダー成分B)、ポリマー成分C)、並びに場合によりアルカリ成分D)及びリン含有成分E)の合計量に基づく、ビルダー組成物。
【請求項8】
次の条件M
【数5】

も適正であり、その際Mは、ポリエステル及び綿を含む織物から汚れたモーター油のシミを除去することにおけるビルダー組成物の性能であり、かつMは少なくとも5である、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項9】
次の条件O
【数6】

も適正であり、その際Oは、綿を含む織物から汚れたモーター油のシミを除去することにおけるビルダー組成物の性能であり、かつOは少なくとも15である、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項10】
次の条件Y
【数7】

も適正であり、その際Yは、綿を含む織物から鉱油及びカーボンブラックを含むシミを除去することにおけるビルダー組成物の性能であり、かつYは少なくとも15である、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項11】
次の条件L
【数8】

も適正であり、その際Lは、綿を含む織物から口紅のシミを除去することにおけるビルダー組成物の性能であり、かつLは少なくとも30である、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項12】
次の条件K
【数9】

も適正であり、その際Kは、綿を含む織物から化粧品のシミを除去することにおけるビルダー組成物の性能であり、かつKは少なくとも10である、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項13】
次の条件U
【数10】

も適正であり、その際Uは、ポリエステル及び綿を含む織物から皮脂のシミを除去することにおけるビルダー組成物の性能であり、かつUは少なくとも60である、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項14】
次の条件Q
【数11】

も適正であり、その際Qは、綿を含む織物からオリーブ油及びカーボンブラックを除去することにおけるビルダー組成物の性能であり、かつQは少なくとも40である、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項15】
前記A)キレート成分が、a1)MGDAを含み、かつビルダー組成物100質量部に対して10〜15質量部の量で存在し、B)ビルダー成分が、ビルダー組成物100質量部に対して30〜35質量部の量で存在し、かつC)ポリマー成分が、c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマーを含み、かつビルダー組成物100質量部に対して50〜60質量部の量で存在する、請求項7に記載のビルダー組成物。
【請求項16】
ビルダー組成物であって、
A)a1)メチルグリシン−N−N−二酢酸(MGDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又は
a2)N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタメート(GLDA)及び/又はそれらのアルカリ塩、並びに/又は
a3)エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及び/又はそれらのアルカリ塩
を含むキレート成分、
B)b1)金属ケイ酸塩、及び/又は
b2)金属炭酸塩、及び/又は
b3)金属クエン酸
を含むビルダー成分、
C)c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマー、及び/又は
c2)ポリアクリル酸(PAA)
を含むポリマー成分、並びに
D)場合により、アルカリ成分、及び
E)場合により、リン含有成分
を含むビルダー組成物であり、その際、以下の条件X
【数12】

[式中、
viii)65≦S
ix)少なくとも1つのa1、a2及びa3は、0より大きく1.0未満であり、
x)少なくとも1つのb1、b2及びb3は、0より大きく1.0未満であり、
xi)少なくとも1つのc1及びc2は、0より大きく1.0未満であり、
xii)Dは、0から1.0未満の範囲であり、
xiii)Eは、0から1.0未満の範囲であり、
xv)a1+a2+a3+b1+b2+b3+c1+c2+D+E=1.0である]が適正であり、
Xは、Federal Standard Test Method #536に従ったビニルタイル上でのビルダー組成物の油/酸化鉄のシミ除去の性能であり、a1は、キレート成分a1)の質量分画であり、a2は、キレート成分a2)の質量分画であり、a3は、キレート成分a3)の質量分画であり、b1は、金属ケイ酸塩b1)の質量分画であり、b2は、金属炭酸塩b2)の質量分画であり、b3は、金属クエン酸塩b3)の質量分画であり、c1は、アクリル酸−マレイン酸コポリマーc1)の質量分画であり、c2は、PAAc2)の質量分画であり、Dは、任意のアルカリ成分D)の質量分画であり、Eは、任意のリン含有成分E)の質量分画であり、
質量分画は、ビルダー組成物中に存在するキレート成分A)、ビルダー成分B)、ポリマー成分C)、並びに場合によりアルカリ成分D)及びリン含有成分E)の合計量に基づく、ビルダー組成物。
【請求項17】
前記A)キレート成分が、a1)MGDAを含み、かつビルダー組成物100質量部に対して5〜20質量部の量で存在し、B)ビルダー成分が、ビルダー組成物100質量部に対して30〜60質量部の量で存在し、かつC)ポリマー成分が、c1)アクリル酸−マレイン酸コポリマーを含み、かつビルダー組成物100質量部に対して15〜55質量部の量で存在し、かつビルダー組成物は、さらに、ビルダー組成物100質量部に対して1〜45質量部の量で存在するD)アルカリ成分を含む、請求項16に記載のビルダー組成物。
【請求項18】
前記ビルダー組成物100質量部毎に、リン含有成分E)の2質量部未満を含む、請求項1から17までのいずれか1項に記載のビルダー組成物。
【請求項19】
前記リン含有成分E)を有さない、請求項18に記載のビルダー組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−518984(P2013−518984A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552960(P2012−552960)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2011/024221
【国際公開番号】WO2011/106158
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】