説明

ビームを製造するための方法およびビーム

【課題】ビームを製造する際に、熱入力が制御および監視され、製造許容誤差が好ましい実施形態となるビームの製造方法および装置の提供。
【解決手段】下部フランジ1−10と上部フランジ1−12に接続されている少なくとも三つのウェブプレート1−2,1−4,1−6を備えているビームである。製造において、接続される部材の接合点に入力されるエネルギーを測定することと、接続中と測定後に接合点に入力されるエネルギーの量を調整するためにエネルギー測定中に得られた値を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーム、特にレールビームに関し、また、その製造のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビームは、建築工学で使用される水平または傾斜支持体である。構造体のビームの仕事は、たとえば床スラブ、屋根、天井、隔壁、橋、道路、レールなどの上部構造を支持することである。
【発明の概要】
【0003】
多くの応用では、ビームは、それに従って製造段階でビームが製造される正確な仕様、定義、指示を有している。列車のスティールレールビームの製造は、たとえば、手動でおこなわれなければならない。製造の際、位置決め型またはファスナーまたはジグがレールビームのために作られる。しかしながら、従来技術のもつ問題は、製造中にビームの継ぎ目に向けられる熱入力によって引き起こされる変形のために製造後にレールビームがジグ中で許容誤差に保たれないことである。
【0004】
したがって、ビームは、鉛直許容誤差、上下許容誤差および/または水平許容誤差、左右許容誤差に合わない。許容誤差に従わない完成ビームはまた、まっすぐにされ、のちに明細に従うように作られることが可能でない。
【0005】
したがって、ビームと、ビームを製造するための方法と、その方法を実現する装置を前述の問題が解決される手法で開発することが本発明の目的である。本発明の目的は、独立請求項に開示されるものによって特徴づけられる方法とシステムによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示される。
【0006】
本発明は、ビームを製造する際に使用される熱入力が中心的に制御および監視され、したがって、製造許容誤差は、本発明およびその好ましい実施形態の方法および装置によって達成されるという事実に基づく。
【0007】
本発明の方法およびシステムは、明細に従う寸法の正確なビームすなわち製造許容誤差に応じた最終生産物を自動的に製造プロセスの最中に製造することが可能であるという利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付図面と関連して好ましい実施形態によっていま非常に詳しく説明される。
【図1】図1は、本発明およびその好ましい実施形態による第一のビームを示す。
【図2】図2は、本発明およびその好ましい実施形態による第二のビームを示す。
【図3】図3は、本発明およびその好ましい実施形態による第三のビームを示す。
【図4A】図4Aは、本発明およびその好ましい実施形態によるビームを製造する方法を示す。
【図4B】図4Bは、本発明およびその好ましい実施形態によるビームを製造する方法を示す。
【図4C】図4Cは、本発明およびその好ましい実施形態によるビームを製造する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
続く説明は、磁気列車のスティールレールビームと、レールビームを製造するための方法および装置を説明するが、ビームは、他の材料または材料の組み合わせで作ることができ、本発明およびその好ましい実施形態のビームはまた他の多くの目的に使用することが可能であると理解すべきである。
【0010】
説明では、ジグは、磁気列車のレールビームの中央ウェブ、すなわち、型、位置決め型、またはファスナーを指し、それに従ってまたはそれによって支持されるビームまたはその一部が作られることが可能である。ジグはまた、第二のステップでビームの残りを作るように第一のステップでビームがセットされるスリーウェブビームの形状または型を指すことが可能である。スリーウェブビームの場合には、たとえば、ジグは、第一のステップで形成され、それから、ビームを製造する第二のステップで支持体または型として使用される。ジグは、側部プレートが追加されたときに型として役に立つHビーム、H部またはHジグであってよい。中央ウェブはまた穿孔されてもよい。ジグはまた、ビームの内側の構築されたジグを指すことが可能である。中央ウェブはジグとして役に立ってもよく、また、ジグはその設置まで完成ビームに伴ってもよい。内部ジグは対称であっても非対称であってもよい。
【0011】
図1および2は、本発明およびその好ましい実施形態による第一および第二のビームを示す。ビームは、二つの水平プレート状パーツまたはフランジと、三つの鉛直プレート状パーツまたはウェブ、端ウェブ1−2,1−4(図1)および2−2,2−4(図2)と、端ウェブ間の第三のウェブまたは中央ウェブ1−6(図1)および2−6(図2)を有している。ウェブは、それらの第一の端が第一の水平プレート状パーツまたはフランジ、たとえば下部フランジ1−10および2−20(図1および2)に固定的または分離可能に接合されることが可能である。ウェブは、それらの第二の反対端が第二の水平プレート状パーツまたはフランジ、たとえば上部フランジ1−12および2−12(図1および2)に固定的または分離可能に接合されることが可能である。
【0012】
水平プレート状パーツは、図1、2および3に示されるように、実質的に互いに平行であってよい。ウェブはすべて、図1および2に示されるように、実質的に互いに平行であってよい。ウェブは、下部フランジと上部フランジに実質的に直角であってよい。
【0013】
鉛直部は、構造体に鉛直方向剛性を提供し、上部フランジにかかる力を、たとえば、構造体の基礎、構造体部品または構造体本体または他の構造体または構造体部品またはビームであってよい次の構造体部品に下部フランジを介して伝達するように意図されている。水平パーツは、ビームに水平方向剛性を提供するように意図されている。
【0014】
図1では、最も端の二つのウェブは上部フランジの反対側の端に接続されている。したがって、第一のウェブ1−2は、下部フランジの上面と上部フランジの第一の端に接続され、また、第二のウェブ1−4は、第一および第三のウェブから距離を置いて下部フランジの上面と、上部フランジの第一の端の反対端にある上部フランジの第二の端に接続されている。中央の第三のウェブ1−6は、最も端のウェブから距離を置いてフランジの間に接続されている。
【0015】
図2では、三つのウェブはすべて、互いに距離を置いて下部および上部フランジの間に完全に接続され、また、下部および上部フランジは互いに距離を置いている。したがって、中央ウェブプレートは、下部および上部フランジの間に完全または部分的に接続されてよく、また、中央ウェブプレートは第一および第二の側部ウェブプレートから距離を置いて存在してよい。
【0016】
図3では、最も端の二つのウェブ3−2および3−4も上部フランジ3−12の反対側の端に接続されている。第一のウェブ3−2は、下部フランジの上面と上部フランジの第一の端に接続されている。第二のウェブ3−4は、第一のウェブから距離を置いて、下部フランジの上面と、上部フランジの第一の端の反対端にある上部フランジの第二の端に接続されている。中央の第三のウェブ3−6はフランジの間に接続されている。図3では、第一のウェブ3−2は、下部フランジに対して角αで、上部および下部フランジに対する傾斜位置にあり、また、第二のウェブ3−4は、下部フランジに対して角αで、上部および下部フランジに対する別の傾斜位置にある。傾斜角は、図3に示されるように、同じであってもよく、または、傾斜ウェブの両方またはすべてについて異なっていてもよい。図3では、中央ウェブ3−6は、下部および上部フランジに対して実質的に垂直である。
【0017】
ある好適な実施形態によれば、ビームは一または両端で傾けられてもよい。そのような場合、一つ以上のウェブが、ビームの長手方向に対してある角度で傾斜または切断されてもよく、また、上部または下部フランジが、別のフランジから距離を置いて始まってもよい。ウェブはまた、所望の端勾配が得られるような手法で切断されてもよい。
【0018】
本発明およびその好ましい実施形態によるビームは、三つよりも多いまたは少ない鉛直プレート状パーツを備えていてもよい。二つよりも多い水平プレート状パーツがあってもよい。本発明およびその好ましい実施形態によるビームはまた、図に示されるものとは別の姿勢たとえば逆さままたは傾斜姿勢で使用されてもよい。
【0019】
ある好適な実施形態によれば、二つ以上のプレート状パーツが互いの上にまたは互いに並んでいてもよい。したがって、中央ウェブは、たとえば、互いに接合された二つのプレート状パーツまたは一つのより厚いプレート状パーツを有していてもよく、その厚さは、たとえば、外側ウェブ、基礎ウェブまたはフランジの厚さのほぼ二または三倍であってよい。一つ以上の外側ウェブが他のプレート状パーツよりも厚くてもよい。加えてまたは代替的に、水平パーツは、厚さが実質的に等しくても、または、一方のパーツが他方のウェブよりも厚く、たとえば二または三倍の厚さであってもよい。また別の代替案によれば、上部フランジは厚さが均一であっても、または異なる厚さの二つ以上のパーツを備えていてもよい。同じことは、下部フランジおよび/またはウェブに適用される。
【0020】
構造的に正しく正確に寸法のビームはある要求を満たすべきである。代替案によれば、図1のビームまたはビーム外形は、次のモデルの条件を満たすべきである。
【0021】
HSDQ−H×d1/d2−t1×B1/t2×B2−L (1)
【0022】
ここで、HSDQは、動的荷重されたスリーウェブのQケーシングを表わし、Hは、ウェブと下部ビームと上部ビームの総合高さであり、d1は、端プレートの厚さであり、d2は、中央プレートの厚さであり、t1は、上部フランジの厚さであり、t2は、下部フランジの厚さであり、B1は、外形の上部パーツの幅または両方の端プレートの厚さを含む幅であり、B2は、下部フランジの幅または外形の下部パーツの幅または外形の幅であり、Lは、上部フランジと下部フランジまたは外形の長さである。ビームはまたケーシングと呼ばれてもよい。動的荷重は、従来の構築物で使用される静的荷重に加えて、ビームが、トラヒック荷重、地震荷重、衝撃などに耐えるという事実を指す。動的荷重に耐えるビームは、静的荷重のための寸法の構築物ビームよりも移動荷重に良く耐える。本発明およびその好ましい実施形態によるビームは静的および/または動的荷重に耐え得る。
【0023】
代替案によれば、図2のビームまたはビーム外形は、次のモデルの条件を満たすべきである。
【0024】
HSDK−H×d1/d2−t1×B1/t2×B2−L (2)
【0025】
ここで、HSDKは、動的荷重されたスリーウェブのKケーシングを表わし、Hは、ウェブと下部ビームと上部ビームの総合高さまたは下部フランジの下面から上部フランジの上面までの外形の高さであり、d1は、端プレートの厚さであり、d2は、中央プレートの厚さであり、t1は、上部フランジの厚さであり、t2は下部フランジの厚さであり、B1は、外形の上部パーツの幅または上部フランジの幅であり、B2は、下部フランジの幅または外形の下部パーツの幅または外形の幅であり、Lは、上部フランジと下部フランジとウェブまたは外形の長さである。
【0026】
代替案によれば、図3のビームまたはビーム外形は、次のモデルの条件を満たすべきである。
【0027】
HSDA−H×d1/α/d2−t1×B1/t2×B2−L (3)
【0028】
ここで、HSDAは、動的荷重されたスリーウェブの傾斜ウェブ状のAケーシングを表わし、Hは、中央ウェブと下部ビームと上部ビームの総合高さまたは下部フランジの下面から上部フランジの上面までの外形の高さであり、d1は、両方の端プレートの厚さであり、d2は、中央プレートの厚さであり、t1は、上部フランジの厚さであり、t2は、下部フランジの厚さであり、B1は、両方の端プレートの厚さを含む上部フランジの幅または外形の上部パーツの幅であり、B2は、下部フランジの幅または外形の下部パーツの幅であり、Lは、下部フランジと上部フランジとウェブまたは外形の長さである。
【0029】
図1では、下部フランジから上部フランジまでのビームの高さHは、250mm〜3000mmであってよい。上部フランジの厚さt1および下部フランジの厚さt2は、6mm〜60mmであってよい。下部フランジの幅B2は、290mm〜3000mmであってよい。ウェブの厚さd1およびd2は、5mm〜20mmであってよい。ビームの上部パーツの幅B1は、図1の最も端のウェブの厚さを含め、250mm〜2800mmであってよい。
【0030】
図2では、下部フランジから上部フランジまでのビームの高さHは、250mm〜5000mmであってよい。上部フランジの厚さt1および下部フランジの厚さt2は、8mm〜100mmであってよい。下部フランジの幅B2は、250mm〜2000mmであってよい。ウェブの厚さd1およびd2は、5mm〜30mmであってよい。ビームの上部パーツの幅B1は、250mm〜2000mmであってよい。
【0031】
図3では、下部フランジから上部フランジまでのビームの高さHは、300mm〜3000mmであってよい。上部フランジの厚さt1および下部フランジの厚さt2は、8mm〜60mmであってよい。下部フランジの幅B2は、500mm〜3000mmであってよい。ウェブの厚さd1,d2は、5mm〜20mmであってよい。ビームの上部パーツの幅B1は、図3の最も端のウェブの厚さを含め、250mm〜1500mmであってよい。最も端のウェブと下部ビームの間の角α,αは、45度以上であるが、90度よりも小さく、たとえば、50、60、66、75、80または85度であってよい。
【0032】
ビームの長さLは、すべての場合に、たとえば、5m、16m、32m、50mまたは64mであってよい。ビームの長さは、ビームの湾曲特性が許容誤差内に収まるように可能な限り長く最適化されてよい。
【0033】
鉛直プレート状パーツは、水平プレート状パーツの端または表面たとえば上面および下面に固定または接続または接合されることが可能である。したがって、鉛直プレート状パーツは、たとえば、下部および上部フランジの間に完全に接続されることが可能である。あるいは、一つ以上のウェブは、一方のフランジの端に接続されることが可能である。ウェブはまた、さまざまな傾斜姿勢に配置されることが可能である。本発明およびその好ましい実施形態の構造体は、まさにベアリング構造であるケーシング構造体であると言うことが可能である。
【0034】
プレート状パーツを互いに接合することは、さまざまな手法でおこなわれ得る。ウェブをフランジに、フランジをウェブに、一つのビームを他に接続してビーム本体を形成することは、たとえば、溶接またはハンダ付けによっておこなわれ得る。溶接は、たとえば圧迫および/または加圧下の自動プロセスとしてアーク溶接(SAW溶接)を沈めることが可能である。
【0035】
本発明およびその好ましい実施形態によれば、たとえば、ピースのサイズ、厚さ、平坦度、表面品質、構造的強度に影響を及ぼすことが可能であり、これらの特性はすべて最終明細に従って適切に作られ得る。金属が巻かれる製造では、金属を必要な形態に修正するために、金属のピースは圧延機のロールの間を通される。
【0036】
溶接では、それらの二つ以上のピースまたはパーツが、それらのピースまたはパーツが連続的接続を形成する手法で、熱および/または圧縮を使用することによって互いに接合される。溶接では、電流、摩擦による熱、炎、レーザービーム、または電子ビーム、またはそれらの組み合わせなど、いくつかの異なる熱源を使用することが可能である。溶接は、たとえば、このようにレーザー溶接であってよい。基礎材料とほとんど同じ融点の追加材料が溶接に使用されてもよい。
【0037】
ハンダ付けによって二つ以上のピースまたはパーツを互いに接合するとき、ハンダ材料または接合材料だけが溶け、互いに接合されるパーツは溶けない。
【0038】
ビームおよびプレート状パーツは、一つ以上のパーツで作られることが可能である。ビームおよびプレート状パーツは、一つ以上の材料で構成されてもよい。アルミニウムや、鋼、合金、サーモプラスチック、コンクリート、木、それらの組み合わせで作られてもよい。ビームはまた、部分的または完全に透明であってもよい。ビームまたはプレート状パーツは、たとえば、構造体の支持力を調整するための、または導出を可能にするための一つ以上の開口を有していてもよい。
【0039】
図1は、八つの溶接部を示している。中央ウェブは四つの溶接部で接続されており、それらの二つ1−21,1−22は下部フランジにあり、二つ1−25,1−26は上部フランジにある。さらに、端ウェブは、一つ以上の溶接部1−23,1−24下部フランジに、また一つ以上の溶接部で上部フランジに接続されている。
【0040】
図2は、八つの溶接部を示している。中央ウェブは四つの溶接部で接続されており、それらの二つ2−21,2−22は下部フランジにあり、二つ2−25,2−26は上部フランジにある。さらに、端ウェブは、一つ以上の溶接部2−23,2−24で下部フランジに、また一つ以上の溶接部2−27,2−28で上部フランジに接続されている。
【0041】
図3は、八つの溶接部を示している。中央ウェブは、四つの溶接部で接続されており、それらの二つ3−21,3−22は下部フランジにあり、二つ3−25,3−26は上部フランジにある。さらに、端ウェブは、一つ以上の溶接部3−23,3−24で下部フランジに、一つ以上の溶接部で上部フランジに接続されている。溶接部は、互いに接合されているプレートパーツによって形成された角から延びるように作られて得る。あるいは、溶接によって充てんされる継ぎ目のための溝が形成されてもよい。
【0042】
溶接など、接合では、二つ以上の継ぎ目が実質的に同時に溶接され得る。ある好適な実施形態によれば、二つまたは四つの継ぎ目が実質的に同時に互いに溶接されるか別の方法で接合される。継ぎ目はまた、レールビームの技術的な許容誤差要求に従って交互または部分的に交互に異なる時に方法を使用して溶接されてもよい。図に示されるように、継ぎ目は、縦であり、縦として継続することが可能である。
【0043】
溶接によってプレート状パーツを互いに接合するとき、溶接点は、溶接跡および継ぎ目に溶接吹管を介してエネルギーを生成する。このエネルギーおよび/または他の測定可能な量は、たとえば、各継ぎ目から、または継ぎ目の一つ以上の溶接点から測定され得る。それから、接合の最中、溶接の最中または溶接に関連して、継ぎ目または接続されるパーツの接合点に入力されるエネルギー、エネルギー生成値、または入力エネルギーに正または反比例する量を測定することが可能である。たとえば、測定値は、長さの単位あたりの入力熱またはエネルギーであってよい。したがって、値は、たとえば、キロジュール/mmであってよい。
【0044】
測定値、エネルギーまたはエネルギー量は一つ以上の参照値と比較されてもよい。少なくとも部分的に比較に応じて、接合点に入力されるエネルギー量のための新しいまたは次の値を計算または他の方法で規定することが可能である。言いかえれば、接合点に入力されるおよび/または接合の際に使用されるエネルギー量の測定に応じて、接合点に入力されるエネルギー量が調整される。後者の値は、前者の値と同じであっても異なっていてもよい。
【0045】
レールビームの製造方法では、エネルギー測定に、数ある中でも、それから熱エネルギーが選択値を使用して計算または導出されることが可能である、測定溶接電流、電圧、アーク電圧、電流タイプ、温度、輸送速度、および速度を使用することが可能である。これらのうち、一つ、二つまたは四つの量を、一つ好ましくは四つの個所または点で一度に測定することが可能である。測定装置が、組立デバイスに、またはそれに関連して置かれる。これらの量のための一つ以上の限界値または初期値を設定することも可能である。
【0046】
たとえば、磁気列車のレールビームを製造する際、許容誤差は正確でなければならず、また、列車は脱線したりレールから外れたりしてはならない。そのような場合では、ビームの一つの重要な製造基準は、測定および補償されることが可能である鉛直湾曲許容誤差、本発明およびその好ましい実施形態に従って正確に製造されたビームであり、それによってビームのゆがみの問題が解決されることが可能である。磁気鉄道では、列車の速度が500km/h以上になり得ることに注目されるべきである。
【0047】
組立装置では、溶接パラメータの値は、溶接中に制御パネル上で読まれ、熱入力のエネルギーを測定するために使用されることも可能である。言いかえれば、熱エネルギーの入力は測定されることが可能であり、許可および選択された値は、組立装置のシステム中で各溶接部について測定ディスプレイ上で監視され読まれることが可能である。
【0048】
パラメータ値が変更されるとき、熱エネルギーによって製造の最中に溶接点によってビームのゆがみを同調させることが可能である。熱エネルギーの入力は個別のセンサーで測定されることも可能である。組立装置は、センサーから受け取った信号を、一つ以上の所定のしきい値または限界値および/または他の測定値と比較し、測定と比較に基づいて提供されるエネルギーまたは力を調整してもよい。装置から受け取った制御値によって、レールビームの許容誤差要求に従ってシステム中でレールビームの製造を制御することが可能である。継ぎ目に供給されるエネルギーの値または熱入力の最大値は、ビーム材料サプライヤーの材料仕様から、たとえば鋼サプライヤーによって異なる鋼種について提供される値から得られることが可能である。
【0049】
したがって、各継ぎ目またはその一部に入力されるエネルギー値は個々に測定され調整されることが可能である。あるいは、その調整は実質的に同時および/または同量であってもよい。たとえば、組立装置のエネルギー入力同調デバイスまたは測定システムを使用して同じ量のエネルギーが各継ぎ目に入力されていることを判断することが可能である。このように、ビームに接合されるパーツまたは継ぎ合わせられるビームの部分は、実質的にまっすぐにまたは必要な直線度または湾曲に維持される。
【0050】
エネルギー入力測定装置は本発明の方法のシステムであり、したがって、継ぎ目のすべてまたはいくつかにおいて継ぎ目に入力されるエネルギー量を制御することに適合される。装置はまた、エネルギー値を正確に同一にまたは実質的に同一に維持することに適合される。代替実施形態によれば、継ぎ目へのエネルギー量入力は一つの継ぎ目全体で実質的に同一であるが、少なくとも一つの他の継ぎ目全体またはその一部で値が異なる。
【0051】
継ぎ目に特有のパラメータ情報は、方法を制御するために、またセンサーを介して受け取れる測定ために、異なる継ぎ目に提供されてもよい。たとえば、ゆがみを引き起こすことによってビームの形状に影響を及ぼし得るプレートの切削パラメータが、これらの因子として使用されてもよい。ゆがみは、ビームおよびレールビームを製造するための方法で抑制されるエネルギー入力同調デバイスによって補償され得るか、引き起こされ得る。
【0052】
本発明およびその好ましい実施形態に従って上述したように、ビームは、下部フランジと上部フランジに接続されている少なくとも二つのウェブを備えている。ビームを製造するための方法では、ビームパーツは、保管庫4B−2から、ビームのプレートパーツを特定の寸法に切断する切断装置4B−4まで運ばれ、サイズに切断されたプレートパーツは、組立コンベヤー4B−6に運ばれる。この後、ビームの少なくとも二つのプレートパーツは、組立コンベヤー4B−6の圧延ロールによって一緒にセットされて最終断面を備えたビームを形成する。一緒にセットされたビームパーツは、組立コンベヤーで組立デバイス4B−8に移動される。
【0053】
ビームを製造する第一のステップでは、組立デバイスは、ビームの中央ウェブプレートを下部および上部フランジに接続してジグビーム4C−2(図4C)を形成するように仕立てられている。その接続は、中央ウェブプレートを少なくとも一点で下部フランジに、また少なくとも一点で下部フランジに支持または溶接することによっておこなわれてもよい。ビームを製造する第二のステップでは、組立デバイスは、支持または溶接によって、ジグビームの第一の端に第一の側部ウェブプレートを接続し、第一の側部ウェブプレートから距離を置いてジグプレートの反対側の第二の端に第二のウェブプレートを接続し、第一および第二の側部ウェブプレートの両方を少なくとも一方の側で下部および上部フランジに接続するように仕立てられている。溶接は、組立デバイス中のまたはそれに接続された溶接機4C−20によっておこなわれ得る。
【0054】
第一のステップで形成されたビームは、組立デバイス4B−8から排出コンベヤー4B−10に移動される。形成されたビームまたはその一部4A−1は、第一のステップで作られたビームの形状、たとえばプレートパーツおよびユニット全体の直線度と許容誤差逸脱を検査する制御装置4A−2に移動される。
【0055】
ビームを製造するための設備は、ストレートナーおよび曲げデバイスを備えていてもよい。ストレートナーは、フランジをまっすぐにするように仕立てられてもよく、曲げデバイスは、ビームジグすなわち中央ウェブとスリーウェブビームのビーム全体の湾曲を曲げるように仕立てられてもよい。中央ウェブビーム(たとえばウェブプレートとフランジを備えたHビーム)が作られ、その両側が溶接されたとき、側部プレートが両側に追加される。しかしながら、ビームは、側部プレートを追加する前にストレートナーに通されてもよい。側部プレートがまたビームに追加されたとき、ビーム全体の湾曲が鉛直および/または水平に微調整され、また曲げステーションにおいて検査され測定されてもよい。
【0056】
制御装置からの検査の結果、たとえば直線度値または許容誤差逸脱が、所定の限界値の範囲内にない場合、第一のステップで形成されたビームは、限界値を超える部分をデバイスの液圧でまっすぐにするためにストレートナー4A−4に、および/または、限界値を超える部分をデバイスの液圧で曲げるために曲げデバイス4A−6に提供される。
【0057】
たとえば、3次元レーザー測定によるビームのキャリブレーションがストレートナー4A−4の中でおこなわれることも可能である。したがって、中央ウェブビームはストレートナーに通されることが可能であり、熱がプレートやフランジやウェブを曲げ得るからである。上部フランジなどの特に広いプレートは曲がり得る。ストレートナーの後に、ピースは曲げデバイスに送られてもよく、そこで正確なサイズおよび形状に繰り返し曲げによって形づくられる。このプロセスは、たとえば、中央ウェブビームの四つの溶接部すべてが溶接された、または全ピースの八つの溶接部すべてが溶接されたのちに、おこなわれることが可能である。直線度および/または湾曲は、ピースが許容誤差の範囲内にある、すなわち、計画されたようにまっすぐおよび曲げられているかどうか、または、ビームまたはピースが、わずかにゆがめられるか過大に曲げられるか過少に曲げられるためにプレスされる必要があるかどうかを直ちに見つけ出すレーザー測定によって測定されることが可能である。たとえば、ピースは、まっすぐに作られる、または内部ジグで曲げられることが可能である。
【0058】
このあと、第一のステップで作られたビームは、ビームまたはその一部たとえばジグビームを回転させるために、排出コンベヤー4B−10から回転デバイス4B−12に運ばれる。ビームは、繰り返し継ぎ目を接続するために、回転デバイスによって回転されてよく、たとえば、180度回転されてよい。回転デバイスから、要素は、リターンコンベヤーか中間のコンベヤー4B−14に、および組立コンベヤー4B−6への後部上で移動される。
【0059】
組立の第二のステップでは、次のビームパーツまたはビームのプレートパーツの残りまたは側部ウェブは、最終断面を備えたビームを形成するために、組立コンベヤー4B−6の圧延ロールによって一緒にセットされる。ビーム全体は組立コンベヤー4B−6によって組立装置4B−8に運ばれ、一緒にセットされた部分の継ぎ目は、ビームを製造する第二のステップにおいて、組立デバイスの溶接機4C−20によって支持または溶接される。
【0060】
第二のステップに形成されたビームパーツまたはビーム全体はまた、溶接後に、形状、直線度または許容誤差逸脱の一つ以上を測定、決定および修復するために、制御装置、ストレートナーおよび曲げデバイスに移動されることが可能である。
【0061】
言いかえれば、ビームを製造するための方法は、切断装置4B−4でプレートを切断するステップと、サイズにカットされたプレートを組立コンベヤー4B−6に、第一の組立装置4B−8に運ぶステップと、プレスされたプレートパーツを互いに接合することとエネルギー入力測定および制御装置とビーム許容誤差逸脱のための制御装置4A−2を有している排出側部コンベヤー4B−10を備えている第一の組立装置でプレートのビームを組み立てるステップと、繰り返しの継ぎ目を接合するために回転デバイス4B−12でビームを回転させるステップと、ビームの次の継ぎ目を接合し既存のビームを組み立てるためにリターンコンベヤー4B−14で第一の組立装置にビームを運ぶステップを備えていてもよい。この後、組み立てられたジグビームは、プレスプレスされた側部プレートを互いに接合することとエネルギー入力測定および制御装置と許容誤差逸脱のための制御装置を包含していてもよい排出側部コンベヤーを備えている第二の組立装置4B−8に運ばれる。必要ならば、ビームは、キャリブレーションのためにストレートナー4A−4および曲げデバイス4A−6に運ばれてもよい。制御装置4C−10または調整装置4C−8は、エネルギー入力測定を制御するために、また、ビーム許容誤差逸脱のための制御装置、ストレートナーおよび/または曲げデバイスを制御するために使用されてもよい。
【0062】
組立装置は、内部ジグの製造を制御および監視してもよい。エネルギー入力は、エネルギー入力同調装置または制御装置で中央集中および継ぎ目に特有の手法で制御されてもよい。
【0063】
上に説明したように、第一のステップにおいて、ビームの第一の部分、HビームまたはIビームが、ジグビームを形成するために組み立てられ得、第二のステップにおいて、このHビームまたはIビームに側部プレートが追加され得る。第一のステップにおいて、中央ウェブが、二つの継ぎ目で下部プレートに、二つの継ぎ目で上部プレートに、すなわち合計四つの継ぎ目で溶接され得、第二のステップにおいて、側部ウェブは、一つまたは二つの継ぎ目で上部プレートに、一つまたは二つの継ぎ目で下部プレートに溶接され得る。第一の溶接ステーションにおいて、中央ウェブ全体が両側に溶接され得、また、ストレートナーの後に、第二の溶接ステーションにおいて、側部ウェブがHビームに溶接され得る。両側が第二の機械に通されたあとでは、レールビームは八つの継ぎ目を備えている。あるいは、レールビームは、八とは異なる数の溶接部、たとえば六、十または十二の溶接部を備えていてもよい。このようにレールビームは、たとえば、少なくとも八つの溶接部を備え得る。
【0064】
たとえば、傾斜ウェブケーシングビームを製造する際、第一のステップにおいてIビームを作り、必要ならば次に直線度を測定し修正をすることが可能である。第二のステップにおいて、たとえば、傾斜ウェブプレートおよび基材が、仮着け溶接を組み立てることによって両側に追加されてもよい。ケーシングのベベルは、リベット溶接要求に従うために完全に溶接されてもよく、最終的に、ケーシングの直線度が測定されてもよい。
【0065】
組立装置、ストレートナー、曲げデバイスおよび/または調整装置は、たとえば、ビームの形状に影響を及ぼすさまざまな要因を考慮に入れて仕立てられてもよい。これらの要因は、溶接の前と最中と後に形状に影響を及ぼすもの、またはその組み合わせであってよい。
【0066】
装置の制御パネルは、測定情報、データおよび各継ぎ目から受け取った情報を表示する表示デバイスを備え、各継ぎ目に送られる情報を制御してもよい。
【0067】
各継ぎ目に入力されるエネルギー値を考慮に入れることによって、鉛直および/または水平湾曲がビームの製造に考慮に入れられてもよい。製造中に、時の経過とともにまたは温度のために起こるビームの変形を考慮に入れることも可能である。一つ以上の継ぎ目またはそのパーツに入力されるエネルギーを増加または減少させることにより、異なる変化および湾曲が製造中に補償されてもよい。磁気鉄道のためのビームを製造するとき、特に鉛直湾曲および曲がりが考慮に入れられるべきである。一つ以上の限界値または初期値が前記変化および鉛直および水平湾曲に与えられてもよい。
【0068】
図4Cは、本発明およびその好ましい実施形態に従ってビームを製造する方法を示している。それでは、溶接機4C−20が、ビームの継ぎ目を溶接する。継ぎ目に入力されるエネルギーは、測定装置4C−6に接続されたセンサー4C−30で測定されることが可能であり、センサーデータは、測定装置および調整装置4C−8に提供されてもよい。調整装置と測定装置の示教は、調整装置、測定装置および溶接機のための制御値も設定し得る制御パネル4C−10上で読まれることが可能である。
【0069】
ビームおよびレールビームの製造方法における継ぎ目に入力されるエネルギーを測定する際に、エネルギー入力は、点L1,L2,L3における規則的または不規則な間隔における長さの関数としてビームの断面において測定されることが可能であり、ここで、Lは、ゼロから始まりビーム端で終了する長さの測定値を表わしている。エネルギーは、中央ウェブの上部および下部継ぎ目および/または側部ウェブの上部および下部継ぎ目において測定されることが可能である。各エネルギー測定は、製造中に自動的に登録されることが可能であり、したがって、データをイーサネット(登録商標)上に、たとえば、データを蓄積または処理できるリーダ、コンピューターまたはサーバーに送ることが可能である。このデータに少なくとも部分的に応じて、ビームのゆがみは防がれ得る。データはまた、たとえば、プレートの切断データおよび他の修正データとして、計画および測定の際に使用されることが可能である。各ビームは、組み込みジグを包含していてもよく、ビームおよびレールビームの設置まで、ビームまたはビームコンポーネントに従うエネルギー入力測定がそこに格納されることが可能である。データはまた、製品のライフサイクルデータの一部と見なされることが可能である。
【0070】
ある好適な実施形態によれば、エネルギー入力は、四点における長さの関数として同時に測定され、測定では一つ以上の量が使用または測定される。溶接部に入力される熱エネルギーは測定から計算または導出され、測定値は、永久または可変参照番号と比較され、比較に基づいて、各溶接部に入力されるエネルギーが実質的に等しくなるように、溶接部に入力されるエネルギーが調整される。
【0071】
本発明およびその好ましい実施形態のビームまたはビーム本体を製造または製作するとき、レールビームの強さ的に最適化された寸法決めによって必要とされるプレートパーツは、連続的プロセスとして一緒に組み立てられる。装置では、レールビームのプレートパーツは、保管庫内または倉庫内に置かれ、分解および切断デバイス内でサイズまたは保管寸法に切断される。制御装置または調整装置の制御は、製造されるビームの寸法決めに対応するデバイスをあらかじめ設定する。始動後、ビームを製造するための装置の作業サイクルが始まる。保管庫ビームから、プレートパーツが組立コンベヤーに運ばれ、そこで、最終断面を備えたビームを形成するために圧延ロールによって組み立てられる。組立コンベヤーから、ビームは組立デバイスに進み、そこで、分かれたプレートパーツの継ぎ目が接合または結合される。完成したビームは、排出コンベヤーに運ばれる。
【0072】
ビームの製造がさらなる処理を必要とするならば、ビームは、排出コンベヤーから回転デバイスおよび中間コンベヤーを通って組立デバイスに運び戻される。装置は、二つ以上の組立デバイスを備えていてもよく、その場合、中間コンベヤーは必要ではない。そこにビームがコンベヤーによって移動するストレートナーの中で、ビームの直線度が検査され、キャリブレーションがおこなわれる。
【0073】
第一の組立デバイスは、製造の第一のステップでジグビームを溶接するように仕立てられてもよく、第二の組立デバイスは、ジグビームを受け取り、製造の第二のステップでジグビームに側部ウェブプレートを溶接するように仕立てられてもよい。したがって、中央ウェブを製造するための一つの組立デバイスラインと、中央ウェブを備えたビームに側部プレートを接合するための他の一つ以上のラインがあってもよい。これらのデバイスまたはラインはすべて、ビームの湾曲の可能な変化を考慮する、またはビームまたはその湾曲の変化を故意に引き起こすことができるように、熱入力またはエネルギー入力のための測定、監視および制御装置を有していてもよい。したがって、ビームの許容誤差は、各溶接部に入力されるエネルギーが同一および/または必要とされるような手法で、監視されることが可能である。
【0074】
したがって、必要ならば、装置はまた、フランジをまっすぐにするように仕立てられたストレートナーと、スリーウェブビームのビームジグまたは中央ウェブまたはビーム全体に湾曲を提供するように仕立てられた曲げデバイスを備えている。
【0075】
ビームの製造は、二つ以上のステップでおこなわれてよく、一つまたは二つ以上の装置が使用されてよい。製造は、第一に、第一のステップで、ウェブプレートとフランジを有している中央ウェブすなわちジグビームを備えたHビームが製造されるように異なるステップに分けられてもよい。Hビームの両側が溶接されたとき、第二のステップで側部プレートがHビームの両側に追加される。しかしながら、ビームに側部プレートを追加するステップの前に、第三のステップでフランジをまっすぐにするためのストレートナーにHビームが通されてもよい。側部プレートすなわち側部ウェブがすべてビームに追加されたとき、第四のステップでビームの湾曲が鉛直および/または水平に微調整され、ビームが曲げステーションで検査および測定されてもよい。
【0076】
本発明およびその好ましい実施形態によれば、製造方法および装置は、ビームパーツ、ビームまたはビーム本体の一つ以上の変形に影響を及ぼす監視および/または測定要因を考慮し、あらゆる必要な作動をとる。変形に影響を及ぼすさまざまな要因の調整は、自動的にまたは自動および手動でまっすぐにすることの組み合わせとしておこなわれることが可能であり、手動でまっすぐにすることでは、製品は手動で加熱される。この目的のために、ビームを製造する方法および装置は、たとえば、実際のエネルギー入力測定をおこなう制御装置を備えている。したがって、装置は、自動変形測定システムを備えていてもよく、装置の制御システムは、各溶接部または溶接部群を単位にして製品の溶接部に入力されるエネルギーを監視する。装置は、製造される製品の変形を最小にし、まっすぐにすることの必要を低減するように、各溶接部または溶接部群に入力されるエネルギーを自動的に調整および制御する。さらに、製品の製造は工場規模においてそれほど高価ではない。しかしながら、先行技術でおこなわれるような単に手によってまっすぐにすることは、コンクリートなどの他の材料と比較した鋼で作られた製品の競争上の利点を減少させ、また信頼性が低く非経済的な方法であることは注目されるべきである。
【0077】
本発明の方法およびシステムは、製造プロセスの際に明細に従った寸法の正確なビームすなわち製造許容誤差に従った最終製品を自動的に製造することが可能であるという利点を提供する。本発明およびその好ましい実施形態の方法、装置およびビームは、レールビームたとえば磁気浮上式高速鉄道レールビームまたは橋構造体を製造するためなど、さまざまな目的に使用されてもよい。
【0078】
技術進歩として、本発明の根本概念はさまざま方法で実行され得ることは、この分野の当業者には明白である。本発明およびその実施形態は、上に説明された例に限定されるものではなく、請求項の範囲内で変更し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)と上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)に接続されている少なくとも三つのウェブプレート(1−2,1−4,1−6,2−2,2−4,2−6,3−2,3−4,3−6)を備えている特徴とするビーム(1−1,2−1,3−1)。
【請求項2】
少なくとも一つの側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)が、前記下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)の上面と前記上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)の下面または上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)の端に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のビーム(1−1,2−1,3−1)。
【請求項3】
少なくとも一つの側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)が、前記下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)と前記上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)に対して傾斜姿勢にあることを特徴とする、請求項1または2に記載のビーム(1−1,2−1,3−1)。
【請求項4】
前記ビーム(1−1,2−1,3−1)が、前記中央ウェブに組み込みジグを備えていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一つに記載のビーム(1−1,2−1,3−1)。
【請求項5】
前記ビーム(1−1,2−1,3−1)が、少なくとも八つの自動的に形成された溶接部を有していることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一つに記載のビーム(1−1,2−1,3−1)。
【請求項6】
前記ビームの長さが、ほぼ5m、6m、10m、12m、16m、32m、50mまたは64mであることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一つに記載のビーム(1−1,2−1,3−1)。
【請求項7】
ビーム(1−1,2−1,3−1)を製造する方法であって、
ビーム(1−1,2−1,3−1)を製造する第一のステップにおいて、中央ウェブプレートを、少なくとも一点(1−21,1−22,2−21,2−22,3−21,3−22)で下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)に溶接し、また少なくとも一点で上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)に溶接することにより、前記中央ウェブプレート(1−6,2−6,3−6)を前記下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)と前記上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)に接続してジグビームを形成することと、
前記ビーム(1−1,2−1,3−1)を製造する第二のステップにおいて、第一の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)を前記ジグビームの第一の端に、前記第一の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)から距離を置いて、前記ビーム(1−1,2−1,3−1)の反対側の第二の端に溶接によって第二の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)を、前記第一の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)と前記第二の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)の両方を少なくとも一点で前記前記下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)と前記上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)に接続することと、
接続されるパーツの接合点(1−21,1−22,1−23,1−24,1−25,1−26,2−21,2−22,2−23,2−24,2−25,2−26,3−21,3−22,3−23,3−24,3−25,3−26)に入力されるエネルギーを測定することと、
接続中と測定後に接合点に入力されるエネルギーの量を調整するためにエネルギー測定中に得られた値を使用することを有している方法。
【請求項8】
測定されたエネルギーを一つ以上の所定の限界値と比較し、もし測定されたエネルギー量が前記所定の限界値を上回るならば、前記接合点(1−21,1−22,1−23,1−24,1−25,1−26,2−21,2−22,2−23,2−24,2−25,2−26,3−21,3−22,3−23,3−24,3−25,3−26)に入力されるエネルギーの量を減少させ、もし測定されたエネルギー量が前記所定の限界値を下回るならば、前記接合点(1−21,1−22,1−23,1−24,1−25,1−26,2−21,2−22,2−23,2−24,2−25,2−26,3−21,3−22,3−23,3−24,3−25,3−26)に入力されるエネルギーの量を増大させることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ビーム(1−1,2−1,3−1)パーツまたはビーム(1−1,2−1,3−1)全体の水平および/または鉛直の湾曲を測定し、測定された湾曲に応じて前記一つ以上の限界値を少なくとも部分的に計算することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ビーム(1−1,2−1,3−1)の断面に接続されるパーツの前記接合点(1−21,1−22,1−23,1−24,1−25,1−26,2−21,2−22,2−23,2−24,2−25,2−26,3−21,3−22,3−23,3−24,3−25,3−26)に入力されるエネルギーを長さの関数として測定することを特徴とする、請求項7ないし9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
前記中央ウェブプレート(1−6,2−6,3−6)を溶接によって前記下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)の両側と前記上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)の両側に接続し、四つの溶接は実質的に同時におこなわれることを特徴とする、請求項7ないし10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
前記中央ウェブプレートを溶接によって一つまたは二つの継ぎ目(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)で前記下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)と前記上部フランジの両方に接続し、四つの溶接は実質的に同時におこなわれることを特徴とする、請求項7ないし11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
前記ビーム(1−1,2−1,3−1)を製造する前記第一のステップの前または後において、前記側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)を前記ジグビームに接続する前に、前記フランジの少なくとも一つをストレートナー内でまっすぐにすることを特徴とする、請求項7ないし12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
前記ビーム(1−1,2−1,3−1)を製造する第一のステップの後に、前記ジグビームの鉛直および/または水平の湾曲を測定し、
もし一つ以上のプリセット限界値から外れるならば、前記ジグビームの鉛直および/または水平の湾曲を排出コンベヤーの圧延ロールによって微調整することを特徴とする、請求項7ないし13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
ビーム(1−1,2−1,3−1)を製造するためのシステムであって、
組立コンベヤー(4B−6)を備え、これは、少なくとも二つのビームパーツを受け取り、それらを一緒に前記組立コンベヤー(4B−6)の圧延ロールによってセットして最終断面を備えたビームを形成し、接合されたビームパーツを組立デバイス(4B−8)に運び、
さらに、接合されたビームパーツを受け取る組立デバイス(4B−8)を備え、その組立デバイス(4B−8)は、
製造の第一のステップにおいて中央ウェブプレートを少なくとも一点(1−21,1−22,2−21,2−22,3−21,3−22)で下部フランジに、また少なくとも一点(1−21,1−22,2−21,2−22,3−21,3−22)で上部フランジに溶接してジグビームを形成することによって、前記ビーム(1−1,2−1,3−1)を製造する第二のステップにおいて第一の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)を前記ジグビームの第一の端に、前記第一の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)から距離を置いて、反対側の第二の端に、第二の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)を溶接することによって、前記第一の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)と前記第二の側部ウェブプレート(1−2,1−4,2−2,2−4,3−2,3−4)の両方を少なくとも片側で前記下部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)および上部フランジ(1−10,1−12,2−10,2−12,3−10,3−12)に溶接することによって、前記接合されたビーム(1−1,2−1,3−1)パーツを互いに溶接する溶接機械(4C−20)と、
接合の最中に前記接続されるパーツの接合点(1−21,1−22,1−23,1−24,1−25,1−26,2−21,2−22,2−23,2−24,2−25,2−26,3−21,3−22,3−23,3−24,3−25,3−26)に入力されるエネルギーを測定し、測定されたエネルギー量を調整装置(4C−8)に送信するエネルギー測定装置と、
前記測定されたエネルギー量をエネルギー測定装置(4C−6)から受け取り、前記測定されたエネルギー量に少なくとも部分的に基づいて溶接されるパーツの接合点に入力されるエネルギー量を計算し、溶接に使用される計算されたエネルギー量を前記溶接機(4C−20)に送信する調整装置(4C−8)を備えている、システム。
【請求項16】
組立デバイス(4B−8)からジグビームなどのビームまたはその一部を受け取り、それを回転させ、ビームを溶接する第二のステップのために組立コンベヤー(4B−6)にそれを戻す回転デバイス(4B−12)をさらに備えていることを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ビーム(1−1,2−1,3−1)またはその一部をまっすぐにするためのストレートナー(4A−4)と、
前記ビーム(1−1,2−1,3−1)またはその一部を曲げるための曲げデバイス(4A−6)をさらに備えていることを特徴とする、請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムはまた二つの組立デバイス(4B−8)を備え、第一の組立デバイスは、前記製造の第一のステップにおいて、ジグビームを溶接するように仕立てられ、また第二の組立デバイスは、前記製造の第二のステップにおいて、前記ジグビームを受け取り、前記側部ウェブプレートを前記ジグビームに溶接するようために仕立てられていることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一つに記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2012−188919(P2012−188919A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−54902(P2012−54902)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【出願人】(512063302)スティール−インベスト・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】