説明

ピストンモード音響波装置と高結合係数を提供する方法

【課題】ピストンモード音響波装置と高結合係数を提供する方法を提供する。
【解決手段】すだれ状電極26は、ギャップ34、36によってトンネル効果を抑制又は排除するために十分に拡張されたエッジギャップ長を、電極の端部と対向するバスバー16,18との間に含む。結果として、長手方向に延びるエッジ領域54,56内での音響波の波速度がトランスデューサ中央領域46での波速度より遅く、対向するギャップ領域38,40での波速度がトランスデューサ中央領域での速度より速くなり、トランスデューサ26の開口部では本質的に均一な伝搬モードが生じる。高結合基板上のSAWトランスデューサ又はSAW共振器では、アポディゼーションを必要とせずにトランスデューサ領域でエネルギーを誘導する。等価結合係数が大きくなり損失が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ね音響波装置及び関連の方法に関し、より詳細には、トランスデューサ開口部内で概ね均一な伝搬モードを実現するための、音響波装置内でのトランスデューサ電極の変更態様に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で説明されるように、「表面弾性波(SAW)」及び「SAW装置」という用語は、材料の表面上又は複数の材料の界面における弾性波の伝搬を使用する任意の装置において参照及び使用されるものとする。本明細書で説明する開示は、弾性波がすだれ状電極(IDT)を使用して生成又は検出され得る限りは、様々な種類の弾性波に適用することが可能であることを理解されたい。例えば、所謂、漏れSAW、擬似SAW、境界波、表面横波、界面波、又はラブ波は本明細書ではSAWと見なされる。
【0003】
従来技術で周知のように、弾性表面波装置は所謂すだれ状電極(IDT)を使用して電気エネルギーを音響エネルギーに変換、又は逆に音響エネルギーを電気エネルギーに変換する。例として、図1に示すIDTは、圧電基板と、2つの異なる電位にある2つの対向するバスバーと、2つのバスバーに連結された2つの電極セットとを使用している。圧電効果により、電位が異なる2つの連続した電極間の電界は音響源となる。
【0004】
逆に、トランスデューサが入射波を受ける場合、圧電効果のために電極に電荷が生成される。図2に示すように2つの反射格子の間にトランスデューサを配置すると、共振器が得られる。複数の共振器を連結することにより、或いは音響エネルギーを生成する1つ又は複数の伝搬IDTを備えることにより(この音響エネルギーは1つ又は複数のIDTにより受け取られる)、フィルタ又はデュプレクサを設計することができる。
【0005】
弾性表面波(SAW)装置を主にクオーツ上に設計する際の代表的な問題の1つは、トランスデューサ領域での弾性波の速度がバスバー領域での速度よりも遅くなることに関するものである。複数のトランスデューサは、トランスデューサからの音響エネルギーの漏れを防止する導波路として機能し、損失の低減に有効である。しかし、この導波路が複数の導波モードをサポートするとき、装置の伝達関数により望ましくないリップル又は偽信号(Spurii)がもたらされる。これには一般に複数の方法で対処する。
【0006】
簡単な1つの方法は、導波モードが1つに制限されるような小さな音響開口部を選択することである。この方法を使用すると、装置に対して過度の負荷又は好ましくない信号源インピーダンスが生じる場合がある。別の方法では、トランスデューサのアポディゼーションを使用してモードの横プロファイルを一致させることを試みる。この場合もまた、望ましくない大きなインピーダンスが生じる。横モードを減少させる更なる別の方法として二次元の障害物を周期的に使用する方法があるが、この場合は製造工程の複雑化を招くことになる。ピストンモードアプローチは、トランスデューサの開口部の形状を本質的に均一として1つの伝搬モードを保持するためにトランスデューサ内での速度プロファイルの変化に依存する。このアプローチは例えば、トランスデューサ内の速度がバスバー内の速度より遅い場合については、(特許文献1)に説明されており、その内容は全て本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。更に、速度差が小さくなるので、ギャップ領域の影響は小さい。
【0007】
広帯域装置の場合、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム等の高結合圧電材料を使用する必要がある。この場合、トランスデューサの構成は、クオーツ上での通常の構成と異なるものとなり得る。バスバーでの音響波形の速度がトランスデューサでの波形の速度より遅い場合、トランスデューサはもはや望ましい導波路として機能しないので、横モードは不可能となる。また、これにより音響エネルギーがトランスデューサの外部へ漏れ、損失を生じる可能性がある。
【0008】
具体的に言うと、状況はより複雑である。高結合基板の場合、表面における電気的条件が速度に大きな影響を与え、電極端部ギャップでの速度は、通常、トランスデューサ開口部での速度よりかなり速く、またバスバーでの速度よりも速い。ギャップの長さは、通常、電極の幅と同程度であり、一般に音波波長の何分の1かである。この場合は結果的に、エッジギャップへの反射とトランスデューサ外部へのエネルギー漏れがあるため、両方の横モードが生じる。トランスデューサ領域とギャップ領域との間の速度差は、エッジへの全反射のために十分な大きさである。一方、エッジギャップは非常に小さいため、トンネル効果によって一部のエネルギーが外部に漏れる。
【0009】
不要な横モードを抑制するために、典型的な一方法では、図3に示すようにアポディゼーションを使用することを含む。この場合はエッジギャップの位置がトランスデューサの開口部領域にまで及んでいる。ギャップの位置はモードに大きな影響を与えるので、モード形はトランスデューサの長さに沿って変化する。したがって、望ましくない横モードが様々な周波数で発生し、所望の効果が低下する。
【0010】
同様に、Hashimoto Ken氏は(非特許文献1)の中で図4に示すように、ギャップ位置は一定だがトランスデューサにおける開口部を変化させたトランスデューサを提示している。これは、ダミー電極アポディゼーションと称することができる。このトランスデューサの場合は、横モード周波数をトランスデューサに沿って変化させることで機能する。
【0011】
更なる例として、株式会社村田製作所の特許出願(特許文献2)では、図5に示すようにエッジギャップ領域とトランスデューサ開口部領域との間の速度差を抑えるためにエッジギャップの前で電極の幅を広くしたSAWトランスデューサについて説明している。別の株式会社村田製作所の特許出願(特許文献3)では、図6に示すように複数の極値を持つ関数を使用したアポディゼーションの変形版について開示している。そのような場合の位相やインピーダンス等のパフォーマンス特性を、図6aのグラフに示す。
【0012】
SAWトランスデューサでは、再度図3を参照すると分かるように、所謂「ダミー電極」がしばしば使用される。これらのダミー電極は、特にアポディゼーションを使用する場合に、トランスデューサのアクティブ領域とトランスデューサの非アクティブ領域との間の速度差を抑制するのに使用される。
【0013】
通常、ダミー電極とアクティブ電極とを隔てる電極端ギャップは、その作用をできるだけ小さくするために、電極幅程度の大きさ(波長の何分かの1)で選択される。高結合材料が選択された場合、ギャップでの速度はトランスデューサでの速度よりかなり速くなる。この場合、ギャップ長が短くてもギャップ位置は横モードに非常に大きな影響を与えることが分かる。
【0014】
これらの教示内容はすべて、トランスデューサのエッジギャップにおける望ましくない作用を弱めようとするものである。仮に良好なQが証明されたとしても、アポディゼーションにより等価結合係数の望ましくない低下が生じる。更には、トランスデューサにおける導波が不可能、或いは有用なエネルギーがトランスデューサの外部に漏れるような波速度となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第7,576,471号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0296528A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0309192A1号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】T.Omori, *K.Matsuda, Y.Sugama, *Y.Tanaka, K.Hashimoto and M.Yamaguchi「Suppression of Spurious Responses for Ultra−Wideband and Low−Loss SAW Ladder Filter on a Cu−grating/15°YX−LiNbO3 Structure」2006 IEEE Ultrasonics symp., pp 1874−1877」
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
すだれ状電極は、ギャップによってトンネル効果を抑制又は排除するために十分に拡張されたエッジギャップ長を、電極の端部と対向するバスバーとの間に含む。長手方向に延びるエッジ領域内での音響波の波速度がトランスデューサ中央領域での波速度より遅く、対向するギャップ領域での波速度がトランスデューサ中央領域での速度より速くなるように、エッジ領域でのトランスデューサ電極の物理特性が変更されると、結果としてトランスデューサ中央領域では望ましい均一な伝搬モードが生じる。更に、長手方向に延びるエッジ領域内での音響波の波速度がトランスデューサ中央領域での波速度より遅く、対向するギャップ領域での波速度がトランスデューサ中央領域での速度より速くなるように、エッジ領域でのトランスデューサの物理特性が変更されると、結果としてトランスデューサの開口部では本質的に均一な伝搬モードが生じる。このようなモードの場合、振幅が電子音響源の振幅と一致するので、好ましい励振が得られることになる。これにより、高結合基板上のSAWトランスデューサ又はSAW共振器では、アポディゼーションを必要とせずにトランスデューサ領域でエネルギーを誘導する。結合係数が大きくなり損失が減少する。エッジ領域の物理特性を変更するには、電極寸法を変えるか、エッジ領域又は中央領域に誘電体層又は金属層を追加する。本発明の一実施形態では、音響波をサポートするための表面を有する圧電基板と、音響波の長手方向の経路に概ね平行に延びる、第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、第1のバスバーと電気的に接続され、第1のバスバーから直角方向に延びる複数の第1の電極と、第2のバスバーと電気的に接続され、第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を備える音響波装置を含むことができる。該音響波装置では、対向するバスバーと複数の電極は、音響波をサポートするための圧電基板に担持されるすだれ状電極を形成し、複数の電極のそれぞれは、第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極のエッジと対向するバスバーとの間にギャップを形成し、対向するバスバーに隣接するギャップはトランスデューサに沿って長手方向に延びるギャップ領域を形成し、ギャップ長寸法は少なくとも一音響波長である必要があり、複数の電極内の各電極は、電気的に接続されたバスバーに隣接しギャップ領域内に概ね含まれる第1の直角方向に延びる部分と、エッジに隣接しトランスデューサに沿って長手方向に延びるエッジ領域を形成する第2の直角方向に延びる部分と、第1及び第2の直角方向に延びる部分の間に延在し、トランスデューサ中央領域を形成する第3の直角方向に延びる電極部分によって更に形成され、長手方向に延びるエッジ領域内の音響波の波速度がトランスデューサ中央領域内の波速度より遅くなるように、エッジ領域内の第2の直角方向に延びる部分は、トランスデューサ中央領域内の第3の直角方向に延びる部分とは異なる物理特性を備える。更に該音響波装置では、対向するギャップ領域内の波速度はトランスデューサ中央領域での速度よりも速い。
【0018】
一実施形態では、音響波を伝搬するための表面を有する圧電基板と、音響波の長手方向の経路に概ね沿って延びる第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、第1のバスバーに電気的に接続され第1のバスバーから直角方向に延びる複数の第1の電極と、第2のバスバーに電気的に接続され第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を備える弾性表面波装置を含むことができる。該弾性表面波装置では、対向するバスバーと複数の電極は音響波伝搬のための圧電基板に担持されるすだれ状電極を形成する。複数の電極のそれぞれは第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極のエッジと対向するバスバーとの間にギャップを形成し、対向するバスバーに隣接するギャップはトランスデューサに沿って長手方向に延びるギャップ領域を形成する。ギャップ長寸法は音響波伝搬における一波長であり、トランスデューサに沿って長手方向に延びる誘電体層又は金属層のどちらかで、トランスデューサ中央領域内の電極部分が被覆される。例として誘電体層が使用されているが、誘電体層、金属層、又は両者の組み合わせのいずれかの使用が可能であることを理解されたい。別の実施形態では、2つの誘電体層がトランスデューサに沿って長手方向に延び、第1の誘電体層はトランスデューサを被覆し、トランスデューサに沿って長手方向に延びる第2の誘電体層はトランスデューサ中央領域内の電極部分のみを被覆する。更に別の実施形態は、複数の誘電体層を含み、第1の誘電体層はトランスデューサを被覆し、トランスデューサに沿って長手方向に延びる第2の誘電体層はギャップ領域、エッジ領域、及び中央領域内の電極部分のみを被覆する。上記実施形態の全てにおいて、対向するギャップ領域での音響波の速度はギャップ領域間に位置するトランスデューサ中央領域での速度より速く、エッジ領域での波速度は中央領域での波速度より遅い。結果としてトランスデューサの開口部で本質的に均一な伝搬モードが生じる。
【0019】
本発明の教示に従った更に別の実施形態は、音響波を伝搬するための表面を有する圧電基板と、音響波の長手方向の経路に概ね沿って延びる第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、第1のバスバーに電気的に接続され第1のバスバーから直角方向に延びる複数の第1の電極と、第2のバスバーに電気的に接続され第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を備える弾性表面波装置を含むことができる。該弾性表面波装置では、対向するバスバーと複数の電極は音響波伝搬のための圧電基板に担持されるすだれ状電極を形成する。複数の電極のそれぞれは第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極のエッジと対向するバスバーとの間にギャップを形成し、対向するバスバーに隣接するギャップはトランスデューサに沿って長手方向に延びるギャップ領域を形成する。ギャップ長寸法は音響波伝搬における波長の少なくとも3倍の長さであり、エッジ領域と中央領域の物理特性は異なる。
【0020】
一実施形態は、音響波をサポートするための表面を有する圧電基板と、音響波をサポートするための圧電基板上に担持されるすだれ状電極と、すだれ状電極の対向する長手方向両端に基板の表面に担持される第1及び第2の格子と、を備える音響波装置を含むことができる。格子のそれぞれとトランスデューサは、音響波の長手方向の経路に概ね沿って延びる第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、第1のバスバーに電気的に接続され第1のバスバーから直角方向に延びる複数の第1の電極と、第2のバスバーに電気的に接続され第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を含むことができる。複数の電極のそれぞれは第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極のエッジと対向するバスバーとの間にギャップを形成し、対向するバスバーに隣接するギャップはトランスデューサに沿って長手方向に延びるギャップ領域を形成し、ギャップは音響波の波長より長い。したがって、対向するギャップ領域での音響波の速度はギャップ領域間に位置するトランスデューサ中央領域での速度より速く、望ましくはトランスデューサの開口部内で伝播モード本質的に均一な伝搬モードが生じる。
【0021】
本発明を十分に理解するために、以下の詳細な説明を、本発明の種々の実施形態を示す添付の図面と共に参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】すだれ状電極(IDT)の概略図である。
【図2】SAW共振器の概略図である。
【図3】要素の三角形アポディゼーションを有するSAW共振器の概略図である。
【図4】ダミー電極アポディゼーションを含むSAW共振器の概略図である。
【図5】ギャップ領域での速度を減速するためのIDT構成の概略図である。
【図6】二重の三角形アポディゼーションを有するトランスデューサの概略図である。
【図6a.1】二重の三角形アポディゼーションについて、結果として得られたインピーダンス及び位相特性を示す。
【図6a.2】二重の三角形アポディゼーションについて、結果として得られたインピーダンス及び位相特性を示す。
【図7】長いギャップと、要素内に対応する速度プロファイルを有するトランスデューサの概略図である。
【図8】本発明の教示内容に係るトランスデューサであり、中央領域と物理的に異なる長いギャップエッジ領域を有し、長いギャップエッジ領域が中央領域及びギャップ領域よりも低い速度プロファイルを有するトランスデューサを示す概略図である。
【図9】長いエッジギャップと変形エッジ領域を有し、ギャップ領域での電極の幅がトランスデューサ領域での幅と同じであるトランスデューサの例を示す。
【図10】長いエッジギャップと変形エッジ領域を有し、ギャップ領域での電極の幅がエッジ領域での幅と同じであるトランスデューサの例を示す。
【図11】横モードが低く抑えられQが向上されている共振器の例を示す。この例では、2つの格子は短絡が存在することを除けばトランスデューサと同じ音響構造を持ち、この短絡は、格子内で外側において接続を追加することにより行われる。
【図11a.1】図11の共振器の特性データを示す。ここで、共振器の周期は2μmでありエッジ長は3μmである。
【図11a.2】図11の共振器の特性データを示す。ここで、共振器の周期は2μmでありエッジ長は3μmである。
【図11a.3】図11の共振器の特性データを示す。ここで、共振器の周期は2μmでありエッジ長は3μmである。
【図12】エッジ領域での速度を減速するために上部に誘電体層又は金属層を有し、ダミー電極を持たないトランスデューサの概略図である。
【図13】中央領域での速度を速くするために上部に誘電体層又は金属層を有し、ダミー電極を持たないトランスデューサの概略図である。
【図14】中央領域での速度を速くするために上部に誘電体層を有し、ダミー電極を持たないトランスデューサの概略図である。
【図15】誘電材料(例えば、SiO)に電極が埋め込まれているSAW装置の概略断面図である。
【図16】酸化ケイ素に埋め込まれた本発明の実施形態における電極に沿った断面図であり、トランスデューサ中央の上部の高速誘電材料により所望の速度構成が実現される。
【図16a】酸化ケイ素に埋め込まれた装置の一実施形態における電極に沿った概略断面図である。所望の速度構成を得るために高速誘電体が使用されている。周波数トリミングプロセスを容易にするためにこの高速材料はトランスデューサ全表面(ギャップ/エッジ/トランスデューサ)に追加され、中央には更なる材料が追加されている。一部の高速材料が除去されても、高速材料の厚さの差は一定に保たれるので、速度差は所望の値に維持される。
【図16b】本発明の教示に従った一実施形態を、酸化ケイ素に埋め込まれた改良された装置の例における電極に沿った断面図で示す。適切な速度構成を得るために低速誘電体が使用されている。周波数トリミングプロセスを容易にするためにこの高速材料はトランスデューサ全表面(ギャップ/エッジ/トランスデューサ)に追加され、中央には更なる材料が追加されている。一部の低速材料が除去されても、高速材料の厚さの差は一定に保たれるので、速度差も正確に維持される。
【図17】長いエッジギャップとより低速のエッジ領域を有するトランスデューサの例を示す。この例ではギャップ領域内の電極幅はトランスデューサ領域内の電極幅と等しく、ダミー電極が存在する。
【図18】本発明の教示に従った、長いエッジギャップとより低速のエッジを有するトランスデューサの一例を示す。この例では、デューティファクタを高めることによりエッジ領域での速度が減少され、上部に誘電体層を追加することにより中央領域の速度が増加されている。
【図19】長いエッジギャップとより低速のエッジ領域を有するトランスデューサの一例を示す。この例ではトランスデューサは横モードのレベルを更に低下させるために何らかのアポディゼーションも備えるが、この場合は非常に簡単なアポディゼーションで十分である。
【図20】低速エッジ領域の幅が一定でないトランスデューサの一例を示す。
【図21】長いエッジギャップとより低速のエッジ領域を有し、より低速の領域の速度が一定でない一トランスデューサの例を示す。
【図22】モード抑制を備える、2つのトランスデューサが結合された共振器フィルタの一例を示す。
【図23】標準的な装置と、本発明の教示に従ったピストンモードトランスデューサを使用する装置について行った伝達関数の比較を示す。
【図24】本発明の教示に従ったモード抑制を備える、3つのトランスデューサが結合された共振器フィルタの一例を示す。
【図25a】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【図25b】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【図25c】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【図25d】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【図25e】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【図25f】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【図25g】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【図25h】本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。種々のギャップエッジ長が示されている。カーブはインピーダンス、共振におけるQ、及び反共振におけるQを示している。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が3ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以後、本発明の諸実施形態を示す添付の図面を参照して本発明について詳しく説明する。但し、本発明は様々な形態で具現化することができ、本明細書で説明する諸実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。これらの実施形態は、本開示が網羅的かつ完全になり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供されるものである。
【0024】
例として高結合基板が使用される場合の問題点を明らかにすると、SAW共振器又はSAWトランスデューサを設計する際に、トランスデューサ開口部領域の場合より速度がかなり速い電極エッジギャップ領域が存在するという1つの問題がある。これは特に、レイリー波又はラブ波が使用される場合の問題である。具体的には、一般に、Y+128度近傍の方位又はY+15度近傍の方位を有するニオブ酸リチウム基板で発生する。これらの方位は、感温性を低下させるために酸化ケイ素誘電体層又は保護膜と共にしばしば使用される。音響波反射性を高めるために銅等の電極用重金属が使用される場合も多い。
【0025】
この場合、モード形と周波数はトランスデューサ内のギャップ位置に大きく依存する。アポディゼーションを使用する場合は、ギャップ位置が変わることから、これらのモード形と速度はトランスデューサに沿って変化する。したがって、ギャップ位置が異なる領域の間ではモード変換及び損失が生じる。更にアポディゼーションは装置の等価圧電結合を弱める。高結合基板の場合、通常は、バスバーでの速度がトランスデューサの速度より遅いと、トランスデューサ領域での導波は発生せず、エネルギーが外部に漏れ、結果として損失及びQの低下が生じる。
【0026】
例として、本明細書で説明する発明の実施形態では、高結合基板上にSAWトランスデューサ又はSAW共振器を形成し、トランスデューサ領域内でアポディゼーションを必要としないでエネルギーの誘導を行う方法を提供する。等価結合係数が高くなれば、それに伴って損失も小さくなる。
【0027】
アポディゼーションの代替手段として、トランスデューサ領域での導波を保証することが望ましい。例として本明細書で説明する発明の実施形態では、エッジギャップ長を十分に長くしてギャップによるトンネル効果を抑制又は排除している。
【0028】
次に図8を参照すると、本発明の実施形態は音響波装置10として説明することができ、この音響波装置10は、音響波をサポートするための表面14を有する圧電基板12を含む。第1の細長いバスバー16と第2の細長いバスバー18は、概ね音響波の長手方向20に沿って延在している。複数の第1の電極22は第1のバスバー16と電気的に接続され、第1のバスバー16から概ね直角方向に延在しており、複数の第2の電極24は第2のバスバー18と電気的に接続され、第2のバスバー18から延在している。対向するバスバー16、18と複数の電極22、24は、すだれ状電極(IDT)26を形成し、このIDT26は音響波をサポートするための圧電基板12の表面14上に担持される。
【0029】
引き続き図8を参照すると、複数の電極22、24のそれぞれは、第1及び第2のバスバー16、18のいずれかに電気的に接続された第1の端部28と、対向するバスバー16、18から隔てられたエッジ32を持つ対向する第2の端部30とを有し、これにより、各電極22、24のエッジと、対向するバスバー16、18との間にギャップ34、36が形成される。対向するバスバー16、18に近接するギャップ34、36は、トランスデューサ26に沿って長手方向に延びていて概ね互いに平行であるギャップ領域38、40を形成する。
【0030】
本発明の実施形態の場合、以下に詳細に説明するように、ギャップ34、36の長さ寸法42は、IDT26内で伝搬される音響波の一波長よりも長い。望ましくは二〜三波長が有効であることが分かっている。更に、複数の電極22、24のそれぞれは、第1の直角方向に延びる電極部50と第2の直角方向に延びる電極部52とによって形成されている。当該電極部50は電気的に接続された対応するバスバー16、18と隣接し、ギャップ領域38、40内に概ね含まれており、当該電極部52はエッジ32と隣接しトランスデューサ26に沿って長手方向に延びるエッジ領域54、56を形成している。電極22、24における第3の直角方向に延びる電極部58は、第1及び第2の直角方向に延びる電極部50、52の間に延在している。第3の直角方向に延びる電極部58は、トランスデューサの中央領域46内に完全に入っている。
【0031】
本発明の好適な実施形態として図7及び図8を参照して更に説明されるように、エッジ領域54、56の物理特性は、中央領域46の電極部58の物理特性と異なり、結果として、エッジ領域の波の速度(Ve)は中央領域の波の速度(Vc)よりも遅いが、対向するギャップ領域38、40内の音響波の速度44は、対向するギャップ領域の間にあるトランスデューサ中央領域46での速度より速い。例として図9を参照すると、対向するエッジ領域54、56内に位置する第2の直角方向に延びる電極部52の幅寸法60は、ギャップ領域38、40内及びトランスデューサ中央領域46内にそれぞれ位置する第1及び第3の直角方向に延びる電極部50、58の幅寸法62、64より大きくすることができ、これによりデューティファクタが高くなり、エッジ領域54、56での波速度44はトランスデューサ中央領域46での波速度より遅くなる。トランスデューサのデューティファクタに関連して、エッジ領域の物理特性はトランスデューサの中央領域の物理特性とは異なるものとなる。
【0032】
トランスデューサ26の開口部48内では本質的に均一な伝搬モードが生じる。再び図9を参照して本明細書で説明する本発明の一実施形態は、IDTによって伝搬される波長の少なくとも3倍の長さとなるギャップ長寸法を含む。
【0033】
本明細書では長い端部ギャップ34、36が開示されている。「長い」とは本明細書においてギャップの長さ寸法を表すのに使用され、少なくとも伝搬波の波長の長さであり、SAW装置で一般に使用されているギャップよりも長いことを示す。エッジギャップ長が、一波長より長い又は少なくとも一波長と同じ長さであると、望ましい導波が生じる。エッジギャップ長が三波長より長いと、更により良好な導波が可能となる。この場合、図8に示すように、非常に強い横モードが得られる。このような強い横モードであっても、エネルギーはトランスデューサ内に限定されるので、損失は少ない。横モードを抑制するには、エッジでの速度を下げて、トランスデューサ領域で本質的に均一なモードを提供する。これは例えば、電極のエッジのデューティファクタを上げることにより実現できる。所謂ピストンモードと称する均一なモードが得られる。他のモードについては、信号源プロファイルがほぼ完全にモード形と一致するので、ほとんど励振されない。
【0034】
次に図10を参照すると、装置10の一実施形態では、複数の電極22、24のそれぞれが、第1の直角方向に延びる電極部50と第2の直角方向に延びる電極部52とによって形成されている。当該電極部50は電気的に接続された対応するバスバー16、18と隣接し、ギャップ領域38、40内に概ね含まれており、当該電極部52はエッジ32と隣接しトランスデューサ26に沿って長手方向に延びるエッジ領域54、56を形成している。電極22、24における第3の直角方向に延びる電極部58は、第1及び第2の直角方向に延びる電極部50、52の間に延在している。第3の直角方向に延びる電極部58は、トランスデューサの中央領域46内に完全に入っている。
【0035】
図10を引き続き参照して本明細書で説明する実施形態の場合、ギャップ領域38、40及びエッジ領域54、56内にそれぞれ位置する第1及び第2の直角方向に延びる電極部50、52の幅寸法60、62は、トランスデューサ中央領域46内にある第3の直角方向に延びる電極部58の幅寸法64より大きく、これによりデューティファクタが高くなり、長手方向に延びるエッジ領域での波速度44はトランスデューサ中央領域での波速度より遅くなる。
【0036】
図10は本発明の別の実施形態を示しており、長い端部ギャップ34、36はトランスデューサ内での導波を可能にするために使用される。横モードを抑制するには、エッジ領域38、40内の指要素部分のデューティファクタを増大させてトランスデューサのエッジでの速度を下げる。図9の場合、ギャップでのデューティファクタはエッジ領域のデューティファクタと同じであるが、図10の実施形態の場合、ギャップのデューティサイクルは中央領域の場合と同じである。
【0037】
ギャップ領域38、40での平均速度44がトランスデューサ開口部中央領域46での速度より速く、エッジ領域での速度が中央領域での速度より遅い場合、図9及び図10の実施形態の構成は両方とも他の構成と同様に機能する。トランスデューサ領域で本質的に均一なモードを好適に励振するには、エッジ領域の長さとその速度を調整して当該モードを取得する。本発明が機能するためには各種領域での平均速度がパラメータとして重要であることを理解する必要がある。すなわち、連続する電極領域が物理的に同じでなくても(例えば、幅が異なる)、エッジ領域での平均速度が中央領域での平均速度より遅く、ギャップ領域での平均速度が中央領域での平均速度より速い限りは、多分同様の結果が得られる。更に、対向するタスクバーは厳密に平行となる必要がないことも理解されたい。ギャップ領域が十分大きく取られている場合、バスバーでの音響エネルギーは無視することができ、バスバーの配置が装置の性能には小さな影響しかない。
【0038】
図11に示すように、装置10はITD26の対向する長手方向の端部70、72に、基板12の表面14に担持された第1及び第2の格子66、68を更に有している。更に、対向する格子66、68内で事前に選択されて、トランスデューサ26から最も隔たった電極74、76は接続バー78を介して電気的に接続され短絡状態になっている。引き続き図11に示すように、そのような構造に限定されるわけではなく、第1及び第2の格子66、68はトランスデューサ26内に電極22、24のように構成された電極80、82を有してもよい。
【0039】
格子66、68とトランスデューサ26との間の分離箇所でのモード変換の発生を回避するために、格子はトランスデューサとほぼ同じになっている。ただし、格子は、音響エネルギーが再生されないように短絡されている。この短絡は、電極の金属接続部を追加することにより又は外的に行うことが可能である。追加の接続部は、反射器の外側に配置するのが望ましい(即ち、音響エネルギーが最も低く、影響が最も小さい場所)。
【0040】
図11aは、図9の実施形態に示す本発明の共振器を使用して得られたインピーダンスカーブを示したものである。基板はYカット128°ニオブ酸リチウムとした。電極は銅金属で構成し、酸化ケイ素層内に埋め込んである。金属の厚さは2500A、酸化物の厚さは1μmとした。トランスデューサと反射器の周期は2μmである。デューティファクタはトランスデューサにおいて50%、エッジ及びギャップにおいて75%とした。共振器は200のアクティブ電極で構成した。アクティブ開口部は80μmとし、ギャップ領域は20μm〜40μmの範囲とした。図示のように、エッジ長が2μm〜5μmの場合(即ち、波長の0.75〜1.2倍)に望ましい結果が得られている。得られたQは、共振において1252であり、反共振において1424であった。モードは減衰されている。ちなみに、同じ金属と酸化物について、三角形のアポディゼーションを使用した場合、Qは850未満となる。これは、提示した実施形態が優れていることを示す。
【0041】
図12を参照すると、前述の音響波装置10は、トランスデューサ26に沿って長手方向に延びる誘電体層又は金属層84、86を備えるトランスデューサ26を含むことができる。この場合、誘電体層は、エッジ領域54、56の電極部52のみを被覆し、トランスデューサの中央領域46は被覆していない。エッジ領域での速度を低くするこの代替実施形態は、エッジ領域に誘電体層を追加することを含む。同様に、電極の上方又は下方のエッジに金属を追加することも可能である。或いは、図13に示すように、窒化アルミニウム又は窒化ケイ素等の音響速度が速い層を中央領域に追加することも可能である。この場合も、同様の音響速度構成が得られ、エッジでの速度は最も遅く、ギャップでの速度は速く、中央での速度はエッジでの速度より速くなる。層の幅及び/又はエッジの幅を適切に選択すれば、均一な伝搬モードを取得できる。このため、エッジ領域又はトランスデューサの中央領域に適切な誘電体層を追加することにより、エッジ領域と中央領域の物理特性を異なるものとすることができる。
【0042】
図13及び図18に示すように、トランスデューサ26は、トランスデューサに沿って長手方向に延びている誘電体層88を含むことができ、この誘電体層はトランスデューサ中央領域46内の電極部58を被覆している。図14に図示した共振器90を更に参照すると、共振器90ではトランスデューサ26と、隣接する格子66、68の両方において、中央領域46内の電極の上に誘電体層88を有することで、中央領域での音響波の速度を高めている。図18を更に参照すると、誘電体層88は、誘電体部88aのようにトランスデューサの境界を越えて延在してもよい。
【0043】
例として、エッジ領域の長さが音響波の1.5倍より短いトランスデューサを十分に被覆している酸化ケイ素層又は保護膜層はその感温性を低下させることになる。
【0044】
更なる例として、図14は図13の構成を使用した一共振器を示す。繰り返しになるが、トランスデューサ構成と類似した音響構成を有する反射器を選択する場合は注意が必要である。
【0045】
図15は1つの埋め込みIDT構成を示す。この場合、図16に更に示すように、速度シフトを実現する追加層を上部に蒸着することができる。図16に示すように、装置10はトランスデューサ26を被覆する第1の誘電体層92と、トランスデューサに沿って長手方向に延在しトランスデューサ中央領域46内の電極部のみを被覆する第2の誘電体層94を更に含むことができる。
【0046】
オプションとして、図16a及び図16bを参照すると、装置10はトランスデューサ26を被覆する第1の誘電体層92と、トランスデューサに沿って長手方向に延在し、ギャップ領域38、40、エッジ領域54、56、及びトランスデューサ中央領域46内の電極部を被覆する第2の誘電体層94を更に含むことができる。更に、引き続き図16aに示すように、中央領域46内の電極部分を更に被覆する第3の誘電体層96を含んでもよい。更に、引き続き図16bに示すように、エッジ領域内の電極を被覆する第3の誘電体層96を含めてもよい。
【0047】
所望の技術的選択に応じて、誘電体層を電極上に直接蒸着することも可能である。エッジでの音響波速度がより低い速度プロファイルを有すること、及び本質的に均一なモード形を取得するためにエッジ長さと速度差を選択することが望ましい。
【0048】
フィルタの周波数をトリミングすることがしばしば必要である。通常、周波数のトリミングを行うには、フィルタの上部で材料の一部をエッチングする。所望の速度シフトを実現するためにフィルタの上部に層が追加されている場合は、図16a及び16bに示した構成と類似の構成を使用するのが有利なことがある。これにより、装置の中心周波数とスプリアスモードのレベルの無相関化が可能である。
【0049】
図17に示すように、本発明の教示内容に従った1つのトランスデューサ26は、図7及び図9を参照して前述したようなものになり得る。この場合は、対向するバスバー16、18から延在するダミー電極98を含めることにより、バスバーに隣接するダミー電極領域100、102が形成され、ギャップ領域38、40の長さが短縮される。
【0050】
図17は本発明のトランスデューサの別の実施形態を示す。この場合はダミー電極が使用される。端部ギャップが十分な長さであるので、これらのダミー電極の有無は性能に影響しない。
【0051】
図18は本発明の別の実施形態を示す。この場合、トランスデューサ開口部中央領域と低速領域との間の速度差は、低速領域で高デューティファクタを選択し、中央に誘電体層(例えば、窒化ケイ素)を追加することにより得られる。これは、フォトリソグラフィ分解能によって可能なデューティファクタが制限されるような高周波数の場合も使用できる。
【0052】
図19に示すように、ギャップ領域内、エッジ領域内、中央領域内に電極部を構成することにより、アポダイズされたトランスデューサ26aを形成することができる。更に図20に示すように、中央領域部内の電極部では等しい直角方向の長さ寸法を含み、エッジ領域では不等な直角方向の長さ寸法を含んでアポダイズされたエッジ領域構造54a、56aを形成することができる。更に、図21に示すように、エッジ領域内の各電極部の幅寸法を先細りにしてもよい。先細り電極部52tは、中央領域内の電極部の幅寸法と等しい第1の幅寸法からギャップ領域の電極部の幅寸法と等しい第2の幅寸法へ次第に細くなり得る。
【0053】
図19は、アポディゼーションと指要素部分がより広くなっている低速エッジ領域とを有するトランスデューサを示す。ほとんどのモードは低速領域を使用することにより抑制されるが、残りの偽信号(Spurii)を抑制するには極めて小さなアポディゼーションが役に立つ。この場合、必要となるアポディゼーションは、低速領域が使用されない場合よりも非常に小さくなるので、結合係数は大きなままである。更に、図20に示すように、低速エッジの幅をトランスデューサに沿って調整することができる。
【0054】
図21は、低速エッジ領域での速度が一定でないトランスデューサの例を示す。この場合は、エッジ領域での指要素部の先細りによって、この領域でのデューティファクタが変化する。エッジ領域での速度が中央領域での速度及びギャップエッジ領域での速度より遅い限り、速度が一定である場合と同様の動作を得ることができる。均一な横モードを得るために低速エッジ領域の幅を調整することができる。同様に、ギャップエッジ領域と共に中央領域の速度も一定にならないようにすることができる。
【0055】
図22は本発明の教示内容に係る結合された共振器フィルタの実施形態を示す。この例では2つのトランスデューサが使用されている。図23は、結合された共振器フィルタについて、ピストンモードトランスデューサを備えた場合と備えていない場合に得られた結果を示している。本明細書内で例として説明した実施形態の場合、リップルと挿入損失が低下していることがよく分かる。当業者は、本発明の教示内容の利点を利用して、所望の周波数特性を取得するためにトランスデューサを更に展開することができる。例えば、図24は3つのトランスデューサを使用する構成を示す。同様に、公知のように5つ以上のトランスデューサを使用することもできる。CRFの複数のセクションをカスケードできること、又は複数のCRFのセクションを共振器要素と共にカスケードすることもできることも示されている。更に、通常のSAWトランスデューサ(複数の波長あたり2つの電極)しか説明していないが、本発明は例えばSPUDT等の任意の種類のトランスデューサに適用される。
【0056】
図25は本発明のピストンモード共振器について得られた結果を示す。ギャップエッジ長を変化させている。カーブはインピーダンスの位相を示している。共振におけるQと反共振におけるQがカーブ上に示されている。共振器の周期は2μmであり、4μmの波長に対応している。ローサイドでのモードは、ギャップ長が1ラムダの場合に消滅する。Qは、ギャップ長が2ラムダの場合に所望の値となり、より大きなギャップ長でもその状態が維持されている。
【0057】
本発明の多数の変更形態及び他の実施形態は、上記の説明及び関連した図面に提示した教示内容の利益を有する当業者には想到することである。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限定されないこと、及び変更形態及び実施形態は添付の特許請求の範囲内に含まれるものとすることを理解されたい。
【符号の説明】
【0058】
10 音響波装置
12 圧電基板
14 表面
16 第1のバスバー
18 第2のバスバー
20 長手方向
22 複数の第1の電極
24 複数の第2の電極
26 すだれ状電極(IDT)
26a アポタイズされたトランスデューサ
28 第1の端部
30 第2の端部
32 エッジ
34 ギャップ
36 ギャップ
38 ギャップ領域
40 ギャップ領域
42 ギャップ34、36の長さ寸法
44 速度
46 トランスデューサ中央領域
50 第1の直角方向に延びる電極部
52 第2の直角方向に延びる電極部
52t 先細り電極部
54 エッジ領域
54a アポタイズされたエッジ領域
56 エッジ領域
56a アポタイズされたエッジ領域
58 第3の直角方向に延びる電極部
60 電極部52の幅寸法
62 電極部50の幅寸法
64 電極部58の幅寸法
66 第1の格子
68 第2の格子
70 IDT26に対向する長手方向の端部
72 IDT26に対向する長手方向の端部
74 事前に選択された電極
76 事前に選択された電極
78 接続バー
80 格子内の電極
82 格子内の電極
84 誘電体層
86 金属層
88 誘電体層
88a 誘電体部
90 共振器
92 第1の誘電体層
94 第2の誘電体層
96 第3の誘電体層
98 ダミー電極
100 ダミー電極領域
102 ダミー電極領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響波をサポートするための表面を有する圧電基板と、
第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、
前記第1のバスバーと電気的に接続され、前記第1のバスバーから直角方向に延びる複数の第1の電極と、
前記第2のバスバーと電気的に接続され、前記第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を含む音響波装置であって、
前記対向するバスバーと前記複数の電極は、前記圧電基板の表面に担持されるすだれ状電極を形成し、
前記複数の電極のそれぞれは、前記第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、前記対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極の前記エッジと前記対向するバスバーとの間にギャップを形成し、前記対向するバスバーに隣接する前記ギャップは前記トランスデューサに沿って長手方向に延びるギャップ領域を形成し、前記ギャップ長寸法は少なくとも一音響波長であり、
前記複数の電極内の各電極は、前記電気的に接続されたバスバーに隣接し前記ギャップ領域内に概ね含まれる第1の直角方向に延びる部分と、前記エッジに隣接し前記トランスデューサに沿って長手方向に延びるエッジ領域を形成する第2の直角方向に延びる部分と、前記第1及び前記第2の直角方向に延びる部分の間に延在し、トランスデューサ中央領域に含まれる第3の直角方向に延びる電極部分によって更に形成され、
前記長手方向に延びるエッジ領域内の前記音響波の波速度が前記トランスデューサ中央領域内の前記波速度より遅くなるように、前記エッジ領域内の前記第2の直角方向に延びる部分はそれぞれ、前記トランスデューサ中央領域内の前記第3の直角方向に延びる部分とは異なる物理特性を有し、前記対向するギャップ領域内の前記波速度が前記トランスデューサ中央領域での速度より速い、音響波装置。
【請求項2】
前記対向するエッジ領域内の前記第2の直角方向に延びる部分の幅寸法は、デューティファクタが高まるように、前記ギャップ領域内の前記第1の直角方向に延びる部分及び前記トランスデューサ中央領域内の前記第3の直角方向に延びる部分の幅寸法より大きい請求項1に記載の音響波装置。
【請求項3】
前記対向するバスバーからそれぞれ延びる複数のダミー電極を更に含み、前記対向するバスバーに隣接するダミー電極領域を形成する請求項1に記載の音響波装置。
【請求項4】
前記すだれ状電極の対向する長手方向両端に前記基板の前記表面に担持される第1及び第2の格子を更に含む請求項1に記載の音響波装置。
【請求項5】
前記格子内で事前に選択された、前記トランスデューサから最も隔たった電極が電気的に接続されて短絡される請求項4に記載の音響波装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の格子内にそれぞれ含まれる電極が前記トランスデューサ内の前記電極のように構成される請求項4に記載の音響波装置。
【請求項7】
前記トランスデューサに沿って長手方向に延びて前記トランスデューサ中央領域内で前記電極部分のみを被覆する誘電体層及び金属層のうちの少なくとも1つを更に含み、前記層によって前記中央領域内の前記音響波の速度が増大する請求項1に記載の音響波装置。
【請求項8】
前記ギャップ領域、前記エッジ領域、及び前記中央領域内の前記電極部分がアポザイズされたトランスデューサを形成する請求項1に記載の音響波装置。
【請求項9】
前記中央領域内の電極部分の直角方向の長さ寸法は等しいが、前記エッジ領域の直角方向の長さ寸法は等しくなく、これにより前記トランスデューサ用にアポタイズされたエッジ領域構造が形成される請求項1に記載の音響波装置。
【請求項10】
前記エッジ領域内のそれぞれの前記電極部分の幅寸法が先細りになっている請求項1に記載の音響波装置。
【請求項11】
前記先細りの電極部分が、前記中央領域内の前記電極部分の前記幅寸法と等しい第1の幅寸法から、前記ギャップ領域の前記電極部分の前記幅寸法と等しい第2の幅寸法へ先細りになっている請求項10に記載の音響波装置。
【請求項12】
前記ギャップの長さ寸法が3つの音響波長より長い請求項1に記載の音響波装置。
【請求項13】
前記トランスデューサに沿って長手方向に延びて前記トランスデューサエッジ領域内の前記電極部分のみを被覆する誘電体層及び金属層のうちの少なくとも1つを更に含み、前記層によって前記エッジ領域内で前記音響波の速度が減少する請求項1に記載の音響波装置。
【請求項14】
前記トランスデューサの感温性を低下させるために前記トランスデューサを十分に被覆する酸化ケイ素保護膜を更に含む請求項1に記載の音響波装置。
【請求項15】
前記エッジ長が前記音響波長の1.5倍より短い請求項14に記載の音響波装置。
【請求項16】
前記電極がアルミニウムより密度の高い金属によって形成される請求項1に記載の音響波装置。
【請求項17】
前記電極が銅を含む請求項1に記載の音響波装置。
【請求項18】
前記圧電基板がY+120°〜Y+136°の方位を有するニオブ酸リチウムを含む請求項1に記載の音響波装置。
【請求項19】
前記エッジ領域内の電極部分のデューティファクタが70〜80%の範囲にある請求項1に記載の音響波装置。
【請求項20】
弾性表面波装置であって、
音響波を伝搬するための表面を有する圧電基板と、
前記音響波の長手方向の経路に概ね沿って延びる第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、
前記第1のバスバーに電気的に接続され前記第1のバスバーから延びる複数の第1の電極と、
前記第2のバスバーに電気的に接続され前記第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を含み、
前記対向するバスバーと前記複数の電極は前記音響波伝搬のための前記圧電基板に担持されるすだれ状電極を形成し、前記複数の電極のそれぞれは前記第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、前記対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極の前記エッジと前記対向するバスバーとの間にギャップを形成し、前記対向するバスバーに隣接する前記ギャップは前記トランスデューサに沿って長手方向に延びるギャップ領域を形成し、前記ギャップ長寸法は少なくとも前記音響波伝搬における一波長であり、
更に、前記トランスデューサを被覆する第1の層と、前記トランスデューサに沿って長手方向に延びて前記エッジ領域内の前記電極部分を被覆する第2の層とを含み、
対向するギャップ領域での前記音響波の速度は前記ギャップ領域間に位置するトランスデューサ中央領域での速度より速く、前記エッジ領域での前記波速度は前記中央領域での波速度より遅く、前記層は誘電体材料及び金属材料のうちの少なくとも1つで形成される、弾性表面波装置。
【請求項21】
弾性表面波装置であって、
音響波を伝搬するための表面を有する圧電基板と、
前記音響波の経路に概ね沿って延びる第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、
前記第1のバスバーに電気的に接続され前記第1のバスバーから延びる複数の第1の電極と、
前記第2のバスバーに電気的に接続され前記第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を含み、
前記対向するバスバーと前記複数の電極は前記音響波伝搬のための前記圧電基板に担持されるすだれ状電極を形成し、前記複数の電極のそれぞれは前記第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、前記対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極の前記エッジと前記対向するバスバーとの間にギャップを形成し、前記対向するバスバーに隣接する前記ギャップは前記トランスデューサに沿って長手方向に延びるギャップ領域を形成し、前記ギャップ長寸法は前記音響波伝搬における波長の少なくとも3倍であり、
更に、前記トランスデューサを被覆する第1の層及び前記トランスデューサに沿って長手方向に延びて前記トランスデューサ中央領域内の前記電極部分のみを被覆する第2の層と、前記トランスデューサを被覆する第1の層及び前記トランスデューサに沿って長手方向に延びて前記ギャップ領域、前記エッジ領域、及び前記中央領域内の前記電極部分を被覆する第2の層と、を含み
対向するギャップ領域での前記音響波の速度は前記ギャップ領域間に位置するトランスデューサ中央領域での速度より速く、前記エッジ領域での前記波速度は前記中央領域での波速度より遅い、前記層が誘電体材料及び金属材料のうちの少なくとも1つで形成される、弾性表面波装置。
【請求項22】
前記第1及び第2の層を有する前記トランスデューサが、前記中央領域内の前記電極部分のみを被覆する第3の層を更に含む請求項21に記載の音響波装置。
【請求項23】
前記第1及び第2の層を有する前記トランスデューサが、前記エッジ領域内の前記電極部分のみを被覆する第3の層を更に含む請求項21に記載の音響波装置。
【請求項24】
音響波を伝搬するための表面を有する圧電基板と、
前記音響波の長手方向の経路に概ね沿って延びる第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、
前記第1のバスバーに電気的に接続され前記第1のバスバーから直角方向に延びる複数の第1の電極と、
前記第2のバスバーに電気的に接続され前記第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を含む弾性表面波装置であって、
前記対向するバスバーと前記複数の電極は前記音響波伝搬のための前記圧電基板に担持されるすだれ状電極を形成し、
前記複数の電極のそれぞれは前記第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、前記対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極の前記エッジと前記対向するバスバーとの間にギャップを形成し、前記対向するバスバーに隣接する前記ギャップは前記トランスデューサに沿って長手方向に延びる対向するギャップ領域を形成し、
前記ギャップ長寸法は前記音響波伝搬における波長の少なくとも3倍であり、
前記対向するギャップ領域での前記音響波の速度は前記ギャップ領域間に位置するトランスデューサ中央領域での速度より速く、
前記トランスデューサの開口部内で本質的に均一な伝搬モードが生じる弾性表面波装置。
【請求項25】
音響波をサポートするための表面を有する圧電基板と、
前記圧電基板上に担持されるすだれ状電極と、
前記すだれ状電極の対向する長手方向両端に前記基板の前記表面に担持される第1及び第2の格子と、を含む音響波装置であって、
前記格子のそれぞれとトランスデューサは、
前記音響波の長手方向の経路に概ね沿って延びる第1の細長いバスバー及び対向する第2の細長いバスバーと、
前記第1のバスバーに電気的に接続され前記第1のバスバーから延びる複数の第1の電極と、
前記第2のバスバーに電気的に接続され前記第2のバスバーから延びる複数の第2の電極と、を含み、
前記複数の電極のそれぞれは前記第1及び第2のバスバーのうちの一方に電気的に接続された第1の端部と、前記対向するバスバーから隔てられたエッジを有する対向する第2の端部とを有することで各電極の前記エッジと前記対向するバスバーとの間にギャップを形成し、前記対向するバスバーに隣接する前記ギャップが、前記トランスデューサに沿って長手方向に延びる対向するギャップ領域内に形成され、
各ギャップの寸法が前記音響波の波長より長く、
対向するギャップ領域での前記音響波の速度は前記ギャップ領域間に位置するトランスデューサ中央領域での速度より速く、
前記トランスデューサの開口部内で伝播モード本質的に均一な伝搬モードが生じる音響波装置。
【請求項26】
前記対向する格子内で事前に選択された、前記トランスデューサから最も隔たった電極が電気的に接続されて互いに短絡される請求項25に記載の音響波装置。
【請求項27】
前記すだれ状電極に隣接し且つ前記格子の間で、前記圧電基板に担持される少なくとも1つの追加のすだれ状電極を更に含む請求項25に記載の音響波装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a.1】
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【図6a.2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11a.1】
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【図11a.2】
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【図11a.3】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25a】
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【図25b】
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【図25c】
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【図25d】
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【図25e】
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【図25f】
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【図25g】
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【図25h】
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【公開番号】特開2011−101350(P2011−101350A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−212543(P2010−212543)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(510253882)トライクイント セミコンダクター,インク. (3)
【Fターム(参考)】