説明

ピッキングシステム

【課題】集品車の移動ロスタイムを小さくすること。
【解決手段】搬送路Rに沿って配置された商品保管部307と、搬送路上を移動する複数の集品車2と、集品車を操作する作業者に対し情報を与えるコンピュータ5と、集品車に搭載され、コンピュータからの情報を作業者に知らせるモニタ231とを備える受注商品のピッキングシステムSである。コンピュータからの情報に基づいて、受注商品が保管されている商品保管部に作業者が集品車と共に移動し、その中から受注商品を作業者が取り出して集品車に収集していく。搬送路には、1ラウンドあたりの集品に必要な集品情報をモニタに表示するためと、集品作業がラウンド終了するのに合わせて、次回ラウンド用の集品情報を新たにモニタに表示するために、集品車に集品情報を提供可能な集品情報提供地点を搬送路に点在させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキングシステムに関し、詳しくは出荷先ごとに受注商品を受注個数ずつ取り揃えるピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニなどのチェーンストア向け商品の商品配送センタにおいては、各店舗からの要求に応じて各種商品を要求個数だけ取り揃える集品作業が行われる。集品方法として、ピッキングシステムと、ソーティングシステムとが周知である。
【0003】
ピッキングシステムは、集品箱を集品車で搬送しながら、その搬送路に沿って設けられた商品保管部に向かい、当該商品保管部から受注商品を要求個数ずつ作業者が取り出して、集品車に集品していく集品方法である。
【0004】
また、ソーティングシステムは、コンベヤを用いて、商品を品目ごとに搬送しながら、その搬送路に沿って設けられた各仕向先別の商品収納部へ仕向先ごとに商品を要求個数ずつ投入していく集品方法である。
【0005】
本発明は、ピッキングシステムに関するものであるからピッキングシステムについて記述する。
ピッキングシステムでは、前記集品車を操作する作業者に対し、商品配送センタに備えられたホストコンピュータから各種指示が与えられ、当該指示に基づいて、作業者は集品作業を行う。
【0006】
ホストコンピュータにより、受注データの登録処理や納品伝票処理、在庫管理などを行う。この場合、商品配送センタの作業現場に設置した端末装置及びホストコンピュータはケーブル又は無線LANで接続されており、前記端末装置の操作により、受注データなどをホストコンピュータからオンラインで呼び出す。
【0007】
集品車には、モニタを有するパーソナルコンピュータが備えられている。そして、モニタには、前記受注データに基づいて作業者が集品作業を実行するのに必要な各種情報を表示する。
【0008】
モニタに表示される情報に基づいて、作業者は集品作業を進めていく。モニタに表示される各種情報としては、例えば、受注商品ごとの注文個数などの前記受注データや、どの商品の集品が終了したか否かなどの情報が挙げられる。そして仕向先向けの商品が、すべての注文品目について注文個数ずつ集品されると、一回あたりの集品作業は終了する。これを1ラウンドという。そして、1ラウンド分の集品作業を終了することをラウンド終了するという。
【0009】
ところで、コンビニなどチェーンストア向け商品の配送センタにおける品目数は、約3000〜6000アイテム程度とされ、それらの中から各チェーンストアが一回あたりに注文する品数は、100アイテム程度である。
【0010】
これに対し、通信販売(以下、通販)など、小売業態のうちの無店舗販売の一つで、店舗ではなく、メディアを利用して商品を展示し、メディアにアクセスした消費者からファクシミリやインターネットその他の通信手段で注文を受けて、商品を販売する小売業態では、その商品配送センタで取り扱う品目数は、約数万アイテムといわれている。
【0011】
また、通販を利用するのは、個人や中小企業が多い。このため、通販に注文される商品は、数アイテム〜10数アイテム程度であり、かつ一回あたりの注文個数も数個から数10個程度であり、チェーンストアが、その商品配送センタに注文する品目数及び受注商品数に比べ、極端に少ない。そして既述のように、通販の商品配送センタでの取扱商品は約数万アイテムと多いため、商品配送センタにおいて商品を保管するエリア(以下、商品保管部)は、非常に広い。
【0012】
したがって、非常に広い商品配送センタの商品保管部に保管されている数万アイテムにも及ぶ商品の中から、わずか数アイテム〜10数アイテム程度の商品を集品する作業は、極めて効率的に行う必要がある。そうでなければ注文を受けてから出荷するまでに相当の時間が掛かる。
【0013】
図11は、従来のピッキングシステムの一例であって、通販の商品配送センタの商品保管部307を示す。
【0014】
この商品保管部307において、ホストコンピュータ(図示せず)は、搬送路Rにおける集品車302のスタート地点Stに設置された作業管理装置(端末装置)306と接続されている。
【0015】
スタート地点Stに設置されている作業管理装置306には、ホストコンピュータから1ラウンド分の出荷先別受注データが送られる。作業管理装置306には無線アンテナ(図示せず)が設置されている。この無線アンテナと、集品車302に搭載された車載コンピュータの無線アンテナ(図示せず)とを介して、作業管理装置306と車載コンピュータとの間では、受注商品やその数などの各種データが無線交信される。したがって、スタート地点Stは、集品車302に集品情報を提供する地点(以下、集品情報提供地点)ということができる。
【0016】
そして、集品車302のモニタには、ホストコンピュータから送られて来る情報をパーソナルコンピュータを介して表示する。当該表示された情報に基づき、作業者は、スタート地点Stを出発し、集品作業を行い、当該作業の終了後、ゴール地点Gに戻る。このような一連の作業は、ホストコンピュータによる一元管理の下で実行される。なお、スタート地点Stとゴール地点Gとは隣接している。したがって、両地点は、実質同一ということができる。
【0017】
ところで、取り扱う品目数が、数万アイテムもある通販の商品保管部307は、既述のように広いにも拘わらず、スタート地点St及びゴール地点Gは、搬送路R上に一箇所しかない。したがって、集品作業は、一箇所しかないスタート地点Stから必ず始まり、集品作業終了後、やはり一箇所しかないゴール地点Gに至ることで必ず終わる。
【0018】
しかし、このように集品作業が終了した後、一箇所しかないスタート地点St(ゴール地点G)に戻るシステムであると、集品作業を終了した集品車は、荷積みが全く無い空荷状態でも一箇所しかないスタート地点St(ゴール地点G)に戻らなくてはならない。このため、当該空荷状態で集品車がゴール地点Gに戻るまでの移動時間は、全くのロスタイムになる。それ故、次回のラウンドに取り掛かるまでの時間を要する。
【特許文献1】特開2000−95312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は上記事情に鑑みて発明されたものである。その解決しようとする課題は、集品
車が集品情報提供地点に移動するときのロスタイムを極力小さくできるピッキングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を達成するために、本発明のピッキングシステムは、次の手段を採用した。
(1)すなわち本発明のピッキングシステムは、商品配送センタに設けられた搬送路と、この搬送路に沿って配置される商品保管部と、前記搬送路上を移動する複数の集品車と、この集品車を操作する作業者に対し情報を与えるホストコンピュータと、前記集品車に搭載され、前記ホストコンピュータからの情報を作業者に知らせるモニタを備えた集品車端末とを備え、前記ホストコンピュータからの各種情報に基づいて、前記商品保管部に保管されている商品のうち受注商品が保管されている商品保管部に作業者が集品車と共に移動し、当該商品保管部の中から前記受注商品を作業者が取り出して前記集品車に収集していくピッキングシステムである。
【0021】
前記搬送路上又はその近傍のエリアには、1ラウンドあたりの集品に必要な集品情報を前記モニタに表示するためと、当該集品情報に基づいて行った集品作業がラウンド終了するのに合わせて、次回ラウンド用の集品情報を新たに前記モニタに表示するために、前記集品車に集品情報を提供可能な集品情報提供地点を、前記搬送路上又はその近傍に点在させることを特徴とする。
【0022】
したがって、本発明のピッキングシステムによれば、集品情報提供地点を前記搬送路に点在させてあるので、ラウンド終了後、次回ラウンド用集品情報の取得にあたり、最寄りの集品情報提供地点に移動できる。したがって、集品情報提供地点が一箇所しかなかった従来のピッキングシステムと比較し、集品情報提供地点に移動するまでの距離は相対的に短くなり、よってロスタイムを減少させることができる。
【0023】
(2)前記複数の集品車のうち前記集品情報提供地点に最も近い位置にあり、かつ直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品を終了した直後の集品車を検出する集品車検出手段と、この集品車検出手段によって検出された集品車に対し、次回ラウンド用の集品情報を前記最寄りの集品情報提供地点で提供する次回ラウンド用集品情報提供手段と、を有するようにすることもできる。
【0024】
集品情報提供地点に最も近い位置にあり、かつ直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品を終了した直後の集品車に対し、次回ラウンド用の集品情報を提供できるため、当該集品車は、次回ラウンド用の集品情報を受け取るまでの間に遊び時間が無い。この結果、ロスタイムを一層減少させることができる。
【0025】
(3)受注商品についての最後の集品を終了した直後の集品車の代わりに、前記複数の集品車のうち前記集品情報提供地点に最も近い位置にあり、かつ直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品を間近に終了する集品車を集品車検出手段で検出し、この集品車検出手段によって検出された集品車に対し、次回ラウンド用集品情報提供手段によって、次回ラウンド用の集品情報を前記最寄りの集品情報提供地点で提供するようにしてもよい。
【0026】
この場合も集品車は、最後の集品を終了後、次回ラウンド用の集品情報を受け取るまでの間に遊び時間が無い。この結果、ロスタイムを一層減少させることができる。
【0027】
(4)次回ラウンド用の集品情報を取得する集品車は、当該集品車によって1ラウンド分の集品をする場合に集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を取得すると共に、次回ラウンド用集品情報提供手段が次回ラウンド用の集品情報を前記集品車に提供するに
あたり、前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を、数ある集品情報の中から選択する集品情報選択手段を有することが望ましい。
集品総時間の最も少ない集品情報を集品情報選択手段により選択することで、集品時間を一層短くすることができる。
【0028】
(5)前記集品情報選択手段は、前記複数ある集品情報提供地点のうち、1ラウンド分の最後の集品を終了した際に、最も近い位置にある集品情報提供地点と、次回ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の前記商品保管部における保管位置の各々及び前記最も近い位置にある集品情報提供地点の間の距離の総計が、最も少ない受注商品を含む集品情報と、を選択し、当該選択をした場合には、前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を選択したと判断することを特徴とするようにしてもよい。
【0029】
このようにすることで、1ラウンド分の最後の集品を終了した集品車が、集品情報提供地点に到着するまでの時間と、集品情報提供地点に到着した集品車が集品情報提供地点を起点として、そこから受注商品を集品するために商品保管部に到着するまでの時間とを最も短くできるので、集品総時間を短くすることができる。
【0030】
(6)前記モニタに表示される集品情報は、集品の順番を示す集品スケジュールを含み、この集品スケジュールには、前記直近ラウンド用の集品をする場合の搬送方向とは逆の方向に進行する場合が含まれるようにしてもよい。このようにすることで、集品車の移動方向は一方向に限られない。したがって、集品スケジュールを多様化できる。この結果、集品時間がさらに短くなる可能性を高められる。
【0031】
(7)前記集品情報選択手段は、前記逆方向に進行して集品すると、ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の前記商品保管部における保管位置の各々及び集品情報提供地点の間の距離の総計が、最も少ない受注商品を含む集品情報になる場合には、当該集品情報を選択し、当該選択に基づいて、ホストコンピュータは、前記モニタに前記集品スケジュールを表示する。
【0032】
(8)前記集品情報提供地点の各々には、集品車が集品した商品を前記集品車から荷下ろしし、当該下ろした商品を梱包し出荷する出荷場に向けて搬送する搬送手段が、それぞれ設けられている。搬送手段としては、例えばベルトコンベヤを挙げられる。
【0033】
システム全体においてベルトコンベヤが一基しかない場合、集品車からベルトコンベヤに下ろした受注商品が多ければ、ベルトコンベヤ上で搬送箱の渋滞を生じ、商品のスムーズな流れを妨げてしまう虞があり得る。しかし、集品情報提供地点の各々にベルトコンベヤが設けられていれば、ベルトコンベヤの搬送能力に余裕ができ、搬送箱の渋滞を回避することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、集品車を集品情報提供地点に移動するにあたってのロスタイムを極力小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の実施の形態(以下、実施形態)に係るピッキングシステムSの最良の形態について、図面を参照しながら例示的に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、相対配置などは、特に特定的に記載が無い限りは、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨ではない。
【0036】
図10は、本システムの構成を示すブロック図である。
同図に示すように、ホストコンピュータは、データベース(DB)を有し、ネットワークを介して無線LANステーションと接続されている。
【0037】
ピッキングシステムを採用する通販などの商品配送センタには、全国から多数の商品の注文情報がランダムに送信されてくる。
【0038】
図1は、商品配送センタにおける商品保管部307の平面図である。
商品保管部307には、多数の商品棚1(図2参照)が複数配列されている。そして、これら商品棚1の列に沿って、集品車であるカート2(図3参照)を用いたカート集品が行われるようになっている。各商品棚1の間は、カート同士の干渉を防止する上で十分なスペースが取られた搬送路Rが形成されている。そして、サーバであるホストコンピュータ5(図4参照)によって、ピッキングシステムSの全体が管理運営される。
【0039】
商品棚1は、商品を種類ごとに分類して格納する。
図2に示すように、商品棚1は、多数のラック11を前後・左右・上下に組み合わせたものである。前後方向では、手前の第1列150及び向こう側の第2列151に区分され、左右方向では、左から順に第1連160〜第6連165に区分され、上下方向では下から順に第1段180〜第3段182に区分けされている。そして左右方向にあっては、さらに各連が、左に位置する第1フェイス170及び右に位置する第2フェイス171の2つのフェイスに分割されている。
【0040】
したがって、これらの「列」・「連」・「段」・「フェイス」を用いることにより、商品棚1は、各ラック11をマトリクスで表示することができる。そして、ラック11は、商品を種別に保管するので、ラック11に保管されている商品は、ラック11のマトリクス表示を用いて表示できる。
【0041】
例えば図2における位置190は、「符号150で示す第1列−符号163で示す第4連−符号180で示す第1段−符号171で示す第2フェイス」と番地付けができるから、「列−連−段−フェイス」の順に、それらの数字のみ取って「01−04−01−02」と番号で表記する。そして、当該棚番を有する位置190に消しゴムを保管するとしたならば、消しゴムは「01−04−01−02」という番号で特定できる。すなわち、当該番号は、商品棚の棚番であると共に商品番号でもある。
【0042】
また、図1に示すように、商品保管部307には、商品棚1が多数設置されている。このため、商品棚1を特定できるように商品棚1ごとに符号を付けてある。この実施形態では、アルファベットを用いて各商品棚を特定している。
【0043】
前記商品棚を例えばAゾーンと呼称すれば、前記消しゴムに係る棚番(商品番号)は、「ゾーン−列−連−段−フェイス」の順に「A−01−04−01−02」と表記することができる。そして、このような棚番を有する商品保管部307の各ラック11に保管されている商品について注文があると、当該商品は、商品名や注文個数その他の集品に係る情報と共に、次に詳しく説明するカート2に設けられているモニタに表示される。モニタに表示されるこれら集品に係る情報を以下、集品情報という。当該表示にしたがって、作業者は、指定された商品棚における指定されたラック11から商品を集品する(図5参照)。なお、商品棚1に足りなくなった商品は、バック在庫13(図1参照)から補充される。
【0044】
カート2は、作業者によって操作されて搬送路R上を移動する手押し車のことである。また各カートに当該カートを特定する番号(以下カート番号)が付けられている。作業者は、毎日自分の担当するカートが割り振られる。作業者にもID番号は割り振られ、どの
カートがその日どの作業者の担当であるかが、ホストコンピュータ5によって管理される(図6参照)。なお、作業者のID番号は、例えば作業者が作業中に身につけることになっているIDカードにバーコードで記入されている。
【0045】
カート2は、作業者により後輪を操舵されながら進行する。そして、カート2には、上方に開口する集品箱20を複数(この実施形態では4つ)載貨する。また、カート2は、作業者が操舵しながら画面を確認できるモニタ231を含む集品車端末としてのパネルコンピュータ23と、パネルコンピュータ23が、サーバであるホストコンピュータ5と双方向通信を行うための無線アンテナ33(図4参照)とを搭載する。なお、カート2は、その他にパネルコンピュータ23に電流を供給する図示しないバッテリーを搭載する。またパネルコンピュータ23にはバーコードリーダ24が接続されている。
【0046】
集品箱20には、作業者によって集品された受注商品を入れるようになっている。また、集品箱20はカート2から着脱可能である。さらに、1つの集品箱20には、出荷先(客先)ごとに一受注分の商品を入れるようになっている。そして、カート2に載貨される集品箱20にも番号(以下、集品箱番号)が付され、作業者により集品した受注商品をどの集品箱20に入れるべきか作業者がわかるように、モニタ231に集品箱番号を表示する。
【0047】
パネルコンピュータ23は、例えば汎用のパーソナルコンピュータからなるコンピュータ本体38を内蔵する。パネルコンピュータ23の内部にはバス(BUS)に接続された中央処理装置(CPU)を有しており、ハードディスク装置(HD)又はフラッシュメモリに格納されたプログラムをメインメモリ(MM)を介して読み込み実行処理することで以下に説明する機能を実現している。
【0048】
コンピュータ本体38は、バーコードリーダ24の他にキー入力部232などの入力手段を有する。
また画面そのものがタッチパネルとして搭載されており、画面からの直接入力も可能となっている。 作業者の操作により、バーコードリーダ24は、受注商品に付されたバーコードやホストコンピュータ5から作業者への指示内容を記した指示書(後述)に付されたバーコードを読み取る。キー入力部232は、作業者が必要に応じて必要な情報をパネルコンピュータ23に手入力するためのものである。そして、これら入力手段を作業者が操作することにより、コンピュータ本体38に各種データが入力される。また、コンピュータ本体38には、各種データを記憶するメモリ40が内蔵されている。
【0049】
作業者は、集品前、バーコードリーダ24により自分のID番号や、前記指示書に付されているバーコードをバーコードリーダ24によって読み取る。そして、集品作業中において集品した商品についても、作業者は、その商品に付されているバーコードをバーコードリーダ24で読み取る。当該バーコードリーダ24で読み取られた情報は、カート2のモニタ231に表示され、当該読み取りに応じた必要な処理が、コンピュータ本体38によって実施される。
【0050】
当該読み取りに応じた処理とは、例えば、次の如くである。
集品前にあっては、カート番号を初めとして、作業者にカート集品を1ラウンドごとに行わせるための集品スケジュールや、集品した受注商品を集品箱20に入れる際の注意事項、その他ホストコンピュータ5から送信された各種情報をモニタ231に表示することを挙げられる。
【0051】
また集品後の読み取りに応じた処理としては、次のような場合を例示できる。
集品された商品のバーコードをバーコードリーダ24で読み取ると、パネルコンピュー
タ23は、当該商品の集品が終了したものと判断し、パネルコンピュータ23は、ホストコンピュータ5との間で無線による交信を行う。その結果、ホストコンピュータ5は、当該商品についての集品が終了したと認識し、パネルコンピュータ23との間で無線による交信を行う。そして、バーコードが読み取られた商品の集品が終了した旨をカート2のモニタ231に表示するなどである。
【0052】
さらに注意事項とは、例えば、集品した受注商品の出荷形態が段ボールに詰めて配送されるものなのか、袋詰めによって配送されるものなのか、集品箱20のままで配送されるものなのか等、作業者に向けたお知らせ事項である。当該注意事項を受けた作業者は、例えば袋詰めで配送される場合であれば、他の出荷形態に比べ、搬送中に受注商品に傷が付く可能性があるため、これを回避すべくエアパッキングを多く使用するなど、配送形態によって異なる作業を行う。このように作業者は、モニタ231に表示される情報に基づいて、与えられた作業を実行する。
【0053】
図5は、モニタ231に表示された情報の一例である。図5には、どの商品をどの順番で集品するかを示すスケジュール(以下、集品スケジュール)が表示されている。
【0054】
集品スケジュールには、集品情報が上下方向に順番に並列されている。図5では、受注商品が6つあり、当該受注商品についての情報として、例えば左から順に、受注商品が保管されているラック11の位置を示す前記棚番と、商品コードと、集品する商品の数量とが表示されている。
【0055】
作業者は、モニタ231における集品対象となる商品を、モニタ231に表示された集品スケジュールにおける集品の順番にしたがって収集していく。当該集品にあたり作業者は、受注商品が保管されている商品棚1の棚番を目指して、カート2と共に移動する。そして、該当する棚番のラック11の中から受注商品を取り出して、カート2の集品箱20に仕分けする。集品スケジュールにおける集品の順番も集品情報として取り扱う。
【0056】
この仕分けにあたり、商品に付されたバーコードをバーコードリーダ24によって受注商品一つ一つについて読み取る。そして当該読み取りにより、どの番号の集品箱20に集品された商品を入れよという指示が、パネルコンピュータ23のモニタ231の表示画面に指示される。この指示にしたがって、作業者は、指示通りに指定された番号の集品箱20に受注商品を入れる。
【0057】
また、バーコードリーダ24によって実際に読み取った商品の数と受注個数とが異なると、モニタ231には、作業者に向けた警告がなされる。そして、正しく集品できた場合には、モニタ231上で集品が終了したことが作業者にわかるようになっている。例えば、モニタ231上の集品スケジュールに表示されている集品情報のうち、集品終了分については表示色が変わるようになっている。
【0058】
このように、集品スケジュールに表示されているすべての商品について、それらの商品に付されたバーコードをバーコードリーダ24によって読み終えると表示色が変わり、1ラウンド分の集品がすべて終了したものとパネルコンピュータ23はみなす。そしてパネルコンピュータ23は、同時にホストコンピュータ23との間で無線による交信を行いホストコンピュータ23も集品が終了したものと判断する。
【0059】
なお、受注商品一個あたりの重量は予めわかっている。このため受注個数から受注商品の総重量をパネルコンピュータ23は計算できる。また、カート2には、集品箱20ごとに重量計を設置しておく。
【0060】
このようにすることで、バーコードリーダ24で読み取った商品の数から計算される集品した商品の総重量と、重量計で測定した総重量とが異なった場合には、間違った商品を集品箱20に入れたとパネルコンピュータ23が判断できるようにしておき、モニタ231上に作業者に向けた警告をなすようにしてもよい。
【0061】
次にカート2が移動する搬送路Rについて説明する。
搬送路R上又はその近傍のエリアには、集品情報提供地点Psを点在してある。集品情報提供地点Psは、集品情報をカート2に提供するための地点である。
【0062】
また、集品情報提供地点Psには、ホストコンピュータ5と接続された作業管理装置6を設置してある。
作業管理装置6は、無線アンテナ7を備え(図4参照)、この無線アンテナ7とパネルコンピュータ23の無線アンテナ33とは交信可能である。したがって、作業管理装置6経由で、ホストコンピュータ5とパネルコンピュータ23とは、各種データの交信を行う。係る無線通信は汎用の無線LANNシステムにより実現可能である。
【0063】
作業管理装置6には、作業者の1ラウンド分の受注データが、ホストコンピュータ5から送信される。当該送信されたデータは、作業管理装置6に含まれる図示しないプリンタにより、作業者に付与される指示書として印刷される。印刷される指示書の枚数は、集品箱20の数に相当する枚数である。この実施形態では、カート2に集品箱20が4つ載貨されるので、4枚の指示書が印刷される。
【0064】
これらの指示書には、1ラウンド分の集品作業を行うための集品情報が、バーコードで記載されている。各作業者は、各自自分に割り振られる指示書を受け取り(実際には作業管理装置6に自ら受け取りにいく)、指示書に記載されているバーコードをカート2のバーコードリーダ24で読み取る。読み取られたデータは、集品スケジュールその他の集品情報としてモニタ231に表示される(図5参照)。
【0065】
さらに、作業管理装置6が設置されている集品情報提供地点Psには、搬送手段としてのベルトコンベヤ50をそれぞれ設置してある。なお、図面では一部の集品情報提供地点Psのベルトコンベヤ50のみ示す(図1参照)。
【0066】
加えて、集品情報提供地点Psには、集品された商品が作業員によってカート2から下ろされる。当該下ろされた商品は、その後、ベルトコンベヤ50によって、図示しない出荷場(図示せず)に搬送される。出荷場では、商品を梱包した後、トラックに積み込んで、各出荷先に配送する。
【0067】
次にホストコンピュータ5について述べる。
ホストコンピュータ5も汎用のネットワークサーバであり、バス(BUS)に接続された中央処理装置(CPU)を有しており、ハードディスク装置(HD)に格納されたプログラムをメインメモリ(MM)を介して読み込み実行することで、ホストコンピュータとして機能するようになっている。
【0068】
ホストコンピュータ5は、既述のように作業管理装置6を経由して、パネルコンピュータ23との間でデータが更新されたり、新たなデータが入力されたりした場合に、これら各種データを交信する。そして、当該交信されたデータに基づいて、ホストコンピュータ5のモニタ51には(図6参照)、集品作業者の指名(又はID番号)、その作業者が取り扱うカート2のカート番号、カートの現在位置、作業の開始時間、現在の作業内容、作業の進捗状況、集品作業に必要なデータを作業管理装置6から作業者に提供したか否かの有無、その他集品スケジュールの遂行上必要な情報を表示する。
【0069】
次に図7のフローチャートを参照して、このピッキングシステムの運用例を説明する。
ステップ1:作業者は、出勤当日、割り振られたカートの作動スイッチ(図示せず)を入れた後、パネルコンピュータ23のバーコードリーダ24で自分のID番号を読み取る。読み取られたID番号は、パネルコンピュータ23のメモリ40に記憶される。
【0070】
バーコードリーダ24でID番号を読み取ると、パネルコンピュータ23のモニタ231には、カート番号とID番号とが表示されると共に、自分がその日最初に向かうべき集品情報提供地点Psを表示する。当該表示された集品情報提供地点Psが、ラウンドごとに集品作業を開始する起点になる箇所である。
【0071】
ステップ2:作業者は、ステップ1で指定された集品情報提供地点Psに移動する。
【0072】
ステップ3:作業者は、集品情報提供地点Psの作業管理装置6のプリンタから印刷された指示書を受け取る。
【0073】
ステップ4:作業者は、指示書のバーコードをバーコードリーダ24で読み込む。この読み込みによって、1ラウンド分の集品スケジュールその他の集品情報は、カート2のモニタ231に表示される。
【0074】
ステップ5:作業者は、モニタ231に表示された1ラウンド分の集品情報に基づいて、集品を順に消化するため、目的とする棚番を有する商品棚1に向かうべく、カート2を搬送路R上で移動する。
【0075】
ステップ6:目的とする棚番を有する商品棚1に到着したら、作業者は、該当するラックから受注商品を受注した個数分、集品する。そして、商品一つ一つに付されたバーコードをバーコードリーダ24で読み取る。
【0076】
ステップ7:商品のバーコードが読み取られると、カート2のどの集品箱20に商品を収納したらよいか、集品箱番号がモニタ231に表示され、商品を収納すべき集品箱がわかるようになっている。その後作業者は、指定された集品箱20に該当商品を入れる。
【0077】
このようにして、モニタ231に表示されている1ラウンド分の集品情報のうち、第1番目の受注商品のすべてについてバーコードを読み込み、集品箱20に受注商品を入れ終わると、当該受注商品についての集品作業は終了する。
集品作業が終了すると、終了分に係る集品情報と、まだ終了していない分に係る集品情報とを識別できるように、終了分については反転し、モニタ231に表示される表示色が変わる。
【0078】
ステップ8:集品作業がまだ終了していない他の受注商品の集品作業を行うために、作業者は、次の集品情報に基づいて、別の棚番を目指して移動する。
【0079】
このようにして1ラウンド分の集品作業を順次消化すると、その旨が、パネルコンピュータ23からホストコンピュータ5に無線によって瞬時に伝達される。そして、1ラウンド分の集品作業をすべて消化すると、ホストコンピュータ5からパネルコンピュータ23に無線により伝達され、カート2のモニタ231上に次回ラウンドに係る指令(集品スケジュール)が表示される。
【0080】
ステップ1〜8は、搬送路Rを稼働しているすべてのカート2について同様になされる。ホストコンピュータ5は、すべてのカート2に割り振られた各担当作業者の作業状態及
びカート2の現在位置を管理する。なお、カート2の現在位置は、集品作業を行った受注商品のバーコードを作業者がバーコードリーダ24で読み取ることで棚番が特定されるので、それによって把握できる。
【0081】
そして、カート2が他の商品を集品するための当該他の商品に付されたバーコードをバーコードリーダ24で読み込むと、ホストコンピュータ5は、その都度、カート2の位置が変更されたものと判断する。このようにしてカート2の現在位置は、ホストコンピュータ5の図示しないメモリに記憶される。したがって、当該メモリは、カート2の現在位置を記憶する記憶手段といえる。ホストコンピュータ5は、このメモリに記憶されている情報に基づいてカート2の現在位置を検出する。
【0082】
カート2の現在位置がわかれば、ホストコンピュータ5は、カート2が、各集品情報提供地点Psからどれだけ離れているかを瞬時に把握できるようにプログラミングされている。そのために、各集品情報提供地点Psから各商品棚1の各ラック11までの実質的な距離は測定され、その測定値は、ホストコンピュータ5のメモリに記憶される。
【0083】
そして、集品作業の実行中も商品保管センタには、ランダムに全国から多数の注文が来ており、当該注文に関する情報は、ホストコンピュータ5に入れられる。そしてホストコンピュータ5は、どの受注商品をどの作業者に割り振れば、最も短時間で処理できるかをカート2の現在位置及びカート(当該カートを取り扱う作業者)の平均進行速度等から絶えず計算する。そして、受注商品(指示書)をどの作業者に割り振れば最も効率良く集品できるのかをすべてのカート2について比較し、次回ラウンドに係る集品スケジュールを立てる。
【0084】
次に、次回ラウンドの集品スケジュールの立て方について例示する。
ホストコンピュータ5は、直近ラウンド(上記の場合でいうと1ラウンドのこと)に係る最後の集品を終了した直後のカート2であって、集品情報提供地点Psに最も近い位置にあるカート2の現在位置を検出するようにプログラミングされている。それ故、ホストコンピュータ5は、最後の集品が終了したカート2の現在位置を検出する集品車位置検出機能を有するといえる。したがって、集品車位置検出機能を有するホストコンピュータ5は、集品車検出手段といえる。
【0085】
また、ホストコンピュータ5は、当該集品車位置検出機能を有するホストコンピュータ5が検出した最後の集品の終了したカート2に対し、次回ラウンド用の集品情報を最寄りの集品情報提供地点Psで提供するようにプログラミングされている。すなわちホストコンピュータ5は、次回ラウンド用の集品情報提供機能をも有するといえる。したがって、集品情報提供機能を有するホストコンピュータ5は、次回ラウンド用集品情報提供手段である。
【0086】
また、ホストコンピュータ5は、次回ラウンド用の集品情報の提供を受けるカート2に対し、当該カート2によって集品した場合の集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を提供する。そして、ホストコンピュータ5は、前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を数ある集品情報の中から選択するようにプログラムされている。すなわち、ホストコンピュータ5は、集品情報選択機能を有するといえる。したがって、集品情報選択機能を有するホストコンピュータ5は、集品情報選択手段ということができる。
【0087】
なお、集品総時間とは、カート2が、集品情報提供地点Psを起点として、そこから最後の集品を終了し、次回ラウンド用の集品情報の提供される集品情報提供地点Psに到着するまでに要する時間である。
【0088】
前記集品情報選択手段であるホストコンピュータ5が、次の二者を選択した場合、ホストコンピュータ5は、前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を選択したと判断する。
(1)複数ある集品情報提供地点Psのうち、1ラウンド分の最後の集品を終了した際に最も近い位置にある集品情報提供地点Ps。
(2)次回ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の商品保管部307における保管位置の各々、及び前記最も近い位置にある集品情報提供地点Psの間の距離の総計が、最も少ない受注商品を含む集品情報。
【0089】
次に図8,9を参照しながら具体例を説明する。
図8は、商品保管部307の一部拡大平面図である。
【0090】
商品保管部307におけるA〜Tの各ゾーンの商品棚1には、注文者(あ)〜(こ)の10人の客から受注した商品が分散された状態で保管されている。またカート2は、複数ある集品情報提供地点Psのうち地点Iにある集品情報提供地点Psから最初に発進するように、ホストコンピュータ5より指示が出ているものとする。
【0091】
また、他の集品情報提供地点Psの設置地点として地点IIを示す。さらに、他の集品情報提供地点Psの設置地点として地点III及び地点IVを示す。地点II,地点III及び地点IVからもホストコンピュータ5から指示が出ることによって、カート2は発進する。
【0092】
地点Iにある集品情報提供地点Psは、図8においてゾーンAの左上に位置し、同様に地点IIにある集品情報提供地点PsはゾーンSの右下に位置し、地点IIIにある集品情報提供地点PsはゾーンFの真下に位置し、地点IVにある集品情報提供地点Psは、ゾーンEの真上に位置する。
【0093】
カート2は、地点Iの集品情報提供地点Psから発進するので、地点Iから最も近い箇所にあるゾーンAの商品棚1に受注商品が保管されている注文者(き)に係る受注商品について着目してみる。図8において、注文者(き)の受注商品は、ゾーンA以外にゾーンJとOとに保管されていることがわかる。注文者(き)からの受注商品のすべてを集品するには、作業者は、カート2と共にゾーンAからゾーンJを経由してゾーンOに向けて移動する必要がある。
【0094】
またカート2には、4つの集品箱20が設置されるので、注文者(き)以外に3人の注文者の受注商品を集品箱20に入れることを要する。
【0095】
図9は、各地点からのカート2の移動距離を示すデータテーブルであり、ホストコンピュータ5のメモリ40に記憶されている。データテーブルは、縦軸に注文者を取り、横軸にゾーンA〜Tの商品棚1を取ってなる。
【0096】
図8,9において、地点Iの集品情報提供地点Psから一番近い位置にある商品棚はゾーンAであり、一番遠い位置にある商品棚はゾーンTであることがわかる。同様に地点IIの集品情報提供地点Psから一番近い位置にある商品棚はゾーンTであり、一番遠い位置にある商品棚はゾーンAであることがわかる。
【0097】
作業者が1ラウンド分の集品作業を行うにあたり、地点Iの集品情報提供地点Psから作業者が指示書を受け取って、当該指示書に記載されている内容に基づいて集品をする場合を想定する。カート2の4つの集品箱に注文者別に受注商品を入れていく上で、カート2の移動時間が最も短いのは、注文者(あ)〜(こ)の10人の客のうち、4人の注文者
から受注した商品がゾーンAの商品棚1にすべて保管されている場合である。反対にカート2の移動時間が最も長いのは、前記4人の注文者から受注した商品がゾーンTの商品棚1にすべて保管されている場合である。
【0098】
次に地点IIの集品情報提供地点Psから作業者が指示書を受け取って、当該指示書に記載されている内容に基づいて集品をする場合を想定する。集品にあたり、カート2の移動時間が最も短いのは、前記4人の注文者から受注した商品がゾーンTの商品棚1にすべて保管されている場合であり、カート2の移動時間が最も長いのは、前記4人の注文者から受注した商品がゾーンAの商品棚1にすべて保管されている場合である。
なお、移動時間の多寡は地点I,IIから商品棚1までの距離に比例し、商品棚1から作業者が集品する時間は考慮に入れないものとする。
【0099】
ところで、カート2に集品される、4人の注文者からの受注商品が、ゾーンAやゾーンTの商品棚1のみにすべて保管されているケースは、可能性として極めて低い。
【0100】
実際はゾーンA〜T(又はT〜A)の範囲を移動して収集する場合がほとんどである。このため、集品にあたり当該移動範囲を如何に減少させるかが、効率的な作業を行う上で不可欠である。
【0101】
既述のように、作業者が地点Iの集品情報提供地点Psから出発して、注文者(き)からの受注商品をすべて集品する場合、作業者が移動する範囲はゾーンA〜Oである。そして、作業者がゾーンA〜Oを移動する範囲において、当該範囲に配置されている商品棚1に残りの3人の受注商品がすべて保管されていたならば、作業者が1ラウンド分の集品作業を行うにあたっての移動を効率的に行えることになる。しかしながら、実際にはゾーンA〜Oの範囲に残りの3人の受注商品がすべて保管されているとは限らない。このため、そのような場合には、移動範囲の変更が必要となる。
【0102】
図9を参照して具体的に説明する。
ゾーンA〜Oの移動範囲において、注文者(き)以外の他の注文者であって、当該他の注文者の受注商品のすべてが当該移動範囲に含まれる注文者は、注文者(あ)と(か)であることがわかる。なぜならば注文者(あ)の受注商品は、ゾーンBの商品棚1及びゾーンBの商品棚1にあり、注文者(か)の受注商品は、ゾーンDの商品棚1、ゾーンIの商品棚1及びゾーンNの商品棚1にあり、他のゾーンの商品棚1には、注文者(あ)及び(か)の受注商品は無いからである。
【0103】
しかし、上記の例であると、当該移動範囲において集品の対象となる受注商品に係る注文者は、(き)、(あ)、(か)の3人であり、カート2に載貨される集品箱20の数が4つであることを考えると、ゾーンA〜Oを移動している間に集品箱20の3つには集品ができても、残り1つの集品箱20には集品されないことになる。
【0104】
このため、1ラウンドですべての集品箱20に集品ができるように、作業者により操舵されるカート2の移動範囲を変更する必要が生じる。換言すれば、移動範囲がゾーンA〜Oよりも拡がるように、注文者を(き)、(あ)、(か)以外の他の注文者に着目する。この実施形体の場合で述べれば、注文商品が、ゾーンAから、ゾーンOよりも1ゾーン離れたゾーンPまでの範囲において、受注商品が商品棚1に保管されている注文者(う)に着目する(図9参照)。
【0105】
この場合、地点Iの集品情報提供地点Psを起点として、そこから作業者が注文者(う)からの受注商品をすべて集品するのに移動する範囲は、ゾーンA〜Pである。当該ゾーンA〜Pの移動範囲で他の注文者(き)と(あ)と(か)からの受注商品を併せて集品す
ることができるため、カート2に載貨されている4つあるすべての集品箱20に対して集品ができる。
【0106】
注文者(う)に着目しても4つあるすべての集品箱20に対して集品ができなかった場合は、さらに他の注文者に着目して移動する範囲を変更する。このように移動範囲の変更処理は、ホストコンピュータ5が、図9のデータテーブルを参照しながら割り出す。
【0107】
なお、ホストコンピュータ5は、数ある集品情報の中から前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を選択するために、ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の前記商品保管部における保管位置の各々、及び前記選択された集品情報提供地点の間の距離の総計が、最も少なくなる場合を演算する。
【0108】
当該演算の結果、ホストコンピュータ5は、数ある集品情報の中から前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を選択するようになるので、集品情報選択手段として機能する。また、ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の前記商品保管部における保管位置の各々、及び前記選択された集品情報提供地点の間の距離の総計が、最も少なくなる場合を演算するので、ホストコンピュータ5は、演算手段としても機能する。
【0109】
4つの集品箱20への集品がすべて終了すると、1ラウンド目が終了し、作業者は次回ラウンドである2ラウンド目に入る。なお、4つの集品箱20の集品が終了すると、集品車検出手段であるホストコンピュータ5は、当該ラウンドの終了直後のカート2の位置を検出し、当該カート2に対し、当該カート2が最も近い箇所にある集品情報提供地点Psに移動するようにモニタ231上で作業者に向けた指令を出す。この場合、カート2から最も近い箇所にある集品情報提供地点Psは、地点IIにある集品情報提供地点Psである。
【0110】
指令を受けた作業者は、カート2と共に地点IIの集品情報提供地点Psに移動し、当該集品情報提供地点Psの作業管理装置6から指示書を受け取る。指示書には、カート2が次回ラウンドである2ラウンド目の集品を行うための集品情報が含まれている。換言すると、次回ラウンド用集品情報提供手段であるホストコンピュータ5は、カート2に対し、次回ラウンド用の前記集品情報を地点IIの集品情報提供地点Psで提供する。
【0111】
2ラウンド目において、カート2は、地点IIの集品情報提供地点Psから発進するので、地点Iの場合と同様、地点IIから最も近い箇所にあるゾーンTの商品棚1に受注商品が保管されている注文者(え)に最初に着目する。
【0112】
図8において注文者(え)の他のオーダを見てみると、ゾーンT以外にゾーンGとBとに受注商品が保管されている。すなわち注文者(え)からの受注商品のすべてを集品するには、ゾーンT〜Bの範囲を作業者は移動する必要がある。但し今度は先ほどの正方向とは異なり、ゾーンTを次回ラウンドの起点として逆方向に進行する。ゾーンTを起点として逆方向に進行して集品するのが、カート2の移動距離として最も短いからである。
【0113】
すなわち、ホストコンピュータ5は、すでに終了した直近ラウンド用の集品をする場合の搬送方向とは逆の方向にカート2が進行することで、次回ラウンドを行ったとした場合において、次回ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の前記商品保管部における保管位置の各々、及び次回ラウンド用の集品情報提供地点の間の距離の総計が、最も少なくなった場合には、次回ラウンドを行う上で集品総時間は最も少ないと判断する。そして、直近ラウンド用の集品をする場合と逆の方向にカート2を進行させる。
【0114】
またカート2には、既述のように4つの集品箱20が設置されているので、注文者(え
)以外に3人の注文者の受注商品をそれぞれ集品箱20に入れてゆく必要がある。
したがって、注文者(え)の受注商品を、作業者がすべて集品するのに必要な移動範囲は、ゾーンT〜Bであるので、当該ゾーンT〜Bの移動範囲で集品することができる他の注文者の受注商品を併せて集品する。
【0115】
しかし、この場合、対象となる他の注文者は、注文者(え)以外に注文者(い)と(お)と(く)と(け)と(こ)の5人であり、注文者(え)を含めると、集品箱20は合計で6つ必要になる。しかし、集品箱20は4つしかないので、注文者(い)と(お)と(く)と(け)と(こ)のうち注文者二人分については集品ができないことになる。
【0116】
このため、前述と同様に1ラウンドですべての集品箱20に集品ができるように、カート2の移動範囲を変更する必要が生じる。換言すれば、注文者を(え)以外の他の注文者に着目する。この実施形体の場合で述べれば、注文商品が、ゾーンOよりも地点Iの集品情報提供地点Psから一つ離れたゾーンPの商品棚1に保管されている注文者(け)に着目する。
【0117】
この場合、地点IIの集品情報提供地点Psから作業者が注文者(け)からの受注商品をすべて集品するのに移動する範囲は、ゾーンT〜Fである(図9参照)。したがって、当該ゾーンT〜Fの移動範囲で他の注文者(こ)と(け)と(く)と(お)からの受注商品を併せて集品することができるため、カート2に載貨されている4つあるすべての集品箱20に対して集品ができる。
【0118】
4つの集品箱20への集品がすべて終了すると、2ラウンド目が終了し、作業者は次回ラウンドである3ラウンド目に入る。なお、2ラウンド目の終了時点で、注文者(い)及び(え)の受注商品は未収状態である。
【0119】
また、4つの集品箱20の集品が終了すると、ホストコンピュータ5は、当該ラウンドが終了した直後のカート2に対し、最も近い箇所にある集品情報提供地点Psに移動するようにモニタ231上で作業者に向けた指令を出す。この実施形態では、カート2から最も近い箇所にある集品情報提供地点Psは、地点IIIにある集品情報提供地点Psである。
【0120】
指令を受けた作業者は、カート2と共に地点IIIの集品情報提供地点Psに移動し、当該集品情報提供地点Psの作業管理装置6から指示書を受け取る。指示書には、カート2が次回ラウンドである3ラウンド目の集品を行うための集品情報を含む。
【0121】
3ラウンド目では、カート2は、地点IIIの集品情報提供地点Psから発進するので、地点IやIIの場合と同様、地点IIIから最も近い箇所にあるゾーンFの商品棚1に受注商品が保管されている注文者(け)に最初に着目する。しかし、注文者(け)の受注商品の集品は2ラウンド目で終了しているので、1ラウンド目及び2ラウンド目の対象とならなかった注文者(い)及び(え)の受注商品が集品の対象となる。
【0122】
なお、次回ラウンドとは相対的なものであり、既述した実施形態の場合のように、2ラウンド目が常に次回ラウンドというものではない。例えば2ラウンド目が直近ラウンドであれば、次回ラウンドは3ラウンド目になる。
【0123】
ところで、商品保管部307には、複数のカート2が巡回しており、注文者(い)及び(え)の受注商品を地点IIIで当該地点IIIを起点として集品するカート2によって集品するよりも、例えば図8の地点IVや地点IIを起点としてラウンドする別のカート2があった場合において、当該別のカート2によって集品した方が、集品総時間を短縮で
きるのであれば、当該別のカート2aによる注文者(い)及び(え)の受注商品の収集を行う方が効率的である。
【0124】
また、注文者(い)及び(え)の受注商品の収集をラウンドの起点場所が異なる別々のカート2によって収集した方が、効率的な場合もあり得る。よってホストコンピュータ5がそのように判断した場合には、カート2は注文者(い)及び(え)以外の別の注文者(例えば図8や9にない注文者)の受注商品を集品したり、又は休憩を取ったりする。
【0125】
また、前記集品情報選択手段としてのホストコンピュータ5は、前記直近ラウンド用の集品をカート2で行う場合の搬送方向と比較して、前記搬送路を逆方向に進行しながら集品した方が、集品総時間が少ないと判断した場合には、前記搬送路上を移動する複数の集品車を逆方向に搬送させる情報を数ある集品情報の中から選択し、集品スケジュールとして、次回ラウンド用集品情報提供手段であるホストコンピュータ5によって、前記カート2のモニタ231に提示するようにしてもよい。
【0126】
なお、図8及び図9は説明の便宜上、商品棚1を単位として説明した。しかし、商品棚1にはラック11ごとに棚番があり、同じ商品棚1であっても集品情報提供地点Psとの間の距離はラック11ごとに相違する。
【0127】
また、実際のところは、休憩や交代により作業者は交替し、作業者のスキル、男性及び女性等の違い、並びに、カート2に載貨される受注商品のカート2に掛かる重量の違いにより、カート2を操作する作業者に掛かる負荷の多寡も作業性に影響を及ぼす。
【0128】
したがって、実際は、これらの違いを総合的に把握して、ホストコンピュータ5は、受注商品をどの作業者に割り振るのが最も効率良く処理できるかについて、集品スケジュールを立てる。
【0129】
次にこのようなピッキングシステムSの作用効果について述べる。
ピッキングシステムSによれば、集品情報提供地点Psが搬送路Rに点在するので、集品作業が1ラウンド終了後、次回ラウンド用の集品情報を取得するにあたり、最寄りの集品情報提供地点Psに移動できる。したがって、集品情報提供地点が一箇所しかなかった従来のピッキングシステムと比較し、集品情報提供地点に移動するまでの距離が相対的に短くなる。したがって、ロスタイムを減少させることができる。このため注文を受けてから出荷するまでの時間を短縮させることができる。
【0130】
集品車位置検出機能を有するホストコンピュータ5によって検出されたカート2は、搬送路R上を作業者によって操作されながら移動する複数のカート2のうち、集品情報提供地点Psに最も近い位置で、直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品を終了した直後のカート2である。
したがって、当該集品車は、次回ラウンド用の集品情報を受け取るまでの間に遊び時間が無い。この結果、ロスタイムを一層減少させることができる。
【0131】
次回ラウンド用の集品情報に係る受注商品をカート2がすべて集品するために必要な集品総時間の最も少ない集品情報を、集品情報選択手段であるホストコンピュータ5により数ある集品情報の中から選択することで、カート2による集品時間を短くすることができる。
【0132】
前記集品情報選択機能を有するホストコンピュータ5は、前記複数ある集品情報提供地点Psのうち、1ラウンド分の最後の集品を終了した際に、最も近い位置にある集品情報提供地点Psと、次回ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の商品保管部307におけ
る保管位置の各々、及び前記最も近い位置にある集品情報提供地点Psの間の距離の総計が、最も少ない受注商品を含む集品情報と、を選択し、当該選択をした場合には、前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を選択したと判断するので、集品時間をさらに短くすることができる。
【0133】
直近ラウンド用の集品をする場合に搬送する方向とは逆の方向に進行した方が、集品総時間が少ないとホストコンピュータ5が判断した場合、前記搬送路R上を移動する複数のカート2を逆方向に進行させる情報を、ホストコンピュータ5がカート2のモニタ231に表示するので、カート2の移動方向は一方向に限られなくなる。この結果、集品スケジュールを多様化できるため、集品時間はさらに短くなる可能性が高まる。
【0134】
集品情報提供地点Psの各々には、カート2が集品した商品を前記カート2から荷下ろしし、当該下ろした商品を梱包し出荷する出荷場に搬送するベルトコンベヤ50がそれぞれ設けられているので、ベルトコンベヤの搬送能力に余裕ができ、集品箱20の渋滞を回避することができる。
【0135】
なお、本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0136】
例えば上記実施形態では、直近ラウンドに係る受注商品についTの最後の集品が終了したカート2を対象としたが、直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品が間近に終了するカート2を対象としてもよい。
【0137】
すなわち、前記複数のカート2のうち前記集品情報提供地点Psに最も近い位置にあり、かつ直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品を間近に終了するカート2を検出する集品車検出手段と、この集品車検出手段によって検出されたカート2に対し、次回ラウンド用の集品情報を前記最寄りの集品情報提供地点Psで提供する次回ラウンド用集品情報提供手段と、を有するピッキングシステムにしてもよい。
そして、集品車検出手段及び次回ラウンド用集品情報提供手段は、ホストコンピュータ5によって実現する。
【0138】
集品中のカート2による最後の集品位置は、集品スケジュールから当然わかる。そして、当該最後の集品位置がわかれば、次回ラウンド用の集品情報をどの集品情報提供地点Psから提供するのかということについても自明である。この場合も、次回ラウンド用の集品情報を受け取るまでの間に遊び時間が無い。したがって、ロスタイムを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】商品配送センタにおける商品保管部の平面図である。
【図2】商品棚の斜視図である。
【図3】カートの斜視図である。
【図4】ホストコンピュータとカートのパネルコンピュータとの構成図である。
【図5】カートのパネルコンピュータのモニタに表示される集品スケジュールの一例を示す図である。
【図6】ホストコンピュータのモニタに表示される管理画面を示す図である。
【図7】ピッキングシステムの運用例を説明するためのフローチャートである。
【図8】商品保管部の一部拡大平面図である。
【図9】複数の集品情報提供地点からカートの移動距離を示すデータテーブルであり、縦軸に注文者を取り、横軸に商品棚を取ってなる。
【図10】実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図11】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0140】
1 商品棚
2 カート(集品車)
5 ホストコンピュータ(集品車検出手段,次回ラウンド用集品情報提供手段,集品情報選択手段)
6 作業管理装置
7 無線アンテナ
11 ラック(保管位置)
13 バック在庫
20 集品箱
23 パネルコンピュータ
231 モニタ
232 キー入力部
24 バーコードリーダ
33 無線アンテナ
38 コンピュータ本体
40 メモリ
50 ベルトコンベヤ(搬送手段)
51 ホストコンピュータのモニタ
Ps 集品情報提供地点
R 搬送路
St スタート地点
I 地点
II 地点
S ピッキングシステム
302 集品車
306 作業管理装置
307 商品保管部
G ゴール地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品配送センタに設けられた搬送路と、
この搬送路に沿って配置される商品保管部と、
前記搬送路上を移動する複数の集品車と、
この集品車を操作する作業者に対し情報を与えるホストコンピュータと、
前記集品車に搭載され、前記ホストコンピュータからの情報を作業者に知らせるモニタを備えた集品車端末とを備え、
前記ホストコンピュータからの各種情報に基づいて、前記商品保管部に保管されている商品のうち受注商品を保管する商品保管部に作業者を集品車と共に移動させ、
当該商品保管部の中から前記受注商品を作業者により取り出して、前記集品車に収集していくピッキングシステムであって、
前記搬送路上又はその近傍のエリアには、
1ラウンドあたりの集品に必要な集品情報を前記モニタに表示するためと、
当該集品情報に基づいて行った集品作業のラウンド終了に合わせて、次回ラウンド用の集品情報を新たに前記モニタに表示するために、
前記集品車に対し集品情報の提供が可能な集品情報提供地点を、前記搬送路上又はその近傍に点在させることを特徴とするピッキングシステム。
【請求項2】
前記複数の集品車のうち前記集品情報提供地点に最も近い位置にあり、かつ直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品を終了した直後の集品車を検出する集品車検出手段と、
この集品車検出手段によって検出された集品車に対し、次回ラウンド用の集品情報を最寄りの集品情報提供地点で提供する次回ラウンド用集品情報提供手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記複数の集品車のうち前記集品情報提供地点に最も近い位置にあり、かつ直近ラウンドに係る受注商品についての最後の集品を間近に終了する集品車を検出する集品車検出手段と、
この集品車検出手段によって検出された集品車に対し、次回ラウンド用の集品情報を前記最寄りの集品情報提供地点で提供する次回ラウンド用集品情報提供手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項4】
次回ラウンド用の集品情報を取得する集品車は、
当該集品車によって1ラウンド分の集品をする場合に集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を取得すると共に、
前記次回ラウンド用集品情報提供手段が次回ラウンド用の集品情報を前記集品車に提供するにあたり、前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を、数ある集品情報の中から選択する集品情報選択手段を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
前記集品情報選択手段は、
前記複数ある集品情報提供地点のうち、1ラウンド分の最後の集品を終了した際に、最も近い位置にある集品情報提供地点と、
次回ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の前記商品保管部における保管位置の各々、及び前記最も近い位置にある集品情報提供地点の間の距離の総計が、最も少ない受注商品を含む集品情報と、を選択し、
当該選択をした場合には、前記集品総時間の最も少ない受注商品に係る集品情報を選択したと判断することを特徴とする請求項4に記載のピッキングシステム。
【請求項6】
前記モニタに表示される集品情報は、集品の順番を示す集品スケジュールを含み、
この集品スケジュールには、
前記直近ラウンド用の集品をする場合の搬送方向とは逆の方向に進行する場合が含まれることを特徴とする請求項5に記載のピッキングシステム。
【請求項7】
前記集品情報選択手段は、前記逆方向に進行して集品すると、ラウンド用の集品情報に係る全受注商品の前記商品保管部における保管位置の各々及び集品情報提供地点の間の距離の総計が、最も少ない受注商品を含む集品情報になる場合には、当該集品情報を選択し、
当該選択に基づいて、ホストコンピュータは、前記モニタに前記集品スケジュールを表示することを特徴とする請求項6に記載のピッキングシステム。
【請求項8】
前記集品情報提供地点の各々には、集品車が集品した商品を前記集品車から荷下ろしし、当該下ろした商品を梱包し、出荷する出荷場に向けて搬送する搬送手段を、それぞれ有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のピッキングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−263018(P2009−263018A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111010(P2008−111010)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(599163458)アスクル株式会社 (10)
【Fターム(参考)】