説明

ピッキングシステム

【課題】作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステム1は、複数の保管部2を設けた保管棚3と、取り出すべき物品を保管した保管部2を指示する保管側指示手段15とを備える。複数の保管側指示手段15のうちの一の保管側指示手段15が取り出すべき物品を保管した保管部2を指示する取出用表示15aを表示する場合に、その一の保管側指示手段15の周囲の他の保管側指示手段15が取出用表示15aとは異なる誘導用表示15bを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されたピッキングシステムが知られている。この従来のピッキングシステムは、部品等の物品が保管される複数の保管部を有する部品棚等の保管棚と、各保管部に対応して位置し作業者に対して取り出すべき物品が保管されている保管部を指示する複数の作業指示用LED等の指示表示手段と、この指示表示手段を制御する外部制御装置等の制御手段とを備えている。
【特許文献1】特開2002−43922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のピッキングシステムでは、作業者に対して取り出すべき物品が保管されている保管部を指示する場合、その保管部に対応する指示表示手段のみが点灯するため、作業者は点灯中の指示表示手段による取出用表示を見つけるのに時間を要し、作業効率が悪くなるおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のピッキングシステムは、物品が保管される複数の保管部を有する保管棚と、前記各保管部に対応して位置し、作業者に対して取り出すべき物品が保管されている前記保管部を指示する複数の指示表示手段とを備え、前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出すべき物品が保管されている前記保管部を指示する取出用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記取出用表示とは異なる誘導用表示を表示するものである。
【0006】
請求項2記載のピッキングシステムは、物品が保管される複数の保管部を有する保管棚と、前記保管部から取り出された物品が投入される複数の集品容器と、この各集品容器に対応して位置し、作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記集品容器を指示する複数の指示表示手段とを備え、前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記集品容器を指示する投入用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記投入用表示とは異なる誘導用表示を表示するものである。
【0007】
請求項3記載のピッキングシステムは、物品が収容される複数の集品容器と、この各集品容器に対応して位置し、作業者に対して取り出すべき物品が収容されている前記集品容器を指示する複数の指示表示手段とを備え、前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出すべき物品が収容されている前記集品容器を指示する取出用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記取出用表示とは異なる誘導用表示を表示するものである。
【0008】
請求項4記載のピッキングシステムは、物品が収容される複数の集品容器と、この集品容器から取り出した物品が投入される複数の保管部を有する保管棚と、前記各保管部に対応して位置し、作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記保管部を指示する複数の指示表示手段とを備え、前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記保管部を指示する投入用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記投入用表示とは異なる誘導用表示を表示するものである。
【0009】
請求項5記載のピッキングシステムは、請求項1または3記載のピッキングシステムにおいて、取出用表示は、一色の色表示であり、誘導用表示は、前記取出用表示の色とは異なる一色の色表示であるものである。
【0010】
請求項6記載のピッキングシステムは、請求項2または4記載のピッキングシステムにおいて、投入用表示は、一色の色表示であり、誘導用表示は、前記投入用表示の色とは異なる一色の色表示であるものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、一の指示表示手段が作業者に対して取り出すべき物品が保管されている保管部を指示する取出用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が取出用表示とは異なる誘導用表示を表示するため、作業者は誘導用表示による誘導により取出用表示を容易に見つけることができ、よって作業効率の向上を図ることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、一の指示表示手段が作業者に対して取り出した物品を投入すべき集品容器を指示する投入用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が投入用表示とは異なる誘導用表示を表示するため、作業者は誘導用表示による誘導により投入用表示を容易に見つけることができ、よって作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、一の指示表示手段が作業者に対して取り出すべき物品が収容されている集品容器を指示する取出用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が取出用表示とは異なる誘導用表示を表示するため、作業者は誘導用表示による誘導により取出用表示を容易に見つけることができ、よって作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、一の指示表示手段が作業者に対して取り出した物品を投入すべき保管部を指示する投入用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が投入用表示とは異なる誘導用表示を表示するため、作業者は誘導用表示による誘導により投入用表示を容易に見つけることができ、よって作業効率の向上を図ることができる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、取出用表示が一色の色表示であり、誘導用表示が取出用表示の色とは異なる一色の色表示であるため、作業者は取出用表示をより一層容易に見つけることができる。
【0016】
請求項6に係る発明によれば、投入用表示が一色の色表示であり、誘導用表示が投入用表示の色とは異なる一色の色表示であるため、作業者は投入用表示をより一層容易に見つけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のピッキングシステムの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1ないし図4において、1は集品システムであるピッキングシステムで、このピッキングシステム1は、商品である物品Wが保管容器Bに複数収容された状態で保管される複数の保管部2を有する水平方向長手状の保管棚3を備えている。
【0019】
また、ピッキングシステム1は、作業者Xのピッキング作業である取出作業により保管部2からオーダ情報に基づいて取り出された物品Wが投入収容される集品容器Aを保管棚3の前方位置で保管棚3の長手方向に沿って水平方向に搬送する第1集品容器搬送手段(第1集品ライン)6と、第1集品容器搬送手段6と平行に近接して配設され作業者Xの取出作業により保管部2からオーダ情報に基づいて取り出された物品Wが投入収容される集品容器Aを保管棚3の長手方向に沿って水平方向に搬送する第2集品容器搬送手段(第2集品ライン)7と、第2集品容器搬送手段7の上方にこの第2集品容器搬送手段7と平行に配設され空の保管容器Bを保管棚3の長手方向に沿って水平方向に搬送する保管容器搬送手段8とを備えている。
【0020】
集品容器Aは、例えば保冷容器である出荷容器等で上面が開口した略外形直方体状のものである。保管容器Bは、例えば外形略直方体状の段ボール箱や樹脂製のケース等である。
【0021】
保管棚3は水平方向に並んだ複数、例えば13のゾーン(ピッキング領域)にて構成され、各ゾーンは複数列複数段、例えば4列3段の保管部2にて構成されている。すなわち例えば1ゾーンが4列3段からなる12個の保管部2にて構成されている。そして、保管棚3と第1集品容器搬送手段6との間の作業者用スペース10には作業者Xが各ゾーンに対応して配置され、1人の作業者Xが1ゾーン(例えば4列3段の保管部)を担当する。
【0022】
また、保管棚3は、例えば流動棚等で、枠体11を有し、この枠体11に物品Wが保管容器Bに収容された状態で保管される複数の保管部2が設けられている。各保管部2は、保管棚3の後側から前側に向って下り傾斜する傾斜状に互いに間隔をおいて並設された複数本のフリーローラ12と、フリーローラ12上に載置された先頭の保管容器Bと当接するストッパ13とを有している。
【0023】
そして、作業者Xは、先頭の保管容器Bが空になると、空の保管容器Bをフリーローラ12上から保管容器搬送手段8の搬送面8a上に移す。先頭の空の保管容器Bがフリーローラ12上から取り出されると、後続の保管容器Bはストッパ13に当接するまで自重でフリーローラ12上を移動する。フリーローラ12上への保管容器Bの補充は保管棚3の後側から行われる。
【0024】
さらに、保管棚3の枠体11の前面には、各保管部2に対応して位置し、取出用表示15aを表示することによりオーダ情報に基づき作業者Xに対して取り出すべき物品Wが保管されている保管部2を指示する複数の保管側指示手段15が設けられている。すなわち各保管部2ごとに指示表示手段である保管側指示手段15が各保管部2の近傍に位置するように設けられている。
【0025】
第1集品容器搬送手段6は、例えば搬送方向寸法である長手方向寸法が保管棚3の長手方向寸法と略同じ1本の第1コンベヤ21にて構成されている。第1コンベヤ21は、コンベヤフレーム22を有し、このコンベヤフレーム22には複数本の搬送ローラ23が回転可能に設けられている。また、第1コンベヤ21は、例えばモータ等の単一駆動源24を有し、この単一駆動源24からの動力で複数本の搬送ローラ23が一斉に同期駆動回転して複数の集品容器Aを搬送する。これら複数本の搬送ローラ23にて水平状の搬送面6aが構成されている。
【0026】
また、第1コンベヤ21のコンベヤフレーム22のうち保管棚3の前面側と対向する側の面には、図3および図5に示すように、第1集品容器搬送手段6の搬送面6a上の各集品容器A、つまり第1コンベヤ21の停止時に第1コンベヤ21の搬送ローラ23上の各集品容器Aに対応して位置し、投入用表示26aを表示することによりオーダ情報に基づき作業者Xに対して保管部2から取り出した物品Wを投入収容すべき集品容器Aを指示する複数の第1集品容器側指示手段26が設けられている。すなわち搬送面6a上の各集品容器Aごとに指示表示手段である第1集品容器側指示手段26がその各集品容器Aの近傍に位置するように設けられている。
【0027】
第2集品容器搬送手段7は、第1集品容器搬送手段6のうち保管棚3と対向する側とは反対側の部分に近接した状態に配設されている。すなわち第1集品容器搬送手段6および第2集品容器搬送手段7は、互いに近接して平行に配設されている。そして、第2集品容器搬送手段7は、第1集品容器搬送手段6側に向って下り傾斜状の搬送面7aと、この搬送面7aと直交して位置し搬送面7a上の集品容器Aの側面を支持して集品容器Aを搬送する補助用の搬送面7bとを有している。搬送面7aの幅方向一端である長手方向に沿った下端が、搬送面6aと略同じ高さに位置する。
【0028】
なお、図4および図5に示されるように、第2集品容器搬送手段7は、補助用の搬送面7bを有しない構成でもよい。
【0029】
そして、第2集品容器搬送手段7は、例えば搬送方向寸法である長手方向寸法が保管棚3の長手方向寸法と略同じ1本の第2コンベヤ31にて構成されている。第2コンベヤ31は、コンベヤフレーム32を有し、このコンベヤフレーム32には複数本の搬送ローラ33が回転可能に設けられている。また、第2コンベヤ31は、例えばモータ等の単一駆動源34を有し、この単一駆動源34からの動力で複数本の搬送ローラ33が一斉に同期駆動回転して複数の集品容器Aを補助用の搬送面7bとともに搬送する。これら複数本の搬送ローラ33にて傾斜状の搬送面7aが構成されている。なお、補助用の搬送面7bは、例えばコンベヤフレーム32から上方に向って突出する突出フレーム35に回転可能に設けられたフリーローラ(図示せず)にて構成されている。
【0030】
また、図2に示されるように、第1集品容器搬送手段6である第1コンベヤ21の単一駆動源24と第2集品容器搬送手段7である第2コンベヤ31の単一駆動源34とは制御手段36に電気的に接続され、この制御手段36により第1コンベヤ21および第2コンベヤ31がそれぞれ個別に制御される。つまり第1コンベヤ21の駆動および停止と第2コンベヤ31の駆動および停止とがそれぞれ個別に制御される。
【0031】
保管容器搬送手段8は、例えば搬送方向寸法である長手方向寸法が保管棚3の長手方向寸法より長いコンベヤ41にて構成されている。このコンベヤ41は、コンベヤフレーム42を有し、このコンベヤフレーム42には空の保管容器Bを搬送する複数本の搬送ローラ43が回転可能に設けられている。これら複数本の搬送ローラ43にて水平状の搬送面8aが構成されている。
【0032】
また、コンベヤ41のコンベヤフレーム42のうち保管棚3と対向する側の面には、第2集品容器搬送手段7の搬送面7a上の各集品容器A、つまり第2コンベヤ31の停止時に第2コンベヤ31の搬送ローラ33上の各集品容器Aに対応して位置し、投入用表示46aを表示することによりオーダ情報に基づき作業者Xに対して保管部2からピッキングした物品Wを投入収容すべき集品容器Aを指示する複数の第2集品容器側指示手段46が設けられている。すなわち搬送面7a,7b上の各集品容器Aごとに指示表示手段である第2集品容器側指示手段46がその各集品容器Aの近傍に位置するように設けられている。第2集品容器側指示手段46は、搬送面7a,7b上の集品容器Aの真上に位置し、かつ作業者Xの目線の高さ付近に位置する。
【0033】
また一方、ピッキングシステム1は、図1に示されるように、空の集品容器(集品箱)Aを搬送する容器供給用搬送手段51を備えている。この容器供給用搬送手段51の搬送終端部には、第1分岐搬送手段53の搬送始端部および第2分岐搬送手段54の搬送始端部が接続され、この接続部分には空の集品容器Aを振り分ける振分手段(図示せず)が設けられている。第1分岐搬送手段53の搬送終端部は第1集品容器搬送手段6の搬送始端部に接続され、第2分岐搬送手段54の搬送終端部は第2集品容器搬送手段7の搬送始端部に接続されている。
【0034】
また、第1分岐搬送手段53および第2分岐搬送手段54のそれぞれの搬送途中には、集品容器Aに内袋を掛ける自動袋掛け機56、集品容器Aにラベルを貼り付ける複数台、例えば2台のオートラベラー57、手作業により集品容器Aにラベルを貼り付けるための手貼りラベラー(図示せず)、集品容器Aに貼り付けられたラベルのバーコードを読み取るバーコードリーダー58等が設けられている。
【0035】
なお、2台のオートラベラー57のうちの一方のオートラベラー57は出荷先情報を有するラベルとオーダ情報(商品注文情報)を有するラベルとの両方を貼り付けるものであり、他方のオートラベラー57はオーダ情報を有するラベルのみを貼り付けるものである。また、バーコードリーダー58は、ラベルが集品容器Aに貼り付けられているか否かをチェックするためのものである。
【0036】
さらに、第1集品容器搬送手段6の搬送終端部には、物品Wが収容された集品容器Aを次工程に向けて搬送する第1搬送手段61の搬送始端部が接続されている。第2集品容器搬送手段7の搬送終端部には、物品Wが収容された集品容器Aを次工程に向けて搬送する第2搬送手段62の搬送始端部が接続されている。
【0037】
また一方、図6に示すように、情報処理装置である制御手段36には、指示表示手段である指示手段15,26,46、警報装置等の報知手段71,72、レーザ光線発生装置等の光センサ手段73,74、および上位コンピュータ75等が電気的に接続されている。
【0038】
光センサ手段である保管側光センサ手段73は、図2および図4に示されるように、例えば保管棚3の枠体11の上部前面から前方に向って突出する取付フレーム76の先端部に取り付けられている。この保管側光センサ手段73は例えば各ゾーンに対応して配置されている。
【0039】
この保管側光センサ手段73は、図7に示されるように、保管棚3の行列状の複数(例えば12)の保管部2の前方近傍位置(取出側近傍位置)の所定角度範囲内の2次元領域、すなわち例えば基準点Pを中心とする略半円形状の2次元領域に向けて検知光(例えばレーザ光、或いは赤外LED光等)をスキャンにより投光する投光部81と、取出側の2次元領域に挿入された作業者Xの手(腕を含む)によって反射された反射光を受光する受光部82と、この受光部82が反射光を受光した場合に2次元領域に挿入された作業者Xの手の位置までの距離情報(図中Lの距離情報)とその位置に対応する角度情報(図中θの角度情報)とに基づく位置情報を取得しこの取得した位置情報を制御手段36に送信する位置情報取得部83とを有している。
【0040】
なお、距離情報は基準点Pと作業者Xの手の位置との間の距離Lに関する情報である。また角度情報は、基準点Pを通る水平方向の基準線aと、基準点Pと作業者Xの手の位置とを結んだ線bとがなす角度(ステップ角度)θに関する情報である。なお、図2に示されるように、検知光の上下方向に対する傾斜角度s、つまり検知光でスキャンされる所定の2次元領域の傾斜角度sは、例えば略15度である。
【0041】
また、制御手段36は、保管部2や物品Wの大きさ等に考慮して予め各保管部2ごとに設定された検知エリア情報を記憶する記憶部84と、保管側光センサ手段73の位置情報取得部83にて取得された位置情報が、記憶部84にて記憶された複数の検知エリア情報のうちの保管側指示手段15にて指示された保管部2に対応する検知エリア情報内のものであるか否かを判断する判断部85とを有している。
【0042】
そして、これら投光部81、受光部82、位置情報取得部83、記憶部84および判断部85にて、保管側指示手段15にて指示された保管部2に対して作業者Xがアクセスしたかどうか、つまり物品Wの取出動作をしたかどうかを確認する確認手段である取出アクセス確認手段86が構成されている。なお、取出アクセス確認手段86の検知光のスキャン角度αは、360度以下の範囲内において任意に設定可能で例えば略130度である。
【0043】
また、報知手段である保管側報知手段71は、判断部85が位置情報取得部83にて取得された位置情報が保管側指示手段15にて指示された保管部2に対応する検知エリア情報内のものでないと判断した場合に、例えば警報ランプを点灯させるものである。この保管側報知手段71は例えば各ゾーンに対応して配置されている。
【0044】
一方、光センサ手段である集品容器側光センサ手段74は、図2および図5に示されるように、例えば保管容器搬送手段8のコンベヤフレーム42の下面に取り付けられている。この集品容器側光センサ手段74は例えば各ゾーンに対応して配置されている。
【0045】
この集品容器側光センサ手段74は、上記保管側光センサ手段73と同様、図8に示されるように、複数のコンベヤ21,31上でその搬送方向に並んだ行列状の複数(例えば10)の集品容器Aの上方近傍位置(投入側近傍位置)の所定角度範囲内の2次元領域、すなわち例えば基準点Pを中心とする略半円形状の2次元領域に向けて検知光(例えばレーザ光、或いは赤外LED光等)をスキャンにより投光する投光部91と、投入側の2次元領域に挿入された物品Wおよび作業者Xの手(腕を含む)の少なくともいずれか一方、すなわち例えば作業者Xの手(腕を含む)によって反射された反射光を受光する受光部92と、この受光部92が反射光を受光した場合に2次元領域に挿入された作業者Xの手の位置までの距離情報(図中Lの距離情報)とその位置に対応する角度情報(図中θの角度情報)とに基づく位置情報を取得しこの取得した位置情報を制御手段36に送信する位置情報取得部93とを有している。
【0046】
また、制御手段36の記憶部84は、各保管部2ごとの検知エリア情報に加え、集品容器Aや物品Wの大きさ等に考慮して予めコンベヤ21,31上の各集品容器Aごとに設定された検知エリア情報を記憶する。さらに、制御手段36の判断部85は、取出アクセス確認(取出動作確認)の機能に加え、集品容器側光センサ手段74の位置情報取得部93にて取得された位置情報が記憶部84にて記憶された複数の検知エリア情報のうちの集品容器側指示手段26,46にて指示された集品容器Aに対応する検知エリア情報内のものであるか否かを判断する投入確認の機能も兼ね備えている。
【0047】
そして、これら投光部91、受光部92、位置情報取得部93、記憶部84および判断部85にて、集品容器側指示手段26,46にて指示された集品容器Aに対して作業者Xがアクセスしたかどうか、つまり物品Wの投入動作をしたかどうかを確認する確認手段である投入アクセス確認手段96が構成されている。なお、投入アクセス確認手段96の検知光のスキャン角度αは、360度以下の範囲内において任意に設定可能で例えば略140度である。
【0048】
また、報知手段である集品容器側報知手段72は、判断部85が位置情報取得部93にて取得された位置情報が集品容器側指示手段26,46にて指示された集品容器Aに対応する検知エリア情報内のものでないと判断した場合に、例えば警報ランプを点灯させるものである。この集品容器側報知手段72は例えば各ゾーンに対応して配置されている。
【0049】
ここで、取出アクセス確認手段86による検知方法の具体例について説明する。なお、投入アクセス確認手段96による検知方法は取出アクセス確認手段86と同様である。
【0050】
図9(a)および(b)に示すように、検知エリアが四角形の場合、取出アクセス確認手段86は、角度および距離によりX−Y座標に換算し、検知エリアを判定する。
【0051】
つまり、記憶部84は、各保管部2ごとに対応する検知エリア情報を、四角形の検知エリアに応じたX−Y座標情報(例えばX座標がA〜Bの範囲でかつY座標がC〜Dの範囲)として記憶する。そして、判断部85は、位置情報取得部83から送られてくる位置情報(距離情報および角度情報)をX−Y座標情報に換算し、この換算したX−Y座標情報の座標位置が取出指示に係る保管部2に対応する予め記憶したX−Y座標情報内の座標位置であるか否かを判断する。
【0052】
なお、位置情報取得部83は、取得した位置情報(距離情報および角度情報)をそのまま制御手段36に送信するものには限定されず、例えばX−Y座標情報に換算してこの換算したX−Y座標情報を位置情報として送信するものでもよい。
【0053】
また、検知エリアは任意形状に設定可能なため、四角形以外の異形、すなわち例えば保管部(間口)2の正面視中心部分を中心とする円形状でもよく、この場合には、図10(a)および(b)に示すように、取出アクセス確認手段86は、X−Y座標に換算することなく、角度および距離により直接的に検知エリアを判定する。
【0054】
つまり、記憶部84は、各保管部2ごとに対応する検知エリア情報を、円形状の検知エリアに応じた角度情報および距離情報として記憶する。すなわち例えば記憶部84は、検知エリアに接触する角度でかつ検知エリア内の距離(例えば角度がAの場合に、距離がA〜Bの範囲)を記憶する。そして、判断部85は、位置情報取得部83から送られてくる位置情報(距離情報および角度情報)の距離および角度が、取出指示に係る保管部2に対応する予め記憶した検知エリア内のものであるか否かを判断する。なお、例えば図示しないが、検知エリアが異形の場合に、その検知エリアを四角形エリアとその周辺エリアとに分けることにより、上記両方の検知方法を用いることも可能である。
【0055】
また一方、図11には表示器である保管側指示手段15の一例を示され、この保管側指示手段15は、保管棚3の枠体11の前面部11aに磁石101にて脱着可能に取り付けられ支持部11bにて下方から支持される本体部102と、この本体部102に設けられ取出用表示15aおよび誘導用表示15bを選択的に表示可能な略矩形面状の表示部103とを有している。
【0056】
表示部103は、例えば緑色の光を放つ光源である緑色発光ダイオード、赤色の光を放つ光源である赤色発光ダイオード、および各発光ダイオードからの光によって光る略矩形板状の反射板等の導光体104等にて構成されている。
【0057】
そして、保管側指示手段15はオーダ情報に基づいて制御手段36により制御され、各ゾーンに対応する左右方向および上下方向に並ぶ行列状の複数の保管側指示手段15のうちの1つの一の保管側指示手段15が点灯して作業者Xに対して取り出すべき物品Wが保管されている保管部を指示する取出用表示15aを表示する場合に、その1つの一の保管側指示手段15の周囲にこの一の保管側指示手段15と隣り合って位置する複数の他の保管側指示手段15が点灯して取出用表示15aとは異なる誘導用表示15bを表示する(図4参照)。その一の保管側指示手段15と隣り合っていない他の保管側指示手段15は消灯したままである。
【0058】
取出用表示15aは、一色の色表示、すなわち例えば緑色発光ダイオードが点灯して表示部103全体が緑色に光る緑色表示である。誘導用表示15bは、取出用表示15aの色とは異なる一色の色表示、すなわち例えば赤色発行ダイオードが点灯して表示部103全体が赤色に光る赤色表示である。
【0059】
そして、例えば上下左右の中間位置の保管側指示手段15が緑色の取出用表示15aを表示する場合には、その保管側指示手段15に対して左右方向、上下方向および互いに直交する2つ斜め方向に隣り合う8つの保管側指示手段15が赤色の誘導用表示15bを表示する。また例えば角位置の保管側指示手段15が緑色の取出用表示15aを表示する場合には、その保管側指示手段15に隣り合う3つの保管側指示手段15が赤色の誘導用表示15bを表示する。つまり1つの取出用表示15aに対して、最多で8つの誘導用表示15bが表示され最少で3つの誘導用表示15bが表示される。
【0060】
なお、保管側指示手段15は、例えば図12に示すように、保管棚3の枠体11の前面部11aおよび支持面11bに磁石106,107にて脱着可能に取り付けられる左右方向長手状の取付枠108に並設してもよい。取付枠108には配線挿通用孔109が形成され、保管側指示手段15と制御手段36とを接続する配線110が挿通されている
また、集品容器側指示手段26,46は、いずれも保管側指示手段15と基本的構成が同じ表示器である。各ゾーンにおいて第1集品容器側指示手段26と第2集品容器側指示手段46とが同時に作動することはなく、各ゾーンに対応して両指示手段26,46が制御手段36により個別に制御される。
【0061】
そして、集品容器側指示手段26,46はオーダ情報に基づいて制御手段36により制御され、各ゾーンに対応するそれぞれ左右方向(コンベヤ21,31による搬送方向)に並ぶ複数の集品容器側指示手段26,46のうちの1つの一の集品容器側指示手段26,46が点灯して作業者Xに対して取り出した物品Wを投入すべき集品容器Aを指示する投入用表示26a,46aを表示する場合に、その1つの一の集品容器側指示手段26,46の周囲にこの一の集品容器側指示手段26,46と隣り合って位置つまり左右方向に隣り合う複数または1つの他の集品容器側指示手段26,46が点灯して投入用表示26a,46aとは異なる誘導用表示26b,46bを表示する(図3、図5参照)。その一の集品容器側指示手段26,46と隣り合っていない他の集品容器側指示手段26,46は消灯したままである。
【0062】
投入用表示26a,46aは、一色の色表示、すなわち例えば緑色発光ダイオードが点灯して表示部全体が緑色に光る緑色表示である。誘導用表示26b,46bは、投入用表示26a,46aの色とは異なる一色の色表示、すなわち例えば赤色発行ダイオードが点灯して表示部全体が赤色に光る赤色表示である。
【0063】
そして、例えば左右方向の中間位置の集品容器側指示手段26,46が緑色の投入用表示26a,46aを表示する場合には、その集品容器側指示手段26,46に対して左右方向に隣り合う両側2つの指示手段26,46が赤色の誘導用表示26b,46bを表示する。また例えば端位置の指示手段26,46が緑色の投入用用表示26a,46aを表示する場合には、その指示手段26,46に隣り合う1つの保管側指示手段15が指示手段26,46が赤色の誘導用表示26b,46bを表示する。つまり1つの投入用表示26a,46aに対して、両側2つの誘導用表示26b,46bが表示される場合と片側1つの誘導用表示26b,46bbが表示される場合とがある。
【0064】
次に、ピッキングシステム1の作用等を説明する。
【0065】
空の集品容器Aが容器供給用搬送手段51に投入されると、集品容器Aは、容器供給用搬送手段51にて搬送され、振分手段にて第1分岐搬送手段53および第2分岐搬送手段54に分配される。
【0066】
第1分岐搬送手段53および第2分岐搬送手段54の各搬送途中で、集品容器Aには内袋が掛けられるとともにラベルが貼り付けられる。
【0067】
その後、第1分岐搬送手段53および第2分岐搬送手段54の各搬送終端の付近では集品容器Aが複数個、例えば5個に編成され、編成後の集品容器Aが第1集品容器搬送手段6である第1コンベヤ21と第2集品容器搬送手段7である第2コンベヤ31とに順次搬送供給される。
【0068】
そして、第1集品容器搬送手段6および第2集品容器搬送手段7のうち、集品容器Aが所定位置に先に到着した一方、例えば第1集品容器搬送手段6に関して、作業者Xは指示手段15,26の指示(取出用表示15aおよび投入用表示26a)に従って作業を開始する。なお集品容器Aの位置は、図示しない光電センサ或いはエンコーダー等により検出される。
【0069】
すなわち例えば各ゾーンの作業者Xは、自分が担当するゾーンにおける複数の保管側指示手段15中、唯一緑色に点灯して取出用表示15aを表示している保管側指示手段15に対応する1つの保管部2から物品Wを1個だけ取り出し、この取り出した1個の物品Wを複数の第1集品容器側指示手段26中、唯一緑色点灯して投入用表示26aを表示している第1集品容器側指示手段26に対応する1つの集品容器Aに投入する。
【0070】
このとき、緑色に点灯中の保管側指示手段15の周囲に位置する保管側指示手段15が赤色に点灯して誘導用表示15bを表示し、また緑色に点灯中の第1集品容器側指示手段26の周囲に位置する集品容器側指示手段26が赤色に点灯して誘導用表示26bを表示するため、アクセスすべき保管部2付近および集品容器A付近が広いエリアで光り、作業者Xの視線がそのエリア方向に向うように誘導され、取出用表示15aおよび投入用表示26aを容易に見つけ出すことが可能である。
【0071】
こうして物品Wが集品容器Aに投入されると、点灯していた指示手段15,26が全部消え、次に指示を出す指示手段15,26が点灯し、作業者Xは上記動作を繰り返す。
【0072】
そして、第1集品容器搬送手段6に関して全ゾーンのピッキング作業が完了すると、第1集品容器搬送手段6が駆動し、集品容器Aが搬送される。作業者Xは、第1集品容器搬送手段6にて集品容器Aが搬送されている間に、他方の第2集品容器搬送手段7に関して、指示手段15,46の指示(取出用表示15aおよび投入用表示46a)に従って同様の作業を開始する。すなわち例えば制御手段36は、第1集品容器搬送手段6の駆動時に、指示手段15,46を制御して指示手段15,46に指示を行わせる。このときも作業者Xは誘導用表示15b,46bによる誘導により取出用表示15aおよび投入用表示46aを容易に見つけ出すことが可能である。
【0073】
ここで、図13に示すように、保管側指示手段15が点灯しかつ集品容器側指示手段26,46が点灯すると(ステップ1)、作業者Xは、取出用表示15aを表示した保管側指示手段15に対応する保管部2から物品Wを取り出す(ステップ2)。
【0074】
この物品Wの取り出しの際、取出アクセス確認手段86は、行列状の保管部群の前方近傍位置の所定角度範囲内の2次元領域を基準点Pを中心としてスキャン角度αをもって往復回動する検知光でスキャンすることによりその2次元領域に挿入された作業者Xの手の位置を面状の検知光で検知し、この検知した位置によりアクセスされた保管部2を特定し、保管側指示手段15にて指示された保管部2に対して作業者がアクセス(取出動作)したかどうかを確認する(ステップ3)。なおそのアクセスによって実際に物品Wが取り出されたかどうかは判断しない。
【0075】
そして、保管側指示手段15にて指示された保管部2とは異なる保管部2に対してアクセスした場合、保管側報知手段71が作動して警報ランプが点灯し(ステップ4)、作業者Xに作業ミスを知らせる。
【0076】
また、作業者Xは、取り出した物品Wを投入用表示26a,46aを表示した集品容器側指示手段26,46に対応する集品容器Aに投入する(ステップ5)。
【0077】
この物品Wの投入の際、投入アクセス確認手段96は、行列状の集品容器群の上方近傍位置の所定角度範囲内の2次元領域を基準点Pを中心としてスキャン角度αをもって往復回動する検知光でスキャンすることによりその2次元領域に挿入された作業者Xの手の位置を面状の検知光で検知し、この検知した位置によりアクセスされた集品容器Aを特定し、集品容器側指示手段26,46にて指示された集品容器Aに対して作業者がアクセス(投入動作)したかどうかを確認する(ステップ6)。なおそのアクセスによって実際に物品Wが投入されたかどうかは判断しない。
【0078】
そして、集品容器側指示手段26,46にて指示された集品容器Aとは異なる集品容器Aに対してアクセスした場合、集品容器側報知手段72が作動して警報ランプが点灯し(ステップ7)、作業者Xに作業ミスを知らせる。
【0079】
そして、このようなピッキングシステム1によれば、作業者Xは誘導用表示15bによる誘導により取出用表示15aを容易に見つけることができ、かつ誘導用表示26b,46bによる誘導により投入用表示26a,46aを容易に見つけることができるため、作業効率の向上を図ることができ、また作業ミスを防止してピッキング作業精度の向上を図ることができる。
【0080】
さらに、保管棚3の近傍位置の2次元領域に向けて投光されるレーザ光等の検知光を利用して、指示手段15にて指示された保管部2に対してアクセスしたかどうかを適切に確認でき、よって、物品Wの取出時の作業ミスを防止でき、ピッキング作業精度の向上を図ることができる。
【0081】
また、複数の集品容器Aの近傍位置の2次元領域に向けて投光されるレーザ光等の検知光を利用して、指示手段26,46にて指示された集品容器Aに対してアクセスしたかどうかを適切に確認でき、よって、物品Wの投入時の作業ミスを防止でき、ピッキング作業精度の向上を図ることができる。
【0082】
さらに、レーザ光等の検知光は略半円形状の2次元領域をスキャンするので、その範囲内であれば、各保管部2ごとに光センサ手段73,74を設ける必要がなく、例えば各ゾーンごとに光センサ手段73,74をそれぞれ1台ずつ設ければよく、従来に比べて構成の簡素化を図ることができ、配線作業も簡単である。
【0083】
また、確認手段86,96の検知エリアは任意に設定可能であり、またスキャン角度も360度以下の範囲内で任意に設定可能であるため、物品Wに応じた保管棚3の幅、高さの変更や、集品容器Aの大きさ等の変更が生じた場合にも、容易に対応でき、また1ゾーンの作業者Xは一人に限定されず、1ゾーン内での複数人での作業に対応可能である。
【0084】
また、保管棚3の形状は必ずしも四角形状で有る必要はなく、例えば作業の都合上、保管棚3の一部を異なる用途で使用することも可能であり、使用しない保管部2を例えば空の段ボール箱の置き場等として段ボール箱の一部が棚前面より前方に突出する用途で使用したとしても、誤検知なく使用できる。
【0085】
さらに、例えば互いに隣り合う保管棚3間に人が通る通路等がある場合や保管棚3間のスペースが荷物置き場となっている場合等であっても、取出アクセス確認手段86によって指示された保管部2から物品Wが取り出されたかどうかを適切に確認できる。
【0086】
また一方、第1集品容器搬送手段6および第2集品容器搬送手段7がそれぞれ個別に制御されて各々が単独の集品ラインとして運用されるため、例えば第1集品容器搬送手段6および第2集品容器搬送手段7のいずれか一方が停止待機状態になってもいずれか他方に関しては作業が可能となり、また例えばいずれか一方による集品容器Aの搬送時にいずれか他方に関しては作業が可能となり、作業者Xの手待ち時間を削減でき、よって、作業効率の向上を図ることができる。
【0087】
また、第1集品容器搬送手段6は水平状の搬送面6aを有し、第2集品容器搬送手段7は第1集品容器搬送手段6側に向って下り傾斜状の搬送面7aを有する構成であるから、保管部2から取り出した物品Wを集品容器Aに投入収容しやすく、より一層作業効率の向上を図ることができる。
【0088】
なお、例えば図14に示すように、第1集品容器側指示手段26は、第1コンベヤ21のコンベヤフレーム22の側板部22aの上面に設けてもよく、また第2集品容器側指示手段46は、第2コンベヤ31のコンベヤフレーム32の両側板部32a,32bのうちの第1コンベヤ21側とは反対側の側板部32bの上面に設けてもよく、この場合、第1集品容器側指示手段26と第2集品容器側指示手段46とが略同一面上に位置し、作業者Xにとって見易い。
【0089】
また一方、ピッキングシステム1は、上記実施の形態のように、保管側指示手段15にて指示された保管部2から物品Wを取り出し、この取り出した物品Wを集品容器側指示手段26,46にて指示された集品容器Aに投入するものには限定されず、例えば図示しないが、上記実施の形態と基本的構成が同じで作業者Xの動作が逆となるシステムで、集品容器側指示手段26,46にて指示された集品容器Aから物品Wを取り出し、この取り出した物品Wを保管側指示手段15にて指示された保管棚3の保管部2に投入するものでもよい。
【0090】
すなわち例えばコンベヤ21にて搬送される物品収容容器である集品容器Aには物品Wが複数収容され、作業者Xがオーダ情報に基づいて集品容器側指示手段26,46の取出用表示26a,46aにて指示された集品容器Aから物品Wを取り出し、この取り出した物品Wを保管側指示手段15の投入用表示15aにて指示された保管部2の出荷容器である保管容器Bに投入するピッキングシステムである種まきシステムでも上記実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。この構成では、集品容器側指示手段26,46が取出用表示26a,46aおよびこの表示26a,46aに作業者Xを誘導する誘導用表示26b,46bを表示し、保管側指示手段15が投入用表示15aおよびこの表示15aに作業者Xを誘導する誘導用表示15bを表示する。
【0091】
また、取出用表示15aおよび投入用表示26a,46aが緑色表示で、誘導用表示15b,26b,46bが赤色表示である構成には限定されず、表示15a,15b,26a,26b,46a,46bの色は任意であり、また点灯か点滅かも問わず、例えば取出用表示15aおよび投入用表示26a,46aが点灯表示で、誘導用表示15b,26b,46bが点滅表示である構成でもよい。
【0092】
さらに、一色からなる色表示には限定されず、複数色からなる色表示のほか、文字、図形、記号、これらの結合またはこれらと色との結合等からなる表示でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施の形態に係るピッキングシステムの概略平面図である。
【図2】同上ピッキングシステムの部分側面図である。
【図3】同上ピッキングシステムの部分平面図である。
【図4】同上ピッキングシステムの部分斜視図である。
【図5】同上ピッキングシステムの集品容器側指示手段等を示す概略図である。
【図6】同上ピッキングシステムの一部構成図である。
【図7】同上ピッキングシステムの取出確認手段を示す概略図である。
【図8】同上ピッキングシステムの投入確認手段を示す概略図である。
【図9】(a)および(b)は同上確認手段による検知方法の一例を説明するための説明図である。
【図10】(a)および(b)は同上確認手段による検知方法の他の例を説明するための説明図である。
【図11】保管側指示手段の一例を示す斜視図である。
【図12】保管側指示手段の他の例を示す斜視図である。
【図13】同上ピッキングシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施の形態の部分側面図である。
【符号の説明】
【0094】
1 ピッキングシステム
2 保管部
3 保管棚
15 指示表示手段である保管側指示手段
15a 取出用表示
15b 誘導用表示
26 指示表示手段である第1集品容器側指示手段
26a 投入用表示
26b 誘導用表示
46 指示表示手段である第2集品容器側指示手段
46a 投入用表示
46b 誘導用表示
W 物品
A 集品容器
X 作業者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が保管される複数の保管部を有する保管棚と、
前記各保管部に対応して位置し、作業者に対して取り出すべき物品が保管されている前記保管部を指示する複数の指示表示手段とを備え、
前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出すべき物品が保管されている前記保管部を指示する取出用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記取出用表示とは異なる誘導用表示を表示する
ことを特徴とするピッキングシステム。
【請求項2】
物品が保管される複数の保管部を有する保管棚と、
前記保管部から取り出された物品が投入される複数の集品容器と、
この各集品容器に対応して位置し、作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記集品容器を指示する複数の指示表示手段とを備え、
前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記集品容器を指示する投入用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記投入用表示とは異なる誘導用表示を表示する
ことを特徴とするピッキングシステム。
【請求項3】
物品が収容される複数の集品容器と、
この各集品容器に対応して位置し、作業者に対して取り出すべき物品が収容されている前記集品容器を指示する複数の指示表示手段とを備え、
前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出すべき物品が収容されている前記集品容器を指示する取出用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記取出用表示とは異なる誘導用表示を表示する
ことを特徴とするピッキングシステム。
【請求項4】
物品が収容される複数の集品容器と、
この集品容器から取り出した物品が投入される複数の保管部を有する保管棚と、
前記各保管部に対応して位置し、作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記保管部を指示する複数の指示表示手段とを備え、
前記複数の指示表示手段のうちの一の指示表示手段が作業者に対して取り出した物品を投入すべき前記保管部を指示する投入用表示を表示する場合に、その一の指示表示手段の周囲の他の指示表示手段が前記投入用表示とは異なる誘導用表示を表示する
ことを特徴とするピッキングシステム。
【請求項5】
取出用表示は、一色の色表示であり、
誘導用表示は、前記取出用表示の色とは異なる一色の色表示である
ことを特徴とする請求項1または3記載のピッキングシステム。
【請求項6】
投入用表示は、一色の色表示であり、
誘導用表示は、前記投入用表示の色とは異なる一色の色表示である
ことを特徴とする請求項2または4記載のピッキングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−120732(P2010−120732A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295278(P2008−295278)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】