説明

ピッキング設備

【課題】各ピッキング作業領域において、複数のコンテナに対して仮置きを行い得るとともに重量検品をも行い得るピッキング設備を提供する。
【解決手段】物品が収納された物品収納部11から物品を取り出し、搬送用コンベヤ2により搬送経路Rに沿って搬送されるとともに仕分け先毎に対応付けされたコンテナ1に投入するピッキング作業領域Zが複数設けられてなるピッキング設備であって、各ピッキング作業領域Z毎に、上記物品収納部11を複数配置するとともに搬送されるコンテナ1に対し先行してピッキングを行うための物品の仮置き台4を所定個数でもって配置し、且つ上記各仮置き台4に物品の重さを量る計量器12を配置したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング設備、特に先行ピッキングを行い得るピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の物品(商品)を複数の仕分け先(例えば、配送先である)に効率よく仕分けするピッキング設備は、仕分け先毎に対応したコンテナに、物品の収納棚からコンピュータシステムにて指示されたそれぞれの注文物品をピッキングして投入を行うようにしたものである。
【0003】
このピッキング設備においては、コンテナの搬送経路に沿って、物品収納部が多数設けられた収納棚の間口が複数のピッキング作業領域に分けられるとともに、各ピッキング作業領域毎に作業者が、当該ピッキング作業領域における物品収納部からコンピュータシステムからの指示により物品をコンテナに投入するものであり、また投入する物品の個数等の間違いを防止するために、秤機能が備えられた仮置き台が具備されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、この仮置き台においては、コンピュータからの指示により、少なくとも、取り出すべき物品収納部の位置および取り出すべき物品の個数が表示されるとともに、所定の物品収納部から所定個数だけ物品を取り出し、各物品収納部において取り出された物品の重量検品が行われていた。
【特許文献1】特開2001−114407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の構成によると、各ピッキング作業領域には仮置き台が一つしか設けられておらず、しかもコンテナはタクト送りにて搬送されているため、順番に、ピッキングしなければならず、ピッキング作業に時間を要するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、各ピッキング作業領域において、複数のコンテナに対して仮置きを行い得るとともに重量検品をも行い得るようにして、ピッキング作業時間の短縮を図り得る、すなわち作業効率の向上を図り得るピッキング設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るピッキング設備は、物品が収納された物品収納部から物品を取り出し、搬送手段により所定経路に沿って搬送されるとともに仕分け先毎に対応付けされた集品容器に投入するピッキング作業領域が複数設けられてなるピッキング設備であって、
上記各ピッキング作業領域毎に、上記物品収納部を複数配置するとともに所定の搬送経路でもって搬送される集品容器に対し先行してピッキングを行うための物品の仮置き台を所定個数でもって配置し、
且つ上記各仮置き台に物品の重量を計る計量器を配置したものである。
【0008】
また、請求項2に係るピッキング設備は、請求項1に記載の設備における仮置き台に、少なくとも、ピッキング対象であることを表示し得るとともにピッキング作業の完了を知らせる作業完了ボタンおよび計量器による計量値が正しくない場合に警報を発し得る警報部を具備する仮置き台側表示器を設けたものである。
【0009】
また、請求項3に係るピッキング設備は、請求項2に記載の設備における仮置き台側表示器に、取り出す物品の個数を表示する個数表示部を具備したものである。
また、請求項4に係るピッキング設備は、請求項3に記載の設備における物品収納部に設けられた収納部側表示器の個数表示部に表示された個数に基づき仮置き台に物品をピッキングした後、作業完了ボタンを押すと計量が開始され、その計量値が正しくない場合に、警報を発し得るとともに仮置き台側および収納部側表示器の個数表示部での個数表示はそのまま維持させるように構成したものである。
【0010】
また、請求項5に係るピッキング設備は、請求項1乃至4のいずれかに記載の設備において、計量値の正否に関係なく、次のピッキング作業を開始し得るように構成したものである。
【0011】
また、請求項6に係るピッキング設備は、請求項1乃至5のいずれかに記載の設備において、
仮置き台と同じ所定個数の集品容器を各ピッキング作業領域毎に間欠的に搬送して仮置き台に先行してピッキングを行う際に、ピッキング作業領域における仮置き台の位置を示す序数と、間欠的に搬送されてくる集品容器の上記所定個数置きに割り当てられる序数とが一致するように、仮置き台に物品をピッキングさせるようにしたものである。
【0012】
さらに、請求項7に係るピッキング設備は、請求項1乃至5のいずれかに記載の設備において、
或る仮置き台が属しているピッキング作業領域よりも上手側のピッキング作業領域の中で、最も下手側のピッキング作業領域に移動されている集品容器から上手側に位置する集品容器のいずれかに対し先行してピッキングを行う際に、
仮り置きすべき仮置き台を、当該仮置き台が属しているピッキング作業領域における下手側の仮置き台から上手側の仮置き台に向かって順番に対応させるとともに、
上記仮置き台に対応する集品容器がその仮置き台に対応する位置に到来したときに自動的に物品を投入するようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
上記ピッキング設備の構成によると、各ピッキング作業領域に設けられた所定個数の仮置き台にそれぞれ計量器を配置したので、当該所定個数の集品容器に対して、先行ピッキングを行い得るとともに、各仮置き台にて、計量すなわち重量検品を行うことができ、したがって従来のように、各ピッキング作業領域毎に、一つの計量器しか配置されていないものに比べて、ピッキング作業を迅速に行うことができ、したがってピッキングの作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
また、仮置き台の計量器での計量値が正しくない場合に、仮置き台側表示器および収納部側表示器に以前の個数表示が維持されるため、物品のピッキングを再実行することができる。
【0015】
また、仮置き台の計量器での計量値の正否に関係なく、次のピッキング作業を行い得るように構成したので、計量する時間を待つ必要がないため、作業時間の短縮化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[実施の形態]
以下、本実施の形態に係るピッキング設備を、図1〜図6に基づき説明する。
このピッキング設備を、簡単に説明すると、所定の搬送経路に沿って搬送されるコンテナ(集品容器の一例)に、その搬送経路に沿って配置された多数の種類の物品(商品でもある)を収納している収納棚から、仕分け先の注文に係る物品を作業者(ピッカーともいう)が、予め、仮置き台上にピッキング(集品)しておき、その仕分け先に対応するコンテナが到着(または、到来)したときに、仮置き台にピッキングされた物品を当該コンテナに投入するようにしたものであり、また、この仮置き台にて、物品の計量(重量検品で、物品の種類または個数のチェックが可能となる)を行うようにしたものである。また、このピッキング設備においては、作業者によるピッキング作業領域が決められており、このピッキング作業領域に応じて、収納棚での物品収納部の範囲つまり作業者が担当する間口および担当する仮置き台の個数が予め決められている。
【0017】
すなわち、このピッキング設備は、図1および図2に示すように、コンテナ1を所定の搬送経路Rに沿って順番に搬送するための搬送手段である搬送用コンベヤ(具体的には、ローラコンベヤが用いられるが、ベルトコンベヤを用いてもよい)2と、この搬送用コンベヤ2に沿って配置された多数の種類の物品を収納する収納棚3と、この収納棚3に対向して且つ上記搬送用コンベヤ2の上方に配置された物品の仮置き台4群と、この設備における仕分け作業を制御する制御装置(図6に示す)5とから構成されている。
【0018】
上記収納棚3は、所定幅の間口でもって複数のピッキング作業領域(以下、作業ゾーンという)Z1〜Zn[図1では11個(n=11)設けられている]に仕切られるとともに、これら各作業ゾーンZ毎に複数の物品収納部11が具備されている。なお、これら各物品収納部11には、種類毎に物品が収納されている。
【0019】
上記仮置き台4は、各作業ゾーンZ毎に所定個数(例えば5個)ずつ配置されており、また各仮置き台4には、その重量(質量)を計測して正しく物品がピッキングされているか否かを調べる計量器(重量検品器であり、所謂、秤が用いられる)12が配置されている。
【0020】
そして、各物品収納部12の開口部分には第1表示器(収納部側表示器)13が配置されるとともに、各仮置き台4には第2表示器(仮置き台側表示器)14が配置されている。
【0021】
上記第1表示器13には、図4に示すように、少なくとも、取り出すべき物品収納部11をランプにて表示し得るとともに作業の完了を知らせる作業完了ボタン13aと、取り出す物品の個数を表示する個数表示部(例えば、デジタル表示画面)13bと、強制完了ボタン(キャンセルボタンともいう)13cとが具備されている。
【0022】
上記第2表示器14には、図5に示すように、少なくとも、ピッキングすべき仮置き台4をランプにて表示し得るとともに計量値が正しくない場合に警報を発し得る(警報部の一例で、具体的には、ピッキングすべき仮置き台を表示する色とは異なる警報色を表示し得る、または点滅間隔を変更し得るランプが用いられる)且つピッキング作業の完了を知らせ得る作業完了ボタン14a(このボタンに複数の機能を具備させたが、勿論、各機能毎にボタンを設けるようにしてもよく、また警報については警報部となる警報灯を別途設けることもできる)と、ピッキングする物品の個数を表示する個数表示部(例えば、デジタル表示画面)14bと、強制完了ボタン(キャンセルボタンともいう)14cと、ピッキング作業の完了後に物品をコンテナ1に投入可能であることをランプにて表示するとともに投入作業が完了したことを知らせる投入ボタン14dとが具備されている。
【0023】
なお、図示しないが、収納棚3の各作業ゾーンZ毎には、1つのタクトに対する棚側作業が完了したことを示す棚側作業完了灯が設けられており、また仮置き台4での作業すなわち全体作業が完了したことを示す全体作業完了灯が設けられている。
【0024】
次に、制御装置5について説明する。
この制御装置5は、図6に示すように、顧客毎に、つまり仕分け先毎に応じて仕分ける物品データを入力して、所定の各種データ(例えば、作業の指示データ、制御データなど)を作成する統括制御部(上位システムともいう)21と、この統括制御部21からの各種データを入力して、各表示器、計量器などを制御する管理制御部22と、この管理制御部22からの指示により第1および第2表示器13,14を制御する表示器コントローラ23並びに計量器12を制御する計量器コントローラ24とが具備されている。なお、少なくとも、各制御部21,22については、コンピュータが用いられる。
【0025】
上記統括制御部21からは、例えば、仕分け先毎の物品出荷データ(仕分け先、物品の種類、個数など)、物品の収納位置データ(つまり、作業ゾーン、物品収納部)、物品の重量マスタデータなどが管理制御部22に出力される。
【0026】
上記管理制御部22からは、例えば、取り出すべき物品収納部11の第1表示器13への収納指示(位置表示、個数表示)、ピッキングする仮置き台4を指示する仮置き指示(位置表示、個数表示)などが表示器コントローラ23に出力されるとともに、各計量器12への計量指示が計量器コントローラ24に出力される。また、仮置き台4での重量検品については管理制御部22にて行われ、したがって計量器12での計量値は管理制御部22に入力される。
【0027】
なお、図1に示すように、仕分け作業に入る前のコンテナ1の空重量(風袋重量)と、仕分け作業を完了した後の総重量とを計測する第1ライン用計測器6および第2ライン用計測器7が搬送用コンベヤ2の途中に配置されて、コンテナ1に仕分けされた全品に対する重量チェックも行われている(場合によっては、これらライン用計測器6,7を配置しなくてもよい)。例えば、これらライン用計測器6,7として、計測用コンベヤが用いられる。また、搬送用コンベヤ2上における各コンテナ1の識別は、例えばコンテナ1の側面などに貼り付けられたバーコードなどの識別ラベルを、収納棚3つまり作業ゾーンZの手前(上手側)に設けられたバーコードリーダにより読み取ることにより行われる。
【0028】
ここで、コンテナ1の搬送方式について簡単に説明しておく。
本実施の形態においては、図2に示すように、コンテナ1を5個ずつの区切り(所謂、組である)でもってタクト送りするものとして説明する。
【0029】
すなわち、各作業ゾーンZにおいて、一人の作業者Pが担当するコンテナ1すなわち仮置き台4は最大5個であり、当然、5個の仮置き台4と5個のコンテナ1とは、1対1で対応付けされていることになる。なお、以下の説明に際して、作業ゾーンZにおける5個の仮置き台4を下流側から第1、第2、第3、第4、第5と番号を付し、また1つのタクトに相当する5個で一組のコンテナ1についても、下流側から第1、第2、第3、第4、第5と番号を付して、序数(順序数)を用いて取り扱うことにする。
【0030】
本実施の形態に係るピッキング設備では、上述したように、先行ピッキングが行われており、すなわち5個の仮置き台4に対して5個のコンテナ1が対応付けされており、このため、各仮置き台4の位置に到着するコンテナ1に対してだけ、先行ピッキングを行うことができる。
【0031】
例えば、図3に示すように、最も下流側の作業ゾーンZ1に着目すると、搬送用コンベヤ2上では#1〜#5にて示す最初のタクトに係る一番目のコンテナ1群が到着しているが、この作業ゾーンZ1において先行ピッキングの対象となるのは、次のタクトに係る二番目のコンテナ群では#6(第1)、#9(第4)、#10(第5)のコンテナ1であり、さらに次のタクトに係る三番目のコンテナ1群では#12(第2)、#13(第3)のコンテナ1である。
【0032】
このように、コンテナ1が5個ずつタクト送りされるため、仮置き台4とコンテナ1群との序数はそれぞれ一致することになる。
次に、上記ピッキング設備でのピッキング作業について説明する。
【0033】
まず、仕分け作業に先立ち、統括制御部21から管理制御部22に各種のデータが出力されるとともに、この管理制御部22から表示器コントローラ23および計量器コントローラ24に、仕分け先に応じて、それぞれの作業表示データおよび計量データが出力されているものとする。
【0034】
仕分け作業が開始されると、仕分け先であるコンテナ1毎に各物品収納部11の第1表示器13、仮置き台4の第2表示器14に作業表示データ(ランプの点灯指示データ、個数データ)および計量器12に計量データ[例えば、単品重量、ピッキングされる物品の合計重量]がそれぞれ出力されている。
【0035】
第1作業ゾーンZ1での作業に着目して説明すると、仮置き台4は5個あるため、先行ピッキングできるコンテナは5個であるが、上述したように、コンテナ1がタクト送りされるため、第1の仮置き台4には、5N(N=0,1,2・・・であり、以下同じ)+1(序数は1である)の番号(#)のコンテナ1について先行ピッキングを行うことができ、第2の仮置き台4には、5N+2(序数は2である)の番号(#)のコンテナ1について先行ピッキングを行うことができる。つまり、序数がn(1〜5の整数)の仮置き台4には、5N+n(序数)の番号(#)のコンテナ1について先行ピッキングを行うことができる。
【0036】
ここで、仮置き台4とコンテナ1との対応、すなわち割当て方法を一般的に記載すると、仮置き台4の個数と同じ所定個数nのコンテナ1を各作業ゾーンZ毎に間欠的に搬送して仮置き台4に先行ピッキングを行う際に、作業ゾーンZにおける仮置き台4の位置を示す序数と、間欠的に搬送されてくるコンテナ1の上記所定個数n置きに割り当てられる序数とが一致するように、仮置き台4に物品をピッキングさせるようにしたものである。
【0037】
この先行ピッキング時には、仮置き台4の第2表示器14の作業完了ボタン14aが点滅(例えば、緑)するとともに個数表示部14bにはピッキングされる合計個数が表示され、また物品収納部11の間口部分に設けられた第1表示器13の作業完了ボタン13aが点灯され、この作業完了ボタン13aが点灯している物品収納部11からその個数分だけ取り出し作業完了ボタン13aを押した後、仮置き台4にピッキングする。この作業を、第1表示器13の作業完了ボタン13aが点灯している物品収納部11に対して全て行う。なお、作業完了ボタン13aが押されると、個数表示部13bの表示はそのまま維持されるとともに作業完了ボタン13aのランプが消灯する。
【0038】
そして、全ての物品のピッキングが完了すると、仮置き台4に設けられた第2表示器14の作業完了ボタン14aが押される。
作業完了ボタン14aが押されると、計量器12が作動し、仮置き台4にピッキングされた物品の合計重量が計量されるとともに、この計量値と統括制御部21から入力された重量データとが比較されて重量検品が行われる。
【0039】
両者に誤差がない場合、すなわち計量値が正しい場合には、作業完了ボタン14aのランプが消灯するとともに、全体作業完了灯が点灯して、物品のコンテナ1への投入待機状態となる。
【0040】
一方、計量値が正しくない場合、すなわちピッキングミスが生じている場合には、作業完了ボタン14aのランプが赤の点滅状態(警報表示)となる(この場合、ランプが警報部となる)。
【0041】
このように、正しくない場合には、個数表示部14bに合計個数の表示が残る(表示が維持される)とともに、物品収納部11の第1表示器13の個数表示部13bについても、以前の個数表示状態が維持(保持)されているため、作業者Pによる物品のピッキングが再実行できるようにされている。すなわち、ピッキングミスが発生した場合でも、ピッキング作業を容易に且つ確実に再実行することができる。
【0042】
この再度のピッキング作業が済み、強制完了ボタン14cが押されると作業完了ボタン14aのランプが消灯し、全体作業完了灯が点灯する。
このように、#6のコンテナ1に対するピッキング作業が済むと、次の#9コンテナ1に対するピッキング作業が行われ、これについても、完了すると、#10コンテナ1に対するピッキング作業が行われる。
【0043】
この#10コンテナ1に対応する仮置き台4へのピッキング作業が完了すると、次にのタクトに係る二番目のコンテナ1群における#12のコンテナ(序数は2である)1に対する先行ピッキング作業が行われる。この先行ピッキング作業が完了すると、同様に、#13のコンテナ1(序数は3である)に対する先行ピッキング作業が行われる。この場合、序数が第2および第3の仮置き台4が使用される。
【0044】
勿論、上手側の他の作業ゾーンZでも、同様にピッキング作業が行われており、全ての作業ゾーンZでのピッキング作業が完了すると、自動的に、コンテナ1が1タクト分搬送されて、次のタクトに係るコンテナ群が移動される。つまり、#6コンテナ1、#9コンテナ1および#10コンテナ1が到着することになり、これらコンテナ1が第1作業ゾーンZ1における仮置き台4に到着すると、第2表示器14の投入ボタン14dのランプが点灯し、作業者Pにより、仮置き台4にピッキングされた物品が当該仮置き台4に対応して到着したコンテナ1内に投入される。投入が済むと、投入ボタン14dを押して投入作業が完了したことを知らせる(管理制御部、統括制御部へ)。なお、投入ボタン14dのランプおよび全体作業完了灯が消灯する。
【0045】
しかし、その次のタクトに係るコンテナ1に対応する仮置き台4上の物品については、投入が行われず、次のタクトに係る三番目のコンテナ1群が到着したときに、第2および第3の仮置き台4の投入ボタン14dのランプが点灯し、作業者Pにより、#12のコンテナ1および#13のコンテナ1に物品が投入される。
【0046】
このように、各作業ゾーンにタクト搬送に係るコンテナの個数分と同じ個数の仮置き台を配置して、当該個数分のコンテナについての先行ピッキングを行い得るようにしたので、ピッキング作業の効率化を図ることができ、さらに各仮置き台において、ピッキングされた物品群に対して単品重量に基づく個数のチェック、すなわち重量検品を行うようにしたので、例えばピッキング作業開始の手前位置で計量されたコンテナの空重量とピッキング作業終了後のコンテナを含めた総重量とから得られるピッキングされた全ての物品の実重量に基づき検品を行う場合に比べて、その検品精度を著しく向上させることができる。
【0047】
つまり、作業ゾーン毎に検品を行うため、すなわち作業ゾーン毎では、通常、取り出される物品の殆どが1種類であり、多くてもほんの数種類であるため、重量による個数および種類のチェックを精度良く行うことができる。
【0048】
一方、全ての物品が投入されたコンテナに対して重量検品を行う場合には、複数の種類について投入ミスがありしかも互いの誤差分が相殺されるような事態が発生すると、検品が正常であると判断されてしまうが、本実施の形態の構成によると、このような誤った判断が行われるのを防止することができる。
【0049】
なお、上記説明においては、作業者が一人で担当する仮置き台を5個として説明したが、勿論、5個に限定されるものではなく、例えば4個以下または6個以上であってもよい。また、各表示器のボタンにランプを設けて、作業位置などの表示機能、警報機能などを併せ持たせるようにしたが、それぞれを独立に、すなわちランプとボタンとを分離して設けることもできる。
【0050】
ところで、上記実施の形態においては、計量器による計量値が正しい場合に、次のピッキング作業を行うように説明したが、計量値が正しくない場合でも、すなわち計量値の正否に関係なく、次のピッキング作業を開始できるように構成することができる。この場合、次のピッキング作業の完了後に、再度、計量値が正しくなかった仮置き台に対して、ピッキング作業のやり直しが行われる。
【0051】
このように構成することにより、計量する時間を待つ必要がなく、直ちに、次のピッキング作業に移ることができるため、作業時間の短縮化を図ることができる。
また、上記実施の形態においては、仮置き台からコンテナへの物品の投入を作業者員が行うように説明したが、例えば自動投入にて行うようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記実施の形態においては、コンテナをタクト搬送する場合について説明したが、連続搬送する場合にも適用することができる。
タクト搬送の場合には、タクトに係るコンテナの搬送個数に応じて仮置き台の個数が設けられているが、連続搬送の場合には、このような制約はなく、先行ピッキングが発生した順番に仮置き台に物品をピッキングしておき、当該仮置き台に対応するコンテナが到来した(移動された)ときに投入するだけでよい。この場合、仮置き台からコンテナへの投入は自動的に行われる。
【0053】
このようなピッキング設備を、連続搬送する部分に着目して、一般的に説明すると下記のようになる。
すなわち、このピッキング設備は、上記実施の形態で説明したピッキング設備の構成において、
或る仮置き台が属しているピッキング作業領域よりも上手側のピッキング作業領域の中で、最も下手側のピッキング作業領域に移動されている集品容器から上手側に位置する集品容器のいずれかに対し先行してピッキングを行う際に、
仮り置きすべき仮置き台を、当該仮置き台が属しているピッキング作業領域における下手側の仮置き台から上手側の仮置き台に向かって順番に対応させるとともに、
上記仮置き台に対応する集品容器がその仮置き台に対応する位置に到来したときに自動的に物品を投入するようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係るピッキング設備の概略構成を示す平面図である。
【図2】同ピッキング設備の要部の平面図である。
【図3】同ピッキング設備での作業を説明する平面図である。
【図4】同ピッキング設備における第1表示器の構成を示す図である。
【図5】同ピッキング設備における第2表示器の構成を示す図である。
【図6】同ピッキング設備における制御系統を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
1 コンテナ
2 搬送用コンベヤ
3 収納棚
4 仮置き台
5 制御装置
11 物品収納部
12 計量器
13 第1表示器
13a 作業完了ボタン
13b 個数表示部
13c 強制完了ボタン
14 第2表示器
14a 作業完了ボタン
14b 個数表示部
14c 強制完了ボタン
14d 投入ボタン
21 統括制御部
22 管理制御部
23 表示器コントローラ
24 計量器コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が収納された物品収納部から物品を取り出し、搬送手段により所定経路に沿って搬送されるとともに仕分け先毎に対応付けされた集品容器に投入するピッキング作業領域が複数設けられてなるピッキング設備であって、
上記各ピッキング作業領域毎に、上記物品収納部を複数配置するとともに所定の搬送経路でもって搬送される集品容器に対し先行してピッキングを行うための物品の仮置き台を所定個数でもって配置し、
且つ上記各仮置き台に物品の重量を計る計量器を配置したことを特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
仮置き台に、少なくとも、ピッキング対象であることを表示し得るとともにピッキング作業の完了を知らせる作業完了ボタンおよび計量器による計量値が正しくない場合に警報を発し得る警報部を具備する仮置き台側表示器を設けたことを特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
仮置き台側表示器に、取り出す物品の個数を表示する個数表示部を具備したことを特徴とする請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
物品収納部に設けられた収納部側表示器の個数表示部に表示された個数に基づき仮置き台に物品をピッキングした後、作業完了ボタンを押すと計量が開始され、その計量値が正しくない場合に、警報を発し得るとともに仮置き台側および収納部側表示器の個数表示部での個数表示はそのまま維持させるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のピッキング設備。
【請求項5】
計量値の正否に関係なく、次のピッキング作業を開始し得るように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のピッキング設備。
【請求項6】
仮置き台と同じ所定個数の集品容器を各ピッキング作業領域毎に間欠的に搬送して仮置き台に先行してピッキングを行う際に、ピッキング作業領域における仮置き台の位置を示す序数と、間欠的に搬送されてくる集品容器の上記所定個数置きに割り当てられる序数とが一致するように、仮置き台に物品をピッキングさせるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のピッキング設備。
【請求項7】
或る仮置き台が属しているピッキング作業領域よりも上手側のピッキング作業領域の中で、最も下手側のピッキング作業領域に移動されている集品容器から上手側に位置する集品容器のいずれかに対し先行してピッキングを行う際に、
仮り置きすべき仮置き台を、当該仮置き台が属しているピッキング作業領域における下手側の仮置き台から上手側の仮置き台に向かって順番に対応させるとともに、
上記仮置き台に対応する集品容器がその仮置き台に対応する位置に到来したときに自動的に物品を投入するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のピッキング設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−195482(P2008−195482A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31436(P2007−31436)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】