説明

ピラゾール誘導体、それを含有する医薬組成物及びその製造中間体

本発明は、優れたヒトナトリウム/グルコース共輸送担体(SGLT)阻害作用を発現し、グルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みに起因する疾患(糖尿病、食後高血糖、耐糖能異常、糖尿病性合併症等)の予防、進展阻止又は治療薬として有用な、一般式


〔RはH,置換可C1−6アルキル等;Q及びTは一方が


から選択される基であり、他方が−Z−Ar(Zは−O−、−S−等;Arは置換可C6−10アリール等)等;Rは置換可C3−8シクロアルキル,置換可C6−10アリール等)で表されるピラゾール誘導体及びその薬理学的に許容される塩、並びにそれらのプロドラッグ、並びにそれを含有する医薬組成物、その医薬用途及びその製造中間体を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、医薬品として有用なピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグ、それを含有する医薬組成物およびその製造中間体に関するものである。
さらに詳しく述べれば、本発明は、例えば、糖尿病、食後高血糖、耐糖能異常、糖尿病合併症等の、グルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みに起因する疾患の予防、進展阻止又は治療薬として有用な、ナトリウム/グルコース共輸送担体に対して阻害作用を有するピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグ、それを含有する医薬組成物およびその製造中間体に関するものである。
【背景技術】
グルコースは、生体にとって最も重要なエネルギー源であり、生体内で利用されるために細胞膜を介して細胞に取り込まれる。この細胞膜での取り込みには、糖輸送担体と呼ばれる膜タンパク質が関与している。糖輸送担体は、細胞内外のグルコース濃度差によってグルコースを取り込む促通拡散型糖輸送担体、および細胞内外のイオン濃度差を利用することによりグルコースを取り込むナトリウム/グルコース共輸送担体(SGLT)の2つに大別される(例えば、文献1参照)。SGLTとして、これまで、ヒト小腸には主として高親和性ナトリウム/グルコース共輸送担体であるSGLT1が存在し、ヒト尿細管に主として低親和性ナトリウム/グルコース共輸送担体であるSGLT2が存在することが知られている(例えば、文献2及び3参照)。
ヒトSGLT1の先天的異常による機能不全の患者ではグルコース及びガラクトースの吸収が不良となることが報告されており、SGLT1はグルコースとガラクトースの吸収に関与することが確認されている(例えば、文献4及び5参照)。また、OLETFラットやストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットにおいてSGLT1のmRNAや蛋白が増加し、グルコース等の吸収が亢進していることが確認されている(例えば、文献6及び7参照)。糖尿病患者は、一般的に糖質の消化・吸収が亢進しており、例えば、ヒト小腸において、SGLT1のmRNAや蛋白が高発現していることが確認されている(例えば、文献8参照)。
腎臓の近位尿細管のS1領域にはSGLT2が存在し、このSGLT2が糸球体ろ過されたグルコースの再吸収に主として関与していることが報告されている(例えば、文献9参照)。
糖尿病は食生活の変化や運動不足を背景とした生活習慣病の一つである。それ故、糖尿病患者には食事療法や運動療法が実施されているが、充分なコントロールや継続的実施が困難な場合、薬物療法が併用されている。現在、近年の糖尿病患者数の急増を背景に糖尿病治療薬として種々の薬剤が開発されており、ビグアナイド薬、スルホニルウレア薬、インスリン感受性増強薬やα−グルコシダーゼ阻害薬などの糖尿病治療薬が使用されている。しかしながら、ビグアナイド薬には乳酸アシドーシス、スルホニルウレア薬には低血糖、インスリン感受性増強薬には浮腫などの副作用が認められることがある上、肥満化を促進させることが懸念されている。また、小腸における糖質の消化・吸収を遅延させるα−グルコシダーゼ阻害薬が食後高血糖改善のために使用されており、その一つであるアカルボースには、耐糖能異常者に適応することにより、糖尿病の発症を予防又は遅延させる効果があることが報告されている(例えば、文献10参照)。しかしながら、α−グルコシダーゼ阻害薬は、単糖であるグルコース摂取による血糖上昇には作用しないため(例えば、文献11参照)、最近における食事中の糖質構成の変化に伴い、更に広範な糖質吸収阻害作用が要請されている。
また、糖尿病では、マンノースの血中濃度が上昇することが知られており(例えば、文献12参照)、血中マンノース濃度は代謝性疾患における血糖値や中性脂肪と正の相関を示し、HDLコレステロールとは負の相関を示すことが明らかになっている(例えば、文献13参照)。糖尿病ラットの腎糸球体にはマンノースやフルクトースが蓄積することが知られており、糖尿病性腎症の発症や進展にこれらの糖が関与することが指摘されている(例えば、文献14参照)。更には、糖尿病合併症の一因とされるタンパク質の糖化反応において、マンノースおよびフルクトースはグルコースの5倍以上のタンパク質糖化能を持つことが示されている(例えば、文献15参照)。フルクトースにおいては、細胞内での代謝経路においてATPを多量に消費し、かつ乳酸を形成することから、所謂フルクトース毒性をもたらすことも知られている(例えば、文献16参照)。このように、糖尿病は様々な病態を呈し、その悪化は糖尿病合併症に至る危険性がある。糖尿病合併症の発症やその進展阻止のため、近年糖尿病治療において大規模臨床試験が実施され、多くの知見が得られている(例えば、文献17及び18参照)。また、耐糖能異常や大血管障害に関する多くの疫学研究では、糖尿病に加え、境界型である耐糖能異常も大血管障害のリスク因子であることが示されており、食後高血糖是正の必要性も報告されている(例えば、文献19参照)。
上述の状況下、SGLT阻害薬として、ヒトSGLT1阻害により小腸でのグルコース等の糖質吸収を阻害して血糖値の上昇を抑制し、特に食後高血糖の是正に有用なSGLT1阻害薬、腎臓において過剰なグルコースの再吸収を阻害することで尿糖の排泄を促進させて血糖値を低下させる、新しいタイプの糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬が見出されている(例えば、文献20〜28参照)。尿糖排泄促進薬は、過剰な血糖を尿から排泄させるため、体内での糖の蓄積が減少することから、肥満症の防止又は軽減効果や利尿効果も期待できる。また、SGLT阻害薬は、高血糖症に起因し、糖尿病や肥満症の進展に伴い発症する各種の関連疾患にも有用であると考えられる。更に、SGLT阻害薬として知られているフロリジンを用いた研究から、SGLTの阻害により糖の尿中排泄を促進させて血糖が低下し、インシュリン抵抗性が改善されることが確認されている(例えば、文献29及び30参照)。このように、近年、SGLTを阻害する種々の阻害薬が見出され、糖尿病を始めとした糖・脂質・エネルギー代謝に関連する疾患の治療薬として開発が進められている(例えば、文献31、32及び33参照)。
最近、SGLTファミリーとして、更にナトリウム/グルコース共輸送担体活性を有するタンパク質(以下SMINTという)をコードする新たな遺伝子が見出された(文献34参照)。そのDNA配列(配列番号1参照)およびアミノ酸配列(配列番号2参照)はSGLT1およびSGLT2と高い相同性を示し、これらの遺伝子を発現させた哺乳細胞はナトリウム依存的な糖取込活性を示した。後述する通り、SMINTはヒトの腎臓及び小腸に多く分布しており、グルコース以外に1,5−アンヒドログルシトール、フルクトースおよびマンノースを輸送する特性を有していることが確認され、SMINTが1,5−アンヒドログルシトール/フルクトース/マンノース輸送担体として機能していることが判明した。また、腎臓等に1,5−アンヒドログルシトール/フルクトース/マンノース輸送担体が機能的に存在していることが報告されている(例えば、文献35及び36参照)。それ故、SMINT阻害薬は、1,5−アンヒドログルシトール/フルクトース/マンノース輸送担体に対して阻害作用を示し、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症を始めとする、グルコース、フルクトースやマンノースの過剰取り込みに起因する各種疾患の予防、進展阻止又は治療として有用であると考えられる。
上述の如く、SGLT1阻害薬、SGLT2阻害薬、SMINT阻害薬などのSGLT阻害薬は、糖尿病や糖尿病合併症を始めとする各種の疾患の予防、進展阻止又は治療に有用な優れた薬剤である。本発明は、SGLTに対して阻害作用を有し、グルコース、フルクトース、マンノース等の過剰取り込みを阻害する(具体的には、小腸での吸収、又は腎臓での再吸収や細胞内取り込みなど)、グルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みに起因する種々の疾患の予防、進展阻止又は治療に有用である、新規な化合物を提供するものである。
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文献5:笠原道弘、外2名,「最新医学」,1996年1月,第51巻,第1号,p.84−90
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文献8:J.Dyer、外4名,「Am.J.Physiol.」,2002年2月,第282巻,第2号,p.G241−G248
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文献11:小高裕之、外3名,「日本栄養・食糧学会誌」,1992年,第45巻,p.27
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文献19:富永真琴,「内分泌・糖尿病科」,2001年11月,第13巻,第5号,p.534−542
文献20:国際公開第WO02/098893号パンフレット
文献21:国際公開第WO01/16147号パンフレット
文献22:国際公開第WO02/053573号パンフレット
文献23:国際公開第WO02/068439号パンフレット
文献24:国際公開第WO02/068440号パンフレット
文献25:国際公開第WO02/36602号パンフレット
文献26:国際公開第WO02/088157号パンフレット
文献27:国際公開第WO03/020737号パンフレット
文献28:特開2003−12686号公報
文献29:Luciano Rossetti、外4名,「J.Clin.Invest.」,1987年5月,第79巻,p.1510−1515
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文献31:Kenji Arakawa、外7名,「Br.J.Pharmacol.」,2001年1月,第132巻,第2号,p.578−586
文献32:Masayuki Isaji、外8名,「FASEB J.」,2001年3月,第15巻,第4号,p.A214
文献33:Kenji Katsuno、外7名,「FASEB J.」,2001年3月,第15巻,第4号,p.A214
文献34:特開2004−000177号公報
文献35:Toshikazu Yamanouchi、外5名,「Biochim.Biophys.Acta.」,1996年8月,第1291号,第1号,p.89−95
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【発明の開示】
本発明者らは、SGLT阻害薬を見出すべく鋭意研究した結果、下記一般式(I)で表されるある種のピラゾール誘導体が、下記の如くSGLT1、SGLT2及び/又はSMINT阻害作用を発現し、グルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みを阻害する優れた薬剤であるという知見を得、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、
[1]一般式

〔式中、
は水素原子、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
QおよびTはどちらか一方が

から選択される基であり、他方が−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、または下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子またはC1−6アルキル基である)である〕、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
Rは下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
置換基群(A)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(B)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−GOG、−GN(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
(上記置換基群(A)及び/又は(B)中、
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である。
(置換基群(C)及び/又は(D)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)〕
で表されるピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグ;
[2]Qが−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基であり;
Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子またはC1−6アルキル基である)である〕、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
Tが

から選択される基であり;
Rが下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基であり;
置換基群(B)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−GOG、−GN(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
(上記置換基群(B)中、
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である、
(置換基群(C)及び/又は(D)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
前記[1]記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグ;
[3]前記[1]または[2]記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグを有効成分として含有する医薬組成物;
[4]ナトリウム/グルコース共輸送担体阻害剤である、前記[3]記載の医薬組成物;
[5]対象疾患がグルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みに起因する疾患である、前記[3]または[4]記載の医薬組成物;
[6]対象疾患が糖尿病、食後高血糖、耐糖能異常、糖尿病合併症、肥満症、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、高血圧、うっ血性心不全、浮腫性疾患、代謝性アシドーシス、シンドロームX、高尿酸血症、痛風及び腎炎からなる群から選択される疾患である、前記[5]記載の医薬組成物;
[7]インスリン感受性増強薬、糖吸収阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬、インスリン又はインスリン類縁体、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ刺激薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、肝糖新生阻害薬、D−カイロイノシトール、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド1−類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、アルドース還元酵素阻害薬、終末糖化産物生成阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、転写因子NF−κB阻害薬、脂質過酸化酵素阻害薬、N−アセチル化−α−リンクト−アシッド−ジペプチダーゼ阻害薬、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子、血小板由来成長因子類縁体、上皮増殖因子、神経成長因子、カルニチン誘導体、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB−761、ビモクロモル、スロデキシド、Y−128、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、β−アドレナリン受容体アゴニスト、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、プロブコール、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール吸収阻害薬、リパーゼ阻害薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害薬、リポキシゲナーゼ阻害薬、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬、スクアレン合成酵素阻害薬、低比重リポ蛋白受容体増強薬、ニコチン酸誘導体、胆汁酸吸着薬、ナトリウム共役胆汁酸トランスポーター阻害薬、コレステロールエステル転送タンパク阻害薬、食欲抑制薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体アンタゴニスト、利尿薬、カルシウム拮抗薬、血管拡張性降圧薬、交換神経遮断薬、中枢性降圧薬、α−アドレナリン受容体アゴニスト、抗血小板薬、尿酸生成阻害薬、尿酸排泄促進薬および尿アルカリ化薬からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤を組合わせてなる、前記[3]〜[6]の何れかに記載の医薬組成物;
[8]一般式

〔式中、
1Aは水素原子、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
およびTはどちらか一方が保護基を有する

から選択される基であり、他方が−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子、C1−6アルキル基または保護基である)である〕、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
は下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
置換基群(A1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aであり;
置換基群(B1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B、−GOG4A、−GN(G4A、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aである。
(置換基群(A1)及び/又は(B1)中、
1Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Aは水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Bは保護基、水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G2Bが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
4Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、G4Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG6A、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG6A、−SG、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である。
(置換基群(C1)及び/又は(D1)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
6Aは保護基、水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G6Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)〕
で表されるピラゾール誘導体またはその塩;
[9]一般式

〔式中、
1Aは水素原子、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
およびTはどちらか一方が水酸基であり、他方が−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子、C1−6アルキル基または保護基である)である〕、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
は下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
置換基群(A1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aであり;
置換基群(B1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B、−GOG4A、−GN(G4A、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aである。
(置換基群(A1)及び/又は(B1)中、
1Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Aは水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Bは保護基、水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G2Bが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
4Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、G4Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG6A、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG6A、−SG、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である。
(置換基群(C1)及び/又は(D1)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
6Aは保護基、水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G6Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)〕
で表されるピラゾール誘導体またはその塩等に関するものである。
本発明において、C1−6アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基をいう。C2−6アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基等の炭素数2〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルケニル基をいう。C2−6アルキニル基とは、エチニル基、2−プロピニル基等の炭素数2〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキニル基をいう。C3−8シクロアルキル基とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基またはシクロオクチル基をいう。C6−1アリール基とは、フェニル基またはナフチル基をいう。C2−9ヘテロシクロアルキル基とは、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、オキサゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ピラゾリジン等から派生される、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜2個結合部位以外の環内に含む3〜8員環のヘテロシクロアルキル基、又はシクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環等の脂肪族又は芳香族の炭素環又は複素環が縮合した5又は6員環の上記ヘテロシクロアルキル基をいう。C1−9ヘテロアリール基とは、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チオジアゾール、テトラゾール、フラザン等から派生される、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜4個結合部位以外の環内に含む5又は6員環のヘテロアリール基、又はベンゼン環、ピラゾール環、ピリジン環等の5又は6員環の芳香族の炭素環又は複素環が縮合した上記ヘテロアリール基をいう。脂環式アミノ基とは、モルホリノ基、チオモルホリノ基、1−アジリジニル基、1−アゼチジニル基、1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、1,2−ジヒドロピリジン−1−イル基、1,4−ジヒドロピリジン−1−イル基等の、結合部位の窒素原子の他に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択される1個のヘテロ原子を環内に有していてもよく、不飽和結合を1又は2個有していてもよい、3〜8員環の脂肪族環状アミノ基をいう。芳香族環状アミノ基とは、1−イミダゾリル基、1−ピロリル基、ピラゾリル基、1−テトラゾリル基、2−ピリドン−1−イル基、4−ピリドン−1−イル基、2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル基、2−オキソ−2H−ピラジン−1−イル基、2−オキソ−6H−ピリダジン−1−イル基、6−オキソ−6H−〔1,2,4,5〕−テトラジン−1−イル基等の、結合部位の窒素原子の他に窒素原子を1〜3個環内に有していてもよく、置換基としてオキソ基を有する場合のある、5又は6員環の芳香族環状アミノ基をいう。ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子をいう。水酸基の保護基とは、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、メトキシメチル基、アセチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、アリル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、ベンジルオキシカルボニル基等の一般的に有機合成反応において用いられる水酸基の保護基をいう。チオール基の保護基とは、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリフェニルメチル基、メトキシメチル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エチルアミノカルボニル基等の一般的に有機合成反応において用いられるチオール基の保護基をいう。アミノ基の保護基とは、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベシジル基、トリフルオロアセチル基等の一般的に有機合成反応において用いられるアミノ基の保護基をいう。カルボキシ基の保護基とは、ベンジル基、tert−ブチルジメチルシリル基、アリル基、メチル基、エチル基等の一般的に有機合成反応において用いられるカルボキシ基の保護基をいう。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は、例えば、以下の方法に従い製造することができる。

〔式中のQ及びTはどちらか一方が保護基を有する水酸基であり、他方が−Z−Ar(式中のAr及びZは前記と同じ意味をもつ)、前記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は前記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;Gは水酸基に保護基を有する、β−D−グルコピラノシルオキシ基、β−D−マンノピラノシルオキシ基、α−D−グルコピラノシルオキシ基、α−D−マンノピラノシルオキシ基、β−D−2−デオキシグルコピラノシルオキシ基およびα−D−2−デオキシグルコピラノシルオキシ基から選択される基であり;Xは臭素原子等の脱離基であり;Xはハロゲン原子、メシルオキシ基、トシルオキシ基等の脱離基であり;R1Bは前記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、前記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、前記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、前記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、前記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、前記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または前記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;R、R、R1A、R、Q、Q、Q、T、TおよびTは前記と同じ意味をもつ〕
工程1
前記一般式(IV)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤を用いて還元することにより前記一般式(V)で表される化合物を製造することができる。用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、メタノール、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程2
前記一般式(V)で表される化合物を、不活性溶媒中、塩酸等の酸の存在下または非存在下、パラジウム炭素末等のパラジウム系触媒を用いて水素雰囲気下接触還元し、或いは無溶媒又は不活性溶媒中、トリフルオロ酢酸及びトリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体等のルイス酸の存在下、トリエチルシリルハライド等の還元剤を用いて還元し、必要に応じて水酸基の保護基を常法に従い除去することにより本発明の前記一般式(III)で表される化合物を製造することができる。接触還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。また、トリエチルシリルハライド等の還元剤を用いた還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。水酸基の保護基の除去は、常法に従い種々の方法にて実施でき、その保護基がベンジル基である場合、例えば、トリフルオロ酢酸及びジメチルスルフィドの水溶液中、通常0℃〜還流温度で30分間〜1日間反応させることにより実施できる。
工程3
前記一般式(IV)で表される化合物を、無溶媒又は不活性溶媒中、トリフルオロ酢酸及びトリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体等のルイス酸の存在下、トリエチルシリルハライド等の還元剤を用いて還元後、必要に応じて水酸基の保護基を常法に従い除去することにより本発明の前記一般式(III)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程4
前記一般式(III)で表されるピラゾール誘導体を前記一般式(VI)で表される糖供与体を用いて、水と不活性溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどの塩基およびベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウムクロリド、ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウムブロミド、テトラ(n−ブチル)アンモニウム硫酸水素塩などの相間移動触媒の存在下に配糖化させ、必要に応じ、前記一般式(VII)で表されるアルキル化剤を用いて、不活性溶媒中、炭酸セシウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、必要に応じて触媒量のヨウ化ナトリウムの存在下にN−アルキル化させることにより本発明の前記一般式(II)で表される化合物を製造することができる。配糖化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、塩化メチレン、トルエン、ベンゾトリフルオリドなどを挙げることができる。その反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。N−アルキル化反応において用いられる溶媒としては、例えば、アセトニトリル、エタノール、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。また、得られた前記一般式(II)で表される化合物は、常法に従いその塩に変換した後、工程5において使用することもできる。
工程5
前記一般式(II)で表される化合物をアルカリ加水分解等の有機合成において一般的に使用される方法に従い、糖部分等の保護基を除去した後、必要に応じ、前記一般式(VII)で表されるアルキル化剤を用いて、不活性溶媒中、炭酸セシウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、必要に応じて触媒量のヨウ化ナトリウムの存在下にN−アルキル化させ、更に糖部分以外に保護基を有する場合は、有機合成において一般的に使用される方法に従い、脱保護させることにより、本発明の前記一般式(I)で表される化合物を製造することができる。加水分解反応において用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、メチルアミン、ジメチルアミンなどを挙げることができる。その反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。N−アルキル化反応において用いられる溶媒としては、例えば、アセトニトリル、エタノール、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
前記製造方法において出発物質として用いられる、本発明の前記一般式(V)で表される化合物は、例えば、以下の方法に従い製造することができる。

〔式中のQ及びTはどちらか一方が保護基を有する水酸基であり、他方がハロゲン原子であり;RはC1−6アルキル基であり;Arは前記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は前記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;LはMgBr、MgCl、MgI、ZnI、ZnBr、ZnCl又はリチウム原子であり;Xは臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子であり;Zは−NY−(式中のYは水素原子、C1−6アルキル基または保護基である)であり;Ar、R1A、R、Q、TおよびZは前記と同じ意味をもつ〕
工程A
前記一般式(VIII)で表される化合物を、方法1)前記一般式(IX)又は(X)で表される化合物と、不活性溶媒中、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基の存在下又は非存在下に縮合させるか、或いは方法2)前記一般式(XI)又は(X)で表される化合物と、不活性溶媒中、炭酸セシウム、ナトリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等の触媒と2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルなどの配位子を用いて縮合させることにより前記一般式(XII)で表される化合物を製造することができる。方法1に用いられる不活性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。また、方法2に用いられる不活性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。
工程B
前記一般式(XII)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤を用いて還元することにより、前記一般式(XIII)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
工程C
前記一般式(XII)で表される化合物をアルカリ加水分解等の有機合成において一般的に使用される方法に従い処理することにより、前記一般式(XIV)で表される化合物を製造することができる。加水分解反応において用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
工程D
前記一般式(XIV)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、ボラン−ジメチルスルフィド複合体、ボラン−テトラヒドロフラン複合体等の還元剤を用いて還元することにより前記一般式(XIII)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程E
前記一般式(XIV)で表される化合物を、無溶媒又は不活性溶媒中、塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、三臭化リン、フルオロ硫酸等の酸ハロゲン化試薬を用いてハロゲン化することにより前記一般式(XV)で表される化合物を製造することができる。ハロゲン化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程F
前記一般式(XV)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の還元剤を用いて還元することにより前記一般式(XIII)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、エタノール、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程G
前記一般式(XIII)で表される化合物を、スワン酸化等のジメチルスルホキシドを用いた酸化、或いは、不活性溶媒中、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等を用いたクロム酸酸化、又は二酸化マンガン等の酸化剤を用いた酸化を行うことにより前記一般式(XVI)で表される化合物を製造することができる。上記酸化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程H
前記一般式(XII)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化トリイソプロポキシアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤を用いて還元することにより前記一般式(XVI)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程I
前記一般式(XVI)で表される化合物と前記一般式(XVII)で表されるグリニャール試薬、Reformatsky試薬またはリチウム試薬を、不活性溶媒中で縮合させることにより前記一般式(V)で表される化合物を製造することができる。縮合反応に用いられる不活性溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができる。反応温度は通常−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
前記製造方法において出発物質として用いられる、本発明の前記一般式(IV)で表される化合物は、例えば、以下の方法に従い製造することができる。

〔式中のQ及びTはどちらか一方が水酸基であり、他方が水素原子であり;Q及びTはどちらか一方が保護基を有する水酸基であり、他方が水素原子であり;Ar、Ar、L、R1A、R、R、Q、Q、T、T、X、ZおよびZは前記と同じ意味をもつ〕
工程J
前記一般式(VIII)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤を用いて還元することにより、前記一般式(XVIII)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
工程K
前記一般式(VIII)で表される化合物をアルカリ加水分解等の有機合成において一般的に使用される方法に従い処理することにより、前記一般式(XIX)で表される化合物を製造することができる。加水分解反応において用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウムなどを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
工程L
前記一般式(XIX)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、ボラン−ジメチルスルフィド複合体、ボラン−テトラヒドロフラン複合体等の還元剤を用いて還元することにより前記一般式(XVIII)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程M
前記一般式(XIX)で表される化合物を、無溶媒又は不活性溶媒中、塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、三臭化リン、フルオロ硫酸等の酸ハロゲン化試薬を用いてハロゲン化することにより前記一般式(XX)で表される化合物を製造することができる。ハロゲン化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程N
前記一般式(XX)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の還元剤を用いて還元することにより前記一般式(XVIII)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、エタノール、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程O
前記一般式(XVIII)で表される化合物を、スワン酸化等のジメチルスルホキシドを用いた酸化、或いは、不活性溶媒中、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等を用いたクロム酸酸化、又は二酸化マンガン等の酸化剤を用いた酸化を行うことにより前記一般式(XXI)で表される化合物を製造することができる。上記酸化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程P
前記一般式(VIII)で表される化合物を、不活性溶媒中、水素化トリイソプロポキシアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤を用いて還元することにより前記一般式(XXI)で表される化合物を製造することができる。還元反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程Q
前記一般式(XXII)で表される化合物を、水と不活性溶媒中、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基及びベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウムクロリド、ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウムブロミド等の相間移動触媒の存在下に、ベンジルブロミド、クロロメチルメチルエーテル等の水酸基の保護化試薬を用いて水酸基に保護基を導入することにより前記一般式(XXIII)で表される化合物を製造することができる。導入反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程R
前記一般式(XXIII)で表される化合物をオキシ塩化リン及びN,N−ジメチルホルムアミドを用いたVilsmeier反応等によりホルミル化することにより前記一般式(XXIV)で表されるピラゾールアルデヒド誘導体を製造することができる。ホルミル化反応において用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。その反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
工程S
前記一般式(XXIV)で表される化合物を、不活性溶媒中、n−ブチルリチウム等の塩基で処理後、臭素、ヨウ素等のハロゲン化試薬を用いてハロゲン化することにより前記一般式(XXI)で表される化合物を製造することができる。ホルミル基は、必要に応じてジメチルアセタール、1,3−ジオキソラン等に誘導し、ハロゲン化後に脱保護してもよい。ハロゲン化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分〜1日間である。
工程T
前記一般式(XXI)で表される化合物と前記一般式(XVII)で表されるグリニャール試薬、Reformatsky試薬またはリチウム試薬を、不活性溶媒中で縮合させることにより前記一般式(XXV)で表される化合物を製造することができる。縮合反応に用いられる不活性溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができる。反応温度は通常−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
工程U
前記一般式(XXV)で表される化合物を、スワン酸化等のジメチルスルホキシドを用いた酸化、或いは、不活性溶媒中、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等を用いたクロム酸酸化、又は二酸化マンガン等の酸化剤を用いた酸化を行うことにより前記一般式(XXVI)で表される化合物を製造することができる。上記酸化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜1日間である。
工程V
前記一般式(XXVI)で表される化合物を、方法1)前記一般式(IX)又は(X)で表される化合物と、不活性溶媒中、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基の存在下又は非存在下に縮合させるか、或いは方法2)前記一般式(XI)又は(X)で表される化合物と、不活性溶媒中、炭酸セシウム、ナトリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等の触媒と2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルなどの配位子を用いて縮合させることにより前記一般式(IV)で表される化合物を製造することができる。方法1に用いられる不活性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。また、方法2に用いられる不活性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。
工程W
前記一般式(XX)で表される化合物と前記一般式(XVII)で表されるグリニャール試薬、Reformatsky試薬またはリチウム試薬を、不活性溶媒中で縮合させることにより前記一般式(XXVI)で表される化合物を製造することができる。縮合反応に用いられる不活性溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができる。反応温度は通常−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
工程X
前記一般式(XV)で表される化合物と前記一般式(XVII)で表されるグリニャール試薬、Reformatsky試薬またはリチウム試薬を、不活性溶媒中で縮合させることにより前記一般式(IV)で表される化合物を製造することができる。縮合反応に用いられる不活性溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができる。反応温度は通常−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。
前記製造方法において出発物質として用いられる、本発明の前記一般式(VIII)で表される化合物は、例えば、以下の方法に従い製造することができる。

〔式中のQ及びTはどちらか一方が水酸基であり、他方がハロゲン原子であり;R、R1A、Q、Q、Q、T、TおよびTは前記と同じ意味をもつ〕
工程α
前記一般式(XXVII)で表される化合物を前記一般式(XXVIII)で表されるヒドラジン化合物又はその水和物若しくはその塩と不活性溶媒中、塩基の存在下または非存在下に縮合させることにより前記一般式(XXIX)で表されるピラゾール誘導体を製造することができる。縮合反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、水、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド等を挙げることができる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
工程β
前記一般式(XXIX)で表される化合物を、不活性溶媒中、スルフリルクロリド、N−クロロこはく酸イミド、N−ブロモこはく酸イミド等のハロゲン化試薬を用いてハロゲン化することにより前記一般式(XXX)で表される化合物を製造することができる。ハロゲン化反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、酢酸、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
工程γ
前記一般式(XXX)で表される化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下に、ベンジルブロミド、クロロメチルメチルエーテル等の水酸基の保護化試薬を用いて水酸基に保護基を導入することにより前記一般式(VIII)で表される化合物を製造することができる。導入反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、水、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、イミダゾールなどを挙げることができる。その反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
工程δ
前記一般式(XXIX)で表される化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下に、ベンジルブロミド、クロロメチルメチルエーテル等の水酸基の保護化試薬を用いて水酸基に保護基を導入することにより前記一般式(XXXI)で表される化合物を製造することができる。導入反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、水、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、イミダゾールなどを挙げることができる。その反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
工程ε
前記一般式(XXXI)で表される化合物を、不活性溶媒中、n−ブチルリチウム等の塩基で処理後、臭素、ヨウ素等のハロゲン化試薬を用いてハロゲン化することにより前記一般式(VIII)で表される化合物を製造することができる。ハロゲン化反応において用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができる。その反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
本発明の前記一般式(III)で表される化合物には、幾つかの互変異性体(ピラゾロン誘導体等)が存在するが、前記一般式(III)で表される化合物には何れの化合物も含まれる。また、その原料物質においても幾つかの互変異性体(ピラゾロン誘導体等)が存在する場合があり、その存在条件等により変化する。
前記製造方法において得られる本発明の前記一般式(I)で表される化合物は、慣用の分離手段である分別再結晶法、クロマトグラフィーを用いた精製法、溶媒抽出法、固相抽出法等により単離精製することができる。
本発明の前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体は、常法により、その薬理学的に許容される塩とすることができる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩基との塩、N−メチル−D−グルカミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−アミノエタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アルギニン、リジン等の有機塩基との付加塩を挙げることができる。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグには、水やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
本発明の前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体およびそのプロドラッグのうち、不飽和結合を有する化合物には、2つの幾何異性体が存在するが、本発明においてはシス(Z)体の化合物またはトランス(E)体の化合物のいずれの化合物を使用してもよい。
本発明の前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体およびそのプロドラッグのうち、グルコピラノシルオキシ、マンノピラノシルオキシ及び2−デオキシグルコピラノシルオキシの糖部分を除き不斉炭素原子を有する化合物には、R配置の化合物とS配置の化合物の2種類の光学異性体が存在するが、本発明においてはいずれの光学異性体を使用してもよく、それらの光学異性体の混合物であっても構わない。また、回転障害を有する化合物においては、2種類の回転異性体が存在するが、本発明においてはいずれの回転異性体を使用してもよく、それらの回転異性体の混合物であっても構わない。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物のプロドラッグは、対応するハロゲン化物等のプロドラッグ化試薬を用いて、常法により、前記一般式(I)で表される化合物における水酸基、アミノ基およびスルホンアミド基から選択される1以上の任意の基に、常法に従い適宜プロドラッグを構成する基を導入した後、所望に応じ、適宜常法に従い単離精製することにより製造することができる。水酸基において使用されるプロドラッグを構成する基としては、例えば、C2−20アシル基、C−6アルコキシ(C2−7アシル)基、C2−7アルコキシカルボニル(C2−7アシル)基、C2−7アルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシ(C2−7アルコキシカルボニル)基、ベンゾイル基、(C2−7アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7アシルオキシ)エチル基、(C2−7アルコキシカルボニル)オキシメチル基、1−〔(C2−アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基、(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニルオキシメチル基、1−〔(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニルオキシ〕エチル基、各種アミノ酸、リン酸誘導体又はケイ皮酸誘導体と縮合したエステル基等を挙げることができ、アミノ基において使用されるプロドラッグを構成する基としては、例えば、C2−7アシル基、C1−6アルコキシ(C2−7アシル)基、C−7アルコキシカルボニル(C2−7アシル)基、C2−7アルコキシカルボニル基、C−6アルコキシ(C2−7アルコキシカルボニル)基、ベンゾイル基、(C2−7アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7アシルオキシ)エチル基、(C2−7アルコキシカルボニル)オキシメチル基、1−〔(C2−7アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基、(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニルオキシメチル基、1−〔(C3−シクロアルキル)オキシカルボニルオキシ〕エチル基、各種アミノ酸と縮合したアミド基等を挙げることができ、スルホンアミド基において使用されるプロドラッグを構成する基としては、例えば、(C2−7アシルオキシ)メチル基、1−(C2−アシルオキシ)エチル基、(C2−7アルコキシカルボニル)オキシメチル基、1−〔(C2−7アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基、(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニルオキシメチル基、1−〔(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニルオキシ〕エチル基等を挙げることができる。C2−7アシル基とは、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基等の炭素数2〜7の直鎖状または枝分かれ状のアシル基をいい、C2−2アシル基とは、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基等の炭素数2〜20の直鎖状または枝分かれ状のアシル基をいう。C1−6アルコキシ(C2−7アシル)基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルコキシ基(以下、C1−6アルコキシ基という)で置換された上記C2−7アシル基をいい、C2−7アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7の直鎖状または枝分かれ状のアルコキシカルボニル基、及びシクロプロピルオキシカルボニル基、シクロブチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の3〜6員環のシクロアルキル基を有する環状のアルコキシカルボニル基をいい、C2−7アルコキシカルボニル(C2−7アシル)基とは、上記C2−7アルコキシカルボニル基で置換された上記C2−7アシル基をいい、C1−6アルコキシ(C2−7アルコキシカルボニル)基とは、上記C1−6アルコキシ基で置換された上記C2−7アルコキシカルボニル基をいい、(C2−7アシルオキシ)メチル基とは、上記C2−7アシル基でO−置換されたヒドロキシメチル基をいい、1−(C2−7アシルオキシ)エチル基とは、上記C2−7アシル基でO−置換された1−ヒドロキシエチル基をいい、(C2−7アルコキシカルボニル)オキシメチル基とは、上記C2−7アルコキシカルボニル基でO−置換されたヒドロキシメチル基をいい、1−〔(C2−7アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基とは、上記C2−7アルコキシカルボニル基でO−置換された1−ヒドロキシエチル基をいう。また、(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニル基とは、前記C3−7シクロアルキル基を有するエステル基をいい、(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニルオキシメチル基とは、上記(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニル基でO−置換されたヒドロキシメチル基をいい、1−〔(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニルオキシ〕エチル基とは、上記(C3−7シクロアルキル)オキシカルボニル基でO−置換された1−ヒドロキシエチル基をいう。更には、プロドラッグを構成する基として、グルコピラノシル基、ガラクトピラノシル基等の糖残基を挙げることができ、例えば、グルコピラノシルオキシ基等の糖部分の4位又は6位の水酸基に導入するのが好ましい。
本発明の前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体は、例えば、下記の如くSGLT阻害作用確認試験において、強力なヒトSGLT阻害作用を示した。それ故、本発明の前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体は、腎臓におけるグルコース、マンノース及び/又はフルクトースの再吸収又は細胞内取り込みを顕著に抑制し、或いは小腸からこれらの糖吸収を阻害して血糖値の上昇を顕著に抑制することができる。従って、本発明の前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体、その薬理学的に許容される塩及びそれらのプロドラッグは、例えば、糖尿病、食後高血糖、耐糖能異常、糖尿病合併症(例えば、網膜症、神経障害、腎症、潰瘍、大血管症)、肥満症、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、高血圧、うっ血性心不全、浮腫性疾患、代謝性アシドーシス、シンドロームX、高尿酸血症、痛風、腎炎等のグルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みに起因する疾患の予防、進展阻止または治療薬として有用であり、特には、高血糖症に起因する疾患の予防、進展阻止または治療薬として有用である。
また、本発明の化合物は、その他の薬剤と適宜組み合わせて使用することもできる。本発明の化合物と組み合わせて使用できる薬剤としては、例えば、インスリン感受性増強薬、糖吸収阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬、インスリン又はインスリン類縁体、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ刺激薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、肝糖新生阻害薬、D−カイロイノシトール(D−chiroinositol)、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、アルドース還元酵素阻害薬、終末糖化産物(advanced glycation endproducts)生成阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、転写因子NF−κB阻害薬、脂質過酸化酵素阻害薬、N−アセチル化−α−リンクト−アシッド−ジペプチダーゼ(N−acetylated−α−linked−acid−dipeptidase)阻害薬、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子(PDGF)、血小板由来成長因子(PDGF)類縁体(例えば、PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB)、上皮増殖因子(EGF)、神経成長因子、カルニチン誘導体、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB−761、ビモクロモル(bimoclomol)、スロデキシド(sulodexide)、Y−128、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、β−アドレナリン受容体アゴニスト、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、プロブコール、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール吸収阻害薬、リパーゼ阻害薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害薬、リポキシゲナーゼ阻害薬、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬、スクアレン合成酵素阻害薬、低比重リポ蛋白受容体増強薬、ニコチン酸誘導体、胆汁酸吸着薬、ナトリウム共役胆汁酸トランスポーター阻害薬、コレステロールエステル転送タンパク阻害薬、食欲抑制薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体アンタゴニスト、利尿薬、カルシウム拮抗薬、血管拡張性降圧薬、交換神経遮断薬、中枢性降圧薬、α−アドレナリン受容体アゴニスト、抗血小板薬、尿酸生成阻害薬、尿酸排泄促進薬、尿アルカリ化薬等を挙げることができる。
本発明の化合物と上記の薬剤を1種類又はそれ以上組合わせて使用する場合、本発明は、単一の製剤としての同時投与、別個の製剤としての同一又は異なる投与経路による同時投与、及び別個の製剤としての同一又は異なる投与経路による間隔をずらした投与のいずれの投与形態を含み、本発明の化合物と上記の薬剤を組合わせてなる医薬とは、上記の如く単一製剤としての投与形態や別個の製剤を組み合わせた投与形態を含む。
本発明の化合物は、1種類又はそれ以上の上記薬剤と適宜組合わせて使用することにより、上記疾患の予防又は治療上相加効果以上の有利な効果を得ることができる。または、同様に、単独に使用する場合に比較してその使用量を減少させたり、或いは併用する他の薬剤の副作用を回避又は軽減させることができる。
組合わせて使用される薬剤の具体的な化合物や処置すべき好適な疾患について下記の通り例示するが、本発明の内容はこれらに限定されるものではなく、具体的な化合物においてはそのフリー体、及びその又は他の薬理学的に許容される塩を含む。
インスリン感受性増強薬としては、トログリタゾン、塩酸ピオグリタゾン、マレイン酸ロシグリタゾン、ダルグリタゾンナトリウム、GI−262570、イサグリタゾン(isaglitazone)、LG−100641、NC−2100、T−174、DRF−2189、CLX−0921、CS−011、GW−1929、シグリタゾン、エングリタゾンナトリウム、NIP−221等のペルオキシソーム増殖薬活性化受容体γアゴニスト、GW−9578、BM−170744等のペルオキシソーム増殖薬活性化受容体αアゴニスト、GW−409544、KRP−297、NN−622、CLX−0940、LR−90、SB−219994、DRF−4158、DRF−MDX8等のペルオキシソーム増殖薬活性化受容体α/γアゴニスト、ALRT−268、AGN−4204、MX−6054、AGN−194204、LG−100754、ベクサロテン(bexarotene)等のレチノイドX受容体アゴニスト、及びレグリキサン、ONO−5816、MBX−102、CRE−1625、FK−614、CLX−0901、CRE−1633、NN−2344、BM−13125、BM−501050、HQL−975、CLX−0900、MBX−668、MBX−675、S−15261、GW−544、AZ−242、LY−510929、AR−H049020、GW−501516等のその他のインスリン感受性増強薬が挙げられる。インスリン感受性増強薬は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症、肥満症、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症の処置に好ましく、また末梢におけるインスリン刺激伝達機構の異常を改善することにより、血中グルコースの組織への取り込みを亢進し血糖値を低下させることから、糖尿病、耐糖能異常、高インスリン血症の処置に更に好ましい。
糖吸収阻害薬としては、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、CKD−711、エミグリテート、MDL−25,637、カミグリボース、MDL−73,945等のα−グルコシダーゼ阻害薬、AZM−127等のα−アミラーゼ阻害薬、SGLT1阻害薬等が挙げられる。糖吸収阻害剤は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症、肥満症、高インスリン血症の処置に好ましく、また食物中に含まれる炭水化物の消化管における酵素消化を阻害し、体内へのグルコースの吸収を遅延または阻害することから、耐糖能異常の処置に更に好ましい。
ビグアナイド薬としては、フェンホルミン、塩酸ブホルミン、塩酸メトホルミン等が挙げられる。ビグアナイド剤は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症、高インスリン血症の処置に好ましく、また肝臓における糖新生抑制作用や組織での嫌気的解糖促進作用あるいは末梢におけるインスリン抵抗性改善作用などにより、血糖値を低下させることから、糖尿病、耐糖能異常、高インスリン血症の処置に更に好ましい。
インスリン分泌促進薬としては、トルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリブリド(グリベンクラミド)、グリクラジド、1−ブチル−3−メタニリルウレア、カルブタミド、グリボルヌリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキサミド、グリミジンナトリウム、グリピナミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド、ナテグリニド、ミチグリニドカルシウム水和物、レパグリニド等が挙げられる。インスリン分泌促進薬は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症の処置に好ましく、また膵臓β細胞に作用しインスリン分泌を増加させることにより血糖値を低下させることから、糖尿病、耐糖能異常の処置に更に好ましい。
SGLT2阻害薬としては、T−1095を始め、特開平10−237089号公報、特開2001−288178号公報、WO01/16147公報、WO01/27128公報、WO01/68660公報、WO01/74834公報、WO01/74835公報、WO02/28872公報、WO02/36602公報、WO02/44192公報、WO02/053573公報、WO02/064606公報、WO02/068439公報、WO02/068440公報等記載の化合物等が挙げられる。SGLT2阻害薬は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症、肥満症、高インスリン血症の処置に好ましく、また腎臓の尿細管におけるグルコースの再吸収を抑制することにより血糖値を低下させることから、糖尿病、耐糖能異常、肥満症、高インスリン血症の処置に更に好ましい。
インスリン又はインスリン類縁体としては、ヒトインスリン、動物由来のインスリン、ヒト又は動物由来のインスリン類縁体が挙げられる。これらの薬剤は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症の処置に好ましく、糖尿病、耐糖能異常の処置に更に好ましい。
グルカゴン受容体アンタゴニストとしては、BAY−27−9955、NNC−92−1687等が挙げられ、インスリン受容体キナーゼ刺激薬としては、TER−17411、L−783281、KRX−613等が挙げられ、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬としては、UCL−1397等が挙げられ、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬としては、NVP−DPP728A、TSL−225、P−32/98等が挙げられ、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬としては、PTP−112、OC−86839、PNU−177496等が挙げられ、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬としては、NN−4201、CP−368296等が挙げられ、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬としては、R−132917等が挙げられ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬としては、AZD−7545等が挙げられ、肝糖新生阻害薬としては、FR−225659等が挙げられ、グルカゴン様ペプチド−1類縁体としては、エキセンジン−4(exendin−4)、CJC−1131等が挙げられ、グルカゴン様ペプチド−1アゴニストとしては、AZM−134、LY−315902が挙げられ、アミリン、アミリン類縁体またはアミリンアゴニストとしては、酢酸プラムリンチド等が挙げられる。これらの薬剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、D−カイロイノシトール、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬及びグルカゴン様ペプチド−1は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症、高インスリン血症の処置に好ましく、糖尿病、耐糖能異常の処置に更に好ましい。
アルドース還元酵素阻害薬としては、ガモレン酸アスコルビル、トルレスタット、エパルレスタット、ADN−138、BAL−ARI8、ZD−5522、ADN−311、GP−1447、IDD−598、フィダレスタット、ソルビニール、ポナルレスタット(ponalrestat)、リサレスタット(risarestat)、ゼナレスタット(zenarestat)、ミナルレスタット(minalrestat)、メトソルビニール、AL−1567、イミレスタット(imirestat)、M−16209、TAT、AD−5467、ゾポルレスタット、AS−3201、NZ−314、SG−210、JTT−811、リンドルレスタット(lindolrestat)が挙げられる。アルドース還元酵素阻害薬は、糖尿病合併症組織において認められる持続的高血糖状態におけるポリオール代謝経路の亢進により過剰に蓄積される細胞内ソルビトールをアルドース還元酵素を阻害することにより低下させることから、特には糖尿病合併症の処理に好ましい。
終末糖化産物生成阻害薬としては、ピリドキサミン、OPB−9195、ALT−946、ALT−711、塩酸ピマゲジン等が挙げられる。終末糖化産物生成阻害薬は、糖尿病状態における持続的高血糖により亢進される終末糖化産物生成を阻害することにより細胞障害を軽減させるため、特には糖尿病合併症の処置に好ましい。
プロテインキナーゼC阻害薬としては、LY−333531、ミドスタウリン等が挙げられる。プロテインキナーゼC阻害薬は、糖尿病状態における持続的高血糖により認められるプロテインキナーゼC活性の亢進を抑制するため、特には糖尿病合併症の処置に好ましい。
γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニストとしては、トピラマート等が挙げられ、ナトリウムチャンネルアンタゴニストとしては、塩酸メキシレチン、オクスカルバゼピン等が挙げられ、転写因子NF−κB阻害薬としては、デクスリポタム(dexlipotam)等が挙げられ、脂質過酸化酵素阻害薬としては、メシル酸チリラザド等が挙げられ、N−アセチル化−α−リンクト−アシッド−ジペプチダーゼ阻害薬としては、GPI−5693等が挙げられ、カルニチン誘導体としては、カルニチン、塩酸レバセカルニン、塩化レボカルニチン、レボカルニチン、ST−261等が挙げられる。これらの薬剤、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子、血小板由来成長因子類縁体、上皮増殖因子、神経成長因子、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB−761、ビモクロモル、スロデキシド及びY−128は、特には糖尿病合併症の処置に好ましい。
ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬としては、セリバスタチンナトリウム、プラバスタチンナトリウム、ロバスタチン(lovastatin)、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム水和物、SC−45355、SQ−33600、CP−83101、BB−476、L−669262、S−2468、DMP−565、U−20685、BAY−x−2678、BAY−10−2987、ピタバスタチンカルシウム、ロスバスタチンカルシウム、コレストロン(colestolone)、ダルバスタチン(dalvastatin)、アシテメート、メバスタチン、クリルバスタチン(crilvastatin)、BMS−180431、BMY−21950、グレンバスタチン、カルバスタチン、BMY−22089、ベルバスタチン(bervastatin)等が挙げられる。ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬は、特には高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症の処置に好ましく、またヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素を阻害することにより血中コレステロールを低下させることから、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症の処置に更に好ましい。
フィブラート系化合物としては、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブラートアルミニウム、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、テオフィブラート、AHL−157等が挙げられる。フィブラート系化合物は、特には高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症の処置に好ましく、また肝臓におけるリポ蛋白リパーゼの活性化や脂肪酸酸化亢進により血中トリグリセリドを低下させることから、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症の処置に更に好ましい。
β−アドレナリン受容体アゴニストとしては、BRL−28410、SR−58611A、ICI−198157、ZD−2079、BMS−194449、BRL−37344、CP−331679、CP−114271、L−750355、BMS−187413、SR−59062A、BMS−210285、LY−377604、SWR−0342SA、AZ−40140、SB−226552、D−7114、BRL−35135、FR−149175、BRL−26830A、CL−316243、AJ−9677、GW−427353、N−5984、GW−2696、YM178等が挙げられる。β−アドレナリン受容体アゴニストは、特には肥満症、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常の処置に好ましく、また脂肪におけるβ−アドレナリン受容体を刺激し脂肪酸酸化の亢進によりエネルギーを消費させることから、肥満症、高インスリン血症の処置に更に好ましい。
アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬としては、NTE−122、MCC−147、PD−132301−2、DUP−129、U−73482、U−76807、RP−70676、P−06139、CP−113818、RP−73163、FR−129169、FY−038、EAB−309、KY−455、LS−3115、FR−145237、T−2591、J−104127、R−755、FCE−28654、YIC−C8−434、アバシミブ(avasimibe)、CI−976、RP−64477、F−1394、エルダシミブ(eldacimibe)、CS−505、CL−283546、YM−17E、レシミビデ(lecimibide)、447C88、YM−750、E−5324、KW−3033、HL−004、エフルシミブ(eflucimibe)等が挙げられる。アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬は、特には高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常の処置に好ましく、またアシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素を阻害することにより血中コレステロールを低下させることから、高脂血症、高コレステロール血症の処置に更に好ましい。
甲状腺ホルモン受容体アゴニストとしては、リオチロニンナトリウム、レボチロキシンナトリウム、KB−2611等が挙げられ、コレステロール吸収阻害薬としては、エゼチミブ、SCH−48461等が挙げられ、リパーゼ阻害薬としては、オルリスタット、ATL−962、AZM−131、RED−103004等が挙げられ、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬としては、エトモキシル等が挙げられ、スクアレン合成酵素阻害薬としては、SDZ−268−198、BMS−188494、A−87049、RPR−101821、ZD−9720、RPR−107393、ER−27856等が挙げられ、ニコチン酸誘導体としては、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコモール、ニセリトロール、アシピモクス、ニコランジル等が挙げられ、胆汁酸吸着薬としては、コレスチラミン、コレスチラン、塩酸コレセベラム、GT−102−279等が挙げられ、ナトリウム共役胆汁酸トランスポーター阻害薬としては、264W94、S−8921、SD−5613等が挙げられ、コレステロールエステル転送タンパク阻害薬としては、PNU−107368E、SC−795、JTT−705、CP−529414等が挙げられる。これらの薬剤、プロブコール、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害薬、リポキシゲナーゼ阻害薬及び低比重リポ蛋白受容体増強薬は、特には高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常の処置に好ましい。
食欲抑制薬としては、モノアミン再吸収阻害薬、セロトニン再吸収阻害薬、セロトニン放出刺激薬、セロトニンアゴニスト(特に5HT2C−アゴニスト)、ノルアドレナリン再吸収阻害薬、ノルアドレナリン放出刺激薬、α−アドレナリン受容体アゴニスト、β−アドレナリン受容体アゴニスト、ドーパミンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、H−ヒスタミンアンタゴニスト、L−ヒスチジン、レプチン、レプチン類縁体、レプチン受容体アゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニスト(特にMC3−Rアゴニスト、MC4−Rアゴニスト)、α−メラニン細胞刺激ホルモン、コカイン−アンドアンフェタミン−レギュレーテドトランスクリプト、マホガニータンパク、エンテロスタチンアゴニスト、カルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、ボンベシン、コレシストキニンアゴニスト(特にCCK−Aアゴニスト)、コルチコトロピン放出ホルモン、コルチコトロピン放出ホルモン類縁体、コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト、ウロコルチン、ソマトスタチン、ソマトスタチン類縁体、ソマトスタチン受容体アゴニスト、下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド、脳由来神経成長因子、シリアリーニュートロピックファクター、サイロトロピン放出ホルモン、ニューロテンシン、ソーバジン、ニューロペプチドYアンタゴニスト、オピオイドペプチドアンタゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、メラニン−コンセントレイティングホルモン受容体アンタゴニスト、アグーチ関連蛋白阻害薬、オレキシン受容体アンタゴニスト等が挙げられる。具体的には、モノアミン再吸収阻害薬としては、マジンドール等が挙げられ、セロトニン再吸収阻害薬としては、塩酸デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、塩酸シブトラミン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸セルトラリン等が挙げられ、セロトニンアゴニストとしては、イノトリプタン、(+)ノルフェンフルラミン等が挙げられ、ノルアドレナリン再吸収阻害薬としては、ブプロピオン、GW−320659等が挙げられ、ノルアドレナリン放出刺激薬としては、ロリプラム、YM−992等が挙げられ、β−アドレナリン受容体アゴニストとしては、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、フェンテルミン、ベンズフェタミン、メタアンフェタミン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、ジエチルプロピオン、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス等が挙げられ、ドーパミンアゴニストとしては、ER−230、ドプレキシン、メシル酸ブロモクリプチンが挙げられ、カンナビノイド受容体アンタゴニストとしては、リモナバント等が挙げられ、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニストとしては、トピラマート等が挙げられ、H−ヒスタミンアンタゴニストとしてはGT−2394等が挙げられ、レプチン、レプチン類縁体またはレプチン受容体アゴニストとしては、LY−355101等が挙げられ、コレシストキニンアゴニスト(特にCCK−Aアゴニスト)としては、SR−146131、SSR−125180、BP−3.200、A−71623、FPL−15849、GI−248573、GW−7178、GI−181771、GW−7854、A−71378等が挙げられ、ニューロペプチドYアンタゴニストとしては、SR−120819−A、PD−160170、NGD−95−1、BIBP−3226、1229−U−91、CGP−71683、BIBO−3304、CP−671906−01、J−115814等が挙げられる。食欲抑制薬は、特には糖尿病、耐糖能異常、糖尿病合併症、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、高血圧、うっ血性心不全、浮腫、高尿酸血症、痛風の処置に好ましく、また中枢の食欲調節系における脳内モノアミンや生理活性ペプチドの作用を促進あるいは阻害することによって食欲を抑制し、摂取エネルギーを減少させることから、肥満症の処置に更に好ましい。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬としては、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、塩酸デラプリル、ラミプリル、リシノプリル、塩酸イミダプリル、塩酸ベナゼプリル、セロナプリル一水和物、シラザプリル、フォシノプリルナトリウム、ペリンドプリルエルブミン、モベルチプリルカルシウム、塩酸キナプリル、塩酸スピラプリル、塩酸テモカプリル、トランドラプリル、ゾフェノプリルカルシウム、塩酸モエキシプリル(moexipril)、レンチアプリル等が挙げられる。アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、特には糖尿病合併症、高血圧の処置に好ましい。
中性エンドペプチダーゼ阻害薬としては、オマパトリラート、MDL−100240、ファシドトリル(fasidotril)、サムパトリラート、GW−660511X、ミキサンプリル(mixanpril)、SA−7060、E−4030、SLV−306、エカドトリル等が挙げられる。中性エンドペプチダーゼ阻害薬は、特には糖尿病合併症、高血圧の処置に好ましい。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬としては、カンデサルタンシレキセチル、カンデサルタンシレキセチル/ヒドロクロロチアジド、ロサルタンカリウム、メシル酸エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、EXP−3174、L−158809、EXP−3312、オルメサルタン、タソサルタン、KT−3−671、GA−0113、RU−64276、EMD−90423、BR−9701等が挙げられる。アンジオテンシンII受容体拮抗薬は、特には糖尿病合併症、高血圧の処置に好ましい。
エンドセリン変換酵素阻害薬としては、CGS−31447、CGS−35066、SM−19712等が挙げられ、エンドセリン受容体アンタゴニストとしては、L−749805、TBC−3214、BMS−182874、BQ−610、TA−0201、SB−215355、PD−180988、シタクセンタンナトリウム(sitaxsentan)、BMS−193884、ダルセンタン(darusentan)、TBC−3711、ボセンタン、テゾセンタンナトリウム(tezosentan)、J−104132、YM−598、S−0139、SB−234551、RPR−118031A、ATZ−1993、RO−61−1790、ABT−546、エンラセンタン、BMS−207940等が挙げられる。これらの薬剤は、特には糖尿病合併症、高血圧の処置に好ましく、高血圧の処置に更に好ましい。
利尿薬としては、クロルタリドン、メトラゾン、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、メチクロチアジド、インダパミド、トリパミド、メフルシド、アゾセミド、エタクリン酸、トラセミド、ピレタニド、フロセミド、ブメタニド、メチクラン、カンレノ酸カリウム、スピロノラクトン、トリアムテレン、アミノフィリン、塩酸シクレタニン、LLU−α、PNU−80873A、イソソルビド、D−マンニトール、D−ソルビトール、フルクトース、グリセリン、アセトゾラミド、メタゾラミド、FR−179544、OPC−31260、リキシバプタン(lixivaptan)、塩酸コニバプタンが挙げられる。利尿薬は、特には糖尿病合併症、高血圧、うっ血性心不全、浮腫の処置に好ましく、また尿排泄量を増加させることにより血圧を低下させたり、浮腫を改善するため、高血圧、うっ血性心不全、浮腫の処置に更に好ましい。
カルシウム拮抗薬としては、アラニジピン、塩酸エホニジピン、塩酸ニカルジピン、塩酸バルニジピン、塩酸ベニジピン、塩酸マニジピン、シルニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、フェロジピン、ベシル酸アムロジピン、プラニジピン、塩酸レルカニジピン、イスラジピン、エルゴジピン、アゼルニジピン、ラシジピン、塩酸バタニジピン、レミルジピン、塩酸ジルチアゼム、マレイン酸クレンチアゼム、塩酸ベラパミール、S−ベラパミール、塩酸ファスジル、塩酸ベプリジル、塩酸ガロパミル等が挙げられ、血管拡張性降圧薬としては、インダパミド、塩酸トドララジン、塩酸ヒドララジン、カドララジン、ブドララジン等が挙げられ、交換神経遮断薬としては、塩酸アモスラロール、塩酸テラゾシン、塩酸ブナゾシン、塩酸プラゾシン、メシル酸ドキサゾシン、塩酸プロプラノロール、アテノロール、酒石酸メトプロロール、カルベジロール、ニプラジロール、塩酸セリプロロール、ネビボロール、塩酸ベタキソロール、ピンドロール、塩酸タータトロール、塩酸ベバントロール、マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール、フマル酸ビソプロロール、マロン酸ボピンドロール、ニプラジロール、硫酸ペンブトロール、塩酸アセブトロール、塩酸チリソロール、ナドロール、ウラピジル、インドラミン等が挙げられ、中枢性降圧薬としては、レセルピン等が挙げられ、α−アドレナリン受容体アゴニストとしては、塩酸クロニジン、メチルドパ、CHF−1035、酢酸グアナベンズ、塩酸グアンファシン、モクソニジン(moxonidine)、ロフェキシジン(lofexidine)、塩酸タリペキソール等が挙げられる。これらの薬剤は、特には高血圧の処置に好ましい。
抗血小板薬としては、塩酸チクロピジン、ジピリダモール、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、塩酸サルポグレラート、塩酸ジラゼプ、トラピジル、ベラプロストナトリウム、アスピリン等が挙げられる。抗血小板薬は、特にはアテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全の処置に好ましい。
尿酸生成阻害薬としては、アロプリノール、オキシプリノール等が挙げられ、尿酸排泄促進薬としては、ベンズブロマロン、プロベネシド等が挙げられ、尿アルカリ化薬としては、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの薬剤は、特には高尿酸血症、痛風の処置に好ましい。
例えば、他の薬剤と組合わせて使用する場合、糖尿病合併症の処置においては、インスリン感受性増強薬、糖吸収阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT阻害薬、インスリン又はインスリン類縁体、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ刺激薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、肝糖新生阻害薬、D−カイロイノシトール、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、アルドース還元酵素阻害薬、終末糖化産物生成阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、転写因子NF−κB阻害薬、脂質過酸化酵素阻害薬、N−アセチル化−α−リンクト−アシッド−ジペプチダーゼ阻害薬、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子、血小板由来成長因子類縁体、上皮増殖因子、神経成長因子、カルニチン誘導体、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB−761、ビモクロモル、スロデキシド、Y−128、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体アンタゴニストおよび利尿薬からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤と組合わせるのが好ましく、アルドース還元酵素阻害薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤と組合わせるのが更に好ましい。同様に、糖尿病の処置においては、インスリン感受性増強薬、糖吸収阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬、インスリン又はインスリン類縁体、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ刺激薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、肝糖新生阻害薬、D−カイロイノシトール、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニストおよび食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤と組合わせるのが好ましく、インスリン感受性増強薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬、インスリン又はインスリン類縁体、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ刺激薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、肝糖新生阻害薬、D−カイロイノシトール、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体およびアミリンアゴニストからなる群より選択される少なくとも1種の薬剤と組合わせるのが更に好ましく、インスリン感受性増強薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬およびインスリン又はインスリン類縁体からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤と組合わせるのが最も好ましい。また、肥満症の処置においては、インスリン感受性増強薬、糖吸収阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬、インスリン又はインスリン類縁体、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ刺激薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、肝糖新生阻害薬、D−カイロイノシトール、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、β−アドレナリン受容体アゴニストおよび食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤と組み合わせるのが好ましく、SGLT2阻害薬、β−アドレナリン受容体アゴニストおよび食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤と組合わせるのが更に好ましい。
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、外用剤(例えば、経皮吸収製剤)、注射剤、、座剤、液剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。また、本発明の医薬組成物は、徐放性製剤や腸溶性製剤であっても構わない。
これらの医薬組成物は、その剤型に応じ製剤学上使用される手法により適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤、増粘剤、ゲル化剤、硬化剤、吸収剤、粘着化剤、弾性剤、可塑剤、コーティング剤、徐放化剤、抗酸化剤、遮光剤、帯電防止剤、芳香剤、甘味剤、香味剤、着色剤、無痛化剤などの医薬品添加物を用いて適宜混合、希釈又は溶解した後、更には被膜等を施し、常法に従い製剤化することにより製造することができる。また、他の薬剤と組合わせて使用する場合は、それぞれの活性成分を同時に或いは別個に上記同様に製剤化することにより製造することができる。
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、その有効成分である前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグの投与量は患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合成人1日当たり概ね0.1〜1000mgの範囲で、非経口投与の場合は、成人1日当たり概ね0.01〜300mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。また、他の薬剤と組合わせて使用する場合、本発明の化合物の投与量は、他の薬剤の投与量に応じて減量することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、SMINT遺伝子のヒト組織における分布パターンを示すグラフである。縦軸はコピー数/ngcDNAを、横軸はヒト組織名をそれぞれ示す。
第2図は、ヒトSMINTに対する基質特異性を示すグラフである。縦軸はメチル−α−D−グルコピラノシド(α−MG)取込み活性(%)を、横軸は濃度(mol/L)をそれぞれ示す。尚、グラフ中、−△−はグルコースを、−○−はフルクトースを、−●−はガラクトースを、−□−はマンノースを、−◆−は1,5−アンヒドログルシトールをそれぞれ示す。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の内容を以下の参考例、実施例および試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
(参考例1)
3−ヒドロキシ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸エチル
ナトリウムエトキシド(23g)のエタノール(150mL)溶液にエトキシメチレンマロン酸ジエチル(32.7g)とイソプロピルヒドラジン(11.2g)を室温で加え、80℃で4時間撹拌し、さらに100℃で2時間撹拌した。反応混合物を2mol/L塩酸(300mL)に注ぎ、飽和食塩水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)にて精製することにより標記化合物10.5gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.35(3H,t,J=7.0Hz),1.48(6H,d,J=6.7Hz),4.20−4.40(3H,m),7.60(1H,s)
(参考例2)
5−ブロモ−3−ヒドロキシ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸エチル
3−ヒドロキシ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸エチル(10.5g)を塩化メチレン(100mL)に溶解し、氷冷撹拌下N−ブロモこはく酸イミド(14.1g)を加え、室温にて6時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)にて精製することにより標記化合物5.9gを得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.39(3H,t,J=7.0Hz),1.44(6H,d,J=6.6Hz),4.37(2H,q,J=7.0Hz),4.60−4.80(1H,m),8.34(1H,s)
(参考例3)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸エチル
5−ブロモ−3−ヒドロキシ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸エチル(5.8g)と炭酸カリウム(3.5g)をN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)に懸濁させ、氷冷撹拌下ベンジルブロミド(2.76mL)を加え、室温にて6時間撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸(100mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)にて精製することにより標記化合物7.7gを得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.35(3H,t,J=7.1Hz),1.42(6H,d,J=6.6Hz),4.30(2H,q,J=7.1Hz),4.60−4.80(1H,m),5.32(2H,s),7.20−7.60(5H,m)
(参考例4)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸エチル(7.7g)を1,4−ジオキサン(19mL)に懸濁させ、20%水酸化ナトリウム水溶液(19mL)を加え、100℃にて8時間撹拌した。放冷後、反応混合物を2mol/L塩酸(100mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物4.6gを得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.43(6H,d,J=6.7Hz),4.60−4.85(1H,m),5.34(2H,s),7.20−7.65(5H,m)
(参考例5)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−4−ヒドロキシメチル−1−イソプロピル−1H−ピラゾール
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−1−イソプロピルピラゾール−4−カルボン酸(4.6g)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、氷冷撹拌下ボラン−テトラヒドロフラン錯体、1Mテトラヒドロフラン溶液21mLを滴下し、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を氷冷し、水50mLを滴下した。続いて1mol/L塩酸(20mL)を滴下し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)にて精製することにより標記化合物3.0gを得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.41(6H,d,J=6.6Hz),1.51(1H,t,J=6.1Hz),4.43(2H,d,J=6.1Hz),4.50−4.68(1H,m),5.25(2H,s),7.20−7.60(5H,m)
(参考例6)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−4−ホルミル−1−イソプロピル−1H−ピラゾール
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−4−ヒドロキシメチル−1−イソプロピル−1H−ピラゾール(3.0g)を塩化メチレン(30mL)に溶解し、室温撹拌下二酸化マンガン(4g)を加え、50℃にて1時間撹拌した。不溶物をろ過後、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物2.7gを得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.44(6H,d,J=6.7Hz),4.55−4.75(1H,m),5.34(2H,s),7.20−7.60(5H,m),9.75(1H,s)
(参考例7)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−4−〔ヒドロキシ(4−メトキシフェニル)メチル〕−1−イソプロピル−1H−ピラゾール
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−4−ホルミル−1−イソプロピル−1H−ピラゾール(0.7g)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、室温撹拌下4−メトキシフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(0.5mL/L、4.3mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物に少量の飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、アミノプロピルシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)にて精製することにより標記化合物0.6gを得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.40(6H,d,J=6.6Hz),2.65(1H,d,J=7.5Hz),3.79(3H,s),4.45−4.65(1H,m),5.15−5.35(2H,m),5.66(1H,d,J=7.5Hz),6.83(2H,d,J=9.0Hz),7.20−7.45(7H,m)
(参考例8)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−4−〔ヒドロキシ(2,4−ジメトキシフェニル)メチル〕−1−イソプロピル−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、参考例7と同様の方法にて標記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.39(3H,d,J=6.5Hz),1.40(3H,d,J=6.7Hz),3.05(1H,d,J=6.6Hz),3.76(3H,s),3.79(3H,s),4.45−4.65(1H,m),5.15−5.35(2H,m),5.91(1H,d,J=6.6Hz),6.40(1H,dd,J=2.3Hz,8.6Hz),6.42(1H,d,J=2.3Hz),7.15−7.45(6H,m)
(参考例9)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンゾイル)−1H−ピラゾール
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−4−〔ヒドロキシ(4−メトキシフェニル)メチル〕−1−イソプロピル−1H−ピラゾール(0.6g)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、室温撹拌下二酸化マンガン(0.5g)を加え、50℃にて1時間撹拌した。不溶物をろ過後、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物(0.4g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.47(6H,d,J=6.6Hz),3.86(3H,s),4.60−4.80(1H,m),5.23(2H,s),6.87(2H,d,J=8.9Hz),7.15−7.40(5H,m),7.81(2H,d,J=8.9Hz)
(参考例10)
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−1−イソプロピル−4−(2,4−ジメトキシベンゾイル)−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、参考例9と同様の方法にて標記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.45(6H,d,J=6.6Hz),3.61(3H,s),3.83(3H,s),4.65−4.85(1H,m),5.15(2H,s),6.33(1H,d,J=2.3Hz),6.49(1H,dd,J=2.3Hz,8.6Hz),7.00−7.15(2H,m),7.18−7.30(3H,m),7.38(1H,d,J=8.6Hz)
(参考例11)
3−ベンジルオキシ−1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンゾイル)−5−フェノキシ−1H−ピラゾール
3−ベンジルオキシ−5−ブロモ−1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンゾイル)−1H−ピラゾール(43mg)、フェノール(14mg)、炭酸カリウム(21mg)をN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)に懸濁させ、還流下2時間攪拌した。放冷後、反応混合物に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製することにより標記化合物(24mg)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.42(6H,d,J=6.6Hz),3.82(3H,s),4.40−4.55(1H,m),5.31(2H,s),6.79(2H,d,J=8.8Hz),6.82(2H,d,J=7.9Hz),6.99(1H,t,J=7.4Hz),7.10−7.45(7H,m),7.67(2H,d,J=8.8Hz)
(参考例12)
3−ベンジルオキシ−4−(2,4−ジメトキシベンゾイル)−1−イソプロピル−5−(4−メトキシフェノキシ)−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、参考例11と同様の方法にて標記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.40(6H,d,J=6.5Hz),3.58(3H,s),3.73(3H,s),3.79(3H,s),4.35−4.55(1H,m),5.25(2H,s),6.25(1H,d,J=2.3Hz),6.37(1H,dd,J=2.3Hz,8.5Hz),6.66−6.85(4H,m),7.10−7.38(6H,m)
(参考例13)
3−ベンジルオキシ−4−(2,4−ジメトキシベンゾイル)−1−イソプロピル−5−ピペリジノ−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、参考例11と同様の方法にて標記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.40(6H,d,J=6.5Hz),1.45−1.75(6H,m),2.95−3.25(4H,m),3.64(3H,s),3.83(3H,s),4.65−4.88(1H,m),5.08(2H,s),6.35(1H,d,J=2.3Hz),6.45(1H,dd,J=2.3Hz,8.4Hz),6.85−7.00(2H,m),7.10−7.30(3H,m),7.38(1H,d,J=8.4Hz)
(参考例14)
3−ベンジルオキシ−4−(2,4−ジメトキシベンゾイル)−1−イソプロピル−5−ピラゾリル−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、参考例11と同様の方法にて標記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.42(6H,d,J=6.6Hz),3.62(3H,s),3.80(3H,s),4.20−4.45(1H,m),5.26(2H,s),6.26(1H,d,J=2.2Hz),6.33(1H,dd,J=1.7Hz,2.5Hz),6.39(1H,dd,J=2.2Hz,8.5Hz),7.10−7.30(5H,m),7.33(1H,d,J=8.5Hz),7.70(1H,d,J=1.7Hz),7.77(1H,d,J=2.5Hz)
(参考例15)
1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンジル)−5−フェノキシ−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン
水素化ホウ素ナトリウム(10mg)をテトラヒドロフラン(1mL)に懸濁し、氷冷撹拌下3−ベンジルオキシ−1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンゾイル)−5−フェノキシ−1H−ピラゾール(24mg)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液を滴下した。室温にて3時間攪拌し、反応混合物中に10%クエン酸水溶液1mLを滴下し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をエタノール(5mL)に溶解し、氷冷撹拌下10%パラジウム炭素末を加えた後、水素雰囲気下常圧室温にて6時間攪拌した。不溶物をろ去し、ろ液の溶媒を減圧下留去することにより標記化合物(10mg)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.35(6H,d,J=6.8Hz),3.42(2H,s),3.74(3H,s),4.20−4.40(1H,m),6.69(2H,d,J=8.5Hz),6.85(2H,d,J=7.5Hz),7.00(2H,d,J=8.5Hz),7.05(1H,t,J=7.5Hz),7.15−7.40(2H,m)
(参考例16)
1−イソプロピル−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−(4−メトキシフェノキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン
対応する原料物質を用いて、参考例15と同様の方法にて表記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.31(6H,d,J=7.0Hz),3.39(2H,s),3.75(3H,s),3.77(3H,s),3.78(3H,s),4.15−4.35(1H,m),6.30(1H,dd,J=2.6Hz,8.1Hz),6.38(1H,d,J=2.6Hz),6.70−6.90(5H,m)
(参考例17)
1−イソプロピル−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−ピペリジノ−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン
対応する原料物質を用いて、参考例15と同様の方法にて表記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.26(6H,d,J=6.6Hz),1.30−1.90(6H,m),2.86−3.10(4H,m),3.63(2H,s),3.77(3H,s),3.85(3H,s),4.15−4.40(1H,m),6.40(1H,dd,J=2.6Hz,8.4Hz),6.44(1H,d,J=2.6Hz),7.01(1H,d,J=8.4Hz)
(参考例18)
1−イソプロピル−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−ピラゾリル−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン
対応する原料物質を用いて、参考例15と同様の方法にて表記化合物を製造した。
H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.35(6H,d,J=6.5Hz),3.47(2H,s),3.76(3H,s),3.82(3H,s),3.90−4.10(1H,m),6.39(1H,dd,J=2.4Hz,8.5Hz),6.42(1H,d,J=2.4Hz),6.43(1H,dd,J=1.7Hz,2.2Hz),6.87(1H,d,J=8.5Hz),7.46(1H,d,J=2.2Hz),7.79(1H,d,J=1.7Hz)
【実施例1】
1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンジル)−5−フェノキシ−3−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−1H−ピラゾール
1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンジル)−5−フェノキシ−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン(10mg)、アセトブロモ−α−D−グルコース(40mg)及びベンジル(n−トリブチル)アンモニウムクロリド(30mg)の塩化メチレン(3mL)懸濁液に水酸化ナトリウム水溶液(2mol/L、0.1mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物をアミノプロピルシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)にて精製した。得られた粗精製の1−イソプロピル−4−(4−メトキシベンジル)−5−フェノキシ−3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオキシ−1H−ピラゾールをメタノール(5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.2mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水でし、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を逆相分取カラムクロマトグラフィー(資生堂社製CAPSELL PAC C18UG80、5μm、20×50mm、流速30mL/分リニヤグラジェント、水/メタノール=70/30〜10/90)で精製し、標記化合物10mgを得た。
H−NMR(CDOD)δ ppm:
1.15−1.45(6H,m),3.10−3.60(6H,m),3.63−3.77(4H,m),3.85(1H,dd,J=1.8Hz,12.0Hz),4.23−4.45(1H,m),5.25(1H,d,J=7.4Hz),6.66(2H,d,J=8.4Hz),6.79(2H,d,J=8.8Hz),6.93(2H,d,J=8.4Hz),7.05(1H,t,J=7.5Hz),7.25(2H,dd,J=7.5Hz,8.8Hz)
【実施例2】
1−イソプロピル−4−(2,4−ジメトキシフェニルメチル)−5−(4−メトキシフェニルオキシ)−3−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を製造した。
H−NMR(CDOD)δ ppm:
1.25−1.40(6H,m),3.25−3.50(6H,m),3.60(3H,s),3.69(1H,dd,J=5.4Hz,12.2Hz),3.715(3H,s),3.723(3H,s),3.83(1H,dd,J=2.4Hz,12.2Hz),4.25−4.45(1H,m),5.21(1H,d,J=7.6Hz),6.25−6.35(2H,m),6.65(2H,d,J=9.1Hz),6.73(2H,d,J=9.1Hz),6.88(1H,d,J=6.9Hz)
【実施例3】
1−イソプロピル−4−(2,4−ジメトキシフェニルメチル)−5−ピペリジノ−3−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を製造した。
H−NMR(CDOD)δ ppm:
1.34(3H,d,J=6.7Hz),1.35(3H,d,J=6.6Hz),1.38−1.63(6H,m),2.70−2.90(4H,m),3.10−3.45(4H,m),3.64(1H,dd,J=5.0Hz,12.0Hz),3.71(2H,s),3.72−3.79(4H,m),3.84(3H,s),4.60−4.80(1H,m),5.02(1H,d,J=7.4Hz),6.38(1H,dd,J=2.3Hz,8.6Hz),6.50(1H,d,J=2.3Hz),6.82(1H,d,J=8.6Hz)
【実施例4】
1−イソプロピル−4−(2,4−ジメトキシフェニルメチル)−5−(1H−ピラゾール−1−イル)−3−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−1H−ピラゾール
対応する原料物質を用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を製造した。
H−NMR(CDOD)δ ppm:
1.32(3H,d,J=6.6Hz),1.33(3H,d,J=6.6Hz),3.20−3.50(4H,m),3.55(2H,s),3.65(3H,s),3.69(1H,dd,J=5.1Hz,12.1Hz),3.72(3H,s),3.82(1H,dd,J=2.3Hz,12.1Hz),3.90−4.03(1H,m),5.27(1H,d,J=7.5Hz),6.33(1H,dd,J=2.3Hz,8.5Hz),6.36(1H,d,J=2.3Hz),6.45(1H,dd,J=1.9Hz,2.4Hz),6.89(1H,d,J=8.5Hz),7.54(1H,d,J=2.4Hz),7.73(1H,d,J=1.9Hz)
(試験例1)
SMINT遺伝子のヒト組織における分布パターン
1)cDNAの合成
ヒト肝臓、結腸、精巣、膵臓、肺、小腸、胃、胎盤、筋肉由来のトータルRNA(tRNA)はサワディーテクノロジー社から購入し、気管、脳、腎臓、心臓のtRNAはCLONTECH社から購入した。tRNA濃度をRiboGreen RNA quantification reagent and kit(Molecular Probe)を用いて測定し、cDNAの合成(逆転写反応)を行った。16.5μL反応液を用い、1.5μgtRNA、1.5μLの500ng/μL random hexamer(Invitrogen)を含んでいる。反応液を70℃で5分の反応を行い、室温に5分間保持した。6μLの5x BRL 1st strand buffer(Invitrogen)、3.25μLの蒸留水(ニッポンジーン)、1.5μLの10mM dNTP mix(Invitrogen)、0.75μLのRNase inhibitor(Invitrogen)、および2μLのSuperScript II(Invitrogen)を含んでいる13.5μL反応液を上記反応液に加えた。また同時にSuperScript II(Invitrogen)の代わりに蒸留水(ニッポンジーン)を加えた反応液も同様に上記溶液に加えた。全ての混合液は室温10分放置後、42℃で1時間反応を行った。そしてSuperScript II(Invitrogen)を失活させるために95℃10分反応を行い、直ちに氷中に移した。次に1.5μLのRNase Hを加え、37℃30分反応を行った。反応終了後170μLの蒸留水を加えた。合成されたcDNAは200μLのフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール=25:24:1(Invitrogen)で抽出し、さらに200μLのクロロホルム:イソアミルアルコール=24:1を用いて抽出した。エタノール沈殿を行い、100μLの蒸留水(ニッポンジーン)に希釈した。
2)リアルタイム定量PCRを用いたSMINT遺伝子発現量の測定
リアルタイム定量PCRのプライマーとして、フォワード:5’−TGT CAC AGT CCC CAA CAC CA−3’およびリバース:5’−CCG AAG CAT GTG GAA AGC A−3’、プローブとして5’−TGT CAC CTC CCA CGG CCC G−3’を用いた。プローブは蛍光色素FAMで5’末端を、蛍光色素TAMRAで3’末端をラベルした。上記で作製された2.5ng cDNA、1x Taqman Universal master mix(Applied Biosystems)、500nMフォワード、リバースプライマー、200nMプローブを含む25μL反応液を調製した。PCR条件は次の通りである:50℃2分、1サイクル、95℃10分、1サイクル、95℃15秒、60℃1分、40サイクル。遺伝子発現量の測定はGeneAmp 5700Sequence detection system(Applied Biosystems)を用い、MicroAmp optical 96−well reaction plate(Applied Biosystems)とMicroAmp optical cap(Applied Biosystems)中にて行った。シグナルは製造元の手引きに従って検出した(Christian A.Heid,et al.,「Genome Research」,1996年,第6巻,p.986−994)。連続的に1:10の割合で希釈したプラスミドDNA(試験例2記載のエシエリシア・コリ/SMINT2010324宿主細胞から抽出)(3.5x10、3.5x10、3.5x10、3.5x10、3.5x10、3.5x10molecule/well)を標準曲線として解析を行った。
得られた結果を第1図に示す。第1図は、ヒトSMINTが小腸と腎臓に多く発現していることを示している。それ故、ヒトSMINTは小腸での糖吸収や腎臓での糖の再吸収や細胞内取り込みに重要な役割を果たしていることが判った。
(試験例2)
ヒトSMINTに対する基質特異性の確認試験
1)ヒトSMINTの一過性発現細胞の調製
ヒトSMINTを含有する、受託番号:FERM P−18756の下に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成14年3月12日に寄託したSMINT/pME18S−FL発現プラスミド(微生物の表示:エシエリシア・コリ/SMINT2010324)をリポフェクション法によりCOS−7細胞(RIKEN CELL BANK RCB0539)に導入した。リポフェクション試薬はLIPOFECTAMINE PLUS試薬(Invitrogen)を用いた。リポフェクション前日に、COS−7細胞を1mLあたり6×10個となるようD−MEM培地(Invitrogen)に懸濁し、これを96穴プレートの1穴あたり50μLずつ分注した。リポフェクションは以下に従い行った。1穴あたり0.1μgのプラスミドを10μLのD−MEMで希釈し、0.5μLのPLUS試薬を加えて穏やかに混和し、15分間静置したものをプラスミド希釈液とした。1穴あたり0.5μLのLIPOFECTAMINE試薬を10μLのD−MEM培地で希釈し、LIPOFECTAMINE希釈液とした。プラスミド希釈液にLIPOFECTAMINE希釈液を等量加えて混和し、15分間静置した後、1穴あたり20μLずつ細胞培養液に添加し、37℃、5%COの条件下5時間培養した。その後16.7%ウシ胎仔血清(三光純薬)を含むD−MEM培地を1穴あたり100μLずつ添加した。2日間培養し、メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定に供した。
2)メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定
取り込み用緩衝液は、140mM塩化ナトリウム、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mM2−〔2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4に、メチル−α−D−グルコピラノシド(α−MG)の非放射ラベル体(Sigma)と14Cラベル体(AmershamBiosciences)のα−MGを最終濃度が1mMとなるように混和し添加した。基礎取り込み測定用には塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み測定用緩衝液を調製した。天然糖類の基質特異性を測定するため、天然糖類を蒸留水で溶解した後、蒸留水で適宜希釈して取り込み用緩衝液に添加し、測定用緩衝液とした。SMINT一過性発現細胞の培地を除去し、前処置用緩衝液(α−MGを含まない基礎取り込み用緩衝液)を1穴あたり200μL加え、37℃で10分間静置した。同一操作をもう1度繰り返した後、前処理用緩衝液を除去し、測定用緩衝液、取り込み用緩衝液又は基礎取り込み用緩衝液を1穴当たり75μLずつ加え37℃で静置した。1時間後に測定用緩衝液を除去し、1穴当たり150μLの洗浄用緩衝液(10mM非放射ラベル体α−MGを含む基礎取り込み用緩衝液)で2回洗浄した。1穴当たり75μLの0.2mol/L水酸化ナトリウムで細胞を溶解し、その液をピコプレート(Packard)に移した。150μLのマイクロシンチ40(Packard)を加えて混和し、マイクロシンチレーションカウンター トップカウント(Packard)にて放射活性を計測した。対照群の取り込みから基礎取り込み量を差し引いた値を100%として、試験化合物の各濃度におけるα−MGの取り込み量を算出した。試験化合物がα−MGの取り込みを50%阻害する濃度(IC50値)をロジットプロットにより算出した。その結果は第2図の通りである。第2図は、SMINTがグルコースに加えて、1,5−アンヒドログルシトール、フルクトース及びマンノースを基質とし、またガラクトースは基質でないことを示している。それ故、SMINTは腎臓等に存在する、ヒト1,5−アンヒドログルシトール/フルクトース/マンノース輸送担体である可能性が示唆された。
(試験例3)
ヒトSMINT阻害作用確認試験
1)ヒトSMINTの一過性発現細胞の調製
試験例2の1)と同様にして行った。
2)メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定
取り込み用緩衝液は、140mM塩化ナトリウム、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mM2−〔2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4に、メチル−α−D−グルコピラノシド(α−MG)の非放射ラベル体(Sigma)と14Cラベル体(AmershamBiosciences)のα−MGを最終濃度が1mMとなるように混和し添加した。基礎取り込み測定用には塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み測定用緩衝液を調製した。試験化合物をジメチルスルフォキシドに溶解した後、蒸留水にて適宜希釈して取り込み用緩衝液に添加し、測定用緩衝液とした。SMINT一過性発現細胞の培地を除去し、前処置用緩衝液(α−MGを含まない基礎取り込み用緩衝液)を1穴あたり200μL加え、37℃で10分間静置した。同一操作をもう1度繰り返した後、前処理用緩衝液を除去し、測定用緩衝液、取り込み用緩衝液又は基礎取り込み用緩衝液を1穴当たり75μLずつ加え37℃で静置した。1時間後に測定用緩衝液を除去し、1穴当たり150μLの洗浄用緩衝液(10mM非放射ラベル体α−MGを含む基礎取り込み用緩衝液)で2回洗浄した。1穴当たり75μLの0.2mol/L水酸化ナトリウムで細胞を溶解し、その液をピコプレート(Packard)に移した。150μLのマイクロシンチ40(Packard)を加えて混和し、マイクロシンチレーションカウンター トップカウント(Packard)にて放射活性を計測した。対照群の取り込みから基礎取り込み量を差し引いた値を100%として、試験化合物の各濃度におけるα−MGの取り込み量を算出した。試験化合物がα−MGの取り込みを50%阻害する濃度(IC50値)をロジットプロットにより算出した。その結果は表1の通りである。本発明の化合物は、強力なSMINT阻害活性を示した。

(試験例4)
ヒトSGLT1阻害作用確認試験
1)ヒトSGLT1のクローニングおよび発現ベクターへの組換え
ヒト小腸由来の総RNA(Ori gene)を、オリゴdTをプライマーとして逆転写し、PCR増幅用cDNAとして作製した。このcDNAを鋳型として、Hedigerらにより報告されたヒトSGLT1(Accession number:M24847)の1番から2005番までの塩基配列をPCR法により増幅し、pcDNA3.1(−)(Invitrogen)のマルチクローニング部位に挿入した。挿入したDNAの塩基配列は、報告されいていた塩基配列と完全に一致していた。
2)ヒトSGLT1一過性発現細胞の調製
上述の、ヒトSGLT1を含有するプラスミドpcDNA3.1(−)をリポフェクション法によりCOS−7細胞(RIKEN CELL BANK RCB0539)に導入した。リポフェクション試薬はLIPOFECTAMINE PLUS試薬(Invitrogen)を用いた。リポフェクション前日に、COS−7細胞を1mLあたり6×10個となるようD−MEM培地(Invitrogen)に懸濁し、これを96穴プレートの1穴あたり50μLずつ分注した。リポフェクションは以下に従い行った。1穴あたり0.1μgのプラスミドを10μLのD−MEMで希釈し、0.5μLのPLUS試薬を加えて穏やかに混和し、15分間静置したものをプラスミド希釈液とした。1穴あたり0.5μLのLIPOFECTAMINE試薬を10μLのD−MEM培地で希釈し、LIPOFECTAMINE希釈液とした。プラスミド希釈液にLIPOFECTAMINE希釈液を等量加えて混和し、15分間静置した後、1穴あたり20μLずつ細胞培養液に添加し、37℃、5%COの条件下5時間培養した。その後16.7%ウシ胎仔血清(三光純薬)を含むD−MEM培地を1穴あたり100μLずつ添加した。2日間培養し、メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定に供した。
3)メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定
取り込み用緩衝液は、140mM塩化ナトリウム、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mM2−〔2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4に、メチル−α−D−グルコピラノシド(α−MG)の非放射ラベル体(Sigma)と14Cラベル体(AmershamBiosciences)のα−MGを最終濃度が1mMとなるように混和し添加した。基礎取り込み測定用には塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み測定用緩衝液を調製した。試験化合物をジメチルスルフォキシドに溶解した後、蒸留水にて適宜希釈して取り込み用緩衝液に添加し、測定用緩衝液とした。ヒトSGLT1一過性発現細胞の培地を除去し、前処置用緩衝液(α−MGを含まない基礎取り込み用緩衝液)を1穴あたり200μL加え、37℃で10分間静置した。同一操作をもう1度繰り返した後、前処理用緩衝液を除去し、測定用緩衝液、取り込み用緩衝液又は基礎取り込み用緩衝液を1穴当たり75μLずつ加え37℃で静置した。1時間後に測定用緩衝液を除去し、1穴当たり150μLの洗浄用緩衝液(10mM非放射ラベル体α−MGを含む基礎取り込み用緩衝液)で2回洗浄した。1穴当たり75μLの0.2mol/L水酸化ナトリウムで細胞を溶解し、その液をピコプレート(Packard)に移した。150μLのマイクロシンチ40(Packard)を加えて混和し、マイクロシンチレーションカウンター トップカウント(Packard)にて放射活性を計測した。対照群の取り込みから基礎取り込み量を差し引いた値を100%として、試験化合物の各濃度におけるα−MGの取り込み量を算出した。試験化合物がα−MGの取り込みを50%阻害する濃度(IC50値)をロジットプロットにより算出した。
(試験例5)
ヒトSGLT2阻害作用確認試験
1)ヒトSGLT2のクローニングおよび発現ベクターへの組換え
ヒト腎臓由来の総RNA(Ori gene)を、オリゴdTをプライマーとして逆転写し、PCR増幅用cDNAとして作製した。このcDNAを鋳型として、Wellsらにより報告されたヒトSGLT2(Accession number:M95549)の2番から2039番までの塩基配列をPCR法により増幅し、pcDNA3.1(−)(Invitrogen)のマルチクローニング部位に挿入した。挿入したDNAの塩基配列は、報告されいていた塩基配列と完全に一致していた。
2)ヒトSGLT2一過性発現細胞の調製
上述の、ヒトSGLT2を含有するプラスミドpcDNA3.1(−)をリポフェクション法によりCOS−7細胞(RIKEN CELL BANK RCB0539)に導入した。リポフェクション試薬はLIPOFECTAMINE PLUS試薬(Invitrogen)を用いた。リポフェクション前日に、COS−7細胞を1mLあたり6×10個となるようD−MEM培地(Invitrogen)に懸濁し、これを96穴プレートの1穴あたり50μLずつ分注した。リポフェクションは以下に従い行った。1穴あたり0.1μgのプラスミドを10μLのD−MEMで希釈し、0.5μLのPLUS試薬を加えて穏やかに混和し、15分間静置したものをプラスミド希釈液とした。1穴あたり0.5μLのLIPOFECTAMINE試薬を10μLのD−MEM培地で希釈し、LIPOFECTAMINE希釈液とした。プラスミド希釈液にLIPOFECTAMINE希釈液を等量加えて混和し、15分間静置した後、1穴あたり20μLずつ細胞培養液に添加し、37℃、5%COの条件下5時間培養した。その後16.7%ウシ胎仔血清(三光純薬)を含むD−MEM培地を1穴あたり100μLずつ添加した。2日間培養し、メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定に供した。
3)メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定
取り込み用緩衝液は、140mM塩化ナトリウム、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mM2−〔2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4に、メチル−α−D−グルコピラノシド(α−MG)の非放射ラベル体(Sigma)と14Cラベル体(AmershamBiosciences)のα−MGを最終濃度が1mMとなるように混和し添加した。基礎取り込み測定用には塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み測定用緩衝液を調製した。試験化合物をジメチルスルフォキシドに溶解した後、蒸留水にて適宜希釈して取り込み用緩衝液に添加し、測定用緩衝液とした。ヒトSGLT2一過性発現細胞の培地を除去し、前処置用緩衝液(α−MGを含まない基礎取り込み用緩衝液)を1穴あたり200μL加え、37℃で10分間静置した。同一操作をもう1度繰り返した後、前処理用緩衝液を除去し、測定用緩衝液、取り込み用緩衝液又は基礎取り込み用緩衝液を1穴当たり75μLずつ加え37℃で静置した。1時間後に測定用緩衝液を除去し、1穴当たり150μLの洗浄用緩衝液(10mM非放射ラベル体α−MGを含む基礎取り込み用緩衝液)で2回洗浄した。1穴当たり75μLの0.2mol/L水酸化ナトリウムで細胞を溶解し、その液をピコプレート(Packard)に移した。150μLのマイクロシンチ40(Packard)を加えて混和し、マイクロシンチレーションカウンター トップカウント(Packard)にて放射活性を計測した。対照群の取り込みから基礎取り込み量を差し引いた値を100%として、試験化合物の各濃度におけるα−MGの取り込み量を算出した。試験化合物がα−MGの取り込みを50%阻害する濃度(IC50値)をロジットプロットにより算出した。
【産業上の利用可能性】
本発明の前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体、その薬理学的に許容される塩およびそれらのプロドラッグは、SGLT阻害作用を発現し、腎臓におけるグルコース、フルクトース及び/又はマンノースの再吸収又は細胞内取り込みを抑制し、或いは小腸におけるこれらの糖吸収を阻害して血糖値の上昇を抑制することができる。それ故、本発明により、糖尿病、食後高血糖、耐糖能異常、糖尿病合併症等の、グルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みに起因する疾患の予防、進展阻止又は治療薬を提供することができる。また、本発明の前記一般式(II)又は(III)で表されるピラゾール誘導体およびその塩は、前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体を製造する際の中間体として重要であり、当該化合物を経由することにより本発明の前記一般式(I)で表される化合物を容易に製造することができる。
【配列表】




【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式

〔式中、
は水素原子、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
QおよびTはどちらか一方が

から選択される基であり、他方が−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、または下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子またはC1−6アルキル基である)である〕、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
Rは下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
置換基群(A)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(B)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−GOG、−GN(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
(上記置換基群(A)及び/又は(B)中、
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である。
(置換基群(C)及び/又は(D)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)〕
で表されるピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグ。
【請求項2】
Qが−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基であり;Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子またはC1−6アルキル基である)である〕、下記置換基群(A)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
Tが

から選択される基であり;
Rが下記置換基群(B)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基であり;
置換基群(B)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−GOG、−GN(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
(上記置換基群(B)中、
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
は下記置換基群(C)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG、−SG、−N(G、−C(=O)G、−C(=O)OG、−C(=O)N(G、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である、
(置換基群(C)及び/又は(D)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、Gが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
請求項1記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグ。
【請求項3】
請求項1または2記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩、或いはそれらのプロドラッグを有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項4】
ナトリウム/グルコース共輸送担体阻害剤である、請求項3記載の医薬組成物。
【請求項5】
対象疾患がグルコース、フルクトース及びマンノースから選択される少なくとも一つの糖質の過剰取り込みに起因する疾患である、請求項3または4記載の医薬組成物。
【請求項6】
対象疾患が糖尿病、食後高血糖、耐糖能異常、糖尿病合併症、肥満症、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、高血圧、うっ血性心不全、浮腫性疾患、代謝性アシドーシス、シンドロームX、高尿酸血症、痛風及び腎炎からなる群から選択される疾患である、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
インスリン感受性増強薬、糖吸収阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬、インスリン又はインスリン類縁体、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ刺激薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、フルクトース−ビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、肝糖新生阻害薬、D−カイロイノシトール、グリコゲン合成酵素キナーゼ−3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド1−類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、アルドース還元酵素阻害薬、終末糖化産物生成阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、転写因子NF−κB阻害薬、脂質過酸化酵素阻害薬、N−アセチル化−α−リンクト−アシッド−ジペプチダーゼ阻害薬、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子、血小板由来成長因子類縁体、上皮増殖因子、神経成長因子、カルニチン誘導体、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB−761、ビモクロモル、スロデキシド、Y−128、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、β−アドレナリン受容体アゴニスト、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、プロブコール、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール吸収阻害薬、リパーゼ阻害薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害薬、リポキシゲナーゼ阻害薬、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬、スクアレン合成酵素阻害薬、低比重リポ蛋白受容体増強薬、ニコチン酸誘導体、胆汁酸吸着薬、ナトリウム共役胆汁酸トランスポーター阻害薬、コレステロールエステル転送タンパク阻害薬、食欲抑制薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体アンタゴニスト、利尿薬、カルシウム拮抗薬、血管拡張性降圧薬、交換神経遮断薬、中枢性降圧薬、α−アドレナリン受容体アゴニスト、抗血小板薬、尿酸生成阻害薬、尿酸排泄促進薬および尿アルカリ化薬からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤を組合わせてなる、請求項3〜6の何れかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
一般式

〔式中、
1Aは水素原子、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
およびTはどちらか一方が保護基を有する

から選択される基であり、他方が−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子、C1−6アルキル基または保護基である)である〕、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
は下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
置換基群(A1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aであり;
置換基群(B1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B、−GOG4A、−GN(G4A、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aである。
(置換基群(A1)及び/又は(B1)中、
1Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Aは水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Bは保護基、水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G2Bが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
4Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、G4Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG6A、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG6A、−SG、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である。
(置換基群(C1)及び/又は(D1)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
6Aは保護基、水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G6Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)〕
で表されるピラゾール誘導体またはその塩。
【請求項9】
一般式

〔式中、
1Aは水素原子、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
およびTはどちらか一方が水酸基であり、他方が−Z−Ar〔式中のArは下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;Zは−O−、−S−又は−NY−(式中のYは水素原子、C1−6アルキル基または保護基である)である〕、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい脂環式アミノ基、又は下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよい芳香族環状アミノ基であり;
は下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(A1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(B1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
置換基群(A1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aであり;
置換基群(B1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G1A、−OG2B、−SG2B、−N(G2B−GOG4A、−GN(G4A、−C(=O)G2A、−C(=O)OG2B、−C(=O)N(G2B、−S(=O)2A、−S(=O)OG2A、−S(=O)N(G2B、−S(=O)G1A、−OC(=O)G1A、−OC(=O)N(G2B、−NHC(=O)G2A、−OS(=O)1A、−NHS(=O)1A及び−C(=O)NHS(=O)1Aである。
(置換基群(A1)及び/又は(B1)中、
1Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Aは水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり;
2Bは保護基、水素原子、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−6アルキニル基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC3−8シクロアルキル基、下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール基、下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC2−9ヘテロシクロアルキル基、または下記置換基群(D1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G2Bが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよく;
はC1−6アルキル基であり;
4Aは下記置換基群(C1)から選択される同種または異種の基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル基であり、但し、G4Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)
置換基群(C1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、−G、−OG、−SG6A、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)であり;
置換基群(D1)はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−G、−OG6A、−SG、−N(G6A、−C(=O)G、−C(=O)OG6A、−C(=O)N(G6A、−S(=O)、−S(=O)OG、−S(=O)N(G6A、−S(=O)G、−OC(=O)G、−OC(=O)N(G6A、−NHC(=O)G、−OS(=O)、−NHS(=O)及び−C(=O)NHS(=O)である。
(置換基群(C1)及び/又は(D1)中、
はC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり;
6Aは保護基、水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C2−9ヘテロシクロアルキル基またはC1−9ヘテロアリール基であり、但し、G6Aが置換基中に複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。)〕
で表されるピラゾール誘導体またはその塩。

【国際公開番号】WO2004/113359
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【発行日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507253(P2005−507253)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008695
【国際出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000104560)キッセイ薬品工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】