説明

ピリダジノン構造を含むカスパーゼ阻害剤

本発明は、カスパーゼ阻害剤として使われるピリダジノン誘導体、その製造方法、及びそれを含有するカスパーゼ阻害用薬剤学的組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスパーゼ−1[インターロイキン−1β−変換酵素、ICE]、カスパーゼ−3[アポパイン(apopain)/CPP−32]、カスパーゼ−8及びカスパーゼ−9を含む各種カスパーゼに対する阻害剤としてのピリダジノン誘導体または薬剤学的に許容されるその塩、及びそれを含むカスパーゼ阻害用薬剤学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
カスパーゼは、最近10余年の間に発見されたα2β2テトラマー形態の新しい種類のシステインプロテアーゼである。現在までに、約14種類が知られている。それらの中の一つであるカスパーゼ−1(ICE)は、サイトカインの一種であり、生物学的不活性のプロインターロイキン−1βを活性インターロイキン−1βへ変換させるのに関与する酵素である。インターロイキン−1は、インターロイキン−1αとインターロイキン−1βとからなり、両方ともに単核細胞(monocytes)で31KDa前駆物質の形態に合成される。その中で、プロインターロイキン−1βのみがICEによって活性化される。カスパーゼ−1によって加水分解される位置は、Asp27−Gly28とAsp116−Ala117である。後者の位置が加水分解されれば、インターロイキン−1βが得られる。インターロイキン−1βは、炎症発生において重要な媒介体として作用するものと知られている(非特許文献1,非特許文献5〜9)。カスパーゼ−1は1989年に初めて発見され、3次元構造が、2つの独立的な研究グループによるX線結晶学的方法で明らかにされた。
【0003】
カスパーゼ−3(CPP−32)は、その役割または作用機構に対して広く研究されており、3次元構造は1996年に明らかになった(非特許文献2〜4)。プロカスパーゼ−3から活性化されたカスパーゼ−3(アポパイン)は(P4)Asp−X−X−Asp(P1)モチーフの位置で加水分解され、公知の基質としては、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ、U1 70,000Mrの核内低分子リボヌクレオタンパク質及び460,000MrのDNA−依存性プロテインキナーゼの触媒的サブユニットなどが挙げられる。カスパーゼ−7のX線構造はカスパーゼ−3の構造と類似な点が多いことと報告されている(非特許文献10)。
【0004】
カスパーゼ−8及び9はカスパーゼ−3、6、7の上流に存在し、このカスパーゼはいずれもアポトーシスカスケードに関与することが知られている。カスパーゼ−8のX線構造は1999年に明らかになっており(非特許文献11、12)、特に、その阻害剤はアポトーシスと関連した疾患を治療するのに有用に使用することができる。
【0005】
カスパーゼ阻害剤とは、カスパーゼの活動を妨害することで、カスパーゼ活性によって誘発される炎症やアポトーシスなどの症状をコントロールする化合物を意味する。この阻害剤を投与して治療または緩和しうる疾患または症状としては、たとえば、認知症、脳卒中、AIDSによる脳損傷、糖尿症、胃潰瘍、肝炎ウイルスによる脳損傷、肝炎による肝疾患、急性肝炎、劇症肝不全、敗血症、臓器移植拒否反応、リウマチ性関節炎、虚血性心臓疾患、及び肝硬変が挙げられる(非特許文献13〜30)。
【0006】
現在までに知られているカスパーゼ阻害剤の中で、最も知られている不可逆的阻害剤は次の化合物である:
【0007】
【化1】

【0008】
上記の二つの阻害剤は、酵素を不可逆的に不活性化して細胞アポトーシスを抑制する共通機構に基づいてそれらの活性を阻害する(不可逆、広域スペクトル阻害剤)。不可逆的な阻害剤は可逆的阻害剤に比べて有効な阻害活性を持っていると報告されている(非特許文献31)。IDN−1965(IDUN Pharmacetuicals社製)とMX−1013(Maxim Pharmaceuticals社製)は、いずれも肝損傷関連細胞アポトーシスモデルで活性を示すことと報告されている(非特許文献32、33)。これらの化合物は現在、前臨床研究段階にある。不可逆的阻害剤であるIDN−6556は肝損傷抑制剤としてフェーズIIの臨床試験段階にある(非特許文献34、35)。
【0009】
【化2】

【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Inflammation: Basic Principles and Clinical Correlates, 2nd ed., ed by Gallin, Goldstein and Snyderman. Raven Press Ltd., New York. 1992, pp211-232; Blood, 1996, 87(6), 2095-2147.
【非特許文献2】Wilson, K. P. et al., Nature, 1994, 370. 270
【非特許文献3】Walker, N. P. C. et al., Cell, 1994, 78, 343
【非特許文献4】Nature Structural Biology, 1996, 3(7), 619.
【非特許文献5】Thornberry, N. A. et al., Nature, 1992, 356. 768.
【非特許文献6】Nature Biotechnology, 1996, 14, 297.
【非特許文献7】Protein Science, 1995, 4, 3.
【非特許文献8】Nature, 1995, 376(July 6), 37.
【非特許文献9】Protein Science, 1995, 4, 2149.
【非特許文献10】Wei, Y. et al., Chemistry and Biology, 2000, 7, 423.
【非特許文献11】Blanchard H. et al., Structure, 1999, 7, 1125.
【非特許文献12】Blanchard H. et al., J. of Mol. Biol., 2000, 302, 9.
【非特許文献13】カスパーゼ関連疾患の論文;認知症:Arch Neurol 2003 Mar;60(3):369-76, Caspase gene expression in the brain as a function of the clinical progression of Alzheimer disease. Pompl PN, Yemul S, Xiang Z, Ho L, Haroutunian V, Purohit D, Mohs R, Pasinetti GM.
【非特許文献14】カスパーゼ関連疾患の論文;脳卒中:Proc Natl Acad Sci USA 2002 Nov 12;99(23):15188-93, Caspase activation and neuroprotection in caspase-3-deficient mice after in vivo cerebral ischemia and in vitro oxygen glucose deprivation. Le DA, Wu Y, Huang Z, Matsushita K, Plesnila N, Augustinack JC, Hyman BT, Yuan J, Kuida K, Flavell RA, Moskowitz MA.
【非特許文献15】カスパーゼ関連疾患の論文;AIDSによる脳損傷:J Neurosci 2002 May 15;22(10):4015-24, Caspase cascades in human immunodeficiency virus-associated neurodegeneration. Garden GA, Budd SL, Tsai E, Hanson L, Kaul M, D'Emilia DM, Friedlander RM, Yuan J, Masliah E, Lipton SA.
【非特許文献16】カスパーゼ関連疾患の論文;糖尿症:Diabetes 2002 June;51(6):1938-48, Hyperglycemia-induced apoptosis in mouse myocardium: mitochondrial cytochrome C-mediated caspase-3 activation pathway. Cai L, Li W, Wang G, Guo L, Jiang Y, Kang YJ.
【非特許文献17】カスパーゼ関連疾患の論文;胃潰瘍:J Physiol Pharmacol 1998 Dec;49(4):489-500, Role of basic fibroblast growth factor in the suppression of apoptotic caspase-3 during chronic gastric ulcer healing. Slomiany BL, Piotrowski J, Slomiany A.
【非特許文献18】カスパーゼ関連疾患の論文;肝炎ウイルスによる脳損傷:J Viral Hepat 2003 Mar;10(2):81-6, Cerebral dysfunction in chronic hepatitis C infection. Forton DM, Taylor-Robinson SD, Thomas HC.
【非特許文献19】カスパーゼ関連疾患の論文;劇症肝不全:Gastroenterology 2000 Aug;119(2):446-60, Tumor necrosis factor alpha in the pathogenesis of human and murine fulminant hepatic failure. Streetz K, Leifeld L, Grundmann D, Ramakers J, Eckert K, Spengler U, Brenner D, Manns M, Trautwein C.
【非特許文献20】カスパーゼ関連疾患の論文;敗血症:Nat Immunol 2000 Dec;1(6):496-501, Caspase inhibitors improve survival in sepsis: a critical role of the lymphocyte. Hotchkiss RS, Chang KC, Swanson PE, Tinsley KW, Hui JJ, Klender P, Xanthoudakis S, Roy S, Black C, Grimm E, Aspiotis R, Han Y, Nicholson DW, Karl IE.
【非特許文献21】カスパーゼ関連疾患の論文;臓器移植拒否反応:Xenotransplantation 2001 May;8(2):115-24, In vitro prevention of cell-mediated xeno-graft rejection via the Fas/FasL-pathway in CrmA-transducted porcine kidney cells. Fujino M, Li XK, Suda T, Hashimoto M, Okabe K, Yaginuma H, Mikoshiba K, Guo L, Okuyama T, Enosawa S, Amemiya H, Amano T, Suzuki S.
【非特許文献22】カスパーゼ関連疾患の論文;リウマチ性関節炎:Prog Med Chem 2002;39:1-72, Caspase inhibitors as anti-inflammatory and antiapoptotic agents. Graczyk PP.
【非特許文献23】カスパーゼ関連疾患の論文;虚血性心臓疾患:Am J Physiol Heart Circ Physiol 2002 Sep;283(3):H990-5, Hypoxia-induced cleavage of caspase-3 and DFF45/ICAD in human failed cardiomyocytes. Todor A, Sharov VG, Tanhehco EJ, Silverman N, Bernabei A, Sabbah HN.
【非特許文献24】カスパーゼ関連疾患の論文;抗炎症:J Immunol 2003 Mar 15;170(6):3386-91, A broad-spectrum caspase inhibitor attenuates allergic airway inflammation in murine asthma model. Iwata A, Nishio K, Winn RK, Chi EY, Henderson WR Jr, Harlan JM.
【非特許文献25】カスパーゼ関連疾患の論文;肝炎による肝疾患:i) J Viral Hepat. 2003 Sep;10(5):335-42. Apoptosis in hepatitis C Kountouras J, Zavos C, Chatzopoulos D.
【非特許文献26】カスパーゼ関連疾患の論文;肝炎による肝疾患:ii) Apoptosis. 2003 Dec;8(6):655-63. Apoptosis participates to liver damage in HSV-induced fulminant hepatitis. Pretet JL, Pelletier L, Bernard B, Coumes-Marquet S, Kantelip B, Mougin C.
【非特許文献27】カスパーゼ関連疾患の論文;肝炎による肝疾患:iii) Proc Natl Acad Sci U S A. 2003 Jun 24;100(13):7797-802. Caspase 8 small interfering RNA prevents acute liver failure in mice. Zender L, Hutker S, Liedtke C, Tillmann HL, Zender S, Mundt B, Waltemathe M, Gosling T, Flemming P, Malek NP, Trautwein C, Manns MP, Kuhnel F, Kubicka S.
【非特許文献28】カスパーゼ関連疾患の論文;肝硬変:i) J Pharmacol Exp Ther. 2004 Mar;308(3):1191-6, The caspase inhibitor Idn-6556 attenuates hepatic injury and fibrosis in the bile duct ligated mouse. Canbay A., Fledstein A., Baskin-Bey E., Bronk FS. Gores GJ.
【非特許文献29】カスパーゼ関連疾患の論文;肝硬変:ii) Hepatology. 2004 Feb;39(2):273-8, Apoptosis: the nexus of liver injury and fibrosis. Canbay A, Friedman S, Gores GJ.
【非特許文献30】カスパーゼ関連疾患の論文;肝硬変:iii) Hepatology. 2003 Nov;38(5):1188-98, Kupffer cell engulfment of apoptotic bodies stimulates death ligand and cytokine expression. Canbay A, Feldstein AE, Higuchi H, Werneburg N, Grambihler A, Bronk SF, Gores GJ.
【非特許文献31】Wu J. et al., Methods: A Companion to Methods in Enzymology, 1999, 17, 320.
【非特許文献32】Hoglen N. C. et al., J. of Pharmacoloy and Experimental Therapeutics, 2001, 297, 811.
【非特許文献33】Jaeschke H. et al., Toxicology and Applied Pharmacology, 2000, 169, 77.
【非特許文献34】Hoglen N.C. et al., J. Pharmacol Exp. Ther., 2004, 309(2):634. Characterization of IDN-6556 (3-[2-(2-tert-butyl-phenylaminooxalyl)-amino]- propionylamino]-4-oxo-5-(2,3,5,6-tetrafluoro-phenoxy)-pentanoic acid): a liver-targeted caspase inhibitor.
【非特許文献35】Canbay A. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 2004, 308(3), 1191. The caspase inhibitor IDN-6556 attenuates hepatic injury and fibrosis in the bile duct ligated mouse.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、カスパーゼに対して、効果的で、且つ高い選択性を有する阻害剤として使用しうる新しい化合物をデザインするために鋭意研究を行った。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明者らは様々な化合物を合成し、カスパーゼに対するそれらの結合能及び阻害活性を測定した。その結果、下記一般式(1)の化合物が上記目的に適うことを見出し、本発明を完成した。
【0013】
【化3】

【0014】
式中、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びXは下記の定義と同義である。
【0015】
従って、本発明はカスパーゼに対する有用な阻害活性を有する上記一般式(1)の新規なピリダジノン誘導体または薬剤学的に許容されるその塩を提供する。
【0016】
また、本発明は薬剤学的に許容されるキャリヤと共に、上記一般式(1)の化合物または薬剤学的に許容されるその塩を活性成分として含有することを特徴とするカスパーゼ阻害用薬剤学的組成物、具体的には消炎またはアポトーシス防止用薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る一般式(1)の化合物は優れたカスパーゼ阻害活性を有し、それでカスパーゼによって媒介された様々な疾患及び症状の治療に有利に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まずは、本発明における重要用語は下記のように定義される:
a)C1−C5−アルキル基:炭素原子1〜5個を有する直鎖状または分枝状の炭化水素であって、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルなどが挙げられるが、これらに制限されない。
【0019】
b)C3−C10−シクロアルキル基:炭素原子3〜10個を有する環状炭化水素であって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに制限されない。
【0020】
c)アリール基:アリール基は芳香族基とヘテロ芳香族基及びその部分還元誘導体を全て含む。芳香族基は単一または縮合された5〜15員環の不飽和炭化水素である。上記ヘテロ芳香族基は酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択された1〜5個のヘテロ原子を有する芳香族基である。アリール基はフェニル、ナフチル、インドリル、キノリニル、イソキノリル、イミダゾリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリルなどが挙げられるが、これらに制限されない。
【0021】
上記C1−C5−アルキル基、C3−C10−シクロアルキル基またはアリール基中の一つ以上の水素は、下記から選択された基で置換されていてもよい:アシル、アミノ、カルボアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、チオ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、スルホキシ及びグアニド基。
【0022】
d)天然アミノ酸は下記を含む:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、プロリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン。
【0023】
また、本明細書には下記の略語が含まれる:
NBS:N−ブロモコハク酸イミド
HATU :O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO :ジメチルスルホキシド
NMM :N−メチルモルホリン
AIBN: 2,2'− アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フリーラジカル
LiHMDS:リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
HEPES:N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2'−エタンスルホン酸)
CHAPS:3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアミノ]−1−プロパンスルホネート
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
DTT:ジチオスレイトール
【0024】
以下、本発明をより具体的に説明する。本発明の一態様はカスパーゼに対する阻害剤として有用な下記一般式(1)のピリダジノン誘導体または薬剤学的に許容されるその塩に関する:
【0025】
【化4】

【0026】
式中、
I)R1はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、アリール、または全ての天然アミノ酸の側鎖残基を表し、
II)R2はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、アリール、または全ての天然アミノ酸の側鎖残基を表し、
III)R3はH、C1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ、またはハロゲンを表し、
IV)R4はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールを表し、
V)R5はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールを表し、
VI)R6及びR7はそれぞれ互いに独立して、H、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールを表し、
VII)Xは−CH2OR9(R9はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、−CH2OC(=O)R10(R10はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、−CH2−OP(=O)R112(R11はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、または−CH2−W(Wはハロゲンである。)を表す。
【0027】
本発明に係る一般式(1)の化合物において、R1は、好ましくは全ての天然アミノ酸の側鎖残基、より好ましくは−CH2COOHを表す。本発明の一般式(1)の化合物は、R1基によってR1が結合された炭素が不斉中心になるとき、2種の立体異性体、またはそれらの混合物(ジアステレオマー混合物)を含んでいてもよい。R1がカルボキシル部分を含むアミノ酸の側鎖残基のとき、一般式(1)の化合物はエステル形態(−CO2Y、ここで、YはC1−C5−アルキル)、スルホンアミド形態(−CONHSO2Z、ここで、ZはC1−C5−アルキル)、及び薬剤学的に許容される塩形態を含んでいてもよく;または一般式(1)の化合物は、また、R1が塩基部分を含むアミノ酸の側鎖残基のとき、薬剤学的に許容される塩の形態で存在していてもよい。
【0028】
本発明の化合物(一般式(Ia))は、R1が−CH2COOHのとき、環状ケタールの形態(一般式(Ib))で存在できるので、当業者であれば環状ケタール(一般式(Ib))も本発明に含まれることは理解することができる。
【0029】
【化5】

【0030】
また、上記化合物の平衡形態には、それらの互変異性形態が含まれることと理解しなければならない。
【0031】
2は、好ましくはC1−C5−アルキルを表し、より好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、またはt−ブチルを表す。一般式(1)の化合物は、R2基によってR2が結合された炭素が不斉中心になるとき、2種の立体異性体、またはそれらの混合物(ジアステレオマー混合物)を含んでいてもよい。一般式(1)の化合物は、R2がカルボキシル部分を含むアミノ酸の側鎖残基のとき、エステル形態(−CO2Y、ここで、YはC1−C5−アルキル)、スルホンアミド形態(−CONHSO2Z、ここで、ZはC1−C5−アルキル)、及び薬剤学的に許容される塩の形態を含んでいてもよく;または一般式(1)の化合物は、R2が塩基部分を含むアミノ酸の側鎖残基のとき、薬剤学的に許容される塩の形態で存在していてもよい。
【0032】
3は、好ましくはH、C1−C5−アルキル、C1−C5−アルコキシ、またはハロゲンを表し、より好ましくはH、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、またはt−ブチル、メトキシ、エトキシ、フッ素、または塩素を表す。
【0033】
4は、好ましくはHを表す。
【0034】
5は、好ましくは置換されていてもよいC3−C10−シクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールによって置換されたC1−C5−アルキルを表すか;または置換されていてもよいアリールを表す。R5は、より好ましくはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ、及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−C10−シクロアルキル、またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ、及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいアリールによって置換されたC1−C5−アルキル;またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ、及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいアリールを表す。例えば、R5は、フェニル、ナフチル、インドリル、キノリニル、イソキノリル、イミダゾリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであるか、またはフェニル、ナフチル、インドリル、キノリニル、イソキノリル、イミダゾリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリルまたはシクロヘキシルによって置換されたメチルであり、これらはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i-ブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリハロメチル、及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0035】
6及びR7は、それぞれ、好ましくは、Hを表す。
【0036】
9は、好ましくは一つ以上のハロゲンによって置換されたアリール、より好ましくは一つ以上のフルオロ基によって置換されたフェニル、最も好ましくは2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニルまたは2,6−ジフルオロフェニルを表す。
【0037】
10は、好ましくは一つ以上のハロゲンによって置換されたアリール、より好ましくは一つ以上のクロロ基によって置換されたフェニル、最も好ましくは2,6−ジクロロフェニルを表す。
【0038】
11は、好ましくはアリール、より好ましくはフェニルを表す。
【0039】
Wは、好ましくはFを表す。
【0040】
最も好ましい化合物は下記群から選択された化合物である:
5−フルオロ−3−[2−(5−メチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸(1);
3−[2−(2−ベンジル−5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(2);
3−[2−(2−ベンジル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(3);
3−[2−(2−ベンジル−5−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(4);
3−[2−(2−ベンジル−5−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(5);
3−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(6);
3−2−[2−(3−tert−ブチル-ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(7);
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸(8);
5−フルオロ−3−2−[2−(3−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸(9);
5−フルオロ−3−2−[2−(3−メトキシ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸(10);
5−フルオロ−3−[2−(2−ナフタレン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸(11);
5−フルオロ−3−[2−(2−ナフタレン−2−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸(12);
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−オキサゾール−4−イルメチル)−3-オキソ−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸(13);
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸(14);
3−2−[2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(15);
3−[2−(2−シクロヘキシルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(16);
5−フルオロ−3−[2−(2−イソキノリン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸(17);
3−{2−[2−(2−クロロ-ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(18);
3−{2−[2−(3−クロロ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(19);
3−{2−[2−(3−ブロモ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸(20);
5−フルオロ−4−オキソ−3−{2−[3−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−ペンタン酸(21);
5−フルオロ−4−オキソ−3−{2−[3−オキソ−2−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−ペンタン酸(22);
2,6−ジクロロ-安息香酸(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル-ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−カルボキシ−2−オキソ−ブチルエステルと、2,6−ジクロロ−安息香酸(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−カルボキシ−2−オキソ−ブチルエステル(23−1、23−2);
(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−べンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸と、(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸(24−1、24−2);
(S)−3−{(R)−2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸と、(S)−3−{(S)−2−[2−(3−tert−ブチル-ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸(25−1、25−2);
(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,6−トリフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸と、(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,6−トリフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸(26−1、26−2);
(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−4−オキソ−ペンタン酸と、(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−4-オキソ−ペンタン酸(27−1、27−2);及び
(S)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(ジフェニルホスフィノイルオキシ)−4−オキソ−ペンタン酸(28)。
【0041】
カスパーゼに対して抑制作用を示す一般式(1)の新規なピリダジノン誘導体を製造する方法を、下記反応式1〜4に表す。しかし、下記反応式に説明された方法は、本発明で使われた典型的なプロセスだけを表す。単位操作の順序、試薬、反応条件、溶媒などは制限無く変更できる。
【0042】
【化6】

【0043】
上記反応式1において、アルキルアルデヒド(2)、例えば、プロピオンアルデヒドと第2級アミン、例えば、ジエチルアミンを硫酸マグネシウムの存在下で脱水させてエナミン化合物(3)を得る。このエナミン(3)をジアルキルマレエート、例えば、ジメチルマレエートと適切な溶媒、例えば塩化メチレン中で反応し、酢酸で処理してアルデヒド化合物(4)を得る。その後、アルデヒド化合物(4)とヒドラジン水和物を適切な溶媒、例えばエタノール中で反応してジヒドロピリダジノン化合物(5)を得る。ジヒドロピリダジノン化合物(5)を適切な酸化剤、例えば塩化チオニルを使用して適切な溶媒、例えば塩化メチレン中で酸化させ、ピリダジノン構造の目的化合物(6)を得る。
【0044】
【化7】

【0045】
上記反応式2において、4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン(7)をメトキシメチル保護基(8)で保護し、ジエチルマロネートとナトリウムエトキシドとを反応させてジエチルマロネートの誘導体(9)を得る。誘導体(9)をDMSO溶液中でNaClと共に加熱してモノアセテート(10)を得る。得られたモノアセテート(10)を水素雰囲気下、Pd/Cで処理して誘導体(11)を合成する。該誘導体(11)をBBr3で脱保護し、生成された誘導体(12)を適切なハロゲン化アルキルと反応させて誘導体(13)を得る。該誘導体(13)をLiHMDS及び適切なハロゲン化アルキルと反応させて誘導体(14)を得て、必要に応じてこれをさらに加水分解し、保護基が除去されたカルボン酸誘導体(15)を得る。
【0046】
【化8】

【0047】
反応式3及び4において、Zは−OR9(R9はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリール)、−OC(=O)R10(R10はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリール)、または−W(Wはハロゲン)を表す。
【0048】
上記反応式3で示されるように、カルボン酸誘導体(15)をアスパラギン酸誘導体(18)(下記反応式4 参照)とカップリングして化合物(16)を得て、これをデス・マーチンペルヨージナン酸化反応させ、必要に応じて脱保護して目的の化合物(1)を得る。
【0049】
反応式3で示した化合物(1)中の官能基Zは、下記反応式4の工程に従って所望の形態のZ基を既に有する化合物(18)を合成し、続いて、これをカルボン酸化合物(15)と反応して形成できる(参照:WO 00/23421)。または、カルボン酸化合物(15)とアスパラギン酸(β−t−Bu)メチルエステルとを混合して加水分解した後、反応式4の工程に従ってZ基を導入することができる。Z基がFのとき、公知の方法(参照:Tetrahedron Letters, 1994, 35(52), 9693-9696)によってラセミ化合物を製造することができる。
【0050】
【化9】

【0051】
本発明に係る上記一般式(1)の化合物は、下記実験例の結果によって立証されるように、カスパーゼに対する広域スペクトルの抑制活性を有しており、これにより、消炎及びアポトーシスの予防効果を有している。従って、本発明は、薬剤学的に許容されるキャリヤと共に、一般式(1)の化合物または薬剤学的に許容されるその塩を活性成分として含有することを特徴とするカスパーゼ阻害用薬剤学的組成物、具体的には消炎及びアポトーシス防止用薬剤学的組成物を提供する。さらに詳しくは、本発明に係る組成物は認知症、脳卒中、AIDSによる脳損傷、糖尿症、胃潰瘍、肝炎による脳損傷、肝炎による肝疾患、急性肝炎、劇症肝不全、敗血症、臓器移植拒否反応、リウマチ性関節炎、虚血性心臓疾患による心臓細胞アポトーシス、または肝硬変の治療または予防効果を示す。
【0052】
本発明の化合物(1)は投与目的のために様々な薬剤学的投与形態で剤形化することができる。本発明に係る薬剤学的組成物を製造するために、一般式(1)の化合物または薬剤学的に許容されるその塩の有効量を製造しようとする剤形に従って様々な形態を取り得る薬剤学的に許容されるキャリヤと混合する。
【0053】
カスパーゼ抑制化合物は適用目的によって注射用製剤、経皮用製剤または経口用製剤として剤形化できる。投与の容易性及び容量の均一性の側面から組成物を単一投与形で剤形化するのが特に有利である。
【0054】
経口用製剤の場合には、あらゆる通常の薬剤学的キャリヤを使用することができる。例えば、懸濁液、シロップ剤、エリキシル及び溶液剤のような経口用液体製剤の場合、水、グリコール、油、アルコールなどをキャリヤとして使用することができ;散剤、丸剤、カプセル剤及び錠剤のような固体製剤の場合にはでんぷん、糖類、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩解剤などを使用することができる。投与の容易性によって、錠剤及びカプセル剤が最も便利な服用形態である。錠剤及び丸剤は腸溶性錠剤で製造することが好ましい。
【0055】
非経口製剤の場合には、キャリヤとしては通常的に滅菌水を使用し、溶解助剤のような他の成分も使用できる。注射用製剤、例えば,滅菌注射用水性または油性懸濁液は公知の技術に従い、適した分散剤、湿潤剤、または懸濁剤を用いて製造できる。注射剤製剤の製造に用いられる溶媒としては、水、リンガー液及びNaCl等張液があり、通常的に滅菌固定油も溶媒または懸濁媒体として使用できる。モノ−またはジ−グリセリドを含む無刺激性固定油もこのような目的のために使用できる。また、オレイン酸のような脂肪酸も注射用製剤のために使用できる。
【0056】
経皮製剤の場合には、キャリヤとして浸透促進剤及び/又は適当な湿潤剤を、任意に皮膚に対して顕著な刺激性のない適当な添加剤と共に混合して使用することができる。添加剤は皮膚を通して投与を促進及び/又は所望の組成物の製造を支援することができる。経皮製剤は経皮用パッチ、点滴剤または軟膏のような様々な方式で投与される。
【0057】
本発明のカスパーゼ抑制化合物を臨床の目的で投与する場合、体重1kg当たり0.1〜100mgの範囲の量で対象患者に投与するのが好ましい。1日の全投与量は1回または数回に投与され得る。しかし個々の患者に対する固有の投与量は、使われる特定化合物、患者の体重、性別、健康状態、食餌、薬剤の投与時間、投与方法、排泄率、薬剤混合及び疾患の重症度などによって変わり得る。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を、下記実施例によってより具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本発明に対する理解を助けるためだけのものであり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0059】
製造例1−1)
(5−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸メチルエステル
硫酸マグネシウム(3.6kg、30.0mol)をジエチルアミン(6.6kg、90.0mol)に入れ、温度を0℃に保持しながら、プロピオンアルデヒド(1.76kg、30.3mol)を添加した。混合物を室温に温め、2.5時間撹拌した。この混合物に塩化メチレン18Lを投入した後、0℃に冷却した。ジメチルマレエート(3.04kg、21.1mol)を入れ、得られた混合物を20時間撹拌した。反応混合物をろ過して固体を除去し、ろ液を減圧下で蒸留して、粗質の3−ジエチルアミノ−4−メチル−シクロブタン−1,2−ジカルボン酸ジメチルエステルを得た。
【0060】
上記で得られた3−ジエチルアミノ−4−メチル−シクロブタン−1,2−ジカルボン酸ジメチルエステルに、テトラヒドロフラン(10L)と蒸留水(5L)とを加え、そこに酢酸(2.54kg、42.3mol)を加えた後、混合物を還流下で1時間撹拌した。減圧下で蒸留してテトラヒドロフランを除去した。酢酸エチルを残渣に入れ、通常的な方法によって抽出−乾燥−濃縮して粗質の2−(1−メチル−2−オキソ−エチル)コハク酸ジメチルエステル(3.44kg)を得た。
【0061】
2−(1−メチル−2−オキソ−エチル)コハク酸ジメチルエステルにエタノール(13L)を入れ、0℃に冷却した。この温度を保持しながら酢酸(1.2kg、20mol)を添加した。反応混合物にヒドラジン水和物(1.08kg、21.6mol)を添加した後、室温に温め、16時間撹拌した。エタノールを減圧留去し、塩化メチレンを残渣に入れた後、通常的な方法によって抽出−乾燥−濃縮して表題化合物(2.80kg、収率:51%)を得た。
【0062】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.39(brs,1H),7.17(d,0.5H),6.94(s,0.5H),3.71(d,3H),3.20−3.15(m,0.5H),3.03−2.98(m,0.5H),2.78−2.73(m,1H),2.67−2.61(m,1H),2.39−2.34(m,0.5H),1.24(d,0.5H),1.01(d,1.5H)
【0063】
製造例1−2)
(5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸メチルエステル
製造例1−1)の化合物(2.70kg、14.7mol)に塩化メチレン(27L)を入れ、0℃に冷却した。塩化チオニル(2.08kg、17.6mol)を40分間で加えた。混合物を室温に温め、4.5時間撹拌した。反応混合物に10%塩化ナトリウム水溶液(20kg)と塩化メチレン(16kg)とを加えた。相分離で得られた有機層を通常の方法によって乾燥、濃縮して表題化合物(1.72kg、収率:64%)を淡黄色固体として得た。
【0064】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 12.08(brs,1H),7.66(s,1H),3.70(s,3H),3.68(s,2H),2.19(s,3H)
【0065】
製造例1−3)
(5−メチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸メチルエステル
製造例1−2)の化合物(182mg、1.0mmol)、フェニルボロン酸(244mg、2.0eq)、Cu(OAc)2・H2O(40mg、0.2eq)、ピリジン(0.16mL、2.0eq)、TEMPO(172mg、1.1eq)及びモレキュラーシーブ(120mg、4A、粉末、予備乾燥)の混合物にCH2Cl2(10mL)を加え、窒素雰囲気下、 室温で1時間撹拌した。反応混合物を空気に露出し、1日撹拌した。飽和酢酸アンモニウム(30mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出(100mL×2回)した。抽出物を炭酸水素ナトリウム希薄溶液(NaHCO3、100mL×2回)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20〜35%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(258mg)を化学量論的収率で得た。
【0066】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.75(s,1H),7.58(d,2H),7.44(t,2H),7.36(t,1H),3.70(s,3H),3.68(s,2H),2.25(s,3H)
【0067】
製造例1−4)
2−(5−メチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸メチルエステル
製造例1−3)の化合物(258mg、1.0mmol)を窒素雰囲気下で無水THF(10mL)に溶かし、−78℃の温度で保持した。1.0M LiHMDS/THF(1.20mL、1.2eq)を加え、混合物を10分撹拌した。ヨウ化エチル(0.12mL、1.5eq)を加え、混合物をゆっくり室温に温めながら一晩中撹拌した。水(20mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出(50mL×2回)し、塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮して、表題化合物(286mg)を化学量論的収率で得た。この化合物はさらに精製することなく、次の反応で使用した。
【0068】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.72(s,1H),7.60(d,2H),7.44(t,2H),7.35(t,1H),3.77(dd,1H),3.70(s,3H),2.28(m,1H),2.26(s,3H),1.90(m,1H),0.92(t,3H)
【0069】
製造例1−5)
2−(5−メチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸
製造例1−4)の化合物(286mg)を溶媒混合物(6mL、テトラヒドロフラン:MeOH:H2O=3:2:1)に溶かし、LiOH・H2O(126mg、3.0eq)を加え、混合物を約2時間攪拌しながら加熱した。反応溶液を1N塩酸水溶液で中和し、減圧下で蒸留して大部分のテトラヒドロフランを除去した。残渣を過剰の酢酸エチル(50mL)に溶かし、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮して、表題化合物(272mg)を化学量論的収率で得た。この化合物はさらに精製することなく、次の反応で使用した。
【0070】
製造例1−6)
5−フルオロ−3−[2−(5−メチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例1−5)のカルボン酸誘導体(271mg、1.00mmol)、3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−ペンタン酸tert−ブチルエステル(参照: Tetrahedron Letters, 1994, 35(52), 9693-9696;248 mg、1.2eq)及びHATU(494mg、1.3eq)の混合物を0℃に冷却し、DMF(5mL)溶媒中、トリエチルアミン(0.56mL、4.0eq)を加え、混合物を1日間反応した。溶媒を減圧下で蒸留した。残渣を酢酸エチルで抽出(30mL×2回)し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。この化合物とデス・マーチン試薬(848mg、2.0eq)に無水ジクロロメタン(4mL)を加え、室温で1時間撹拌した。イソプロピルアルコール(1mL)で反応を中止させた。減圧下でセライトろ過して固体を除去し、酢酸エチルで抽出(20mL×2回)した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(30〜40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して表題化合物(330mg、72%)を得た。
【0071】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(brm,1H),7.62(m,1H),7.50−7.25(m,5H),5.20−4.80(m,2H),4.80−4.68(m,1H),3.75(m,1H),2.88−2.57(m,2H),2.26(s,3H),2.26−1.98(m,2H),1.41(m,9H),0.87(m,3H)
【0072】
実施例1)
5−フルオロ−3−[2−(5−メチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸
【0073】
【化10】

【0074】
製造例1−6)の化合物(100mg、0.218mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶かし、0℃でトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。混合物を、ゆっくり室温に温めながら、1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(10%メタノール/ジクロロメタン)で分離して表題化合物(68mg、78%)を得た。
【0075】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 7.93(m,1H),7.84(brs,1H),7.45−7.37(m,5H),5.03(m,2H),4.57−4.49(m,1H),3.69(m,1H),2.68−2.47(m,2H),2.19(s,3H),2.08−1.68(m,2H),0.76(m,3H)
Mass M+H+ 402.74
【0076】
製造例2−1)
(2−ベンジル−5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸メチルエステル
製造例1−2)の化合物(364mg、2.0mmol)とCs2CO3(977mg、1.5eq)との混合物に、DMF(8mL)とベンジルブロマイド(0.31mL、1.3eq)とを加え、窒素雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出(100mL×2回)した。抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(NaHCO3、100mL×2回)と塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(484mg、89%)を得た。
【0077】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.61(s,1H),7.39(d,2H),7.35−7.26(m,3H),5.29(s,2H),3.70(s,3H),3.65(s,2H),2.15(s,3H)
【0078】
製造例2−2)
2−(2−ベンジル−5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル)−酪酸メチルエステル
製造例2−1)の化合物(471mg、1.73mmol)を窒素雰囲気下で無水THF(6mL)に溶かし、−78℃に保持した。1.0M LiHMDS/THF(2.10mL、1.2eq)を加え、混合物を10分撹拌した。ヨウ化エチル(0.21mL、1.5eq)を加え、混合物をゆっくり室温に温めながら、一晩中撹拌した。飽和酢酸アンモニウム水溶液で反応を終結させた。反応混合物を酢酸エチルで抽出(50mL×2回)し、塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(400mg、77%)を得た。
【0079】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.57(s,1H),7.37(d,2H),7.30−7.25(m,3H),5.38と5.17(two d,J=13.5Hz,2H),3.70(s,3H),3.69(dd,1H),2.25(m,1H),2.17(s,3H),1.84(m,1H),0.87(t,3H)
【0080】
製造例2−3)
2−(2−ベンジル−5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル)−酪酸
【0081】
製造例2−2)の化合物(400mg、1.31mmol)を溶媒混合物(6mL、テトラヒドロフラン:MeOH:H2O=3:2:1)に溶かし、LiOH・H2O(165mg、3.0eq)を加え、混合物を約2時間攪拌ながら加熱した。反応混合物を1N塩酸水溶液で中和し、減圧下で蒸留して大部分のテトラヒドロフランを除去した。残渣を過剰の酢酸エチル(50mL)に溶かし、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮して表題化合物(356mg、収率100%)を得た。この化合物はさらに精製することなく、次の反応で使用した。
【0082】
製造例2−4)
3−[2−(2−ベンジル−5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例2−3)のカルボン酸誘導体(153mg、0.535mmol)、3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−ペンタン酸tert−ブチルエステル(参照:Tetrahedron Letters, 1994, 35(52), 9693-9696;133mg、1.2eq)及びHATU(265mg、1.3eq)の混合物を0℃に冷却し、DMF(5mL)溶媒中、トリエチルアミン(0.30mL、4.0eq)を加え、混合物を1日間反応した。溶媒を減圧下で蒸留した。残渣を酢酸エチルで抽出(30mL×2回)し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(40〜60%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して3−[2−(2−ベンジル−5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−ペンタン酸tert−ブチルエステル233mg(92%)を得た。この化合物とデス・マーチン試薬(312mg、3.0eq)に無水ジクロロメタン(4mL)を加え、室温で1時間撹拌した。イソプロピルアルコール(1mL)で反応を中止させた。減圧下、セライトろ過して固体を除去し、酢酸エチルで抽出(20mL×2回)した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(30〜40%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(201mg、79%)を得た。
【0083】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.13(brs,1H),7.62(s,1H),7.38−7.25(m,5H),5.38−5.20(m,2H),5.20−4.80(m,2H),4.80−4.68(m,1H),3.76(m,1H),2.88−2.57(m,2H),2.26(s,3H),2.26−1.98(m,2H),1.41(m,9H),0.87(m,3H)
【0084】
実施例2)
3−[2−(2−ベンジル−5−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0085】
【化11】

【0086】
製造例2−4)の化合物(198mg、0.418mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶かし、0℃でトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。混合物を室温にゆっくり温めながら、1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー (10%メタノール/ジクロロメタン)で分離して表題化合物を175mg(化学量論的収率、白色粉末)得た。
【0087】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 12.31(brs,1H),7.95−7.86(dd,1H),7.79(s,1H),7.28−7.22(m,5H),5.34−4.86(m,4H),4.49−4.39(m,1H),3.60(m,1H),2.70−2.35(m,2H),2.14(s,3H),2.05−1.68(m,2H),0.70(m,3H)
【0088】
製造例3−1)
2−ベンジル−4,5−ジクロロ−2H−ピリダジン−3−オン
4,5−ジクロロ−2H−ピリダジン-3−オン(3.3g、20.0mmol)とCs2CO3(9.77mg、1.5eq)との混合物に、DMF(15mL)とベンジルブロマイド(3.10mL、1.3eq)を加え、窒素雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出(200mL×2回)した。抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(NaHCO3、100mL×2回)と塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(4.48g、88%)を得た。
【0089】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.77(s,1H),7.43(d,2H),7.35−7.30(m,3H),5.32(s,2H)
【0090】
製造例3−2)
(2−ベンジル−5−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸エチルエステル
ジエチルマロネート(1.73g、1.64mL、2.5eq)をイソプロピルエーテル(2mL)に溶かし、ナトリウムエトキシド(0.73g、2.5eq)を室温で加え、混合物を30分撹拌した。反応混合物に製造例3−1)の化合物(1.10g、4.31mmol)を加え、一日間還流した。混合物を酢酸エチルで抽出(50mL×2回)し、塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10〜20%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して、2−(2−ベンジル−5−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−マロン酸ジエチルエステルと2−(1−ベンジル−5−クロロ−6−オキソ-1,6−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル)−マロン酸ジエチルエステルとの1:1混合物(1.34g、82%)を得た。この混合物を溶媒混合物(12mL、H2O:DMSO=1:5)に溶かし、NaCl(1.0g、5eq)を加え、混合物を120℃で1日間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出(200mL×2回)した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(NaHCO3、100mL×2回)及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10〜20%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(530mg、49%)を得た。
【0091】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.76(s,1H),7.39(d,2H),7.33−7.26(m,3H),5.29(s,2H),4.17(qt,2H),3.75(s,2H),1.24(t,3H)
【0092】
製造例3−3)
(2−ベンジル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸エチルエステル
製造例3−2)の化合物(1.15g、3.75mmol)をEtOH(30mL)に溶かし、10%Pd/C(200mg、Aldrich社製)を加え、混合物を水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、エタノールで2回洗浄し、エタノール抽出物を減圧下で濃縮して表題化合物(1.00g、98%)を得た。
【0093】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.74(d,1H),7.42(d,2H),7.33−7.26(m,3H),7.17(d,1H),5.33(s,2H),4.18(qt,2H),3.59(s,2H),1.25(t,3H)
【0094】
製造例3−4)
2−(2−ベンジル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例3−3)の化合物(272mg、1.00mmol)を窒素雰囲気下で無水THF(5mL)に溶かし、−78℃の温度で保持した。1.0M LiHMDS/THF(1.50mL、1.5eq)を加え、混合物を10分撹拌した。ヨウ化エチル(0.14mL、1.8eq)を加え、混合物を室温にゆっくり温め、一晩中撹拌した。飽和酢酸アンモニウム水溶液で反応を終結させた。反応混合物を酢酸エチルで抽出(50mL×2回)し、塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10〜20%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(220mg、73%、油状)を得た。
【0095】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.74(d,1H),7.42(d,2H),7.33−7.26(m,3H),7.17(d,1H),5.32(ABq,2H),4.18−4.10(m,2H),3.87(t,2H),2.01−1.77(m,2H),1.21(t,3H),0.95(t,3H)
【0096】
製造例3−5)
3−[2−(2−ベンジル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例3−4)の化合物を製造例2−3)と同様の工程で加水分解してカルボン酸誘導体を得た。このカルボン酸誘導体(205mg、0.683mmol)、3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−ペンタン酸tert−ブチルエステル(参照:Tetrahedron Letters, 1994, 35(52), 9693-9696;170mg、1.2eq)及びHATU(337mg、1.3eq)の混合物を0℃に冷却し、DMF(5mL)溶媒中、トリエチルアミン(0.38mL、4.0eq)を加え、混合物を1日間反応させた。溶媒を減圧下で蒸留した。残渣を酢酸エチルで抽出(30mL×2回)し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮して3−[2−(2−ベンジル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−ペンタン酸tert−ブチルエステルを得た。この化合物とデス・マーチン試薬(580mg、2.0eq)に無水ジクロロメタン(4mL)を加え、室温で1時間撹拌した。イソプロピルアルコール(1mL)で反応を中止させた。減圧下、セライトろ過して固体を除去し、酢酸エチルで抽出(20mL×2回)した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20〜30%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(242mg、77%)を得た。
【0097】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(m,1H),7.56(m,1H),7.42−7.27(m,5H),7.14(m,1H),5.40−5.27(m,2H),5.22−4.67(m,3H),3.76(m,1H),2.93−2.56(m,2H),2.16(m,1H),1.69(m,1H),1.42と1.38(two s,9H),0.95(m,3H)
【0098】
実施例3)
3−[2−(2−ベンジル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0099】
【化12】

【0100】
製造例3−5)の化合物(242mg、0.527mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(195mg、92%)を得た。
【0101】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 12.40(br s,1H),8.70(m,1H),7.87(m,1H),7.27−7.24(m,6H),5.25−5.16(m,2H),5.21(m,2H),4.58−4.47(m,1H),3.64(m,1H),2.69−2.47(m,2H),1.72−1.62(m,2H),0.82(m,3H)
【0102】
製造例4−1)
2−(2−ベンジル−5−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例3−2)の化合物(170mg、0.554mmol)を製造例3−4)と同様に反応させて表題化合物(137mg、74%)を得た。
【0103】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.74(s,1H),7.38−7.26(m,5H),5.37−5.17(ABq,2H),4.18−4.02(m,2H),3.91(dd,1H),2.27(m,1H),1.90(m,1H),1.08(t,3H),0.89(t,3H)
【0104】
製造例4−2)
2−(2−ベンジル−5−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸、及び
2−(2−ベンジル−5−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸
製造例4−1)の化合物(132mg、0.395mmol)を溶媒混合物(6mL、テトラヒドロフラン:MeOH:H2O=3:2:1)に溶かし、LiOH・H2O(50mg、3.0eq)を加え、混合物を1日間撹拌した。反応混合物を1N塩酸水溶液で中和し、減圧下で蒸留して大部分のテトラヒドロフランを充分に除去した。残渣を過剰の酢酸エチル(50mL)に溶かし、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮して表題化合物(118mg)を得た後、NMRで同定したところ、クロロ誘導体とメトキシ誘導体との0.4:1.0の混合物であることが分かった。化合物はさらに精製することなく、次の反応で用いた。
【0105】
製造例4−3)
3−[2−(2−ベンジル−5−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル、及び
3−[2−(2−ベンジル−5−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例4−2)で得られた2つの化合物を製造例2−4)と同様に反応させ、カラムクロマトグラフィー(30〜50%酢酸エチル/ヘキサン)で分離してクロロ誘導体(45mg、23%)とメトキシ誘導体(62mg、32%)を得た。
【0106】
クロロ誘導体
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.78(s,1H),7.70(m,1H),7.42−7.27(m,5H),5.35−4.86(m,4H),4.78−4.67(m,1H),4.01(m,1H),2.94−2.62(m,2H),2.28−2.06(m,2H),1.69(m,1H),1.42と1.41(two s,9H),0.89(m,3H)
【0107】
メトキシ誘導体
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.14−8.03(br m,1H),7.84(m,1H),7.40−7.26(m,5H),5.40−4.70(m,5H),3.94(two s,3H),3.94(m,1H),2.88−2.58(m,2H),2.26−1.90(m,2H),1.42と1.40(two s,9H),0.86(m,3H)
【0108】
実施例4)
3−[2−(2−ベンジル−5−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0109】
【化13】

【0110】
製造例4−3)のクロロ化合物(45mg、0.091mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(23mg、58%)を得た。
【0111】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.17(s,1H),7.97(m,1H),7.40−7.23(m,5H),5.36−5.29(m,1H),5.29−4.70(m,2H),5.09−5.05(m,1H),4.52−4.43(m,1H),3.74(m,1H),2.67−2.46(m,2H),2.10−1.74(m,2H),0.73(m,3H)
【0112】
実施例5)
3−[2−(2−ベンジル−5−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0113】
【化14】

【0114】
製造例4−3)のメトキシ化合物(62mg、0.127mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(28mg、51%)得た。
【0115】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.17(s,1H),7.89−7.81(m,1H),7.26−7.21(m,5H),5.34−5.09(Ab q,2H),5.29−4.70(m,2H),4.52−4.40(m,1H),3.90(d,3H),3.62(m,1H),2.65−2.46(m,2H),1.97−1.64(m,2H),0.68(m,3H)
【0116】
製造例6−1)
4,5−ジクロロ−2−メトキシメチル−2H−ピリダジン−3−オン
4,5−ジクロロ−2H−ピリダジン−3−オン(30g、182mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(47.5mL、258mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(2.20g、18.2mmol)を塩化メチレン(200mL)に溶かし、0℃を保持しながら、クロロメチルメチルエーテル(16.6mL、21.8mmol)をゆっくり滴下した。混合物を室温で3時間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、減圧下で蒸留し、カラムクロマトグラフィー(10%塩化メチレン/酢酸エチル)で分離、精製して、表題化合物(26.6g、収率:70%)を黄色固体として得た。
【0117】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.81(s,1H),5.45(s,2H),3.48(s,3H)
【0118】
製造例6−2)
2−(5−クロロ−2−メトキシメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−マロン酸ジエチルエステル、及び
2−(5−クロロ−1−メトキシメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−マロン酸ジエチルエステル
製造例6−1)の化合物(26.6g、127mmol)及びナトリウムエトキシド(13g、191mmol)をジイソプロピルエーテル(100mL)に懸濁させ、30分撹拌した。そこにジエチルマロネート(29.0mL、191mmol)を加え、混合物を一日間還流した。反応終結後、混合物を減圧下で蒸留してジイソプロピルエーテルを除去した。残渣を塩化メチレンに再び溶かし、1N塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、減圧下で蒸留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(14.3%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して、割合1:1の表題混合物(32g、収率:76%)を淡黄色液体として得た。
【0119】
製造例6−3)
(5−クロロ−2−メトキシメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸エチルエステル
製造例6−2)の混合物(32.0g、96.2mmol)及び塩化ナトリウム(228g、481mmol)を水/ジメチルスルホキシド(120mL、1/5)に溶かし、混合物を170℃で6時間撹拌した。ジメチルスルホキシドを真空下で留去した。残渣を塩化メチレンに溶かし、水で洗浄し、減圧下で蒸留し、カラムクロマトグラフィー(33%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して、表題化合物(12g、収率:48%)を無色の液体として得た。
【0120】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.78(s,1H),5.42(s,2H),4.18(t,2H),3.77(s,2H),3.44(s,3H),1.26(q,3H)
【0121】
製造例6−4)
(2−メトキシメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酢酸エチルエステル
製造例6−3)の化合物(405mg、1.55mmol)をEtOH(10mL)に溶かし、10%Pd/C(100mg、Aldrich社製)を加え、混合物を水素雰囲気下で1時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、エタノールで2回洗浄した。エタノール抽出物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(40〜50%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(240mg、収率:68%)を無色の液体として得た。
【0122】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.76(d,1H),7.21(d,1H),5.45(s,2H),4.18(qt,2H),3.45(s,3H),1.27(t,3H)
【0123】
製造例6−5)
2−(2−メトキシメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例6−4)の化合物(240mg、1.06mmol)を製造例2−2)と同様に反応させて表題化合物(179mg、67%)を得た。
【0124】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.77(d,1H),7.21(d,1H),5.46(m,2H),4.22−4.10(m,2H),3.88(m,1H),3.45(s,3H),2.00−1.78(two m,2H),1.24(t,3H),0.96(t,3H)
【0125】
製造例6−6)
2−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例6−5)の化合物(172mg、0.676mmol)をCH2Cl2(8mL)に溶かし、−78℃で、BBr3(70μL、又はCH2Cl2中1.1eq/1.0M溶液)を加え、混合物をゆっくり室温に温めながら、2時間攪拌した。飽和酢酸アンモニウムで反応を終結させた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出物を減圧下で濃縮し、Prep−TLC(70%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(132mg、収率:91%)を無色の液体として得た。
【0126】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.76(d,1H),7.26(d,1H),4.18−4.10(m,2H),3.88(m,1H),2.00−1.75(two m,2H),1.23(t,3H),0.94(t,3H)
【0127】
製造例6−7)
1−ブロモメチル−2−tert−ブチル−ベンゼン
1−tert−ブチル−2−メチル−ベンゼン(940mg、6.34mmol)、NBS(1.24g、1.1eq)及びAIBN(20mg、触媒量)にCCl4(12mL)を加え、1時間還流した。懸濁した粒子をろ過で除去し、CCl4で洗浄した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮して黄色液体(1.5g)を化学量論的収率で得た。
【0128】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.46(m,1H),7.38(m,1H),7.22−7.21(m,2H),4.83(s,2H),1.46(s,9H)
【0129】
製造例6−8)
2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(58mg、0.276mmol)と製造例6−7)の化合物(81mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(53mg、54%)を得た。
【0130】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.78(d,1H),7.42(d,1H),7.25(m,1H),7.18(d,1H),7.09(t,1H),6.82(d,1H),5.66(ABq,2H),4.21−4.10(m,2H),3.94(t,1H),2.03−1.80(two m,2H),1.49(s,9H),1.23(t,3H),0.97(t,3H)
【0131】
製造例6−9)
3−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例6−8)の化合物(53mg、0.149mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(46mg、60%)を得た。
【0132】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.84(two d,1H),7.52(m,1H),7.43(two s,1H),7.23−7.09(m,2H),7.08(two d,1H),5.71と5.66(two s,2H),5.21−4.70(m,3H),3.81(m,1H),2.91−2.58(m,2H),2.17(m,1H),1.72(m,1H),1.50(s,9H),1.40と1.36(two s,9H),0.97(m,3H)
【0133】
実施例6)
3−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3-オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0134】
【化15】

【0135】
製造例6−9)の化合物(46mg、0.089mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(29mg、71%)を得た。
【0136】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.65−8.61(m,1H),7.93(q,1H),7.39−7.34(m,2H),7.14(t,1H),7.04(t,1H),6.67(m,1H),5.50(Ab q,2H),5.02(m,2H),4.58−4.48(m,1H),3.69(m,1H),2.63(m,2H),1.75−1.64(m,2H),1.40(s,9H),0.83(m,3H)
【0137】
製造例7−1)
1−ブロモメチル−3−tert−ブチル−ベンゼン
1−メチル−3−tert−ブチル−ベンゼン(551mg、3.72mmol)、NBS(730mg、1.1eq)及びAIBN(14mg、触媒量)にCCl4(8mL)を加え、混合物を2時間還流した。懸濁した粒子をろ過で除去し、CCl4で洗浄した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮して黄色液体(860mg)を得た(NMRで同定したところ、約15%のジブロモ誘導体を含んでいることが分かった)。
【0138】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.39−7.19(m,4H),4.51(s,2H),1.35(s,9H)
【0139】
製造例7−2)
2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(50mg、0.238mmol)とCs2CO3(116mg、1.5eq)の混合物に、DMF(3mL)と製造例7−1)の1−ブロモメチル−3−tert−ブチル−ベンゼン(70mg、1.3eq)を加え、窒素雰囲気下、60℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出(50mL×2回)した。抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(NaHCO3、30mL×2回)と塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をPrep−TLC(30%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(57mg、67%)を得た。
【0140】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.74(d,1H),7.43(s,1H),7.30−7.16(m,4H),5.32(ABq,2H),4.18−4.10(m,2H),3.88(t,1H),1.99−1.76(two m,2H),1.29(s,9H),1.20(t,3H),0.95(t,3H)
【0141】
製造例7−3)
3−2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3-オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例7−2)の化合物(56mg、0.157mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(49mg,60%)を得た。
【0142】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(two d,1H),7.58(m,1H),7.42(two s,1H),7.32−7.14(m,4H),5.35−5.28(m,2H),5.21−4.68(m,3H),3.75(m,1H),2.91−2.58(m,2H),2.14(m,1H),1.69(m,1H),1.43と1.41(two s,9H),1.29(s,9H),0.95(m,3H)
【0143】
実施例7)
3−2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0144】
【化16】

【0145】
製造例7−3)の化合物(48mg、0.0931mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(31mg、72%)を得た。
【0146】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.65(m,1H),7.89(q,1H),7.31(t,1H),7.27(s,1H),7.26(m,1H),7.19(t,1H),7.00(m,1H),5.21(m,2H),5.20−4.67(m,2H),4.57−4.48(m,1H),3.68(m,1H),2.62(m,2H),1.73−1.63(m,2H),1.20(s,9H),0.83(m,3H)
【0147】
製造例8−1)
2−[2−(2−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(98mg、0.47mmol)と1−ブロモメチル−2−メチルベンゼン(112mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(118mg、80%)を得た。
【0148】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.75(d,1H),7.20−7.13(m,5H),5.40−5.31(ABq,2H),4.20−4.10(m,2H),3.89(m,1H),2.40(s,3H),1.97(m,1H),1.82(m,1H),1.22(t,3H),0.96(t,3H)
【0149】
製造例8−2)
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例8−1)の化合物(118mg、0.38mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(145mg、82%)を得た。
【0150】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.80(two d,1H),7.57(m,1H),7.20−7.13(m,5H),5.38−5.35(two s,2H),5.21−4.68(m,3H),3.77(m,1H),2.91−2.57(m,2H),2.42と2.41(two s,3H),2.15(m,1H),1.70(m,1H),1.43と1.39(two s,9H),0.95(m,3H)
【0151】
実施例8)
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸
【0152】
【化17】

【0153】
製造例8−2)の化合物(143mg、0.302mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(109mg、87%)を得た。
【0154】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 12.40(br s,1H),8.72−8.63(m,1H),7.88(m,1H),7.31(m,1H),7.14(m,2H),7.07(t,1H),6.94(t,1H),5.28−4.95(m,4H),4.58−4.48(m,1H),3.65(m,1H),2.69−2.47(m,2H),2.29(s,3H),1.73−1.64(m,2H),0.83(m,3H)
【0155】
製造例9−1)
2−[2−(3−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(103mg、0.49mmol)と1−ブロモメチル−3−メチルベンゼン(118mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(110mg、71%)を得た。
【0156】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.74(d,1H),7.22−7.08(m,4H),7.08(m,1H),5.33−5.24(ABq,2H),4.20−4.01(m,2H),3.88(m,1H),2.32(s,3H),1.95(m,1H),1.81(m,1H),1.21(t,3H),0.95(t,3H)
【0157】
製造例9−2)
5−フルオロ−3−2−[2−(3−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例9−1)の化合物(110mg、0.35mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(141mg、89%)を得た。
【0158】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(two d,1H),7.59(m,1H),7.22−7.08(m,5H),5.36−4.69(m,5H),3.75(m,1H),2.92−2.59(m,2H),2.32(two s,3H),2.15(m,1H),1.70(m,1H),1.44と1.41(two s,9H),0.95(m,3H)
【0159】
実施例9)
5−フルオロ−3−2−[2−(3−メチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸
【0160】
【化18】

【0161】
製造例9−2)の化合物(137mg、0.289mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(104mg、86%)を得た。
【0162】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 12.41(br s,1H),8.72−8.64(m,1H),7.87(m,1H),7.29(s,1H),7.16(t,1H),7.05(m,3H),5.26−4.92(m,4H),4.58−4.47(m,1H),3.66(m,1H),2.69−2.47(m,2H),2.22(s,3H),1.73−1.63(m,2H),0.83(m,3H)
【0163】
製造例10−1)
2−[2−(3−メトキシ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(114mg、0.54mmol)と1−ブロモメチル−3−メトキシ−ベンゼン(142mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(145mg、81%)を得た。
【0164】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.79(d,1H),7.25(t,1H),7.22(d,1H),7.03(d,1H),7.00(s,1H),6.87(d,1H),5.40−5.30(ABq,2H),4.21−4.13(m,2H),3.93(t,1H),3.82(s,3H),1.98(m,1H),1.85(m,1H),1.26(t,3H),1.00(t,3H)
【0165】
製造例10−2)
5−フルオロ−3−2−[2−(3−メトキシ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例10−1)の化合物(145mg、0.44mol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(70mg、33%)を得た。
【0166】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(two d,1H),7.58(m,1H),7.23(t,1H),7.15(two d,1H),7.00−6.90(m,2H),6.81(m,1H),5.32(m,2H),5.30−4.68(m,3H),3.77(s,3H),3.74(m,1H),2.92−2.58(m,2H),2.15(m,1H),1.68(m,1H),1.43と1.40(two s,9H),0.95(m,3H)
【0167】
実施例10)
5−フルオロ−3−2−[2−(3−メトキシ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸
【0168】
【化19】

【0169】
製造例10−2)の化合物(70mg、0.14mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(56mg、90%)を得た。
【0170】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.64(br s,1H),7.88(m,1H),7.30(m,1H),7.19(m,1H),6.80−6.77(m,3H),5.41−4.80(m,2H),5.28−5.14(m,2H),4.57−4.49(m,1H),3.67(m,3H),3.65(m,1H),2.71−2.32(m,2H),1.74−1.63(m,2H),0.82(m,3H)
【0171】
製造例11−1)
2−(2−ナフタレン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(98mg、0.47mmol)と1−クロロメチル−ナフタレン(107mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(81mg、50%)を得た。
【0172】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.29(d,1H),7.87−7.79(m,2H),7.73(d,1H),7.56−7.42(m,4H),7.16(d,1H),5.86−5.73(ABq,2H),4.20−4.10(m,2H),3.90(m,1H),1.97(m,1H),1.82(m,1H),1.20(t,3H),0.95(t,3H)
【0173】
製造例11−2)
5−フルオロ−3−[2−(2−ナフタレン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例11−1)の化合物(81mg、0.23mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(82mg、70%)を得た。
【0174】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.32(two d,1H),7.91−7.81(m,3H),7.65−7.46(m,5H),7.19(m,1H),5.89−5.80(m,2H),5.28−4.75(m,3H),3.83(m,1H),2.96−2.65(m,2H),2.18(m,1H),1.75(m,1H),1.47と1.42(two s,9H),0.99(m,3H)
【0175】
実施例11)
5−フルオロ−3−[2−(2−ナフタレン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸
【0176】
【化20】

【0177】
製造例11−2)の化合物(82mg、0.16mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(57mg、78%)を得た。
【0178】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.66(br s,1H),8.20(d,1H),7.93−7.84(m,3H),7.52(m,2H),7.42(m,1H),7.31(m,1H),7.26(m,1H),5.70(m,2H),5.43−4.80(m,2H),4.55−4.48(m,1H),3.72(m,1H),2.70−2.33(m,2H),1.75−1.65(m,2H),0.84(m,3H)
【0179】
製造例12−1)
2−(2−ナフタレン−2−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(97mg、0.46mmol)と2−ブロモメチル−ナフタレン(132mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(91mg、57%)を得た。
【0180】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.88(s,1H),7.83−7.78(m,3H),7.76(d,1H),7.56(d,1H),7.47−7.44(m,2H),7.18(d,1H),5.53−5.43(ABq,2H),4.20−4.10(m,2H),3.88(m,1H),1.95(m,1H),1.82(m,1H),1.19(t,3H),0.95(t,3H)
【0181】
製造例12−2)
5−フルオロ−3−[2−(2−ナフタレン−2−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例12−1)の化合物(91mg、0.26mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(83mg、63%)を得た。
【0182】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.91(d,1H),7.87−7.83(m,4H),7.66−7.56(m,2H),7.53−7.48(m,2H),7.20(t,1H),5.60−5.52(m,2H),5.28−4.75(m,3H),3.82(m,1H),2.94−2.65(m,2H),2.19(m,1H),1.74(m,1H),1.47と1.44(two s,9H),1.00(m,3H)
【0183】
実施例12)
5−フルオロ−3−[2−(2−ナフタレン−2−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸
【0184】
【化21】

【0185】
製造例12−2)の化合物(83mg、0.16mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(68mg、92%)を得た。
【0186】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.64(br s,1H),7.90(m,1H),7.85−7.83(m,3H),7.76(s,1H),7.46(m,2H),7.42(m,1H),7.31(m,1H),5.44−5.34(m,2H),5.31−4.73(m,2H),4.57−4.49(m,1H),3.69(m,1H),2.63−2.32(m,2H),1.75−1.63(m,2H),0.82(m,3H)
【0187】
製造例13−1)
(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−メタノール
LiAlH4(304mg、1.5eq)に無水THF(20mL)を加えた。そこに、−78℃で、THF(20mL)に溶けた2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸メチルエステル(参照:J. of Org. Chem., 2003, 68, p.4215-4234)を加え、同温度で1時間撹拌した。水を加えて反応を終結させた。反応混合物を、セライトを通してろ過し、酢酸エチル(50mL×3回)で抽出した。有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、減圧下で蒸留し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で分離して表題化合物(308mg、収率:51%)を淡黄色固体として得た。
【0188】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.48(s,1H),4.56(d,2H),2.45(s,3H),2.18(t,1H)
【0189】
製造例13−2)
4−ブロモメチル−2−メチル−オキサゾール
製造例13−1)の化合物(307mg、2.71mmol)をCH2Cl2(20mL)に溶かし、CBr4(1.17g、1.3eq)とPPh3(1.07g、1.5eq)を加え、混合物を3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で乾燥し、カラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(139mg、収率:29%)を無色液体として得た。
【0190】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.58(s,1H),4.39(s,2H),2.50(s,3H)
【0191】
製造例13−3)
2−[2−(2−メチル−オキサゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(160mg、0.761mmol)と4−ブロモメチル−2−メチル−オキサゾール(139mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(159mg、69%)を得た。
【0192】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.77(d,1H),7.56(s,1H),7.18(d,1H),5.19(ABq,2H),4.20−4.10(m,2H),3.86(t,1H),1.98−1.74(two m,2H),1.22(t,3H),0.94(t,3H)
【0193】
製造例13−4)
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−オキサゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例13−3)の化合物(155mg、0.508mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(150mg、64%)を得た。
【0194】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.80(two d,1H),7.60−7.55(m,2H),7.15(m,1H),5.30−4.69(m,5H),3.75(m,1H),2.93−2.62(m,2H),2.39と2.37(two s,3H),2.12(m,1H),1.66(m,1H),1.41と1.38(two s,9H),0.92(m,3H)
【0195】
実施例13)
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−オキサゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸
【0196】
【化22】

【0197】
製造例13−4)の化合物(150mg、0.323mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(113mg、86%)を得た。
【0198】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 12.41(br s,1H),8.70−8.63(dd,1H),7.85(m,1H),7.78(m,1H),7.30(m,1H),5.24−4.97(m,4H),4.59−4.46(m,1H),3.63(m,1H),2.82−2.47(m,2H),2.30(s,3H),1.73−1.63(m,2H),0.83(m,3H)
【0199】
製造例14−1)
2−[2−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(98mg、0.47mmol)と4−ブロモメチル−2−メチル−チアゾール(112mg、1.3eq、ランカスター(Lancaster)社製)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(101mg、67%)を得た。
【0200】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(d,1H),7.20(d,1H),7.05(s,1H),5.45−5.37(ABq,2H),4.20−4.10(m,2H),3.88(t,1H),2.68(s,3H),1.96と1.81(two m,2H),1.22(t,3H),0.95(t,3H)
【0201】
製造例14−2)
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例14−1)の化合物(101mg、0.31mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(32mg、21%)を得た。
【0202】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.83(two d,1H),7.58(m,2H),7.20−7.03(m,2H),5.51−4.69(m,5H),3.75(m,1H),2.93−2.62(m,2H),2.64(m,3H),2.12(m,1H),1.66(m,1H),1.41と1.38(m,9H),0.94(m,3H)
【0203】
実施例14)
5−フルオロ−3−2−[2−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−4−オキソ−ペンタン酸
【0204】
【化23】

【0205】
製造例14−2)の化合物(32mg、0.066mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(16mg、58%)を得た。
【0206】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.82(m,1H),7.80−7.76(dd,1H),7.25(s,1H),7.12(m,1H),6.07−6.91(m,1H),5.15−4.57(m,4H),3.90(m,1H),2.92−2.75(m,2H),2.67(s,3H),2.22−1.67(m,2H),0.97(m,3H)
【0207】
製造例15−1)
2−[2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(96mg、0.46mmol)と4−クロロメチル−3,5−ジメチル−イソオキサゾール(86mg、1.3eq、Aldrich社製)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(119mg、82%)を得た。
【0208】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.71(d,1H),7.18(d,1H),5.10−5.02(ABq,2H),4.20−4.10(m,2H),3.85(t,1H),2.46(s,3H),2.32(s,3H),1.98−1.74(two m,2H),1.22(t,3H),0.95(t,3H)
【0209】
製造例15−2)
3−2−[2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例15−1)の化合物(119mg、0.37mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(47mg、40%)を得た。
【0210】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.79(two d,1H),7.48(m,1H),7.21(d,2H),5.30−4.79(m,5H),3.77(m,1H),2.97−2.69(m,2H),2.54(two s,3H),2.36(s,1H),2.16(m,1H),1.72(m,1H),1.47と1.42(two s,9H),0.99(m,3H)
【0211】
実施例15)
3−2−[2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ-ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0212】
【化24】

【0213】
製造例15−2)の化合物(47mg、0.098mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(27mg、66%)を得た。
【0214】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.64(br s,1H),7.86(dd,1H),7.28(m,1H),5.32−4.91(m,2H),5.08−4.96(m,2H),4.56−4.47(m,1H),3.66(m,1H),2.63−2.32(m,2H),2.37(s,3H),2.16(s,3H),1.72−1.63(m,2H),0.82(m,3H)
【0215】
製造例16−1)
2−(2−シクロヘキシルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(101mg、0.48mmol)とブロモメチル−シクロヘキサン(111mg、1.3eq、Aldrich社製)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(82mg、56%)を得た。
【0216】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.71(d,1H),7.16(d,1H),4.20−4.10(m,2H),4.14−3.94(m,2H),3.86(t,1H),1.98−1.74(two m,2H),1.72−1.60(broad m,5H),1.23(t,3H),1.20−1.16(broad m,3H),1.05−1.00(m,2H),0.96(t,3H)
【0217】
製造例16−2)
3−[2−(2−シクロヘキシルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例16−1)の化合物(80mg、0.26mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(106mg、88%)を得た。
【0218】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.77(m,1H),7.64(m,1H),7.14(m,1H),5.29−4.72(m,3H),4.10−3.98(m,2H),3.76(m,1H),2.94−2.62(m,2H),2.15(m,1H),1.94(m,1H),1.72−1.60(broad m,5H),1.43と1.41(two s,9H),1.23−1.00(m,5H),0.96(m,3H)
【0219】
実施例16)
3−[2−(2−シクロヘキシルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0220】
【化25】

【0221】
製造例16−2)の化合物(106mg、0.23mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(71mg、76%)を得た。
【0222】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.65(br s,1H),7.83(m,1H),7.26(m,1H),5.35−4.88(m,2H),4.57−4.48(m,1H),3.97−3.82(m,2H),3.63(m,1H),2.66−2.47(m,2H),1.79(m,1H),1.73(m,1H),1.61(m,3H),1.55(m,1H),1.49(m,2H),1.10(m,3H),0.95(m,2H),0.82(m,3H)
【0223】
製造例17−1)
1−ブロモメチル−イソキノリン
1−メチルイソキノリン(0.99g、6.91mmol)、NBS(1.35g、1.1eq)及びAIBN(10mg、触媒量)に、CCl4(15mL)を加え、2時間還流した。懸濁した粒子をろ過で除去し、CCl4で洗浄した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(270mg、収率:18%)を紫色固体として得た。
【0224】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.48(d,1H),8.25(d,1H),7.87(d,1H),7.75−7.67(two t,2H),7.65(d,1H)
【0225】
製造例17−2)
2−(2−イソキノリン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(110mg、0.52mmol)と製造例17−1)で得られた1−ブロモメチル−イソキノリン(151mg、1.3eq)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(135mg、73%)を得た。
【0226】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.42(d,1H),8.26(d,1H),7.82(d,1H),7.77(d,1H),7.60(t,1H),7.57(d,1H),7.22(d,1H),6.06−5.91(ABq,2H),4.21−4.10(m,2H),3.91(t,1H),2.01−1.78(two m,2H),1.21(t,3H),0.96(t,3H)
【0227】
製造例17−3)
5−フルオロ−3−[2−(2−イソキノリン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例17−2)の化合物(130mg、0.37mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(150mg、79%)を得た。
【0228】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.39(d,1H),8.27(d,1H),7.88−7.80(m,2H), 7.73−7.56(m,3H),7.22(m,1H),6.12−5.95(m,2H),5.23−4.68(m,3H),3.80(m,1H),2.92−2.58(m,2H),2.19(m,1H),1.75(m,1H),1.34(m,9H),0.96(m,3H)
【0229】
実施例17)
5−フルオロ−3−[2−(2−イソキノリン−1−イルメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ブチリルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸
【0230】
【化26】

【0231】
製造例17−3)の化合物(150mg、0.29mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(123mg、92%)を得た。
【0232】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 12.42(br s,1H),8.74−8.64(dd,1H),8.28(m,2H),7.98(d,1H),7.87(m,1H),7.79(m,1H),7.72−7.65(m,2H),7.37(m,1H),5.92(m,2H),5.22−5.00(m,2H),4.60−4.48(m,1H),3.67(m,1H),2.74−2.54(m,2H),1.77−1.65(m,2H),0.84(m,3H)
【0233】
製造例18−1)
2−[2−(2−クロロ-ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(100mg、0.476mmol)と1−ブロモメチル−2−クロロベンゼン(127mg、1.3eq、Aldrich社製)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(92mg、58%)を得た。
【0234】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.77(d,1H),7.37(d,1H),7.23−7.16(m,3H),7.07(d,1H),5.51−5.43(ABq,2H),4.21−4.10(m,2H),3.90(t,1H),2.02−1.79(two m,2H),1.22(t,3H),0.96(t,3H)
【0235】
製造例18−2)
3−{2−[2−(2−クロロ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例18−1)の化合物(92mg、0.275mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(113mg、83%)を得た。
【0236】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.82(two d,1H),7.54(m,1H),7.38(m,1H),7.24−7.18(m,3H),7.09−7.02(m,1H),5.54−5.44(m,2H),5.21−4.71(m,3H),3.79(m,1H),2.90−2.56(m,2H),2.16(m,1H),1.73(m,1H),1.41と1.38(two d,9H),0.96(m,3H)
【0237】
実施例18)
3−{2−[2−(2−クロロ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0238】
【化27】

【0239】
製造例18−2)の化合物(103mg、0.29mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(74mg、81%)を得た。
【0240】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.63(br,1H),7.91(m,1H),7.45−7.25(m,4H),7.00(m,1H),5.32(m,2H),5.30−4.60(br,2H),4.57と4.50(two br m,1H),3.69(m,1H),2.70−2.50(br,2H),1.77−1.65(m,2H),0.84(m,3H)
【0241】
製造例19−1)
2−[2−(3−クロロ-ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(98mg、0.466mmol)と1−ブロモメチル−3−クロロベンゼン(127mg、1.3eq、Aldrich社製)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(115mg、74%)を得た。
【0242】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.74(d,1H),7.38(s,1H),7.28−7.21(m,3H),7.18(d,1H),5.32−5.22(ABq,2H),4.21−4.10(m,2H),3.84(t,1H),1.99−1.75(two m,2H),1.20(t,3H),0.94(t,3H)
【0243】
製造例19−2)
3−{2−[2−(3−クロロ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例19−1)の化合物(115mg、0.343mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(130mg、77%)を得た。
【0244】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.80(m,1H),7.54(d,1H),7.38(d,1H),7.30−7.23(m,3H),7.18(m,1H),5.31−5.25(m,2H),5.21−4.71(m,3H),3.76(m,1H),2.91−2.62(m,2H),2.14(m,1H),1.69(m,1H),1.43と1.39(two d,9H),0.96(m,3H)
【0245】
実施例19)
3−{2−[2−(3−クロロ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0246】
【化28】

【0247】
製造例19−2)の化合物(120mg、0.243mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(87mg、82%)を得た。
【0248】
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.62(br,1H),7.89(m,1H),7.32−7.30(m,4H),7.20(m,1H),5.28−5.18(m,2H),5.20−4.60(br,2H),4.58と4.50(two br m,1H),3.66(m,1H),2.70−2.50(br,2H),1.77−1.58(m,2H),0.84(m,3H)
【0249】
製造例20−1)
2−[2−(3−ブロモ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(100mg、0.48mmol)と1−ブロモ−3−ブロモメチルベンゼン(154mg、1.3eq、Aldrich社製)を製造例2−1)と同様に反応させて表題化合物(102mg、54%)を得た。
【0250】
1H−NMR(500MHz,CDCl3);δ 0.95(t,3H),0.96(t,3H),1.78−1.95(m,2H),3.85(t,1H),4.15(m,2H),5.27(q,2H),7.17−7.45(m,5H),7.54(s,1H),7.75(d,1H)
【0251】
製造例20−2)
3−{2−[2−(3−ブロモ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例20−1)の化合物(100mg、0.254mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(120mg、88%)を得た。
【0252】
1H−NMR(500MHz,CDCl3);δ 0.96(m,3H),1.41(d,9H),1.69(m,1H),2.13(m,1H),2.60−2.91(m,2H),3.76(m,1H),4.77(m,1H),5.01(m,2H),5.29(m,2H),7.18(m,2H),7.30−7.45(m,2H),7.52(m,2H),7.80(m,1H)
【0253】
実施例20)
3−{2−[2−(3−ブロモ−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸
【0254】
【化29】

【0255】
製造例20−2)の化合物(80mg、0.15mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(59mg、81%)を得た。
【0256】
1H−NMR(500MHz,CDCl3);δ 0.96(m,3H),1.68(m,1H),2.06(m,1H),2.50−3.16(m,2H),3.84(m,1H),4.77(m,3H),5.29(m,2H),7.19−7.52(m,6H),7.91(m,1H)
【0257】
製造例21−1)
2−[3−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(104mg、0.50mmol)、DIAD(ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、151mg、1.5eq)、(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノール(131mg、1.5eq)及びトリフェニルホスフィン(261mg、2.0eq)をTHF(6mL)に溶かし、室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(125mg、68%)を得た。
【0258】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(d,1H),7.67(d,1H),7.44(t,1H),7.36(t,1H),7.26(d,1H),6.97(d,1H),5.62−5.54(ABq,2H),4.21−4.12(m,2H),3.90(t,1H),2.03−1.81(two m,2H),1.22(t,3H),0.97(t,3H)
【0259】
製造例21−2)
5−フルオロ−4−オキソ−3−{2−[3−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例21−1)の化合物(125mg、0.34mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(48mg、27%)を得た。
【0260】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.83(two d,1H),7.68(m,1H),7.51−7.44(m,2H), 7.36(d,1H),7.23(d,1H),7.00−6.92(two d,1H),5.69−5.51(m,2H),5.21−4.73(m,3H),3.78(m,1H),2.90−2.58(m,2H),2.16(m,1H),1.75(m,1H),1.37(m,9H),0.96(m,3H)
【0261】
実施例21)
5−フルオロ−4−オキソ−3−{2−[3−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−ペンタン酸
【0262】
【化30】

【0263】
製造例21−2)の化合物(48mg、0.092mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(37mg、86%)を得た。
【0264】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.92(dd,1H),7.70(d,1H),7.60(bs,1H),7.45(t,1H),7.39(t,1H),7.35(m,1H),6.95(d,1H),5.64−5.51(m,2H),4.77−4.35(m,3H),3.84(m,1H),3.06−2.90(m,1H),2.68−2.58(m,1H),2.12(m,1H),1.74(m,1H),0.97(t,3H)
【0265】
製造例22−1)
2−[3−オキソ−2−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−酪酸エチルエステル
製造例6−6)の化合物(100mg、0.48mmol)、DIAD(ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、192mg、2.0eq)、(3−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノール(168mg、2.0eq)及びトリフェニルホスフィン(312mg、2.5eq)をTHF(6mL)に溶かし、室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(158mg、90%)を得た。
【0266】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.76(d,1H),7.65(s,1H),7.60(d,1H),7.53(d,1H),7.43(t,1H),7.20(d,1H),5.40−5.30(ABq,2H),4.20−4.08(m,2H),3.85(t,1H),2.01−1.76(two m,2H),1.19(t,3H),0.94(t,3H)
【0267】
製造例22−2)
5−フルオロ−4−オキソ−3−{2−[3−オキソ−2−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例22−1)の化合物(157mg、0.43mmol)を製造例3−5)と同様に反応させて表題化合物(93mg、41%)を得た。
【0268】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.80(two d,1H),7.65(two s,1H),7.60(m,1H),7.52(m,2H),7.44(m,1H),7.18(two d,1H),5.42−5.33(m,2H),5.18−4.71(m,3H),3.74(m,1H),2.90−2.60(m,2H),2.12(m,1H),1.68(m,1H),1.42と1.38(two s,9H),0.94(m,3H)
【0269】
実施例22)
5−フルオロ−4−オキソ−3−{2−{3−オキソ−2−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル}−ブチリルアミノ}−ペンタン酸
【0270】
【化31】

【0271】
製造例22−2)の化合物(93mg、0.18mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物(75mg、90%)を得た。
【0272】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.90(dd,1H),7.65(s,1H),7.57(m,2H),7.45(t,1H),7.32(m,1H),5.37(m,2H),4.86−4.35(m,3H),3.84−3.96(m,1H),3.13−2.92(m,1H),2.70−2.59(m,1H),2.08(m,1H),1.69(m,1H),0.96(t,3H)
【0273】
製造例23−1)
(3S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−(tert−ブトキシ)−2−ヒドロキシ−5−オキソペンチル−2,6−ジクロロベンゾエート
N−ベンジルオキシカルボニル−β−t−ブチルアスパラギン酸(5.03g、15.6mmol)及びNMM(1.90mL、17.1mmol)に、無水テトラヒドロフラン(60mL)を窒素雰囲気下で加え、−15℃に保持した。イソブチルクロロホルメート(2.12mL、16.3mmol)を加え、混合物を約20分間撹拌した。0℃に維持された反応混合物に、ジアゾメタン-エーテル溶液(2.0eqの1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソ−グアニジンから合成、60mL)を加え、0℃で30分撹拌して、ジアゾケトン誘導体を得た。ここに、30%HBr/AcOH(6.42mL、2.0eq)を0℃で加え、30分撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮してブロモメチルケトン誘導体(6.4g)を得た。
【0274】
ブロモメチルケトン誘導体(4.36g)及び2,6−ジクロロ安息香酸(2.28g、1.1eq)をジメチルホルムアミド(18mL)に溶かし、KF(1.58g、2.5eq)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。減圧下で濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮して、2,6−ジクロロベンゾキシメチルケトン誘導体を得た。この化合物をメタノール(20mL)に溶かし、NaBH4(412mg)−メタノール溶液(40mL)を加えて反応させた。反応混合物を室温に2時間ゆっくり温めた。酢酸で反応を中止させた。反応混合物を減圧下で蒸留してメタノールを除去し、酢酸エチル(50mL×2回)で抽出し、水及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、1:5)で分離して表題化合物(4.80g、86%)を得た。
【0275】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.3−7.2(m,8H),5.9(m,1H),5.2(m,4H),4.7(m,1H),2.9(m,1H),2.7(m,1H),1.4(s,9H)
【0276】
製造例23−2)
(3S)−3−アミノ−5−(tert−ブトキシ)−2−ヒドロキシ−5−オキソペンチル 2,6−ジクロロベンゾエート
製造例23−1)の化合物(4.80g、9.37mmol)をEtOHに溶かし、水素バルーン下で、40分間、脱ベンジルオキシカルボニル化(Pd/C)して表題化合物(3.47g、98%)を得た。
【0277】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 8.2(br,2H),7.6−7.5(m,3H),6.1(m,1H),4.4−3.9(m,3H),3.0−2.6(m,2H),1.4(s,9H)
【0278】
製造例23−3)
2,6−ジクロロ-安息香酸(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−2−オキソ−ブチルエステル
製造例6−8)の化合物を製造例2−3)と同じ方法で加水分解して、カルボン酸誘導体を得た。このカルボン酸誘導体(100mg、0.304mmol)、製造例23−2)の化合物(151mg、1.2eq)及びHATU(337mg、1.3eq)の混合物を0℃に冷却し、DMF(4mL)溶媒中、トリエチルアミン(0.17mL、4.0eq)を加え、混合物を1時間反応させた。溶媒を減圧下で蒸留した。残渣を酢酸エチル(30mL×2回)で抽出し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮して、2,6−ジクロロ−安息香酸(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−2−ヒドロキシ−ブチルエステルを得た。この化合物とデス・マーチン試薬(260mg、2.0eq)に、無水ジクロロメタン(4mL)を加え、室温で0.5時間撹拌した。イソプロピルアルコール(1mL)で反応を中止させた。減圧下のセライトろ過で固体を除去し、酢酸エチル(20mL×2回)で抽出した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20〜25%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して表題化合物(163mg、78%)を得た。
【0279】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.84(m,1H),7.62(m,1H),7.43(t,1H),7.34−7.25(m,4H),7.16(m,1H),7.06(t,1H),6.83−6.74(two d,1H),5.86−5.52(m,2H),5.22−4.81(m,3H),3.86(m,1H),2.89−2.62(m,2H),2.02(m,1H),1.75(m,1H),1.49と1.48(two s,9H),1.41と1.37(two s,9H),0.99(m,3H)
【0280】
実施例23−1)及び23−2)
2,6−ジクロロ−安息香酸(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−カルボキシ−2−オキソ−ブチルエステル、及び
2,6−ジクロロ−安息香酸(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−カルボキシ−2−オキソ−ブチルエステル
【0281】
【化32】

【0282】
製造例23−3)の化合物(159mg、0.29mmol)を実施例2)と同様に反応させて、 表題化合物を2つのジアステレオマー混合物として得た後、これをPrep−TLC(70%酢酸エチル/ヘキサン)で分離し、それぞれのジアステレオマー(62mg,42%、及び50mg,34%)を得た。TLC上で低極性を有する化合物を実施例23−1とし、高極性を有する化合物を実施例23−2としたが、それらの具体的なジアステレオマー形態は確認しなかった。
【0283】
低極性を有する化合物:1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.78(br,1H),7.93(m,1H),7.56−7.52(m,3H),7.40(m,1H),7.34(t,1H),7.11(m,1H),7.05(m,1H),6.67(d,1H),5.58−5.42(ABq,2H),5.30−4.60(br m,3H),4.58と4.50(two br m,1H),3.72(m,1H),2.70−2.50(br,2H),1.82−1.63(m,2H),1.40(m,9H),0.85(m,3H)(実施例23−1)
【0284】
高極性を有する化合物:1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.74(br,1H),7.93(m,1H),7.57−7.51(m,3H),7.40(d,1H),7.34(d,1H),7.11(m,1H),7.02(m,1H),6.67(d,1H),5.56−5.43(ABq,2H),5.26−5.00(br m,2H),4.72(m,1H),3.70(m,1H),2.76−2.50(br,2H),1.82−1.63(m,2H),1.38(s,9H),0.85(t,3H)(実施例23−2)
【0285】
製造例24−1)
tert−ブチル(3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート
N−ベンジルオキシカルボニル−β−t−ブチルアスパラギン酸(17.9g,5mmol)と2,3,5,6−テトラフルオロフェノールを製造例23−1)及び23−2)と同様に反応させて、表題化合物(13.2g、68%)を得た。
【0286】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 8.2(br,2H),7.6−7.5(m,1H),5.9(m,1H),4.3−4.1(m,3H),3.6(m,1H),2.7(m,1H),1.4(s,9H)
【0287】
製造例24−2)
(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸tert−ブチルエステル、及び
(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸tert−ブチルエステル
【0288】
【化33】

【0289】
製造例6−8)の化合物(104mg、0.29mol)を製造例2−3)と同じ方法で加水分解して、カルボン酸誘導体を得た。このカルボン酸誘導体(95mg、0.29mmol)、製造例24−1)の化合物(113mg、1.2eq)及びHATU(143mg、1.3eq)の混合物を0℃に冷却し、DMF(5mL)溶媒中、トリエチルアミン(0.16mL、4.0eq)を加え、混合物を2時間反応させた。溶媒を減圧下で蒸留した。残渣を酢酸エチル(30mL×2回)で抽出し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、Prep−TLC(500%酢酸エチル/ヘキサン)で予備精製して、(S)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−ヒドロキシ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸tert−ブチルエステル(172mg、89%)を得た。この化合物とデス・マーチン試薬(220mg、2.0eq)に、無水ジクロロメタン(4mL)を加え、室温で1時間撹拌した。イソプロピルアルコール(1mL)で反応を中止させた。減圧下のセライトろ過で固体を除去し、酢酸エチル(20mL×2回)で抽出した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をPrep−TLC(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、低極性のジアステレオマー(74mg、38%)と高極性のジアステレオマー(67mg、35%)の表題化合物を得た。
【0290】
低極性のジアステレオマー:
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.83(d,1H),7.59(d,1H),7.42(d,1H),7.22(d,1H),7.17(t,1H),7.06(t,1H),6.76(m,1H),6.73(d,1H),5.65(Abq,2H),5.19−5.02(Abq,2H),4.75(m,1H),3.81(dd,1H),2.76(dd,1H),2.59(dd,1H),2.19(m,1H),1.73(m,1H),1.48(s,9H),1.34(s,9H),0.98(t,3H)
【0291】
高極性のジアステレオマー:
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.83(d,1H),7.61(d,1H),7.39(d,1H),7.23(d,1H),7.14(t,1H),7.05(t,1H),6.78(d,1H),6.72(m,1H),5.74−5.58(Abq,2H),5.07−4.83(Abq,2H),4.82(m,1H),3.80(dd,1H),2.89(dd,1H),2.68(dd,1H),2.16(m,1H),1.75(m,1H),1.48(s,9H),1.39(s,9H),0.96(t,3H)
【0292】
実施例24−1)及び24−2)
(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸、及び
(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸
【0293】
【化34】

【0294】
製造例24−2)で製造した低極性化合物(74mg、0.11mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物中の一方(58mg、87%)を得て、実施例24−1)と称した。
【0295】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.91(d,1H),7.43(d,1H),7.39(bs,1H),7.18(t,1H),7.05(t,1H),6.75(m,1H),6.70(d,1H),5.65(s,2H),5.40−4.50(m,3H),3.95(m,1H),3.01(m,1H),2.55(m,1H),2.13(m,1H),1.73(m,1H),1.47(s,9H),0.97(t,3H)(実施例24−1)
【0296】
製造例24−2)で製造した高極性化合物(67mg、0.10mmol)を実施例2)と同様に反応させて表題化合物中のもう一方(60mg、98%)を得て、実施例24−2)と称した。
【0297】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.91(d,1H),7.42(d,1H),7.31(bs,1H),7.16(t,1H),7.03(t,1H),6.75(m,1H),6.70(d,1H),5.65(s,2H),4.89−4.03(m,3H),3.76(m,1H),2.99(m,1H),2.70(m,1H),2.12(m,1H),1.75(m,1H),1.48(s,9H),0.97(t,3H)(実施例24−2)
【0298】
製造例25−1)
(S)−3−{2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例7−2)の化合物(135mg、0.38mmol)を製造例24−2)と同様に反応させて表題化合物(198mg、79%)を得た。
【0299】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(two d,1H),7.63(m,1H),7.42(two s,1H),7.32−7.14(m,4H),6.73(m,1H),5.43−5.21(m,2H),5.20−4.71(m,3H),3.77(m,1H),2.93−2.59(m,2H),2.15(m,1H),1.69(m,1H),1.43と1.40(two s,9H),1.29(s,9H),0.95(m,3H)
【0300】
実施例25−1)及び25−2)
(S)−3−{(R)−2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸、及び
(S)−3−{(S)−2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ-フェノキシ)−ペンタン酸
【0301】
【化35】

【0302】
製造例25−1)の化合物(75mg、0.11mmol)を実施例2)と同様に反応させて、表題化合物を2つのジアステレオマー混合物として得た後、Prep−TLC(70%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して、低極性のジアステレオマー(実施例25−1;31mg、44%)と高極性のジアステレオマー(実施例25−2;33mg、48%)を得た。
【0303】
低極性のジアステレオマー:1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.70(m,1H),7.87(d,1H),7.50(m,1H),7.30(s,1H),7.24(d,2H),7.18(m,1H),6.97(m,1H),5.24−5.03(m,4H),4.64−4.52(m,1H),3.68(m,1H),2.68−2.58(m,2H),1.73(m,1H),1.63(m,1H),1.19(s,9H),0.82(m,3H)(実施例25−1)
【0304】
高極性のジアステレオマー:1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 8.66(m,1H),7.87(d,1H),7.50(m,1H),7.30(s,1H),7.25(two d,2H),7.16(m,1H),6.96(m,1H),5.23−4.90(m,4H),4.63−4.54(m,1H),3.68(m,1H),2.68−2.50(m,2H),1.73(m,1H),1.63(m,1H),1.19(s,9H),0.82(m,3H)(実施例25−2)
【0305】
製造例26−1)
(S)−2−アミノ−コハク酸4−tert−ブチルエステル1−メチルエステル塩酸塩
Cbz−Asp(O−tert−Bu)−OH・H2O(5.00g、14.6mmol)とK2CO3(4.05g、2.0eq)に、DMF(100mL)とMeI(2.74mL、3eq)を加え、室温で2〜3時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸留した。残渣を酢酸エチル(100mL×2回)で抽出し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して(S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−コハク酸4−tert−ブチルエステル1−メチルエステルを化学量論的収率で得た。この化合物をMeOH(100mL)に溶かし、c−HCl(1.1mL、1.0eq)を加え、水素バルーン下で40分間、脱ベンジルオキシカルボニル化(Pd/C)して、表題化合物(3.28g、96%)を得た。
【0306】
製造例26−2)
(S)−2−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−コハク酸4−tert−ブチルエステル1−メチルエステル
製造例6−8)の化合物を製造例2−3)と同じ方法で加水分解して、カルボン酸誘導体を得た。このカルボン酸誘導体(938mg、2.86mmol)、製造例26−1)の化合物(753mg、1.1eq)及びHATU(1.41g,1.3eq)の混合物を0℃に冷却し、DMF(18mL)溶媒中、トリエチルアミン(2.00mL、5.0eq)を加え、混合物を室温で1時間反応させた。溶媒を減圧下で蒸留した。残渣を酢酸エチル(50mL×2回)で抽出し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して表題化合物(1.24g、84%)を得た。
【0307】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.84(dd,1H),7.48(d,1H),7.41−7.32(dd,1H),7.30(d,1H),7.23(m,1H),7.14(m,1H),6.92−6.83(dd,1H),5.76−5.65(m,2H),4.82(m,1H),3.91(m,1H),3.76,3.68(two s,3H),2.92−2.63(m,2H),2.19(m,1H),1.76(m,1H),1.55(s,9H),1.46,1.42(two s,9H),1.02(m,3H).
【0308】
製造例26−3)
(S)−5−ブロモ−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例26−2)の化合物(1.24g,2.41mmol)を製造例2−3)と同じ方法で加水分解して、カルボン酸誘導体(1.15g,95%)を得た。このカルボン酸誘導体(1.15g、2.30mmol)及びNMM(0.28mL、2.53mmol)に、無水テトラヒドロフラン(20mL)を窒素雰囲気下で加え、0℃に維持した。イソブチルクロロホルメート(0.31mL、2.42mmol)を加え、混合物を約30分撹拌した。0℃に維持された反応混合物に、ジアゾメタン−エーテル溶液(4.0eqの1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソ−グアニジンから合成、40mL)を加え、0℃で4時間撹拌して、ジアゾケトン誘導体を得た。ここに、30%HBr/AcOH(1.02mL、2.0eq)を0℃で加え、30分撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮してブロモメチルケトン誘導体(1.30g、98%)を得た。この化合物はさらに精製することなく、次の反応で用いた。
【0309】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.84(dd,1H),7.63−7.58(dd,1H),7.43(d,1H),7.25−7.17(m,2H),7.09(m,1H),6.83−6.75(dd,1H),5.74−5.62(m,2H),4.91,4.82(two m,1H),4.12−3.93(m,2H),3.79(m,1H),2.91−2.60(m,2H),2.17(m,1H),1.74(m,1H),1.49(s,9H),1.40,1.36(two s,9H),0.97(m,3H).
【0310】
製造例26−4)
(S)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,6−トリフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸tert−ブチルエステル
【0311】
製造例26−3)の化合物(100mg、0.17mmol)及び2,3,6−トリフルオロ−フェノール(31mg、1.2eq)をジメチルホルムアミド(2mL)に溶かし、KF(25mg、2.5eq)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。減圧下で濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をPrep−TLCカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して表題化合物(77mg、69%)を得た。
【0312】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.82(m,1H),7.56(m,1H),7.42(t,1H),7.23(t,1H),7.16(m,1H),7.06(m,1H),6.82−6.73(m,3H),5.76−5.55(m,2H),5.10−4.78(m,3H),3.82(m,1H),2.94−2.60(m,2H),2.16(m,1H),1.73(m,1H),1.46(s,9H),1.39,1.34(two s,9H),0.95(m,3H).
【0313】
実施例26−1)及び26−2)
(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,6−トリフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸、及び
(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,6−トリフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸
【0314】
【化36】

【0315】
製造例26−4)の化合物(77mg、0.12mmol)を実施例2)と同様に反応させて、表題化合物を2つのジアステレオマー混合物として得た後、Prep−TLC(50%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して、低極性のジアステレオマー(実施例26−1;24mg、34%)と高極性のジアステレオマー(実施例26−2;17mg、24%)を得た。
【0316】
低極性のジアステレオマー:1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.89(d,1H),7.43(d,1H),7.30(m,1H),7.18(t,1H),7.05(t,1H),6.83(m,2H),6.71(d,1H),5.67−5.63(m,2H),4.82−4.10(m,3H),3.84(m,1H),2.86(m,1H),2.52(m,1H),2.16(m,1H),1.73(m,1H),1.48(s,9H),0.95(t,3H).
【0317】
高極性のジアステレオマー:1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.90(d,1H),7.41(d,1H),7.32(m,1H),7.15(t,1H),7.02(t,1H),6.79(m,2H),6.70(d,1H),5.63(m,2H),4.89−4.05(m,3H),3.90(m,1H),3.05(m,1H),2.69(m,1H),2.12(m,1H),1.73(m,1H),1.47(s,9H),0.96(m,3H).
【0318】
製造例27)
(S)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例26-3)の化合物(100mg、0.17mmol)及び2,6−ジフルオロ−フェノール(27mg、1.2eq)をジメチルホルムアミド(2mL)に溶かし、KF(25mg、2.5eq)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。減圧下で濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をPrep−TLCカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して表題化合物(77mg、71%)を得た。
【0319】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.79(m,1H),7.54(m,1H),7.41(m,1H),7.23(m,1H),7.16(m,1H),7.05(m,1H),6.92−6.72(m,4H),5.76−5.52(m,2H),5.02−4.73(m,3H),3.84(m,1H),2.97−2.62(m,2H),2.15(m,1H),1.71(m,1H),1.48(s,9H),1.40,1.34(two s,9H),0.96(m,3H).
【0320】
実施例27−1)及び27−2)
(S)−3−{(R)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−4−オキソ−ペンタン酸、及び
(S)−3−{(S)−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−4−オキソ−ペンタン酸
【0321】
【化37】

【0322】
製造例27)の化合物(75mg、0.11mmol)を実施例2)と同様に反応させて、 表題化合物を2つのジアステレオマー混合物として得た後、Prep−TLC(50%酢酸エチル/ヘキサン)で分離して低極性のジアステレオマー(実施例27−1;25mg、36%)と高極性のジアステレオマー(実施例27−2;24mg、35%)を得た。
【0323】
低極性のジアステレオマー:1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.88(d,1H),7.43(d,1H),7.28(m,1H),7.18(t,1H),7.05(t,1H),6.97(m,1H),6.87(t,2H),6.71(d,1H),5.67−5.63(m,2H),4.77−4.10(m,3H),3.82(m,1H),2.83(m,1H),2.51(m,1H),2.14(m,1H),1.71(m,1H),1.48(s,9H),0.95(t,3H)
【0324】
高極性のジアステレオマー:1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.87(d,1H),7.41(d,1H),7.29(m,1H),7.16(t,1H),7.03(t,1H),6.93(m,1H),6.83(t,2H),6.72(d,1H),5.67−5.62(m,2H),4.88−4.10(m,3H),3.87(m,1H),3.04(m,1H),2.67(m,1H),2.11(m,1H),1.72(m,1H),1.46(s,9H),0.96(t,3H).
【0325】
製造例28)
(S)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(ジフェニルホスフィノイルオキシ)−4−オキソ−ペンタン酸tert−ブチルエステル
製造例26−3)の化合物(100mg、0.17mmol)及びジフェニルホスフィン酸(45mg、1.2eq)をジメチルホルムアミド(2mL)に溶かし、KF(25mg、2.5eq)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。減圧下で濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残渣をPrep−TLCカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して表題化合物(80mg、65%)を得た。
【0326】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.87−7.76(m,5H),7.56−7.41(m,8H),7.18−7.14(m,2H),7.07(m,1H),6.83−6.72(dd,1H),5.77−5.56(m,2H),4.94−4.62(m,3H),3.77(m,1H),2.79−2.54(m,2H),2.09(m,1H),1.68(m,1H),1.48(s,9H),1.36と1.31(two s,9H),0.89(m,3H).
【0327】
実施例28)
(S)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ}−5−(ジフェニルホスフィノイルオキシ)−4−オキソ−ペンタン酸
【0328】
【化38】

【0329】
製造例28)の化合物(80mg、0.11mmol)を実施例2)と同様に反応させて、減圧下で濃縮し、Prep−TLC(10%MeOH/CH2Cl2)で分離して、表題化合物(68mg、91%)を2つのジアステレオマー混合物として得た。
【0330】
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.80−7.71(m,5H),7.52−7.40(m,7H),7.20(m,1H),7.15(m,1H),7.04(m,1H),6.75(m,1H),5.72−5.49(m,2H),4.76−4.10(m,3H),3.84(m,1H),2.93−2.54(m,2H),1.98(m,1H),1.65(m,1H),1.46(s,9H),0.87−0.79(m,3H).
【0331】
実験例1
カスパーゼ阻害効果の検定
公知の方法(参照:Thornberry, N. A. et al., Nature, 1992, 356, 768. Thornberry, N. A. Methods in Enzymology, 1994, 244, 615. Walker, N. P. C. et al., Cell, 1994, 78, 343)を改変して、α2β2形態のシステインプロテアーゼとして知られているカスパーゼ−1とカスパーゼ−8を発現、精製及び活性化し、また、同様の方法でカスパーゼ−9を精製し、それらに対する阻害効果をテストした。簡略に説明すると、p10とp20サブユニット(Thornberry, N. A. et al., Nature, 1992, 356, 768)を大腸菌で発現させ、ニッケルカラムとアニオン交換クロマトグラフィーで精製して、カスパーゼ−1、カスパーゼ−8及びカスパーゼ−9を得た。このようにして得られたカスパーゼ−1に対しては蛍光基質AcYVAD−AFCを、カスパーゼ−8に対してはAcDEVD−AFCを、カスパーゼ−9に対してはAcLEHD−AFCを用いて、合成された阻害剤の比活性度を測定した。酵素反応は、50mMのHEPES(pH7.50)、10%(w/v)のスクロース、0.1%(w/v)のCHAPS、100mMのNaCl、1mMのEDTA、及び10mMのDTTを含む緩衝溶液中、10nMのカスパーゼ−1に対しては50μMのAcYVAD−AFC、2.1nMのカスパーゼ−8に対しては50μMのAcDEVD−AFC、及び200nMのカスパーゼ−9に対しては150μMのAcLEHD−AFCの存在下で、様々な濃度の阻害剤を用いて25℃で遂行した。阻害剤の阻害定数であるKi及びKobsの値は蛍光スペクトロメータを用いて反応速度を経時的に測定して初期速度定数を求めることで決定した。Kiはラインウィーバーバークプロット(Lineweaver Burk Plot)から算出し、Kobsは下記数式1から算出した。
(数式1)
obs=−ln(1−At/Aoo)/t
式中、
tはt時間での開裂率(%)を意味し、
ooは最大開裂率(%)を意味する。
【0332】
Spectra MAX GeminiXS Fluorescent Spectrometer(モレキュラーデバイス(Molecular Device)社製)を、励起波長405nm、発光波長505nmで用いた。
【0333】
阻害剤の生体内阻害活性は、ジャーカット細胞(ATCC TIB−152)をFas抗体(Upstate Biotech 05−201)でアポトーシスさせ、阻害剤処理時に生きているジャーカット細胞量を観察するために公知方法のWST−1(参照:Francoeur A.M. and Assalian A. (1996) Biochemica 3, 19-25)によって色の変化を測定して決定した。Spectra MAX 340 Spectrometer(モレキュラーデバイス社製)を吸光波長440nmで用いた。
【0334】
【表1】

【0335】
実験例2
マウスにおいてのFasに対する抗体による肝損傷治療効果
工程1)血液サンプルの製造
雄性Balb/cマウス(6週齢、Charles River Laboratory、大阪、日本)を22℃及び55%の相対湿度下で12時間ずつ明/暗を変えながら飼育した。この時、食料と水は不断給餌した。発熱物質フリーのホスフェート緩衝液に、Fasに対する抗体(Jo2; BD Pharmingen、サンディエゴ、カリフォルニア)を溶かし、それを0.15mg/kgの量で各マウスの尾静脈に注射した。Fasに対する抗体を注射した直後に、試験化合物が溶解されているビヒクル(PEG400:エタノール=2:1からなる混合物をホスフェート緩衝液で20倍に希釈)またはビヒクル単独を実験動物に経口投与した。薬物投与から6時間後、心臓から血液サンプルを得た。
【0336】
工程2)血漿アミノトランスフェラーゼ活性の検定
工程1で得た血液サンプルに対して血漿ALT活性を、ALT試験kit(Asan Pharm. Co.、ソウル、韓国)を使用して、製造者の案内書に従って測定した。その結果、Fasに対する抗体投与が血漿内ALT活性を急激に上昇させ、試験化合物は、上昇された酵素活性を容量−依存的方式で抑制することが分かった。これらの結果に基づいて、各試験化合物のED50値をPrismソフトウェア(GraphPad社製)を用いて算出して、0.001〜10mg/kgを得た。
【産業上の利用可能性】
【0337】
上記実験例の結果から明らかになったように、本発明に係る一般式(1)の化合物は優れたカスパーゼ阻害活性を有しており、特に、Fas抗体による肝損傷動物モデルで治療効果を示す。従って一般式(1)の化合物は、カスパーゼによって媒介された様々な疾患及び症状の治療に效果的に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)の化合物または薬剤学的に許容されるその塩:
【化1】

式中、
I)R1はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、アリール、または全ての天然アミノ酸の側鎖残基を表し、
II)R2はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、アリール、または全ての天然アミノ酸の側鎖残基を表し、
III)R3はH、C1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ、またはハロゲンを表し、
IV)R4はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールを表し、
V)R5はH、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールを表し、
VI)R6及びR7はそれぞれ互いに独立して、H、C1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールを表し、
VII)Xは−CH2OR9(R9はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、−CH2OC(=O)R10(R10はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、−CH2−OP(=O)R112(R11はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、または−CH2−W(Wはハロゲンである。)を表す。
【請求項2】
5が、置換されていてもよいC3−C10−シクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールで置換されたC1−C5−アルキル;または置換されていてもよいアリールを表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物または薬剤学的に許容されるその塩。
【請求項3】
5が、C1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−C10−シクロアルキル、またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいアリールで置換されたC1−C5−アルキル;またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基により置換されていてもよいアリールを表すことを特徴とする請求項2に記載の化合物または薬剤学的に許容されるその塩。
【請求項4】
I)R1は全ての天然アミノ酸の側鎖残基を表し、
II)R2はC1−C5−アルキルを表し、
III)R3はH、C1−C5−アルキル、C1−C5−アルコキシ、またはハロゲンを表し、
IV)R4はHを表し、
V)R5は、C1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−C10−シクロアルキル、またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいアリールで置換されたC1−C5−アルキル;またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいアリールを表し、
VI)R6及びR7はそれぞれ互いに独立して、Hを表し、
VII)Xは−CH2OR9(R9はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、−CH2OC(=O)R10(R10はC1−C5−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、またはアリールである。)、または−CH2−W(Wはハロゲンである。)を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物または薬剤学的に許容されるその塩。
【請求項5】
I)R1は−CH2COOHを表し、
II)R2はC1−C5−アルキルを表し、
III)R3はH、C1−C5−アルキル、C1−C5−アルコキシ、またはハロゲンを表し、
IV)R4はHを表し、
V)R5は、C1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−C10−シクロアルキル、またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいアリールにより置換されたC1−C5−アルキル;またはC1−C5−アルキル、ヒドロキシ、C1−C5−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されていてもよいアリールを表し、
VI)R6及びR7はそれぞれ互いに独立して、Hを表し、
VII)Xは−CH2O−(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、−CH2O−(2,3,6−トリフルオロフェニル)、−CH2O−(2,6−ジフルオロフェニル)、−CH2O−(2,6−ジクロロベンゾイル)、または−CH2−Fを表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物または薬剤学的に許容されるその塩。
【請求項6】
3−2−[2−(2−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸。
【請求項7】
3−2−[2−(3−tert−ブチル−ベンジル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル]−ブチリルアミノ−5−フルオロ−4−オキソ−ペンタン酸。
【請求項8】
薬剤学的に許容されるキャリヤと共に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物または薬剤学的に許容されるその塩を活性成分として含有するカスパーゼ阻害用薬剤学的組成物。
【請求項9】
消炎またはアポトーシス防止用であることを特徴とする請求項8に記載の薬剤学的組成物。
【請求項10】
認知症、脳卒中、AIDSによる脳損傷、糖尿症、胃潰瘍、肝炎による脳損傷、肝炎による肝疾患、急性肝炎、劇症肝不全、敗血症、臓器移植拒否反応、リウマチ性関節炎、虚血性心臓疾患による心臓細胞アポトーシス、または肝硬変の治療または予防用であることを特徴とする請求項8に記載の薬剤学的組成物。
【請求項11】
急性肝炎または肝硬変治療用であることを特徴とする請求項8に記載の薬剤学的組成物。
【請求項12】
リウマチ性関節炎治療用であることを特徴とする請求項8に記載の薬剤学的組成物。

【公表番号】特表2009−545585(P2009−545585A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522711(P2009−522711)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003617
【国際公開番号】WO2008/016239
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(502345599)エルジー・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】LG Life Sciences Ltd.
【Fターム(参考)】