説明

ピリド−ピリミジン誘導体、この製造、癌治療のためのこの治療的使用

本発明は、一般式(I)の、塩基又は医薬適合性の酸との付加塩の形態での、水和物又は溶媒和物の形態での並びにエナンチオマー、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態での、ピリド[2,3−d]ピリミジン誘導体、この製造及びこの治療的応用に関する。本発明は、また、該誘導体の製造方法、一般式(I)の化合物を含有する医薬組成物及びこの治療的使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリド[2,3−d]ピリミジン誘導体、この製造及びこの治療的応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ピリド[2,3−d]ピリミジンは、国際特許出願公開第WO01/55,147号明細書及び国際特許出願公開第WO03/000,011号明細書において並びに欧州及び米国特許欧州特許第EP−B−790,997号明細書及び米国特許第5,733,913号明細書においてそれぞれ記載されている。これらの化合物は、細胞増殖異常症を治療する際に潜在的用途を有するものである。
【発明の開示】
【0003】
第一側面に於いて、本発明は、式(I):
【0004】
【化9】

[式中、Rは、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、CHCOR、フェニル又は(ヒドロキシ及び/又はハロゲン及び/又は(C−C)アルキルで置換された)フェニルからなる群から選択され、
は、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はジ(C−C)アルキルアミノ基を表し、
Arは、
【0005】
【化10】

から選択された基を表し、
は、シアノ、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基又は(CHNR、CO、CONHNR、CONR、CONROR、(CHNRCOR又は(CHNRCOOR基を表し、
は、水素原子、(C−C)アルキル基又はRについて示した基の1種を表し、
又は上記定義された通りのR及びRは、一緒に結合して、N及びOから選択された0から2個のヘテロ原子を含む4から7個の鎖結合を含有する環を形成し、4から7個の鎖結合を含有する該環は、場合により、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロゲン化(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(CHNR又はtert−ブトキシカルボニル基から独立して選択された、1個又はそれ以上の置換基によって置換されており、
及びRは、それぞれ独立して、H、フェニル、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−OH、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−NH、(C−C)アルキル−(C−C)シクロアルキル、C(=NH)NH、SO(C−C)アルキル、SO−フェニルから選択された置換基を表し、Rは、また、tert−ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニル基を表すことができ、
又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニル基を構成し、これらの基は、置換されていないか又は(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−OH、COO(C−C)アルキル又はF基で1回又はそれ以上置換されており、
は、水素原子又は(C−C)アルキル基を表し、
Arは、置換されていない又はハロゲン原子又は(C−C)アルキル、トリフルオロメチル又は(C−C)アルコキシ基から選択された同様の又は異なる置換基で1から5回置換されたフェニル基を表し、
nは、1、2又は3を表し、
mは、0、1、2又は3を表す。]
を有する化合物に関する。
【0006】
式(I)を有する化合物は、1個又はそれ以上の不斉炭素原子を含んでいてよい。従って、これらはエナンチオマー又はジアステレオマーの形態で存在することができる。該エナンチオマー、ジアステレオマー及びラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明の範囲内に入る。
【0007】
式(I)を有する化合物は、塩基又は酸との付加塩として存在することができる。式(I)を有する化合物に、遊離酸官能基、例えば、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸官能基が含まれるとき、該酸官能基を、塩基を使用して塩に転換させて、付加塩を形成することができる。該付加塩は、本発明の範囲内に入る。
【0008】
酸又は塩基との付加塩は、それぞれ医薬適合性の酸又は塩基によって有利に製造されるが、例えば、式(I)を有する化合物を精製又は単離する際に使用するための、他の酸又は塩基の塩も、本発明の範囲内に入る。
【0009】
式(I)を有する化合物は、また、水和物又は溶媒和物の形態で、即ち、1個又はそれ以上の水分子又は溶媒との会合又は組合せの形態で存在することができる。該水和物及び溶媒和物も、本発明の範囲内に入る。
【0010】
下記の用語は、本発明に関連して、下記の意味を有する。
【0011】
ハロゲン原子:フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子。
【0012】
アルキル基:線状又は分枝状飽和脂肪族基。例として下記の基を挙げることができる。メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1,1−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、3,4−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,1,2−トリメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、1,2,2−トリメチルブチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,3,3−トリメチルブチル、2,2,3−トリメチルブチル、2,3,3−トリメチルブチル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、1−エチル−1−メチルブチル、1−エチル−2−メチルブチル、1−エチル−3−メチルブチル、2−エチル−1−メチルブチル、2−エチル−2−メチルブチル、2−エチル−3−メチルブチル、1−プロピルブチル、1−(1−メチルエチル)ブチル、1−(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル。
【0013】
シクロアルキル基:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチル。
【0014】
挙げることができる本発明に従った式(I)を有する好ましい化合物は、下記のように定義される。
【0015】
が、tert−ブチル、エチル又はフェニル基を表し、
及び/又はArが、
【0016】
【化11】

から選択された基を表し、
及び/又はRが、(CHNR、CONHNR、CONR、ヒドロキシ(C−C)アルキル又は(CHNRCOR基を表し、
及び/又はRが、水素原子又はメチル、(CHNR又はヒドロキシメチル基を表し、
及び/又はArが、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ基から独立して選択された1個又は2個の置換基で置換されたアリール基を表し、
n、m、R及びRが、式(I)を有する化合物について前記定義された通りであることを特徴とする、塩基又は酸との付加塩として、及びまた水和物又は溶媒和物の形態で表す。
【0017】
本発明の生成物は、有利には、(CHNR、CONR及び(CHNRCORから選択される置換基Rを有する。
【0018】
本発明に従った生成物は、非キラル又はラセミ形態で存在してよく又は1種の立体異性形態に富んでいて又は1種のエナンチオマーに富んでいてよく、これは場合により溶媒和された又は水和された形態であってよく、及び場合により塩の形態であってよい。
【0019】
第二側面に於いて、本発明は、本発明の第一側面に従った生成物を製造する際に使用される合成中間体の製造に関し、該中間体は下記の一般式:
【0020】
【化12】

(式中、R及びArは、前記定義された通りである。)
を有する。
【0021】
第三側面に於いて、本発明は、下記の一般式:
【0022】
【化13】

(式中、R及びArは、前記定義された通りである。)
を有する、本発明の第一側面及び第二側面に従った中間体の製造に関する。
【0023】
第四側面に於いて、本発明は、下記の一般式:
【0024】
【化14】

(式中、Arは、前記定義された通りである。)
を有する、第一側面、第二側面及び第三側面に従った中間体の製造に関する。
【0025】
本発明の第二から第四側面に従った合成中間体は、フェニル、2−メトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,6−ジブロモフェニル、2−ブロモ−6−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル及び3,5−ジクロロフェニルから選択される置換基Arを含む。
【0026】
本発明の第二及び第三側面に従った合成中間体は、エチル、tert−ブチル及びフェニルから選択される置換基Rを含む。
【0027】
本発明に従って、式(I)を有する化合物は、下記のもの
(i)式:
【0028】
【化15】

(式中、R10は、離脱基、例えば、(a)ハロゲン、特にCl又はBr又は(b)アルキル−S(O)−(m=0、1又は2)であり、R11はNHC(=R12)−NH−R(R12=O又はS)である。)
を有する化合物と、
(ii)式Ar’NH(III)(Ar’は、(I)について定義された通りのAr又はArの前駆体を表す。)を有するアミン
とを反応させ、必要な場合に、得られる化合物の基Ar’を基Arに転換させることを特徴とする方法を使用して製造することができる。
【0029】
10が、ハロゲン又はアルキル−S(O)−(m=2)であるとき、この反応は、溶媒、好ましくは極性溶媒:
(i)例えば、場合により微量の酸、例えば塩酸の存在下で、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド又はエタノール中で又は
(ii)強塩基、例えばtBuOKの存在下で、ジメチルスルホキシド中で、
周囲温度から溶媒の還流温度までの範囲内の温度で行われる。
【0030】
10が、アルキル−S(O)−(但し、m=0又は1)であるとき、この反応は、溶融したAr’NH(III)で、好ましくは200℃に近い温度で、触媒無しに実施することができる。
【0031】
適切な場合に、化合物(III)のAr’基中に存在するアミン官能基を塩に転換させることができ又は保護することができる。
【0032】
用語「Ar前駆体」は、(I)について前記定義された通りの基a)、b)、c)、d)又はe)(但し、置換基R及び/又はRは、(I)について前記定義された通りであり又はR及び/又はRの前駆体である)を意味する。
【0033】
式(II)の化合物は、下記の反応図式1に記載したように、欧州特許出願公開第EP−A−0,790,997号明細書及び米国特許第5,733,913号明細書に記載された操作プロトコルを使用して製造される。
【0034】
【化16】

【0035】
式(III)を有するアミンは、公知であり又は公知の方法を使用して、対応するニトロ化合物Ar’NO(IV)から、(i)酸性媒体中で鉄又は粉末化亜鉛のような金属の存在下での又は(ii)Pc/Cのような触媒の存在下での水素を使用する還元により製造される。
【0036】
式(IV)を有する化合物は、公知であり又は公知の方法を使用して製造される。
【0037】
従って、2位で、R=メトキシカルボニル基によって一置換された5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソールは、4−ニトロ−カテコール(4−ニトロベンゼン−1,2−ジオール)へのジクロロ酢酸メチルの作用によって製造することができる。
【0038】
2位に於いてgem−二置換された5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソールは、Pharmazie、2003年、第58(1)巻、第13−17頁に従って、4−ニトロ−カテコール(4−ニトロベンゼン−1,2−ジオール)へのジブロモマロン酸エチルの作用によって製造することができる。
【0039】
2位又は3位に於いて、R及びRによって置換された7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンは、国際特許出願公開第WO01/021,577号明細書に記載されている方法を使用して4−ニトロカテコールから又は公知の化学転換を使用して製造することができる。
【0040】
1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−アミンは、J.Med.Chem.、1978年、第21巻、第965−978頁に記載されており、4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−アミンは、J.Org.Chem.、1994年、第59(4)巻、第754−757頁に記載されており、4H−1,3−ベンゾオキシン−7−アミンは、Chimie Therapeutique、1972年、第7巻、第443−449頁に記載されている。
【0041】
式(I)を有する化合物について所望される置換基R及びRに依存して、式(IV)を有する化合物のR及び/又はR基を転換させるために、マーチの最新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry)、第5版、2005年、ISBN0471585890に記載されているもののような公知の方法を使用することができる。式(I)の化合物に於ける基R及び/又はRは、また、所望の置換基R及び/又はRを有する、式(I)を有する新規な化合物を得るために転換させることができる。
【0042】
従って、基R=COMeを、当該技術分野で公知である方法を使用して、Rが、COH、CN、CHOH、CONR、CONHNR、CONROR又はCHNR基を表す、式(IV)又は(I)を有する化合物を製造するために使用することができる。
【0043】
基R=(CH−OH(式中、n=1、2又は3)を含む式(IV)又は(I)を有する化合物から出発して、塩化メシルの作用により、R=メシルオキシメチルである式(IV)又は(I)を有する化合物を製造し、続いてHNR(R及びRは、式(I)を有する化合物について定義された通りである)の作用により、R=−CHNRである式(IV)又は(I)を有する化合物を製造することができる。
【0044】
本発明の化合物は、ラセミ形態で得られる。次いで、光学的に純粋な異性体を、当業者に公知である分割方法、例えば、キラル試薬との塩を形成することによる結晶化を使用して製造することができる。不斉又は立体特異的合成方法又はキラル相を使用するクロマトグラフィー技術を使用して、本発明に従った化合物を、これらの光学的に純粋な形態で製造することも可能である。更に、本発明の生成物は、ジアステレオ異性体を形成し、これらを分離し、次いで薬理学的に有用なジアステレオマーを、このエナンチオマー的に純粋な活性生成物に分解することによって分離することができる。酵素的技術を使用することもできる。公知の補足的分離技術を使用することができる。これらには、「エナンチオマー、ラセミ化合物及び分割(Enantiomers, Racemates, and Resolutions)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons)、ニューヨーク(1981年)で検討されているものが含まれる。
【0045】
本発明の化合物は、また、合成中間体を製造する間に、1種の立体異性体に富んだ形で製造することができる。このために、式(III)を有するアミン又はニトロ前駆体(IV)のエナンチオマーの分割は、公知の方法を使用して実施することができる。
【0046】
下記の実施例は、本発明に従ったある種の中間体及び化合物の製造を記載する。これらの実施例は、限定ではなく、及び単に本発明を例示する役割を果たす。
【0047】
実施例では、下記の略語が使用される。
【0048】
MP:融点
Boc:tert−ブトキシカルボニル
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
THF:テトラヒドロフラン
AT:周囲温度
DCM:ジクロロメタン
MeOH:メタノール
DCCI:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
KHSO/KSO:KHSO/KSOの5%溶液
Z:ベンジルオキシカルボニル
陽子核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、他の方法で示さない限り、200MHz又は250MHzでDMSO−d中で記録した。DMSO−d信号は2.5ppmであり、参照として機能した。スペクトルを解釈するために、下記の略語を使用した。s:一重項、d:二重項、t:三重項、m:広い信号、mt:多重項、se:広い一重項、dd:ダブル二重項:qd:四重項、qt:五重項。
【0049】
式(II)を有する化合物の製造
製造1
N−(t−ブチル)−N’−[6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]尿素
1.1 エチル 4−アミノ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシラート。
【0050】
140mLの20%NHOH溶液を、400mLのEtOH中の50.7gのエチル 4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシラートの懸濁液に、温度を約20℃に維持しながら20分間かけて添加した。周囲温度で20時間撹拌した後、反応媒体を真空下で殆ど乾固まで濃縮し、次いで、残渣を350mLの水の中に入れ、20分間撹拌し、濾過し、及び3×60mLの水で洗浄し、次いでPの存在下で真空乾燥した。白色固体が得られた:MP=134−135℃、m=39.9g。
【0051】
1.2 [4−アミノ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル]メタノール。
【0052】
210mLの、THF中のLiAlHの1M溶液を、1リットルのTHF中に溶解させた、39.68gの前の工程で得られたエステルに、温度を30℃以下に維持しながら45分間かけて添加した。これを更に1時間撹拌し、次いで温度を5℃まで低下させ、9mLの水、6.5mLの5N水酸化ナトリウム、次いで32mLの水を、逐次的に滴下により添加した。10分間撹拌した後、固体を濾過し、次いでTHFで洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、及び残渣を600mLの沸騰トルエン中に再溶解させ、急速に熱時濾過して、不溶性物質の幾らかを除去し、及び濾液を一晩冷却した。得られた白色結晶を濾過し、少量のトルエンで次いでエーテルで洗浄し、及び乾燥した。MP=124−127℃、m=23.9g。
【0053】
1.3 4−アミノ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド。
【0054】
79.5gの活性MnOを、2分間かけて、1600mLのクロロホルム中の、23.8gの前の工程から得られたアルコールの懸濁液に添加し、次いで周囲温度で一晩撹拌した。固体を濾過し、3×75mLのCHClで洗浄し、及び濾液を真空下で乾固まで濃縮し、白色固体残渣をエーテル中に入れ、濾過し、及び乾燥した。MP=184−186℃、m=21.05g。
【0055】
1.4 6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(メチルチオ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−アミン。
【0056】
5.47gの60%NaHを、5分間かけて、5℃まで冷却した240mLのDMF中に溶解させた、21gの前の工程で得られたアルデヒドに添加し、次いで29.05gの2.6−ジクロロフェニルアセトニトリルを20分間かけて添加した。撹拌を、5℃で30分間、次いで周囲温度で一晩続けた。反応媒体を5℃まで冷却し、及び65mLのNHClの飽和溶液を添加し、続いて500mLの水/氷混合物を添加した。赤色沈殿が形成され、これを濾過し、水で2回洗浄し、完全に水を切り、エーテルで、100mLのクロロホルムを使用し、次いで再びエーテルで洗浄し、乾燥した後、ベージュ色の固体が得られた。MP=250−253℃、m=29.92g。
【0057】
エーテル及びクロロホルム洗液相を乾固まで濃縮し、これにエーテルを添加した少量のクロロホルム中に入れ、第二量の3.15gが得られた。合計m=33.07g。
【0058】
1.5 N−(t−ブチル)−N’−[6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(メチルチオ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]尿素。
【0059】
4.6gの60%NaHを、10分間かけて、300mLのDMF中の溶液中の、29.9gの上記で得られたアミンに、温度を25℃以下に維持して添加し、これを更に20分間撹拌し、次いで12.2mLのtert−ブチルイソシアナートを20分間かけて添加し、続いて一晩撹拌した。反応媒体を、800mLの水/氷混合物+100mLの6N HClの上にゆっくり注ぎ、生成した沈殿を濾過し、水で洗浄し、水を切り、次いで300mLのエーテル中で1時間撹拌し、続いて濾過し、エーテルで洗浄し、及び乾燥した。ベージュ色の固体が得られた。MP=195−196℃(分解)、m=26.5g。
【0060】
1.6 N−(t−ブチル)−N’−[6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]尿素。
【0061】
27gのメタクロロ過安息香酸を、300mLのクロロホルムの溶液中の、21.95gの上記で得られた尿素に、25分間かけて、温度を25℃以下に維持して添加した。沈殿が生成した。2時間後に、反応媒体を1リットルのジクロロメタンで希釈し、及びNaSOを添加し、続いて14gのCa(OH)を添加し、30分間撹拌した後、固体を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、次いで濾液を乾固まで濃縮し、残渣を80mLの熱エーテルの中に粉砕し、これを冷却し、次いで白色固体を濾過し、エーテルで洗浄し、及び乾燥した。MP=138−140℃、m=20.5g。
【0062】
一般式(II)を有する下記の化合物を、製造1に記載した化合物について記載したものと同じ方法で製造することができた。
【0063】
【表1】


【0064】
式(III)を有する化合物の製造
製造番号は、下記の表1及び表2中の化合物の番号に関連付けられる。これらに不斉炭素原子が含有されているとき、これらの化合物は、他の方法で示さない限りラセミ形態で得られた。
【0065】
製造2
2.1 メチル 5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボキシラート。
【0066】
31.0gの4−ニトロカテコールを、300mLのDMFの懸濁液中の17.6gの60%NaHに、冷却によって温度を30℃以下に維持して、1時間かけて添加した。撹拌を15分間続け、次いで、104mLのジクロロ酢酸メチルを1時間かけて添加し、及び撹拌を90℃で4時間続けた。反応媒体を、2リットルの氷/水の混合物の上に注ぎ、次いで400mLのAcOEtで4回抽出した。一緒にした有機相を飽和NaCl溶液で1回洗浄し、次いで乾燥し、及び真空下で濃縮した(DMFを蒸発除去した)。残渣をAcOEt/HO混合物中に入れ、及びNaCOを使用してpHを8.6にし、有機相をデカンテーションし、飽和NaHCO、HO、5%KHSO/KSO、HO、飽和NaClで洗浄し、次いで乾燥し及び真空蒸発させ、半固体を得、これを次いでヘプタン中で粉砕して、固体を製造した。m=27.7g、MP=90−92℃。
【0067】
2.2 メチル 5−アミノ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボキシラート。
【0068】
3.92gの粉末化亜鉛を、30mLのTHF中に溶解させた、900mgの前の工程からのエステルに添加し、−5℃にまで冷却した後、4mLのTHFで希釈した4mLの酢酸を、30分間かけて添加し、次いで温度を上昇させた。1時半間後に、濾過を行い、及び固体を少量のTHF及びメタノールで洗浄した。濾液をAcOEtで希釈し、及びHO、飽和NaHCO、HO、飽和NaClで洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮した後、黄色ワックスを得、これをNMRによって同定した。m=800mg。
【0069】
製造3
3.1 5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボキサミド。
【0070】
20mLの、メタノール中の2Mアンモニア溶液を、1.12gの製造2.1からのメチルエステルの上に注いだ。25分間後に、これを真空下で濃縮し、固体残渣をEtO中に入れ、濾過し、及び乾燥した。m=0.99g、MP=202−207℃。
【0071】
3.2 5−アミノ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボキサミド。
【0072】
4.57gの粉末化亜鉛を、35mLのTHF中の、0.98gの製造3.1からのアミドに添加し、−5℃にまで冷却した後、5mLのTHF中に希釈した5mLの酢酸を、30分間かけて添加した。添加に続いて、温度を上昇させた。1時間後に、固体を濾過し、少量のTHF、メタノール、AcOEtで洗浄した。濾液をAcOEtで希釈し、水をこれに添加し、及び飽和NaHCOによって、pHを6にした。生成した沈殿を濾過によって除去し、濾液をデカンテーションし、次いで有機相を、飽和NaHCO、HO、飽和NaClで洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させ、冷却で固化したワックスが得られた。m=0.63g。
【0073】
製造4
4.1 5−ニトロ−(1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)メタノール。
【0074】
22.3mLの、THF中のLiAlHの1M溶液を、25mLのTHF中に溶解させた、5.02gの製造2.1で得られたメチルエステルに、−5℃で1時間15分間かけて添加し、添加が完結して20分後に、20mLのAcOEt、次いで9mLの1N NaOHを滴下により添加し、生成した沈殿を濾過によって除去し、AcOEtで洗浄し、濾液をAcOEtで希釈し、HO、5%KHSO/KSO、HO、飽和NaClで洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮した後、ワックスが得られ、これは結晶化した。m=2.74g、MP=80−82℃。
【0075】
次の工程に於いて、製造4.1からのニトロ誘導体を、前記の方法を使用して還元して、製造4.2に記載した式(III)を有するアミンを製造した。
【0076】
製造5
5.1 (5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)メチルスルホナート。
【0077】
3mLのトリエチルアミンを、5℃で、30mLのCHCl中に溶解させた、4.12gの製造4.1で得られたアルコールに添加し、続いて1.85gの塩化メシルを15分間かけて添加した。15分後に、氷浴を取り去った。55分後に、反応媒体をCHCl及び水で希釈し、有機相をデカンテーションし、HO、飽和NaClで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。ヘプタン中での粉砕の後、褐色固体が得られた。m=5.20g、MP=112−115℃。
【0078】
5.2 [(5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)メチル]ジエチルアミン。
【0079】
2.19gのジエチルアミンを、18mLのDMF中の、2.91gの前の工程で得られたメシラートに添加し、次いで80℃まで加熱した。15時間後に、0.73gのジエチルアミンを添加し、続いて8時間後に、更に0.73gを添加した。合計48時間後に、反応媒体をAcOEtで希釈し、HO次いで飽和NaClで洗浄し、乾燥した後、AcOEtを蒸発除去し、及び残渣を、40mLのEtO+10mLのAcOEt中に入れ、60mLの0.25N HClで2回抽出し、酸相を混合し、AcOEtと接触状態にし、10N NaOHでpHを9にし、有機相をデカンテーションにより分離し、HO次いで飽和NaClで洗浄し、次いで乾燥し、及び蒸発させた。油が得られた。m=1.55g。
【0080】
5.3 [(5−アミノ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)メチル]ジエチルアミン。
【0081】
7.45gの粉末化亜鉛を、70mLのTHF中に溶解させた、1.93gの前の工程で得られたニトロ化合物に添加し、次いで−5℃で、7.6mLのAcOHを25分間かけて添加し、及び0℃と5℃との間で撹拌を続けた。1時間半後に、固体を濾過し、THF及び少量のメタノールで洗浄し、濾液をAcOEt+HOで希釈し、10N NaOHでpHを9にし、生成した沈殿を濾過によって除去し、濾液をデカンテーションし、有機相を、HO、飽和NaClで洗浄し、乾燥し、蒸発除去して、黒色油が得られた。m=1.75g。
【0082】
製造6
6.1 1−メチル−4−((5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)メチル)ピペラジン。
【0083】
この反応は、操作プロトコル5.2に従った。生成物を、二塩酸塩の形態で単離した。
【0084】
6.2 2−((メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン。
【0085】
この反応は、操作プロトコル5.3に従った。
【0086】
製造7
7.1 5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸。
【0087】
1.5mLの5N NaOHを、30分間かけて、12mLのメタノール中の、1.12gの製造2.1で得られたエステルに添加した。添加が完結して35分後に、反応媒体を、AcOEt及びHOで希釈し、2N HClでpHを2にし、有機相をデカンテーションし、HO及び飽和NaClで洗浄し、次いで乾燥し、及び蒸発して1.25gの油が得られた。
【0088】
7.2 N,N−ジメチル−5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボキサミド。
【0089】
0.36gのジメチルアミン塩酸塩、0.77mLのDIPEA、次いで0.91gのDCCIを、15mLのジクロロメタン中に溶解させた、0.84gの前の工程で得られた酸に添加した。周囲温度で3時間撹拌した後、反応媒体を濾過し、及び濾液をCHClで希釈し、及び飽和NaHCOの溶液、HO、5%KHSO/KSO、HO、飽和NaClで、逐次的に洗浄し、乾燥した後、溶媒を蒸発除去し、次いで残渣を99/1ジクロロメタン/メタノール混合物を使用してシリカ上でクロマトグラフィー処理した。0.5gの固体生成物が得られた。MP=109℃。
【0090】
製造9
9.1 5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボニトリル。
【0091】
3.7mLのPOClを、45mLの5℃に冷却したDMFに添加した。5℃で30分間撹拌した後、1.67gの製造3.1で得られたアミドを、全部一度に添加した。周囲温度で3時間撹拌した後、反応混合物を、250mLの水/氷の混合物の上に注いだ。生成した沈殿を濾過し、水で洗浄し、次いで乾燥した。m=1.32g、MP=105−110℃。
【0092】
9.2 5−アミノ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボニトリル。
【0093】
NHを使用する、工程9.1で得られた生成物のニトロ基の還元を、Zn/AcOH混合物を使用する前記の方法を使用して、実施した。
【0094】
製造11
11.1 エチル 5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボキシラート。
【0095】
この化合物は、Pharmazie、2003年、第58(1)巻、第13−17頁に記載された操作プロトコルを使用して製造した。
【0096】
11.2 5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボキサミド。
【0097】
1.24gの前の工程で得られたジエステルを、14mLの、メタノール中の2Mアンモニア溶液に、全部一度に添加した。30分間撹拌した後、反応媒体を乾固まで濃縮し、次いで固体残渣をエーテル中に入れ、濾過し、及び乾燥した。m=1.01g、MP=231−233℃。
【0098】
製造12
12.1 (5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジイル)ジメタノール。
【0099】
1.50gのNaBHを、60mLのTHF中の、1.87gの製造11.1で得られたジエステルに、周囲温度で1時間かけて添加し、添加が完結して25分後に、これを250mLのAcOEt次いで5mLのメタノール次いで40mLの水で滴下により希釈した。有機相をデカンテーションし、HO、5%KHSO/KSO溶液、HO次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。乾固まで蒸発させた後、残渣を、クロロホルム/メタノール混合物(98/2)によりシリカ上でクロマトグラフィー処理し、0.64gの油が得られ、これは固化した。MP=111−113℃。
【0100】
製造13
13.1 エチル 3−(2−メチル−5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)プロパノアート。
【0101】
22.4gの無水リン酸を、22.10gのアセト酢酸エチル中の懸濁液中の、15.51gの4−ニトロカテコールに、70℃で15分間かけて添加した。1時間45分後に、反応媒体を冷却し、次いで4×150mLの温いトルエンで抽出した。トルエン相を一緒にし、HO、1N NaOH、HO、5%KHSO/KSO、HO及び飽和NaCl溶液で洗浄した。乾燥し及び蒸発させた後、生成物を、クロロホルムで溶離するシリカクロマトグラフィーにより精製して、2.44gの固体が得られた。MP=76−78℃。
【0102】
13.2 3−(2−メチル−5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)プロパン−1−オール。
【0103】
8mLの、THF中の1M LiAlHを、40mLのTHF中に溶解させた、2.33gの上記で得られたエステルに、−5℃で45分間かけて添加した。35分後に、8mLの酢酸エチルを滴下により添加し、続いて1mLの水、次いで1mLの1N NaOHを添加した。固体を濾過によって除去し、濾液をAcOEtで希釈し、HO、5%KHSO/KSO、飽和NaClで洗浄し、乾燥した後、有機相を真空下で濃縮し、油が得られた。m=1.90g。
【0104】
13.3 3−(2−メチル−5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)プロピルメタンスルホナート。
【0105】
1.01gのトリエチルアミン、次いで1.14gの塩化メシルを、40mLのジクロロメタン中の、1.89gの前の工程13.2で得られたアルコールに、5℃で20分間かけて添加した。添加に続いて、氷浴を取り去り、撹拌を1時間続け、反応媒体をCHClで希釈し、HOで次いで飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥した後、溶媒を蒸発除去し、2.46gのワックスが得られ、これは冷時に固化した。
【0106】
13.4 N,N−ジエチル−3−(2−メチル−5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)プロパン−1−アミン。
【0107】
0.87gのジエチルアミンを、20mLのDMF中の1.21gのメシラートに添加し、次いで80℃に加熱した。8時間半後に、0.44gのジエチルアミンを添加し、及び加熱を14時間続けた。反応媒体を真空下で濃縮し、残渣をAcOEt中に再溶解させ、及び1N NaOHでpHを9.5にし、有機相をデカンテーションし、HO、飽和NaCl溶液で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた後、粗製生成物を得、これを20mLのAcOEtプラス20mLのEtO中に再溶解させ、及び50mLの0.5N HClで2回抽出し、2個の水性相を混合し、AcOEtと接触状態にし、10N NaOHを使用してpHを9にし、有機相をデカンテーションし、HOで次いで飽和NaCl溶液で再び洗浄し、乾燥し、蒸発させ、及び0.66gの油が得られた。
【0108】
13.5
工程13.4で得られた生成物のNO置換基を、Zn/AcOH混合物を使用する前記の方法を使用してNHに還元して、還元生成物13.5が得られた。
【0109】
13.6
【0110】
【化17】

【0111】
0.85gの窒化ナトリウムを、20mLのDMF中の2.00gの製造13.3に於いて得られた生成物に添加し、及び周囲温度で5日間撹拌し、エーテルで抽出し、及び有機相を水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。油が得られた。m=1.50g。NMR一致。
【0112】
13.7
【0113】
【化18】

【0114】
25mLのTHF中の、1.49gの製造13.6で得られた生成物、1.71gのトリフェニルホスフィン及び0.12gの水の混合物を、24時間撹拌した。次いで、反応媒体を、AcOEtで抽出し、及び水で洗浄した。得られた粗製生成物をAcOEt/EtO混合物中に溶解させ、及び1N HClの水溶液で抽出した。水性酸相を、AcOEtと接触状態にし、10N NaOHを使用してpHを9にした。有機相を単離し、水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して、1.10gの油が得られた。
【0115】
13.8
【0116】
【化19】

【0117】
1.09gの工程13.7で得られたアミンを、10mLのジクロロメタン(DCM)中に溶解させ、次いで0.20gのトリエチルアミン及び1.18gのBocOを添加した。5時間後に、反応媒体をDCMで希釈し、次いで5%KHSO/KSO溶液、水及び飽和NaCl溶液で逐次的に洗浄した。単離した有機相を乾燥し及び減圧下で蒸発した後、1.36gの油が得られた。
【0118】
13.9(実施例55のための前駆体)
1.35gの工程13.8で得られた生成物を、製造2.2に於いて記載したようにZn/AcOHで処理して、NO基をNHに還元した。1.13gのワックスが得られた。
【0119】
製造14
14.1 2−(2−メトキシメチル)−5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール
1.45gの製造4.1で得られたヒドロキシメチルを、25mLのTHF中に溶解させ、5℃まで冷却した後、353mgの60%NaHを少しずつ添加し、30分後に、0.92mLのヨウ化メチルを添加し、続いて周囲温度で一晩撹拌し、1mLのヨウ化メチルを添加し、及び撹拌を5時間続け、この反応媒体に30mLの飽和NHCl溶液を添加し、続いて水及び酢酸エチルを添加し、有機相をデカンテーションし、再びHO、次いで飽和NaClで洗浄し、乾燥し、及び蒸発させた。この粗製生成物を、9/1CHCl/ヘプタンで溶離するシリカ上でクロマトグラフィー処理した。595mgの油が得られ、及びNMRを使用して同定された。
【0120】
製造16
16.1 tert−ブチル 2−((5−ニトロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)カルボニル)ヒドラジンカルボキシラート。
【0121】
40mLのメタノール中の900mgのエステル(製造2.1)及び2.114gのtert−ブチルカルバザート(tertiobutylcarbazate)の混合物を、60℃で60時間加熱し、600mgのtert−ブチルカルバザートを添加し、及び加熱を3時間続けた。メタノールを蒸発除去し、残渣を酢酸エチル中に入れ、及び水、0.2N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、水及び飽和NaCl溶液で洗浄した。ワックスが得られ、これは固化した。m=1.27g。
【0122】
16.2 tert−ブチル 2−((5−アミノ−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)カルボニル)ヒドラジンカルボキシラート。
【0123】
3.92gの粉末化亜鉛を、25mLのTHF中に溶解させた、1.30gの前の工程で得られた生成物に添加し、次いで−5℃で、4.8gの酢酸を30分間かけて添加し、氷浴を取り去り、及び撹拌を2時間続け、固体を濾過し、少量のTHF、次いでAcOEtで洗浄し、濾液に水を添加し、及び15%NaCO溶液でpHを6.5にし、AcOEtをデカンテーションし、飽和NaHCO、HO、飽和NaClで洗浄し、乾燥し及び蒸発させた。予想した化合物が、黒色油の形態で得られた。m=1.12g。
【0124】
製造21
21.1
1.51gのアジ化ナトリウムを、17mLのDMF中に溶解させた、2.14gの工程5.1で得られたメシラートに添加し、及び70℃に3時間加熱した。この反応混合物をAcOEtで抽出し、次いで水、次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。油が得られた。m=1.71g。
【0125】
21.2
3.41gのトリフェニルホスフィンを、20mLのAcOEt中に溶解させた1.7gの工程21.1で得られた生成物に、少しずつ添加し、次いで10分後に、2.34mLの水を添加し、及び60℃に加熱した。1時間後に、反応混合物を乾固まで蒸発させ、及びEtO中に入れた。不溶性物質を除去し、次いで過剰のエーテル中の飽和HClの溶液を添加した。形成された固体を濾過し、エーテルで洗浄し、次いで乾燥して、予想した生成物を塩酸塩の形態で得た。この塩酸塩を遊離させることによって、対応するアミンが得られた。
【0126】
21.3
工程21.2で得られた生成物は、この2種のエナンチオマーに分離することができた。
【0127】
1.97gの(S)(+)マンデル酸を、70mLの水及び7mLのジオキサン中に溶解させた、2gの工程21.2で得られたアミンに、70℃で添加した。次いで、この反応媒体を、磁気撹拌しながら30℃までゆっくり戻した。得られた沈殿を濾過し、40mLの水及び4mLのジオキサン中に70℃で溶解させ、次いで撹拌しながら30℃までゆっくり戻した。冷却の間に形成された固体を、濾過し、及び乾燥した。m=0.49g。得られた生成物を、20mLの水及び100mLのAcOEt中に入れ、次いで、1N NaOHを添加することによってpHを9.5にした。この混合物をデカンテーションし、有機相を単離し、水で次いで飽和NaHCO溶液で、水で及び最後に飽和NaCl溶液で数回洗浄した。有機相を集め、乾燥し、及び溶媒を減圧下で蒸発除去した。0.27gのワックスが得られ、これはゆっくり硬化した。25℃で[α]=+94.7°;C=0.5(MeOH);光学的純度:キラルHPLC:96/4(100%精製したエナンチオマーの回転力=102°)。
【0128】
21.4
1.49mLのトリエチルアミンを、30mLのDCM中の、工程21.2で得られた生成物に添加し、次いで2.53gのBocOを少しずつ添加した。1時間後に、反応媒体を、5%KHSO/KSO、HO、飽和NaClで洗浄した。乾燥した後、有機相を乾固まで濃縮し、次いで残渣をヘプタン中で粉砕した。2gの固体が得られた。
【0129】
21.5
15mLのTHF中に溶解させた、1.79gの工程21.4で得られた生成物を、20mLのTHF中の480mgのNaHに、5℃で30分間かけて添加した。この混合物を周囲温度で45分間撹拌し、次いで1.2mLのヨードメタンを10分間かけて添加した。3時間後に、反応媒体を60mLのクエン酸の飽和水溶液の上に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を単離し、水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し及び乾固まで蒸発させた。得られた粗製生成物を、シクロヘキサン中のジクロロメタン勾配でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。白色固体が得られた。m=1.4g。
【0130】
21.6
製造21.5からの生成物を、Zn/AcOHを使用する通常の方法によって還元した。
【0131】
製造22
22.1
【0132】
【化20】

【0133】
11.65gの4−N−Z−ピペリドン、6.35gのオルトギ酸メチル及び40mgのパラ−トルエンスルホン酸の混合物を、クライゼン反応器内で、60℃で1時間次いで70℃で1時間加熱し、ギ酸メチルを蒸留した。残渣をAcOEt+HOで希釈し、及び数滴の1N水酸化ナトリウムを添加して、pHを7にした。有機相をデカンテーションし、単離し、水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し及び蒸発除去した。14gの無色油が得られた。
【0134】
22.2
【0135】
【化21】

【0136】
16.09gの工程22.1から得られたケタール、10.80gの4−ニトロカテコール及び60mgのパラ−トルエンスルホン酸を、120mLのトルエン中で、トルエンをゆっくり蒸留しながら加熱した。4時間30分後に、反応媒体をトルエンで希釈し、及び冷却し、不溶性物質を濾過によって除去し、濾液を、1N NaOH、HO、5%KHSO/KSO溶液、HO及び飽和NaClで洗浄した。乾燥し蒸発除去した後、粗製生成物を、98/2 CHCl/AcOEtで溶離する、シリカ上でクロマトグラフィー処理した。0.65gの予想した生成物が得られた。
【0137】
22.3
【0138】
【化22】

【0139】
0.5mLのチオアニソールを、5mLのトリフルオロ酢酸中の、0.60gの上で得られた生成物に添加した。3時間後に、反応媒体を真空下で濃縮し、残渣を、HOを含有するCHCl中に入れ、及び1N NaOHによってpHを9にした。デカンテーションした後、有機相を、再び、水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を乾燥し、及び蒸発させた。回収した粗製生成物を、95/5/0.1 CHCl/MeOH/NHOHによりシリカ上でクロマトグラフィー処理した。100mgの予想した生成物が、固体として得られた。
【0140】
22.4
【0141】
【化23】

【0142】
95mgの工程22.3で得られたアミンを、3.5mLのジクロロメタン中の98mgのBocO及び20mgのトリエチルアミンで、1時間処理した。通常の反応及び処理の後で、白色固体が得られた。m=130mg。
【0143】
22.5
【0144】
【化24】

【0145】
NO基を、Zn/AcOHを使用し、前記の操作プロトコルを使用して、アミンに還元した。
【0146】
23.1
0.46mLのピリジンを、25mLのDCM中に溶解させた、985mgの製造4.1で製造した生成物に添加した。次いで、3mLのDCM中に溶解させた0.84mLのトリフル酸無水物(triflic anhydride)を、5℃で20分間かけて添加した。5℃で1時間後に、反応媒体を氷水で、次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を乾燥し、及び真空下で濃縮した。1.42gの固体が得られた。
【0147】
23.2
75mgのジエタノールアミンを、10mLのDCM+0.5mLのDMF中に溶解させた、1.15gの工程23.1で得られた生成物に添加した。一晩撹拌した後、反応媒体を100mLのDCMで希釈し、水で洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し、及び減圧下で濃縮した。残渣を、クロロホルム中の0から15%へのメタノール勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。730mgの固体が得られた。
【0148】
23.3
NO基を、前記のようにZn/AcOHによって、アミンに還元した。720mgの工程23.2で得られた生成物から出発して、400mgの予想した生成物が、ゴムの形態で得られた。
【0149】
製造24
24.1
【0150】
【化25】

【0151】
この生成物を、Org.Lett.、2001年、第3(9)巻、第1399−1402頁に記載された操作プロトコルを使用して製造した。
【0152】
製造24.2
【0153】
【化26】

【0154】
5mLの69%硝酸を、2分間かけて、30mLのDCM中の2.73gの24.1で得られた生成物に添加した。2時間30分間撹拌した後、反応媒体をEtOで希釈し、有機相を、HOで2回、7%氷冷したNaCO溶液で2回、水で1回、5%KHSO/KSO溶液で1回、水で1回次いで飽和NaCl溶液で1回洗浄した。乾燥し蒸発させた後、白色固体が得られた。m=3.20g。
【0155】
製造24.3
【0156】
【化27】

【0157】
80mLのTHF中の、3.63gの上記の操作プロトコルを使用して得られた生成物を、532mgのLiAlHで、−5℃で1時間処理した。通常の処理の後に、2.60gの生成物が、粘稠な油の形態で単離された。
【0158】
製造24.4
【0159】
【化28】

【0160】
2.59gの工程24.3で得られたアルコールを、製造13.3に記載した操作プロトコルに記載したように、塩化メシルで処理して、3.52gのメシラートが得られた。これをNMRによって同定した。
【0161】
製造24.5
【0162】
【化29】

【0163】
3.51gの工程24.4で得られた生成物を、製造13.6に記載した操作プロトコルを使用して、1.97gのアジ化ナトリウムで処理した。2.60gの予想した生成物が得られた。
【0164】
製造24.6
【0165】
【化30】

【0166】
2.59gの工程24.5で得られた生成物を、製造13.7に記載した操作プロトコルを使用して、4.90gのトリフェニルホスフィン及び2mLの水で処理した。2gの予想した生成物が油として得られた。
【0167】
製造24.7
【0168】
【化31】

【0169】
1.99gの工程24.6で得られた生成物を、製造13.8に記載した操作プロトコルを使用して、BOCOで処理した。2.41gの固体が得られた。
【0170】
製造24.8
【0171】
【化32】

【0172】
工程24.7で得られた生成物を、ニトロ基をアミノ基に還元するための普通のプロトコルを使用して、Zn/AcOHで処理した。0.84gの予想した生成物が、ワックスの形態で、0.93gの出発生成物から得られた。
【0173】
式(III)を有する化合物及び式(IV)を有する化合物(全て、ベンゾジオキソール誘導体)を、下記の表中でキャラクタリゼーションする。
【0174】
式(IV)を有する化合物の、式(III)を有する化合物への転換は、下記の化合物、即ち、7.2、9.1、11.1、12.1、13.4及び14.1について、製造5.3を使用して実施した。
【0175】
【表2】






【0176】
製造18
18.1 ((7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル)ジエチルアミン塩酸塩。
【0177】
800μLのジエチルアミンを、30mLのDMF中の、1.50gの国際特許出願公開第WO01/021,577号明細書に記載された7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イルメタンスルホナートに添加し、及び80℃に加熱し、次いで3回の800μLのジエチルアミンを、12時間間隔で添加した。48時間後に、反応媒体を乾固まで蒸発させ、残渣を100mLの酢酸エチル中に次いで5mLの4N NaOH中に入れ、有機相をデカンテーションし、水で次いで飽和NaClで洗浄し、乾燥し及びAcOEtを蒸発除去した後、残渣を20mLのAcOEt中に次いで50mLの0.5N HCl中に入れ、撹拌し次いでデカンテーションし、水性相を乾固まで蒸発させ、及び残渣をエーテル中で粉砕し、濾過し及び乾燥した。m=0.95g、MP=192−194℃。
【0178】
18.2 7−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル)ジエチルアミン。
【0179】
3.05gの粉末化亜鉛を、40mLのTHF中の懸濁液中の、0.94gの前の工程で得られたニトロ誘導体に添加した。0℃にまで冷却した後、3.1mLの酢酸を20分間かけて添加し、10分後に氷浴を取り去り、及び撹拌を2時間続けた。固体を濾過し、THFで次いで少量のメタノールで洗浄した。濾液を乾固まで蒸発させ、酢酸エチルの中に入れ、水を添加し、10N NaOHを使用してpHを8にし、形成された沈殿を濾過によって除去し、AcOEtで洗浄し、濾液をデカンテーションし、飽和NaClで洗浄し、乾燥し及び蒸発させ、褐色油が得られた。m=0.51g。
【0180】
式(III)を有する化合物及び式(IV)を有する中間体(全て、ベンゾジオキシン誘導体)を、ラセミ形態で製造し、及び下記の表2中でキャラクタリゼーションする。
【0181】
【表3】

【0182】
示した化合物の番号は、本発明の幾つかの化合物の化学構造及び物理的特性を示す、下記の表3に記載したものに関係する。これらに不斉炭素が含有されているとき、これらの化合物はラセミ形態で得られた。
【実施例1】
【0183】
化合物番号2
メチル 5−((7−(((tert−ブチルアミノ)カルボニル)アミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボキシラート。
【0184】
0.97gの製造2.2からの化合物及び1.40gの製造1からの化合物の混合物を、15mLのTHF中で還流まで加熱した。6時間後に、反応媒体を真空下で濃縮した。生成物を、AcOEt/トルエン(2/3)でのシリカクロマトグラフィーにより精製し、次いで98/2 CHCl/MeOHにより再クロマトグラフィー処理した。0.45gの黄色固体が得られ、これを質量分析法によって同定した。MH=583。
【実施例2】
【0185】
化合物番号4
5−((7−(((tert−ブチルアミノ)カルボニル)アミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸。
【0186】
0.3mLの2N水酸化ナトリウムを、10mLのメタノール中の、0.25gの上記の実施例で得られたエステルに添加した。周囲温度で1時間10分間撹拌した後、反応媒体をAcOEt+HOで希釈し、及び1N HClを使用してpHを4にした。有機相をデカンテーションし、HOで次いで飽和NaClで洗浄し、乾燥し及び蒸発除去した。固体黄色残渣をエーテル中に入れ、粉砕し、濾過し及び乾燥した。205mgの生成物が得られ、質量分析法によって同定した。MH=569。
【実施例3】
【0187】
化合物番号3
5−((7−(((tert−ブチルアミノ)カルボニル)アミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボキサミド。
【0188】
0.62gの製造3.2からの化合物及び1.40gの製造1からのスルホン誘導体の混合物を、20mLのTHF中で還流まで加熱した。3時間後に、反応媒体を真空下で濃縮し、次いで残渣を97/3 v/v CHCl/MeOHによりシリカ上でクロマトグラフィー処理した。315mgの黄色固体が得られ、質量分析法によって同定した。MH=568。
【実施例4】
【0189】
化合物番号9 SSR 105451
N−(tert−ブチル)−N’−(6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−((2−ヒドロキシメチル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)アミノ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル)尿素。
【0190】
43μLの濃HClを、15mLのEtOH中の、350mgの製造4.2からの化合物及び937mgの製造1からの化合物の混合物に添加し、これを55℃で6時間加熱した。反応媒体を真空下で濃縮し、次いで残渣をシリカ上でクロマトグラフィー処理し、490mgの黄色固体が得られ、質量分析法によって同定した。MH=555。
【実施例5】
【0191】
化合物番号6 SSR 104788
5−((7−(((tert−ブチルアミノ)カルボニル)アミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボニトリル。
【0192】
50μLの濃HClを、15mLのEtOH中の、1.00gの製造1からの化合物及び450mgの製造9.2からの化合物に添加し、次いで緩やかな還流にした。1時間半後に、反応媒体を真空下で濃縮した。残渣を、CHCl/AcOEt(90/10、v/v)によりシリカ上でクロマトグラフィー処理した。465mgの黄色固体が得られ、質量分析法によって同定した。MH=550。
【実施例6】
【0193】
化合物番号12 SSR 107159
N−(2−((アミノメチル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)アミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−N’−(tert−ブチル)尿素。
【0194】
1.9mLの、THF中の1M LiAlH溶液を、25mLのTHF中に溶解させた530mgの前の実施例のニトリル誘導体に、−10℃で30分間かけて添加した。添加が完結して15分後に、1.5mLのAcOEt、次いで10mLの飽和NHCl溶液を添加し、及び温度を上昇させた。AcOEtで希釈した後、これを水で次いで飽和NaClで洗浄した。乾燥した後、有機相を真空下で濃縮し、及び残渣を、CHCl/MeOH(95/5、v/v)によりシリカ上でクロマトグラフィー処理した。165mgの黄色固体が得られ、これを質量分析法によって同定した。MH=554。
【実施例7】
【0195】
化合物番号19 SSR 109194
tert−ブチル 2−((5−((7−(((tert−ブチルアミノ)カルボニル)アミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)カルボニル)ヒドラジンカルボキシラート。
【0196】
0.025mLの濃HClを、25mLのエタノール中の、0.645gの製造1で得られた生成物及び0.63gの製造16.2で得られた生成物に添加し、次いで70℃で5時間撹拌した。反応媒体を蒸発させ、及び残渣をCHCl中に入れ、次いで水、飽和NaHCO溶液、水、飽和NaClで洗浄し、次いで乾燥し、及び真空下で蒸発させ、残渣を、シリカ上でクロマトグラフィー処理した。450mgの黄色固体が得られ、及びこれを質量分析法によって同定した。MH=683。
【実施例8】
【0197】
化合物番号20 SSR 109195
N−(tert−ブチル)−N’−(6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−((2−ヒドラジノカルボニル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)アミノ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル)尿素。
【0198】
360mgの前の実施例からの化合物を、4mLのCHCl及び14mLのTFAの混合物中で45分間撹拌し、反応媒体を真空下で蒸発させ、残渣をCHCl中に入れ、及びHO、水中の15%NaCO、HO及び飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥した後、クロロホルムを真空下で蒸発させ、次いで残渣を、エーテル中で粉砕し、濾過し、及び乾燥した。225mgの黄色固体が得られた。MH=583。
【実施例9】
【0199】
化合物番号34
431mgの化合物番号33を、5mLのDCM及び5mLのTFA中で、周囲温度で30分間撹拌した。蒸発させた後、残渣を、クロロホルム/水混合物中に入れ、及び15%NaCO水溶液を添加することによってpHを9にした。有機相をデカンテーションし、水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し、及び減圧下で濃縮した。116mgの固体が得られた。[M+H]=568。
【実施例10】
【0200】
化合物番号35
工程1:
【0201】
【化33】

【0202】
工程を、J.Organometall.Chem.、1996年、第507巻、第1−21頁に記載された操作プロトコルに従って実施した。
【0203】
工程2:
【0204】
【化34】

【0205】
工程を、J.Med.Chem.、1988年、第31巻、第84−91頁に従って実施した。
【0206】
工程3:
【0207】
【化35】

【0208】
800mgのホウ水素化ナトリウムを、40mLのメタノール中の、2.91gの前の工程で得られた生成物に、8℃で35分間かけて添加した。50分後に、反応媒体を、150mLの水/氷+400mLの酢酸エチルの上に注ぎ、5分間撹拌した後、デカンテーションし、有機相を5%KHSO/KSO溶液、水、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し、有機相を蒸発させて、褐色固体を単離した。m=2.25g。
【0209】
工程4:
【0210】
【化36】

【0211】
1.43gのトリエチルアミンを、60mLのDCM中の2.24gの前のアルコールに添加し、続いて1.67gのメタンスルホニルクロリドを25分間かけて添加した。45分後に、反応媒体を100mLのDCMで希釈し、有機相を、氷水で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄し、次いで乾燥し、及び真空下で濃縮した。褐色固体が得られた。m=3.01g。
【0212】
工程5:
【0213】
【化37】

【0214】
3.0gの工程4で得られた生成物及び1.82gの窒化ナトリウムの混合物を、20mLのDMF中で65℃で、7時間30分間加熱した。次いで、反応媒体を、75mLの氷水及び300mLのエーテルの上に注いだ。有機相を単離し、及び水で数回、次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を乾燥し、及び真空下で濃縮して、褐色固体を製造した。m=2.20g。
【0215】
工程6:
【0216】
【化38】

【0217】
4.33gのトリフェニルホスフィンを、50mLの酢酸エチル中に溶解させた、2.19gの工程5で得られた生成物に、15分間かけて添加し、次いで10分後に、1.8mLの水を2分間かけて添加した。反応媒体を60℃で1時間40分間撹拌し、次いで150mLの酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を、水で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄し、乾燥し、及び蒸発させた。蒸発からの残渣を、50mLの酢酸エチルと50mLのエチルエーテルとの混合物中に溶解させ、及び50mLの1N HClで2回抽出した。酸水性相を一緒にし、及び25mLの酢酸エチルと25mLのエチルエーテルとの混合物を使用して抽出し、次いで300mLの酢酸エチルと接触状態にし、10N NaOHでpHを9にした。デカンテーションした後、有機相を、水、飽和NaHCO溶液、水次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。残留する有機相を乾燥し、次いで真空下で濃縮した。油が得られた。m=1.40g。
【0218】
工程7:
【0219】
【化39】

【0220】
0.35gのトリエチルアミン、次いで1.75gのBocOを、5℃で、35mLのDCM中の、1.39gの工程6で得られたアミンに、10分間かけて添加した。周囲温度で一晩撹拌した後、反応媒体を150mLのDCMで希釈し、水、5%KHSO/KSO溶液、水次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。乾燥し、DCMを蒸発除去した後、得られた固体を最小量のエチルエーテルに溶解させ、次いでヘプタンを全沈殿にまで添加した。固体が得られた。m=1.90g。
【0221】
NMR:1.30ppm:s:9H;3.40−3.55ppm:mt:2H;6.55ppm:t:1H;7.00ppm:t:1H;7.15−7.30ppm:mt:2H;7.55ppm:d:1H。
【0222】
工程8:
【0223】
【化40】

【0224】
1.96gの粉末化亜鉛を、25mLのTHF中の、0.60gの工程7で得られた生成物に添加し、次いで、−3℃で、2mLのAcOHを25分間かけて添加した。添加が完結したとき、反応媒体を周囲温度にまで戻した。1時間15分後に、反応媒体を濾過し、濾液を150mLの酢酸エチル及び30mLの水で希釈し、及び15%NaCO溶液を添加することによってpHを9にした。デカンテーションした後、有機相を単離し、飽和NaHCO溶液、水次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を単離し、乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。0.53gの粘稠な黄色油が得られた。
【0225】
NMR:1.35ppm:s:9H;3.30ppm:mt:2H;4.80ppm:s:2H;6.05ppm:t:1H;6.10−6.25ppm:mt:2H;6.50ppm:t:1H;7.10ppm:t:1H。
【0226】
工程9:
前記のような標準化した条件下で化合物35を得るためのカップリング。
【実施例11】
【0227】
化合物番号45
1.035mLのDIPEA、次いで0.675gのホルムアミジルスルホン酸(HN−C(=NH)−SOH)を、15mLのメタノール及び2mLのDMF中に溶解させた1gの化合物12に添加した。25℃で一晩撹拌した後、反応媒体に水を補充し、及び形成された沈殿を濾過し、水で洗浄し、次いで減圧下に乾燥した。この粗製生成物を、DCM中の10%→50%のMeOH勾配により、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー処理した。170mgの固体が得られ、1モル/モルのHSOを使用して塩に転換させた。MS:MH=596。
【実施例12】
【0228】
化合物番号39
製造39.1
0.11mLのピリジンを、10mLのDCM中の555mgの化合物9(実施例4)に、5℃で添加し、続いて2mLのDCM中に希釈した0.20mLのトリフル無水物を15分間かけて添加した。45分後に、反応媒体を50mLのDCMで希釈し、氷水、水、5%KHSO/KSO溶液、水次いで飽和NaCl溶液で逐次的に洗浄した。次いで有機相を乾燥し、及び減圧下で濃縮した。593mgの固体が回収された。
【0229】
H NMR:1.40ppm:s:9H;4.65ppm:se:2H;6.50ppm:t:1H;6.90ppm:d:1H;7.40ppm:de:1H;7.50−7.70ppm:m:3H;8.00ppm:se:1H;8.05ppm:s:1H;8.20ppm:se:1H;9.00ppm:s:1H;10.15ppm:s:1H;10.70ppm:s:1H。
【0230】
製造39.2
0.17mLのモルホリンを、10mLのDCM中の、579mgの工程39.1で得られた化合物に添加した。反応媒体を周囲温度で3時間30分間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させた。残渣を、DCM中0→20%AcOEtの勾配による、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。300mgの黄色粉末が得られた。MS:MH=624。
【実施例13】
【0231】
化合物番号40から43
化合物40から43を、工程39.1に於いて得られた化合物を使用し、及び工程39.2に於けるモルホリンを、それぞれ、tert−ブチルアミン、1−Boc−ピペラジン、シクロプロピルアミン、シス−2,6−ジメチルピペリジンによって置き換えて、実施例12に於いて引用した化合物39と同じ方法で製造した。
【実施例14】
【0232】
化合物番号44
TFAを使用する前記の方法を使用して、実施例13に於いて得られた化合物41を脱保護することによって、化合物番号44が得られた。
【実施例15】
【0233】
化合物番号46から48
化合物12を、この活性形、例えば、無水物、酸クロリド、酸+カップリング剤、例えばDCCI、BOPでの酸と反応させた。
【0234】
従って、化合物46から48は、化合物12を、それぞれ、無水酢酸、塩化ベンゾイル及びシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させることによって製造された。
【実施例16】
【0235】
化合物番号49
12mLのアセトニトリル中の444mgの化合物12を、5℃まで冷却した。0.14mLのトリエチルアミンを添加し、続いて0.075mLのメタンスルホニルクロリドを添加した。25℃で40分間撹拌した後、反応媒体をAcOEtの中に入れた。有機相を、水で洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し、及び減圧下で蒸発させた。残渣を、クロロホルム中0→5%メタノールの勾配による、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。220mgの固体が得られた。MS:MH=632。
【実施例17】
【0236】
化合物番号50
40mgのtert−ブチルアミン、71mgのジイソプロピルアミン及び176mgのO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)を、5mLのDMF中の284mgの化合物4(実施例2)に添加した。この反応媒体を25℃で1時間撹拌し、次いでAcOEtで希釈した。有機相を、水、飽和NaHCO溶液、水次いで飽和NaCl溶液で逐次的に洗浄した。有機相を乾燥し、減圧下で蒸発させ、及び残渣を、DCM中0→5%メタノールの勾配による、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。196mgの黄色固体が得られた。MS:MH=624。
【実施例18】
【0237】
化合物番号51から54
化合物51から54を、化合物4から出発して、tert−ブチルアミンを、それぞれ、シクロプロピルアミン、ピロリジン、N−イソプロピル−メチルアミン及びメチルアミンで置き換えて、化合物50について記載したのと同じ方法で製造した。
【実施例19】
【0238】
化合物番号62
819mgの製造1に於いて記載した化合物及び0.314mgの6−アミノ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラン(これは、Eur.J.Med.Chem.Chimica Therapeutica、1977年、第12巻、第231−235頁に従って製造できる)を、0.02mLの濃HClを含有する25mLの無水アルコール中で、70℃で3時間撹拌した。冷却した後、沈殿を濾過し、温いMeOHで次いでEtOで洗浄した。637mgの197℃で溶融する黄色固体が得られた。MH=523。
【実施例20】
【0239】
化合物番号69
工程1
【0240】
【化41】

【0241】
432mgの60%NaHを、25mLのDMF中の、3.0gの工程1.4で得られた生成物に、10分間かけて添加した。30分間撹拌した後、1.40gのイソシアナト酢酸エチルを10分間かけて添加し、次いで、反応媒体を周囲温度で3時間30分間撹拌した。反応媒体を、AcOEtで抽出し、水、5%KHSO/KSO溶液、水及び飽和NaCl溶液で逐次的に洗浄した。有機相を乾燥し、真空下で濃縮し、及び得られた粗製生成物を85/15 v/v CHCl/AcOEtで溶離する、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1.52gの予想した生成物が得られた。
【0242】
工程2
【0243】
【化42】

【0244】
工程1で得られた生成物を、製造1.6に記載された方法を使用して、メタクロロ過安息香酸(MCPBA)で酸化した。900mgの予想した生成物が、ベージュ色固体の形態で得られた。
【0245】
工程3
【0246】
【化43】

【0247】
798mgの工程2からの生成物及び295mgの1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−アミンを、15mLのEtOH及び0.06mLの濃HClの存在下で、65℃で6時間加熱した。反応媒体をCHCl及び水で希釈し、次いで水性相のpHを、飽和NaHCO溶液の添加によって9にした。デカンテーションした後、有機相を単離し、水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し及び減圧下で濃縮した。生成物は、AcOEt中で結晶化した。0.67gの黄色固体が得られた。
【0248】
工程4
【0249】
【化44】

【0250】
25mLのエタノール及び2mLのDMF中の、0.66gの工程3で得られた生成物を、1.5mLの2N NaOHで5時間処理した。反応媒体をCHClで希釈し、次いで1N HClでpHを4にし、及びデカンテーションした。有機相を単離し、水で次いで飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し、及び減圧下で濃縮して、0.61gの黄色粉末が得られた。
【0251】
工程5
【0252】
【化45】

【0253】
105mgの工程4で得られた生成物、16mgのtert−ブチルアミン、28mgのDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)及び70mgのTBTUを、2.5mLのDMF中で1時間15分間撹拌した。次いで、反応媒体をCHClで抽出し、有機相を水、5%KHSO/KSO溶液、飽和NaCl溶液で逐次的に洗浄し、次いで乾燥し、及び減圧下で蒸発させた。粗製生成物を、CHCl/MeOH 94/6 v/vで溶離する、シリカクロマトグラフィーによって精製した。90mgの予想した生成物が、黄色固体の形態で得られた。MS:MH=580。
【実施例21】
【0254】
化合物31及び32
実施例6で製造した化合物12のエナンチオマーを、下記のようなキラル固定相クロマトグラフィーによって分離した。
【0255】
【表4】

【0256】
10gのラセミ混合物から出発して、分離に続いて、4.147gの右旋性エナンチオマー(化合物31)及び4.077gの左旋性エナンチオマー(化合物32)が得られた。
【0257】
下記の表3及び表4は、本発明に従った幾つかの実施例の化学的構造及び物理的特性を示す。これらの表に於いて、Me、Et、iPr及びtBuは、それぞれ、メチル、エチル、イソプロピル及びtert−ブチル基を表し、及びBocはtert−ブトキシカルボニル基を表す。他の方法で示さない限り、不斉炭素原子を含む生成物は、ラセミ形態で得られた。
【0258】
【表5】















【0259】
【表6】




【0260】
化合物34を、キラルクロマトグラフィーによって、この2種のエナンチオマーに分離した。右旋性エナンチオマー:[α]=+72.1°;t=25℃;c=0.5(MeOH)、左旋性エナンチオマー:[α]=−73.0°;t=25℃;c=0.5(MeOH)。
【0261】
また、本発明に従った生成物のデータベースを、組合せの化学の一般的な技術を使用し及び本発明に記載した製造手順を適用することによって作成した。製造した生成物の構造及びこれらのキャラクタリゼーションを、ここに示す。
【0262】
LC/MS分析は、HP1100モデルデバイスに連結した、マイクロマス(Micromass)モデルLCTデバイス上で実施した。化合物の範囲は、G1313Aダイオードアレー検出器で、200から600nmの波長領域で、セデックス(Sedex)モデル65光散乱蒸発検出器(light scattering evaporative detector)(LSED)を使用して測定した。質量スペクトルは、180から800(m/z)の範囲内で記録した。データは、マイクロマス・マスリンクス(MassLynx)ソフトウエアを使用して解析した。分離は、ハイパーシル(Hypersil)BDS C18カラム(50×4.6mm)、粒子サイズ3μm、1mL/分の流量で、3.5分間に亘る、0.05%(v/v)のTFAを含む水中の、0.05%(v/v)のトリフルオロ酢酸(TFA)を含むアセトニトリルの5%から90%までの勾配での溶離で実施した。カラムの再平衡化を含む、手順の全期間は7分間である。
【0263】
【表7】


【0264】
【表8】


【0265】
本発明の化合物を、これらの抗癌活性を決定するために、薬理学的試験にかけた。
【0266】
本発明の式(I)を有する化合物を、下記のものから誘導されるヒト起源の腫瘍系統のパネル上で、インビトロで試験した。
【0267】
乳癌:MDA−MB231(アメリカ型培養保存所(American Type Culture Collection)、米国メリーランド州ロックビル(Rockville)、ATCC−HTB26)、MDA−A1又はMDA−ADR(多薬物耐性系統、MDRとして知られ、及びE.Collombらによって、Cytometry、第12(1)巻、第15−25頁、1991年に記載されている)及びMCF7(ATCC−HTB22)、
前立腺癌:DU145(ATCC−HTB81)及びPC3(ATCC−CRL1435)、
結腸癌:HCT116(ATCC−CCL247)及びHCT15(ATCC−CCL225)、
肺ガン:H460(Carmichaelによって、Cancer Research、第47(4)巻、第936−942頁、1987年に記載され、及び米国国立癌研究所、フレデリック癌研究及び開発センター(the National Cancer Institute,Frederick Cancer Research and Development Center)、米国メリーランド州フレデリックによって申請された)、
膠芽細胞腫:(Westphalによって、Biochemical & Biophysical Research Communications、第132(1)巻、第284−289頁、1985年に記載され、及び米国国立癌研究所、フレデリック癌研究及び開発センター、米国メリーランド州フレデリックによって申請されたSF268)、
白血病(Kuriyamaらによって、Blood、第74巻、1989年、第1381−1387頁に、Sodaらによって、the British Journal of Haematology、第59巻、1985年、第671−679頁に、及びDrexlerによって、Leukemia Research、第18巻、1994年、第919−927頁に記載され、及びDSMZ,Mascheroder Weg 1b、ドイツ国Brunswick,38124によって申請されたCMLT1)。
【0268】
増殖及び細胞生存力は、Fujishita T.ら、Oncology、2003年、第64(4)巻、第399−406頁に従って、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)を使用する試験の手段によって決定された。この試験に於いて、本発明に従った式(I)を有する化合物を72時間インキュベーションした後、着色した化合物の中にMTSをトランスフォーメーションするための、生きている細胞のミトコンドリア能力が測定される。増殖及び細胞生存力に於いて50%低下になる、本発明の化合物の濃度(CI50)は、腫瘍系統及び試験化合物に依存して、1nMから10μMの範囲内であった。
【0269】
従って、本発明に従って、式(I)を有する化合物が、腫瘍細胞の増殖及び生存力に於いて低下を起こすことが明らかである。従って、本発明の化合物は、抗癌活性並びに他の増殖性疾患、例えば、乾癬、再発狭窄症、動脈硬化症、エイズの治療に於いて及び血管平滑筋細胞の増殖によって起こされる疾患に於いて及びリウマチ様多発性関節炎に於いて活性を有することが明らかである。
【0270】
従って、更なる側面に従って、本発明は、式(I)を有する化合物又は医薬適合性の酸とのこの化合物の付加塩又は式(I)を有する化合物の水和物又は溶媒和物を含む薬物に関する。
【0271】
該薬物は、治療、特に、細胞、特に腫瘍細胞の増殖によって起こされる又は悪化される疾患の治療又は予防に於いて使用されるものである。
【0272】
腫瘍細胞増殖の阻害薬として、該化合物は、白血病、原発性及び転移性固体腫瘍の両方、癌腫並びに癌、特に、乳癌;肺ガン;小腸の癌;結腸及び直腸の癌;気道の、中咽頭及び下咽頭の癌;食道の癌;肝臓の癌、胃癌、胆管の癌、胆小疱の癌、膵臓の癌;腎臓、尿路上皮及び膀胱を含む尿路の癌;子宮、子宮頚、卵巣の癌、クロリオカルシノーマ(chloriocarcinoma)及び栄養膜腫瘍を含む女性生殖路の癌;前立腺、精嚢、精巣の癌、芽細胞腫瘍を含む男性生殖路の癌;甲状腺、下垂体、副腎の癌を含む内分泌腺の癌;血管腫、黒色腫、肉腫(カポジ肉腫を含む)を含む皮膚癌;星状細胞腫、神経膠腫、膠芽腫、網膜芽腫、神経鞘腫、神経芽細胞腫、シュワン細胞腫、髄膜腫、悪性造血腫瘍を含む、脳、神経、眼、髄膜の腫瘍;白血病(急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄球様白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL))、緑色白血病、プラスマ細胞腫、T又はB細胞白血病、非ホジキン又はホジキンリンパ腫、骨髄腫並びに種々の悪性血液疾患の予防及び治療に於いて使用することができる。
【0273】
更なる側面に於いて、本発明は、活性成分として本発明の化合物を含有する医薬組成物に関する。該医薬組成物には、有効用量の、本発明に従った少なくとも1種の化合物又は該化合物の医薬適合性の塩、水和物又は溶媒和物及び少なくとも1種の医薬適合性の賦形剤が含有されている。
【0274】
該賦形剤の選択は、薬物剤形及び投与の所望の様式に依存性であり、これらは、当業者に公知である通常の賦形剤から選択される。
【0275】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮又は直腸投与のための本発明の医薬組成物に於いて、前記の式(I)を有する活性成分又は可能性のあるこの任意の塩、溶媒和物又は水和物は、一般的な薬物賦形剤と混合された一体の投与剤形で、前記列挙した疾患又は異常症の予防的治療又は治療のために、動物又はヒトに投与することができる。
【0276】
投与のための適切な一体剤形には、経口投与のための剤形、例えば、錠剤、軟質又は硬質カプセル剤、散剤、顆粒剤及び経口水剤又は懸濁剤、舌下錠、バッカル剤、気管内、眼内、鼻腔内投与剤形、吸入用の剤形、局所、経皮、皮下、筋肉内又は静脈内投与用の剤形、直腸投与用の剤形並びにインプラントが含まれる。局所投与のために、本発明の化合物を、クリーム、ジェル、ポマード又はローションの中に使用することができる。
【0277】
錠剤の剤形での本発明の化合物のための投与の一体剤形の例には、下記の成分:
本発明の化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロース(croscarmellose)、ナトリウム形態 6.0mg
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
が含有されていてよい。
【0278】
式(I)を有する前記の化合物は、治療すべき哺乳動物の体重キログラム当たり、0.002から2000mgの毎日用量で、好ましくは0.1mgから300mg/kgの毎日用量で使用することができる。ヒトに於いて、この用量は、治療すべき被検者の年齢及び治療の種類、予防又は治療に依存して、好ましくは、0.02から10000mg/日、更に好ましくは1から3000mgであってよい。
【0279】
より高い又はより低い用量が適切である特別のケースが生じるかもしれない。このような用量も、本発明の範囲内に入る。投与の様式並びに患者の体重及び応答に依存してそれぞれの患者について適切な用量を決定するための通常の実施は、医師による。
【0280】
更なる側面に於いて、本発明は、また、患者に、有効用量の本発明の化合物又はこの医薬適合性の塩、水和物又は溶媒和物の1種を投与することを含む、前記の疾患の治療方法に関する。
【0281】
本発明に従って、式(I)を有する化合物又は化合物群は、1種又はそれ以上の抗癌性活性成分、特に、抗腫瘍性化合物、例えば、アルキル化剤、例えば、アルキルスルホナート(ブスルファン)、ダカルバジン、プロカルバジン、ナイトロジェンマスタード(クロルメチン(chlormethine)、メルファラン、クロラムブシル)、シクロホスファミド、イホスファミド;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン;抗腫瘍性アルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン;タキサン(taxane)、例えば、パクリタクセル又はタキソテレ(taxotere);抗新形成抗生物質、例えば、アクチノマイシン;挿入剤、抗新形成代謝拮抗薬、ホレート拮抗薬、メトレキセート;プリン合成阻害薬;プリンアナローグ、例えば、メルカプトプリン、6−チオグアニン;ピリミジン合成阻害薬、アロマターゼ阻害薬、カペシタビン(capecitabine)、ピリミジンアナローグ、例えば、フルオロウラシル、ジェムシタビン(gemcitabine)、シタラビン及びシトシンアラビノシド;ブレキナール(brequinar);トポイソメラーゼ阻害薬、例えば、カンプトテシン(camptothecine)又はエトポシド;抗癌ホルモン作用薬及び拮抗薬、例えば、タモキシフェン;キナーゼ阻害薬、イマチニブ(imatinib);成長因子阻害薬;抗炎症薬、例えば、ペントサンポリスルフェート、コルチコステロイド、プレドニゾン、デキサメタゾン;抗トポイソメラーゼ、例えば、エトポシド、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン及びメトラマイシン(methramycin)を含むアントラサイクリン(antracyclin);抗癌性金属錯体、白金錯体、シスプラチニウム、カルボプラチニウム、オキサリプラチニウム(oxaliplatinum);α−インターフェロン、トリフェニルチオホスホルアミド、アルトレタミン;抗脈管形成薬;サリドマイド;免疫治療添加物;ワクチンと関連させて投与することができる。
【0282】
本発明に従って、式(I)を有する化合物は、また、前記の疾患の一つで使用される、1種又はそれ以上の他の活性成分、例えば、制吐薬、鎮痛薬、抗炎症薬、抗悪液質薬と関連させて投与することができる。
【0283】
本発明の生成物は、病理学的状態、特に癌を治療する際に使用するための薬物を製造するために使用することができる。
【0284】
本発明は、また、投与の選択された様式に依存する医薬適合性の賦形剤と関連させて、本発明の化合物を含有する治療組成物に関する。この医薬組成物は、固体、液体又はリポソームの剤形であってよい。
【0285】
挙げることができる固体組成物の例には、散剤、カプセル剤及び錠剤がある。経口剤形には、また、胃の酸性媒体から保護された固体剤形が含まれる。固体剤形のために使用される担体は、特に、無機担体、例えば、リン酸塩又は炭酸塩又は有機担体、例えば、ラクトース、セルロース、デンプン又はポリマーによって構成される。液体剤形は、溶液、懸濁液又は分散液によって構成される。これらには、分散剤として、水又は有機溶媒(エタノール、NMP又は他)又は界面活性剤と溶媒又は錯化剤と溶媒との混合物が含まれる。
【0286】
液体剤形は、好ましくは、注射可能であり、及びこの理由のために、このような使用のために適している配合を有するであろう。
【0287】
許容できる注射様式には、静脈内、腹腔内、筋肉内及び皮下が含まれ、静脈経路が好ましい。
【0288】
投与される本発明の化合物の用量は、患者への投与の方法及び患者の状態の関数として、医師によって適合されるであろう。
【0289】
本発明の化合物は、単独で又は他の抗癌薬との混合物として投与することができる。挙げることができる可能性のある組合せは、下記の通りである。
【0290】
・アルキル化剤、特に、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、プレドニムスチン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾトシン、デカルバジン、テモゾロミド(temozolomide)、プロカルバジン及びヘキサメチルメラミン;
・白金誘導体、例えば、シスプラチニウム、カルボプラチニウム又はオキサリプラチニウム;
・抗生物質、特に、ブレオマイシン、マイトマイシン及びダクチノマイシン;
・抗微小管薬、特に、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン(vinorelbine)又はタキソイド(taxoid)(パクリタクセル及びドセタクセル(docetaxel));
・アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトザントロン又はロソキサントロン(losoxantrone);
・グループI及びIIトポイソメラーゼ、例えば、エトポシド、テニポシド(teniposide)、アムサクリン、イリノテカン(irinotecan)、トポテカン(topotecan)及びトムデックス(tomudex);
・フルオロピリミジン、例えば、5−フルオロウラシル、UFT又はフロクスウリジン;
・シチジンアナローグ、例えば、5−アザシチジン、シタラビン、ジェムシタビン、6−メルカプトムリン(6−mercaptomurine)、6−チオグアニン;
・アデノシンアナローグ、例えば、ペントスタチン、シタラビン又はリン酸フルダラビン;
・メトトレキセート及びフォリン酸;
・種々の酵素及び化合物、例えば、L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチノイン酸、スクラミン、デクスラゾキサン(dexrazoxane)、アミフォスチン(amifostine)、ヘルセプチン(herceptin)及び発情ホルモン又は男性ホルモン;
・アンチバスキュレイヤー(antivasculaires)薬、例えば、コムブレタスタチン(combretastatin)又はコルヒチン誘導体及びこれらのプロドラッグ。
【0291】
本発明の化合物を、放射線治療と組み合わせることも可能である。該治療は、同時に、別々に又は逐次的に投与することができる。この治療は、医師により、治療すべき患者に適合される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、Rは、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、CHCOR、フェニル又は(ヒドロキシ及び/又はハロゲン及び/又は(C−C)アルキルで置換された)フェニルからなる群から選択され、
は、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はジ(C−C)アルキルアミノ基を表し、
Arは、
【化2】

から選択された基を表し、
は、シアノ、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基又は(CHNR、CO、CONHNR、CONR、CONROR、(CHNRCOR又は(CHNRCOOR基を表し、
は、水素原子、(C−C)アルキル基又はRについて示した基の1種を表し、
又は上記定義された通りのR及びRは、一緒に結合して、N及びOから選択された0から2個のヘテロ原子を含む4から7個の鎖結合を含有する環を形成し、4から7個の鎖結合を含有する該環は、場合により、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロゲン化(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(CHNR又はtert−ブトキシカルボニル基から独立して選択された、1個又はそれ以上の置換基によって置換されており、
及びRは、それぞれ独立して、H、フェニル、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−OH、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−NH、(C−C)アルキル−(C−C)シクロアルキル、C(=NH)NH、SO(C−C)アルキル、SO−フェニルから選択された置換基を表し、Rは、また、tert−ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニル基を表すことができ、
又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニル基を構成し、これらの基は、置換されていないか又は(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−OH、COO(C−C)アルキル又はF基で1回又はそれ以上置換されており、
は、水素原子又は(C−C)アルキル基を表し、
Arは、置換されていない又はハロゲン原子又は(C−C)アルキル、トリフルオロメチル又は(C−C)アルコキシ基から選択された同様の又は異なる置換基で1から5回置換されたフェニル基を表し、
nは、1、2又は3を表し、
mは、0、1、2又は3を表す。]
を有する化合物。
【請求項2】
が、tert−ブチル、エチル又はフェニル基を表し、
及び/又はArが、
【化3】

から選択された基を表し、
及び/又はRが、(CHNR、CONHNR、CONR、ヒドロキシ(C−C)アルキル又は(CHNRCOR基を表し、
及び/又はRが、水素原子又はメチル、(CHNR又はヒドロキシメチル基を表し、
及び/又はArが、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ基から独立して選択された1個又は2個の置換基で置換されたアリール基を表し、
n、R及びRが、式(I)を有する化合物について前記定義された通りであることを特徴とする、塩基又は酸との付加塩として並びに水和物又は溶媒和物の形態での、請求項1記載の式(I)を有する化合物。
【請求項3】
が、(CHNR、CONR及び(CHNRCORから選択されることを特徴とする、請求項1または2の何れか一項に記載の化合物。
【請求項4】
下記の形態、即ち、非キラル形態又はラセミ形態又は1種の立体異性体に富んだ形態又は1種のエナンチオマーに富んだ形態にあること、これが場合により溶媒和された又は水和された形態にあること及びこれが場合により塩の形態にあることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項5】
下記の一般式:
【化4】

(式中、R及びArは、請求項1から4の何れか一項に於いて定義された通りである。)
を有することを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の生成物の製造のための合成中間体。
【請求項6】
下記の一般式:
【化5】

(式中、R及びArは、請求項1から6の何れか一項に於いて定義された通りである。)
を有することを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の生成物の製造のための合成中間体。
【請求項7】
下記の一般式:
【化6】

(式中、Arは、請求項1から3の何れか一項に於いて定義された通りである。)
を有することを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の生成物の製造のための合成中間体。
【請求項8】
Arが、フェニル、2−メトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,6−ジブロモフェニル、2−ブロモ−6−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル及び3,5−ジクロロフェニルから選択されることを特徴とする、請求項5から7の何れか一項に記載の合成中間体。
【請求項9】
が、エチル、tert−ブチル及びフェニルから選択されることを特徴とする、請求項5又は請求項6記載の合成中間体。
【請求項10】
下記の式:
【化7】

(式中、R及びArは、(I)について定義された通りである。)
を有する化合物を、式Ar’NH(III)(式中、Ar’は、(I)について定義された通りのAr又はArの前駆体を表す。)を有するアミンと反応させ、必要な場合に、得られた化合物の基Ar’を、基Arに転換させることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の式(I)を有する化合物の製造方法。
【請求項11】
下記のもの、
(i)式:
【化8】

(式中、R10は、離脱基、例えば、(a)ハロゲン、特にCl又はBr又は(b)アルキル−S(O)−(m=0、1又は2)であり、R11はNHC(=R12)−NH−R(R12=O又はS)である。)
を有する化合物と、
(ii)式Ar’NH(III)(式中、Ar’は、(I)について定義された通りのAr又はArの前駆体を表す。)を有するアミンと
を反応させ、必要な場合に、得られる化合物の基Ar’を、基Arに転換させることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の式(I)を有する化合物の製造方法であり、
a)R10が、ハロゲン又はアルキル−S(O)−(m=2)であるとき、この反応は、溶媒、好ましくは極性溶媒
(i)例えば、場合により微量の酸、例えば塩酸の存在下で、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド又はエタノール中で又は
(ii)強塩基、例えばtBuOKの存在下で、ジメチルスルホキシド中で
周囲温度から溶媒の還流温度までの範囲内の温度で行われ、
b)R10が、アルキル−S(O)−(m=0又は1)であるとき、この反応は、200℃で溶融状態にある溶融したAr’NH(III)で行われ、
必要な場合に、化合物(III)のAr’基中に存在するアミン官能基を塩に転換させるか又は保護する、前記方法。
【請求項12】
請求項1又は請求項2記載の式(I)を有する化合物又は該化合物と医薬適合性の酸との付加塩又は式(I)を有する該化合物の水和物又は溶媒和物を含むことを特徴とする薬物。
【請求項13】
請求項1から3の何れか一項に記載の式(I)を有する化合物又は該化合物の医薬適合性の塩、水和物又は溶媒和物及び少なくとも1種の医薬適合性の賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項14】
細胞増殖によって発症する又は悪化する疾患の治療及び予防のための薬物の製造のための、請求項1から3の何れか一項に記載の式(I)を有する化合物の使用。
【請求項15】
白血病、原発性及び転移性固体腫瘍、癌腫並びに癌の予防及び治療のための、請求項14記載の使用。
【請求項16】
1種(又はそれ以上)の他の抗癌活性成分(群)を更に含有することを特徴とする、請求項13記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2008−506673(P2008−506673A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520863(P2007−520863)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001809
【国際公開番号】WO2006/016067
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】