説明

ピリドオキサゼピンプロゲステロン受容体モジュレータ

本発明は、(cis)−8−フルオロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン−1−アミン化合物である新規なプロゲステロン受容体モジュレータ(I)及び(II)並びにその用途を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロゲステロン受容体のモジュレータである(cis)−8−フルオロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン−1−アミン誘導体に関し、避妊、ホルモン補充療法(Hormone replacement therapy:HRT)又は婦人科疾患の治療、癌及び他の疾患のアジュバント療法の分野におけるその応用に関し並びにこのような化合物の製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内受容体は、遺伝子転写の制御に関連する、構造的に関連したタンパク質の一種である。ステロイド受容体は、これらの受容体のサブセットであり、プロゲステロン受容体(progesterone receptor:PR)、アンドロゲン受容体(androgen receptor:AR)、エストロゲン受容体(estrogen receptor:ER)、グルココルチコイド受容体(glucocorticoid receptor:GR)及びミネラルコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor:MR)を含む。遺伝子の制御は、細胞内受容体と、遺伝子の転写に影響する形でその受容体に選択的に結合する能力を有する、その受容体に対応するリガンドとを必要とする。
【0003】
プロゲステロン受容体モジュレータ(プロゲスターゲン及び抗プロゲスターゲン)が、女性の健康において重要な役割を果たすことが知られている。PRの天然リガンドは、ステロイドホルモンであるプロゲステロンであるが、同じくリガンドとしての役割を果たし得る合成化合物が製造されている(例えば、Jones et al., U.S. Patent No. 5688810を参照のこと)。
【0004】
プロゲスターゲンは、現在、ホルモン避妊及びHRTに広く使用されている。プロゲスターゲンの他の重要な臨床的応用例は、婦人科疾患(例えば、子宮内膜症、月経困難症、機能不全性子宮内出血、重い月経前症候群)、乳癌、ほてり及び気分障害の治療並びにIVF中の黄体機能補助である。加えて、プロゲスターゲンは、以下に限定されるものではないが、細胞毒性薬及び細胞増殖抑制剤等の化学療法剤、インターフェロン及びインターロイキン等の免疫修飾因子、成長ホルモン又は他のサイトカイン、ホルモン療法、手術並びに放射線治療を含む他のホルモン及び/又は他の治療と組み合わせて適用される。
【0005】
現行のステロイド性プロゲスターゲンは、非常に安全である及び耐容性が良好であることが証明されている。しかしながら、副作用(例えば、乳房の圧痛、頭痛、欝、体重の増加)がこれらのストロイド性プロゲスターゲン(単独又はエストロゲン化合物との組み合わせのいずれか)に起因するものであると報告されることがある。加えて、ある受容体についてのステロイド性リガンドは、しばしば、他のステロイド性受容体との交差反応性を示す。多くのステロイド性プロゲスターゲンは、例えば、アンドロゲン受容体にも結合し、他方、多くの抗プロゲスターゲンは、グルココルチコイド受容体に親和性を有している。
【0006】
非ステロイド性プロゲスターゲンは、ステロイドと構造的に似ていないことから、物理化学的特性、薬物動態(pharmacokinetic:PK)パラメータ又は組織分布(例えば、CNS対末梢神経系)に関して特異な挙動を示すことが予測され得、更に重要なことに、非ステロイド性プロゲスターゲンは、他のステロイド受容体に交差反応性を示し得ない又はあまり示し得ない。従って、非ステロイド性プロゲスターゲンがこれらの側面において異なった形で上手く機能し、この結果、治療に応用した場合にステロイド性プロゲスターゲンより有利となることが予測され得る。
【0007】
1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン系を核とした非ステロイド性分子の一群は、プロゲステロン受容体に対する親和性を備えた非ステロイド性プロゲステロン受容体モジュレータとして記載されている(WO03/084963)。この文献に開示の化合物は、プロゲステロン受容体に対して、試験管内において、中程度〜強力なアゴニスト活性を示す。最も活性である化合物は、10nM以下の親和性を示した。加えて、WO03/084963の化合物の幾つかは、試験管内において、低い〜中程度の抗プロゲスターゲン活性を示した。
【0008】
本発明の化合物は、WO03/084963の化合物と似たアゴニスト活性を試験管内において示す。しかしながら、驚くべきことに、特定の置換基の特定の組み合わせ、より具体的には7位のニトリル置換基と8位のフルオロ置換基との組み合わせにより、排卵抑制試験の結果によって示されるように、生体内でのプロゲスターゲン活性が大幅に増強される。これが同様の構造を有する既知の化合物より本発明の化合物を有利にしている点であり、当業者によって認識されるように、試験分析における生体内での活性が高いとの結果は、治療、特にヒト被験体に応用した場合の強力な活性を強く示唆している。更に、当業者なら、生体内アッセイが経口投与を採用する場合、高い活性(つまり、比較的低量の化合物を投与することによって達成できる活性)が、治療において、例えば経口経路によって投与され得る化合物にとって望ましい特性であることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5688810号明細書
【特許文献2】国際公開第03/084963号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、生体内で強力なプロゲスターゲン効果を発揮する化合物を提供する。特に、本発明は、(cis)−8−フルオロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン−1−アミン化合物及び同じく極めて高い生体内プロゲスターゲン有効性を示す高親和性プロゲステロンアゴニストである組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明により、一般式I
【0012】
【化1】

を有する(cis)−8−フルオロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン−1−アミン化合物(式中、R1は(1−4C)アルキルであり、場合によって、1つ以上のハロゲン原子によって置換され、R2は、H、ハロゲン、(1−6C)アルキル及びCNから成る群から選択され、R3、R4及びR5は、それぞれ独立してH又はFである。)が提供される。
【0013】
特定の実施形態において、R1はCFである。別の実施形態において、R1はCHである。
【0014】
一実施形態において、R2はHである。別の実施形態において、R2はClであり、更に別の実施形態において、R2はCNである。
【0015】
一実施形態において、R3はHであり、別の実施形態において、R3はFである。
【0016】
一実施形態において、R4はHであり、別の実施形態において、R4はFである。
【0017】
一実施形態において、R5はHであり、別の実施形態において、R5はFである。
【0018】
一実施形態において、R3、R4及びR5はHである。別の実施形態において、R3はFであり、R4及びR5は共にHである。別の実施形態において、R4はFであり、R3及びR5は共にHであり、更に別の実施形態において、R5はFであり、R3及びR4は共にHである。
【0019】
特定の実施形態において、R1はCFであり、R2はHであり、R3はHであり、R4はHであり、R5はHである。
【0020】
別の特定の実施形態において、R1はCFであり、R2はClであり、R3はHであり、R4はHであり、R5はHである。
【0021】
加えて、本発明は、式I(式中、R1、R3、R4及びR5は上述の意味を有し、R2はHである。)の化合物の調製における中間体又は前駆体として有用な化合物を提供する。これらの(cis)−8−フルオロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン−1−アミン化合物は、一般式II
【0022】
【化2】

(式中、R1は(1−4C)アルキルであり、場合によって、1つ以上のハロゲン原子によって置換される。)を有している。
【0023】
式I及び式IIの双方において、1位のアミノ置換基及び14b位の橋頭水素置換基は、環系の同じ側に位置していることに留意すべきである。ある置換基の絶対配向が別の置換基の絶対配向に関係している空間的配置であるこの相対空間的配置は、接頭の(cis)−の使用により、化合物の命名法に反映されている。
【0024】
主題の発明の化合物は、治療における使用が想定されている。
【0025】
主題の発明は、主題の発明の化合物及び避妊において許容される担体を包含する避妊組成物を提供する。主題の発明は、主題の発明の化合物及び薬学的に許容される担体を包含する医薬組成物も提供する。一実施形態において、医薬組成物は、ホルモン補充療法を想定している。別の実施形態において、医薬組成物は、婦人科疾患の治療を想定している。
【0026】
主題の発明は、主題の発明の化合物を避妊薬の製造に用いることを更に含む。主題の発明は、主題の発明の化合物を薬剤の製造に用いることも想定している。一実施形態において、主題の発明の化合物の用途は、ホルモン補充治療のための薬剤の製造である又は別の実施形態における、婦人科疾患の治療のための薬剤の製造である。
【0027】
主題の発明は、避妊に有効な量の主題の発明の化合物を、それを必要としている個体に投与することを包含する避妊方法を更に提供する。
【0028】
主題の発明は、薬学的に有効な量の主題の発明の化合物を、それを必要としている個体に投与することを包含するホルモン補充療法を行うための方法を更に提供する。
【0029】
主題の発明は、薬学的に有効な量の主題の発明の化合物を、それを必要としている個体に投与することを包含する、婦人科疾患の治療方法を更に提供する。
【0030】
更に、主題の発明は、式Iの化合物の製造において有用な式IIの化合物を提供するものであり、式IIの化合物は、式Iの化合物の調製における中間体としての役割を果たす。スキームIにおいて示されるように、式IIのこれらの中間体は、CuCNの使用により、場合によってはCuIの存在下において、式Iの化合物に転換できる。
【0031】
【化3】

【0032】
式IIの化合物は、WO03/084963に記載されるように調製できる。場合によっては、幾つかの式Iの化合物(式中、R2が水素ではないことを除き、R2は上記の意味を有している。)は、式IIの化合物から調製できる。後者の化合物は、N−クロロスクシンイミド又は当該分野において既知の他の塩素化試薬を用いて塩素化でき、式Iの化合物(式中、R2はClである。)が得られる。これらのクロロ化合物は、当該分野において既知の様々な反応(スキーム2)を用いて、式Iの化合物(式中、R2は(別の)ハロゲン、(1−6C)アルキル又はCNである。)において変換できる。
【0033】
【化4】

【0034】
式I又は式IIの化合物のラセミ体は、当該分野において既知の様々な方法を用いて、そのエナンチオマーに分離でき、このような方法の1つが、キラルカラムでのクロマトグラフィの使用である。
【0035】
別の適切な分割方法は、酒石酸又はフェンシホス(Phencyphos)等の光学的に純粋な酸を用いて、式III(式中、R2は、式Iにおけるものと同様の意味を有している。)のアミンの、ジアステレオマー的に純粋な塩を調製することである。式IIIのアミンを調製するための方法及び式IIのアミドを調製するためのこれらのアミンの使用は、WO03/084963に記載されている。
【0036】
【化5】

【0037】
この説明において使用される用語は、以下の意味を有している。(1−4C)アルキルは、1、2、3又は4つの炭素原子を有する分岐又は非分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等であり、(1−6C)アルキルは、1、2、3、4、5又は6つの炭素原子を有する分岐又は非分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、sec−ヘキシル、イソヘキシル等である。
【0038】
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0039】
本発明の目的において、及びケミカル・アブストラクツ・サービスの慣例に従い(Chemical Abstracts, the American Chemical Society, Columbus, Ohio 1987のNaming and Indexing of Chemical Substancesを参照のこと)、本発明のもの等の縮合多環式化合物を命名する際、(cis)という表示は、1位の環置換基(式I)が、同じ環の、14b位の橋頭置換基(式Iにおいて、水素)と同じ側に配置されているような、相対的な空間的配置を意味していると理解される。当業者には、用語(cis)の意味は、様々な図、図式、反応スキームの実例から更に明らかとなる。
【0040】
ラセミ体は、等量のエナンチオマーの混合物であり、当業者に既知であるように、ラセミ体(ラセミ混合物又はラセミ調合物とも称される。)は、右旋性及び左旋性のエナンチオマーの光学活性が打ち消しあうことから、光学的に不活性である。R.T. Morrison and R.N. Boyd, Organic Chemistry (3rd Ed) .Allyn & Bacon, Boston, 1973, p.127も参照されたい。
【0041】
エナンチオマーは、その光学活性を決定する際に、偏光面が逆時計回りの回転をすると観察された場合には左旋性と称される。同様に、偏光面の回転が時計回りの場合、化合物は右旋性と称される(R.T. Morrison and R.N. Boyd, Organic Chemistry (3rd Ed).Allyn & Bacon, Boston, 1973, p.119も参照のこと)。しかしながら、当業者に既知であるように、偏光面の回転の記号(右旋性の場合の‘+’つまり‘プラス’及び左旋性の場合の‘−’つまり‘マイナス’)は、温度、偏光の波長並びに(化合物の回転が、溶液中において決定される場合は)濃度及び溶媒に依存している(J. March, Advanced Organic Chemistry 2nd Ed. McGraw−Hill Kogakusha, Tokyo 1977 p.87以降も参照のこと)。
【0042】
本発明による化合物のプロゲスターゲン受容体親和性及び有効性は、本発明の化合物を受精率及び生殖の制御における使用に適したものにしている(例えば、女性側の避妊における使用、更に女性HRT、婦人科疾患の治療のための使用、男性側の避妊薬の成分としての使用及び様々な組織におけるプロゲステロン受容体の量及び/又は位置に焦点をあてた診断法における使用)。後者の目的のために、本発明による化合物を同位体で標識した変形物を生成することが好ましいこともある。
【0043】
本発明の化合物は、子宮内膜症、月経過多症、機能不全性子宮内出血、月経困難症、にきび、子宮筋腫、骨粗しょう症及び他の骨障害、骨折修復、サルコペニア、虚弱、肌の老化、女性側の性的不全、閉経後の症状、アテローム性動脈硬化、再生不良性貧血、リポジストロフィ、化学療法の副作用、(例えば、乳房、卵巣及び子宮に存在する)腫瘍他の治療に更に有用であり得る。
【0044】
主題の発明の化合物(有効成分とも称される。)に適した投与経路は、経口投与、直腸投与、鼻腔内投与、局所投与(経皮投与、口腔投与及び舌下投与を含む。)、膣内投与つまり非経口投与(皮下投与、筋内投与、静脈内投与及び皮内投与を含む。)又はインプラントを経由した投与である。特定の実施形態において、化合物は、経口で投与できる。
【0045】
有効成分又はその避妊薬若しくは医薬組成物の正確な投与量及び投与計画は、達成すべき治療効果(例えば、避妊、HRT)に必然的に依存しており、特定の化合物、投与経路並びに薬剤を投与する予定の個々の被験体の年齢及び状態に応じて変わり得る。
【0046】
ヒトの場合の投与量は、体重1kgあたり0.0001−25mgを含有する傾向がある。望ましい用量は、1回分又は適当な間隔で投与される、1回分を複数回に分割した用量としてもたらされ得る。
【0047】
従って、本発明は、式Iによる化合物を薬学的に許容される助剤と共に及び場合によっては他の治療薬と共に包含している避妊組成物及び医薬組成物にも関する。助剤は、この組成物の他の成分と適合できるという点において“許容される”ものであり、その受容者に有害でないものでなくてはならない。
【0048】
医薬組成物は、経口投与、直腸投与、鼻腔内投与、局所投与(経皮投与、口腔投与及び舌下投与を含む。)、膣内投与つまり非経口投与(皮下投与、筋内投与、静脈内投与及び皮内投与を含む。)又はインプラントを経由した投与に適したものを含む。これらの組成物は、薬学の分野において周知の方法、例えばGennaro et al., Remington’s Pharmaceutical Sciences (18th ed., Mack Publishing company, 1990、特にPart 8: Pharmaceutical Preparations and Their Manufactureを参照のこと)に記載されているもの等の方法を用いて調製され得る。
【0049】
このような方法は、有効成分を助剤と関連させる段階を含む。助剤(補助成分とも呼ばれる。)は、担体、充填剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑剤、着色料、香味剤、酸化防止剤及び湿潤剤等の当該分野において慣用のもの(上記のGennaro)を含む。
【0050】
経口投与に適した医薬組成物及び避妊組成物は、丸薬、錠剤、糖衣錠若しくはカプセル等の個別の投与単位、又は粉末ないし顆粒、又は溶液ないし懸濁液としてもたらされ得る。有効成分は、ボーラス又はペーストとしてももたらされ得る。これらの組成物は、直腸投与のために坐薬又は浣腸剤に更に加工できる。
【0051】
本発明は、上述したように、包装材料と組み合わせた避妊組成物及び医薬組成物を更に含み、上記されたような用途にこの組成物を用いるための指示を含む。
【0052】
非経口投与の場合、適した組成物は、水性及び非水性滅菌注射を含む。これらの組成物は、単位用量又は複数回用量容器に入れて提供され得(例えば、密封されたバイアル及びアンプル)及び、例えば、使用前に無菌液状担体(例えば、水)を加えるだけのフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存され得る。経皮投与の場合、例えばゲル、貼付剤又はスプレーが考えられる。例えば、鼻孔吸入による肺内投与に適した組成物又は処方物は、定量加圧エーロゾル、ネビュライザー又は吸入器によって発生され得る微粉塵又は霧を含む。
【0053】
本発明の組成物は、放出速度調節膜に包まれた、活性材料の核から成る装置の形態でも投与できる。このようなインプラントは、皮下的又は局所的に投与され、有効成分を適切な一定速度にて比較的長期間に亘って(例えば、何週間から何年)に亘って放出する。そのようなインプラント可能な医薬装置を作製するための方法は当該分野において既知であり、例えば、EP303306に記載されている。
【0054】
本発明の化合物は、例えば、EP876815に記載されているような膣リングの形態でも投与できる。
【0055】
本発明の化合物は、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスターゲン、抗プロゲスターゲン及び葉酸、ビタミン、ミネラル等の他の適した化合物と共に投与され得る。
【0056】
(実施例)
本発明は、以下の実施例において更に説明され、これらの実施例は、いかなる場合においても、請求されている発明の範囲を限定する意図を持たない。
【0057】
実施例において、以下の省略形が使用される。
CHCl:ジクロロメタン
CuBr:臭化銅(I)
CuCN:シアン化銅(I)
CuI:ヨウ化銅(I)
DMSO:ジメチルスルホキシド
DPPA:ジフェニルホスホリルアジド
e.e.:エナンチオマー過剰率
CO:炭酸カリウム
M:モル
MgSO:硫酸マグネシウム
NaHCO:炭酸水素ナトリウム
NaOH:水酸化ナトリウム
NaSO:硫酸ナトリウム
NCS:N−クロロスクシンイミド
NHOH:水酸化アンモニウム
NMP:N−メチルピロリドン
NMR:核磁気共鳴
P.S.フィルタ:相分離フィルタ
SiO:二酸化ケイ素(シリカゲル)
THF:テトラヒドロフラン
【実施例1】
【0058】
(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式II、R1=CF、R2=R3=R4=R5=H)
a.2−[[(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)イミノ]メチル]フェノール
トルエン(120mL)中の2,4−ジフルオロ−6−ブロモアニリン(5g、24mmol)、サリチルアルデヒド(2.5mL、24mmol)及びp−トルエンスルホン酸(14mg、0.07mmol)の溶液は、ディーン・スターク装置(Dean−Stark apparatus)内で2.5時間に亘って還流するまで加熱され、次に、周囲温度にまで冷却された。トリエチルアミン(1mL)を添加した後、反応混合物を濃縮し、更なる精製をすることなく使用される掲題の粗化合物(7.3g、97%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)6.95−6.99 (m、1H)、7.01−7.06 (m、2H)、7.39−7.45 (m、2H)、7.48−7.52 (m、1H)、8.66 (s、1H)、12.69 (s、1H)。(m/z)=312+314(M+H)
【0059】
b.8−ブロモ−7−フルオロジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン
DMSO(0.43L)中の2−[[(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)イミノ]メチル]フェノール(14.5g、46.5mmol)の溶液に、KCO(12.8g、71.8mmol)及び18−クラウン−6(145mg、0.55mmol)を添加した。得られた混合物は、140℃にて2.5時間に亘って攪拌され、続いて周囲温度にまで冷却された。水(0.6L)が添加され、生成物を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、更に精製されることなく使用される掲題の化合物(15.7g、100%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)6.93−6.96 (d、J=8.2、1H)、7.10−7.14(d、J=8.2、1H)、7.23−7.28 (m、1H)、7.34−7.37 (m、1H)、7.46−7.51 (m、1H)、7.55−7.57 (d、J=7.8、1H)、8.47 (s、1H)。(m/z)=292+294(M+H)
【0060】
c.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸
グルタル酸無水物(7.2g、63mmol)は、キシレン(26mL)中の8−ブロモ−7−フルオロ−ジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン(46.5mmol)の攪拌溶液に添加され、混合物は、140℃にまで120時間に亘って加熱された。反応混合物は、周囲温度にまで冷却され、エーテルが添加され、溶液は、2MのNaOHを用いて抽出(3回)された。抽出物を合わせたもののpHは、3Mの塩酸を添加することにより、pH4に調節された。生成物を濾過により回収し、乾燥して、更に精製することなく使用される掲題の化合物(14.1g、81%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)2.03−2.14(m、1H)、2.31−2.4(m、1H)、2.53−2.62(m、1H)、2.67−2.81(m、1H)、3.55−3.60(m、1H)、5.46−5.49(m、1H)、7.05−7.09(d、J=8.6、1H)、7.11−7.32(m、4H)、7.56−7.59(d、J=7.8、1H)。(m/z)=406+408(M+H)
【0061】
d.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
トルエン(660mL)中の(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸(13.1g、32.3mmol)の溶液に、トリエチルアミン(7.6mL、54mmol)及びジフェニルリン酸アジド(9.1mL、42mmol)が添加された。反応混合物は、還流するまで2時間に亘って加熱された。続いて、メタノール(31.9mL、787mmol)が添加され、攪拌は、2時間に亘って70℃にて継続された。室温にまで冷却した後、反応混合物をP.S.フィルタ上で乾燥させ、蒸発させて、更に精製されることなく使用される掲題の粗化合物(30.5g、100%)を得た。(m/z)=435+437(M+H)
【0062】
e.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
THF(1L)中のメチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(105.2g、242mmol)の攪拌溶液に、ボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中において1.0M、970mL、970mmol)が滴下添加された。得られた混合物は、周囲温度にて3時間に亘って攪拌された。続いて、ガスの発生が停止するまで、塩酸(1M)が滴下添加された(+/−550mL)。得られた混合物を1時間に亘って攪拌し、次に酢酸エチルで希釈し、有機層を水及び塩水で洗浄した。乾燥後(MgSO)、溶媒を減圧下で蒸発させて掲題の粗化合物(98.5g、97%)を得た。(m/z)=421+423(M+H)
【0063】
f.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
酢酸(40mL)及び臭化水素(48%、20mL)の混合物が、メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(20.2g、48mmol)に添加され、100℃にて一晩に亘って攪拌された。冷却後、反応混合物は、冷たい1MのNaOH溶液中に注がれた。CHClによる抽出を行い、有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を減圧下で蒸発させることにより、更に精製されることなく使用される掲題の粗化合物(15.9g、91%)を得た。(m/z)=363+365(M+H)
【0064】
g.(−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(4S)−2−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−4−フェニル−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−オキシド(1:1)
300mLのCHCl及び60mLの2−プロパノール中の(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(18.58g、51.18mmol)の溶液(50℃)に、CHCl(300mL)及び2−プロパノール(75mL)中の(+)−フェンシホス(6.19、25.59mmol)の温かい溶液が添加された。混合物は、86℃にて加熱された。約500mLのCHClを、慎重に蒸発させることにより除去し、310mLの2−プロパノールが添加された。次に、最終重量が約250gになるまで混合物を更に濃縮し、次に、35℃にまで徐々に冷却した。1時間後、形成された結晶を濾過により回収し、2−プロパノールで洗浄し、乾燥させて12.7gの粗生成物(e.e.=95%)を得た。この化合物を、メタノール:CHCl:2−プロパノール(7:5:2)から更に結晶化させて、掲題の化合物(12.3g、39%、e.e.=99.8%)を得た。
【0065】
h.(−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
1MのNaOH(580ml、580mmol)が、1Lのエタノール:CHCl(1:9)中の(−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(4S)−2−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−4−フェニル−1,3,2−ジオキサホスホリナン2−オキシド(1:1)(45.42g、74mmol)の溶液に添加され、得られた二相混合物は、周囲温度にて0.5時間に亘って激しく攪拌された。水層は、CHCl(400mL)で抽出され、有機層を合わせたものを0.4MのNaOHで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて、掲題の化合物(27.2g、100%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)1.40−1.51(m、1H)、1.69−1.89(m、2H)、2.14−2.22(m、1H)、3.11−3.29(m、1H)、3.38−3.45(m、1H)、3.68−3.76(m、2H)、6.87−6.90(d、J=8.0、1H)、7.03−7.30(m、5H)。19F−NMR(400MHz、CDCl)−118.27。(m/z)=363+365(M+H)。(e.e.=99.9%)(chiralpak AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:エタノール=8:2)。(m/z)=363+365(M+H)。[α]20.5=−202°(c=1.0、CHCl)。
【0066】
i.(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
CHCl(866mL)及びピリジン(33.56mL)の混合物中の(−)−(cis)−7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(27.51g、75.78mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(33.84mL、242mmol)が添加され、得られた混合物は、周囲温度にて1.5時間に亘って攪拌された。形成された結晶を濾過により回収し、CHCl及び水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、掲題の化合物である(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(31.36g、90%)を得た。H−NMR(400MHz、DMSO)1.60−1.85 (m、3H)、1.97−2.04(m、1H)、3.07−3.16(m、1H)、3.73−3.80 (d、J=12.9、1H)、4.07−4.10(d、J=9.7、1H)、4.31−4.42(m、1H)、7.04−7.09(m、1H)、7.15−7.21 (m、2H)、7.24−7.33 (m、3H)、 9.18−9.21 (d、J=9.7、1H)。(m/z)=459+461(M+H)。[α]20=−197°(c=1.0055、THF)。
【実施例2】
【0067】
(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式I、R1=CF、R2=R3=R4=R5=H)
(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(17g、37mmol)、CuCN(8.19、91.5mmol)、CuI(0.754g、3.9mmol)及びNMP(178mL)の混合物は、20分に亘って180℃、300ワットにて、電子レンジ内(5分割)で冷却しながら攪拌された。冷却後、反応混合物を水に注ぎ、NHOH溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。残った白色の固形物をジエチルエーテルで洗浄し、結晶化させて掲題の化合物(8.1g、54%)を得た。H−NMR(400MHz、DMSO)1.66 (m、1H)、1.74(m、1H)、1.82(m、1H)、2.01(m、1H)、3.16(m、1H)、3.85 (m、1H)、4.14 (d、J=10.01、1H)、4.39(m、1H)、7.10(td、J=7.74、7.3及び1.32Hz、1H)、7.20(dd、J=7.74及び1.70Hz、1H)、7.23(dd、J=7.93及び1.32Hz、1H)、7.29(td、J=7.93、7.37及び1.32Hz、1H)、7.42(d、J=9.44、1H)、7.57(d、J=6.42、1H)、9.21(d、J=10.01、1H)。19F−NMR(400MHz、DMSO)−119.08 (Ar−F)、−74.96(COCF)。e.e.=100%。(chiralpak AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:イソプロパノール=9:1)。(m/z)=405(M+H)。[α]20.5=−214°(c=1.03、THF)。
【実施例3】
【0068】
(−)−(cis)−N−[6−クロロ−7−シアノ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式I、R1=CF、R2=Cl、R3=R4=R5=H)
THF中の(−)−(cis)−N−[7−シアノ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(17.1g、42.2mmol)の懸濁液に、NCS(6.16g、46.4mmol)及び塩酸(7.8mL、46.4mmol)が添加され、得られた混合物は、周囲温度にて2.5時間に亘って攪拌された。次に、反応混合物は、水中に注がれ、酢酸エチルによる抽出が行われた(2回)。有機層を合わせたものを、飽和NaHCO(aq)及び塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させて粗化合物を得て、この化合物をフラッシュクロマトグラフィ(SiO、酢酸エチル/ヘプタン)により精製して(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(16.1g、78%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)1.64(m、1H)、1.91(m、1H)、1.94(m、1H)、2.02(m、1H)、2.88(m、1H)、3.05(m、1H)、4.44 (d、J=1.55Hz、1H)、4.91(m、1H)、6.97(d、J=9.44Hz、1H)、7.19−7.40(m、4H)、7.66−7.74(d、J=8.2Hz、1H)。19F−NMR(400MHz、CDCl)−105.82(Ar−F)、−76.33(COCF)。e.e.=100%(chiralpak AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:イソプロパノール:9:1。(m/z)=440(M+H)。[α]20.5=−197°(c=1.11、THF)。
【実施例4】
【0069】
(−)−(cis)−N−(6,7−ジシアノ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式I、R1=CF、R2=CN、R3=R4=R5=H)
(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8−フルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(7.66g、17.4mmol)、CuCN(3.9、43.5mmol)、CuBr(2.5g、17.4mmol)及びNMP(105mL)の混合物は、20分に亘って180℃、300ワットにて、電子レンジ内(3分割)で冷却しながら攪拌された。室温まで冷却した後、反応混合物を水中(1L)に注ぎ、10分に亘って攪拌し、沈殿物を単離した。沈殿物は、酢酸エチルに再度溶解させられ、固形物は濾過により除去された。透明な酢酸エチル溶液を塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾燥するまで蒸発させて粗化合物を得て、この化合物をフラッシュクロマトグラフィ(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:CHCl=7:2:1)により精製し、結晶化させて、掲題の化合物(4.09g、54%)を得た。H−NMR(400MHz、DMSO)1.68(m、1H)、1.82(m、1H)、1.84(m、1H)、2.04(m、1H)、3.47(m、1H)、3.87(m、1H)、4.37(d、J=9.44Hz、1H)、4.45(m、1H)、7.18−7.38(m、4H)、7.88(d、J=9.44Hz、1H)、9.25(d、J=8.6Hz、1H)。19F−NMR(400MHz、DMSO)−113.21(Ar−F)、−74.82(COCF)。e.e.=99.9%(chiralpak AS−H 25*0.46cm、ヘプタン:イソプロパノール=8:2)。(m/z)=431(M+H)。[α]20.5=−267°(c=1.11、THF)。
【実施例5】
【0070】
(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式I、R1=CF、R2=Cl、R3=R5=H、R4=F)
a.4−ブロモ−5−フルオロ−2−ニトロフェノール
CHCl(940ml)及びHSO(52.1mL、978mmol)の混合物中の4−ブロモ−3−フルオロフェノール(89g、465.9mmol)の溶液(0℃)に、HNO(65%)(32.9ml、468mmol)が滴下添加された(混合物は無色から黒色に変化した)。得られた混合物を、0℃にて1時間に亘って攪拌し、次に水中に注いだ。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を減圧下で蒸発させて粗化合物を得て、この化合物をフラッシュクロマトグラフィ(SiO、ヘプタン:トルエン=1:3)により精製して4−ブロモ−5−フルオロ−2−ニトロフェノール(49.5g、45%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)6.95(d、J=9.0、1H)、8.38(d、J=6.2、1H)、10.69(s、1H)。
【0071】
b.2−アミノ−4−ブロモ−5−フルオロフェノール
水(122mL)中のNa(51.6g、296mmol)の懸濁液が、エタノール(1000mL)中の4−ブロモ−5−フルオロ−2−ニトロフェノール(14g、59.3mmol)の還流混合物にゆっくりと添加された。得られた混合物は、1時間に亘って還流させられた。冷却後、塩を濾過し、濾液を部分濃縮した。塩水を添加し、ジエチルエーテルによる抽出を行い、抽出物を乾燥及び濃縮し、更に精製することなく使用される掲題の粗化合物を得た(9.2g、75%)。H−NMR(400MHz、DMSO)4.65(br、2H)、6.60(d、J=11.3、1H)、6.76(d、J=7.8、1H)、9.80(br、1H)。
【0072】
c.4−ブロモ−2−[[(2,4−ジフルオロフェニル)メチレン]アミノ]−5−フルオロフェノール
トルエン(250mL)中の2−アミノ−4−ブロモ−5−フルオロフェノール(10.1g、49mmol)、2,4−ジフルオロベンズアルデヒド(5.36mL、49mmol)及びp−トルエンスルホン酸(100mg、0.52mmol)の溶液を、ディーン・スターク装置内で還流するまで0.5時間に亘って加熱し、次に、周囲温度にまで冷却した。トリエチルアミン(1mL)を添加した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、更に精製されることなく使用される粗化合物(16.1g、99%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)6.83(d、J=10.2、1H)、6.93(m、1H)、7.01(m、1H)、7.49(d、J=7.6、1H)、8.13(m、1H)、8.85(s、1H)。
【0073】
d.8−ブロモ−3,7−ジフルオロジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン
60mLのDMF中の4−ブロモ−2[(2,4−ジフルオロベンジリデン)アミノ]−5−フルオロフェノール(15g、45.4mmol)の溶液に、CsCO(22g、67.5mmol)が添加された。得られた混合物は、50℃にて3時間に亘って攪拌され、次に周囲温度にまで冷却された。水を添加し、生成物を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、更に精製されることなく使用される掲題の化合物(14.1g、100%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)6.82−6.99(m、3H)、7.33(m、1H)、7.55(d、J=7.8、1H)、8.38(s、1H)。
【0074】
e.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸
グルタル酸無水物(7.93g、69.5mmol)は、キシレン(30ml)中の8−ブロモ−3,7−ジフルオロ−ジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン(14,4g、46.4mmol)の攪拌溶液に添加され、混合物は、150℃にまで72時間に亘って加熱された。反応混合物は、周囲温度にまで冷却され、ジエチルエーテルが添加された。生成物を濾過により回収し、乾燥させて、更に精製することなく使用される掲題の化合物(16.2、82%)を得た。
【0075】
f.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
トルエン(500mL)中の(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸(16.2g、38.2mmol)の溶液に、トリエチルアミン(9.7mL、68mmol)及びDPPA(10.6mL、49.1mmol)が添加された。反応混合物は、還流するまで2時間に亘って加熱された。続いて、メタノール(40mL)が添加され、攪拌は一晩に亘って70℃にて継続された。冷却後、反応溶液を0.5MのNaOH溶液で洗浄し(3回)、乾燥させ(NaSO)、蒸発させて、更に精製することなく使用される掲題の化合物(17.3g、100%)を得た。(m/z)=453+455(M+H)
【0076】
g.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
ボラン(THF中において1.0M。38.3mL、38.3mmol)が、THF(200mL)中のメチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(38.2mmol)の攪拌溶液に滴下添加された。得られた混合物は、30℃にて1時間に亘って攪拌された。続いて、ガスの発生が停止するまで水が滴下添加された。得られた混合物を1時間に亘って攪拌し、次に酢酸エチル(300mL)で希釈し、塩水で洗浄した。乾燥(NaSO)後、減圧下で溶媒を蒸発させ、掲題の粗化合物(16.7g、100%)を得た。(m/z)=439+441(M+H)
h.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
酢酸(80mL)及び臭化水素(48%、40mL)の混合物が、メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(38.2mmol)に添加され、混合物は、一晩に亘って100℃にて攪拌された。冷却後、反応混合物は冷たい1NのNaOH溶液(pH9)中に注がれた。酢酸エチルによる抽出を行い、有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を減圧下で蒸発させて、更に精製されることなく使用される掲題の粗化合物(12.7g、87%)を得た。(m/z)=381+383(M+H)
【0077】
i.(−)−(cis)−7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(4S)−2−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−4−フェニル−1,3,2−ジオキサホスホリナン2−オキシド(1:1)
120mLのCHCl、25mLの2−プロパノール及び25mLのエタノール中の(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(12.06g、31.65mmol)の溶液(40℃)に、50mLのCHCl、25mLの2−プロパノール及び25mLのエタノール中の(+)−フェンシホス(3.84g、15.82mmol)の温かい溶液が添加された。混合物は、40℃にて加熱され、CHClを、少量の結晶が形成されるまで慎重に蒸発させ、次に、混合物を周囲温度にまで徐々に冷却した。沈殿物を濾過し、再結晶化させ、掲題の化合物を得た(3.94g、20%)。
【0078】
j.(−)−(cis)−7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
150mLのエタノール:CHCl(1:9)中の、先行の段階で得られたフェンシホス塩(3.94g、6.32mmol)の溶液に、1NのNaOH(45ml、45mmol)が添加され、得られた混合物は、周囲温度にて1時間に亘って攪拌された。水層をCHClで抽出し、有機層を合わせたものを0.5NのNaOHで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて掲題の粗化合物(2.32g、96%)を得た。e.e.=98.9%(chiralpack AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:2−プロパノール=9:1)。
【0079】
k.(−)−N−(cis)−(7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
メタノール(80mL)及びトリエチルアミン(5.1mL、36.3mmol)の混合物中の(−)−(cis)−7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(2.32g、6.09mmol)の溶液に、エチルトリフルオロアセテート(4.3mL、36.3mmol)が添加され、得られた混合物は、周囲温度にて2時間に亘って攪拌された。水(120mL)が添加され、更に10分間に亘って攪拌された。形成された沈殿物を濾過し、掲題の化合物(2.74g、94%)を得た。
【0080】
l.(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
2.74g(5.74mmol)の(−)−N−(cis)−(7−ブロモ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド、CuCN(1.3g、14.3mmol)、Cul(0.123g、0.57mmol)及びNMP(25mL)の混合物を、電子レンジ内で20分に亘って、180℃、300ワットにて、冷却しながら攪拌した。冷却後、反応混合物は水(500mL)中に注がれた。生成物及び塩を含有している沈殿物は、酢酸エチルに再度溶解させられ、塩は濾過された。有機層を、NHOH溶液、水及び塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して粗化合物を得て、この化合物を結晶化させて掲題の化合物(1.45g、59%)を得た。H−NMR(400MHz、DMSO)1.60−1.86(m、3H)、2.01(m、1H)、3.15(m、1H)、3.86(m、1H)、4.133(d、J=10.0、1H)、4.35(m、1H)、7.00 (m、1H)、7.03(m、1H)、7.44(d、J=7.7、1H)、7.6(d、J=6.3、1H)、9.23(br−d、J=7.8、1H)。(m/z)=424(M+H)
【0081】
m.(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
(3.42mmol)の(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドから、実施例3と同様にして調製を行い、粗化合物を得て、この化合物をフラッシュクロマトグラフィ(SiO、CHCl/トルエン1:9)によって精製し、結晶化させて、(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,12−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(0.719g、46%)を得た。融点174−175℃。H−NMR(400MHz、CDCl)1.65(m、1H)、1.90(m、2H)、2.02(m、1H)、2.89(m、1H)、3.04(m、1H)、2.39(m、1H)、4.86(m、1H)、6.95(m、3H)、7.29(m、1H)、7.66(br、1H)。e.e.=100%、R=25.0分(chiralpak OJ−H 25*0.46cm、ヘプタン:エタノール=9:1)。(MIM)=457。[α]20=−192°(c=0.885、THF)。
【実施例6】
【0082】
(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)アセトアミドの調製
(式I、R1=CH、R2=Cl、R3=R4=H、R5=F)
a.4−ブロモ−2−[[(2,6−ジフルオロフェニル)メチレン]アミノ]−5−フルオロフェノール
2−アミノ−4−ブロモ−5−フルオロフェノール(11g、53.4mmol)及び2,6−ジフルオロベンズアルデヒド(5.8mL、53.4mmol)から、実施例5の段階cと同様の調製を行い、4−ブロモ−2−[(2,6−ジフルオロベンジリデン)アミノ]−5−フルオロフェノール(17.62g、100%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)6.83(d、J=10.2、1H)、7.02(m、2H)、7.44 (m、1H)、7.52(m、1H)、8.85(s、1H)。
【0083】
b.8−ブロモ−1,7−ジフルオロジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン
4−ブロモ−2−[(2,6−ジフルオロベンジリデン)アミノ]−5−フルオロフェノール(53.4mmol)及びCsCO(26g、80mmol)から、実施例5の段階dと同様の調製を行い、掲題の化合物(16.1g、97%)を得た。
【0084】
c.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8.14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸
8−ブロモ−1,7−ジフルオロジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン(8g、25.8mmol)及びグルタル酸無水物(5.9g、51.6mmol)から、実施例5の段階eと同様にして調製を行った。冷却後、反応混合物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させて、掲題のカルボン酸(10.9g、100%)を得た。
d.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸(10.94g、25.8mmol)、トリエチルアミン(6.4mL、45.6mmol)、DPPA(7.2mL、33.31mmol)及びメタノール(29mL)から、実施例5の段階fと同様にして調製を行った。粗化合物を、フラッシュクロマトグラフィ(SiO、トルエン:酢酸エチル6:4)により精製して、メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(11g、94%)を得た。
【0085】
e.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(11g、24mmol)、ボラン(THF中1.0M、24.2mL、24.2mmol)から、実施例5の段階gと同様にして調製を行い、掲題の粗化合物(10.5g、100%)を得た。
【0086】
f.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(1.9g、4.3mmol)、酢酸(9mL)及び臭化水素(48%、5mL)から、実施例5の段階hと同様の調製を行い、掲題の粗化合物(1.44g、88%)を得た。
【0087】
g.(−)−(cis)−7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(4S)−2−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−4−フェニル−1,3,2−ジオキサホスホリナン2−オキシド(1:1)
2.2g(5.77mmol)の(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン、0.7g(2.88mmol)の(+)−フェンシホス、CHCl(100mL)、エタノール(5mL)及び2−ブタノン(50mL)から、実施例5の段階iと同様の調製を行った。再結晶化により、掲題の化合物(0.8g、27%)を得た。
【0088】
h.(−)−(cis)−7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
先行の段階において得られたフェンシホス塩(1.33g、2.13mmol)から、実施例5の段階jと同様の調製を行い、掲題の化合物(0.8g、99%)を得た。e.e.=99.7%(chiralpak AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:2−プロパノール=8:2)。
【0089】
i.(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)アセトアミド
CHCl(10mL)及びトリエチルアミン(0.44mL,3.15mmol)の混合物中の0.4g(1.05mmol)の(−)−(cis)−7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミンの溶液に、CHCl(5mL)中の塩化アセチル(0.187mL、2.62mmol)が添加され、周囲温度にて1時間に亘って攪拌された。飽和(aq)NaHCOを添加し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、更に精製することなく使用される粗化合物(0.44g、100%)を得た。
j.(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)アセトアミド
(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)アセトアミド(0.46g、1.08mmol)、CuCN(0.246g、2.71mmol)及びCuI(0.024g、0.108mmol)から、実施例5の段階lと同様に調製して粗化合物を得て、この化合物をフラッシュクロマトグラフィ(SiO、CHCl:酢酸エチル)により精製し、掲題の化合物(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)アセトアミド(0.277g、69%)を得た。H−NMR(400MHz、DMSO)、1.50(s、3H)、1.54−1.75(m、3H)、1.95(m、1H)、3.15(m、1H)、3.86(m、1H)、 4.22(d、J=10.6、1H)、4.40(M、1H)、7.02(m、1H)、7.09(d、J=8.6、1H)、7.31(m、1H)、7.44(d、J=10.2、1H)、7.57(d、J=7.0、1H)、7.75(br−d、J=9.4、1H)。19F NMR(400MHz、DMSO)−119、−113。(m/z)=370 (M+H)
【0090】
k.(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)アセトアミド
(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)アセトアミド(0.277g、0.75mmol)及びNCS(0.10g、0.75mmol)から、実施例3と同様に調製を行った。粗化合物を、HPLCにより精製して掲題の化合物(0.19g、62%)を得た。H−NMR(600MHz、DMSO)1.46−1.57(m、4H)、1.64(m、1H)、1.72(m、1H)、1.92(m、1H)、3.27(m、1H)、3.53(m、1H)、4.31(d、J=11.6、1H)、4.38(m、1H)、7.05(m、1H)、7.11(d、J=8.7、1H)、7.33(m、 1H)、7.64(d、J=9.8、1H)、7.81(br−d、J=9.8、1H)。e.e.=100%、R=17.8分 (chiralpak OD−H 25*0.46cm、ヘプタン:エタノール=9:1)。(MIM)=403。[α]20=−207°(c=1.0025、THF)。
【実施例7】
【0091】
(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式I、R1=CF、R2=Cl、R3=F、R4=R5=H)
a.2−[[(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)イミノ]メチル]−6−フルオロフェノール
5−ブロモ−2,4−ジフルオロアニリン(12.2g、58.57mmol)及び3−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(8.2g、58.57mmol)から、実施例5の段階cと同様の調製を行い、掲題の化合物(19.3g、100%)を得た。
【0092】
b.8−ブロモ−4,7−ジフルオロジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン
2−[(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)イミノメチル]−6−フルオロフェノール(58.57mmol)及びCsCO(29g、89mmol)から、実施例5の段階dと同様の調製を行い、掲題の化合物(16.6g、91%)を得た。
【0093】
c.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸
8−ブロモ−4,7−ジフルオロ−ジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン(16.6g、53.54mmol)及びグルタン酸無水物(9.15g、80.3mmol)から、実施例5の段階eと同様の調製を行い、掲題の化合物(13g、57%)を得た。
【0094】
d.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸(13g、30.66mmol)、トリエチルアミン(7.5mL、53mmol)、DPPA(8.5mL、30.66mmol)及びメタノール(32mL)から、実施例5の段階fと同様の調製を行い、粗化合物(13.9g、100%)を得た。
【0095】
e.メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート
メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−4−オキソ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(30.66mmol)、ボラン(THF中で1.0M、31mL、31mmol)から、実施例5の段階gと同様の調製を行い、掲題の粗化合物(13.4g、100%)を得た。
【0096】
f.(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
メチル(+/−)−(cis)−(7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)カルバメート(30.66mmol)、酢酸(50mL)及び臭化水素(48%、30mL)から、実施例5の段階hと同様の調製を行い、掲題の粗化合物(11.68、100%)を得た。
【0097】
g.(−)−(cis)−7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(4S)−2−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−4−フェニル−1,3,2−ジオキサホスホリナン2−オキシド(1:1)
CHCl(160mL)中の(+/−)−(cis)−7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(30.5mmol)及び(+)−フェンシホス(3.7g、15.29mmol)並びにエタノール(100mL)から、実施例5の段階iと同様の調製を行った。再結晶化により、掲題の化合物(2.55g、17%)が得られた。
【0098】
h.(−)−(cis)−7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン
先行の工程において得られたフェンシホス塩(2.55g、4.1mmol)から、実施例5の段階jと同様の調製を行い、掲題の化合物(1.51g、97%)を得た。e.e.=99.8%(chiralpak AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:エタノール=8:2)。
【0099】
i.(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
(−)−(cis)−7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(1.51g、4.0mmol)から、実施例5の段階kと同様の調製を行い、掲題の化合物(1.73g、91%)を得た。
【0100】
k.(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(1.73g、3.63mmol)、CuCN(0.85g、9.0mmol)及びCul(0.08g、0.36mmol)から、実施例5の段階lと同様の調製を行い、掲題の化合物(1.3g、82%)を得た。
【0101】
l.(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(1.3g、3.07mmol)及びNCS(0.42g、3.07mmol)から、実施例3と同様の調製を行った。粗化合物を結晶化により精製し、(−)−(cis)−N−(2H−6−クロロ−7−シアノ−8,11−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(0.57g、40%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl)1.66(m、1H)、1.89−2.1(m、3H)、2.91(m、1H)、3.08 (m、1H)、4.45(m、1H)、 4.88(m、1H)、7.04−7.22(m、4H)、7.64(br、1H)。e.e. =100%、R=22.9分(chiralpak OJ−H 25*0.46cm、ヘプタン:エタノール=9:1)。(MIM)=457。[α]20=−196°(c=1.01、THF)。
【実施例8】
【0102】
(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式I、R1=CF、R2=R3=R4=H、R5=f)
a.(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
0.408g(1.07mmol)の(−)−(cis)−7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−アミン(実施例6、段階h)から、実施例5の段階kと同様の調製を行い、掲題の化合物(0.486g、95%)を得た。
【0103】
b.(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
(−)−(cis)−N−(7−ブロモ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(0.486g、1.01mmol)、CuCN(0.23g、2.57mmol)及びCuI(0.022g、0.1mmol)から、実施例5の段階lと同様の調製を行い、掲題の化合物(0.397g、92%)を得た。融点262−263℃。H−NMR(600MHz、DMSO)1.59−1.65(m、2H)、1.91−2.03(m、2H)、3.60(m、1H)、3.93(d、J=14.5、1H)、4.40(d、J=11、1H)、4.51(m、1H)、7.04(m、1H)、7.13(d、J=8.7、1H)、7.35(m、1H)、7.48(d、J=10.4、1H)、7.63(d、J=6.4、1H)、9.36(br−d、J=11.0,1H)。e.e.=100%、R=16.5分(chiralpak AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:2−プロパノール=9:1)。(MIM)=423。[α]20=−224°(c=1.08、THF)。
【実施例9】
【0104】
(−)−(cis)−N−(6−クロロ−7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの調製
(式I、R1=CF、R2=Cl、R3=R4=H、R5=F)
(−)−(cis)−N−(7−シアノ−8,14−ジフルオロ−1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(0.245g、0.58mmol)及びNCS(0.08g、0.58mmol)から、実施例3と同様の調製を行った。粗化合物をHPLCにより精製して、掲題の化合物(0.159g、60%)を得た。H−NMR(600MHz、CDCl)1.55(m、1H)、1.73(m、1H)、1.88(m、1H)、2.00(m、1H)、3.29(m、1H)、3.62(d、J=14.5、1H)、4.47(m、2H)、7.06(m、1H)、7.16(d、J=9.2、1H)、2.36(m、1H)、7.68(d、J=10.4、1H)、9.39(br、1H)。e.e.=100%、R=5.9分 (chiralpak AD−H 25*0.46cm、ヘプタン:エタノール=9:1)。(MIM)=457。[α]20=−198°(c=1.0075、THF)。
【実施例10】
【0105】
ラットの生体内での活性
本発明の化合物を経口投与した後の排卵抑制が、成熟周期ラットにおいて調査された。ラットは、1完全周期(4日、発情期から発情期前)に亘って、試験化合物(経口投与)で処置され、卵管内の卵子の数が、次の(予定される)発情期の朝の剖検において、顕微鏡で評価された。ラット1頭あたりの卵子の平均数が計算された。最低有効投与量(minimal active dose:MAD)は、卵子の平均数が、プラセボによって処置されたラットよりも60%低いレベルと定義される。
【0106】
表1から明白なように、本発明の化合物は、生体内においてより高い活性を有している。予想外なことに及び驚くべきことに、7−シアノ置換基と8−フルオロ置換基との特定の組み合わせにより、置換パターンにわずかな違いしかない関連化合物(7−シアノを有するが、8位にフッ素を有さない化合物又は8−フルオロ置換基を有するが、7位にシアノ置換基を有していない化合物又は7位及び8位以外の位置においてシアノ置換基とフルオロ置換基を合わせ持つ化合物等)の活性プロファイルよりも優れた活性プロファイルが得られる。
【0107】
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化6】

の(cis)−8−フルオロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン−1−アミン化合物(式中、R1は(1−4C)アルキルであり、場合によって、1つ以上のハロゲン原子によって置換され、R2は、H、ハロゲン、(1−6C)アルキル及びCNから成る群から選択され、R3、R4及びR5は、それぞれ独立してH又はFである。)。
【請求項2】
R2はHであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R2はClであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R2はCNであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R3はHであり、R4はHであり、R5はHであることを特徴とする、請求項1から4に記載の化合物。
【請求項6】
R3はFであり、R4及びR5はHであることを特徴とする、請求項1から4に記載の化合物。
【請求項7】
R4はFであり、R3及びR5はHであることを特徴とする、請求項1から4に記載の化合物。
【請求項8】
R5はFであり、R3及びR4はHであることを特徴とする、請求項1から4に記載の化合物。
【請求項9】
R1はCFであることを特徴とする、請求項1から8に記載の化合物。
【請求項10】
R1はCHであることを特徴とする、請求項1から8に記載の化合物。
【請求項11】
R1はCFであり、R2、R3、R4及びR5のそれぞれがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R1はCFであり、R2はClであり、R3、R4及びR5のそれぞれがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R1はCFであり、R2、R3及びR4のそれぞれがHであり、R5はFである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
R1はCFであり、R2はClであり、R3及びR4は共にHであり、R5はFである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
左旋性である、請求項1から14に記載の化合物。
【請求項16】
治療において使用するための、請求項1から15のいずれか1項に記載に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物及び避妊において許容される担体を包含している避妊組成物。
【請求項18】
請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を包含している医薬組成物。
【請求項19】
ホルモン補充療法のための、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
婦人科疾患の治療のための、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
薬剤の製造のための、請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
避妊薬の製造のための、請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
前記薬剤は、ホルモン補充療法のためのものである又は婦人科疾患の治療のためのものである、請求項21に記載の使用。
【請求項24】
避妊に有効な量の請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物を、それを必要としている被験体に投与することを包含している避妊方法。
【請求項25】
薬学的に有効な量の請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物を、それを必要としている被験体に投与することを包含しているホルモン補充治療の方法。
【請求項26】
薬学的に有効な量の請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物を、それを必要としている被験体に投与することを包含している、婦人科疾患の治療方法。
【請求項27】
式II
【化7】

の(cis)−8−フルオロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d]オキサゼピン−1−アミン化合物(式中、R1は(1−4C)アルキルであり、場合によって、1つ以上のハロゲン原子によって置換され、R2はHであり、R3、R4、R5は、それぞれ独立してH又はFである。)。
【請求項28】
請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物の製造のための、請求項27に記載の化合物の使用。
【請求項29】
式IIの化合物を式Iの化合物に転換することによる、式Iの化合物の製造方法。

【公表番号】特表2010−504943(P2010−504943A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529699(P2009−529699)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060225
【国際公開番号】WO2008/037746
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】