説明

ピルフェニドン療法およびシトクロムP450のインデューサー

【課題】本発明は、ピルフェニドンとCYPインデューサー(例えば、喫煙)との有害な薬物間相互作用を回避することを伴う方法の提供。
【解決手段】本発明は、一般的に、ピルフェニドン療法を必要とする患者へピルフェニドンを投与する改善された方法、ならびにピルフェニドンの医薬、容器、パッケージおよびキットを調製または包装する方法に関する。局面または実施形態のうちのいずれかにおいて、上記患者は特発性肺線維症(IPF)を有し得、そして上記医薬はIPFの処置のためのものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)タンパク質のインデューサーを回避することによる、ピルフェニドンの増大した有効性を伴う、ピルフェニドン療法を施す改善された方法に関する。より具体的には、本発明は、CYP1A2のインデューサーを回避することを伴う、ピルフェニドン療法を施す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ピルフェニドンは小型の薬物分子であり、その化学名は、5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンである。ピルフェニドンは、185.23ダルトンの分子量を有する、ペプチドではない合成分子である。その化学的な構成要素はC1211NOと表現され、その構造および合成は公知である。ピルフェニドンは商業的に製造され、広域スペクトル(broad−spectrum)の抗線維症薬物(anti−fibrotic drug)として臨床的に評価されている。ピルフェニドンは、以下を介する抗線維症特性(anti−fibrotic property)を有する:減少したTGF−β発現、減少したTNF−α発現、減少したPDGF発現、および減少したコラーゲン発現。
【0003】
ピルフェニドンは、ヘルマンスキー−パドラック症候群(HPS)関連肺線維症および特発性肺線維症(IPF)などのような線維症状態に罹患した患者への治療上の利益について研究されている。ピルフェニドンはまた、損傷した組織に関連した線維症に見出される過剰な瘢痕組織(肺、皮膚、関節、腎臓、前立腺および肝臓のものを含む)を予防または除去する薬理学的な能力について研究されている。公開または非公開の基礎研究および臨床研究は、ピルフェニドンが、線維症の病変の進行性の拡大を安全に遅延させるかまたはそれを抑制し得、組織の損傷後の新たな線維症の病変の形成を予防し得ることを示唆している。
【0004】
研究での薬物として、ピルフェニドンは、主に経口投与のための錠剤形態およびカプセル剤形態で提供される。種々の処方物が、臨床試験および他の研究および実験で試験され、そして採用されてきた。ピルフェニドン療法と関連した最も一般的な(>10%)有害な反応または事象は、悪心、発疹、消化不良、めまい感、嘔吐および羞明反応、ならびに食欲不振である。これらの影響の多くは、毎日の活動および生活の質を妨害し得る。これらの影響は、用量に関連するようである。ピルフェニドン療法に関連した有害反応は、ピルフェニドンをより多い用量で投与したときに悪化される。患者に対するピルフェニドン療法の効果を決定するために実行された研究に比べると、他の治療薬と組み合わせて使用した場合のピルフェニドンの影響については比較的にわずかしか知られていなかった。
【0005】
ピルフェニドンは、種々のアイソフォームのシトクロムP450(CYP)タンパク質によって代謝されることが示されている[2008年9月16日、Ministry of Health Labour and WelfareのPharmaceutical and Food Safety Bureau、Evaluation and
Licensing Divisionの審議結果についての報告書を参照のこと]。特に、数種のシトクロムP450(CYP)アイソフォーム(CYP1A2、2C9、2C19、2D6および2E1)は、ピルフェニドンの酸化代謝の最も初期の段階に関与している。
【0006】
喫煙する患者におけるCYPの活性は、その喫煙しない対応する患者よりも有意に増大す
る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
要旨
本明細書に開示された本発明は、ピルフェニドンを摂取し、喫煙もする患者における有害反応(低減したピルフェニドン曝露)の発見に基づく。
【0008】
本発明は、一般的に、ピルフェニドン療法を必要とする患者へピルフェニドンを投与する改善された方法、ならびにピルフェニドンの医薬、容器、パッケージおよびキットを調製または包装する方法に関する。局面または実施形態のうちのいずれかにおいて、上記患者は特発性肺線維症(IPF)を有し得、そして上記医薬はIPFの処置のためのものである。局面または実施形態のうちのいずれかにおいて、投与されるピルフェニドンの治療上有効な量は、1日あたり少なくとも1800mgまたは2400mgまたは2403mgの1日投薬量(daily dosage)であり得る。本発明の局面のいずれかにおいて、上記1日投薬量は、1日3回、または1日2回、分割量で投与され得るか、あるいは代替的に、1日1回、単回用量で投与される。本発明の局面のいずれかにおいて、上記ピルフェニドンは、食物とともに投与され得る。例えば、1日あたり2400mgまたは2403mgピルフェニドンの1日投薬量は、以下のように投与され得る:食物とともに、1日3回800mgまたは801mgを摂取。
【0009】
一部の局面において、本発明は、ピルフェニドン療法を必要とする患者(例えば、IPFを有する患者)にピルフェニドン療法を施す方法を提供し、この方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、およびピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)のインデューサー(「CYPインデューサー」)の使用または投与を回避する工程を伴う。一部の場合において、このCYPインデューサーの使用または投与は、ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間の間、回避される。種々の場合において、ピルフェニドンを代謝するCYPは、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)である。一部の実施形態において、このCYPインデューサーは、強力なCYP1A2インデューサーである。CYP1A2活性の阻害は、タバコを吸うこと(cigarette smoking)、食事上の要因(dietary factor)、数種の薬物、慢性肝炎ならびにポリ臭素化ビフェニルおよび2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシンへの曝露の結果として報告された。Landiら、IARC Sci Publ.1999;(148):173−95。喫煙に加えて、または喫煙に代わるものにおいて、停止または回避されるべきCYPインデューサーは、カルバマゼピン、エソメプラゾール(esomeprazole)、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール(lansprazole)、モリシジン(moricizine)、オメプラゾール、リファンピンおよびリトナビル(ritonavir)からなる群より選択され得る。停止または回避されるべきCYPインデューサーは、さらにまたは代替的に、炭火で焼いた食物および/またはアブラナ科の野菜であり得る。停止または回避されるべきCYPインデューサーは、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドンおよびセイヨウオトギリソウ(St.John’s wort)からなる群よりさらにまたは代替的に選択され得る。
【0010】
他の局面において、本発明は、ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法を提供し、この方法は、有害な薬物間相互作用を回避するために(または、例えば、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために)、ピルフェニドンを代謝するCYPのインデューサー(例えば、強力なCYP1A2インデューサー)の使用または投与を停止する工程、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者は、ピルフェニドンの投与を開始するのと同時にこのCYPインデューサーの使用または投与を停止する。別の実施形態において、このCYPインデューサーの使用または投与は、ピルフェニドン療法の開始に先立つ、またはピルフェニドン療法の開始後の少なくとも3日〜4週間以内に停止される。この期間は、例えば、有害な影響なく漸次的減少および使用中止に適切な時間を、このような漸次的減少がこのCYPインデューサーに有用な場合に、可能にし得る。一例において、IPFを有する患者へ治療上有効な量のピルフェニドンを投与する方法において、本発明は、ピルフェニドンを代謝するCYPインデューサーの投与を回避または停止すること、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与することを含む改善を提供する。一部の実施形態において、この患者が喫煙者である(例えば、喫煙をやめていない)場合、この患者は、ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間の間、喫煙を回避する。
【0011】
一部の実施形態において、上記患者は、喫煙を停止している喫煙者である。種々の実施形態において、上記方法または使用は、この喫煙者である患者にニコチン置換療法または他の禁煙治療を施すことをさらに含む。このニコチン置換療法は、ニコチンパッチ、ニコチンガム、ニコチンロゼンジ(nicotine lozenge)、ニコチン鼻スプレー(nicotine nasal spray)およびニコチン吸入器のうちの1つ以上を含み得る。この方法は、塩酸ブプロピオン(buproprion hydrochloride)(Zyban(登録商標))またはバレニクリン(varenciline)(Chantix(登録商標))を投与することを、さらにまたは代替的に含み得る。
【0012】
したがって、本発明の一局面は、ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンを提供し、この処置することは、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用(concomitant use)または共投与(co−administration)を回避するか、停止するか、またはそれに対して禁忌を示すことを含むことを特徴とする。ピルフェニドンへの低減した(減少した)曝露またはピルフェニドンへの曝露が低減される可能性を回避するために、この随伴使用または共投与を回避するか、停止するか、またはそれに対して禁忌を示す。付随して喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与は、喫煙しない患者と比較して、平均でピルフェニドン曝露(AUCo−∞)において約50%の減少をもたらす。処置の方法に関して本明細書に記載の局面または実施形態または実施例のいずれかが、患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンを提供する本発明のこの局面にあてはまることが理解される。例えば、この患者は、IPFを有する患者であり得、そして投与される治療上有効な量は、1日あたり少なくとも1800mg、または2400mg、または2403mgであり得る。別の例として、この強力なCYP1A2インデューサーは、当該分野で公知の任意のもの、または本明細書に記載の強力なCYP1A2インデューサーのいずれかであり得る。
【0013】
同様に、本発明のさらなる関連した局面は、ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置するための医薬の製造におけるピルフェニドンの使用を提供し、この処置することは、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避するか、停止するか、またはそれに対して禁忌を示すことを含むことを特徴とする。処置の方法に関して本明細書に記載の局面または実施形態または実施例のいずれかが、医薬の製造におけるピルフェニドンの使用を提供する本発明のこの局面にあてはまることが理解される。例えば、この患者は、IPFを有する患者であり得、そして投与される治療上有効な量は、1日あたり少なくとも1800mg、またはより具体的には2400mgまたは2403mgであり得る。別の例として、この強力なCYP1A2インデューサーは、当該分野で公知の任意のもの、または本明細書に記載の強力なCYP1A2インデューサーのいずれかであり得る。
【0014】
本明細書で使用される場合、「随伴使用」は、同時投与または共投与と交換可能であることが理解される。したがって、上記2つの薬剤が、これらの両方の薬剤が同時に身体に影響することを可能にする様式で与えられる限り、この用語は、同じ経路または異なる経路による、同時での投与または異なる時間での投与を包含することが理解される。例えば、随伴使用は、同じ適応症のためであろうと異なる適応症のためであろうと、同じ医師によって処方されようと異なる医師によって処方されようと、随伴して施される薬物適用(medication)をいい得る。
【0015】
一部の実施形態において、上記患者は、CYP1A2インデューサー(例えば、強力なCYP1A2インデューサー)での治療を必要とする患者である。一部の実施形態において、この患者は、過去に喫煙者であったか、または喫煙者である患者である。一部の実施形態において、この患者は、ピルフェニドンの投与を開始する直前に、喫煙者であった患者である。一部の実施形態において、ピルフェニドン療法を必要とする患者は、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避している患者である。一部の実施形態において、この患者は、過去に喫煙者であったか、または喫煙者である患者であり、この患者は、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避している。一部の実施形態において、ピルフェニドン療法を必要とする患者は、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、喫煙を停止している喫煙者である。例示的な実施形態において、この患者は、ピルフェニドンの投与に先立つ4週間以内に、またはピルフェニドンの投与の開始と同時に喫煙を停止する。処置の方法に関して本明細書に記載される局面または実施形態または実施例のいずれかが、ピルフェニドンで処置されるべき患者の特徴付けを提供する、本発明のこの局面にあてはまることが理解される。
【0016】
なお他の局面において、ピルフェニドンを必要とする患者へピルフェニドン療法を施す方法は、治療上有効な量のピルフェニドンをこの患者に投与する工程、および以下のうちの任意の1つ、2つ、3つ以上を行う工程を包含する:
(a)ピルフェニドンを代謝するCYPインデューサーを回避もしくは停止すべきこと、またはピルフェニドンを代謝するCYPのインデューサーは禁忌であることをこの患者に勧告すること;
(b)喫煙を回避または停止すべきことをこの患者に勧告すること;
(c)ピルフェニドンとピルフェニドンを代謝するCYPインデューサーとの共投与がピルフェニドンの治療効果を変更し得ることをこの患者に勧告すること;
(d)喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことをこの患者に勧告すること;ならびに
(e)喫煙がCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、喫煙が減少したピルフェニドン曝露をもたらし得ることをこの患者に勧告すること。
【0017】
喫煙する患者のために、上記方法はさらに、この患者に喫煙の代わりにニコチン置換療法を考慮に入れるよう勧告する工程、および/またはピルフェニドンでの処置の前に、喫煙を止めるようにこの患者を励ます工程を包含し得る。
【0018】
一部の実施形態において、患者におけるピルフェニドン処置の毒性を低減する方法が提供され、この方法は、治療上有効な量のピルフェニドンをこの患者に投与する工程、および上記勧告のいずれかをこの患者に通知する(advise)工程を包含する。
【0019】
一部の実施形態において、患者におけるピルフェニドン処置の安全性を改善する方法が提供され、この方法は、治療上有効な量のピルフェニドンをこの患者に投与する工程、および上記勧告のいずれかをこの患者に通知する工程を包含する。
【0020】
一部の実施形態において、(例えば、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するため
に)患者におけるピルフェニドン処置との有害な薬物間相互作用を低減する方法が提供さ
れ、この方法は、治療上有効な量のピルフェニドンをこの患者に投与する工程、および上記勧告のいずれかをこの患者に通知する工程を包含する。
【0021】
したがって、一部の実施形態において、以下のために、強力なCYP1A2インデューサーの随伴使用または共投与を回避するか、停止するか、またはそれに対して禁忌を示す:
(a)ピルフェニドンの治療効果が変更される可能性を回避する、および/または
(b)低減した曝露もしくは曝露が低減される可能性を回避する、および/または
(c)ピルフェニドン処置の毒性を低減する、および/または
(d)ピルフェニドン処置の安全性を改善する、および/または
(e)ピルフェニドン処置に関連する有害な薬物間相互作用を低減する。
【0022】
一部の実施形態において、喫煙しない患者と比較してピルフェニドン曝露における50%の減少を回避するために、喫煙を回避するか、停止するか、またはそれに対して禁忌を示す。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンであって、該処置することが、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避または停止することを含むことを特徴とする、ピルフェニドン。
(項目2)
ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置するための医薬の製造におけるピルフェニドンの使用であって、該処置が、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避または停止することを含むことを特徴とする、使用。
(項目3)
ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、該方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを該患者に投与する工程、およびピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーを回避または停止する工程を包含する、方法。
(項目4)
シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避することを含む、項目1〜3のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目5)
ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、ピルフェニドン療法の開始の前にまたはそれと同時にシトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーを停止することを含む、項目1〜3のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目6)
前記患者が、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、喫煙を停止している喫煙者である、項目1〜3のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目7)
前記患者が、前記ピルフェニドンの投与の前の4週間以内に喫煙を停止している、項目6に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目8)
前記患者が、前記ピルフェニドンの投与の開始と同時に喫煙を停止している、項目7に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目9)
前記患者が喫煙者であり、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避する、項目1〜3のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目10)
前記CYP1A2のインデューサーがリファンピンである、項目1〜5のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目11)
前記患者が特発性肺線維症を有する、項目1〜10のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目12)
前記患者が、肺線維症、特発性肺線維症、特発性間質性肺炎、自己免疫肺疾患、良性前立腺肥大、冠状梗塞もしくは心筋梗塞、心房細動、脳梗塞、心筋線維症、筋骨格線維症、術後癒着、肝硬変、腎臓線維症性疾患、線維症性血管疾患、強皮症、ヘルマンスキー−パドラック症候群、神経線維腫症、アルツハイマー病、糖尿病性網膜症、または皮膚の病変、HIVと関連したリンパ節線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性肺線維症、関節リウマチ;リウマチ様脊椎炎;変形性関節症;痛風、他の関節炎状態;敗血症;敗血症性ショック;内毒素性ショック;グラム陰性敗血症;トキシックショック症候群;筋筋膜疼痛症候群(MPS);細菌性赤痢;喘息;成人呼吸促進症候群;炎症性腸疾患;クローン病;乾癬;湿疹;潰瘍性大腸炎;糸球体腎炎;強皮症;慢性甲状腺炎;グレーヴズ病;オーモンド病;自己免疫胃炎;重症筋無力症;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性好中球減少症;血小板減少症;膵臓線維症;肝臓線維症を含む慢性活動性肝炎;急性腎臓疾患もしくは慢性腎臓疾患;腎臓線維症;糖尿病性腎症;過敏性腸症候群;発熱;再狭窄;脳マラリア;発作もしくは虚血性傷害;神経性外傷;アルツハイマー病;ハンチントン病;パーキンソン病;急性疼痛もしくは慢性疼痛;アレルギー性鼻炎もしくはアレルギー性結膜炎を含むアレルギー;心肥大、慢性心不全;急性冠動脈症候群;悪液質;マラリア;ハンセン病;リーシュマニア症;ライム病;ライター症候群;急性滑膜炎;筋肉の変性、滑液包炎;腱炎;腱滑膜炎;脱出した、破裂したまたは脱した椎間板症候群;大理石骨病;血栓症;珪肺症;肺サルコーシス;骨粗しょう症もしくは多発性骨髄腫関連骨障害のような骨吸収疾患;転移性の乳房の癌腫、結腸直腸の癌腫、悪性黒色腫、胃癌もしくは非小細胞肺癌を含むがこれらに限定されない癌;対宿主性移植片反応;または多発性硬化症、狼瘡もしくは線維筋痛症のような自己免疫疾患;AIDSあるいは帯状疱疹、I型単純疱疹もしくはII型単純疱疹、インフルエンザウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)またはサイトメガロウイルスのような他のウイルス性疾患;あるいは真性糖尿病、増殖障害(良性の過形成または悪性の過形成の両方を含む)、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、カポージ肉腫、転移性黒色腫、多発性骨髄腫、転移性の乳房の癌腫を含む乳癌;結腸直腸の癌腫;悪性黒色腫;胃癌;非小細胞肺癌(NSCLC);骨転移;神経筋の疼痛、頭痛、癌性疼痛、歯痛もしくは関節炎の疼痛を含む疼痛障害;固形腫瘍の新脈管形成、眼の新生血管形成もしくは乳児期の血管腫を含む脈管形成障害;プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2に関連する状態(水腫、発熱、痛覚脱失または疼痛を含む)を含むシクロオキシゲナーゼシグナリング経路もしくはリポキシゲナーゼシグナリング経路に関連する状態;臓器の低酸素症;トロンビン誘発性血小板凝集;あるいは原虫感染症から選択される疾患に罹患している、項目1〜11のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目13)
前記ピルフェニドンが、少なくとも1800mgの総1日投薬量で投与される、項目1〜12のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目14)
前記ピルフェニドンが、2400mgまたは2403mgの総1日投薬量で投与される、項目13に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目15)
投与されるピルフェニドンの各用量が801mgである、項目1〜14のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目16)
ピルフェニドンが、1日3回投与される、項目1〜15のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目17)
ピルフェニドンが食物とともに投与される、項目1〜16のいずれか1項に記載のピルフェニドン、使用または方法。
(項目18)
(a)ピルフェニドンであって、必要に応じて容器内にあるピルフェニドン、ならびに(b)シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避または停止することを含み、かつ必要に応じて項目1〜17に記載の実施形態のいずれかにしたがう、パッケージ挿入物、パッケージラベル、使用説明書または他のラベリング
を含むパッケージまたはキット。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、試験日でのAUC0−∞推定値の対称的なドットブロットを示す−円は喫煙者を示し、三角形は非喫煙者を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
ピルフェニドンは、経口で活性な抗線維症剤(anti−fibrotic agent)である。インビトロ実験の結果は、ピルフェニドンが主にCYP1A2によって代謝され(約48%)、複数の他のCYPも同様にそれに寄与している(各々<13%)(すなわち、1A1、2A6、2B6、2C8、2C9、2C18、2C19、2D6、2E1、2J2、3A4、3A5、4A11および4F2)ことを示した。ピルフェニドンの経口投与は、4種の代謝産物、5ヒドロキシメチル−ピルフェニドン、5カルボキシ−ピルフェニドン、4’−ヒドロキシ−ピルフェニドン、および5カルボキシ−ピルフェニドンの5O−アシルグルクロニド代謝産物の形成をもたらす。ヒトにおいて、ピルフェニドンおよび5−カルボキシ−ピルフェニドンのみが血漿中に有意な量で存在し;その他の代謝産物のいずれもPK分析を可能にするのに十分な量で生じない。固有なヒト代謝産物は存在しない。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「治療上有効な量」とは、特定の(identified)疾患または状態を処置、改善もしくは予防するか、または検出可能な治療効果、予防効果もしくは阻害効果を示すのに十分な化合物の量をいう。この効果は、例えば、臨床的な状態の改善または症状の低減によって検出され得る。被験体のための正確な有効量は、被験体の体重、大きさおよび健康;状態の性質および程度;ならびに投与のために選択された治療薬または治療薬の組み合わせに依存する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「ピルフェニドン療法を必要とする」患者は、ピルフェニドンの投与から利益を受ける患者である。この患者は、ピルフェニドン療法が症状を改善するのに有用であり得る、任意の疾患または状態に罹患し得る。このような疾患または状態としては、肺線維症、特発性肺線維症、特発性間質性肺炎、自己免疫肺疾患(autoimmune lung disease)、良性前立腺肥大、冠状梗塞(coronary infarction)もしくは心筋梗塞、心房細動、脳梗塞、心筋線維症(myocardiac fibrosis)、筋骨格線維症(musculoskeletal fibrosis)、術後癒着(post−surgical adhesion)、肝硬変、腎臓線維症性疾患(renal fibrotic disease)、線維症性血管疾患(fibrotic vascular disease)、強皮症、ヘルマンスキー−パドラック症候群、神経線維腫症、アルツハイマー病、糖尿病性網膜症、および/または皮膚の病変、HIVと関連したリンパ節線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性肺線維症、関節リウマチ;リウマチ様脊椎炎;変形性関節症;痛風、他の関節炎状態;敗血症;敗血症性ショック;内毒素性ショック;グラム陰性敗血症(gram−negative sepsis);トキシックショック症候群;筋筋膜疼痛症候群(myofacial pain syndrome)(MPS);細菌性赤痢;喘息;成人呼吸促進症候群;炎症性腸疾患;クローン病;乾癬;湿疹;潰瘍性大腸炎;糸球体腎炎;強皮症;慢性甲状腺炎;グレーヴズ病;オーモンド病;自己免疫胃炎(autoimmune gastritis);重症筋無力症;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性好中球減少症(autoimmune neutropenia);血小板減少症;膵臓線維症;肝臓線維症を含む慢性活動性肝炎;急性腎臓疾患および慢性腎臓疾患;腎臓線維症(renal fibrosis);糖尿病性腎症;過敏性腸症候群;発熱(pyresis);再狭窄;脳マラリア;発作(stroke)および虚血性傷害;神経性外傷(neural trauma);アルツハイマー病;ハンチントン病;パーキンソン病;急性疼痛および慢性疼痛;アレルギー性鼻炎およびアレルギー性結膜炎を含むアレルギー;心肥大、慢性心不全;急性冠動脈症候群(acute coronary syndrome);悪液質;マラリア;ハンセン病;リーシュマニア症;ライム病;ライター症候群;急性滑膜炎(acute synoviitis);筋肉の変性(muscle degeneration)、滑液包炎;腱炎;腱滑膜炎(tenosynoviitis);脱出した、破裂したまたは脱した椎間円板の症候群(herniated,ruptured,or prolapsed intervertebral disk syndrome);大理石骨病;血栓症;珪肺症;肺サルコーシス(pulmonary sarcosis);骨粗しょう症もしくは多発性骨髄腫関連骨障害のような骨吸収疾患;転移性の乳房の癌腫(metastatic breast carcinoma)、結腸直腸の癌腫(colorectal carcinoma)、悪性黒色腫、胃癌(gastric cancer)および非小細胞肺癌が挙げられるが、これらに限定されない癌;対宿主性移植片反応;ならびに多発性硬化症、狼瘡および線維筋痛症のような自己免疫疾患;AIDSならびに帯状疱疹、I型単純疱疹もしくはII型単純疱疹、インフルエンザウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)およびサイトメガロウイルスのような他のウイルス性疾患;ならびに真性糖尿病が挙げられる。さらに、これらの実施形態の方法は、増殖障害(良性の過形成および悪性の過形成の両方を含む)(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、カポージ肉腫、転移性黒色腫、多発性骨髄腫、転移性の乳房の癌腫を含む乳癌;結腸直腸の癌腫;悪性黒色腫;胃癌;非小細胞肺癌(NSCLC);骨転移などを含む);神経筋の疼痛、頭痛、癌性疼痛、歯痛および関節炎の疼痛を含む疼痛障害(pain disorder);固形腫瘍の新脈管形成、眼の新生血管形成および乳児期の血管腫(infantile hemangioma)を含む脈管形成障害;プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2に関連する状態(水腫、発熱、痛覚脱失および疼痛を含む)を含むシクロオキシゲナーゼシグナリング経路およびリポキシゲナーゼシグナリング経路に関連する状態;臓器の低酸素症(organ hypoxia);トロンビン誘発性血小板凝集;原虫感染症(protozoal disease)を処置するために使用され得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「回避する(avoid)」およびその語形は、代替のもの(alternative)として、用語控える(abstain)、やめる(desist)、自粛する(forbear)および差し控える(refrain)ならびにその語形を有することが意図される。本明細書で使用される場合、用語「停止する(discontinue)」およびその語形は、代替のものとして、用語中止する(cease)、止める(stop)、一時停止する(suspend)およびやめる(quit)を有することが意図される。
【0028】
好ましくは、ピルフェニドンを代謝するCYPインデューサーまたはCYP1A2の強力なインデューサーは、ピルフェニドンの血漿AUC値を30%以上減少させるものである。ピルフェニドンを代謝する強力なCYPインデューサー(例えば、CYP1A2の強力なインデューサー)は、好ましくは、ピルフェニドンの血漿AUC値を50%以上減少させるものである。
【0029】
一部の実施形態において、個々の患者におけるピルフェニドンの代謝に対するCYPインデューサーの影響は、患者の身体の表面積(BSA)に基づいて正規化される。BSAは、患者の身長および体重を使用して計算され得る。特定の実施形態において、CYPインデューサーの正規化された影響は、ピルフェニドンのAUC値における少なくとも30%の減少または少なくとも50%の減少である。
【0030】
CYPインデューサー
患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドン、ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置するための医薬の製造におけるピルフェニドンの使用、勧告、警告、停止もしくは下方への用量設定(dose titration downwards)を伴う処置方法、パッケージおよびキット、ならびに/あるいはピルフェニドンを調製または包装する方法を含むが、これらに限定されない本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、このピルフェニドン、使用、方法、パッケージ、キット、勧告、警告、停止または用量設定(dose titration)は、喫煙だけでなく、ピルフェニドンを代謝するCYP(CYP1A2を含む)を誘導する任意の他の活動または薬物にもあてはまり得る。このCYPインデューサーは、炭火で焼いた肉またはアブラナ科の野菜であり得る。さらにまたは代替的に、このCYPインデューサーは、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドンまたはセイヨウオトギリソウのうちの1つ以上であり得る。さらにまたは代替的に、このCYPインデューサーは、カルバマゼピン、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、モリシジン、オメプラゾール、リファンピンまたはリトナビルのうちの1つ以上であり得る。
【0031】
ピルフェニドンとの有害な薬物間相互作用を回避するために(例えば、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために)CYPインデューサーの投与を回避するか、停止するか、またはそれに対して禁忌を示すこと
一部の局面において、本発明は、ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法、またはピルフェニドン療法を必要とする患者(例えば、IPFを有する患者)を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンを提供し、これらは、治療上有効な量のピルフェニドンをこの患者に投与すること、およびピルフェニドンを代謝するCYP(例えば、CYP1A2)インデューサーの使用または投与(例えば、随伴使用または共投与)を回避することを伴う。一部の実施形態において、このCYPインデューサーは、喫煙(例えば、燃えている有機物質(特に、タバコまたはマリファナ)の煙を吸入すること)であり、この喫煙は、このような煙に含まれる多環式芳香族炭化水素の結果としてのものである。
【0032】
他の局面において、本発明は、ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法、またはピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンを提供し、これらは、有害な薬物間相互作用を回避するために(例えば、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために)CYP1A2インデューサーである薬物の投与(例えば、共投与)を停止すること、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与することを含む。
【0033】
一例において、治療上有効な量のピルフェニドンをIPFを有する患者に投与する方法、またはピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンにおいて、本発明は、CYPインデューサーの投与(例えば、随伴使用または共投与)を回避または停止すること、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与することを含む改善を提供する。
【0034】
一部の実施形態において、上記CYPインデューサーは、ピルフェニドンの投与を開始するのと同時に停止される。他の実施形態において、このCYPインデューサーは、ピルフェニドン療法の開始前、少なくとも3日以内に停止される。別の実施形態において、このCYPインデューサーは、ピルフェニドン療法の開始前、最長4週間以内に停止され得る。別の実施形態において、このCYPインデューサーは、ピルフェニドン療法の開始後3日以内、必要に応じてピルフェニドン療法の開始後最長4週間以内に停止される。これらの期間は、例えば、有害な影響なく漸次的減少および使用中止に適切な時間を可能にし得る。
【0035】
有害な薬物間相互作用を回避するために(例えば、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために)、上記CYPインデューサーが停止される実施形態において、このCYPインデューサーは、好ましくは、ピルフェニドン療法の開始前、少なくとも3日以内に停止される。種々の実施形態において、このCYPインデューサーは、ピルフェニドン療法の開始前、少なくとも4日以内、または少なくとも5日以内、または少なくとも6日以内、または少なくとも7日(すなわち、1週間)以内、または少なくとも8日以内、または少なくとも9日以内、または少なくとも10日以内、または少なくとも11日以内、または少なくとも12日以内、または少なくとも13日以内、または少なくとも14日(すなわち、2週間)以内、または少なくとも15日以内、または少なくとも16日以内、または少なくとも17日以内、または少なくとも18日以内、または少なくとも19日以内、または少なくとも20日以内、または少なくとも21日(すなわち、3週間)以内、または少なくとも22日以内、または少なくとも23日以内、または少なくとも24日以内、または少なくとも25日以内、または少なくとも26日以内、または少なくとも27日以内、または少なくとも28日(すなわち、4週間)以内、または少なくとも29日以内、または少なくとも30日以内、または少なくとも1ヶ月以内に停止される。一部の実施形態において、このCYPインデューサーは、ピルフェニドン療法の開始よりも、1ヶ月前もしくはそれより後に、3週間前もしくはそれより後に、2週間前もしくはそれより後に、または1週間前もしくはそれより後に停止される。好ましくは、このCYPインデューサーの漸次的減少および/または使用中止に十分な時間が可能になる。
【0036】
ピルフェニドン療法の前に、上記CYPインデューサーが停止され得ないか、または停止されない実施形態において、このCYPインデューサーは、好ましくは、ピルフェニドン療法の開始後、少なくとも3日以内に停止される。種々の実施形態において、このCYPインデューサーは、ピルフェニドン療法の開始後、少なくとも4日以内、または少なくとも5日以内、または少なくとも6日以内、または少なくとも7日(すなわち、1週間)以内、または少なくとも8日以内、または少なくとも9日以内、または少なくとも10日以内、または少なくとも11日以内、または少なくとも12日以内、または少なくとも13日以内、または少なくとも14日(すなわち、2週間)以内、または少なくとも15日以内、または少なくとも16日以内、または少なくとも17日以内、または少なくとも18日以内、または少なくとも19日以内、または少なくとも20日以内、または少なくとも21日(すなわち、3週間)以内、または少なくとも22日以内、または少なくとも23日以内、または少なくとも24日以内、または少なくとも25日以内、または少なくとも26日以内、または少なくとも27日以内、または少なくとも28日(すなわち、4週間)以内、または少なくとも29日以内、または少なくとも30日以内、または少なくとも1ヶ月以内に停止される。一部の実施形態において、このCYPインデューサーは、ピルフェニドン療法の開始から、1ヶ月後もしくはそれより前に、3週間後もしくはそれより前に、2週間後もしくはそれより前に、または1週間後もしくはそれより前に停止される。
【0037】
有害な薬物間相互作用を回避するために(例えば、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために)、上記患者が喫煙を停止する実施形態において、喫煙は、好ましくは、ピルフェニドン療法の開始前、少なくとも3日以内に停止される。種々の実施形態において、この患者は、ピルフェニドン療法の開始前、少なくとも4日以内、または少なくとも5日以内、または少なくとも6日以内、または少なくとも7日(すなわち、1週間)以内、または少なくとも8日以内、または少なくとも9日以内、または少なくとも10日以内、または少なくとも11日以内、または少なくとも12日以内、または少なくとも13日以内、または少なくとも14日(すなわち、2週間)以内、または少なくとも15日以内、または少なくとも16日以内、または少なくとも17日以内、または少なくとも18日以内、または少なくとも19日以内、または少なくとも20日以内、または少なくとも21日(すなわち、3週間)以内、または少なくとも22日以内、または少なくとも23日以内、または少なくとも24日以内、または少なくとも25日以内、または少なくとも26日以内、または少なくとも27日以内、または少なくとも28日(すなわち、4週間)以内、または少なくとも29日以内、または少なくとも30日以内、または少なくとも1ヶ月以内に喫煙を停止する。一部の実施形態において、この患者は、ピルフェニドン療法の開始よりも、1ヶ月前もしくはそれより後に、3週間前もしくはそれより後に、2週間前もしくはそれより後に、または1週間前もしくはそれより後に喫煙を停止する。好ましくは、喫煙の漸次的減少および/または使用中止に十分な時間が可能になる。
【0038】
ピルフェニドン療法の前に、上記患者が喫煙を停止することができないか、または停止しない実施形態において、喫煙は、好ましくは、ピルフェニドン療法の開始後、少なくとも3日以内に停止される。種々の実施形態において、この患者は、ピルフェニドン療法の開始後、少なくとも4日以内、または少なくとも5日以内、または少なくとも6日以内、または少なくとも7日(すなわち、1週間)以内、または少なくとも8日以内、または少なくとも9日以内、または少なくとも10日以内、または少なくとも11日以内、または少なくとも12日以内、または少なくとも13日以内、または少なくとも14日(すなわち、2週間)以内、または少なくとも15日以内、または少なくとも16日以内、または少なくとも17日以内、または少なくとも18日以内、または少なくとも19日以内、または少なくとも20日以内、または少なくとも21日(すなわち、3週間)以内、または少なくとも22日以内、または少なくとも23日以内、または少なくとも24日以内、または少なくとも25日以内、または少なくとも26日以内、または少なくとも27日以内、または少なくとも28日(すなわち、4週間)以内、または少なくとも29日以内、または少なくとも30日以内、または少なくとも1ヶ月以内に喫煙を停止する。一部の実施形態において、この患者は、ピルフェニドン療法の開始から、1ヶ月後もしくはそれより前に、3週間後もしくはそれより前に、2週間後もしくはそれより前に、または1週間後もしくはそれより前に喫煙を停止する。
【0039】
上記患者は、好ましくは、完全な用量のピルフェニドンがこの患者の身体に実質的に吸収されるのに十分な時間を可能にするために上記CYPインデューサーの使用を回避する。ピルフェニドンは、ヒトにおいて約2〜3時間の血清半減期を有する。したがって、この患者は、好ましくは、例えば、ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間の間、このCYPインデューサーの使用を回避する。また、この患者は、ピルフェニドンの投与から少なくとも3時間、少なくとも3.5時間、少なくとも4時間、少なくとも4.5時間または少なくとも5時間の間、このCYPインデューサーの使用を回避し得る。例えば、この患者が喫煙者である実施形態において、この患者は、ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間、少なくとも3時間、少なくとも3.5時間、少なくとも4時間、少なくとも4.5時間または少なくとも5時間の間、喫煙を回避し得る。同様に、この患者は、好ましくは、ピルフェニドンの使用の前に、このCYPインデューサーの少なくとも1血清半減期、少なくとも2血清半減期、少なくとも3血清半減期または少なくとも4血清半減期の間、このCYPインデューサーの使用を回避する。
【0040】
ピルフェニドン療法と同時に投与するための代替的な薬物または治療を選択すること
一部の局面において、本発明は、ピルフェニドン療法を必要とするならびにCYPインデューサー(例えば、CYP1A2のインデューサー)である薬物での治療を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法を提供し、この方法は、治療上有効な量のピルフェニドンをこの患者に投与する工程、およびCYPインデューサーではない代替的な治療を施す工程を包含する。
【0041】
他の局面において、本発明は、喫煙し、かつピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法を提供し、この方法は、治療上有効な量のピルフェニドンをこの患者に投与する工程、および禁煙治療(stop−smoking therapy)(例えば、ニコチン置換療法)を施す工程を包含する。このニコチン置換療法は、任意のニコチン供給源であり得、これとしては、ニコチンパッチ、ニコチンガム、ニコチンロゼンジ、ニコチン鼻スプレーおよびニコチン吸入器が挙げられ得る。さらにまたは代替的に、この方法は、禁煙を補助するために薬物の投与を含み得る。禁煙薬の非限定的な例としては、塩酸ブプロピオン(Zyban(登録商標))またはバレニクリン(Chantix(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
患者に勧告する、または患者に警告を与えることによってピルフェニドンの投与を改善すること
ピルフェニドン療法を必要とする患者への、治療上有効な量のピルフェニドンの投与は、改善され得る。一部の実施形態において、ピルフェニドンとピルフェニドンを代謝するCYPインデューサーとの共投与が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことがこの患者に勧告される。一部の実施形態において、ピルフェニドンの投与および喫煙が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことがこの患者に勧告される。
【0043】
一部の実施形態において、ピルフェニドンとCYP1A2インデューサーである薬物との共投与が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことがこの患者に勧告される。一部の実施形態において、ピルフェニドンとCYP1A2インデューサーとの共投与が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことがこの患者に勧告される。
【0044】
一部の実施形態において、喫煙する患者におけるピルフェニドンの使用が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことがこの患者に勧告される。一部の実施形態において、喫煙する患者におけるピルフェニドンの使用が、ピルフェニドンへの曝露において50%の減少をもたらすかまたはもたらし得ることがこの患者に勧告される。
【0045】
投薬および用量改変
種々の実施形態において、ピルフェニドンおよびピルフェニドンを代謝するCYP(例えば、CYP1A2)インデューサーを投与する方法が提供され、ここで、患者は、治療上有効な量のこのインデューサー、およびこのインデューサーを摂取していない患者と比較して増加した投薬量のピルフェニドンが投与される。一部の局面において、ピルフェニドンのこのような増加した投薬量は、2400mg/日より多い。例えば、この増加した投薬量は、1日あたり約2670mg、1日あたり約2937mg、1日あたり約3204mg、1日あたり約3471mg、または1日あたり約3738mg(例えば、1日あたり10個、11個、12個、13個または14個のカプセル剤で、ここで各カプセル剤は約267mgである)であるか、またはそれより多い。別の例において、この投薬量は、1日あたり約2400mgまたは約2403mgから1日あたり約4800mgまたは約4806mgまで増加される。一部の実施形態において、この患者は、既にこのCYPインデューサーを投与されている。他の実施形態において、この患者は、既にピルフェニドンを投与されている。関連する実施形態において、このCYPインデューサーの投与に先立って、ピルフェニドンの投薬量を増やす。
【0046】
上記患者が上記CYPインデューサーの使用を回避または停止する実施形態において、好ましくは、投与されるピルフェニドンの量は、少なくとも1800mg、または2400mg/日、または2403mg/日である。ピルフェニドンは、1日あたり約2400mg〜約3800mgまたは約4800mgの総量で投薬され得る。投薬量は、1日にわたって2つまたは3つの用量に分割され得るか、単一の日用量で与えられ得る。開示された方法のために意図される治療薬の毎日の総量(total daily amount)についての具体的な量としては、約2400mg、約2450mg、約2500mg、約2550mg、約2600mg、約2650mg、約2670mg、約2700mg、約2750mg、約2800mg、約2850mg、約2900mg、約2937mg、約2950mg、約3000mg、約3050mg、約3100mg、約3150mg、約3200mg、約3204mg、約3250mg、約3300mg、約3350mg、約3400mg、約3450mg、約3471mg、約3500mg、約3550mg、約3600mg、約3650mg、約3700mg、約3738mg、約3750mgおよび約3800mgが挙げられる。
【0047】
あるいは、投薬量のピルフェニドンは、mg/kgで測定された用量として投与され得る。開示された治療薬の意図されるmg/kg用量としては、約1mg/kg〜約40mg/kgが挙げられる。mg/kgでの用量の具体的な範囲としては、約1mg/kg〜約20mg/kg、約5mg/kg〜約20mg/kg、約10mg/kg〜約20mg/kg、約10mg/kg〜約30mg/kg、および約15mg/kg〜約25mg/kgが挙げられる。用量の他の具体的な範囲としては、約1mg/kg〜約35mg/kgが挙げられる。意図される具体的な用量としては、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約21mg/kg、約22mg/kg、約23mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kgが挙げられる。
【0048】
本明細書に記載される使用または方法の一局面において、投薬量(dosage amount)のピルフェニドンは、食物とともに摂取される。別の局面において、上記患者は、食物とともに投薬量のピルフェニドンを投与するように指示される。
【0049】
一部の実施形態において、ピルフェニドン療法を最適化する方法が提供され、この方法は、患者に投与されるピルフェニドンの投薬量を、この患者に以前に投与された投薬量と比較して上方に用量設定する(titrating)工程を包含し、ここで、この患者へのピルフェニドンを代謝するCYPインデューサーの共投与は、ピルフェニドンへの減少した曝露をもたらさない。一部の実施形態において、この用量は、約100mg/日増加される。他の実施形態において、この用量は、約150mg/日、または約200mg/日、または約250mg/日、または約267mg/日、または約300mg/日、または約350mg/日、または約400mg/日、または約450mg/日、または約500mg/日、または約550mg/日、または約600mg/日、または約650mg/日、または約700mg/日、または約750mg/日、または約800mg/日、または約850mg/日、または約900mg/日、または約950mg/日、または約1000mg/日、または約1050mg/日、または約1100mg/日、または約1150mg/日、または約1200mg/日、または約1250mg/日、または約1300mg/日、または約1350mg/日、または約1400mg/日、または約1450mg/日、または約1500mg/日、または約1600mg/日、または約1650mg/日、または約1700mg/日、または約1750mg/日、または約1800mg/日、または約1850mg/日、または約1900mg/日、または約1950mg/日、または約2000mg/日、または約2050mg/日、または約2100mg/日、または約2150mg/日、または約2200mg/日、または約2250mg/日、または約2300mg/日、または約2350mg/日、または約2400mg/日増加される、またはそれより多く増加される。例えば、この投薬量は、1日あたり約2400mgまたは約2403mgから1日あたり約4800mgまたは約4806mgまで増加される。別の例として、この投薬量は、1日あたり約1800mgから1日あたり約3600mgまで増加される。
【0050】
一部の実施形態において、ピルフェニドン療法を最適化する方法が提供され、この方法は、患者に投与されるピルフェニドンの投薬量を、この患者に以前に投与された投薬量と比較して上方に用量設定する工程を包含し、ここで、この患者へのCYP1A2のインデューサーである薬物の共投与は、ピルフェニドンへの減少した曝露をもたらさない。一部の実施形態において、この用量は、約100mg/日増加される。他の実施形態において、この用量は、約150mg/日、または約200mg/日、または約250mg/日、または約267mg/日、または約300mg/日、または約350mg/日、または約400mg/日、または約450mg/日、または約500mg/日、または約550mg/日、または約600mg/日、または約650mg/日、または約700mg/日、または約750mg/日、または約800mg/日、または約850mg/日、または約900mg/日、または約950mg/日、または約1000mg/日、または約1050mg/日、または約1100mg/日、または約1150mg/日、または約1200mg/日、または約1250mg/日、または約1300mg/日、または約1350mg/日、または約1400mg/日、または約1450mg/日、または約1500mg/日、または約1600mg/日、または約1650mg/日、または約1700mg/日、または約1750mg/日、または約1800mg/日、または約1850mg/日、または約1900mg/日、または約1950mg/日、または約2000mg/日、または約2050mg/日、または約2100mg/日、または約2150mg/日、または約2200mg/日、または約2250mg/日、または約2300mg/日、または約2350mg/日、または約2400mg/日増加される、またはそれより多く増加される。例えば、この投薬量は、1日あたり約2400mgまたは約2403mgから1日あたり約4800mgまたは約4806mgまで増加される。別の例として、この投薬量は、1日あたり約1800mgから1日あたり約3600mgまで増加される。
【0051】
一部の実施形態において、ピルフェニドン療法を最適化する方法が提供され、この方法は、患者に投与されるピルフェニドンの投薬量を、この患者に以前に投与された投薬量と比較して上方に用量設定する工程を包含し、ここで、この患者へのCYP1A2インデューサーの共投与は、ピルフェニドンへの減少した曝露をもたらさない。一部の実施形態において、この用量は、約100mg/日増加される。他の実施形態において、この用量は、約150mg/日、または約200mg/日、または約250mg/日、または約267mg/日、または約300mg/日、または約350mg/日、または約400mg/日、または約450mg/日、または約500mg/日、または約550mg/日、または約600mg/日、または約650mg/日、または約700mg/日、または約750mg/日、または約800mg/日、または約850mg/日、または約900mg/日、または約950mg/日、または約1000mg/日、または約1050mg/日、または約1100mg/日、または約1150mg/日、または約1200mg/日、または約1250mg/日、または約1300mg/日、または約1350mg/日、または約1400mg/日、または約1450mg/日、または約1500mg/日、または約1600mg/日、または約1650mg/日、または約1700mg/日、または約1750mg/日、または約1800mg/日、または約1850mg/日、または約1900mg/日、または約1950mg/日、または約2000mg/日、または約2050mg/日、または約2100mg/日、または約2150mg/日、または約2200mg/日、または約2250mg/日、または約2300mg/日、または約2350mg/日、または約2400mg/日増加される、またはそれより多く増加される。例えば、この投薬量は、1日あたり約2400mgまたは約2403mgから1日あたり約4800mgまたは約4806mgまで増加される。別の例として、この投薬量は、1日あたり約1800mgから1日あたり約3600mgまで増加される。
【0052】
パッケージ、キット、包装する方法および送達する方法
別の局面において、パッケージまたはキットが提供され、このパッケージまたはキットは、ピルフェニドンであって、必要に応じて容器内にあるピルフェニドン、および以下の情報または勧告のうちの任意の1つ、2つ、3つ以上を含むパッケージ挿入物(package insert)、パッケージラベル、使用説明書または他のラベリングを含む:
(a)ピルフェニドンを代謝する強力なCYPインデューサーを回避もしくは停止すべきことをこの患者に勧告すること;
(b)喫煙を回避または停止すべきことをこの患者に勧告すること;
(c)ピルフェニドンとピルフェニドンを代謝するCYPインデューサーとの共投与がピルフェニドンの治療効果を変更し得ることをこの患者に勧告すること;
(d)喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことをこの患者に勧告すること;ならびに
(e)喫煙がCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、喫煙が減少したピルフェニドン曝露をもたらし得ることをこの患者に勧告すること。一部の実施形態において、この情報または勧告は、ピルフェニドンとピルフェニドンを代謝するCYPのインデューサーとの共投与が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことを含み得る。他の実施形態において、この情報または勧告は、喫煙する患者へのピルフェニドンの投与が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことを含み得る。他の実施形態において、この情報または勧告は、ピルフェニドンとCYP1A2インデューサーとの共投与が、ピルフェニドンの治療効果プロファイルまたは有害反応プロファイルを変更し得る(例えば、ピルフェニドンへの曝露を低減し得る)ことを含み得る。
【0053】
他の実施形態において、上記情報または勧告は、CYP1A2インデューサーである薬物を回避すべきことを含み得る。他の実施形態において、この情報または勧告は、CYP1A2インデューサーである薬物を停止すべきことを含み得る。ピルフェニドンの製造者、配布者、または販売者によるこのような回避および/または停止が禁忌であり得ることが理解される。他の実施形態において、この情報または勧告は、CYP1A2インデューサーである薬物を警告をもって使用すべきことを含み得る。なお他の実施形態において、この情報または勧告は、先に記載されたような、患者に投与されるピルフェニドンの投薬量を、この患者に以前に投与された投薬量と比較して上方に用量設定するためのレジメンのいずれかであり得る。
【0054】
上記パッケージ挿入物、パッケージラベル、使用説明書または他のラベリングは、例えば、1日あたり少なくとも1800mgまたは2400mgまたは2403mgの投薬量でピルフェニドンを投与することによって、IPFを処置するための指示をさらに含み得る。
【0055】
関連する局面において、本発明は、ピルフェニドンの医薬を調製または包装する方法を提供し、この方法は、上記の情報または勧告のうちの任意の1つ、2つ、3つ以上を含むパッケージ挿入物またはパッケージラベルまたは使用説明書と一緒に必要に応じて容器内にあるピルフェニドンを包装する工程を包含する。
【0056】
一部の実施形態において、IPFを処置する方法が開示され、この方法は、病院、医師または患者へ、本明細書に開示されたキットのいずれかを提供、販売または送達する工程を包含する。
【0057】
本発明は、本発明の例示的な実施形態を詳述する以下の実施例を参照することによってより完全に理解される。しかしながら、それらは、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。本開示を通しての全ての引用文献は、参考として本明細書に明確に援用される。
【実施例】
【0058】
健康な被験体におけるピルフェニドンの薬物動態および安全性に対するCYP1A2インヒビターおよびCYP1A2インデューサーの影響を決定するために、非盲検の第1相(open−label Phase 1)試験を実行した。
【0059】
試験設計。この試験は、健康な被験体におけるピルフェニドンの薬物動態および安全性に対するCYP1A2阻害およびCYP1A2誘導の影響を調べるように設計された、第1相、非盲検、平行群(parallel−group)試験であった。54人の被験体を、喫煙者である27人の被験体(群1)および非喫煙者である27人の被験体(群2)からなる2つの群に登録した。各群(喫煙者および非喫煙者)は最低9人の女性および9人の男性を含むようにし、各群において等しい数の各々の性が登録されるように試みた。各被験体は、1日目と11日目に単一の801mg用量のピルフェニドンを受容するようにした。フルボキサミンの投薬は2日目に開始し、以下のスケジュールにしたがって最終用量まで用量設定した:
・2日目〜4日目:就寝時にフルボキサミン50mg
・5日目〜7日目:フルボキサミン50mgを、1日2回(朝と就寝時に)
・8日目〜11日目:朝にフルボキサミン50mg、および就寝時に100mg 。
【0060】
全ての薬物動態(PK)分析を、オープンソースソフトウェアプログラムのS ADAPT 1.5.6(Bauerら、AAPS Journal 9(1):E60〜83、2007)に実装されるMonte−Carloパラメトリック期待値最大化(parametric expectation maximization)を使用する、集団PK方法(population PK method)を使用して実行した。この分析についての構造モデルを、予備的な集団PK分析から取得した。この集団PKモデルを、1日目および11日目からのピルフェニドンおよび5カルボキシ−ピルフェニドンの血漿濃度−時間データに、別々にフィッティングさせた。一度、最終的な集団PKモデルを規定したら、AUC0−∞推定値を、血漿PKプロファイルをシミュレートすることによって生成し、日にちの間(フルボキサミン共投与の影響を検定するため)および群の間(喫煙の影響を検定するため)の、統計的に有意な差について比較した。
【0061】
試験の主要エンドポイントとして、1日目と11日目との間の、そして喫煙者と非喫煙者との間のピルフェニドンおよび5カルボキシピルフェニドンのAUC0−∞推定値における差を、有意性に関して検定した。フルボキサミンの影響の分析(すなわち、1日目 対 11日目)を、対になったデータの生物学的同等性についてのFDAの基準(FDA
2003)を使用して分析した。11日目のAUC0−∞ 対 1日目のAUC0−∞の比を、喫煙状態とフルボキサミン共投与との間の相互作用について検定するために使用した。他の被験体の特徴(例えば、身体のサイズまたは年齢)もまた11日目のAUC0−∞ 対 1日目のAUC0−∞の比と関連する場合、これらの共変量の有意性もまた検定した。喫煙者と非喫煙者との、1日目におけるピルフェニドンおよび5−カルボキシ−ピルフェニドンのAUC0−∞における差の有意性を、他の有意な共変量の影響を考慮に入れるために、多変数線形回帰を使用して検定した。
【0062】
薬物動態の結果。この試験に登録した54人の被験体のうち51人を、PK分析に含めた。3人の被験体をPK分析から除いた。なぜなら、彼らが、フルボキサミン投薬レジメンでの適切なコンプライアンスのためのプロトコールによって指定された要件を満たさなかったからである。2人の被験体は、有害事象のために初期にこの試験を中止し、そして1人の被験体は、プロトコールが要求するフルボキサミン用量の73%しか摂取しなかった。51人全員の被験体は、分析に利用可能なPKサンプルの完全な全数(full complement)を有した。各被験体は、各日において2つのプロファイルを有した:1つはピルフェニドンについてのものであり、1つは5カルボキシピルフェニドンについてのものであった。全部で1224個のサンプルが存在した(1日あたり、被験体あたり12個);各サンプルについて、全部で2448の濃度についてピルフェニドンおよび5カルボキシ−ピルフェニドンをアッセイした。
【0063】
集団PK構造モデルを使用して、上記のデータへのロバストフィット(robust fit)を取得した。概して、上記データのフィットは優れていた:個々のプロファイルのうちの98%が0.9超のr値を有し、フィットに系統的偏り(systematic bias)は存在しなかった。
【0064】
試験日によって層化したAUC0−∞のまとめの統計量を、表1に示す。喫煙状態によって特定した、ピルフェニドンおよび5−カルボキシピルフェニドンのAUC0−∞値 対 試験日の対称的なドット密度プロットを図2.7.2−3に示す。フルボキサミンの共投与が、ピルフェニドンのAUC0−∞において有意な増加をもたらした(p<0.00001)。5−カルボキシピルフェニドンのAUC0−∞に対するフルボキサミン共投与の統計的に有意な影響は存在しなかった。
【0065】
【表1】

フルボキサミン前およびフルボキサミン後のCmax推定値において大きな見かけの差も存在した;フルボキサミンの投与後にピルフェニドンのCmaxはより高くなったが、フルボキサミンの投与後に5カルボキシピルフェニドンのCmaxはより低くなった。11日目のCmax 対 1日目のCmaxの比についての平均(95%CI)は、ピルフェニドンについては2.09(1.94〜2.25)であり、5−カルボキシ−ピルフェニドンについては0.369(0.349〜0.390)であった。
【0066】
喫煙状態によって層化した、11日目のAUC0−∞ 対 1日目のAUC0−∞の比のまとめの統計量を表2に示す。喫煙者と非喫煙者との両方はフルボキサミンの共投与によって影響を受けたが、11日目のAUC 対 1日目のAUCの比がより大きいことによって証明されるように、喫煙者は、ピルフェニドンへの曝露がより顕著に増大したようだった。喫煙者と非喫煙者との間のデモグラフィックスにおける不均衡が存在する(喫煙者は、より若く、より重く、そして主に男性である)ことを考慮すると、11日目のピルフェニドンのAUC0−∞ 対 1日目のピルフェニドンのAUC0−∞の比に対する、これらの変数の影響を、多重線形回帰を使用して検定した。逆方向の排除(backward elimination)(除去のためのp値=0.10)を使用して、喫煙状態は、11日目のピルフェニドンのAUC0−∞ 対 1日目のピルフェニドンのAUC0−∞の比についての、唯一の有意な予測因子(predictor)であり;身体のサイズ、性別および年齢は有意ではなかった。
【0067】
【表2】

喫煙状態とピルフェニドンおよび5カルボキシピルフェニドンへの曝露との間の関係性を1日目からのAUC0−∞推定値を使用して調べた。BSAと他の人口統計学的な変数(性別、クレアチニンクリアランス(mL/分)(CLcr)、年齢)との間の高い程度の相関および曝露と身体のサイズとの間の関連性の薬理学的な信頼性(pharmacologic plausibility)に起因して、最初にAUC0−∞を身体の表面積に対して正規化し、その後、多重線形回帰を適用した。喫煙状態は、BSAに対して正規化したピルフェニドンのAUC0−∞における変動性の唯一の有意な予測因子であった。BSAにおける差を考慮した後で、喫煙者が、AUC0−∞において約50%の下落を有すると予測される点において、喫煙状態は顕著な影響を有した。5カルボキシ−ピルフェニドンのAUC0−∞に関しては、唯一の有意な予測因子は年齢およびCLcrであった。
【0068】
まとめると、この試験の設計および実行は、ピルフェニドンの薬物動態に対するCYP1A2阻害および/またはCYP1A2誘導の影響についての、確固としたかつ有益な分析を可能にした。強力なCYPインヒビターであるフルボキサミンの投与は、有意な薬物間相互作用、そして顕著に増大したピルフェニドンへの曝露をもたらした。喫煙者は、おそらく喫煙の誘発性の影響により、(薬物間相互作用の不在下での)有意により低いピルフェニドンへの曝露を経験する可能性が高かった。
【0069】
ピルフェニドンへの曝露(AUC0−∞)が、フルボキサミンでの10日間の投薬の後で、平均で6倍近くになったように、フルボキサミンの共投与は有意な薬物間相互作用をもたらした。被験体はまた、フルボキサミンの投与後にCmaxにおいて平均で2倍の増大を経験した。
【0070】
喫煙する患者へのピルフェニドンの投与は、ピルフェニドンへの曝露(AUCo−∞)において有意な減少をもたらし、そしてそれは、平均で喫煙しない患者におけるピルフェニドンの曝露のおよそ50%の曝露であった。
【0071】
本発明は、種々の実施形態および実施例によって記載されたが、変形および改善が当業者に想到されることが理解される。したがって、特許請求の範囲に現れるような限定のみが、本発明にかけられるべきである。
【0072】
本発明の実施形態の例は、以下を含む:
1.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、およびピルフェニドンを代謝する、シトクロムP450(CYP)の強力なインデューサーの使用または投与を回避する工程を包含する、方法。
【0073】
2.前記CYPの強力なインデューサーが、ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間の間、回避される、パラグラフ1に記載の方法。
【0074】
3.上記患者が喫煙者であり、上記ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間の間、喫煙を回避する、パラグラフ2に記載の方法。
【0075】
4.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、ここで、上記患者は、ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)のインデューサーを受容しており、上記方法は、有害な薬物反応を回避するために、ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)のインデューサーの使用または投与を停止する工程、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与する工程を包含する、方法。
【0076】
5.ピルフェニドンの投与の前に、上記CYPのインデューサーを停止する、パラグラフ4に記載の方法。
【0077】
6.上記ピルフェニドンの投与に先立つ4週間以内に、上記CYPのインデューサーを停止する、パラグラフ5に記載の方法。
【0078】
7.ピルフェニドンの投与と同時に、上記CYPのインデューサーを停止する、パラグラフ4に記載の方法。
【0079】
8.上記患者が喫煙者であり、上記方法が喫煙を停止する工程を包含する、パラグラフ1または4に記載の方法。
【0080】
9.ニコチン置換療法を上記患者に施す工程をさらに包含する、パラグラフ8に記載の方法。
【0081】
10.上記ニコチン置換療法が、ニコチンパッチ、ニコチンガム、ニコチンロゼンジ、ニコチン鼻スプレーおよびニコチン吸入器のうちの1つ以上を含む、パラグラフ9に記載の方法。
【0082】
11.塩酸ブプロピオン(Zyban)またはバレニクリン(Chantix)を上記患者に投与する工程をさらに包含する、パラグラフ8に記載の方法。
【0083】
12.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、および以下のうちの任意の1つ以上を行う工程を包含する、方法:
(a)ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)の強力なインデューサーを回避または停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(b)喫煙を回避または停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(c)ピルフェニドンとピルフェニドンを代謝するCYPのインデューサーとの共投与がピルフェニドンの治療効果を変更し得ることを上記患者に勧告すること;
(d)喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことを上記患者に勧告すること;および
(e)喫煙がCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、喫煙が減少したピルフェニドン曝露をもたらし得ることを上記患者に勧告すること。
【0084】
13.上記患者が喫煙者であり、上記方法が、上記患者に喫煙の代わりにニコチン置換療法を考慮に入れるよう勧告する工程をさらに包含する、パラグラフ12に記載の方法。
【0085】
14.ピルフェニドンでの処置の前に喫煙を止めるように、喫煙する患者を励ます工程をさらに包含する、パラグラフ12〜13のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
15.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が、約2400mgの総日用量である、パラグラフ1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
16.上記ピルフェニドンが、1日3回、約2400mgの総日用量で投与される、パラグラフ1〜15のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
17.上記CYPがCYP1A2を含む、パラグラフ1〜16のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
18.上記患者が特発性肺線維症(IPF)に罹患している、パラグラフ1〜17のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
19.上記ピルフェニドンが、食物とともに共投与される、パラグラフ1〜18のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
20.上記ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)のインデューサーが、カルバマゼピン、炭火で焼いた食物、タバコの煙、アブラナ科の野菜、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、マリファナの煙、モリシジン、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウのうちの1つ以上である、パラグラフ1〜19のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
本発明の実施形態の他の例は、以下を含む:
1A.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、ここで、上記患者は喫煙者であり、上記方法は、有害な薬物反応を回避するために喫煙を停止する工程、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与する工程を包含する、方法。
【0093】
2A.上記患者が、ピルフェニドンの投与に先立つ4週間以内に喫煙を停止する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0094】
3A.上記患者が、ピルフェニドンの投与と同時に喫煙を停止する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0095】
4A.上記方法が、有害な薬物反応を回避するために喫煙を停止する工程を包含し、ここで、上記有害な薬物反応がピルフェニドンへの減少した曝露である、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0096】
5A.喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことを上記患者に勧告する工程をさらに包含する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0097】
6A.上記患者が特発性肺線維症を有する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0098】
7A.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が、1日あたり2400mgまたは2403mgである、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0099】
8A.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、および有害な薬物反応を回避するためにシトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの使用または投与を回避する工程を包含する、方法。
【0100】
9A.上記方法が、有害な薬物反応を回避するために、CYP1A2の強力なインデューサーの使用または投与を回避する工程を包含し、ここで、上記有害な薬物反応はピルフェニドンへの低減した曝露である、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0101】
10A.上記患者が喫煙者であり、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避する、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0102】
11A.上記患者が特発性肺線維症を有する、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0103】
12A.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が1日あたり2400mgまたは2403mgである、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0104】
13A.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、および以下のうちの1つ以上を行う工程を包含する、方法:
(a)シトクロムP450(CYP)(CYP1A2)のインデューサーを回避または停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(b)喫煙が、ピルフェニドンへの減少した曝露をもたらすCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避すべきことを上記患者に勧告すること;
(c)ピルフェニドンでの処置の前に喫煙を停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(d)喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことを上記患者に勧告すること;および
(e)喫煙がCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、喫煙が減少したピルフェニドン曝露をもたらし得ることを上記患者に勧告すること。
【0105】
14A.ピルフェニドンでの処置の前に喫煙を止めるように、喫煙する患者を励ます工程をさらに包含する、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0106】
15A.方策(a)が、CYP1A2の強力なインデューサーを回避または停止すべきことを上記患者に勧告することを含む、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0107】
16A.上記CYP1A2のインデューサーが、カルバマゼピン、炭火で焼いた食物、タバコの煙、アブラナ科の野菜、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、マリファナの煙、モリシジン、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウのうちの1つ以上である、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0108】
17A.上記CYP1A2インデューサーが、カルバマゼピン、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、モリシジン、オメプラゾール、リファンピン、リトナビルおよび喫煙からなる群より選択される、パラグラフ16Aに記載の方法。
【0109】
18A.上記CYP1A2インデューサーが、カルバマゼピン、ランソプラゾール、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウからなる群より選択される、パラグラフ16Aに記載の方法。
【0110】
19A.ピルフェニドン療法を必要とする上記患者が、特発性肺線維症について処置される、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0111】
20A.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が1日あたり2400mgまたは2403mgである、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0112】
本発明の実施形態のなお他の例は、以下を含む:
1B.ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンであって、上記処置することは、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避または停止することを含むことを特徴とする、ピルフェニドン。
【0113】
2B.ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置するための医薬の製造におけるピルフェニドンの使用であって、上記処置することは、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避または停止することを含むことを特徴とする、使用。
【0114】
3B.上記処置することが、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避することを含むことを特徴とする、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0115】
4B.上記患者が、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避している、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0116】
5B.上記患者が、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、喫煙を停止している喫煙者である、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0117】
6B.上記患者が、ピルフェニドンの投与の前の4週間以内に喫煙を停止している、パラグラフ5Bに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0118】
7B.上記患者が、ピルフェニドンの投与の開始と同時に喫煙を停止している、パラグラフ5Bに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0119】
8B.上記患者が喫煙者であり、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避する、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0120】
9B.上記CYP1A2のインデューサーが、カルバマゼピン、炭火で焼いた食物、タバコの煙、アブラナ科の野菜、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、マリファナの煙、モリシジン、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウのうちの1つ以上である、パラグラフ1B〜4Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0121】
10B.上記患者が、肺線維症、特発性肺線維症、特発性間質性肺炎、自己免疫肺疾患、良性前立腺肥大、冠状梗塞もしくは心筋梗塞、心房細動、脳梗塞、心筋線維症、筋骨格線維症、術後癒着、肝硬変、腎臓線維症性疾患、線維症性血管疾患、強皮症、ヘルマンスキー−パドラック症候群、神経線維腫症、アルツハイマー病、糖尿病性網膜症または皮膚の病変、HIVと関連したリンパ節線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性肺線維症、関節リウマチ;リウマチ様脊椎炎;変形性関節症;痛風、他の関節炎状態;敗血症;敗血症性ショック;内毒素性ショック;グラム陰性敗血症;トキシックショック症候群;筋筋膜疼痛症候群(MPS);細菌性赤痢;喘息;成人呼吸促進症候群;炎症性腸疾患;クローン病;乾癬;湿疹;潰瘍性大腸炎;糸球体腎炎;強皮症;慢性甲状腺炎;グレーヴズ病;オーモンド病;自己免疫胃炎;重症筋無力症;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性好中球減少症;血小板減少症;膵臓線維症;肝臓線維症を含む慢性活動性肝炎;急性腎臓疾患もしくは慢性腎臓疾患;腎臓線維症;糖尿病性腎症;過敏性腸症候群;発熱;再狭窄;脳マラリア;発作もしくは虚血性傷害;神経性外傷;アルツハイマー病;ハンチントン病;パーキンソン病;急性疼痛もしくは慢性疼痛;アレルギー性鼻炎もしくはアレルギー性結膜炎を含むアレルギー;心肥大、慢性心不全;急性冠動脈症候群;悪液質;マラリア;ハンセン病;リーシュマニア症;ライム病;ライター症候群;急性滑膜炎;筋肉の変性、滑液包炎;腱炎;腱滑膜炎;脱出した、破裂したまたは脱した椎間板症候群;大理石骨病;血栓症;珪肺症;肺サルコーシス;骨粗しょう症もしくは多発性骨髄腫関連骨障害のような骨吸収疾患;転移性の乳房の癌腫、結腸直腸の癌腫、悪性黒色腫、胃癌もしくは非小細胞肺癌を含むがこれらに限定されない癌;対宿主性移植片反応;または多発性硬化症、狼瘡もしくは線維筋痛症のような自己免疫疾患;AIDSあるいは帯状疱疹、I型単純疱疹もしくはII型単純疱疹、インフルエンザウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)またはサイトメガロウイルスのような他のウイルス性疾患;あるいは真性糖尿病、増殖障害(良性の過形成または悪性の過形成の両方を含む)、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、カポージ肉腫、転移性黒色腫、多発性骨髄腫、転移性の乳房の癌腫を含む乳癌;結腸直腸の癌腫;悪性黒色腫;胃癌;非小細胞肺癌(NSCLC);骨転移;神経筋の疼痛、頭痛、癌性疼痛、歯痛もしくは関節炎の疼痛を含む疼痛障害;固形腫瘍の新脈管形成、眼の新生血管形成もしくは乳児期の血管腫を含む脈管形成障害;プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2に関連する状態(水腫、発熱、痛覚脱失または疼痛を含む)を含むシクロオキシゲナーゼシグナリング経路もしくはリポキシゲナーゼシグナリング経路に関連する状態;臓器の低酸素症;トロンビン誘発性血小板凝集;あるいは原虫感染症から選択される疾患に罹患している、パラグラフ1B〜9Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0122】
11B.上記患者が特発性肺線維症を有する、パラグラフ1B〜10Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0123】
12B.上記ピルフェニドンが、1日あたり2400mgまたは2403mgの総日用量で投与される、パラグラフ1B〜11Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0124】
13B.投与されるピルフェニドンの各用量が801mgである、パラグラフ1B〜12Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0125】
14B.ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンであって、上記処置することが、ピルフェニドンを上記患者に投与すること、およびピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーに対して禁忌を示すか、それを回避または停止することを含む、ピルフェニドン。
【0126】
15B.(a)ピルフェニドンであって、必要に応じて容器内にあるピルフェニドン、ならびに(b)シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与に対して禁忌を示すか、それを回避または停止することを含み、かつ必要に応じてパラグラフ1B〜14Bに記載の実施形態または上記のどこかに記載される実施形態のいずれかにしたがう、パッケージ挿入物、パッケージラベル、使用説明書または他のラベリング
を含むパッケージまたはキット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【公開番号】特開2012−153734(P2012−153734A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−116700(P2012−116700)
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【分割の表示】特願2011−544702(P2011−544702)の分割
【原出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(502191619)インターミューン, インコーポレイテッド (25)
【Fターム(参考)】