説明

ファクシミリネットワークシステム,ファクシミリ送信方法及びプログラム

【課題】IP専用ファクシミリ装置から中継型ファクシミリ装置を介して公衆回線用ファクシミリ装置へ画像データを送信すると共に、このIP専用ファクシミリ装置が確実な中継先を選択するファクシミリネットワークシステムを提供する。
【解決手段】IP専用ファクシミリ装置5が、中継型ファクシミリ装置4を中継先として公衆回線用ファクシミリ装置3へ画像データを送信する際に、中継型ファクシミリ装置4に対してPingを実行し、ネットワーク接続の確認をとれた中継型ファクシミリ装置4に対してデータ送信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のIPネットワーク上のIP専用ファクシミリ装置から中継型ファクシミリ装置を介して公衆回線網上の公衆回線型ファクシミリ装置へ画像データを送信するファクシミリネットワークシステム,ファクシミリ送信方法及びプログラム
に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿書面を読み取って画像データとして送信する機能と画像データを受信して印刷する機能とを有するファクシミリ装置においては、G3(Group3)やG4(Group4)等の規格に準拠した公衆回線用ファクシミリ装置が広く一般に普及している。一方で、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のIPネットワーク内の環境では、インターネットFAXやIPアドレスFAXのように、文字や画像の記されたデータをIPネットワークを介して送受信し、受信側でプリントアウトして出力するIP専用ファクシミリ装置がオフィス等で広く利用されている。
【0003】
IP専用ファクシミリ装置は、公衆回線を利用する公衆回線用ファクシミリ装置と比較して通信コストがかからず、またLAN環境であれば設置も容易であるといったメリットがある。
【0004】
しかし、IP専用ファクシミリ装置を公衆回線用ファクシミリ装置と通信可能にするためには、そのIP専用ファクシミリ装置にG3又はG4ファクシミリの通信機能を追加装備する必要があり、更に、その装置の台数分の通信回線(加入電話回線)を用意する必要があるため、コストの増大やオフィスのレイアウトへの影響が課題となっていた。
【0005】
これを鑑みて、関連技術が特許文献1に開示されている。図8は、特許文献1に開示されたファクシミリネットワークシステムの概要を示した図である。
【0006】
この特許文献1に開示されたファクシミリネットワークシステムでは、LAN等のIPネットワーク網101と、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)102の2つの通信網の間でファクシミリ通信が可能である。PSTN102には、公衆回線型ファクシミリ装置103が接続されている。この公衆回線型ファクシミリ装置103は、PSTNを利用するファクシミリ装置であり、一般にはG3あるいはG4規格のファクシミリ装置が使用されている。IPネットワーク網101に接続されたIP通信型ファクシミリ装置105は、IPネットワーク網101とPSTN102との両方に接続可能なファクシミリ装置104(以下、中継型ファクシミリ装置104とする)を中継させて、公衆回線型ファクシミリ103への画像送信を行うファクシミリ装置である。
【0007】
この関連技術においては、中継型ファクシミリ装置104を数台設置し、IP専用ファクシミリ装置105が、原稿書面を画像ファイル化し電子メールに添付する形で最終宛先となる公衆回線用ファクシミリ装置の電話番号と共に中継型ファクシミリ装置104へ送信する。そして、中継型ファクシミリ装置104が、IP専用ファクシミリ装置105から受信した画像ファイルを公衆回線用のデータに変換後、添付されていた電話番号の公衆回線用ファクシミリ装置103へ送信する。
【0008】
このような通信形態を取ることにより、IPネットワーク上の一部のファクシミリ装置がデータ形式変換機能や公衆回線接続機能などの中継に必要な機能を搭載すれば、IPネットワークと公衆回線といった異なる通信回線に接続されたファクシミリ装置同士のファクシミリ通信が可能になり、通信コストを抑えたり、装置構成をシンプルにすることが可能となる。
【0009】
さらに、特許文献2に別の関連技術が開示されている。この特許文献2に開示されたIP用ファクシミリ装置は、ファクシミリ送信先である公衆回線用ファクシミリ装置の電話番号からその設置地域を特定し、その地域に近い中継先のファクシミリ装置を決定する機能を備えており、これにより、公衆回線の利用料金を軽減している。
【0010】
【特許文献1】特開2005−286630号公報
【特許文献2】特開2000−232552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、IP専用ファクシミリ装置が予め装備したメモリに記憶されている中継型ファクシミリ装置のIPアドレスを読み出してそのIPアドレス宛てに画像データを送信するが、この送信先の中継型ファクシミリ装置が稼動していなかったり、IP網が切断されていた等の場合に、データ送信が不達になってしまう問題が有った。データ送信が不達になった場合には、ユーザが再度ファクシミリ送信手順を実行する必要があり煩わしさを与えてしまっていた。
【0012】
また、特許文献2に開示された技術では、送信元のファクシミリ装置が、選択した中継先の電話番号を読み出して電話をかけて応答があってからデータ送信を行うように構成して、データ不達を回避しているが、これを、LAN内のIP専用ファクシミリ装置からのファクシミリ通信に適用するためには、電話番号を管理する呼制御サーバをLAN内に設けるなど、IP電話のシステムを新たに構築する必要があり、コストがかかってしまう。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を改善し、IP専用ファクシミリ装置から中継型ファクシミリ装置を中継させて公衆回線用ファクシミリ装置へ画像データを送信すると共に、このIP専用ファクシミリ装置から中継型ファクシミリ装置へのデータ送信が不達になることを防止するファクシミリネットワークシステムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明のファクシミリネットワークシステムは、IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置と、公衆回線網及びIPネットワークの両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置とからなり、中継型ファクシミリ装置は、IP専用ファクシミリ装置から受信した画像データに公衆回線網と接続している公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号が付加されていた場合に、この画像データを公衆回線用の信号に変換し当該電話番号を指定して対応する公衆回線型ファクシミリ装置へ送信する中継通信手段を備え、IP専用ファクシミリ装置は、IPネットワーク網を介して相互接続された複数の中継型ファクシミリ装置の各アドレス情報を中継先アドレスとして予め格納した中継先情報格納手段と、ユーザによる操作に基づいて原稿画像の送信指示を宛先情報と共に入力する送信指示入力手段と、この送信指示に応じて原稿を画像データとして読み込む原稿読込手段と、送信指示入力手段が公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を宛先情報とする送信指示を入力した場合に中継先情報格納手段から1つの中継先アドレスを読み出す中継先アドレス読出手段と、この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信してそれに対する応答の有無を監視し応答が無い場合に中継先アドレス読出手段へ別の中継先アドレスを読み出すように指示する接続診断手段と、この接続診断手段によって応答が確認された場合にその中継先アドレスを指定して、上記送信指示に対応して読み込まれた画像データに宛先情報の電話番号を付加して中継型ファクシミリ装置へ送信する画像送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明のIP専用ファクシミリ装置は、IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置であり、IPネットワーク網と公衆回線網との両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置のアドレス情報を中継先アドレスとして予め格納した中継先情報格納手段と、ユーザによる操作に基づいて原稿画像の送信指示を宛先情報と共に入力する送信指示入力手段と、この送信指示に応じて原稿を画像データとして読み込む原稿読込手段と、送信指示入力手段が公衆回線網に接続された公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を宛先情報とする送信指示を入力した場合に中継先情報格納手段から1つの中継先アドレスを読み出す中継先アドレス読出手段と、この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信しそれに対する応答の有無を監視して応答が無い場合に中継先アドレス読出手段へ別の中継先アドレスを読み出すように指示する接続診断手段と、この接続診断手段によって応答が確認された場合にその中継先アドレスを指定して、上記送信指示に応じて読み込まれた画像データに宛先情報の電話番号を付加して中継型ファクシミリ装置へ送信する画像送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のファクシミリ送信方法は、IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置と、IPネットワーク網と公衆回線網との両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置とからなるファクシミリネットワークシステムにあって、IP専用ファクシミリ装置が、ユーザによる操作に基づいて公衆回線網に接続された公衆回線型ファクシミリ装置への原稿画像の送信指示をその宛先である電話番号と共に入力する送信指示入力工程と、この送信指示に応じて原稿を画像データとして読み込む原稿読込工程と、送信指示に対応して予め情報メモリ部に中継先アドレスとして記憶された複数の中継型ファクシミリ装置のアドレス情報のうちの1つを読み出す中継先アドレス読出工程と、この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信しそれに対する応答の有無を監視して応答が無い場合に別の中継先アドレスを情報メモリ部から読み出して接続診断用データを再度送信する接続診断工程と、接続診断工程で応答が確認された場合、その中継先アドレスを指定して、送信指示に対応して読込まれた画像データに電話番号を付加して送信する画像送信工程と、IP専用ファクシミリ装置から電話番号の付加された画像データを受信した中継型ファクシミリ装置が、当該画像データを公衆回線用の信号に変換し当該電話番号を指定して対応する公衆回線型ファクシミリ装置へ送信する中継通信工程とを設けたことを特徴とする。
【0017】
本発明のファクシミリ送信用プログラムは、IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置にあって、ユーザによる操作に基づいて原稿画像の送信指示を宛先情報と共に入力する送信指示入力機能と、この送信指示に応じて読込まれた原稿の画像データを取得する画像データ取得機能と、送信指示機能によって公衆回線網に接続された公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を宛先情報とする画像送信指示が入力された場合にIPネットワーク網と公衆回線網との両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置のアドレス情報のうちの1つを中継先アドレスとしてメモリから読み出す中継先アドレス読出機能と、この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信してそれに対する応答の有無を監視する接続診断機能と、この接続診断機能で応答が確認された場合にその中継先アドレスを指定して、上記送信指示に応じて取得した画像データに電話番号を付加して送信する画像送信機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上のように構成され機能するため、これにより、IP専用ファクシミリ装置は、中継型ファクシミリ装置を中継させて公衆回線用ファクシミリ装置へ画像データを送信する際に、接続診断用データに対する応答があった中継型ファクシミリ装置を選択してデータ送信を行うので、画像データの送信が不達となる可能性を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明における一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本実施形態のファクシミリネットワークシステム10の構成を示す図である。本実施形態のファクシミリネットワークシステム10は、図1に示すように、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のIP(Internet Protocol)ネットワーク網1と、公衆電話交換網(PSTN:Public Switched Telephone Network)等の公衆回線網2との2つの通信網の間でファクシミリ通信が可能なシステムである。公衆回線網2には、従来から一般的に使用されてきた公衆回線型ファクシミリ装置3が接続されている。この公衆回線型ファクシミリ装置3は、公衆回線網2に接続した他のファクシミリ装置と画像データを送受信する機能を備え、G3(Group3)あるいはG4(Group4)規格のファクシミリ装置である。
【0021】
IPネットワーク網1には、IP専用ファクシミリ装置5が接続されている。IP専用ファクシミリ装置5は、原稿の画像データの読み込みや送信および画像データの受信や記録をIPネットワーク網1に接続した他のファクシミリ装置と行う機能を備えている。このIP専用ファクシミリ装置5は、たとえば、IPネットワーク網1を企業内イントラネットとすれば、そのイントラネット内のIP専用ファクシミリ装置5同士で比較的高速に通信することができる。また、公衆回線網2に接続しないので、内部文書の情報が外部に漏洩する恐れも少ない。
【0022】
さらに、本実施形態のファクシミリネットワークシステム10には、IPネットワーク網1と公衆回線網2の双方に接続可能なN台(Nは2以上の自然数)の中継型ファクシミリ装置4が装備されている。この中継型ファクシミリ装置4は、IPネットワーク網1を介してIP専用ファクシミリ装置5又は他の中継型ファクシミリ装置4と通信を行う機能と共に、公衆回線網2を介して公衆回線型ファクシミリ装置3又は他の中継型ファクシミリ装置4と通信を行う機能を備えている。
【0023】
中継型ファクシミリ装置4は、IP専用ファクシミリ装置5から中継要求があると、IP専用ファクシミリ装置5からの画像データを中継して公衆回線型ファクシミリ装置3に転送する機能と、その逆に公衆回線型ファクシミリ装置3から送られてくる画像データを中継してIP専用ファクシミリ装置5に送信する中継通信手段を備えている。
【0024】
中継型ファクシミリ装置4における中継通信手段は、IP専用ファクシミリ装置5から電話番号の付加された画像データを受信した場合に、当該画像データを公衆回線網2用の信号に変換し当該電話番号を指定して対応する公衆回線型ファクシミリ装置3へ送信する機能を備えている。
【0025】
図2は、上述したIP専用ファクシミリ装置5の構成を示す機能ブロック図である。図3は、IP専用ファクシミリ装置5におけるメイン制御部55の構成を示す機能ブロック図である。
【0026】
IP専用ファクシミリ装置5は、IPネットワーク網1としてのLANを構成するLANケーブル11に接続するLANインタフェース部51と、このLANインタフェース部51に受信されたLAN上の他のファクシミリ装置からの画像データを印刷出力するプリンタ部52と、原稿を画像データとして読み込む原稿読込手段としてのスキャナ部53と、操作パネルを有しユーザによる操作パネルの操作に応じて情報を入力する操作受付部54と、プリント等の各種制御を行うメイン制御部55と、送信先の宛先や装置設定等の情報を記憶する情報メモリ部56と、スキャナ部53により読み取られた原稿の画像データを一時的に保存する画データメモリ部57とを備えている。
【0027】
LANケーブル11には、複数の中継型ファクシミリ装置4が接続している。中継型ファクシミリ装置4は、それぞれ公衆回線網2に接続されており、公衆回線網2には公衆回線型ファクシミリ装置3が接続されている。
【0028】
情報メモリ部56は、ワンタッチボタン情報格納部56aと、電話番号格納部56bと、中継先情報格納手段56cとを有している。ワンタッチボタン情報格納部56aは、操作受付手段54が備える操作パネル内のワンタッチボタンに対応付けた情報として、特定の公衆回線型ファクシミリ装置3の電話番号,その電話番号への画像送信時の送信画質や書類読み取りのサイズ等の設定情報を格納している。このワンタッチボタンに対応付けた情報は、ユーザによる操作受付部54の操作に基づいて予め登録される。ユーザは、原稿送信時に宛先や設定などの各情報を指定することなくワンタッチボタン押下のみでそのワンタッチボタンに対応付けた電話番号へ画像データの送信できる。
【0029】
電話番号格納部56bは、ユーザによる操作受付手段54の操作に基づいて、直接入力やワンタッチボタン情報格納部56aから読み出した電話番号を一時的に保存する。中継先情報格納手段56cは、複数の中継型ファクシミリ装置4のIPアドレス及び任意に登録した中継型ファクシミリ装置4の機能内容情報を格納している。この中継型ファクシミリ装置4に関する情報は、ユーザによる操作受付手段54の操作に基づいて入力される情報を登録可能とする。図4は、中継先情報格納手段56cに記憶されたデータの一例を示している。図4に示す例では、3つのIP中継型ファクシミリ装置4のIPアドレス及び設置場所が記録されている。
【0030】
メイン制御部55は、図3に示すように、ユーザによる操作受付手段54の操作に基づいて原稿画像の送信指示を宛先情報と共に入力する送信指示入力手段55aと、送信指示入力手段55aが公衆回線型ファクシミリ装置3の電話番号を宛先情報とする通信指示を入力した場合に前記中継先情報格納手段56cから1つのIPアドレスを読み出す中継先アドレス読出手段55bと、このIPアドレスを指定して接続診断用データを送信しそれに対する応答の有無を監視する接続診断手段55cと、接続診断手段55cによって応答が確認された場合にそのIPアドレスを指定して送信指示に対応してスキャナ部53に読み込まれた原稿の画像データを画データメモリ部から読み出し宛先情報の電話番号を付加して出力する画像送信手段55dとを備えている。
【0031】
本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5のメイン制御部55においては、送信指示入力手段55aが、公衆回線型ファクシミリ装置3の電話番号を宛先情報とした画像送信指示を入力した場合、その電話番号を電話番号格納部56bに格納し、中継先アドレス読出手段55bが、中継先情報格納手段56cから1つのIPアドレスを読み出し、接続診断手段55cが、例えば、ネットワークの接続状況を診断するためのPingを実行して、この読み出されたIPアドレスを指定してICMP(Internet Control Message Protocol)パケットを送信し、TCP/IPのIPレベルで応答を監視し応答が無い場合に中継先アドレス読出手段55bへ別のIPアドレスを読み出すように指示する。応答があった場合に画像送信手段55dが、電話番号格納部56bから電話番号を読み出すと共に、画データメモリ部57から画像データを読み出し、接続診断手段55cによって応答が確認されたIPアドレスを指定して画像データ及び電話番号を中継型ファクシミリ装置4へ送信する。
【0032】
このように本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5は、中継型ファクシミリ装置4を中継させて公衆回線用ファクシミリ装置3へ画像データを送信する際に、ネットワーク接続の確認をとれた中継型ファクシミリ装置4を中継先に選択してデータ送信を行うため、画像データの不達を回避することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5においては、操作受付部54がワンタッチボタンを有する操作パネルを備え、このワンタッチボタンに対応付けた情報として公衆回線型ファクシミリ装置3の電話番号とその電話番号へ画像データを送信する際の各種設定とを含む情報を格納したワンタッチボタン情報格納手段56aとを備えており、メイン制御部55における送信指示入力手段55aが、ユーザによるワンタッチボタンの押下に従ってワンタッチボタン情報格納手段56aから押下されたワンタッチボタンに対応付けられた情報を読み出して画像送信指示とする機能を備えている。
【0034】
このような構成のIP専用ファクシミリ装置5によれば、ユーザは、原稿送信時に各設定情報を指定することなくワンタッチボタン押下のみでそのワンタッチボタンに対応付けた電話番号へ画像データの送信ができる。
【0035】
また、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5においては、メイン制御部55が、ワンタッチボタンの押下に応じて画像送信手段55dによる画像データ送信が完了した場合に、そのデータ送信で指定されたIPアドレスをワンタッチボタン情報格納手段56aに格納されたワンタッチボタン対応情報に追加して登録する学習手段55eを備えており、中継先アドレス読出手段55bが、ワンタッチボタンの押下による画像送信指示に対してワンタッチボタン情報格納手段56aからワンタッチボタンに対応付けられた中継先アドレスを読み出す機能を備えている。
【0036】
これにより、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5は、接続を確立できた中継型ファクシミリ装置4のIPアドレスを、ワンタッチボタンに対応する情報の学習結果として情報メモリ部56のワンタッチボタン情報格納手段56aに記憶し、次に同じワンタッチボタンの押下を受けて画像データの送信を行う場合には、前回接続を確立できた中継型ファクシミリ装置3のIPアドレスを優先的に指定するので、接続診断に失敗することが軽減されて、迅速に中継先を選出することができる。
【0037】
次に、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5の動作について説明する。ここで、以下の動作説明は、本発明のファクシミリ送信方法の実施形態となるので、このファクシミリ送信方法の各工程を対応する動作の記述と共に示す。
【0038】
図5は、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5の動作を示すフローチャートである。図5に示す動作は、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5が公衆回線型ファクシミリ装置へ原稿の画像データを送信する場合について示している。
【0039】
IP専用ファクシミリ装置5では、まず、ユーザによってスキャナ部53に原稿がセットされて、操作受付部54が、ユーザによる操作に基づく画像送信指示を受付ける。メイン制御部55の送信指示入力手段55aが、この送信指示がワンタッチボタンの押下によるものか、送信先となる公衆回線型ファクシミリ装置3の電話番号の直接入力によるものかを判定し(図5のステップS501)、いずれでもなければ、他のIP専用ファクシミリ5又は中継型ファクシミリ装置4を最終宛先とする指示であると判定し、その通信処理を実行する。ワンタッチボタンが押下された場合は事前にワンタッチボタン情報格納部56aに登録された電話番号を読みだして電話番号格納部56bに格納し、電話番号の直接入力を受けた場合はその電話番号を電話番号格納部56bに格納する(図5のステップS502)。
【0040】
続いて、送信指示入力手段55aが、ユーザの操作に応じて送信実行指示を入力するか(図5のステップS503,送信指示入力工程)、あるいは、送信中止指示を入力する(図5のステップS504)。送信実行指示を入力した場合、スキャナ部53がセットされた原稿の読み取りを行う(図5のステップS505)。読み取られた画像データは画データメモリ部57に一時的に記憶される。
【0041】
そして、メイン制御部55における中継先アドレス読出手段55bが、情報メモリ部56の中継先情報格納手段56cに格納されたIPアドレスを1つ読み出す(図5のステップS506,中継先アドレス読出工程)。情報メモリ部56の中継先情報格納手段56cにIPアドレスが1つも登録されていない場合は、送信を中止する(図5のステップS507のNO)。
【0042】
続いて、接続診断手段55cが、中継先アドレス読出手段55bに読み出されたIPアドレスの中継型ファクシミリ装置4に接続可能かを確認する(図5のステップS508,接続診断工程)。接続確認の方法としては、例えば、ネットワークの接続状況を診断するためのPingを実行して、中継型ファクシミリ装置4にICMP(Internet Control Message Protocol)パケットを送信し、TCP/IPのIPレベルで応答を待つ等の方法がある。この接続確認の結果、応答がなければ、何らかの理由によりその中継型ファクシミリ装置4に接続不可能であると判断し、中継先アドレス読出手段55bが情報メモリ部56の中継先情報格納手段56aから別のIPアドレスを読み出して、そのIPアドレスを指定してPingを実行して再度接続確認を行う(図5のステップS509)。全ての中継型ファクシミリ装置4に対して接続できなかった場合は、送信を中止する。
【0043】
接続確認に対する応答があった場合、メイン制御部55が、スキャナ部53が読み込んで画データメモリ部57に記憶されている画像データを読み出してTIFF(Tagged Image File Format)等の形式の画像ファイルを作成する(図5のステップS510)。メイン制御部55における画像送信手段55dが、電子メールにこの画像ファイルを添付して、接続を確認した中継型ファクシミリ装置4へSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を用いて送信する(図5のステップS511,画像送信工程)。このとき、電子メールには、電話番号格納部56bに格納されていた公衆電話型ファクシミリ装置3の電話番号を添付する。この後、メイン制御部55は該当の中継型ファクシミリ装置4からファクシミリの通信結果が受信されるまで待機する(図5のステップS512)。
【0044】
ここで、はじめにワンタッチボタン押下により送信指示されていた場合で、且つ送信相手先の公衆回線型ファクシミリ装置3の機能に関する情報が通信結果に含まれていた場合は、接続した中継型ファクシミリ装置4のIPアドレスをワンタッチボタン情報格納部56aに学習結果として記憶する(図5のステップS514,学習工程)。このように、接続確立した中継型ファクシミリ装置4のIPアドレスをワンタッチボタンに対応付けた情報に登録することで、次に同じワンタッチボタンの使用によりデータ送信を行う際には、そのワンタッチボタンに対応付けた情報に登録されているIPアドレスから優先して指定するよう制御させることが可能である。
【0045】
次に、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5の動作の別の例について説明する。
【0046】
図6及び図7は、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5の動作の別の例を示すフローチャートである。図6及び7に示す動作は、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5が公衆回線型ファクシミリ装置3へ原稿の画像データを送信する場合に、前回のデータ送信で接続を確立できた中継型ファクシミリ装置4のIPアドレスを優先して指定してデータ送信を行う動作である。
【0047】
IP専用ファクシミリ装置5では、まず、ユーザによってスキャナ部53に原稿がセットされて、操作受付部54が、ユーザによるワンタッチボタンの押下か、送信先となる公衆回線型ファクシミリ装置3の電話番号の直接入力を受け付ける(図6のステップS601)。メイン制御部55の送信指示入力手段55aが、ワンタッチボタンが押下された場合は事前にワンタッチボタン情報格納部56aに登録された電話番号を読みだして電話番号格納部56bに格納し、電話番号の直接入力を受けた場合はその電話番号を電話番号格納部56bに格納する(図6のステップS602)。
【0048】
続いて、送信指示入力手段55aが、ユーザの操作に応じて送信実行指示を入力するか(図6のステップS603)、あるいは、送信中止指示を入力する(図6のステップS604)。送信実行指示を入力した場合、スキャナ部53がセットされた原稿の読み取りを行う(図6のステップS605)。読み取られた画像データは画データメモリ部57に一時的に記憶される。
【0049】
続いて、メイン制御部55における送信指示入力手段55aが、ワンタッチボタン押下によるデータ送信指示であったか否かを判定する(図6のステップS606)。ワンタッチボタン押下により送信指示されていた場合は、押下されたワンタッチボタンに対応付けられた情報をワンタッチボタン情報格納手段56aから読み出して学習済みであるか否かを判定する(図6のステップS607)。
【0050】
学習済みであった場合は、中継先アドレス読出手段55bが、学習結果より前回送信時に接続した中継型ファクシミリ装置4のIPアドレスを取得する(図6のステップ608)。そして、接続診断手段55cが、このIPアドレスを指定して接続確認を行なう(図6のステップS609)。
【0051】
一方で、ワンタッチボタンが押下されていないと判定された場合と、学習済みでない場合と、学習結果から取得したIPアドレスへの接続確認の結果応答がない場合は、中継先アドレス読出手段55bが、情報メモリ部56のIP中継先情報格納手段56cに保存された別のIPアドレスを1つ取得する(図6のステップS611)。IP中継先情報格納手段56cに別のIPアドレスが登録されていない場合は、送信を中止する(図6のステップS612)。
【0052】
取得したIPアドレスを用い、IP中継型ファクシミリ装置4に接続可能かを確認する(図6のステップS613)。接続確認の結果、応答がなければ、何らかの理由によりその中継型ファクシミリ装置4が接続不可能であったと判断し、IP中継先情報格納手段56cから別のIPアドレスを取得し、再度接続確認を行なう。全てのIP中継型ファクシミリ装置に対して接続できなかった場合は、送信を中止する(図6のステップS614)。
【0053】
接続確認に対する応答があった場合、メイン制御部55が、スキャナ部53が読み込んで画データメモリ部57に記憶されている画像データを読み出してTIFF等の形式の画像ファイルを作成する(図7のステップS615)。メイン制御部55における画像送信手段55dが、電子メールにこの画像ファイルを添付して、接続を確認した中継型ファクシミリ装置4へSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を用いて送信する(図7のステップS616)。このとき、電子メールには、電話番号格納部56bに格納されていた公衆電話型ファクシミリ装置3の電話番号を添付する。この後、メイン制御部55は該当の中継型ファクシミリ装置4からファクシミリの通信結果が受信されるまで待機する(図7のステップS617)。
【0054】
ここで、はじめにワンタッチボタン押下により送信指示されていた場合で、且つ送信相手先の公衆回線型ファクシミリ装置3の機能に関する情報が通信結果に含まれていた場合は、接続した中継型ファクシミリ装置4のIPアドレスをワンタッチボタン情報格納部56aに学習結果として記憶する(図7のステップS618、ステップS619)。このように、接続確立した中継型ファクシミリ装置4のIPアドレスをワンタッチボタンに対応付けた情報に登録することで、次に同じワンタッチボタンの使用によりデータ送信を行う際には、そのワンタッチボタンに対応付けた情報に登録されているIPアドレスから優先して指定するよう制御させることが可能である。
【0055】
本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5がこのような動作することにより、前回接続を確立できた中継型ファクシミリ装置3のIPアドレスを優先的に指定するので、接続診断に失敗することが軽減されて、迅速に中継先を選出することができる。
【0056】
ここで、本実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置5のメイン制御部55、すなわち、送信指示入力手段55a,中継先アドレス読出手段55b,接続診断手段55c,画像送信手段55d,学習手段55eについては、その機能内容をプログラム化してコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明における一実施形態のファクシミリネットワークシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に開示した実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に開示したIP専用ファクシミリ装置におけるメイン制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1に開示したIP専用ファクシミリ装置における中継先情報格納手段に格納された情報を示す図である。
【図5】図1に開示した実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図1に開示した実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置の動作の別の例を示すフローチャートである。
【図7】図1に開示した実施形態におけるIP専用ファクシミリ装置の動作の別の例を示すフローチャートである。
【図8】従来のファクシミリネットワークシステムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 IPネットワーク網
2 公衆回線網
3 公衆回線型ファクシミリ装置
4 中継型ファクシミリ装置
5 IP専用ファクシミリ装置
10 ファクシミリネットワークシステム
11 LANケーブル
51 LANインタフェース
52 プリンタ部
53 スキャナ部
54 送信指示入力手段
55 メイン制御部
55a 送信指示入力手段
55b 中継先アドレス読出手段
55c 接続診断手段
55d 画像送信手段
55e 学習手段
56 情報メモリ部
56a ワンタッチボタン情報格納手段
56b 電話番号格納手段
56c 中継先情報格納手段
57 画データメモリ部
58 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置と、公衆回線網及び前記IPネットワークの両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置とからなり、
前記中継型ファクシミリ装置は、前記IP専用ファクシミリ装置から受信した画像データに前記公衆回線網と接続している公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号が付加されていた場合にこの画像データを公衆回線用の信号に変換し当該電話番号を指定して対応する公衆回線型ファクシミリ装置へ送信する中継通信手段を備え、
前記IP専用ファクシミリ装置は、
前記IPネットワーク網を介して相互接続された前記複数の中継型ファクシミリ装置の各アドレス情報を中継先アドレスとして予め格納した中継先情報格納手段と、
ユーザによる操作に基づいて原稿画像の送信指示を宛先情報と共に入力する送信指示入力手段と、
この送信指示に応じて原稿を画像データとして読み込む原稿読込手段と、
前記送信指示入力手段が前記公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を宛先情報とする送信指示を入力した場合に前記中継先情報格納手段から1つの中継先アドレスを読み出す中継先アドレス読出手段と、
この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信しそれに対する応答の有無を監視して応答が無い場合に前記中継先アドレス読出手段へ別の中継先アドレスを読み出すように指示する接続診断手段と、
この接続診断手段によって応答が確認された場合にその中継先アドレスを指定して前記入力された送信指示に対応して読み込まれた画像データに前記電話番号を付加して前記中継型ファクシミリ装置へ送信する画像送信手段とを備えたことを特徴とするファクシミリネットワークシステム。
【請求項2】
前記請求項1に記載のファクシミリネットワークシステムにおいて、
前記IP専用ファクシミリ装置は、
ワンタッチボタンを有する操作パネルを備えると共に、前記公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を含む情報を前記ワンタッチボタンに対応付けて格納したワンタッチボタン情報格納手段を備え、
前記送信指示入力手段が、前記ユーザのワンタッチボタン押下による送信指示を入力した場合に、前記ワンタッチボタン情報格納手段から当該ワンタッチボタンに対応する電話番号を読み出して宛先情報とする機能を備えたことを特徴とするファクシミリネットワークシステム。
【請求項3】
前記請求項2に記載のファクシミリネットワークシステムにおいて、
前記IP専用ファクシミリ装置は、
前記ユーザによるワンタッチボタンの押下に応じて画像データ送信を完了した場合にその画像データ送信時に指定された中継先アドレスを前記ワンタッチボタン情報格納手段に格納された当該ワンタッチボタンに対応する情報に追加登録する学習手段を備え、
前記中継先アドレス読出手段が、前記ワンタッチボタンの押下による送信指示があった場合に優先して前記ワンタッチボタン情報格納手段から当該ワンタッチボタンに対応付けられた中継先アドレスを読み出すことを特徴とするファクシミリネットワークシステム。
【請求項4】
前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載のファクシミリネットワークシステムにおいて、
前記IP専用ファクシミリ装置における前記接続診断手段は、前記中継先アドレス読出手段に読み出されたアドレス情報を指定してICMPパケットを送信しそれに対する返信の有無を監視する機能を備えたことを特徴とするファクシミリネットワークシステム。
【請求項5】
IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置において、
前記IPネットワーク網と公衆回線網との両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置のアドレス情報を中継先アドレスとして予め格納した中継先情報格納手段と、
ユーザによる操作に基づいて原稿画像の送信指示を宛先情報と共に入力する送信指示入力手段と、
この送信指示に応じて原稿を画像データとして読み込む原稿読込手段と、
前記送信指示入力手段が前記公衆回線網に接続された公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を宛先情報とする送信指示を入力した場合に前記中継先情報格納手段から1つの中継先アドレスを読み出す中継先アドレス読出手段と、
この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信しそれに対する応答の有無を監視して応答が無い場合に前記中継先アドレス読出手段へ別の中継先アドレスを読み出すように指示する接続診断手段と、
この接続診断手段によって応答が確認された場合にその中継先アドレスを指定して前記入力された送信指示に応じて読み込まれた画像データに前記宛先情報の電話番号を付加して前記中継型ファクシミリ装置へ送信する画像送信手段とを備えたことを特徴とするIP専用ファクシミリ装置。
【請求項6】
IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置と、前記IPネットワーク網と公衆回線網との両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置とからなるファクシミリネットワークシステムにあって、
前記IP専用ファクシミリ装置が、ユーザによる操作に基づいて公衆回線網に接続された公衆回線型ファクシミリ装置への原稿画像の送信指示をこの宛先である電話番号と共に入力する送信指示入力工程と、
前記IP専用ファクシミリ装置が、この送信指示に応じて原稿を画像データとして読み込む原稿読込工程と、
前記IP専用ファクシミリ装置が、前記送信指示に対応して予め情報メモリ部に中継先アドレスとして記憶された前記複数の中継型ファクシミリ装置のアドレス情報のうちの1つを読み出す中継先アドレス読出工程と、
前記IP専用ファクシミリ装置が、この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信しそれに対する応答の有無を監視して応答が無い場合に別の中継先アドレスを前記情報メモリ部から読み出して前記接続診断用データを再度送信する接続診断工程と、
前記IP専用ファクシミリ装置が、前記接続診断工程で応答が確認された場合、その中継先アドレスを指定して前記入力された送信指示に対応して読込まれた画像データに前記電話番号を付加して送信する画像送信工程と、
前記IP専用ファクシミリ装置から前記電話番号の付加された画像データを受信した前記中継型ファクシミリ装置が、当該画像データを公衆回線用の信号に変換し当該電話番号を指定して対応する公衆回線型ファクシミリ装置へ送信する中継通信工程とを設けたことを特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項7】
前記請求項6に記載のファクシミリ送信方法において、
前記送信指示入力工程では、前記IP専用ファクシミリ装置が、予め装備したワンタッチボタンの押下による送信指示が入力された場合に、前記情報メモリ部に前記ワンタッチボタンに対応付けて記憶されている前記公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を読み出して宛先とすることを特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項8】
前記請求項7に記載のファクシミリ送信方法において、
前記中継通信工程後に、前記IP専用ファクシミリ装置が、前記ユーザによるワンタッチボタンの押下に応じた画像データ送信を完了した場合にその画像データ送信時に指定された中継先アドレスを前記情報メモリ部に格納された当該ワンタッチボタンに対応する情報に追加登録する学習工程を設けると共に、その後に前記指示入力工程を設けた場合、その後の前記中継先アドレス読出工程では、前記ワンタッチボタンが押下された場合、優先して前記情報メモリ部から当該ワンタッチボタンに対応付けられた中継先アドレスを読み出すことを特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項9】
前記請求項6乃至8のいずれか一項に記載のファクシミリ送信方法において、
前記接続診断工程では、前記中継先アドレス読出手段に読み出されたアドレスを指定してICMPパケットを送信しそれに対する返信の有無を監視することを特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項10】
IPネットワーク網に接続したIP専用ファクシミリ装置にあって、
ユーザによる操作に基づいて原稿画像の送信指示を宛先情報と共に入力する送信指示入力機能と、
この送信指示に応じて読込まれた原稿の画像データを取得する画像データ取得機能と、
前記送信指示機能によって公衆回線網に接続された公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を宛先情報とする画像送信指示が入力された場合に前記IPネットワーク網と前記公衆回線網との両方に接続した複数の中継型ファクシミリ装置のアドレス情報のうちの1つを中継先アドレスとしてメモリから読み出す中継先アドレス読出機能と、
この読み出された中継先アドレスを指定して接続診断用データを送信してそれに対する応答の有無を監視する接続診断機能と、
この接続診断機能で応答が確認された場合にその中継先アドレスを指定して前記送信指示に応じて取得した画像データに前記電話番号を付加して送信する画像送信機能とをコンピュータに実行させることを特徴とするファクシミリ送信用プログラム。
【請求項11】
前記請求項10に記載のファクシミリ送信用プログラムにおいて、
前記送信指示入力機能は、前記IP専用ファクシミリ装置に予め装備されたワンタッチボタンを前記ユーザが押下した場合、前記ワンタッチボタンに対応付けて前記メモリに記憶されている前記公衆回線型ファクシミリ装置の電話番号を読み出して宛先情報とし送信指示を入力する機能であることを特徴とするファクシミリ送信用プログラム。
【請求項12】
前記請求項11に記載のファクシミリ送信用プログラムにおいて、
前記ユーザによるワンタッチボタンの押下に応じた画像データ送信を完了した場合にその画像データ送信時に指定された中継先アドレスを前記メモリに格納された当該ワンタッチボタンに対応する情報に追加登録する学習機能と共に、前記中継先アドレス読出機能を、前記ワンタッチボタンの押下による画像送信指示があった場合優先して前記メモリから当該ワンタッチボタンに対応付けられた中継先アドレスを読み出す機能として前記コンピュータに実行させることを特徴とするファクシミリ送信用プログラム。
【請求項13】
前記請求項10乃至12のいずれか一項に記載のファクシミリ送信用プログラムにおいて、
前記接続診断機能は、前記中継先アドレス読出手段に読み出されたアドレスを指定してICMPパケットを送信しそれに対する返信の有無を監視する機能であることを特徴とするファクシミリ送信用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−218817(P2009−218817A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59982(P2008−59982)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】