説明

ファクシミリ情報配信装置

【課題】一定時間毎にファクシミリ装置から情報を配信する際に、情報の不達を防止することのできるファクシミリ情報配信装置を提供する。
【解決手段】情報送信手段24は、所定間隔おきにユーザーの要求に応じた送信すべき情報を、記憶部11から読み込んでファクシミリ装置3に送信させ、情報の送信に失敗したら、送信失敗の累積回数を加算して記憶部11に記憶させ、登録処理手段22は、仮登録状態のユーザーに対する情報の送信が所定回数実行されたときに、送信失敗の累積回数を記憶部11から読み出し、累積回数が所定以下である場合に、ユーザーを本登録状態とする処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報をファクシミリ装置に送信させてユーザーに配信するファクシミリ情報配信装置に関し、特にファクシミリ装置による送信の失敗に応じた情報の配信を行うことのできるファクシミリ情報配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置は、主に1対1の通信手段として用いられているが、1つのシステムから多数のユーザーに対して情報を配信する手段としても広く用いられている。情報配信手段としてファクシミリ装置を用いる場合には、一般的に、システム側で情報を蓄積、あるいは入力し、その情報を多数のファクシミリ装置に対して同報送信するなどの方法で、配信が行われる。
【0003】
ファクシミリ装置を用いた情報の配信に際しては、宛先が使用中である等の理由で送信できないことがあり、ファクシミリ装置は、このような場合において、一定時間後に再度送信を試みるリトライ機能を有しているのが一般的である。特に、多数のユーザーに対して情報を配信するシステムでは、リトライを効率的に行う必要があるから、その通信方法につき、工夫したものが開発されている。このようなものとして例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−78383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、インターネット技術の発達に伴い、ソーシャルネットワーキングサービスが普及しつつある。ソーシャルネットワーキングサービスの中でも、短文投稿サービスは、手軽に投稿できることや情報を拡散させやすいなどの特質から、速報性に優れたメディアとして注目されている。短文投稿サービスでは、ある投稿が別のユーザーにより再投稿されることにより、情報が容易に拡散されるから、再投稿された回数の多い投稿を抽出することなどにより、より多くのユーザーに読まれた人気の高い投稿を容易に見つけることもできる。
【0006】
しかし、このような情報を見つけることができるのは、PCや携帯端末などを所持し、それをインターネットに接続すると共に、ソーシャルネットワーキングサービスを十分に活用できる人に限られるから、このような環境から遠い、例えば高齢者や、災害被災地の人々には、有用な情報も伝わりにくいという問題がある。
【0007】
ファクシミリ装置は、より広い年齢層に普及しており、また、電話回線さえあれば情報を受信することができる。したがって、ソーシャルネットワーキングサービスから有用な情報を抽出し、それを一定時間毎、例えば毎日定時にユーザーに対しファクシミリ装置で配信を行うシステムを構成することにより、ソーシャルネットワーキングサービスに直接アクセスできない人に対しても、有用な情報を届けることができる可能性が高まる。かかるシステムにおいても、宛先はファクシミリ装置であるから、送信が不達となることがある。このようなサービスでは、通常、送信に対して課金もなされるから、情報が不達となることは、できるだけ避けなければならない。
【0008】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、一定時間毎にファクシミリ装置から情報を配信する際に、情報の不達を防止することのできるファクシミリ情報配信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係るファクシミリ情報配信装置は、情報をファクシミリ装置に送信させる情報送信手段と、ユーザーの登録処理を行う登録処理手段とを有する制御部と、情報を記憶する記憶部とを備えたファクシミリ情報配信装置において、
前記登録処理手段は、ユーザーを仮登録状態または本登録状態とする登録処理を行うと共に、ユーザー毎の登録状態を前記記憶部に記憶させ、
前記情報送信手段は、所定間隔おきにユーザーの要求に応じた送信すべき情報を、前記記憶部から読み込んで前記ファクシミリ装置に送信させ、情報の送信に失敗したら、送信失敗の累積回数を加算して前記記憶部に記憶させ、
前記登録処理手段は、仮登録状態のユーザーに対する情報の送信が所定回数実行されたときに、送信失敗の累積回数を前記記憶部から読み出し、該累積回数が所定以下である場合に、ユーザーを前記本登録状態とする登録処理を行うことを特徴として構成されている。
【0010】
また、本発明に係るファクシミリ情報配信装置は、前記情報送信手段は、情報の送信に失敗したら送信失敗回数を加算し、情報の送信に成功したら当該送信失敗回数をリセットして前記記憶部に記憶させ、前記情報送信手段が前記ファクシミリ装置に情報を送信させる際には、前記記憶部から送信失敗回数を読み込んで、該送信失敗回数分、遡った送信回に送信すべき情報から当該送信回に送信すべき情報までをまとめて送信させることを特徴として構成されている。
【0011】
さらに、本発明に係るファクシミリ情報配信装置は、前記記憶部は、取得及び編集した情報を記憶する情報記憶部と、ユーザー毎の情報を記憶するユーザー情報記憶部とを有し、
前記制御部は、前記ファクシミリ装置に情報を送信させる送信回毎に所定の情報をインターネットを介して取得し前記情報記憶部に記憶させる情報取得手段と、該情報取得手段で取得した情報をユーザーの要求に応じて編集し前記情報記憶部に記憶させる情報編集手段とをさらに有することを特徴として構成されている。
【0012】
さらにまた、本発明に係るファクシミリ情報配信装置は、前記制御部は、ユーザーが本登録状態にあるときのみ当該ユーザーに対する課金処理を行う課金処理手段をさらに有することを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るファクシミリ情報配信装置によれば、登録処理手段は、仮登録状態のユーザーに対する情報の送信が所定回数実行されたときに、情報の送信に失敗した累積回数が所定以下である場合に、本登録状態とする登録処理を行うことにより、仮登録状態において情報の送信が正しく行われるかチェックすることができ、本登録状態において情報の送信が失敗する可能性を低くすることができる。
【0014】
また、本発明に係るファクシミリ情報配信装置によれば、情報送信手段は、情報の送信に失敗したら、送信失敗回数を加算して記憶部に記憶させ、ファクシミリ装置に情報を送信させる際には、記憶部から送信失敗回数を読み込んで、送信失敗回数分、遡った送信回に送信すべき情報から当該送信回に送信すべき情報までをまとめて送信させることにより、ファクシミリ装置による情報の送信に失敗しても、次回以降の送信時において、送信すべき情報の履歴を遡って送信できなかった情報を全て送信することとなるので、ファクシミリ送信の失敗による情報の未達を防止することができる。
【0015】
また、本発明に係るファクシミリ情報配信装置によれば、制御部が、ファクシミリ装置に情報を送信させる送信回毎に所定の情報をインターネットを介して取得し情報記憶部に記憶させる情報取得手段と、情報取得手段で取得した情報をユーザーの要求に応じて編集し情報記憶部に記憶させる情報編集手段とをさらに有することにより、インターネットを介して収集し、ユーザーの求めに応じて編集した有益な情報を、ユーザーに配信することができる。
【0016】
さらに、本発明に係るファクシミリ情報配信装置によれば、制御部が、ユーザーが本登録状態にあるときのみ当該ユーザーに対する課金処理を行う課金処理手段をさらに有することにより、情報の送信が正しく行われる場合にのみ、課金処理が行われるので、送信の失敗により課金処理が混乱することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態におけるファクシミリ情報配信装置の構成図である。
【図2】ファクシミリ情報配信装置における、ユーザーの登録から情報配信までのフローチャートである。
【図3】情報を編集するフローチャートである。
【図4】情報の送信時におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態におけるファクシミリ情報配信装置の構成図を示している。本実施形態におけるファクシミリ情報配信装置1は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で蓄積された情報を取得し、ユーザーが予め設定した条件に基づいて情報を編集し、該編集した情報をファクシミリ装置3からユーザーのファクシミリ装置4に送信させるものである。
【0019】
ここで対象とするSNSは、ユーザーが比較的短い文章を投稿できる短文投稿サービスであって、他のユーザーの投稿を再投稿することもできるサービスであり、かかるサービスでは、多くのユーザーに再投稿された投稿は、より多くのユーザーに閲覧されることとなるから、かかる投稿を抽出することで、ユーザーの間で人気がある、あるいは重要な投稿であるとみなすことができる。
【0020】
図1に示すように、ファクシミリ情報配信装置1は、各種制御を行う制御部10と、SNSから取得した情報や編集した情報、さらにはユーザーの登録情報などを記憶する記憶部11とを有している。そして、インターネット網5を介してSNSサーバー2及びファクシミリ装置5に接続されている。ファクシミリ装置5は、電話回線網6を介してユーザーのファクシミリ装置4と接続されている。なお、本図では便宜上、ユーザーのファクシミリ装置4は1つしか描かれていないが、実際には多数のユーザーに対して情報を配信するので、多数のファクシミリ装置4と接続されることとなる。
【0021】
ファクシミリ情報配信装置1を構成する制御部10は、SNSサーバー2からインターネット網5を介して情報を取得する情報取得手段20と、取得した情報をユーザーの要求に応じて編集する情報編集手段21と、ユーザーの登録に関する処理を行う登録処理手段22と、課金に関する処理を行う課金処理手段23と、編集した情報をファクシミリ装置3に送信させる情報送信手段24とを有している。
【0022】
また、ファクシミリ情報配信装置1を構成する記憶部11は、SNSサーバー2から取得した情報や、これを編集した送信すべき情報を記憶するSNS情報記憶部25と、ユーザーの登録情報や課金情報、送信失敗回数を記憶するユーザー情報記憶部26とを有している。
【0023】
ファクシミリ情報配信装置1は、マイクロプロセッサーや記憶装置を備えたコンピュータにより構成することができる。この場合、制御部10はマイクロプロセッサーに、記憶部25は主記憶装置に、それぞれ対応する。ファクシミリ情報配信装置1の機能は、ソフトウェアとしてコンピュータに読み込まれ、マイクロプロセッサー及び主記憶装置を動作させることで、その機能を実現する。
【0024】
本実施形態では、情報を送信するファクシミリ装置3は、ファクシミリ情報配信装置1の外部にあって、情報送信手段24からインターネット網5を介してファクシミリ装置3に情報を送信させるように構成している。しかし、ファクシミリの送信のための構成はこれに限られず、例えば、ファクシミリ情報配信装置1に直接ファクシミリ装置3を接続して送信を行うようにしてもよいし、ファクシミリ情報配信装置1にファクシミリ送信部を設けて、そこから直接ファクシミリ送信を行うようにしてもよく、少なくとも情報送信手段24から最終的にはユーザーのファクシミリ装置4に対して情報が送信される構成となっていればよい。
【0025】
情報取得手段20は、SNSサーバー2から取得した情報を記憶部11に記憶させるため、SNS情報記憶部25と接続されている。情報編集手段21は、SNSサーバー2から取得された情報を記憶部11から読み出すと共に、編集した情報を記憶部11に記憶させるため、SNS情報記憶部25と接続され、また、情報の編集の際にユーザーの要求した設定を読み出すため、ユーザー情報記憶部26と接続されている。登録処理手段22及び課金処理手段23も、それぞれユーザーの登録情報の読み出し、登録を行うため、ユーザー情報記憶部26と接続されている。また、登録処理手段22には、登録情報等の入力を行う入力部12が接続されている。情報送信手段24は、送信すべき情報を記憶部11から読み出すため、SNS情報記憶部25と接続され、さらに送信すべきユーザーの宛先情報や送信失敗回数などを読み出すため、ユーザー情報記憶部26と接続されている。
【0026】
ファクシミリ情報配信装置1における、ユーザーの登録から情報配信までのフローチャートを図2に示している。本実施形態のファクシミリ情報配信装置1では、ユーザーはまず仮登録され、所定回数の情報配信を行って送信が確実になされるか否かを判別し、所定条件を満たしたらユーザーの本登録がなされて、情報配信が継続されると共に課金処理が行われる。
【0027】
まず、S1においてユーザーの仮登録が行われる。ユーザーの仮登録の際は、所定事項の入力が入力部12から行われる。入力部12には、PC等の端末を用いることができる。図1において入力部12は、ファクシミリ情報配信装置1と直接接続されているが、インターネット網5を介して接続されていてもよい。また、ユーザーが所持する端末を入力部12として入力を行うようにしてもよいし、あるいはサービス提供者が所持する端末を入力部12として入力を行うようにしてもよい。
【0028】
ユーザーの仮登録の際に入力される所定の事項には、ユーザーの氏名や住所、ファクシミリ装置の電話番号、得たい情報に関するキーワードなどの情報が含まれる。登録処理手段22は、入力部12から所定の事項が入力されたら、当該事項を記憶部11のユーザー情報記憶部26に記憶させる。ユーザー情報記憶部26には、ユーザー毎に登録情報等が記憶される。
【0029】
ユーザーの仮登録が行われたら、ファクシミリ情報配信装置1は当該ユーザーの登録情報に基づいて、SNSサーバー2から取得した情報を編集し、それを当該ユーザー宛にファクシミリ装置3で送信する(S2)。S2及びS6での情報編集及び送信の詳細については、後で詳述する。S2の情報送信の際には、ファクシミリ装置3による送信が成功したか、あるいは失敗したかを情報送信手段24で検出し、送信が失敗した場合には、当該ユーザーについての送信失敗の累積回数に1を加えてユーザー情報記憶部26に記憶させる。
【0030】
S2における情報の送信は所定間隔、ここでは1日に1回の間隔で行われる。情報送信手段24は、当該ユーザーに対する情報の送信回数をカウントしてユーザー情報記憶部26に記憶させており、該記憶された送信回数が所定回数に達したか否かを情報送信手段24で判別する(S3)。送信回数が所定回数より小さい場合には、S2に戻って情報編集・送信動作が翌日に行われる。
【0031】
S3で送信回数が所定回数に達していたら、登録処理手段22は本登録のための成立条件が充足されているか否かを判別する(S4)。本登録のための成立条件は、所定回数のS2における情報の送信のうち、送信失敗の累積回数が所定以下であることである。例えば、S3の所定回数を7回と設定すると、1週間に渡って情報の送信がなされるが、このうち送信失敗の累積回数が2回以下の場合に、本登録のための成立条件が充足されたと判別する。これらのS3の所定回数や送信の失敗回数の条件は、任意に設定することができる。
【0032】
S4において本登録のための成立条件が充足されていなかったら、そこでフローは終了する。ユーザーが仮登録の状態では課金処理などは行われないので、ファクシミリ装置3による送信が確実にはなされないようなユーザーに対しては、本登録に進めないようにすることで、課金を発生させることなく、ファクシミリ送信が不安定である旨、伝える等の措置を取ることができる。
【0033】
S4において本登録のための成立条件が充足されていたら、続いてユーザーの本登録を行う(S5)。ここで本登録については、仮登録から自動的に移行するようにしてもよいし、ユーザーによる登録確認を得てから本登録に移行するようにしてもよい。また、この際、さらに詳細な情報をユーザーに入力させるなどしてもよい。少なくとも、登録処理手段22は、ユーザー情報記憶部26に記憶された当該ユーザーについての仮登録状態を本登録状態に変更する。
【0034】
ユーザーが本登録状態となったら、ファクシミリ情報配信装置1は当該ユーザーへの情報の編集及び送信を、所定間隔で継続して実行する(S6)。課金処理手段23は、ユーザーへの情報送信を行ったら、課金処理を行う(S7)。課金処理は、ユーザー情報記憶部に記憶された当該ユーザーについての課金情報に対し、情報送信の度に所定値加算するなどして行われる。ただし、課金処理は様々な態様で行うことが可能であり、例えば1か月あたりの料金を定額とすることもでき、この場合には情報送信の度に課金処理を行う必要はない。
【0035】
次に、ユーザーに対する情報の編集及び送信についてより詳細に説明する。予め、ファクシミリ情報配信装置1は、情報取得手段20にSNSサーバー2からインターネット網5を介して情報を取得させる。情報取得手段20による情報の取得は、所定間隔、例えば1時間おきに行われ、当該間隔の間の全ての投稿を取得してSNS情報記憶部25に記憶させる。SNS情報記憶部25は、情報取得手段20により取得した情報である全体情報を記憶する部分と、各ユーザーに対して送信すべき情報を記憶する部分とを有している。
【0036】
情報編集手段21は、SNS情報記憶部25から全体情報を読み出して、これを以下のフローによりユーザーの求めに応じた情報となるように編集する。この編集は、1日1回行われる情報送信手段24によるユーザーへの情報送信の前に実行される。図3には、情報を編集するフローチャートを示している。
【0037】
まず、情報編集手段21は、記憶部11のSNS情報記憶部25から、全体情報を読み出す(S2−1)。全体情報は、多数の投稿の集合であり、情報編集手段21は、ここから互いに一定以上重複する投稿群を抽出する(S2−2)。ここでは、全体情報における投稿のうち、再投稿された投稿群を抽出することができる。再投稿された投稿は、投稿元のユーザーのIDなどが付与されている他は、大部分が同じ内容となっている。したがって、一定以上、例えば80%以上、内容が重複する投稿であれば、再投稿された投稿として検出することができる。
【0038】
具体的な処理としては、例えば以下のようなものが考えられる。まず、対象となる投稿について、当該投稿以外の全ての投稿のうち、一定以上、内容が重複するものを抽出する。内容が一定以上重複する投稿が検出されたら、重複する一群の投稿を記憶する。その後は、それらを除いた残りの全体情報に対し、対象となる投稿を変えながら同様の処理を繰り返し行う。これを全ての投稿について実行することで、一定以上重複する投稿群を抽出できる。
【0039】
次に、抽出したそれぞれの投稿群について、最先の投稿を検出する(S2−3)。抽出した投稿群のうち最先の投稿は、再投稿の元になった投稿であり、これを抽出すると共に、それぞれについて、一定以上重複する再投稿が何回されたかをカウントし、記憶する。この段階では、再投稿の元になった投稿と、当該投稿が何回再投稿されたかが、対応付けて記憶されている。
【0040】
続いて、再投稿の元になったそれぞれの投稿につき、キーワードによる検出を行う(S2−4)。ここでのキーワードは、各ユーザーが予め登録しておいた得たい情報に関するキーワードであり、それぞれのキーワードについてそれを含む投稿を検出する。検出した投稿には、該検出に用いたキーワードをジャンル情報として関連付け、記憶させる(S2−5)。
【0041】
S2−1〜S2−5は、全体情報について行われる。次に、各ユーザーについて送信すべき情報を編集する。まず、いずれかのユーザーについて、ユーザー情報記憶部26から当該ユーザーが登録したキーワードを読み出し、そのキーワードをジャンル情報として関連付けられた投稿を抽出する(S2−6)。
【0042】
次に、S2−6で抽出された投稿を、再投稿の回数によって並べ替える(S2−7)。これにより、当該ユーザーが得たい情報に関する投稿が、多く再投稿されて人気のある順に並ぶこととなる。ファクシミリ装置3により送信できる情報量には限りがあるから、そのうち上位の投稿、例えば上位10個の投稿につき、当該ユーザーに送信すべき情報として、SNS情報記憶部25に記憶させる(S2−8)。
【0043】
S2−6〜S2−8によって、特定のユーザーについて、送信すべき情報が編集されたので、さらに別のユーザーについて、同様の動作を繰り返す(S2−9)。全てのユーザーについて送信すべき情報を編集したら、次にファクシミリ装置3からの送信を行う。
【0044】
情報の送信は情報送信手段24によってなされる。情報送信手段24は、ユーザー情報記憶部26から送信対象のユーザーの電話番号などの情報を読み出すと共に、SNS情報記憶部25から送信対象のユーザーについて送信すべき情報を読み出し、ファクシミリ装置3に当該情報を送信させる。図4には、情報の送信時におけるフローチャートを示している。
【0045】
情報送信手段24は、ユーザー情報記憶部26に記憶された送信しようとするユーザーについての送信失敗回数Nが、0であるか否かを判別する(S6−1)。Nが0であった場合、情報送信手段24は、当該送信回において送信すべき情報につき、SNS情報記憶部25から読み出し(S6−2)、ファクシミリ装置3に送信させる(S6−4)。S6−1においてNが1以上であった場合については後で説明する。
【0046】
ファクシミリ装置3において、送信が成功したら(S6−5)、情報送信手段24は送信失敗回数Nを0としてユーザー情報記憶部26に記憶させ(S6−7)、当該送信回に送信した情報をSNS情報記憶部25から消去する(S6−8)。ファクシミリ装置3による送信が失敗した場合、情報送信手段24は送信失敗回数Nに1を加えてユーザー情報記憶部26に記憶させる(S6−6)。この場合には、送信に失敗した情報はSNS情報記憶部25から消去されず、そのまま記憶が保持される。
【0047】
S6−1からS6−6またはS6−7までで、1回の送信回における情報送信手段24の動作が完了する。前述のように、情報送信手段24は所定間隔、本実施形態では1日おきに情報の送信を行うから、S6−6またはS6−7が実行されたら、1日後にS6−1からの動作が行われる。
【0048】
ファクシミリ装置3による情報の送信が失敗した場合には、S6−6において送信失敗回数Nに1が加わっているから、S6−1においてNは1以上である。また、例えば、過去2回続けて送信に失敗していた場合には、Nは2となる。S6−1でNが0でなかった場合、情報送信手段24は、N回遡った送信回から当該送信回までに送信すべき情報をSNS情報記憶部25から読み出す(S6−3)。前述のように、ファクシミリ装置3による送信に失敗した場合には、当該送信回に送信すべき情報は消去されておらず、遡った送信回の情報もSNS情報記憶部25から読み出すことができる。
【0049】
S6−3を実行した情報送信手段24は、N回遡った送信回から当該送信回までに送信すべき情報を、まとめてファクシミリ装置3に送信させる(S6−4)。その後の動作は、前に説明したものと同様である。すなわち、S6−1でNが1以上であってN回遡った送信回から当該送信回までに送信すべき情報を送信した場合にも、当該送信回で送信が成功すれば、S6−7でNは0とされ、次の送信回には、その回に送信すべき情報のみが送信されることとなるし、当該送信回で送信が失敗すると、S6−6でNの値に1が加算され、次の送信回には、再び複数回分の情報がまとめて送信されることとなる。ここで、Nの値に一定の上限値(例えば3)を設定し、S6−1においてNが上限値を超えていた場合には送信不能として情報の送信を行わないようにすることもできる。
【0050】
このように、情報送信手段24がファクシミリ装置3による情報の送信に失敗したら、送信失敗回数を加算してユーザー情報記憶部26に記憶させ、情報送信手段24がファクシミリ装置3に情報を送信させる際には、ユーザー情報記憶部26から送信失敗回数を読み込んで、送信失敗回数分、遡った送信回に送信すべき情報から、当該送信回に送信すべき情報までをまとめて送信させることにより、ファクシミリ装置3による情報の送信に失敗しても、次回以降の送信時において、送信すべき情報の履歴を遡って送信できなかった情報を全て送信することとなるので、ファクシミリ送信の失敗による情報の未達を防止することができる。
【0051】
本実施形態のS6−5において、送信成功か否かは、1回のファクシミリ送信で情報が送信されたか否かで判別されるが、1回のファクシミリ送信が失敗しても、当日中に複数回のリトライを行い、リトライによって情報が送信されれば送信成功とし、リトライを行っても情報が送信されない場合のみ、送信失敗と判別するようにしてもよい。
【0052】
本実施形態では、図2において仮登録状態での情報の送信時(S2)と、本登録状態での情報の送信時(S6)のいずれにおいても、図4に示したフローで送信を行うが、仮登録状態のときは、送信に失敗した場合であっても履歴を遡った情報の送信を行わず、当該送信回に送信すべき情報のみを送信するようにしてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、本実施形態では、SNSの情報を取得、編集してユーザーに情報配信するものとしたが、それ以外の情報につき、ユーザーに情報配信するものであってもよく、その情報も、必ずしもインターネットを介して収集した情報には限られない。
【0054】
対象とするSNSも、上述のものには限られず、例えば、投稿毎に関心がある、あるいは気に入ったことを示すボタンが設置され、ボタンが他のユーザーによって押される毎にカウント数が増加し、該カウント数をユーザーが共有できるようなシステムを有したSNSであれば、当該カウント数の多い投稿を抽出して、ジャンル情報を付与すると共に、カウント数の多い順に並べ替えることで、情報の編集を行うようにすることもできる。
【0055】
また、制御部10が、必ずしも情報取得手段20と情報編集手段21の両方を備えている必要はなく、送信すべき情報は別の装置によって取得、編集し、ファクシミリ情報配信装置では情報の送信のみ行うような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ファクシミリ情報配信装置
2 SNSサーバー
3 ファクシミリ装置
4 ファクシミリ装置(ユーザー)
5 インターネット網
6 電話回線網
10 制御部
11 記憶部
12 入力部
20 情報取得手段
21 情報編集手段
22 登録処理手段
23 課金処理手段
24 情報送信手段
25 SNS情報記憶部
26 ユーザー情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報をファクシミリ装置に送信させる情報送信手段と、ユーザーの登録処理を行う登録処理手段とを有する制御部と、情報を記憶する記憶部とを備えたファクシミリ情報配信装置において、
前記登録処理手段は、ユーザーを仮登録状態または本登録状態とする登録処理を行うと共に、ユーザー毎の登録状態を前記記憶部に記憶させ、
前記情報送信手段は、所定間隔おきにユーザーの要求に応じた送信すべき情報を、前記記憶部から読み込んで前記ファクシミリ装置に送信させ、情報の送信に失敗したら、送信失敗の累積回数を加算して前記記憶部に記憶させ、
前記登録処理手段は、仮登録状態のユーザーに対する情報の送信が所定回数実行されたときに、送信失敗の累積回数を前記記憶部から読み出し、該累積回数が所定以下である場合に、ユーザーを前記本登録状態とする登録処理を行うことを特徴とするファクシミリ情報配信装置。
【請求項2】
前記情報送信手段は、情報の送信に失敗したら送信失敗回数を加算し、情報の送信に成功したら当該送信失敗回数をリセットして前記記憶部に記憶させ、前記情報送信手段が前記ファクシミリ装置に情報を送信させる際には、前記記憶部から送信失敗回数を読み込んで、該送信失敗回数分、遡った送信回に送信すべき情報から当該送信回に送信すべき情報までをまとめて送信させることを特徴とする請求項1記載のファクシミリ情報配信装置。
【請求項3】
前記記憶部は、取得及び編集した情報を記憶する情報記憶部と、ユーザー毎の情報を記憶するユーザー情報記憶部とを有し、
前記制御部は、前記ファクシミリ装置に情報を送信させる送信回毎に所定の情報をインターネットを介して取得し前記情報記憶部に記憶させる情報取得手段と、該情報取得手段で取得した情報をユーザーの要求に応じて編集し前記情報記憶部に記憶させる情報編集手段とをさらに有することを特徴とする請求項1または2記載のファクシミリ情報配信装置。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザーが本登録状態にあるときのみ当該ユーザーに対する課金処理を行う課金処理手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のファクシミリ情報配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−13018(P2013−13018A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145853(P2011−145853)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(510329073)
【Fターム(参考)】