説明

ファクシミリ装置

【課題】複数の呼制御プロトコルのいずれを使用してもIP通信可能なファクシミリ装置において、呼制御プロトコルの切換処理の負担を低減する。
【解決手段】複数の呼制御プロトコル(SIPとH.323とで例示)の間で呼制御プロトコルを切り換えるプロトコル切換部11dと、送信先毎に、SIPとH.323のうちファクシミリ送信に使用した呼制御プロトコルを示す使用プロトコル情報と実際にそのファクシミリ送信が可能であったか否かを示す通信結果情報とを含む送信ログ14aを、記憶する送信ログ記憶手段とを備える。送信ログ記憶手段は送信ログアクセス部11b及び記憶部14で例示している。そして、プロトコル切換部11dは、送信先に応じて、記憶部14に記憶された送信ログ14aに基づきファクシミリ送信に使用する呼制御プロトコルを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置に関し、より詳細には、SIP(Session Initiation Protocol)、H.323等の複数の呼制御プロトコルでIP(Internet Protocol)通信が可能なファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、公衆電話網以外に、IP網を用いて相手先と画像データの送受信を行うファクシミリ装置が流通している。このような装置は、IPファクシミリ装置(IP−FAX装置)と呼ばれている。
【0003】
IPファクシミリ装置では、IP網の接続プロトコル(呼制御プロトコル)として、主にSIPとH.323とが用いられている。例えば、特許文献1には、IP網の接続にSIPプロキシサーバとH.323ゲートサーバとを用いることが開示されている。
【特許文献1】特開2004−320649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際、IPファクシミリ装置には何れかのプロトコルしか対応していない装置が存在し、送信側のIPファクシミリ装置は片方のプロトコルを用いて無応答だった場合、プロトコルを切り換えて再度送信する必要がある。
【0005】
また、送信側のIPファクシミリ装置が両方のプロトコルに対応している場合に、最初に選択したプロトコルで通信するため、他のプロトコルで利用したときの情報が無い。従って、仮に他のプロトコルの方が通信品質が高かったとしても低い方のプロトコルでの通信しかできない。
【0006】
本発明は、上述のごとき実状に鑑みてなされたものであり、複数の呼制御プロトコルのいずれを使用してもIP通信可能なファクシミリ装置において、呼制御プロトコルの切換処理の負担を低減することを、その目的とする。
【0007】
また、本発明は、複数の呼制御プロトコルのいずれを使用してもIP通信可能なファクシミリ装置において、送信相手がいずれの呼制御プロトコルにも対応している場合に、無駄な切換処理を行わずにより通信品質の良い呼制御プロトコルで送信することを、他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のごとき課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、複数の呼制御プロトコルのうちいずれの呼制御プロトコルを使用してもIP通信が可能なファクシミリ装置であって、前記複数の呼制御プロトコルの間で呼制御プロトコルを切り換えるプロトコル切換手段と、送信先毎に、ファクシミリ送信に使用した呼制御プロトコルを示す使用プロトコル情報と実際に該ファクシミリ送信が可能であったか否かを示す通信結果情報とを含む送信ログを、記憶する送信ログ記憶手段とを備え、前記プロトコル切換手段は、送信先に応じて、前記送信ログ記憶手段で記憶された送信ログに基づきファクシミリ送信に使用する呼制御プロトコルを選択することを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、ファクシミリ送信に使用した呼制御プロトコルでの通信品質を検出する品質検出手段を備え、前記送信ログ記憶手段は、前記送信ログとして、前記使用プロトコル情報に通信品質の情報を関連づけて記憶し、前記プロトコル切換手段は、送信先に応じて、前記送信ログに含まれる通信品質の情報に基づきファクシミリ送信に使用する呼制御プロトコルを選択することを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記プロトコル切換手段は、ファクシミリ送信を行なう送信先の前記送信ログが、或る呼制御プロトコルが通信可能であることを示し且つ他の呼制御プロトコルに対して前記通信結果情報が無かった場合、該他の呼制御プロトコルをファクシミリ送信に使用する呼制御プロトコルとして選択することを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第1の技術手段において、前記送信ログ記憶手段は、ファクシミリ送信を行なう送信先の前記送信ログが通信可能であることを示す呼制御プロトコルを前記プロトコル切換手段が選択して実際にファクシミリ送信を実行した結果、無応答だった場合、前記送信ログとして、ファクシミリ送信要求時の時間を追加記憶することを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第2の技術手段において、前記プロトコル切換手段は、所定の送信単位毎に呼制御プロトコルの選択を実行することを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記所定の送信単位毎のプロトコル切換は、相手先のファクシミリ装置が前記所定の送信単位での受信に対応している場合にのみ実行することを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれかの技術手段において、前記複数の呼制御プロトコルは、SIPプロトコルとH.323プロトコルの2つであることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の呼制御プロトコルのいずれを使用してもIP通信可能なファクシミリ装置において、呼制御の切換処理の負担を低減することが可能となる。
【0016】
また、本発明の他の実施形態によれば、複数の呼制御プロトコルのいずれを使用してもIP通信可能なファクシミリ装置において、送信相手がいずれの呼制御プロトコルにも対応している場合に、無駄な切換処理を行わずにより通信品質の良い呼制御プロトコルで送信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明に係るファクシミリ装置を含むファクシミリ送信システムの一構成例を示す概略図で、図2は、図1のFAXにおける記憶部に格納される送信ログの一例を示す図である。図1において、1は本発明のファクシミリ装置(以下、単に「FAX」という)の一構成例であるFAX_A、2はデジタルのFAX_B、4はアナログのFAX_C、3はルータA、6はルータB、5はルータCである。
【0018】
図1で例示するファクシミリ送信システム(以下、本システムという)において、ルータA(3)、ルータB(6)、ルータC(5)がそれぞれ、SIPサーバ、H.323ゲートキーパ、デジタル/アナログの変換を行うゲートウェイであることを前提として、以下の説明を行う。
【0019】
FAX1は、全体を制御する制御部11と共に、印字部12、スキャン部13、記憶部14、及びネットワークインターフェース(I/F)部15を備える。
【0020】
制御部11は、SIPとH.323のいずれの呼制御プロトコルを使用しても、ネットワークI/F15経由でIP通信が可能な送受信制御部となっている。SIP又はH.323を使用したIP通信自体は既存の技術を適用すればよい。
【0021】
例えば、まず制御部11が、自身の電話番号及び送信先の電話番号(又はIP電話対応のURI(Uniform Resource Identifier))など呼制御に必要な情報と共に、呼制御サーバに接続要求を行う。呼制御サーバとしては、SIPの場合にはSIPサーバ(ルータ3)、H.323の場合にはH.323ゲートキーパ(ルータ6)が、それぞれ該当する。この接続要求に対し、呼制御サーバが、呼制御シーケンスの動作や電話番号又はURIからIPアドレスへの変換、送信先(接続先)へのルーティングなどの所定の処理を実行する。相手先のFAX(FAX2やFAX4)への接続要求に対し相手先のFAXが応答したときに、その呼び出し音をFAX1へ発する。これによりFAX1と相手先のFAX(FAX2やFAX4)との間で通話が可能となるので、FAX1から相手先のFAXにFAX画像のデータを圧縮して音声パケットに変換して送信すればよい。このように、本発明に係るFAX1はIP網で通信可能で且つSIPとH.323の両方に対応している。
【0022】
印字部12は、他のFAXからネットワークI/F15経由でFAX画像を受信した際に、制御部11からの指示によりそのFAX画像を印刷する。スキャン部13は、FAX送信時に送信対象となる原稿を光学的に読み取りFAX画像を生成する。記憶部14は、送信先アドレス等を記憶すると共に、後述するように送信ログ14aの記憶も行う。ネットワークI/F15は、FAX画像の送受信の他、パーソナルコンピュータ(PC)等のネットワーク接続された機器とデータの送受信を行うためのI/Fである。
【0023】
FAX1は、上述のごとき構成に加え本発明の主たる特徴として、SIPとH.323との間で呼制御プロトコルを切り換えるプロトコル切換手段と、後述のごとき送信ログを記憶する送信ログ記憶手段を備える。以下、プロトコル切換手段を制御部11内のプロトコル切換部11dで例示し、送信ログ記憶手段を制御部11内の送信ログアクセス部11bと実際の記憶媒体であるハードディスクやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の記憶部14とで例示する。
【0024】
ここで例示する制御部11は、送信ログアクセス部11b及びプロトコル切換部11dの他に、応答判定部11a、品質検出部11c、圧縮/伸張部11eを含み、本発明に係るプロトコル切換制御を伴うFAX送信制御を行う。
【0025】
制御部11自体は、CPU、プログラム格納領域としてのROM、作業領域としてのRAM等のハードウェアを備え、そのハードウェアに制御部11の機能(各部11a〜11eの機能を含む)を実現させるための所定の制御プログラムを、ROMやハードディスクに格納しておくとよい。これにより、CPUがROM等に格納された所定の制御プログラムをRAM上に読み出して実行し、各部11a〜11eの機能を含め制御部11の機能を実現することができる。この所定の制御プログラムは、FAX1用のファームウェアとなる。
【0026】
圧縮/伸張部11eは、FAX送信時に送信用のFAX画像を所定の圧縮方式で圧縮し、また受信したFAX画像の伸張も行う。圧縮/伸張部11eなどはハードウェアで構成してもよい。
【0027】
呼制御においては、FAX画像送信時に用いる圧縮方式などの通知も行い、相手先が送信時に使用する圧縮方式に対応するか否かの確認も行う。対応していない場合には、他の圧縮方式に切り換えて再度確認を行うなどして相手先対応の圧縮方式でFAX画像送信を行えるようにする。そのため、圧縮/伸張部11eは、複数種類の圧縮方式に対応させておくことが望ましい。
【0028】
応答判定部11aは、FAX送信要求時(呼制御)において、相手先のFAXからの応答の有無を判定する。相手先のFAX(FAX2やFAX4)が、例えば電源断の状態である場合や、現在通信中(現在呼制御中)の呼制御プロトコルに対応していない場合には、応答が無いと判定される。
【0029】
送信ログアクセス部11bは、記憶部14に記憶されている送信ログ14aにアクセスして、その読み出しや書き込みを行う。すなわち、送信ログアクセス部11bにより、送信ログ14aの追記、削除、更新などが実行される。
【0030】
本発明では送信ログ14aとして、送信先毎に、SIPとH.323のうちFAX送信に使用した呼制御プロトコル(FAX送信に使用した呼制御プロトコルがSIPとH.323のいずれであったか)を示す使用プロトコル情報と、実際にそのFAX送信が可能であったか否かを示す通信結果(通信可否)情報とを含んで、送信ログアクセス部11bが記憶部14に記憶する。
【0031】
すなわち、送信ログアクセス部11bは、選択されている呼制御プロトコル(SIP/H.323)の情報(使用プロトコル情報)と、応答判定部11aでの判定結果(通信結果情報)とを、その送信先の送信ログ14aとして関連づけて、記憶部14に記憶する。使用プロトコル情報や通信結果情報は、送信日時毎に更新又は追記されることが好ましい。
【0032】
例えば、図2に示す送信ログ14aのように、送信先のID(番号)、送信先を特定するための送信先アドレス(送信先URI)及び/又は送信先IP電話番号などと共に、H.323の通信結果やSIPの通信結果を、送信ログ14aとして記憶する。後述するが、図2に示すように、送信ログ14aとしては通信(送信)日時や通信の品質情報も関連づけて記憶しておくことが好ましい。
【0033】
プロトコル切換部11dでは、H.323かSIPの呼制御プロトコルの切り換えを行う。本発明では、その際、プロトコル切換部11dが、FAX送信時(FAX送信要求時)の送信先に応じて、送信ログアクセス部11bに送信ログ14aを読み出させ、送信先の送信ログ14aに基づき、FAX送信に使用するプロトコルを選択する。なお、送信先の送信ログ14aに基づく選択、並びにその元となる送信ログ14aの生成については、様々な例を挙げて後述する。プロトコル切換部11dは、現状の呼制御プロトコルがプロトコル切換部11dで選択されたものであればそのままその呼制御プロトコルを使用し、異なる呼制御プロトコルであれば選択された呼制御プロトコルに切り換えを行えばよい。
【0034】
これにより、制御部11は、選択された呼制御プロトコルでFAX送信を開始、すなわちその呼制御プロトコルを用いた呼制御を開始することができる。ここでは、送信先に応じた送信ログ14aに基づきプロトコル切換部11dで選択された呼制御プロトコルを利用するので、2回目以降のFAX送信では過去に送信した呼制御プロトコルで利用できる可能性が高い。従って、無応答時の呼制御プロトコルの切換処理負担を削減することができる。
【0035】
このように、本発明によれば、SIPとH.323の双方のプロトコルでIP通信可能なファクシミリ装置において、プロトコルの切換処理の負担を低減することが可能となる。送信先の送信プロトコル情報を送信ログ14aとして記憶することで、2回目の送信時には送信ログ14aを用いて呼制御プロトコルを設定することで、呼制御プロトコルの切換処理負担を削減することができる。
【0036】
呼制御によりFAX画像送信が可能となったときに、実際に圧縮されたFAX画像が相手先に送信されることとなる。品質検出部11cは、実際にFAX画像が送信されているときのFAX通信の品質を検出する。通信品質の検出は、RTCP(RTP[Real-time Transport Protocol] Control Protocol)を利用する。RTCPは、送信側と受信側の情報を伝達するプロトコルであって、データの流れをチェックすることが可能となっている。また、通信品質は、欠落情報やパケット間隔ジッタにより確認できる。ここで、欠落情報としては、例えばデータの欠落率及び/又は累積欠落パケット数が挙げられる。
【0037】
品質検出部11cで例示したように本発明に係るFAX1は、FAX送信に使用した呼制御プロトコルでの通信品質を検出する品質検出手段を備えることが好ましい。実際、FAX2へFAX画像を送信する場合を挙げて説明すると、SIPで呼制御を行った場合にはルータ3を経由する経路(i)でFAX画像の送信もなされるが、H.323で呼制御を行った場合にはルータ6を経由する経路(ii)でFAX画像の送信もなされるため、経路の違いにより通信品質が異なってくる。
【0038】
そして、送信ログアクセス部11bが、送信ログ14aとして、使用プロトコル情報に通信品質の情報を関連づけて記憶し、この通信品質情報を呼制御プロトコルを選択する際に参照するよう構成することが好ましい。すなわち、プロトコル切換部11dは、送信先に応じて送信ログ14aに含まれる通信品質情報に基づきFAX送信に使用する呼制御プロトコルを選択することが好ましい。
【0039】
この通信品質情報は、そのまま送信ログ14aに使用プロトコル情報と関連づけて記憶させてもよいし、例えば閾値処理などにより複数段階に分類して記憶させてもよい。図2の例では、後者の例として所定値以下の場合を「○」、所定値より大きい場合を「△」として記録している。なお、「−」は通信できておらず通信品質情報が無いことを示している。また、プロトコル切換部11dによる選択は、例えば通信品質情報のうちジッタより欠落情報を優先させて選択することが望ましい。例えば、欠落率が少ない呼制御プロトコルを優先して選択し、欠落率が同じである場合にのみジッタの少ない呼制御プロトコルを選択するとよい。図2の例では、No.1の送信先に対しては、H.323が選択され、No.2の送信先に対してはSIPが選択される。
【0040】
これにより、プロトコル切換部11dがH.323かSIPのプロトコルの切り換えを行う際に、送信ログ14aを参照して相手先が両方のプロトコルが使用可能である場合には、通信品質の高いプロトコルを選択することができる。
【0041】
このような選択により、常に通信品質の高いプロトコルを選択してFAX画像の送信が可能となる。すなわち、送信相手がSIPとH.323の双方のプロトコルに対応している場合に、送信ログ14aに記憶された通信品質情報に基づいて品質の良いプロトコルを選択することで、無駄な切換処理を行わずにより通信品質の良いプロトコルで送信することが可能となる。
【0042】
以下、上述のごとき構成のFAX1におけるFAX送信処理の一例を、図3〜図7を参照して説明する。図3は、図1のFAXにおけるFAX送信処理の一例を概略的に説明するためのフロー図である。
【0043】
図4は、図3のFAX送信処理におけるプロトコル選択処理の一例を説明するためのフロー図、図5は、図3のFAX送信処理における送信ログを用いた送信処理の一例を説明するためのフロー図、図6は、図5の送信ログを用いた送信処理における送信ログによるプロトコル切換処理の一例を説明するためのフロー図、図7は、図6の送信ログによるプロトコル切換処理におけるプロトコルの品質比較処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0044】
図3を参照すると、FAX1は、まず制御部11において、図示しない操作部や外部PCなどからのFAX送信要求を待つ(ステップS1)。制御部11は、ステップS1でFAX送信要求が受信されたとき、送信先アドレスの入力をユーザに促して、送信先アドレスを入力する(ステップS2)。次に、制御部11が、スキャン部13から、或いはネットワークI/F15経由で外部PCから、送信データを受信する(ステップS3)。なお、ステップS2,S3の処理はFAX送信要求に含まれていてもよく、その場合、送信先アドレスや送信データはFAX送信要求を解析して読み出すことで得られる。さらに、制御部11が、その送信データからFAX画像を生成する(ステップS4)。
【0045】
続いて、制御部11においては、送信ログアクセス部11bが記憶部14にアクセスし、ステップS2で入力された送信先アドレスが送信ログ14aに記憶済みであるか否かを判定する(ステップS5)。
【0046】
ステップS5で記憶済みでなければ(NOの場合)、制御部11が後述する「プロトコル選択処理」を実行する(ステップS6)。一方、ステップS5で記憶済みであれば(YESの場合)、制御部11が後述する「送信ログを用いた送信処理」を実行する(ステップS7)。
【0047】
このように、FAX送信要求があったとき、送信先として指定されたアドレスの送信ログ14aが存在するか否かを判定し、送信ログ14aが有る場合と無い場合とで、送信処理方法を異ならせることが好ましい。
【0048】
ステップS6/S7の処理後、制御部11はネットワークI/F15を介して送信先アドレスにステップS4で生成したFAX画像を、圧縮/伸張部11eが呼制御時に確認をとった圧縮方式で圧縮し、音声パケットとして送信する(ステップS8)。
【0049】
この送信後、送信ログアクセス部11bが、送信の時間(日時)とRTCPによる回線品質とを送信ログ14aに書き込み(ステップS9)、FAX送信処理を終了する。ここでRTCPによる回線品質は、品質検出部11cがFAX画像送信中に演算して送信後にその結果を送信ログアクセス部11bに渡すとよい。
【0050】
次に、ステップS6における「プロトコル選択処理」の一例を図4を参照して説明する。この処理は、上述のごとく、送信ログ14aが無い場合(すなわち、初めて通信する相手の場合)に実行される。
【0051】
まず、制御部11がデフォルトの呼制御プロトコル(SIP/H.323)で通信を開始し(ステップS11)、応答判定部11aが送信先の応答の有無を判定する(ステップS12)。
【0052】
応答があった場合(ステップS12でNOの場合)には、送信ログアクセス部11bが送信ログ14aにその呼制御プロトコルは通信可能であることを記憶し(ステップS13)、「プロトコル選択処理」を終了してステップS8へ進む。
【0053】
逆に、送信先の応答がない場合(ステップS12でYESの場合)には、送信ログアクセス部11bがその呼制御プロトコルでの通信は不可であると送信ログ14aに記憶し(ステップS14)、プロトコル切換部11dが他の呼制御プロトコルに切り換える(ステップS15)。そして、応答判定部11aが切換後の呼制御プロトコルでの応答の有無を判定する(ステップS16)。
【0054】
切換後の呼制御プロトコルでも応答が無かった場合(ステップS16でYESの場合)には、送信ログアクセス部11bがその呼制御プロトコルでの通信は不可であると送信ログ14aに記憶する(ステップS17)。ステップS14,S17により、その送信先に対していずれの呼制御プロトコルでも通信不可であることが送信ログ14aに記憶されたこととなる。ステップS17に続いて、制御部11が通信中の送信中止を行って(ステップS18)、FAX送信処理自体が終了する。
【0055】
逆に、切換後の呼制御プロトコルでは応答があった場合(ステップS16でNOの場合)には、通信中の呼制御プロトコルでの通信は可能であると送信ログ14aに記憶し(ステップS19)、「プロトコル選択処理」を終了してステップS8へ進む。
【0056】
次に、ステップS7における「送信ログを用いた送信処理」の一例を図5〜図7を参照して説明する。この処理は、上述のごとく、送信ログ14aが有る場合(すなわち、初めて通信する相手ではない場合)に実行される。
【0057】
まず、送信ログアクセス部11bが送信ログ14aから、いずれか1つの呼制御プロトコルのみ通信可能であり、且つ他方の呼制御プロトコルが通信不可(ここではログ無しを含まない)である、という条件を満たすか否かを判定する(ステップS21)。
【0058】
ステップS21でYESの場合には、プロトコル切換部11dが送信ログ14aの通信可を示す方の呼制御プロトコルを選択し、制御部11がその呼制御プロトコルを用いた通信を開始する(ステップS23)。このように、プロトコル切換部11dでは、H.323かSIPのプロトコルの切り換えを行う際に、送信ログ14aを読み出して、例えば送信する相手先の送信ログ14aが既にあれば、送信ログ14aにあるプロトコルを選択する。
【0059】
ステップS23に続き、応答判定部11aが、通信可能と示されていた方の呼制御プロトコルでの応答の有無を判定する(ステップS24)。この呼制御プロトコルで応答があった場合(ステップS24でNOの場合)には、「送信ログを用いた送信処理」を終了して、ステップS8へ進む。
【0060】
一方、この呼制御プロトコルで応答が無かった場合(ステップS24でYESの場合)には、送信ログアクセス部11bが、その呼制御プロトコルが現在、通信は不可であると送信ログ14aに追加で記憶する(ステップS25)。これにより、通信不可である時間帯の情報が一つ得られることとなり、プロトコル切換部11dによる切り換え時に参照することができる。なお、ステップS24でNOの場合にも、送信できたという情報を送信ログ14aに追加で記憶させてもよく、これにより通信可能な時間帯の情報が一つ得られる。
【0061】
このように、送信ログアクセス部11bは、FAX送信を行う送信先の送信ログ14aが通信可能であることを示す呼制御プロトコルをプロトコル切換部11dが選択して、実際にFAX送信を実行した結果、無応答だった場合、記憶部14に送信ログ14aとして、FAX送信要求時の時間(日時)を追加記憶する。
【0062】
実際、このような場面で無応答であった場合には、相手先のFAXは電源断の可能性があり電源オンになれば再び通信可能なプロトコルで利用できる可能性が高いため、送信要求時の時間を追加記憶しておく。これにより、以前の送信ログ14aを残しているため、次の送信時には通信可のプロトコルから開始させることができると共に、次回の送信には電源断の時間帯を外すことができる。なお、時間だけでなく、その通信結果情報も当然関連づけて記憶する。また、ある程度の時間帯で全て無応答の結果を得た場合、その相手先のFAXが取り替えられたと判断し、送信ログ14aを通信無しに更新してもよい。
【0063】
また、このような場面で無応答であった場合には、相手先が電源断である可能性の他に、プロトコル仕様の異なる新しいFAXに置換えられた可能性がある。そこで、送信ログ14aでは通信不可と記憶されている方の呼制御プロトコルに切換して通信を開始する。
【0064】
すなわち、ステップS25に続いて、プロトコル切換部11dが他方の呼制御プロトコルを選択し、それに切り換えて通信を開始する(ステップS26)。ステップS26に続き、応答判定部11aがその呼制御プロトコルでの応答の有無を判定する(ステップS27)。
【0065】
この呼制御プロトコルで応答があった場合(ステップS27でNOの場合)、送信ログアクセス部11bがその呼制御プロトコルが現在も通信は不可であると送信ログ14aに記憶する(ステップS28)。このように、呼制御プロトコルを切り換えて通信開始後に相手先の応答があった場合、相手先はプロトコル仕様の異なる新しいFAXに置き換えられた可能性が高い。そこで、通信中の呼制御プロトコルを通信可として送信ログ14aに記憶する。前回の送信可能な呼制御プロトコルと今回の送信可能な呼制御プロトコルは異なるため、送信ログ14aに送信日時を記憶しておくと、プロトコル切換部11dで、最新の送信ログ14aの呼制御プロトコルを選択して用いることができる。ステップS28の処理後、「送信ログを用いた送信処理」を終了してステップS8へ進む。
【0066】
逆に、この呼制御プロトコルでも応答が無かった場合(ステップS27でYESの場合)には、送信ログアクセス部11bがその呼制御プロトコルが現在も通信は不可であると送信ログ14aに記憶する(ステップS28)。ステップS25,S28により、今回の通信ではいずれの呼制御プロトコルでも通信不可であったことが記憶されることとなる。ステップS28に続いて、制御部11が通信中の送信中止を行って(ステップS29)、FAX送信処理自体が終了する。
【0067】
一方、ステップS21でNOの場合、次に説明する「送信ログによるプロトコル切換処理」を実行し(ステップS22)、「送信ログを用いた送信処理」を終了してステップS8へ進む。
【0068】
ステップS22では、まず送信ログアクセス部11bが、両方の呼制御プロトコルが通信不可であるか否かを送信ログ14aから判定し(ステップS31)、YESの場合、ステップS6へ進んで「プロトコル選択処理」を実行する。このように、両方の呼制御プロトコルのいずれでも通信が不可能であれば前回は電源断だった可能性があるため、図4のように、初めての通信のときに実行される「プロトコル選択処理」を実行する。
【0069】
逆に、ステップS31でNOの場合、両方の呼制御プロトコルは通信可能であるか否かを送信ログ14aから判定する(ステップS32)。
【0070】
ステップS32でYESの場合、次に説明する「プロトコルの品質比較処理」を実行する(ステップS33)。図7で示すようにステップS33では、まずプロトコル切換部11dが、送信ログアクセス部11bに送信ログ14aの通信品質情報を読み出させ、その通信品質情報に基づき、より具体的には通信品質(すなわち回線品質)の高い方の呼制御プロトコルを選択し、その呼制御プロトコルに切り換える(ステップS51)。このように、プロトコル切換部11dは、送信ログ14aを参照して相手先が両方の呼制御プロトコルが使用可能である場合には、通信品質の高い呼制御プロトコルを選択するとよい。続いて、制御部11が、その選択された呼制御プロトコルで通信を開始し(ステップS52)、ステップS24へ進んでそれ以降の処理を継続する。
【0071】
ステップS32でNOの場合には、一方の呼制御プロトコルは通信可であり且つ他方の呼制御プロトコルは送信ログ14aが無い(未トライ)であることを示す。従って、この場合には、プロトコル切換部11dが送信ログ14aの通信可の呼制御プロトコルとは異なる呼制御プロトコルを選択して、通信を開始する(ステップS34)。
【0072】
このように、プロトコル切換部11dは、FAX送信を行う送信先の送信ログ14aが、一方の呼制御プロトコルが通信可能であることを示し且つ他方の呼制御プロトコルに対して通信結果情報が無かった場合、他方の呼制御プロトコルをFAX送信に使用する呼制御プロトコルとして選択することが好ましい。強制的に通信結果情報(通信可否情報)の無い呼制御プロトコルを選択させることで、通信品質情報の収集を行うことができる。実際、全ての呼制御プロトコルで通信を実行しない限りといずれの呼制御プロトコルでの通信品質が高いかを検証できないが、このような情報収集を行うことで検証並びにその検証に基づく呼制御プロトコル選択も可能となる。
【0073】
続いて、応答判定部11aが送信先の応答の有無を判定し(ステップS35)、応答があった場合(ステップS35でNOの場合)には、送信ログアクセス部11bが送信ログ14aにその呼制御プロトコルは通信可能であることを記憶し(ステップS36)、「送信ログによるプロトコル切換処理」を終了し「送信ログを用いた送信処理」も終了して、ステップS8へ進む。元々一方の呼制御プロトコルでは通信可能と示されていたため、ステップS36の処理により、その送信先に対していずれの呼制御プロトコルでも通信可能であることが送信ログ14aに記憶されたこととなる。
【0074】
一方、送信先の応答がない場合(ステップS35でYESの場合)には、送信ログアクセス部11bがその呼制御プロトコルでの通信は不可であると送信ログ14aに記憶し(ステップS37)、プロトコル切換部11dが元々通信可能と示されていた方の呼制御プロトコルを選択し、それに切り換えて通信を開始する(ステップS38)。
【0075】
ステップS38に続き、応答判定部11aが、元々通信可能と示されていた方の呼制御プロトコルでの応答の有無を判定する(ステップS39)。この呼制御プロトコルでも応答が無かった場合(ステップS39でYESの場合)には、送信ログアクセス部11bがその呼制御プロトコルでも現在、通信は不可であると送信ログ14aに追加で記憶する(ステップS40)。これにより、通信不可である時間帯の情報が一つ得られることとなり、プロトコル切換部11dによる切り換え時に参照することができる。ステップS40に続いて、制御部11が通信中の送信中止を行って(ステップS41)、FAX送信処理自体が終了する。
【0076】
一方、ステップS39でNOの場合には、「送信ログによるプロトコル切換処理」を終了し「送信ログを用いた送信処理」も終了して、ステップS8へ進む。なお、このときも、送信できたという情報を送信ログ14aに追加で記憶させてもよく、これにより通信可能な時間帯の情報が一つ得られることとなる。
【0077】
図8は、図1のFAXにおけるFAX送信処理の他の例を概略的に説明するためのフロー図である。図8を参照してFAX送信処理の他の例を説明すると、まず図3のステップS1〜S4と同様の処理がなされる(ステップS61〜S64)。
【0078】
続いて、制御部11がステップS5と同様の判定を行い(ステップS65)、記憶済みでなければ(NOの場合)、制御部11が上述の「プロトコル選択処理」を実行する(ステップS66)。一方、ステップS5で記憶済みであれば(YESの場合)、制御部11が上述の「送信ログを用いた送信処理」を実行する(ステップS67)。
【0079】
ステップS66/S67の処理後、制御部11はネットワークI/F15を介して送信先アドレスにステップS64で生成したFAX画像を、圧縮/伸張部11eが呼制御時に確認をとった圧縮方式で所定の送信単位で圧縮し、音声パケットとして送信する(ステップS68)。
【0080】
この送信後、送信ログアクセス部11bが、ステップS9と同様に送信の時刻とRTCPによる回線品質とを送信ログ14aに書き込み(ステップS69)、制御部11が、全てのFAX画像を送信したか否かを判定する(ステップS70)。
【0081】
全てのFAX画像の送信が完了していなかった場合(ステップS70でNOの場合)には、ステップS65に戻り、次の送信単位のFAX画像に対して、完了するまで同様の処理を実行する。全てのFAX画像の送信が完了した場合(ステップS70でYESの場合)には、FAX送信処理を終了する。なお、ステップS64のFAX画像生成処理で圧縮処理まで行ってもよく、この場合、ステップS70でNOの場合にはステップS64に戻ることとなる。
【0082】
ここで、所定の送信単位としては、ページ単位や圧縮単位(バンド単位)などが挙げられる。ページ単位の場合、上述の処理では、プロトコル切換部11dは、送信ページ毎にプロトコルの選択を実行していることとなる。さらに、送信ログ14aの記憶も送信ページ毎に実行されることとなるため、例えば1ページ目は一方の呼制御プロトコル、2ページ目は他方の呼制御プロトコル、3ページ目以降は通信品質の高い方の呼制御プロトコルを選択することができる。なお、この処理は、送信ログ14aが双方のプロトコルで通信可能であることを示している場合に限らず実行できる。ここで、双方の呼制御プロトコルでの通信品質情報が得られた時点でこのページ単位の処理を中止し、FAX画像全体での処理に切り換えてもよい。
【0083】
圧縮単位(バンド単位)の場合、上述の処理では、プロトコル切換部11dは、1ページ内のバンド毎にプロトコルの選択を実行していることとなる。さらに、送信ログ14aの記憶もバンド毎に実行されることとなるため、例えば第1のバンドは一方の呼制御プロトコル、次のバンドは他方の呼制御プロトコル、次以降は通信品質の高い方の呼制御プロトコルを選択することができる。なお、この処理は、送信ログ14aが双方のプロトコルで通信可能であることを示している場合に限らず実行できる。ここで、双方の呼制御プロトコルでの通信品質情報が得られた時点でこのバンド単位の処理を中止し、FAX画像全体での処理に切り換えてもよい。バンド単位の処理では、例えば1ページの処理が完了する前に、通信品質の高いプロトコルを選択することができる。
【0084】
また、ページ単位の受信はどの相手先FAXでも対応しているが、それ以外の所定の送信単位での受信は対応していないFAXがある。従って、このような単位毎のプロトコル切換は、相手先のFAXがこの送信単位での受信に対応している場合にのみ実行するとよい。この対応の如何は呼制御の段階で問い合わせを行って確認するとよく、相手先のFAXの属性や機種名などを確認して実行してもよい。
【0085】
以上、本発明に係るFAX1として、SIPプロトコルとH.323プロトコルの2つに対応した装置であることを前提に説明したが、これに限らず、複数の呼制御プロトコルに対応する装置であれば同様に適用できる。
【0086】
例えば、本発明に係るFAX1が、SIP、H.323、MGCP(Media Gateway Control Protocol)、H.248/MEGACO(Media Gateway Control)の4つの呼制御プロトコルに対応する装置であってもよい。その場合、例えば、プロトコル切換部11dで、送信ログ14aが、或る呼制御プロトコルが通信可能であることを示し且つ他の呼制御プロトコルに対して通信結果情報が無かった場合には、他の呼制御プロトコルのうち一つをFAX送信に使用する呼制御プロトコルとして選択するとよい。このような処理を繰り返すことで、通信結果情報が送信ログ14aに記録されていない呼制御プロトコルが無くなる。
【0087】
以上、図1乃至図8を参照しながら、本システムについて各実施形態を説明してきたが、その処理の流れを説明したように、本発明はこのようなIP通信によるFAXデータ送信方法としての形態も採り得る。
【0088】
また、本発明は、FAX1で例示したファクシミリ装置に組み込むプログラムとしての形態も採り得る。これらプログラムは、制御部11内の制御プログラム(ファームウェア)として例示したものである。そして、このようなプログラムは、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての配布することやネットワーク経由で配信することができ、ファクシミリ装置に実行可能に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係るファクシミリ装置を含むファクシミリ送信システムの一構成例を示す概略図である。
【図2】図1のFAXにおける記憶部に格納される送信ログの一例を示す図である。
【図3】図1のFAXにおけるFAX送信処理の一例を概略的に説明するためのフロー図である。
【図4】図3のFAX送信処理におけるプロトコル選択処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図5】図3のFAX送信処理における送信ログを用いた送信処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】図5の送信ログを用いた送信処理における送信ログによるプロトコル切換処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図7】図6の送信ログによるプロトコル切換処理におけるプロトコルの品質比較処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図8】図1のFAXにおけるFAX送信処理の他の例を概略的に説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0090】
1…FAX_A、2…FAX(デジタル)_B、3…ルータA(SIPサーバ)、4…FAX(アナログ)_C、5…ルータC(ゲートウェイ)、6…ルータB(H.323ゲートキーパ)、11…制御部、11a…応答判定部、11b…送信ログアクセス部、11c…品質検出部、11d…プロトコル切換部、11e…圧縮/伸張部、12…印字部、13…スキャン部、14…記憶部、14a…送信ログ、15…ネットワークI/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の呼制御プロトコルのうちいずれの呼制御プロトコルを使用してもIP通信が可能なファクシミリ装置であって、前記複数の呼制御プロトコルの間で呼制御プロトコルを切り換えるプロトコル切換手段と、送信先毎に、ファクシミリ送信に使用した呼制御プロトコルを示す使用プロトコル情報と実際に該ファクシミリ送信が可能であったか否かを示す通信結果情報とを含む送信ログを、記憶する送信ログ記憶手段とを備え、前記プロトコル切換手段は、送信先に応じて、前記送信ログ記憶手段で記憶された送信ログに基づきファクシミリ送信に使用する呼制御プロトコルを選択することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
ファクシミリ送信に使用した呼制御プロトコルでの通信品質を検出する品質検出手段を備え、前記送信ログ記憶手段は、前記送信ログとして、前記使用プロトコル情報に通信品質の情報を関連づけて記憶し、前記プロトコル切換手段は、送信先に応じて、前記送信ログに含まれる通信品質の情報に基づきファクシミリ送信に使用する呼制御プロトコルを選択することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記プロトコル切換手段は、ファクシミリ送信を行なう送信先の前記送信ログが、或る呼制御プロトコルが通信可能であることを示し且つ他の呼制御プロトコルに対して前記通信結果情報が無かった場合、該他の呼制御プロトコルをファクシミリ送信に使用する呼制御プロトコルとして選択することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記送信ログ記憶手段は、ファクシミリ送信を行なう送信先の前記送信ログが通信可能であることを示す呼制御プロトコルを前記プロトコル切換手段が選択して実際にファクシミリ送信を実行した結果、無応答だった場合、前記送信ログとして、ファクシミリ送信要求時の時間を追加記憶することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記プロトコル切換手段は、所定の送信単位毎に呼制御プロトコルの選択を実行することを特徴とする請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
前記所定の送信単位毎のプロトコル切換は、相手先のファクシミリ装置が前記所定の送信単位での受信に対応している場合にのみ実行することを特徴とする請求項5に記載のファクシミリ装置。
【請求項7】
前記複数の呼制御プロトコルは、SIPプロトコルとH.323プロトコルの2つであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−283373(P2008−283373A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−124596(P2007−124596)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】