説明

ファクシミリ送達確認方法

【課題】 煩雑で手間がかかるファクシミリ送達確認機能に関する設定を不要とし、しかも、ファクシミリ送信ジョブの実行結果を即時に確認可能とする。
【解決手段】 SNMP機能を実装したPC2(情報処理装置)とファクシミリ装置3とがネットワーク上に接続されたネットワークシステムにおいて、PC2からファクシミリ装置3に対してファクシミリ送信ジョブの実行要求があると、ファクシミリ装置3が、ファクシミリ送信ジョブの実行後に、その実行結果に関する情報をPC2に対してトラップにより送信する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータネットワークに接続されたファクシミリ装置の送信ジョブの終了通知等を行うためのファクシミリ送達確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LAN等のネットワークに接続されたPC(Personal Computer)からG3ファクシミリやインターネットファクシミリを利用してファクシミリ送信ジョブを実行するファクシミリ送信の形態がある。このような場合に、ファクシミリの送達を確認する方法として様々な方法が提案されている。
【0003】
例えば、インターネット或いはLAN等に接続して電子メール通信ができ、しかもメールの送達確認手順を有するファクシミリ装置において、所定のユーザコードに送達確認機能のON/OFFを登録できる機能部を具備し、送信操作で送達確認ONを指定しなくてもユーザコードを使えるあらゆるメール送信で送達確認機能を提供可能とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上記のような電子メールを用いた従来のファクシミリ送達確認動作の一例について図9を参照して説明する。ここでは、ネットワーク上にPC及びファクシミリ装置A(送信側)が接続されたネットワークシステムにおいて、PCからのファクシミリ送信要求に応じてファクシミリ装置Aが遠隔のファクシミリ装置B(受信側)に対して原稿データを送信し、その後、PCにおいてファクシミリ送達の確認を行うまでの一連の動作が示されている。
【0005】
まず、PCからファクシミリ装置Aに対してSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)によりファクシミリ送信ジョブの実行要求がなされるとともに原稿データが送信される。次に、ファクシミリ装置AがPSTN(電話網)を介して接続されたファクシミリ装置Bに対してG3ファクシミリ伝送手順に従って原稿データを送信する。ここで、ファクシミリの通信は、G3/G4などの方式のみならず、原稿データを電子メールで送る方式を用いることもできる。ファクシミリ通信が完了すると、ファクシミリ装置Aは、SMTPによりファクシミリ送信ジョブの実行結果をPC宛の電子メールとしてメールサーバに送信し、その電子メールはメールサーバに蓄積される。このような送達確認のための電子メールは、場合によっては、ファクシミリを受信したファクシミリBからPC宛に送信することも可能である。PCは、POP(Post Office Protocol)によりメールサーバに定期的に電子メールの受信要求をし、その電子メールを受信することによりファクシミリの送達確認を可能とする。
【特許文献1】特開2002−218152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の従来技術のように、電子メールを用いたファクシミリ送達確認方法では、例えば、送達確認用の電子メールを受信するためのメールアカウントをPOPサーバに設定する等、煩雑で手間がかかる送達確認機能に関連する設定をユーザが行う必要があった。また、ユーザは、電子メールソフトを使ってメールサーバに接続して電子メールを受信するまでは、所定の送信ジョブにかかる送達状況を把握することができず、しかも、メールサーバからの電子メールの転送時間は転送経路等により変動し得るので、即時性に欠けるといった問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、煩雑で手間がかかる送達確認機能に関連する設定を不要とし、しかも、ファクシミリ送信ジョブの実行結果を即時に確認することができるファクシミリ送達確認方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明によるファクシミリ送達確認方法は、請求項1に示すとおり、SNMP機能を実装した情報処理装置とファクシミリ装置とがネットワーク上に接続されたネットワークシステムにおいて、情報処理装置からファクシミリ装置に対してファクシミリ送信ジョブの実行要求があると、ファクシミリ装置が、ファクシミリ送信ジョブの実行後に、その実行結果に関する情報を情報処理装置に対してトラップにより送信する構成とする。
【0009】
これによると、ユーザは、情報処理装置においてファクシミリ送信ジョブの実行結果を即時に確認することが可能となり、ファクシミリ送達確認の利便性を向上させることができる。また、電子メールにより送達確認する場合のようなメールアドレスやPOPアカウント等の設定も不要となり、ユーザの設定作業の負荷を軽減できる。
【0010】
上記ファクシミリ送達確認方法においては、請求項2に示すとおり、情報処理装置は、トラップを受信すると、ファクシミリ送信ジョブが終了した旨を表示画面上にポップアップ表示する構成とすることができる。
【0011】
これによると、ユーザは、ファクシミリ送信ジョブの終了を即時かつ容易に認識することが可能となる。
【0012】
上記ファクシミリ送達確認方法においては、請求項3に示すとおり、情報処理装置は、トラップを受信すると、ファクシミリ送信ジョブの実行結果に関する情報をファクシミリ送信ログとして記憶する構成とすることができる。
【0013】
これによると、ユーザは、情報処理装置においてファクシミリ送信ログを適宜参照することにより、ファクシミリ送信ジョブの実行結果に関する情報(送信日時、宛先、送信の成否、及び送信内容等)を容易に確認することが可能となる。
【0014】
上記ファクシミリ送達確認方法においては、請求項4に示すとおり、情報処理装置は、トラップを受信すると、ファクシミリ送信ジョブが終了した旨を表示画面上にポップアップ表示し、そのポップアップ表示に応じてユーザが所定の操作をしたときに、送信ログを表示画面上に更に表示する構成とすることができる。
【0015】
これによると、ユーザは、ファクシミリ送信ジョブの終了を即時かつ容易に認識することが可能となる一方、必要に応じて詳細な実行結果に関する情報を表示させることができるので、ファクシミリ送信ジョブの実行結果の確認作業を効率よく行うことができる。
【0016】
この場合、例えば、ファクシミリ送信ジョブの終了を表示するポップアップ表示ウィンドウに送信ログを表示させるためのボタンを設け、ユーザがそのボタンを操作することによって送信ログを表示画面上に更に表示させることができる。
【0017】
上記ファクシミリ送達確認方法においては、請求項5に示すとおり、ファクシミリ送信ジョブの実行要求は、SMTPを通信プロトコルとして用いて実行される構成とすることができる。
【0018】
これによると、DirectSMTPを用いて情報処理装置がファクシミリ装置と直接通信することで、ファクシミリ送信ジョブの実行要求を迅速かつ容易に行うことができる。
【0019】
上記ファクシミリ送達確認方法においては、請求項6に示すとおり、トラップは、UDPを通信プロトコルとして用いて送信される構成とすることができる。
【0020】
これによると、コネクションレス型のプロトコルであるUDPを用いて高速かつ小さなネットワーク負荷でトラップの送信を行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
このように本発明によれば、SNMP(Simple Network Management Protocol)によるトラップをファクシミリの送達確認に用いるので、送達確認に電子メールを用いた場合のような煩雑で手間がかかる送達確認機能に関連する設定は不要であり、しかも、ファクシミリ送信ジョブの実行結果を即時に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明によるファクシミリ送達確認方法を適用したネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。このネットワークシステム1は、SNMP機能を実装したPC(情報処理装置)2とファクシミリ装置3とがLAN(Local Area Network)4に接続された構成を有する。
【0024】
PC2は、ファクシミリ装置3を制御して適性に動作させるためのPCファックスソフトウェア5が組込まれており、ファクシミリ送信用の原稿(文書、図表、写真等)を電子データとして準備し、LAN4を介してファクシミリ装置3に対してファクシミリ送信ジョブの実行要求を行う。
【0025】
ファクシミリ装置3は、アナログ回線を介して画像を伝送するG3ファクシミリであり、PSTN(電話網)6を介して接続されたファクシミリ装置7とファクシミリ通信を行うことができる。ここで、ファクシミリ装置3は、PC2からのファクシミリ送信ジョブの実行要求があると、その送信ジョブを実行した後に、SNMPエージェント部(図示せず)によって、PC2に送信ジョブの実行終了を通知するためのトラップを生成する。このトラップには、トラップの生成日時、トラップを生成した装置の識別子及びIPアドレス等の情報に加え、ファクシミリ送信ジョブの実行結果に関する情報が含まれる。ファクシミリ装置3は、生成したトラップをPC2に対して送信することで、PC2におけるファクシミリ送達確認を可能とする。
【0026】
なお、ユーザは、上記PC2の代わりに同様の情報処理を行うことが可能な種々の情報処理装置をLAN4に接続してファクシミリ装置3を動作させることができる。ファクシミリ装置としては、G3ファクシミリに限らず、デジタル回線を介して画像を伝送するG4ファクシミリや、インターネットを介して電子メールを用いたデータ通信を可能とするインターネットファクシミリを用いることもできる。また、ファクシミリ装置は、必ずしもファクシミリ専用機である必要はなく、同様のファクシミリ機能に加えてネットワークスキャナ機能やネットワークプリンタ機能等を備えた複合機でもよい。また、ここでは省略するが、上記のようなネットワークシステム1では、PC2やファクシミリ装置7のみならず、プリンタや複写機等の種々のネットワーク機器がLAN4に接続されるのが一般的である。
【0027】
図2は、図1に示したPCで使用されるPCファックスソフトウェアの概略構成を示すブロック図である。PCファックスソフトウェア5は、ユーザとのインタフェースを構成するクライアントアプリケーション11と、ファクシミリ送信の宛先(電話帳)や送受信ログ等の各種情報を記憶するためのデータベース部12と、ファクシミリデータの解像度の変換等を実行する共有サービス13と、LAN4に接続されたネットワーク機器の監視やファクシミリ送受信のステータスの確認を行うためのサービス常駐ソフト14と、他のアプリケーションプログラムとの機能の共有化を図るための管理サービス15と、ネットワークに関する制御を行うネットワーク制御部16と、電子メールの送信及び受信を行うための通信プロトコルを扱うSMTP17及びPOP18と、SMTP及びPOPによる通信を制御するSMTP/POPクライアント通信部19と、SNMPによる通信を制御するSNMP通信部20と、SNMPによるトラップ機能を実現するトラップサービス21と、TCP/IPまたはUDP/IPにより通信を制御するTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)・UDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)通信制御部22とを有する。
【0028】
ここで、PC2からファクシミリを送信する際には、SMTP/POPクライアント通信部19は、DirectSMTPにより通信を行う機能を備えており、SMTP17を用いて直接ファクシミリ装置3に対してファクシミリ送信ジョブの実行要求を行うとともに原稿データを送信することができる。
【0029】
また、PC2においてファクシミリの送達確認を行う際には、SNMP通信部20は、トラップサービス21を用いて、ファクシミリ装置3から送信されるファクシミリ送信ジョブの実行結果に関する情報をトラップにより受信することができる。或いは、SMTP/POPクライアント通信部19によって、従来技術と同様にPOP18を用いて、所定のメールサーバ経由で実行結果に関する情報を電子メールにより取得することも可能である。なお、TCP/IP・UDP/IP通信制御部22は、トラップの受信についてはデータ転送の即時性を考慮してUDPにより行う。
【0030】
データベース部12は、ファクシミリ装置3から受信したトラップから送信ジョブの実行結果に関する情報をファクシミリ送信ログの情報として抽出して記憶することが可能である。
【0031】
図3は、図1に示したネットワークシステムにおけるファクシミリ送達確認の流れを示すシーケンス図である。まず、DirectSMTPによりPC2からファクシミリ装置(送信側)3に対してファクシミリ送信ジョブの実行要求がなされるとともに原稿データが送信される。次に、ファクシミリ装置3がファクシミリ装置(受信側)7に対してファクシミリ伝送手順に従って原稿データを送信する。そこで、そのファクシミリ送信ジョブが完了すると、ファクシミリ装置3は、ファクシミリ送信ジョブの実行結果をSNMPによるトラップとしてPC2に対して送信する。PC2は、そのトラップを受取ることによりファクシミリの送達確認を可能とする。
【0032】
ここで、本発明の実施の形態のようにG3ファクシミリを用いた場合では、原稿データがファクシミリ装置3からファクシミリ装置7に対して正常に送信されたか否かの情報を含めてファクシミリ送信ジョブの実行結果をPC2に対して送信することも可能である。一方、インターネットファクシミリの場合のように電子メールを用いて原稿データの送受信を行う場合には、ファクシミリ送信ジョブの完了後に受信側のファクシミリ装置から送達確認メールを受信するまでに長時間を要する場合もあり得るため、通常は電子メールを送信後にファクシミリ送信ジョブの実行結果をPC2に対して送信するのが通常である。
【0033】
図4は、図1に示したネットワークシステムのPCにおけるファクシミリ送達確認に関する設定画面の一例を示す図である。この設定画面31は、PCファックスソフトウェアのプロパティを設定するためのものであり、装置情報フィールド32には、使用するファクシミリ装置3の名称、IPアドレス、及びモデル名等が登録されている。PC2を利用するユーザは、PCファックス設定フィールド33において、ファクシミリ装置3を使用するための認証パスワードである中継送信パスワード34を設定するのみで、ファクシミリ送信の実行とともに送達確認を行うことが可能となる。
【0034】
従って、ここでは、従来の電子メールを用いて送達確認を行う場合のようなファクシミリ装置3のメールアドレス(装置のメールアドレス)や送信ジョブの実行結果を通知するためのメールアドレス(結果通知用メールアドレス)の設定を必ずしも必要としない。同様に、POPサーバ、POPアカウント、及びPOPパスワード等のメールサーバからの電子メールの受信に関する設定も不要である。
【0035】
図5は、図1に示したネットワークシステムのPCにおけるファクシミリ送達確認に関する通知画面の一例を示す図である。PC2は、文字や図形等を表示画面上に表示するためのディスプレイ装置を備えており、ファクシミリ装置3からトラップを受信すると、ユーザがファクシミリ送信ジョブの終了を視覚的に認識可能なように、そのディスプレイ装置にファックス送信完了通知ウィンドウ41をポップアップ表示することができる。
【0036】
ここで、ユーザは、さらに詳細な実行結果の確認を必要とする場合には、ファックス送信完了通知ウィンドウ41における「閲覧」ボタン42を押すことにより後述するファクシミリ送信ログを表示させることができる。一方、詳細な実行結果の確認が不要な場合には、「閉じる」ボタン43を押すことによりファックス送信完了通知ウィンドウ41を閉じてファクシミリ送達確認を終了することができる。なお、ユーザは、ファックス送信完了通知ウィンドウ41を一旦閉じた後であっても、記録されたファクシミリ送信ログを適宜参照することが可能である。
【0037】
図6及び図7は、図1に示したネットワークシステムのPCにおけるファクシミリ送信ログの表示画面の一例を示す図である。この送受信ログの表示ウィンドウ51では、ユーザは、選択フィールド52において送信ログ、受信ログ、またはイメージビューワを適宜選択して送信ログ一覧、受信ログ一覧、またはファクシミリ画像を表示させることができる。ここでは、ファクシミリの送達確認に関連する送信ログについてのみ説明する。
【0038】
送信ログの一覧が示される表示フィールド53には、表示項目として、送信ジョブの実行状況を示すステータス、ファクシミリ送信の成否を示す通信結果、発信日時、原稿のページ数、送信済みページ数、コンピュータ名、宛先、ファックス番号、ファクシミリの装置名、及び装置の場所(IPアドレス)が設定されており、ユーザは、これらの情報からファクシミリの送達確認を行うことが可能である。これらの表示項目については上記のものに限らず、ファクシミリの送達確認に必要な種々の情報を追加することができる。
【0039】
図6には、PC2からファクシミリ装置3に対して5件のファクシミリ送信ジョブの実行要求が行われた場合の送信ログの一覧が示されている。ユーザが、PC2からファクシミリ装置3に対してファクシミリ送信ジョブの実行要求を行うと、その送信ジョブに関する情報が順次送信ログに追加される。
【0040】
ここで、ステータスの「実行中」の表示は、ファクシミリ送信ジョブの実行要求が完了したことを示し、一方、ステータスの「実行待ち」の表示は、送信ジョブの実行要求が準備段階にあることを示している。ここでは、5件の送信ジョブのうち2件(送信ジョブNo.1、2)の送信ジョブの実行要求が完了しており、残りの3件(送信ジョブNo.3〜5)は準備段階にあることを示している。なお、それら残りの3件についても、実行要求が完了すると、ステータスの「実行待ち」の表示が「実行中」に変更される。
【0041】
図7には、図6に示した5件の送信ジョブがファクシミリ装置3においてそれぞれ実行された後、PC2がそれらの実行結果に関する情報をそれぞれトラップとして受信した場合の送信ログの一覧が示されている。PC2がファクシミリ装置3からトラップを受信すると、送信ジョブの実行結果に関する情報が抽出され順次送信ログに追加される。即ち、図6に示した表示フィールド53における各表示項目の表示内容は、PC2が受信したトラップに基づき更新される。
【0042】
ここで、例えば、図7に示す送信ジョブNo.2において、ステータスの「終了」の表示は、送信ジョブが完了したことを示し、通信結果の「OK」の表示は、ファクシミリ送信が正常に送信されたことを示し、送信済みページの「2」の表示は、2ページの原稿の全てが送信されたことを示す。また、送信ジョブNo.3において、ステータスの「終了」の表示は、送信ジョブが完了したことを示し、通信結果の「エラー」の表示は、ファクシミリ送信が正常に送信なかったことを示し、送信済みページの「0」の表示は、原稿が全く送信されていないことを示す。ユーザは、このエラー表示に応じて、送信ジョブNo.3の送信ジョブを再度実行することができる。
【0043】
図8は、図1に示したネットワークシステムにおけるファクシミリ送達確認動作を示すフロー図である。まず、PC2からファクシミリ装置3に対して送信ジョブの実行要求がなされ(ST101)、その実行要求からトラップ(送信ジョブの実行結果)を受信するまでの待ち時間の許容範囲を定める結果待ちタイマ(T1)がセットされる(ST102)。
【0044】
次に、トラップを受信したか否かが判定され(ST103)、この受信確認は、実行待ち時間が結果待ちタイマの設定時間T1を超えない限り、トラップを受信するまで一定時間間隔で繰り返し実行される(ST104:No)。ステップST103においてトラップを受信したと判定された場合、ステップST105に進み、トラップに含まれる送信ジョブの実行結果に関する情報からファクシミリ通信が正常に行われたか否かが判定される。そこで、通信が正常に行われたと判定された場合には、送信ログが更新され、通信結果に「OK」の表示がされる(ST106)。一方、通信が正常に行われなかったと判定された場合には、送信ログが更新され、通信結果に「エラー」の表示がされる(ST107)。同様に、ステップST104においてトラップを受信することなく待ち時間が設定時間T1を超えたと判定された場合は(ST104:Yes)、送信ログが更新され、通信結果に「エラー」の表示がされる(ST107)。
【0045】
そこで、ファクシミリ送信ジョブが終了した旨をPC2の表示画面上に表示する設定がされているか否かが判定され(ST108)、表示する設定がなされている場合には、ファックス完了通知がポップアップ表示され(図5参照)、ファクシミリ送達確認の一連の動作が終了する。一方、表示する設定がなされていない場合には、ファックス完了通知がポップアップ表示されることなく動作が終了する。
【0046】
なお、ユーザは、上記ステップST108に関して、ファクシミリ送信ジョブが終了した旨をPC2の表示画面上に表示する必要があるか否かについて予め設定しておくことができる。また、ステップST109においてファックス完了通知がポップアップ表示された際に、ユーザがさらに詳細な実行結果の確認を必要とする場合には、図7に示したようなファクシミリ送信ログをさらに表示させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明にかかるファクシミリ送達確認方法によれば、SNMPによるトラップをファクシミリの送達確認に用いることにより、送達確認に電子メールを用いた場合のような煩雑で手間がかかる送達確認機能に関連する設定が不要となり、しかも、ファクシミリ送信ジョブの実行結果を即時に確認することができるので、コンピュータネットワークに接続されたファクシミリ装置の送信ジョブの終了通知等を行うためのファクシミリ送達確認方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるファクシミリ送達確認方法を適用したネットワークシステムの構成を示すブロック図
【図2】図1のPCで使用されるPCファックスソフトウェアの構成を示すブロック図
【図3】図1のネットワークシステムにおけるファクシミリ送達確認の流れを示すシーケンス図
【図4】図1のPCにおいてファクシミリ送達確認に関する設定を行うための設定画面を示す図
【図5】図1のPCにおけるファクシミリ送達確認に関する通知画面を示す図
【図6】図1のPCにおけるファクシミリ送信ログの表示画面を示す図
【図7】図1のPCにおけるファクシミリ送信ログの表示画面を示す図
【図8】図1のネットワークシステムにおけるファクシミリ送達確認動作を示すフロー図
【図9】従来のファクシミリ送達確認の流れを示すシーケンス図
【符号の説明】
【0049】
1 ネットワークシステム
2 PC(情報処理装置)
3 ファクシミリ装置(送信側)
4 LAN
5 PCファックスソフトウェア
6 PSTN(電話網)
7 ファクシミリ装置(受信側)
20 SNMP通信部
21 トラップサービス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNMP機能を実装した情報処理装置とファクシミリ装置とがネットワーク上に接続されたネットワークシステムにおいて、前記情報処理装置から前記ファクシミリ装置に対してファクシミリ送信ジョブの実行要求があると、前記ファクシミリ装置が、前記ファクシミリ送信ジョブの実行後に、その実行結果に関する情報を前記情報処理装置に対してトラップにより送信することを特徴とするファクシミリ送達確認方法。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記トラップを受信すると、前記ファクシミリ送信ジョブが終了した旨を表示画面上にポップアップ表示することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ送達確認方法。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記トラップを受信すると、前記ファクシミリ送信ジョブの実行結果に関する情報をファクシミリ送信ログとして記憶することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ送達確認方法。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記トラップを受信すると、前記ファクシミリ送信ジョブが終了した旨を表示画面上にポップアップ表示し、そのポップアップ表示に応じてユーザが所定の操作をしたときに、前記送信ログを表示画面上に更に表示することを特徴とする請求項3に記載のファクシミリ送達確認方法。
【請求項5】
前記ファクシミリ送信ジョブの実行要求は、SMTPを通信プロトコルとして用いて実行されることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ送達確認方法。
【請求項6】
前記トラップは、UDPを通信プロトコルとして用いて送信されることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ送達確認方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−60475(P2006−60475A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239514(P2004−239514)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】