説明

フィラメントワインディング成形装置における樹脂付着方法と樹脂付着装置

【課題】樹脂付着作業の高速化を実現してFW成形装置の生産性を向上する。
【解決手段】回転自在に軸支される塗布ローラと、前記繊維を塗布ローラの表面に押し付けた状態で搬送案内するガイドローラとを備えている。塗布ローラの表面に臨んで塗布ノズルとナイフエッジを配置し、ローラ表面の一部を貯留槽に収容した樹脂液に浸漬する。樹脂液の液面とナイフエッジとの間に前記塗布ノズルを配置する。貯留槽の内部において塗布ローラの表面に付着した樹脂液の表面に、塗布ノズルで樹脂液を吹き付けて前段塗布層を形成する。前段塗布層をナイフエッジで調整して塗布層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントワインディング成形装置において繊維に樹脂を付着させるための樹脂付着方法、および樹脂付着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフィラメントワインディング成形装置(以下、単にFW成形装置と言う。)における樹脂付着装置の構造を図6に示す。そこでは、樹脂液51を収容する貯留槽52と、樹脂液51に浸漬される塗布ローラ53と、塗布ローラ53の表面に付着した塗布層の厚みを調整するナイフエッジ54などで樹脂付着装置を構成している。繊維55は一対のガイドローラ56で搬送案内されて、塗布ローラ53の表面に押し付けられており、これによりナイフエッジ54で調整された塗布層57を繊維55に付着させることができる。同様の構成は例えば特許文献1、2に開示してある。
【0003】
【特許文献1】特開2007−185827号公報(段落番号0031、図1)
【特許文献2】特開2007−223107号公報(段落番号0029、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のFW成形装置においては、生産性を向上することが重要な課題となっている。具体的には、より高速度で塗布層を繊維に付着させて、付着処理を高速化することが樹脂付着装置に求められている。しかし、上記従来のローラ方式の樹脂付着装置では、繊維の搬送速度(塗布ローラの周速度)が早くなるのに伴って、塗布ローラの繊維との接触周回面に付着する樹脂の付着量が減少し、塗布ローラの表面の塗布層が筋状に凹んでしまう。しかも、樹脂の付着量にむらがある。そのため、樹脂付着装置の処理速度に限界があり、FW成形装置の生産性を向上するうえで最大の阻害要因になっていた。
【0005】
本発明の目的は、樹脂付着作業の高速化を実現してFW成形装置の生産性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の樹脂付着方法では、塗布ローラの一部を貯留槽に収容した樹脂液に浸漬する。塗布ローラの表面に塗布ノズルで樹脂液を吹き付ける。以て、貯留槽の内部において塗布ローラの表面に付着した樹脂液と、塗布ノズルで吹き付けられた樹脂液とで前段塗布層を形成する。繊維を塗布ローラの表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、繊維に前段塗布層を付着させることを特徴とする。なお、本発明における「付着」とは、樹脂が繊維の表面に塗布された状態に限らず、樹脂の一部が繊維間に含浸された状態をも含む概念である。
【0007】
別の樹脂付着方法では、繊維と塗布ローラとの接触領域を除く塗布ローラの表面に、塗布ノズルで樹脂液を吹き付けて前段塗布層を形成する。繊維を塗布ローラの表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、繊維に前段塗布層を付着させることを特徴とする。
【0008】
前段塗布層をナイフエッジで調整して所定厚みの塗布層したのち、繊維に塗布層を付着させる。
【0009】
塗布ノズルから噴出される樹脂液を、塗布ローラの繊維との接触周回面に吹き付けて前段塗布層を形成する。
【0010】
樹脂液はヒータを含む恒温構造で所定温度に維持しておく。
【0011】
本発明の樹脂付着装置は、図1に示すように、回転自在に軸支される塗布ローラと、繊維を塗布ローラの表面に押し付けた状態で搬送案内するガイドローラとを備えている。塗布ローラの表面の一部は、貯留槽に収容した樹脂液に浸漬する。塗布ローラの表面に臨んで、ナイフエッジと塗布ノズルを配置する。以て、貯留槽の内部で塗布ローラに付着した樹脂液と、塗布ノズルで吹き付けられた樹脂液とで前段塗布層を形成する。得られた前段塗布層をナイフエッジで調整して塗布層を形成する。
【0012】
本発明の別の樹脂付着装置は、図5に示すように、回転自在に軸支される塗布ローラと、繊維を塗布ローラの表面に押し付けた状態で搬送案内するガイドローラとを備えている。繊維と塗布ローラとの接触領域を除く塗布ローラの表面に塗布ノズルを臨ませる。塗布ノズルで吹き付けられる樹脂液で前段塗布層を形成し、得られた前段塗布層をナイフエッジで調整して塗布層を形成する。
【0013】
塗布ノズルを、塗布ローラの繊維との接触周回面に臨んで配置する。塗布ノズルから噴出される樹脂を、接触周回面に吹き付けて前段塗布層を形成する。
【0014】
液状の樹脂を所定温度に維持する恒温構造を備えている。恒温構造はヒータと、温度センサーを含んで構成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の樹脂付着方法および樹脂付着装置では、貯留槽の内部において塗布ローラの表面に付着した樹脂液と、塗布ノズルで吹き付けられた樹脂液とで前段塗布層を形成し、繊維を塗布ローラの表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、塗布ローラの表面の前段塗布層を繊維に付着させるようにした。
【0016】
このように、塗布ローラに付着する樹脂液の不足を、塗布ノズルから噴出供給される樹脂液で補うようにすると、必要な厚みの前段塗布層を確実に形成できる。したがって、本発明の樹脂付着方法によれば、繊維が高速度で搬送されるような場合でも、塗布ローラの表面に所定厚みの前段塗布層を確実に形成して繊維に付着させることができる。これにより、樹脂付着作業の高速化を実現してFW成形装置の生産性を向上できる。さらに、貯留槽の内部において塗布ローラの表面に樹脂液を付着させ、付着できなかった不足分を塗布ノズルから噴出される樹脂液で補うので、塗布ノズルで吹き付けられる樹脂液の量を節約して、飛散する樹脂液による作業環境の汚損を抑止できる。樹脂液の劣化も抑止できる。
【0017】
本発明の別の樹脂付着方法および樹脂付着装置のように、繊維と塗布ローラとの接触領域を除く塗布ローラの表面に、塗布ノズルで樹脂液を吹き付けて前段塗布層を形成すると、必要な厚みの前段塗布層を確実に形成できる。したがって、本発明の樹脂付着方法によれば、繊維が高速度で搬送されるような場合でも、塗布ローラの表面に所定厚みの前段塗布層を確実に形成して繊維に付着させることができる。これにより、樹脂付着作業の高速化を実現してFW成形装置の生産性を向上できる。また、塗布ノズルから噴出供給される樹脂液の量や、塗布ノズルの配置個数を増加することで繊維の搬送速度の高速化に柔軟に対応できる。
【0018】
前段塗布層をナイフエッジで調整して所定厚みの塗布層したのち、繊維に塗布層を付着させるようにすると、前段塗布層の厚みにばらつきがある場合であっても、所定厚みの塗布層を的確に形成することができる。したがって、繊維に対する樹脂の付着量を常に適正なものとして、樹脂液が均質に付着された繊維を得ることができる。
【0019】
塗布ノズルから噴出される樹脂液を、塗布ローラの繊維との接触周回面に吹き付けて前段塗布層を形成すると、必要個所に限って樹脂液を吹き付ければよいので、塗布ノズルによる樹脂液の無駄な吹き付けを防いで、樹脂液の劣化や無駄な消費を阻止できる。飛散する樹脂液による作業環境の汚損も抑止できる。
【0020】
樹脂液をヒータを含む恒温構造で所定温度に維持すると、樹脂液の粘度を一定状態に保持して、塗布ローラに対する付着量や、塗布ノズルによる吹き付け量を安定化することができる。このことは、繊維に対する樹脂の付着量を安定化できることを意味し、結果としてFW成形品の品質向上に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施例) 図1ないし図3に、本発明に係るフィラメントワインディング装置(FW装置と表記する。)の第1実施例を示す。図2においてFW装置は、繊維1を供給する解舒装置2と、テンション装置3と、繊維1に樹脂液を付着する樹脂付着装置4と、トラバース装置5などで構成する。
【0022】
繊維1はカーボン繊維からなり、上下にフラット面を有するテープ状に形成してある。ボビン6に巻き込まれた繊維1を解舒装置2で解舒し、テンション装置3で繊維1に所定テンションを付与した状態で樹脂付着装置4へ送給する。樹脂付着装置4によって樹脂液が付着された繊維1は、トラバース装置5でトラバースしながらマンドレル7に巻き付けられる。繊維1の巻き付けが終了したマンドレル7は、加熱処理されて前記樹脂を硬化させることにより、圧力容器として使用される。
【0023】
図1に示すように樹脂付着装置4は、樹脂液10を繊維1に付着処理する塗布構造11と、樹脂液10を塗布構造11に供給する樹脂供給構造12と、繊維を一方向へ搬送する搬送構造(図示していない)などで構成する。
【0024】
塗布構造11は、樹脂液10を収容する貯留槽14と、下部周面が樹脂液10に浸漬される塗布ローラ15と、繊維1を塗布ローラ15の表面に押し付けた状態で案内する一対のガイドローラ16・16と、塗布ノズル17と、ナイフエッジ18などで構成する。塗布ローラ15は回転自在に軸支してあり、繊維の搬送方向と同じ向きに、繊維の搬送速度と同じ周速度で回転する。図1に塗布ローラ15の回転方向を矢印で示している。塗布ノズル17は、樹脂液10の液面とナイフエッジ18との間に配置してある。ナイフエッジ18によって、余分な樹脂液をそぎ落として、所定厚みの塗布層37を形成することができる。貯留槽14内の樹脂液10の液位は、図示していない樹脂液供給構造によって一定に保持される。
【0025】
貯留槽14に収容した液状の樹脂液10を一定の温度に保持し、樹脂液10の粘度を一定状態に維持するために、貯留槽14を恒温槽(恒温構造)20内の恒温液(水)に浸漬している。恒温液の温度は温度センサ21で知ることができ、温度センサ21の検知信号に応じてヒータ22に通電し、あるいはヒータ22への通電を停止することにより、恒温液の温度を一定(例えば80℃)に保持できる。
【0026】
樹脂供給構造12は、主剤タンク25と、硬化剤タンク26と、両タンク25・26から送給される主剤および硬化剤を混合する混合機27と、混合機27から送出される樹脂液28を加圧して送給するポンプ29などで構成する。ポンプ29の吐出口は通路30を介して塗布ノズル17に接続してあり、通路30の中途部には樹脂液28を一定の温度に保持する恒温室(恒温構造)31が設けてある。恒温室31の内部には、樹脂液28の温度を検知する温度センサ32と、樹脂液28を過熱するヒータ33が配置してある。主剤タンク25の内部には主剤を加熱するヒータ34が配置してある。
【0027】
以上のように構成した樹脂付着装置4においては、樹脂液10に浸漬された塗布ローラ15が繊維1と同行して回転することにより、ローラ表面に樹脂液10を付着させることができる。しかし、繊維1の搬送速度が一定値を越えると、ローラ表面に付着する樹脂液10の量が減少し、図3に示すように、塗布ローラ15の繊維1との接触周回面に筋状の凹部35が形成され、塗布ローラ15のみで充分な厚みの前段塗布層36を形成できなくなる。
【0028】
上記の凹部35を埋めるために塗布ノズル17を設け、ポンプ29で加圧された樹脂液28を塗布ノズル17で凹部35へ向かって吹き付けて、充分な厚みの前段塗布層36を形成している。図3においては、塗布ローラ15の繊維1との接触周回面に対して、2個の塗布ノズル17を斜めに配置し、両塗布ノズル17から樹脂液28を同時に噴出供給して凹部35の凹みを解消できるようにした。なお、塗布ローラ15で複数の繊維1に塗布層37を付着させる場合には、塗布ローラ15の各繊維1との接触周回面ごとに、塗布ノズル17を設けるとよい。1個の塗布ノズル17で樹脂液28を噴出供給する場合には、塗布ノズル17を塗布ローラ15の繊維1との接触周回面に正対する状態で配置するとよい。
【0029】
以上のように、塗布ローラ15に樹脂液10を付着させ、さらに塗布ノズル17で樹脂液28を吹き付けると、充分な厚みの前段塗布層36をローラ表面に形成することができる。得られた前段塗布層36はナイフエッジ18で調整されて、所定の厚みの塗布層37とされる。したがって、繊維1の搬送速度が高速化されても、塗布層37を繊維1に適正に付着させて、樹脂付着作業の高速化を実現し、FW装置の生産性を向上できる。また、樹脂付着作業の高速化に伴って塗布層37の単位時間当たりの付着量が増加しても、ポンプ29の吐出量を調整することで支障なく対応できる。
【0030】
(第2実施例) 図4は本発明に係る樹脂付着装置4の第2実施例を示す。そこでは、第1実施例における樹脂供給構造12を省略し、貯留槽14に収容した液状の樹脂液10をポンプ29で加圧して塗布ノズル17に送給することとした。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様に扱うこととする。
【0031】
上記のように、貯留槽14に収容した液状の樹脂液10をポンプ29で加圧して塗布ノズル17に送給する樹脂付着装置によれば、樹脂供給構造12を著しく簡素化して樹脂付着装置の全体コストを削減できる。また、塗布ローラ15に付着する樹脂液10と塗布ノズル17から吹き付けられる樹脂液10の温度および粘度を均一化できる。
【0032】
(第3実施例) 図5は本発明に係る樹脂付着装置4の第3実施例を示す。そこでは、塗布ノズル17から噴出供給される樹脂液10・28のみで前段塗布層36を形成する点と、恒温槽20を省略する点が、先の各実施例と異なる。詳しくは、塗布ローラ15の全体を貯留槽14の上方に配置して、貯留槽14に収容される樹脂液10に塗布ローラ15を浸漬させない。さらに、繊維1と塗布ローラ15との接触領域を除く、塗布ローラ15の表面の4個所に塗布ノズル17を臨ませて、各塗布ノズル17から吹き付けられる樹脂液10・28によって前段塗布層36を形成するようにした。
【0033】
この実施例の樹脂付着装置4は、実施例1と同様の樹脂供給構造12を備えているが、以下の点が一部異なる。主剤タンク25および硬化剤タンク26から送給される主剤および硬化剤を混合機27で混合する際に、貯留槽14内の樹脂液10をも同時に混合して、塗布ノズル17にポンプ29で加圧送給するようにした。この実施例における貯留槽14は、ナイフエッジ18でそぎ落とされた余分な樹脂液10・28を受け止めて再利用する受液槽としてのみ機能する。図5において、符号40は、貯留槽14と混合機27を連通する通路であり、符号41は通路30と4個の塗布ノズル17を連通する通路である。
【0034】
上記のFW装置においては、以下の樹脂付着方法に従って樹脂液10・28を繊維1に付着させることができる。
塗布ローラ15の一部を貯留槽14に収容した樹脂液10に浸漬する。塗布ローラ15の表面に塗布ノズル17で樹脂液10・28を吹き付ける。以て、貯留槽14の内部において塗布ローラ15の表面に付着した樹脂液10と、塗布ノズル17で吹き付けられた樹脂液10・28とで前段塗布層36を形成する。得られた前段塗布層36をナイフエッジ18で調整して所定厚みの塗布層37を形成する。繊維1を塗布ローラ15の表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、繊維1に塗布層37を付着させる。この樹脂付着方法においては、前段塗布層36をナイフエッジ18で調整して所定厚みの塗布層37を形成する過程を省いて、繊維1を塗布ローラ15の表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、繊維1に前段塗布層36を付着させてもよい。
【0035】
繊維1と塗布ローラ15との接触領域を除く塗布ローラ15の表面に、塗布ノズル17で樹脂液10・28を吹き付けて前段塗布層36を形成する。得られた前段塗布層36をナイフエッジ18で調整して所定厚みの塗布層37を形成する。繊維1を塗布ローラ15の表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、繊維1に塗布層37を付着させる。この樹脂付着方法においては、前段塗布層36をナイフエッジ18で調整して所定厚みの塗布層37を形成する過程を省いて、繊維1を塗布ローラ15の表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、繊維1に前段塗布層36を付着させてもよい。その場合には、塗布ノズル17から吹き付けられる樹脂液量を精密に制御することにより、前段塗布層36の厚みを所定厚みにすることができる。
【0036】
塗布ノズル17から噴出される樹脂液10・28を、塗布ローラ15の繊維1との接触周回面に吹き付けて前段塗布層36を形成する。
【0037】
樹脂液10・28はヒータ22・33・34を含む恒温構造で所定温度に維持しておく。
【0038】
実施例1における塗布ノズル17は、塗布ローラ15を間に挟んでナイフエッジ18と対向するローラ周面に配置することができる。その場合には、塗布ノズル17で吹き付けられた樹脂液28と、前記樹脂液28の外面に付着する樹脂液10とで前段塗布層36が形成される。必要があれば、塗布ノズル17を貯留槽14内の樹脂液10に浸漬させた状態で樹脂液28を噴出供給してもよい。多数個の繊維1に塗布ローラ15で塗布層37を付着させる場合には、塗布ノズル17の幅を塗布ローラ15の幅と同幅にして、樹脂液10・28を塗布ローラ15の表面に噴出供給することができる。FW装置は、実施例で説明した構成に限るものではなく、要は樹脂付着装置を備えている全てのFW装置に本発明を広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施例に係る樹脂付着装置の概略構造図である。
【図2】FW成形装置を説明するための斜視図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る樹脂付着装置の概略構造図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る樹脂付着装置の概略構造図である。
【図6】従来の樹脂付着装置を示す概略構造図である。
【符号の説明】
【0040】
1 繊維
4 樹脂付着装置
10 樹脂液
14 貯留槽
15 塗布ローラ
16 ガイドローラ
17 塗布ノズル
18 ナイフエッジ
28 樹脂液
36 前段塗布層
37 塗布層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布ローラの一部が貯留槽に収容した樹脂液に浸漬されており、
前記塗布ローラの表面に塗布ノズルで樹脂液を吹き付けて、前記貯留槽の内部において前記塗布ローラの表面に付着した樹脂液と、前記塗布ノズルで吹き付けられた樹脂液とで前段塗布層を形成し、
繊維を前記塗布ローラの表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、前記繊維に前記前段塗布層を付着させることを特徴とする、フィラメントワインディング成形装置における樹脂付着方法。
【請求項2】
繊維と塗布ローラとの接触領域を除く塗布ローラの表面に、塗布ノズルで樹脂液を吹き付けて前段塗布層を形成し、
前記繊維を前記塗布ローラの表面に押し付けた状態で一方向へ搬送して、前記繊維に前記前段塗布層を付着させる、フィラメントワインディング成形装置における樹脂付着方法。
【請求項3】
前記前段塗布層をナイフエッジで調整して所定厚みの塗布層し、
前記繊維に前記塗布層を付着させることを特徴とする請求項1または2に記載のフィラメントワインディング成形装置における樹脂付着方法。
【請求項4】
前記塗布ノズルから噴出される樹脂液を、前記塗布ローラの前記繊維との接触周回面に吹き付けて前記前段塗布層を形成する、請求項1、2または3に記載のフィラメントワインディング成形装置における樹脂付着方法。
【請求項5】
前記樹脂液をヒータを含む恒温構造で所定温度に維持する、請求項1から4のいずれかに記載のフィラメントワインディング成形装置における樹脂付着方法。
【請求項6】
回転自在に軸支される塗布ローラと、繊維を前記塗布ローラの表面に押し付けた状態で搬送案内するガイドローラとを備えており、
前記塗布ローラの表面の一部は、貯留槽に収容した樹脂液に浸漬されており、
前記塗布ローラの表面に臨んで、ナイフエッジと塗布ノズルが配置されており、
前記貯留槽の内部で前記塗布ローラに付着した樹脂液と、前記塗布ノズルで吹き付けられた樹脂液とで前段塗布層を形成し、
前記前段塗布層をナイフエッジで調整して塗布層を形成する、フィラメントワインディング成形装置における樹脂付着装置。
【請求項7】
回転自在に軸支される塗布ローラと、繊維を前記塗布ローラの表面に押し付けた状態で搬送案内するガイドローラとを備えており、
前記繊維と前記塗布ローラとの接触領域を除く前記塗布ローラの表面に塗布ノズルが臨ませてあり、
前記塗布ノズルで吹き付けられる樹脂液で前段塗布層を形成し、
前記前段塗布層をナイフエッジで調整して塗布層を形成する、フィラメントワインディング成形装置における樹脂付着装置。
【請求項8】
前記塗布ノズルが、前記塗布ローラの前記繊維との接触周回面に臨んで配置されており、
前記塗布ノズルから噴出される樹脂液を、前記接触周回面に吹き付けて前記前段塗布層を形成する、請求項6または7に記載のフィラメントワインディング成形装置における樹脂付着装置。
【請求項9】
前記液状の樹脂を所定温度に維持する恒温構造を備えており、
恒温構造がヒータと、温度センサーを含んで構成してある、請求項6から8のいずれかに記載のフィラメントワインディング成形装置における樹脂付着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−451(P2010−451A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161567(P2008−161567)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】