フィルタデバイス
【課題】平衡入出力及び構成素子数の少ないという要件を満たす,新規な構成を有する帯域阻止フィルタを提供する。
【解決手段】共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,前記フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有する。
【解決手段】共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,前記フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,フィルタデバイスに関する。特に,VHF,UHF帯に共振特性を有する弾性表面波素子(SAW素子)等の音響波素子を用いて構成されるフィルタデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタデバイスは通信分野で広く利用されている。特にSAW(Surface Acoustic Wave)共振子またはSAWフィルタ(以下,SAW素子と総称する)を用いたフィルタデバイスは,小型化かつ低損失化が可能であり,携帯電話等の移動体通信用途に多く用いられている。
【0003】
近年,携帯電話の高機能化により,TVチューナが搭載されTV放送を携帯電話で見られるようになってきた。特に日本国内においては,デジタルTV放送であるワンセグを受信出来る携帯電話が増えてきた。
【0004】
例えば,日本国内電話業者のWCDMA(送信信号830〜840MHz)携帯電話機器にワンセグ用TVチューナが搭載される場合,図1に示すように,ワンセグ放送の周波数帯域Iは470〜770MHzであるが,このワンセグ用TVチューナ側から見た場合,WCDMA送信信号II(830〜840MHz)が混信等の不具合原因となる。
【0005】
したがって,ワンセグTVチューナ側ではワンセグ放送の周波数帯域Iのみを通過させる帯域通過フィルタが必要となる。
【0006】
帯域通過フィルタを実現する素子として携帯機器への搭載を考慮すると小型であることが要件となる。小型で構成するフィルタ素子として弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイス等の音響フィルタの使用が考えられるが,上記のワンセグ放送の周波数帯域Iは470〜770MHzと広帯域であり,弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイスによりかかる広帯域の帯域通過フィルタを実現することは困難である。
なお,図1において,周波数帯域IIIは,他の携帯電話システムに使用される周波数帯域であり、本例のWCDMA携帯機器においては無関係である。
【0007】
したがって,WCDMA送信信号II(830〜840MHz)を減衰させる帯域阻止フィルタの使用が考えられる。かかる場合,ワンセグTV信号の高周波数側770MHzとWCDMA携帯電話信号の低周波数側830MHzは非常に近接している。この為に,帯域阻止フィルタは急峻な肩特性を実現する必要がある。
【0008】
一方,通常フィルタデバイスの前後には周波数コンバータやアンプ等の平衡端子を備えた素子が接続される為に,フィルタデバイスも平衡入出力が要求されている。これまで,帯域阻止フィルタを実現する方法としては,図2に示すように,ラダー型の構成を用いる方法(特許文献1)が知られているが,不平衡入出力である。
【0009】
また,図3に示すように,ラダー型で平衡入出力を実現する方法(特許文献2乃至4)も考案されている。
【特許文献1】米国特許 5,854,579号公報
【特許文献2】特開平11−346142号公報
【特許文献3】特開2000−22493号公報
【特許文献4】特開2001−7680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記図2に示したラダー型の構成を用いる帯域阻止フィルタでは,不平衡入出力であり,平衡端子を備えた素子と接続される場合はそのまま接続することはできず,不平衡−平衡変換器が必要である。
【0011】
また,図3に示すフィルタ構成は,ラダー型で平衡入出力であるが,共振子の素子数が多くなり,デバイス素子の小型化という要求に反している。
【0012】
かかる点に鑑みて,本願発明者は,平衡入出力及び構成素子数の少ない帯域阻止フィルタを種々検討する過程から,かかる要求に対応し,好ましい急峻な肩特性を有する新規な帯域阻止フィルタ構成を得るに至った。
【0013】
したがって,本願の目的は,平衡入出力及び構成素子数の少ないという要件を満たす,かかる新規な構成を有する帯域阻止フィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決する本願発明の第1の側面は,共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,前記フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有することを特徴とする。
【0015】
前記第1の側面において,前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されているように構成してもよい。
【0016】
また,前記第1の側面において,前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されているように構成してもよい。
【0017】
さらに,上記構成のいずれかにおいて,前記フィルタ回路が複数接続されるように構成できる。
【0018】
上記本発明の特徴は,以下に図面に従い説明される発明の実施の形態例から更に明らかになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により,少ない素子数で平衡入出力の帯域阻止フィルタであって,急峻な肩特性が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態例を図面に従い説明する。なお,実施の形態例は本発明の説明のためのものであり,本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0021】
図4は,本発明の一実施例構成を示す図である。図示省略されている外部平衡回路に接続される入力側平衡信号端子IN1,IN2と,同様に図示省略されている外部平衡回路に接続される出力側平衡信号端子OUT1,OUT2を有している。
【0022】
さらに,第1の入力側平衡信号端子IN1と第1の出力側平衡端子OUT1との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子10と,第2の入力側平衡信号端子IN2と第2の出力側平衡端子OUT2との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子20を有している。
【0023】
さらに特徴として,前記第1の出力側平衡信号端子OUT1と第2の入力側平衡信号端子IN2との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子30を備えている。かかる構成により,最小の場合は共振子2つとインピーダンス素子1つという非常に少ない素子数で平衡入出力フィルタを実現出来る。
【0024】
図5は,図4の構成において,インピーダンス素子30としてインダクタンス素子Lを使用した例を示している。さらに,本発明の適用において共振子10,20は特定の素子に限定されないが,特に,共振子10,20として弾性表面波(SAW)素子,バルク表面波(BAW)素子,圧電薄膜共振子(FBAR)等の音響波素子を用いた場合は,高い共振Q値が得られる。これにより,より急峻な肩特性を実現することが出来る。また同一圧電基板上に音響波素子を配置することが可能であり小型化も容易である。
【0025】
また,上記インピーダンス素子30もインダクタンス素子Lに限定されず,容量素子,共振素子などであっても,集中定数素子や分布定数素子などであっても本発明の効果は変わらない。
【0026】
図6は,図5に示した構成における本発明を適用した帯域阻止フィルタの周波数特性例を示す図である。この例においては,高域通過フィルタと帯域阻止フィルタを合わせたような特性を示している。
【0027】
すなわち,周波数470 MHz以上の周波数領域において,損失が少なく高域通過フィルタの特性を示している。さらに,高域通過領域中で周波数830〜840MHzの帯域が大きな減衰領域(帯域阻止領域)となっている。したがって,先に説明したようなWCDMA送信信号II(830〜840MHz)からの干渉を受けずにワンセグ放送の周波数帯域Iを受信することができる。
【0028】
かかる減衰領域の周波数特性は,本発明者による検証により,共振子10,20の反共振周波数でほぼ決定され,インダクタンス素子Lと共振子10,20の電極容量との共振により,470〜770MHzの通過帯域が形成されると解される。
【0029】
そして470MHzよりも低周波数側では減衰領域となっているが,この部分の特性もインダクタンス素子Lと共振子10,20の電極容量との関係により決定される。
【0030】
日本国内においては,90〜220MHzに1CH〜12CHのアナログTV放送が存在し,ワンセグTVチューナから見た場合は,このアナログTV放送も不要な信号である為,減衰されることは好都合である。
【0031】
ここで,本発明の構成によるフィルタデバイスを実装するために,帯域フィルタ共振子10,20とインピーダンス素子30とを同一パッケージ内に納めて1つの製品とすることが可能である。また,インピーダンス素子30のうち少なくとも1つを同一パッケージには納めず,PC板実装時等に外付け部品とすることも可能である。また,特に本発明の構成における共振子10,20が音響波素子である場合には,かかる共振子10,20と同一圧電基板上にインピーダンス素子30を構成することも可能である。
【0032】
具体例として,図7に,本発明の構成における共振子10,20を弾性表面波共振子,インピーダンス素子30をインダクタンス素子Lとした場合のレイアウトの例を示す。
【0033】
かかる図7に示すレイアウトでは,同一圧電基板100上に弾性表面波共振子10,20及びインピーダンス素子としてインダクタンス素子30を配置することで,小型化が可能となっている。
【0034】
図7のレイアウトにおいて,インダクタンス素子30等のインピーダンス素子値が大きくなる場合は,同一基板上に配置することが困難になるので,集中定数もしくは分布定数素子等を用いて圧電基板100とは別の基板上に形成して同一パッケージ内に配置してもよい。
【0035】
あるいは,パッケージ外に外付け部品として配置しても良いし,LTCC等でパッケージ自身にインピーダンス素子の機能を持たせることも可能である。
【0036】
一方,本発明に従う構成のインピーダンス素子30を容量素子とすれば通過帯域部分を非常に狭帯域とすることも出来る。
【0037】
さらに,帯域阻止部分に注目した場合,共振子10,20を実質的に等しい周波数特性にすることで,帯域阻止部分の減衰量を強化することが出来る。
【0038】
一方,本発明構成における共振子の2つを実質的に異なる周波数特性,特に異なる反共振周波数とすることで,帯域阻止部分の減衰量は緩和されるものの,帯域阻止部分の周波数帯域を広げることが出来る。特に本発明構成における2つの共振子において,任意の共振子の反共振周波数を他の共振子の共振周波数と反共振周波数の間の周波数とすることで,帯域阻止部分の減衰量の大幅な悪化を招くことなく,帯域阻止周波数帯域を広げることが出来る。
【0039】
また,本発明に従う構成のフィルタデバイスを,図8に示すように,少なくとも2つ以上カスケード接続することで,より阻止領域の減衰を強化することも出来る。あるいは,少なくとも2つ以上並列接続することで入出力のインピーダンスを低減することも出来る。
【0040】
また,本発明に従う構成において,図9に示すように少なくとも1つの共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子40を直列にもしくは,図10に示すように並列に接続することで,見掛け上の共振特性を変化させることが出来る。
【0041】
これによりフィルタ特性の調整を図ることも可能である。ここで述べている共振子に直列または並列接続されるインピーダンス素子も上記と同じく,種類が限定されるものではない。
【0042】
さらにまた,入力もしくは出力を不平衡にする必要が生じた場合には,本構成のフィルタデバイスの入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を接続すれば良い。この平衡−不平衡変換手段は本構成のフィルタデバイスと同一パッケージに納めても良いし,LTCC等でパッケージ自身に機能を持たせても良いし、本フィルタデバイスをPC板等に実装する際に外付け部品としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上記したように,本発明により,少ない素子数で平衡入出力フィルタを実現出来る。また,急峻な肩特性を実現出来る。これにより,小型で優れた特性のフィルタデバイスの設計が可能となる。
【0044】
(付記1)共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,
前記フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有する,
ことを特徴とするフィルタデバイス。
【0045】
(付記2)
付記1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0046】
(付記3)
付記1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0047】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかにおいて,
前記フィルタ回路が複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0048】
(付記5)
付記4において,
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0049】
(付記6)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が実質的に等しい周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0050】
(付記7)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が実質的に異なる周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0051】
(付記8)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子の一方の共振子の反共振周波数が,他方の共振子の共振周波数と反共振周波数の間の周波数であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0052】
(付記9)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子および前記インピーダンス素子とが同一パッケージ内に納められていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0053】
(付記10)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子のうち少なくとも1つがパッケージの外に配置された外部接続素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0054】
(付記11)
付記1乃至10のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が音響波素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0055】
(付記12)
付記11において,
前記第1及び第2の共振子が弾性表面波(SAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0056】
(付記13)
付記11において,
前記第1及び第2の共振子がバルク弾性波(BAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0057】
(付記14)
付記11において,
前記第1及び第2の共振子が圧電薄膜共振子(FBAR)であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0058】
(付記15)
付記11〜14のいずれかにおいて
前記第1及び第2の共振子が同一圧電基板上に形成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0059】
(付記16)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子のうち少なくとも1つがインダクタンス素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0060】
(付記17)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子のうち少なくとも1つが容量素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0061】
(付記18)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子が集中定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0062】
(付記19)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子が分布定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0063】
(付記20)
付記15において,
更に前記圧電基板上に前記インピーダンス素子形成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0064】
(付記21)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0065】
(付記22)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記フィルタ回路は,帯域阻止フィルタとして機能することを特徴とするフィルタデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】ワンセグ放送の周波数帯域を説明する図である。
【図2】ラダー構成で帯域阻止フィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図3】ラダー構成で平衡入出力フィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を表す図である。
【図5】本発明の実施形態のうち,インピーダンス素子をインダクタンス素子とした図である。
【図6】図4の実施例の特性例を表す図である。
【図7】図4の実施例のレイアウト例を表す図である。
【図8】本発明の実施形態のうち,本フィルタデバイスをカスケード接続した例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を直列接続した例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を並列接続した例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10,20 共振子
30,40 インピーダンス素子
100 圧電基板
【技術分野】
【0001】
本発明は,フィルタデバイスに関する。特に,VHF,UHF帯に共振特性を有する弾性表面波素子(SAW素子)等の音響波素子を用いて構成されるフィルタデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタデバイスは通信分野で広く利用されている。特にSAW(Surface Acoustic Wave)共振子またはSAWフィルタ(以下,SAW素子と総称する)を用いたフィルタデバイスは,小型化かつ低損失化が可能であり,携帯電話等の移動体通信用途に多く用いられている。
【0003】
近年,携帯電話の高機能化により,TVチューナが搭載されTV放送を携帯電話で見られるようになってきた。特に日本国内においては,デジタルTV放送であるワンセグを受信出来る携帯電話が増えてきた。
【0004】
例えば,日本国内電話業者のWCDMA(送信信号830〜840MHz)携帯電話機器にワンセグ用TVチューナが搭載される場合,図1に示すように,ワンセグ放送の周波数帯域Iは470〜770MHzであるが,このワンセグ用TVチューナ側から見た場合,WCDMA送信信号II(830〜840MHz)が混信等の不具合原因となる。
【0005】
したがって,ワンセグTVチューナ側ではワンセグ放送の周波数帯域Iのみを通過させる帯域通過フィルタが必要となる。
【0006】
帯域通過フィルタを実現する素子として携帯機器への搭載を考慮すると小型であることが要件となる。小型で構成するフィルタ素子として弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイス等の音響フィルタの使用が考えられるが,上記のワンセグ放送の周波数帯域Iは470〜770MHzと広帯域であり,弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイスによりかかる広帯域の帯域通過フィルタを実現することは困難である。
なお,図1において,周波数帯域IIIは,他の携帯電話システムに使用される周波数帯域であり、本例のWCDMA携帯機器においては無関係である。
【0007】
したがって,WCDMA送信信号II(830〜840MHz)を減衰させる帯域阻止フィルタの使用が考えられる。かかる場合,ワンセグTV信号の高周波数側770MHzとWCDMA携帯電話信号の低周波数側830MHzは非常に近接している。この為に,帯域阻止フィルタは急峻な肩特性を実現する必要がある。
【0008】
一方,通常フィルタデバイスの前後には周波数コンバータやアンプ等の平衡端子を備えた素子が接続される為に,フィルタデバイスも平衡入出力が要求されている。これまで,帯域阻止フィルタを実現する方法としては,図2に示すように,ラダー型の構成を用いる方法(特許文献1)が知られているが,不平衡入出力である。
【0009】
また,図3に示すように,ラダー型で平衡入出力を実現する方法(特許文献2乃至4)も考案されている。
【特許文献1】米国特許 5,854,579号公報
【特許文献2】特開平11−346142号公報
【特許文献3】特開2000−22493号公報
【特許文献4】特開2001−7680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記図2に示したラダー型の構成を用いる帯域阻止フィルタでは,不平衡入出力であり,平衡端子を備えた素子と接続される場合はそのまま接続することはできず,不平衡−平衡変換器が必要である。
【0011】
また,図3に示すフィルタ構成は,ラダー型で平衡入出力であるが,共振子の素子数が多くなり,デバイス素子の小型化という要求に反している。
【0012】
かかる点に鑑みて,本願発明者は,平衡入出力及び構成素子数の少ない帯域阻止フィルタを種々検討する過程から,かかる要求に対応し,好ましい急峻な肩特性を有する新規な帯域阻止フィルタ構成を得るに至った。
【0013】
したがって,本願の目的は,平衡入出力及び構成素子数の少ないという要件を満たす,かかる新規な構成を有する帯域阻止フィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決する本願発明の第1の側面は,共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,前記フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有することを特徴とする。
【0015】
前記第1の側面において,前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されているように構成してもよい。
【0016】
また,前記第1の側面において,前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されているように構成してもよい。
【0017】
さらに,上記構成のいずれかにおいて,前記フィルタ回路が複数接続されるように構成できる。
【0018】
上記本発明の特徴は,以下に図面に従い説明される発明の実施の形態例から更に明らかになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により,少ない素子数で平衡入出力の帯域阻止フィルタであって,急峻な肩特性が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態例を図面に従い説明する。なお,実施の形態例は本発明の説明のためのものであり,本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0021】
図4は,本発明の一実施例構成を示す図である。図示省略されている外部平衡回路に接続される入力側平衡信号端子IN1,IN2と,同様に図示省略されている外部平衡回路に接続される出力側平衡信号端子OUT1,OUT2を有している。
【0022】
さらに,第1の入力側平衡信号端子IN1と第1の出力側平衡端子OUT1との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子10と,第2の入力側平衡信号端子IN2と第2の出力側平衡端子OUT2との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子20を有している。
【0023】
さらに特徴として,前記第1の出力側平衡信号端子OUT1と第2の入力側平衡信号端子IN2との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子30を備えている。かかる構成により,最小の場合は共振子2つとインピーダンス素子1つという非常に少ない素子数で平衡入出力フィルタを実現出来る。
【0024】
図5は,図4の構成において,インピーダンス素子30としてインダクタンス素子Lを使用した例を示している。さらに,本発明の適用において共振子10,20は特定の素子に限定されないが,特に,共振子10,20として弾性表面波(SAW)素子,バルク表面波(BAW)素子,圧電薄膜共振子(FBAR)等の音響波素子を用いた場合は,高い共振Q値が得られる。これにより,より急峻な肩特性を実現することが出来る。また同一圧電基板上に音響波素子を配置することが可能であり小型化も容易である。
【0025】
また,上記インピーダンス素子30もインダクタンス素子Lに限定されず,容量素子,共振素子などであっても,集中定数素子や分布定数素子などであっても本発明の効果は変わらない。
【0026】
図6は,図5に示した構成における本発明を適用した帯域阻止フィルタの周波数特性例を示す図である。この例においては,高域通過フィルタと帯域阻止フィルタを合わせたような特性を示している。
【0027】
すなわち,周波数470 MHz以上の周波数領域において,損失が少なく高域通過フィルタの特性を示している。さらに,高域通過領域中で周波数830〜840MHzの帯域が大きな減衰領域(帯域阻止領域)となっている。したがって,先に説明したようなWCDMA送信信号II(830〜840MHz)からの干渉を受けずにワンセグ放送の周波数帯域Iを受信することができる。
【0028】
かかる減衰領域の周波数特性は,本発明者による検証により,共振子10,20の反共振周波数でほぼ決定され,インダクタンス素子Lと共振子10,20の電極容量との共振により,470〜770MHzの通過帯域が形成されると解される。
【0029】
そして470MHzよりも低周波数側では減衰領域となっているが,この部分の特性もインダクタンス素子Lと共振子10,20の電極容量との関係により決定される。
【0030】
日本国内においては,90〜220MHzに1CH〜12CHのアナログTV放送が存在し,ワンセグTVチューナから見た場合は,このアナログTV放送も不要な信号である為,減衰されることは好都合である。
【0031】
ここで,本発明の構成によるフィルタデバイスを実装するために,帯域フィルタ共振子10,20とインピーダンス素子30とを同一パッケージ内に納めて1つの製品とすることが可能である。また,インピーダンス素子30のうち少なくとも1つを同一パッケージには納めず,PC板実装時等に外付け部品とすることも可能である。また,特に本発明の構成における共振子10,20が音響波素子である場合には,かかる共振子10,20と同一圧電基板上にインピーダンス素子30を構成することも可能である。
【0032】
具体例として,図7に,本発明の構成における共振子10,20を弾性表面波共振子,インピーダンス素子30をインダクタンス素子Lとした場合のレイアウトの例を示す。
【0033】
かかる図7に示すレイアウトでは,同一圧電基板100上に弾性表面波共振子10,20及びインピーダンス素子としてインダクタンス素子30を配置することで,小型化が可能となっている。
【0034】
図7のレイアウトにおいて,インダクタンス素子30等のインピーダンス素子値が大きくなる場合は,同一基板上に配置することが困難になるので,集中定数もしくは分布定数素子等を用いて圧電基板100とは別の基板上に形成して同一パッケージ内に配置してもよい。
【0035】
あるいは,パッケージ外に外付け部品として配置しても良いし,LTCC等でパッケージ自身にインピーダンス素子の機能を持たせることも可能である。
【0036】
一方,本発明に従う構成のインピーダンス素子30を容量素子とすれば通過帯域部分を非常に狭帯域とすることも出来る。
【0037】
さらに,帯域阻止部分に注目した場合,共振子10,20を実質的に等しい周波数特性にすることで,帯域阻止部分の減衰量を強化することが出来る。
【0038】
一方,本発明構成における共振子の2つを実質的に異なる周波数特性,特に異なる反共振周波数とすることで,帯域阻止部分の減衰量は緩和されるものの,帯域阻止部分の周波数帯域を広げることが出来る。特に本発明構成における2つの共振子において,任意の共振子の反共振周波数を他の共振子の共振周波数と反共振周波数の間の周波数とすることで,帯域阻止部分の減衰量の大幅な悪化を招くことなく,帯域阻止周波数帯域を広げることが出来る。
【0039】
また,本発明に従う構成のフィルタデバイスを,図8に示すように,少なくとも2つ以上カスケード接続することで,より阻止領域の減衰を強化することも出来る。あるいは,少なくとも2つ以上並列接続することで入出力のインピーダンスを低減することも出来る。
【0040】
また,本発明に従う構成において,図9に示すように少なくとも1つの共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子40を直列にもしくは,図10に示すように並列に接続することで,見掛け上の共振特性を変化させることが出来る。
【0041】
これによりフィルタ特性の調整を図ることも可能である。ここで述べている共振子に直列または並列接続されるインピーダンス素子も上記と同じく,種類が限定されるものではない。
【0042】
さらにまた,入力もしくは出力を不平衡にする必要が生じた場合には,本構成のフィルタデバイスの入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を接続すれば良い。この平衡−不平衡変換手段は本構成のフィルタデバイスと同一パッケージに納めても良いし,LTCC等でパッケージ自身に機能を持たせても良いし、本フィルタデバイスをPC板等に実装する際に外付け部品としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上記したように,本発明により,少ない素子数で平衡入出力フィルタを実現出来る。また,急峻な肩特性を実現出来る。これにより,小型で優れた特性のフィルタデバイスの設計が可能となる。
【0044】
(付記1)共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,
前記フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有する,
ことを特徴とするフィルタデバイス。
【0045】
(付記2)
付記1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0046】
(付記3)
付記1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0047】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかにおいて,
前記フィルタ回路が複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0048】
(付記5)
付記4において,
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0049】
(付記6)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が実質的に等しい周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0050】
(付記7)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が実質的に異なる周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0051】
(付記8)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子の一方の共振子の反共振周波数が,他方の共振子の共振周波数と反共振周波数の間の周波数であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0052】
(付記9)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子および前記インピーダンス素子とが同一パッケージ内に納められていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0053】
(付記10)
付記1乃至4のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子のうち少なくとも1つがパッケージの外に配置された外部接続素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0054】
(付記11)
付記1乃至10のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が音響波素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0055】
(付記12)
付記11において,
前記第1及び第2の共振子が弾性表面波(SAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0056】
(付記13)
付記11において,
前記第1及び第2の共振子がバルク弾性波(BAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0057】
(付記14)
付記11において,
前記第1及び第2の共振子が圧電薄膜共振子(FBAR)であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0058】
(付記15)
付記11〜14のいずれかにおいて
前記第1及び第2の共振子が同一圧電基板上に形成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0059】
(付記16)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子のうち少なくとも1つがインダクタンス素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0060】
(付記17)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子のうち少なくとも1つが容量素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0061】
(付記18)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子が集中定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0062】
(付記19)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記インピーダンス素子が分布定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0063】
(付記20)
付記15において,
更に前記圧電基板上に前記インピーダンス素子形成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0064】
(付記21)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0065】
(付記22)
付記1〜10のいずれかにおいて,
前記フィルタ回路は,帯域阻止フィルタとして機能することを特徴とするフィルタデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】ワンセグ放送の周波数帯域を説明する図である。
【図2】ラダー構成で帯域阻止フィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図3】ラダー構成で平衡入出力フィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を表す図である。
【図5】本発明の実施形態のうち,インピーダンス素子をインダクタンス素子とした図である。
【図6】図4の実施例の特性例を表す図である。
【図7】図4の実施例のレイアウト例を表す図である。
【図8】本発明の実施形態のうち,本フィルタデバイスをカスケード接続した例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を直列接続した例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を並列接続した例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10,20 共振子
30,40 インピーダンス素子
100 圧電基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,
前記フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有する,
ことを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項2】
請求項1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項3】
請求項1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて
前記フィルタ回路が複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項5】
請求項4において
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項1】
共振子を備えたフィルタ回路を有するフィルタデバイスであって,
前記フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間に直列に接続されている少なくとも1つの第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間に接続された少なくとも1つのインピーダンス素子とを有する,
ことを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項2】
請求項1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項3】
請求項1において,
前記第1の共振子と前記第2の共振子の少なくとも一方に,少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて
前記フィルタ回路が複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項5】
請求項4において
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−131451(P2008−131451A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315496(P2006−315496)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【Fターム(参考)】
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