説明

フィルタ及びその製造方法

ある形状に配置された複数のそれぞれ細長い部材を有するフィルタ。複数の細長い部材の各々がそこを貫通して延びる内部空洞を含み、複数のそれぞれ細長い部材が流体を濾過するためのフィルタ媒体により形成される。フィルタは、複数のそれぞれ細長い部材の端部により画定される第1の端部及び第2の端部と、複数のそれぞれ細長い部材の各々間で画定される複数の領域とを有する。流体の流れがシール材料を用いて第1の端部において複数の領域をシールすることにより、第1の端部で遮断され、流体の流れがシール材料を用いて第2の端部において複数のそれぞれ細長い部材の各々の内部空洞をシールすることにより、第2の端部で遮断される。フィルタを通る流体の流れがフィルタ媒体を通過しなければならない。

【発明の詳細な説明】
【関連出願についてのクロス・リファレンス】
【0001】
この出願は、その内容を参照としてここに組み込む、2004年10月1日に出願された米国仮特許出願第60/615,481号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、流体フィルタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
空気誘導ハウジング装置は、装置の性能を損なうことなく、一層小型になり、ユニークな形状となるように、日々開発されている。特に、車両への応用に対しては、これは、部分的には、エンジンコンパートメント内で利用できる実際の容積の減少を招く。車両の輪郭が減少し、エンジン装置が一層複雑になるので、エンジンの重要な素子である空気誘導装置のために利用できる空間は極めて小さい。車両の内燃エンジンの空気誘導装置は少なくとも2つの重要な機能、すなわち、エンジンの燃焼室内へ空気を送給する手段を提供する機能及び燃焼室への送給の前に空気を濾過する手段を提供する機能を提供する。その濾過機能のため、フィルタ自体は長期の使用後に交換する必要があり、従って、フィルタへの接近可能性も空気誘導装置及びハウジングに対して与えられた要求である。
【0004】
あるデザインにおいては、エンジンのデザインが完成するまで、空気誘導装置は設計されず、従って、空気誘導装置のデザイナーは典型的には、エンジンと車両のフード、フロンドグリル等との間の限られた又はユニークな量の空間を提示された状態で、所定の量の空気流をエンジンに提供する問題に直面する。従って、空気誘導ハウジングは典型的には流れ及び空間要求に対して最適であるユニークな形状を有するが、このような要求は空気誘導装置内に配置すべきフィルタのためのデザイン要求と両立しないことがある。更に、ハウジングの寸法を減少させ、ユニークな形状を生じさせると、その中に位置できるフィルタの全体寸法が制限される。従って、従来の空気流科学に基づけば、一層小さなフィルタは典型的にはその能力が一層小さく、従って性能を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、フィルタが減少した寸法及び形状の制限にも適応しながら、増大した能力を提供できるようなフィルタ及び製造方法を提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
フィルタ及びその製造方法が提供される。例示的な実施の形態は、ある形状(a configuration)をなすように配置された複数のそれぞれ細長い部材を有するフィルタを提供する。複数の細長い部材の各々はそこを貫通して延びる内部空洞を含み、複数のそれぞれ細長い部材は流体を濾過するためのフィルタ媒体により形成され、フィルタは複数のそれぞれ細長い部材の端部により画定される第1の端部及び第2の端部と、複数のそれぞれ細長い部材の各々間に画定される複数の領域とを含み、流体の流れはシール材料を用いて第1の端部において複数の領域をシールすることにより第1の端部で遮断され、流体の流れはシール材料を用いて第2の端部において複数のそれぞれ細長い部材の各々の内部空洞をシールすることにより第2の端部で遮断され、フィルタを通る流体の流れはフィルタ媒体を通過しなければならない。
【0007】
不均一なハウジングのために形状づけられたフィルタは幅に関して長さが変化するような複数のそれぞれ細長い部材を含み、複数のそれぞれ細長い部材は不均一な形状をなすように配置され、複数の細長い部材の各々はそこを貫通して延びる内部空洞を含み、複数のそれぞれ細長い部材は流体を濾過するためのフィルタ媒体により形成され、フィルタは複数のそれぞれ細長い部材の端部により画定される第1の端部及び第2の端部と、複数のそれぞれ細長い部材の各々間で画定される複数の領域とを含み、流体の流れはシール材料を用いて第1の端部において複数の領域をシールすることにより第1の端部で遮断され、流体の流れはシール材料を用いて第2の端部において複数のそれぞれ細長い部材の各々の内部空洞をシールすることにより第2の端部で遮断され、フィルタを通る流体の流れはフィルタ媒体を通過しなければならない。
【0008】
不均一なハウジングのために形状づけられた不均一なフィルタは幅に関して長さが変化するような複数のそれぞれ細長い部材を含み、複数のそれぞれ細長い部材は不均一な形状をなすように配置され、不均一な形状は不均一な長さと、フィルタの周辺部を画定する不均一な幅とを有し、複数の細長い部材の各々は不均一な長さを貫通して延びる内部空洞を含み、複数のそれぞれ細長い部材はフィルタを濾過するためのフィルタ媒体により形成され、フィルタは不均一な長さ及び複数のそれぞれ細長い部材の端部により画定される第1の端部及び第2の端部と、複数のそれぞれ細長い部材の各々間で画定される複数の領域と、を含み、流体の流れはシール材料を用いて第1の端部において複数の領域をシールすることにより第1の端部で遮断され、流体の流れはシール材料を用いて第2の端部において複数のそれぞれ細長い部材の各々の内部空洞をシールすることにより第2の端部で遮断され、フィルタを通る流体の流れはフィルタ媒体を通過しなければならない。
【0009】
フィルタを作る方法は可変の長さを有し、貫通して延びる通路を各々有する複数の個々の細長いフィルタ部材を、1つの形状をなすように1つのグループにする工程と;複数の個々の細長いフィルタ部材の各々の外部間で画定される領域をシールすることにより、フィルタの一端の部分をシールする工程と;複数の個々の細長いフィルタ部材の通路をシールすることにより、フィルタの他端の部分をシールする工程と;を含む。
【0010】
フィルタを作る方法は、流体を濾過するためのフィルタ媒体により形成され、貫通して延びる通路を各々有する複数のそれぞれ細長い部材を、工具の、不均一な形状を画定する空洞内で1つのグループにする工程と;複数の個々の細長いフィルタ部材の各々の外部間で画定される領域をシールすることにより、フィルタの一端の部分をシールする工程と;複数の個々の細長いフィルタ部材の通路をシールすることにより、フィルタの他端の部分をシールする工程と;を含む。当業者は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から、上述及び他の特徴を認識及び理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の例示的な実施の形態によれば、フィルタと、フィルタを作る方法とが開示される。1つの例示的な実施の形態においては、フィルタはシェーピング又は成形プロセスにより画定される形状をなすように配置された複数のそれぞれ細長い部材で構成され、この形状は、フィルタの長さ及び幅に関して不均一な形状をなすように部材を配置することを許容する。各部材はフィルタ媒体により形成され、そこを貫通して延びる内部空洞を有する。配置された後には、部材の外部形状のため、複数のそれぞれ細長い部材の各々の外部間に、領域が画定される。流体の流れは、フィルタの一端で部材間の領域をシールすることにより、部材の媒体を通ることが容易になり、フィルタの他端はシールされた各部材の内部空洞のみを有する。従って、流体の流れは一端で空洞へ流入することができ、他端でシールされていない領域を通って流出することができ、その逆も可能である。更に、各部材のフィルタ媒体は各部材と共に延び、それによって、媒体の表面積を増大させる。
【0012】
従って、このユニークな形状のため、流体の流れを制限することなく、一層大きなフィルタの表面積が提供される。その理由は、複数の空洞が設けられているからである。さらに、フィルタは個々のフィルタ部材の配列のためユニークで不均一な形状を有することができる。次の文献が参照される:即ち、新世代の直接流エンジン空気フィルタ−性能分析(New Generation Direct Flow Engine Air Filters − Performance Analysis) という名称のマン+ヒュメル・ピコフレックス社(Mann+Hummel PicoFlex) による文献、及び、米国特許第6,673,136号明細書。これらの各々はこの出願と同時に提出された情報開示書類として特定され提示されている。各これらの文献の内容は参照としてここに組み込まれる。
【非特許文献1】新世代の直接流エンジン空気フィルタ−性能分析という名称の文献
【特許文献1】米国特許第6,673,136号明細書
【0013】
ここで図1、2を参照すると、本発明の例示的な実施の形態に従って構成されたフィルタ10を示す。ここでは、フィルタ10は複数のフィルタ部材12から構成される。1つの例示的な実施の形態においては、フィルタ部材12は押出し媒体14により形成され、この媒体内に内部空洞16が画定される。媒体14はそこを通過する流体を濾過するように形状づけられる。これらに限定されないが、媒体の形式は合成又は天然繊維、若しくは不織材料であり、また、これらに限定されないが、濾過すべき流体の例は空気、水、燃料及びオイルである。従って、媒体14は細長い部材となるように形状づけることのできる任意の形式の媒体であり、この部材は、流体が部材の媒体を通過するのを許容して、濾過特徴を提供する。
【0014】
内部空洞16は、部材12を貫通して延び、そこを通過する流体流れのための通路を提供する。これらに限定されないが、押出しフィルタ部材12の例はポレックス社(Porex Corporation) 、ポレックス・ポーロス・プロダクト・グループ(Porex Porous Product Group)又はその系列下の任意の会社から入手できる。これらに限定されないが、部材12のためのフィルタ媒体の他の例は、合成ナノ繊維、セルロース又は天然繊維、若しくは、不織材料、若しくは、細長い部材として押出し加工することのできるこれらの任意の組合せである。図には円筒状の細長いチューブを示すが、部材12の多数の形状(例えば、三角形や矩形や台形やその組合せ等)が本発明の要旨内に含まれるものと考えられる。これらを一緒に配列したときに、望ましい形状はこれらの間に領域を提供する。
【0015】
本発明の例示的な実施の形態によれば、フィルタ10の意図した使用(例えば、空気フィルタハウジング)に適合するように形状づけられた空洞即ちモールドに対して、複数の部材12が提供される。例示的な実施の形態によれば、空洞即ちモールドはフィルタの周辺部及び端部分を画定する。適当な数の部材が空洞即ちモールド内に配置された後、空洞即ちモールドが閉じられるか、または、部材をモールドの形状に整合させるように第2のモールド部分に適用される(例えば、頂部のモールド部分即ち空洞が底部のモールド空洞の上に配置される)。円形形状の部材12は部材の整合を補助する。1つの実施の形態においては、各部材の直径又は横断面を同一にすることが考えられる。別の実施の形態においては、可変の直径及び(又は)形状及び横断面を有する部材がフィルタの構成に使用するように形状づけられる。
【0016】
図1に示すように、部材がフィルタ10の形状を形成するように整合された後、部材の外部形状のため、フィルタ10を構成する部材間に複数の領域18が画定される。図示のように、領域18は寸法及び形状を変更することができるか、又は、同様の寸法及び形状とすることができる。フィルタ10を通る流体の流れが部材の媒体を通過するのを保証するため、領域18はシール材料20によりフィルタの一端でシールされ、部材の内部空洞16は他端(即ち、図1には示さない底表面)でシールされる。従って、フィルタを通る交互の流体流れ経路が提供され(例えば、フィルタの端部が入口として使用されるか出口として使用されるかに応じて、流体は最初に領域18又は空洞16内へ流入し)、次いで、流体がフィルタ媒体を通過するときに、流体は濾過され、フィルタから出る。更に、フィルタのいずれかの端部に位置するシール材料は、押出し部材の長さに沿って延びる流体経路(例えば、空洞16又は領域18)の大半がフィルタ表面積のために使用されるように、そこを通る流体の流れを阻止するのに必要なだけの厚さで適用される。
【0017】
従って、この延長した長さを使用し、押出し部材(例えば、均一でない端部分)の長さを変えることにより、均一でない端部分が一層大きなフィルタ表面積を提供するように一層長い押出し部材従って一層長い空洞16又は領域18を許容するので、利用できるフィルタ表面積が増大する。更に、本発明の例示的な実施の形態はシール材料20の適用前に形成工具内での押出し部材の操作を許容し、従って、各押出し部材12は均一でない端部分を提供するように形成工具内で及び互いに関して摺動することができ、これは非限定的な例として図6、7に示す。シール部材の適用前に押出し部材を操作する非限定的な1つの方法は押出し部材の所望の不均一な形状に対応する複数の突起を備えた第2の工具を提供するようにしたものである。
【0018】
例示的な実施の形態によれば、これらに限定されないが、シール材料20の例は、流体の流れを遮断又は阻止し、従って、フィルタ媒体を通して流体を強制的に流通させる、プラスチゾル、ウレタン、プラスチック又は任意の他の等価のシール材料である。シール材料20は、粘性又は液体状態で適当な開口をシールするために適用することができ、硬化したときには、流体に対する不透過性のシールを提供し、従って、媒体に対して流体を強制的に通過させる。さらに、シール材料20は部材12を一緒に保持するために使用できる。
【0019】
従って、(矢印22で示すように)流体がフィルタ10内へ流入するとき、最初に、流体は、空洞16を通って矢印24の方向に流出する前に、媒体14を通過しなければならない。図示のように、流体の流れはフィルタの周辺部及び端部分の1つを通ることができ、この場合、媒体はそこを通過する流体を濾過する。代わりに、フィルタは、一端部内へ流入し次いで他端部を通る流体を濾過するように形状づけることができ、この場合、媒体部材の内部空洞はそこを通過するときの流体を濾過するための増大した表面積を提供する。
【0020】
代わりの実施の形態では、流体は、流体が最初に内部空洞16内へ流入し次いで領域18から流出するような方向とは反対の方向に流れることができることが考えられる。いずれの実施の形態においても、流体は媒体14を通らねばならず、それ故、フィルタ10を通過する前に濾過される。
【0021】
上述のように、誘導ハウジング装置は、装置の性能を損なうことなく、一層小型になり、ユニークな形状となるように、日々開発されている。本発明の例示的な実施の形態はユニークなフィルタ寸法を製造するのを可能にし、この場合、フィルタの周辺部即ち側壁は、端部分と共に、例えば、シーラントの適用前に、互いに関して及び形成工具内へ複数の押出し部材を摺動させることにより、ユニークに形状づけられる。それ故、本発明の例示的な実施の形態によれば、ユニークなフィルタは、側壁即ち周辺部に沿った不均一な形状、及び、フィルタの入口及び出口とすることのできるいずれかの端部分における不均一な形状を伴って、製造することができる。個々の部材が使用されるので、これらの部材は製造工程中に容易に操作できる。例えば、フィルタの製造又は形成中、複数の個々のフィルタ部材はモールド内に導入され、モールドを閉じた後、フィルタ部材は一緒に圧縮され、端部は上述のようにシールされる。
【0022】
従って、個々の部材の使用により、フィルタ10のユニークな形状即ち周辺部が達成される。それ故、ユニークなフィルタハウジングも使用される。非限定的な例を図3−5に示す。図3、4はフィルタの第1の端部及び第2の端部を示す。図3はシールされた部材間の領域18を備えた端部を示し、一方、図4はシールされたフィルタの内部空洞16を備えた端部を示す。図3、4に示す実施の形態においては、フィルタの外周辺部26はフィルタハウジングに適合するように形状づけられる。図示のように、周辺部26はユニークであり、典型的には、伝統的なフィルタの媒体や関連する製造技術によっては達成できない。
【0023】
図5は個々のフィルタ部材12を使用することにより得ることのできる別のユニークな不均一な(腎臓形の)周辺部を示す。従って、フィルタ10は湾曲した周辺部又は直線状の周辺部を伴って製造することができる。もちろん、個々のフィルタ部材の使用により、多数の他の形状を得ることができることを理解されたい。例えば、ここで図6、7を参照すると、他の代わりの非限定的な形状を示す。ここでは、フィルタ10は、不規則な又は不均一な第1及び第2の端部を具備するか、又は代わりに、1つの均一な端部及び1つの不均一な端部を具備するか、又は代わりに、フィルタの片側又は両側において1つの部分的に均一な端部を具備する。これまた、個々のフィルタ部材12及びフィルタ空洞の形状の使用により、フィルタ部材はフィルタ部材のモールドにより配置することができる。この工程は典型的には、シール材料20が適用される前に、行われる。
【0024】
フィルタを形成又は製造する別の代わりの方法は、複数の部材をモールドの不均一な部分上に配置し、不均一な端部及び均一な端部が存在するように、反対側の端部を切断することである。これまた、これは、後に一緒にシールされる複数の個々のフィルタ部材の使用により達成することができる。
【0025】
例示的な実施の形態によれば、部材12はシール材料20により一緒に保持される。更に、別の代わりの実施の形態においては、スクリーン及びシーラントのビードはこれらを一緒に保持するためにフィルタの外部又は周辺部に位置する。複数の部材12の使用により、フィルタ10は、装置の性能を損なうことなく、ユニークで小型のフィルタ形状を提供できる。その理由は、内部空洞16内で複数の部材が使用され、従って、媒体14の表面積が増大するからである。従って、一定の寸法のフィルタのために一層大きな表面積を利用できる。
【0026】
図8は本発明の例示的な実施の形態に従ってフィルタを形成又は製造する際に使用するものとして考えられる工具即ちモールド50を示す。ここでは、モールド50は複数の部材12を配置するための空洞52を画定する。部材が空洞内に挿入された後、一端での内部空洞16のシール及び他端での領域18のシールを提供するように、シール材料が各端部に適用される。
【0027】
ここで、図9を参照すると、工具58を示す。工具58は複数の突起62を備えた表面60を有し、これらの突起はフィルタ10のシール工程前に互いに関する部材12の可変の高さ及び位置を提供するように形状づけられる。従って、工具58は、その最終の製造工程前にフィルタ10の個々の部材のいくつかを操作するために使用される工具の例であり、この場合、部材はもはや互いに関して独立に運動することができない。図6、7は工具58を使用して作られるフィルタのいくつかの非限定的な例を示す。例示的な実施の形態によれば、工具50及び工具58は、フィルタが複数の部材を工具内に配置することにより形成されているときに、互いに関連して使用されるか又はフィルタの周辺部及び端部分を画定するために使用されることが考えられる。
【0028】
図10はフィルタの一端で開口をシールするものとして考えられる工具を示す。ここでは、工具64は複数のピン68を有し、各ピンはこれらの間に位置するフィルタ部材12の開口16又は領域18内に受け入れられるように形状づけられる。従って、各ピン68は、シール材料によりシールされない他の領域又は開口を残した状態で、開口16又は領域18と番い合ってこれを遮断するように形状づけられる。従って、ピン68の周辺部はシールすることを意図する開口又は領域と番い合うように形状づけられる。換言すれば、フィルタの一端において、領域18は工具64のピン68により遮断され、シール材料20は開口16内に受け入れられ、次いで、フィルタの他端において、開口16内に受け入れられるように形状づけられたピン68を備えた別の工具が適用され、シール材料は領域18内にのみ受け入れられる。従って、フィルタの一端は遮断された領域18を有し、一方、開口16は他端で遮断される。
【0029】
ここで図11を参照すると、例示的な実施の形態によれば、その中に複数の部材を位置させた工具50が工具58の上方に配置された後、ピン68は適当な領域(例えば、空洞16又は領域18;もちろん、ピン68は空洞16又は領域18と番い合うように形状づけられることを理解されたい)内に受け入れられ、工具50又は工具58又はその両者は射出成形開口70を具備し、この場合、当業界及び関連する技術分野において既知の射出成形工程を用いて、接着剤又はシール材料20をその開口内へ挿入することができる。また、もちろん、射出成形及びシーラント20の硬化が生じるのを許容するために、工具50、64に必要な圧力を適用する際に、空気圧装置又は他の等価の装置を使用することが考えられることを理解されたい。
【0030】
代わりの実施の形態においては、工具58は、いずれかの端部に位置するフィルタ部材の長さを変更しながら、フィルタの一端をシールするための装置(例えば、工具50、58)を提供するために図9に示す突起62の端部から離れるように延びるピン68を有するように形状づけることができる。更に別の代わりの例示的な実施の形態においては、ピン68は工具の表面60から離れるように延びることができる(例えば、突起62間に位置することができる)。更に別の代わりの例示的な実施の形態においては、ピン即ち突起68上に位置する部材の端部はピン68を突出させた工具の表面から僅かに離れて位置決めされる。従って、シーラント20は部材12の端部のまわりを流れて空洞18内に至ることができる。このシール形状の例は図13に示す。
【0031】
本発明の例示的な実施の形態によれば、フィルタ及びその製造方法が提供される。フィルタは、装置の性能を維持しながら、一層小さくてユニークなハウジング形状で使用することが考えられる。
【0032】
1又はそれ以上の例示的な実施の形態を参照して本発明を説明したが、当業者なら、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の変更を行うことができ、その素子を等価物と交換できることを理解できよう。更に、本発明の本質的な要旨を逸脱することなく、特定の状況及び材料を本発明の教示に適合させるように、多くの修正を行うことができる。それゆえ、本発明は本発明を実施するために考えられる最良の形態として上述した特定の実施の形態に限定されず、本発明は特許請求の範囲の要旨内に入るすべての実施の形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の例示的な実施の形態に従って構成されたフィルタの斜視図である。
【図2】図1のフィルタの構成に使用される細長いフィルタ部材の斜視図である。
【図3】本発明の例示的な実施の形態に従って構成されたフィルタの端面図である。
【図4】図3に示すフィルタの反対側の端面図である。
【図5】本発明の代わりの例示的な実施の形態に従って構成されたフィルタの端面図である。
【図6】本発明の別の代わりの例示的な実施の形態に従って構成されたフィルタの側立面図である。
【図7】本発明の別の代わりの例示的な実施の形態に従って構成されたフィルタの側立面図である。
【図8】本発明の例示的な実施の形態に従う、フィルタを作る方法に使用される工具の頂面図である。
【図9】本発明の代わりの例示的な実施の形態に従う、フィルタを作る方法に使用される工具の側立面図である。
【図10】本発明の例示的な実施の形態に従う、フィルタを作る方法に使用される工具の側立面図である。
【図11】本発明の例示的な実施の形態の1つに従う、フィルタを形成するために使用される工具の側立面図である。
【図12】本発明の代わりの例示的な実施の形態に従って構成されたフィルタの端面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある形状に配置された複数のそれぞれ細長い部材を含み、複数の細長い部材の各々がそこを貫通して延びる内部空洞を含み、複数のそれぞれ細長い部材が流体を濾過するためのフィルタ媒体により形成されるフィルタであって、
複数のそれぞれ細長い部材の端部により画定される第1の端部及び第2の端部と、複数のそれぞれ細長い部材の各々間で画定される複数の領域と、を含み、
シール材料を用いて第1の端部において複数の領域をシールすることにより、流体の流れが第1の端部で遮断され、シール材料を用いて第2の端部において複数のそれぞれ細長い部材の各々の内部空洞をシールすることにより、流体の流れが第2の端部で遮断され、
フィルタを通る流体の流れがフィルタ媒体を通過しなければならないことを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記複数のそれぞれ細長い部材が可変長さのチューブであることを特徴とする請求項1のフィルタ。
【請求項3】
前記チューブの内部空洞が円形であり、チューブが押出しフィルタ媒体により形成されることを特徴とする請求項2のフィルタ。
【請求項4】
前記形状が不均一な長さ及び不均一な幅により画定され、不均一な幅がフィルタの周辺部を画定することを特徴とする請求項1のフィルタ。
【請求項5】
前記複数のそれぞれ細長い部材が押出し媒体のシリンダであり、シール材料が接着剤であることを特徴とする請求項1のフィルタ。
【請求項6】
不均一なハウジングのために形状づけられたフィルタであって、
幅に関して長さが変化するような複数のそれぞれ細長い部材を含み、複数のそれぞれ細長い部材が不均一な形状をなすように配置され、複数の細長い部材の各々がそこを貫通して延びる内部空洞を含み、複数のそれぞれ細長い部材が流体を濾過するためのフィルタ媒体により形成され、
前記フィルタが複数のそれぞれ細長い部材の端部により画定される第1の端部及び第2の端部と、複数のそれぞれ細長い部材の各々間で画定される複数の領域とを含み、
シール材料を用いて第1の端部において複数の領域をシールすることにより、流体の流れが第1の端部で遮断され、シール材料を用いて第2の端部において複数のそれぞれ細長い部材の各々の内部空洞をシールすることにより、流体の流れが第2の端部で遮断され、
フィルタを通る流体の流れがフィルタ媒体を通過しなければならないことを特徴とするフィルタ。
【請求項7】
前記不均一な形状が不均一な長さ及び不均一な幅により画定され、不均一な幅がフィルタの周辺部を画定することを特徴とする請求項6のフィルタ。
【請求項8】
前記周辺部が腎臓形をしており、複数のそれぞれ細長い部材の各々が押出しフィルタ媒体により形成されることを特徴とする請求項7のフィルタ。
【請求項9】
前記周辺部が円形であることを特徴とする請求項7のフィルタ。
【請求項10】
前記周辺部が台形であり、シール材料が接着剤であることを特徴とする請求項7のフィルタ。
【請求項11】
前記フィルタが空気フィルタであることを特徴とする請求項6のフィルタ。
【請求項12】
前記フィルタがオイルフィルタであることを特徴とする請求項6のフィルタ。
【請求項13】
前記フィルタが燃料フィルタであることを特徴とする請求項6のフィルタ。
【請求項14】
不均一なハウジングのために形状づけられた不均一なフィルタであって、
幅に関して長さが変化するような複数のそれぞれ細長い部材を含み、複数のそれぞれ細長い部材が不均一な形状をなすように配置され、不均一な形状が不均一な長さと、フィルタの周辺部を画定する不均一な幅とを含み、複数の細長い部材の各々が不均一な長さを貫通して延びる内部空洞を含み、複数のそれぞれ細長い部材がフィルタを濾過するためのフィルタ媒体により形成され、フィルタが不均一な長さ及び複数のそれぞれ細長い部材の端部により画定される第1の端部及び第2の端部と、複数のそれぞれ細長い部材の各々間で画定される複数の領域とを含み、
シール材料を用いて第1の端部において複数の領域をシールすることにより、流体の流れが第1の端部で遮断され、シール材料を用いて第2の端部において複数のそれぞれ細長い部材の各々の内部空洞をシールすることにより、流体の流れが第2の端部で遮断され、
フィルタを通る流体の流れがフィルタ媒体を通過しなければならないことを特徴とする不均一なフィルタ。
【請求項15】
前記周辺部が腎臓形をしていることを特徴とする請求項14の不均一なフィルタ。
【請求項16】
前記周辺部が円形であることを特徴とする請求項14の不均一なフィルタ。
【請求項17】
前記フィルタが空気フィルタであり、シール材料が接着剤であり、複数のそれぞれ細長い部材の各々が押出しフィルタ媒体により形成されることを特徴とする請求項14の不均一なフィルタ。
【請求項18】
前記フィルタがオイルフィルタであることを特徴とする請求項14の不均一なフィルタ。
【請求項19】
前記フィルタが燃料フィルタであることを特徴とする請求項14の不均一なフィルタ。
【請求項20】
フィルタを製造する方法であって、
フィルタ媒体から複数の個々の細長いフィルタ部材を押出し成形する行程と;
可変の長さを有し、貫通して延びる通路を各々有する複数の個々の細長いフィルタ部材を、1つの形状をなすように1つのグループにする工程と;
複数の個々の細長いフィルタ部材の各々の外部間で画定される領域をシールすることにより、フィルタの一端の部分をシールする工程と;
複数の個々の細長いフィルタ部材の通路をシールすることにより、フィルタの他端の部分をシールする工程と;を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
形状の一端を不均一な工具上に配置する工程を更に含み、複数のそれぞれ細長い部材がシール工程の前に再位置決めされることを特徴とする請求項20の方法。
【請求項22】
請求項21の方法に従って製造されるフィルタ。
【請求項23】
フィルタを製造する方法であって、
流体を濾過するためのフィルタ媒体により形成され、貫通して延びる通路を各々有する複数のそれぞれ細長い部材を、工具の、不均一な形状を画定する空洞内で1つのグループにする工程と;
複数の個々の細長いフィルタ部材の各々の外部間で画定される領域をシールすることにより、フィルタの一端の部分をシールする工程と;
複数の個々の細長いフィルタ部材の通路をシールすることにより、フィルタの他端の部分をシールする工程と;を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記複数のそれぞれ細長い部材のいくつかが各々が異なる長さを有することを特徴とする請求項23の方法。
【請求項25】
請求項24の方法に従って製造されるフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−514426(P2008−514426A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534808(P2007−534808)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/035234
【国際公開番号】WO2006/039518
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】