説明

フィルタ目詰まり監視装置

【課題】屋内から屋外に排気される排気流中の汚染物質を除去するフィルタ部材に目詰まりが発生したときに、その目詰まりを検出して使用者に報知することができるフィルタ目詰まり監視装置を提供する。
【解決手段】送風ダクト1を通して屋外に排気される排気流G中の臭気成分を除去する脱臭フィルタ5の下流側空間15に電動送風機6を備え、下流側空間15に配置されて排気流Gの静圧を検出する圧力検出センサ11、検出静圧値Pと設定静圧値Pとを比較判定する判定手段12、判定手段12により排気流Gの静圧に変化があると判定されたときに時間を累積するタイマ回路13、累積時間TΣnが、設定時間Tに達するか、この設定時間Tを越えたときに、脱臭フィルタ5に目詰まりが発生していることを使用者に報知する報知手段14を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動送風機の吸込み力によって屋内から屋外に排気される排気流中に含まれている臭気成分や油脂成分などの汚染物質を除去するフィルタの目詰まり監視装置に係り、例えば、屋内から屋外に配管される送風ダクトの流路途中に接続されて、排気流中の臭気成分を除去する脱臭フィルタを、電動送風機とともに吸込み口と吐出し口とを有するケース体内に収容している脱臭装置、あるいは、加熱調理器の略真上に設置されて、調理中に発生する排気流中の油脂成分を除去するグリスフィルタを、フード体内に備えているレンジフードにおけるフィルタ目詰まり監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、住宅事情により住宅が接近している区域が多く見られ、また、集合住宅などでは狭い通路を隔てて各住居がある。
そのために、各家庭から送風ダクトを通して屋外に排気される排気流、例えば、調理中に発生する油煙、湯煙、廃ガスなどの排気流は、レンジフードから送風ダクトを通して外壁に設けられている排気口から屋外に排気されたときに、屋外に排気された排気流が、隣接する住宅の室内に吸い込まれてしまうことがあり、排気流中に含まれている臭気成分などの汚染物質によって隣人に不快感を与えてしまうおそれがある。
すなわち、隣接する一方の住宅の排気口と、他方の住宅の外壁などに設けられている給気口(換気口)とが近い位置関係にある場合には、排気口から排気される調理中などの排気流が吸気口などから隣の住宅の吸い込まれてしまうことがある。
そのために、近年では、排気流中に含まれている臭気成分を脱臭(消臭)した後に排気することが望まれている。
【0003】
そこで、特許文献1や特許文献2などにおいて開示されている臭気成分を排気流中から除去して無臭化状態にするための脱臭(消臭)機能を備えたレンジフードが知られている。
特許文献1や特許文献2に開示されている脱臭機能を備えたレンジフードは、臭気成分を脱臭した後の略無臭化状態で排気流を屋外に排気することができるために有効な方策と言える。
【0004】
しかしながら、加熱調理器の略真上に位置させた室内(天井)に設置されるレンジフードのフード体内に脱臭装置(脱臭機構)を備えることは、フード体の大型化を招くこととなり、レンジフードに隣接(並設)して設置されるキッチン棚(吊り棚)などとのバランスが悪くなる傾向がある。
しかし、カウンターキッチンやアイランドキッチンなど、欧米スタイルを取り入れた様々なキッチンが提案されてきている近年においては、それらのシステムキッチンと調和を持たせるためにレンジフードはデザイン性の制約を受けることになる。
すなわち、キッチン棚などとの調和が取れたスリムで斬新なデザインを有するレンジフードが注目されるため、前記のようなフード体の大型化は好ましくない。
【0005】
そこで、特許文献3に開示されているように、脱臭装置を、レンジフードから外壁の排気口に至るように配管される送風ダクト内に設置することで、システムキッチンにマッチさせたデザインのレンジフードを可能とする脱臭システムも提案されている。
【特許文献1】特開平9−220439号公報(段落番号0011、0012、および図1参照)
【特許文献2】特開2006−97982号公報(段落番号0017、0018、0023、および図1、図2参照)
【特許文献3】特開2001−218823号公報(段落番号0018、および図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記したように、レンジフードなどから送風ダクトを通して屋外に排気される排気流中に含まれている臭気成分を、脱臭フィルタを通して分離除去、例えば、吸着作用によって排気流中から吸着除去して脱臭(消臭)する脱臭方法では、臭気成分の吸着量に限界がある。
つまり、徐々に堆積される臭気成分によって脱臭フィルタが目詰まりを起こし、脱臭フィルタの吸着性能が低下するために、定期的に脱臭フィルタを取り外して清掃、或いは新規の脱臭フィルタと交換するなどのメンテナンスが必要となる。特に、レンジフードの場合は、調理中に発生する臭気成分(臭気物質)が大量であるために、より短い間に脱臭フィルタが目詰まりを起こすこととなり、メンテナンスを頻繁に行う必要がある。
【0007】
しかしながら、特許文献3に開示されているように、脱臭装置が送風ダクトの途中に設置されている場合などでは、使用者が脱臭フィルタの目詰まり状態を頻繁に確認することは心理的に無理があり、半年に1回、1年に一度行う大掃除のときに、清掃、或いは新規のものに交換しているのが実情である。
つまり、屋内から屋外への送風ダクトの配管は、主に天井裏の空間を利用して行われるために、脱臭装置は、天井裏の空間を利用して送風ダクトの配管途中部位に設置されることとなり、脱臭フィルタの清掃や交換などを行うときには、天井に設けられている点検口の蓋を取り外し、天井裏を覗き込んで、脱臭フィルタを天井裏から取り外して目詰まり状態を確認する必要があるために、頻繁に行うことは心理的に無理がある。
【0008】
このように、従来では、脱臭フィルタの脱臭性能が低下した目詰まり発生の状態で継続的に使用していることが多く、そのために、脱臭装置が100%の性能で運転(稼動)していることが少なく、臭気成分は完全に脱臭されずに、臭気成分の一部が排気流中に残り、屋外に排気されているのが実情である。
しかも、従来では、調理中に発生した排気流がレンジフードから屋外に排気されるための風路である送風ダクトの途中などに設置されている脱臭装置の脱臭フィルタの目詰まり状態が放置されていることで、レンジフードそのものの排気性能を低下させてしまう問題にもなっていた。
【0009】
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、屋内から屋外に排気される排気流中の汚染物質を除去するフィルタ部材に目詰まりが発生したときに、その目詰まりを検出して使用者に報知することができるフィルタ目詰まり監視装置を提供することにある。
また、本発明は、屋内外の一時的な環境の変化、例えば、屋外の強風などによるノイズによってフィルタ部材が目詰まり状態であると誤って判断してしまうことを防止し、的確な監視を行えるフィルタ目詰まり監視装置を提供することにある。
また、本発明では、レンジフードから屋外に向けて配管される送風ダクトに、排気流中の臭気成分を脱臭する脱臭装置が設置されている場合には、レンジフードに備えられているグリスフィルタ、そして脱臭装置に備えられている脱臭フィルタの双方のフィルタ部材の目詰まりをそれぞれ検出して使用者に報知することができるフィルタ目詰まり監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明では、屋内から屋外に排気される排気流中に含まれている汚染物質を除去するフィルタ部材と、このフィルタ部材の下流側に配置されて前記排気流の吸込み力を発する電動送風機と、を備えている設備において、前記設備の前記フィルタ部材の目詰まり状態を検出して報知するように構成されている監視装置であって、
前記フィルタ部材の目詰まりを検出する検出手段と、この検出手段で前記フィルタ部材の目詰まりが検出されたときに、前記フィルタ部材が目詰まりの状態にあることを報知する報知手段とを備えていること特徴とする。
ここで、前記設備が、前記屋内から前記屋外にわたり配管される送風ダクトに接続されて設置される脱臭装置であり、前記フィルタ部材が脱臭フィルタであることが好適なものとなる。
また、前記設備が、調理中に発生する排気流を捕集し、前記送風ダクトを通して屋外に排気するレンジフードであり、前記フィルタ部材がグリスフィルタであることが好適なものとなる。
【0011】
また、前記検出手段は、前記排気流の静圧を検出する圧力検出手段であり、この圧力検出手段により検出された検出静圧値と、設定静圧値とを比較する判定手段を備え、この判定手段により、前記静圧に変化があると判定されたときに、前記報知手段によって前記フィルタ部材が目詰まりの状態にあることを報知するように構成されていることが好適なものとなる。
また、前記排気流の静圧を検出する前記検出手段として差圧検出手段を用いることができる。この場合、設備内に収容されているフィルタ部材の上流側と下流側における排気流の静圧を検出するようにすることが好適なものとなる。
【0012】
このような構成によれば、電動送風機の吸込み力(吸引力)によって屋内から屋外に排気される排気流中の汚染物質がフィルタ部材を通過する過程で除去され、汚染物質の付着によってフィルタ部材が目詰まりを引き起こすと、その目詰まりは、検出手段によって検出され、報知手段によって使用者に報知される。
これにより、使用者は、フィルタ部材を取り外して洗う、または、新規のものと交換するなどのメンテナンスを行うことができる。つまり、目詰まり監視装置によってフィルタ部材の目詰まりの発生(フィルタ部材の保守時期)を使用者に知らせることができるために、目詰まりによるフィルタ部材の性能低下を未然に防ぐことができる。
このように、フィルタ部材の目詰まりの発生を使用者に知らせることができることで、例えば、排気流中の汚染物質が臭気成分で、フィルタ部材が脱臭装置に備えられている脱臭フィルタである場合には、臭気成分を吸着により除去する脱臭フィルタの吸着性能の低下を事前に防ぐことができる。つまり、脱臭装置を常時100%に近い性能で運転(稼動)させて、臭気成分が脱臭された清浄な排気流を屋外に排気することができる。
また、排気流中の汚染物質が調理中に発生する油脂成分で、フィルタ部材がレンジフードに備えられているグリスフィルタである場合には、油脂成分を接触や衝突により捕獲除去するグリスフィルタの捕獲性能の低下を事前に防ぐことができ、しかも、グリスフィルタの目詰まりによる油脂成分の捕獲性能と排気流の排気性能の低下を事前に防いで、レンジフードを常時100%に近い性能で運転(稼動)させることができる。
【0013】
また、フィルタ部材の目詰まりを検出する検出手段が、排気流の静圧を検出するための圧力検出手段または差圧検出手段である場合、この圧力検出手段または差圧検出手段により検出された検出静圧値または検出差圧値と、設定静圧値または設定差圧値とが判定手段によって比較され、排気流の静圧に変化(設定静圧値または設定差圧値に対し、検出静圧値または検出差圧値が大きい、または、小さいなどの変化)があると判定されたときに、フィルタ部材の目詰まりの発生が報知手段によって使用者に報知される。これにより、フィルタ部材の目詰まりの発生が使用者に知らされる。
【0014】
さらに、差圧検出手段を用いて排気流の静圧を検出することで、例えば、設備が、前記したように、屋内から屋外にわたり配管される送風ダクトに接続されて設置されている場合などにおいて、送風ダクトの配管長さや配管途中などにおいて略直角に配管方向が蛇行しているなどのダクトの配管形態(設備の設置環境)などによって変わる送風ダクト内における排気流の圧力損失量の違いによる影響を少なくすることができる。
すなわち、設備の設置環境の違いによって、送風ダクト内における排気流の静圧値は異なるが、フィルタ部材の上流側と下流側との2ヶ所における排気流の静圧値の差圧値を検出することがフィルタ部材の目詰まりに伴いフィルタが排気流に与える圧力損失状態(目詰まり状態)の変化を直接的に検出することになるので、設置環境の違いによる影響を少なくすることができる。
そのために、フィルタ部材の目詰まりに伴う排気流の静圧の変化を、フィルタ部材の上流側または下流側の一方のみで検出する場合に比べて、差圧検出手段を用いた上流側および下流側の双方向において検出することが有効であり、より顕著に検出することができる。
【0015】
また、本発明では、前記判定手段からのカウント信号が入力されてきた時点で動作を開始し、時間の累積を開始するタイマ手段を備え、
前記タイマ手段は、前記カウント信号が所定の時間間隔にて途切れることなく前記判定手段から出力されてくる間において時間の累積を続け、この累積時間が、予め定められている設定時間に達するか、それを越えた時点で、前記報知ランプに報知信号を出力するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、誤作動なく、脱臭フィルタの目詰まりの発生を、報知手段を介して使用者に的確に、かつ、精度良く報知することができる。
つまり、圧力検出手段から継続して出力されてくる排気流の検出静圧値と設定静圧値との判定手段による比較判定が、タイマ手段に予め定められている設定時間内において数回繰り返されることで、圧力検出手段により静圧を検出する際のノイズを除去することができる。これにより、脱臭フィルタの目詰まりの発生を誤作動なく、報知手段を介して使用者に的確に、かつ、精度良く報知することができる。
【0017】
また、本発明では、前記レンジフードから屋外に向けて配管される前記送風ダクトの配管途中に、前記脱臭装置を設置していることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、レンジフードに備えられているグリスフィルタ、そして脱臭装置に備えられている脱臭フィルタに目詰まりが発生すると、前記したように、検出手段による検出、判定手段に判定が成されて、グリスフィルタおよび脱臭フィルタの双方のフィルタ部材の目詰まりの発生が報知手段によって使用者に報知される。
これにより、前記したように、レンジフードの排気性能の低下を事前に防ぎ、しかも、調理中に大量に発生する臭気成分を脱臭する脱臭装置の脱臭性能の低下をも未然に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のフィルタ目詰まり監視装置は、以上のように構成されていることで、屋内から屋外に排気される排気流中の汚染物質を除去するフィルタ部材が目詰まりを起こしたときに、その目詰まりを検出して使用者に報知することができる。
これにより、使用者は、フィルタ部材の洗うまたは新規のものと交換するなどのメンテナンスを、フィルタ部材の性能が著しく低下する前に実施することができるため、フィルタ部材の性能低下を未然に防いで、汚染物質が除去された清浄な排気流として屋外に排気することができる。
例えば、排気流中の汚染物質が臭気成分で、フィルタ部材が脱臭装置の脱臭フィルタである場合には、臭気成分を吸着除去する脱臭フィルタの吸着性能の低下を事前に防ぐことができる。そのため、臭気成分が脱臭された清浄な排気流を屋外に排気することができる。
【0020】
また、本発明では、圧力検出手段から継続して出力されてくる排気流の検出静圧値と設定静圧値との判定手段による比較判定が、タイマ手段に予め定められている設定時間内において数回繰り返されることで、圧力検出手段により静圧を検出する際のノイズを除去することができる。これにより、脱臭フィルタの目詰まりの発生を誤作動なく、報知手段を介して使用者に的確に、かつ、精度良く報知することができる。
【0021】
また、本発明では、レンジフードから屋外に向けて配管される送風ダクトに、排気流中の臭気成分を吸着除去する脱臭装置が設置されている場合には、レンジフードに備えられているグリスフィルタ、そして脱臭装置に備えられている脱臭フィルタの双方のフィルタ部材の目詰まりをそれぞれ検出して使用者に報知することができる。
これにより、前記したように、臭気成分が完全に脱臭された清浄な排気流として屋外に排気することができ、しかも、グリスフィルタの目詰まりによるレンジフードの排気性能の低下をも防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る本発明のフィルタ目詰まり監視装置により監視される脱臭装置が天井裏に設置されている場合の例を示す概略図であり、図2は、同脱臭装置を示す横断面図である。
ここでは、一般住宅やマンションなどの集合住宅において、図1に示すように、屋内(室内)の天井などに設けられる吸気口2と、屋外(室外)の外壁などに設けられる排気口3とにわたり天井裏Cなどの空間を通して配管される送風ダクト1の配管途中に接続されて天井裏Cなどに設置される脱臭装置Bの脱臭フィルタ5の目詰まりを監視するフィルタ目詰まり監視装置(以後、「監視装置」を称する)Aの例を挙げて説明する。
【0023】
≪脱臭装置の構成≫
脱臭装置Bは、図2に示すように、ケース体4と、このケース体4内に配置される脱臭フィルタ5および電動送風機6とを備えて構成されている。
この脱臭装置Bは、後記の図4に示す運転操作部101によって運転するものであるが、天井などの吸気口2に図示省略の電動送風機が装備されている場合には、この電動送風機の運転操作部に連動させて運転させるようにすることができる。
【0024】
≪ケース体の構成≫
ケース体4は、適宜の容積を有する平面視で略矩形形状に形成されている。そして、このケース体4は、図2に示すように、短辺一側に吸込み口4aを備え、短辺他側に吐出し口4bを備えている。これにより、図1に示すように、送風ダクト1の中間に接続されて配設されるようにしている。
また、ケース体4は、天井壁などに直接ビス止め、あるいは吊りボルトなどによって固定される取付金具7を四隅コーナーにそれぞれ備えている。
【0025】
なお、図示を省略しているが、ケース体4は、脱臭フィルタ5が内設される一部、または、ケース壁の一側全面(例えば、下面ケース壁)がネジ止めなどによって開閉可能に形成されている。これにより、脱臭フィルタ4を洗う、または、新規のものと交換するなどのときに、ケース体4内から脱臭フィルタ4を取り出すことができるようにしている。
【0026】
≪脱臭フィルタの構成≫
図3は、脱臭フィルタを示す斜視図である。ここでは、図2を適宜参照しながら説明する。
脱臭フィルタ5は、図2に示すように、ケース体4内を吸込み口4a側と吐出し口4b側とに仕切ることができる大きさで、適宜の厚さを有する格子状の支持枠5aと、この支持枠5a内に略碁盤目状に並列させて配置される脱臭材5bとで構成されている。
支持枠5aは、図3に示すように、複数の脱臭材5bを収める凹み8を略碁盤目状に並列させて備えているケース部5a−1と、このケース部5a−1の各凹み8に脱臭材5bを収めた後に、ケース部5a−1を閉蓋する蓋部5a−2とで構成されている。
【0027】
脱臭材5bは、支持枠5aの凹み8に合わせた略四角形状(略ブロック形状)に形成されている。
この脱臭材5bは、含水珪酸マグネシウム粘土鉱物を主成分とする脱臭材料を用いて形成されている連続多孔質構造体である。例えば、アタパルジャイト20〜90重量部、セピオライト20〜90重量部、骨材としてシリカ20〜90重量部、バインダーとしてメチルセルロース数重量部を、湿式により混練させて押出し成形などによって成形した後に、乾燥してから、500℃以下で焼成したハニカム構造体としている(図3の拡大図参照)。
これにより、排気流G中に含まれている臭気成分を分解作用によって除去するようにしている。
【0028】
なお、図示を省略しているが、脱臭フィルタ5は、ネジ止めやその他の取付手段によってケース体4内の定位置に着脱可能に配置されるように形成されている。
そして、脱臭材5bは、前記した材料の他に、酸化チタン、酸化マンガン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化銅などの光触媒粉体を前記した混練工程で混合させ、ケース体4内に備えられている図示省略のブラックライトなどの光源および反射板から照射される紫外線によって、光触媒粉末による分解作用で排気流中に含まれている臭気成分の除去を促進させるようにすることができる。
【0029】
≪電動送風機の構成≫
電動送風機6は、周知の構造を呈している。
すなわち、図2および後記の図13に示すように、ボリュート形状に形成されているファンケーシング6aにファンモータ(交流モータ)6bを略同軸直立状に取り付けている。そして、ファンケーシング6a内に、モータボディーとともに略同軸状に臨ませたファンモータ6bのモータ軸には、排気ファン6cが取り付けられている周知の構造である。排気ファン6cは、シロッコファンである。
また、電動送風機6は、図2に示すように、ファンケーシング6aの一側壁面に、ベルマウス9によりモータ軸と同芯線上にて略ラッパ口形状に開口される吸引口10を備えている。
【0030】
そして、このように形成されている電動送風機6は、図2に示すように、ファンケーシング6aの開口部を、ケース体4の短辺他側(下流側)から外部に臨ませた状態で、ケース体4内に配置される。
これにより、電動送風機6は、排気ファン6cの回転よりファンケーシング6aの吸引口10に発生する吸込み力によって、脱臭フィルタ5を通して送風ダクト1に接続されているケース体4の吸込み口4a側に吸込み力を発生させることで、吸気口2から送風ダクト1内に吸込み捕集された屋内(室内)の排気流Gを吸込み口4aからケース体4内に吸い込み、そして、脱臭フィルタ5を通過して下流側空間15側に流れてくる排気流Gを、ファンケーシング6a内を通して送風ダクト1に接続されている吐出し口4bから下流側の送風ダクト1内に吐き出すようになっている。
【0031】
≪第1の実施形態に係る監視装置の構成≫
図4は、第1の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
監視装置Aは、脱臭装置Bの運転中に、脱臭フィルタ5(脱臭材5b)の目詰まり状態(度合い)を監視し、脱臭フィルタ5に目詰まりが発生した(例えば、全く目詰まりがないクリーンな状態から目詰まり度合いが60%になった)ときに、脱臭フィルタ5が目詰まり状態であることを使用者に知らせるように構成されている。
【0032】
監視装置Aは、図4に示すように、排気流Gの静圧を検出する圧力検出手段としての圧力検出センサ11と、この圧力検出センサ11により検出された検出静圧値Pに基づいて脱臭フィルタ5の目詰まり度合いを判定し、かつ、脱臭フィルタ5が目詰まり状態にあると判定したときには使用者に報知するマイクロコンピュータ100とを備えて構成されている。
【0033】
マイクロコンピュータ100には、図4に示すように、圧力検出センサ11により検出された検出静圧値Pと、予め定められている設定静圧値Pとを比較する判定手段12、この判定手段12により静圧に変化があると判定されたときに、動作を開始して時間を累積(カウント)するタイマ手段13、このタイマ手段13による累積時間TΣnが、予め定められている設定時間Tに達するか、この設定時間Tを越えたときに、脱臭フィルタ5に目詰まりが発生し、脱臭フィルタ5の保守時期であることを使用者に報知する報知手段14、これらの各機能などが内蔵されている。
圧力検出センサ11、判定手段12、タイマ手段13、報知手段14は脱臭装置Bの運転中に機能するように設定されている。
【0034】
また、図4に示すように、脱臭装置Bの運転を開始、運転を停止させる運転操作部101と、この運転操作部101の操作による運転開始、運亭停止の指令信号がマイクロコンピュータ100に入力されたときに、脱臭装置Bの運転を開始、停止を制御するための運転回路102が備えられている。
運転操作部101は、天井裏Cに脱臭装置Bが設置されている部屋の壁面などに照明スイッチなどと同じく備えられている。
【0035】
≪圧力検出センサの構成≫
圧力検出センサ11は、ベンチュリ管やピトー管、或いはブルドン管、さらにダイアフラム式圧力センサなどからなり、脱臭装置Bの電動送風機6が運転中に、排気流Gの静圧を検出し、その検出された検出静圧値Pを判定手段12に出力するように構成されている。
この圧力検出センサ11は、図1に示す脱臭装置Bのケース体4内における脱臭フィルタ5の下流側空間(送風機設置空間)15内に配置され、脱臭フィルタ5を通過して下流側空間15内に流れてくる排気流Gの静圧を検出するようになっている。
つまり、脱臭フィルタ5の目詰まりが進行すると、送風ダクト1内および脱臭装置Bのケース体4内の排気流Gの静圧に変化が生じる。これにより、排気流Gの静圧の変化を検出することにより、脱臭フィルタ5の目詰まり情報を正確に得ることができる。
【0036】
また、圧力検出センサ11は、所定の時間間隔Δt、例えば、約1〜4秒の間隔をおいて静圧の検出を実行するように、図示省略の検出回路に設定されている。
【0037】
なお、圧力検出センサ11は、電動送風機6の下流側における送風ダクト1内や脱臭フィルタ5の上流側(ケース体4の吸込み口4a側)に配置し、排気流Gの静圧を検出するようにすることもできる。
【0038】
≪判定手段の構成≫
判定手段12は、脱臭装置B(電動送風機6)の運転中に、圧力検出センサ11から出力されてくる検出静圧値Pと設定静圧値Pとを比較し、検出静圧値Pが設定静圧値Pよりも小さいときに脱臭フィルタ5に目詰まりが発生していると判定し、タイマ手段13にカウント信号を出力するように構成されている。
また、判定手段12は、脱臭装置Bの運転中において、圧力検出センサ11から所定の時間間隔Δtにて出力されてくる検出静圧値Pと設定静圧値Pとを継続的に比較することを実行し、検出静圧値Pが設定静圧値Pより小さいか、大きいかを判定するように構成されている。
【0039】
≪タイマ手段の構成≫
タイマ手段13は、判定手段12からカウント信号が入力されてきた時点で動作を開始し、時間の累積(カウント)を開始するように構成されている。
また、タイマ手段13は、判定手段12からのカウント信号が所定の時間間隔Δtにて途切れることなく出力されてくる間において時間の累積を続け、この累積時間TΣnが、予め定められている設定時間Tに達するか、それを越えた時点で、報知手段14に報知信号を出力するように構成されている。
ここで、累積時間TΣnは、判定手段12からカウント信号が出力されてくる所定の時間間隔Δtと、前回までに判定手段12から出力されてきたカウント信号の出力累積時間TΣn−1との累積である。
【0040】
そして、タイマ手段13は、判定手段12から所定の時間間隔Δtをおいて出力されてくるカウント信号の累積時間TΣnが、設定時間Tに達する前に、カウント信号が途切れた場合には、累積時間TΣnがリセット(初期化)されるとともに動作が停止されるように構成されている。
例えば、設定時間Tを約60秒、所定の時間間隔Δtを2秒と仮定し、時間の累積を開始してから累積時間TΣnが8秒に達した時点で、判定手段12からタイマ回路13へのカウント信号の出力が途切れた場合、累積時間TΣn、8秒が0にリセットされ、なおかつ、タイマ回路13の動作が停止するように構成されている。
これにより、タイマ手段13は、判定手段12から新たにカウント信号が出力された時点で、動作を開始し、0から新たに時間の累積を開始することになる。
【0041】
このように構成されているタイマ手段13を用いることで、誤作動なく、脱臭フィルタ5の目詰まりの発生を、報知手段14の報知ランプ14−1を介して使用者に的確に、かつ、精度良く報知することができる。
つまり、圧力検出センサ11から継続して出力されてくる排気流Gの検出静圧値Pと設定静圧値Pとの判定手段12による比較判定を、タイマ手段13に予め設定されている設定時間T内において数回繰り返すことで、圧力検出センサ11が静圧を検出する際のノイズを除去することができる。これにより、判定手段12は、脱臭フィルタ5の目詰まりの発生を誤作動なく判定し、報知手段14に報知信号を出力し、報知ランプ14−1を介して使用者に的確に、かつ、精度良く報知することができる。
【0042】
≪報知手段の構成≫
報知手段14は、タイマ手段13から出力される報知信号を受けたときに、脱臭装置Bの脱臭フィルタ5に目詰まりが発生していることを使用者に報知する役目を成すものである。
この報知手段14は、発光ダイオード,白熱電球,ハロゲンランプ,蛍光ランプ,HIDランプなどから報知ランプ14−1を備えている。これにより、報知ランプ14−1を点灯、または、点滅させることで、脱臭フィルタ5が目詰まり状態の保守時期であることを使用者に報知するように構成されている。
報知ランプ14−1は、天井や壁面などに設置されており、報知手段14からの点灯指令を受けたときに点灯、消灯指令を受けたときに消灯するようになっている。
【0043】
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている第1の実施形態に係る監視装置Aによる脱臭装置Bのフィルタ目詰まり監視について説明する。
図5は、監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【0044】
使用者が運転操作部101を操作して脱臭装置Bを運転させると、吸気口2から送風ダクト1内に排気流Gが吸込み捕集され、屋外の排気口3に向けて送風ダクト1内を流れる。このとき、その途中に設置されている脱臭装置Bの電動送風機6によって排気流Gは、ケース体4の吸込み口4aからケース体4内に流入され、吸込み口4a側に配置されている脱臭フィルタ5を通過するとき、排気流G中の臭気成分は脱臭材5bによって脱臭される。
脱臭フィルタ5を通過することで、清浄化された排気流Gは、電動送風機6の吸引口10からファンケーシング6a内に吸気され、吐出し口4bに接続されている下流側の送風ダクト1を通って屋外の排気口3から排気される。
【0045】
このようにして、排気流G中の臭気成分が脱臭フィルタ5によって脱臭される脱臭装置Bの運転中に、脱臭フィルタ5の下流側空間において排気流の静圧が監視装置によって監視されている。
詳しくは、脱臭装置Bの運転中、脱臭フィルタ5を通過して下流側空間15に流れた排気流Gの静圧が圧力検出センサ11によって検出され(ステップ16)、検出された検出静圧値Pは、判定手段12へと出力される。判定手段12に検出静圧値Pが入力されてくると、判定手段12による検出静圧値Pと設定静圧値Pとを比較する判定が実行される(ステップ17)。このとき、圧力検出センサ11による検出と判定手段12による判定は、所定の時間間隔(例えば、約1〜4秒の間隔)Δtにて継続的に繰り返し行われる。
判定手段12によって、検出静圧値Pが設定静圧値Pよりも小さいと判定(YESと判定)されると、タイマ回路13にカウント信号が出力される。タイマ手段13は、判定手段12からカウント信号が入力されてきた時点で、動作を開始し、時間の累積を実行する(ステップ18)。このとき、検出静圧値Pが設定静圧値Pよりも大きいと判定(NOと判定)されると、ステップ16に戻される。このとき、設定時間Tに達していない累積時間TΣnはリセットされる(ステップ19)。
【0046】
タイマ手段13による時間の累積が実行され、その累積時間TΣnが設定時間Tに達するか、それを越えると(ステップ20)、タイマ手段13から報知手段14に報知信号が出力される。報知手段14は、報知信号を受けて報知ランプ14−1を点灯させる(ステップ21)。
【0047】
このように、第1の実施形態に係る監視装置Aによれば、天井裏Cなどに設置されている臭気装置Bの臭気フィルタ5に目詰まりが発生すると、圧力検出センサ11による排気流Gの静圧の検出、判定手段12による検出静圧値Pと設定静圧値Pとの比較判定、そしてタイマ手段13によるノイズの除去によって、的確に、精度良く、脱臭フィルタ5が目詰まりを発生したことを報知手段14(報知ランプ14−1の点灯)にて使用者に知らせることができる。
【0048】
≪第2の実施形態に係る監視装置の構成≫
図6は、第2の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
なお、この第2の実施形態に係る監視装置A−1は、脱臭フィルタ5の目詰まりの発生を検出する検出手段として、排気流Gの風量を検出する風量検出センサ22を用いて構成した以外の構成要素においては、前記の第1の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0049】
すなわち、監視装置A−1は、図6に示すように、排気流Gの風量を検出する風量検出手段である風量検出センサ22と、この風量検出センサ22により検出された検出風量値Qに基づいて脱臭フィルタ5の目詰まり度合いを判定し、かつ、脱臭フィルタ5が目詰まり状態にあると判定したきには使用者に報知するマイクロコンピュータ100とを備えて構成されている。
【0050】
マイクロコンピュータ100には、図6に示すように、風量検出センサ22により検出された検出風量値Qと、予め定められている設定風量Qとを比較する判定手段12、この判定手段12により風量に変化があると判定されたときに、動作を開始して時間を累積(カウント)するタイマ手段13、このタイマ手段13による累積時間TΣnが、予め定められている設定時間Tに達するか、この設定時間Tを越えたときに、脱臭フィルタ5に目詰まりが発生し、脱臭フィルタ5の保守時期であることを、報知ランプ4−1を点灯させることで使用者に報知する報知手段14、これらの各機能などが内蔵されている。
【0051】
≪風量検出センサの構成≫
風量検出センサ22は、しぼり式流量計、差圧式流量計、フロート式流量計、熱線式流量計などからなり、脱臭装置Bの電動送風機6が運転中に、排気流Gの風量を検出し、その検出した検出風量値Qを判定手段12に出力するように構成されている。
この風量検出センサ22は、脱臭装置Bのケース体4内における脱臭フィルタ5の下流側空間15内に配置され、脱臭フィルタ5を通過して下流側空間15内に流れてくる排気流Gの風量を検出するようになっている。
【0052】
また、この風量検出センサ22は、第1の実施形態において詳述の静圧検出センサ11と同じく、所定の時間間隔Δt、例えば、約1〜4秒の間隔をおいて風量の検出を実行するように構成されている。つまり、マイクロコンピュータ100のメモリ(図示省略)に入力されている制御プログラムによって所定の時間間隔Δtをおいて下流側空間15における排気流Gの風量を検出するようになっている。
【0053】
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている第2の実施形態に係る監視装置A−1による脱臭装置Bのフィルタ目詰まり監視について説明する。
図7は、第2の実施形態に係る監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【0054】
脱臭装置Bの運転中、脱臭フィルタ5を通過して下流側空間15に流れた排気流Gの風量が風量検出センサ22によって検出され(ステップ23)、検出された検出風量値Qは、判定手段12へと出力される。判定手段12に検出風量値Qが入力されてくると、判定手段12による検出風量値Qと設定静圧値Qとを比較する判定が実行される(ステップ24)。このとき、風量検出センサ22による検出と判定手段12による判定は、所定の時間間隔(例えば、約1〜4秒の間隔)Δtにて継続的に繰り返し行われる。
【0055】
判定手段12によって、検出風量値Qが設定風量値Qに達するか、それよりも小さいと判定(YESと判定)されると、タイマ回路13にカウント信号が出力される。タイマ回路13は、判定手段12からカウント信号が入力されてきた時点で、動作を開始し、時間の累積を実行する(ステップ25)。このとき、検出風量値Qが設定値静圧Qよりも大きいと判定(NOと判定)されると、ステップ23に戻される。このとき、設定時間Tに達していない累積時間TΣnはリセットされる(ステップ26)。
【0056】
タイマ回路13による時間の累積が実行され、その累積時間TΣnが設定時間Tに達するか、それを越えると(ステップ27)、タイマ回路13から報知手段14に報知信号が出力される。報知手段14は、報知信号を受けて報知ランプ14−1を点灯させる(ステップ28)。
【0057】
このように、第2の実施形態に係る監視装置A−1によれば、天井裏などに設置されている脱臭装置Bの臭気フィルタ5に目詰まりが発生すると、風量検出センサ22による排気流Gの風量の検出、判定手段12による検出風量値Qと設定風量値Qとの比較判断、そしてタイマ回路13によるノイズの除去によって、的確に、精度良く、脱臭フィルタ5が目詰まりを発生したことを報知手段14(報知ランプ14−1の点灯)にて使用者に知らせることができる。
【0058】
≪第3の実施形態に係る監視装置の構成≫
図8は、第3の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
なお、この第3の実施形態に係る監視装置A−2は、脱臭フィルタ5の目詰まりの発生を検出する検出手段として、脱臭装置Bの電動送風機6(ファンモータ6b)の回転数を検出する回転数検出手段を用いて構成した以外の構成要素においては、前記の第1の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0059】
すなわち、監視装置A−2は、図8に示すように、電動送風機6のファンモータ6bの回転数を検出する回転数検出手段である回転数検出センサ29と、この回転数検出センサ29により検出された検出回転数値Nに基づいて脱臭フィルタ5の目詰まり度合いを判定し、かつ、脱臭フィルタ5が目詰まり状態にあると判定したきには使用者に報知するマイクロコンピュータ100とを備えて構成されている。
【0060】
マイクロコンピュータ100には、図8に示すように、回転数検出センサ29により検出された検出回転数値Nと、予め定められている設定回転数値Nとを比較する判定手段12、この判定手段12により電動送風機の回転数に変化があると判定されたときに、動作を開始して時間を累積(カウント)するタイマ手段13、このタイマ手段13による累積時間TΣnが、予め定められている設定時間Tに達するか、この設定時間Tを越えたときに、脱臭フィルタ5に目詰まりが発生し、脱臭フィルタ5の保守時期であることを、報知ランプ4−1を点灯させることで使用者に報知する報知手段14、これらの各機能などが内蔵されている。
【0061】
≪回転数検出センサの構成≫
回転数検出センサ29は、光学式センサなどからなり、脱臭装置Bの電動送風機6が運転中に、該ファンモータ6bの回転数を検出し、その検出した検出回転数値Nを判定手段12に出力するように構成されている。
つまり、脱臭フィルタ5の目詰まりが進行すると、天井の吸気口2に備えられている電動送風機(図示省略)によって室内から送風ダクト1内に吸い込まれ、送風ダクト1に接続されている脱臭装置Bの吸込み口4aから脱臭装置B内に流入される臭気成分を含む排気流Gの風量は減少する。
これにより、電動送風機6(排気ファン6c)に対する排気流Gの気流抵抗(負荷)が減少するに伴い、ファンモータ6bの回転数が大きくなる。このため、ファンモータ6bの回転数を検出することにより、脱臭フィルタ5の目詰まり情報を得ることができる。
【0062】
また、この回転数検出センサ29は、第1の実施形態に詳述した静圧検出センサ11と同じく、所定の時間間隔Δt、例えば、約1〜4秒の間隔をおいて回転数の検出を実行するように構成されている。つまり、マイクロコンピュータ100のメモリ(図示省略)に入力されている制御プログラムによって所定の時間間隔Δtをおいてファンモータ6bの回転数を検出するように設定されている。
【0063】
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている第3の実施形態に係る監視装置A−2による脱臭装置Bのフィルタ目詰まり監視について説明する。
図9は、第3の実施形態に係る監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【0064】
脱臭装置Bの運転中、電動送風機6のファンモータ6cの回転数が回転数検出センサ29によって検出され(ステップ30)、検出された検出回転数値Nは、判定手段12へと出力される。判定手段12に検出回転数値Nが入力されてくると、判定手段12による検出回転数値Nと設定回転数値Nとを比較する判定が実行される(ステップ31)。このとき、回転数検出センサ29による検出と判定手段12による判定は、所定の時間間隔(例えば、約1〜4秒の間隔)Δtにて継続的に繰り返し行われる。
【0065】
判定手段12によって、検出回転数値Nが設定回転数値Nに達するか、それよりも大きいと判定(YESと判定)されると、タイマ回路13にカウント信号が出力される。タイマ回路13は、判定手段12からカウント信号が入力されてきた時点で、動作を開始し、時間の累積を実行する(ステップ32)。このとき、検出回転数値Nが設定回転数値Nよりも小さいと判定(NOと判定)されると、ステップ30に戻される。このとき、設定時間Tに達していない累積時間TΣnはリセットされる(ステップ33)。
【0066】
タイマ回路13による時間の累積が実行され、その累積時間TΣnが設定時間Tに達するか、それを越えると(ステップ34)、タイマ回路13から報知手段14に報知信号が出力される。報知手段14は、報知信号を受けて報知ランプ14−1を点灯させる(ステップ35)。
【0067】
このように、第3の実施形態に係る監視装置A−2によれば、天井裏Cなどの空間に設置されている臭気装置Bの臭気フィルタ5に目詰まりが発生すると、回転数検出センサ29による電動送風機6のファンモータ6bの回転数の検出、判定手段12による検出回転数値Nと設定回転数値Nとの比較判断、そしてタイマ回路13によるノイズの除去によって、的確に、精度良く、脱臭フィルタ5が目詰まりを発生したことを報知手段14にて使用者に知らせることができる。
【0068】
≪第4の実施形態に係る監視装置の構成≫
図10は、第4の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
なお、この第4の実施形態に係る監視装置A−3は、脱臭フィルタ5の目詰まりの発生を検出する検出手段として、電動送風機6(ファンモータ6b)に流れる消費電力を検出す消費電力検出手段を用いて構成した以外の構成要素においては、前記の第1の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0069】
すなわち、監視装置A−3は、図10に示すように、ファンモータ6bに流れる消費電力を検出する消費電力検出手段である消費電力検出センサ36と、この消費電力検出センサ36により検出された検出消費電力Wに基づいて脱臭フィルタ5の目詰まり度合いを判定し、かつ、脱臭フィルタ5が目詰まり状態にあると判定したきには使用者に報知するマイクロコンピュータ100とを備えて構成されている。
【0070】
マイクロコンピュータ100は、図10に示すように、消費電力検出センサ36により検出された検出消費電力値Wと、予め定められている設定消費電力値Wとを比較するための判定手段12、この判定手段12により消費電力に変化があると判定されたときに、動作を開始して時間を累積(カウント)するタイマ回路13、このタイマ回路13による累積時間TΣnが、予め定められている設定時間Tに達するか、この設定時間Tを越えたときに、脱臭フィルタ5に目詰まりが発生し、脱臭フィルタ5の保守時期であることを、報知ランプ4−1を点灯させることで使用者に報知する報知手段14、これらの各機能などが内蔵されている。
【0071】
≪消費電力検出センサの構成≫
消費電力検出センサ36は、電力計などからなり、脱臭装置Bの電動送風機6が運転中に、ファンモータ6bで消費される消費電力を検出し、その検出した検出消費電力Wを判定手段12に出力するように構成されている。
【0072】
また、この消費電力検出センサ36は、第1の実施形態に詳述した静圧検出センサ11と同じく、所定の時間間隔Δt、例えば、約1〜4秒の間隔をおいて風量の検出を実行するように構成されている。つまり、マイクロコンピュータ100のメモリ(図示省略)に入力されている制御プログラムによって所定の時間間隔Δtをおいてファンモータ6bに流れる消費電力を検出するように設定されている。
【0073】
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている第4の実施形態に係る監視装置A−3による脱臭装置Bのフィルタ目詰まり監視について説明する。
図11は、第4の実施形態に係る監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【0074】
脱臭装置Bの運転中、電動送風機6のファンモータ6bで消費される消費電力が消費電力検出センサ36によって検出され(ステップ37)、検出された検出消費電力値Wは、判定手段12へと出力される。判定手段12に検出消費電力値Wが入力されてくると、判定手段12による検出消費電力値Wと、予め定められている設定消費電力値Wとを比較する判定が実行される(ステップ38)。このとき、消費電力検出センサ36による検出と判定手段12による判定は、所定の時間間隔(例えば、約1〜4秒の間隔)Δtにて継続的に繰り返し行われる。
【0075】
判定手段12によって、検出消費電力値Wが設定消費電力値Wに達するか、それよりも小さいと判定(YESと判定)されると、タイマ回路13にカウント信号が出力される。タイマ回路13は、判定手段12からカウント信号が入力されてきた時点で、動作を開始し、時間の累積を実行する(ステップ39)。このとき、検出消費電力値Wが設定消費電力値Wよりも大きいと判定(NOと判定)されると、ステップ37に戻される。このとき、設定時間Tに達していない累積時間TΣnはリセットされる(ステップ40)。
【0076】
タイマ回路13による時間の累積が実行され、その累積時間TΣnが設定時間Tに達するか、それを越えると(ステップ41)、タイマ回路13から報知手段14に報知信号が出力される。報知手段14は、報知信号を受けて報知ランプ14−1を点灯させる(ステップ42)。
【0077】
このように、第4の実施形態に係る監視装置A−3によれば、天井裏Cなどに設置されている脱臭装置Bの運転中に、臭気フィルタ5に目詰まりが発生すると、ファンモータ6bで消費される消費電力の消費電力検出センサ36による検出、判定手段12による検出消費電力値Wと設定消費電力値Wとの比較判断、そしてタイマ回路13によるノイズの除去によって、的確に、精度良く、脱臭フィルタ5が目詰まりを発生したことを報知手段14(報知ランプ14−1の点灯)にて使用者に知らせることができる。
【0078】
≪第5の実施形態に係る監視装置の構成≫
図12は、第5の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
この第5の実施形態に係る監視装置A−4は、脱臭装置Bのケース体4内での排気流Gの静圧を検出する検出手段として、前記した第1の実施形態における圧力検出センサ(圧力検出手段)11に変えて、差圧検出手段を用いたものであり、差圧検出手段を用いた以外の構成要素においては、前記の第1の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0079】
すなわち、図12に示すように、監視装置A−4は、排気流Gの静圧を検出する差圧検出手段としての差圧検出センサ60と、この差圧検出センサ60により検出された検出差圧値Sに基づいて脱臭フィルタ5の目詰まり度合いを判定し、かつ、脱臭フィルタ5が目詰まり状態にあると判定したきには報知手段14からの点灯信号により点灯する報知ランプ14−1を介して使用者に報知するマイクロコンピュータ100とを備えて構成されている。
【0080】
マイクロコンピュータ100は、図12に示すように、差圧検出センサ60により検出された検出差圧値Sと、予め設定されている設定差圧値Sとを比較するための判定手段12、この判定手段12により消費電力に変化があると判定されたときに、動作を開始して時間を累積(カウント)するタイマ回路13、このタイマ回路13による累積時間TΣnが、予め定められている設定時間Tに達するか、この設定時間Tを越えたときに、脱臭フィルタ5に目詰まりが発生し、脱臭フィルタ5の保守時期であることを、報知ランプ4−1を点灯させることで使用者に報知する報知手段14、これらの各機能などが内蔵されている。
【0081】
≪差圧検出センサの構成≫
差圧検出センサ60は、脱臭装置Bのケース体4内における脱臭フィルタ5を挟むその上流側(吸込み口4a側)と下流側(前記した下流側空間15側)との間に生じる静圧の差圧値を検出し、その差圧値を検出差圧値Sとして判断手段12に出力するように構成されている。
この差圧検出センサ60としては、種々の構造形態のものが知られているが、その一例として、例えば、ダイアフラムを内部に備えているセンサ本体を、ケース体4内における脱臭フィルタ5の上流側(吸込み口4a側)と下流側(下流側空間15側)とにバイパスを介してそれぞれ連通状に接続し、上流側と下流側との静圧の差圧によりダイアフラムが変形することで検出される検出差圧値Sを判断手段12に出力するように構成されている。
【0082】
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている第5の実施形態に係る監視装置A−4による脱臭装置Bのフィルタ目詰まり監視について説明する。
図13は、第5の実施形態に係る監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【0083】
脱臭装置Bの運転中、ケース体4内における脱臭フィルタ5の上流側(吸込み口4側)と下流側(下流側空間15側)との間に生じる差圧が差圧検出センサ60により検出差圧値Sとして検出され(ステップ61)、検出された検出差圧値Sは、判定手段12へと出力される。判定手段12に検出差圧値Sが入力されてくると、判定手段12による検出差圧値Sと設定差圧値Sとを比較する判定が実行される(ステップ62)。このとき、差圧検出センサ60による検出と判定手段12による判定は、所定の時間間隔(例えば、約1〜4秒の間隔)Δtにて継続的に繰り返し行われる。
判定手段12によって、検出差圧値Sが設定静圧値Sよりも大きいと判定(YESと判定)されると、タイマ回路13にカウント信号が出力される。タイマ手段13は、判定手段12からカウント信号が入力されてきた時点で、動作を開始し、時間の累積を実行する(ステップ63)。このとき、検出差圧値Sが設定差圧値Sよりも小さい判定(NOと判定)されると、ステップ16に戻される。このとき、設定時間Tに達していない累積時間TΣnはリセットされる(ステップ64)。
【0084】
タイマ手段13による時間の累積が実行され、その累積時間TΣnが設定時間Tに達するか、それを越えると(ステップ65)、タイマ手段13から報知手段14に報知信号が出力される。報知手段14は、報知信号を受けて報知ランプ14−1を点灯させる(ステップ66)。
【0085】
このように、第5の実施形態に係る監視装置A−4によれば、天井裏Cなどに設置されている臭気装置Bの臭気フィルタ5に目詰まりが発生すると、差圧検出センサ60による脱臭フィルタ5を挟む上流側と下流側との2ヶ所における双方向の排気流Gの静圧によって検出される検出差圧値S、判定手段12による検出差圧値Sと設定差圧値Sとの比較判定、そしてタイマ手段13によるノイズの除去によって、的確に、精度良く、脱臭フィルタ5が目詰まりを発生したことを報知ランプ14にて使用者に知らせることができる。
【0086】
なお、この第5の実施形態に係る監視装置A−4では、差圧検出センサ60の他の実施形態として、脱臭フィルタ5を挟む上流側(吸込み口4a側)と下流側空間15側との排気流Gの静圧をそれぞれ検出し、その上流側静圧と下流側静圧とから差圧値を算出し、この算出差圧値を検出差圧値Sとして判断手段12に出力するように構成することもできる。
【0087】
[他の実施形態の説明]
図14は、レンジフードから屋外に向けて配管される送風ダクトの配管途中に脱臭装置Bが設置されている場合の例を示す概略図である。ここでは、図2、図4および図5を適宜参照しながら説明する。
なお、斯かる実施形態では、例えば、脱臭フィルタ5の目詰まりが前記の第1の実施形態に係る監視装置Aによって監視される脱臭装置Bを、レンジフードDから天井裏Cを通して屋外に向けて配管される送風ダクト1−1の配管途中に設置した例を示したものであり、それ以外の構成要素において前記の第1の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0088】
すなわち、図14および図15に示すように、図示省略の加熱調理器の略真上に設置されるレンジフードDに一端が接続され、天井裏Cなどの空間を通して配管される送風ダクト1−1の配管途中に、図2に示す脱臭装置Bを設置し、この脱臭装置Bの脱臭フィルタ5の目詰まりを、排気流Gの静圧によって検出するように構成されている図4に示す監視装置Aによって監視するようにしている。
【0089】
また、この実施形態では、レンジフードDの後記するグリスフィルタの目詰まり監視を、監視装置Aによって行うようにしている。
この場合、脱臭装置Bの脱臭フィルタ5の目詰まりとレンジフードのグリスフィルタの目詰まりをそれぞれの監視装置によって個々に監視する場合と、グリスフィルタの目詰まり監視を、脱臭フィルタの目詰まりを監視する監視装置よって併用させることができる。
【0090】
なお、レンジフードDは、調理中の排気流Gの発生量に応じて、高運転、中運転、弱運転の三段階、つまり、後記する電動送風機44の排気能力の運転が強弱三段階に切り換えられるように構成されている。そのために、脱臭装置Bの電動送風機6の運転を、レンジフードDの強弱三段階の運転に同期させることで、レンジフードDによって吸込み捕獲された排気流Gの送風ダクト1−1を通しての屋外への排気を円滑にすることができる。
【0091】
≪レンジフードの構成≫
図15は、レンジフードの一例を示す縦断面図である。
レンジフードDは、周知の深型タイプのレンジフードある。
すなわち、図14および図15に示すように、深型のフード体43内におけるキッチン壁K−1側に位置させて電動送風機44を縦置きに設置している。これにより、電動送風機44の前方(前側)で、高さ方向(キッチン天井K−2の高さ方向)に深く、下向きに開口させた排気流Gの捕獲空間45が形成されるようにしている。
これにより、調理中に発生し、レンジフードDに向けて舞い上がってくる排気流Gが、電動送風機44の吸込み力により捕獲空間45に吸込み捕獲され、電動送風機44から送風ダクト1−1を通って屋外の排気口3から排気されるようになっている。
【0092】
また、レンジフードDは、図13に示すように、電動送風機44の前方で、フード体内43を、電動送風機44側と捕獲空間45側とに仕切るようにグリスフィルタ46を備えている。
さらに、レンジフードDは、グリスフィルタ46の下端縁を係脱自在に支持するように、グリスフィルタ46の下端縁位置から電動送風機44の下方に至るフード体43の前後方向において、該フード体43の下向き開口側と電動送風機44側とを仕切るように仕切りパネル47を備えている。
【0093】
≪フード体の構成≫
フード体43は、図15に示すように、前面と下面とを開口させたフード部43aと、このフード部43aの前面開口部に取り外し自在に取り付けられる前面パネル43bとから下向きに開口し、高さ方向に深い捕獲空間45を有する箱型に形成されている。
【0094】
≪電動送風機の構成≫
電動送風機44は、前記の脱臭装置Bの電動送風機6と基本的な構成要素が同じことから、同じ構成要素に同じ符号を付することで重複説明は省略する。
この電動送風機44は、図15に示すように、フード部43aの上面壁にネジ止めによる吊持によってフード体43内に縦置きに取り付けられて、上面壁からキッチン天井K−2に向けて突出させたファンケーシング6aの吐出し口48に送風ダクト1−1の一端が接続されるようになっている。
【0095】
≪グリスフィルタの構成≫
図16は、グリスフィルタの一例を示す斜視図および拡大断面図である。
グリスフィルタ46は、周知のように、スロットタイプ、或いはパンチングメタルタイプ、金網やラス網からなる網目タイプなどによって、フード体43内を電動送風機44側と捕獲空間45側とに仕切る大きさを有する平板状に形成されている。
その一例を説明すると、例えば、図16に示すスロットタイプでは、金属薄板46aに、数ミリのピッチ間隔で、排気流Gが通過する時の流れ方向に対して直交させた一方向に多数列のスリット46bを設けている。そして、このスリット46bの相互で区画された平面部分である排気流衝突片部46cを、金属薄板46aの一側面の方向に向けて屈折傾斜するように切り起こすことによって、平面部分を残すことなく一方向に向けて傾斜させた通気口46dを開口させた構成となっている。
【0096】
このように構成されているグリスフィルタ46は、図15に示すように、下端縁が、仕切りパネル47の前方縁に備えられている下側係止部49に係脱自在に係止され、上端縁が、フード体43の上面壁に備えられている上側係止部50に係脱自在に係止されて、フード体43内を電動送風機44側と捕獲空間45側とに仕切るように着脱自在に備えられる。
【0097】
そして、このように構成されているレンジフードDのグリスフィルタ46の目詰まり監視を、前記の第1の実施形態に係る監視装置Aを用いて実行させることができる。ここでは、図4を適宜参照しながら説明する。
つまり、監視装置Aをレンジフード用として用いてグリスフィルタ46の目詰まり監視を行う場合には、排気流Gの静圧を検出する圧力検出センサ11を、グリスフィルタ46と電動送風機44との間におけるグリスフィルタ46の下流側空間(送風機設置空間)51内に配置することで、排気流G中に含まれている油脂成分の付着によるグリスフィルタ46の目詰まり発生を監視装置Aよって監視させることができる。
【0098】
[作用説明]
ここでは、図5を適宜参照しながら説明する。
レンジフードDの運転中、このレンジフードDと同期して運転する脱臭装置Bの脱臭フィルタ5の図5に示す目詰まり監視動作とともに、グリスフィルタ46の目詰まり監視を監視装置Aによって実行させることができる。
詳しくは、フード体43内に吸込み捕集されてグリスフィルタ46を通過して下流側空間51側に流れた排気流(油煙、湯煙、廃ガスなどの排気物質)Gの静圧が圧力検出センサ11によって検出され(ステップ16)、検出された検出静圧値Pは、判定手段12へと出力される。判定手段12に検出静圧値Pが入力されてくると、判定手段12による検出静圧値Pと設定静圧値Pとを比較する判定が実行される(ステップ17)。このとき、静圧検出センサ11による検出と判定手段12による判定は、所定の時間間隔(例えば、約1〜4秒の間隔)Δtにて継続的に繰り返し行われる。
【0099】
判定手段12によって、検出静圧値Pが設定静圧値Pよりも小さいと判定(YESと判定)されると、タイマ手段13にカウント信号が出力される。タイマ手段13は、判定手段12からカウント信号が入力されてきた時点で、動作を開始し、時間の累積を実行する(ステップ18)。このとき、検出静圧値Pが設定静圧値Pよりも大きいと判定(NOと判定)されると、ステップ16に戻される。このとき、設定時間Tに達していない累積時間TΣnはリセットされる(ステップ19)。
【0100】
タイマ手段13による時間の累積が実行され(ステップ18)、その累積時間TΣnが設定時間Tに達するか、それを越えると(ステップ20)、タイマ手段13から報知手段14に報知信号が出力される。報知手段14は、報知信号を受けて報知ランプ14−1を点灯させる(ステップ21)。
【0101】
このように、レンジフードDのグリスフィルタ46の目詰まりを監視する第1の実施形態に係る監視装置Aによれば、調理中に発生する排気流の通過によってグリスフィルタ46に目詰まりが発生すると、静圧検出センサ11による排気流Gの静圧の検出、判定手段12による検出静圧値Pと設定静圧値Pとの比較判断、そしてタイマ手段13によるノイズの除去によって、的確に、精度良く、グリスフィルタ46が目詰まりを発生したことを報知手段14にて使用者に知らせることができる。
【0102】
なお、本発明の実施形態の具体的な構成は、前記した各実施形態に限られるものではなく、請求項1から請求項5に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更などがあっても本発明に含まれるものである。
例えば、監視装置A,A−1,A−2,A−3,A−4を、屋外から屋内に空気を取り込む給気装置のフィルタ部材の目詰まり監視として用いることができる。
【0103】
また、圧力検出センサ11および風量検出センサ22は、脱臭装置Bの脱臭フィルタ5の上流側に配置することができる。
さらに、電動送風機6のファンモータ6bとして直流モータを用いることができる。この場合、前記の第3の実施形態に係る監視装置A−2において、回転数検出センサ29を用いることなく、ファンモータ6bの回転数を検出することができる。
さらにまた、報知手段として、前記のランプのほかに、ブザー、音声などのを挙げることができる。
また、電動送風機6の排気ファン6cとして、プロペラファンやターボファンなどを使用することができる。この場合は、それぞれの静圧、風量の変化の特性、そしてファンモータの回転数の変化の特性に合わせて判定手段を構成することで同様な機能を持たせることができる。
【0104】
また、前記した各実施形態において、累積時間のカウント(累積)を判定手段からのカウント信号の継続的な繰り返しにより行うことを示したが、最初に判定手段12が異常(YES)と判断したときにタイマ手段14にカウント開始信号を出力し、このカウント開始信号によりタイマ手段13は時間のカウントを自動で継続し、その後、判定手段12が正常(NO)と判断したときはタイマ手段14にカウント停止信号を出力することで、タイマ手段13を停止およびリセットするように構成することもできる。
【0105】
また、電動送風機の高運転、中運転、弱運転の三段階の運転状態に合わせた判定手段12によるフィルタ部材の目詰まり判定値を自動的に切り換えることを可能にすることができる。つまり、電動送風機の三段階の運転状態に合わせて判定手段12による目詰まり判定値を、高運転目詰まり判定値、中運転目詰まり判定値、弱運転目詰まり判定値の三段階に自動的に切り換えたフィルタ部材の目詰まり監視が可能となる。これにより、電動送風機の三段階の運転状態に合わせてフィルタ部材の目詰まりを適切に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】第1の実施形態に係る本発明のフィルタ目詰まり監視装置により監視される脱臭装置が天井裏に設置されている場合の例を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る脱臭装置を示す横断面図である。
【図3】同脱臭装置の脱臭フィルタを示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】同監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図7】同監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図9】同監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】第4の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図11】同監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第5の実施形態に係る本発明の監視装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図13】同監視装置による脱臭装置(脱臭フィルタ)の目詰まり監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】レンジフードから屋外に向けて配管される送風ダクトの配管途中に脱臭装置が設置されている場合の例を示す概略図である。
【図15】同レンジフードの一例を示す縦断面図である。
【図16】同レンジフードのグリスフィルタの一例を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)のb−b線拡大断面図である。
【符号の説明】
【0107】
A,A−1,A−2,A−3,A−4 監視装置
B 脱臭装置(設備)
C 天井裏
D レンジフード(設備)
1,1−1 送風ダクト
2 吸気口
3 排気口
4 ケース体
4a 吸込み口
4b 吐出し口
5 脱臭フィルタ
6,44 電動送風機
11 圧力検出センサ(検出手段)
12 判定手段
13 タイマ手段
14 報知手段
15,51 下流側空間
22 風量検出センサ(検出手段)
29 回転数検出センサ(検出手段)
36 消費電力検出センサ(検出手段)
60 差圧検出センサ(検出手段)
G 排気流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内から屋外に排気される排気流中に含まれている汚染物質を除去するフィルタ部材と、
このフィルタ部材の下流側に配置されて前記排気流の吸込み力を発する電動送風機と、を備えている設備において、
前記設備の前記フィルタ部材の目詰まり状態を検出して報知するように構成されている監視装置であって、
前記フィルタ部材の目詰まりを検出する検出手段と、
この検出手段で前記フィルタ部材の目詰まりが検出されたときに、前記フィルタ部材の保守時期を報知する報知手段と、を備えて構成されていること特徴とするフィルタ目詰まり監視装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記排気流の静圧を検出する圧力検出手段であり、この圧力検出手段により検出された検出静圧値と、設定静圧値とを比較する判定手段を備え、この判定手段により、前記静圧に変化があると判定されたときに、前記報知手段によって前記フィルタ部材が目詰まりの状態にあることを報知するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ目詰まり監視装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記フィルタ部材の上流側と下流側とにおける前記排気流の静圧を検出する差圧検出手段であり、この差圧検出手段により検出された検出差圧値と、設定差圧値とを比較する判定手段を備え、この判定手段により、前記静圧に変化があると判定されたときに、前記報知手段によって前記フィルタ部材が目詰まりの状態にあることを報知するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ目詰まり監視装置。
【請求項4】
前記判定手段からのカウント信号が入力されてきた時点で動作を開始し、時間の累積を開始するタイマ手段を備え、
前記タイマ手段は、前記カウント信号が所定の時間間隔にて途切れることなく前記判定手段から出力されてくる間において時間の累積を続け、この累積時間が、設定時間に達するか、それを越えた時点で、前記報知手段に報知信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のフィルタ目詰まり監視装置。
【請求項5】
前記設備が、前記屋内から前記屋外にわたり配管される前記送風ダクトに接続されて設置される脱臭装置であり、前記フィルタ部材が脱臭フィルタであることを特徴する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフィルタ目詰まり監視装置。
【請求項6】
前記設備が、調理中に発生する排気流を捕集し、前記送風ダクトを通して屋外に排気するレンジフードであり、前記フィルタ部材がグリスフィルタであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフィルタ目詰まり監視装置。
【請求項7】
前記レンジフードから前記屋外に向けて配管される前記送風ダクトの配管途中に、前記脱臭装置を設置していることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のフィルタ目詰まり監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−228992(P2009−228992A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75613(P2008−75613)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000237374)富士工業株式会社 (112)
【Fターム(参考)】