説明

フィルムコンデンサ及びフィルムコンデンサの製造方法

【課題】フィルムの一部に存在する中電気抵抗部分の欠陥部分の除去方法を提供する。
【解決手段】フィルムコンデンサの製造方法は、フィルムの少なくとも一方の面に金属膜が形成された金属化フィルムを有するフィルムコンデンサを対象としている。金属膜がスリット17,18で電気的に分割される複数の分割膜14a,14bと、分割膜14a,14b間を電気的に接続させるヒューズ19とを有する金属化フィルムを形成する形成工程と、金属化フィルムに対して電圧を印加することで、金属化フィルムに存在する絶縁欠陥部周辺の金属膜を除去するプレヒーリング工程と、プレヒーリング工程と同時に金属化フィルムに対し、金属化フィルムにおける欠陥部分42を短絡させると共に、ヒューズ19を溶断可能な電流が流れる所定電圧を印加する溶断工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサ及びフィルムコンデンサの製造方法に関し、特に、プレヒーリングによって製造されたものに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表面にアルミニウム、又は亜鉛等の金属を蒸着した誘電体のフィルム(金属化フィルム)を多層に重ねて構成されたフィルムコンデンサが知られている。
【0003】
このフィルムは、製造時に付着する異物、フィルムのしわ、又は溶融した蒸着金属の突沸等を原因として絶縁欠陥が生じることがある。このような絶縁欠陥を有する金属化フィルムを用いたフィルムコンデンサは、絶縁欠陥部分で絶縁性が確保できないため、わずかな電圧印加によって短絡状態となることがある。
【0004】
このような問題に対して、特許文献1に示すように、フィルムコンデンサの製造工程において、金属化フィルムに高電圧を印加し、電気抵抗の低い絶縁欠陥部周辺の金属を放電破壊によって溶融させて取り除く工程(いわゆるプレヒーリング工程)を設けることが知られている。
【0005】
また、特許文献2に示すように、フィルムコンデンサでは、使用時の絶縁破壊等によりフィルムが短絡した場合、蒸着金属に形成したヒューズ部分を溶断(断路)することで安全性を確保する保安機構が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−85806号公報
【特許文献2】特開平7−45466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した誘電体のフィルムを製造する方法として塗工法が知られている。この塗工法によるフィルム製造では、ポリマー材料や高誘電率材料を溶剤に熔解させて塗料にし、塗布した塗料を乾燥させることでフィルムを製造している。そして、フィルム製造では、フィルム中の高誘電率材料が不均一となること等により、フィルム内の一部で電気抵抗が中抵抗となる欠陥部分が存在することがある。これにより、金属化フィルムの絶縁性が低下する。
【0008】
しかしながら、上記欠陥部分は中抵抗であるため、従来のプレヒーリング工程では、上記欠陥部分に電流が流れにくく、該欠陥部分周辺の金属を放電破壊によって除去することができず、また、プレヒーリングの印加電圧を上げると、フィルムが絶縁破壊して完全に短絡してしまうという問題があった。
【0009】
一方、上記欠陥部分は中抵抗であるため、従来の蒸着金属にヒューズが形成されたフィルムコンデンサでは、使用時において欠陥部分から漏れ電流が発生する。したがって、、蒸着金属にヒューズを形成しても、該ヒューズに電流が集中しないため、ヒューズを溶断することができない。これにより、フィルムコンデンサの使用時に、欠陥部分を流れる電流が電気抵抗によって発熱し、フィルムが溶けるという問題があった。つまり、従来のプレヒーリング、又はヒューズの形成による方法では、フィルムの一部に存在する中抵抗の欠陥部分に対する対策ができないという問題があった。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、フィルムの一部に中抵抗の欠陥部分が発生したフィルムコンデンサの絶縁性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、フィルム部材(12)の少なくとも一方の面に金属膜(14)が形成された金属化フィルム(11)を有するフィルムコンデンサの製造方法であって、上記金属膜(14)がスリット(17,18)で電気的に分割される複数の分割膜(14a,14b)と、該分割膜(14a,14b)間を電気的に接続させるヒューズ部(19)とを有する金属化フィルム(11)を形成する形成工程と、上記金属化フィルム(11)に電圧を印加することで、該金属化フィルム(11)に存在する絶縁欠陥部(41)周辺の上記金属膜(14)を除去するプレヒーリング工程と、上記プレヒーリング工程と同時、又は該プレヒーリング工程の前後に、上記金属化フィルム(11)に、該金属化フィルム(11)における所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を短絡させると共に、上記ヒューズ部(19)の溶断可能な電流が流れるような所定電圧を印加する溶断工程とを有している。
【0012】
上記第1の発明では、フィルムコンデンサの製造において、形成工程と、プレヒーリング工程と、溶断工程とが行われる。
【0013】
形成工程では、まず、フィルム部材(12)の少なくとも一方の面に金属膜(14)を形成する。そして、この金属膜(14)をスリット(17,18)で電気的に分割して複数の分割膜(14a,14b)を形成し、該分割膜(14a,14b)間を電気的に接続させるヒューズ部(19)を形成することで、金属化フィルム(11)を形成する。
【0014】
ここで、金属化フィルム(11)には、低電気抵抗部分である絶縁欠陥部(41)と、所定範囲の電気抵抗部分である欠陥部分(42)とが存在する場合がある。
【0015】
次に、プレヒーリング工程では、金属化フィルム(11)に対して電圧を印加し、金属化フィルム(11)に存在する絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を放電破壊させて除去する。これにより、金属化フィルム(11)の絶縁性が確保される(自己回復)。
【0016】
溶断工程では、金属化フィルム(11)の一の分割膜(14a)に対応する領域に対し、所定の電圧を印加して金属化フィルム(11)における所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を絶縁破壊させて短絡させる。上記欠陥部分(42)が短絡した状態で、上記所定の電圧を印加すると、ヒューズ部(19)に対して電流が集中して該ヒューズ部(19)が溶断する。ヒューズ部(19)が溶断すると、該ヒューズ部(19)が形成された一の分割膜(14a)が他の分割膜(14b)から切り離される。これにより、金属化フィルム(11)の絶縁性が確保される。
【0017】
上記溶断工程は、プレヒーリング工程と同時、又はプレヒーリング工程の前後に行われる。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記溶断工程は、上記金属化フィルム(11)に対して上記所定電圧を印加することで上記絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を除去するプレヒーリング工程が同時に行われるよう構成されている。
【0019】
上記第2の発明では、プレヒーリング工程と溶断工程とが同時に行われる。
【0020】
具体的に、溶断工程では、金属化フィルム(11)の一の分割膜(14a)に対応する領域に対し、所定の電圧を印加してフィルム部材(12)における所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を絶縁破壊させて短絡させる。上記欠陥部分(42)が短絡した状態で、上記所定の電圧を印加すると、ヒューズ部(19)に電流集中して該ヒューズ部(19)が溶断する一方、金属化フィルム(11)に存在する絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)が放電破壊して除去される。ヒューズ部(19)が溶断すると、一の分割膜(14a)が他の分割膜(14b)から切り離される。これらにより、ヒューズ部(19)が溶断し、且つ絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)が除去されることで金属化フィルム(11)の絶縁性が確保される。
【0021】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記フィルム部材(12)は、高ガラス転移点材料で構成されている。
【0022】
上記第3の発明では、高ガラス転移点材料からなるフィルム部材(12)を用いて金属化フィルム(11)が構成されている。
【0023】
ここで、高ガラス転移点材料からなるフィルムは、絶縁欠陥部が小さく形成されるため、従来のプレヒーリング工程を行うと、金属膜の除去面積も小さくなり、金属化フィルムの絶縁不良が生じることがあった。しかしながら、プレヒーリングの印加電圧を上げると、絶縁破壊によって金属化フィルムが永久短絡してしまうという問題があった。つまり、高ガラス転移点材料からなるフィルムを用いた金属化フィルムに対するプレヒーリングは、自己回復性が低いという課題があった。
【0024】
本発明では、高ガラス転移点材料からなるフィルム部材(12)に対して溶断工程を行うと、比較的小さい大きさの絶縁欠陥部(41)は絶縁破壊して永久短絡し、上記絶縁欠陥部(41)が短絡した状態で、上記所定電圧が印加されると、ヒューズ部(19)に電流集中して該ヒューズ部(19)が溶断する。ヒューズ部(19)が溶断すると、該ヒューズ部(19)が形成された一の分割膜(14a)が他の分割膜(14b)から切り離される。これにより、金属化フィルム(11)の絶縁性が確保される。
【0025】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか1つにおいて、上記プレヒーリング工程、又は溶断工程における上記金属化フィルム(11)の印加電圧は、交流電圧に構成されている。
【0026】
上記第4の発明では、プレヒーリング工程、又は溶断工程において、金属化フィルム(11)に印加する電圧を交流電圧に構成している。
【0027】
ここで、金属化フィルムに直流電圧を印加すると、フィルム内の電荷が分極して帯電電荷が残留することがある。しかしながら、交流電圧を印加すると、フィルム部材(12)内の電荷が分極することがない。このため、金属化フィルム(11)に帯電電荷が残留することがないため、後工程で、しわ等の問題が生じない。
【0028】
第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れか1つにおいて、上記金属化フィルム(11)のフィルム部材(12)は、塗工法によって形成されている。
【0029】
上記第5の発明では、フィルム部材(12)を塗工法により形成している。
【0030】
ここで、塗工法では、ポリマー材料や高誘電率材料を溶剤に熔解させて塗料にし、塗布した塗料を乾燥させることでフィルムを製造している。このため、フィルムの内部において、高誘電体材料の濃度が位置によって大きく異なる。これにより、フィルム内には、高誘電体材料の濃度が比較的薄い部分に所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分が存在することがある。
【0031】
しかしながら、本発明では、溶断工程を行うことで、所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を絶縁破壊により短絡させてヒューズ部(19)を溶断することができる。これにより、ヒューズ部(19)が形成された一の分割膜(14a)が他の分割膜(14b)から切り離されて金属化フィルム(11)の絶縁性が確保される。
【0032】
第6の発明は、フィルム部材(12)と、該フィルム部材(12)の少なくとも一方の面に金属膜(14)が形成された金属化フィルム(11)を備え、該金属化フィルム(11)を巻回して形成されるフィルムコンデンサであって、上記金属化フィルム(11)は、上記金属膜(14)がスリット(17,18)で電気的に分割された複数の分割膜(14a,14b)と、該分割膜(14a,14b)間を電気的に接続すると共に、上記金属化フィルム(11)における所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を短絡させることによって溶断可能なヒューズ部(19)とを備えている。
【0033】
上記第6の発明では、金属化フィルム(11)は、フィルム部材(12)の少なくとも一方の面に金属膜(14)が形成されて構成されている。また、金属化フィルム(11)の金属膜(14)は、スリット(17,18)で電気的に分割されて分割膜(14a,14b)に構成されている。
【0034】
ここで、金属化フィルム(11)には、低電気抵抗部分である絶縁欠陥部(41)と、所定範囲の電気抵抗部分である欠陥部分(42)とが存在する場合がある。
【0035】
このような場合に、金属化フィルム(11)の一の分割膜(14a)に対応する領域に対し、所定の電圧を印加してフィルム部材(12)における所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)が絶縁破壊されて短絡する。上記欠陥部分(42)が短絡した状態で、上記所定の電圧を印加すると、ヒューズ部(19)に電流が集中してヒューズ部(19)が溶断する。
【0036】
一方、金属化フィルム(11)に所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)が存在しない場合、金属化フィルム(11)には、ヒューズ部(19)が存在することになる。
【発明の効果】
【0037】
上記第1の発明によれば、プレヒーリング工程と溶断工程を両方行うようにしたため、絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を放電破壊させる一方、所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を短絡させてヒューズ部(19)を溶断することができる。これにより、絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を除去することができる一方、欠陥部分(42)を有する分割膜(14a)を切り離すことができる。この結果、金属化フィルム(11)に絶縁欠陥部(41)、又は欠陥部分(42)が形成された場合であってもフィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【0038】
上記第2の発明では、プレヒーリング工程と同時に行われる溶断工程において、金属化フィルム(11)に所定電圧を印加している。このため、絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を放電破壊させて除去する一方、欠陥部分(42)を短絡させてヒューズ部(19)を溶断することができる。これにより、溶断工程とプレヒーリング工程とを同時に行うことができる。
【0039】
上記第3の発明によれば、高ガラス転移点材料によりフィルム部材(12)を構成したため、溶断工程によって絶縁欠陥部(41)が形成されるヒューズ部(19)を溶断させることができる。つまり、プレヒーリング工程では除去できない程度の小さな絶縁欠陥部が形成されても、ヒューズ部を溶断することで金属化フィルムの絶縁性を確保することができる。これにより、高ガラス転移点材料によりフィルム部材(12)を用いたフィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【0040】
上記第4の発明によれば、溶断工程、又はプレヒーリング工程において金属化フィルム(11)に交流電圧を印加したため、フィルム部材(12)内の電荷の分極を防止することができる。これにより、金属化フィルム(11)への帯電電荷の残留を防止することができるため、後工程での、しわ等の問題を確実に防止することができる。
【0041】
上記第5の発明では、塗工法によりフィルム部材(12)を構成しているため、フィルム部材(12)の内部に欠陥部分(42)が存在する場合がある。しかしながら、溶断工程によって欠陥部分(42)を絶縁破壊させて短絡させることができる。これにより、電流を集中させてヒューズ部(19)を溶断することができるため、欠陥部分(42)を有する分割膜(14a)を切り離すことができる。この結果、金属化フィルム(11)に絶縁欠陥部(41)、又は欠陥部分(42)が形成された場合であってもフィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【0042】
上記第6の発明によれば、ヒューズ部(19)が形成されているため、溶断工程によって該ヒューズ部(19)を溶断することができる。これにより、金属化フィルム(11)に欠陥部分(42)が存在した場合でもフィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態に係るフィルムコンデンサの概略構成を示す縦断面図である。
【図2】実施形態に係る2枚の金属化フィルムを重ね合わせた状態を示す断面図である。
【図3】実施形態に係る電圧印加装置の構成を示す概略断面図である。
【図4】実施形態に係る電圧印加装置の構成を示す概略斜視図である。
【図5】実施形態に係る溶断工程と同時に行われるプレヒーリング工程前の金属化フィルムの状態を示す概略断面図である。
【図6】実施形態に係る溶断工程と同時に行われるプレヒーリング工程後の金属化フィルムの状態を示す概略断面図である。
【図7】実施形態に係る溶断工程前の金属化フィルムの状態を示す概略斜視図である。
【図8】実施形態に係る溶断工程後の金属化フィルムの状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0045】
−全体構成−
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係るフィルムコンデンサ(1)は、巻芯(13)に巻回されたコンデンサ素子(10)の両端部にメタリコン電極(23,23)が設けられたものであり、例えばインバータ回路とコンバータ回路との間の平滑コンデンサ等に用いられる。
【0046】
上記フィルムコンデンサ(1)は、コンデンサ素子(10)と、該コンデンサ素子(10)が巻回される巻芯(13)と、コンデンサ素子(10)の両端部に設けられた2つのメタリコン電極(23,23)と、それらのメタリコン電極(23)にそれぞれ電気的に接続された外部端子(21)と、コンデンサ素子(10)の外周面を覆うように配設される絶縁カバー(24)と、外部端子(21)を封止するための封止樹脂(22)とを備えている。
【0047】
図2は、一対の金属化フィルム(11,11)を重ね合わせた状態を示す断面図である。図2に示すように、上記コンデンサ素子(10)は、帯状のフィルム(12)の片面に金属膜(14)を形成した一対の金属化フィルム(11,11)を厚み方向に2枚重ね合わせてなるもので、巻芯(13)の外周に巻回されるように構成されている。
【0048】
上記フィルム(12)は、その厚さが3〜10μm程度に形成されており、本発明に係るフィルム部材を構成している。フィルム(12)は、例えばPVDF系の誘電体フィルムからなる帯状のフィルムに構成されている。
【0049】
また、上記フィルム(12)は、ポリマー材料や上記PVDF系の高誘電体材料を溶剤に熔解させて塗料にし、塗布した塗料を乾燥させる、いわゆる塗工法によって製造されている。このため、フィルム(12)の内部において、高誘電体材料の濃度が、その位置によって大きく異なる。これにより、フィルム(12)内には、比較的、高誘電体材料の濃度が低く形成される部分が存在することがある。また、フィルム(12)内に局所的な絶縁欠陥部分(局所絶縁欠陥部分)が形成される場合がある。この高誘電体材料の低濃度部分や局所絶縁欠陥部分は、電気抵抗が比較的、中抵抗に形成される部分であり、本実施形態では、このような部分を欠陥部分(42)としている。
【0050】
尚、本実施形態では、上記欠陥部分(42)の電気抵抗の範囲は、例示として、金属化フィルム(11)に対する300Vの電圧印加によって、欠陥部分(42)が絶縁破壊して短絡するものの、欠陥部分(42)周辺の金属膜(14)が溶融除去されないような電気抵抗の範囲であって、本発明に係る所定範囲を構成している。
【0051】
また、金属化フィルム(11)には、製造時に付着する異物、フィルムのしわ、又は溶融した蒸着金属の突沸等を原因として絶縁欠陥部(41)が生じることがある。この絶縁欠陥部(41)は、金属化フィルム(11)を構成するフィルム(12)の内部で比較的低い電気抵抗に形成される部分である。
【0052】
上記金属膜(14)は、アルミニウム等の金属箔を蒸着させて形成された薄膜である。金属膜(14)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。尚、本実施形態では、金属膜(14)としてアルミニウムを材料としたが、金属膜(14)の材料は、これに限られず、亜鉛等の金属材料を用いることができる。
【0053】
また、金属化フィルム(11)は、絶縁破壊による短絡を防止するためのヒューズ機構(16)と、後述するメタリコン電極(23,23)を接続するためのサイドマージン(15)とを備えている。
【0054】
上記サイドマージン(15)は、上記各フィルム(12)の片面の幅方向の一端側に形成されている。また、図示はしないが、一対の金属化フィルム(11,11)は、互いを左右方向に1mm程度、ずらした状態で重ねられている。この1mmの幅の領域に後述するメタリコン電極(23,23)が接触する。上記サイドマージン(15)は、フィルム(12)の表面のうち、金属膜(14)がコーティングされていない領域である。このサイドマージン(15)は、後述するメタリコン電極(23,23)と金属膜(14)との間に設けられて両部材を電気的に絶縁するものである。サイドマージン(15)は、金属化フィルム(11)の片面の幅方向の一端から他端側に2〜3mmの幅をもって形成されている。
【0055】
上記ヒューズ機構(16)は、金属化フィルム(11)のフィルム(12)に欠陥部分(42)が発生した場合であっても、該金属化フィルム(11)の絶縁性を確保するためのものである。つまり、フィルムコンデンサ(1)は、ヒューズ機構(16)により短絡による故障を防止している。ヒューズ機構(16)は、金属膜(14)を複数の分割膜(14a,14b)に分割する分割スリット(17)と、ヒューズ(19)を形成するための一対のヒューズスリット(18,18)とで構成されている。尚、分割スリット(17)及びヒューズスリット(18)は、本発明に係るスリットを構成している。
【0056】
上記巻芯(13)は、円筒状の樹脂部材で構成されている。尚、この円筒状の巻芯(13)の内部には、金属製の芯部を設けてもよい。この場合、芯部は、メタリコン電極(23)を介して外部端子(21)に接続されていて、一対の金属化フィルム(11)で発生した熱を芯部からメタリコン電極(23)及び外部端子(21)を介して外部へ放出することができる。
【0057】
上記メタリコン電極(23)は、巻芯(13)に巻回されて略円柱状に形成されたコンデンサ素子(10)の軸方向両端にそれぞれ設けられている。このメタリコン電極(23)は、それぞれ、コンデンサ素子(10)の軸方向端部に金属を溶射することによって形成されていて、コンデンサ素子(10)の軸方向端部においてはみ出している一対の金属化フィルム(11,11)とそれぞれ電気的に導通している。
【0058】
上記外部端子(21)は、その基端部が巻芯(13)に対応する位置で、メタリコン電極(23)と電気的に接続されている。これらの外部端子(21)は、メタリコン電極(23)の径方向外方に向かって延びて、その先端部が封止樹脂(22)から外方に突出して基板(26)等に接続されている。
【0059】
上記絶縁カバー(24)は、樹脂材料からなるシート状の部材を、円筒状のコンデンサ素子(10)の外周面に沿うように丸めて円筒状にしたものである。この絶縁カバー(24)は、コンデンサ素子(10)の全体を覆うように設けられている。尚、コンデンサ素子(10)の外周側を覆うように絶縁カバー(24)を配設しているが、この限りではなく、絶縁カバー(24)がなく、該コンデンサ素子(10)を封止樹脂(22)で直接、封止するような構成であってもよい。
【0060】
上記封止樹脂(22)は、絶縁カバー(24)の外周側、メタリコン電極(23)及び外部端子(21)の基端部を封止するように設けられている。すなわち、この封止樹脂(22)は、外部端子(21)の先端側を除いて、フィルムコンデンサ(1)の構成部品全体を覆うように設けられている。
【0061】
−電圧印加装置−
図3及び図4に示すように、この電圧印加装置(30)は、一の金属化フィルム(11)がロール状に巻き付けられた上流側ローラ(図示なし)から、この金属化フィルム(11)を引き出して下流側ローラ(図示なし)で巻き取り、その搬送途中で金属化フィルム(11)に対して所定電圧を印加することで、金属化フィルム(11)に存在する上記絶縁欠陥部(41)周辺の蒸着金属を除去する一方、欠陥部分(42)を絶縁破壊させて短絡させるものである。
【0062】
上記金属化フィルム(11)の一方の面(図3では上側の面)には、長さ方向に一様に連続する金属膜(14)が蒸着形成されている。
【0063】
上記上流側ローラと下流側ローラとの間の搬送経路には、金属化フィルム(11)に対して電圧を印加する電圧印加ユニット(32)が配設されている。
【0064】
上記電圧印加ユニット(32)は、電源部(34)から電圧印加ローラ(33)を介して金属化フィルム(11)に対して所定電圧を印加することで金属化フィルム(11)に存在する絶縁欠陥部(41)周辺の蒸着金属を除去すると共に、欠陥部分(42)を絶縁破壊させてヒューズ(19)を溶断させるものである。上記電圧印加ユニット(32)は、電圧印加ローラ(33)と接地ローラ(35)と電源部(34)とを備えている。
【0065】
上記電圧印加ローラ(33)は、接地ローラ(35)よりも搬送方向の上流側に配置され、且つその外周面が金属化フィルム(11)に対して下側から押し付けられて設けられており、金属化フィルム(11)の金属膜(14)の未形成面(非蒸着面)に対して当接している。
【0066】
上記接地ローラ(35)は、その外周面が金属化フィルム(11)に対して上側から押し付けられて設けられており、金属化フィルム(11)の金属膜(14)の形成面(蒸着面)に対して当接するように配置されている。
【0067】
上記電源部(34)は直流電源に構成されている。電源部(34)は、例示として電圧印加ローラ(33)から金属化フィルム(11)に対して約300Vの直流電圧を付与するように構成されている。この約300Vの印加電圧は、本発明に係る所定電圧を構成している。
【0068】
尚、電圧印加ローラ(33)から金属化フィルム(11)に印加される電圧は300Vに限られず、フィルムの厚みや絶縁耐力等によって適切な電圧に設定することができる。しかしながら、印加電圧を高めることで、金属化フィルム(11)が絶縁破壊や熱破壊によって完全に短絡してもヒューズ(19)が溶断するため、金属化フィルム(11)の絶縁性は確保できる。したがって、印加電圧は高めに設定することが好ましい。
【0069】
これらの構成により、金属化フィルム(11)の金属膜(14)の未形成面(非蒸着面)に対して電源部(34)からの約300Vの電圧が印加される。プレヒーリング用の電圧は高電圧であるため、金属膜(14)の未形成面(非蒸着面)に対して電圧を印加する方が安全面から好ましい。
【0070】
−フィルムコンデンサの製造工程−
フィルムコンデンサ(1)の製造では、まず、金属化フィルム(11)の形成工程が行われる。
【0071】
上記形成工程では、図示はしないが、600mm幅の広幅長尺のロールフィルム原反に、サイドマージン(15)、分割スリット(17)、及びヒューズスリット(18)を作るためのマスク処理を行う。このマスク処理は、オイルマスク、又はテープマスクを用いて行われる。次に、ロールフィルム原反に真空蒸着機でアルミニウム(Al)を蒸着して金属膜(14)を形成する。そして、ロールフィルム原反をカットすることで金属化フィルム(11)が完成する。
【0072】
次に、プレヒーリング工程及び溶断工程が行われる。このプレヒーリング工程及び溶断工程は、電圧印加装置(30)を用いて行われる。尚、本実施形態では、溶断工程は、プレヒーリング工程と同時に行われるが、溶断工程は、プレヒーリング工程の前、又は後に行われてもよい。
【0073】
上記溶断工程及びプレヒーリング工程では、金属化フィルム(11)の金属膜(14)の未形成面(非蒸着面)に対して電源部(34)からの約300Vの電圧が印加される。つまり、溶断工程とプレヒーリング工程は、一回の電圧印加によって同時に行われる。
【0074】
図5及び図6に示すように、金属化フィルム(11)の金属膜(14)の未形成面(非蒸着面)に対して電源部(34)からの約300Vの電圧が印加されると、絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)が放電破壊によって溶融除去される。これにより、フィルム(12)の絶縁欠陥部(41)に電流が流れることがなくなり、金属化フィルム(11)の絶縁性が確保される(プレヒーリング工程)。
【0075】
また、同時に、金属化フィルム(11)の金属膜(14)の未形成面(非蒸着面)に対して電源部(34)からの約300Vの電圧が印加されると、図7に示すように、欠陥部分(42)を介して電流が流れる。電流が流れることで欠陥部分(42)は自己発熱し、フィルム(12)が熱破壊され、金属化フィルム(11)が完全に短絡する。このため、図7及び図8に示すように、金属化フィルム(11)に対して大きな電流が流れ、ヒューズ(19)に大きな電流が集中し、ヒューズ(19)部分の金属膜(14)が溶融して一対のヒューズスリット(18)の終端同士が繋がり、これにより、ヒューズ(19)が溶断される。ヒューズ(19)が溶断されると、ヒューズ(19)が形成された分割膜(14a)がその他の分割膜(14b)から切り離されるため、金属化フィルム(11)の絶縁性が確保される(溶断工程)。尚、ヒューズ(19)が溶断される電流値は、ヒューズ(19)部分が導通によって溶断するに至るときの電流の平均値をいい、一般的には、10〜1000ミリアンペアの範囲になる。
【0076】
最後に、この金属化フィルム(11)を2枚重ねにして巻回機にかけて巻芯(13)に巻回する。巻回して形成したコンデンサ素子(10)の幅方向両端にメタリコン電極(23,23)を接続し、外部端子(21)と、絶縁カバー(24)を取り付け、封止樹脂(22)で覆うことでフィルムコンデンサ(1)が完成する。
【0077】
−比較例−
上記本実施形態による形成工程、溶断工程及びプレヒーリング工程によりフィルムコンデンサ(1)を製造した場合、10個のサンプルのうち、金属化フィルム(11)の絶縁欠陥部(41)や欠陥部分(42)に起因してフィルムコンデンサ(1)の絶縁不良が発生するものはなかった。
【0078】
一方、本実施形態の形成工程、溶断工程及びプレヒーリング工程を行うことなくフィルムコンデンサ(1)を製造した場合、10個のサンプルのうち、5つにおいて、金属化フィルム(11)の絶縁欠陥部(41)や欠陥部分(42)に起因してフィルムコンデンサ(1)の絶縁不良が発生した。尚、残りの5つについては、金属化フィルム(11)中に絶縁欠陥部(41)や欠陥部分(42)が存在していない。
【0079】
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、プレヒーリング工程と溶断工程を両方行うようにしたため、絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を放電破壊させる一方、欠陥部分(42)を短絡させてヒューズ部(19)を溶断することができる。これにより、絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を除去することができる一方、欠陥部分(42)が形成された分割膜(14a)を切り離すことができる。この結果、金属化フィルム(11)に絶縁欠陥部(41)又は欠陥部分(42)が形成されても、フィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【0080】
また、プレヒーリング工程と同時に行われる溶断工程において、金属化フィルム(11)に対して300Vを印加している。このため、絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を放電破壊させて除去する一方、欠陥部分(42)を短絡させてヒューズ部(19)を溶断することができる。これにより、溶断工程とプレヒーリング工程とを同時に行うことができる。
【0081】
さらに、本実施形態では、塗工法によりフィルム(12)を形成しているため、塗工法により形成されたフィルム(12)内に欠陥部分(42)が存在する場合がある。しかしながら、溶断工程によって欠陥部分(42)を絶縁破壊させて短絡させることができる。これにより、ヒューズ(19)を溶断することができるため、欠陥部分(42)が形成された分割膜(14a)を切り離すことができる。この結果、金属化フィルム(11)に絶縁欠陥部(41)又は欠陥部分(42)が形成されても、フィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【0082】
最後に、ヒューズ(19)が形成されているため、溶断工程によって該ヒューズ(19)を溶断することができる。これにより、金属化フィルム(11)に欠陥部分(42)が存在した場合でも、フィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【0083】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0084】
本実施形態では、フィルム(12)の材料としてPVDF系の誘電体フィルムを用いるようにしているが、フィルム(12)の材料は、これに限られない。また、フィルム(12)の材料としては、ガラス転移点の高い材料を用いることができ、例示として、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、AS樹脂(スチレンとアクリロニトリルとを共重合した樹脂)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ナイロン46、ナイロンMXD6、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等をフィルム(12)の材料として用いることができる。
【0085】
ここで、上記ガラス転移点の高い材料によって構成されたフィルムは、他の材料からなるフィルムよりも絶縁欠陥部が小さく形成されるため(以下、局所絶縁欠陥部分という。)、プレヒーリングによって局所絶縁欠陥部分周辺の金属膜を除去することができない。
【0086】
しかしながら、高ガラス転移点材料によりフィルムを構成したため、溶断工程によって局所絶縁欠陥部分が形成される部分のヒューズを溶断させることができる。つまり、プレヒーリング工程では除去できない程度の小さな絶縁欠陥部(局所絶縁欠陥部)が形成されても、ヒューズを溶断することができため、高ガラス転移点材料によりなるフィルムを用いたフィルムコンデンサの絶縁性を確保することができる。
【0087】
また、本実施形態では、溶断工程、又はプレヒーリング工程において、金属化フィルム(11)に印加する電圧として、直流電圧を用いたが、本発明は、これに限られず、交流電圧を印加するようにしてもよい。
【0088】
溶断工程、プレヒーリング工程において金属化フィルム(11)に交流電圧を印加すると、フィルム(12)内の電荷の分極を防止することができる。これにより、金属化フィルム(11)に帯電電荷が残留することがないため、後工程での、しわ等の問題を確実に防止することができる。
【0089】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上説明したように、本発明は、フィルムコンデンサ及びフィルムコンデンサの製造方法について有用である。
【符号の説明】
【0091】
11 金属化フィルム
12 フィルム
14 金属膜
14a 分割膜
14b 分割膜
17 分割スリット
18 ヒューズスリット
19 ヒューズ
41 絶縁欠陥部
42 欠陥部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム部材(12)の少なくとも一方の面に金属膜(14)が形成された金属化フィルム(11)を有するフィルムコンデンサの製造方法であって、
上記金属膜(14)がスリット(17,18)で電気的に分割される複数の分割膜(14a,14b)と、該分割膜(14a,14b)間を電気的に接続させるヒューズ部(19)とを有する金属化フィルム(11)を形成する形成工程と、
上記金属化フィルム(11)に電圧を印加することで、該金属化フィルム(11)に存在する絶縁欠陥部(41)周辺の上記金属膜(14)を除去するプレヒーリング工程と、
上記プレヒーリング工程と同時、又は該プレヒーリング工程の前後に、上記金属化フィルム(11)に、該金属化フィルム(11)における所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を短絡させると共に、上記ヒューズ部(19)の溶断可能な電流が流れるような所定電圧を印加する溶断工程とを有している
ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
上記溶断工程は、上記金属化フィルム(11)に対して上記所定電圧を印加することで上記絶縁欠陥部(41)周辺の金属膜(14)を除去するプレヒーリング工程が同時に行われるよう構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記フィルム部材(12)は、高ガラス転移点材料で構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1つにおいて、
上記プレヒーリング工程、又は溶断工程における上記金属化フィルム(11)の印加電圧は、交流電圧に構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1つにおいて、
上記金属化フィルム(11)のフィルム部材(12)は、塗工法によって形成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
【請求項6】
フィルム部材(12)と、該フィルム部材(12)の少なくとも一方の面に金属膜(14)が形成された金属化フィルム(11)を備え、該金属化フィルム(11)を巻回して形成されるフィルムコンデンサであって、
上記金属化フィルム(11)は、上記金属膜(14)がスリット(17,18)で電気的に分割された複数の分割膜(14a,14b)と、該分割膜(14a,14b)間を電気的に接続すると共に、上記金属化フィルム(11)における所定範囲の電気抵抗に形成される欠陥部分(42)を短絡させることによって溶断可能なヒューズ部(19)とを備えている
ことを特徴とするフィルムコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−74413(P2012−74413A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215912(P2010−215912)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】