説明

フェニルピリジン類又はその塩類、これらを有効成分とする除草剤及びその使用方法。

【解決手段】 一般式(I):
【化1】


(式中、R1はアルキル、(ハロ)アルキル、アルケニル、アルキニル、(置換)フェニル、(置換)フェニルアルキル等、R2はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、ハロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル等、R3はハロゲン、CN、NO2、OH、−SF5、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ等、R4はハロゲン、(ハロ)アルキル、アルケニル、(ハロ)アルコキシ、OH、ホルミル、CN、−SF5等、2R4は−OCF2O−、−OCF2CF2O−等、XはO、S、−NH−又は単結合、YはO、S、mは0〜3、nは1〜5、pは0又は1。)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類、該化合物を有効成分とする除草剤。
【効果】 本発明化合物は、高い除草効果を示し、重要作物に対して十分な安全性を示す除草剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフェニルピリジン類又はその塩類、これらを有効成分として含有する除草剤及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピリジン誘導体が除草活性及び植物成長調節作用を有することは知られている(例えば、特許文献1乃至6参照。)。又、本発明と類似の構造を有するフェニルピリジンカルボン酸アミド類が医薬活性を有することが知られている(例えば、特許文献7乃至9参照。)。しかしながら、本発明による、特定の位置でベンゼン環とピリジン環とが直結したフェニルピリジンカルボン酸アミド類及びその除草活性については、これまで知られていない。
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0955300号明細書
【特許文献2】国際公開第98/04550号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第0955292号明細書
【特許文献4】国際公開第00/75112号パンフレット
【0004】
【特許文献5】国際公開第01/00580号パンフレット
【特許文献6】国際公開第99/28301号パンフレット
【特許文献7】国際公開第04/14844号パンフレット
【特許文献8】国際公開第04/02948号パンフレット
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0077853号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近い将来予想される世界人口増加に伴う食料危機の解消には、食料の安定供給が必要不可欠である。安定した食料の供給には、作物栽培及び収穫時に障害となる雑草の経済的かつ効率の良い枯殺あるいは防除が必要であり、その解決策となる新しい除草剤や植物成長調節剤の開発がますます重要となっている。
本発明は、このような社会の要請に答えるべく、作物に対する高い安全性と雑草に対する優れた殺草活性を併せ持つ新規な除草剤を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果一般式(I)で表されるフェニルピリジン骨格を有する化合物群又はその塩類が上記の課題を解決し得る、優れた除草活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(I):
一般式(I)
【化1】

(式中、R1はC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C6アルコキシC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基、モノC1-C6アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジC1-C6アルキルアミノ基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を有する置換フェニル基、
【0007】
フェニルC1-C8アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニルC1-C8アルキル基、複素環基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を有する置換複素環基、
【0008】
複素環C1-C8アルキル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換複素環C1-C8アルキル基を示す。
【0009】
2は水素原子、C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、C1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、シアノC1-C8アルキル基、C1-C8アルキルカルボニル基、ハロC1-C8アルキルカルボニル基、C2-C8アルケニルカルボニル基又はC1-C8アルコキシカルボニル基を示す。又、R1とR2は一緒になって酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む3〜8員環を形成することができる。
3は同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ペンタフルオロサルファニル基(−SF5)、C1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C8アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシ基、C1-C8アルコキシカルボニル基、C1-C8アルキルチオ基、C1-C8アルキルスルフィニル基、C1-C8アルキルスルホニル基、C1-C8アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジC1-C8アルキルアミノ基を示す。
【0010】
4は同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C8 アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシ基、C1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、C1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ基、C1-C8アルキルスルホニルアミノ基、ハロC1-C8アルキルスルホニルアミノ基、C1-C8アルキルチオ基、ハロC1-C8アルキルチオ基、C1-C8アルキルスルフィニル基、ハロC1-C8アルキルスルフィニル基、C1-C8アルキルスルホニル基、ハロC1-C8アルキルスルホニル基、C1-C8アルキルカルボニル基、C1-C8アルコキシカルボニル基、C1-C8アルキルカルボニルオキシ基、ハロC1-C8アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、同一又は異なっても良いトリC1-C8アルキルシリル基、ペンタフルオロサルファニル基(−SF5)又は−C(R5)=NOR6(式中、R5及びR6は同一又は異なっても良く、水素原子、C1-C5アルキル基又はハロC1-C5アルキル基を示す。)で表される基を示す。又、2つの隣接するR4は互いに一緒になってC1-C4アルキレンジオキシ基又はハロC1-C4アルキレンジオキシ基を示すことができる。
Xは酸素原子、硫黄原子、−NH−で表される基又は単結合を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、mは0〜3の整数を示し、nは1〜5の整数を示し、pは0又は1を示す。)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類及び該化合物を含有する除草剤並びにその使用方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高い除草効果を示し、かつ、重要作物に対して十分な安全性を示す除草剤及びそれに用いられる有用な化合物を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(I)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類の定義において、「ハロゲン原子」とは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子を示す。
「C1-C8アルキル基」とは、炭素原子数1〜8個の直鎖状、炭素原子数3〜8個の分岐鎖状又は脂環式のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、1,2−ジメチルブチル基、シクロブチル基、1−メチルシクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
【0013】
「ハロC1-C8アルキル基」とは、同一又は異なっても良い1以上のハロゲン原子により置換された炭素原子数1〜8個の直鎖状、炭素原子数3〜8個の分岐鎖状又は脂環式のアルキル基を示し、例えばクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1−メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、1−フルオロシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、2−トリフルオロメチルシクロプロピル基、2−メチル−2−トリフルオロメチルシクロプロピル基、2−トリフルオロメチルシクロプロピルメチル基、2−メチル−2−トリフルオロメチルシクロプロピルメチル基、4−クロロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、7−フルオロヘプチル基、8−クロロオクチル基、2,2−ジフルオロシクロプロピル基、(2,2−ジフルオロシクロプロピル)メチル基、2,2−ジクロロシクロプロピル基、(2,2−ジクロロシクロプロピル)メチル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
【0014】
「C2-C8アルケニル基」とは、炭素原子数2〜8個の直鎖状、炭素原子数3〜8個の分岐鎖状又は脂環式のアルケニル基を示し、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
「C2-C8アルキニル基」とは、炭素原子数2〜8個の直鎖状、炭素原子数5〜8個の分岐鎖状又は脂環式のアルキニル基を示し、例えば、エチニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−シクロヘキシニル基等が挙げられる。
「C1-C8アルコキシ基」とは、炭素原子数1〜8個の直鎖アルコキシ基、炭素原子数3〜8個の分岐鎖状又は脂環式アルコキシ基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、セカンダリーブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ノルマルペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基等が挙げられる。
【0015】
「ハロC1-C8アルコキシ基」とは、同一又は異なっても良い1以上のハロゲン原子により置換された炭素原子数1〜8個の直鎖アルコキシ基、炭素原子数3〜8個の分岐鎖状又は脂環式アルコキシ基を示し、例えば、クロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、3−ブロモプロポキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、2,2−ジフルオロシクロプロポキシ基、2,2−ジクロロシクロプロポキシ基、1−メチル−2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エトキシ基、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、3−クロロプロポキシ基、3−ブロモプロポキシ基、4−クロロブトキシ基、4,4,4−トリフルオロブトキシ基、5,5,5−トリフルオロペンチルオキシ基、6,6,6−トリフルオロヘキシルオキシ基等を示す。
【0016】
「C1-C6アルキルチオ基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖アルキル基、炭素原子数3〜6個の分岐鎖状又は脂環式アルキル基が硫黄原子に結合した基を示し、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、シクロプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、セカンダリーブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ノルマルペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、ノルマルヘキシルチオ基、ノルマルオクチルチオ基等が挙げられる。
「C1-C6アルキルスルフィニル基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖アルキル基、炭素原子数3〜6個の分岐鎖状又は脂環式アルキル基がスルフィニル基に結合した基を示し、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ノルマルプロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、シクロプロピルスルフィニル基、ノルマルブチルスルフィニル基、セカンダリーブチルスルフィニル基、ターシャリーブチルスルフィニル基、ノルマルペンチルスルフィニル基、イソペンチルスルフィニル基、ネオペンチルスルフィニル基、シクロペンチルスルフィニル基、ノルマルヘキシルスルフィニル基、ノルマルオクチルスルフィニル基等が挙げられる。
「C1-C6アルキルスルホニル基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖アルキル基、炭素原子数3〜6個の分岐鎖状又は脂環式アルキル基がスルホニル基に結合した基を示し、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ノルマルプロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、ノルマルブチルスルホニル基、セカンダリーブチルスルホニル基、ターシャリーブチルスルホニル基、ノルマルペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、ノルマルヘキシルスルホニル基、ノルマルオクチルスルホニル基等が挙げられる。
【0017】
「複素環」とは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する3〜8員複素環を示し、例えば、オキシラン環、オキセタン環、フラン環、ジヒドロフラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、ジヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、ピラン環、ジヒドロピラン環、テトラヒドロピラン環、チアン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、1,3−オキサジン環等が挙げられる。
これらの基が「C1-C8アルキル」、「ハロC1-C8アルキル」、「ハロC1-C8アルコキシ」、「複素環」等として部分を示す場合も上記「C1-C8アルキル基」、「ハロC1-C8アルキル基」、「ハロC1-C8アルコキシ」、「複素環」等と同じ意味の部分を示す。又、「C1-C5」、「C1-C6」等は炭素数1〜5、1〜6のように炭素数の範囲を示す。
又、「R1とR2は一緒になって酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む3〜8員環」とは、例えば、ピロリン環、ピロリジン環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、オキサゾリン環、オキサゾリジン環、イソオキサゾリン環、イソオキサゾリジン環、チアゾリン環、チアゾリジン環、イソチアゾリン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等が挙げられる。
【0018】
一般式(I)で表されるフェニルピリジン類において、R1として好ましくはC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基から選択される1以上の置換基を有するフェニル基であり、更に好ましくは、C1-C5アルキル基、ハロC1-C5アルキル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、ハロC1-C5アルキル基又はハロC1-C5アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有するフェニル基である。
2として好ましくは水素原子、C1-C8アルキル基、C1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、シアノC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、C1-C8アルキルカルボニル基、ハロC1-C8アルキルカルボニル基又はC2-C8アルケニルカルボニル基であり、更に好ましくは水素原子、C1-C8アルキル基又はC1-C8アルキルカルボニル基である。
3として好ましくはC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C8アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシ基、ペンタフルオロサルファニル基(−SF5)、C1-C8アルキルチオ基、C1-C8アルキルスルフィニル基、C1-C8アルキルスルホニル基、モノC1-C8アルキルアミノ基又はジC1-C8アルキルアミノ基であり、更に好ましくは、C1-C5アルキル基、ハロC1-C5アルキル基、C1-C5アルコキシ基又はハロC1-C5アルコキシ基であり、好ましいR3の置換位置はピリジン環4位である。
【0019】
4として好ましくはC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C1-C8アルコキシC1-C8 アルキル基、ハロC1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C8アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシ基、C1-C8アルコキシC1-C8 アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ基、ペンタフルオロサルファニル基(−SF5)、トリメチルシリル基、C1-C8アルキルカルボニルオキシ基、ハロC1-C8アルキルカルボニルオキシ基、C1-C8アルキルスルホニルアミノ基、ハロC1-C8アルキルスルホニルアミノ基、C1-C8アルキルカルボニル基、C1-C8アルコキシカルボニル基又はハロC1-C4アルキレンジオキシ基であり、更に好ましくはハロC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルコキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基(−OCF2O−)である。
Xとして好ましくは酸素原子又は単結合であり、Yとして好ましくは酸素原子であり、mとして好ましくは1であり、nとして好ましくは1又は2である。
一般式(I)で表されるフェニルピリジン類の塩類としては、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、アジピン酸塩、ドデカン二酸塩、ラウリン酸塩、ステアリン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩等のカルボン酸塩類;メタンスルホン酸塩、1,3−プロパンジスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩等の無機酸塩類等が例示できる。
【0020】
一般式(I)で示される本発明のフェニルピリジン類又はその塩類は新規化合物であり、例えば以下の製造方法に従って製造することができる。
製造方法1. スズキカップリング反応による製造
【化2】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、n及びpは前記に同じくし、Wはハロゲン原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を示す。)
【0021】
一般式(II)で表されるピリジン類と一般式(VII)で表されるフェニルボロン酸類とを塩基及び遷移金属触媒の存在下、配位子又は不活性溶媒の存在下若しくは非存在下に反応させることにより一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
本反応で使用できる不活性溶媒としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;水;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン等の極性溶媒等を挙げることができ、これらの不活性溶媒は単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
本反応で使用できる塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;弗化カリウム等の無機塩類;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類等を挙げることができ、その使用量は一般式(VII)で表されるフェニルボロン酸類に対して等モル〜過剰モルの範囲で適宜選択して反応を行えば良く、好ましくは2倍モル用いるのが良い。
【0022】
本反応で使用できる遷移金属触媒としてはパラジウム炭素、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジルアセトン)パラジウム等のパラジウム化合物類、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルクロリド及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル等のニッケル化合物等を挙げることができ、その使用量は一般式(II)で表されるピリジン類に対して0.0001倍モル〜等モルの範囲で適宜選択して反応を行えば良く、好ましくは0.0001倍モル〜0.2倍モル用いるのが良い。
本反応で使用できる配位子としてはトリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン等のホスフィン配位子等を挙げることができ、その使用量は遷移金属触媒に対して0.5倍モル〜100倍モルの範囲で適宜選択すれば良く、好ましくは等モル〜10倍モルの範囲である。又、配位子を使用しないで反応させることもできる。
本反応は等モル反応であるので一般式(II)で表されるピリジン類及び一般式(VII)で表されるフェニルボロン酸類を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応剤を過剰に使用することもでき、好ましくは一般式(VII)で表されるフェニルボロン酸類を過剰に使用するのが良い。
反応温度は−50℃〜使用する不活性溶媒の沸点域の範囲で適宜行えば良く、好ましくは室温〜120℃の範囲である。反応時間は反応の規模及び反応温度により一定しないが、数分〜48時間の範囲である。
【0023】
反応後、目的物である一般式(I)の化合物を単離するには、水に溶解する溶媒を用いた場合は、減圧下溶媒を留去し、水を加えた後、水に不溶のベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類で抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、減圧下で溶媒を留去すれば良い。水に不溶の溶媒を用いた場合は、反応混合物に水を加えた後分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、減圧下で溶媒を留去すれば良い。溶媒留去後得られた残渣を、再結晶、懸濁洗浄、カラムクロマトグラフィー等で精製すれば目的物である一般式(I)で表される化合物が得られる。
【0024】
製造方法2. カルボン酸類とアミン類との反応による製造
【化3】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、n及びpは前記に同じ。)
一般式(III)で表されるカルボン酸と一般式(IV)で表されるアミン類とを塩基及び縮合剤の存在下、不活性溶媒の存在下又は非存在下に反応させることにより一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
【0025】
本反応で使用できる不活性溶媒としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;水;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン等の極性溶媒等を挙げることができ、これらの不活性溶媒は単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
本反応で使用できる塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;弗化カリウム等の無機塩類;ピリジン、DBU、トリエチルアミン等の有機塩基類等を挙げることができ、その使用量は一般式(IV)で表されるアミン類に対して等モル〜過剰モルの範囲で適宜選択して反応を行えば良い。
本反応で使用できる縮合剤としてはカルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム等を挙げることができ、その使用量は一般式(III)で表されるカルボン酸に対して等モル〜過剰モルの範囲で適宜選択して反応を行えば良い。
【0026】
本反応は等モル反応であるので一般式(III)で表されるカルボン酸及び一般式(IV)で表されるアミン類を等モル使用すれば良いが、好ましくは一般式(IV)で表されるアミン類を過剰に使用するのが良い。
反応温度は−50℃〜使用する不活性溶媒の沸点域の範囲で適宜行えば良く、好ましくは室温〜120℃の範囲である。反応時間は反応の規模及び反応温度により一定しないが、数分〜48時間の範囲である。
反応後、目的物である一般式(I)の化合物を単離するには、製造方法1に同じくすれば良い。
【0027】
製造方法3. 酸ハライド類とアミン類との反応による製造
【化4】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、n及びpは前記に同じくし、Zはハロゲン原子を示す。)
一般式(V)で表される酸ハライドと一般式(IV)で表されるアミン類とを不活性溶媒及び塩基の存在下又は非存在下に反応させることにより一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
【0028】
本反応で使用できる不活性溶媒及び塩基としては、製造方法2に同じであり、塩基の使用量は一般に式(V)で表される酸ハライドに対して等モル〜過剰モルの範囲で適宜選択して反応を行えば良い。
本反応は等モル反応であるので一般式(V)で表される酸ハライド及び一般式(IV)で表されるアミン類を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応剤を過剰に使用することもでき、好ましくは一般式(IV)で表されるアミン類を過剰に使用するのが良い。
反応温度は−50℃〜使用する不活性溶媒の沸点域の範囲で適宜行えば良く、好ましくは0℃〜80℃の範囲である。反応時間は反応の規模及び反応温度により一定しないが、数分〜48時間の範囲である。
反応後、目的物である一般式(I)で表される化合物を単離するには、製造方法1に同じくすれば良い。
【0029】
製造方法4. カルボニル化合物とオキシアミン類との反応による製造
【化5】

(式中、R1、R2、R3、R5、R6、X、m及びpは前記に同じ。)
一般式(Ia)で表されるカルボニル化合物と一般式(VI)で表されるオキシアミン類又はその酸付加塩類とを不活性溶媒及び塩基の存在下又は非存在下に反応させることにより一般式(Ib)で表される化合物を製造することができる。
【0030】
本反応で使用できる不活性溶媒としては、製造方法1に同じである。
本反応で使用できる塩基としては、製造方法2に同じくし、その使用量は一般に式(VI)で表されるオキシアミン類に対して等モル〜過剰モルの範囲で適宜選択して反応を行えば良い。
本反応は等モル反応であるので一般式(Ia)で表されるカルボニル化合物及び一般式(VI)で表されるオキシアミン類を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応剤を過剰に使用することもでき、好ましくは一般式(VI)で表されるオキシアミン類を過剰に使用するのが良い。
反応温度は−50℃〜使用する不活性溶媒の沸点域の範囲で適宜行えば良く、好ましくは室温〜80℃の範囲である。反応時間は反応の規模及び反応温度により一定しないが、数分〜48時間の範囲である。
反応後、目的物である一般式(Ib)の化合物を単離するには、製造方法1に同じくすれば良い。
【0031】
製造方法5. フェニルピリジン類の窒素原子上の水素原子置換反応による製造
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、W、X、Y、m、n及びpは前記に同じ。)
一般式(Ic)で表されるフェニルピリジン類と一般式(VIII)で表される化合物とを不活性溶媒及び塩基の存在下又は非存在下に反応させることにより一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
【0032】
本反応で使用できる不活性溶媒及び塩基としては、製造方法2に同じであり、塩基の使用量は一般式(VIII)で表される化合物に対して等モル〜過剰モルの範囲で適宜選択して反応を行えば良い。
本反応は等モル反応であるので一般式(Ic)で表されるフェニルピリジン類及び一般式(VIII)で表される化合物を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応剤を過剰に使用することもでき、好ましくは式(VIII)で表される化合物を過剰に使用するのが良い。
反応温度は−50℃〜使用する不活性溶媒の沸点域の範囲で適宜行えば良く、好ましくは0℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応の規模及び反応温度により一定しないが、数分〜48時間の範囲である。
反応後、目的物である一般式(I)の化合物を単離するには、製造方法1に同じくすれば良い。
【0033】
製造方法6. ピリジン類の酸化反応による製造
【化7】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、及びnは前記に同じ。)
一般式(Id)で表されるフェニルピリジン類と酸化剤とを不活性溶媒存在下又は非存在下に反応させることにより一般式(Ie)で表される化合物を製造することができる。
【0034】
本反応で使用できる不活性溶媒としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;水;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒等を挙げることができ、これらの不活性溶媒は単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
本反応で使用できる酸化剤としてはm−クロロ過安息香酸、過酸化水素、過酢酸等を挙げることができる。
本反応は等モル反応であるので一般式(Id)で表されるフェニルピリジン類及び酸化剤を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応剤を過剰に使用することもでき、好ましくは酸化剤を過剰に使用するのが良い。
反応温度は−50℃〜使用する不活性溶媒の沸点域の範囲で適宜行えば良く、好ましくは0℃〜25℃の範囲である。反応時間は反応の規模及び反応温度により一定しないが、数分〜48時間の範囲である。
反応後、目的物である一般式(Ie)で表される化合物を単離するには、製造方法1に同じくすれば良い。
【0035】
中間体である一般式(II)で表される化合物は、例えば、国際公開第00/175112号パンフレット、欧州特許出願公開第0053011号明細書又は欧州特許出願公開第447004号明細書記載の方法に準じて製造できる。
中間体である一般式(III)で表される化合物は、例えば、国際公開第04/014844号パンフレット又は国際公開第04/002948号パンフレット記載の方法に準じて製造できる。
中間体である一般式(IV)で表される化合物は、市販されているものを用いれば良い。
中間体である一般式(V)で表される化合物は、対応する化合物(III)より塩化チオニル等を用いる常法によりハロゲン化して製造できる。
【0036】
さらに、本発明のフェニルピリジン類の塩類は以下の方法で製造することができる。
製造方法7.
【化8】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、n及びpは前記に同じくし、Aは無機酸又は有機酸を示す。)
即ち、一般式(I)で表されるフェニルピリジン類と無機酸又は有機酸とを、不活性溶媒存在下又は非存在下に反応させることにより一般式(If)で表される塩類を製造することができる。
【0037】
本反応で使用できる酸としては有機酸、無機酸を用いることが出来、有機酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ラウリン酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸等のカルボン酸類;メタンスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類等を挙げることができる。無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、炭酸等を挙げることができる。
本反応で使用できる不活性溶媒としては、製造方法6に同じである。
本反応は等モル反応であるので一般式(I)で表されるフェニルピリジン類及び無機酸又は有機酸を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応剤を過剰に使用することもでき、好ましくは無機酸又は有機酸を過剰に使用するのが良い。
反応温度は−50℃〜使用する不活性溶媒の沸点域の範囲で適宜行えば良く、好ましくは0℃〜25℃の範囲である。反応時間は反応の規模及び反応温度により一定しないが、数分〜48時間の範囲である。
反応後溶媒を減圧留去し、結晶をろ別し、無機酸塩、有機酸塩を製造することが出来る。このままでも十分であるが、更に精製したい場合は上記の不活性溶媒で洗浄することにより高純度のフェニルピリジン酸付加塩類を製造することが出来る。
【0038】
上記の製造方法に従って製造できる一般式(I)で表される本発明化合物を第1表に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、表中、「n−」はノルマルを、「i−」はイソを、「c−」はシクロを、「−」は単結合を、「*」は無置換であることを示す。


【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
【表4】

【0043】
【表5】

【0044】
【表6】

【0045】
【表7】

【0046】
【表8】

【0047】
本発明の一般式(I)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類を除草剤として使用する場合、農薬製剤上の常法に従い、使用上都合の良い形状に製剤して使用するのが一般的である。即ち、本発明の一般式(I)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類は、これらを適当な不活性担体に、又は必要に応じて補助剤と一緒に、適当な割合に配合して溶解、分離、懸濁、混合、含浸、吸着若しくは付着させ、適宜の剤形、例えば懸濁剤、乳懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、粒剤、粉剤、錠剤、ジャンボ剤、パック剤等に製剤して使用すれば良い。
本発明で使用できる不活性担体としては固体又は液体の何れであっても良く、固体の担体になり得る材料としては、例えば植物質粉末類(例えばダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末、植物エキス抽出後の残渣等)、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土類(例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類{例えばタルク、ピロフィライト等}、シリカ類(例えば珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン(含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。))、活性炭、天然鉱物質類(例えばイオウ粉末、軽石、焼成珪藻土、アタパルジャイトおよびゼオライト等)、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、プラスチック担体等(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の無機鉱物性粉末、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料、堆肥等を挙げることができ、これらは単独で若しくは二種以上の混合物の形で使用される。
【0048】
液体の担体になり得る材料としては、それ自体溶媒能を有するものの他、溶媒能を有さずとも補助剤の助けにより有効成分化合物を分散させ得ることとなるものから選択され、例えば代表例として次に挙げる担体を例示できるが、これらは単独で若しくは2種以上の混合物の形で使用され、例えば水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エ−テル類(例えばエチルエ−テル、ジオキサン、セロソルブ、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えばケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、ジイソプピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル等)、ジメチルスルホキシド類等を挙げることができる。
他の補助剤としては次に例示する代表的な補助剤を挙げることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用され、単独で、ある場合は二種以上の補助剤を併用し、又ある場合には全く補助剤を使用しないことも可能である。有効成分化合物の乳化、分散、可溶化及び/又は湿潤の目的のために界面活性剤が使用され、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル等の界面活性剤を例示することができる。
【0049】
又、有効成分化合物の分散安定化、粘着及び/又は結合の目的のために、次に例示する補助剤を使用することもでき、例えばカゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩等の補助剤を使用することもできる。固体製品の流動性改良のために次に挙げる補助剤を使用することもでき、例えばワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル等の補助剤を使用できる。懸濁性製品の解こう剤として、例えばナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸塩等の補助剤を使用することもできる。消泡剤としては、例えばシリコーン油等の補助剤を使用することもできる。
有効成分化合物の配合割合は必要に応じて加減することができ特に制限されないが、下限はおよそ0.001重量%程度〜上限は90重量%程度である。例えば粉剤或いは粒剤とする場合の下限は0.01重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1重量%程度、上限は50重量%程度が好ましく、より好ましくは10重量%程度であり、乳剤、水和剤或いは顆粒水和剤等とする場合の下限は0.01重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1重量%程度、上限は90重量%程度が好ましく、より好ましくは60重量%程度である。
【0050】
本発明の一般式(I)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類を含有する製剤を水で希釈して施用する場合、付着性や拡展性等を向上させ、除草効果を高めるために、散布液中に展着剤等の補助剤を添加しても良い。使用される展着剤等の補助剤としては、界面活性剤(前記の非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性系界面活性剤)、パラフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸塩、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、クロップオイル(鉱物油、動植物油等)、液体肥料等が挙げられる。これらの補助剤は、必要に応じて2種以上を同時に使用しても良い。展着剤等の補助剤の使用量は、その種類によって異なるが、通常、散布液中に0.01〜5重量%を添加するのが適当である。又、補助剤の種類によっては、製剤中の成分としてあらかじめ添加しておくことも可能である。
本発明の一般式(I)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類を有効成分とする除草剤の施用量は、化合物の構造や対象雑草、処理時期、処理方法、土壌の性質等の条件によって異なるが、通常、1ヘクタール当りの有効成分量としては2〜2000g、好ましくは5〜1000gの範囲が適当である。
【0051】
本発明の除草剤の対象雑草としては、畑地においては、例えば、シロザ、アカザ、イヌタデ、ハルタデ、イヌビユ、アオビユ、ハコベ、ホトケノザ、イチビ、オナモミ、マルバアサガオ、チョウセンアサガオ、セイヨウカラシナ、ヤエムグラ、セイヨウスミレ、オロシャギク、コセンダングサ等の広葉雑草、メヒシバ、オヒシバ、イヌビエ、エノコログサ等の狭葉雑草が挙げられる。又、水田においては、例えば、キカシグサ、アゼナ、コナギ、アブノメ、ミゾハコベ、ヘラオモダカ、オモダカ、ウリカワ等の広葉雑草、タイヌビエ、タマガヤツリ、イヌホタルイ、ミズガヤツリ等の狭葉雑草が挙げられる。本発明の除草剤は、畑地および水田において、土壌処理、茎葉処理又は湛水処理のいずれの処理方法によっても上記雑草を防除することが可能である。
本発明の除草剤の適用作物としては、例えば、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、イネ、ダイズ等が挙げられ、これらの作物に対し、土壌処理および茎葉処理のいずれにおいても影響が少なく、これらの作物の栽培において選択的除草剤として使用することが可能である。又、本発明の除草剤は、例えば、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、イネ、ダイズ等の遺伝形質を改良し薬剤耐性等を付与した作物に対し、土壌処理及び茎葉処理のいずれにおいても影響が少なく、これらの作物の栽培において選択的除草剤として使用することが可能である。
本発明の除草剤は、同一分野に用いる殺虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤等の他の農薬、及び肥料等と混合施用することができる。又、除草効果をより安定化させるために他の除草剤と混合施用することもできる。本発明の一般式(I)で表されるフェニルピリジン類と他の除草剤を混合施用する場合、両者の各々の製剤を施用時に混合しても良いが、あらかじめ両者を含有する製剤として施用しても良い。上記目的で好適に混合施用することができる除草剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0052】
グリホサート及びその塩、グリホシネート及びその塩、ビアラホス及びその塩、ブタミホス、アニロホス、ベンスリド等の有機リン系除草剤、スルファレート、ジアレート、トリアレート、EPTC、ブチレート、エスプロカルブ、チオベンカルブ(ベンチオカーブ)、モリネート、イソポリネート、ジメピペレート、ピリブチカルブ、フェンメディファム、クロルプロファム、アシュラム等のカ−バメ−ト系除草剤、ジウロン、リニュロン、フルオメツロン、ジフェノキスロン、ダイムロン、イソプロツロン、イソウロン、テブチウロン、メタベンズチアズロン、メトベンズロン、クロロトルロン等のウレア系除草剤、メタザクロール、アラクロール、ブタクロール、プレチラクロール、アセトクロール、メトラクロール、テニルクロール、ジエタチル、ジメテナミド、プロパニル、ジフルフェニカン、メフェナセット、フルフェナセット、ブロモブチド、イソキサベン(ベンザミゾール)等のアミド系除草剤、トリフルラリン、ベンフルラリン、プロジアミン、オリザリン、ブトラリン、ペンディメタリン等のジニトロアニリン系除草剤、
【0053】
2,4−D及びその誘導体、2,4,5−T及びその誘導体、MCPA及びその誘導体、ジクロプロップ及びその誘導体、メコプロップ及びその誘導体、MCPB及びその誘導体、ジカンバ及びその誘導体、2,3,6−TBA及びその誘導体、キンクロラック及びその誘導体、キンメラック及びその誘導体、クロピラリド及びその誘導体、ピクロラム及びその誘導体、トリクロピル及びその誘導体、フルロキシピル及びその誘導体、ベナゾリン及びその誘導体、ジクロホップ及びその誘導体、フルアジホップ及びその誘導体、ハロキシホップ及びその誘導体、フェノキサプロップ及びその誘導体、キザロホップ及びその誘導体、クロジナホップ及びその誘導体、シハロホップ及びその誘導体等のカルボン酸系除草剤、ブロモキシニル及びその誘導体、アイオキシニル及びその誘導体、ジノテルブ及びその誘導体等のフェノール系除草剤、アロキシジム及びその塩、セトキシジム、シクロキシジム、トラルコキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、テプラロキシジム、スルコトリオン、メソトリオン、ベンゾビシクロン等のシクロヘキサンジオン系除草剤、
【0054】
クロルニトロフェン、クロメトキシニル、オキシフルオルフェン、ビフェノックス、アシフルオルフェン及びその塩、フルオログリコフェン、ラクトフェン、ホメサフェン、アクロニフェン等のジフェニルエ−テル系除草剤、アミドスルフロン、クロリムロンエチル、スルホメッロンメチル、プリミスルフロン、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、シクロスルファムロン、クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、トリベニュロンメチル、トリアスルフロン、シノスルフロン、エタメトスルフロンメチル、トリフルスルフロンメチル、プロスルフロン、チフェンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、リムスルフロン、ニコスルフロン、フルピルスルフロン及びその塩、イマゾスルフロン、スルホスルフロン、ヨードスルフロン、トリトスルフロン、メソスルフロン等のスルホニルウレア系除草剤、パラコート、ジクワット等のビピリジニウム系除草剤、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ等のピラゾール系除草剤、シマジン、アトラジン、シアナジン、シメトリン、ジメタメトリン、トリアジフラム、メトリブジン等のトリアジン系除草剤、イマザメタベンズ、イマザピル及びその塩、イマザキン及びその塩、イマゼタピル及びその塩、イマザモックス及びその塩等のイミダゾリノン系除草剤、
【0055】
その他の除草剤として、インダノファン、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモン、ノルフルラゾン、カフェンストロール、フェントラザミド、スルフェントラゾン、カルフェントラゾンエチル、ペントキサゾン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、ピラフルフェンエチル、イソプロパゾール、フルポキサム、クロマゾン、イソキサフルトール、イソキサクロルトール、ジチオピル、チアゾピル、ピリチオバック及びその塩、ピリミノバックメチル、ビスピリバック及びその塩、ブロマシル、ターバシル、レナシル、フルプロパシル、オキサジクロメホン、シンメチリン、クロルフタリム、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、シニドンエチル、アザフェニジン、フルチアセットメチル、フルメツラム、メトスラム、クロランスラムメチル、ベンフレセート、エトフメセート、ベンタゾン、ピラクロニル、ベフルブタミド、ピコリナフェン、フロラスラム、プロポキシカルバゾン、フルカルバゾン及びその塩、シニドンエチル、ピノキサベン等が挙げられる。
【実施例】
【0056】
以下本発明を実施例、製造例及び試験例によりさらに具体的に説明するが本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例、製造例ならびに試験例に限定されることはない。
実施例1. N−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−6−(3−トリフルオロメトキシフェニル)ピリジン−2−カルボキサミド(化合物No.1−3)の製造
窒素気流下、6−クロロ−N−(4−フルオロフェニル)−4−メチルピリジン−2−カルボキサミド(0.30g、1.13ミリモル)、3−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(0.28g、1.36ミリモル)、2M炭酸ナトリウム水溶液(1.5ml、3.0ミリモル)とトルエン(3.0ml)の混合物を70℃に昇温後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.10g、0.087ミリモル)を加え、加熱還流下で3時間撹拌した。反応混合物に水(20ml)を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧流去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、得られた結晶をヘキサンで洗浄し、目的物0.31gを得た。
収率:70.3%
物性:融点 93〜95℃
【0057】
以下に本発明の代表的な製剤例及び試験例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、製剤例中、部とあるのは重量部を示す。
製剤例1.
本発明化合物 10部
キシレン 70部
N−メチルピロリドン 10部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 10部
以上を均一に混合溶解して乳剤とする。
製剤例2.
本発明化合物 3部
クレー粉末 82部
珪藻土粉末 15部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。
【0058】
製剤例3.
本発明化合物 5部
ベントナイトとクレーの混合粉末 90部
リグニンスルホン酸カルシウム 5部
以上を均一に混合し、適量の水を加えて混練し、造粒、乾燥して粒剤とする。
製剤例4.
本発明化合物 20部
カオリンと合成高分散珪酸 75部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 5部
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0059】
試験例1. 出芽前の水田雑草に対する除草効果試験
75cm2のプラスチックポットに土壌(埴壌土)を充填し、水田雑草であるイヌホタルイの種子を播種し、コナギ、アゼナ、ミゾハコベの種子を混和した土壌75cm3で覆土した後、水深5cmの状態に湛水した。翌日に、製剤例1〜4に準じて調製した本発明化合物を有効成分とする薬剤の所定有効薬量(g/ha)を水で希釈し水面に滴下処理をした。ついで、温室内で育成し、処理28日後に除草効果を調査し、無処理と比較して下記の基準に従って除草効果を評価した。
除草効果の判定基準
0・・・0%の除草効果
1・・・1%〜39%の除草効果
2・・・40%〜69%の除草効果
3・・・70%〜89%の除草効果
4・・・90%以上の除草効果
結果を第4表に示す。尚、表中「−」は試験未実施を表す。
【0060】
【表9】

【0061】
【表10】

【0062】
【表11】

【0063】
【表12】

【0064】
試験例2. 出芽後の水田雑草に対する除草効果試験。
75cm2のプラスチックポットに土壌(埴壌土)を充填し、水田雑草であるイヌビエ、イヌホタルイの種子を播種しアゼナ、ミゾハコベの種子を混和した土壌75cm3で覆土した後、水深5cmの状態に湛水し、温室内で育成した。供試植物が子葉期から一葉期の時期に、本発明化合物を有効成分とする薬剤を所定有効薬量(g/ha)の薬液として処理をした。ついで、温室内で育成し、処理28日後に除草効果を調査し、試験例1の基準に従って除草効果を評価した。結果を第5表に示す。
【0065】
【表13】

【0066】
【表14】

【0067】
【表15】

【0068】
【表16】

【0069】
試験例3.畑地茎葉処理試験
面積200cm2の樹脂製バットに洪積性埴壌土の畑土壌を充填し、施肥後、ハコベ、スミレ、イヌカミツレ、ヤエムグラ及びコムギを播種し、均一に覆土を行った。その後、温室で栽培管理を続け、供試雑草の生育葉令が1.0〜2.0葉期に達した時、本発明化合物を有効成分とする薬剤を、有効成分量の処理薬量が1アール当たり1gとなるように均一に噴霧処理した。その後、温室内で栽培管理を続け、薬剤処理後21日目に除草効果又は薬害について調査を行った。結果を第6表に示した。
尚、除草効果又は薬害の評価は下記数式により除草率を求め、下記の基準による除草効果係数又は薬害係数で表した。
[数式1]
処理区における雑草の地上部生体重
除草率又は薬害率(%)=(1− ――――――――――――――――― )×100
無処理区における雑草の地上部生体重
【0070】
除草効果係数又は薬害係数 除草率又は薬害率(%)
0・・・・・・・・・・0〜20
1・・・・・・・・・・21〜39
2・・・・・・・・・・40〜69
3・・・・・・・・・・70〜89
4・・・・・・・・・・90〜99
5・・・・・・・・・・100


【0071】
【表17】

【0072】
【表18】

【0073】
【表19】

【0074】
【表20】

【0075】
試験例4.畑地土壌処理試験
面積200cm2の樹脂製バットに洪積性埴壌土の畑土壌を充填し、施肥後、ノスズメノテッポウ、ハコベ、スミレ、イヌカミツレ、及びコムギを播種し、均一に覆土を行った。本発明化合物を有効成分とする薬剤を、有効成分量の処理薬量が1アール当たり3gとなるように土壌表面に均一に噴霧処理した。その後、温室内で栽培管理を続け、薬剤処理後21日目に除草効果について調査を行い、試験例3と同様にして除草効果係数及び薬害係数を求めた。その結果を第7表に示した。
【0076】
【表21】

【0077】
【表22】

【0078】
【表23】

【0079】
【表24】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、R1はC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C6アルコキシC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基、モノC1-C6アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジC1-C6アルキルアミノ基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を有する置換フェニル基、フェニルC1-C8アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニルC1-C8アルキル基、複素環基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を有する置換複素環基、複素環C1-C8アルキル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、SH基、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、ハロC2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、ハロC2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルチオ基、ハロC1-C6アルキルチオ基、C2-C6アルケニルチオ基、ハロC2-C6アルケニルチオ基、C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロC1-C6アルキルスルフィニル基、C1-C6アルキルスルホニル基、ハロC1-C6アルキルスルホニル基、C1-C6アルキルカルボニル基、ハロC1-C6アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、モノC1-C6アルキルアミノ基又は同一若しくは異なって良いジC1-C6アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換複素環C1-C8アルキル基を示す。
2は水素原子、C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、C1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、シアノC1-C8アルキル基、C1-C8アルキルカルボニル基、ハロC1-C8アルキルカルボニル基、C2-C8アルケニルカルボニル基又はC1-C8アルコキシカルボニル基を示す。又、R1とR2は一緒になって酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む3〜8員環を形成することができる。
3は同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ペンタフルオロサルファニル基(−SF5)、C1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C8アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシ基、C1-C8アルコキシカルボニル基、C1-C8アルキルチオ基、C1-C8アルキルスルフィニル基、C1-C8アルキルスルホニル基、C1-C8アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジC1-C8アルキルアミノ基を示す。
4は同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、ハロC2-C8アルケニル基、C2-C8アルキニル基、ハロC2-C8アルキニル基、C1-C8 アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシ基、C1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルコキシC1-C8アルキル基、C1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ基、C1-C8アルキルスルホニルアミノ基、ハロC1-C8アルキルスルホニルアミノ基、C1-C8アルキルチオ基、ハロC1-C8アルキルチオ基、C1-C8アルキルスルフィニル基、ハロC1-C8アルキルスルフィニル基、C1-C8アルキルスルホニル基、ハロC1-C8アルキルスルホニル基、C1-C8アルキルカルボニル基、C1-C8アルコキシカルボニル基、C1-C8アルキルカルボニルオキシ基、ハロC1-C8アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、同一又は異なっても良いトリC1-C8アルキルシリル基、ペンタフルオロサルファニル基(−SF5)又は−C(R5)=NOR6(式中、R5及びR6は同一又は異なっても良く、水素原子、C1-C5アルキル基又はハロC1-C5アルキル基を示す。)で表される基を示す。又、2つの隣接するR4は互いに一緒になってC1-C4アルキレンジオキシ基又はハロC1-C4アルキレンジオキシ基を示すことができる。
Xは酸素原子、硫黄原子、−NH−で表される基又は単結合を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、mは0〜3の整数を示し、nは1〜5の整数を示し、pは0又は1を示す。)で表されるフェニルピリジン類又はその塩類。
【請求項2】
1がC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、モノC1-C6アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジC1-C6アルキルアミノ基、フェニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、ハロC1-C6アルコキシ基から選択される1〜5個の置環基で置換された置換フェニル基であり、R2が水素原子、C1-C8アルキル基、C1-C8アルコキシカルボニル基又はC1-C8アルキルカルボニル基であり、R3がC1-C8アルキル基又はC1-C8アルコキシ基であり、R4がC1-C8アルキル基、ハロC1-C8アルキル基、C1-C8アルコキシ基、ハロC1-C8アルコキシ基、シアノ基、ジフルオロメチレンジオキシ基(−OCF2O−)又はテトラフルオロエチレンジオキシ基(−OCF2CF2O−)であり、Yが酸素原子である請求項1記載のフェニルピリジン類又はその塩類。
【請求項3】
mが1である請求項1又は2いずれか1項記載のフェニルピリジン類又はその塩類。
【請求項4】
4がハロC1-C5アルキル基、ハロC1-C5アルコキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基(−OCF2O−)である請求項1乃至3いずれか1項記載のフェニルピリジン類又はその塩類。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか1項記載のフェニルピリジン類又はその塩類を有効成分として含有する除草剤。
【請求項6】
請求項5記載の除草剤の有効量を土壌又は植物に処理することを特徴とする除草剤の使用方法。


【公開番号】特開2006−52212(P2006−52212A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203470(P2005−203470)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000232623)日本農薬株式会社 (97)
【Fターム(参考)】