説明

フェンス及びその構築方法

【課題】足場が存在する場合に、パネルユニット22を除くフェンス1cの構成各部材を設置でき、このパネルユニット22の建て込みを、上記足場を除去した後に行なえる様にする。
【解決手段】上記パネルユニット22の下辺を支える下枠20は、各支柱19の表側に支持ブラケット25を介して昇降可能に、且つ、取付ねじ28、28を緊締した状態で上下位置を固定可能に支持されている。上記各パネルユニット22は、それぞれの上端縁部を上枠21の上側抱持溝部38に、同じく下端縁部を上記下枠20の下側抱持溝部33に、それぞれ抱持する事で、上記上下両枠20、21同士の間に保持する。上記パネルユニット22を除くフェンス1cの構成各部材は、上記足場を設けた状態で設置し、このパネルユニット22は、上記足場を撤去した後、上記下枠20を適正位置に下降させてから建て込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高層マンション等の高層建築物のベランダ等の柵として利用するフェンス及びその構築方法の改良に関し、建設作業員の安全性確保を図れる構造及びその構築方法を実現するものである。
【背景技術】
【0002】
図10〜15は、高層マンション等の高層建築物のベランダ等の柵として利用できるフェンスの2例を示している。これらのフェンス1、1aは、鉄筋コンクリート等により造った、比較的低い腰塀或いは土手部の如き基部2の上面に構築している。上記フェンス1、1aを構築する為に、この基部2の上面に複数本の支柱3、3aを、水平方向に互いに間隔をあけてそれぞれ上下方向に固定し、これら複数本の支柱3、3aの上端部に、手摺4を掛け渡している。
【0003】
図10〜12に示した第1例の構造の場合には、上記各支柱3、3の中間部下端寄り部分同士の間に掛け渡した下枠5、5の上面と上記手摺4の下面との間に、複数本の竪材6、6を掛け渡している。これに対して、図13〜15に示した第2例の構造の場合には、上枠7の下面と下枠5aの上面との間にそれぞれ複数本ずつの竪材6、6を掛け渡して成る複数枚のパネルユニット8、8の両端部を、それぞれブラケット9、9により、上記各支柱3a、3aに支持固定している。
【0004】
何れの構造の場合も、上記フェンス1、1aの意匠は、図10、13から明らかな通り、上記各支柱3、3aの存在に大きく影響される。一方、これら各支柱3、3aの間隔(ピッチ)は、上記フェンス1、1aに必要且つ十分な強度を確保できる範囲で、できる限り広くする事が一般的である。従って、上記従来構造の場合には、上記各支柱3、3aの存在に基づき、上記フェンス1、1aの意匠が制限される。
【0005】
これに対して、特許文献1には、図16〜17に示す様な構造のフェンス1bが記載されている。この従来構造の第3例のフェンス1bは、各支柱3、3の中間部で基部2の上面から少し上方位置部分に1本の下枠10を、これら各支柱3、3同士の間に掛け渡す様に固定している。又、上記各支柱3、3の上端部同士の間に、1本の上枠11を、これら各支柱3、3同士の間に掛け渡す様に、且つ、上記下枠10と平行に固定している。そして、この下枠10により複数枚のパネルユニット12、12の下端縁部を、上記上枠11によりこれら各パネルユニット12、12の上端縁部を、それぞれ抱持している。
【0006】
この様な特許文献1に記載された構造の場合には、図10、13と図16とを比較すれば明らかな通り、フェンス1bを外から(支柱3、3を設置した側と反対側から)見た場合に、支柱3、3が目立たない。従って、隣り合う支柱3、3同士の間隔(ピッチ)に拘らず、上記フェンス1bの意匠設計上の自由度が向上する。但し、高層建築物のベランダの屋外側端部に設置するフェンスとして利用する場合の事を考慮すると、構築作業の能率化、作業員の安全性確保の面からは、改良の余地がある。この点に就いて、図18を参照しつつ説明する。
【0007】
高層マンション等の高層建築物の建設作業時にも、他の建築物の場合と同様、建築物13の外装作業等の容易化を図る為に、図18に示す様に、足場14を組む。又、高層建築物の場合にこの足場14は、地面から最上部迄達する高いものを築くのではなく、複数階分(図示の例では3階分)のユニットを使用し、建設作業の進行に伴ってこのユニットを上方に移動させる。即ち、コンクリートの打設作業等により、ベランダの床部15、15を含めて上記建築物13の一部が構築されると、上記ユニットの上下両端部に設けた吊り下げブラケット16、16の基端部、及び、中間部に設けた、壁繋ぎと呼ばれる連結ブラケット17、17の基端部を、それぞれ上記各床部15、15の屋外側(図18の左側)端部に係止し、上記足場14を組む。そして、この足場14は、外装作業が済み次第上方に移動させて、上方の階の外装作業に使用する。
【0008】
上記各床部15、15の屋外側端部にフェンスを設置する作業は、このフェンスを設置すべき各床部15、15の屋外側に上記足場14が存在する状態で行なう事が、作業の容易性と安全性とを確保する面からは好ましい。但し、上述した従来構造の場合、何れの構造でも、上記足場14が存在する状態でフェンスの設置作業を行なう事が難しい。この理由は、フェンスの下辺を構成する下枠5、5a、10の下面と基部2の上面との間に、上記各ブラケット16、17を配置できない為である。
【0009】
即ち、高層建築物に設置するフェンスの場合、ベランダからの大きな物品の落下防止の為に、下枠5、5a、10の下面と基部2の上面との間の隙間18の高さH18(図10、13、16参照)を80mm以下に抑える事が義務付けられている。一方、上記各ブラケット16、17の高さ寸法は、重量の嵩む上記足場14を確実に支持する必要上、80mmを上回る場合が多い。特に、この足場14のユニットの上下両端部に設ける吊り下げブラケット16、16は大きな強度を必要とする為、殆どの場合、80mmを上回る。しかも、上記各ブラケット16、17は、上記各床部15、15の屋外側端部でこれら各床部15、15の上面近傍部分に、屋内外方向に、即ち、上記下枠5、5a、10の配設方向と直角方向に設置されるので、そのままではこの下枠5、5a、10を設置する事ができない。
【0010】
この為従来は、上記各床部15、15の屋外側に上記足場14が存在しない状態で、これら各床部15、15の屋外側端部へのフェンスの設置作業を行なう様にしていた。但し、この様な作業は、命綱を必要とする危険な作業となる為、作業員の動きが(命綱により)制限されて、作業能率が悪くなる。又、上記各床部15、15上には作業員が、上記足場14を撤去した(上層に移動させた)後でも、上記フェンスを設置する以前に、このフェンスを設置する以外の理由で、建築物の内部から出る場合がある。この様な場合に、上記各床部15、15の屋外側端部に、柵等の転落防止用の構造物が存在しないと危険である。
【0011】
【特許文献1】特開平11−125037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、足場が存在する場合にも、パネルユニットを除くフェンスの構成各部材を設置しておく事ができ、このパネルユニットの建て込みを、上記足場を除去した後に、容易且つ安全に行なえる、フェンスの構造及びその構築方法を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の対象となるフェンスは、前述した従来から知られているフェンスと同様に、複数本の支柱と、下枠と、上枠と、複数枚のパネルユニットとを備える。
このうちの各支柱は、水平方向に互いに間隔をあけた状態で、それぞれ上下方向に固定している。
又、上記下枠は、上記各支柱の中間部同士の間に、これら各支柱よりも表側に突出した状態で掛け渡されたもので、上方が開口した下側抱持溝部を有する。
又、上記上枠は、上記各支柱の上部同士の間に、これら各支柱よりも表側に突出した状態で掛け渡されたもので、下方が開口した上側抱持溝部を有する。
更に、上記各パネルユニットは、それぞれの下端縁部を上記下枠に、それぞれの上端縁部を上記上枠に、それぞれ抱持されている。
【0014】
特に、本発明のうちの請求項1に記載したフェンスに於いては、上記下枠は、上記各支柱の表側に、支持ブラケットを介して支持されている。
又、これら各支持ブラケットはこれら各支柱の表側側面に上下方向に設けられた係止溝部に、取付ねじを緩めた状態で昇降可能に、且つ、この取付ねじを緊締した状態で上下位置を固定可能に支持されている。
更に、上記各パネルユニットは、それぞれの上端縁部を上記上側抱持溝部に、同じく下端縁部を上記下側抱持溝部に、それぞれ抱持する事で、上記上下両枠同士の間に保持している。
この様な本発明のフェンスを実施する場合に、例えば請求項2に記載した様に、上側抱持溝部の深さを、この上側抱持溝部と各パネルユニットの上端縁部との上下方向に関する掛り代と、これら各パネルユニットの下端縁部と下枠との上下方向に関する掛り代とを合計した深さ以上とする。そして、予め(パネルユニットの建て込みに先立って)所定位置に固定した下枠と上枠との間に上記各パネルユニットを建て込み、更にこれら両枠同士の間に保持可能とする。
【0015】
又、請求項3に記載したフェンスの構築方法は、上述の様な本発明のフェンスを、ビルディングのベランダの屋外側端部に設置する方法である。
この様な本発明のフェンスの構築方法では、先ず、上記ベランダ部分に足場が存在する状態で、上記各支柱の上端部同士の間でフェンス完成後の位置に上枠を固定すると共に、前記各支持ブラケットを前記係止溝部に沿って移動させる事により、上記各支柱の上下方向中間部でフェンス完成後の位置よりも上方に位置させ、且つ、上記各支持ブラケット同士の間に上記下枠を掛け渡した状態で上記取付ねじを緊締して、この下枠を上記各支柱同士の間で完成後の状態よりも上方位置に仮固定する。
その後、或いは、上記各支柱に上記上枠及び上記下枠をこれら各支柱に固定するのに先立って、これら各支柱の基端部を射体に支持固定する。
次いで、この様な状態で上記足場を取り外した後、上記取付ねじを緩めて上記各支持ブラケットを上記下枠と共にフェンス完成後の位置に迄下降させて固定してから、この下枠と上記上枠との間に上記各パネルユニットを建て込む。
【0016】
上述の様な本発明のフェンスの構築方法を実施する場合にも、例えば請求項4に記載した様に、前記上側抱持溝部の深さを、この上側抱持溝部と上記各パネルユニットの上端縁部との上下方向に関する掛り代と、これら各パネルユニットの下端縁部と下枠との上下方向に関する掛り代とを合計した深さ以上とする。
そして、それぞれが完成後の位置に設置された下枠と上枠との間に上記各パネルユニットを、これら各パネルユニットの上端縁部を上側抱持溝部に係合させてからこれら各パネルユニットの下端縁部を下側抱持溝部に係合させる順番で建て込む。
【0017】
又、上述の様な本発明のフェンスの構築方法を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、上記各支持ブラケットの一部にねじ孔又は通孔を形成しておく。又、上記各支柱の表側下部で、それぞれこれら各支持ブラケットをフェンス完成後の位置に迄移動させた状態で上記ねじ孔又は通孔と整合する位置に、通孔又はねじ孔を設ける。そして、上記各支持ブラケットをフェンス完成後の位置に移動させた後、これら各支持ブラケット又は上記各支柱に形成されたねじ孔に螺合した固定用ねじを、これら各支柱又はこれら各支持ブラケットに形成された通孔に挿通する。この作業により、これら各支柱に対するこれら各支持ブラケットの上下位置を規制する。
【0018】
或いは、上述の様な本発明のフェンスの構築方法を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した様に、上記各支柱の表側側面に設けた前記係止溝部として、この表側開口部の幅が狭く、奥側の幅を広くなったものを使用する。又、この係止溝部に上下方向の移動を可能に係合させた各係止板に形成したねじ孔に、各支持ブラケットに形成した通孔を表側から挿通した取付ねじを螺合させる。そして、上記各係止板の下端部をこれら各支持ブラケットの下端縁よりも下方に迄延長し、これら各係止板の下端縁をベランダの屋外側端部で上記各支柱を設ける部分の上面に突き当てる事で、上記各支持ブラケットの下降量を制限する。
【0019】
更には、請求項5に記載した発明と請求項6に記載した発明とを組み合わせて、請求項7に記載した様な態様で実施する事もできる。この場合には、上記各係止板の下端縁をベランダの屋外側端部で上記各支柱を設ける部分の上面に突き当てる事で、上記各支持ブラケットの下降量を、これら各支持ブラケット側に形成したねじ孔又は通孔が、上記各支柱側に設けた通孔又はねじ孔に丁度整合するか、若しくは、これら各支柱側に設けた通孔又はねじ孔よりも少しだけ下方に位置する様に制限する。そして、上記各支持ブラケットを下降させて上記各係止板の下端縁を上記上面に突き当てた後、これら各支持ブラケット又は上記各支柱に形成されたねじ孔に螺合した固定用ねじを、これら各支柱又はこれら各支持ブラケットに形成された通孔に挿通する事により、これら各支柱に対するこれら各支持ブラケットの上下位置を規制する。
【発明の効果】
【0020】
上述の様な、本発明のフェンス及びその構築方法によれば、足場が存在する場合にも、各パネルユニットを除くフェンスの構成各部材を設置しておく事ができ、これら各パネルユニットの建て込みを、上記足場を除去した後に、容易且つ安全に行なえる。又、足場を撤去した後、上記各パネルユニットの建て込みを完了する以前にも、ベランダに出る作業員の安全を図れる。
【0021】
先ず、足場が存在する場合にも、上記各パネルユニットを除くフェンスの構成各部材を設置しておける理由は、各支持ブラケットを各支柱に対し昇降可能に組み付ける事により、下枠をフェンス完成後の位置よりも上方に配置できる為である。この為、この下枠の下面と、ベランダの屋外側端部等、上記フェンスを設置する部分の上面との間に、上記足場を設置する為の吊り下げブラケットや連結ブラケットが存在しても、上記構成各部材、即ち、支柱と、上枠と、下枠とを設置できる。
【0022】
次に、各パネルユニットの建て込みを、上記足場を除去した後に、容易且つ安全に行なえる理由は、この足場を除去する以前に、上記構成各部材をベランダの屋外側端部に設置(固定)する作業を完了できる為である。上記足場を撤去した後、上記各パネルユニットを建て込む為に行なう作業は、上記下枠を所定位置に迄下降させた後、この下枠と上記上枠との間に上記各パネルユニットを建て込む事により行なう。これら各作業を行なう状態では、上記各支柱及び上記上枠が、上記ベランダの屋外側端部にしっかりと固定されており、作業員が不安定な姿勢により作業を行なう必要もない。この為、上記作業を安全に行なえる。
【0023】
更に、足場を撤去した後、上記各パネルユニットの建て込みを完了する以前にも、ベランダに出る作業員の安全を図れる理由は、上記各支柱と上記上枠と上記下枠とが、転落防止用の柵としての役目を果たす為である。特に、上記各パネルユニットの建て込み作業を開始する以前の状態では、上記下枠が、上記各支柱の高さ方向中間部に存在するので、この下枠が、上記ベランダの屋外側端部上面と上記上枠との間に存在する空間を狭くし、この空間を通じて作業員が転落する事を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1〜10は、本発明の実施の形態の1例を示している。先ず、本例のフェンス1cの完成状態の構造に就いて、図1〜4により説明する。このフェンス1cは、複数本の支柱19、19と、1本の下枠20と、1本の上枠21と、複数枚のパネルユニット22、22とを備える。尚、これら下枠20及び上枠21が1本であるとは、1本の下枠20及び上枠21により複数枚のパネルユニット22、22を支持するとの意味である。上記フェンス1cを設置すべきベランダが長い場合にも、このベランダの全長に亙って1本の下枠20及び上枠21を設けるとの意味ではない。これら下枠20及び上枠21の長さは、工場から建設現場への搬送、この建設現場での取り扱い性を考慮して、例えば、3〜5m程度とする。
【0025】
上記各構成部材のうちの、上記各支柱19、19は、ベランダの床部15(図18参照)の屋外側端部上面に設けた、土手部の如きコンクリート製の基部2の上面に、水平方向(図1〜2の左右方向、図3の表裏方向)に互いに間隔をあけて、それぞれ上下方向(鉛直方向)に固定している。本例の場合に上記各支柱19、19はそれぞれ、下端部を上記基部2に埋設固定した、鋼製或いはステンレス鋼製で円管状の内部支柱23と、この内部支柱23にがたつきなく外嵌してリベットによりこの内部支柱23に対し固定した、アルミニウム合金の押し出し型材製の外部支柱24とから構成している。
【0026】
又、上記下枠20は、上記各支柱19、19の中間部下端寄り部分同士の間に、これら各支柱19、19よりも表側(フェンスとしての意匠を重要視する側で、図1の手前側、図2の下側、図3の左側)に突出した状態で掛け渡されている。この為に本例の場合には、上記各支柱19、19の中間部下端寄り部分の表面側に、それぞれ略横T字形の支持ブラケット25、25を結合固定している。これら各支持ブラケット25、25を固定可能とする為、上記各支柱19、19を構成する上記外部支柱24の表側側面に係止溝部26を、上下方向に設けている。この係止溝部26は、図4に示す様に、この表側の開口部の幅が狭く、奥側の幅が広くなっており、この係止溝部26に係止板27を、上下方向の移動のみを可能に(開口部から表側に抜け出ない様に)係合させている。この係止板27は、ステンレス鋼板等の、十分な強度及び剛性を有する金属板で造られており、上下2個所位置の幅方向中央部で上記係止溝部26の開口部に整合する部分に、それぞれねじ孔を形成している。そして、これら両ねじ孔に、上記各支持ブラケット25、25を構成する基板部29の上下両端部に設けた通孔を表側から挿通した、取付ねじ28、28を螺合している。
【0027】
これら両取付ねじ28、28を緩めた状態では、上記係止板27及び上記各支持ブラケット25、25が上記係止溝部26に沿って、上記各支柱19、19の上下方向に移動可能になる。これに対して、上記両取付ねじ28、28を緊締した状態では、上記外部支柱24を構成する表側板部30の一部で、上記係止溝部26の両側に位置する部分が、上記係止板27と上記基板部29との間で強く挟持される。この状態で、上記各支持ブラケット25、25の上下位置が固定される。更に、本例の場合には、これら各支持ブラケット25と上記各支柱19、19との間に固定用ねじ31、31を掛け渡す事により、これら各支持ブラケット25の上下位置が、完成後の適正位置から不用意にずれ動かない様にしている。
【0028】
この為に本例の場合には、上記基板部29の下端部左右両端寄り部分に、上記両固定用ねじ31、31を挿通する為の通孔を、上記表側板部30の一部で、上記各支持ブラケット25、25を完成状態での適正位置に移動させた場合に上記両通孔に整合する位置にねじ孔を、それぞれ形成している。上記両固定用ねじ31、31は、上記各支持ブラケット25、25を完成状態での適正位置に移動させた後、表側から上記両通孔に挿通し、上記ねじ孔に螺合させる。この状態では、仮に上記両取付ねじ28、28が緩んだとしても、上記各支持ブラケット25、25が上記各支柱19、19に対し下降する事はなくなる。尚、上記両固定用ねじ31、31を挿通或いは螺合させる、通孔とねじ孔とは、互いに逆の部分に(ねじ孔を上記基板部29に、通孔を上記表側板部30に)形成しても良い。又、何れの場合でも、ねじ孔は、上記両固定用ねじ31、31を螺合させた状態でねじ孔となっていれば良い。要するに、これら両固定用ねじ31、31をタッピングねじとし、これら両固定用ねじ31、31を下孔に螺入する構造でも良い。
【0029】
上述の様にして、上記各表側側面の中間部下端寄り部分に固定された、上記各支持ブラケット25、25同士の間に掛け渡す、前記下枠20は、アルミニウム合金の押し出し型材製で、上方が開口した断面形状を有する。又、本例の場合には、上記下枠20の上下方向中間部に、この下枠20の両内側面の同じ高さ位置から互いに近付く方向に突出した1対の水平板部32、32を形成し、これら水平板部32、32よりも上側部分を、前記各パネルユニット22、22の下端縁部を抱持する為の下側抱持溝部33としている。
【0030】
又、前記上枠21は、上記各支柱19、19の上端部同士の間に、これら各支柱19、19よりも表側に突出した状態で掛け渡されている。この為に本例の場合には、これら各支柱19、19を構成する前記外部支柱24の上端部に平板状の支持板34の長さ方向(図3の表裏方向)中央部を、複数本のタッピングねじ35、35により固定している。尚、このタッピングねじ35、35は、上記支持板34に形成した通孔を上方から挿通した状態で、上記外部支柱24の内周面部分に存在するタッピング溝36、36に螺合し更に緊締する。上記上枠21の長さ方向(図1、2の左右方向、図3の表裏方向)に関する、上記支持板34の長さ寸法は、同方向に関する上記各支柱19、19の幅寸法よりも大きい。従って、この支持板34の長さ方向両端部は、これら各支柱19、19の両側面から突出している。上記上枠21は、この様な支持板34の長さ方向両端部を下方から挿通した複数本の止めねじ37、37により、この支持板34を介して、上記各支柱19、19の上端部に支持固定されている。
【0031】
この様にして、これら各支柱19、19の上端部に支持固定された、上記上枠21の表側半部は、これら各支柱19、19よりも、表側に突出(オーバハング)している。そして、上記上枠21の下面で、これら各支柱19、19よりも表側に突出した部分に、下方が開口した上側抱持溝部38を設けている。本例の場合、この上側抱持溝部38の深さH38を、前記各パネルユニット22、22の上端縁部を保持する為に必要とされる深さよりも十分に大きくしている。具体的には、上記深さH38を、上記各パネルユニット22、22の上端縁部と上記上側抱持溝部38との上下方向に関する掛り代HH と、これら各パネルユニット22、22の下端縁部と前記下枠20との上下方向に関する掛り代HL とを合計した深さ以上(H38≧HH +HL )としている。そして、この様に上記上側抱持溝部38の深さH38を確保する事により、予め完成後の位置に固定した上記下枠20と上記上枠21との間に上記各パネルユニット22、22を建て込み、更にこれら両枠20、21同士の間に保持可能としている。
【0032】
上記各パネルユニット22、22は、上述の様な上側抱持溝部38と前記下側抱持溝部33との間に、一般的な、引戸式の雨戸障子やガラス障子と同様の建て込み方式である、ケンドン式に建て込んでいる。本例の場合、上記各パネルユニット22、22は、矩形のガラスパネル39の四周を、上框40と下框41と左右の竪框42、42とにより囲んで成る。この様な上記各パネルユニット22、22は、それぞれの下端縁部に位置する上記下框41を上記下側抱持溝部33に保持すると共に、それぞれの上端縁部を構成する上記上框40を上記上側抱持溝部38に保持した状態で、上記下枠20と上記上枠21との間に建て込んでいる。
【0033】
次に、上述の様な構成を有するフェンス1cの構築方法に就いて説明する。
先ず、このフェンス1cを設置すべきベランダ部分に、前述の図18に示す様に足場14が存在する状態で、上記各支柱19、19の基端部、即ち下端部を、躯体である、前記ベランダの床部15の屋外側端部上面に設けた基部2の上面に支持固定する。この作業は、この基部2の上面に開口する状態で設けた支持孔43内に上記各支柱19、19の下端部を緩く挿入し、これら各支柱19、19の下端部外周面と上記支持孔43の内周面との間の隙間内にモルタル44を充填する事により行なう。
【0034】
上記各パネルユニット22、22の建て込みは、上記モルタル44が十分に固化してから行なう。但し、上記各支柱19、19の上端部同士の間への上記上枠21の掛け渡しは、好ましくは、上記モルタル44を充填する以前である、上記各支柱19、19の下端部を上記各支持孔43内に挿入する以前に行なう。例えば、上記各支柱19、19の上端部同士の間への上記上枠21の掛け渡しは、予め工場で行なっても良い。又、これら各支柱19、19を構成する、前記内部支柱23と前記外部支柱24とに就いても、予め工場で組み合わせておく。従って、上記各支柱19、19と上記上枠21との位置関係は、これら各支柱19、19を固定する以前の状態で、完成後の適正な関係になる。そして、例えば、上記上枠21と上記ベランダ部分、建造物の外壁面等、足場14以外の固定の部分との間に支え棒等を仮設して、上記各支柱19、19が鉛直方向に配置されたまま、上記床部15の屋外側端部上面に固定される様にする。
【0035】
又、前記下枠20に就いても、上記各支柱19、19の下端部を上記各支持孔43内に挿入する以前に、これら各支柱19、19同士の間に掛け渡す。この為に、前記各支持ブラケット25、25は、予め工場で、これら各支柱19、19の表側側面に装着しておく。又、上記下枠20に就いても同様に、予め工場で、これら各支柱19、19同士の間に掛け渡しても良い。但し、これら各支持ブラケット25、25及び上記下枠20に就いては、上記各支柱19、19の基端部を前記基部2の上面に支持固定する際には、図5〜6に示す様に、完成後の位置よりも上方である、上記各支柱19、19の高さ方向中間部に仮固定しておく。この仮固定は、前記両取付ねじ28、28を緩めた状態で、上記各支持ブラケット25、25を図5〜6に示した位置に移動させた後、上記両取付ねじ28、28を緊締する事により行なう。
【0036】
本例の場合、上述の様に、上記各支柱19、19と上記上枠21及び上記下枠20を基部2の上面に支持固定する作業を、この下枠20を完成後の位置よりも上方に移動させた状態で行なう。この為、この下枠20と、上記足場14をベランダの床部15、15に支持する為の吊り下げブラケット16や連結ブラケット17(図18参照)とが干渉する事はない。従って、上記各部材19、20、21を基部2の上面に支持固定する作業を、ベランダの外側に上記足場14が存在する状態で行なえる。この為、この支持固定作業を、命綱等を使用しなくても安全に行なう事ができ、前記フェンス1cの設置作業の能率化を図れる。
【0037】
前記パネルユニット22、22の建て込み作業は、上記足場14を撤去した(上層階へ吊り上げた)後、上記下枠20を、完成後の適正位置に下降させてから行なう。尚、この様に下枠20を下降させる作業は、上記建て込み作業の直前に行なう。それまでの間は、上記下枠20を図5〜6に示した位置に止める。この状態では、この下枠20を含む、上記各部材19、20、21が、前記床部15から作業員が落下するのを防止する為の安全柵として機能する。
【0038】
上記足場14を撤去した後に、上記建て込み作業を行なうべく、上記下枠20を完成後の適正位置に固定するには、前記両取付ねじ28、28を緩めてから、図7に矢印で示す様に、前記各支持ブラケット25、25と共に、上記下枠20を適正位置に迄下降させる。そして、前記各固定用ねじ31、31を表側から螺合し、上記各支持ブラケット25、25の高さ位置を固定する。尚、上記両取付ねじ28、28を螺合させる為の、前記係止板27を、上記各支持ブラケット25の基板部29よりも下方に迄延長し、この係止板27の下端縁が前記基部2の上面に突き当たった状態で、上記各固定用ねじ31、31を挿通或いは螺合させる為の通孔とねじ孔とが整合若しくは近傍に位置する様にすれば、上記下枠20を適正位置に迄下降させ、更にこの適正位置に固定する作業を容易に行なえる。
【0039】
何れにしても、上記下枠20を適正位置に下降させて固定すれば、上記パネルユニット22、22の建て込みを行なえる状態になる。この建て込み作業は、前述の様に、ケンドン式に行なう。この場合に於いて、上記各パネルユニット22、22の幅寸法W22が隣り合う支柱19、19同士の間隔D19よりも小さい(W22<D19)場合と、そうでない(W22≧D19)場合とで、建て込む方向を異ならせる。
【0040】
上記幅寸法W22が上記間隔D19よりも小さい場合には、1枚のパネルユニット22を、建て込み時の姿勢としたまま(下枠20及び上枠21と下框41及び上框40とを平行にしたまま)、隣り合う支柱19、19同士の間を通過させられる。そこで、図8に示す様に、上記パネルユニット22を1枚ずつ、上方に向かう程表側(屋外側)に向かう方向に傾斜させた状態で、上記下枠20と上記上枠21との間に裏側(屋内側)から近づける。そして、上記上框40を前記上側抱持溝部38に進入させ、この上框40をこの上側抱持溝部38の奥に迄押し込みつつ、上記パネルユニット22を鉛直方向に向ける。この結果、上記上框40が上側抱持溝部38の奥端に達した状態で、上記下框41が前記下側抱持溝部33の直上に位置するので、上記パネルユニット22を下降させ、この下框41をこの下側抱持溝部33に入り込ませる。この状態で、上記パネルユニット22の上端縁部が上記上枠21に、同じく下端縁部が上記下枠20に、それぞれ保持される。
【0041】
これに対して、上記幅寸法W22が上記間隔D19と同じかそれ以上である場合には、1枚のパネルユニット22を、建て込み時の姿勢としたまま、隣り合う支柱19、19同士の間を通過させる事はできない。そこで、この場合には、図9に示す様に、上記パネルユニット22を斜めにして、上記隣り合う支柱19、19同士の間を通過させてから、このパネルユニット22を、表側から上記上枠21と上記下枠20との間に建て込む。この場合の建て込み作業の手順は、上記パネルユニット22の傾斜方向が逆になる以外、上述の様に裏側から建て込む場合と同様にして行なう。何れの場合でも、上記パネルユニット22の取り扱いは、吸盤を備えたハンドリング治具を利用して行なう。
【0042】
或いは、図示はしないが、ベランダの長さが長く、上記下枠20が、複数本を直列に繋げて構成したものである場合、上記パネルユニット22を、ケンドン式ではなく、スライド式に建て込む事もできる。この場合には、例えば水平方向端部の下枠を外し、残りの下枠20と上枠21との間にパネルユニット22、22を、戸袋から雨戸レールに雨戸を押し出す如く、スライドさせて建て込む。但し、上記水平方向端部に関しては、取り外しておいた下枠20を装着してから、ケンドン式に建て込む。
何れの場合でも、前記ベランダの床部の上面端部で建て込み作業を行なう部分には、図8〜9に示す様に、上記パネルユニット22の下辺を当接させる、市販の支え治具46、46を置いて、このパネルユニット22の重量を支え、上記建て込み作業時に於ける、このパネルユニット22の落下事故の防止を図る。
【0043】
上述の様な、本例のフェンス及びその構築方法によれば、前述の様な理由により、足場が存在する場合にも、各パネルユニットを除くフェンスの構成各部材を設置しておく事ができ、これら各パネルユニットの建て込みを、上記足場を除去した後に、容易且つ安全に行なえる。又、足場を撤去した後、上記各パネルユニットの建て込みを完了する以前にも、ベランダに出る作業員の安全を図れる。
【0044】
更に、本例の構造によれば、意匠が前記各支柱19、19の間隔(ピッチ)に影響されにくく、しかも、構築作業や修理作業を少ない人数で行なえる。
先ず、上記各支柱19、19同士の間に、これら各支柱19、19よりも表側に突出した状態で設けられた上記上枠21と上記下枠20との間に上記各パネルユニット22、22を建て込むので、上記各支柱19、19の大部分がこれら各パネルユニット22、22の裏側に隠れ、意匠を重要視する表側に表れない。従って、フェンスの意匠を考える場合に、上記各パネルユニット22、22の幅及びピッチと上記各支柱19、19のピッチとを関連付ける必要がなくなる。この結果、意匠設計上の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、フェンスを表側から見た図。
【図2】図1の拡大A−A断面図。
【図3】同拡大B−B断面図。
【図4】支柱のうちの外部支柱を取り出して図2と同方向から見た断面図。
【図5】作業員の転落防止の為に下枠を完成後の状態よりも上方位置に仮固定した状態を表側から見た図。
【図6】図5の拡大C−C断面図。
【図7】支柱に対し下枠を支持している部分の斜視図。
【図8】下枠を完成後の位置に迄下降させた後、この下枠と上枠との間にパネルユニットを建て込む状態の第1例を、ベランダ側から見た状態で示す斜視図。
【図9】同第2例を示す斜視図。
【図10】従来構造の第1例を示す、図1と同様の図。
【図11】図10の拡大D−D断面図。
【図12】同拡大E−E断面図。
【図13】従来構造の第2例を示す、図1と同様の図。
【図14】図13の拡大F−F断面図。
【図15】同拡大G−G断面図。
【図16】従来構造の第3例を示す、図1と同様の図。
【図17】図16の拡大H−H断面図。
【図18】高層建築物を建築する為に組んだ足場を示す略側面図。
【符号の説明】
【0046】
1、1a、1b、1c フェンス
2 基部
3、3a 支柱
4 手摺
5、5a 下枠
6 竪材
7 上枠
8 パネルユニット
9 ブラケット
10 下枠
11 上枠
12 パネルユニット
13 建築物
14 足場
15 床部
16 吊り下げブラケット
17 連結ブラケット
18 隙間
19 支柱
20 下枠
21 上枠
22 パネルユニット
23 内部支柱
24 外部支柱
25 支持ブラケット
26 係止溝部
27 係止板
28 取付ねじ
29 基板部
30 表側板部
31 固定用ねじ
32 水平板部
33 下側抱持溝部
34 支持板
35 タッピングねじ
36 タッピング溝
37 止めねじ
38 上側抱持溝部
39 ガラスパネル
40 上框
41 下框
42 竪框
43 支持孔
44 モルタル
45 固定ねじ
46 支え治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に互いに間隔をあけてそれぞれ上下方向に固定した複数本の支柱と、これら各支柱の中間部同士の間に、これら各支柱よりも表側に突出した状態で掛け渡された、上方が開口した下側抱持溝部を有する下枠と、上記各支柱の上部同士の間に、これら各支柱よりも表側に突出した状態で掛け渡された、下方が開口した上側抱持溝部を有する上枠と、それぞれの下端縁部を上記下枠に、それぞれの上端縁部を上記上枠に、それぞれ抱持された複数枚のパネルユニットとを備えたフェンスに於いて、上記下枠は、上記各支柱の表側に支持ブラケットを介して支持されており、これら各支持ブラケットはこれら各支柱の表側側面に上下方向に設けられた係止溝部に、取付ねじを緩めた状態で昇降可能に、且つ、この取付ねじを緊締した状態で上下位置を固定可能に支持されており、上記各パネルユニットは、それぞれの上端縁部を上記上側抱持溝部に、同じく下端縁部を上記下側抱持溝部に、それぞれ抱持する事で、上記上下両枠同士の間に保持している事を特徴とするフェンス。
【請求項2】
上側抱持溝部の深さを、この上側抱持溝部と各パネルユニットの上端縁部との上下方向に関する掛り代と、これら各パネルユニットの下端縁部と下枠との上下方向に関する掛り代とを合計した深さ以上とする事により、予め所定位置に固定した下枠と上枠との間に上記各パネルユニットを建て込み、更にこれら両枠同士の間に保持可能とした、請求項1に記載したフェンス。
【請求項3】
水平方向に互いに間隔をあけてそれぞれ上下方向に固定した複数本の支柱と、これら各支柱の中間部同士の間に、これら各支柱よりも表側に突出した状態で掛け渡された、上方が開口した下側抱持溝部を有する下枠と、上記各支柱の上部同士の間に、これら各支柱よりも表側に突出した状態で掛け渡された、下方が開口した上側抱持溝部を有する上枠と、それぞれの下端縁部を上記下枠に、それぞれの上端縁部を上記上枠に、それぞれ抱持された複数枚のパネルユニットとを備え、上記下枠は、上記各支柱の表側に支持ブラケットを介して支持されており、これら各支持ブラケットはこれら各支柱の表側側面に上下方向に設けられた係止溝部に、取付ねじを緩めた状態で昇降可能に、且つ、この取付ねじを緊締した状態で上下位置を固定可能に支持されており、上記各パネルユニットは、それぞれの上端縁部を上記上側抱持溝部に、同じく下端縁部を上記下側抱持溝部に、それぞれ抱持する事で、上記上下両枠同士の間に保持しているフェンスを、ビルディングのベランダの屋外側端部に設置する、フェンスの構築方法であって、このベランダ部分に足場が存在する状態で、上記各支柱の上端部同士の間でフェンス完成後の位置に上枠を固定すると共に、上記各支持ブラケットを上記係止溝部に沿って移動させる事により、上記各支柱の上下方向中間部でフェンス完成後の位置よりも上方に位置させ、且つ、上記各支持ブラケット同士の間に上記下枠を掛け渡した状態で上記取付ねじを緊締して、この下枠を上記各支柱同士の間で完成後の状態よりも上方位置に仮固定した後、これら各支柱の基端部を射体に支持固定した状態で上記足場を取り外した後、上記取付ねじを緩めて上記各支持ブラケットを上記下枠と共にフェンス完成後の位置に迄下降させて固定してから、この下枠と上記上枠との間に上記各パネルユニットを建て込む、フェンスの構築方法。
【請求項4】
上側抱持溝部の深さを、この上側抱持溝部と各パネルユニットの上端縁部との上下方向に関する掛り代と、これら各パネルユニットの下端縁部と下枠との上下方向に関する掛り代とを合計した深さ以上とし、それぞれが完成後の位置に設置された下枠と上枠との間に上記各パネルユニットを、これら各パネルユニットの上端縁部を上側抱持溝部に係合させてからこれら各パネルユニットの下端縁部を下側抱持溝部に係合させる順番で建て込む、請求項3に記載したフェンスの構築方法。
【請求項5】
各支持ブラケットの一部にねじ孔又は通孔が形成されており、各支柱の表側下部で、それぞれ支持ブラケットをフェンス完成後の位置に迄移動させた状態で上記ねじ孔又は通孔と整合する位置に、通孔又はねじ孔が設けられており、上記各支持ブラケットをフェンス完成後の位置に移動させた後、これら各支持ブラケット又は上記各支柱に形成されたねじ孔に螺合した固定用ねじを、これら各支柱又はこれら各支持ブラケットに形成された通孔に挿通する事により、これら各支柱に対するこれら各支持ブラケットの上下位置を規制する、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載したフェンスの構築方法。
【請求項6】
各支柱の表側側面に設けた係止溝部は、この表側開口部の幅が狭く、奥側の幅が広くなっており、この係止溝部に上下方向の移動を可能に係合させた各係止板に形成したねじ孔に、各支持ブラケットに形成した通孔を表側から挿通した取付ねじを螺合させており、上記各係止板の下端部をこれら各支持ブラケットの下端縁よりも下方に迄延長し、これら各係止板の下端縁をベランダの屋外側端部で上記各支柱を設ける部分の上面に突き当てる事で、上記各支持ブラケットの下降量を制限する、請求項3〜5のうちの何れか1項に記載したフェンスの構築方法。
【請求項7】
各支持ブラケットの一部にねじ孔又は通孔が形成されており、各支柱の表側下部で、それぞれ支持ブラケットをフェンス完成後の位置に迄移動させた状態で上記ねじ孔又は通孔と整合する位置に、通孔又はねじ孔が設けられており、上記各支柱の表側側面に設けた係止溝部は、この表側開口部の幅が狭く、奥側の幅が広くなっており、この係止溝部に上下方向の移動を可能に係合させた各係止板に形成したねじ孔に、各支持ブラケットに形成した通孔を表側から挿通した取付ねじを螺合させており、上記各係止板の下端部をこれら各支持ブラケットの下端縁よりも下方に迄延長し、これら各係止板の下端縁をベランダの屋外側端部で上記各支柱を設ける部分の上面に突き当てる事で、上記各支持ブラケットの下降量を、これら各支持ブラケット側に形成したねじ孔又は通孔が、上記各支柱側に設けた通孔又はねじ孔に丁度整合するか、若しくは、これら各支柱側に設けた通孔又はねじ孔よりも少しだけ下方に位置する様に制限しており、上記各支持ブラケットを下降させて上記各係止板の下端縁を上記上面に突き当てた後、これら各支持ブラケット又は上記各支柱に形成されたねじ孔に螺合した固定用ねじを、これら各支柱又はこれら各支持ブラケットに形成された通孔に挿通する事により、これら各支柱に対するこれら各支持ブラケットの上下位置を規制する、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載したフェンスの構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−327286(P2007−327286A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160618(P2006−160618)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【出願人】(000150615)株式会社長谷工コーポレーション (94)
【Fターム(参考)】