フェンダーパネル支持用ブラケット及び車体構造
【課題】適切に変形して、衝突エネルギーを効果的に吸収可能なフェンダーパネル支持用ブラケット及び車体構造を提供する。
【解決手段】フェンダーパネルを支持するための支持板部18と、その支持板部18の両側下方に上部折曲線L1a,L1bを介して折曲形成された一対の脚部19と、両脚部19の下端外側方に下部折曲線L2a,L2bを介して折曲形成され、車体のフレームに固定される一対の基板部20とを備える。上部折曲線L1a,L1b,下部折曲線L2a,L2b及び中間折曲線L3a,L3bを集束点に向かう延長線上に配置する。
【解決手段】フェンダーパネルを支持するための支持板部18と、その支持板部18の両側下方に上部折曲線L1a,L1bを介して折曲形成された一対の脚部19と、両脚部19の下端外側方に下部折曲線L2a,L2bを介して折曲形成され、車体のフレームに固定される一対の基板部20とを備える。上部折曲線L1a,L1b,下部折曲線L2a,L2b及び中間折曲線L3a,L3bを集束点に向かう延長線上に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の車体のフレーム上にフェンダーパネルを取り付けるためのフェンダーパネル支持用ブラケット及びそのフェンダーパネル支持用ブラケットを用いた車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フェンダーパネルが歩行者(自転車等の搭乗者を含む)に対する保護機能を備えるように、車体のフレームとフェンダーパネルとの間に変形可能なフェンダーパネル支持用ブラケットを配置した構成が提案されている。歩行者がフェンダーパネルに衝突した場合は、前記フェンダーパネル支持用ブラケットが変形することにより衝撃が緩和される。そして、この種のフェンダーパネル支持用ブラケットの一例が特許文献1に開示されている。図11及び図12に示すように、この特許文献1のブラケット131は、フェンダーパネル136を支持するための支持板部132と、その支持板部132の両側下方に上部折曲線L1aを介して折曲形成された一対の脚部133と、車体のフレーム135上に固定するために、両脚部133の下端外側方に下部折曲線L2bを介して折曲形成された一対の基板部134とを備え、全体として門形をなすように構成されている。一方の脚部133には幅方向に延びる中間折曲線L3a,L4aにより、折曲部が形成されている。
【0003】
前記のように構成された複数のブラケット131が、車体のフレーム135上に所定間隔をおいて固定されている。この場合、特許文献1においては、各ブラケット131の両脚部133が車両の前後方向に開いて配置されるように、両基板部134が前記フレーム135上に溶着固定されている。この状態で、各ブラケット131の支持板部132にフェンダーパネル136が、ボルト145及びナット146によって取り付けられている。そして、車両と歩行者との衝突に際して、フェンダーパネル136に上部前方等から衝撃が加わった場合、ブラケット131の脚部133が折曲部において変形することにより、前記のように衝突エネルギーが緩和される。
【0004】
一方、この種のフェンダー取付構造においては、フェンダーパネルの形状や、そのフェンダーパネルを取り付けるための車体フレームの構造等に応じて、車体のフレームに対するブラケットの取付方向を適宜に設定する必要がある。図13は、脚部233が左右方向に開くようにブラケット231が車体のフレーム235に対して固定された例を示す。すなわち、この図13に示すように、支持板部232と一対の脚部233と一対の基板部234とにより、全体として門形をなすように形成されたブラケット131が、両脚部233を車体の左右方向に配置した状態で、両基板部234において車体のフレーム235上に溶着固定される。この状態で、ブラケット231の支持板部232上に前下がりに傾斜されたフェンダーパネル(図示しない)がボルト及びナットにより締め付け固定される。なお、図13に示されたブラケット231の両脚部233は、その上下方向中間部のそれぞれ一箇所に折曲線L3a,L3bを有している。
【特許文献1】特開2007−45176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図13に示す従来のフェンダーパネル支持用ブラケット231において、フェンダーパネルが車体のフレーム235に対して、前下がりの傾斜状態で取り付けられるため、ブラケット231の支持板部232も前下がりの傾斜状態に形成されている。この場合、図13及び図14の展開図に示すように、少なくとも一つの折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bが他の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bに対して傾斜した状態になる。このような構成では、脚部233がその折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bの部分において変形する場合、脚部233の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3b間の部分がそれぞれ異なる方向に移動しようとする。このため、折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bが形成されていても、脚部233には捩れ力が作用してこの脚部233は変形し難くなる。従って、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合、衝突エネルギーの吸収効果が低下するという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、車両と歩行者との衝突にともなって、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合、脚部を適切に変形させることができて、衝突エネルギーの吸収効果を高めることができるフェンダーパネル支持用ブラケット及び車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、フェンダーパネル支持用ブラケットに関する発明は、支持板部と、その支持板部の両側に第1折曲線を介して折曲された一対の脚部と、その両脚部の先端に第2折曲線を介して折曲された基板部とを備え、その基板部において車体のフレームに固定されるとともに、前記支持板部においてフェンダーパネルをその裏面側から支持するようにしたフェンダーパネル支持用ブラケットにおいて、前記両脚部には前記第1,第2折曲線間において幅方向に延びる第3折曲線により折曲部を形成し、前記第1〜第3の各折曲線を脚部から離間した集束点に向かって集束する延長線上に配置したことを特徴とする。
【0008】
従って、このブラケットを用いて、フェンダーパネルを車体のフレーム上に取り付けた状態で、車両と歩行者との衝突により、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合には、ブラケットの両脚部の折曲部が捩れを生じることなく、上部折曲線と下部折曲線との集束点の延長線上にある中間折曲線に沿って容易に変形される。よって、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0009】
前記の構成において、前記第3折曲線を、第1折曲線と第2折曲線とのなす角度の等分の角度位置に形成するとよい。このように構成した場合には、両脚部の折曲部を、上部折曲線と下部折曲線との等分角度位置にある中間折曲線に沿って適切に変形させることができる。
【0010】
前記の構成において、両脚部の第1〜第3折曲線をそれぞれ異なる集束点に向かう延長線上に配置するとともに、両集束点とそれと対応する脚部との間の距離を相違させることが好ましい。このようにすると、両脚部に対して荷重が作用した場合、両脚部は時間差をもって変形する。従って、ブラケットが吸収する荷重は除々に高くなり、衝撃吸収機能を高めることができる。
【0011】
前記の構成において、前記支持板部を前記両脚部の開く方向と直角をなす方向の前方へ向かって下降傾斜させれば、前下がりのフェンダーパネルを支持できる。
前記の構成において、前記両脚部の基板部を両脚部の開く方向と直角をなす方向において位置を相違させて、両脚部を互い違いに形成するとよい。このようにすれば、両脚部が変形しやすくなり、衝撃吸収機能が向上する。
【0012】
車体構造に関する発明においては、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部にフェンダーパネルの裏面を支持したことを特徴とする。
【0013】
車体構造に関する他の発明においては、請求項4または5に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部に前方に向かって下降傾斜されたフェンダーパネルの裏面を支持するために、フェンダーパネル支持用ブラケットをその支持板部が同方向に傾斜するように配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明によれば、車両と歩行者との衝突にともなって、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合、脚部を捩れが生じることなく適切に変形させることができて、衝突エネルギーの吸収効果を高めることができるという効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、この発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1及び図3に示すように、車体の前部の左右において前後方向に延びるリンフォースメント等のフレーム11上には、複数の金属製のフェンダーパネル支持用ブラケット(以下、単にブラケットという)12が前後方向に所定間隔をおいて固定されている。ブラケット12上には左右のフェンダーパネル13が、その内側縁に突出形成された複数の取付板部13aの裏面において接合されて、ボルト14及びナット15により締め付け固定されている。このブラケット12は、高さの異なったほぼ門形の相似形状をなすように形成されている。そして、これらのブラケット12を介して、上部が前下がりの傾斜形状をなすフェンダーパネル13がフレーム11に支持される。
【0016】
図1〜図3に示すように、前記各ブラケット12は、取付状態において前下がり状態に傾斜する支持板部18と、その支持板部18の両側下方に第1折曲線としての上部折曲線L1a,L1bを介して折曲形成された一対の脚部19と、両脚部19の下端外側方に第2折曲線としての下部折曲線L2a,L2bを介して折曲形成された一対の基板部20とを備えている。そして、各ブラケット12の両脚部19が車両の左右方向に開いた状態で、両基板部20が車体のフレーム11上に溶着により固定されている。従って、前記支持板部18は、両脚部19の開く方向と直角をなす方向の前方に向かって下降傾斜している。
【0017】
図2及び図3に示すように、前記ブラケット12の支持板部18には、ボルト挿通孔21が形成されている。そのボルト挿通孔21と対応するように、支持板部18の下面には前記ナット15が溶接により固定されている。そして、ブラケット12の支持板部18上にフェンダーパネル13の取付板部13aを載置した状態で、その取付板部13a上からそのボルト挿通孔13c及び支持板部18のボルト挿通孔21を介してナット15にボルト14を螺合することにより、フェンダーパネル13の上部が前下がり状態でブラケット12上に固定されている。
【0018】
図2及び図4に示すように、前記ブラケット12における支持板部18と両脚部19との間の上部折曲線L1a,L1bは、両脚部19と両基板部20との間の下部折曲線L2a,L2bに対して、図4に示すブラケット12の展開状態において車両前方側の集束点P1,P2を中心に所定角度θa,θbで傾斜するように形成されている。
【0019】
図2及び図4に示すように、前記ブラケット12の両脚部19には、幅方向に延びる第3折曲線としての中間折曲線L3a,L3bにより、外面側を凸状にした折曲部22が形成されている。各折曲部22の中間折曲線L3a,L3bは、図4に示す展開状態において前記上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとの集束点P1,P2に向かう延長線上に位置するように形成されている。さらに、それら中間折曲線L3a,L3bは、前記の展開状態において上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとのなす角度θa,θbの等分角度位置、すなわち実施形態では角度θa/2,θb/2の位置に形成されている。前記集束点P1,P2は、それらとそれぞれ対応する脚部19との各距離が異なり、従って、左右の脚部19の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bはそれぞれ集束点P1,P2までの長さが相違するように形成されている。
【0020】
次に、前記のように構成されたフェンダーパネル支持用ブラケットの作用を説明する。
さて、このブラケット12を用いて、フェンダーパネル13を車体のフレーム11上に取り付けた車両において、歩行者との衝突にともないフェンダーパネル13に斜め前方等から荷重が加わった場合には、ブラケット12の両脚部19が主として折曲部22において変形されて、ブラケット12全体が圧縮方向(座屈方向)に変形され、衝突エネルギーが吸収される。この場合、両脚部19の折曲部22の中間折曲線L3a,L3bが、上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとの集束点P1,P2に向かう延長線上に形成されている。このため、両脚部19の折曲部22が集束点P1,P2を中心にして中間折曲線L3a,L3bに沿って、捩れを生じることなく変形される。よって、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。なお、ブラケット12を図4に示す展開状態から図1〜図3に示す立体形状にした場合、各折曲線L1a〜L3a、L1b〜L3bが集束点P1,P2に向かう延長線上からわずかに外れることがある。しかし、もともと各折曲線L1a〜L3a、L1b〜L3bは集束点P1,P2に向かう延長線上に形成されていたものであるため、衝突エネルギーの吸収においては問題ない。
【0021】
また、この実施形態のブラケット12においては、両脚部19の中間折曲線L3a,L3bが、上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとのなす角度θa,θbの等分の角度位置に形成されている。よって、両脚部19の折曲部22を、中間折曲線L3a,L3bに沿って、適切に変形させることができる。
【0022】
以上のように、この第1実施形態においては、以下の効果がある。
(1) 両脚部19の折曲部22が集束点P1,P2の延長線上にある中間折曲線L3a,L3bに沿って、捩れを生じることなく変形され、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0023】
(2) 両脚部19の折曲部22を、上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとの等分の角度位置にある中間折曲線L3a,L3bに沿って、適切に変形させることができる。
【0024】
(3) 前述した効果を得るための構成は、中間折曲線L3a,L3bを所要の角度に設定しただけであるため、部品点数が増えることはなく、構成が簡単である。
(4) 左右の脚部19の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bはそれぞれ集束点P1,P2までの長さが相違する。このため、フェンダーパネル13から両脚部19に対して荷重が作用した場合、両脚部19は時間差をもって変形する。従って、フェンダーパネル13に衝突荷重が作用した場合、ブラケット12が吸収する荷重は除々に高くなる。従って、衝撃吸収機能を高めることができる。
【0025】
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態及び変更例においては、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0026】
第2実施形態においては、図5に示すように、中間折曲線L3a,L3bにより形成された折曲部22が、外面側が凹状なるように形成されている。従って、この第2実施形態は、第1実施形態の記載の効果に加えて、以下の効果がある。
【0027】
(5) 折曲部22が外面凹状に形成されているため、ブラケット12全体の外形形状がコンパクトになる。
(第3実施形態)
第3実施形態においては、図6に示すように、中間折曲線L3a,L3bにより形成された左右いずれか一方の折曲部22が、外面側が凹状なるように形成され、他方の折曲部22は内面側が凹状なるように形成されている。従って、この第3実施形態は、第1実施形態の記載の効果に加えて、以下の効果がある。
【0028】
(6) 両脚部19が変形する場合、それらの変形方向が同一方向となるため、ブラケット12の変形に方向性を持たせることができる。従って、衝撃荷重を受けたフェンダーパネル13の移動方向に方向性を持たせることができ、衝突エネルギーの効果的な緩和を達成することが可能となる。
【0029】
(第4実施形態)
第4実施形態においては、図7及び図8に示すように、両脚部19にそれぞれ2箇所に第3折曲線としての2本の中間折曲線L3a,L3b、L4a,L4bが形成されている。そして、それらの中間折曲線L3a,L3b、L4a,L4bはそれぞれ集束点P1,P2に向かって集束されている。
【0030】
従って、この第4実施形態においては、前記第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態においては、図9及び図10に示すように、ブラケット12が左右対称形状に形成され、両脚部19の各折曲線L1a〜L3a、L1b〜L3bの集束点P1,P2がそれぞれ両脚部19に対して等距離の位置に設定されている。従って、この第5実施形態においては、前記第1実施形態における(4)以外の効果と同様な効果を得ることができる。
【0031】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ ブラケット12の両脚部19に、3本以上の複数本の中間折曲線(第3折曲線)により、3箇所以上の箇所に折曲部22を形成すること。
【0032】
・ ブラケット12の両脚部19が前後方向に開くように、ブラケット12の取付方向を前記各実施形態の位置から90度変更すること。つまり、両脚部19が前後方向に並設されるようにすること。
【0033】
・ ブラケット12をフェンダーパネル13の起立部(車両の側面)の裏面とフレーム11の側面との間に取り付けること。すなわち、ブラケット12を横向きに取り付けること。
【0034】
・ フェンダーパネル13の一部を前記ブラケット12を介してフレーム11に固定するとともに、フェンダーパネル13の他の部分をブラケット12を用いることなく、フレーム11に直接固定すること。
【0035】
・ 図3に2点鎖線で示すように、脚部19の下端の基板部20を前記各実施形態とは逆に脚部19の内側に向かって折り曲げること。
・ フェンダーパネル13を支持するための支持板部18を水平に形成すること。
【0036】
・ 両脚部19の全ての折曲線を一つの点に向かって集束する延長線上に配置すること。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態のフェンダーパネル支持用ブラケットを用いたフェンダー取付構造を示す要部斜視図。
【図2】図1のフェンダーパネル支持用ブラケットを拡大して示す斜視図。
【図3】図1のフェンダー取付構造を拡大して示す部分断面図。
【図4】同フェンダーパネル支持用ブラケットを展開して示す平面図。
【図5】第2実施形態を示す断面図。
【図6】第3実施形態を示す断面図。
【図7】第4実施形態を示す断面図。
【図8】同じく第4実施形態を示す展開図。
【図9】第5実施形態を示す斜視図。
【図10】同じく第5実施形態を示す展開図。
【図11】従来のフェンダーパネル支持用ブラケットを示す斜視図。
【図12】同じく側面図。
【図13】別の従来のフェンダーパネル支持用ブラケットを示す斜視図。
【図14】同じく展開図。
【符号の説明】
【0038】
11…車体のフレーム、12…フェンダーパネル支持用ブラケット、13…フェンダーパネル、18…支持板部、19…脚部、20…基板部、22…折曲部、L1a,L1b…第1折曲部としての上部折曲線、L2a,L2b…第2折曲部としての下部折曲線、L3a,L3b…第3折曲部としての中間折曲線、L4a,L4b…第3折曲部としての中間折曲線、P1,P2…集束点、θa,θb…角度。
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の車体のフレーム上にフェンダーパネルを取り付けるためのフェンダーパネル支持用ブラケット及びそのフェンダーパネル支持用ブラケットを用いた車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フェンダーパネルが歩行者(自転車等の搭乗者を含む)に対する保護機能を備えるように、車体のフレームとフェンダーパネルとの間に変形可能なフェンダーパネル支持用ブラケットを配置した構成が提案されている。歩行者がフェンダーパネルに衝突した場合は、前記フェンダーパネル支持用ブラケットが変形することにより衝撃が緩和される。そして、この種のフェンダーパネル支持用ブラケットの一例が特許文献1に開示されている。図11及び図12に示すように、この特許文献1のブラケット131は、フェンダーパネル136を支持するための支持板部132と、その支持板部132の両側下方に上部折曲線L1aを介して折曲形成された一対の脚部133と、車体のフレーム135上に固定するために、両脚部133の下端外側方に下部折曲線L2bを介して折曲形成された一対の基板部134とを備え、全体として門形をなすように構成されている。一方の脚部133には幅方向に延びる中間折曲線L3a,L4aにより、折曲部が形成されている。
【0003】
前記のように構成された複数のブラケット131が、車体のフレーム135上に所定間隔をおいて固定されている。この場合、特許文献1においては、各ブラケット131の両脚部133が車両の前後方向に開いて配置されるように、両基板部134が前記フレーム135上に溶着固定されている。この状態で、各ブラケット131の支持板部132にフェンダーパネル136が、ボルト145及びナット146によって取り付けられている。そして、車両と歩行者との衝突に際して、フェンダーパネル136に上部前方等から衝撃が加わった場合、ブラケット131の脚部133が折曲部において変形することにより、前記のように衝突エネルギーが緩和される。
【0004】
一方、この種のフェンダー取付構造においては、フェンダーパネルの形状や、そのフェンダーパネルを取り付けるための車体フレームの構造等に応じて、車体のフレームに対するブラケットの取付方向を適宜に設定する必要がある。図13は、脚部233が左右方向に開くようにブラケット231が車体のフレーム235に対して固定された例を示す。すなわち、この図13に示すように、支持板部232と一対の脚部233と一対の基板部234とにより、全体として門形をなすように形成されたブラケット131が、両脚部233を車体の左右方向に配置した状態で、両基板部234において車体のフレーム235上に溶着固定される。この状態で、ブラケット231の支持板部232上に前下がりに傾斜されたフェンダーパネル(図示しない)がボルト及びナットにより締め付け固定される。なお、図13に示されたブラケット231の両脚部233は、その上下方向中間部のそれぞれ一箇所に折曲線L3a,L3bを有している。
【特許文献1】特開2007−45176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図13に示す従来のフェンダーパネル支持用ブラケット231において、フェンダーパネルが車体のフレーム235に対して、前下がりの傾斜状態で取り付けられるため、ブラケット231の支持板部232も前下がりの傾斜状態に形成されている。この場合、図13及び図14の展開図に示すように、少なくとも一つの折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bが他の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bに対して傾斜した状態になる。このような構成では、脚部233がその折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bの部分において変形する場合、脚部233の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3b間の部分がそれぞれ異なる方向に移動しようとする。このため、折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bが形成されていても、脚部233には捩れ力が作用してこの脚部233は変形し難くなる。従って、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合、衝突エネルギーの吸収効果が低下するという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、車両と歩行者との衝突にともなって、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合、脚部を適切に変形させることができて、衝突エネルギーの吸収効果を高めることができるフェンダーパネル支持用ブラケット及び車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、フェンダーパネル支持用ブラケットに関する発明は、支持板部と、その支持板部の両側に第1折曲線を介して折曲された一対の脚部と、その両脚部の先端に第2折曲線を介して折曲された基板部とを備え、その基板部において車体のフレームに固定されるとともに、前記支持板部においてフェンダーパネルをその裏面側から支持するようにしたフェンダーパネル支持用ブラケットにおいて、前記両脚部には前記第1,第2折曲線間において幅方向に延びる第3折曲線により折曲部を形成し、前記第1〜第3の各折曲線を脚部から離間した集束点に向かって集束する延長線上に配置したことを特徴とする。
【0008】
従って、このブラケットを用いて、フェンダーパネルを車体のフレーム上に取り付けた状態で、車両と歩行者との衝突により、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合には、ブラケットの両脚部の折曲部が捩れを生じることなく、上部折曲線と下部折曲線との集束点の延長線上にある中間折曲線に沿って容易に変形される。よって、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0009】
前記の構成において、前記第3折曲線を、第1折曲線と第2折曲線とのなす角度の等分の角度位置に形成するとよい。このように構成した場合には、両脚部の折曲部を、上部折曲線と下部折曲線との等分角度位置にある中間折曲線に沿って適切に変形させることができる。
【0010】
前記の構成において、両脚部の第1〜第3折曲線をそれぞれ異なる集束点に向かう延長線上に配置するとともに、両集束点とそれと対応する脚部との間の距離を相違させることが好ましい。このようにすると、両脚部に対して荷重が作用した場合、両脚部は時間差をもって変形する。従って、ブラケットが吸収する荷重は除々に高くなり、衝撃吸収機能を高めることができる。
【0011】
前記の構成において、前記支持板部を前記両脚部の開く方向と直角をなす方向の前方へ向かって下降傾斜させれば、前下がりのフェンダーパネルを支持できる。
前記の構成において、前記両脚部の基板部を両脚部の開く方向と直角をなす方向において位置を相違させて、両脚部を互い違いに形成するとよい。このようにすれば、両脚部が変形しやすくなり、衝撃吸収機能が向上する。
【0012】
車体構造に関する発明においては、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部にフェンダーパネルの裏面を支持したことを特徴とする。
【0013】
車体構造に関する他の発明においては、請求項4または5に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部に前方に向かって下降傾斜されたフェンダーパネルの裏面を支持するために、フェンダーパネル支持用ブラケットをその支持板部が同方向に傾斜するように配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明によれば、車両と歩行者との衝突にともなって、フェンダーパネルに衝撃が加わった場合、脚部を捩れが生じることなく適切に変形させることができて、衝突エネルギーの吸収効果を高めることができるという効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、この発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1及び図3に示すように、車体の前部の左右において前後方向に延びるリンフォースメント等のフレーム11上には、複数の金属製のフェンダーパネル支持用ブラケット(以下、単にブラケットという)12が前後方向に所定間隔をおいて固定されている。ブラケット12上には左右のフェンダーパネル13が、その内側縁に突出形成された複数の取付板部13aの裏面において接合されて、ボルト14及びナット15により締め付け固定されている。このブラケット12は、高さの異なったほぼ門形の相似形状をなすように形成されている。そして、これらのブラケット12を介して、上部が前下がりの傾斜形状をなすフェンダーパネル13がフレーム11に支持される。
【0016】
図1〜図3に示すように、前記各ブラケット12は、取付状態において前下がり状態に傾斜する支持板部18と、その支持板部18の両側下方に第1折曲線としての上部折曲線L1a,L1bを介して折曲形成された一対の脚部19と、両脚部19の下端外側方に第2折曲線としての下部折曲線L2a,L2bを介して折曲形成された一対の基板部20とを備えている。そして、各ブラケット12の両脚部19が車両の左右方向に開いた状態で、両基板部20が車体のフレーム11上に溶着により固定されている。従って、前記支持板部18は、両脚部19の開く方向と直角をなす方向の前方に向かって下降傾斜している。
【0017】
図2及び図3に示すように、前記ブラケット12の支持板部18には、ボルト挿通孔21が形成されている。そのボルト挿通孔21と対応するように、支持板部18の下面には前記ナット15が溶接により固定されている。そして、ブラケット12の支持板部18上にフェンダーパネル13の取付板部13aを載置した状態で、その取付板部13a上からそのボルト挿通孔13c及び支持板部18のボルト挿通孔21を介してナット15にボルト14を螺合することにより、フェンダーパネル13の上部が前下がり状態でブラケット12上に固定されている。
【0018】
図2及び図4に示すように、前記ブラケット12における支持板部18と両脚部19との間の上部折曲線L1a,L1bは、両脚部19と両基板部20との間の下部折曲線L2a,L2bに対して、図4に示すブラケット12の展開状態において車両前方側の集束点P1,P2を中心に所定角度θa,θbで傾斜するように形成されている。
【0019】
図2及び図4に示すように、前記ブラケット12の両脚部19には、幅方向に延びる第3折曲線としての中間折曲線L3a,L3bにより、外面側を凸状にした折曲部22が形成されている。各折曲部22の中間折曲線L3a,L3bは、図4に示す展開状態において前記上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとの集束点P1,P2に向かう延長線上に位置するように形成されている。さらに、それら中間折曲線L3a,L3bは、前記の展開状態において上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとのなす角度θa,θbの等分角度位置、すなわち実施形態では角度θa/2,θb/2の位置に形成されている。前記集束点P1,P2は、それらとそれぞれ対応する脚部19との各距離が異なり、従って、左右の脚部19の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bはそれぞれ集束点P1,P2までの長さが相違するように形成されている。
【0020】
次に、前記のように構成されたフェンダーパネル支持用ブラケットの作用を説明する。
さて、このブラケット12を用いて、フェンダーパネル13を車体のフレーム11上に取り付けた車両において、歩行者との衝突にともないフェンダーパネル13に斜め前方等から荷重が加わった場合には、ブラケット12の両脚部19が主として折曲部22において変形されて、ブラケット12全体が圧縮方向(座屈方向)に変形され、衝突エネルギーが吸収される。この場合、両脚部19の折曲部22の中間折曲線L3a,L3bが、上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとの集束点P1,P2に向かう延長線上に形成されている。このため、両脚部19の折曲部22が集束点P1,P2を中心にして中間折曲線L3a,L3bに沿って、捩れを生じることなく変形される。よって、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。なお、ブラケット12を図4に示す展開状態から図1〜図3に示す立体形状にした場合、各折曲線L1a〜L3a、L1b〜L3bが集束点P1,P2に向かう延長線上からわずかに外れることがある。しかし、もともと各折曲線L1a〜L3a、L1b〜L3bは集束点P1,P2に向かう延長線上に形成されていたものであるため、衝突エネルギーの吸収においては問題ない。
【0021】
また、この実施形態のブラケット12においては、両脚部19の中間折曲線L3a,L3bが、上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとのなす角度θa,θbの等分の角度位置に形成されている。よって、両脚部19の折曲部22を、中間折曲線L3a,L3bに沿って、適切に変形させることができる。
【0022】
以上のように、この第1実施形態においては、以下の効果がある。
(1) 両脚部19の折曲部22が集束点P1,P2の延長線上にある中間折曲線L3a,L3bに沿って、捩れを生じることなく変形され、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0023】
(2) 両脚部19の折曲部22を、上部折曲線L1a,L1bと下部折曲線L2a,L2bとの等分の角度位置にある中間折曲線L3a,L3bに沿って、適切に変形させることができる。
【0024】
(3) 前述した効果を得るための構成は、中間折曲線L3a,L3bを所要の角度に設定しただけであるため、部品点数が増えることはなく、構成が簡単である。
(4) 左右の脚部19の折曲線L1a〜L3a,L1b〜L3bはそれぞれ集束点P1,P2までの長さが相違する。このため、フェンダーパネル13から両脚部19に対して荷重が作用した場合、両脚部19は時間差をもって変形する。従って、フェンダーパネル13に衝突荷重が作用した場合、ブラケット12が吸収する荷重は除々に高くなる。従って、衝撃吸収機能を高めることができる。
【0025】
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態及び変更例においては、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0026】
第2実施形態においては、図5に示すように、中間折曲線L3a,L3bにより形成された折曲部22が、外面側が凹状なるように形成されている。従って、この第2実施形態は、第1実施形態の記載の効果に加えて、以下の効果がある。
【0027】
(5) 折曲部22が外面凹状に形成されているため、ブラケット12全体の外形形状がコンパクトになる。
(第3実施形態)
第3実施形態においては、図6に示すように、中間折曲線L3a,L3bにより形成された左右いずれか一方の折曲部22が、外面側が凹状なるように形成され、他方の折曲部22は内面側が凹状なるように形成されている。従って、この第3実施形態は、第1実施形態の記載の効果に加えて、以下の効果がある。
【0028】
(6) 両脚部19が変形する場合、それらの変形方向が同一方向となるため、ブラケット12の変形に方向性を持たせることができる。従って、衝撃荷重を受けたフェンダーパネル13の移動方向に方向性を持たせることができ、衝突エネルギーの効果的な緩和を達成することが可能となる。
【0029】
(第4実施形態)
第4実施形態においては、図7及び図8に示すように、両脚部19にそれぞれ2箇所に第3折曲線としての2本の中間折曲線L3a,L3b、L4a,L4bが形成されている。そして、それらの中間折曲線L3a,L3b、L4a,L4bはそれぞれ集束点P1,P2に向かって集束されている。
【0030】
従って、この第4実施形態においては、前記第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態においては、図9及び図10に示すように、ブラケット12が左右対称形状に形成され、両脚部19の各折曲線L1a〜L3a、L1b〜L3bの集束点P1,P2がそれぞれ両脚部19に対して等距離の位置に設定されている。従って、この第5実施形態においては、前記第1実施形態における(4)以外の効果と同様な効果を得ることができる。
【0031】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ ブラケット12の両脚部19に、3本以上の複数本の中間折曲線(第3折曲線)により、3箇所以上の箇所に折曲部22を形成すること。
【0032】
・ ブラケット12の両脚部19が前後方向に開くように、ブラケット12の取付方向を前記各実施形態の位置から90度変更すること。つまり、両脚部19が前後方向に並設されるようにすること。
【0033】
・ ブラケット12をフェンダーパネル13の起立部(車両の側面)の裏面とフレーム11の側面との間に取り付けること。すなわち、ブラケット12を横向きに取り付けること。
【0034】
・ フェンダーパネル13の一部を前記ブラケット12を介してフレーム11に固定するとともに、フェンダーパネル13の他の部分をブラケット12を用いることなく、フレーム11に直接固定すること。
【0035】
・ 図3に2点鎖線で示すように、脚部19の下端の基板部20を前記各実施形態とは逆に脚部19の内側に向かって折り曲げること。
・ フェンダーパネル13を支持するための支持板部18を水平に形成すること。
【0036】
・ 両脚部19の全ての折曲線を一つの点に向かって集束する延長線上に配置すること。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態のフェンダーパネル支持用ブラケットを用いたフェンダー取付構造を示す要部斜視図。
【図2】図1のフェンダーパネル支持用ブラケットを拡大して示す斜視図。
【図3】図1のフェンダー取付構造を拡大して示す部分断面図。
【図4】同フェンダーパネル支持用ブラケットを展開して示す平面図。
【図5】第2実施形態を示す断面図。
【図6】第3実施形態を示す断面図。
【図7】第4実施形態を示す断面図。
【図8】同じく第4実施形態を示す展開図。
【図9】第5実施形態を示す斜視図。
【図10】同じく第5実施形態を示す展開図。
【図11】従来のフェンダーパネル支持用ブラケットを示す斜視図。
【図12】同じく側面図。
【図13】別の従来のフェンダーパネル支持用ブラケットを示す斜視図。
【図14】同じく展開図。
【符号の説明】
【0038】
11…車体のフレーム、12…フェンダーパネル支持用ブラケット、13…フェンダーパネル、18…支持板部、19…脚部、20…基板部、22…折曲部、L1a,L1b…第1折曲部としての上部折曲線、L2a,L2b…第2折曲部としての下部折曲線、L3a,L3b…第3折曲部としての中間折曲線、L4a,L4b…第3折曲部としての中間折曲線、P1,P2…集束点、θa,θb…角度。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持板部と、その支持板部の両側に第1折曲線を介して折曲された一対の脚部と、その両脚部の先端に第2折曲線を介して折曲された基板部とを備え、その基板部において車体のフレームに固定されるとともに、前記支持板部においてフェンダーパネルをその裏面側から支持するようにしたフェンダーパネル支持用ブラケットにおいて、
前記両脚部には前記第1,第2折曲線間において幅方向に延びる第3折曲線により折曲部を形成し、前記第1〜第3の各折曲線を脚部から離間した集束点に向かって集束する延長線上に配置したことを特徴とするフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項2】
前記第3折曲線を、第1折曲線と第2折曲線とのなす角度の等分の角度位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項3】
両脚部の第1〜第3折曲線をそれぞれ異なる集束点に向かう延長線上に配置するとともに、両集束点とそれと対応する脚部との間の距離を相違させたことを特徴とする請求項1または2に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項4】
前記支持板部を前記両脚部の開く方向と直角をなす方向の前方へ向かって下降傾斜させたことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項5】
前記両脚部の基板部を両脚部の開く方向と直角をなす方向において位置を相違させて、両脚部を互い違いに形成したことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部にフェンダーパネルの裏面を支持したことを特徴とする車体構造。
【請求項7】
請求項4または5に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部に前方に向かって下降傾斜されたフェンダーパネルの裏面を支持するために、フェンダーパネル支持用ブラケットをその支持板部が同方向に傾斜するように配置したことを特徴とする車体構造。
【請求項1】
支持板部と、その支持板部の両側に第1折曲線を介して折曲された一対の脚部と、その両脚部の先端に第2折曲線を介して折曲された基板部とを備え、その基板部において車体のフレームに固定されるとともに、前記支持板部においてフェンダーパネルをその裏面側から支持するようにしたフェンダーパネル支持用ブラケットにおいて、
前記両脚部には前記第1,第2折曲線間において幅方向に延びる第3折曲線により折曲部を形成し、前記第1〜第3の各折曲線を脚部から離間した集束点に向かって集束する延長線上に配置したことを特徴とするフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項2】
前記第3折曲線を、第1折曲線と第2折曲線とのなす角度の等分の角度位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項3】
両脚部の第1〜第3折曲線をそれぞれ異なる集束点に向かう延長線上に配置するとともに、両集束点とそれと対応する脚部との間の距離を相違させたことを特徴とする請求項1または2に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項4】
前記支持板部を前記両脚部の開く方向と直角をなす方向の前方へ向かって下降傾斜させたことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項5】
前記両脚部の基板部を両脚部の開く方向と直角をなす方向において位置を相違させて、両脚部を互い違いに形成したことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケット。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部にフェンダーパネルの裏面を支持したことを特徴とする車体構造。
【請求項7】
請求項4または5に記載のフェンダーパネル支持用ブラケットを基板部において車体のフレーム上に固定し、支持板部に前方に向かって下降傾斜されたフェンダーパネルの裏面を支持するために、フェンダーパネル支持用ブラケットをその支持板部が同方向に傾斜するように配置したことを特徴とする車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−190565(P2009−190565A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33393(P2008−33393)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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