説明

フェーズドアレイレーダ装置およびこれを備えた車両

【課題】1台のフェーズドアレイアンテナによって方位角方向だけでなく仰角方向の捜索ないし追尾が可能とされたフェーズドアレイレーダ装置を提供する。
【解決手段】複数の素子アンテナが平面上に並べられて配置され、各素子アンテナから送受信される電波の位相量を変化させて所望方向の目標物を捜索ないし追尾する1台のフェーズドアレイアンテナ本体7と、方位角方向および仰角方向にフェーズドアレイアンテナ本体7の姿勢を制御する姿勢制御手段9とを備えている。姿勢制御手段9は、鉛直軸線V回りに回転する回転台14と、下端が回転台14に対して第1水平軸線H1回りに回動自由に接続されると共に、他端がフェーズドアレイアンテナ本体7に対して第2水平軸線H2回りに回動自由に接続されたリンク16とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェーズドアレイレーダ装置およびこれを備えた車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば上空を飛行する目標物を捜索し追尾するために、フェーズドアレイレーダ装置が用いられる。フェーズドアレイレーダ装置は、複数の素子アンテナを備え、各素子アンテナから送受信される電波の位相量を変化させて所望方向にビームを発し、目標物を捜索し追尾する。
このようなフェーズドアレイレーダ装置は、特許文献1に開示されている。同文献に記載のフェーズドアレイレーダ装置は、1台のフェーズドアレイアンテナを方位角方向に駆動させることによって、あらゆる方位角方向の捜索ないし追尾が可能となっている。また、同文献の図4に示されているように、平面状のフェーズドアレイアンテナを2台用い、これら2台のフェーズドアレイアンテナの頂部同士を接続して山形状とすることによって、天頂方向を通過する目標物に対しても捜索ないし追尾が可能とされたフェーズドアレイレーダ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−97758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示されたフェーズドアレイレーダ装置は、1台のフェーズドアレイアンテナを方位角方向に駆動させるだけであり、仰角方向には駆動させるようになっていない。したがって、1台のフェーズドアレイアンテナのみでは天頂方向を通過する目標物を捜索ないし追尾することができない。天頂方向を通過する目標物を捜索ないし追尾する場合には、山形状に接続した2台のフェーズドアレイアンテナを用いることが開示されているが、フェーズドアレイアンテナを2台用いることが前提となっており、これでは装置の重量が増大してしまい、車両に搭載することが困難となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、1台のフェーズドアレイアンテナによって方位角方向だけでなく仰角方向の捜索ないし追尾が可能とされたフェーズドアレイレーダ装置およびこれを備えた車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のフェーズドアレイレーダ装置およびこれを備えた車両は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるフェーズドアレイレーダ装置は、複数の素子アンテナが平面上に並べられて配置され、前記各素子アンテナから送受信される電波の位相量を変化させて所望方向の目標物を捜索ないし追尾する1台のフェーズドアレイアンテナ本体と、方位角方向および仰角方向に前記フェーズドアレイアンテナ本体の姿勢を制御する姿勢制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
方位角方向だけでなく仰角方向にもフェーズドアレイアンテナ本体の姿勢を制御できるので、あらゆる方位角方向に対して、鉛直方向(天頂方向)も含めた高仰角から低仰角まで対処することができる。このように、フェーズドアレイアンテナ本体を複数設ける必要が無く、1台のみで目標物を捜索ないし追尾することができる。
【0008】
さらに、本発明のフェーズドアレイレーダ装置の前記姿勢制御手段は、鉛直軸線回りに回転する回転台と、該回転台を鉛直軸線回りに回転させる回転台回転駆動部と、一端が前記回転台に対して水平軸線回りに回動自由に接続されるとともに、他端が前記フェーズドアレイアンテナ本体に接続されたリンクと、前記リンクの前記一端を回動中心として、該リンクの他端が前記回転台に対して接近離間するように、該リンクを駆動するリンク駆動部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記リンクの前記他端が前記フェーズドアレイアンテナ本体に対して水平軸線回りに回動自由に接続され、前記フェーズドアレイアンテナ本体を前記リンクの前記他端の水平軸線回りに回動させるアンテナ本体回動駆動部を備えていても良い。
【0010】
回転台駆動部によって、回転台が鉛直軸線回りに回転するので、フェーズドアレイアンテナ本体を方位角方向に姿勢制御することができる。リンク駆動部によって、リンクの一端を回動中心としてリンクを回動するので、リンクの他端に接続されたフェーズドアレイアンテナ本体を仰角方向に姿勢制御することができる。
さらに、アンテナ本体回動駆動部を備えている場合には、フェーズドアレイアンテナ本体をリンクの他端回りに回動するので、フェーズドアレイアンテナ本体を仰角方向に姿勢制御することができる。
また、リンク駆動部によって、リンクの一端を回動中心としてリンクの他端を回転台に対して接近離間するようにリンクを駆動するので、フェーズドアレイアンテナ本体の高さ位置を調節することができる。これにより、目標物の位置に応じてフェーズドアレイアンテナ本体を適切な姿勢に位置決めすることができる。
また、リンクの一端を回動中心として、リンクの他端が回転台に対して接近離間するように、リンクを駆動することにより、フェーズドアレイアンテナ本体の高さ位置を調整することができるため、フェーズドアレイレーダ装置の移動時にはフェーズドアレイアンテナ本体をたたみ、収容することができる。
なお、フェーズドアレイアンテナ本体に接続されるリンクの他端は、回動させずに固定する構成としても良いし、回動させる構成としても良い。
【0011】
さらに、本発明のフェーズドアレイレーダ装置の前記姿勢制御手段は、鉛直軸線方向に立設すると共に該鉛直軸線回りに回転する支柱と、該支柱を鉛直軸線回りに回転させる支柱回転駆動部と、前記支柱の上端にて前記フェーズドアレイアンテナ本体が少なくとも仰角方向に回動するアンテナ本体回動駆動部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
支柱回転駆動部によって、支柱が鉛直軸線回りに回転するので、フェーズドアレイアンテナ本体を方位角方向に姿勢制御することができる。アンテナ本体回動駆動部によって、フェーズドアレイアンテナ本体を少なくとも仰角方向に回動するので、フェーズドアレイアンテナ本体を仰角方向に姿勢制御することができる。
なお、アンテナ本体回動駆動部は、フェーズドアレイアンテナ本体を鉛直軸線回りに駆動する機能を備えても良く、これにより、フェーズドアレイアンテナ本体を方位角方向に姿勢制御しても良い。
また、支柱の下端は、水平軸線周りに回転自由に接続されても良く、これにより移動時にはフェーズドアレイアンテナ本体をたたみ、収容可能としても良い。
【0013】
また、本発明の車両は、上述のいずれかに記載のフェーズドアレイレーダ装置を備えていることを特徴とする。
【0014】
上記のいずれかのフェーズドアレイレーダ装置は、方位角方向および仰角方向にフェーズドアレイアンテナ本体の姿勢を制御できるので、1台のみのフェーズドアレイアンテナ本体で足りる。したがって、フェーズドアレイレーダ装置を軽量化できるので、車両に装備させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、方位角方向だけでなく仰角方向にもフェーズドアレイアンテナ本体の姿勢を制御できるので、あらゆる方位に対して、鉛直方向も含めた高仰角から低仰角まで目標物を捜索ないし追尾することができる。
また、フェーズドアレイアンテナ本体を1台のみ用いるので、車両への搭載も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるフェーズドアレイレーダ装置を備えた車両であり、捜索時の状態を示した斜視図である。
【図2】図1のフェーズドアレイレーダ装置を備えた車両の追尾時の状態を示した斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかるフェーズドアレイレーダ装置を備えた車両を示した斜視図である。
【図4】図3の変形例にかかるフェーズドアレイレーダ装置を備えた車両を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2には、本発明の第1実施形態にかかるフェーズドアレイレーダ装置を備えた車両1が示されている。図1は目標物の捜索時の状態を示し、図2は目標物の追尾時の状態を示す。
車両1は、運転席が設けられたキャビン3と、キャビン3の後方に接続された荷台5とを備えている。
荷台5上には、フェーズドアレイレーダ装置が設けられている。フェーズドアレイレーダ装置は、フェーズドアレイアンテナ本体(以下、単に「アンテナ本体」という。)7と、アンテナ本体7の姿勢を制御する姿勢制御手段9とを備えている。
【0018】
アンテナ本体7は、平板形状とされた筐体10を有しており、この筐体10内に複数の素子アンテナ(図示せず)が平面上に並べられて配置されている。筐体10は、主面10aを表面(図1において上面)に有する形状とされている。
各素子アンテナは、図示しない信号制御部に接続されており、この信号制御部によって各素子アンテナから送受信される電波の位相量を変化させるようになっている。この位相量を適宜調整して主面10aから出射するビームを任意方向に走査することによって、目標物を捜索ないし追尾する。フェーズドアレイレーダの方式としては、各素子アンテナに位相変換器がそれぞれ設けられ、1つの電波送受信機から分配された電波を各素子アンテナに応じて位相を変化させるパッシブ式が好適に用いられる。もちろん、素子アンテナのそれぞれに電波送受信機が実装されているアクティブ式を用いても良い。
【0019】
姿勢制御手段9は、鉛直軸線V回りに回転する回転台14と、回転台14とアンテナ本体7とを接続するリンク16とを備えている。
回転台14は、荷台5上に設置され、図示しない回転台駆動部によって鉛直軸線V回りに回転させられるようになっている。
リンク16は、本実施形態では2つ設けられており、アンテナ本体7及び回転台14の両側辺のそれぞれに設けられている。各リンク16の下端(一端)は、回転台14の側辺の一端側に接続されており、第1水平軸線H1回りに回動自由となっている。各リンク16の上端(他端)は、アンテナ本体7の側辺の長手方向における略中央部に接続されており、第2水平軸線H2回りに回動自由となっている。
回転台14とアンテナ本体7との間には、図示しないが、リンク16の下端の第1水平軸線H1を回動中心としてリンク16の上端が回転台14に対して接近離間するようにリンク16を駆動するリンク駆動部が設けられている。
また、図示しないが、アンテナ本体7をリンク16の上端の第2水平軸線H2回りに回動させるアンテナ本体回動駆動部が設けられている。
上述した回転台駆動部、リンク駆動部、アンテナ本体回転駆動部は、姿勢制御部(図示せず)からの指令によって、例えば目標物の位置に応じて駆動される。
【0020】
フェーズドアレイレーダ装置は、目標物を捜索する捜索機能及び目標物を追尾する追尾機能を有している。捜索機能とは、フェーズドアレイレーダ装置が送信する電波の送信範囲を広げ、該電波を送信する方向を連続的に変化させることで、未だ検知されていない飛しょう体等の目標物を検知する機能である。一方、追尾機能とは、目標物を検知した後に、電波の送信方向を目標物の方向に定め、かつ電波の送信範囲を狭めて目標物の検知精度を高めることで、目標物を追跡する機能である。
【0021】
次に、上記構成のフェーズドアレイレーダ装置を備えた車両1の使用方法について説明する。
車両1は、目標物の捜索ないし追尾に適した位置まで自走し、停止する。この停止位置にて、目標物の捜索ないし追尾を行う。なお、車両1の移動時は、アンテナ本体7を下方へと移動させてたたみ、収容することが好ましい。
高高度の目標物の捜索動作時は、上空の天頂方向(鉛直方向)を含む広い範囲で捜索が要求されるので、図1に示すように、アンテナ本体7の主面10aを天頂方向に向けて略水平となるように位置決めする。アンテナ本体7の方位角方向は、回転台14を鉛直軸線V回りに回転することによって決定される。また、アンテナ本体7の仰角方向は、リンク駆動部によるリンク16の第1水平軸線H1回りの回動角度と、アンテナ本体回動駆動部によるアンテナ本体の水平軸線H2回りの回動角度によって決定される。
低高度の目標物の捜索動作時は、アンテナ本体7の主面10aが立ち上がった状態の姿勢で位置決めされる。
そして、信号制御部(図示せず)によって各素子アンテナから送受信される電波の位相量を変化させてビームを任意方向に走査することによって、目標物を捜索する。
【0022】
目標物がフェーズドアレイレーダ装置によって発見されると、次に追尾動作が行われる。追尾動作では、アンテナ本体7から発するビームによって目標物を補足し続けるように、各素子アンテナの位相量と、アンテナ本体7の姿勢が制御される。
図2に示すように、低仰角となった場合でも目標物を追尾できるように、アンテナ本体7の主面10aが立ち上がった状態の姿勢で位置決めされる。この追尾動作の場合も、アンテナ本体7の方位角方向は、回転台14を鉛直軸線V回りに回転することによって決定される。また、アンテナ本体7の仰角方向は、リンク駆動部によるリンク16の第1水平軸線H1回りの回動角度と、アンテナ本体回動駆動部によるアンテナ本体の水平軸線H2回りの回動角度によって決定される。追尾動作では、リンク駆動部によってリンク16を鉛直方向に立ち上がるように動作させ、かつ、アンテナ本体回動駆動部によってアンテナ本体7の主面10aが鉛直方向に沿うように動作させる。
【0023】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
方位角方向だけでなく仰角方向にもアンテナ本体7の姿勢を制御できるので、あらゆる方位角方向に対して、鉛直方向(天頂方向)も含めた高仰角から低仰角まで対処することができる。このように、アンテナ本体7を複数設ける必要が無く、1台のみで目標物を捜索ないし追尾することができる。
【0024】
回転台駆動部によって、回転台14が鉛直軸線V回りに回転するので、アンテナ本体7を方位角方向に姿勢制御することができる。また、アンテナ本体回動駆動部によって、アンテナ本体7をリンク16の上端の第2水平軸線H2回りに回動するので、アンテナ本体7を仰角方向に姿勢制御することができる。
【0025】
さらに、リンク駆動部によって、リンク16の下端の第1水平軸線H1を回動中心としてリンク16の上端を回転台14に対して接近離間するようにリンク16を駆動するので、アンテナ本体7の高さ位置を調節することができる。これにより、目標物の位置に応じてアンテナ本体7を適切な姿勢に位置決めすることができる。
【0026】
1台のみのアンテナ本体7で方位角方向および仰角方向に対処することとしたので、フェーズドアレイレーダ装置を軽量化でき、車両1に装備させることができる。
【0027】
なお、本実施形態では、アンテナ本体7がリンク16の上端にて回動自由とする構成としたが、アンテナ本体7をリンク16に対して回動しないように固定した構造としてもよい。このような構成であっても、リンク16の下端を回動させることによって、アンテナ本体16の主面10aの向きを高仰角から低仰角まで対応させることができる。
【0028】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図3を用いて説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、アンテナ本体7の姿勢制御手段の構成が異なり、その他は同様である。したがって、共通する構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の姿勢制御手段9’は、円板状とされた回転台14’(支柱回転駆動部)上に固定された支柱20を備えている。支柱20は、回転台14’の略中心に下端が固定され、鉛直軸線V方向に立設されている。回転台14’は、車両1の荷台5上に設置され、図示しない回転台駆動部によって鉛直軸線V回りに回転させられるようになっている。
支柱20の上端には、ボールジョイント22を介して、アンテナ本体7が接続されている。ボールジョイント22は、アンテナ本体7の略中心に接続されている。アンテナ本体7は、ボールジョイント22によって、支柱20に対して方位角方向および仰角方向に回動自由とされている。図示しないが、アンテナ本体7は、アンテナ本体回動駆動部によって、方位角方向および仰角方向に回動させられるようになっている。アンテナ本体回動駆動部は、姿勢制御部(図示せず)からの指令によって、例えば目標物の位置に応じて駆動される。
【0029】
本実施形態によれば、捜索時には、アンテナ本体回動駆動部によってボールジョイント22を介してアンテナ本体7の主面10aが略水平方向に向くように位置させる。追尾時には、アンテナ本体回動駆動部によってアンテナ本体7の主面10aが鉛直方向に立ち上がるように(図3の姿勢参照)位置させる。方位角方向については、回転台駆動部およびアンテナ本体回動駆動部によって制御される。
【0030】
以上の通り、本実施形態によれば、支柱回転駆動部によって、支柱20が鉛直軸線V回りに回転するので、アンテナ本体7を方位角方向に姿勢制御することができる。また、アンテナ本体回動駆動部によって、アンテナ本体7を仰角方向に回動するので、アンテナ本体7を仰角方向に姿勢制御することができる。
【0031】
なお、本実施形態において、支柱20の下端を水平軸線周りに回転自由とし、支柱20の上端が起倒するようにして良い。これにより、車両1の移動時にはアンテナ本体7を下方へと移動させてたたみ、収容可能としても良い。
【0032】
[第2実施形態の変形例]
なお、図4に示すように、図3のボールジョイント22に代えて、第3水平軸線H3回りにのみ回動自由とされたヒンジ部26を設けても良い。このヒンジ部26の回動によってアンテナ本体7の仰角が調節される。この場合、アンテナ本体7の方位角は、回転台14’の回転角のみによって決定される。
図4のような変形例とすれば、1軸(第3水平軸線H3)回りにのみに回動を許容するヒンジ部26によって仰角方向の回動が可能となるので、ボールジョイント22を採用する場合に比べ、簡易な構成にて仰角方向の調節が可能となる。
【符号の説明】
【0033】
1 車両
7 フェーズドアレイアンテナ本体
9,9’ 姿勢制御手段
14,14’ 回転台
16 リンク
20 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素子アンテナが平面上に並べられて配置され、前記各素子アンテナから送受信される電波の位相量を変化させて所望方向の目標物を捜索ないし追尾する1台のフェーズドアレイアンテナ本体と、
方位角方向および仰角方向に前記フェーズドアレイアンテナ本体の姿勢を制御する姿勢制御手段と、
を備えていることを特徴とするフェーズドアレイレーダ装置。
【請求項2】
前記姿勢制御手段は、
鉛直軸線回りに回転する回転台と、
該回転台を鉛直軸線回りに回転させる回転台回転駆動部と、
一端が前記回転台に対して水平軸線回りに回動自由に接続されるとともに、他端が前記フェーズドアレイアンテナ本体に接続されたリンクと、
該リンクの前記一端を回動中心として、該リンクの他端が前記回転台に対して接近離間するように、該リンクを駆動するリンク駆動部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のフェーズドアレイレーダ装置。
【請求項3】
前記リンクの前記他端が前記フェーズドアレイアンテナ本体に対して水平軸線回りに回動自由に接続され、
前記フェーズドアレイアンテナ本体を前記リンクの前記他端の水平軸線回りに回動させるアンテナ本体回動駆動部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のフェーズドアレイレーダ装置。
【請求項4】
前記姿勢制御手段は、
鉛直軸線方向に立設すると共に該鉛直軸線回りに回転する支柱と、
該支柱を鉛直軸線回りに回転させる支柱回転駆動部と、
前記支柱の上端にて前記フェーズドアレイアンテナ本体が少なくとも仰角方向に回動するアンテナ本体回動駆動部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のフェーズドアレイレーダ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のフェーズドアレイレーダ装置を備えていることを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−239078(P2011−239078A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107369(P2010−107369)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】