説明

フォロア軸受

【課題】トルク損失の上昇を抑制すると共に、潤滑性能を向上させたフォロア軸受を提供する。
【解決手段】フォロア軸受としてのカムフォロア11は、外径面に外側軌道面12aを有する内方部材としてのスタッド12と、内径面に内側軌道面13aを有する外方部材としての外輪13と、内側軌道面12aおよび外側軌道面13aの間に配置される複数のころ14と、外輪13の外径面に当接する位置で外輪13の回転に追従して回転可能に保持され、回転によって内部に保持された潤滑成分を排出する潤滑部材21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フォロア軸受に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のフォロア軸受は、内方部材と、外方部材と、内方部材および外方部材の間に配置される複数の転動体とを備え、外方部材の外径面と相手ガイド面とが当接する。このとき、当接部分の磨耗を防止するには、定期的に給脂メンテナンスを行うか、または外径面が摩耗する度に軸受自体を交換する必要があった。これらの作業は多大な工数を必要とするだけでなく、資源保護等の観点からも問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決したフォロア軸受が、特開2004−270876号公報(特許文献1)に記載されている。同公報に記載されているフォロア軸受は、潤滑剤を含む潤滑装置を外方部材の外径面に摺接させている。これにより、外方部材の転動に伴って潤滑装置から適量の潤滑油が供給されると記載されている。
【特許文献1】特開2004−270876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のフォロア軸受においては、外方部材と潤滑装置とを摺接させたことよるトルク損失の上昇が問題となる。また、潤滑装置は、外方部材への押圧力を加減することによって潤滑油の供給量を調整している。しかし、その構造上、押圧力を厳密に管理することは難しく、回転トルクや潤滑油の供給量を適切に設定するのは難しいと考えられる。
【0005】
そこで、この発明の目的は、トルク損失の上昇を抑制すると共に、潤滑性能を向上させたフォロア軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るフォロア軸受は、外径面に内側軌道面を有する内方部材と、内径面に外側軌道面を有する外方部材と、内側軌道面および外側軌道面の間に配置される複数の転動体と、外方部材の外径面に当接する位置で外方部材の回転に追従して回転可能に保持され、回転によって内部に保持された潤滑成分を排出する潤滑部材とを備える。
【0007】
上記構成のように、回転によって潤滑成分を排出する潤滑部材を外方部材の外径面に当接させることにより、フォロア軸受の潤滑性能が向上する。このとき、外方部材と潤滑部材とを転がり接触させることにより、トルク損失の上昇を抑制することができる。
【0008】
好ましくは、内方部材に嵌合して、転動体の軸方向への移動を規制するリング部と、リング部の厚み方向一方側の壁面から突出して潤滑部材を回転自在に支持する潤滑部材支持部とを有する側板をさらに備える。
【0009】
潤滑部材支持部を一体化した側板を採用することにより、側板を所定の位置に固定すれば、潤滑部材を常に一定の押圧力で外方部材の外径面に当接させることができる。その結果、回転トルクや潤滑油の供給量を適切に設定することが可能となる。また、潤滑部材が保持している潤滑成分が枯渇しても、潤滑部材のみを取り替えればフォロア軸受を継続して使用することができる。その結果、メンテナンス工数が削減されると共に、資源保護にも寄与する。
【0010】
さらに好ましくは、側板は、リング部を内方部材に圧入して固定される。側板を内方部材に圧入固定することにより、側板を固定するための固定部材を省略することができる。その結果、部品点数の削減に寄与する。
【0011】
好ましくは、側板は、潤滑部材支持部の先端に配置され、潤滑部材の軸方向への移動を規制する規制部材をさらに有する。これにより、軸受使用時に潤滑部材が潤滑部材支持部から脱落するのを防止することができる。
【0012】
好ましくは、潤滑部材は、高分子成分と、高分子成分に吸蔵される潤滑成分とを含む固体潤滑剤によって形成されている。固体潤滑剤によって形成された潤滑部材は、軸受の回転による遠心力や温度上昇により潤滑成分が滲み出す。また、固体潤滑剤によって形成された潤滑部材は、表面に水分がかかっても内部の潤滑成分が流出することがない。
【0013】
一実施形態として、固体潤滑剤は、高分子成分としてのポリエチレンと、潤滑成分としてのグリースとを焼成して形成されたものである。上記組成の固体潤滑剤は、ポリルーブ(登録商標)としてNTN株式会社から提供されている。
【0014】
一実施形態として、フォロア軸受は、カムフォロアおよびローラフォロアのうちのいずれかである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、外方部材と潤滑部材とを転がり接触させたことにより、トルク損失の上昇を抑制すると共に、潤滑性能を向上させたフォロア軸受を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1〜図8を参照して、この発明の一実施形態に係るフォロア軸受としてのカムフォロア11を説明する。なお、図1はカムフォロア11の断面図、図2は図1の矢印IIの方向から見た矢視図、図3は図1のIIIの方向から見た矢視図、図4は側板17の断面図、図5は図4の矢印Vの方向から見た矢視図、図6は図4の矢印VIの方向から見た矢視図、図7は潤滑部材21を径方向から見た図、図8は潤滑部材21を軸方向から見た図である。
【0017】
まず、図1〜図3を参照して、カムフォロア11は、内方部材としてのスタッド12と、外方部材としての外輪13と、転動体としての複数のころ14と、隣接するころ14の間隔を保持する保持器15と、スタッド12および外輪13の間の隙間を密封する密封部材としての密封シール16と、ころ14の軸方向の移動を規制すると共に、潤滑部材21を保持する側板17と、外輪13の外径面13bに潤滑油を供給する潤滑部材21とを備える。なお、この発明は、保持器15を省略した総ころ形式のカムフォロアにも適用することができる。
【0018】
スタッド12は、ハウジング(図示省略)に固定される固定軸である。スタッド12の外径面には、ころ14と当接する内側軌道面12aが設けられている。また、軸方向一方側端部(図1中の左端)には、フランジ部12bが設けられている。このフランジ部12bは、ころ14の軸方向一方側(図1中の左側)への移動を規制する側板として機能する。さらに、軸方向他方側端部(図1中の右側)には、雄ねじ12cが形成されている。この雄ねじ12cにはナット(図示省略)等が螺合して、スタッド12をハウジングに対して確実に固定する。
【0019】
外輪13は、円筒形状の部材である。外輪13の内径面には、ころ14と当接する外側軌道面13aが設けられている。また、外径面は、相手部材(図示省略)と当接してガイド面として機能する。
【0020】
ころ14は、内側軌道面12aおよび外側軌道面13aの間に配置されている。また、内側軌道面12aと外側軌道面13aとで囲まれた空間(「軸受空間」という)には、ころ14の転動面を潤滑するグリースが充填されている。カムフォロア11の軸方向両端部を閉鎖する密封シール16は、塵埃の軸受内部への侵入を防止する。なお、塵埃の少ない清浄な環境で使用される場合には、シール16を省略してもよい。
【0021】
図4〜図6を参照して、側板17は、リング部18と、潤滑部材支持部19とを有する。リング部18は、スタッド12に嵌合(この実施形態では「圧入」)して、ころ14の軸方向他方側(図1中の右側)への移動を規制する。潤滑部材支持部19は、リング部18の厚み方向一方側(図1中の左側)の壁面から突出して、潤滑部材21を回転自在に支持する。
【0022】
また、潤滑部材支持部19の先端には止め輪20が取り付けられている。具体的には、略C型形状の止め輪20を潤滑部材支持部19の先端近傍に設けられた円周溝に嵌め入れている。この止め輪20は、潤滑部材21の軸方向への移動を規制する規制部材として機能する。
【0023】
図7および図8を参照して、潤滑部材21は、円筒形状の部材であって、潤滑部材支持部19に回転可能に保持される。具体的には、外輪13の外径面に当接する位置で保持されており、外輪13の回転に追従して回転する。そして、自らの回転によって内部に保持された潤滑成分を排出する。
【0024】
上記構成のように、回転によって潤滑成分を排出する潤滑部材21を外輪13の外径面に当接させることにより、カムフォロア11の潤滑性能が向上する。また、外輪13と潤滑部材21とを転がり接触させることにより、トルク損失の上昇を抑制することができる。
【0025】
また、潤滑部材21は、止め輪20を外すだけで容易に着脱することができる。したがって、潤滑部材21が保持している潤滑成分が枯渇しても、潤滑部材21のみを取り替えればカムフォロア11を継続して使用することができる。その結果、メンテナンス工数が削減されると共に、資源保護にも寄与する。
【0026】
また、側板17をスタッド12に圧入固定することにより、側板17を固定するための固定部材を省略することができる。その結果、部品点数の削減に寄与する。さらに、潤滑部材支持部19とリング部18とを一体化したので、側板17を所定の位置に固定すれば、潤滑部材21を常に一定の押圧力で外輪13の外径面に当接させることができる。その結果、回転トルクや潤滑油の供給量を適切に設定することが可能となる。
【0027】
なお、潤滑部材21は、例えば、固体潤滑剤によって形成されている。固形潤滑剤は、高分子成分と潤滑成分とを含む。高分子成分としては、天然ゴムおよび樹脂(プラスチック)等のうち、エラストマーまたはプラストマーのいずれかまたは両方を、アロイまたは共重合成分として採用することができる。潤滑成分としては、グリース、またはワックス等を採用することができる。
【0028】
高分子成分としてのゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプレピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンエラストマー、フッ素ゴムクロロスルフォンゴム等が挙げられる。
【0029】
高分子成分としての樹脂(プラスチック)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリアミド4,6(PA4,6)、ポリアミド6,6(PA6,6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)等の汎用プラスチックやエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0030】
さらに、高分子成分として、軟質ウレタンフォーム、硬質ウレタンフォーム、半硬質ウレタンフォーム等のポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマーを採用することもできる。
【0031】
次に、潤滑成分としては、高分子成分中で化学反応を起こして化合物を生成したり、固化した高分子成分を溶解しないものを採用する必要がある。具体的には、以下のようなものが挙げられる。
【0032】
潤滑油としては、パラフィン系やナフテン系の鉱物油、エステル系、エーテル系、または炭素系の合成油、GTL基油、フッ素油、シリコーン油等の通常使用される潤滑油またはそれらの混合油を採用することができる。
【0033】
グリースの増ちょう剤としては、リチウム石鹸、リチウムコンプレックス石鹸、カルシウム石鹸、カルシウムコンプレックス石鹸、アルミニウム石鹸、アルミニウムコンプレックス石鹸等の石鹸類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。
【0034】
ジウレア化合物としては、例えば、ジイソシアネートとモノアミンの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン、アニリン、p−トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
【0035】
ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネート、モノアミン、およびジアミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられる。ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン等が挙げられる。
【0036】
ワックスとしては、炭化水素系合成ワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル系ワックス、脂肪酸アミド系ワックス、ケトン・アミン類、水素固化油等が挙げられる。
【0037】
なお、グリースの基油およびワックスの油成分としては、前述の潤滑油と同様のものを採用することができる。
【0038】
さらに、これらの潤滑成分には、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、有機モリブデン等の摩擦調整剤、アミン、脂肪酸、油脂類等の油性剤、アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等の錆止め剤、イオウ系、イオウーリン系等の極圧剤、有機亜鉛、リン系等の摩擦防止剤、ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダ等の金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0039】
次に、固体潤滑剤から潤滑部材21を製造する方法を説明する。まず、固形潤滑剤は、高分子成分と潤滑成分の他、固形潤滑剤に空孔(以下、空孔を有する固形潤滑剤を「発泡グリース」という)を生じさせる発泡成分を混合しておく。次に、液体の固形潤滑剤を型に注入し、型を加熱する。これにより、高分子成分が固化すると共に高分子成分に空孔が形成される。また、潤滑成分は高分子成分内に吸蔵される。
【0040】
なお、高分子成分を発泡させる方法としては、任意の発泡手段を採用することができる。具体的には、水、アセトン、ヘキサン等の比較的沸点の低い有機溶媒を気化させる物理的手法、エアーや窒素等の不活性ガスを外部から吹き込む機械的手法、アゾビスイソプチロニトリル(AIBN)やアゾジカルボンイミド(ADCA)等のように温度や光によって分解して窒素ガス等を発生させる分解型発泡剤を使用する方法、さらには、イソシアネート基と水分子との化学反応で生じる二酸化炭素によって発泡させる化学的手法等が挙げられる。なお、発泡成分を混合する工程は、固形潤滑剤として後述するポリルーブ(登録商標)を採用する場合には省略される。
【0041】
上記構成の潤滑部材21は、自らの回転に伴う遠心力等によって高分子成分内部の潤滑成分を排出し、外輪13の外径面に供給する。なお、潤滑成分は空孔から徐々に沁み出すので、軸受外への漏洩が少ない。また、固体潤滑剤によって形成された潤滑部材21は、表面に水分がかかっても内部の潤滑成分が流出することがない。
【0042】
次に、固形潤滑剤の一例としてのポリルーブ(登録商標、以下同じ)を説明する。ポリルーブは、高分子成分として超高分子量ポリエチレンを採用し、潤滑成分として上記組成の潤滑油またはグリースを採用する。特に、リチウム石鹸(増ちょう剤)と鉱物油(潤滑油)とを混合したグリース等が好ましい。
【0043】
常温でのポリルーブは、粉末状の超高分子量ポリエチレン(以下「PE粒子」という)とグリースとを含む液体である(以下「未硬化ポリルーブ」という)。この時の流動性や硬さは、潤滑成分としてのグリースとほとんど変わらない。
【0044】
ポリルーブを120℃以上に加熱すると、PE粒子がグリース中の潤滑油を吸蔵して膨潤する。このとき、ポリルーブ中のPE粒子の割合が多いほど各粒子の膨潤量は少なく、PE粒子の割合が少ないほど各粒子の膨潤量は多くなる。一方、グリース中の増ちょう剤はPE粒子中には吸収されない。したがって、膨潤したPE粒子間には増ちょう剤または増ちょう剤濃度の高いグリースが残存する。
【0045】
さらに、ポリルーブを120℃〜170℃に加熱すると、PE粒子は硬質ゴム程度の硬さにまで硬化する(以下「硬化ポリルーブ」という)。また、温度を下げても元に戻ることはない。そして、硬化ポリルーブに遠心力を負荷したり、高温雰囲気下に置くと、表面からグリースが滲みだしてくる。
【0046】
上記組成のポリルーブから潤滑部材21を製造する方法は、固体潤滑剤の場合と同様であるので、説明は省略する。なお、流動性の高い未硬化ポリルーブは、型の間の隙間をムラなく埋めることができる。また、上記構成の潤滑部材21は、自らの回転に伴う遠心力等によってポリルーブ中からグリースが染み出して、外輪13の外径面を潤滑する。
【0047】
また、PE粒子間に残存するグリースは、必要以上の潤滑油の滲み出しを抑制し、供給油量を調整する役割を果たす。その結果、排出過多による潤滑成分の飛散を防止すると共に、潤滑寿命を延伸することができる。
【0048】
さらに、グリースの滲み出しを抑制するために、上記組成のポリルーブに固体ワックス等を添加してもよい。具体的には、カルナバロウ、カンデリナロウなどの植物性ワックス、ミツロウ、虫白ロウ等の動物性ワックス、またはパラフィンロウ等の石油系ワックス等が挙げられる。なお、上記の添加剤の配合割合が多い程、グリースの滲み出る速度は小さくなる。一方、配合割合が多すぎると硬化ポリルーブの強度を低下させる。したがって、上記添加剤の配合割合は50wt%未満とするのが望ましい。
【0049】
なお、潤滑部材21は、外輪13の外径面上の少なくとも1箇所に設ければよく、上記の実施形態のように外径面上の1箇所にのみ設けてもよいし、外径面上の複数箇所に設けてもよい。
【0050】
また、上記の実施形態においては、潤滑部材21を固定潤滑剤(ポリルーブ)で形成した例を示したが、これに限ることなく、外輪13の外径面に潤滑油を供給可能なあらゆる構成を採用することができる。例えば、潤滑成分を保持する複数の空孔を有する多孔質部材を潤滑部材支持部19に回転自在に保持してもよい。
【0051】
また、上記の実施形態においては、潤滑部材支持部19とリング部18とを一体化した例を示したが、これに限ることなく、潤滑部材21を外輪13の外径面に当接する位置で回転自在に保持可能なあらゆる構成を採用することができる。
【0052】
さらに、上記の実施形態では、この発明に係るフォロア軸受としてカムフォロア11の例を示したが、この発明はローラフォロアも適用することができる。すなわち、本明細書中の「フォロア軸受」とは、ローラフォロアおよびカムフォロアの両方を含む概念として理解すべきである。
【0053】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
この発明は、フォロア軸受に有利に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施形態に係るローラフォロアの断面図である。
【図2】図1の矢印IIの方向から見た矢視図である。
【図3】図1の矢印IIIの方向から見た矢視図である。
【図4】図1の側板の断面図である。
【図5】図4の矢印Vの方向から見た矢視図である。
【図6】図4の矢印VIの方向から見た矢視図である。
【図7】図1の潤滑部材を径方向から見た図である。
【図8】図1の潤滑部材を軸方向から見た図である。
【符号の説明】
【0056】
11 カムフォロア、12 スタッド、12a 内側軌道面、12b フランジ部、12c 雄ねじ、13 外輪、13a 外側軌道面、14 ころ、15 保持器、16 密封シール、17 側板、18 リング部、19 潤滑部材支持部、20 止め輪、21 潤滑部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外径面に内側軌道面を有する内方部材と、
内径面に外側軌道面を有する外方部材と、
前記内側軌道面および前記外側軌道面の間に配置される複数の転動体と、
前記外方部材の外径面に当接する位置で前記外方部材の回転に追従して回転可能に保持され、回転によって内部に保持された潤滑成分を排出する潤滑部材とを備える、フォロア軸受。
【請求項2】
前記内方部材に嵌合して、前記転動体の軸方向への移動を規制するリング部と、
前記リング部の厚み方向一方側の壁面から突出して前記潤滑部材を回転自在に支持する潤滑部材支持部とを有する側板をさらに備える、請求項1に記載のフォロア軸受。
【請求項3】
前記側板は、前記リング部を前記内方部材に圧入して固定される、請求項2に記載のフォロア軸受。
【請求項4】
前記側板は、前記潤滑部材支持部の先端に配置され、前記潤滑部材の軸方向への移動を規制する規制部材をさらに有する、請求項2または3に記載のフォロア軸受。
【請求項5】
前記潤滑部材は、高分子成分と、前記高分子成分に吸蔵される前記潤滑成分とを含む固体潤滑剤によって形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載のフォロア軸受。
【請求項6】
前記固体潤滑剤は、
前記高分子成分としてのポリエチレンと、前記潤滑成分としてのグリースとを焼成して形成されたものである、請求項5に記載のフォロア軸受。
【請求項7】
前記フォロア軸受は、カムフォロアおよびローラフォロアのうちのいずれかである、請求項1〜6のいずれかに記載のフォロア軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−36218(P2009−36218A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198429(P2007−198429)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】