説明

フッ素化界面活性剤及びその製造方法

1,200g/モル〜10,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有するフッ素化界面活性剤であって、該フッ素化界面活性剤は、下式で表される少なくとも1つの構成成分


又はその塩を含み、式中、RはH、−CH、又は−CHCOHであり、mは、0〜11の値を有する整数である、フッ素化界面活性剤。Zは、ペルフルオロアルカンスルホンアミドアルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、又はイタコン酸の少なくとも1つとの共重合単位からなる二価のセグメントである。フッ素化界面活性剤中でのペルフルオロアルカンスルホンアミドアルキル基対カルボン酸基のモル比は、0.5〜3の値を有する。フッ素化界面活性剤の製造方法もまた開示されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フッ素化界面活性剤は、長年、工業的コーティングにおいて広く使用されてきた。フッ素化界面活性剤は、これらコーティングの性質、例えば、濡れ挙動、レベリング性、及び保存安定性(例えば、相分離に関して)などに影響を及ぼし得る。影響される特定の性質は、例えば、各界面活性剤の具体的な組成及び具体的なコーティング配合物に依存する。有用なレベリング剤である界面活性剤は、配合物の表面エネルギーを低下させ、表面エネルギーを乾燥中ほぼ一定値に維持する。しかし、一般に、界面活性剤が、溶媒又は配合物の表面張力を低下させる能力(即ち、界面活性剤力)は、界面活性剤がコーティング配合物中にてレベリング剤として良好に機能するかどうかを決定する上での予測値にはほとんどならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
元来、工業的コーティングにおいて広く使用されているフッ素化界面活性剤の多くは、長鎖ペルフルオロアルキル基、例えば、ペルフルオロオクチル基を含む。しかし、近年、業界では、ペルフルオロオクチルフッ素化界面活性剤を使用しない傾向があり、これにより新しいタイプの界面活性剤に対する要望が生まれている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様においては、本発明は、1,200g/モル〜10,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有するフッ素化界面活性剤を提供するが、ここで、該フッ素化界面活性剤は、式(I)で表される少なくとも1つの構成成分、
【0004】
【化1】

【0005】
又はその塩を含み、式中、
Rは、−H、−CH、及び−CHCOHからなる群から選択され、
mは、0〜11の値を有する整数であり、
Zは、次のもの又はそれらの塩からなる二価のセグメントであり、
独立して、式(II)で表される二価の基p:
【0006】
【化2】

【0007】
式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は、−C及び
−Cからなる群から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数であり、
pは、1〜18の値を有する整数である;
独立して、式(III)で表される二価の基q:
【0008】
【化3】

【0009】
式中、
は、H、−CH、及び
−CHCOHからなる群から選択され、
Xは、−H及び
−CHCHCOHからなる群から選択され、
qは、1〜35の値を有する整数であり、
該フッ素化界面活性剤は、kで表される、
【0010】
【化4】

【0011】
基を合わせた総数を有し、p/kは、0.5〜3の値を有する。
【0012】
別の態様では、本発明は、
独立して、式(IV)で表される少なくとも1つの第1構成成分、
【0013】
【化5】

【0014】
又はその塩であって、式中、
Rは、−H、−CH、及び
−CHCOHからなる群から選択され、
mは、0〜11の値を有する整数であるもの、
独立して、式(V)で現される少なくとも1つの第2構成成分であって、
【0015】
【化6】

【0016】
式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は、−C及び−Cからなる群から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数であるもの、並びに
独立して、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、及びその塩からなる群から選択される、少なくとも1つの第3構成成分、からなる構成成分を共重合することによって調製可能なフッ素化界面活性剤を提供し、
前記少なくとも1つの第1構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分が、jで表される
【0017】
【化7】

【0018】
を合わせた総モル数を有し、
前記少なくとも1つの第2構成成分の合わせた総モル数は、gで表され、
g/jは、0.5〜3の範囲であり、
前記少なくとも1つの第1構成成分、前記少なくとも1つの第2構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分の量は、フッ素化界面活性剤が1,200g/モル〜10,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有するように選択される。いくつかの実施形態では、共重合は、反応開始剤(例えば、ラジカル反応開始剤)の存在下にて実施される。
【0019】
別の態様では、本発明は、本発明のフッ素化界面活性剤を含む液体フッ素化界面活性剤濃縮物を提供し、少なくとも1つは液体ビヒクル内に溶解又は分散されており、該液体ビヒクルは、水又は有機溶媒(例えば、水溶性有機溶媒)の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化界面活性剤は、液体フッ素化界面活性剤濃縮物内に、該液体フッ素化界面活性剤濃縮物の総重量を基準として、少なくとも10重量%、20重量%、30重量%、又は更に少なくとも50重量%以上の量で存在してよい。
【0020】
別の態様では、本発明は、水、ポリマー材料、及び本発明のフッ素化界面活性剤を含む、配合物(例えば、コーティングのための)を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、フッ素化界面活性剤の製造方法を提供し、該方法は、
独立して、式(IV)で表される少なくとも1つの第1構成成分、
【0022】
【化8】

【0023】
又はその塩であって、式中、
Rは、−H、−CH、及び
−CHCOHからなる群から選択され、
mは、0〜11の値を有する整数であるもの、
独立して、式(V)で表される少なくとも1つの第2構成成分、
【0024】
【化9】

【0025】
式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は、−C及び−Cからなる群から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数であるもの、並びに
独立して、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、及びその塩からなる群から選択される、少なくとも1つの第3構成成分、からなる構成成分を共重合させることを含み、
前記少なくとも1つの第1構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分が、jで表される、
【0026】
【化10】

【0027】
基を合わせた総モル数を有し、
前記少なくとも1つの第2構成成分の合わせた総モル数は、gで表され、
g/jは、0.5〜3の範囲であり、
前記少なくとも1つの第1構成成分、前記少なくとも1つの第2構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分の量は、フッ素化界面活性剤が1,200g/モル〜10,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有するように選択される。いくつかの実施形態では、共重合は、反応開始剤(例えば、ラジカル反応開始剤)の存在下にて実施される。
【0028】
前述の態様のいくつかの実施形態では、Rは、−Cである。いくつかの実施形態では、R及び/又はRは、−Hである。いくつかの実施形態では、Rは−CHである。
【0029】
本発明の各種態様に従って、及び/又は本発明の各種態様によって調製された、フッ素化界面活性剤は、通常、界面活性剤に付随した性質(例えば、濡れ性又はレベリング性)を示し、また、多くの場合、例えば、フロア仕上げ配合物中のコーティング添加剤として有用となるようなレベリング性を示す。更に、本発明のフッ素化界面活性剤は、通常、液体配合物にて高移動性を有するが、乾燥した又は硬化したコーティング材中では、比較的低い移動性を有する。
【0030】
典型的には、本発明のフッ素化界面活性剤は、水を含有する配合物内にて、界面活性剤性を示す。いくつかの実施形態では、本発明のフッ素化界面活性剤は、水中、22℃にて、少なくとも10ppm(重量)の溶解度を有する。
【0031】
一態様では、本発明は、液体(例えば、水)の表面張力を減少させる方法を提供し、該方法は、該液体を本発明のフッ素化界面活性剤と、該液体の表面張力を減少させるのに十分な量で組み合わせることを含む。
【0032】
本願において、
「塩」とは、そのアニオンが酸由来のものであり、そのカチオンが塩基由来のものである、イオン性化合物を意味する。カルボン酸の場合、塩は、例えば、式−COで表すことができ、式中、Mは、一価のカチオン、例えば、アルカリ金属カチオン(例えば、Li、Na、K、Cs)、NH、有機アンモニウムカチオン、有機スルホニウムイオン、又は有機ホスホニウムカチオンを表す。
【0033】
「水系」とは、水及び所望により1つ以上の水溶性有機溶媒を含む液体材料中に、少なくとも1つが溶解又は分散していることを意味する。
【0034】
特に指示しない限り、全ての数の範囲は、それらの端点を含む。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明のフッ素化界面活性剤は、1,200g/モル、1,500g/モル、1,800g/モル、2,000g/モル又は更に2,500g/モルから、3,000g/モル、3,500g/モル、4,000g/モル、4,500g/モル、5,000g/モル、5,500g/モル、6,000g/モル、6,500g/モル、7,000g/モル、7,500g/モル、8,000g/モル、8,500g/モル、9,000g/モル、9,500g/モル、又は更に10,000g/モルの範囲まで、例えば、1,500g/モル〜8,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、本発明のフッ素化界面活性剤は、1,500g/モル〜4,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。本発明のフッ素化界面活性剤は、通常、分子量分布及び組成分布を有する。重量平均分子量は、例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(即ち、サイズ排除クロマトグラフィー)によって、当業者に既知の技術を使用して測定できる。
【0036】
本発明のフッ素化界面活性剤は、式(I)で表される少なくとも1つの構成成分、
【0037】
【化11】

【0038】
又はその塩を含む。
【0039】
Rは、−H、−CH、及び−CHCOHからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、−H及び−CHCOHからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは−Hである。いくつかの実施形態では、Rは−CHCOHである。
【0040】
式Iにおいて、mは、0〜11の値を有する整数(即ち、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11)である。いくつかの実施形態では、mは、0〜4の値を有する整数である。いくつかの実施形態では、mは0である。
【0041】
Zは、次のもの又はそれらの塩からなる二価のセグメントである:
独立して、式(II)で表される二価の基p:
【0042】
【化12】

【0043】
式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、又はsec−ブチル)であり、
は、−C及び−Cからなる群(例えば、ペルフルオロ−n−ブチル、ペルフルオロイソブチル、ペルフルオロ−sec−ブチル、ペルフルオロ−t−ブチル、ペルフルオロ−n−プロピル、又はペルフルオロイソプロピル)から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数(即ち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11)であり、
pは、1〜18の値を有する整数(即ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18)である;
独立して、式(III)で表される二価の基q:
【0044】
【化13】

【0045】
式中、
は、H、−CH、及び
−CHCOHからなる群から選択され、
Xは、−H及び−CHCHCOHからなる群から選択され、
qは、1〜35の値を有する整数(即ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35)である。
【0046】
いくつかの実施形態では、nは、2〜6の値を有する整数である。いくつかの実施形態では、nは、2〜4の値を有する整数である。いくつかの実施形態では、R及び/又はRは、−Hである。一部の実施形態では、Rは−Cである。いくつかの実施形態では、Rは−CHである。いくつかの実施形態では、Xは−Hである。
【0047】
本発明のフッ素化界面活性剤は、kで表される、
【0048】
【化14】

【0049】
基を合わせた総数を有し、p/kは、0.5〜3の値(例えば、0.75、1、1.25、1.33、1.66、2、2.3、2.4、又は2.66)を有する。いくつかの実施形態では、p/kは1〜3、又は更に2〜3の値を有する。いくつかの実施形態では、p/kは0.5〜2、又は更に0.5〜1.5の値を有する。いくつかの実施形態では、p/kは0.75の値を有する。
【0050】
典型的には、本発明のフッ素化界面活性剤は、水系配合物内にて、界面活性剤性を示す。本発明のフッ素化界面活性剤は、疎水性基と親水性基との間のバランス(例えば、0.5〜3のp/k)及び低重量平均分子量(例えば、1,200〜10,000)、それらを水系配合物内にて可溶性又は分散性の少なくとも1つにする因子を有する。いくつかの実施形態では、本発明のフッ素化界面活性剤は、水中、22℃にて、少なくとも10ppm(重量)、少なくとも100ppm(重量)、又は更に少なくとも1,000ppm(重量)の溶解度を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、独立して式IIで表される二価の基p及び独立して式IIIで表される二価の基q又はそれらの塩は、二価のセグメントZ内にてランダム共重合される。
【0052】
いくつかの実施形態では、二価のセグメントZは、式IIで表される二価の基p及び式IIIで表される二価の基q又はそれらの塩から構成される(即ち、式IIで表される二価の基は、独立して選択されず、式IIIで表される二価の基は独立して選択されない)。
【0053】
本発明のフッ素化界面活性剤は、濃縮物(例えば、水中、溶媒中、又はこれらの組み合わせ)に処方してよい。濃縮物の調製技術は、当該技術分野において周知である。
【0054】
本発明のフッ素化界面活性剤は、例えば、少なくとも1つの第1構成成分、少なくとも1つの第2構成成分、及び少なくとも1つの第3構成成分を含有する混合物を、典型的には、反応開始剤の存在下にて、共重合させることによって調製できる。いくつかの実施形態では、本発明のフッ素化界面活性剤は、少なくとも1つの第1構成成分、少なくとも1つの第2構成成分、及び少なくとも1つの第3構成成分からなる構成成分を共重合することによって調製可能である。用語「共重合すること」とは、第1構成成分、第2構成成分、及び第3構成成分のそれぞれによって、少なくとも1つの特定可能な構造要素を含むポリマー又はオリゴマーを形成することを意味する。典型的には、形成されたポリマー又はオリゴマーは、分子量分布及び組成分布を有する。
【0055】
第1構成成分は、フリーラジカル重合のためのメルカプタン含有連鎖移動剤であり、式(IV):
【0056】
【化15】

【0057】
又はその塩で表され、式中、
Rは、−H、−CH、及び−CHCOHからなる群から選択され、
mは、0〜11の値を有する整数(即ち、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11)である。いくつかの実施形態では、Rは、−H及び−CHCOHからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは−Hである。いくつかの実施形態では、Rは−CHCOHである。いくつかの実施形態では、mは、0〜4の値を有する整数である。いくつかの実施形態では、mは0である。
【0058】
第2構成成分は、式(V)で表されるフッ素化フリーラジカル重合性モノマーであり、
【0059】
【化16】

【0060】
式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、又はsec−ブチル)であり、
は、−C及び−Cからなる群(例えば、ペルフルオロ−n−ブチル、ペルフルオロイソブチル、ペルフルオロ−sec−ブチル、ペルフルオロ−t−ブチル、ペルフルオロ−n−プロピル、又はペルフルオロイソプロピル)から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数(即ち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11)である。いくつかの実施形態では、nは、2〜6の値を有する整数である。いくつかの実施形態では、nは、2〜4の値を有する整数である。
【0061】
第3構成成分は、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、これらの混合物、又はこれらの塩である。いくつかの実施形態では、第3構成成分は、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、これらの混合物、又はこれらの塩である。いくつかの実施形態では、第3構成成分は、アクリル酸である。
【0062】
式Vのフッ素化フリーラジカル重合性モノマー、及びそれらの調製方法は、当技術分野において既知である。(例えば、米国特許第2,803,615号(アルブレヒト(Albrecht)ら)及び米国特許第6,664,354号(サヴュー(Savu)ら)を参照のこと。これらの開示は、フリーラジカル重合性モノマー及びそれらの調製方法に関し、参照により本明細書に組み込まれる。式IVの化合物、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、及び/又はそれらの塩は、一般の化学物質供給元(例えば、シグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Company)、ミズーリ州セントルイス(Saint Louis))から入手可能であり、あるいは従来の方法で合成されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、1を超える第1構成成分、及び/又は1を超える第2構成成分、及び/又は1を超える第3構成成分の混合物を使用することができる。その他の実施形態では、1つの第1構成成分、1つの第2構成成分、及び1つの第3構成成分を使用することができる。
【0064】
第1及び第3構成成分は、jで表される、
【0065】
【化17】

【0066】
基の総モル数を有し、第2構成成分は、gで表される、合わせた総モル数を有する。g/jの比は、0.5〜3(例えば、0.75、1、1.25、1.33、1.66、2、2.3、2.4、又は2.66)、1〜3、又は更に2〜3でなければならない。いくつかの実施形態では、g/jの比は0.5〜2、又は更に0.5〜1.5である。いくつかの実施形態では、g/jは0.75の値を有する。更に、第1、第2、及び第3構成成分の量、並びに典型的には、フリーラジカル反応開始剤の量は、共重合した構成成分の重量平均分子量が、1,200g/モル、1,500g/モル、1,800g/モル、2,000g/モル、又は更に2,500g/モルから、3,000g/モル、3,500g/モル、4,000g/モル、4,500g/モル、5,000g/モル、5,500g/モル、6,000g/モル、6,500g/モル、7,000g/モル、7,500g/モル、8,000g/モル、8,500g/モル、9,000g/モル、9,500g/モル、更に又は10,000g/モルまでの値を有するように選択される。いくつかの実施形態では、共重合した構成成分の重量平均分子量は、1,500g/モル〜8,000g/モル、又は更に1,500g/モル〜4,000g/モルの値を有する。
【0067】
第1、第2、及び第3構成成分の共重合は、典型的には、添加したラジカル反応開始剤の存在下で実施される。フリーラジカル反応開始剤、例えば、当該技術分野において広く知られかつ使用されているようなものを使用して、構成成分の重合を開始させることができる。フリーラジカル反応開始剤の例としては、アゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、又はアゾ−2−シアノバレリアン酸)、ヒドロペルオキシド(例えば、クメン、t−ブチル又はt−アミルヒドロペルオキシド)、ジアルキルペルオキシド(例えば、ジ−t−ブチル又はジクミルペルオキシド)、ペルオキシエステル(例えば、t−ブチルペルベンゾエート又はジ−t−ブチルペルオキシフタレート)、ジアシルペルオキシド(例えば、過酸化ベンゾイル又はラウリルペルオキシド)が挙げられる。加熱時に(又は場合によっては、光分解時に)、このようなフリーラジカル反応開始剤は分解して、エチレン性不飽和結合に添加されるフリーラジカルを生成し、重合を開始する。一般的反応開始剤残基の例としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、t−ブトキシ)、アロイルオキシ(aroyloxy)基(例えば、ベンゾイルオキシ)、シアノアルキル基(例えば、2−シアノプロパン−2−イル)、及びこれらの置換されたものが挙げられる。
【0068】
第1、第2、及び第3構成成分の重合を開始するために、フリーラジカル光開始剤を使用してもよい。有用な光開始剤としては、ベンゾインエーテル(例えば、ベンゾインメチルエーテル又はベンゾインブチルエーテル)、アセトフェノン誘導体(例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン又は2,2−ジエトキシアセトフェノン)、並びにアシルホスフィンオキシド誘導体及びアシルホスホネート誘導体(例えば、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、イソプロポキシフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、又はジメチルピバロイルホスホネート)が挙げられる。
【0069】
重合反応は、有機フリーラジカル重合に好適な任意の溶媒中で実施してよい。構成成分は、任意の好適な濃度(例えば、反応混合物の総重量を基準として、約5重量%〜約90重量%)にて、溶媒中に存在してよい。好適な溶媒の例示的な例としては、脂肪族及び脂環式炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン)、芳香族溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、グリム、ジグリム、ジイソプロピルエーテル)、エステル(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート)、アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)、ハロゲン化溶媒(例えば、メチルクロロホルム、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリクロロエチレン又はトリフルオロトルエン)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
重合は、有機フリーラジカル反応を実施するのに好適な任意の温度で行うことができる。使用する具体的な温度及び溶媒は、例えば、試薬の溶解度、特定の反応開始剤の使用に必要な温度、及び所望の分子量などの考察に基づいて、当業者が選択することができる。全ての反応開始剤及び全ての溶媒に好適な特定の温度を列挙することは現実的ではないが、一般に好適な温度は約30℃〜約200℃の範囲である。例えば、反応開始剤の濃度及び活性、モノマーの濃度(即ち、第2及び第3構成成分)、温度、及び連鎖移動剤(即ち、第1構成成分)を調整することによって、ポリアクリレートコポリマーの分子量を制御することができる。
【0071】
本発明のフッ素化界面活性剤は、多数の用途において有用であり得る。例えば、本発明のフッ素化界面活性剤は、より良き濡れ性及び/又はレベリング性のコーティング(例えば、水系コーティング)を基材表面に提供したり、あるいはコーティング配合物内のより良き分散性の構成成分(例えば、増粘剤又は色素)を提供したりするために、工業的コーティング添加剤として使用してよい。
【0072】
水系配合物内にて使用する場合(例えば、工業的コーティングのため)、本発明のフッ素化界面活性剤は、水溶液又は分散体に、例えば、該溶液又は分散体の重量を基準にして、約0.001重量%〜約1重量%、約0.001重量%〜約0.5重量%、又は約0.01重量%〜約0.3重量%の最終濃度で処方することができる。
【0073】
水系配合物(例えば、工業的コーティング用)はまた、少なくとも1つのポリマー材料、典型的には、フィルム膜形成ポリマーを含むことができる。好適なポリマーの例としては、アクリルポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート−コ−エチルアクリレート)又はポリ(メチルアクリレート−コ−アクリル酸));ポリウレタン(例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族ジイソシアネートと、ポリエステルグリコール又はポリエーテルグリコールとの反応生成物);ポリオレフィン(例えば、ポリスチレン);スチレンとアクリレートとのコポリマー(例えば、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリレート);ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、又はポリカプロラクトン);ポリアミド(例えば、ポリヘキサメチレンアジパミド);ビニルポリマー(例えば、ポリ(ビニルアセテート/メチルアクリレート)、ポリ(ビニリデンクロライド/ビニルアセテート);ポリジエン(例えば、ポリ(ブタジエン/スチレン));セルロースエーテル及びセルロースエステルを含むセルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、又はセルロースアセテート/ブチレート)、ウレタン−アクリレートコポリマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。このようなポリマーの水性エマルション又はラテックスを調製するための方法及び材料は周知であり、多くは商業的供給元から幅広く入手可能である。一実施形態では、本発明は、水、ポリマー材料、及び本発明による又は本発明の方法に従って作られたフッ素化界面活性剤を含む配合物を提供し、ここで、ポリマー材料は、アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、及びスチレンと少なくとも1つのアクリレートとのコポリマーからなる群から選択される。
【0074】
水系配合物は、多価アルコールのエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル、2−ブトキシエタノール(即ち、ブチルセロルルブ)、又はジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DPM));アルキレングリコール及びポリアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール);並びに2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(イーストマン・ケミカル社(テネシー州キングズポート)から、「テキサノール(TEXANOL)」の商標名で入手可能なエステルアルコール)を含む、1つ以上の共溶媒(例えば、凝集溶媒)を含有していてもよい。配合物に加えられてよいその他の水混和性有機溶媒としては、1〜4個の炭素原子を有するアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はイソブタノール);アミド及びラクタム(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、又はN−メチルピロリドン);ケトン及びケトアルコール(例えば、アセトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール);エーテル(例えば、テトラヒドロフラン又はジオキサン);1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0075】
用途によっては、水系配合物として更に、少なくとも1つの添加剤も挙げられる(例えば、殺生物剤、充填剤、追加のレベリング剤、乳化剤、消泡剤、腐食防止剤、分散剤、又はさび止め剤)。配合物は、少なくとも1つの色素もまた所望により含有してよい。
【0076】
水系配合物を基材に適用する場合、水及び溶媒が蒸発し、ポリマー粒子が合着して、連続的なフィルムが形成される。水系配合物は通常、適用され、乾燥され、所望により加熱されて、完成品に固体コーティングが残る。本発明のフッ素化界面活性剤を添加することにより、コーティングが基材を濡らす能力を向上させること、及び/又はフィルム形成中に水を均一に蒸発(即ち、レベリング)させることによって、いくつかの配合物のフィルム形成特性が改善され得る。本発明のフッ素化界面活性剤はまた、最終的な固体コーティングへ耐食特性を付与してもよく、これは、基材が金属基材(例えば、電子的構成要素)である場合に、追加的な利点を提供する。
【0077】
本発明のフッ素化界面活性剤を添加することにより改良され得る水系コーティング配合物としては、床磨き剤及び仕上げ剤、種々の基材(例えば、木製床)のためのワニス、写真用フィルムの製造において適用される水系ゲル、自動車用又は船舶用コーティング(例えば、プライマー、ベースコート、又はトップコート)、多孔質基材(例えば、木材、コンクリート、又は天然石)のためのシーラー、プラスチックレンズのためのハードコート、金属基材(例えば、缶、コイル、電子的構成要素、又は標識)のためのコーティング、インク(例えば、ペン又はグラビア、スクリーン印刷、あるいは熱印刷のためのもの)、並びに電子デバイスの製造において使用されるコーティング(例えば、フォトレジストインク)が挙げられる。配合物は、透明であっても又は色素で着色されていてもよい。
【0078】
水系コーティング配合物は、当業者に既知の多くの方法(例えば、ブラシ掛け、モップ掛け、バーコーティング、噴霧、ディップコーティング、グラビアコーティング、又はロールコーティング)によって適用してよい。
【0079】
本発明のフッ素化界面活性剤は、アルカリ性水系コーティング配合物、例えば、アミン安定化フロア仕上げ配合物において有用であり得る。
【0080】
本発明のフッ素化界面活性剤はまた、洗浄溶液中の添加剤としても有用であり得、表面及び/又は除去すべき汚染物質に向上した濡れ性を提供することができる。洗浄溶液は、典型的には、該洗浄溶液の重量を基準にして、約0.001重量%〜約1重量%、又は約0.001重量%〜約0.5重量%の界面活性剤を含むように処方される。硬質表面洗浄のために、洗浄溶液をスプレーし(例えば、スプレーボトルから)、ないしは別の方法で硬質表面、例えば窓ガラス、鏡、又はセラミックタイルに適用され、表面を紙又は布地ワイプできれいに拭き取る。汚染部分はまた、洗浄溶液中に浸漬又は沈めてもよい。電子材料の製造において使用される洗浄溶液の場合、典型的には、溶液が恒温槽内に入れられ、電子部品はコンベアベルト上で恒温槽に浸漬されるか又はその中を通過させる。
【0081】
上述した任意のコーティング又は洗浄溶液配合物において、本発明のフッ素化界面活性剤を、単独で又は炭化水素若しくはシリコーン界面活性剤若しくはその他のフッ素化界面活性剤と組み合わせて使用して、所望の表面張力低減又は濡れ性向上を得ることが可能である。有用な補助的界面活性剤は、例えば、「界面活性剤の工業用応用(Industrial Applications Of Surfactants)」(D.R.カルサ(D.R. Karsa)編、ロイヤル・ソサエティ・オブ・ケミストリー(Royal Society of Chemistry)(ロンドン))及び「界面活性剤及び界面現象(Surfactants and Interfacial Phenomena)」(M.ローゼン(Rosen)著、ワイリー・インターサイエンス(ニューヨーク))に見いだすことができる。
【0082】
上記の用途は、制限するものではなく、例示的なものに過ぎない。本発明の目的及び利点を以下の非限定的な実施例により更に例示するが、これらの実施例の中で挙げた特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0083】
特に記載のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部分、割合、及び比率は、重量による。以下の実施例にて報告される、N−メチルペルフルオロブタンスルホンアミドエチルアクリレート(MeFBSEA)と−C(O)OH基及び−C(O)O−基との比は、出発モノマーの量を基準にしたモル比である。
【0084】
以下の実施例では、MeFBSEAは、4,270kgのN−メチルペルフルオロブタンスルホンアミドエタノール、1.6kgのフェノチアジン、2.7kgのメトキシヒドロキノン、1,590kgのヘプタン、1,030kgのアクリル酸、89kgのメタンスルホン酸(トリフルオロメタンスルホン酸に代えて)、及び7,590kgの水をパートBにて使用した以外は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,664,354号(サヴュー(Savu))の実施例2、パートA及びBの方法に従って製造された。
【0085】
重量平均分子量の決定
実施例1〜10、12、及び17の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用して、線状ポリスチレンポリマー標準との比較により決定した。
【0086】
実施例1〜10のGPC測定は、3マイクロメートルのスチレンジビニルベンゼンコポリマー粒子の300mm×7.5mmのカラム(ポリマー・ラボラトリーズ社(Polymer Laboratories)(英国シュロップシャー州)から、「PLGEL 3μm MIXED−E」の商標名で入手可能)及び屈折率検出器を使用して実施した。中和されていないオリゴマー各々の試料をジアゾメタンで誘導体化し、乾燥するまで蒸発させた。次に、当該試料を安定化させたテトラヒドロフラン中に、0.5%(重量/体積)の濃度で溶解させた。体積100マイクロリットルの試料をカラムに注入したが、カラム温度は40℃であった。1ミリリットル(mL)/分の流量を使用した。分子量の較正は、7.3×10g/モル〜1,300g/モルの範囲のピーク平均分子量の狭分散性ポリスチレン標準を使用して実施した。較正及び分子量分布の計算は、分子量較正曲線に一次多項式フィットを使用した好適なGPCソフトウェアを使用して実施した。
【0087】
実施例12及び17のGPC測定は、5マイクロメートルのスチレンジビニルベンゼンコポリマー粒子の300mm×7.5mmのリニアカラム(ポリマー・ラボラトリーズ社(Polymer Laboratories)(英国シュロップシャー州)から、「PLGEL」の商標名で入手可能)4本(粒径が、10,000オングストローム、1,000オングストローム、500オングストローム、及び100オングストローム)を使用して実施した。ポリマー・ラボラトリーズ社(Polymer Laboratories)からの蒸発光散乱検出器は、45℃、窒素流量10mL/分にて使用した。エチルアセテート中で固形分25%のオリゴマー試料50ミリグラム(mg)を4mLのテトラヒドロフランで希釈し、ジアゾメタンで処理した。得られた溶液を窒素流下にて乾燥し、次に、該試料をテトラヒドロフラン(10mL、UVグレード)で希釈し、0.45マイクロメートルの注射器フィルターを通して濾過した。体積50マイクロリットルの試料をカラムに注入したが、カラム温度は室温であった。1mL/分の流量を使用した。分子量の較正は、1.1×10g/モル〜580g/モルの範囲のピーク平均分子量の狭分散性ポリスチレン標準を使用して実施した。較正及び分子量分布の計算は、分子量較正曲線に三次多項式フィットを使用した好適なGPCソフトウェアを使用して実施した。
【0088】
(実施例1)
500mLフラスコ内で、MeFBSEA(37グラム(g)、0.09モル(mol))、アクリル酸(4.3g、0.06モル)、及びメルカプトコハク酸(4.5g、0.03モル)を合わせ、混合物をイソプロパノール(IPA)で希釈して、固形分約50%とした。2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(0.1%)を添加し、真空及び窒素を使用して反応物を3回脱気し、窒素雰囲気下にて6時間70℃で加熱した。追加のAIBN(0.05%)を添加し、70℃にて更に16時間、加熱を続けた。ポリマーの重量平均分子量は、GPCによって1,800であると決定された。MeFBSEAと−C(O)OH基及び−C(O)O基との比は、0.75であった。
【0089】
前記反応物をIPAで希釈し、固形分30%とした。ジメチルエタノールアミン(DMEOA)(12.6g、0.12モル)を添加して、酸を中和し、混合物を脱イオン水で更に希釈して、固形分25%とした。固形分25%、50℃にて、混合物は1相の透明かつ安定した溶液であることが視覚的に判断された。
【0090】
3つの希釈レベルにて脱イオン水を添加して、1,000ppm、100ppm、及び10ppmの中和されたオリゴマーを含有する溶液を得た。
【0091】
(実施例2〜6)
実施例2〜6は、表1(下記参照)に示された試薬と量を使用した以外は、実施例1に記載のごとく調製した。
【0092】
【表1】

【0093】
固形分25%、50℃にて、実施例2、5、及び6の中和されたオリゴマーを含有する混合物は、1相の透明かつ安定した溶液であることが視覚的に判断され、実施例3及び4の中和されたオリゴマーを含有する混合物は、1相の濁った溶液であった。オリゴマーの重量平均分子量はGPCによって決定され、表1(上記)に列挙されている。
【0094】
(実施例7〜10)
実施例7〜10は、メルカプトコハク酸に代えて3−メルカプトプロピオン酸を使用し、表2(下記参照)に示された量を使用し、実施例9及び実施例10において後述の希釈法を使用した以外は、実施例1に記載のごとく調製した。
【0095】
【表2】

【0096】
固形分25%、50℃にて、実施例7の中和されたオリゴマーを含有する混合物は、1相の透明かつ安定した溶液であることが視覚的に判断され、実施例8の中和されたオリゴマーを含有する混合物は1相の濁った溶液であった。実施例9及び実施例10については、IPA中にて固形分30%で中和されたオリゴマーは、IPAを使用して、固形分5%に希釈された。3つの希釈レベルにて、各実施例(7〜10)へ脱イオン水を添加して、1,000ppm、100ppm、及び10ppmの中和されたオリゴマーを含有する溶液を得た。実施例9及び実施例10については、1,000ppm溶液は、わずかに濁っており、100ppm溶液及び10ppm溶液は透明であった。
【0097】
実施例7〜10にて調製したオリゴマーの重量平均分子量は、GPCによって決定し、表2(上記)に列挙されている。
【0098】
実施例1〜10の静的表面張力は、クルス(Kruss)社製K−12表面張力計(クルス社(Kruss GmbH)(ドイツ、ハンブルグ)から入手可能)上で、ドゥ・ノイ環(Du Nouy ring)法を使用して20℃にて測定した。1,000ppm、100ppm、及び10ppmの界面活性剤を含有する各実施例の溶液に対して測定された表面張力は、ミリニュートン/メートル(mN/m)にて、表3(下記参照)で報告されている。
【0099】
【表3】

【0100】
比較実施例1
MeFBSEA(74g、0.18モル)及び3−メルカプトプロピオン酸(3.2g、0.03モル)を使用し、アクリル酸を除外して、実施例1に記載されている手順に従った。化合物は、水中にて1,000ppm、100ppm、及び10ppmで不溶性であり、水の表面張力を低減するために使用することができなかった。
【0101】
(実施例11〜15)
MeFBSEA、アクリル酸、及び3−メルカプトプロピオン酸を、表4に示す量で、4オンスの耐圧びん中で合わせた。2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(400mg、2ミリモル)のエチルアセテート(120g)溶液を調製し、本溶液24gを実施例11〜14各々に添加した。2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(400mg、2ミリモル)のエチルアセテート(120g)第2溶液を調製し、本溶液24gを実施例15に添加した。得られた溶液は、1リットル/分にて50秒間、窒素でパージし、次に窒素雰囲気下にて、回転水浴中で60℃にて50時間加熱した。
【0102】
各試料についての固形分%は、約1gの試料をベントオーブン内で2時間105℃にて加熱することにより決定した。モノマーは、これらの条件下で完全に揮発性であった。転化率%は、次式から計算した:
転化率%=100[(固形分%×溶液重量)/出発モノマーの重量]
出発物質の量、MeFBSEAと−C(O)OH基及び−C(O)O基との比、転化率%、並びに分子量及び出発物質の比から計算される理論上の分子量は、表4(下記参照)にて記載される。
【0103】
【表4】

【0104】
理論上の分子量。 GPCによって測定された重量平均分子量は、4,100であった。
【0105】
(実施例16)
MeFBSEA(7.6g、18.5ミリモル)、アクリル酸(0.33g、4.6ミリモル)、及びメルカプトコハク酸(0.35g、2.3ミリモル)を4オンスの耐圧びん内で合わせ、実施例11〜15に記載された第2溶液として調製された2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(80mg、0.4ミリモル)のエチルアセテート溶液(24g)を、該混合物に添加した。得られた溶液は、50秒間、窒素でパージし、次に窒素雰囲気下にて、回転水浴中で60℃にて50時間加熱した。実施例11〜15にて示された式に従って計算された転化率%は、100%であった。分子量及び出発物質の比から計算した、オリゴマーの理論上の分子量は3,580であり、MeFBSEAと−C(O)OH基及び−C(O)O基との比は2であった。
【0106】
(実施例17)
MeFBSEA(372.0g、904.6ミリモル)、アクリル酸(16.3g、226ミリモル)、3−メルカプトプロピオン酸(12.0g、113ミリモル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(4.0g、20.1ミリモル)、及びエチルアセテート(1,200g)を合わせ、得られた溶液を4個の1クオートのボトルに分けた。各溶液は、1リットル/分にて2分間、窒素でパージし、次に窒素雰囲気下にて、回転水浴中で60℃にて44時間加熱した。4個のボトルの内容物を合わせ、減圧下で濃縮し、422.4gの液体を得た。1gの液体試料を105℃にて4時間加熱し、残留物の重さを量って、該液体が固形分92%であると決定した。実施例11〜15にて示された式に従って計算された転化率%は、97%であった。分子量及び出発物質の比から計算した、オリゴマーの理論上の分子量は3540であり、MeFBSEAと−C(O)OH基及び−C(O)O基との比は2.7であった。GPCによって測定された重量平均分子量は、3,810であった。
【0107】
比較実施例(CE)2及び3
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)のエチルアセテート第2溶液24g及び表5(下記参照)に示す量の構成成分を使用して、実施例11〜15に記載した手順に従った。
【0108】
【表5】

【0109】
理論上の分子量
フロア仕上げ剤における実施例の評価
水性スチレン−アクリル系エマルションフロア仕上げ剤は、クック・コンポジッツ・アンド・ポリマーズ社(Cook Composites and Polymers)(ミズーリ州カンザスシティ)から入手した。フロア仕上げ剤は、フッ素化界面活性剤又はヒドロゾルエマルションレベリング剤を含んでいない点を除いて、クック・コンポジッツ・アンド・ポリマーズ社(Cook Composites and Polymers)により「シールド−8(SHIELD-8)」の商標名で販売されているものと類似のものであった。
【0110】
フロア仕上げ剤中で評価した各界面活性剤(即ち、実施例11〜17並びに比較例CE−2及びCE−3)に関して、エチルアセテートを減圧下で除去し、得られたオリゴマーを水とジ(プロピレングリコール)メチルエーテルとの50:50混合物で希釈して、固形分約20%の濃度とし、少量の水酸化カリウムで中和した。得られた溶液を、水とジ(プロピレングリコール)メチルエーテルとの50:50混合物で更に希釈して、固形分1%濃度とした。本溶液を、フロア仕上げ剤に200ppmのオリゴマーを提供する濃度で、フロア仕上げ剤に添加した。
【0111】
200ppmのフッ素化界面活性剤を含有する、5mLの液体フロア仕上げ剤を、30.48cm×30.48cm(12インチ×12インチ)の洗浄済み黒色ビニルコンポジット床タイルの中央部に塗布し、次いで均一なコーティングが得られるまで、ガーゼ又はチーズクロスの1片を用いて八の字を描きながら、タイルの表面積全体を覆うように広げた。次に、タイルの対角線上で対向する角の間で、フロア仕上げ剤を「X」を描きながら拭き取った。合計5層のコーティングが塗布されるまで前記プロセスを繰り返したが、再塗布に先立って、各コーティング層を少なくとも25〜30分乾燥させた。
【0112】
市販のフロア仕上げ剤中で使用されてきたフッ素化界面活性剤(3M社から「FLUORAD FC−129」の商標名で入手)もまた、対比目的で、フロア仕上げ剤配合物中200ppmにて評価した。
【0113】
濡れ性(評点0〜5)
濡れ性能は、最終コーティングの乾燥中及び乾燥後の、コーティングの表面欠陥を目視検査することにより決定した。一般に、貧弱な濡れ性は、クレータ、ピンホール、及びタイルの端からのコーティングの引き込み(pulling in)などの形態の表面欠陥として現れる。濡れ性能値は、次のようにして決定した:
【0114】
【表6】

【0115】
レベリング性(評点0〜5)
レベリング性能も最終コーティングの乾燥中又は乾燥後のコーティングを目視観察して決定した。貧弱なレベリングは、コーティングプロセス中に適用される八の字動作及び「X」動作の観察を通して決定できる。コーティングは不均一な外観になるか又は適用動作による筋を有するようになる可能性がある。レベリング性は以下の基準を用いて評価した。
【0116】
【表7】

【0117】
60°光沢
コーティングされたタイルを7日間空気乾燥させ、次にBYK−ガードナー(BYK-Gardner)光沢計(「マイクロ−トリ−グロスメーター(MICRO-TRI-GLOSS METER)」の商標名のもとに、ポールN.ガードナー社(Paul N. Gardner Co., Inc.)(フロリダ州ポンパノビーチ)から市販)を使用して60°光沢を測定した。報告値は、タイルのコーティング表面上の6つの異なる測定値の平均値である。
【0118】
【表8】

【0119】
決定されず
実施例18及び19の静的表面張力は、クルス(Kruss)社製K−12表面張力計(クルスUSA(ノースカロライナ州シャーロット)から入手可能)にて、ウィルヘルミー(Wilhelmy)白金プレート及びガラス製試料容器を使用し、室温で測定した。自動ドジマート及びコンピュータを使用して、表面張力測定のために、試料を漸増式に希釈した。
【0120】
(実施例18)
実施例18は、エチルアセテート中、MeFBSEA(7.60g、18.5ミリモル)、アクリル酸(0.33g、4.6ミリモル)、3−メルカプトプロピオン酸(0.51g、4.8ミリモル)、及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(80mg、0.4ミリモル)を使用して、実施例11〜15に記載されているように調製した。理論上の分子量並びにMeFBSEAと−C(O)OH基及び−C(O)O基とのモル比は、実施例11のものと同じであった。反応物は、50時間ではなく、40時間加熱した。転化率99%が計算された。試料10gを窒素流下にて2日間蒸発させて、固形分2.83gを得た。固形分を1:1のメタノール/DPM中、19.74%固形分まで希釈し、本溶液5.07gに20%水酸化ナトリウム水溶液0.15gが添加された。脱イオン水を添加して、5,000ppm溶液を得、上記方法を使用して表面張力を測定した。下表6に結果を示す。
【0121】
【表9】

【0122】
(実施例19)
アクリル酸の代わりにβ−カルボキシエチルアクリレート(0.69g、4.8ミリモル)を使用し、かつ反応加熱時間を50時間の代わりに40時間に変更して、実施例12に示されている化合物と量を使用して実施例11〜15に記載されているように実施例19を調製した。転化率97%が計算された。試料10gを窒素流下にて2日間蒸発させて、固形分2.88gを得た。該固形分を1:2のメタノール/DPM中、14.77%固形分まで希釈し、本溶液6.77gに20%水酸化ナトリウム水溶液0.26gが添加された。脱イオン水を添加して、5,000ppm溶液を得、上記方法に従って表面張力を測定した。下表7に結果を示す。
【0123】
【表10】

【0124】
本発明の種々の修正及び変更を本発明の範囲及び趣旨を逸脱せずに当業者によって行うことができる。本発明は本明細書に記載された例示的な実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,200g/モル〜10,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有するフッ素化界面活性剤であって、該フッ素化界面活性剤は、式(I)で表される少なくとも1つの構成成分、
【化1】

又はその塩を含み、式中、
Rは、−H、−CH、及び−CHCOHからなる群から選択され、
mは、0〜11の値を有する整数であり、
Zは、次のもの又はそれらの塩からなる二価のセグメントであり、
独立して、式(II)で表される二価の基p:
【化2】

式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は、−C及び
−Cからなる群から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数であり、
pは、1〜18の値を有する整数である;
独立して、式(III)で表される二価の基q:
【化3】

式中、
は、H、−CH、及び
−CHCOHからなる群から選択され、
Xは、−H及び
−CHCHCOHからなる群から選択され、
qは、1〜35の値を有する整数であり、
該フッ素化界面活性剤は、kで表される、
【化4】

基を合わせた総数を有し、p/kは、0.5〜3の値を有する、フッ素化界面活性剤。
【請求項2】
Zが、式(II)で表される二価の基p及び式(III)で表される二価の基qからなる二価のセグメントである、請求項1に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項3】
が−Hである、請求項1又は2に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項4】
独立して、式(IV)で表される少なくとも1つの第1構成成分、
【化5】

又はその塩であって、式中、
Rは、H、−CH、及び
−CHCOHからなる群から選択され、
mは、0〜11の値を有する整数であるもの、
独立して、式(V)で表される少なくとも1つの第2構成成分であって、
【化6】

式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は、−C及び−Cからなる群から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数であるもの、並びに
独立して、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、及びその塩からなる群から選択される、少なくとも1つの第3構成成分、からなる構成成分を共重合することによって調製可能なフッ素化界面活性剤であって、
前記少なくとも1つの第1構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分が、jで表される
【化7】

基を合わせた総モル数を有し、
前記少なくとも1つの第2構成成分の合わせた総モル数は、gで表され、
g/jは、0.5〜3の範囲であり、
前記少なくとも1つの第1構成成分、前記少なくとも1つの第2構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分の量が、フッ素化界面活性剤が1,200g/モル〜10,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有するように選択される、フッ素化界面活性剤。
【請求項5】
Rが−Hである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項6】
Rが−CHCOHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項7】
が−Hである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項8】
が−CHである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項9】
が−Cである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項10】
前記フッ素化界面活性剤の重量平均分子量が、1,500g/モル〜8,000g/モルの値を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項11】
前記フッ素化界面活性剤の重量平均分子量が、1,500g/モル〜4,000g/モルの値を有する、請求項10に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項12】
前記フッ素化界面活性剤が、水中、22℃にて、少なくとも10ppm(重量)の溶解度を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項13】
前記フッ素化界面活性剤が、水中、22℃にて、少なくとも1,000ppm(重量)の溶解度を有する、請求項12に記載のフッ素化界面活性剤。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤を含む液体フッ素化界面活性剤濃縮物であって、少なくとも1つが液体ビヒクル内に溶解又は分散されており、該液体ビヒクルが水又は有機溶媒の少なくとも1つを含む、前記液体フッ素化界面活性剤濃縮物。
【請求項15】
前記フッ素化界面活性剤が、前記液体フッ素化界面活性剤濃縮物の総重量を基準として、少なくとも10重量%の量で存在する、請求項14に記載の液体フッ素化界面活性剤濃縮物。
【請求項16】
前記フッ素化界面活性剤が、前記液体フッ素化界面活性剤濃縮物の総重量を基準として、少なくとも30重量%の量で存在する、請求項14に記載の液体フッ素化界面活性剤濃縮物。
【請求項17】
液体の表面張力を低減する方法であって、液体を請求項1〜13のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤と、前記液体の表面張力を低減するのに十分な量で組み合わせることを含む、前記方法。
【請求項18】
水、ポリマー材料、及び請求項1〜13のいずれか一項に記載のフッ素化界面活性剤を含む、配合物。
【請求項19】
前記ポリマー材料が、アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、及びスチレンと少なくとも1種のアクリレートとのコポリマーからなる群から選択される、請求項18に記載の配合物。
【請求項20】
フッ素化界面活性剤の製造方法であって、該方法が、
独立して、式(IV)で表される少なくとも1つの第1構成成分、
【化8】

又はその塩であって、式中、
Rは、H、−CH、及び
−CHCOHからなる群から選択され、
mは、0〜11の値を有する整数であるもの、
独立して、式(V)で表される少なくとも1つの第2構成成分、
【化9】

式中、
は、−H及び−CHからなる群から選択され、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は、−C及び−Cからなる群から選択され、
nは、2〜11の値を有する整数であるもの、並びに
独立して、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、及びその塩からなる群から選択される、少なくとも1つの第3構成成分、からなる構成成分を共重合することを含む方法であって、
前記少なくとも1つの第1構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分が、jで表される、
【化10】

基を合わせた総モル数を有し、
前記少なくとも1つの第2構成成分の合わせた総モル数は、gで表され、
g/jは、0.5〜3の範囲であり、
前記少なくとも1つの第1構成成分、前記少なくとも1つの第2構成成分及び前記少なくとも1つの第3構成成分の量が、フッ素化界面活性剤が1,200g/モル〜10,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有するように選択される、前記製造方法。
【請求項21】
式(IV)で表される1つの第1構成成分、式(V)で表される1つの第2構成成分、並びにアクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、及びその塩からなる群から選択される1つの第3構成成分からなる構成成分を共重合させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
Rが−Hである、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
Rが−CHCOHである、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項24】
が−CHである、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
が−Cである、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記フッ素化界面活性剤の重量平均分子量が、1,500g/モル〜4,000g/モルの範囲である、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
共重合がフリーラジカル反応開始剤の存在下で実施される、請求項20〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの第3構成成分が、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレート、及びその塩からなる群から独立して選択される、請求項20〜27のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2010−506978(P2010−506978A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532574(P2009−532574)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/081086
【国際公開番号】WO2008/045999
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】