説明

フランジ付樹脂チューブの製造方法

【課題】フランジ部が外周面に十分な接合強度をもって一体的に周設されたフランジ付樹脂チューブを有利に製造し得る方法を提供する。
【解決手段】外周面にフランジ状のリング部20が一体的に周設された樹脂スリーブ14の内孔内に、筒状のパリソンを挿通した状態で、それらパリソンと樹脂スリーブ14とを成形キャビティ60内に収容配置した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、該パリソンを膨張変形せしめて、樹脂チューブを成形すると共に、該樹脂チューブと該樹脂スリーブ14とを一体化さることにより、該樹脂チューブの外周面に、該樹脂スリーブ14の前記リング部20からなるフランジ部11を一体的に周設するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ付樹脂チューブの製造方法に係り、特に、軸直角方向外方に延びるリング状のフランジ部が外周面に一体的に周設されてなるフランジ付樹脂チューブを有利に製造し得る方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種の機械や装置、設備等に設けられる配管は、金属製や、ゴム製、樹脂製のチューブ(パイプ、ホース)にて構成されている。例えば、自動車等の車両に設けられる配管には、吸排気系配管、燃料や燃料蒸気、冷却水等を流通させる配管、エアコンのドレン配管、或いはワイヤハーネスの保護用の配管等があり、これらの配管が、取付位置や取付形態、或いは内部を流通乃至は挿通せしめられる物品の種類等に応じて、金属チューブとゴムチューブと樹脂チューブの中から適宜に選択されたチューブにて、構成されているのである(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
ところで、樹脂チューブは、金属チューブに比して軽量であるため、自動車用配管としれ利用されるもの等においては、特別なブラケット等を用いることなく、例えば、自動車のボデーパネル等の取付部に穿設された取付孔内に、単に挿通するだけの簡略な構造にて支持されて、取り付けられる場合がある。そして、そのような場合には、通常、樹脂チューブとして、外周面に、軸直角方向外方に延びるリング状のフランジ部が一体的に周設された、所謂フランジ付樹脂チューブが用いられ、このフランジ付樹脂チューブが、取付孔の開口周縁部へのフランジ部の当接により、位置決めされた状態で、取付部に取り付けられるようになっている。
【0004】
また、そのような取付構造が採用されるフランジ付樹脂チューブは、殆どの場合、外フランジ形態を有するリング部が一体形成されたゴムスリーブが、樹脂チューブ(チューブ本体)に外挿されて、接着剤等により接着されることで、外周面にゴム製のフランジ部が一体形成されて、製造されている。けだし、かくして製造されたフランジ付樹脂チューブにあっては、取付部に設けられた取付孔に挿通されて、取り付けられる際に、ゴム製のフランジ部が取付孔の開口周縁部に当接せしめられることで、取付部との間のシール性が有効に確保され得ることとなるからである。
【0005】
しかしながら、かくの如き従来のフランジ付樹脂チューブにおいては、その製造に際して、樹脂チューブと、リング部を一体的に有するゴムスリーブとを、それぞれ、別個に製造した後、ゴムスリーブを樹脂チューブに接着するといった面倒な手間を要するため、製造工程が煩雑なものとなることが避けられず、また、樹脂チューブとゴムスリーブとが、単に、接着剤を用いて接着されるものであるために、かかる接着によって樹脂チューブに一体的に接合されたフランジ部と樹脂チューブとの間において、十分な接合強度を確保することが困難であった。
【0006】
なお、そのような従来のフランジ付樹脂チューブに代えて、外周面にフランジ部が一体成形されてなるフランジ付ゴムチューブを用いれば、上記せる製造工程上の問題と接合強度の問題の解消が図られ得るのであるが、このフランジ付ゴムチューブには、フランジ付樹脂チューブに比して、重量が大きいといった問題、更には、フランジ部とチューブ本体とが必ず同一のゴム材料にて構成されて、それらの材質を異ならせることが不可能であるため、用途範囲が、フランジ付樹脂チューブよりも不可避的に狭くなるといった問題が、内在していた。そのため、フランジ付樹脂チューブを、上記せる問題を生ぜしめるなく、有利に製造し得る手法の提供が、今、大いに待ち望まれているのである。
【0007】
【特許文献1】特開2005−82004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、外周面に、フランジ部が、十分な接合強度をもって接合された状態で、一体的に周設されてなるフランジ付樹脂チューブを、可及的に少ない工程数にて容易に且つ効率的に製造し得るフランジ付樹脂チューブの製造方法を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、軸直角方向外方に延びるリング状のフランジ部が外周面に一体的に周設されてなる樹脂チューブを製造する方法であって、(a)筒状のパリソンを形成する一方、軸直角方向外方に延びるフランジ形態を呈するリング部が外周面に一体的に周設されてなる樹脂スリーブの内孔内に、該パリソンを挿通させる工程と、(b)前記パリソンを、前記樹脂スリーブの内孔内に挿通させた状態で、目的とする樹脂チューブを与える成形キャビティ内に収容位置せしめる工程と、(c)前記成形キャビティ内に収容された前記パリソンの内部に気体を吹き込んで、該パリソンを膨張せしめることにより、前記樹脂チューブを成形すると共に、該樹脂チューブの外周面を該樹脂スリーブの内周面に密着させて、それら樹脂チューブと樹脂スリーブとを一体化することによって、該樹脂チューブの外周面に、該樹脂スリーブの前記リング部からなる前記フランジ部を一体的に周設する工程とを含むことを特徴とするフランジ付樹脂チューブの製造方法にある。
【0010】
なお、このような本発明に従うフランジ付樹脂チューブの製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記パリソンと前記樹脂スリーブとが、互いに材質の異なる樹脂材料を用いて形成される。また、この場合、望ましくは、前記樹脂スリーブが、前記パリソンを形成する樹脂材料よりも硬い材質の樹脂材料を用いて形成されることとなる。
【0011】
さらに、本発明に従うフランジ付樹脂チューブの製造方法の有利な別の態様の一つによれば、前記樹脂スリーブが、樹脂ばねにより弾性変形可能とされた第一係合部を外周部に有すると共に、所定の取付部の取付孔内への該樹脂スリーブの挿入状態下で、該第一係合部が、該第一係合部の弾性変形作用に基づいて、該取付部が有する第二係合部に係合せしめられることにより、該樹脂スリーブが該取付部に取り付けられるように構成される。
【0012】
更にまた、本発明に従うフランジ付樹脂チューブの製造方法の更に他の好適な態様の一つによれば、前記樹脂スリーブにおける前記リング部の厚さ方向一方側の端面に、接触せしめられる部材との間において、弾性変形作用に基づくシール性を発揮するシール部が設けられる。
【発明の効果】
【0013】
すなわち、本発明に従うフランジ付樹脂チューブの製造方法にあっては、筒状のパリソンに対するブロー成形を行って、樹脂チューブ(チューブ本体)を成形すると同時に、この樹脂チューブの外周面に対して、パリソンが挿通、位置せしめられた樹脂スリーブのリング部からなるフランジ部が、一体的に周設されるようになっている。即ち、樹脂チューブの成形操作と、樹脂チューブにフランジ部を一体的に周設する操作とが、一つの工程内において同時に進行せしめられる。
【0014】
それ故、このような本発明手法においては、樹脂チューブの成形操作と、樹脂チューブにゴムスリーブを接着して、樹脂チューブの外周面にフランジ部を一体的に周設する操作とが、それぞれ別個の工程で段階的に実施される従来のフランジ付樹脂チューブの製造手法に比して、フランジ付樹脂チューブの製造に要される工程数が、有利に少なく為され得る。
【0015】
また、本発明に係るフランジ付樹脂チューブの製造方法では、樹脂チューブのブロー成形時において、溶融乃至は半溶融状態で膨張せしめられたパリソンの外周面に、樹脂スリーブの内周面が密着せしめられることにより、樹脂スリーブが、内周面部分において、パリソンの膨張により成形される樹脂チューブに対して、溶着された状態で、一体化されるようになる。このため、接着剤を用いて、樹脂チューブと樹脂スリーブとを接着する場合に比して、樹脂スリーブのリング部からなるフランジ部と樹脂チューブとの間の接着強度が、効果的に高められ得る。
【0016】
従って、かくの如き本発明に従うフランジ付樹脂チューブの製造方法によれば、外周面に、フランジ部が、十分な接合強度をもって接合された状態で、一体的に周設されてなるフランジ付樹脂チューブを、可及的に少ない工程数にて、容易に且つ効率的に製造することが出来る。
【0017】
また、かかる本発明手法においては、樹脂チューブと樹脂スリーブの形成材料として、種類や特性、色等が互いに異なる樹脂材料を用いることによって、樹脂チューブとそれに一体形成されるフランジ部とを、種類や特性、色等が互いに異なる樹脂材料にて形成することが出来る。それによって、所定の取付部への取付に際して、樹脂チューブとフランジ部のそれぞれの特性を活かした各種の取付構造が採用され、また、より幅広い用途に使用されることが、大いに期待され得る。
【0018】
さらに、本発明に従うフランジ付樹脂チューブの製造方法にあっては、例えば、樹脂スリーブとして、弾性を発揮する樹脂材料を用いて形成されたものを用いれば、所定の取付部に設けられた取付孔に挿通されて、フランジ部が取付孔の開口周縁部に当接せしめられた状態で、取付部に取り付けられた際に、ゴム製のフランジ部を有するフランジ付樹脂チューブと同様に、取付部との間のシール性を有効に確保し得るフランジ付樹脂チューブが、有利に製造され得ることとなる。なお、樹脂スリーブが、弾性を有しない樹脂材料にて形成される場合にも、例えば、リング部にシール部が設けられた樹脂スリーブを用いれば、弾性を発揮する樹脂材料を用いて形成された樹脂スリーブを使用したときと同様な利点が得られる。
【0019】
すなわち、本発明手法にあっても、樹脂スリーブの形成材料の選択や、樹脂スリーブのリング部へのシール部の追加等によって、ゴム製のフランジ部が外周面に一体的に周設されたフランジ付樹脂チューブと同様な利点を有するフランジ付樹脂チューブを、軽量且つ低コストな構造において、容易に且つ効率的に得ることが出来るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0021】
先ず、図1には、本発明に従う製造手法に従って製造されたフランジ付樹脂チューブの一例としての自動車用エアコンのドレンホースが、その正面形態において、概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、ドレンホース10は、樹脂チューブからなるホース本体12と、このホース本体12の長さ方向一端部に外挿されて、一体的に固着された樹脂スリーブ14とを有して、構成されている。
【0022】
より具体的には、ドレンホース10のホース本体12は、全体として、細長い薄肉円筒形状を呈し、例えば、オレフィン系エラストマ等の軟質の樹脂材料を用いて形成されている。また、このホース本体12の長さ方向において互いに所定距離を隔てて位置する二箇所には、蛇腹部16が、それぞれ設けられており、これによって、蛇腹部16の形成箇所において、容易に屈曲変形可能とされている。更に、ホース本体12の樹脂スリーブ14を間に挟んだ上部部位と下部部位とには、径方向外方に膨出せしめられた膨出部17が、樹脂スリーブ14の上端面と下端面とに係合して、軸方向への変位を規制するように、それぞれ一つずつ、一体形成されている。
【0023】
一方、樹脂スリーブ14は、ホース本体12の外径と略同一の内径と、比較的に低い高さ(短い長さ)とを有する薄肉円筒状のスリーブ本体18を有し、このスリーブ本体18を含む全体が、例えば、ポリプロピレン等、オレフィン系エラストマと親和性の高い硬質の樹脂材料を用いて形成されている。
【0024】
そして、図2乃至図4に示されるように、かかる樹脂スリーブ14のスリーブ本体18における高さ方向一端部側(図3の下側)の外周面には、径方向外方(軸直角方向外方)に所定高さで突出し、且つ周方向に連続して延びる、外フランジ形態を呈する、円環板状のリング部20が、一体形成されている。また、このリング部20にあっては、その外周部が薄肉部とされる一方、内周部が厚肉部とされている。そして、かかるリング部20の薄肉部におけるスリーブ本体18の高さ方向他端側(図3の上側)の端面上に、ゴム材料からなる、シール部としてのシールリング22が、スリーブ本体18と同軸上で、その周囲を取り囲むようにして、固着されている。
【0025】
また、リング部20の厚肉部におけるスリーブ本体18の高さ方向他端側の端面上には、筒状挿入部24が、シールリング22の内側において、スリーブ本体18と同軸上で、スリーブ本体18よりも低い高さで突出し且つスリーブ本体18の周囲を取り囲むようにして、一体的に立設されている。この筒状挿入部24は、スリーブ本体18よりも一周り大きな径を有する二つの円弧状筒壁部26a,26bと、スリーブ本体18の外径よりも僅かに小さな幅(図2中の上下方向の長さ寸法)を有する二つの平板状筒壁部28a,28bの、合計四つの筒壁部を有しており、それら二つの円弧状筒壁部26a,26b同士と二つの平板状筒壁部28a,28b同士とが、スリーブ本体18を間に挟んで、スリーブ本体18の径方向において互いに対向位置せしめられている。
【0026】
そして、このような筒状挿入部24における二つの円弧状筒壁部26a,26bのそれぞれの周方向中央部には、筒状挿入部24のリング部20からの突出方向(図3中の上方)に向かって開口するコ字状のスロット30が設けられて、このコ字状スロット30にて囲まれた部分が、樹脂ばねにより、スリーブ本体18の径方向において弾性変形可能な第一係合片32とされている。また、かかる第一係合片32には、スリーブ本体18の径方向外方に突出する断面三角形状の係合突起34が、一体形成されている。
【0027】
一方、二つの平板状筒壁部28a,28bのそれぞれの幅方向中央部における突出端側の外周面部には、スリーブ本体18の径方向外方に向かって下傾して延びる、換言すれば、先端に向かうに従って、各平板状筒壁部28a,28bの外面から外方に徐々に離間するように延びる、先端が自由端とされた狭幅の第二係合片36が、樹脂ばねにより、スリーブ本体18の径方向において弾性変形可能な状態で、一体形成されている。また、この第二係合片36にも、スリーブ本体18の径方向外方に突出する断面三角形状の係合突起38が、一体的に設けられている。なお、図2中、40は、スリーブ本体18と筒状挿入部24との間に架設された平板状の補強リブである。
【0028】
そして、図1から明らかなように、かかる構造とされた樹脂スリーブ14が、スリーブ本体18において、ホース本体12の長さ方向一端部に外挿されて、溶着されている。かくして、ドレンホース10が、長さ方向一端部の外周面に、樹脂スリーブ14のリング部20からなる、径方向外方に延びるリング状のフランジ部11が一体的に周設されてなる形態をもって、構成されているのである。
【0029】
そして、このようなドレンホース10は、図1に示される如く、例えば、自動車のボデーパネル42(図1に二点鎖線で示す)に取り付けられて使用されることとなるが、このドレンホース10のボデーパネル42への取付は、ドレンホース10のフランジ部11形成側端部を、ボデーパネル42に設けられた取付孔44内に、図1の下側から、所定量、挿入するワンタッチの操作を行うだけで、完了せしめられるようになっている。
【0030】
すなわち、ドレンホース10をボデーパネル42に取り付ける際には、ドレンホース10のフランジ部11形成側端部が、樹脂スリーブ14の筒状挿入部24において、ボデーパネル42に設けられた取付孔44内に、図1の下側から挿入される。そして、かかる筒状挿入部24に一体形成された第一及び第二係合片32,36が径方向内方に弾性変形せしめられつつ、それら第一及び第二係合片32,36の各係合突起34,38が、取付孔44の開口周縁部を乗り越えて、第一及び第二係合片32,36の復元力により、ボデーパネル42に設けられた取付孔44の図1中の上端面側の開口周縁部に係合せしめられる位置まで挿通される。
【0031】
これによって、ドレンホース10の取付孔44からの図1の下側への引抜きと、取付孔44内への更なる挿入(図1の上側への挿入)が、ボデーパネル42の上面と下面のそれぞれの取付孔44の開口周縁部に対する第一及び第二係合片32,36の各係合突起34,38とフランジ部11の係合によって阻止され、以て、ドレンホース10が、ボデーパネル42に対して位置固定に取り付けられるのである。このことから明らかなように、本実施形態においては、第一係合片32及び第二係合片36と、それらにそれぞれ一体形成された係合突起34,38とにて、第一係合部が構成され、また、ボデーパネル42の取付孔44の開口周縁部にて、第二係合部が構成されている。
【0032】
なお、ここでは、そのような取付状態において、フランジ部11(樹脂スリーブ14のリング部20)に固着されたシールリング22が、ボデーパネル42の下面における取付孔44の開口周縁部とフランジ部11との間に、弾性変形下で挟圧保持され、それにより、かかるシールリング22の復元力に基づいて、取付孔44の開口周縁部とフランジ部11との間の液密性が確保され得るようになる。
【0033】
ところで、かくの如き構造とされたドレンホース10は、本発明手法に従って、樹脂スリーブ14をインサート部材として用いたインサートブロー成形によって製造されるが、このインサートブロー成形は、例えば、以下の如き手順に従って、その作業が進められることとなる。
【0034】
すなわち、先ず、図5に示される如き構造を有するブロー成形用金型46が、準備される。このブロー成形用金型46は、図5中の左右方向に対向配置された、略矩形ブロック形状を呈する左型48と右型50とを有している。そして、それら左型48と右型50の互いの対向面には、目的とするドレンホース10のホース本体12における左側半分の外面形状と右側半分の外面形状とにそれぞれ対応した内面形状を有するキャビティ形成凹所52,54が、左及び右型48,50の高さ方向(上下の長さ方向)に延びるようにして、それぞれ設けられている。
【0035】
また、それら左及び右型48,50の上部に位置する各キャビティ形成凹所52,54の底面部分には、樹脂スリーブ14を収容するための収容凹部56が設けられ、更に、この収容凹部56には、樹脂スリーブ14のリング部20の外周部が挿入保持される保持凹部58が、形成されている。更にまた、左及び右型48,50の高さ方向中間部と下部とにそれぞれ位置する各キャビティ形成凹所52,54の底面部分には、ホース本体12に設けられた蛇腹部16を形成する蛇腹部形成部59が、各々設けられている。
【0036】
そして、このようなブロー成形用金型46にあっては、左型48が位置固定とされている一方、右型50が、例えば油圧シリンダやサーボモータ等を利用した駆動機構(図示せず)によって、図5中の左右方向に水平移動可能とされており、以て、かかる右型50の左右方向の水平移動に伴って、型合せ/型開きされるようになっている。かくして、そのような左型48と右型50との型合せによって、それら両型48,50の間に、ドレンホース10のホース本体12に対応した形状を有する成形キャビティ(60)が、それぞれのキャビティ形成凹部52,54にて形成されるように、構成されている(図7参照)。
【0037】
一方、上記の如き構造とされたブロー成形用金型46とは別に、図2乃至図4に示される如き構造を有する樹脂スリーブ14が、例えば、ポリプロピレンからなる樹脂材料を用いた公知の射出成形手法を行う等して成形されて、準備される。
【0038】
次に、それら準備されたブロー成形用金型46と樹脂スリーブ14とが用いられ、図6に示されるように、左型48と右型50の型開き状態下で、左型48のキャビティ形成凹所52に設けられた収容凹部56内に、樹脂スリーブ14の左側半分の部分が、リング部20の外周部の左側半周部分を保持凹部58内に挿入して、保持させた状態で、収容される。
【0039】
その後、所定の押出機の先端のダイヘッド62に取り付けられた押出ダイ64を通じて、例えば、オレフィン系エラストマからなる筒状のパリソン66が、樹脂スリーブ14のスリーブ本体18の内径よりも所定寸法小さな外径をもって、押出成形される。そして、このパリソン66が、左型48の収容凹部56内に収容、保持された樹脂スリーブ14のスリーブ本体18の内孔内に挿通せしめられつつ、更に連続的に押し出される。このとき、パリソン66は、左型48と右型50のそれぞれの高さよりも長い長さで押出成形されるが、外周面の全面が、キャビティ形成凹所52の内面を含む左型48の右型50との対向面の全面に対して、可及的に接触しないように位置せしめられる。そうして、左型48との接触により、パリソン66の表面温度が、部分的に低下することが阻止される。
【0040】
次いで、図7に示されるように、右型50が、図示しない駆動機構の作動により、左型48に接近移動せしめられて、それら左型48と右型50とが型合せされる。これにより、それら左型48と右型50との間に、目的とするドレンホース10のホース本体12に対応した形状を有する成形キャビティ60が形成される。また、このとき、左型48の収容凹部56内に左側半分が収容保持された樹脂スリーブ14の右側半分の部分が、右型50の収容凹部56内に、リング部20の右側半周部分を挿入させた状態で、収容、保持されて、かかる樹脂スリーブ14の全体が、成形キャビティ60内に、収容位置せしめられる。そして、それと共に、樹脂スリーブ14のスリーブ本体18の内孔内に挿通されたパリソン66も、成形キャビティ60内に、収容配置される。
【0041】
なお、かくして、パリソン66が成形キャビティ60内に収容された際には、パリソン66の両端部が、左型48と右型22のそれぞれの対向面(型合せ面)の上部同士や下部同士にて挟まれて、潰されることで、パリソン66の内部が密閉される。また、成形キャビティ60内で、パリソン66の外周面の全面が、左型48と右型50のそれぞれの対向面の全面に対して、可及的に接触しないように位置せしめられる。これにより、左及び右型48,50の各対向面との接触によるパリソン66の表面温度の低下が防止されて、パリソン66の十分な可塑性乃至は柔軟性が維持される。
【0042】
その後、図8に示されるように、左型48と右型22のそれぞれの対向面の上部同士にて潰されたパリソン66の下端部に、針状の空気ノズル68が刺し通された後、この空気ノズル68を通じて、パリソン66の内部に、所定圧力の圧縮空気が吹き込まれる。これにより、パリソン66が、膨張変形せしめられて、成形キャビティ60の形状、つまり左及び右型48,50の各キャビティ形成凹所52,54(但し、収容凹部56の形成部分を除く)に対応した形状を有すると共に、長さ方向の中間部と下部に、蛇腹部形成部59にて蛇腹部16が形成されたホース本体12が成形される。また、このホース本体12の成形と同時に、樹脂スリーブ14のスリーブ本体18内へのホース本体12の挿入部分の外周面が、かかるスリーブ本体18の内周面に密着せしめられ、以て、樹脂スリーブ14がホース本体12に溶着されて、一体化されてなる中間成形体70が形成される。
【0043】
そして、その後、図示されてはいないものの、中間成形体70がブロー成形用金型46から離型せしめられた後、かかる中間成形体70の軸方向両端部が切断、除去されることで、それら両端部に開口部が形成され、更に、樹脂スリーブ14のリング部20に、シールリング22が接着剤等にて固着される。これによって、図1に示される如く、長さ方向に所定間隔を隔てた二箇所に蛇腹部16をそれぞれ有するホース本体12の長さ方向一端部に、樹脂スリーブ14のリング部20からなるフランジ部11が、径方向外方に延びるようにして、一体的に周設されてなるドレンホース10が、製造されることとなるのである。
【0044】
このように、本実施形態によれば、パリソン66に対するブロー成形を行う1工程内で、ホース本体12の成形操作と、ホース本体12にフランジ部11を一体的に周設する操作とが、同時進行で行われる。それ故、例えば、ホース本体12を公知の金型成形等にて成形した後、それを金型内から離型し、その後、成形されたホース本体12に樹脂スリーブ14を外挿して、固着させる手法、つまり、ホース本体12の成形操作と、ホース本体にフランジ部11を一体的に周設する操作とを別個の工程で段階的に行う従来手法を実施して、目的とするドレンホース10を製造する場合とは異なって、ドレンホース10の製造に要される工程数が有利に少なくされ得る。
【0045】
しかも、本実施形態では、樹脂スリーブ14がホース本体12に溶着されることで、ホース本体12の外周面に、フランジ部11が一体的に周設されるようになるところから、ホース本体12と、それに外挿された樹脂スリーブ14とを、接着剤にて接着して、フランジ部11をホース本体12の外周面に一体的に周設する場合に比して、樹脂スリーブ14が、ホース本体12に対して、より強固に接合され、以て、ホース本体12とフランジ部11との間の接合強度が、効果的に高められ得る。
【0046】
従って、かくの如き本実施形態によれば、外周面に、フランジ部11が、十分な接合強度をもって接合された状態で、一体的に周設されてなるドレンホース10が、可及的に少ない工程数にて、容易に且つ効率的に製造され得ることとなる。
【0047】
また、本実施形態においては、長さ方向に互いに離隔した二箇所に蛇腹部16を有するホース本体12が、オレフィン系エラストマ等の軟質の樹脂材料を用いて形成される一方、フランジ部11が、ポリプロピレン等の硬質の樹脂材料を用いて形成されるため、ホース本体12において十分な可撓性と屈曲性とが確保されると共に、フランジ部11の適度な剛性が得られる。そして、それによって、ホース本体12とフランジ部11の両方を軟質材料にて形成する場合とは異なって、前述せる如きボデーパネル42に対するドレンホース10の取付状態下において、フランジ部11の無用な変形により、ドレンホース10のボデーパネル42への取付状態が不安定となったり、或いはフランジ部11上に設けられるシールリング22と取付孔44の開口周縁部との間に隙間が形成されて、取付孔44のシール性が低下するようなことが、ホース本体12の十分な可撓性と屈曲性とを維持した上で、有利に防止され得る。
【0048】
さらに、本実施形態では、ホース本体12とフランジ部11とが、互いに材質の異なる樹脂材料を用いて形成されているところから、ドレンホース10が、ボデーパネル42に取り付けられる以外に、ホース本体12とフランジ部11とをそれぞれ与える樹脂材料の別個の特性を各々活かせるような各種の取付部に対しても、安定的に取り付けられ得ることとなる。
【0049】
更にまた、本実施形態においては、ホース本体12に溶着される樹脂スリーブ14に対して、樹脂ばねにより弾性変形可能とされると共に、係合突起34,38が突設された第一及び第二係合片32,36が一体的に設けられて、ドレンホース10が構成され、そして、前述せる如く、このようなドレンホース10の樹脂スリーブ14の溶着側端部(フランジ部11形成側端部)を、ボデーパネル42の取付孔44内に挿入するだけのワンタッチの操作で、ドレンホース10がボデーパネル42に取り付けられるようになっている。それ故、ドレンホース10のボデーパネル42への取付操作の簡便化が、有利に実現され得ている。
【0050】
また、本実施形態では、ドレンホース10に一体的に周設されるフランジ部11の厚さ方向一方の面上に、シールリング22が固着されて、ボデーパネル42の取付孔44内に挿入されて、ボデーパネル42に取り付けられた状態下で、かかる取付孔44のシール性が確保され得るようになっている。それ故、そのようなドレンホース10のボデーパネル42への取付状態下において、取付孔44を通じて、水等がボデーパネル42の内側に浸入せしめられることが、有利に防止され得る。そして、そのような十分な水密性等を発揮するシール性が、ゴム製のフランジ部11をホース本体12に設けることなく、有効に確保され得るのである。
【0051】
以上、本発明の代表的な一実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示であって、本発明は、そのような実施形態における具体的な記述によって何等限定的に解釈されるものでないことが、理解されるべきである。
【0052】
例えば、目的とするフランジ付樹脂チューブ(ドレンホース10)を製造するに際して、パリソンが挿通されて、このパリソンに対するブロー成形により成形される樹脂チューブ(ホース本体12)が一体化される樹脂スリーブは、軸直角方向外方に延びるフランジ形態を呈するリング部が外周面に一体的に周設されてなるものであれば、その具体的な構造や形成材料等が、例示のものに、何等限定されるものではなく、また、かかる樹脂スリーブに、第一係合部やシール部が設けられる場合にも、それら第一係合部やシー部の構造も、特に限定されるものではない。
【0053】
即ち、例えば、図9に示されるように、樹脂スリーブ72が、スリーブ本体74と、このスリーブ本体74の外周面における図9中の上側部位(以下、単に、上側部位と言う)に一体形成された第一係合部76と、スリーブ本体74の外周面における図9中の下側部位(以下、単に、下側部位と言う)に一体形成された、厚肉円環板形態を呈する外フランジ状のリング部78とを有して、構成されていても良い。なお、この図9においては、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について、図1と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省略した。
【0054】
すなわち、この樹脂スリーブ72にあっては、ホース本体12と同じ、弾性変形可能なオレフィン系エラストマを用いて形成されている。そして、スリーブ本体74の外周面の上側部位に、第一係合部76が、径方向外方に突出し且つ周方向に連続して延びる厚肉円環板状を呈する突条形態をもって、一体的に周設されている。また、この第一係合部76は、上側角部が斜めにカットされてなる如き形態とされることで、下方に向かって徐々に大径化するテーパ面からなる摺動面80が設けられており、更に、その下面が、円環面状の係合面82とされている。更に、樹脂スリーブ72のスリーブ本体74の外周面の下側部位に設けられたリング部78においては、その上面の外周部に、上方に所定高さで突出し且つ周方向に連続して延びる円環状突起84が、一体形成されている。
【0055】
そして、ここでは、そのような樹脂スリーブ72を用いて、前記実施形態と同様なインサートブロー成形を実施することによって、ホース本体12に樹脂スリーブ72が一体的に固着されて、かかるホース本体12の外周面に、樹脂スリーブ72のリング部78からなるフランジ部11が一体的に周設されてなる、目的とするドレンホース10が、製造されるようになっている。
【0056】
そして、かくして製造されたドレンホース10にあっても、図9に示される如く、例えば、自動車のボデーパネル42(図9に二点鎖線で示す)に取り付けられて使用されることとなるが、このドレンホース10のボデーパネル42への取付は、前記第一の実施形態と同様に、ドレンホース10のフランジ部11形成側端部を、ボデーパネル42に設けられた取付孔44内に、図9の下側から所定量において挿入するワンタッチの操作を行うだけで、完了せしめられるようになる。
【0057】
すなわち、ドレンホース10をボデーパネル42に取り付ける際には、ドレンホース10のフランジ部11形成側端部、つまり、樹脂スリーブ72の固着部位において、ボデーパネル42に設けられた取付孔44内に、図9の下側から挿入される。そして、樹脂スリーブ72のスリーブ本体74に一体形成された第一係合部76が、摺動面80において、取付孔44の開口周縁部に摺動し、径方向内方に弾性変形せしめられつつ、取付孔44の開口周縁部を乗り越えて、係合面82が、ボデーパネル42の上面における取付孔44の開口周縁部(第二係合部)に係合せしめられる位置まで挿通される。また、このとき、フランジ部11を与える樹脂スリーブ72のリング部78に設けられた円環状突起84が、弾性変形下で、ボデーパネル42の下面における取付孔44の開口周縁部に押圧接触せしめられる。
【0058】
これによって、ドレンホース10の取付孔44からの図9の下側への引抜きと、取付孔44内への更なる挿入(図9の上側への挿入)が、ボデーパネル42の上面と下面のそれぞれの取付孔44の開口周縁部に対する第一係合部76の係合面82とフランジ部11の円環状突起84の係合によって阻止され、以て、ドレンホース10が、ボデーパネル42に対して位置固定に取り付けられるのである。また、ここでは、そのような取付状態において、取付孔44の開口周縁部に、弾性変形下で押圧接触せしめられる円環状突起84の復元力に基づいて、取付孔44の開口周縁部とフランジ部11との間の液密性が確保され得るようになる。このことから明らかなように、本実施形態では、円環状突起84にて、シール部が構成されている。
【0059】
かくの如き本実施形態においても、ドレンホース10の製造手法が、前記第一の実施形態と同一とされていることで、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が、有効に享受され得る。また、第一係合部76や円環状突起84を有することによるボデーパネル42への取付性の向上や、ボデーパネル42への取付状態下でのボデーパネル42との間のシール性の確保が、効果的に実現され得ることとなる。
【0060】
なお、樹脂チューブたるホース本体12や樹脂スリーブ14,72の形成材料は、前記第一及び第二の実施形態に示されるものに、何等限定されるものでなく、フランジ付樹脂チューブに対する要求特性やその用途等に応じて、公知の樹脂材料の中から適宜に選択されて、用いられる。
【0061】
また、そのような樹脂チューブたるホース本体12と樹脂スリーブ14,72とをそれぞれ形成する樹脂材料は、互いに同一の材質のものであっても、或いは互いに異なる材質のものであっても良い。更に、それらは、互いに同一の色や特性を有するものであっても、或いは互いに異なる色や特性を有するものであっても良い。
【0062】
更にまた、目的とするフランジ付樹脂チューブをインサートブロー成形する際に用いられるブロー成形用金型の構造も、成形キャビティ内で樹脂スリーブを収容位置せしめる構造や、型合せ/型開き構造等も、特に限定されるものでないことは、勿論である。
【0063】
また、前記実施形態では、樹脂スリーブが、樹脂チューブの長さ方向一端部に一つだけ設けられていたが、樹脂チューブに対する樹脂スリーブの配設位置や配設個数も、これに決して限定されるものではない。
【0064】
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車用エアコンのドレンホースの製造方法に適用したものの具体例が示されていたが、本発明は、その他、自動車や自動車以外の各種装置や設備等に利用されるフランジ付樹脂チューブの製造方法の何れに対しても有利に適用され得ることは、勿論である。
【0065】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明手法に従って製造されたフランジ付樹脂チューブの一例たるドレンホースを示す、一部切欠図を含む正面説明図である。
【図2】図1に示されたドレンホースに設けられる樹脂スリーブの平面説明図である。
【図3】図2におけるIII−III断面説明図である。
【図4】図2における一部切欠図を含むIV矢視説明図である。
【図5】図1に示されたドレンホースを本発明手法に従って製造する際に用いられるブロー成形用金型を示す説明図である。
【図6】図1に示されたドレンホースを本発明手法に従って製造する際に実施される工程の一例を示す説明図であって、パリソンを連続的に押出成形する一方で、ブロー成形用金型の左型に保持された樹脂スリーブの内孔内に、かかるパリソンを挿通させた状態を示している。
【図7】図6に示された工程例に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、ブロー成形用金型を型合せして、成形キャビティを形成すると共に、この成形キャビティ内に、樹脂スリーブの内孔内に挿通されたパリソンを、樹脂スリーブと共に収容位置せしめた状態を示している。
【図8】図7に示された工程例に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部に圧縮空気を吹き込んで、パリソンを膨張変形せしめて、中間成形体を成形した状態を示している。
【図9】本発明手法に従って製造されたフランジ付樹脂チューブの別の例を示す図1に対応する図である。
【符号の説明】
【0067】
10 ドレンホース 11 フランジ部
12 ホース本体 14,72 樹脂スリーブ
20、78 リング部 22 シールリング
32 第一係合片 34,38 係合突起
36 第二係合片 42 ボデーパネル
44 取付孔 46 ブロー成形用金型
60 成形キャビティ 66 パリソン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸直角方向外方に延びるリング状のフランジ部が外周面に一体的に周設されてなる樹脂チューブを製造する方法であって、
筒状のパリソンを形成する一方、軸直角方向外方に延びるフランジ形態を呈するリング部が外周面に一体的に周設されてなる樹脂スリーブの内孔内に、該パリソンを挿通させる工程と、
前記パリソンを、前記樹脂スリーブの内孔内に挿通させた状態で、目的とする樹脂チューブを与える成形キャビティ内に収容位置せしめる工程と、
前記成形キャビティ内に収容された前記パリソンの内部に気体を吹き込んで、該パリソンを膨張せしめることにより、前記樹脂チューブを成形すると共に、該樹脂チューブの外周面を該樹脂スリーブの内周面に密着させて、それら樹脂チューブと樹脂スリーブとを一体化することによって、該樹脂チューブの外周面に、該樹脂スリーブの前記リング部からなる前記フランジ部を一体的に周設する工程と、
を含むことを特徴とするフランジ付樹脂チューブの製造方法。
【請求項2】
前記パリソンと前記樹脂スリーブとが、互いに材質の異なる樹脂材料を用いて形成されている請求項1に記載のフランジ付樹脂チューブの製造方法。
【請求項3】
前記樹脂スリーブが、前記パリソンを形成する樹脂材料よりも硬い材質の樹脂材料を用いて形成されている請求項2に記載のフランジ付樹脂チューブの製造方法。
【請求項4】
前記樹脂スリーブが、樹脂ばねにより弾性変形可能とされた第一係合部を外周部に有すると共に、所定の取付部の取付孔内への該樹脂スリーブの挿入状態下で、該第一係合部が、該第一係合部の弾性変形作用に基づいて、該取付部が有する第二係合部に係合せしめられることにより、該樹脂スリーブが該取付部に取り付けられるようになっている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載のフランジ付樹脂チューブの製造方法。
【請求項5】
前記樹脂スリーブにおける前記リング部の厚さ方向一方側の端面に、接触せしめられる部材との間において、弾性変形作用に基づくシール性を発揮するシール部が設けられている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載のフランジ付樹脂チューブの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−23179(P2009−23179A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187643(P2007−187643)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(599024643)東和ブロー株式会社 (9)
【Fターム(参考)】