説明

フレキシブル基板、光学部品、光送信器および光受信器

【課題】高周波特性を維持しつつ光学装置の小型化を図ること。
【解決手段】光送信器100は、光出力部112および電気入力部111aを筐体110に有する。駆動回路120は、筐体110の電気入力部111aに対応して配置される。発光素子130は、筐体の110光出力部112に対応して配置される。フレキシブル基板140は、特性インピーダンスを維持しつつ駆動回路120と発光素子130とを接続する信号ライン140aを有する。フレキシブル基板140は、駆動回路120と発光素子130との間に切欠部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光送受信機に内蔵されるフレキシブル基板、光学部品、光送信器および光受信器に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムに使用される光送受信機は、小型化、低コスト化が進んでいる。たとえば10Gbpsの光送受信機においては、X2、XFP(10Gigabit Small Form Factor Pluggable)に代表されるように、より小型で、低消費電力の光送受信機の規格が一般的になっている。
【0003】
それにともない、光送受信機の内部に使用される電気−光変換部および光−電気変換部においても、XMD−MSA(Miniature Device Multi Source Agreement)とよばれるTOSA(Transmitter Optical SubAssembly)、ROSA(Reciever Optical SubAssembly)タイプ(レセプタクルタイプ)の小型の規格が一般的になった。一方、光通信システムでは高速化の要求が強く、40Gbpsの光送受信機の開発や、100G Ethernet(登録商標)の議論も行われている。
【0004】
図11は、従来の光送受信機を示す斜視図および断面図である。図11の斜視図に示すように、光通信システム1110は複数のポート1111〜1114を備えており、光送受信機1120はポート1111に挿入される。光送受信機1120には光ファイバー1130が接続されている。光送受信機1120は、光ファイバー1130を介して他の通信システムと光信号の送受信を行う。図11の断面図に示すように、光送受信機1120は、電気入力部1121と、再生回路1122と、ドライバIC1123と、TOSA1124と、ROSA1125と、を備えている。
【0005】
電気入力部1121は、光通信システム1110のポート1111に光送受信機1120が挿入された場合に、光通信システム1110のポート1111と接続する。電気入力部1121は、通信システム1110から出力された電気信号を再生回路1122へ出力する。また、電気入力部1121は、再生回路1122から出力された電気信号を通信システム1110へ出力する。
【0006】
再生回路(CDR:Clock and Data Recovery)1122は、電気入力部1121から出力された電気信号からデータ信号およびクロック信号を抽出し、ドライバIC1123へ出力する。また、再生回路1122は、ROSA1125から出力された電気信号からデータ信号およびクロック信号を抽出し、電気入力部1121へ出力する。
【0007】
ドライバIC(Integrated Circuit)1123は、再生回路1122から出力される電気信号に基づいて、TOSA1124を駆動する駆動信号をTOSA1124へ出力するドライバアンプである。TOSA1124は、ドライバIC1123から出力される駆動信号に基づいて光ファイバー1130を介して光信号を送信する光送信器である。ROSA1125は、光ファイバー1130を介して光信号を受信する光受信器である。ROSA1125は、受信した光信号に基づく電気信号を再生回路1112へ出力する。
【0008】
図12は、光送受信機内部の伝送線路の各種形態を示す斜視図である。図12において、符号1210は直線伝送線路を示している。符号1220は90度曲げ伝送線路を示している。符号1230はワイヤによって接続された伝送線路を示している。光送受信機1120内部にはこのような各種の伝送線路が設けられるが、伝送線路中にインピーダンスミスマッチ部があると信号の反射が増加する。
【0009】
図13は、光送受信機が送信する光信号の周波数と反射との関係を示す特性図である。図13において、横軸は、光送受信機1120が送信する光信号の周波数(GHz)を示している。縦軸は、光送受信機1120内のインピーダンスミスマッチ部における反射(dB)を示している。符号1310は、直線伝送線路1210における反射特性を示している。符号1320は、90度曲げ伝送線路1220における反射特性を示している。
【0010】
符号1330は、ワイヤによって接続された伝送線路1230における反射特性を示している。図13に示すように、光送受信機1120内部の伝送線路の各種形態において、光信号の周波数が大きくなるとインピーダンスミスマッチ部における反射が大きくなる。一般的に、λ/20の長さのインピーダンスミスマッチ部があると特性に影響が出ると言われている(40GHzでは375μm(自由空間))。このため、高速の光送受信機1120においては、内部の伝送線路にインピーダンスミスマッチ部を作らないことが必要となる。
【0011】
図14は、光送受信機が送信する光信号の周波数と放射との関係を示す特性図である。図14において、横軸は、光送受信機1120が送信する光信号の周波数(GHz)を示している。縦軸は、光送受信機1120内で発生する信号の放射(dB)を示している。符号1410は、直線伝送線路1210における放射特性を示している。符号1420は、90度曲げ伝送線路1220における放射特性を示している。符号1430は、ワイヤによって接続された伝送線路1230における放射特性を示している。
【0012】
図14に示すように、光送受信機1120内部の伝送線路の各種形態において、光信号の周波数が大きくなると信号の放射が大きくなる。信号の放射が大きくなると、電磁妨害が大きくなる。特に、ドライバIC1123は、出力振幅が最も大きく、電磁妨害が発生しやすい。このため、光送受信機1120においては、TOSA1124の筐体にドライバIC1123を内蔵することで、電磁妨害の低減が図られているものもある。
【0013】
図15は、従来の光送信器を示す平面図である。光送信器1500は、筐体1510にドライバIC1520および発光素子1530を備えるTOSAである。ドライバIC1520は、筐体1510に設けられた電気入力部1511から入力される電気信号に基づいて、発光素子1530を駆動する駆動信号を生成する。ドライバIC1520は、生成した駆動信号を、信号路1540を介して発光素子1530へ出力する。
【0014】
ドライバIC1520は、電気入力部1511との接続における高周波特性を維持するため、電気入力部1511の位置に合わせて配置される。たとえば、ドライバIC1520は、電気入力部1511とワイヤによる接続距離1601が250μm以内になるように配置される。
【0015】
発光素子1530は、ドライバIC1520から出力された駆動信号に基づく光信号を、筐体1510に設けられた光出力部1512から出射する。発光素子1530は、筐体1510の光出力部1512から光信号を出射するため、光出力部1512の位置に合わせて配置される。特に、TOSAやROSAにおいては、SCコネクタやLCコネクタが直接挿され光結合をとるため、発光素子1530の位置精度はさらに厳しくなる。
【0016】
図16は、図15のD−D線断面図である。図16において、図15に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図16に示すように、駆動信号を通過させる信号路1540における特性インピーダンスのミスマッチ部(ワイヤー)を短くする必要がある。
【0017】
また、発光素子1530や電解吸収型光変調器(EA)は温度コントロールが必要であるため、ペルチェ素子1610上に設けられ、他の部品(筐体)から熱的(実際には空間的)に絶縁されている。特にEML(EAと発光素子が一体化されたもの)においては、それ自身が動作時に発熱するため、様々な放熱構造が検討されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0018】
また、素子同士を橋渡しする形状のホルダによって信号路1540の接続距離を短くする構成が開示されている(たとえば、下記特許文献2参照。)。また、信号路1540をフレキシブル基板によって接続する構成が開示されている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
【0019】
【特許文献1】特開2003−222826号公報
【特許文献2】特許第3353718号明細書
【特許文献3】特開2006−338018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上述した従来技術では、筐体1510における電気入力部1511と光出力部1512との位置ずれによって、ドライバIC1520と発光素子1530との位置ずれが生じるという問題がある。この位置ずれをワイヤによって補正しつつドライバIC1520と発光素子1530とを接続すると、ワイヤによる接続距離1561〜1564が長く(たとえば375μm以上に)なり高周波特性を維持することができなくなる。
【0021】
また、光送信器1500を小型化する場合、発光素子1530(変調機)およびペルチェ素子1610と、筐体1510と、の距離が近くなる。このため、発光素子1530の熱が十分に発散されず、発光素子1530の温度制御が困難になるという問題がある。
【0022】
たとえば、EA(Electro Absorption)は温度依存性があり、温度が変わると変調がかからなかったり、光出力が小さくなったりするという問題がある。また、EML(EA Modulator integrated Laser diode:EA変調器集積型半導体レーザ)は、EAと同様の問題に加えて、発光する光信号の波長が変化するなどの問題がある。
【0023】
特に、ドライバIC1520を筐体1510に内蔵した場合、ドライバIC1520も発光素子1530と同様に熱を発する。このため、発光素子1530の温度制御がより困難になる。これに対して、ドライバIC1520と発光素子1530とが熱的に分離されるように、ドライバIC1520と発光素子1530との間の距離を大きくとることが考えられる。しかし、ドライバIC1520と発光素子1530との間の距離を大きくとる場合、ドライバIC1520と発光素子1530との間のインピーダンスミスマッチ部が長くなり、高周波特性を維持することが困難となるという問題がある。
【0024】
たとえば、ドライバIC1520と発光素子1530およびペルチェ素子1610との間の距離を大きくとるために、固定部材1620とペルチェ素子1610との間に空間1630を形成する。そして、上述した特許文献2のように、信号路1540の高周波特性を維持するために、符号1605に示すように、固定部材1620およびペルチェ素子1610上から空間1630の上にせり出すように信号路1540の基材を設けることが考えられる。しかし、この場合、筐体1510の内部構成が複雑となる。このため、光送信器1500を小型化することができないという問題がある。
【0025】
このように、ドライバIC1520を筐体1510に内蔵した光送信器1500においては、発光素子1530の温度制御のためにはドライバIC1520と発光素子1530との距離を大きくとる必要がある一方、ドライバIC1520と発光素子1530との間の距離を大きくとると、高周波特性の維持が難しく、また、光送信器1500の小型化を図ることが困難になるという問題がある。
【0026】
また、上述したROSA1125においても、筐体における入力部と電気出力部と光の位置ずれによって電気出力部と受光素子との位置ずれが生じるという問題がある。この位置ずれをワイヤによって補正しつつ電気出力部と受光素子とを接続すると、接続距離が長く(たとえば375μm以上に)なり高周波特性を維持することができなくなるという問題がある。
【0027】
これに対して、上述した特許文献3のように、たとえばドライバIC1520と発光素子1530とをフレキシブル基板によって接続することが考えられる(たとえば特開2006−338018参照)。しかし、一般的なフレキシブル基板は、基材に数10μm厚のポリイミドや液晶ポリマーなどを用い、厚さ10μm程度のCu箔を片面または両面に貼り付け、さらに、NiメッキやAuメッキなどが付くため、サイズによっては十分な可撓性を得ることができない。
【0028】
また、TOSAなどの小型のモジュールにフレキシブル基板を内蔵する場合、フレキシブル基板のサイズは数mm〜数10mm程度となる。このため、フレキシブル基板であっても、自由に曲げてドライバIC1520と発光素子1530との位置を合わせることは困難となる。
【0029】
この発明は、上述した問題点を解消するものであり、高周波特性を維持しつつ光学装置の小型化を図ることができるフレキシブル基板、光学部品、光送信器および光受信器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
この発明にかかるフレキシブル基板は、第1部品と第2部品とを電気的に接続するフレキシブル基板であって、前記第1部品と第2部品との間に位置する切欠部を有する可撓性の基材と、前記基材の前記切欠部が形成されていない部分に形成され、特性インピーダンスを維持しつつ前記第1部品と第2部品とを接続する信号ラインと、を備えることを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、第1部品と第2部品との間に切欠部を有するため可撓性が大きくなる。このため、フレキシブル基板のサイズが小さい場合でも十分な可撓性を得ることができる。
【0032】
また、この発明にかかる光学部品は、光入出力部と、前記第1部品としての電気入出力部と、を筐体に有する光学部品であって、前記筐体の光入出力部に対応して配置される前記第2部品としての光素子と、前記電気入出力部と前記光素子とを電気的に接続する上述のフレキシブル基板と、を備えることを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、フレキシブル基板によって光入出力部と電気入出力部との位置ずれを吸収することができ、高周波特性を維持することができる。また、筐体の内部構造を複雑にすることなく発光素子と筐体との間の距離を大きくとることができる。
【発明の効果】
【0034】
この発明によれば、高周波特性を維持しつつ光学装置の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるフレキシブル基板、光学部品、光送信器および光受信器の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0036】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる光送信器を示す平面図である。図1に示すように、実施の形態にかかる光送信器100は、筐体110内に、ドライバIC120と、発光素子130と、フレキシブル基板140と、を備えている。筐体110は、複数の電気入力部111a〜111fと、光出力部112と、を有している。
【0037】
電気入力部111a〜111fは筐体110の一端に設けられており、電気入力部111a〜111fには電気信号や電源が入力される。電気入力部111a〜111fはたとえばセラミック端子である。光出力部112は、筐体110の他端に設けられている。光出力部112は、ここでは、他の光デバイスのコネクタに接続されるレセプタクルである。光出力部112は、筐体110内から出射される光信号を他の光デバイスへ出力する。
【0038】
ドライバIC120は、発光素子130を駆動するための駆動信号を出力する駆動回路である。ドライバIC120は、電気入力部111aから入力される電気信号に基づいて駆動信号を生成する。ドライバIC120は、生成した駆動信号をフレキシブル基板140を介して発光素子130へ出力する。ドライバIC120は、たとえば、電気入力部111aから入力される電気信号を増幅して駆動信号とする増幅器である。
【0039】
ドライバIC120は、電気入力部111aに対してワイヤを介して接続されている。電気入力部111aとドライバIC120との接続における高周波特性を維持するために、ドライバIC120は電気入力部111aの位置に合わせて配置されている。たとえば、ドライバIC120は、電気入力部111aとの接続距離261が375μm以内となる位置に配置される。ドライバIC120は、ここではフレキシブル基板140の一端の上に配置されている。
【0040】
発光素子130は、ドライバIC120からフレキシブル基板140を介して出力された駆動信号に基づいて光信号を生成する。発光素子130は、生成した光信号を光出力部112を介して外部へ出射する。発光素子130は、たとえば、EA型変調器や、EMLチップである。
【0041】
なお、光送信器100の送信側には光結合部150が設けられている。発光素子130は、生成した光信号を光結合部150および光出力部112を介して出射する。ここでは、光結合部150は、レンズ151と、窓152と、レンズ153と、から構成されている。レンズ151は、発光素子130と筐体110との間に配置されており、発光素子130から出射された光信号を通過させる。
【0042】
窓152は、筐体110に設けられており、発光素子130から光出力部112へ向かう方向にのみ光信号を通過させる光アイソレータの機能を有する。レンズ153は、光出力部112に内蔵されており、発光素子130から出射されレンズ151および窓152を通過した光信号を通過させる。
【0043】
発光素子130は、光出力部112に対して光信号を出射するために、光出力部112の位置に合わせて配置されている。たとえば、発光素子130は、光出力部112との位置ずれの精度が100μm以内になるように配置される。このように、ドライバIC120は電気入力部111aの位置に合わせて配置される一方、発光素子130は光出力部112の位置に合わせて配置される。
【0044】
フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)140の一端は電気入力部111b〜111fに接続されている。また、フレキシブル基板140は、ドライバIC120に接続され、ドライバIC120が出力した駆動信号を発光素子130へ出力する信号ライン140aを有する。信号ライン140aは高周波信号ラインであり、信号ライン140aのインピーダンスはここでは50Ωに維持されている。
【0045】
フレキシブル基板140の一端は、信号ライン140aとドライバIC120との接続距離がたとえば375μm以内となるように配置されている。これにより、信号ライン140aとドライバIC120との間の高周波特性を維持することができる。また、フレキシブル基板140の他端は、信号ライン140aと発光素子130との間の接続距離がたとえば375μm以内となるように配置されている。これにより、信号ライン140aと発光素子130との間の高周波特性を維持することができる。
【0046】
ここでは、フレキシブル基板140は、信号ライン140aの他に複数のDCライン140b〜140fを有している。DCライン140b〜140fは、電気入力部111b〜111fにそれぞれ接続されている。たとえば、DCライン140bおよびDCライン140cは、電気入力部111bおよび電気入力部111cから入力された電源をドライバIC120に供給する電源供給ラインである。
【0047】
また、DCライン140dは、電気入力部111dから入力された電源をペルチェ素子(後述)に供給する電源供給ラインである。また、DCライン140eは、PD(Photo Detector)160から出力される電気信号を電気入力部111eへ出力する信号ラインである。
【0048】
ここで、PD160は、発光素子130が生成した光信号の一部を受光し、受光した光信号に基づく電気信号を出力する、光信号の監視用PDである。また、DCライン140fは、電気入力部111fから入力された電源を発光素子130に供給する電源供給ラインである。
【0049】
また、フレキシブル基板140には、信号ライン140aが複数設けられていてもよい。この場合、フレキシブル基板140はパラレル伝送を行う。
【0050】
図2は、図1のA−A線断面図である。図2において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図2に示すように、ドライバIC120は、固定部材201によって筐体110に固定されている。具体的には、筐体110に固定された固定部材201の上にフレキシブル基板140の一端が固定されており、フレキシブル基板140の一端の上にドライバIC120が固定されている。
【0051】
発光素子130は、固定部材202およびペルチェ素子203によって筐体110に固定されている。具体的には、筐体110に固定された固定部材202の上にペルチェ素子203が固定されている。ペルチェ素子203の上にフレキシブル基板140の他端が固定されている。フレキシブル基板140の他端の上に発光素子130が固定されている。
【0052】
ペルチェ素子203は、上述したDCライン140dによって供給される電源に基づいて駆動する。固定部材202は、たとえば窒化アルミ(AlN)によって形成されている。筐体110における固定部材201および固定部材202が固定された部分および固定部材201は、たとえば銅タングステン(CuW)によって形成されている。なお、上述した光結合部150のレンズ151は、ここでは固定部材202の上に設けられている。
【0053】
つぎに、以上説明した構成によるずれの吸収の作用について説明する。可撓性のフレキシブル基板140を用いることで、ドライバIC120と発光素子130との間の位置ずれにかかわらず、高周波特性を維持しつつドライバIC120と発光素子130とを接続することができる。
【0054】
たとえば、図2において、ドライバIC120と発光素子130との高さがずれている場合においても、高さのずれをフレキシブル基板140で吸収することができる。これにより、ワイヤによる接続部分の接続距離を375μm以下にすることができ、高周波特性を維持することができる。
【0055】
このため、ドライバIC120と発光素子130との間の位置ずれに対するトレランスが向上する。また、ドライバIC120と発光素子130との間の位置ずれの原因となる、電気入力部111aと光出力部112との間の位置ずれに対するトレランスが向上する。
【0056】
つぎに、以上説明した構成による熱伝導の作用について説明する。固定部材201は、ドライバIC120が発する熱を筐体110へ発散させる放熱部材としての機能も有する。ドライバIC120が発した熱は、固定部材201および筐体110を伝導して発散される。
【0057】
ペルチェ素子203は、ペルチェ効果によって発光素子130が発する熱を固定部材202へ伝導させる。固定部材202は、ペルチェ素子203によって伝導された熱を発散させる放熱部材としての機能も有する。発光素子130が発した熱は、ペルチェ素子203、固定部材202および筐体110を伝導して発散される。
【0058】
ここで、ドライバIC120が設けられた固定部材201と、発光素子130が設けられたペルチェ素子203と、の距離220を大きくとっても、フレキシブル基板140によって高周波特性を維持しつつドライバIC120と発光素子130とを接続することができる。
【0059】
これにより、ドライバIC120と発光素子130との間の高周波特性を維持しつつ空間210を確保することができる。たとえば、ドライバIC120の熱を発散させる固定部材201と、発光素子130の熱を発散させるペルチェ素子203と、の距離220を1.5mm以上にすることができる。このため、ドライバIC120と発光素子130とを熱的に十分に分離することができ、ドライバIC120および発光素子130を安定して動作させることができる。
【0060】
また、フレキシブル基板140によって高周波特性を維持できるため、ドライバIC120と発光素子130とを熱的に十分に分離するために筐体110の内部構成を複雑(図16中符号1605参照)にする必要がない。このため、光送信器100の小型化を図ることができる。また、ドライバIC120を筐体110に内蔵するため、光送信器100を内蔵する光送受信機の小型化を図ることができる。
【0061】
また、フレキシブル基板140によってドライバIC120と発光素子130とを直接接続することができるため、ワイヤによる接続部分を減らすことができる。このため、ドライバIC120と発光素子130との間の高周波特性の維持が容易となり、高周波特性を向上させることができる。また、ワイヤの接続部分が減ることによって、光送信器100の製造工程を簡易化することができる。
【0062】
なお、本発明は、筐体110にドライバIC120を内蔵しない場合(図11参照)にも適用することができる。この場合、フレキシブル基板140の信号ライン140aによって、電気入力部111aと発光素子130とを直接接続する。可撓性のフレキシブル基板140を用いることで、電気入力部111aと発光素子130との間の位置ずれにかかわらず、高周波特性を維持しつつ電気入力部111aと発光素子130とを接続することができる。
【0063】
たとえば、図2において、電気入力部111aと発光素子130との高さがずれている場合においても、高さのずれをフレキシブル基板140で吸収することができる。これにより、ワイヤによる接続部分の接続距離を375μm以下にすることができ、高周波特性を維持することができる。このため、電気入力部111aと発光素子130との間の位置ずれに対するトレランスが向上する。また、電気入力部111aと発光素子130との間の位置ずれの原因となる、電気入力部111aと光出力部112との間の位置ずれに対するトレランスが向上する。
【0064】
また、電気入力部111aと発光素子130との間の高周波特性を維持しつつ空間210を確保することができる。このため、発光素子130の熱を発散させるペルチェ素子203と筐体110とを熱的に十分に分離することができ、発光素子130を安定して動作させることができる。また、フレキシブル基板140によって高周波特性を維持できるため、筐体110と発光素子130とを熱的に十分に分離するために筐体110の内部構成を複雑にする必要がない。このため、光送信器100の小型化を図ることができる。
【0065】
図3は、実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板(その1)を示す斜視図である。図3において、図1に示したDCライン140bおよびDCライン140cは省略している(図4および図5においても同様)。図3に示すように、実施の形態にかかる光送信器100のフレキシブル基板140は、図のZ軸方向の可撓性を有する。このため、フレキシブル基板140は、ドライバIC120と発光素子130との高さ方向(図2参照)のずれを吸収することができる。
【0066】
また、フレキシブル基板140は、上述したドライバIC120と発光素子130との間に、撓み301を有していてもよい。これにより、フレキシブル基板140は、図のY軸方向の伸縮性を有するようになる。このため、フレキシブル基板140は、ドライバIC120と発光素子130との接続方向(図1および図2参照)のずれを吸収することができる。このため、熱膨張などによってドライバIC120と発光素子130との距離が変化しても、フレキシブル基板140が有する撓み301によってずれを吸収することができる。
【0067】
図4は、実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板(その2)を示す斜視図である。図4に示すように、フレキシブル基板140は、ドライバIC120と発光素子130との間に切欠部401を有していてもよい。ここでは、切欠部401は、図のY軸方向(ドライバIC120と発光素子130との接続方向と直交する方向)に形成されている。これにより、フレキシブル基板140における、切欠部401によって幅が狭くなった部分がより柔軟に撓むようになる。
【0068】
これにより、フレキシブル基板140における図のZ軸方向の可撓性およびY軸方向の伸縮性がさらに大きくなる。また、切欠部401により、フレキシブル基板140は、図のX軸方向の可撓性を有するようになる。このため、フレキシブル基板140は、ドライバIC120と発光素子130との高さ方向および接続方向と直交する方向(図1参照)のずれを吸収することができる。
【0069】
また、フレキシブル基板140は、図のY軸方向の軸を中心とした回転方向のねじれに対する可撓性を有するようになる。このため、フレキシブル基板140は、ドライバIC120と発光素子130とが互いに平行(図2参照)でなく、異なる角度で設けられている場合、この角度のずれを吸収することができる。
【0070】
ここでは、DCライン140d、DCライン140eおよびDCライン140fのそれぞれの途中の部分が、電極を残して基材を削除したフライングリード構造となっている。基材を削除したことによって形成された切欠部401によって、フレキシブル基板140は上述した可撓性を有するようになる。また、フレキシブル基板140における信号ライン140aが形成された部分の基材は残すことによって、信号ライン140aの高周波特性を維持することができる。
【0071】
図5は、実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板(その3)を示す斜視図である。図5に示すように、フレキシブル基板140は、デバイスホール501とデバイスホール502とを有していてもよい。デバイスホール501は、フレキシブル基板140の一端に設けられ、信号ライン140aと接続する位置にドライバIC120を設置するためのホールである。
【0072】
デバイスホール502は、フレキシブル基板140の他端に設けられ、信号ライン140aと接続する位置に発光素子130を設置するためのホールである。デバイスホール501およびデバイスホール502により、ドライバIC120および発光素子130と信号ライン140aとの高さ調節が可能となり、より容易に高周波特性を維持することができる。
【0073】
図6は、実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板を示す断面図である。図6は、図5のB−B線断面図を示している。図6に示すように、信号ライン140aは、ポリイミドや液晶ポリマーなどの基材(ベースフィルム)610の表面に形成されている。また、信号ライン140aは、基材610の裏面に接地面620が設けられたマイクロストリップラインとなっている。
【0074】
これにより、信号ライン140aは、ドライバIC120から発光素子130までの高周波特性を維持することができる。また、図5のB−B線においては、DCライン140d、DCライン140eおよびDCライン140fが形成された部分の基材610および接地面620は削り取られている(切欠部401)。
【0075】
図7は、実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板の変形例1を示す断面図である。図7に示すように、信号ライン140aは、基材610の表面に形成された接地面710および接地面720によって挟まれるコプレーナラインとなっていてもよい。接地面710および接地面720は、それぞれ信号ライン140aと一定の距離をとりながら信号ライン140aに沿って形成されている。
【0076】
これにより、信号ライン140aは、ドライバIC120から発光素子130までの高周波特性を維持することができる。この場合も、図5のB−B線においては、DCライン140d、DCライン140eおよびDCライン140fが形成された部分の基材610は削り取られている。
【0077】
図8は、実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板の変形例2を示す断面図である。図8に示すように、信号ライン140aは、基材610の表面に形成された接地面710および接地面720によって挟まれ、さらに基材610の裏面に接地面620が設けられたグランディットコプレーナラインとなっていてもよい。ここでは、接地面710および接地面720は、それぞれビア810およびビア820を介して接地面620に接続されている。
【0078】
これにより、信号ライン140aは、ドライバIC120から発光素子130までの高周波特性を維持することができる。この場合も、図5のB−B線においては、DCライン140d、DCライン140eおよびDCライン140fが形成された部分の基材610および接地面620は削り取られている。
【0079】
図9は、実施の形態にかかる光受信器を示す平面図である。図9において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図9に示すように、実施の形態にかかる光受信器900は、筐体110内に、受光素子910と、フレキシブル基板140と、を備えている。ここでは、電気入力部111a〜111fを電気出力部111a〜111fとし、光出力部112を光入力部112とする。
【0080】
光受信器900は、光入力部112によって光信号を受信する。光結合部150は、光入力部112から入射した光信号を通過させて受光素子910に結合させる。ここでは、窓152は、光入力部112から受光素子910へ向かう方向にのみ光信号を通過させる光アイソレータの機能を有する。
【0081】
受光素子910は、光入力部112から入射し、光結合部150を通過した光信号を受光する。受光素子910は、受光した光信号に基づく電気信号を生成する。受光素子910は、生成した電気信号を、フレキシブル基板140の信号ライン140aを介して電気出力部111aへ出力する。受光素子910は、たとえばPD(Photo Detector)である。
【0082】
受光素子910は、光入力部112から出射される光信号を受光するために、光入力部112の位置に合わせて配置されている。たとえば、受光素子910は、光入力部112との位置ずれの精度が100μm以内になるように配置される。フレキシブル基板140の信号ライン140aは、受光素子910と電気出力部111aとを接続している。このように、信号ライン140aの一端は電気出力部111aに接続される一方、受光素子910は光入力部112の位置に合わせて配置される。
【0083】
図10は、図9のC−C線断面図である。図10において、図2および図9に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図10に示すように、受光素子910は、固定部材202によって筐体110に固定されている。具体的には、筐体110に固定された固定部材202の上にフレキシブル基板140の他端が固定されている。フレキシブル基板140の他端の上に受光素子910が固定されている。
【0084】
フレキシブル基板140には、図3〜図8に示した各種フレキシブル基板140を適用することができる。可撓性のフレキシブル基板140を用いることで、電気出力部111aと受光素子910との間の位置ずれにかかわらず、高周波特性を維持しつつ電気出力部111aと受光素子910とを接続することができる。
【0085】
たとえば、図10において、電気出力部111aと受光素子910との高さがずれている場合においても、高さのずれをフレキシブル基板140で吸収することができる。これにより、ワイヤによる接続部分の接続距離を375μm以下にすることができ、高周波特性を維持することができる。
【0086】
このため、電気出力部111aと受光素子910との間の位置ずれに対するトレランスが向上する。また、電気出力部111aと受光素子910との間の位置ずれの原因となる、電気出力部111aと光入力部112との間の位置ずれに対するトレランスが向上する。
【0087】
以上説明したように、この発明にかかるフレキシブル基板によれば、途中に切欠部を有するため可撓性が大きくなる。このため、フレキシブル基板のサイズが小さい場合でも十分な可撓性を得ることができる。また、信号ラインの高周波特性は維持しつつ、他のラインは切欠部を通過するフライングリード構造とすることで切欠部を長く形成し、十分な可撓性を得ることができる。
【0088】
また、この発明にかかるフレキシブル基板および光送信器によれば、ドライバICと発光素子とをフレキシブル基板で接続することで、ドライバICと発光素子との間の位置ずれにかかわらず高周波特性を維持することができる。また、従来のように筐体の内部構成を複雑にすることなくドライバICと発光素子とを熱的に十分に分離することができる。このため、この発明にかかるフレキシブル基板、光学部品、光送信器および光受信器によれば、高周波特性を維持しつつ光学装置の小型化を図ることができる。
【0089】
なお、上述した実施の形態において説明した光送信器および光受信器を、光通信システムを構成する光送受信装置、中継装置およびOADM(Optical Add Drop Multiplexor)などの光通信装置に適用することができる。
【0090】
(付記1)第1部品と第2部品とを電気的に接続するフレキシブル基板であって、
前記第1部品と第2部品との間に位置する切欠部を有する可撓性の基材と、
前記基材の前記切欠部が形成されていない部分に形成され、特性インピーダンスを維持しつつ前記第1部品と第2部品とを接続する信号ラインと、
を備えることを特徴とするフレキシブル基板。
【0091】
(付記2)前記切欠部を通過するフライングリード構造のラインをさらに備えることを特徴とする付記1に記載のフレキシブル基板。
【0092】
(付記3)前記切欠部は、前記基材における前記ラインが形成された部分の一部を、前記ラインを残して切り取ることで前記フライングリード構造としたことを特徴とする付記2に記載のフレキシブル基板。
【0093】
(付記4)前記基材は、前記第1部品および第2部品の少なくとも一方との接続部にデバイスホールを有することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【0094】
(付記5)前記信号ラインを複数備え、前記第1部品と第2部品との間でパラレル伝送を行うことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【0095】
(付記6)前記切欠部は、前記第1部品と第2部品との接続方向と直交する方向に設けられていることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【0096】
(付記7)前記信号ラインは、前記基材の反対面に接地電極が形成されたマイクロストリップラインであることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【0097】
(付記8)前記信号ラインは、前記信号ラインに沿って前記基材に形成された2つの接地電極によって挟まれるコプレーナラインであることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【0098】
(付記9)前記信号ラインは、前記基材の反対面に接地電極が形成され、前記信号ラインに沿って前記基材に形成された2つの接地電極によって挟まれるグランディットコプレーナラインであることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【0099】
(付記10)光入出力部と、前記第1部品としての電気入出力部と、を筐体に有する光学部品であって、
前記筐体の光入出力部に対応して配置される前記第2部品としての光素子と、
前記電気入出力部と前記光素子とを電気的に接続する請求項1〜9のいずれか一つに記載のフレキシブル基板と、
を備えることを特徴とする光学部品。
【0100】
(付記11)光出力部と、前記第1部品としての電気入力部と、を筐体に有する光送信器であって、
前記筐体の光出力部に対応して配置される前記第2部品としての発光素子と、
前記電気入力部と前記発光素子とを電気的に接続する付記1〜9のいずれか一つに記載のフレキシブル基板と、
を備えることを特徴とする光送信器。
【0101】
(付記12)前記電気入力部に接続され、前記電気入力部から入力される電気信号に基づく駆動信号を、前記信号ラインを介して前記発光素子へ出力する前記筐体内蔵の駆動回路をさらに備えることを特徴とする付記11に記載の光送信器。
【0102】
(付記13)前記駆動回路の熱を前記筐体に放散する第1放熱部材と、
前記第1放熱部材と所定の距離を有して設けられ、前記発光素子の熱を前記筐体に放散する第2放熱部材とをさらに備え、
前記第1放熱部材と前記第2放熱部材との間には、前記第1放熱部材と前記第2放熱部材とを熱的に分離する空間が形成されることを特徴とする付記12に記載の光送信器。
【0103】
(付記14)前記フレキシブル基板は、前記駆動回路と前記発光素子との間に撓みを有して配置されることを特徴とする付記12または13に記載の光送信器。
【0104】
(付記15)前記駆動回路は、前記電気入力部から入力される電気信号を増幅して前記駆動信号とする増幅回路であることを特徴とする付記12〜14のいずれか一つに記載の光送信器。
【0105】
(付記16)前記発光素子は、EA変調器集積型半導体レーザであることを特徴とする付記11〜15のいずれか一つに記載の光送信器。
【0106】
(付記17)光入力部と、前記第1部品としての電気出力部を筐体に有する光受信器であって、
前記筐体の光入力部から入力される光信号を受光し、前記光信号に基づく電気信号を出力する前記第2部品としての受光素子と、
前記電気出力部と前記受光素子とを電気的に接続する付記1〜9のいずれか一つに記載のフレキシブル基板と、
を備えることを特徴とする光受信器。
【0107】
(付記18)付記11〜16のいずれか一つに記載の光送信器を備える光通信装置によって構成されることを特徴とする光通信システム。
【0108】
(付記19)付記17に記載の光受信器を備える光通信装置によって構成されることを特徴とする光通信システム。
【産業上の利用可能性】
【0109】
以上のように、この発明にかかるフレキシブル基板、光学部品、光送信器および光受信器は、小型の光送受信機に有用であり、特に、高速の光信号を送受信する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】実施の形態にかかる光送信器を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板(その1)を示す斜視図である。
【図4】実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板(その2)を示す斜視図である。
【図5】実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板(その3)を示す斜視図である。
【図6】実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板を示す断面図である。
【図7】実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板の変形例1を示す断面図である。
【図8】実施の形態にかかる光送信器のフレキシブル基板の変形例2を示す断面図である。
【図9】実施の形態にかかる光受信器を示す平面図である。
【図10】図9のC−C線断面図である。
【図11】従来の光送受信機を示す斜視図および断面図である。
【図12】光送受信機内部の伝送線路の各種形態を示す斜視図である。
【図13】光送受信機が送信する光信号の周波数と反射との関係を示す特性図である。
【図14】光送受信機が送信する光信号の周波数と放射との関係を示す特性図である。
【図15】従来の光送信器を示す平面図である。
【図16】図15のD−D線断面図である。
【符号の説明】
【0111】
100 光送信器
110 筐体
111a〜111f 電気入力部
112 光出力部
120 ドライバIC
130 発光素子
140 フレキシブル基板
140a 信号ライン
203 ペルチェ素子
210 空間
301 撓み
401 切欠部
910 受光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品と第2部品とを電気的に接続するフレキシブル基板であって、
前記第1部品と第2部品との間に位置する切欠部を有する可撓性の基材と、
前記基材の前記切欠部が形成されていない部分に形成され、特性インピーダンスを維持しつつ前記第1部品と第2部品とを接続する信号ラインと、
を備えることを特徴とするフレキシブル基板。
【請求項2】
前記切欠部を通過するフライングリード構造のラインをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
前記切欠部は、前記基材における前記ラインが形成された部分の一部を、前記ラインを残して切り取ることで前記フライングリード構造としたことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
前記基材は、前記第1部品および第2部品の少なくとも一方との接続部にデバイスホールを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
前記信号ラインを複数備え、前記第1部品と第2部品との間でパラレル伝送を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項6】
前記切欠部は、前記第1部品と第2部品との接続方向と直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項7】
前記信号ラインは、前記基材の反対面に接地電極が形成されたマイクロストリップラインであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項8】
前記信号ラインは、前記信号ラインに沿って前記基材に形成された2つの接地電極によって挟まれるコプレーナラインであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項9】
前記信号ラインは、前記基材の反対面に接地電極が形成され、前記信号ラインに沿って前記基材に形成された2つの接地電極によって挟まれるグランディットコプレーナラインであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項10】
光入出力部と、前記第1部品としての電気入出力部と、を筐体に有する光学部品であって、
前記筐体の光入出力部に対応して配置される前記第2部品としての光素子と、
前記電気入出力部と前記光素子とを電気的に接続する請求項1〜9のいずれか一つに記載のフレキシブル基板と、
を備えることを特徴とする光学部品。
【請求項11】
光出力部と、前記第1部品としての電気入力部と、を筐体に有する光送信器であって、
前記筐体の光出力部に対応して配置される前記第2部品としての発光素子と、
前記電気入力部と前記発光素子とを電気的に接続する請求項1〜9のいずれか一つに記載のフレキシブル基板と、
を備えることを特徴とする光送信器。
【請求項12】
前記電気入力部に接続され、前記電気入力部から入力される電気信号に基づく駆動信号を、前記信号ラインを介して前記発光素子へ出力する前記筐体内蔵の駆動回路をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の光送信器。
【請求項13】
前記駆動回路の熱を前記筐体に放散する第1放熱部材と、
前記第1放熱部材と所定の距離を有して設けられ、前記発光素子の熱を前記筐体に放散する第2放熱部材とをさらに備え、
前記第1放熱部材と前記第2放熱部材との間には、前記第1放熱部材と前記第2放熱部材とを熱的に分離する空間が形成されることを特徴とする請求項12に記載の光送信器。
【請求項14】
前記フレキシブル基板は、前記駆動回路と前記発光素子との間に撓みを有して配置されることを特徴とする請求項12または13に記載の光送信器。
【請求項15】
前記駆動回路は、前記電気入力部から入力される電気信号を増幅して前記駆動信号とする増幅回路であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の光送信器。
【請求項16】
前記発光素子は、EA変調器集積型半導体レーザであることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一つに記載の光送信器。
【請求項17】
光入力部と、前記第1部品としての電気出力部を筐体に有する光受信器であって、
前記筐体の光入力部から入力される光信号を受光し、前記光信号に基づく電気信号を出力する前記第2部品としての受光素子と、
前記電気出力部と前記受光素子とを電気的に接続する請求項1〜9のいずれか一つに記載のフレキシブル基板と、
を備えることを特徴とする光受信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−210962(P2008−210962A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45616(P2007−45616)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】