説明

フレキシブル基板、及び、タッチパネル

【課題】
強度の高いフレキシブル基板、及び、タッチパネルを提供する。
【解決手段】
フレキシブルコネクタは、第1フレキシブルフィルムと、前記第1フレキシブルフィルムに積層され、一端がタッチパネルの第1電極又は第2電極のいずれか一方に接続される第1配線層と、第2フレキシブルフィルムと、前記第2フレキシブルフィルムに積層され、一端が前記第1電極又は前記第2電極のいずれか他方に接続される第2配線層と、前記第1フレキシブルフィルムと前記第2フレキシブルフィルムとの間を接着する接着層と、前記第1配線層に積層され、前記第1配線層の両端を露出させる第1カバーフィルムと、前記第2配線層に積層され、前記第2配線層の両端を露出させる第2カバーフィルムとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル基板、及び、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、ディスプレイに直接入力をすることが可能な入力デバイスであり、ディスプレイの前面に設置して使用される。このタッチパネルは、ディスプレイにより視覚的にとらえた情報に基づき、直接入力することができることから、様々な用途において普及している。
【0003】
このようなタッチパネルとしては、抵抗膜方式が広く知られている。抵抗膜方式のタッチパネルは、透明導電膜が形成された上部電極基板及び下部電極基板において、各々の透明導電膜同士が対向するように設置し、上部電極基板の一点に力を加えることにより各々の透明導電膜同士が接触し、力の加えられた位置の位置検出を行うことができるものである。
【0004】
タッチパネルの上部電極基板の透明導電膜と下部電極基板の透明導電膜は、例えば、フレキシブル基板製の配線を介して、接触のあった位置の座標を検出する座標検出部に接続されている。
【0005】
フレキシブル基板としては、種々のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平07−288371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、タッチパネルは、設置スペースの限られた場所に設置されることがある。例えば、スマートフォンや小型のゲーム機等の電子装置に用いられる場合がその典型である。
【0008】
スペースが限られている場合には、フレキシブル基板製の配線が大きく折り曲げられることがある。
【0009】
このような場合に、従来のフレキシブル基板は、十分な強度を有していないという過大があった。
【0010】
本発明は、強度の高いフレキシブル基板、及び、タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によるフレキシブルコネクタは、第1フレキシブルフィルムと、前記第1フレキシブルフィルムに積層され、一端がタッチパネルの第1電極又は第2電極のいずれか一方に接続される第1配線層と、第2フレキシブルフィルムと、前記第2フレキシブルフィルムに積層され、一端が前記第1電極又は前記第2電極のいずれか他方に接続される第2配線層と、前記第1フレキシブルフィルムと前記第2フレキシブルフィルムとの間を接着する接着層と、前記第1配線層に積層され、前記第1配線層の両端を露出させる第1カバーフィルムと、前記第2配線層に積層され、前記第2配線層の両端を露出させる第2カバーフィルムとを含む。
【0012】
また、前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端側において、前記第1フレキシブルフィルムと前記第2フレキシブルフィルムとの間に配設される補強部をさらに含んでもよい。
【0013】
また、前記第1フレキシブルフィルム、前記第2フレキシブルフィルム、又は前記接着層の厚さは、前記フレキシブルコネクタの厚さが前記タッチパネルの前記第1電極と前記第2電極の間隔に合うように調整されていてもよい。
【0014】
また、前記補強部は、前記補強部の前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端とは反対側の端部において、前記第1配線層及び前記第2配線層の幅方向に形成される面取り部を有していてもよい。
【0015】
また、前記補強部の前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端とは反対側の端部は、平面視において、前記第1カバーフィルム及び前記第2カバーフィルムと重複する重複部を有していてもよい。
【0016】
また、前記補強部の前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端とは反対側の端部は、前記第1配線層及び前記第2配線層の幅方向に対して、平面視で曲線状に形成されていてもよい。
【0017】
本発明の一観点によるタッチパネルは、前記いずれか一項記載のフレキシブルコネクタと、前記第1電極が第1基板上に形成された第1電極基板と、前記第2電極が第2基板上に形成された第2電極基板とを含む。
【0018】
また、前記第1電極は、複数の導電領域に分割された第1導電膜であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、強度の高いフレキシブル基板、及び、タッチパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】比較例のタッチパネルの斜視図である。
【図2】比較例のタッチパネルの断面の概要図である。
【図3】比較例の4線式のタッチパネルにおける接触位置を検出する原理を示す図である。
【図4】比較例の5線式のタッチパネルにおける接触位置を検出する原理を示す図である。
【図5】比較例のタッチパネルの上部電極基板の構造図である。
【図6】比較例のタッチパネルの下部電極基板における構造図である。
【図7】比較例のタッチパネルの断面図である。
【図8】比較例のタッチパネルの説明図である。
【図9】比較例のフレキシブル基板260を示す図である。
【図10】比較例の5線式のタッチパネル用のフレキシブル基板を示す図である。
【図11】実施の形態1のフレキシブル基板100を示す図である。
【図12】実施の形態1の第1変形例によるフレキシブル基板100Aの断面構造を示す図である。
【図13】実施の形態1の第2変形例による補強部120Cの平面構造を示す図である。
【図14】実施の形態2の5線式のタッチパネル用のフレキシブル基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のフレキシブル基板、及び、タッチパネルを適用した実施の形態について説明する。
【0022】
実施の形態のフレキシブル基板、及び、タッチパネルについて説明する前に、図1乃至図4を用いて、比較例のタッチパネルについて説明する。
【0023】
抵抗膜方式のタッチパネルは、4線式と5線式とに大別することができる。4線式は、上部電極基板又は下部電極基板のどちらか一方にX軸の電極が設けられており、他方にY軸の電極が設けられている。一方、5線式は、下部電極基板にX軸の電極及びY軸の電極がともに設けられており、上部電極基板は、電圧を検出するためのプローブとして機能するものである。
【0024】
図1及び図2に基づきタッチパネルについて説明する。図1は、タッチパネルの斜視図であり、図2は、タッチパネルの断面の概要図である。
【0025】
図1及び図2に示すタッチパネル200は、4線式又は5線式のタッチパネルである。タッチパネル200が4線式であっても5線式であっても外観は略同一であるため、ここでは4線式のタッチパネルについても5線式のタッチパネルについても符号200を用いる。
【0026】
タッチパネル200は、上部電極基板となる一方の面に透明導電膜230の形成されたフィルム210と、下部電極基板となる一方の面に透明導電膜240の形成されたガラス基板220とを含み、透明導電膜230及び透明導電膜240が対向するようにスペーサ250を介し設置されている。タッチパネル200と不図示のホストコンピュータとはフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)260により電気的に接続されている。
【0027】
タッチパネル200が4線式である場合は、図3(A)に示すように、透明電極230の端部の向かい合う2辺に設けられた電極231、232と、透明導電膜240の端部の向かい合う2辺に設けられた電極241、242とにより、X軸方向、Y軸方向に交互に電圧を印加し、透明導電膜230と透明導電膜240とが、接触位置A点において接触することにより、図3(B)に示すように、透明導電膜230を介し電位Vaを検出し、X軸方向及びY軸方向の各々の座標位置を検出する。
【0028】
また、タッチパネル200が5線式である場合は、図4(A)に示すように、透明導電膜240の端部の4辺に設けられた電極241、242、243、244により、X軸方向、Y軸方向に交互に電圧を印加し、透明導電膜230と透明導電膜240とが、接触位置A点において接触することにより、図4(B)に示すように、透明導電膜230を介し電位Vaを検出し、X軸方向及びY軸方向の各々の座標位置を検出する。
【0029】
次に、図5乃至図8を用いて、比較例のマルチタッチ方式のタッチパネルについて説明する。
【0030】
図5は比較例のタッチパネルの上部電極基板の構造図であり、図6は比較例のタッチパネルの下部電極基板における構造図であり、図7は比較例のタッチパネルの断面図であり、図8は比較例のタッチパネルの説明図である。図5乃至図8に示すタッチパネルは5線式である。
【0031】
比較例のタッチパネルは、フィルム210の一方の面に透明導電膜230が形成された略長方形状の上部電極基板10と、上部電極基板10と略同じ形状のガラス基板220の一方の面に透明導電膜240が形成された下部電極基板20とを含む。
【0032】
また、タッチパネルは、座標検出回路50を有する駆動回路51をさらに含む。なお、図7に示す座標検出回路50及び駆動回路51は一例であり、座標検出回路50及び駆動回路51の構成は図7に示すものに限られない。
【0033】
上部電極基板10と下部電極基板20とは、上部電極基板10における透明導電膜230と下部電極基板20における透明導電膜240とが対向するように、スペーサ250等を介し、接着剤または両面テープにより接合されている。
【0034】
透明導電膜230の各々の導電領域の分割は、導電領域となる領域間の透明導電膜230を除去することにより行われる。これにより、分割された導電領域間では電気的に絶縁することができる。各々の分割された透明導電膜230は、上部電極基板10の短手方向の両端に設けられた引出電極部13における各々の引出電極と接続されており、上部電極基板10の周囲に配線され、上部電極基板10の長手方向の一方の端部においてフレキシブル基板260と接続されている。フレキシブル基板260の端部には、端子260Aが接続されている。端子260Aは、座標検出回路50を含む駆動回路51(図7参照)に接続される。
【0035】
フレキシブル基板260は、図5に示す側の面と、図6に示す側の面との両方に配線が形成されており、端子260Aは両面に端子がある両接点型の端子となっている。
【0036】
また、下部電極基板20は、図8に示すように下部電極基板20を構成する4辺の端部において、透明導電膜240上に矩形環状の電極23が設けられている。電極23は、例えば、Ag又はAg−C製の抵抗膜で構成されており、4つの頂点部LL、LR、UL、URには、各頂点部の電位を制御するために引出線が接続されている。この引出線は、下部電極基板20の周囲より引出され、図6に示すように、下部電極基板20の長手方向の一方の端部においてフレキシブル基板260に接続されている。
【0037】
フレキシブル基板260の端子260Aは駆動回路51に接続されており、更に不図示のホストコンピュータに接続されている。尚、透明導電膜230及び透明導電膜240を構成する材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO(酸化亜鉛)にAlまたはGa等が添加された材料、SnO(酸化スズ)にSb等が添加された材料等が挙げられる。
【0038】
また、フィルム210は、PET(ポリエチレンテレフタレート:polyethylene terephthalate)、PC(ポリカーボネート:Polycarbonate)及び、可視領域において透明の樹脂材料が挙げられる。更に、ガラス基板220に代えて、樹脂基板を用いてもよい。
【0039】
比較例のタッチパネルは、上部電極基板10を指等により押すことにより、上部電極基板10における透明導電膜230と、下部電極基板20における透明導電膜240とが接触し、接触した位置における電圧を検知することにより、上部電極基板10と下部電極基板20との接触位置、即ち、上部電極基板10が指等により押された位置が特定される。具体的には、上部電極基板10において、分割された透明導電膜230の各々について時分割による走査がされており、接触したタイミングにより接触位置が含まれる導電領域を特定することができる。
【0040】
尚、下部電極基板20における透明導電膜240上に設けられた矩形環状の電極23の頂点部LL、LR、UL、URに駆動回路51から印加する電圧を制御することにより、X軸方向、Y軸方向に交互に電圧が印加されるように構成されている。
【0041】
このように、上部電極基板10において透明導電膜230を分割し導電領域を形成することにより、上部電極基板10と下部電極基板20とが接触した接触位置が複数であっても、分割された透明導電膜230の導電領域毎に接触位置を座標検出回路50で特定することができるため、各々の接触位置を独立して検出することが可能である。
【0042】
即ち、図8に示すように、上部電極基板10における透明導電膜230と下部電極基板20における透明導電膜240との接触位置が、矢印A、B、C、D、Eに示すように5つの場合であっても、各々の接触位置は、分割された透明導電膜230の領域が異なるため、各々独立して接触位置が検出することが可能なのである。具体的には、上部電極基板10と下部電極基板20との接触位置が矢印Aに示す位置である場合、透明導電膜230の導電領域230aにおいて接触しており、接触位置が矢印Bに示す位置である場合、透明導電膜230の導電領域230bにおいて接触しており、接触位置が矢印Cに示す位置である場合、透明導電膜230の導電領域230cにおいて接触しており、接触位置が矢印Dに示す位置である場合、透明導電膜230の導電領域230dにおいて接触しており、接触位置が矢印Eに示す位置である場合、透明導電膜230の導電領域230eにおいて接触しているが、透明導電膜230の導電領域230a、230b、230c、230d、230eは相互に絶縁された異なる領域であることから、各々を独立して検出することができる。よって、上部電極基板10と下部電極基板20との接触位置が5つの場合であっても、各々の接触位置を特定することが可能である。
【0043】
以上より、透明導電膜230と透明導電膜240との接触位置が複数であっても、接触した導電領域を特定することができるとともに、透明導電膜240における電位分布を検出することにより、より正確に座標位置も検出することが可能である。また、透明導電膜230と透明導電膜240との接触位置を移動させた場合においても、接触位置が移動したことを認識することができるとともに、透明導電膜240における電位分布を検出することにより、移動した接触位置の位置座標を検出することも可能である。
【0044】
図9は、比較例のフレキシブル基板260を示す図である。図9(A1)〜(A6)はフレキシブル基板260を各層に分解した平面図、図9(B)は図9(A1)〜(A6)におけるA−A断面を示す図である。フレキシブル基板260は、4線式のタッチパネル用のフレキシブル基板である。
【0045】
図9(B)に示すように、フレキシブル基板260は、カバーフィルム261、接着層262、配線部263、接着層264、ベースフィルム265、接着層266、配線部267、接着層268、カバーフィルム269、及び補強部270を含む。
【0046】
カバーフィルム261、接着層262、配線部263、接着層264、ベースフィルム265、接着層266、配線部267、及びカバーフィルム269は、この順に積層されており、補強部270は、カバーフィルム261の表面に接着されている。
【0047】
カバーフィルム261は、フレキシブル基板260の一方の面(図中における下面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム261は、接着層262によって配線部263に接着されている。カバーフィルム261は、図9(A5)に示すように、平面視でT字型である。
【0048】
接着層262は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、カバーフィルム261と配線部263を接着する。なお、接着層262は、補強部270の上側において、接着層264と接着されている。
【0049】
配線部263は、例えば、銅箔で構成され、タッチパネル200の導電膜と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部263は、図9(A4)に示すように、4本の配線部263A、263B、263C、263Dで構成されている。
【0050】
配線部263A〜263Dのうち、配線部263A、263Cはダミーである。配線部263B、263Dは、図中の右端でスルーホール271により、それぞれ、図9(A2)に示す配線部267E、267Fに接続されている。
【0051】
接着層264は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、配線部263とベースフィルム265を接着する。
【0052】
ベースフィルム265は、フレキシブル基板260の基材となるフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。ベースフィルム265の両面には、それぞれ、接着層264、266を介して、配線部263、267が接着されている。なお、ベースフィルム265は、補強部270の上側において、接着層262、264によりカバーフィルム261と接着されており、また、図9(B)に示す断面の中央部において、接着層266、268により、カバーフィルム269と接着されている。ベースフィルム265は、図9(A3)に示すように、平面視でT字型である。
【0053】
接着層266は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、ベースフィルム265と配線部267を接着している。接着層266は、図9(B)に示す中央部において、ベースフィルム265とカバーフィルム269を接続している。
【0054】
配線部267は、例えば、銅箔で構成され、タッチパネル200の導電膜と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部267は、図9(A2)に示すように、配線部267A、267B、267C、267D、267E、267Fで構成されている。
【0055】
配線部267E、267Fは、図中の右端でスルーホール271により、それぞれ、図9(A4)に示す配線部263B、263Dに接続されている。
【0056】
図9(A2)に破線で示す部分は、フレキシブル基板260のコネクタ部Cであり、駆動回路51に接続される。
【0057】
接着層268は、配線部267とカバーフィルム269とを接着している。
【0058】
カバーフィルム269は、フレキシブル基板260の一方の面(図中における上面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム269は、接着層266によって配線部267とベースフィルム265に接着されている。カバーフィルム269は、図9(A1)に示すように、平面視でT字型である。
【0059】
フレキシブル基板260には、スルーホール271が形成されている。スルーホール271は、図9(A2)に示す配線部267と、図9(A4)に示す配線部263とを接続しており、図9(B)に示すように、配線部263、接着層264、ベースフィルム265、接着層266、配線部267を貫通している。スルーホール271の内壁には円筒状の銅箔が形成され、配線部263と配線部267との層間接続を実現している。
【0060】
補強部270は、カバーフィルム261の一端(図9(B)中における右端)の下に接着されている(図9(A6)参照)。補強部270は、例えば、ウレタンゴムで構成されている。
【0061】
図9(B)に示すフレキシブル基板260は、図中の左端側がタッチパネル200(図1、2参照)のフィルム210とガラス基板220の間に圧着される。
【0062】
配線部267A、267Cは、それぞれ、左端側がタッチパネル200の透明電極230の端部の向かい合う2辺に設けられた電極231、232(図3参照)に接続される。また、配線部263B、263Cは、それぞれ、左端側が透明導電膜240の端部の向かい合う2辺に設けられた電極241、242(図3参照)に接続される。
【0063】
また、フレキシブル基板260の右端側は駆動回路51に接続されるコネクタ部Cになっている。コネクタ部Cは、配線部267A、267C、267E、267Fの端部を端子として利用したものであり、上側だけに端子を有する片面端子である。コネクタ部Cは駆動回路51に接続される。
【0064】
配線部263、267は、4線式のタッチパネル200の座標検出用の配線を構成している。
【0065】
コネクタ部Cは、フレキシブル基板260の補強部270により補強されている。
【0066】
図10は、比較例の5線式のタッチパネル用のフレキシブル基板を示す図である。図10(A)は、タッチパネル200の透明導電膜230に接続される配線部を示す図であり、図10(B)は、タッチパネル200の断面構造であり、図10(C)は、タッチパネル200の透明導電膜240に接続される配線部を示す図である。図10(B)は、図10(A)、(C)におけるB−B断面を示す図である。
【0067】
図10(A)〜(C)には、それぞれ、図9(A2)、図9(B)、図9(A4)に対応する配線部と断面構造を示す。なお、図9に示すフレキシブル基板260の構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図10(B)に示すように、フレキシブル基板280は、カバーフィルム261、接着層281、配線部282、ベースフィルム265A、接着層283、配線部284、接着層285、ベースフィルム265B、配線部286、接着層287、カバーフィルム269、及び補強部270を含む。
【0069】
カバーフィルム261は、フレキシブル基板280の一方の面(図中における下面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム261は、接着層281によって配線部282に接着されている。
【0070】
接着層281は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、カバーフィルム261と配線部282を接着する。なお、接着層281は、補強部270の上側において、接着層283と接着されている。
【0071】
配線部282は、例えば、銅箔で構成され、5線式のタッチパネル200の透明導電膜230と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部282は、図10(C)に示すように、配線部282A、282B、282Cで構成されている。
【0072】
配線部282A〜282Cのうち、配線部282A、282Cはダミーである。配線部282Bは、図中の右端でスルーホール271により、図10(A)に示す配線部286Eに接続されている。
【0073】
ベースフィルム265Aは、フレキシブル基板280の基材となるフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。ベースフィルム265Aの下側の面には配線部282が形成されており、上側の面は、接着層283を介して、配線部284が接着されている。
【0074】
接着層283は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、ベースフィルム265Aと配線部284とを接着している。
【0075】
配線部284は、上面側と下面側がそれぞれ、接着層283、285により、ベースフィルム265A、265Bに接着されている。なお、配線部284は、スルーホール271には接続されていない。
【0076】
接着層285は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、配線部284とベースフィルム265Bとを接着している。
【0077】
ベースフィルム265Bは、フレキシブル基板280の基材となるフィルムであり、ベースフィルム265Aと同様に、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。ベースフィルム265Bの上側の面には配線部286が形成されており、下側の面は、接着層285を介して、配線部284が接着されている。
【0078】
配線部286は、例えば、銅箔で構成され、5線式のタッチパネル200の透明導電膜240と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部286は、図10(A)に示すように、配線部286A、286B、286C、286D、286Eで構成されている。
【0079】
配線部282Eは、図中の右端でスルーホール271により、図10(C)に示す配線部282Bに接続されている。
【0080】
配線部286A、286B、286C、286Dは、それぞれ、透明導電膜240の端部の4辺に設けられた電極241、242、243、244に接続されている。
【0081】
接着層287は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、配線部286とカバーフィルム269とを接着している。
【0082】
カバーフィルム269、フレキシブル基板280の一方の面(図中における上面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム269は、接着層287によって配線部286に接着されている。
【0083】
補強部270は、カバーフィルム261の一端(図10(B)中における右端)の下に接着されている。補強部270は、例えば、ウレタンゴムで構成されている。
【0084】
図10(B)に示すフレキシブル基板280は、図中の左端側がタッチパネル200(図1、2参照)のフィルム210とガラス基板220の間に圧着される。
【0085】
配線部282、286は、5線式のタッチパネル200の座標検出用の配線を構成している。
【0086】
コネクタ部Cは、フレキシブル基板280の補強部270により補強されている。
【0087】
フレキシブル基板280は、図10(A)に示す配線部286A、286B、286C、286D、286Eの端部をコネクタ部Cとして利用したものであり、上側だけに端子を有する片面端子である。
【0088】
ところで、図9及び図10に示す比較例のフレキシブル基板260、280は、コネクタ部Cの近傍にスルーホール271が形成されているため、コネクタ部Cにフレキシブル基板260、280を折り曲げる方向の応力がかかると、スルーホール271、又はスルーホール271と配線部との接続部等において、断線等が生じ、電気的接続が確保できなくなる場合があった。
【0089】
電気的接続が確保できなくなると、フレキシブル基板260又は280によって駆動回路51に接続されているタッチパネル200が正常に動作しなくなる場合があった。
【0090】
以上のように、比較例のフレキシブル基板260、280は、スルーホール271が形成されることにより、折り曲げに弱く、配線部の電気的接続が確保できなくなり、タッチパネル200の動作不良に繋がる場合があった。
【0091】
このため、以下で説明する実施の形態では、上述の課題を解決したフレキシブル基板を提供することを目的とする。
【0092】
<実施の形態1>
図11は、実施の形態1のフレキシブル基板100を示す図である。図11(A1)〜(A7)はフレキシブル基板100を各層に分解した平面図、図11(B)は図11(A1)〜(A7)におけるC−C断面を示す図である。フレキシブル基板100は、4線式のタッチパネル用のフレキシブル基板である。
【0093】
図11(B)に示すように、フレキシブル基板100は、カバーフィルム101、接着層102、配線部103、接着層104、ベースフィルム105、接着層106、補強部120、接着層107、ベースフィルム108、接着層109、配線部110、接着層111、及びカバーフィルム112を含む。
【0094】
カバーフィルム101、接着層102、配線部103、接着層104、ベースフィルム105、接着層106、補強部120、接着層107、ベースフィルム108、接着層109、配線部110、接着層111、及びカバーフィルム112は、この順に積層されている。
【0095】
以下では、比較例のタッチパネル200(図1乃至図4参照)を援用して説明を行う。
【0096】
図11(B)に示すフレキシブル基板100は、図中の左端側がタッチパネル200(図1、2参照)のフィルム210とガラス基板220の間に圧着される。
【0097】
カバーフィルム101は、フレキシブル基板100の一方の面(図中における下面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム101は、接着層102によって配線部103に接着されている。カバーフィルム101は、図11(A7)に示すように、平面視でT字型である。
【0098】
カバーフィルム101の全長は、フレキシブル基板100の全長A1よりも短いA2に設定されており、図11中の左側において、フレキシブル基板100よりも長さA2だけ短くされるとともに、図11中の右側において、フレキシブル基板100よりも長さA4だけ短くされている。これは、配線部103を露出させるためである。
【0099】
接着層102は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、カバーフィルム101と配線部103を接着する。
【0100】
配線部103は、例えば、銅箔で構成され、タッチパネル200の透明導電膜240と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部103は、図11(A6)に示すように、4本の配線部103A、103B、103C、103Dで構成されている。
【0101】
配線部103A〜103Dのうち、配線部103A、103Cはダミーである。配線部103B、103Dは、図11(A6)に示すように、左側から右側まで延在しており、フレキシブル基板100の全長A1と略同じ長さを有する。配線部103A〜103Dの右側の破線で示す部分は、コネクタ部130Aになる。
【0102】
接着層104は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、配線部103とベースフィルム105を接着する。
【0103】
ベースフィルム105は、フレキシブル基板100の基材となるフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。ベースフィルム105の下側の面には、接着層104を介して配線部103が接着されている。ベースフィルム105の上側の面の右側の部分には、接着層106を介して補強部120が接着されている。また、ベースフィルム105の上側の補強部120と接着されない部分は、接着層107を介してベースフィルム108と接着されている。ベースフィルム105は、図11(A5)に示すように、平面視でT字型である。
【0104】
接着層106は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、右側の部分でベースフィルム105と補強部120を接着している。接着層106は、ベースフィルム105と補強部120を接着する右側の部分を除く部分においては、接着層107と接着されている。
【0105】
補強部120は、フレキシブル基板100のコネクタ部130Aになる右端側において、接着層106及び接着層107により、それぞれ、ベースフィルム105及びベースフィルム108に接着されている。
【0106】
補強部120は、コネクタ部130Aを補強するために設けられており、例えば、ウレタンゴムで構成される。
【0107】
補強部120の右端は、図11(B)に示すように、配線部103、接着層104、ベースフィルム105、接着層106、接着層107、ベースフィルム108、接着層109、及び配線部110と面一に構成されている。補強部120は、図11(A4)に示すように、長さA5に設定されている。補強部120の長さA5は、配線部103が露出されるコネクタ部130Aの長さA4よりも長い。すなわち、補強部120と、カバーフィルム101、112は、長さ方向において、重複部を有する。
【0108】
接着層107は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、右側の部分でベースフィルム108と補強部120を接着している。接着層107は、ベースフィルム108と補強部120を接着する右側の部分を除く部分においては、接着層106と接着されている。
【0109】
ベースフィルム108は、フレキシブル基板100の基材となるフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。ベースフィルム108の下側の面のうちの右側の部分には、接着層107を介して補強部120配線部103が接着されている。また、補強部120と接着されている以外の部分では、接着層107及び接着層106を介して、ベースフィルム105と接着されている。
【0110】
ベースフィルム108の上側の面は、接着層109を介して配線部110に接着されている。ベースフィルム108は、図11(A3)に示すように、平面視でT字型である。
【0111】
接着層109は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、ベースフィルム108と配線部110とを接着している。
【0112】
配線部110は、例えば、銅箔で構成され、タッチパネル200の透明導電膜230と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部110は、図11(A2)に示すように、配線部110A、110B、110C、110Dで構成されている。
【0113】
配線部110A〜110Dのうち、配線部110B、110Dはダミーの端子である。配線部110A、110Cは、図11(A2)に示すように、左側から右側まで延在しており、フレキシブル基板100の全長A1と略同じ長さを有する。配線部110A〜110Dの右側の破線で示す部分は、コネクタ部130Bになる。
【0114】
接着層111は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、配線部110とカバーフィルム112とを接着している。
【0115】
カバーフィルム112は、フレキシブル基板100の一方の面(図中における上面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム112は、接着層111によって配線部110に接着されている。カバーフィルム112は、図11(A1)に示すように、平面視でT字型である。
【0116】
配線部110A、110Cは、それぞれ、コネクタ部130Bがタッチパネル200の透明電極230の端部の向かい合う2辺に設けられた電極231、232(図3参照)に接続される。また、配線部103B、103Cは、それぞれ、コネクタ部130Aが透明導電膜240の端部の向かい合う2辺に設けられた電極241、242(図3参照)に接続される。
【0117】
このようにして、配線部103、110は、4線式のタッチパネル200の座標検出用の配線を構成している。
【0118】
実施の形態1のフレキシブル基板100は、駆動回路51に接続される右端側において、上面側にコネクタ部130Bを有し、下面側にコネクタ部130Aを有する両接点型のフレキシブル基板である。
【0119】
また、フレキシブル基板100は、比較例のフレキシブル基板260、280のようにスルーホールを含まない。
【0120】
このため、コネクタ部130A、130Bにおいてフレキシブル基板100に折り曲げる方向の応力がかかっても、スルーホールがないため、断線等が生じにくい。
【0121】
また、コネクタ部130A、130Bは、それぞれ、配線部110、103の端部を露出させることによって形成されており、コネクタ部130A、130Bの部分における配線部110、103の間には、補強部120が配設されている。補強部120の長さA5は、コネクタ部130A、130Bの長さA4よりも長い。
【0122】
このため、実施の形態1によれば、折り曲げる方向の応力がかかっても断線の生じにくいフレキシブル基板100を提供することができる。
【0123】
また、補強部120の長さA5は、配線部103、110が露出されるコネクタ部130A、130Bの長さA4よりも長く、補強部120と、カバーフィルム101、112は、長さ方向において、重複部を有する。
【0124】
このように補強部120とカバーフィルム101、112が重複部を有することにより、フレキシブル基板100の曲げ応力に対する強度を向上させることができる。
【0125】
また、実施の形態1のフレキシブル基100を用いれば、信頼性の高いタッチパネルを提供することができる。
【0126】
なお、以上では、フレキシブル基板100が、カバーフィルム101、接着層102、配線部103、接着層104、ベースフィルム105、接着層106、補強部120、接着層107、ベースフィルム108、接着層109、配線部110、接着層111、及びカバーフィルム112を含む形態について説明した。
【0127】
しかしながら、フレキシブル基板100は、スルーホールが形成されることなく、ベースフィルム105の両面側に配設される配線部103、110の駆動装置51に接続される端部を両接点型に露出させた構造であれば、図10に示す構造に限定されるものではない。
【0128】
図12は、実施の形態1の第1変形例によるフレキシブル基板100Aの断面構造を示す図である。
【0129】
実施の形態1の第1変形例のフレキシブル基板100Aは、補強部120のフレキシブル基板100Aの内側に位置する端部120Aに、面取り部120B1、120B2を形成した点が図11に示す実施の形態1のフレキシブル基板100と異なる。その他の構成は、図11に示すフレキシブル基板100と同様である。
【0130】
面取り部120B1は、補強部120の端部120Aの上面側の角を幅方向(図11(A4)において、補強部120を示す平面内において長さA5と直交する方向)にわたって形成されている。
【0131】
面取り部120B2は、補強部120の端部120Aの下面側の角を幅方向(図11(A4)において、補強部120を示す平面内において長さA5と直交する方向)にわたって形成されている。
【0132】
このように、補強部120のフレキシブル基板100Aの内側に位置する端部120Aに面取り部120B1、120B2を形成することにより、折れ曲がる方向の応力がかかっても、断線がさらに生じにくいフレキシブル基板100Aを提供することができる。
【0133】
図13は、実施の形態1の第2変形例による補強部120Cの平面構造を示す図である。図13は、図11(A4)に対応する平面図である。
【0134】
実施の形態1の第2変形例の補強部120Cを説明するにあたり、図11に示す実施の形態1のフレキシブル基板100を援用する。
【0135】
第2変形例による補強部120Cは、フレキシブル基板100の内側に位置する端部120Dが平面視で波形に形成されている。
【0136】
図13には、波形に形成された端部120Dを示すが、端部120Dは両端120D1、120D2が丸められて曲線状に形成されていれば、図13に示す波形に限られるものではない。
【0137】
このように、補強部120Cのフレキシブル基板100の内側に位置する端部120Dを曲線状に形成することにより、折れ曲がる方向の応力がかかっても、断線がさらに生じにくいフレキシブル基板100を提供することができる。
【0138】
<実施の形態2>
図14は、実施の形態2の5線式のタッチパネル用のフレキシブル基板を示す図である。図14(A)は、タッチパネル200の透明導電膜230に接続される配線部を示す図であり、図14(B)は、タッチパネル200の断面構造であり、図14(C)は、タッチパネル200の透明導電膜240に接続される配線部を示す図である。図14(B)は、図14(A)、(C)におけるD−D断面を示す図である。
【0139】
図14(A)〜(C)には、それぞれ、図10(A)、図10(B)、図10(C)に対応する配線部と断面構造を示す。
【0140】
図14(B)に示すように、フレキシブル基板150は、カバーフィルム151、接着層152、配線部153、ベースフィルム154、接着層155、補強部170、接着層156、ベースフィルム157、配線部158、接着層159、及びカバーフィルム160を含む。
【0141】
カバーフィルム151は、フレキシブル基板150の一方の面(図中における下面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム151は、接着層152によって配線部153に接着されている。
【0142】
接着層152は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、カバーフィルム151と配線部153を接着する。
【0143】
配線部153は、例えば、銅箔で構成され、5線式のタッチパネル200の透明導電膜230と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部153は、図14(C)に示すように、配線部153A、153B、153Cで構成されている。
【0144】
配線部153A〜153Cのうち、配線部153A、153Cはダミーである。配線部153Bは、図14(C)に示すように、左側から右側まで延在しており、フレキシブル基板150の全長A1と略同じ長さを有する。配線部153Bの右側の破線で示す部分は、コネクタ部180Aになる。
【0145】
ベースフィルム154は、フレキシブル基板150の基材となるフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。ベースフィルム154の下側の面には配線部153が形成されており、上側の面には接着層155が接着されている。
【0146】
接着層155は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、下側の面がベースフィルム154に接着されている。接着層155の上側の面の右側の部分は、補強部170に接着されており、補強部170が接着されていない部分は、接着層156と接着されている。
【0147】
補強部170は、フレキシブル基板150のコネクタ部180Aになる右端側において、接着層155及び接着層156により、それぞれ、ベースフィルム154及びベースフィルム157に接着されている。
【0148】
補強部170は、コネクタ部180Aを補強するために設けられており、例えば、ウレタンゴムで構成される。
【0149】
補強部170の右端は、図14(B)に示すように、配線部153、ベースフィルム154、接着層155、接着層156、ベースフィルム157、配線部158と面一に構成されている。補強部170は、図14(B)に示すように、長さA5に設定されている。補強部120の長さA5は、配線部103が露出されるコネクタ部180Aの長さA4よりも長い。
【0150】
接着層156、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成される。接着層156の上面はベースフィルム157と接着され、下面の右側の部分は補強部170と接着される。接着層156の下面は、補強部170を接着する右側の部分を除く部分においては、接着層155と接着されている。
【0151】
ベースフィルム157は、フレキシブル基板150の基材となるフィルムであり、ベースフィルム154と同様に、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。ベースフィルム157の上側の面には配線部158が形成されており、下側の面は、接着層156に接着されている。
【0152】
配線部158は、例えば、銅箔で構成され、5線式のタッチパネル200の透明導電膜240と座標検出回路50を有する駆動回路51とを接続する配線である。配線部158は、図14(A)に示すように、配線部158A、158B、158C、158Dで構成されている。
【0153】
配線部158A、158B、158C、158Dは、それぞれ、透明導電膜240の端部の4辺に設けられた電極241、242、243、244に接続されている。
【0154】
配線部158A、158B、158C、158Dは、図14(A)に示すように、左側から右側まで延在しており、フレキシブル基板150の全長A1と略同じ長さを有する。配線部158A、158B、158C、158Dの右側の破線で示す部分は、コネクタ部180Bになる。
【0155】
接着層159は、例えば、アクリル系又はエポキシ系の接着剤で構成され、配線部158とカバーフィルム160とを接着している。
【0156】
カバーフィルム160は、フレキシブル基板150の一方の面(図中における上面)を被覆するフレキシブルフィルムであり、例えば、ポリイミド製のフィルムで構成される。カバーフィルム160は、接着層159によって配線部158に接着されている。
【0157】
図14(B)に示すフレキシブル基板150は、図中の左端側がタッチパネル200(図1、2参照)のフィルム210とガラス基板220の間に圧着される。
【0158】
配線部153B、配線部158A、158B、158C、158Dは、5線式のタッチパネル200の座標検出用の配線を構成している。
【0159】
実施の形態2のフレキシブル基板150は、駆動回路51に接続される右端側において、上面側にコネクタ部180Bを有し、下面側にコネクタ部180Aを有する両接点型のフレキシブル基板である。
【0160】
また、フレキシブル基板150は、比較例のフレキシブル基板260、280のようにスルーホールを含まない。
【0161】
このため、コネクタ部180A、180Bにおいてフレキシブル基板150に折り曲げる方向の応力がかかっても、スルーホールがないため、断線等が生じにくい。
【0162】
また、コネクタ部180A、180Bは、それぞれ、配線部153B、配線部158A、158B、158C、158Dの端部を露出させることによって形成されており、コネクタ部180A、180Bの部分における配線部153B、配線部158A、158B、158C、158Dの間には、補強部170が配設されている。補強部170の長さA5は、コネクタ部180A、180Bの長さA4よりも長い。
【0163】
このため、実施の形態2によれば、折り曲げる方向の応力がかかっても断線の生じにくいフレキシブル基板150を提供することができる。
【0164】
また、補強部170の長さA5は、配線部153、158が露出されるコネクタ部180A、180Bの長さA4よりも長く、補強部170と、カバーフィルム151、160は、長さ方向において、重複部を有する。
【0165】
このように補強部170とカバーフィルム151、160が重複部を有することにより、フレキシブル基板150の曲げ応力に対する強度を向上させることができる。
【0166】
また、実施の形態2のフレキシブル基150を用いれば、信頼性の高いタッチパネルを提供することができる。
【0167】
なお、実施の形態2のフレキシブル基板150は、実施の形態1のフレキシブル基板100と同様に、補強部170のフレキシブル基板150の内側に位置する端部に面取り部を形成してもよいし、曲線状に形成してもよい。
【0168】
また、以上では5線式のフレキシブル基板について説明したが、図5に示すように透明導電膜が複数の導電領域に分割されているタッチパネルに用いる場合は、配線部153Bの本数を導電領域の数に合わせて複数も受ければよい。
【0169】
以上、本発明の例示的な実施の形態のフレキシブル基板、及び、タッチパネルについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0170】
100 フレキシブル基板
101 カバーフィルム
102 接着層
103 配線部
103A、103B、103C、103D 配線部
104 接着層
105 ベースフィルム
106 接着層
107 接着層
108 ベースフィルム
109 接着層
110 配線部
111 接着層
112 カバーフィルム
130A コネクタ部
110A、110B、110C、110D 配線部
120 補強部
130B コネクタ部
120B1 面取り部
120B2 面取り部
120D 端部
150 フレキシブル基板
151 カバーフィルム
152 接着層
153 配線部
154 ベースフィルム
155 接着層
170 補強部
156 接着層
157 ベースフィルム
158 配線部
159 接着層
160 カバーフィルム
153A、153B、153C 配線部
158A、158B、158C、158D 配線部
180B コネクタ部
180A コネクタ部
200 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フレキシブルフィルムと、
前記第1フレキシブルフィルムに積層され、一端がタッチパネルの第1電極又は第2電極のいずれか一方に接続される第1配線層と、
第2フレキシブルフィルムと、
前記第2フレキシブルフィルムに積層され、一端が前記第1電極又は前記第2電極のいずれか他方に接続される第2配線層と、
前記第1フレキシブルフィルムと前記第2フレキシブルフィルムとの間を接着する接着層と、
前記第1配線層に積層され、前記第1配線層の両端を露出させる第1カバーフィルムと、
前記第2配線層に積層され、前記第2配線層の両端を露出させる第2カバーフィルムと
を含む、フレキシブルコネクタ。
【請求項2】
前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端側において、前記第1フレキシブルフィルムと前記第2フレキシブルフィルムとの間に配設される補強部をさらに含む請求項1記載のフレキシブルコネクタ。
【請求項3】
前記第1フレキシブルフィルム、前記第2フレキシブルフィルム、又は前記接着層の厚さは、前記フレキシブルコネクタの厚さが前記タッチパネルの前記第1電極と前記第2電極の間隔に合うように調整されている、請求項1又は2記載のフレキシブルコネクタ。
【請求項4】
前記補強部は、前記補強部の前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端とは反対側の端部において、前記第1配線層及び前記第2配線層の幅方向に形成される面取り部を有する、請求項1乃至3のいずれか一項記載のフレキシブルコネクタ。
【請求項5】
前記補強部の前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端とは反対側の端部は、平面視において、前記第1カバーフィルム及び前記第2カバーフィルムと重複する重複部を有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載のフレキシブルコネクタ。
【請求項6】
前記補強部の前記第1配線層及び前記第2配線層の前記一端とは反対側の端部は、前記第1配線層及び前記第2配線層の幅方向に対して、平面視で曲線状に形成される、請求項1乃至5のいずれか一項記載のフレキシブルコネクタ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項記載のフレキシブルコネクタと、
前記第1電極が第1基板上に形成された第1電極基板と、
前記第2電極が第2基板上に形成された第2電極基板と
を含むタッチパネル。
【請求項8】
前記第1電極は、複数の導電領域に分割された第1導電膜である、請求項7記載のタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−41476(P2013−41476A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178626(P2011−178626)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】