説明

フレキソ印刷装置、および該フレキソ印刷装置に備えるフレキソ印刷版、ならびに該フレキソ印刷版の製造方法

【課題】フレキソ印刷版の印刷パターンにおける凸部の幅が細く構成されていても、該凸部の破壊がなく、良好な印刷を行うことを可能とする。
【解決手段】本発明に係るフレキソ印刷装置は、回転可能な版胴と、版胴に貼り付けられ、凸部を有するフレキソ印刷版1とを備えている。フレキソ印刷装置は、版胴を回転させることによって、凸部に塗布したインクをワーク5の表面に転写する。凸部は、インクが塗布される表面部2と、フレキソ印刷版1から表面部2に向かってテーパー形状を取る支持部3とによって構成されている。版胴の回転方向に垂直な支持部3におけるテーパー角度9が、版胴の回転方向に平行な支持部3におけるテーパー角度8よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凸版印刷であるフレキソ印刷に用いられるフレキソ印刷版を備えたフレキソ印刷装置、および該フレキソ印刷装置に備えるフレキソ印刷版、ならびに該フレキソ印刷版の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙、フィルム、または布等の媒体への文字または画像等のイメージの印刷は、一般的に、上記イメージに対応した印刷パターンを形成した印刷版の版面にインクをつけたものを上記媒体に転写することによって実現している。用いる印刷版の種類によって、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、あるいは孔版印刷等がある。
【0003】
フレキソ印刷版を始めとする凸版印刷版は、印刷しようとするイメージに対応した凸状の印刷パターンを形成したものであり、該印刷パターンの先端部分にインクを付着させて、印刷媒体に押しつけることによって上記イメージを転写する。
【0004】
フレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷は、柔軟性のある弾性物質からなる凸版であるフレキソ印刷版と、液体印刷材料とを用いた凸版印刷であり、ガラス、またはセラミック等の高剛性材料の媒体に印刷を行える印刷方法として広く用いられている。特に最近では、液晶表示パネルの配向膜の塗布、およびカラーフィルタの作製等にフレキソ印刷が使用されている。
【0005】
上述したように、フレキソ印刷では、フレキソ印刷版を印刷媒体に押しつけることによって、所望な印刷パターンを上記印刷媒体に転写している。インクの転写ムラ、あるいは該印刷パターンの一部が転写されない等の不具合を防ぐためには、フレキソ印刷版を所定量つぶして転写する必要がある。しかし、これでは、印刷媒体に大きな荷重が加わってしまい、印刷媒体が破損してしまう虞がある。印刷媒体が破損したまま印刷を継続すると、フレキソ印刷版を傷つけたり、フレキソ印刷版を介して印刷装置自身を傷めたりする可能性がある。また、印刷媒体に大きな荷重が加わることは、印刷媒体が破損しないまでも、該印刷媒体の性能を落としてしまう虞がある。
【0006】
そこで、印刷媒体の破損等を防ぐために、印刷時に印刷媒体にかかる荷重を下げることが望まれる。印刷媒体にかかる荷重を低減するための対応として、例えば、フレキソ印刷版と印刷媒体との当接面積を小さくすることが挙げられる。フレキソ印刷版と印刷媒体との当接面積を小さくすることによって、従来と同じ程度だけフレキソ印刷版を印刷媒体に押しつけても、該印刷媒体にかかる荷重を低減することができる。これは、印刷媒体にかかる荷重が、フレキソ印刷版のバネ定数と、該フレキソ印刷版をつぶす量との積から求められるためである(荷重=バネ定数×つぶす量)。フレキソ印刷版のバネ定数はフレキソ印刷版と印刷媒体とが当接する面積に比例するので、フレキソ印刷版と印刷媒体との当接面積が小さいと、バネ定数が小さくなり、印刷版にかかる荷重が小さくなる。したがって、印刷媒体にかかる荷重を低減するためには、フレキソ印刷版と印刷媒体との当接面積をなるべく小さくすることが望まれる。
【0007】
しかし、フレキソ印刷版と印刷媒体との当接面積を小さくするとは、すなわちフレキソ印刷版の凸状の印刷パターンを小さくするということであり、印刷パターンの凸部の幅を細くするということである。したがって、印刷パターンの凸部の幅を細くすると、凸部の強度が落ちることが懸念される。特に、フレキソ印刷装置では、版胴の表面にフレキソ印刷版を貼りつけ、該版胴が回転することによってフレキソ印刷版の印刷パターンの凸部に付着させたインクを印刷媒体に転写している。そのため、印刷パターンの凸部の強度が低いと、該凸部が回転方向に倒れやすくなってしまい、該フレキソ印刷版の破損、そして所望な印刷パターンを印刷することができないという問題が生じる。
【0008】
そこで、フレキソ印刷版の印刷パターンの凸部が印刷時に倒れてしまったり、変形してしまったりするのを防ぐための工夫が特許文献1ではされている。具体的には、フレキソ印刷版の表面に向かうにしたがって、その印刷パターンの凸部の断面積が減少する順テーパー形状の凸部を備えたフレキソ印刷版が開示されている。フレキソ印刷版の印刷パターンの凸部が印刷媒体に向かって末広がりとなるような順テーパー形状とすることによって、印刷時に版面にかかる印圧が適当に分散され、印刷時の凸部の破壊、または変形を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−46441号公報(2008年2月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記した特許文献1に開示されている技術では、フレキソ印刷版を印刷媒体に押しつけた時の、印刷パターンの凸部の安定性は高まるが、フレキソ印刷版の破壊を防ぎきれない。その理由を以下に説明する。
【0011】
特許文献1に開示されている技術では、フレキソ印刷版の印刷パターンにおいて、いずれの箇所も他の箇所と同等の順テーパー形状となっている。すなわち、印刷パターンの箇所に関わらず、その凸部の形状は同一のものとなっている。
【0012】
ここで、印刷時にフレキソ印刷版が受ける力は、印刷媒体が送られる方向に平行する凸部と、直交する凸部とで異なる。そのため、印刷パターンの箇所によって、印刷時の印圧を受けて凸部が倒れ得る量が異なる。例えば、フレキソ印刷版の印刷パターンが四角い枠状であった場合、印刷媒体が送られる方向に平行する凸部と、直交する凸部とでは印刷時に受ける力が異なることで倒れる量が変わってしまうため、フレキソ印刷版の角付近に引っ張り力が集中してしまい、フレキソ印刷版のちぎれ等が発生する虞がある。
【0013】
このように、印刷時にフレキソ印刷版が受ける力が、該フレキソ印刷版の箇所によって異なるため、それに起因してフレキソ印刷版のちぎれ等の問題が生じ得る。したがって、フレキソ印刷版を印刷媒体に押しつけた時における該フレキソ印刷版の破壊の問題は依然と残されたままである。
【0014】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フレキソ印刷版の印刷パターンにおける凸部の幅が細く構成されていても、該凸部の破壊がなく、良好な印刷を行うことが可能なフレキソ印刷装置、および該フレキソ印刷装置に備えるフレキソ印刷版、ならびに該フレキソ印刷版の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るフレキソ印刷装置は、上記の課題を解決するために、
回転可能な版胴と、
上記版胴に貼り付けられ、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版とを備え、
上記版胴を回転させることによって、上記印刷パターンに塗布したインクを被印刷物の表面に転写するフレキソ印刷装置であって、
上記印刷パターンは、上記インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部における第1のテーパー角度が、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部における第2のテーパー角度よりも大きいことを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、版胴の回転方向に対して直交する凸部(直交部)の支持部は、版胴の回転方向に対して平行する凸部(平行部)の支持部よりも、安定性が高い。したがって、直交部の支持部に負荷される、版胴の回転方向(水平方向)の力をより緩和できる。この結果、直交部が倒れる量と、平行部が倒れる量とを、互いに近づけることができる。
【0017】
以上により、フレキソ印刷版の凸部の破損、または変形を防ぐことができ、またフレキソ印刷版のちぎれ等の発生を防ぐことができる。したがって、フレキソ印刷版の印刷パターンにおける凸部の幅が細く構成されていても、該凸部の破壊がなく、良好な印刷を行うことが可能となる。
【0018】
本発明に係るフレキソ印刷装置では、さらに、
上記被印刷物は平板であり、
上記第1のテーパー角度から上記第2のテーパー角度を引いた値は、上記版胴の回転軸、および、上記表面部が上記平板に対して当接を開始する位置を通る平面と、上記平板に対して垂直な平面とがなす角度よりも大きいことが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、版胴の回転方向に直行する位置と平行する位置とにおいて、凸部の倒れ量のアンバランスさを軽減することができる。これにより、フレキソ印刷版をより安定して長く使用できる。
【0020】
本発明に係るフレキソ印刷装置では、さらに、
上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部が有する2つのテーパー面のうち、上記版胴の回転方向におけるより後方に位置するテーパー面が、上記第1のテーパー角度を有していることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、上記したような効果(凸部の破壊が防止される点、良好な印刷が行える点)を奏することに加え、テーパー角度を変える箇所が回転方向後方だけになるので、フレキソ印刷版を作製する際のコストおよび時間を短縮することができる効果も奏する。例えば、感光性樹脂で光の照射角を変えてテーパーを付ける場合、照射角を変える操作は1回だけで済む。
【0022】
本発明に係るフレキソ印刷装置では、さらに、
上記印刷パターンが環状であり、
上記支持部の根本における、上記版胴の回転方向と直交する部分の幅は、上記支持部の根本における、上記版胴の回転方向と平行な部分の幅よりも大きいことが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、フレキソ印刷版の印刷パターンが方形ではなく環状であっても、方形の場合と同様の効果を奏する。
【0024】
本発明に係るフレキソ印刷版は、上記の課題を解決するために、
回転可能な版胴と、
上記版胴に貼り付けられ、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版とを備え、
上記版胴を回転させることによって、上記印刷パターンに塗布したインクを被印刷物の表面に転写するフレキソ印刷装置が備えるフレキソ印刷版であって、
上記印刷パターンは、上記インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部におけるテーパー角度をAとし、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部におけるテーパー角度をBとした場合、A>Bであることを特徴としている。
【0025】
本発明に係るフレキソ印刷版の製造方法は、上記の課題を解決するために、
回転可能な版胴に貼り付けられて使用され、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版を製造する製造方法であって、
上記フレキソ印刷版に感光性樹脂を設ける工程と、
上記印刷パターンに対応した遮光部と、当該遮光部以外の位置にある透光部とを有するマスクを用いて、上記感光性樹脂を露光する工程と、
露光された上記感光性樹脂を現像する工程とを備えており、
上記印刷パターンは、インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記マスクにおける、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部のテーパー面に相当する位置には、ハーフトーン部が設けられていることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、ハーフトーン部を透過した光は弱められ、この部分における感光性樹脂のテーパー角度は、他の箇所よりも小さくなる。これにより、版胴の回転方向に垂直な支持部のテーパー面の角度が、版胴の回転方向に垂直な支持部のテーパー面の角度よりも大きいフレキソ印刷版を製造できる。
【0027】
本発明に係るフレキソ印刷版の他の製造方法は、上記の課題を解決するために、
回転可能な版胴に貼り付けられて使用され、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版を製造する製造方法であって、
上記フレキソ印刷版に感光性樹脂を設ける工程と、
上記印刷パターンに対応した遮光部と、当該遮光部以外の位置にある透光部とを有するマスクを用いて、上記感光性樹脂を露光する工程と、
露光された上記感光性樹脂を現像する工程とを備えており、
上記印刷パターンは、インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記露光する工程において、上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部に対応する位置を露光する際、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部に対応する位置を露光する際よりもより斜め方向の光を照射することを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、感光性樹脂において、より斜め方向の光が照射された位置におけるテーパー角度は、より大きくなる。これにより、版胴の回転方向に垂直な支持部のテーパー面の角度が、版胴の回転方向に垂直な支持部のテーパー面の角度よりも大きいフレキソ印刷版を製造できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るフレキソ印刷装置は、フレキソ印刷版の印刷パターンにおける凸部の幅が細く構成されていても、該凸部の破壊がなく、良好な印刷を行うことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は、図4に示すA−A線における矢視断面図であり、(b)は、図4に示すB−B線における矢視断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷装置の全体構成を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る版胴の全体構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版をワーク側から見た場合の上面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷装置の印刷時点における側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版の直交部と平行部とを重ね合わせて図示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版の凸部における直交部の断面を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版をワーク側から見た場合の上面図である。
【図9】(a)は、本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版の凸部をワーク側から見た場合の上面図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版の凸部をワーク側から見た場合の上面図である。
【図10】(a)は、感光性樹脂に光を照射する露光工程を示す図であり、(b)は、マスクの透光部を通過した光の入射方向を示す図であり、(c)は、露光した感光性樹脂を現像した状態を示す図である。
【図11】(a)は、感光性樹脂に光を照射する露光工程を示す図であり、(b)は、マスクの透光部を通過した光の入射方向を示す図であり、(c)は、露光した感光性樹脂を現像した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
(フレキソ印刷装置10の構成)
本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷装置は、高剛性平板等の被印刷物の表面に、フレキソ印刷版に塗布したインクを転写する装置である。具体的には、フレキソ印刷版には、印刷しようとするイメージに対応した凸状の印刷パターンが形成されており、該印刷パターンの先端部分にインクを付着させて、印刷媒体に押しつけることによって上記イメージを転写する。
【0033】
まず、本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷装置のより詳細な印刷動作について、図2および図3を参照して説明する。図2は、フレキソ印刷装置10の全体構成を示す側面図である。図3は、版胴6の全体構成を示す斜視図である。
【0034】
図2に示すように、フレキソ印刷装置10には、円筒状の版胴6が矢印A方向に回転可能に取りつけられている。該版胴6の表面には、図3に示すように、ステージ7上に搭載された被印刷物であるワーク5に転写する印刷パターンが形成されたフレキソ印刷版1が貼りつけられている。また、フレキソ印刷装置10には、版胴6上のフレキソ印刷版1と接触して回転するような、円筒状のアニロックスロール(図示せず)も取りつけられている。さらに、該アニロックスロールの表面に沿って移動可能なディスペンサノズル(図示せず)が設けられており、該ディスペンサノズルが移動しながらアニロックスロールの表面にインクを滴下する。これにより、アニロックスロールの表面にインクが付着するが、アニロックスロールの表面は、版胴6の表面から離れているため、アニロックスロールの表面からは、版胴6のフレキソ印刷版1にのみインクが転写される構成になっている。
【0035】
ここで、ディスペンサノズルによるインクの滴下位置と版胴6に接触する位置との間に設けられているドクターブレード(図示せず)によって、アニロックスロールの表面に滴下されたインクが掻き取られて平滑化され、均一な厚さの膜に形成される。そして、アニロックスロールの表面が版胴6に接触する部分、すなわち版胴6のフレキソ印刷版1には、アニロックスロールの表面からインクが転写される。
【0036】
一方、ワーク5を載置したステージ7は、図示しないガイドレールに連結されており、矢印B方向に移動させることができるようになっている。ステージ7が矢印B方向に移動することによって、ステージ7に搭載されたワーク5を版胴6のフレキソ印刷版1に接触させている。このように、ワーク5がフレキソ印刷版1との適当な接触圧力(印圧)を受けつつ移動し、これと同期して版胴6が回転することによって、フレキソ印刷版1上のインクがワーク5に転写される。以上のようにして、フレキソ印刷版1に設けた印刷パターンをワーク5に転写することができる。
【0037】
なお、フレキソ印刷装置10には、ワーク5の位置決め(フレキソ印刷版1との位置合わせ)を行う装置、およびステージ7を移動させることによってワーク5をフレキソ印刷版1に押しつける装置等を用いることが可能であるが、ここではその説明は省略する。
【0038】
(フレキソ印刷版1の構成)
続いて、本実施形態に係るフレキソ印刷版1の構成について、図1および図4を参照して説明する。図1(a)は、図4に示すA−A線における矢視断面図である。図1(b)は、図4に示すB−B線における矢視断面図である。図4は、フレキソ印刷版1をワーク5側から見た場合の上面図である。本図では、図面の下側が印刷開始側である。
【0039】
上述したように、フレキソ印刷版1には、ワーク5に転写する印刷パターンが形成されている。ここで、図4に示すような印刷パターンを有しているフレキソ印刷版1を例に挙げて、該フレキソ印刷版1の印刷パターンについて説明する。
【0040】
図4に示すように、フレキソ印刷版1は、印刷パターンとして四角い枠状の凸部4を有しているが、該凸部4は順テーパー形状をしている。ここで言う順テーパー形状とは、凸部4の幅について、フレキソ印刷版1に接する部分から遠ざかるにつれて、その幅が狭くなる形状を意味する。すなわち、フレキソ印刷版1と接する部分の幅が最も広くなっている形状を意味する。したがって、図に示す2は、凸部4の表面部であり、3は、表面部2とフレキソ印刷版1とを繋ぐ斜面部分(以下、支持部と言う)である。アニロックスロールから転写されるインクは、凸部4の表面部2に転写されることになる。
【0041】
ここで、本実施形態に係るフレキソ印刷版1では、箇所によって、支持部3のテーパー角度(フレキソ印刷版1の垂線と支持部3とがなす角)が異なることを特徴としている。具体的には、図1(a)には、凸部4において、ワーク5が送られる方向(以下、印刷方向と言う)に対して平行する部分(以下、平行部と言う)の断面を示しており、図に示す8は、支持部3のテーパー角度を示している。また、図1(b)には、凸部4において、印刷方向に対して直交する部分(以下、直交部と言う)の断面を示しており、図に示す9は、支持部3のテーパー角度を示している。図1(a)および(b)に示すように、平行部における支持部3のテーパー角度8(第2の角度)と比較して、直交部における支持部3のテーパー角度9(第1の角度)の方が大きくなっている。
【0042】
このような構成にすることによって、ワーク5との当接時にフレキソ印刷版1の凸部4が受ける力を緩和することができるので、該凸部4の破壊がなく、良好な印刷を行うことが可能となる。その理由を以下に説明する。
【0043】
フレキソ印刷装置10では、フレキソ印刷版1とワーク5とが当接する際に、フレキソ印刷版1には、ワーク5から受ける垂直方向(ワーク5に対して垂直な方向)の力だけでなく、版胴6の回転に伴う水平方向(ワーク5と水平な方向)の力もかかる。したがって、フレキソ印刷版1において、凸部4における直交部は、平行部と比較してより大きい印圧を受けるため、版胴6の回転方向に倒れやすい。すなわち、直交部が倒れ得る量と、平行部が倒れ得る量とが異なる。
【0044】
ここで、直交部が倒れる量と、平行部が倒れる量とが異なると、フレキソ印刷版1の角付近に引っ張り力が集中してしまい、フレキソ印刷版1のちぎれ等が発生する虞がある。そこで、本実施形態では、凸部4における直交部のテーパー角度9を、平行部のテーパー角度8よりも大きくしている。これによって、当接時における該直交部の安定性を高めることができ、該直交部は、ワーク5との当接時に回転方向に倒れにくくなり、フレキソ印刷版1の角付近にかかる引っ張り力を抑制することができる。その結果、フレキソ印刷版1の凸部4の破損、または変形を防ぐことができ、またフレキソ印刷版1のちぎれ等の発生を防ぐことができる。以上のことから、転写時の安定性が高く、長寿命なフレキソ印刷版1が得られる。
【0045】
ところで、より高い安定性を有するフレキソ印刷版1を実現するためには、フレキソ印刷版1において当接時に凸部4が倒れる量、および該凸部4の強度を一定にすることが好ましい。そこで、当接時の凸部4が倒れる量、および該凸部4の強度を一定にするためには、直交部のテーパー角度9と、平行部のテーパー角度8との差を、図6に示すように、所定の角度θ(単位は度[°])以上にすればよい。図6は、直交部のテーパー角度9と、平行部のテーパー角度8との差を分かりやすくするために、該直交部と該平行部とを重ね合わせて図示した図である。
【0046】
上記所定の角度θを定義づけする図を図5に示す。図5は、フレキソ印刷装置10の印刷時点における側面図である。本図では、版胴6(フレキソ印刷版1)とワーク5との当接部分を分かりやすくするために、ステージ7は省略している。
【0047】
凸部4における直交部のテーパー角度9と、平行部のテーパー角度8との差は、図5に示すように、転写を開始する位置、すなわちフレキソ印刷版1とワーク5との当接が開始する位置、および版胴6の回転軸を通る平面と、ワーク5に対して垂直な平面とがなす角度θとする。
【0048】
このように、直交部のテーパー角度9を、平行部のテーパー角度8よりも角度θだけ大きくすることによって、該直交部と該平行部とにおいて、倒れる量および強度をほぼ一定にすることができる。その結果、フレキソ印刷版1において凸部4が倒れる量、および該凸部4の強度をバランス良く保つことができ、より高い安定性を発揮する。
【0049】
(フレキソ印刷版1の変形例1)
以上では、凸部4における直交部の支持部3が有する2つのテーパー面の両方において、それぞれのテーパー角度9を、平行部のテーパー角度8よりも大きくしている構成を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、直交部の支持部3が有する2つのテーパー面のうち、版胴6の回転方向におけるより後方に位置するテーパー面のテーパー角度9だけを、平行部のテーパー角度8よりも大きくする構成にしてもよい。
【0050】
上記のように構成したフレキソ印刷版1の凸部4の詳細を図7に示す。図7は、フレキソ印刷版1の凸部4における直交部の断面を示す図である。
【0051】
図7の例では、フレキソ印刷版1において、直交部の支持部3が有する2つのテーパー面のうち、版胴6の回転方向におけるより後方に位置するテーパー面のテーパー角度9だけを、平行部のテーパー角度8よりも大きくしている。このようにしても、本発明の効果を奏することができる。すなわち、ワーク5との当接時にフレキソ印刷版1の凸部4が受ける力を緩和することができるので、該凸部4の破壊がなく、良好な印刷を行うことが可能となる。なおこの構成では、加えてテーパー角度を変える箇所が回転方向後方だけになるので、フレキソ印刷版1を作製する際のコストおよび時間を短縮することができる効果も奏する。例えば、感光性樹脂で光の照射角を変えてテーパーを付ける場合、照射角を変える操作は1回だけで済むという効果をも奏する。
【0052】
以上のことから、本実施形態に係るフレキソ印刷版1では、直交部の支持部3が有する2つのテーパー面のうち、少なくとも、版胴6の回転方向におけるより後方に位置するテーパー面のテーパー角度9を、平行部のテーパー角度8よりも大きくすればよい。
【0053】
(フレキソ印刷版1の変形例2)
本実施形態に係るフレキソ印刷版1は、フレキソ印刷版1の印刷パターンとして、図4に示したような四角い枠状の凸部4に限定されるわけではなく、他の形状の凸部4も適用可能である。
【0054】
凸部4の他の形状例として、図8に示すような印刷パターンを有しているフレキソ印刷版1aを挙げて、該フレキソ印刷版1aの印刷パターンについて説明する。図8は、フレキソ印刷版1aをワーク5側から見た場合の上面図である。
【0055】
図8に示すように、複数の環状の凸部4aを有する印刷パターンにすることも可能である。この場合、凸部4aも順テーパー形状を有している。具体的には、凸部4aの幅について、フレキソ印刷版1aに接する部分から遠ざかるにつれて、その幅が狭くなる形状を有している。すなわち、フレキソ印刷版1aと接する部分の幅が最も広くなっている形状を有している。その詳細を図9に示す。図9(a)および(b)は、凸部4aをワーク5側から見た場合の上面図である。
【0056】
図9(a)に示すように、凸部4aにおいて、印刷方向に直交する直線と接する箇所の支持部3aのテーパー角は、印刷方向に平行する直線と接する箇所の支持部3のテーパー角よりも大きくなっている。より詳細には、凸部4aにおいて、印刷方向に直交する直線と接する箇所から、印刷方向に平行する直線と接する箇所へと向かうにつれて、支持部3のテーパー角度は小さくなっている。
【0057】
なお、上述したように、本実施形態に係るフレキソ印刷版1では、凸部4における直交部が有する2つの支持部3のうち、少なくとも当接開始位置から離れている方の支持部3のテーパー角度9を、平行部の支持部3のテーパー角度8よりも大きくすればよい。本例においても同様であり、図9(b)に示すように、凸部4aにおいて、印刷方向に直交する直線と接する箇所においては、2つの支持部3のうち、当接開始位置から離れている方の支持部3のテーパー角度を、印刷方向に平行する直線と接する箇所の支持部3のテーパー角度よりも大きくなっている。より詳細には、凸部4aにおいて、印刷方向に直交する直線と接する箇所から、印刷方向に平行する直線と接する箇所へと向かうにつれて、2つの支持部3のうち、当接開始位置から離れている方の支持部3のテーパー角度は小さくなっている。
【0058】
このように、印刷パターンとして環状の凸部4aを有している場合でも、支持部3aの根本における、版胴6の回転方向と直交する部分の幅を、支持部3aの根本における、版胴6の回転方向と平行な部分の幅よりも大きくすれば、本発明の効果を奏することができる。すなわち、ワーク5との当接時にフレキソ印刷版1aの凸部4aが受ける力を緩和することができるので、該凸部4aの破壊がなく、良好な印刷を行うことが可能となる。
【0059】
(フレキソ印刷版1の製造方法)
以下では、版胴6に貼り付けられて使用されるフレキソ印刷版1の製造方法について、図10および図11を参照して説明する。図10(a)は、感光性樹脂3’に光を照射する露光工程を示す図である。図10(b)は、マスク12の透光部を通過した光の入射方向を示す図である。図10(c)は、露光した感光性樹脂3’を現像した状態を示す図である。図11(a)は、感光性樹脂3’に光を照射する露光工程を示す図である。図11(b)は、マスク12の透光部を通過した光の入射方向を示す図である。図11(c)は、露光した感光性樹脂3’を現像した状態を示す図である。
【0060】
フレキソ印刷版1の印刷パターンは、フォトリソグラフィによるパターン露光によって形成することができる。具体的には、図10(a)に示すように、基材(図示せず)上に塗布した感光性樹脂3’を、遮光部と、遮光部以外の位置にある透光部とからなるマスク12を用いて露光する。図10(b)には、マスク12の透光部を通過した光の入射方向を図示している。この際、マスク12において、支持部3に対応する箇所にハーフトーン部11を設けることによって、図中の矢印C方向から入射する光のうち、該ハーフトーン部11に入射した光は、その強度が弱められる。その結果、ハーフトーン部11を設けた箇所と、設けなかった箇所とで、テーパー角度を変えることができる。このように、マスク12にハーフトーン部11を設けることによって、所望なテーパー角度を有する凸部4を形成することができる。
【0061】
次いで、露光した感光性樹脂3’を現像することによって、図10(c)に示すように、凸部4が形成され、フレキソ印刷版1となる。図10では、感光性樹脂としてネガ型のものを用いた場合を示しており、露光工程によってマスク12の透光部を通過した光が照射された部分が硬化し、現像工程によって、光が照射されない部分が除去される。
【0062】
より具体的には、マスク12における、版胴6の回転方向に平行な支持部のテーパー面に相当する位置に、ハーフトーン部11を設ける。この結果、ハーフトーン部11を透過した光は弱められ、この部分における感光性樹脂のテーパー角度は、他の箇所よりも小さくなる。これにより、版胴6の回転方向に垂直な支持部3のテーパー角度9が、版胴6の回転方向に垂直な支持部3のテーパー角度8よりも大きいフレキソ印刷版1を製造できる。
【0063】
ところで、以上では、2つの支持部3のテーパー角度が互いに異なるような凸部4を製造する方法、すなわち断面が左右非対称となる凸部4の製造方法を示した。しかし本発明はこれに限定されない。例えば、断面が左右対称となる凸部4を製造してもよい。この場合は、版胴6の回転方向に直交するパターンにはマスク12にハーフトーン部11を設けずに、マスク12に対して直交する光を照射し、版胴6の回転方向に平行なパターンについては、ハーフトーンで形成すればよい。ここで言うハーフトーンとは、マスク12に微細な穴などを空け、その箇所の光の透過量を制御したものである。微細穴の代わりに光透過量を制限、制御できるものであれば、これに限らない。例えば、マスク12のテーパー部に所定の遮光性を有するフィルム板を貼り付けてもよい。
【0064】
(フレキソ印刷版1の他の製造方法)
ハーフトーン部11を設けたマスク12を用いなくとも、感光性樹脂3’に照射する光に強弱をつけることによっても、所望なテーパー角度を有する凸部4を形成することができる。あるいは、図11(a)に示すように、基板(図示せず)上に塗布した感光性樹脂3’を、遮光部と透光部とからなるマスク12を用いて露光する際に、図中の矢印D方向のように、斜めから露光する。図11(b)には、マスク12の透光部を通過した光の入射方向を図示している。露光工程において、斜め(矢印D方向)から露光しているので、マスク12の透光部を通過した光の入射方向が左右不均衡になり、結果テーパー角度を変えることができる。このように、マスク12に照射する光の照射角度を変えることによって、所望なテーパー角度を有する凸部4を形成することができる。次いで、露光した感光性樹脂3’を現像することによって、図11(c)に示すように、凸部4が形成され、フレキソ印刷版1となる。
【0065】
より具体的には、版胴6の回転方向に垂直な支持部3に対応する位置を露光する際、版胴6の回転方向に平行な支持部3に対応する位置を露光する際よりも、より斜め方向の光を照射する。これにより、感光性樹脂において、より斜め方向の光が照射された位置におけるテーパー角度は、より大きくなる。この結果、版胴6の回転方向に垂直な支持部3のテーパー角度9が、版胴6の回転方向に垂直な支持部3のテーパー角度8よりも大きいフレキソ印刷版1を製造できる。
【0066】
ところで、以上では、2つの支持部3のテーパー角度が互いに異なるような凸部4を製造する方法、すなわち断面が左右非対称となる凸部4の製造方法を示したが、断面が左右対称となる凸部4を製造する場合には、マスク12にハーフトーン部11を設けずに、マスク12に対して直交する光を照射して製造すればよい。
【0067】
ところで、以上では、2つの支持部3のテーパー角度が互いに異なるような凸部4を製造する方法、すなわち断面が左右非対称となる凸部4の製造方法を示した。しかし本発明はこれに限定されない。例えば、断面が左右対称となる凸部4を製造しても良い。この場合は、感光性樹脂に対して垂直方向から照射した後、版胴6の回転方向に直交する方向については、所定の照射角で照射する、などのように複数回の照射を行えばよい。
【0068】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、液晶表示パネルを形成する際に、表示パネルの基板に配向膜の塗布するための印刷装置、カラーフィルタを作製するための印刷装置、あるいは電子デバイス用のマザー基板に印刷を施すための印刷装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1,1a フレキソ印刷版
2,2a 表面部
3,3a 支持部
3’ 感光性樹脂
4.4a 凸部
5 ワーク
6 版胴
7 ステージ
8,9 テーパー角度
10 フレキソ印刷装置
11 ハーフトーン部
12 マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な版胴と、
上記版胴に貼り付けられ、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版とを備え、
上記版胴を回転させることによって、上記印刷パターンに塗布したインクを被印刷物の表面に転写するフレキソ印刷装置であって、
上記印刷パターンは、上記インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部における第1のテーパー角度が、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部における第2のテーパー角度よりも大きいことを特徴とするフレキソ印刷装置。
【請求項2】
上記被印刷物は平板であり、
上記第1のテーパー角度から上記第2のテーパー角度を引いた値は、上記版胴の回転軸、および、上記表面部が上記平板に対して当接を開始する位置を通る平面と、上記平板に対して垂直な平面とがなす角度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷装置。
【請求項3】
上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部が有する2つのテーパー面のうち、上記版胴の回転方向におけるより後方に位置するテーパー面が、上記第1のテーパー角度を有していることを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷装置。
【請求項4】
上記印刷パターンが環状であり、
上記支持部の根本における、上記版胴の回転方向と直交する部分の幅は、上記支持部の根本における、上記版胴の回転方向と平行な部分の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷装置。
【請求項5】
回転可能な版胴と、
上記版胴に貼り付けられ、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版とを備え、
上記版胴を回転させることによって、上記印刷パターンに塗布したインクを被印刷物の表面に転写するフレキソ印刷装置が備えるフレキソ印刷版であって、
上記印刷パターンは、上記インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部における第1のテーパー角度が、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部における第2のテーパー角度よりも大きいことを特徴とするフレキソ印刷版。
【請求項6】
回転可能な版胴に貼り付けられて使用され、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版を製造する製造方法であって、
基材に感光性樹脂を設ける工程と、
上記印刷パターンに対応した遮光部と、当該遮光部以外の位置にある透光部とを有するマスクを用いて、上記感光性樹脂を露光する工程と、
露光された上記感光性樹脂を現像する工程とを備えており、
上記印刷パターンは、インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記マスクにおける、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部のテーパー面に相当する位置には、ハーフトーン部が設けられていることを特徴とする製造方法。
【請求項7】
回転可能な版胴に貼り付けられて使用され、凸状の印刷パターンを有するフレキソ印刷版を製造する製造方法であって、
基材に感光性樹脂を設ける工程と、
上記印刷パターンに対応した遮光部と、当該遮光部以外の位置にある透光部とを有するマスクを用いて、上記感光性樹脂を露光する工程と、
露光された上記感光性樹脂を現像する工程とを備えており、
上記印刷パターンは、インクが塗布される表面部と、上記フレキソ印刷版から当該表面部に向かってテーパー形状を取る支持部とによって構成されており、
上記露光する工程において、上記版胴の回転方向に垂直な上記支持部に対応する位置を露光する際、上記版胴の回転方向に平行な上記支持部に対応する位置を露光する際よりもより斜め方向の光を照射することを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−11666(P2012−11666A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150292(P2010−150292)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】