説明

フレーム補間装置

【課題】テロップの誤検出が起こらないフレーム間補間装置を提供する。
【解決手段】第1のシーン解析部において、処理対象領域がスクロール画面か否かを判定する。テロップ検出部は、処理対象領域がテロップか否かを判断する。第2のシーン解析部は、第1のシーン解析部とは独自の基準で、処理対象領域がスクロール画面か否かを判断する。第1のシーン解析部がスクロール画面と判断した場合には、スクロールシーンとして補間画像を生成する。そうでない場合は、テロップ検出部がテロップと判断し、第2のシーン解析部が、スクロールでないと判断した場合、テロップとして補間画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像のフレームレートを変換するためにフレーム間に補間フレームを挿入するフレーム補間装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モーションジャダ(Motion Judder)や液晶パネルの動きボケを、フレーム補間装置により表示するフレーム数を増やすことで改善する技術がある。
図14〜図16を用いて、従来のフレーム補間装置を説明する。
【0003】
まず、映像データ受信機10で動画像データを取得し、フレーム補間装置11で現フレームと、遅延器12で生成された1フレーム遅延した動画像データから補間画像を生成する。液晶パネルなどのディスプレイ13で、生成した補間画像と受信データを交互に表示することで2倍のフレームレートで表示する。これにより、動きボケやモーションジャダを低減することができる。当然、挿入するフレーム数や、表示時間を調整することで、2倍以外のフレームレートでも出力可能である。
【0004】
フレーム補間処理は映像の動きが複雑な場合、補間画像に破綻が生じる場合がある。このため、カメラパンなどによるスクロール映像や、文字列が一定の速度で移動するテロップなど、効果が良くわかる映像範囲に限定することで、十分な改善効果を得ながら破綻の発生を抑える方法が考えられている。
【0005】
例えば、図15に示したフレーム補間装置を用いることで、テロップに対してのみ補間を行うことができる。
まず、テロップ検出部15で、図16に示したようなテロップ検出領域単位に領域内にテロップが存在するか判定する。テロップベクトル探索部16は、テロップの動きを検出し、テロップベクトルを返す。補間ベクトル生成部17で、テロップ判定結果を基に動きベクトルを決定し、補間画像生成部18で補間画像を生成する。
【0006】
例えばテロップを検出し補間する技術として非特許文献1がある。非特許文献1のテロップ検出方法は、画面全体の平均速度とテロップ検出領域内の移動速度の差分が大きい場合にその領域にテロップが存在するものと判定する。しかしこの方法は、移動速度のみでテロップの特性をほとんど考慮していないため、車や人の移動などの一般物体の移動をテロップと誤検出してしまう可能性が大きいといった問題がある。
【0007】
また、テロップの特性を考慮してテロップをより高精度に検出する方法として、非特許文献2がある。この方法によりテロップを検出する場合でも、スクロールしている背景中に含まれる看板の文字などはテロップと誤検出してしまうことがある。
【0008】
この様な誤検出が発生すると、例えば、看板が存在する領域などの一部分のみで補間がかかる。その結果、補間がかかる領域とかからない領域が発生し、その差が画質劣化として認識されてしまう。
【非特許文献1】「大型LCD−TV用倍速フレームレート変換技術とその画質改善効果の検証」、吉田育弘 他、映像情報メディア学会誌 Vol.62 No.5 pp.778-787、2008年5月
【非特許文献2】「映像中のテロップ表示フレーム検出方法」、新井啓之 他、電子情報通信学会論文誌D-II Vol.J83-D-II No.6 pp.1477-1486、2000年6月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のフレーム補間装置では、例えば背景中の看板に書かれた文字がカメラパンにより横移動していた場合、その文字をテロップとして検出してしまい、テロップでないにも関わらず補間をしてしまうことがある。この補間は、テロップ検出領域単位で起きるため、例えば、看板が存在する領域などの一部分のみで補間がかかる。その結果、補間がかかる領域とかからない領域が発生し、その差が画質劣化として認識されてしまう。
【0010】
図17に、従来の技術における画質劣化の様子を示した。
図17は、画面全体が横スクロールしている映像を入力した場合の例である。看板の文字とその周辺を誤ってテロップとして検出してしまい、看板の一部分だけに補間がかかってしまう。
【0011】
また、横や縦に動くテロップのみを補間対象としているため、スクロールシーンの検出や補間を行うことができない。
本発明の課題は、テロップの誤検出が起こらないフレーム補間装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のフレーム補間装置は、動画像のフレーム間にフレームを挿入するフレーム補間装置において、フレーム内にあるテロップがあるか否かを検出するテロップ検出手段と、テロップの動きベクトルを取得するテロップベクトル取得手段と、フレーム内の第1の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有しているか否かを判断する第1のベクトル解析手段と、フレーム内の、第1の割合より少ない第2の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有しているか否かを判断する第2のベクトル解析手段と、該第1のベクトル解析手段が、第1の割合以上の領域がほぼ同じベクトルを有していないと判断し、該テロップ検出手段が、テロップを検出し、該第2のベクトル解析手段が、第2の割合以上の領域がほぼ同じベクトルを有していないと判断した場合に、該テロップベクトル取得手段が取得した動きベクトルを補間ベクトルとして出力する補間ベクトル生成手段と、該補間ベクトル生成手段の出力する補間ベクトルを用いて、補間フレームを生成する補間フレーム生成手段とを備える。
【発明の効果】
【0013】
テロップの誤検出が起こらないフレーム間補間装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態の基本構成を示す図である。
図1の構成においては、テロップの動きベクトルを算出するテロップベクトル探索部21と、テロップ検出領域単位にテロップ検出を行うテロップ検出部20と、シーンの動きベクトルを算出するシーンベクトル探索部22と、シーンの補間を行うかを決定するためにシーンの動きベクトルを基にスクロールを検出する第1のシーン解析部24と、テロップの補間を行うかを判定するためにシーンの動きベクトルを基にスクロールを検出する第2のシーン解析部25と、テロップ判定結果や2通りのスクロール判定結果を基に補間に用いる動きベクトルを決定する補間ベクトル生成部23と、得られたベクトルより補間画像を生成する補間画像生成部26とを具備する。
【0015】
図2は、補間ベクトル生成部の構成図である。
補間ベクトル生成部23は、ゼロベクトルを生成するゼロベクトル生成部30と、テロップの動きベクトルとゼロベクトルの選択をテロップ判定結果と第1のシーン判定結果から判断し、さらにその選択結果とシーンの動きベクトルとの選択を第2のシーン判定結果から判断する判断部31と、判断部31の結果を基に出力する動きベクトルを選択するベクトル選択部32を具備する。
【0016】
第1のシーン解析部24は、スクロールで補間可能なシーンを検出する。検出されたシーンはシーンベクトル探索部22で得られた動きベクトルで補間する。これにより、スクロールシーンの補間を行う。
【0017】
看板などの文字の画質劣化はカメラパンなど画面全体がスクロールしている場合に発生することが多い。そこで、第2のシーン解析部25を用いて、テロップ検出で誤検出が発生するスクロールシーンを検出する。検出されたシーンはテロップベクトル探索部21で求めた動きベクトルによる補間を行わないようにすることで、テロップ誤検出による画質劣化を抑制することができる。
【0018】
このようにシーン解析を2つ用意することで、テロップでの誤検出抑制対象シーンと補間対象とするスクロールシーンを、それぞれで適切に選択することができる。例えば、第2のシーン解析部25は、テロップの誤検出を多くカバーするために広い範囲のパンニングを検出し、第1のシーン解析部24ではスクロールシーンでの破綻をなるべく抑えるために、例えば画面全体が同じ方向に動いているシーンを検出する、といったことができるようになる。このとき第1のシーン解析部24でのスクロールシーンの検出には、画面の50%以上が同一とみなせる方向に動いているシーンを検出することで破綻の少ない安定した結果が得られることが経験的にわかっている。
【0019】
また、図3に、画面全体に占めるテロップが存在する領域の割合を調査した結果を示した。
この調査結果より、画面の25%以上にテロップが存在する動画像は存在確率が低いことがわかる。このため、画面の25%以上が同じ方向に動いているシーンでテロップが存在すると検出した場合、それは問題点で上げたような誤検出である可能性が高い。そのため、第2のシーン解析部25で、画面の25%以上が同じとみなせる速度・方向に動いているシーンを検出し、テロップの誤検出を抑える。
【0020】
図4は、本実施形態の変形例を示す図である。
図4において、図1と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図4においては、入力された画像を複数の解像度をもつ縮小画像に変換する画像縮小部40をさらに備えている。これは、複数の縮小画像を基にシーンの動きベクトルを探索するものである。シーン検出に用いる画像を縮小することで、広い範囲の動き量を持った動きベクトルを少ない演算量で算出可能とすることができる。
【0021】
図5は、本実施形態の第2の変形例を示す図である。
図5において、図1と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
テロップベクトル探索部とシーンベクトル探索部の代わりに、シーンとテロップの動きベクトルを同時に算出するベクトル探索部41を設けた。
ベクトル探索処理を一つにまとめることで、少ない演算量でベクトルを決定することができる。
【0022】
図6は、本実施形態の第3の変形例を示す図である。
図6において、図1と同じ構成要素には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
テロップ検出部20は第1のシーン解析部24の解析結果を利用してテロップ検出を行い、テロップベクトル探索部21は、第1のシーン解析部24の解析結果を利用してテロ
ップ検出を行う。
【0023】
シーン解析結果から得られるスクロール情報をテロップ検出で利用することにより、テロップが存在する領域を効率良く抽出することができる。例えば、静止背景上をテロップが横切る場合、前後フレームの差分を取ることでテロップが存在する領域を抽出することができる。しかし、背景がスクロールしている場合、背景の差分が発生するため検出の精度が落ちる。このとき、スクロール方向に対して差分を取ることで、背景の差分を無くすことができる。これによって、テロップの存在をより高精度に検出できる。
【0024】
また同様に、シーン解析結果から得られるスクロール情報をテロップベクトル探索で利用することにより、テロップの動きベクトルを正確に検出できる。例えば、スクロール方向に対して差分が存在しない領域のみでマッチングを取ることにより、背景の動きに影響を受けづらくなり、ベクトルの精度が向上する。
【0025】
図7は、テロップ検出部の処理フローである。
図7の処理は、すべてのテロップ検出領域に対して行い、テロップを検出するものである。ステップS10において、現フレームと前フレームで画素ごとに輝度の差分を計算し、差が大きい領域を抽出する。これにより、テロップが存在する可能性のある領域を限定する。ステップS11において、ステップS10で得られた誤差の大きい領域のみで、現フレームと前フレームのマッチングを行い、動きを検出する。テロップの動きは一般的に水平、垂直方向に限定されるため、その方向のみを探索する。ステップS12において、得られた動きが信頼できるものか判定する。すなわち、当該領域のSAD(Sum of Absolute Difference)が大きい場合(予め定められた閾値と比較するなど)や、前後フレームの差分画素が少ない(予め定められた閾値と比較するなど)場合は信頼できないとする。信頼できないと判断された場合には、データを捨てて、当該領域にはテロップが存在しないとする。ステップS12で、信頼できると判断された場合には、ステップS13において、当該領域の過去の動きと比較し、何回連続で一致(もしくは類似)しているかをカウントする。ステップS13のカウント数が、例えば、4回以上一致していることを示している場合には、領域内にテロップが存在すると判定し、そのときの動きをテロップ速度とする。ステップS13で、一致が4回未満であると判断された場合には、領域内にはテロップは存在しないと判定する。
【0026】
図8は、テロップベクトル探索部の処理フローである。
図8の処理は、8×8画素のブロック単位で、動きベクトルの検出を行う。ステップS15において、SAD基準のブロックマッチングにより動きベクトルを検出する。つまり、8×8画素のブロック単位に全動きベクトル候補に対するSADを計算し、最小のSADを取る動きベクトルをそのブロックの動きベクトルとする。探索の方向は、水平、垂直方向のみに限定する。ステップS16において、動きベクトルが信頼できるものか否かを判定する。すなわち、SADが大きい場合(予め閾値を設け、これと比較して大きいか否かを判断するようにすれば良い)や、ブロック内の輝度の分散が小さい(例えば、予め設定された閾値と比較する)場合は、信頼できないとする。ステップS16において、信頼できると判断された場合には、検出された動きベクトルをテロップの動きベクトル(テロップベクトル)として出力する。ステップS16において、信頼できないと判断された場合には、零ベクトルをテロップベクトルとして出力する。
なお、図6の構成の場合には、第1のシーン解析部から、処理中のテロップ検出領域が、スクロールシーンか否かの判定結果をもらい、これを利用して検出を行う。
【0027】
図9は、シーンベクトル探索部の処理フローである。
図9の処理は、8×8画素のブロック単位に、フレーム全体にわたり動きベクトルの検
出を行う。ステップS20において、SAD基準のブロックマッチングにより、動きベクトルを検出する。探索の方向は、縦、横、斜めなど全方位に探索する。得られたベクトルをシーンベクトルとする。
【0028】
図10は、第1のシーン解析部の処理フローである。
図10の処理では、シーンベクトルを元に、スクロールシーンを検出する、スクロールシーンとして補間をするか否かを判定するための処理である。ステップS25において、画面全体のシーンベクトルの分散・一致度を計算する。一致度は画面全体の何%が類似した方向に動いているかを示す値で、例えば、最大頻度のベクトルとの差分絶対値が予め定められた閾値と比較して小さいベクトルの個数をカウントし、画面全体のブロック数で割ることにより求まる。ステップS26において、動きベクトルの分散を判定する。すなわち、予め決められた閾値と比較し、分散と閾値との大小を判定する。ステップS26の判定で、分散が大きいと判断された場合には、非スクロールシーンと判定する。分散が小さいと判断された場合には、ステップS27において、画面の50%以上の領域が同じ方向(もしくは類似した方向)のベクトルか否かを判断する。50%以上が同じ方向あるいは類似した方向であると判断された場合には、スクロールシーンであると判定し、50%未満と判定された場合には、非スクロールシーンであると判定する。
【0029】
図11は、第2のシーン解析部の処理フローである。
図11の処理では、シーンベクトルを元に、スクロールシーンを検出し、テロップを補間するか否かを判定するための処理である。
【0030】
ステップS30において、画面全体のシーンベクトルの分散・一致度を計算する。一致度は、前述したとおりである。ステップS31において、動きベクトルの分散を判定する。この判定の仕方も前述と同様である。ステップS31において、分散が大きいと判断された場合には、非スクロールシーンと判定する。すなわち、テロップの補間を行う。ステップS31において、分散が小さいと判断された場合には、ステップS32において、全画面のうち、25%の領域が同じ方向(もしくは、類似した方向)のベクトルか否かを判定する。ステップS32において、25%以上が同じ方向(もしくは、類似した方向)の動きベクトルと判断された場合には、スクロールシーンと判定し、テロップの補間は行わない。ステップS32で、25%未満しか同じ方向もしくは類似した方向の動きベクトルを持っていないと判断された場合には、非スクロールシーンと判定し、テロップの補間を行う。
【0031】
図12及び図13は、判断部の判断ロジックを説明する図である。
図12の表は、テロップ検出部のテロップ判定の結果、第1のシーン解析部の第1のシーン判定結果、第2のシーン解析部の第2のシーン判定の結果の組み合わせから、どのようなベクトルを補間用ベクトルとして出力するかを示すものである。表中の○は、それぞれの判定結果によって、テロップが検出された(テロップ検出部)、スクロールシーンが検出された(第1のシーン解析部)、テロップ補間を行わないこと(第2のシーン解析部)が検出されたことを示す。×は、上記が検出されなかったことを示す。シーンベクトルは、シーンベクトル探索部により得られる画面全体のスクロールを補間するベクトルであり、テロップベクトルは、テロップベクトル探索部により得られるテロップの動きを補間するベクトルである。また、ゼロベクトルは、検出された動きベクトルによる補間を一切行わないことを示す。このようにスクロールやテロップと検出されたシーン以外のシーンの補間を行わないことで、十分な補間効果を得ながら、破綻を最小限に抑えることが出来る。
【0032】
図13は判断部の判断ロジックを示す図である。まず、ステップS35で、第1のシーン判定結果でスクロールと判定されたか否かを判断する。ステップS35で、スクロールと判定された場合には、補間ベクトル生成部はシーンベクトルを出力する。スクロールと
判定されなかった場合には、ステップS36において、テロップ判定結果で、テロップと判定されたか否かを判定する。ステップS36において、テロップと判定されなかった場合には、補間ベクトル生成部はゼロベクトルを出力する。テロップと判定された場合には、ステップS37において、第2のシーン判定結果でスクロールと判定されたか否かを判断する。ステップS37で、スクロールと判定された場合には、補間ベクトル生成部はゼロベクトルを出力する。スクロールでないと判定された場合には、補間ベクトル生成部はテロップベクトルを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態の基本構成を示す図である。
【図2】補間ベクトル生成部の構成図である。
【図3】画面全体に占めるテロップが存在する領域の割合を調査した結果を示す図である。
【図4】本実施形態の変形例を示す図である。
【図5】本実施形態の第2の変形例を示す図である。
【図6】本実施形態の第3の変形例を示す図である。
【図7】テロップ検出部の処理フローである。
【図8】テロップベクトル探索部の処理フローである。
【図9】シーンベクトル探索部の処理フローである。
【図10】第1のシーン解析部の処理フローである。
【図11】第2のシーン解析部の処理フローである。
【図12】判断部の判断ロジックを説明する図(その1)である。
【図13】判断部の判断ロジックを説明する図(その2)である。
【図14】従来のフレーム補間装置を説明する図(その1)である。
【図15】従来のフレーム補間装置を説明する図(その2)である。
【図16】従来のフレーム補間装置を説明する図(その3)である。
【図17】従来の技術における画質劣化の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
10 映像データ受信機(チューナ/デコーダ)
11 フレーム補間装置
12 遅延器
13 ディスプレイ(液晶パネル)
15、20 テロップ検出部
16、21 テロップベクトル探索部
17、23 補間ベクトル生成部
18、26 補間画像生成部
22 シーンベクトル探索部
24 第1のシーン解析部
25 第2のシーン解析部
30 ゼロベクトル生成部
31 判断部
32 ベクトル選択部
40 画像縮小部
41 ベクトル探索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像のフレーム間にフレームを挿入するフレーム補間装置において、
フレーム内にあるテロップがあるか否かを検出するテロップ検出手段と、
テロップの動きベクトルを取得するテロップベクトル取得手段と、
フレーム内の第1の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有しているか否かを判断する第1のベクトル解析手段と、
フレーム内の、第1の割合より少ない第2の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有しているか否かを判断する第2のベクトル解析手段と、
該第1のベクトル解析手段が、第1の割合以上の領域がほぼ同じベクトルを有していないと判断し、該テロップ検出手段が、テロップを検出し、該第2のベクトル解析手段が、第2の割合以上の領域がほぼ同じベクトルを有していないと判断した場合に、該テロップベクトル取得手段が取得した、補間に用いる動きベクトルを生成する補間ベクトル生成手段と、
該補間ベクトル生成手段の出力する補間ベクトルを用いて、補間フレームを生成する補間フレーム生成手段と、
を備えることを特徴とするフレーム補間装置。
【請求項2】
動画像全体のスクロールによる動きベクトルを取得するシーンベクトル取得手段を備え、
前記補間ベクトル生成手段は、前記第1のベクトル解析手段が、前記第1の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有していると判断した場合に、該シーンベクトル取得手段の取得した動きベクトルを補間ベクトルとして出力することを特徴とする請求項1に記載のフレーム補間装置。
【請求項3】
前記テロップベクトル取得手段と、前記シーンベクトル取得手段は、1つのユニットで構成されていることを特徴とする請求項2に記載のフレーム補間装置。
【請求項4】
画像フレームを縮小する画像縮小手段を更に備え、
前記シーンベクトル取得手段は、該縮小画像フレームについて動きベクトルを取得することを特徴とする請求項2に記載のフレーム補間装置。
【請求項5】
前記補間ベクトル生成手段は、前記第1のベクトル解析手段が、前記第1の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有していないと判断し、かつ、前記テロップ検出手段が、テロップを検出していないか、前記第1の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有していないと判断し、かつ、前記テロップ検出手段が、テロップを検出し、かつ、前記第2のベクトル解析手段が、前記第2の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有していると判断した場合は、補間ベクトルとして、ゼロベクトルを出力することを特徴とする請求項1に記載のフレーム補間装置。
【請求項6】
前記テロップ検出手段と、前記テロップベクトル取得手段とは、前記第1のベクトル解析手段の取得する動きとほぼ同じ動きを有する領域以外の領域を用いて、テロップ検出及びテロップの動きベクトルの取得を行うことを特徴とする請求項1に記載のフレーム補間装置。
【請求項7】
前記第1の割合は50%であり、前記第2の割合は25%であることを特徴とする請求項1に記載のフレーム補間装置。
【請求項8】
動画像のフレーム間にフレームを挿入するフレーム補間方法において、
フレーム内にあるテロップがあるか否かを検出し、
テロップの動きベクトルを取得し、
フレーム内の第1の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有しているか否かを判断し、
フレーム内の、第1の割合より少ない第2の割合以上の領域がほぼ同じ動きベクトルを有しているか否かを判断し、
第1の割合以上の領域がほぼ同じベクトルを有していないと判断し、テロップを検出し、第2の割合以上の領域がほぼ同じベクトルを有していないと判断した場合に、テロップの動きベクトルを補間ベクトルとして出力し、
出力された補間ベクトルを用いて、補間フレームを生成する、
ことを特徴とするフレーム補間方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図3】
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【図12】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−41234(P2010−41234A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199986(P2008−199986)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】