説明

ブタBドメイン欠損fVIIIの投与方法

本発明は、現在入手可能な方法と比較して、出血状態に対するより迅速且つ有効な保護を供するために、又は非出血期におけるこのような患者のより有効な保護を供するために、第VIII因子欠乏を伴う患者に対してブタBドメイン欠損第VIII因子(OBI−1)を投与する方法を供する。本発明は、組換えブタBドメイン欠損fVIII、OBI−1と称される、がブタ血漿から部分的に精製された天然ブタfVIII、HYATE:Cと称される、と比較して、高い生物学的利用能を有することの発見に基づく。このように本発明の方法は、fVIII欠乏を伴う患者において同等の保護を供するために、HYATE:Cと比較してより低い単位用量のOBI−1を使用し、あるいはHYATE:Cと比較してより長い投与間隔を有する。本発明は更に、医薬的に許容される担体との組み合わせにおけるOBI−1を含んで成り、fVIIIを必要な患者をより有効に治療するために有用である、医薬組成物及びキットを供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年5月3日に出願された仮出願第60/568,015号、及び2004年5月7日に出願された第60/569,000号の利益を主張し、これらは共に本明細書に相反しない範囲において本明細書中に組み入れられている。
【背景技術】
【0002】
血友病Aは、多様な臨床症状をもたらし、そして最終的に生命を危うくする、血液凝固における欠陥により特徴付けられる疾患である。当該疾患の標準的な治療は、凝固第VIII因子(fVIII)の投与であり、血友病Aの患者において300kDaの血漿タンパク質が欠損し、あるいは欠乏している。当該治療投与は根底にある疾患を治療しないが、当該症状を寛解させる。従って、患者は生涯にわたりfVIIIの頻回用量を受けなければならない。ヒトfVIIIを血友病A患者に対して投与することは有効な治療法であるが、長期間の治療は患者人口に有意に比率した低下した有効性をもたらす。ヒトfVIIIが血漿由来であるか又は組換え技術により作成されたかに関わらず、約20〜35%の血友病A患者はヒトfVIIIに対する阻害抗体を発生する。ヒトfVIIIに対する阻害抗体を発生する患者は治療の低下した有効性、及びより長時間の出血症状を経験する。このような患者は、実質的に相同なタンパク質であるブタfVIIIにより成功的に治療されている。ブタfVIIIは、しばしば阻害性患者において見られる抗ヒトfVIII抗体に対して、有意に低い反応性である。ブタのプール血漿から部分的に精製された天然ブタfVIIIであるHYATE:Cは、長い間商業的に利用されてきた。血漿から精製されたヒト及びブタfVIIIは共にウイルス又はプリオン粒子由来の汚染の危険性がある。このような危険性は、生涯の治療にわたり頻回の用量を受ける血友病患者に特に懸念される。組換えヒトfVIII、及び、より近年には組換えブタfVIIIがこれらのそれぞれの症状に開発されている。より具体的には、大半のBドメインを欠乏している組換えブタfVIIIが産生されており、そして現在ブタのプール血漿から精製されたブタfVIIIに代わるものとして臨床適応のために試験されている[参考例として本明細書中に組み入れられている米国特許第6,458,563号]。これらの製品に適用される用語は、HTATE:C(ブタのプール血漿から部分的に単離された天然ブタfVIII);OBI−1(組換えBドメイン欠損ブタfVIII)である。OBI−1はまた米国特許第6,458,563号においてPOL−1212と命名されている。OBI−1及びPOL−1212の両方の名称は、BドメインのN末端部分における12のアミノ酸及びBドメインのC末端部分における12のアミノ酸以外が欠失したBドメインを有するブタfVIIIである、同じ物質を意味する。以前の研究 [Doering, C. B. et al. (2002) J. Biol. Chem. 277: 39345-38349] は、ブタfVIIIのBドメインは活性を失うことなく欠失できることを記載している。
【0003】
医薬組成物又は製剤において安定なfVIIIを供するための多様な方法のいくつかの報告が存在する。これらの製剤を安定化するためにしばしばアルブミンが利用されている。しかしながら、安定化剤としてアルブミンを使用することに関するコスト及びリスクのために、当業界において、いくつかのfVIIIを含有するアルブミンを含まない医薬組成物が存在する。例えば、米国特許第5,565,427号は、アミノ酸又はその塩、及び洗浄剤、例えば、ポリソルベート若しくはTWEEN80、又は有機ポリマー、例えば、PEGを含むfVIII組成物を記載し;米国特許第5,605,884号は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及びヒスチジンから成る高イオン強度媒体におけるfVIII組成物を開示し;米国特許第5,763,401号及び5,874,408号は、グリシン、ヒスチジン、ショ糖、塩化ナトリウム、及び塩化カルシウムを含む組換えfVIII組成物を開示する。更に、多様な塩、非イオン性界面活性剤、及び抗酸化剤を有するfVIII組成物の例が存在する(米国特許第5,962,650号,米国特許第5,972,885号,WO89/09784,及びWO94/07510)。WO03/080108は、fVIII、界面活性剤、塩化カルシウム、ショ糖、塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、及び緩衝液を含み、そして凍結乾燥前及び注射用水中の再構成後にpH6〜8を有する、アミノ酸を欠く安定な固形医薬組成物を記載する。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
本発明は、HYATE:Cと比較してOBI−1が2〜6倍高い生物学的利用能を有するという驚くべき実験的発見に関する。生物学的利用能とは、与えられた用量の投与後に達成され且つ維持される血中濃度を意味する。生物学的利用能は、与えられた用量の投与後の時間の関数としてプロットされた血中濃度の曲線下面積(AUC)を計算することにより評価することができる。結果的に、HYATE:Cと比較して、OBI−1は重篤な出血症状に対する同様の保護を供するために、あるいは非出血状態における血友病患者の出血症状の予防において、ユニット/kg体重において表現される、実質的により低い用量において投与することができる。あるいは、OBI−1は、HYATE:Cと同量又は近似量において供することができるが、HYATE:Cと比較して投与回数を減らすことができ、より迅速な出血制御をもたらし、複数回投与に関する不便性を減らす。OBI−1がユニット/mlにおいてHYATE:Cより高濃度で利用できるという事実と併せて、当該発見は、患者の福祉及び生活の質により有利である新規な投与方法を供する。HYATE:C(100ユニット/kg体重)による現在の治療は、典型的には、6〜8時間ごとに反復して、1分あたり2〜5mlの割合において、280mlのHYATE:C溶液の静脈内注入が必要とされる。このような治療は面倒であり、2時間以上かかる場合があり、そして患者の移動及び生活の質を極度に制限する。これに対して、本発明においては、OBI−1は、約10〜100ユニット/kg体重、例えば、14mlの1回の静脈内注射として投与することができ、添付文書に従い一度の出血症状を停止するために2日間にわたり8回の分離投与の薬を摂取するHYATE:Cに対して、出血を停止するために、投与するのにたった5〜15分で済み、且つ1〜4回だけでよい。このような治療が必要な血友病患者が、OBI−1と有意に交差反応するヒトfVIIIに対する既存の阻害抗体を有する場合、当該抗体を中和するために本明細書中に与えられた投与量を超えるOBI−1が必要である。OBI−1を使用する場合にはより高いfVIIIレベルがより迅速に達成できるために、出血の制御が促進される。以下に議論するとおり、個々に投与される実際の用量は、いくつかの個々の因子、例えば、体重、血漿容量、及びOBI−1に対する残留抗体価に依存する。個々の投与量の計算方法は、HYATE:Cでの研究により良く確立されている。OBI−1投与量の計算方法は、更に、新たに発見されたOBI−1の生体内における有効性及び生物学的利用能を考慮することが必要である。
【0005】
本発明はまた、より迅速且つ有効な手段において、fVIIIを必要とする患者を治療するために有用なOBI−1を含む医薬組成物及びキットを供する。
【0006】
発明の詳細な説明
一般的に、本明細書において使用される語及び語句は、当業界において認識される意味を有し、これらは標準教科書に対する参考文献、学術文献、及び当業者に既知な背景により見出すことができる。本発明の文脈中のこれらの特定の使用を明らかにするために以下の定義が供される。
【0007】
本明細書に使用される「生理的に許容される担体」の語は、医薬組成物において、本発明の活性成分であるOBI−1の担体/安定化剤として役立つ有機又は無機組成物である。生理的に許容される担体の例は、制限されることなく、水、リン酸緩衝生理食塩水、生理食塩水、水性溶媒を含み、ここで水は低級アルカノール、植物油、ポリアルキレングリコール、石油関連ゼリー、エチルセルロース、オレイン酸エチル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、ミリスチン酸イソプロピルと混合される。生理的に許容される担体は、更に、アルブミン、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、又はこれらの塩)、洗浄剤(イオン性及び非イオン性)、例えば、ポリソルベート又はTWEEN80、ナトリウム塩、カルシウム塩、及び/又はヒスチジンから成る高イオン強度媒体、モノ−、ジ−、若しくはポリサッカライド(例えば、ショ糖)、又は糖アルコール、及び当業界に既知の他の希釈剤、添加剤、又は担体を含む。多様な担体及び添加剤の詳細な説明は、これらの全体が引用により全て組み入れられている、米国特許第5,925,739号;米国特許第5,733,873号;米国特許第5,605,884号;米国特許第5,565,427号;米国特許第5,763,401号;米国特許第5,874,408号;米国特許第5,962,650号;米国特許第5,972,885号;WO89/09784及びWO94/07510を参照のこと。
【0008】
OBI−1を含んで成る医薬組成物は、好ましくはOBI−1、界面活性剤若しくは洗浄剤、塩化カルシウム、ショ糖、塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、及び緩衝液を含んで成る、アミノ酸を欠く溶液の凍結乾燥により得ることができる固形組成物である。当該溶液は凍結乾燥前及び注射用水における再構成後に6〜8のpHを有する。当該界面活性剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート、及びブロックコポリマー、例えば、ポロキサマー(即ち、ポリエチレンとプロピレングリコールのコポリマー)である。より好ましい界面活性剤は、20〜100のモノマー単位(好ましくは約80)の平均重合度を有するポリソルベートである。最も好ましい界面活性剤は、植物に由来するポリソルベート80である。当該緩衝液は、好ましくはトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(「トリス」として慣習的に知られている)である。典型的には、当該固形医薬組成物は、50〜10,000ユニット/mLの濃度範囲おけるOBI−1、臨界ミセル濃度〜1%v/vの濃度範囲における界面活性剤、0.5〜10mMにおける塩化カルシウム、5〜50mMにおけるショ糖、0.15〜500.5Mにおける塩化ナトリウム、1〜50mMにおけるクエン酸三ナトリウム、及び1〜50mMにおける緩衝液を含む溶液から凍結乾燥により調製される。凍結乾燥前及び注射用水における再構成後の当該医薬組成物のpHは、好ましくは約6.5〜7.5、より好ましくは約7.0である。OBI−1を含有する固形医薬組成物は、fVIIIを必要とする患者に投与する前に、任意的に塩化ナトリウムを含む無菌水で希釈することができる。このような組成物の投与は典型的には静脈内において行われる。投与される組成物の最適用量は、治療する医者によって各患者の疾患の重篤度に基づき決定される。本明細書にその全体における引用として組み入れられている、WO03/080108は、本明細書に記載されるOBI−1を含んで成る固形医薬組成物の調製方法の詳細な説明を開示する。
【0009】
「約」の語は、考慮される値の周辺を意味する。本願において使用される「約X」は、X−Xの10%〜X+Xの10%の間、好ましくはX−Xの5%〜X+Xの5%の間を意味する。
【0010】
本発明に使用される「血液凝固時間の減少」は、HYATE:Cが投与される場合と比較してOBI−1が投与される場合のfVIII欠乏を伴う与えられた患者において生じる血液凝固のための時間の減少した長さ、即ちOBI−1で治療した患者において生じる血液凝固のための時間の長さとHYATE:C投与で治療したものとの差を意味する。
【0011】
本明細書に使用される「第VIII因子の治療的に有効なレベル又は濃度」は、患者において測定可能な改善又は保護を示すのに十分である(例えば、出血を止めるために)、OBI−1の医薬組成物を受けたfVIII欠乏を伴う患者の血漿中のfVIIIのレベルを意味する。fVIII欠乏を伴う患者は典型的には血友病A患者であるが、「後天性血友病」と診断された対象も含み、先天的血友病でない患者における状態は、彼らのfVIIIに対する阻害抗体を自然発生的に生じ、重篤なfVIII欠乏を生じる。一般に、治療的有効レベルは、正常な非血友病Aの対象において、約1%、好ましくは約10%、最も好ましくは約25〜35%及びそれ以上のfVIIIレベルであると推定される。正常な非血友病Aのヒト中のfVIIIの濃度範囲は、少なくとも20の正常なドナーに由来する試料血漿プールにおいて見られる50%〜200%のfVIIIの活性として定義される。正常なヒトにおけるfVIIIのレベルは、多様な生理的及び非生理的刺激に応答して、正常な範囲を介して変動する(TC, "The Diagnostic Approach to the Bleeding Disorders", page 1302, Chapter 48 in Lee GR, Bithell TC, Foerster J, Athens JW and Lukens JN (eds), Wintrobe's Clinical Hematology, ninth edition, 1993, Lea & Febiger, Malvern, PAを参照のこと)。
【0012】
「OBI−1の抗体中和用量」の語句は、OBI−1に対して作られる患者の既存の抗体を中和するための投与に必要なOBI−1の量を表す。ブタfVIIIに対する血友病A患者の抗体レベルは各個人に異なる。存在する抗OBI−1抗体の量は、当業界に既知な標準的方法を使用して抗体価を測定することにより容易に計算することができ、そして当該値から抗体を中和するために必要なOBI−1の量を推測することができる。各患者の阻害抗体の結合性及び不活性の個々の違いにより、必要とされるOBI−1の正確な量が推測できるだけであり、投与される正確な量は経験的に決定(又は「滴定される」)されなければならない。
【0013】
ヒトfVIII欠乏は、血液凝固形成の工程が全ての脊椎動物に共通し、そしていくつかの種のfVIIIタンパク質は高い配列相同性を有することが知られていることから、fVIII欠乏哺乳類において研究することができる。また、生物学的利用能は非血友病サルにおいて評価することができる。血液量における種の差異、及び基礎fVIIIレベル等を考慮した後、動物実験による結果をヒトにおける結果の一般的予想とする。本発明は実験結果から開発され、以下に詳細に説明する。4種類の実験を行った:サル及び血友病イヌにおける生物学的利用能の実験、血友病イヌ及び血友病マウスにおける有効性の実験、ヒト血漿における試験管内活性回収実験、及び6人のヒト対象における生体内生物学的利用能の実験。
【0014】
生物学的利用能は与えられた用量を投与した後に一定の時間において活性の回収を測定することにより評価した。有効性は血友病イヌにおける角質出血時間 (cuticle bleeding time)(CBT)における与えられた用量の効果を測定すること、及び血友病マウスの尾切断出血モデルにおける死亡率により評価した。また、OBI−1及びHYATE:Cの回収は各物質をヒト血友病血漿試料及びヒト血友病阻害血漿試料に添加することにより試験管内において測定した。生物学的利用能は更に100U/kgの標準用量を投与した後の一定時間において活性の回収を測定することにより6人のヒト対象において評価した。
【0015】
活性回収(生物学的利用能)の最初の実験において、非血友病サルに、血液中のfVIIIレベルを上げるためにOBI−1又はHYATE:Cを静脈内的に与えた。時間における動物の血流中のfVIII活性及び生産物の残留を測定するために血液試料を定期的に採取した。OBI−1の生物学的利用能はHYATE:Cよりも数倍高いことが判明した(表1及び2、並びに図1を参照のこと)。表3及び4に示されるとおり、血友病イヌにおける生物学的利用能の実験において、HYATE:CとOBI−1の間に同様の違いが観察された。
【0016】
1つの有効性実験において、OBI−1又はHYATE:Cの用量範囲を使用して、出血時間のために、アシの爪の角質を切った後、血友病イヌを試験した。fVIII生産物の有効性を評価するために角質出血時間(CBT)を測定した。OBI−1及びHYATE:Cは共に非血友病イヌにおいて観察される正常な範囲に向かいCBTを減少させたが、結果は不定であった。以下に示すマウス実験に一致して、比較可能な基礎単位において、OBI−1はHYATE:Cの場合よりもCBTの減少においてより有効であるように見えた。
【0017】
有効性実験は更に、fVIII「ノックアウト」マウス(fVIIIをコードする遺伝子が不活性化されたマウス)系統で行った。このようなマウスは平凡な損傷後の出血に極めて感受性である。尾の遠位2cmの切断は、大半の血友病マウスにとって24時間以内に致死的な出血に導くであろう。尾の切断から15分前に、OBI−1又はHYATE:Cの用量範囲を血友病マウスに投与することにより、50%の死亡率のマウスを保護する用量(ED50)を推測することが可能となった。OBI−1及びHYATE:Cが別々に試験されたこれらの実験において、OBI−1のED50(ユニット kg)は、表6及び7において解るように、HYATE:Cのおよそ1/4であると思われる。
【0018】
血友病マウス及びイヌを使用する実験において、OBI−1とHYATE:Cの比較用量は、標準fVIII凝固アッセイに基づきHYATE:CよりもOBI−1の優れた回収をもたらした。
【0019】
集積された結果は、HYATE:Cよりも有意に低い有効量においてOBI−1を投与できることを示す(これらの活性レベルは標準fVIIIアッセイにより測定された)。当業者は、当該有効量は、個々の患者の必要性、例えば、患者の血漿中に存在するfVIIIの残留レベル、及び中和しなければならない患者の血漿中の阻害抗体レベルに従い較正することができる。
【0020】
また、OBI−1及びHYATE:Cの回収は、これらを1U/mlの名目上の濃度において阻害物質を伴う血友病患者由来のヒト血漿試料に添加後に試験管内において測定した。OBI−1及びHYATE:Cの回収は共に名目上の濃度よりも低く、これは交差反応性の阻害抗体に一部よるものである。しかしながら35試料中25において、回収されたOBI−1活性は回収されたHYATE:Cよりも高く、そして35試料中18において、回収されたOBI−1活性は回収されたHYATE:Cの2倍以上高かった。
【0021】
更に、実施例6に記載するとおり、生物学的利用能実験を無作為化、二重盲検、ダブルダミー、並行群盲検法において、OBI−1に対する阻害抗体が非存在又は最小である6人のヒト対象において行った。表8並びに図3及び4に示されるとおり、100U/kgにおいて共に投与した場合、OBI−1の生物学的利用能はHYATE:Cよりも極めて高かった。
【0022】
HYATE:Cと比較してOBI−1の実質的高い回収及び生物学的利用能は驚くべきことであり、そしてOBI−1が組換え生産物であり、HYATE:Cが血漿由来生産物である事実からは予想することも説明することもできない。実際に、ヒト第IX因子(血友病Bの治療に使用される)によって、実際に、血漿由来生産物は組換え由来生産物の約2倍高い回収を示している(0.86+/−0.313IU/dL/IU/kgと比較して1.71+/−0.73IU/dL/IU/kg [Ewenstein BM et al. Transfusion (2002), 42: 190を参照のこと]。同様に重要なこととして、Bドメイン欠失組換えヒトfVIII生産物を血漿由来ヒトfVIII生産物と比較した場合、2つの生産物が生物学的に同等であることが判明された[Kessler, CM, et al. Hemophilia (2005), 11:84.を参照のこと]。
【0023】
OBI−1及びHYATE:Cの臨床結果は、サル、血友病イヌ、及び血友病マウスを使用して得られた薬物動態データに一致する。これらの結果は更に、HYATE:Cと比較した場合、fVIII欠乏を伴う患者において同様な治療効果を生じるために、OBI−1がより低用量において投与できること、あるいは同じく重要なこととして、極めて少ない頻度において投与することができることを示す。また当該データは、同量のHYATE:Cよりも極めて迅速にピーク及び治療レベルに達し、より迅速な出血の制御を許容することを示す。
【実施例】
【0024】
実施例1
サルにおける生物学的利用能の実験
OBI−1とHYATE:Cの生物学的利用能を比較するために、非血友病カニクイザル(cynomolgus monkey)を使用した。100U/kgのHYATE:C、又は49若しくは77U/kgのいずれかの用量におけるOBI−1の1回量を4匹のサルのグループに与えた。その後一定の時間において血液試料を採取し、そして薬物動態パラメーター、例えば、時間において集積した活性レベルを計算するために、得られたfVIIIレベルを使用した。積算値は、一定の時間間隔の曲線下面積(AUC0→t)に基づく。
【0025】
非コンパートメント法を使用して薬物動態分析を計算し、ベースラインを補正した(実験動物中の内在fVIIIレベル)。最大血漿濃度のCmax、及び最大血漿濃度までの時間のTmaxをデータから直接得た。時間ゼロから最終試料までの曲線下面積(AUC0→t)は直線台形法を使用して計算した。結果を図1に示す。
【0026】
OBI−1の2つの用量間において、Cmax及びAUC0→tは用量に比例して増加した。100U/kgのHYATE:Cを受けたサルの平均血漿fVIIIレベルは、49.5及び77U/kgの両方でOBI−1を受けたサルのfVIIIレベルよりも1時点を除き全ての時点において低かった。100U/kgのHYATE:C(299±191h・U/dL)の生物学的利用能は、49.5U/kgの用量において与えられたOBI−1(900±311h・U/dL)のわずか約1/3であり、そして77U/kgの用量において与えられたOBI−1(1178±669h・U/dL)のわずか約1/4であった。ある時点、0.66時間において測定されたfVIIIレベルは、数種の動物に疑わしく思われ、血漿検体の取り扱いミスによるものと考えられる。0.66時間におけるfVIII値を含む薬物動態値の計算は、AUC0→24に対して極めて僅かな変化をもたらしただけであった。
【0027】
表1は、サルにおけるHYATE:C及びOBI−1の静脈内投与後のベースライン補正fVIIIレベルの薬物動態パラメーターを示す。
【表1】

【0028】
結論として、49.5又は77U/kgの用量においてカニクイザルに投与されたOBI−1は、100U/kgのHYATE:Cの場合よりも、時間−濃度曲線下の極めて広い面積をもたらした。この新たな発見は、OBI−1とHYATE:C間の予測できない違いを明確にし、特にサルに投与した場合、HYATE:Cと比較して、OBI−1は生体内活性を増強したことを示す。表1のデータを同量の基礎U/kgと比較した場合、49.5U/kg用量のOBI−1が100U/kgのHYATE:Cよりも約6倍大きなAUC0→24を供したことがわかる。77U/kg用量のOBI−1は、100U/kgのHYATE:Cよりも約5倍大きなAUC0→24を供した。405U/kgのOBI−1を受けた5匹のサルを使用する分離実験においても同様の結果が得られた。ここで5匹のサルが100U/kgのOBI−1を受け、そして6匹のサルが100U/kgのHYATE:Cを受けた(表2)。
【表2】

【0029】
実施例2
血友病イヌにおける生物学的利用能
自然突然変異として最初に発見された、血友病Aを伴うイヌは20年間にわたり保護コロニーにおいて維持されている。Kingston, OntarioにあるQueens大学において保管されたコロニーは第10世代である。これらは循環fVIII活性又はタンパク質を有さず、そしてこれらの表現像は、再発性の重篤な自発性軟部組織及び関節出血、並びに慢性関節変形、を伴うヒトにおける重篤な血友病Aに類似する。これらは、出血を制御するためにイヌ由来血漿又はクリオプレシピテートの頻回注射を必要とする。
【0030】
少なくとも6kgの抗ブタfVIII抗体を欠損している6月齢以上の8匹の健康なイヌにそれぞれ、単一用量のHYATE:C又はOBI−1のいずれかを投与した。各2匹の動物は3U/kg、25U/kg、又は100U/kgの各生産物を受けた。ベースライン、及び生産物の注射後の以下の時点:0.25、0.5、1、2、4、8、12、24、36、48、及び72時間、において血液試料を採取した。一段階凝固アッセイ及び発色アッセイ法の両方によりfVIIIレベルを測定した。
【0031】
HY98Pと命名したブタfVIII標準に対するfVIIIレベルを測定した。これらの血友病イヌは測定可能なイヌfVIII活性を示さず、且つこれらの血液中にfVIII抗原は存在しなかったが、ブタfVIII標準に対して試験した場合、ベースライン(0.1〜0.3U/ml)において測定可能なfVIII活性を有することが判明した。当該ブタ標準は、様々な量の実際の試験生産物のHYATE:C又はOBI−1(1%ウシ血清アルブミン/イミダゾール緩衝液中)を第VIII因子欠乏ヒト血友病血漿に添加することにより作成した。薬物動態パラメーターを測定する目的のために、測定したベースライン活性を、各時点において測定した活性から減算し、そしてfVIII活性における差を全ての計算のために入力した。試験した両生産物において、各用量レベルにおいて試験したイヌから得られた薬物動態値において実質的な違いが存在した。
【0032】
選択された薬物動態パラメーターの平均値を表3(発色アッセイ)及び表4(一段階凝固アッセイ)に示す。
【表3】

【表4】

【0033】
凝固アッセイと発色アッセイの結果は類似した。OBI−1の血液中の最大濃度(Cmax)は全ての用量においてHYATE:Cよりも高かった。最大濃度までの平均時間(Tmax)は、3及び25U/kg用量においては、OBI−1はHYATE:Cよりも短かったが、100U/kgの用量においては逆であった。平均回収率は、25及び100U/kgにおける用量においてOBI−1はHYATE:Cよりも高く、OBI−1の回収値はHYATE:Cの約2〜5倍であった。曲線下面積において、処理グループに関わらず、AUCの幾何平均値は用量の増加に従い増加した。2つのアッセイ法、一段階凝固アッセイ及び発色アッセイ、により測定した全ての薬物動態値は、ほとんどのパラメーターにおいて同じ傾向に従った。
【0034】
実施例3
血友病イヌにおける有効性
CBT、イヌの足爪角質(toenail cuticle)を切った後の出血が止まるまでの時間、は血友病イヌにおける有効性の測定に有用である。角質は通常約2分で出血を止めるが、血友病を伴う未処理のイヌにおいて、短時間の出血ではなく、少なくとも12分間又は傷害部が焼灼されるまで絶えず再出血した。通常のCBTは5分以下の出血及び焼灼を必要としないことと定義する。先天性血友病を伴うイヌにおけるCBTは、治験fVIII生産物の有効性の測定として広く使用されている。
【0035】
実験計画を実施例2に記載する。表5は各注射の各犬のCBT結果における個々の変化を示す。
【表5】

【0036】
個々のイヌにおいて実質的な違いが存在したが、当該データはOBI−1を与えられたイヌにおいてより優れた生体内における有効性を示唆する。OBI−1及びHYATE:Cにおける全ての用量のCBTの平均的な減少は、それぞれ4.78分及び1.25分であった。この違いは統計的には有意ではないが、有意な趨勢である(p=0.10、t試験)。OBI−1とHYATE:Cの有効性における違いは3U/kgと25U/kgの低用量においてより明白であり、数匹のイヌにおいてOBI−1はCBTを減少させたが、HYATE:Cは減少させなかった。
【0037】
実施例4
マウス有効性実験
fVIII遺伝子のエキソン16の標的破壊により血友病Aマウスを作成した。当該E16マウスは検出不可能なfVIII活性、時々の自然出血、及び遷延性出血を有し、そして尾血管の切断又は断裂後の死亡率が増加した。尾の遠位2cmの切断後のE16マウスの死亡率を低下するfVIIIの能力を評価する、有効なモデルを開発した。
【0038】
ベビーハムスターの腎臓株化細胞中でOBI−1cDNAを発現させる工程、及びDoering et al. (2002) J. Biol. Chem. 277: 38345-9に記載される2ステップクロマトグラフィー法を使用する無血清発現培地からの精製によりリサーチ・グレードのOBI−1を調製した。尾切断モデル中のOBI−1の有効性を試験するために以下の実験を計画した。
【0039】
9〜10週齢の雄又は雌の血友病Aマウスに多様な濃度のOBI−1又はコントロール緩衝液で尾静脈に注射した。当該マウスを麻酔し、そして注射から15分後、尾の遠位2cmを切断し、そして自由に出血させた。報告によれば、当該傷害は大半のE16血友病Aマウスにおいて24時間以内に致死的である。
【0040】
24時間における生存率を以下の結果を伴い判定した:
【0041】
【表6】

上記データは、1.2ユニット/kgのfVIIIの用量が当該モデルの死亡の防止において有効であるという記載に一致する。0.4及び1.2ユニット/kgにおけるデータを組み合わせにおいて、コントロール(未処理)グループ中の6/38匹の生存数と比較して、14/14匹の生存数であった。50%の生存率を与える推測用量(ED50)は0.044U/kgであった。更に、少なくとも0.4U/kgを受けた全てのマウスが生存した。
【0042】
血友病マウスにおけるHYATE:Cの有効性
HYATE:C(0〜100fVIIIユニット/kg)、又はプラセボ(生理食塩水)の尾静脈注射の前に、尾静脈を拡張するためにマウスを60ワットランプ下で2分間温めた。注射から15分後、マウスをメトファン(Metofane)で麻酔し、そして尾の遠位2cmを切断した。マウスをリターの代わりにペーパタオルを伴う清潔なケージにおき、そして生存率を測定するために24時間観察した。通常のウォーターボトル及び乾燥飼料に加えて、良く湿らせた食餌を各ケージ内においた。メトファンを使用し、その後頚椎脱臼により24時間後に生存を終了させた。
【0043】
生産物注射後の両処理グループの生存率において用量依存型の増加が存在した(表7)。
【表7】

HYATE:Cの推定ED50は0.2U/kgであり、OBI−1の推定よりも4〜5倍高く、OBI−1の優れた有効性が予想された。全体的な、HYATE:CとOBI−1の比較的な有効性は血友病Aマウスにおいて厳密に実験していない。
【0044】
実施例5
ヒト血漿からの回収
材料
正常なクエン酸プールヒト血漿(FACT、製品番号0020−0)及びfVIII欠乏血漿(ヒト血友病A血漿、製品番号0800)はGeorge King Bio-medical, Inc. から購入した。これらは−70℃で保管した。活性部分トロンボプラスチン時間(aPTT)試薬(商品番号35513)は Organon Teknika Corp から購入した。これは凍結乾燥状態において4℃で保管した。OBI−1媒体、ロット番号214−02−001、はバイアル(全60バイアル)あたり1mlの注射用水で再構成した。OBI−1の4つのバイアル、ロット番号214−02−001、をそれぞれ1mlの注射用水で再構成し、製造者のラベルに従い550U/mlの推定濃度を産生した。OBI−1を59.6mlの再構成したOBI−1媒体の添加により更に15.9倍希釈し、34.6U/mlの予測濃度を産生した。HYATE:Cの3つのバイアル、ロット番号656、を20mlの注射用水で再構成し、商業者のラベルに従い、34.6U/mlの予測濃度を産生した。HYATE:Cを各0.5mlの120の一定分量に細分割し、そして−70℃で凍結した。OBI−1を各0.5mlの127の一定分量に細分割し、そして−70℃で凍結した。
【0045】
fVIIIに対する阻害抗体を伴う患者由来のクエン酸血漿をドライアイス上でいくつかの血友病治療センターからEmory大学に輸送した。使用まで試料を−70℃で凍結させた。得られた58つの血漿から25つを実験のためにランダムに選択した。
【0046】
fVIIIアッセイ
Diagnostica Stago, ST art 4 Coagulation Instrument を使用してfVIII一段階凝固アッセイを行った。凍結乾燥したaPTT試薬を製造業者の取り扱い説明書に従い3mlのH2O中に溶解し、そして使用するまで室温に保った。37℃の水浴中で素早く解凍後、FACT及びfVIII欠乏血漿を氷上で保管した。fVIII欠乏血漿(50μl)を試料キュベットに添加し、そして残りの試薬の添加の前に30〜45秒間温めた。fVIII標準又は希釈試料(5μl)を添加し、続いて50μlのaPTT試薬を添加し、そして250秒間インキュベートした。ケーブルピペットを使用してあらかじめ加温した50μlのCaCl2溶液の添加により血液凝固を開始させた。当該添加は内部タイマを活性化し、そして凝血時間秒数を記録する。FACTをハンクス緩衝生理食塩水の4つの希釈液:無希釈、1/3、1/11、及び1/21、を使用して標準曲線を調製した。無希釈のFACTのfVIII濃度は約1U/mlであり、製造業者によれば1.04〜1.09U/mlの範囲である。血液凝固時間をfVIII濃度の対数に対してプロットし、そして直線回帰により標準曲線を計算した。結果に記載されるとおり、標準曲線における補間により、より大規模な測定をおこなったOBI−1及びHYATE:Cのストック溶液の分析の場合を除き、試料のfVIII濃度を測定した。
【0047】
OBI−1又はHYATE:Cを加えた血漿由来のfVIII活性の再構成を33の入手可能な阻害血漿試料において測定した(図2)。全ての場合において、血漿が0.9U/mlの予測fVIII活性に加えられた。更に、George Kingから得られた2つの血友病A血漿を含み、図右端に示されている。「良い」血漿は、HYATE:C及びOBI−1中のfVIIIの回収が予測範囲に存在することがあらかじめ知られている商業的に入手可能な血漿試薬に対応する。「悪い」血漿は、HYATE:C中のfVIIIの回収が10%以下の予測であることがあらかじめ知られているIpsen社の血漿に対応する。当該結果は、OBI−1の予測された回収が「良い」血漿中で得られたこと、及びHYATE:Cの回収が予想範囲に近かったことを確認する。しかしながら、HYATE:Cを再度加えた「悪い」血漿由来の活性の回収は極めて乏しいことが観察された。当該血漿由来のOBI−1の回収は顕著に高かったが、予想よりも低かった。
【0048】
患者の阻害血漿中のfVIII活性の回収は極めて低く、ほとんど全ての単一のHYATE:C添加血漿において0.1U/ml以下であった。これらと同じ血漿にOBI−1を加えた場合、回収は有意に高かったが、予想よりも低かった(阻害抗体の存在のため)。HYATE:Cに対する阻害抗体に陰性であると前もってアッセイされたいくつかの血漿をアッセイし、図2に示す。これらの試料の大半においてHYATE:Cの回収は乏しかった。これは、血友病A血漿とHYATE:Cのより長いインキュベーション時間、例えば、Bethesdaアッセイにおける2時間のインキュベーションに生じる、がHYATE:Cの活性の増加した回収に導いた可能性を高めた。しかしながら、HYATE:CがHYATE:C阻害物質陰性患者試料の1つに添加した場合、2時間にわたり活性の上昇は存在しなかった。
【0049】
結論において、OBI−1がヒト血漿に導入される場合、これがヒトfVIIIに対する阻害抗体を含むか否かに関わらず、試験管内における回収はHYATE:Cよりも高い。この発見は、HYATE:Cよりも極めて低用量のOBI−1を投与することにより、患者にお同じ循環レベルのfVIIIを達成できることを意味する。
【0050】
実施例6
ヒト対象におけるHYATE:Cに対するOBI−1の薬物動態
ヒト対象におけるHYATE:Cに対するOBI−1の多様な薬物動態パラメーターを評価するために、以下の無作為化した、並行群盲検比較実験を9人のヒト患者で行った。これらの9人の患者のうち5人はベースラインにおいて検出可能な抗ブタ阻害物質を有さず(即ち、0.8ベセスダ単位以下)、そして1人(OBI−1グループに帰属)は1.0ベセスダ単位の極めて低い阻害物質を有した。ブタfVIIIに対して既存の阻害物質を有さない、あるいは極めて低い阻害物質を有する当該6人の患者のうち3人がHYATE:Cを受け、そして3人がOBI−1を受けた。有意により高レベルの阻害物質を有する3人の患者は、このような阻害物質が生物学的利用能を抑制し、それにより分析が混乱することから、生物学的利用能の評価から除外した。全ての患者は、12歳以上とし、血友病Aと臨床的に診断され、そしてそれまで非出血状態であった。バイアルあたり535ユニットのfVIII活性を含む無菌バイアル中にOBI−1を供した。各バイアルを1.0mlの注射用無菌水USPで再構成し、535U/mlの最終濃度とした。バイアルあたり541ユニットのfVIII活性を含む無菌バイアル中にHYATE:Cを供した。各バイアルを20mlの注射用無菌水USPで再構成し、27IU/mlの最終濃度とした。投与した各生産物の用量は、対象の抗体価に関わらず100IU/kgとした。研究者、患者、及びスポンサーは、二重盲検、ダブルダミー計画において、どの患者がどの活性生産物を受けたかをわからなくした。患者は100IU/kgの活性HYATE:C、続いてプラセボ(3人の患者)、又はプラセボ、続いて100IU/kgの活性OBI−1(3人の患者)のいずれかを受け、その間、安定で、非出血状態であった。各患者は第一生産物(同じ用量のHYATE:C又はプラセボ)の約1時間にわたる注入を受け、続いて第二生産物(同じ用量のOBI−1又はプラセボ)を10分間にわたり注射器からゆっくりと注入した。
【0051】
fVIII標準としてヒトプール血漿を使用する一段階凝固アッセイ及び発色アッセイ法の両方による血漿fVIII活性レベルの検出のために、最初の注射から0(注射前)、20、40、60、65、75、85、105、及び125分後、並びに3、6、9、24、27、30、及び48時間後において血液試料を採取した。これらのレベルから、標準的な薬物動態分析が行われ、そして結果を表8並びに図3及び4に示す。当該実験において測定された薬物動態パラメーターは、クリアランス(CL、ml/h/kg)、曲線下面積(AUC、U/dL)、最大濃度(Cmax、U/ml)、分配量(Vz)、最大濃度までの平均時間(Tmax、h)、及び半減時間(T1/2、h)を含む。
【表8】

【0052】
表8並びに図3及び4からわかるとおり、OBI−1のAUC値は、HYATE:Cのものよりも約2〜2.5倍高かった。OBI−1とHYATE:CにおけるAUCの違いは一段階活性アッセイよりも発色アッセイにおいてより明確であった。OBI−1の血液中の最大濃度(Cmax)はHYATE:Cよりも約3倍高かった(発色アッセイにおいて53に対して151)。最大濃度までの平均時間(Tmax)は、OBI−1の方がHYATE:Cよりも約2.5〜3倍短かった。これらの結果は、サル、血友病イヌ、及び血友病マウスを使用して得られた前述の薬物動態データに一致し、そして更にHYATE:Cと比較してOBI−1が極めて高い生物学的利用能を有することを示す。このように、OBI−1は、HYATE:Cと比較して、fVIII欠乏患者において等価的な治療効果を得るためにより少ない用量において投与すること、あるいはより少ない投与頻度で投与することができる。そしてHyate:Cと同量のOBI−1は、出血のより迅速な制御をもたらすことができる。
【0053】
実施例7
OBI−1及びHYATE:Cの回収値における違いの臨床的な有意性
上述に開示した実験は、同じ用量の注射後において、血漿由来ブタfVIII(HYATE:C)よりも組換えブタfVIIIBドメイン欠失(OBI−1)のヒト血漿からの回収、最大濃度(Cmax)、及び曲線下面積(AUC)が、極めて高かったことを示す。
【0054】
正常な非血友病A対象におけるfVIII濃度は約100ユニット/dLである。fVIIIの血漿レベルが正常レベルの約25%及び35%に達し、且つ数時間維持される場合、典型的な出血症状は極めて制御されるようである(Roberts H and Hoffman M, "Hemophilia A and Hemophilia B, " Chapter 123 in Beutler E, Lichtman M, Coller B, Kipps T and Seligsohn U (Eds), Williams Hematology, 6th edition (2001) :1639-1657頁; McGraw-Hill, New York)。ブタFVIIIに対する阻害物質を有さない、あるいは低い阻害物質を伴うこれらの対象から得られた薬物動態データ(実施例6に記載したとおり、OBI−1,n=3;HYATE:C,n=3)を使用して、fVIIIの治療レベル(即ち、25〜35%)に対応するOBI−1とHYATE:C投与の薬物動態値を測定するために更なる計算を行った。当該結果を表9に示す。
【表9】

【0055】
上の表からわかるとおり、(1)OBI−1の25%及び35%以上のAUCは、HYATE:Cの約5倍高い(表9);(2)OBI−1のピーク濃度(Cmax)は、Hyate:Cの2〜3倍高い(表8);(3)OBI−1はHyate:Cよりも極めて迅速にそのピーク濃度に達する(Hyate:Cの1.5〜2.0時間と比較して、OBI−1のTmaxは約0.6時間である、表8のTmaxを参照のこと);そして(4)100U/kgにおけるOBI−1の投与後のFVIIIが治療的範囲である時間の長さは、100U/kgにおけるHYATE:Cよりも長い(約1.5〜2倍)。
【0056】
概要すると、本発明に供されるデータは、fVIII欠乏性を有する患者において、単位が同じ場合、OBI−1はHYATE:Cよりも極めて迅速に、有効に、且つ遷延性の出血制御を達することができることを示す。
【0057】
概要
実施例1〜6の総合データは、ヒト及び動物の血漿中でOBI−1がHYATE:Cと異なる挙動をするという予想外の発見を示す。特に、ヒト患者を利用する実施例6に記載の実験は、ヒトにおいて、組換えブタfVIII(OBI−1)が血漿由来ブタfVIII(HYATE:C)よりも極めて優れた生物学的利用能を実際に有することを証明する。この驚くべき結果は、血漿由来濃度が組換え第IX因子生産物よりも有意に優れた回収率及び生物学的利用能を有した、第IX因子に見られたものと正反対である(Ewenstein et al. supra)。更に、無作為化された、3方向クロスオーバー実験で測定された多様な薬物動態パラメーターにおいて、Bドメイン欠失組換えヒトfVIII(ReFacto(登録商標))が血漿由来ヒトfVIII(Hemofil(登録商標)M)と生物学的同等性であることが発見された、Kessler et alによる報告(Haemophilia (2005) 11:84-91)に照らして、HYATE:Cと比較したOBI−1のより優れた生物学的利用能もまた驚くべきことであった。
【0058】
全ての動物及びヒト実験の結果を合わせると、慣習的な方法、及びHYATE:Cに使用される投与量とは実質的に異なる、OBI−1の投与のための新規なプロトコルを考案することが可能である。本発明の1つの観点は、OBI−1の新規な用法を供し、これによりOBI−1は、患者に対して、HYATE:Cに推奨されるユニット/kgにおける標準活性用量の1/6程度の少量において投与することができる。HYATE:Cの推奨用量は、ブタfVIIIに対するいずれかの患者抗体を中和するために必要な用量以上の100IU/kg体重である。ブタfVIIIに対する患者の抗体レベルは各個人で異なる。患者の抗体を中和するために必要なOBI−1の用量は、当業界に既知な標準的な方法を使用する抗体価の測定から推測することができる。従って、与えられた患者のために、中和用量以上の約10〜20U/kg体重程度の低用量においてHYATE:Cの代わりにOBI−1を投与することができる。血友病A患者がfVIIIに対する阻害抗体を有する場合、当該阻害抗体を中和するためによりOBlが必要とされるであろう。有効量のOBI−1は、HYATE:Cの用量を投与に必要な溶液の容量の何分の一かで投与することができる。これは、OBI−1がより濃縮形態にいて調製するこができるだけでなく、より少量のOBI−1が、2〜6倍高い用量のHYATE:Cに匹敵する活性の回収を生じることができるためである。一方100U/kgのOBI−1を用量として利用される場合、患者は、出血を止めるのに必要な極めて少ない回数の注入、又はOBI−1の注射のきわめて長い間隔により成功的に管理することができる。例えば、HYATE:Cの場合、1回の出血症状を止めるために、2日間にわたり平均8回の注入が必要とされるが、OBI−1は1〜4回のこれらの注入を必要とするだけでよく、患者の治療において顕著な利点を有する。更に、急性出血症状は、添付文書に報告されるHYATE:Cの平均投与量である、2日にわたる8用量と比較して、少ない回数で且つ少量のOBI−1で治療することができる。OBI−1の投与量は、出血のより迅速な制御をもたらし、従ってHyate:Cよりも有効で安全であると思われる。また、患者の快適性及び生活の質にも有利であり、並びに注射及び混入による副作用のリスクの低下を供する。fVIIIの治療レベルは、濃縮したOBI−1生産物を注入することによって、より迅速に達成することができる。本発明の他の観点は、個々の患者における最適用量を確立するためのプロセスの一部としてOBI−1回収を測定する工程を含む治療プロトコルを供する。OBI−1の回収は、測定した量のOBI−1活性を、患者の血漿試料に添加し、それから短い時間間隔後に試料から回収した活性を測定することにより、基本的に実施例5に記載したように測定することができる。このような一連の試験は、各患者に適当なOBI−1用量を確立することができる。あるいは、個々の回収データは患者において直接測定することができる。
【0059】
前述の例示的な記載及び説明的に好ましい本発明の態様は、改変を伴い、そして態様を教示しながら、図面及び詳細な説明において説明されている。本発明がこのように示され、記載され、そして説明される一方、形態及び詳細において等価な変更は、本発明の精神及び範囲から離れることなく本明細書中においてなされ、そして当業者は、本発明の範囲は先行技術により妨げられるものとして除かれるクレームのみが制限されることを理解すべきである。更に、本発明に開示される発明は、本明細書に開示される特定の要因の存在なく適当に実施することができる。
【0060】
範囲が明細書中に与えられている場合、例えば、温度範囲、時間範囲、又は組成物若しくは濃度範囲において、当該範囲中に含まれる全ての中間範囲及び部分的な範囲、並びに個々の値が開示中に含まれることが意図される。
【0061】
明細書中に言及される全ての特許及び刊行物は、本発明が属する当業界のレベルを示している。本発明に引用される参考文献は、これらの出願日における技術状況を示すためにその全体において本明細書中に含まれており、これは当該情報が本明細書において利用され、そして必要であれば、先行技術における特定の態様を除外することを意図する。例えば、化合物がクレームされる場合、本願発明の前の業界において知られ且つ入手可能な化合物、例えば、有効な開示が本明細書に引用された参考文献において供される化合物は、本明細書の請求項に記載の組成物中に含まれることを意図しないことを理解すべきである。
【0062】
本明細書中に使用される「含んで成る」は、「含む」、「含有する」、又は「〜により特徴付けられる」と同義であり、そして包括的であり、あるいは制限がなく、そして追加的な列挙されていな要因又は方法工程を除外しない。本明細書中に使用される「から成る」は、クレーム要因に特定されていないいずれかの要因、工程、又は成分を除外する。本明細書中に使用される「から基本的に成る」は、クレームの基本的且つ新規な特性に物質的に影響しない物質又は工程を除外しない。本明細書中の各例において、「含んで成る」、「から基本的に成る」、及び「から成る」の語は、他の2つの語のいずれかと置き換えることができる。本明細書において適当に説明的に記載された発明は、本発明に特に開示されていないいずれかの要因又は要因群、制限又は制限群の不存在下において実施することができる。
【0063】
当業者は、具体的に例示されているもの以外の出発物質、試薬、固形基質、合成方法、精製方法、及び分析方法を、不当な実験に頼ることなく、本発明の実施において利用することができることを理解する。これらのいずれかの物質及び方法の全ての業界的に知られている機能的な等価物は、本発明に含まれることが意図される。使用された語及び表現は、説明の語として使用され、制限のためのものではなく、そして示され且つ記載された特性のいずれかの等価物又はこれらの一部を除外するこれらの語及び表現の使用において意図されないが、クレームされる本発明の範囲中において多様な改変が可能であることが認識される。従って、本発明は好ましい態様及び任意的な特性により具体的に開示されるが、本明細書中に開示されるコンセプトの改変及び変更は当業者により修復されてもよく、そしてこのような改変及び変更は付随の請求項に定義される本発明の範囲内にあることを考慮すべきである。
【0064】
本明細書に引用される全ての参考文献は、本明細書の開示と不一致がない程度に、引用により本明細書に組み入れられている。本明細書に供されるいくつかの参考文献は、出発材料、追加的な出発材料、追加的な試薬、追加的な合成方法、追加的な分析方法、及び追加的な本発明の使用のソースに関する詳細を供するために引用により組み入れられている。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1に記載した指示された用量におけるHYATE:C又はOBI−1のいずれかのカニクイザルへの単回注射後のfVIIIベースラインを補正したfVIIIの活性回収のグラフである(実施例1)。
【0066】
【図2】実施例5に記載された実験から得られた結果のグラフである。個々の患者の血漿を横軸に沿って並べている。縦軸は実施例5に記載したとおりfVIIIの添加後の個々の血漿から回収したU/mlのfVIII活性を示す。King George Biomedical 血漿のデータは「良い」又は「悪い」として、後者の血漿の異常な挙動に基づき命名されている(実施例5を参照のこと)。
【0067】
【図3】OBI−1又はHYATE:Cの静脈内投与後の6人のヒト患者におけるfVIIIの血漿濃度を示すグラフである。Y軸は一段階活性アッセイにより測定した個々の血漿から回収したU/mlのfVIII活性を示す。
【0068】
【図4】OBI−1又はHYATE:Cの静脈内投与後の6人のヒト患者におけるfVIIIの血漿濃度を示すグラフである。Y軸は本明細書に記載する発色アッセイにより測定した個々の血漿から回収したU/mlのfVIII活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第VIII因子欠乏を伴う患者に対してブタBドメイン欠損第VIII因子(OBI−1)を投与する方法であって、ここでブタBドメイン欠損第VIII因子が、上記患者において治療的に有効なレベルの第VIII因子を達成し且つ維持するために十分な頻度において、上記患者に適当ないずれかの抗体の中和用量以上の約10〜100ユニット/kg体重において、生理的に許容される担体と組み合わせて上記患者に対して静脈内投与される方法。
【請求項2】
OBI−1の用量が、前記患者の体重のkgあたり約10〜50ユニットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
OBI−1の用量が、前記患者の体重のkgあたり約15ユニットである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
患者が出血状態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
患者が非出血状態であり、そしてOBI−1が1日あたり1回以下の頻度において投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第VIII因子欠乏を伴う患者に対してブタBドメイン欠損第VIII因子(OBI−1)を投与する方法であって、ここでブタBドメイン欠損第VIII因子が、2日間で4回以下の投与において、上記患者に適当ないずれかの抗体の中和用量以上の約10〜100ユニット/kg体重において、生理的に許容される担体と組み合わせて投与される方法。
【請求項7】
患者が出血状態である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
OBI−1が1日あたり2回以下の投与頻度において投与される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
第VIII因子欠乏を伴う患者における血液凝固時間を減少させる方法であって、患者の血液凝固時間を減少するために十分な量において、ブタBドメイン欠損第VIII因子(OBI−1)及び生理的に許容される担体を含んで成る組成物を患者に投与することを含んで成り、ここで患者の血液凝固時間を減少するために十分なOBI−1の量が、ブタBドメイン欠損第VIII因子(OBI−1)を投与した場合に得られる血液凝固時間の同じ減少を達成するために十分な血漿由来ブタ第VIII因子の量の1/2〜1/10である、方法。
【請求項10】
血漿由来ブタfVIIIがHYATE:Cである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
患者の血液凝固時間を所望の値に減少するブタBドメイン欠損fVIII(OBI−1)の第一投与後に患者の血液凝固時間を所望値に減少するブタBドメイン欠損fVIII(OBI−1)の第二投与を行い、このような時間間隔において患者の血液凝固時間が上記所望値又はその付近において減少したままであり、そして上記時間間隔が、同じ用量のブタ血漿由来fVIIIの投与により上記所望値を維持できるような対応する時間間隔よりも少なくとも2倍長い、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ブタ血漿由来fVIIIがHYATE:Cである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
生理的に許容される担体との組み合わせにおいてブタBドメイン欠損fVIII(OBI−1)を投与することを含んで成る、fVIII欠乏を伴う患者を治療する方法。
【請求項14】
ブタBドメイン欠損fVIIIが、上記患者において治療的有効レベルの第VIII因子を達成し且つ維持するために十分な頻度において、上記患者に適当ないずれかの抗体中和用量以上の約10〜100ユニット/kg体重の用量において投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
OBI−1の用量が前記患者の体重のkgあたり約10〜50ユニットである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
OBI−1の用量が前記患者の体重のkgあたり約15ユニットである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ブタBドメイン欠損fVIII(OBI−1)をこのような投与が必要な患者に対して投与する方法であって、
a)患者から血漿試料を獲得する工程;
b)試料中のfVIII活性を測定する工程;
c)一定量の血漿試料に、さまざまな量のブタBドメイン欠損fVIII(OBI−1)活性を添加する工程;
d)工程c)後の所望の時間において、上記一定分量からのfVIII活性の回収を測定する工程;
e)工程d)由来のデータを使用し、OBI−1に対するいずれかの既存の阻害物質を中和するために十分なブタBドメイン欠損fVIII(OBI−1)の用量を計算し、それから所望値により患者の血液凝固時間を減少するための用量を計算する工程;及び
f)患者に対して工程e)において計算した用量を投与する工程、
を含んで成る方法。
【請求項18】
OBI−1、界面活性剤、塩化カルシウム、ショ糖、塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、及び緩衝液を含んで成る、アミノ酸を欠く溶液の凍結乾燥により得ることができる固形医薬組成物であって、当該溶液が凍結乾燥前及び注射用水における再構成後に6〜8のpHを有する組成物。
【請求項19】
界面活性剤がポリソルベートである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
界面活性剤がポリソルベート80である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
緩衝液がトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンである、請求項18〜20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
pH範囲が6.5〜7.5である、請求項18〜21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
請求項18〜22に記載の固形医薬組成物、及び任意的に塩化ナトリウムを含む無菌水を含んで成るキット。
【請求項24】
患者において治療的有効レベルの第VIII因子を達成し、且つ維持するためのfVIII欠乏を伴う患者に対する投与のための医薬組成物であって、ここで当該組成物が、50〜10,000ユニット/mLの濃度におけるOBI−1、及び生理的に許容される担体を含んで成る組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−536230(P2007−536230A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511442(P2007−511442)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/014760
【国際公開番号】WO2005/107776
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506282425)エモリー ユニバーシティ (4)
【出願人】(506368730)オクタゲン コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】