説明

ブレーキ装置及び作業車輌

【課題】油室の液密性を保持しつつ該油室内の作動油圧に応じてブレーキ機構を作動させる為の作動部材の摩耗を有効に防止して該作動部材の耐久性を向上させることができ、さらに、自動ブレーキ作動時において車輌操舵に対するブレーキ機構の追従性悪化を有効に防止し得る構造簡単なブレーキ装置及び作業車輌を提供する。
【解決手段】ブレーキ機構210と、人為作動部材220と、油圧作動部材230とを備えたブレーキ装置200は、油室231の油圧によって油圧作動部材230が第1方向Y1へ移動する際には該油圧作動部材230は人為作動部材220を伴って移動する一方、人為操作に応じて人為作動部材220が第1方向Y1へ移動する際には該人為作動部材220が単独で移動するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の作業車輌における駆動車軸に作動的に制動力を付加するブレーキ装置及び作業車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタ等の作業車輌において一対の駆動車軸に対応した一対のブレーキ装置を設け、ブレーキペダル等のブレーキ操作部材に対する人為操作に基づいて該一対のブレーキ装置を個別又は同時に作動させる人為ブレーキ作動と、作業車輌の操舵時に旋回内側の駆動車軸に対応したブレーキ装置のみを個別に作動させる自動ブレーキ作動とを行えるように構成することは、従来から公知である。
【0003】
詳しくは、従来のブレーキ装置は、基準方向に沿って移動可能とされた作動部材と、前記作動部材の基準方向一方側の第1方向への移動に応じて対応する駆動車軸に作動的に制動力を付加し得るように構成されたブレーキ機構とを備え、前記ブレーキ操作部材の人為操作に基づく機械的な動作によって、及び/又は、作業車輌の操舵角に基づいて油圧機構から供給される作動油によって、前記作動部材が第1方向へ移動されるようになっていた。
【0004】
斯かる従来のブレーキ装置は、車輌走行速度の人為制御を可能としつつ、車輌旋回時には旋回内側の駆動輪を旋回外側の駆動輪よりも自動的に低速とすることができ、従って、作業車輌の急旋回を可能とする。
【0005】
しかしながら、従来のブレーキ装置においては、人為操作に基づいて前記ブレーキ機構を人為ブレーキ作動させる際、及び、車輌操舵角に基づいて前記ブレーキ機構を自動ブレーキ作動させる際の何れにおいても、前記作動部材が第1方向へ移動するように構成されている為に、以下に示す不都合があった。
【0006】
前記作動部材は前記油圧機構からの作動油を受け止める為の油室を形成する状態でケーシングに基準方向移動可能に支持されている。つまり、前記作動部材は、ケーシングに対してOリング等のシール部材を介して液密な状態で摺動可能とされている。
従って、前記従来技術のように、前記油圧機構からの作動油によって押動される場合のみならず、人為操作に基づいて押動される場合にも、前記シール部材がケーシングに対して摺動する構成では、前記作動部材、特に前記シール部材の摩耗を招き易く、耐久性が悪いという問題があった。
【0007】
又、人為ブレーキ作動及び自動ブレーキ作動を行えるように構成されたブレーキ装置として、例えば、下記特許文献1には、前記作動部材及び前記ブレーキ機構に加えて、前後方向に揺動することで前記作動部材を基準方向に沿って移動させるブレーキアームであって、ロッドを介してブレーキペダルに作動連結されたブレーキアームと、前記ブレーキアームを前後方向一方側へ揺動させ得るように該ブレーキアームに係合されたピストンを有する油圧アクチュエータとを備えたブレーキ装置が記載されている。
【0008】
斯かるブレーキ装置は、前記作動部材が油室を形成する必要が無い為、前述のようなシール部材が摩耗し易いという不都合は生じないが、その一方で、前記ブレーキペダルによる前記ブレーキアームの揺動動作が前記油圧アクチュエータに干渉しないように構成しなければならず、且つ、前記油圧アクチュエータによる前記ブレーキアームの揺動動作が前記ブレーキペダルによって干渉されないように構成しなければならない。
【0009】
即ち、前記ピストンの自由端部と前記ブレーキアームとを連動連結すると、前記油圧アクチュエータの動作が前記ロッドを介して前記ブレーキペダルに伝達されることになる。従って、前記従来構成においては、前記ピストンの自由端部を非連結状態で前記ブレーキアームに係合させなければならず、前記油圧アクチュエータの動作を前記ブレーキアームに伝達させ難いという問題がある。特に、作業車輌を蛇行走行させる場合等のように、前記油圧アクチュエータが間欠的に作動するような場合には、斯かる油圧アクチュエータの動作に対する前記ブレーキアームの追従性が悪くなり、結果として、自動ブレーキ作動時の前記ブレーキ機構の反応が悪化する。
また、前記ブレーキペダルの人為操作力による前記ブレーキアームの揺動が前記油圧アクチュエータに干渉しないように、前記ブレーキアーム及び前記ブレーキペダルを連結する前記ロッドに牽制機構を設ける必要があり、構造が複雑になる。
【特許文献1】特許第3726829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、ブレーキ操作部材の人為操作時には該人為操作に応じてブレーキ機構を作動させると共に、車輌操舵時には油圧機構から油室に供給される作動油を利用して前記ブレーキ機構を自動的に作動させるように構成されたブレーキ装置であって、前記油室の液密性を保持しつつ該油室内の作動油圧に応じて前記ブレーキ機構を作動させる為の作動部材の摩耗を有効に防止して該作動部材の耐久性を向上させることができ、さらに、自動ブレーキ作動時において車輌操舵に対する前記ブレーキ機構の追従性悪化を有効に防止し得る構造簡単なブレーキ装置及び作業車輌の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、ブレーキ操作部材の人為操作時には該人為操作に応じて駆動車軸に対して作動的に制動力を付加する人為ブレーキ作動を行い、且つ、車輌操舵時には油圧機構から供給される作動油圧を利用して駆動車軸に対して作動的に制動力を付加する自動ブレーキ作動を行うように構成されたブレーキ装置であって、前記駆動車軸に対する制動力を生じさせるブレーキ機構と、前記ブレーキ操作部材の人為操作に応じて基準方向一方側の第1方向へ移動されることで、前記ブレーキ機構を作動させる人為作動部材と、前記油圧機構からの作動油を受け入れる油室を形成した状態で基準方向摺動可能とされた油圧作動部材であって、前記油室の油圧によって前記第1方向へ移動される油圧作動部材とを備え、前記油室の油圧によって前記油圧作動部材が前記第1方向へ移動する際には該油圧作動部材は前記人為作動部材を伴って移動する一方、人為操作に応じて前記人為作動部材が前記第1方向へ移動する際には該人為作動部材が単独で移動するように構成されていることを特徴とするブレーキ装置を提供する。
【0012】
本発明に係るブレーキ装置の具体的態様として、前記ブレーキ機構は、前記駆動車軸に作動的に動力を伝達する走行系出力軸に対して制動力を付加するように構成されており、前記油圧作動部材は、前記走行系出力軸の外端部を覆うケーシングと共働して前記油室を形成した状態で基準方向に沿って摺動可能に配設されており、前記人為作動部材は、基準方向位置に関し、前記ブレーキ機構と前記油圧作動部材との間に配設されている態様を例示できる。
【0013】
この場合、前記油圧作動部材は、前記走行系出力軸の外端部と対向するように配置されており、前記油圧作動部材の前記走行系出力軸との対向面には、内輪体及び外輪体の間に転動体が介挿された軸受部材が設けられており、前記内輪体及び前記外輪体の一方が前記油圧作動部材に係合され、且つ、前記内輪体及び前記外輪体の他方と前記走行系出力軸の外端部との間には前記油圧作動部材を基準方向他方側の第2方向へ付勢する付勢部材が配設されている態様を例示できる。
【0014】
前記具体的態様において、例えば、前記ブレーキ操作部材の人為操作に応じて軸線回りに回転するように前記ケーシングに支持された人為ブレーキ作動軸を備え、前記人為作動部材は、前記人為ブレーキ作動軸の軸線回りの回転に連動して前記走行系出力軸の軸線回りに回転するように構成されており、前記人為作動部材における前記ブレーキ機構とは反対側の裏面と前記ケーシングとの間には、該人為作動部材の前記回転に応じて該人為作動部材を前記第1方向へ移動させるカム機構が設けられている場合を挙げることができる。
【0015】
この場合、前記油圧作動部材は、前記ケーシングと液密に当接して前記油室を形成する摺接部と、前記摺接部の内端部から段部を伴って縮径された状態で内端側へ突出した小径部とを有しており、前記人為作動部材は、径方向内端部が前記段部によって前記第1方向へ押動されように構成され、且つ、径方向外端部には径方向外方へ開く溝が設けられており、前記溝には、前記人為ブレーキ作動軸が係入されている態様を例示できる。
【0016】
本発明はさらに、前記本発明に係るブレーキ装置と、前記操舵角を検出する操舵角検出装置と、前記ブレーキ装置に作動油を供給する油圧機構と、前記油圧機構の制御を司る制御装置とを備え、前記制御装置は、前記自動ブレーキ作動の際に、前記操舵角検出装置の検出値に基づき、前記操舵角が大きくなるに従って、前記駆動車軸に対する制動力が大きくなるように前記油圧機構を制御することを特徴とする作業車輌も提供する。
【0017】
本発明に係る作業車輌において、前記制御装置は、前記操舵角検出装置の検出値に基づき、操舵角が所定の角度を超えたと判断した場合(例えば、所定の操舵角の範囲で)前記自動ブレーキ作動を行うように前記油圧機構を制御する場合を例示できる。
前記所定の操舵角の範囲としては、それには限定されないが、例えば、車輌直進位置の操舵角度を0度とした場合、操舵方向一方側及び他方側で90度〜270度程度の範囲を挙げることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るブレーキ装置及び作業車輌によれば、前記油室の油圧によって前記油圧作動部材が前記第1方向へ移動する際には該油圧作動部材は前記人為作動部材を伴って移動する一方、人為操作に応じて前記人為作動部材が前記第1方向へ移動する際には該人為作動部材が単独で移動するように構成されており、人為操作の際に前記油圧作動部材が前記第1方向へ移動することはないので、前記油室の液密性を保持しつつ該油室内の作動油圧に応じて前記ブレーキ機構を作動させる為の作動部材の摩耗を有効に防止して該作動部材の耐久性を向上させることができる。
さらに、従来のブレーキ装置の如くピストンがブレーキアームに係合するといった構成をとることがないので、自動ブレーキ作動時において車輌操舵に対するブレーキ機構の追従性悪化を有効に防止することができる。
【0019】
又、前記ブレーキ機構は、前記駆動車軸に作動的に動力を伝達する走行系出力軸に対して制動力を付加するように構成されており、前記油圧作動部材は、前記走行系出力軸の外端部を覆うケーシングと共働して前記油室を形成した状態で基準方向に沿って摺動可能に配設されており、前記人為作動部材は、基準方向位置に関し、前記ブレーキ機構と前記油圧作動部材との間に配設されている態様では、ブレーキ装置のコンパクト化を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係るブレーキ装置200を備えた作業車輌(ここでは農用トラクタ)の一例500の左側面図である。
【0021】
図1に示す作業車輌500は、車輌前後方向(図中X方向)に延びる本体フレーム7を有し、該本体フレーム7の前方に配置された駆動源としてのエンジン5からの駆動力を車輌前後方向X一方側X1及び他方側X2にそれぞれ配置された左右一対の操向輪及び左右一対の非操向輪に伝達し得るように構成されている。なお、本実施の形態においては、左右一対の操向輪が前輪1,1とされ、且つ、左右一対の非操向輪が後輪2,2とされている。
【0022】
前記作業車輌500では、前記前輪1,1及び前記後輪2,2が本機の前後に支承されており、前記エンジン5が本機前部のボンネット6内部に配置されている。該ボンネット6の後方にはダッシュボード4が配置されており、該ダッシュボード4上に操向ハンドル10が設けられ、該操向ハンドル10の後方には運転席11が配設されている。
【0023】
又、前記操向ハンドル10近傍の前記ダッシュボード4や前記運転席11側方の後輪フェンダー14には主変速レバーや副変速レバー、PTOレバー、昇降レバー、2輪・4輪駆動切換レバー(又は2輪・4輪駆動切換スイッチ)等の操作部材が配設されている。
前記運転席11におけるステップ台12の下方には、前記エンジン5に燃料を供給する燃料タンク17が設けられている。
【0024】
又、前記エンジン5の後方且つ前記運転席11の下方にはミッションケース50が配設され、該ミッションケース50にHST13及び前記ブレーキ装置200が備えられている。
前記HST13は、前記エンジン5からの動力が前記後輪2,2に伝達されて該後輪2,2が駆動され、前記ステップ台12に突設された変速ペダル(図示省略)の操作により前記後輪2,2の駆動方向、駆動速度を任意に設定し得るように構成されていると共に、前記エンジン5の駆動力が、前記ミッションケース50後端から突出したPTO軸15に伝達されて、該PTO軸15からユニバーサルジョイント16等を介して機体後端に作業機装着機構30を介して装着される作業機700を駆動するように構成されている。
なお、前記作業車輌500は、前記ミッションケース50より図示しない2輪・4輪駆動切替機構を介して前輪1にも同時に駆動力が伝達され得る構成となっている。
【0025】
前記ブレーキ装置200は、ここでは、前記左右一対の後輪2,2の駆動車軸2a,2aにそれぞれ対応した左右一対のブレーキ装置200,200とされている。
前記作業車輌500はさらに、人為操作可能なブレーキペダル310やブレーキ操作リンク部材320(図1では図示せず、図4及び図5参照)等を含むブレーキ操作部材300,300を備えている。前記ブレーキ操作部材300,300は、それぞれ、前記ブレーキ装置200,200を個別及び/又は同時に人為操作し得るように構成されている。
【0026】
前記作業車輌500はさらに、前記ブレーキ装置200に作動油を供給する油圧機構400を備えている。図2は、前記作業車輌500における油圧機構400の油圧回路図である。
図2に示すように、前記作業車輌500における油圧機構400は、前記エンジン5によって作動的に駆動されるポンプユニット410からの油圧を前記ブレーキ装置200,200に供給し得るように構成されている。
詳しくは、前記油圧機構400は、前記ポンプユニット410における第1ポンプ411からの圧油が、パワーステアリング機構用油圧回路420,HSTチャージ用油圧回路430に供給され、該HSTチャージ用油圧回路430からの油圧が、さらに前後進切換用油圧回路440に供給される一方、ブレーキ装置用油圧回路450,前進増速用油圧回路460,2輪・4輪駆動切換用油圧回路470及びPTO系クラッチ機構用油圧回路480に供給されるようになっている。
【0027】
前記ブレーキ装置用油圧回路450は、ここでは、前記左右一対のブレーキ装置200,200にそれぞれ対応する左右のブレーキ装置用油圧回路450,450とされている。
前記ブレーキ装置用油圧回路450,450は、それぞれ、前記左右一対のブレーキ装置200,200における油室231,231(図4及び図5参照)に作動油を供給する作動状態及び前記左右一対のブレーキ装置200,200における前記油室231,231への作動油の供給を解除する解除状態を切り換える左右の切換用電磁弁451,451と、一端部が、前記パワーステアリング機構用油圧回路420及び前記HSTチャージ用油圧回路430を介して、前記第1ポンプ411に流体接続され、且つ、他端部が前記切換用電磁弁451,451の一方側入力口に流体接続された第1油路452,452と、一端部が前記切換用電磁弁451,451の他方側入出力口に流体接続され、且つ、他端部がチェック弁及び絞り部材を介して左右一対のブレーキ装置200,200における前記油室231,231に流体接続された第2油路453,453と、一端部が前記切換用電磁弁451,451の一方側出力口に流体接続され、且つ、他端部が排油端とされた第3油路454,454とを備えている。
【0028】
そして、前記左右の切換用電磁弁451,451は、それぞれ、前記第1油路452,452及び前記第2油路453,453を連通すると共に前記第3油路454,454を遮断する前記作動状態と、前記第2油路453,453及び前記第3油路454,454を連通すると共に前記第1油路452,452を遮断する前記解除状態とを切換可能とされており、後述する制御装置600からの作動信号が入力されるように、該制御装置600の入力系に電気的に接続されている(図3参照)。
なお、図2では、前記左右の切換用電磁弁451,451は、何れも前記解除状態を示している。
【0029】
本実施の形態に係る作業車輌500は、前記ブレーキ装置200と、操舵角を検出する操舵角検出装置60と、前記油圧機構400と、前記油圧機構400の制御を司る前記制御装置600とを備えている。
前記操舵角検出装置60は、ここでは、回転式ポテンショメータとされており、前記操向ハンドル10のステアリング軸10aの途中に設けられている。該操舵角検出装置60は、作業者によって前記操向ハンドル10が左又は右に操向操作された際に前記ステアリング軸10aの軸線回りの回転方向や回転角度等の操舵角に関する情報を検出するようになっている。
そして、前記操舵角検出装置60は、前記作業車輌500の操舵角に関する検出信号(情報)が前記制御装置600に送信されるように、該制御装置600の入力系に電気的に接続されている(図3参照)。
【0030】
なお、ここでは、前記操舵角検出装置60は、前記ステアリング軸10aの軸線回りの回転方向や回転角度等の操舵角に関する情報を検出することで、前記操向輪1,1の操舵角を検出するように構成したが、前記操向輪1,1における車軸1a,1aの左右回動方向や左右回動角度等の操舵角に関する情報を検出することで、前記操向輪1,1の操舵角を検出するように構成してもよい。
【0031】
図3は、前記作業車輌500の電気系の概略ブロック図である。前記制御装置600は、制御部601及び記憶部602を備えている。
前記制御部601は、中央処理装置(CPU)からなり、各種演算処理を実行する制御演算手段を含んでいる。前記記憶部102は、制御プログラムや必要な関数が記憶されており、例えば、ROM及びRAMを含んでいる。
【0032】
図4は、前記作業車輌500における左側のブレーキ装置200を平面から視た概略構成を示す断面図であり、図5は、前記作業車輌500における右側のブレーキ装置200を平面から視た概略構成を示す断面図である。なお、図4及び図5中参照符号2’は、駆動輪2,2を装着するホイールを示している。
次に、前記ブレーキ装置200,200について、図4及び図5を参照しながら以下に詳述する。
【0033】
前記ブレーキ装置200,200は、前記ブレーキ操作部材300,300の人為操作時には該人為操作に応じて駆動車軸(ここでは前記後輪2の車軸2a,2a)に対して作動的に制動力を付加する人為ブレーキ作動を行い、且つ、車輌操舵時には前記油圧機構400から供給される作動油圧を利用して駆動車軸2a,2aに対して作動的に制動力を付加する自動ブレーキ作動を行うように構成されている。
詳しくは、前記作業車輌500においては、前記人為ブレーキ作動の際には前記ブレーキ操作部材300,300に対する人為操作に基づいて前記一対のブレーキ装置200,200を個別又は同時に作動させ、且つ、前記自動ブレーキ作動の際には該作業車輌500の操舵時に操舵角に基づいて旋回内側の駆動車軸2aに対応したブレーキ装置200のみを個別に作動させるように構成されている。
本実施の形態では、前記制御装置600は、前記操舵角検出装置60の検出値に基づき、操舵角が所定の角度を超えたと判断した場合に、前記自動ブレーキ作動を行うように構成されており、ここでは、車輌直進位置の操舵角度を0度とした場合、操舵方向一方側及び他方側の90度〜270度の範囲で、旋回内側の駆動車軸2a(即ち、右側に旋回した場合には右側の駆動車軸2a又は左側に旋回した場合には左側の駆動車軸2a)に対応したブレーキ装置200に作動油を供給するように前記ブレーキ装置用油圧回路450の前記切換用電磁弁451を切り換えるように構成されている。
【0034】
前記左右一対のブレーキ装置200,200は、それぞれ、左右のブレーキ機構210,210と、左右の人為作動部材220,220と、左右の油圧作動部材230,230と備えている。
前記ブレーキ機構210,210は、それぞれ、前記駆動車軸2a,2aに対する制動力を生じさせるように、換言すれば、前記駆動車軸2a,2aに作動的に制動力を付加し得るように構成されている。
前記人為作動部材220,220は、それぞれ、基準方向(ここでは車輌幅方向Y)に沿って一方側Y1及び他方側Y2に移動可能とされており、前記ブレーキ操作部材300,300の人為操作に応じて基準方向Y一方側(ここでは作業車輌500の車輌幅方向Y中央部を基準とした車輌幅方向Y内側)の第1方向Y1へ移動されることで、前記ブレーキ機構210,210を作動させるように構成されている。
又、前記油圧作動部材230,230は、それぞれ、前記油圧機構400(具体的には、前記ブレーキ装置用油圧回路450,450)からの作動油を受け入れる油室231,231を形成した状態で基準方向Y摺動可能とされており、前記油室231,231の油圧によって前記第1方向Y1へ移動されるように構成されている。
【0035】
そして、前記ブレーキ装置200,200は、それぞれ、前記操舵角検出装置60の検出値に基づく前記作業車輌500の操舵角に基づいて前記油圧機構400から供給される作動油による前記油室231,231の油圧によって前記油圧作動部材230,230が前記第1方向Y1へ移動する際には該油圧作動部材230,230は前記人為作動部材220,220を伴って移動する一方、前記ブレーキ操作部材300,300の人為操作に基づく機械的な動作によって、前記人為作動部材220,220が前記第1方向Y1へ移動する際には該人為作動部材220,220が単独で移動するように構成されている。
【0036】
前記ブレーキ装置200,200によれば、前記油室231,231の油圧によって前記油圧作動部材230,230が前記第1方向Y1へ移動する際には該油圧作動部材230,230は前記人為作動部材220,220を伴って移動する一方、人為操作に応じて前記人為作動部材220,220が前記第1方向Y1へ移動する際には該人為作動部材220,220が単独で移動するように構成されており、人為操作の際に前記油圧作動部材230,230が前記第1方向Y1へ移動することはないので、前記油室231,231の液密性を保持しつつ該油室231,231内の作動油圧に応じて前記ブレーキ機構210,210を作動させる為の作動部材230,230(特に、後述するシール部材235,235)の摩耗を有効に防止して該作動部材230,230の耐久性を向上させることができる。
さらに、従来のブレーキ装置の如くピストンがブレーキアームに係合するといった構成をとることがないので、自動ブレーキ作動時において車輌操舵に対するブレーキ機構の追従性悪化を有効に防止することができる。
【0037】
さらに説明すると、前記ブレーキ機構210,210は、それぞれ、前記駆動車軸2a,2aに作動的に動力を伝達する走行系出力軸21,21に対して制動力を付加するように構成されている。
前記油圧作動部材230,230は、それぞれ、前記走行系出力軸21,21の外端部を覆うケーシング23,23(ここでは、左右のリアアクスルケース)と共働して前記油室231,231を形成した状態で基準方向Yに沿って摺動可能に配設されている。
又、前記人為作動部材220,220は、それぞれ、基準方向Y位置に関し、前記ブレーキ機構210,210と前記油圧作動部材230,230との間に配設されている。
斯かる構成を備えることにより、前記ブレーキ装置200,200のコンパクト化を実現できる。
【0038】
詳しくは、前記ミッションケース50には前記エンジン5からの動力がベベルギア22を介して伝達されるデファレンシャル装置22が配設されている。
前記ブレーキ機構210,210は、ここでは摩擦板式のものとされており、それぞれ、前記駆動車軸2a,2aに動力伝達系(ここでは減速ギア24,24)を介して連動連結された前記デファレンシャル装置20の左右の走行系出力軸21,21に相対回転不能に設けられた回転体211,211と、平面部が前記回転体211,211の平面部に摩擦接触可能に近接すると共に前記回転体211,211の回転方向に関して固定されるように前記ケーシング23,23に配設された摩擦板212,212とを備えている。
なお、本実施の形態では、前記ブレーキ機構210,210は、摩擦板式のものとしたが、前記人為作動部材が前記第1方向へ移動されることで、作動されるものであれば、何れのものでもよく、例えば、ドラム式のものであってもよい。
【0039】
又、前記人為作動部材220,220は、それぞれ、前記第1方向Y1への移動によって、前記摩擦板212,212及び前記回転体211,211を互いに摩擦接触させ得るように構成されている。
前記油圧作動部材230,230は、それぞれ、前記走行系出力軸21,21の外端部と対向するように配置されている。
前記油圧作動部材230,230の前記走行系出力軸21,21との対向面には、それぞれ、内輪体232a,232a及び外輪体232b,232bの間に転動体232c,232cが介挿された軸受部材232,232が設けられている。
【0040】
そして、前記内輪体232a,232a及び前記外輪体232b,232bの一方(ここでは、外輪体232b,232b)が前記油圧作動部材230,230に係合され、且つ、前記内輪体232a,232a及び前記外輪体232b,232bの他方(ここでは、内輪体232a,232a)と前記走行系出力軸21,21の外端部との間には前記油圧作動部材230を基準方向Y他方側の第2方向Y2へ付勢する付勢部材240,240が配設されている。
斯かる構成を備えることにより、前記付勢部材240,240は、前記走行系出力軸21,21の回転に伴って該走行系出力軸21,21の軸線回りに回転しても付勢作用を良好に維持できるようになっている。
本実施の形態では、前記付勢部材240,240は、それぞれ、前記油圧作動部材230,230を前記第2方向Y2へ付勢するように、一端部が前記内輪体232a,232aに係止され且つ他端部が前記左右の走行系出力軸21,21の外端部に係止されたバネ部材とされている。
【0041】
又、前記ブレーキ装置200,200は、それぞれ、前記ブレーキ操作部材300,300の人為操作に応じて軸線回りに回転するように前記ケーシング23,23に支持された左右の人為ブレーキ作動軸250,250を備えている。
前記人為作動部材220,220は、それぞれ、前記人為ブレーキ作動軸250,250の軸線回りの回転に連動して前記走行系出力軸21,21の軸線回りに回転するように構成されている。
【0042】
図6は、前記人為作動部材220,220が前記人為ブレーキ作動軸250,250の軸線回りの回転に連動して前記走行系出力軸21,21の軸線β回りに回転する構成を説明するための概略斜視図である。
図6に示すように、前記人為作動部材220,220は、それぞれ、円盤状に形成されており、径方向外端部には径方向外方へ開く溝220a,220aが設けられており、前記溝220a,220aには、前記人為ブレーキ作動軸250,250が係入されている。
斯かる構成を備えることにより、前記人為作動部材220,220は、それぞれ、前記人為ブレーキ作動軸250,250の軸線α回りの回転(矢印A参照)に連動して前記走行系出力軸21,21の軸線β回りに回転(矢印B参照)するようになっている。
【0043】
詳しくは、前記人為ブレーキ作動軸250,250は、それぞれ、前記ケーシング23,23に軸線α回りに回転自在に支持されており、前記ブレーキ操作部材300,300の人為操作に応じて軸線α回りに回転するように前記ブレーキ操作リンク部材320(図4及び図5参照)に作動連結されている。
そして、前記人為ブレーキ作動軸250,250は、それぞれ、軸線α回りの回転によって、前記人為作動部材220,220を前記走行系出力軸21,21の軸線β回りに回転させるように、前記人為作動部材220,220の前記溝220a,220aに凹凸係合される凸状係合部250a,250aが設けられている。
【0044】
又、図4及び図5に示すように、前記人為作動部材220,220における前記ブレーキ機構210,210とは反対側の裏面と前記ケーシング23,23との間には、それぞれ、該人為作動部材220,220の前記回転に応じて該人為作動部材220,220を前記第1方向Y1へ移動させる左右のカム機構260,260が設けられている。
【0045】
図7は、前記人為作動部材220,220の回転に応じて該人為作動部材220,220を前記第1方向Y1へ移動させる前記カム機構260,260を説明するための図であって、図7(a)は、前記人為作動部材220,220の前記ブレーキ機構210,210とは反対側の裏面から視た概略斜視図であり、図7(b)は、前記カム機構260,260を示す概略断面図である。
【0046】
前記カム機構260,260は、それぞれ、図7(b)に示すように、前記ケーシング23,23の前記人為作動部材220,220との対向面において前記第1方向Y1に向けて突設された突出部23a,23aと、図7(a)及び図7(b)に示すように、前記人為作動部材220,220の前記ケーシング23,23との対向面に、前記突出部23a,23aを係入するように且つ該人為作動部材220,220の周方向に沿って延びるように設けられた係入溝220b,220bであって、長手方向の少なくとも一方側端部に行くに従って溝深さが浅く及び/又は溝幅が狭くされた係入溝220b,220bとを備えている。なお、ここでは、前記係入溝220b,220bは、図7(b)に示すように、長手方向の両端部に行くに従って溝深さが浅くされている。
斯かる構成を備えることにより、前記カム機構260,260は、それぞれ、前記人為作動部材220,220の前記走行系出力軸21,21の軸線β回りの回転(矢印B参照)に応じて前記人為作動部材220,220を前記第1方向Y1へ移動させ(ここでは、前記人為作動部材220,220を前記回転体211,211に摩擦係合させ)、これにより、前記摩擦板212,212及び前記回転体211,211を互いに摩擦接触させ得るようになっている。
このとき、前記人為作動部材220,220及び前記油圧作動部材230,230は別体とされているので、前記ブレーキ操作部材300,300の人為操作に応じて前記人為作動部材220,220が前記第1方向Y1へ移動する際には該人為作動部材220,220が単独で移動するようになっている。
好ましくは、前記突出部23a,23aは、それぞれ、前記ケーシング23,23に回転自在に支持される転動体とされ得る。
【0047】
又、図4及び図5に示すように、前記油圧作動部材230,230は、それぞれ、前記ケーシング23,23と液密に当接して前記油室231,231を形成する摺接部233,233と、前記摺接部233,233の基準方向Y(ここでは車輌幅方向Y)内端部から段部234a,234aを伴って縮径された状態で基準方向Y内端側へ突出した小径部234,234とを有している。
そして、前記人為作動部材220,220は、径方向内端部が前記段部234a,234aによって前記第1方向Y1へ押動されように構成されている。
本実施の形態では、前記人為作動部材220,220は、前記摺接部233,233が前記ケーシング23,23に対してOリング等のシール部材235,235を介して液密な状態で摺動可能とされている。
【0048】
詳しくは、前記ケーシング23,23には、それぞれ、前記油圧機構400(具体的には、前記ブレーキ装置用油圧回路450,450)に連通すると共に、前記油圧作動部材230,230のにおける前記摺接部233,233が基準方向Yに沿って摺動可能な凹部23a,23aが設けられている。
斯かる構成を備えることにより、前記油圧作動部材230,230は、それぞれ、前記摺接部233,233が前記ケーシング23,23の前記凹部23a,23aに液密に当接された状態において、前記操舵角検出装置60の検出値に基づく前記操向輪1,1の操舵角に基づいて前記ブレーキ装置用油圧回路450,450から供給される作動油によって、前記第1方向Y1へ移動することで、該油圧作動部材230,230の前記段部234a,234aが前記人為作動部材220,220の径方向内端部を前記第1方向Y1へ向けて押動して該人為作動部材220,220を前記第1方向Y1へ移動させ、これにより、前記摩擦板212,212及び前記回転体211,211を互いに摩擦接触させ得るようになっている。
又、前記人為作動部材220,220は、それぞれ、前記溝220a,220aに前記人為ブレーキ作動軸250,250が係入されているので、基準方向Yに沿った移動の際に該溝220a,220aがガイドとして作用し、基準方向Yへのスムーズな移動を実現できるようになっている。
【0049】
なお、前記制御装置600は、前記自動ブレーキ作動の際に、前記操舵角検出装置60の検出値に基づき、前記操舵角が大きくなるに従って、前記駆動車軸2aに対する制動力が大きくなるように前記油圧機構400を制御してもよい。
この場合、例えば、前記油圧機構400を、前記ブレーキ装置200に供給される作動油の油圧量を変更し得るように構成し、前記制御装置600を、前記操舵角検出装置60の検出値に基づき、前記操舵角が大きくなるに従って、前記油圧機構400の油圧量が大きくなるように該油圧機構400を制御し得るように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本実施の形態に係るブレーキ装置を備えた作業車輌の一例の左側面図である。
【図2】図2は、図1に示す作業車輌における油圧機構の油圧回路図である。
【図3】図3は、図1に示す作業車輌の電気系の概略ブロック図である。
【図4】図4は、図1に示す作業車輌における左側のブレーキ装置を平面から視た概略構成を示す断面図である。
【図5】図5は、図1に示す作業車輌における右側のブレーキ装置を平面から視た概略構成を示す断面図である。
【図6】図6は、人為作動部材が人為ブレーキ作動軸の軸線回りの回転に連動して走行系出力軸の軸線回りに回転する構成を説明するための概略斜視図である。
【図7】図7は、人為作動部材の回転に応じて人為作動部材を第1方向へ移動させるカム機構を説明するための図であって、図7(a)は、人為作動部材のブレーキ機構とは反対側の裏面から視た概略斜視図であり、図7(b)は、カム機構を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0051】
2a…駆動車軸 21…走行系出力軸 23…ケーシング 200…ブレーキ装置
210…ブレーキ機構 220…人為作動部材 220a…溝 230…油圧作動部材
231…油室 232…軸受部材 232a…内輪体 232b…外輪体
232c…転動体 233…摺接部 234…小径部 234a…段部
240…付勢部材 250…人為ブレーキ作動軸 260…カム機構
300…ブレーキ操作部材 400…油圧機構 Y…基準方向
Y1…第1方向 Y2…第2方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ操作部材の人為操作時には該人為操作に応じて駆動車軸に対して作動的に制動力を付加する人為ブレーキ作動を行い、且つ、車輌操舵時には油圧機構から供給される作動油圧を利用して駆動車軸に対して作動的に制動力を付加する自動ブレーキ作動を行うように構成されたブレーキ装置であって、
前記駆動車軸に対する制動力を生じさせるブレーキ機構と、
前記ブレーキ操作部材の人為操作に応じて基準方向一方側の第1方向へ移動されることで、前記ブレーキ機構を作動させる人為作動部材と、
前記油圧機構からの作動油を受け入れる油室を形成した状態で基準方向摺動可能とされた油圧作動部材であって、前記油室の油圧によって前記第1方向へ移動される油圧作動部材とを備え、
前記油室の油圧によって前記油圧作動部材が前記第1方向へ移動する際には該油圧作動部材は前記人為作動部材を伴って移動する一方、人為操作に応じて前記人為作動部材が前記第1方向へ移動する際には該人為作動部材が単独で移動するように構成されていることを特徴とするブレーキ装置。
【請求項2】
前記ブレーキ機構は、前記駆動車軸に作動的に動力を伝達する走行系出力軸に対して制動力を付加するように構成されており、
前記油圧作動部材は、前記走行系出力軸の外端部を覆うケーシングと共働して前記油室を形成した状態で基準方向に沿って摺動可能に配設されており、
前記人為作動部材は、基準方向位置に関し、前記ブレーキ機構と前記油圧作動部材との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
【請求項3】
前記油圧作動部材は、前記走行系出力軸の外端部と対向するように配置されており、
前記油圧作動部材の前記走行系出力軸との対向面には、内輪体及び外輪体の間に転動体が介挿された軸受部材が設けられており、
前記内輪体及び前記外輪体の一方が前記油圧作動部材に係合され、且つ、前記内輪体及び前記外輪体の他方と前記走行系出力軸の外端部との間には前記油圧作動部材を基準方向他方側の第2方向へ付勢する付勢部材が配設されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載のブレーキ装置と、前記操舵角を検出する操舵角検出装置と、前記ブレーキ装置に作動油を供給する油圧機構と、前記油圧機構の制御を司る制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記自動ブレーキ作動の際に、前記操舵角検出装置の検出値に基づき、前記操舵角が大きくなるに従って、前記駆動車軸に対する制動力が大きくなるように前記油圧機構を制御することを特徴とする作業車輌。
【請求項5】
前記制御装置は、前記操舵角検出装置の検出値に基づき、所定の操舵角の範囲で前記自動ブレーキ作動を行うように前記油圧機構を制御することを特徴とする請求項4に記載の作業車輌。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−290648(P2007−290648A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123330(P2006−123330)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】