説明

ブレーキ装置

【課題】 耐久性に優れた樹脂製のピストンを備えたブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】 ハウジングに形成された有底孔内に組みつけられるピストン本体と、弁体を前記シート部から離間させるロッドを有する調圧弁と、を備え、アンチロックブレーキ制御時に、車両のホイルシリンダ内から流出したブレーキ液をピストン本体がストロークすることで有底孔内に貯留可能なリザーバ機能を有するブレーキ装置であって、ピストン本体を樹脂成形するとともにピストン本体の冠面に樹脂より硬質な硬質体を設け、硬質体を介してピストン本体とロッドとを当接させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ液を貯留可能なリザーバ機能を備えたブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の技術には、アンチロックブレーキ装置等に使用されるブレーキ装置内のリザーバ用ピストンを樹脂で形成することで、金属製の場合に必要とされるウェアリング等を廃止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−151362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、ピストンの強度低下に伴って磨耗や破損等が生じるおそれがある。
本発明の目的は、耐久性に優れた樹脂製のピストンを備えたブレーキ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、ハウジングに形成された有底孔内に組みつけられるピストン本体と、弁体を前記シート部から離間させるロッドを有する調圧弁と、を備え、アンチロックブレーキ制御時に、車両のホイルシリンダ内から流出したブレーキ液をピストン本体がストロークすることで有底孔内に貯留可能なリザーバ機能を有するブレーキ装置であって、ピストン本体を樹脂成形するとともにピストン本体の冠面に樹脂より硬質な硬質体を設け、硬質体を介してピストン本体とロッドとを当接させた。
【発明の効果】
【0006】
よって、耐久性に優れた樹脂製のピストンを備えたブレーキ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1のブレーキ液圧制御装置の液圧回路図である。
【図2】実施例1のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。
【図3】実施例1のピストン本体を表す図である。
【図4】実施例1のピストン本体を樹脂によってインサート成形するときの製造工程を表す概略図である。
【図5】実施例1のピストン本体が下死点に到達したときの状態を表す拡大部分断面図である。
【図6】実施例2のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。
【図7】実施例3のピストン本体を表す概略図である。
【図8】実施例4のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。
【図9】他の実施例のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施例1〕
[ブレーキ液圧回路の構成]
図1は、実施例1のブレーキ液圧制御装置32の液圧回路図である。液圧回路は、マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとの間に設けられた液圧制御ユニット30内に形成されている。液圧制御ユニット30はアルミブロックから削りだされた略直方体のハウジング31を有し、このハウジング31内に複数の油路等が穿設され、後述する各バルブやポンプユニット及びモータを備えている。
このブレーキ液圧制御装置32は、コントローラからのVehicle Dynamics Control(VDC:車両挙動制御)、Anti-lock Brake System(ABS:アンチロックブレーキ制御)の要求液圧に応じて液圧制御を行う。ブレーキ液圧制御装置32においては、P系統のブレーキ液圧回路21PとS系統のブレーキ液圧回路21Sの2系統からなる、X配管構造となっている。P系統には、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)が接続されており、S系統には、右前輪のホイルシリンダW/C(FR)、左後輪のホイルシリンダW/C(RL)が接続されている。ブレーキ液圧制御装置32と各ホイルシリンダW/Cとは、ハウジング31の上面に穿設されたホイルシリンダポート19RL,19FR,19FL,19RRに接続されている。また、ポンプユニットPはP系統、S系統それぞれに設けた外接ギヤ対からなるギヤポンプPPとギヤポンプPSをひとつのモータMによって駆動するタンデムギヤポンプである。
【0009】
マスタシリンダM/Cと液圧制御ユニット30とは、ハウジング31のポート接続面に穿設されたマスタシリンダポート20P,20Sを介して液路18P,18Sにおいて接続されている。この液路18とポンプユニットPの吸入側とは、液路10P,10Sによって接続されている。液路18P上であって、マスタシリンダポート20Pと、液路10Pとの接続部との間にはマスタシリンダ圧センサ22が設けられている。
ポンプユニットPの吐出側と各ホイルシリンダW/Cとは、液路11P,11Sによって接続されている。この各液路11上には、各ホイルシリンダW/Cに対応する常開型のソレノイドバルブである増圧バルブ3FL,3RR,3FR,3RLが設けられている。また各液路11上であって、各増圧バルブ3とポンプユニットPとの間にはチェックバルブ6P,6Sが設けられている。各チェックバルブ6は、ポンプユニットPから増圧バルブ3へ向かう方向へのブレーキ液圧の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。また各液路11上であって、各増圧バルブ3とポンプユニットPとの間には吐出圧センサ23P,23Sが設けられている。
【0010】
更に各液路11には、各増圧バルブ3を迂回する液路16FL,16RR,16FR,16RLが設けられており、液路16には、チェックバルブ9FL,9RR,9FR,9RLが設けられている。この各チェックバルブ9は、ホイルシリンダW/CからポンプユニットPへ向かう方向へのブレーキ液圧の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
マスタシリンダM/Cと液路11とは液路12P,12Sによって接続されており、液路11と液路12とはポンプユニットPと増圧バルブ3との間において合流している。この各液路12上には、常開型のソレノイドバルブであるゲートアウトバルブ2P,2Sが設けられている。また各液路12には、各ゲートアウトバルブ2を迂回する液路17P,17Sが設けられており、この液路17には、チェックバルブ8P,8Sが設けられている。この各チェックバルブ8は、マスタシリンダM/C側からホイルシリンダW/Cへ向かう方向へのブレーキ液圧の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。マスタシリンダM/Cとリザーバ15P,15Sとは液路10aP,10aSによって接続されており、リザーバ15とマスタシリンダM/Cとの間にはチェックバルブ機能付きの調圧弁7P,7Sが設けられている。
ポンプユニットPの吸入側にはリザーバ15P,15Sが設けられており、このリザーバ15とポンプユニットPとは液路10bP,10bSによって接続されている。
ホイルシリンダW/Cと液路10とは液路13P,13Sによって接続されており、液路13と液路10とは調圧弁7とリザーバ15との間において合流している。この各液路13にそれぞれ、常閉型のソレノイドバルブである減圧バルブ4FL,4RR,4FR,4RLが設けられている。
【0011】
ここで、リザーバ15に隣接して設けられた調圧弁7の作用について説明する。通常制動時、すなわち、各バルブやポンプ等が非作動時には、マスタシリンダM/Cにおいてブレーキ液圧が発生すると、調圧弁7を閉塞し、マスタシリンダM/Cとリザーバ15との間を遮断する。そして、液路18を介して各ホイルシリンダW/Cにブレーキ液を供給する。次に、ABS作動時は、初期作動として増圧バルブ3を閉じ、減圧バルブ4が開くと、ホイルシリンダW/C内のブレーキ液が液路13を介してリザーバ15に流入する。このとき、ポンプユニットPの作動によりリザーバ15に流入したブレーキ液は液路11を介して汲み上げられ、マスタシリンダM/Cに還流される。VDC作動時には、ゲートアウトバルブ2を閉じ、所望の輪に対応する増圧バルブ3を開き、ポンプユニットPを作動させる。このとき、調圧弁7が閉じていたとしても、ポンプユニットPの汲み上げによってリザーバ15内が減圧され、調圧弁7を押し開く。これにより、マスタシリンダM/Cからブレーキ液を汲み上げ、必要なホイルシリンダW/Cに増圧されたブレーキ液を供給する。
【0012】
図2は実施例1のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。ハウジング31の下方には、円筒状の有底孔31aが上方に向かって穿設されている。有底孔31aのハウジング下方開口にはリテーナ保持面31a2が形成され、このリテーナ保持面31a2はリテーナ部材151をカシメ固定31a3によって保持している。リテーナ部材151は、外周縁がカシメ固定31a3によって狭持されるフランジ部151aと、フランジ部151aから下方に屈曲形成された円筒部151bと、コイルスプリング152(第1弾性部材)の一端を保持する保持面151cが形成された閉塞部を有し、この閉塞部の略中央には空気孔151dが形成されている。これにより、ピストン本体153の下方は常に大気圧が作用するように構成されている。
有底孔31aは、ピストン本体153のピストン面153hと当接するピストン当接面31a1と、ピストン当接面31a1よりも小径であって有底孔31aの中央に形成された小径筒部31bとを有する。小径筒部31bには、減圧バルブ4と連通する液路13及びポンプユニットPの吸入側と連通する液路10bが接続されている。小径筒部31bよりも更に上方には、有底孔31aの中心軸すなわちピストン本体153の中心軸OPからオフセットした位置に中心軸ORを有する円筒状の調圧弁収装孔31cが形成されている。調圧弁収装孔31cの上方には、マスタシリンダM/Cと連通する液路10aが接続されている。
【0013】
調圧弁収装孔31c内には、液路10aから流入したブレーキ液内の不純物を取り除くフィルタ部材75と、フィルタ部材75と嵌め合いつつ調圧弁7を構成するシート部材71とが収装されている。シート部材71の上端とフィルタ部材75とで囲まれた領域内には、ボール部材72(弁体)と、このボール部材72をシート部材71側に付勢する調圧弁用リターンスプリング73(第2弾性部材)が取り付けられている。尚、調圧弁用リターンスプリング73の弾性力は、コイルスプリング152の弾性力よりも弱く設定され、ブレーキ液圧が作用していない状態では、コイルスプリング152の弾性力によりボール部材72がロッド74を介して押し上げられる構成とされている。
シート部材71は、軸方向中央においてボール部材72と当接するロッド74を収容しつつロッド74外周との間でブレーキ液通路を形成する貫通孔71bと、貫通孔71bよりも小径であってロッド74を径方向に保持する保持孔71dと、シート部材71の下方から保持孔71dを取り囲む位置に複数穿設され、貫通孔71bの下端部分と部分的に連通する流通孔71cとを有する。貫通孔71bのボール部材72側には、すり鉢状のシート部71aが形成されている。ボール部材72がシート部71aに着座しているときには、液路10aと小径筒部31bとの間でブレーキ液が流通することはない。一方、ロッド74によってボール部材72が調圧弁用リターンスプリング73の力に抗して押し上げられると、液路10aから供給されるブレーキ液は、フィルタ部材75のフィルタを通って貫通孔71bとロッド74外周との間の隙間を通り、流通孔71cから小径筒部31bへと流出する。
【0014】
ロッド74は棒状の金属製部材であり、保持孔71dよりも大径であってボール部材72と当接するロッド先端部74aと、保持孔71dと略同一径であってロッド先端部74aよりも長く形成されたロッド中間部74bと、ロッド中間部74aから徐々に縮径されたテーパ形状であって後述するプレート部材155の上面155bと当接するロッド下端部74cとを有する。尚、ロッド74はピストン本体153と別部材として構成されており、ピストン本体153がロッド中間部74bの長さ以上にストロークした場合には、ロッド下端部74cがプレート部材上面155bと離間する。言い換えると、ロッド先端部74aは保持孔71d上端と当接することでストッパとして機能している。尚、ロッド74の中心軸ORはピストン本体153の中心軸OP(回転中心)からオフセットして配置されることは、前述の通りである。
【0015】
ピストン本体153は、樹脂成形された部材であって、底部153a1を有する有底筒状に形成されている。ピストン本体153の円筒外周には、有底孔31aの内周径よりも若干小径に形成された上部外周部153fと、上部外周部153fの下方に形成され、環状シール部材154を収装する環状溝153eと、有底孔31aの内周径と略同一径で形成され環状シール部材154を保持するシール部材保持部153dと、シール部材保持部153dの下方に形成され有底孔31aの内周径よりも小径であって上部外周部153fと略同一径の縮径部153と、縮径部153の下方に形成され有底孔31aの内周径と略同一径を有するウェルドライン形成部153bとを有する。環状シール部材154は、その上方を液圧室とし、下方を空気室として区画する。
ここで、ウェルドラインとは、樹脂成形(インサート成形)する際に、ゲート位置(溶融樹脂を型内に注入するときの注入口)から離れた位置であって型内に流入した樹脂が他の経路を通って流入した樹脂と合流しつつ冷え固まるときの樹脂同士の接合跡として残る部分である。一般にウェルドラインが形成される部分は精度が低くなる傾向にある。実施例1では、環状シール部材154よりも下方、すなわち空気室として区画される位置にウェルドライン形成部153bを有する。すなわち、さほど液密性等に関する精度が要求されない位置にウェルドラインが形成されるようにピストン本体153を構成しており、言い換えると、精度が要求される箇所にウェルドラインが形成されないようにしている。
【0016】
ピストン本体153の円筒部内周153aはコイルスプリング152よりも僅かに大径となるように形成され、底部153a1においてコイルスプリング152の他端を保持している。ピストン本体153の上面に形成されたピストン面153hの中央領域(すなわち、冠面153j)には、ピストン本体153の樹脂よりも硬質な硬質体として金属製のプレート部材155がインサート成形により組みつけられている。プレート部材155は円盤形状のステンレス製部材であり、その外径DPは、コイルスプリング152の外径DSよりも大径となる大きさとされている。
すなわち、樹脂製のピストン本体153の底部153a1によりコイルスプリング152を保持すると、その箇所には常時、コイルスプリング152による弾性力が作用する。仮に、金属製のプレート部材155の外径をコイルスプリング152の外径よりも小径とすると、軸方向から見たとき、コイルスプリング152の当接位置とプレート部材155とが径方向において離間するため、冠面153jにせん断力が作用してしまい、耐久性を低下させるおそれがある。一方、実施例1のように、コイルスプリング152の外径DSよりもプレート部材155の外径DPが大きければ、軸方向から見たとき、コイルスプリング152の当接位置とプレート部材155とが径方向において離間することなく軸方向から見て重なることとなる。よって、冠面153jには圧縮力しか作用せず、耐久性の低下が抑制されるのである。
【0017】
図3は実施例1のピストン本体を表す図である。図3(a)は上面図、図3(b)は側断面図、図3(c)は底面図である。プレート部材155は、ピストン本体153を樹脂成形する際にインサート成形によって一体化される部材であり、位置決め用のロケート穴155cがプレート部材155の中心を通る軸線上に2箇所設けられている。また、プレート部材155を上方から覆う爪部153gが円周方向等間隔に4箇所形成されており、これによりプレート部材155とピストン本体153との剥離を規制している。図3(c)に示すように、ピストン本体153を樹脂成形する際のゲート位置は、底部153a1の略中央に形成されている。すなわち、環状シール部材154を保持する環状溝153eや冠面のように精度が要求される位置にはスムーズに溶融樹脂が流れ込む位置とし、一方、さほど精度が要求されない空気室側となる位置がゲート位置よりも遠く、かつ、回り込みにくい位置となるように配置している。尚、ウェルドライン形成部153bの肉厚を厚めに設定しておくことで、溶融樹脂が比較的流れ込みやすくなり、溶融樹脂が流れ込む過程で若干冷却されたとしてもウェルドラインが形成されにくくなる構成としている。
【0018】
ピストン本体153は、有底孔31a内に収装されると、円筒状部材であることから中心軸OPを回転中心として回転可能に収容される。例えばブレーキ液の流入に伴うピストン運動等によって、もしくは車体側から伝達される振動等によって回転力が発生する。このとき、ロッド74とピストン本体153は別体構造であり、例えロッド74の中心軸ORがピストン本体153の中心軸OPとオフセットして配置されていたとしても、回転方向に規制する力は働かないため、ピストン本体153は回転する。このとき、ロッド74のロッド下端部74cは、プレート部材155上であって、中心軸OPと中心軸ORとのオフセット量に応じた半径を有する円周上と摺動接触する。すなわち、ロッド74とプレート部材155とが常時同じ位置で当接するのではなく、ピストン本体153が適宜回転して当接位置を変更しながら当接するため、同じ箇所のみが磨耗する偏磨耗を抑制することができ、プレート部材155の耐久性の向上を図るものである。
【0019】
図4は実施例1のピストン本体を樹脂によってインサート成形するときの製造工程を表す概略図である。実施例1にあっては、冠面側の型となる第1金型201と、第1金型201の上面に設置されピストン本体外周面を形成する第2金型202及び第3金型203と、ピストン153の底部153a1及び円筒部内周153aを形成すると共に溶融樹脂を注入する注入口204aを有する第4金型204とを有する。
図4のSTEP1に示すように、第1金型201には、ロケートピン用貫通孔201b内に挿入されたロケートピン201aが2箇所に設けられ、このロケートピン201aがプレート部材155のロケート穴155cに挿入されることでプレート部材155の位置決めを行う。この状態で、第2金型202と第3金型203を第1金型201の上面に密着させつつ左右から中央に向かって移動させて密着させる。この状態で第4金型204を上方から被せることでピストン本体153の型が完成する。この状態で、第4金型204に設けられた注入口204aから溶融樹脂を流し込み、インサート成形を行う。
溶融樹脂の流し込みが終了すると、STEP2において、まず第4金型204を上方に移動させて取り外し、STEP3において、第2金型202及び第3金型203を左右に移動させて取り外し、最後にSTEP4において、ロケートピン201aを押し上げて第1金型201とピストン本体153とを取り外すことで形成する。
【0020】
図5は実施例1のピストン本体が下死点に到達したときの状態を表す拡大部分断面図である。尚、下死点とは、これ以上ピストン本体が物理的に下方に移動できない最下点を意味する。このとき、ピストン当接面31a1とピストン面153hとの軸方向距離Lと、プレート部材155の外径DPの大きさを比較したとき、DP>Lとなるように構成されている。すなわち、プレート部材155はピストン本体153に対してインサート成形されており、一体に作動するが、万が一プレート部材155が剥離することも想定される。ここで、仮にDP<Lとなるように構成されていた場合、下死点においてプレート部材155が縦向きに起き上がることができるため、その状態で冠面と小径筒部31bの底面との間に噛みこんでしまうと、ピストン本体153がストロークできなくなるおそれがある。これに対し、実施例1では、DP>Lとなるように構成されているため、プレート部材155が脱落しても、その状態で縦向きに起き上がることは不可能となり、ピストン本体153がストロークできなくなるという事態を確実に回避できる。尚、実施例1ではピストン当接面31a1とピストン面153hとの軸方向距離Lとして表したが、更に詳細には、冠面153jと小径筒部31bの底部との間の距離をLとして設定することも有効である。プレート部材155は円盤形状であることから、剥離後に起き上がるとすれば、最初に当接するのは冠面153jと小径筒部31bの底部だからである。
【0021】
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)内部に油路が形成されたハウジング31と、ハウジング31に形成され液路10a,10b,13(油路)に連通する有底孔31a内に組みつけられるピストン本体153と、ピストン本体153を有底孔31aの底部方向に付勢するコイルスプリング152(第1弾性部材)と、液路10aに配置され、ボール部材72(弁体)と、ボール部材72が当接するシート部71aとピストン本体153の冠面153jとボール部材72との間に配置され、ボール部材72をシート部71aから離間させるロッド74と、ボール部材72に一端側が当接してシート部71aの方向に付勢するコイルスプリング152より弱い弾性力を有する調圧弁用リターンスプリング73(第2弾性部材)と、からなる調圧弁7と、アンチロックブレーキ制御時に、車両のホイルシリンダ内から流出したブレーキ液をピストン本体153がストロークすることで有底孔31a内に貯留可能なリザーバ機能を有し、ピストン本体153を樹脂成形するとともにピストン本体153の冠面153jに樹脂より硬質なプレート部材155(硬質体)を設け、プレート部材155を介してピストン本体153とロッド74とを当接させた。
よって、軽量化や低コスト化を図るべく樹脂製のピストン本体153とした場合であっても、冠面153jのロッド74に対する耐摩耗性を向上することができる。
【0022】
(2)硬質体はプレート部材155であって、ピストン本体153に一体成形されている。よって、ピストン本体153の樹脂成形時に同時に製造することができ、生産性を向上することができる。尚、実施例1ではプレート部材155を金属製としたが、金属に限らず他の硬質材料を適宜選択しうる。
【0023】
(3)プレート部材155は円盤状であり、第1弾性部材はコイルスプリング152であり、ピストン本体153は底部153a1を有する有底筒状に形成された部材であり、コイルスプリング152は底部153a1を支持し、プレート部材155の直径DPはコイルスプリング152の外径DSより大きい。よって、冠面153jには圧縮力しか作用せず、耐久性の低下を抑制できる。
【0024】
(4)プレート部材155の最大径DPは、ピストン本体153の最大ストローク量Lより大きい。よって、プレート部材155がピストン本体153から剥離した場合であっても、ピストン本体153のストロークを妨げることがなく、安定した作動を維持できる。
【0025】
(5)ピストン本体153は有底孔31a内に回転可能に配置され、ロッド74は、ピストン本体153の回転中心からオフセットして配置されている。すなわち、ロッド74とプレート部材155とが常時同じ位置で当接するのではなく、ピストン本体153が適宜回転して当接位置を変更しながら当接するため、プレート部材155の耐久性の向上できる。
【0026】
(6)ピストン本体153の外周に形成された環状溝153eと、環状溝153e内に装着され、有底孔31a内周面との間をシールし、有底孔31a内を液圧室と空気室に区画する環状シール部材154と、を備え、ピストン本体153の空気室の領域にウェルドライン形成部153b(ウェルドライン)を備えた。すなわち、さほど液密性等に関する精度が要求されない位置にウェルドラインが形成されるようにピストン本体153を構成しており、言い換えると、精度が要求される箇所にウェルドラインが形成されないようにしているため、生産性を向上しつつ必要な精度を確保することができる。
【0027】
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。図6は実施例2のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。実施例1では金属製のプレート部材を一体成形することで耐摩耗性の向上を図った。これに対し、実施例2では、冠面に金属蒸着膜を施すことで耐摩耗性の向上を図ったものである。冠面153kは、ピストン面153hよりも隆起した台座形状であり、この冠面153kの表面には耐摩耗性の高い蒸着膜153mが蒸着処理により被覆されている。例えばチタンナイトライドやダイアモンドライクカーボン等、耐摩耗性の高い蒸着方法が適宜選択される。
以上説明したように、実施例2にあっては、下記の作用効果が得られる。
(7)硬質体はピストン本体153の冠面153kに蒸着処理することで形成された蒸着膜153mである。よって、耐摩耗性の向上を図りつつ、金属製のプレート部材に比べて軽量化を図ることができる。また、剥離したとしてもピストン本体153の作動を妨げることがないため、下死点までのストローク量設定自由度を向上することができる。
【0028】
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。図7は実施例3のピストン本体を表す概略図である。実施例1ではプレート部材として円盤形状の部材を用いたが、実施例3では径方向において四方に延びる花びら型のプレート部材160を用いた点が異なる。プレート部材160は、先細りに径方向に延びる引っ掛け部161を円周上等間隔に4箇所有する。また、位置決め用のロケート穴160cを二箇所に有する。インサート成形が行われると、引っ掛け部161は樹脂製の爪部153g1によって覆われ、円形に金属プレート部分が露出してロッド当接面160aを形成する。これにより、プレート部材160の裏面160bと冠面153jとは密着し、更に、爪部153g1によって一体的に固定される。ここで、ロッド当接面160aに要求される領域は、ロケート穴160cが形成される位置の半径距離が中心軸OPと中心軸ORとのオフセット量に応じた長さ以上となる領域であればよい。よって、この領域を確保しつつ、それ以外の領域については金属部分を極力小さくすることで、軽量化を図ることができる。
【0029】
以上説明したように、実施例3にあっては下記の作用効果を得ることができる。
(8)プレート部材155は環状円盤の外周縁に引っ掛け部161(凸部)を有し、引っ掛け部161によってピストン本体と一体的に固定されている。よって、軽量化を図りつつ耐摩耗性を向上することができる。尚、環状円盤から延在した構成として引っ掛け部161を表現したが、大きな環状円盤から内周に向けて不要な部分を削り取り(凹部)、この削り取った残りの部分(凹部と凹部の間)が引っ掛け部161であるとも言える。
【0030】
〔実施例4〕
次に、実施例4について説明する。図8は実施例4のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。基本的な構成は実施例1と同じであるため、同様の機能を備えた部分には同じ符号を付し、異なる点については異なる符合を付して説明する。
実施例1のリザーバ15は、ロッド74の中心軸DRとピストン本体153の中心軸DPとがオフセットした構成とした。これに対し、実施例1ではロッド74の中心軸DRとピストン本体153の中心軸DPとが同じ軸線上に配置されている点が異なる。また、実施例1では、調圧弁収装孔31cの上方に液路10aが接続されていた。これに対し、実施例2では、調圧弁収装孔31cの内周面に拡径部31dを有し、この拡径部31dに対して側方から液路10aが接続されている点が異なる。また、実施例1では、調圧弁収装孔31cに液路13や10bが接続されていたが、実施例4では、有底孔31a内であって環状シール部材154aよりも上方の位置に直接開口している点が異なる。また、実施例1では環状シール部材は一つだけ設けられていたが、実施例4では上側環状シール部材154aと下側環状シール部材154bの二つを有する点が異なる。これに伴い、円周溝も上側環状溝153eと下側環状溝153e1の二つが形成されている点が異なる。また、実施例1では、リテーナ部材151の下方に空気孔151dが形成されていたが、実施例4では円筒状に折り曲げられた円筒状空気孔151d1が形成され、コイルスプリング152の保持性能を向上している点が異なる。
【0031】
また、実施例1では、ロッド74とピストン本体153とが別体として構成されていた。これに対し、実施例1では、ロッド74とピストン本体153とが一体成形されている点が異なる。具体的には、プレート部材155の中央にロッド保持孔155pを有し、ロッド74が圧入されてプレート部材155とロッド74とが一体部材とされる。次に、この一体部材を第1金型201に載置した後、インサート成形によってピストン本体153を成形する。これにより、組み付け性の向上を図ることができるものである。また、一体成形することで、ロッド74とプレート部材155は常時一体に作動するため、耐摩耗性を考慮する必要がなく、耐久性の向上を図ることができる。
また、ピストン本体153を樹脂成形し、その際、ロッド74も樹脂で一体成形することが考えられるが、ロッド74は軸方向に細長い部材であり、樹脂では十分な強度を確保できないおそれがある。これに対し、金属製のロッド74を金属製のプレート部材155と一体とした上でインサート成形することで、ロッド74の強度を確保し、また、倒れについてもプレート部材155によって確保することで全体としての耐久性の向上を図ることができる。
また、実施例4ではロッド74の中心軸DRとピストン本体153の中心軸DPとが同じ軸線上に配置されているため、ピストン本体153が回転すると、ロッド74も一体に回転するが、ロッド74とプレート部材155が一体であるため、偏磨耗を引き起こすこともない。また、回転力によってロッド74に倒れ力が作用することもなく、ロッド74の耐久性に影響を与えることはない。
【0032】
以上説明したように、実施例4にあっては下記の作用効果を得ることができる。
(9)プレート部材155とロッド74は一体成形されている。よって、当接に伴う磨耗を考慮する必要がなく、耐久性を向上できる。また、ロッド74の強度を確保しつつ、プレート部材155によって確保することができ、全体としての耐久性を向上することができる。
ここで、図9は他の実施例のリザーバの構成を表す拡大部分断面図である。基本的な構成は実施例4と同一である。実施例4では、ロッド74とプレート部材155とを別体とし、これを圧入して一体とする構成としたが、予めロッド部302とプレート部301とが一体成形されたロッド部材300を製造し、このロッド部材300を実施例4と同様にインサート成形することでも同様の作用効果が得られる。
【0033】
以下、上記実施例から把握しうる技術的思想について列挙する。
(10)内部に油路を有したハウジングに形成され前記油路に連通する有底孔内に設けられ、アンチロックブレーキ制御時に前記有底孔内をストロークする樹脂ピストン本体と、
前記ピストン本体の冠面に設けられ前記樹脂より耐摩耗性の高いプレート部材と、
前記ピストン本体を前記有底孔の底部方向に付勢する第1弾性部材と、
前記油路に配置された弁体と、
前記弁体が当接するシート部と前記プレート部材と前記弁体との間に配置され、前記弁体を前記シート部から離間させるロッドと、
前記弁体に一端側が当接して前記シート部の方向に付勢する前記第1弾性部材より弱い弾性力を有する第2弾性部材と、からなる調圧弁と、
を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、軽量化や低コスト化を図るべく樹脂製のピストン本体とした場合であっても、冠面のロッドに対する耐摩耗性を向上することができる。
(11)上記(10)に記載のブレーキ装置において、
前記プレート部材は前記ピストン本体に一体成形されたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、ピストン本体の樹脂成形時に同時に製造することができ、生産性を向上することができる。
【0034】
(12)上記(10)に記載のブレーキ装置において、
前記第1弾性部材であるコイルスプリングと、
前記ピストン本体は底部を有する有底筒状の部材であり、
前記コイルスプリングは前記底部を支持し、前記プレート部材の直径は前記コイルスプリングの外径より大きいことを特徴とするブレーキ装置。
よって、冠面には圧縮力しか作用せず、耐久性の低下を抑制できる。
(13)上記(12)に記載のブレーキ装置において、
前記プレート部材と前記ロッドとは一体成形されていることを特徴とするブレーキ装置。
よって、当接に伴う磨耗を考慮する必要がなく、耐久性を向上できる。
(14)上記(10)に記載のブレーキ装置において、
プレート部材の最大径は前記ピストン本体の最大ストローク量より大きく形成したことを特徴とするブレーキ装置。
よって、プレート部材がピストン本体から剥離した場合であっても、ピストン本体のストロークを妨げることがなく、安定した作動を維持できる。
(15)上記(10)に記載のブレーキ装置において、
前記ピストン本体は前記有底孔内に回転可能に配置され、
前記ロッドは前記ピストンの回転中心からオフセットして配置されていることを特徴とするブレーキ装置。
すなわち、ロッドとプレート部材とが常時同じ位置で当接するのではなく、ピストン本体が適宜回転して当接位置を変更しながら当接するため、プレート部材の耐久性の向上できる。
【0035】
(16)上記(10)に記載のブレーキ装置において、
前記ピストン本体の外周に形成された環状溝と、
前記環状溝内に装着され、前記有底孔内周面との間をシールし、前記有底孔内を液圧室と空気室に区画する環状シール部材と、を備え、
前記ピストン本体の空気室の領域にウェルドラインを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
すなわち、さほど液密性等に関する精度が要求されない位置にウェルドラインが形成されるようにピストン本体を構成しており、言い換えると、精度が要求される箇所にウェルドラインが形成されないようにしているため、生産性を向上しつつ必要な精度を確保することができる。
【0036】
(17)内部に油路を形成したハウジング内であって前記油路に連通する有底孔内に組みつけられる樹脂ピストン本体と、
前記ピストン本体の冠面に一体的に設けられた金属製プレート部材と、
前記油路に配置された弁体と、
前記弁体が当接するシート部と前記プレート部材と前記弁体との間に配置され、前記弁体を前記シート部から離間させる金属製ロッドと、
前記ピストン本体を前記有底孔の底部方向に付勢するコイルスプリングと、
前記弁体に一端側が当接して前記シート部の方向に付勢する前記コイルスプリングの付勢力より弱い弾性力を有する弾性部材とからなり、非作動時に前記弁体を前記シート部から離間するように構成された調圧弁と、
アンチロックブレーキ制御時に車両のホイルシリンダ内から流出したブレーキ液を前記ピストン本体がストロークすることで前記有底孔内に貯留可能なリザーバ機能を有し、
前記ピストン本体は底部を有する有底筒状の部材であり、前記コイルスプリングにより前記底部を支持し、前記プレート部材の直径は前記コイルスプリングの外径より大きいことを特徴とするブレーキ装置。
よって、軽量化や低コスト化を図るべく樹脂製のピストン本体とした場合であっても、冠面のロッドに対する耐摩耗性を向上することができる。また、冠面には圧縮力しか作用せず、耐久性の低下を抑制できる。
【0037】
(18)上記(17)に記載のブレーキ装置において、
前記金属製プレート部材はステンレス製であることを特徴とするブレーキ装置。
よって、必要な強度を確保しつつ耐腐食性を高めることができる。
(19)上記(18)に記載のブレーキ装置において、
前記プレート部材は円盤形状を成し、最大径は前記ピストン本体の最大ストローク量より大きく形成したことを特徴とするブレーキ装置。
よって、プレート部材がピストン本体から剥離した場合であっても、ピストン本体のストロークを妨げることがなく、安定した作動を維持できる。
(20)上記(19)に記載のブレーキ装置において、
前記ピストン本体は前記有底孔内に回転可能に配置され、
前記ロッドは前記ピストン本体の回転中心からオフセットして配置されていることを特徴とするブレーキ装置。
すなわち、ロッドとプレート部材とが常時同じ位置で当接するのではなく、ピストン本体が適宜回転して当接位置を変更しながら当接するため、プレート部材の耐久性の向上できる。
【符号の説明】
【0038】
7 調圧弁
10 液路
10a 液路
10b 液路
11 液路
13 液路
15 リザーバ
31 ハウジング
31a 有底孔
31b 小径筒部
31c 調圧弁収装孔
32 ブレーキ液圧制御装置
71 シート部材
71a シート部
72 ボール部材
73 調圧弁用リターンスプリング
74 ロッド
75 フィルタ部材
151 リテーナ部材
152 コイルスプリング
153 ピストン本体
153a 円筒部内周
153a1 底部
153b ウェルドライン形成部
153e 環状溝
153g 爪部
153h ピストン面
153j 冠面
153m 蒸着膜
154 環状シール部材
155 プレート部材
155c ロケート穴
160 プレート部材
300 ロッド部材
301 プレート部
302 ロッド部
M/C マスタシリンダ
P ポンプユニット
W/C ホイルシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に油路が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに形成され前記油路に連通する有底孔内に組みつけられるピストン本体と、
前記ピストン本体を前記有底孔の底部方向に付勢する第1弾性部材と、
前記油路に配置され、弁体と、前記弁体が当接するシート部と前記ピストン本体の冠面と前記弁体との間に配置され、前記弁体を前記シート部から離間させるロッドと、
前記弁体に一端側が当接して前記シート部の方向に付勢する前記第1弾性部材より弱い弾性力を有する第2弾性部材と、からなる調圧弁と、
アンチロックブレーキ制御時に、車両のホイルシリンダ内から流出したブレーキ液を前記ピストン本体がストロークすることで前記有底孔内に貯留可能なリザーバ機能を有し、
前記ピストン本体を樹脂成形するとともに前記ピストン本体の冠面に前記樹脂より硬質な硬質体を設け、前記硬質体を介して前記ピストン本体と前記ロッドとを当接させたことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーキ装置において、
前記硬質体はプレート部材であって、前記ピストン本体に一体成形されたことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のブレーキ装置において、
前記プレート部材は円盤状であり、
前記第1弾性部材はコイルスプリングであり、
前記ピストン本体は底部を有する有底筒状に形成された部材であり、
前記コイルスプリングは前記底部を支持し、前記プレート部材の直径は前記コイルスプリングの外径より大きいことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のブレーキ装置において、
前記プレート部材の最大径は、前記ピストン本体の最大ストローク量より大きいことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のブレーキ装置において、
前記ピストン本体は前記有底孔内に回転可能に配置され、
前記ロッドは、前記ピストン本体の回転中心からオフセットして配置されていることを特徴とするブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−131378(P2012−131378A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285256(P2010−285256)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】