説明

プソイドイソシトシン核酸塩基誘導体を含む3’改変オリゴヌクレオチド、およびプライマーまたはプローブとしてのその適用

特に、増幅反応中のプライマーダイマーの形成を減少させるプライマーの3’末端領域に特定の改変核酸塩基を含有するプライマー、およびその様々な使用方法を開示する。一実施形態において、本発明にしたがうポリヌクレオチドは、その3’末端から4ヌクレオチド以内に、少なくとも1つの改変されたピリミジン核酸塩基を含む。別の実施形態において、本発明は、これらの改変核酸塩基を用いたプライマー伸長法、オリゴヌクレオチド連結法、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、核酸増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))において適用するための化合物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標的核酸の存在を検出することは、医学的診断、法医学および遺伝子分析を含む様々な分野において様々に適用するためにおいて重要な役割を果たす。PCRは、標的核酸配列の選択的増幅によって標的核酸の存在を検出するための高感受性手段を提供できる核酸増幅法の一例である。
【0003】
PCRなどの核酸増幅に伴う重大な問題は、非特異的増幅産物の生成である。PCR反応において問題となることがある非特異的増幅プロセスの一例は、「プライマーダイマー」増幅である。プライマーダイマー増幅は、例えば、プライマーの3’末端領域がそれ自体または他のプライマーとのある程度の相補性を有する場合に生じ得る。そのようなプライマーは、相互にハイブリダイズして、プライマーダイマーを形成する。プライマーダイマーの増幅は、次に、順にさらなる増幅のための鋳型として作用し得るプライマーダイマーアンプリコンをもたらす。そのようなプロセスの1つの結果は、感受性の減少を生じさせるプライマーの枯渇またはさらには意図した標的核酸を増幅できなかったことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題を複雑にするものとして、PCR反応中の極めて過剰なプライマーの添加により、3’末端領域での弱い相補性でさえもプライマーダイマーアンプリコンが生じさせることが周知である。結果として、PCRなどの増幅反応におけるプライマーダイマー形成を抑制する試薬および方法を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、プライマーの3’末端領域内へ特定の改変された核酸塩基を組み込むと増幅反応中のプライマーダイマーアンプリコンの形成に有益な影響を及ぼすことができることが見いだされている。
【0006】
一部の実施形態では、本教示は、ポリヌクレオチドの3’末端から4ヌクレオチド以内の少なくとも1つの改変されたピリミジン核酸塩基を含むポリヌクレオチドであって、この改変されたピリミジン核酸塩基は、構造:
【0007】
【化2】

(式中、Rは、−H、−F、−Cl、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−C置換アルキル、C−C10アリール、C−C10置換アリール、C−C10アリールエーテル、C−C10置換アリールエーテル、−CF、アミン、置換アミン、C−C環状アルキル、C−C置換環状アルキル、フェニル、置換フェニルおよびヘテロアリールから選択される)を含む、ポリヌクレオチドを提供する。
【0008】
一部の実施形態では、Rは−Hであってもよい。一部の実施形態では、RはC−Cアルキルであってもよい。一部の実施形態では、RはC−C置換アルキルであってもよい。一部の実施形態では、RはC−C10アリールであってもよい。一部の実施形態では、RはC−C10置換アリールであってもよい。一部の実施形態では、Rは−CFであってもよい。一部の実施形態では、Rはアミノであってもよい。一部の実施形態では、Rは置換アミノであってもよい。一部の実施形態では、RはC−C環状アルキルであってもよい。一部の実施形態では、RはC−C置換環状アルキルであってもよい。一部の実施形態では、Rはフェニルであってもよい。一部の実施形態では、Rは置換フェニルであってもよい。一部の実施形態では、Rはヘテロアリールであってもよい。一部の実施形態では、Rはシアノであってもよい。一部の実施形態では、Rはニトロであってもよい。
【0009】
一部の実施形態では、少なくとも1つの改変されたピリミジン核酸塩基は、ポリヌクレオチドの3’末端から3ヌクレオチド以内である。一部の実施形態では、少なくとも1つの改変されたピリミジン核酸塩基は、ポリヌクレオチドの3’末端から2ヌクレオチド以内である。一部の実施形態では、少なくとも1つの改変されたヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの3’末端ヌクレオチドである。
【0010】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドはプライマーであってもよい。一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは3’末端で伸長可能である。
【0011】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは、検出可能な標識、クエンチャーまたはマイナーグルーブバインダー(minor groove binder)のうちの少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドはプローブとして機能できる。
【0012】
一部の実施形態では、本教示は、プライマー伸長法であって、ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の鎖上の相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングし、プライマー鋳型複合体を形成するように、ポリヌクレオチドプライマーを変性DNA鋳型にアニーリングさせる工程と、二本鎖アンプリコンを形成するためにプライマー鋳型複合体のプライマー部分を伸長させる工程とを含み、このポリヌクレオチドプライマーが本教示によるプライマーである、方法を提供する。
【0013】
一部の実施形態では、本教示は、プライマー伸長法であって、伸長させる工程の後に、二本鎖アンプリコンを変性させる工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも1回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも10回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも20回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも30回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも40回繰り返すことができる。
【0014】
一部の実施形態では、本教示は、プライマー伸長法であって、伸長させる工程がDNAアンプリコンフラグメントを形成するために伸長可能なヌクレオチド三リン酸および伸長不能なヌクレオチド三リン酸の存在下で行なわれる方法を提供する。一部の実施形態では、プライマー伸長法は、DNAアンプリコンフラグメントを検出する工程を含む。
【0015】
一部の実施形態では、本教示は、プライマー伸長法を提供し、この方法は:i)第1ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の第1鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ第2ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の第2鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングして、第1および第2プライマー鋳型複合体を形成するように、第1ポリヌクレオチドプライマーおよび第2ポリヌクレオチドプライマーを変性DNA鋳型の第1および第2鎖にアニーリングさせる工程と、ii)二本鎖DNAアンプリコンを形成するために第1および第2プライマー鋳型複合体のうちの少なくとも1つのプライマー部分を伸長させる工程とを含み、第1ポリヌクレオチドプライマーまたは第2ポリヌクレオチドプライマーのうちの少なくとも1つが本教示によるポリヌクレオチドであり得る。
【0016】
一部の実施形態では、本教示はプライマー伸長法を提供し、この方法は、アニーリングさせる工程の前に、第1ポリヌクレオチドプライマー、第2ポリヌクレオチドプライマー、DNA鋳型、および他のプライマー伸長試薬を含む混合物を形成する工程を含む。一部の実施形態では、本教示は、プライマー伸長法を提供し、この方法は、形成する工程の後、アニーリングさせる工程の前に、変性DNA鋳型の第1鎖および第2変性DNA鋳型を形成するためにDNA鋳型を変性させる工程を含む。一部の実施形態では、本教示は、伸長させる工程の後に、二本鎖DNAアンプリコンを変性させる工程を含むプライマー伸長法を提供する。
【0017】
一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で1〜100回繰り返すことができる。二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で1〜50回繰り返すことができる。本教示は、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程を繰り返すために1〜100回のあらゆる可能な範囲を含むことが理解される。つまり、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、1〜最大100回およびその間の任意の回数、繰り返すことができる。例えば、1〜10の範囲は、1〜10の間の全整数を用いてあらゆる可能な範囲、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を含むことが理解される。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で1回を超えて繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で10回を超えて繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で20回を超えて繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で30回を超えて繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で40回を超えて繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、任意で50回を超えて繰り返すことができる。
【0018】
一部の実施形態では、本教示は、プライマー部分を伸長させる工程の前に、ポリヌクレオチドプローブが変性DNA鋳型の第1鎖上の相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ/またはポリヌクレオチドプローブが変性DNA鋳型の第2鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングするように、ポリヌクレオチドプローブを変性DNA鋳型の第1または第2鎖にアニーリングさせる工程を含むプライマー伸長法を提供する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、少なくとも1つの検出可能な標識を含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、クエンチャー、マイナーグローブバインダーのうちの少なくとも一方またはそれらの両方をさらに含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは本教示のポリヌクレオチドであってもよい。
【0019】
一部の実施形態では、本教示は、オリゴヌクレオチド連結法を提供し、この方法は、i)第1ポリヌクレオチド鎖が変性DNA鋳型の鎖上の第1相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ第2ポリヌクレオチド鎖が変性DNA鋳型の鎖上の第2相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングするように、DNA鋳型にアニーリングした第1および第2ポリヌクレオチド鎖を含む複合体を形成する工程であって、変性DNA鋳型の鎖上の第2相補的ポリヌクレオチド配列が変性DNA鋳型の鎖上の第1相補的ポリヌクレオチド配列に対して5’に位置する、工程と、ii)第1および第2ポリヌクレオチド鎖間で安定な共有結合を形成する工程とを含み、ここで、第1ポリヌクレオチド鎖または第2ポリヌクレオチド鎖のうちの少なくとも1つが本教示のポリヌクレオチドである。
【0020】
一部の実施形態では、本教示は、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための方法を提供し、この方法は、
(a)第1および第2ポリヌクレオチドプローブが標的鎖内の第1および第2標的領域とそれぞれハイブリダイズし、第1ハイブリダイゼーション複合体を形成するために有効な条件下で、標的ポリヌクレオチド鎖を、
(i)標的鎖内の第1標的領域に相補的である配列を含有する第1ポリヌクレオチドプローブおよび
(ii)標的鎖内の第2標的領域に相補的である配列を含む第2ポリヌクレオチドプローブであって、第2標的領域が第1標的領域に対して5’に位置し、少なくとも1ヌクレオチド塩基で第1標的領域に重複する、第2ポリヌクレオチドプローブ、を含む第1プローブ対と反応させる工程と、
(b)標的鎖、第1プローブ、および第1プローブの3’末端ヌクレオチドに隣接して位置する5’末端ヌクレオチドを有する第2プローブの第1フラグメントを含む第2ハイブリダイゼーション複合体を形成するために、第1ハイブリダイゼーション複合体において第2プローブを切断する工程と、
(c)標的鎖にハイブリダイズした第1連結鎖を形成するために第1プローブを第2プローブのハイブリダイズしたフラグメントに連結する工程と、
(d)標的鎖から第1連結鎖を変性させる工程と、
(e)工程(a)〜(d)の1つまたは複数の追加のサイクルを実施する工程であって、ただし最終サイクルでは工程(d)が任意に省略される工程とを含み、第1プローブ、第2プローブのうちの少なくとも一方またはそれらの両方は本教示によるポリヌクレオチドである。
【0021】
一部の実施形態では、少なくとも1つの上記改変されたプリン核酸塩基は、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはその両方の3’末端から2ヌクレオチド以内である。一部の実施形態では、少なくとも1つの前記改変されたプリン核酸塩基は、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはその両方の3’末端から1ヌクレオチド以内である。一部の実施形態では、改変されたプリン核酸塩基は、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはそれらの両方の3’末端ヌクレオチドである。
【0022】
一部の実施形態では、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはそれらの両方は、検出可能な標識、クエンチャーもしくはマイナーグルーブバインダーのうちの少なくとも1つまたはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、第1領域は、第2領域と1ヌクレオチド塩基で重複する。一部の実施形態では、第1プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する。一部の実施形態では、第1プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する。一部の実施形態では、第2プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する。一部の実施形態では、第2プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する。一部の実施形態では、第2プローブの3’末端は、ヌクレオチド3’ヒドロキシル基以外の基で終結する。一部の実施形態では、第2プローブの3’末端は、ヌクレオチド3’リン酸基で終結する。
【0023】
一部の実施形態では、本教示は、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための方法を提供し、この方法は、
(a)第3および第4ポリヌクレオチドプローブが標的相補鎖内の第1および第2領域にそれぞれハイブリダイズし、第3ハイブリダイゼーション複合体を形成するために有効な条件下で、標的相補鎖を、
(i)標的相補鎖内の第1領域に相補的である配列を含有する第3ポリヌクレオチドプローブ、および
(ii)標的相補鎖内の第2領域に相補的である配列を含有する第4ポリヌクレオチドプローブであって、第2領域が第1領域に対して5’に位置し、少なくとも1ヌクレオチド塩基で第1領域に重複する、第4ポリヌクレオチドプローブを含む、第2プローブ対と反応させる工程と、
(b)標的相補鎖、第3プローブ、および第3プローブの3’末端ヌクレオチドに隣接して位置する5’末端ヌクレオチドを有する第4プローブの第1フラグメントを含む第4ハイブリダイゼーション複合体を形成するために、第2ハイブリダイゼーション複合体において第4プローブを切断する工程と、
(c)標的相補鎖にハイブリダイズした第2連結鎖を形成するために第3プローブを第4プローブのハイブリダイズしたフラグメントに連結する工程と、
(d)標的相補鎖から第2連結鎖を変性させる工程と、
(e)工程(a)〜(d)の1つまたは複数の追加のサイクルを実施する工程であって、ただし最終サイクルにおいて工程(d)が任意で省略される工程とを含む。一部の実施形態では、第3プローブもしくは第4プローブのうちの少なくとも一方またはそれらの両方は本教示によるポリヌクレオチドである。
【0024】
一部の実施形態では、少なくとも1つの上記改変されたプリン核酸塩基は、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはその両方の3’末端から2ヌクレオチド以内である。一部の実施形態では、少なくとも1つの上記改変されたプリン核酸塩基は、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはその両方の3’末端から1ヌクレオチド以内である。一部の実施形態では、上記改変されたプリン核酸塩基は、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはそれらの両方の3’末端ヌクレオチドであってもよい。一部の実施形態では、第1ポリヌクレオチドプローブ、第2ポリヌクレオチドプローブまたはそれらの両方は、検出可能な標識、クエンチャーもしくはマイナーグルーブバインダーのうちの少なくとも1つまたはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、第3プローブの5’末端は、任意でヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する。一部の実施形態では、第3プローブの5’末端は、任意でヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する。一部の実施形態では、第4プローブの5’末端は、任意でヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する。一部の実施形態では、第4プローブの5’末端は、任意でヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する。一部の実施形態では、第1、第2、第3および第4プローブの5’末端は、任意でヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する。一部の実施形態では、第4プローブの3’末端は、任意でヌクレオチド3’ヒドロキシル基以外の基で終結する。一部の実施形態では、第4プローブの3’末端は、任意でヌクレオチド3’リン酸基で終結する。一部の実施形態では、これらのプローブのうちの少なくと1つは検出可能な標識を含有する。一部の実施形態では、標識は蛍光標識であってもよい。一部の実施形態では、標識は放射性標識であってもよい。一部の実施形態では、標識は化学発光標識であってもよい。一部の実施形態では、標識は酵素であってもよい。一部の実施形態では、第1プローブおよび第3プローブのうちの少なくと1つは検出可能な標識を含有する。一部の実施形態では、第1プローブおよび第3プローブのそれぞれは検出可能な標識を含有する。一部の実施形態では、第1プローブおよび第3プローブ上の検出可能な標識は同一である。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブのうちの少なくと1つは検出可能な標識を含有する。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブのそれぞれは検出可能な標識を含有する。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブは同一の検出可能な標識を含有する。一部の実施形態では、上記切断する工程は、第2ハイブリダイゼーション複合体と結合していない第2プローブから第2フラグメントを生成し、該方法は、第2プローブ由来の第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記切断する工程は、第4ハイブリダイゼーション複合体と結合していない第4プローブから第2フラグメントを生成し、該方法は、第4プローブ由来の第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブのうちの少なくとも1つは(i)蛍光色素および(ii)蛍光色素が蛍光励起エネルギーを受けるとき、蛍光色素からの蛍光発光を消光させることができるクエンチャー色素の両方を含有し、上記切断する工程は第2プローブおよび/または第4プローブ内の蛍光色素とクエンチャー色素との共有結合を切断し、それによって蛍光色素からの観察可能な蛍光シグナルを増加させる。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブはそれぞれ、(i)蛍光色素および(ii)クエンチャー色素を含有する。
【0025】
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、両方の第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、第2フラグメントは、標的鎖に実質的に相補的ではない1つまたは複数の連続するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の連続するヌクレオチドは、1〜20個のヌクレオチドを含む。
【0026】
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、固体支持体上に第2フラグメントを固定化する工程をさらに含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、第2フラグメントを電気泳動に供する工程をさらに含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、質量分析法によって第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、最終サイクル後に第2フラグメントを検出する工程を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、複数のサイクル中または後に第2フラグメントを検出する工程を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、全サイクル中に第2フラグメントを検出する工程を含む。
【0027】
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための本教示の方法は、少なくとも1回のサイクル後に、第1ハイブリダイゼーション複合体、第2ハイブリダイゼーション複合体、またはそれらの両方を検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1回のサイクル後に、第3ハイブリダイゼーション複合体、第4ハイブリダイゼーション複合体、またはそれらの両方を検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1回のサイクル後に、第1連結鎖、第2連結鎖、またはそれらの両方を検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、検出する工程は電気泳動分離工程を含む。
【0028】
一部の実施形態では、本教示は、フラグメント分析方法を提供し、この方法は:i)オリゴヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングし、プライマー鋳型複合体を形成するように、オリゴヌクレオチドプライマーを変性DNA鋳型にアニーリングさせる工程と、ii)DNAアンプリコンフラグメントを形成するためにデオキシリボ核酸および伸長不能なリボ核酸の存在下でプライマー鋳型複合体のプライマー部分を伸長させる工程と、iii)DNAアンプリコンフラグメントを検出する工程とを含み、オリゴヌクレオチドプライマーが本教示のポリヌクレオチドである。
【0029】
以下のスキーム1は、所望のヌクレオチド配列を規定し得る複数(x)のヌクレオチド「N」を含む代表的なポリヌクレオチドを示している。スキーム中、下付き文字1、2、3...xは3’末端に対するプライマー内のヌクレオチドの位置を意味しており、「.....」は、N〜Nの間の1つまたは複数の追加のヌクレオチドの可能性を示している。
【0030】
5’−N.....N−3’
スキーム1
ここで、Nは代表的なポリヌクレオチドの3’末端に位置しており、代表的なポリヌクレオチドの3’末端ヌクレオチドと呼ぶことができる。同様に、Nは第2ヌクレオチド位置に位置しており、3’末端から1ヌクレオチドであると言うことができる。同様に、Nは第3ヌクレオチド位置に位置しており、3’末端から2ヌクレオチドであると言うことができる。同様に、Nは第4ヌクレオチド位置に位置しており、3’末端から3ヌクレオチドであると言うことができる。本教示の核酸塩基をプライマー内に組み込んだ結果として生じる減少したプライマーダイマー形成の作用は、おおよそN位置から3’末端に向かって本教示のポリヌクレオチドを全く有さないプライマーにおいて減少すると考えられる。
【0031】
本明細書で使用する用語「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、改変されたか、または天然に存在しないヌクレオチドを含有するポリマーを含むDNA、RNAまたはその両方の一本鎖または二本鎖ポリマーを意味するために互換的に使用される。さらに、用語「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、例えば、ペプチド核酸(PNA)(Nielsenら、Science 254:1497−1500(1991)で開示されている)、ビシクロDNAオリゴマー(Bolliら、Nucleic Acids Res.24:4660−4667(1996))および関連構造を含むがそれらに限定されない、核酸塩基特異的塩基対合によって相補的ポリヌクレオチド鎖と二重鎖を形成できる骨格および複数の核酸塩基を含む任意の他のタイプのポリマーを意味する。
【0032】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは、天然に存在する糖またはグリコシド部分、例えば、β−D−リボフラノースの骨格を含んでいてもよい。さらに、一部の実施形態では、本教示の改変されたヌクレオチドは、1つまたは複数の「糖アナログ」を含む骨格を含み得る。本明細書で使用する用語「糖アナログ」は、糖であるリボースのアナログを意味する。代表的なリボース糖アナログには、5より多いまたは少ない環原子を有する置換または未置換フラノース、例えばエリトロースおよびヘキソースならびに置換または未置換3〜6炭素の非環式糖が含まれるがそれらに限定されない。典型的な置換フラノースおよび非環式糖は、1つまたは複数の炭素原子が1つまたは複数の同一または異なる−R、−OR、−NRRもしくはハロゲン基(各Rは、独立して−H、(C−C)アルキルまたは(C−C14)アリールである)で置換されている置換フラノースおよび非環式糖である。5個の環原子を有する未置換および置換フラノースの例には、2’−デオキシリボース、2’−(C−C)−アルキルリボース、2’−(C−C)−アルコキシリボース、2’−(C−C14)−アリールオキシリボース、2’,3’−ジデオキシリボース、2’,3’−ジデオキシ−リボース、2’−デオキシ−3’−ハロリボース、2’−デオキシ−3’−フルオロリボース、2’−デオキシ−3’−クロロリボース、2’−デ−オキシ−3’−アミノリボース、2’−デオキシ−3’−(C−C)−アルキルリボース、2’−デオキシ−3’−(C−C)−アルコキシリボース、2’−デオキシ−3’−(C−C14)−アリールオキシリボース、3’−(C−C)−アルキルリボース−5’−三リン酸、2’−デオキシ−3’−(C−C)−アルキルリボース−5’−三リン酸、2’−デオキシ−3’−(C−C)−アルコキシリボース−5’−三リン酸、2’−デオキシ−3’−(C−C14)−アリール−オキシリボース−5’−三リン酸、2’−デオキシ−3’−ハロリボース−5’−三リン酸、2’−デオキシ−3’−アミノリボース−5’−三リン酸、2’,3’−ジデオキシリボース−5’−三リン酸または2’,3’−ジデヒドロリボース−5’−三リン酸が含まれるが、それらに限定されない。さらなる糖アナログには、例えば、LNA(ロックド核酸(locked nucleic acid))、すなわち例えば、参考として本明細書に援用されるWengel, ら、WO99/14226およびWengel J.,Acc.Chem.Res.,32:301−310(1998)に記載されている
【0033】
【化3】

のようなC−4’とC−2’での酸素原子との間のメチレン架橋を含有する糖アナログが含まれるが、それらに限定されない。
【0034】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドには、リン酸塩骨格が1つまたは複数の「リン酸塩アナログ」を含むポリヌクレオチドが含まれる。用語「リン酸塩アナログ」は、リン原子が+5酸化状態にあり、1つまたは複数の酸素原子が酸素ではない部分で置換されているリン酸塩のアナログを意味する。代表的なアナログには、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニリデート、ホスホルアミデート、ブロノホスフェート、および関連する対イオン(そのような対イオンが存在する場合はH、NH、Na、Mg++を含むが、それらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。リン酸塩アナログを含有する本教示のポリヌクレオチドは、例えば、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネートおよび/またはホスホロアミデートを含み得る(Chenら、Nucl Acids Res.,23:2662−2668(1995)参照)。ポリヌクレオチド結合の組み合わせもまた本教示の範囲内に含まれる。
【0035】
一部の実施形態では、本明細書に記載したポリヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA、ポリアミド核酸としても知られる)を含むPNAおよびDNA/PNAキメラ内に組み込むことができる(例えばNielsenら、Science 254:1497−1500(1991)を参照)。PNAは、DNAおよびRNAに特徴的な糖−リン酸塩骨格の代わりにポリアミド骨格によって結合されている複素環式核酸塩基単位を含有している。PNAは、相補的DNAおよびRNA標的配列にハイブリダイズすることができる。PNAオリゴマーの合成およびPNAオリゴマーの合成に使用される反応性モノマーは、例えば、米国特許第5,539,082号;第5,714,331号;第5,773,571号;第5,736,336号および第5,766,855号に記載されている。PNAおよびDNA/PNAキメラ合成にとっての代替アプローチおよびPNA合成のためのモノマーは、例えば、Uhlmann,ら、Angew.Chem.Int.Ed.37:2796−2823(1998)に要約されている。
【0036】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドのサイズは、長さが数ヌクレオチドのモノマー、例えば5〜80から、長さが数百または数千ヌクレオチドのモノマーの範囲に及んでよい。例えば、本教示のポリヌクレオチドは、5〜50個のヌクレオチド、5〜30個のヌクレオチド、または5〜20個のヌクレオチドを含有していてもよい。一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドが、例えば5〜30個のヌクレオチドを含有する場合、そのような範囲は長さが5〜30の間のあらゆる可能な範囲の整数、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、15、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29および30個のヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチドが例えば「ATGCCTG」などの文字の配列によって表される場合は常に、ヌクレオチドは左から右へ5’から3’の順序にあり、他に特に指示されない限り、「A」はデオキシアデノシンを意味し、「C」はデオキシシチジンを意味し、「G」はデオキシグアノシンを意味し、および「T」はチミジンを意味することが理解される。さらに、本教示のポリヌクレオチドが「X」を含む文字の配列によって表される場合は、「X」は可変ヌクレオチドモノマーを意味しており、「X」が「A」、「C」、「G」または「T」以外のヌクレオチドモノマーであることが理解される。
【0037】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは増幅反応におけるプライマーとして機能できる。本明細書で使用する「プライマー」は、1つまたは複数のヌクレオチドモノマーの添加または連結プローブの連結によって伸長可能である3’末端を有すると本明細書で定義されるポリヌクレオチドを意味する。
【0038】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは、それぞれが改変された核酸塩基を独立して含む1つまたは複数のヌクレオチドを含み得る。
【0039】
本明細書で使用する用語「改変された核酸塩基」は、1つまたは複数の官能基の添加および/または欠失、複素環構造における相違(すなわち、炭素のヘテロ原子との置換、またはその逆)、および/または1つまたは複数の置換基の付加によって天然に存在する塩基(例、A、G、C、TおよびU)とは相違する核酸塩基を含む。
【0040】
一部の実施形態では、本教示とともに使用するための改変された核酸塩基は、構造:
【0041】
【化4】

(式中、Rは、−H、−F、−Cl、C−Cアルキル、C−C置換アルキル、C−C10アリール、C−C10置換アリール、C−C10アリールエーテル、C−C10置換アリールエーテル、−CF、−NR、C−C環状アルキル、C−C置換環状アルキル、フェニル、置換フェニルおよびヘテロアリールから選択され、Rは、−H、−F、−Cl、C−Cアルキル、C−C置換アルキル、C−C10アリール、C−C10置換アリールである)を有する改変されたピリミジン核酸塩基を含む。
【0042】
本明細書で使用する「アルキル」は、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することによって生成される飽和または不飽和の、分枝状、直鎖状または環状一価炭化水素ラジカルを意味する。典型的なアルキル基には、メチル(メタニル);例えばエタニル、エテニル、エチニルなどのエチル類;例えばプロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イル、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル、シクロプロプ−1−エン−1−イルなどのプロピル類;シクロ−プロプ−2−エン−1−イル、プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イルなど;例えばブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロ−ブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−l,3−ジエン−1−イル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イルなどのブチル類などが含まれるが、それらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用する「アリール」は、芳香族環系の単一炭素原子から1個の水素原子を除去することによって生成される一価芳香族炭化水素ラジカルを意味する。典型的なアリール基には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどに由来するラジカルが含まれるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、アリール基は(C−C20)アリールまたは(C−C10)アリールである。さらなるアリール基は、フェニル(Cアリール)およびナフチル(C10アリール)である。
【0044】
本明細書で使用する「置換アルキル」、「置換アリールエーテル」、「置換アリール」、「置換アミン」、「置換環状アルキル」、または「置換フェニル」におけるような「置換(された)」は、アルキル、アリール、アミン、環状アルキルもしくはフェニル部分が1つまたは複数の水素ではない置換基によって置換されていることを意味する。そのような置換基には、−F、−Cl、−Br、−CF、アミン、−OH、−CCl、−CN、−CHO、−COR、−SOR、−PORR、−C(O)NRRおよび−NO(式中、Rは、−H、C−CアルキルもしくはC−C10アリールのいずれかであってもよい)が含まれるが、それらに限定されない。本明細書で使用する「ヘテロアリール」は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する任意の芳香族環系を意味する。ヘテロアリール部分の例には、フラン、チオフェン、ピリジン、ピロール、ピラジン、キノリンおよびピペリジンが含まれるが、それらに限定されない。
【0045】
一部の実施形態では、本教示に使用するための改変された核酸塩基には、Pankiewicz,K.,ら、J Org.Chem.,v.47,458−8(1982)およびChu,C.K.,ら、,J.Het Chem.,v.14,1119−21(1977)において最初に公開されたプソイドイソシチジン
【0046】
【化5】

の2’−デオキシ誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0047】
本教示と関連して使用するための様々なR置換基を有する改変された核酸塩基のさらなる例および調製は当技術分野において知られており、Ashkinazi,R.,ら、WO01019801A1,Hlavka,J.,ら、、米国特許第4,577,018号、Hlavka,J.,ら、,J.Het.Chem.,22(5),1317−22(1985),Skulnick,H.,ら、,J.Med.Chem.,28(12),1864−9(1985),Lazarus,R.,ら、,Biochemistry,20(24),6834−41(1981),Hunter,J.,ら、,DE 2522090,Wierenga,W.,ら、J.Med.Chem.,23(3),237−9(1980)およびその中で言及された参考文献に記載されたものが含まれるが、それらに限定されない。
【0048】
本教示と関連して使用するための、核酸塩基およびヌクレオシド/ヌクレオチドならびにこれらを作製する方法のさらなる例は、Scifinder(登録商標)Scholar、Chemical Abstracts(登録商標)などを含む当技術分野において知られている様々なデータベースの中に見いだすことができる。本教示と関連して使用するためのさらなるヌクレオシドおよびヌクレオチドは、当業者であれば、本明細書および上述した参考文献に提供される教示と組み合わせてか、またはそれとは独立して、当該分野において周知の化学合成方法によって容易に入手できる。
【0049】
天然に存在する塩基、改変された塩基および塩基アナログのあらゆる互変異性体形は、本教示のポリヌクレオチドに含めることができる。
【0050】
したがって、通常の塩基、改変されたピリミジン核酸塩基、ユニバーサル塩基(universal base)、糖改変、またはDNA、PNAもしくはDNA/PNAキメラの骨格改変の任意の組み合わせを有するポリヌクレオチドは本教示の範囲内に含まれる。
【0051】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの検出可能な標識、非蛍光クエンチャーおよび/または少なくとも1つの安定化部分に結合体化させることができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの検出可能な標識、非蛍光クエンチャーおよび/または少なくとも1つの安定化部分に結合体化している本教示のポリヌクレオチドは、増幅反応においてプローブまたはプライマーとして機能することができる。
【0052】
用語「検出可能な標識」は、本教示のポリヌクレオチドに付加させた場合に公知の検出手段を用いてそのようなポリヌクレオチドを検出可能にさせる任意の部分を意味する。代表的な検出可能な標識には、適切な検出器、または結合対(例えば、標識抗体またはアビジン)の検出可能な抗リガンドに対して高い親和性で特異的に結合できるリガンド(例えば、抗原またはビオチン)によって標識された化合物の直接検出を可能にする、フルオロフォア、発色団、放射性同位体、スピン標識、酵素標識または化学発光標識が含まれるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、標識は、フルオレセインもしくはローダミン色素などの蛍光色素またはFRET色素などの蛍光色素対であってもよい。
【0053】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは、1つまたは複数の「非蛍光クエンチャー」部分を含み得る。本明細書で使用する「非蛍光クエンチャー」には、例えば特定のアゾ色素(例、DABCYLまたはDABSYL色素およびそれらの構造アナログ)、トリアリールメタン色素(例えば、マラカイトグリーンまたはフェノールレッド)、4’,5’−ジエーテル置換フルオレセイン(米国特許第4,318,846号)、不斉のシアニン色素クエンチャー(例えば、Lee ら、、米国特許第6,080,868号およびLee,ら、、米国特許第6,348,596号を参照)、または1つまたは複数のアミノ窒素原子において芳香族もしくはヘテロ芳香族環系によって置換されている3−および/または6−アミノキサンテンの非蛍光誘導体(Haugland, ら、、米国特許第6,399,392号)が含まれるが、それらに限定されない。
【0054】
本明細書で使用する「非蛍光」は、本明細書に記載した任意の方法について記載したアッセイ溶液中の消光部分の蛍光効率が、発光−λmaxで5%以下の発光であることを示している。一部の実施形態では、発光−λmaxで1%以下の発光である。本教示の一部の実施形態では、共有結合した消光部分は、発光−λmaxで約0.1%未満の量子収率を示す。一部の実施形態では、発光−λmaxで約0.01%未満である。
【0055】
一部の実施形態では、本教示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの「安定化部分」に結合体化していてもよい。本明細書で使用する用語「安定化部分」は、マイナーグルーブバインダー(MGB)部分を含むがそれに限定されない部分を意味する。文献には、様々の適切なマイナーグルーブバインダーが記載されている。例えば、Kutyavin,ら、、米国特許第5,801,155号;Wemmer,D.E.,and Dervan P.B.,Current Opinon in Structural Biology,7:355−361(1997);Walker,W.L.,Kopka,J.L.and Goodsell,D.S.,Biopolymers,44:323−334(1997);Zimmer,C & Wahnert,U.Prog.Biophys.Molec.Bio. 47:31−112(1986)およびReddy,B.S.P.,Dondhi,S.M.,and Lown,J. W.,Pharmacol.Therap.,84:1−111(1999)を参照されたい。
【0056】
リンカーを通してポリヌクレオチドへMGB(ならびに上述したフルオロフォアおよびクエンチャーなどのレポーター基)を付加させるために適切な方法は、例えば、米国特許第5,512,677号;同第5,419,966号;同第5,696,251号;同第5,585,481号;同第5,942,610号および同第5,736,626号に記載されている。マイナーグルーブバインダーには、例えば、3−カルバモイル−1,2−ジヒドロ−(3−H7)−ピロロ[3,2−e]インドール−7−カルボキシレート(CDPI)のトリマーおよびN−メチルピロール−4−カルボキシ−2−アミド(MPC)のペンタマーが含まれる。さらなるMGB部分は、米国特許第5,801,155号に開示されている。特定の実施形態では、MGBは、付着した水溶性強化基(例、糖またはアミノ酸)を有していてもよい。
【0057】
本教示のポリヌクレオチドは、例えばポリヌクレオチド鎖伸長または連結反応におけるプライマーおよび/またはプローブとしての使用を見出され得る。本明細書で使用する「鎖伸長反応」は、少なくとも1つの本教示のポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたは連結プローブとして)が少なくとも1つのDNA鋳型鎖にアニーリングできるプライマー伸長反応を意味する。ポリヌクレオチド鎖伸長反応におけるアニーリングさせる工程の後に、プライマーは、次に、アンプリコンまたは伸長産物を形成するために少なくとも1ヌクレオチド伸長させることができる。または、ポリヌクレオチド鎖伸長反応におけるアニーリングさせる工程の後に、プライマーは連結産物を形成するために第2連結プローブに連結させることができる。本教示は、例えば、The PCR Technique:DNA Sequencing II,Eaton Publishing Co.(1997),Genome Analysis,A Laboratory Manual Volume I:Analyzing DNA,Birren,B.,Green,E., Klapholz,S.,Myers,R.M.and Roskams,J. Eds.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1997),Innis, M.ら、,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press(1989), Chen,C. ら、、米国特許出願公開2003/0207266A1、 Erlich,ら、、米国特許第5,314,809号、米国特許第6,221,606号およびBi,W., ら、、米国特許第6,511,810号に記載されているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ネステッドPCR、非同期PCR、リアルタイムPCR、TaqManアッセイ、DNA配列決定、反復される(cycled)DNA配列決定、オリゴヌクレオチド連結アッセイ(OLA)、およびフラグメント分析を含むが、それらに限定されないあらゆる可能な鎖伸長反応を含む。本教示のオリゴヌクレオチドは、それぞれが適切な場合にプライマーまたはプローブのいずれかとして上記のプライマー伸長反応のいずれかにおいて使用できる。
【0058】
一部の実施形態では、本教示は、プライマー伸長法を提供し、この方法は、ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の鎖上の相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングしてプライマー鋳型複合体を形成するように、ポリヌクレオチドプライマーを変性DNA鋳型へアニーリングさせる工程と、二本鎖アンプリコンを形成するためにプライマー鋳型複合体のプライマー部分を伸長させる工程とを含み、ここで、このポリヌクレオチドプライマーが本教示によるプライマーである。
【0059】
一部の実施形態では、本教示は、伸長させる工程の後に、二本鎖アンプリコンを変性させる工程を含むプライマー伸長法を提供する。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも1回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも10回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも20回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも30回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも40回繰り返すことができる。
【0060】
一部の実施形態では、本教示は、プライマー伸長法を提供し、この方法は、i)第1ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の第1鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ第2ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の第2鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングして、第1および第2プライマー鋳型複合体を形成するように、第1ポリヌクレオチドプライマーおよび第2ポリヌクレオチドプライマーを変性DNA鋳型の第1および第2鎖にアニーリングさせる工程と、ii)二本鎖DNAアンプリコンを形成するために第1および第2プライマー鋳型複合体のうちの少なくとも1つのプライマー部分を伸長させる工程とを含み、第1ポリヌクレオチドプライマーまたは第2ポリヌクレオチドプライマーのうちの少なくとも1つが本教示によるポリヌクレオチドであり得る。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程の前に、本方法は第1ポリヌクレオチドプライマー、第2ポリヌクレオチドプライマー、DNA鋳型、ならびに例えば緩衝液およびポリメラーゼを含む他のプライマー伸長試薬を含む混合物を形成する工程を含むことができる。一部の実施形態では、本教示において使用するためのポリメラーゼは、Taq、Pfu、Vent、Deep Vent、Pwo、UITma、およびTthポリメラーゼならびにそれらの酵素的に活性な突然変異体および改変体を含むが、それらに限定されない少なくとも1つの他の熱安定性ポリメラーゼを含むことができる。そのようなポリメラーゼは、周知であるか、かつ/または市販されている。ポリメラーゼについての説明は、特に、ワールドワイドウエブURL:the−scientist.library.upenn.edu/yrl998/jan/profile1_980105.htmlで見いだすことができる。
【0061】
一部の実施形態では、形成する工程の後、アニーリングさせる工程の前に、本方法は、変性DNA鋳型の第1鎖および第2変性DNA鋳型を形成するためにDNA鋳型を変性させる工程を含むことができる。一部の実施形態では、伸長させる工程の後に、二本鎖DNAアンプリコンを変性させる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、1〜100回繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、10〜100回繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、20〜100回繰り返すことができる。一部の実施形態では、二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、30〜100回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも1回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも10回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも20回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも30回繰り返すことができる。一部の実施形態では、アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程は、少なくとも40回繰り返すことができる。
【0062】
一部の実施形態では、本教示はプライマー伸長法を提供し、この方法は、プライマー部分を伸長させる工程の前に、ポリヌクレオチドプローブが変性DNA鋳型の第1鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ/またはポリヌクレオチドプローブが変性DNA鋳型の第2鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングするように、ポリヌクレオチドプローブを変性DNA鋳型の第1または第2鎖へアニーリングさせる工程を含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、少なくとも1つの検出可能な標識を含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、クエンチャー、マイナーグローブバインダーのうちの少なくとも一方またはこれらの両方をさらに含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは本教示のポリヌクレオチドであってもよい。
【0063】
一部の実施形態では、本教示は、「フラグメント分析」または「遺伝子分析」法を提供し、ここで、標識されたポリヌクレオチドフラグメントは、標識されたプライマーまたはヌクレオチドを用いて鋳型指向性酵素合成を通して生成することができ、このフラグメントはサイズ依存性分離プロセス(例えば、電気泳動またはクロマトグラフィー)に供され得;そして分離されたフラグメントは分離に引き続いて、例えば、レーザー誘起蛍光によって検出できる。一部の実施形態では、複数のクラスのポリヌクレオチドは同時に分離され、異なるクラスは分光法により分解できる(spectrally resolvable)標識によって識別される。
【0064】
一部の実施形態では、本教示は、4つの可能性のある末端塩基と1セットの分光法により分解できる色素のメンバーとの間で対応が確立されるように、末端ヌクレオチドによって、フラグメントのクラスを同定および規定することのできるできるフラグメント分析法を提供する。そのようなセットは、市販される分光光度計を用いて発光および吸光帯域幅を測定することによって当技術分野において知られている蛍光色素から容易に組み立てられる。一部の実施形態では、フラグメントのクラスは、DNA配列決定の連鎖停止法、すなわち、ジデオキシDNA配列決定、またはSangerタイプの配列決定を通して形成される。
【0065】
Sangerタイプの配列決定は、その配列を決定できる一本鎖または二本鎖DNA鋳型を用いてインビトロでのDNAポリメラーゼによるDNA鎖の合成を含む。合成は、オリゴヌクレオチドプライマーが鋳型にアニーリングする場所に基づいて規定の部位で開始される。合成反応は、連続的なDNA伸長を補助しないヌクレオチドアナログの組み込みによって停止される。代表的な連鎖停止ヌクレオチドアナログには、3’から5’DNA鎖伸長に必要とされる3’−OH基を欠く2’,3’−ジデオキシヌクレオシド5’−三リン酸(ddNTP)が含まれる。dNTP(2’−デオキシヌクレオシド5’−三リン酸)と4つのddNTPのうちの1つとの適正な比率が使用される場合は、酵素触媒される重合は、ddNTPが組み込まれる各部位において鎖の集団の一部で終結される。標識されたプライマーまたは標識されたddNTPが各反応のために使用される場合は、配列情報は、高分解能電気泳動による分離後に蛍光によって検出することができる。連鎖停止法では、本発明の色素は、配列決定プライマーまたはジデオキシヌクレオチドのいずれかに付加させることができる。本方法では、蛍光色素分子は、例えばFung,ら、、米国特許第4,757,141号における教示にしたがって、プライマーの5’末端の相補的官能基へか、プライマーの核酸塩基上にか;または、例えば、参考として本明細書に援用されるHobbsら、欧州特許出願第87305844.0号およびHobbsら、J Org.Chem.,54:3420(1989)に開示されているアルキニルアミノ連結基を介して、ジデオキシヌクレオシドの核酸塩基上へ連結させることができる。
【0066】
一部の実施形態では、標識されたポリヌクレオチドは、好ましくは例えば、Rickwood and Hames,Eds.,Gel Electrophoresis of Nucleic Acids:A Practical Approach,IRL Press Limited,London,1981;Osterman,Methods of Protein and Nucleic Acid Research,Vol.1 Springer−Verlag,Berlin,1984;または米国特許第5,374,527号、同第5,624,800号および/または同第5,552,028号に開示されたような電気泳動によって分離できる。一部の実施形態では、電気泳動マトリックスのタイプは、約2〜20重量%の濃度(重量対容積)を有する架橋されたかまたは架橋されていないポリアクリルアミドであってもよい。一部の実施形態では、ポリアクリルアミド濃度は約4〜8%である。一部の実施形態では、例えばDNA配列決定では、電気泳動マトリックスは、変性剤、例えば尿素、ホルムアミドなどを含むことができる。そのようなマトリックスを構築するための詳細な方法は、例えば、Maniatisら、“Fractionation of Low Molecular Weight DNA and RNA in Polyacrylamide Gels Containing 98% Formamide or 7 M Urea,”in Methods in Enzymology,65:299−305(1980);Maniatisら、“Chain Length Determination of Small Double− and Single−Stranded DNA Molecules by Polyacrylamide Gel Electrophoresis,”Biochemistry,14:3787−3794(1975);Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York,pgs.179−185(1982);and ABI PRISMTM 377 DNA Sequencer User’s Manual,Rev.A,January 1995,Chapter 2(Applied Biosystems,Foster City,CA)に示される。特定の分離において使用される最適な電気泳動条件、例えばポリマー濃度、pH、温度、および変性剤の濃度は、分離すべき核酸のサイズ範囲、それらの塩基組成、それらが一本鎖または二本鎖のいずれであるか、および電気泳動によって情報が求められるクラスの性質を含む多数の要因に依存することが理解される。
【0067】
電気泳動による分離に続いて、標識されたポリヌクレオチドは、例えば、標識されたポリヌクレオチド上の色素からの蛍光発光を測定する工程によって検出できる。そのような検出を実施するために、標識されたポリヌクレオチドは、高強度水銀放電ランプ、レーザーなどの標準的な手段によって照射される。一部の実施形態では、照射手段は、約600nmを超える波長の照射光線を有するレーザーである。一部の実施形態では、色素−ポリヌクレオチドは、He−Neガスレーザーまたは固体ダイオードレーザーによって生成されるレーザー光によって照射される。照射後、標識されたポリヌクレオチドの蛍光強度は、光電子増倍管、電荷結合デバイス(charged coupled device)などの感光性検出器によって測定できる。代表的な電気泳動検出システムは、例えば米国特許第5,543,026号;同第5,274,240号;同第4,879,012号;同第5,091,652号および同第4,811,218号などの他の場所で記載されている。
【0068】
一部の実施形態では、本教示は、フラグメント分析法を提供し、この方法は、ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の鎖上の相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングして、プライマー鋳型複合体を形成するように、ポリヌクレオチドプライマーを変性DNA鋳型へアニーリングさせる工程と、DNAアンプリコンフラグメントを形成するために伸長可能なヌクレオチド三リン酸および伸長不能なヌクレオチド三リン酸の存在下でプライマー鋳型複合体のプライマー部分を伸長させる工程と、DNAアンプリコンフラグメントを検出する工程とを含む。一部の実施形態では、このポリヌクレオチドプライマーは本教示のオリゴヌクレオチドであってもよい。本教示によるフラグメント分析法のさらなる実施形態は、例えば、参考として本明細書に援用される米国特許第6,221,606号に見いだすことができる。
【0069】
本明細書で使用する「連結反応」は、対立遺伝子特異的連結プローブが少なくとも1つのDNA鋳型鎖へアニーリングされ、プローブ鋳型複合体を形成する反応を意味する。アニーリングさせる工程後に、共有結合は、次に連結産物を形成するために連結剤(ligation agent)によってプローブおよび第2オリゴヌクレオチドフラグメントの間で形成される。本発明による連結剤は、任意の数の酵素的または化学的(すなわち、非酵素)剤を含み得る。例えば、リガーゼは、適切な条件下で、隣接ポリヌクレオチドの3’−OHおよび5’−リン酸塩の間でホスホジエステル結合を形成する酵素的連結剤である。温度感受性リガーゼには、バクテリオファージT4リガーゼ、バクテリオファージT7リガーゼ、および大腸菌(E. coli)リガーゼが含まれるが、それらに限定されない。熱安定性リガーゼには、Taqリガーゼ、Tthリガーゼ、およびPfuリガーゼが含まれるが、それらに限定されない。熱安定性リガーゼは、原核生物、真核生物、または古細菌生物を含むがそれらに限定されない好熱性または超好熱性生物から入手できる。一部のRNAリガーゼもまた、本発明の方法において使用できる。
【0070】
化学的連結剤には、制限なく、カルボジイミド、臭化シアン(BrCN)、N−シアノイミダゾール、イミダゾール、1−メチルイミダゾール/カルボジイミド/シスタミン、ジチオトレイトール(DTT)および紫外光などの活性化剤、縮合剤、および還元剤が含まれる。自己連結反応(autoligation)、すなわち連結剤の不在下での自発的な連結もまた本発明の範囲内に含まれる。化学的連結方法についての詳細なプロトコルおよび適切な反応性基についての説明は、特に、Xuら、Nucleic Acid Res.,27:875−81(1999);Gryaznov and Letsinger,Nucleic Acid Res.21:1403−08(1993);Gryaznovら、Nucleic Acid Res.22:2366−69(1994);Kanaya and Yanagawa,Biochemistry 25:7423−30(1986);Luebke and Dervan, Nucleic Acids Res.20:3005−09(1992);Sievers and von Kiedrowski,Nature 369:221−24(1994);Liu and Taylor,Nucleic Acids Res.26:3300−04(1999);Wang and Kool,Nucleic Acids Res.22:2326−33(1994);Purmalら、Nucleic Acids Res.20:3713−19(1992);Ashley and Kushlan,Biochemistry 30:2927−33(1991);Chu and Orgel,Nucleic Acids Res.16:3671−91(1988);Sokolovaら、FEBS Letters 232:153−55(1988);Naylor and Gilham,Biochemistry 5:2722−28(1966);米国特許第5,476,930号;およびRoyer,EP324616B1の中に見いだすことができる。一部の実施形態では、連結剤は「活性化」剤または還元剤である。化学的連結が使用される場合は、第1プローブの3’末端および第2プローブの5’末端は連結を促進するために適切な反応性基を含むべきである。
【0071】
一部の実施形態では、本教示は、オリゴヌクレオチド連結法を提供し、この方法は、i)第1ポリヌクレオチド鎖が変性DNA鋳型の鎖上の第1相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ第2ポリヌクレオチド鎖が変性DNA鋳型の鎖上の第2相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングするように、DNA鋳型にアニーリングした第1および第2ポリヌクレオチド鎖を含む複合体を形成する工程であって、変性DNA鋳型の鎖上の第2相補的ポリヌクレオチド配列が変性DNA鋳型の鎖上の第1相補的ポリヌクレオチド配列に対して5’に位置する、工程と、ii)第1および第2ポリヌクレオチド鎖間で安定な共有結合を形成する工程とを含み、第1ポリヌクレオチド鎖または第2ポリヌクレオチド鎖のうちの少なくとも1つが本教示のポリヌクレオチドである。
【0072】
一部の実施形態では、本教示は、オリゴヌクレオチド連結法を提供し、この方法は、第1オリゴヌクレオチドが変性DNA鋳型の鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングして、第1オリゴヌクレオチド鋳型複合体を形成するように、第1オリゴヌクレオチドを変性DNA鋳型の鎖にアニーリングさせる工程と、第2オリゴヌクレオチド鋳型複合体を形成するために第2オリゴヌクレオチドに相補的である第1オリゴヌクレオチド鋳型複合体上のオリゴヌクレオチド配列へ第2オリゴヌクレオチドをアニーリングさせる工程であって、第1オリゴヌクレオチドの3’末端および第2オリゴヌクレオチドの5’末端が変性DNA鋳型の隣接するヌクレオチドと結合するように、第2オリゴヌクレオチドを第1オリゴヌクレオチド鋳型複合体にアニーリングさせる工程と、第1オリゴヌクレオチドの3’末端と第2オリゴヌクレオチドの5’末端との間で安定な共有結合を形成する工程とを含む。一部の実施形態では、第1オリゴヌクレオチドまたは第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは本教示のオリゴヌクレオチドであってもよい。
【0073】
一部の実施形態では、本教示は、標的ポリヌクレオチド配列を検出するための方法を提供し、この方法は、
(a)第1および第2ポリヌクレオチドプローブが標的鎖内の第1および第2標的領域とそれぞれハイブリダイズし、第1ハイブリダイゼーション複合体を形成するため、ならびに第3および第4ポリヌクレオチドプローブが標的相補鎖内の第1および第2標的領域とそれぞれハイブリダイズし、第2ハイブリダイゼーション複合体を形成するために有効な条件下で、標的ポリヌクレオチド鎖および標的相補鎖を、
(i)標的鎖内の第1標的領域に相補的である配列を含有する第1ポリヌクレオチドプローブおよび
(ii)標的鎖内の第2標的領域に相補的である配列を含む第2ポリヌクレオチドプローブであって、第2標的領域が第1標的領域に対して5’に位置し、第1標的領域に少なくとも1ヌクレオチド塩基で重複する第2ポリヌクレオチドプローブを含む、第1プローブ対、ならびに
(i)標的相補鎖内の第1領域に相補的である配列を含有する第3ポリヌクレオチドプローブおよび
(ii)標的相補鎖内の第2標的領域に相補的である配列を含有する第4ポリヌクレオチドプローブであって、第2領域が第1領域に対して5’に位置し、第1領域に少なくとも1ヌクレオチド塩基で重複する、第4ポリヌクレオチドプローブを含む第2プローブ対を反応させる工程と、
(b)(i)標的鎖、第1プローブ、および第1プローブの3’末端ヌクレオチドに隣接して位置する5’末端ヌクレオチドを有する第2プローブの第1フラグメントを含む第3ハイブリダイゼーション複合体、ならびに(ii)標的相補鎖、第3プローブ、および第3プローブの3’末端ヌクレオチドに隣接して位置する5’末端ヌクレオチドを有する第4プローブの第1フラグメントを含む第4ハイブリダイゼーション複合体を形成するために、第1ハイブリダイゼーション複合体において第2プローブ、および第2ハイブリダイゼーション複合体において第4プローブを切断する工程と、(c)標的鎖にハイブリダイズした第1連結鎖を形成するために、第2プローブのハイブリダイズしたフラグメントに第1プローブを連結させ、標的相補鎖にハイブリダイズした第2連結鎖を形成するために第4プローブのフラグメントに第3プローブを連結させる工程と、(d)標的鎖から第1連結鎖を、および標的相補鎖から第2連結鎖を変性させる工程と、(e)工程(a)〜(d)の1つまたは複数の追加のサイクルを実施する工程であって、ただし最終サイクルにおいて工程(d)が任意で省略される、工程とを含む。
【0074】
一部の実施形態では、第1領域は、第2領域と1ヌクレオチド塩基で重複してよい。一部の実施形態では、第1および第3プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結してよい。一部の実施形態では、第1および第3プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結してよい。一部の実施形態では、第2および第4プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結してよい。一部の実施形態では、第2および第4プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結してよい。一部の実施形態では、第1、第2、第3および第4プローブの5’末端は、それぞれ独立してヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結してよい。一部の実施形態では、第2および第4プローブの3’末端は、それぞれ独立してヌクレオチド3’ヒドロキシル基以外の基で終結してよい。一部の実施形態では、第2および第4プローブの3’末端は、ヌクレオチド3’リン酸基で終結してよい。
【0075】
一部の実施形態では、これらのプローブのうちの少なくと1つは検出可能な標識を含有していてもよい。一部の実施形態では、標識は蛍光標識であってもよい。一部の実施形態では、標識は放射性標識であってもよい。一部の実施形態では、標識は化学発光標識であってもよい。一部の実施形態では、標識は酵素であってもよい。一部の実施形態では、第1プローブおよび第3プローブのうちの少なくと1つは検出可能な標識を含有してよい。一部の実施形態では、第1プローブおよび第3プローブのそれぞれは検出可能な標識を含有してよい。一部の実施形態では、第1プローブおよび第3プローブ上の検出可能な標識は同一であってもよい。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブのうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含有してよい。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブのそれぞれは検出可能な標識を含有する。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブは同一の検出可能な標識を含有してよい。
【0076】
一部の実施形態では、切断する工程は、第3ハイブリダイゼーション複合体と結合していない第2プローブから第2フラグメントを生成し、本方法は、上記第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。
【0077】
一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブのうちの少なくとも1つは(i)蛍光色素および(ii)蛍光色素が蛍光励起エネルギーを受けるとき、蛍光色素からの蛍光発光を消光させることができるクエンチャー色素の両方を含有し、上記切断する工程は第2プローブおよび/または第4プローブにおける蛍光色素とクエンチャー色素との間の共有結合を切断し、それによって蛍光色素からの観察可能な蛍光シグナルを増加させる。一部の実施形態では、第2プローブおよび第4プローブはそれぞれ、(i)蛍光色素および(ii)クエンチャー色素を含有していてもよい。
【0078】
一部の実施形態では、上記切断する工程は、第4ハイブリダイゼーション複合体と結合していない第4プローブから第2フラグメントを生成し、本方法は、両方の第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、第2フラグメントは、標的鎖に実質的に相補的ではない1つまたは複数の連続するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の連続するヌクレオチドは、1〜20個のヌクレオチドを含む。
【0079】
一部の実施形態では、本方法は、固体支持体上に第2フラグメントを固定化する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第2フラグメントを電気泳動に供する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、質量分析法によって第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、最終サイクル後に第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、複数のサイクル中または後に第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、全サイクルの間に第2フラグメントを検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1回のサイクル後に、第1ハイブリダイゼーション複合体、第2ハイブリダイゼーション複合体、またはそれらの両方を検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1回のサイクル後に、第3ハイブリダイゼーション複合体、第4ハイブリダイゼーション複合体、またはそれらの両方を検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1回のサイクル後に、第1連結鎖、第2連結鎖、またはそれらの両方を検出する工程をさらに含む。一部の実施形態では、前記検出する工程は、電気泳動による分離工程を含む。
【0080】
標的ポリヌクレオチドを検出するための連結方法のさらなる実施形態は、参考としてその全体が本明細書に組み込まれるBi,W.ら、の米国特許第6,511,810号に見いだすことができる。
【実施例】
【0081】
材料および方法
他に特に指示されていない限り、全ての合成反応は、アルゴン雰囲気下で、オーブンまたは火炎乾燥したガラス器具中で実施した。塩化メチレン(CHCl)は、アルゴン下で水素化カルシウム(CaH)から蒸留した。他に特に指示されていない限り、その他のすべての溶媒は、配給業者から受領したままで使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Sigma−Aldrich社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した1mmシリカゲルプレート上で実施し、UV光(Spectroline;ENF−240C型)で可視化したか、またはKMnOもしくはリンモリブデン酸により染色した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Sigma−Aldrich社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した平均粒径40μmのシリカゲルを用いて実施した。非誘導体化CPG支持体は、Applied Biosystems Inc(P/N 360139、カリフォルニア州フォスターシティー)から入手した。他に特に指示されていない限り、他のすべての試薬はSigma−Aldrich社から購入した。他に特に指示されていない限り、自動DNA合成は、標準プロトコルにしたがって0.2μmolスケールでABI394 DNA合成装置で実施した。オリゴヌクレオチドは、Agilent 1100 HPLCシステム上で逆相HPLCによって精製した。ESI−TOF質量スペクトルは、Mariner質量分光計(Applied Biosystems社、フォスターシティー)で記録した。合成されたオリゴヌクレオチドの純度は、Agilent CEシステム上でキャピラリー電気泳動(CE)によって確かめた。
【0082】
合成
2’−デオキシ−プソイドイソシチジンCPG:
2’−デオキシ−プソイドイソシチジンCPGは、スキーム1によって合成した。N−ベンゾイル保護2’−デオキシ−プソイドイソシチジン(1)は、Mayer,A.,Nucleosides,Nucleotides&Nucleic Acids,v.22,1919−25(2003)に記載されるように合成した。
【0083】
【化6】

4’−(3−カルボキシプロピオニル)−5’−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−プソイドイソシチジン(2):
0.7mLのCHCl中の30mgの1の攪拌溶液に、8.5mgの無水コハク酸、2.9mgのDMAPおよび14μLのトリエチルアミン(EtN)を加えた。12時間攪拌した後、混合物を7mLのCHClで希釈し、5%クエン酸水溶液(1×7mL)および飽和塩化ナトリウムNaCl(1×7mL)で洗浄した。有機相をNaSOにより乾燥させ、蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、18mgの4’−(3−カルボキシプロピオニル)−5’−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−プソイドイソシチジンを得た。
【0084】
2’−デオキシ−プソイドイソシチジンCPG(3):
0.6mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の、上記で入手した17mgの5−トリフルオロメチル−4’−(3−カルボキシプロピオニル)−5’−ジメトキシトリチル−2’−デオキシウリジンの溶液に、8.3mgの2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサ−フルオロリン酸塩(HBTU)、5.7μLのジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)および594mgのCPG(37μM/g)を加えた。この混合液を2時間振とうし、次にDMF(4×20mL)およびTHF(2×20mL)で洗浄した。5−トリフルオロメチル−2’−デオキシウリジンCPG産物を高真空下で4時間乾燥させた。
【0085】
2’−デオキシ−プソイドイソシチジンの3’末端オリゴヌクレオチド:
上述したように、自動DNA合成は、標準プロトコルにしたがって0.2μmolスケールでABI394 DNA合成装置で実施した。オリゴヌクレオチドは、Agilent 1100 HPLCシステム上で逆相HPLCによって精製した。その結果、表1に示したポリヌクレオチドを合成した。フォワードプライマーATIRFcCおよびリバースプライマーATIRRcCアンジオテンシンIIタイプ1受容体遺伝子(ATIR、100bp)。フォワードプライマーLIGFcCおよびリバースプライマーLIGRcCは、ヒトDNAリガーゼI遺伝子(LIG、250bp)の一部を増幅する。フォワードプライマーD10SFcCおよびリバースプライマーD10SRcCは、ヒト染色体10番クローンRP11−143D9(D10S、102bp)の一部を増幅する。
【0086】
【化7】

増幅:
全てのgDNA増幅は、反応液15μLに付き5,000コピーのgDNAを用いて実施した。
【0087】
増幅反応条件:
増幅は、以下の試薬を含有する未改変および/または改変プライマーのいずれかを用いて15μLの反応液中で実施した:
− 10mM Tris−HCl緩衝液、pH8.3
− 50mM KCl、3mM MgCl、0.01%(v/v)ゼラチン
− 0.2mM dATP、0.2mM dCTP、0.2mM dGTP、および0.4mM dUTP
− 0.025単位/μL AmpliTaq Gold(登録商標)DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems社、P/N N808−0107)
− 各200nMのフォワードプライマーおよびリバースプライマー
− 鋳型無含有コントロール(NTC)実験または15ngのゲノムDNA(Applied Biosystems社、P/N 403062)のための水。
【0088】
全てのPCR反応の進行はSYBR(登録商標)Green PCR Master Mix and RT−PCR:Protocol(Applied Biosystems社、2002)に記載されたようにABI PRISM 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems社、カリフォルニア州フォスターシティー)上でのSYBR(登録商標)Green assayによってリアルタイムでモニタリングした。
【0089】
増幅反応分析:
全ての増副産物は、以下のようにゲル電気泳動によって分析した。PCR反応混合液(15μL)は、5μLのヌクレアーゼ無含有水で希釈した。この溶液を25bpのDNAラダーに沿って4%アガロースゲル(Invitrogen社、P/N G5018−04)を含むウエル内にロードした。電気泳動は、12V DCおよび880mAで30分間にわたり実施した。dsDNAの臭化エチジウム染色バンドはUV照射を用いて可視化し、Kodakデジタルカメラを装備したAlphaDigDoc 1000ソフトウエア(Alpha Innotech社、カリフォルニア州サンリアンドロ)によって定量した。
【0090】
サーマルサイクリング:
増幅温度サイクリングは、以下のサーマルサイクリングプロトコルを用いて実施した。
【0091】
【化8】

各プライマー対について、未改変および3’改変プライマーを用いた増幅反応は、プライマー対に対応するgDNAを用いて実行した。さらに、未改変および3’改変プライマーを用いた増幅反応は、鋳型なしコントロール(NTC)反応として、いかなる鋳型も用いずに実行した。
【0092】
ゲル電気泳動分析は、上述したように実施した。ゲル電気泳動は、使用したプライマーセットに依存して、プライマーダイマーアンプリコンの形成を指示している未改変プライマーを用いたNTC増幅において、約40〜50bpで有意な量の非特異的増幅産物を示した。他方、有意に減少したプライマーダイマーアンプリコン形成は、3’改変プライマーを用いたNTC増幅のゲル電気泳動画像において観察された。未改変プライマーを用いたgDNA鋳型増幅反応のゲル電気泳動は、明白に所望の鋳型アンプリコンに対応するバンドを示し、さらにプライマーダイマーアンプリコン形成に対応するバンドも示した。
【0093】
未改変プライマーを用いたATIR鋳型の増幅は、明白に所望の鋳型アンプリコンに対応する約100bpのバンドを示し、さらにプライマーダイマーアンプリコン形成に対応する約50bpのバンドも示した。他方、3’改変プライマーを用いたATIR鋳型の増幅は、明白に所望の鋳型アンプリコンに対応する約100bpのバンドを示したが、確認できるプライマーダイマーアンプリコン形成は示さなかった。
【0094】
リアルタイムPCRモニタリングは、未改変および3’改変プライマーを用いたATIR gDNA増幅効率は酷似していることを示した。他方、未改変プライマーを用いたNTC増幅は約30のC値を生じさせたが、2’−デオキシ−プソイドイソシチジン改変プライマーを用いたNTC増幅は第37サイクルが終結するまで測定可能なシグナルを生じなかった。
【0095】
未改変プライマーを用いたLIG鋳型の増幅は、明白に所望の鋳型アンプリコンに対応する約250bpのバンドを示し、さらにプライマーダイマーアンプリコン形成に対応する約50bpの微かなバンドも示した。他方、3’改変プライマーを用いたLIG鋳型の増幅は、明白に所望の鋳型アンプリコンに対応する約250bpでバンドを示したが、確認できるプライマーダイマーアンプリコン形成は示さなかった。
【0096】
リアルタイムPCRモニタリングは、未改変−および3’改変プライマーを用いたLIG gDNA増幅効率は類似しており、それぞれ26および33のC値を有することを示した。他方、未改変プライマーを用いたNTC増幅は約36のC値を示したが、2’−デオキシ−プソイドイソシチジン改変プライマーを用いたNTC増幅は50サイクルの増幅を通して測定可能なアンプリコン形成を示さなかった。
【0097】
未改変プライマーを用いたD10S鋳型の増幅は、明白に所望の鋳型アンプリコンに対応する約100bpのバンドを示し、さらにプライマーダイマーアンプリコン形成に対応する約50bpのバンドも示した。他方、3’改変プライマーを用いたD10S鋳型の増幅は、明白に所望の鋳型アンプリコンに対応する約100bpのバンドを示したが、視認できるプライマーダイマーアンプリコン形成は示さなかった。
【0098】
リアルタイムPCRモニタリングは、未改変−および3’改変プライマーを用いたD10S gDNA増幅効率は酷似しており、それぞれ23および26のC値を有することを示した。他方、未改変プライマーを用いたNTC増幅は約29のC値を示したが、2’−デオキシ−プソイドイソシチジン改変プライマーを用いたNTC増幅は第40サイクルが終結するまで測定可能なシグナルを示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリヌクレオチドの3’末端から4ヌクレオチド以内の少なくとも1つの改変されたピリミジン核酸塩基を含むポリヌクレオチドであって、該改変されたピリミジン核酸塩基が構造:
【化1】

を含み、ここで、Rは、−H、−F、−Cl、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−C置換アルキル、C−C10アリール、C−C10置換アリール、C−C10アリールエーテル、C−C10置換アリールエーテル、−CF、−NR、C−C環状アルキル、C−C置換環状アルキル、フェニル、置換フェニルおよびC−C10ヘテロアリールから選択され、Rは、−H、C−Cアルキル、C−C置換アルキル、C−C10アリール、C−C10置換アリールから選択される、ポリヌクレオチド。
【請求項2】
Rは−Hである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項3】
RはC−Cアルキルである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
RはC−C置換アルキルである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
RはC−C10アリールである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
RはC−C10置換アリールである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
Rは−CFである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
Rはアミノである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項9】
Rは置換アミノである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項10】
RはC−C環状アルキルである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項11】
RはC−C置換環状アルキルである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項12】
Rはフェニルである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項13】
Rは置換フェニルである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項14】
Rはヘテロアリールである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項15】
少なくとも1つの改変されたピリミジン核酸塩基は、前記ポリヌクレオチドの3’末端から3ヌクレオチド以内である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項16】
少なくとも1つの改変されたピリミジン核酸塩基は、前記ポリヌクレオチドの3’末端から2ヌクレオチド以内である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項17】
少なくとも1つの改変されたヌクレオチドは、前記ポリヌクレオチドの3’末端ヌクレオチドである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項18】
前記ポリヌクレオチドはプライマーである、請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項19】
前記ポリヌクレオチドは3’末端で伸長可能である、請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項20】
検出可能な標識、クエンチャー、マイナーグルーブバインダーまたはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項21】
前記オリゴヌクレオチドはその3’末端で伸長不能なプローブである、請求項20に記載のポリヌクレオチド。
【請求項22】
プライマー伸長法であって、
i)ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の鎖上の相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングし、プライマー鋳型複合体を形成するように、該ポリヌクレオチドプライマーを該変性DNA鋳型にアニーリングさせる工程と、
ii)二本鎖アンプリコンを形成するためにプライマー鋳型複合体のプライマー部分を伸長させる工程とを含み、
該ポリヌクレオチドプライマーが、請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドである、方法。
【請求項23】
伸長させる工程の後に、前記二本鎖アンプリコンを変性させる工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも1回繰り返される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも10回繰り返される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも20回繰り返される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも30回繰り返される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
アニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも40回繰り返される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記伸長させる工程が、DNAアンプリコンフラグメントを形成するために伸長可能なヌクレオチド三リン酸および伸長不能なヌクレオチド三リン酸の存在下で行なわれる、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記DNAアンプリコンフラグメントを検出する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
プライマー伸長法であって、
i)第1ポリヌクレオチドプライマーが変性DNA鋳型の第1鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ第2ポリヌクレオチドプライマーが該変性DNA鋳型の第2鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングして、第1および第2プライマー鋳型複合体を形成するように、該第1ポリヌクレオチドプライマーおよび該第2ポリヌクレオチドプライマーを該変性DNA鋳型の第1および第2鎖にアニーリングさせる工程と、
ii)二本鎖DNAアンプリコンを形成するために該第1および第2プライマー鋳型複合体のうちの少なくとも1つのプライマー部分を伸長させる工程とを含み、
該第1ポリヌクレオチドプライマーまたは該第2ポリヌクレオチドプライマーのうちの少なくとも1つが請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドである、方法。
【請求項32】
前記形成する工程の後、前記アニーリングさせる工程の前に、変性DNA鋳型の第1鎖および第2変性DNA鋳型を形成するために該DNA鋳型を変性させる工程を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記伸長させる工程の後に、前記二本鎖DNAアンプリコンを変性させる工程を含む、請求項31〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも1回繰り返される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも10回繰り返される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも20回繰り返される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記二本鎖DNAアンプリコンをアニーリングさせる工程、伸長させる工程、および変性させる工程が、少なくとも30回繰り返される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記プライマー部分を伸長させる工程の前に、ポリヌクレオチドプローブが変性DNA鋳型の第1鎖上の相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングするか、または該ポリヌクレオチドプローブが該変性DNA鋳型の第2鎖上の相補的オリゴヌクレオチド配列にアニーリングするように、該ポリヌクレオチドプローブを該変性DNA鋳型の第1または第2鎖のうちの一方にアニーリングさせる工程を含む、請求項31〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ポリヌクレオチドプローブが、少なくとも1つの検出可能な標識を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ポリヌクレオチドプローブが、クエンチャー、マイナーグローブバインダーのうちの少なくとも一方またはそれらの両方をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ポリヌクレオチドプローブが、請求項21に記載のポリヌクレオチドである、請求項38〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
少なくとも1つの前記改変されたプリン核酸塩基は、前記プローブの3’末端から2ヌクレオチド以内である、請求項38〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも1つの前記改変されたプリン核酸塩基は、前記プローブの3’末端から1ヌクレオチド以内である、請求項38〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記改変されたプリン核酸塩基は、前記プローブの3’末端ヌクレオチドである、請求項38〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
オリゴヌクレオチド連結法であって、
i)第1ポリヌクレオチド鎖が変性DNA鋳型の鎖上の第1相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングし、かつ第2ポリヌクレオチド鎖が該変性DNA鋳型の鎖上の第2相補的ポリヌクレオチド配列にアニーリングするように、該DNA鋳型にアニーリングした該第1および第2ポリヌクレオチド鎖を含む複合体を形成する工程であって、該変性DNA鋳型の鎖上の第2相補的ポリヌクレオチド配列が該変性DNA鋳型の鎖上の第1相補的ポリヌクレオチド配列に対して5’に位置する、工程と、
ii)該第1および第2ポリヌクレオチド鎖間で安定な共有結合を形成する工程とを含み、
該第1ポリヌクレオチド鎖または該第2ポリヌクレオチド鎖のうちの少なくとも1つが請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドである、方法。
【請求項46】
標的ポリヌクレオチド配列を検出するための方法であって、
(a)第1および第2ポリヌクレオチドプローブが標的鎖内の第1および第2標的領域とそれぞれハイブリダイズし、第1ハイブリダイゼーション複合体を形成するために有効な条件下で、該標的ポリヌクレオチドを、
(i)該標的鎖内の第1標的領域に相補的である配列を含有する該第1ポリヌクレオチドプローブ、および
(ii)該標的鎖内の第2標的領域に相補的である配列を含む該第2ポリヌクレオチドプローブであって、該第2標的領域が該第1標的領域に対して5’に位置し、少なくとも1ヌクレオチド塩基で該第1標的領域に重複する、該第2ポリヌクレオチドプローブ、を含む第1プローブ対と反応させる工程と、
(b)該標的鎖、該第1プローブ、および該第1プローブの3’末端ヌクレオチドに隣接して位置する5’末端ヌクレオチドを有する該第2プローブの第1フラグメントを含む第2ハイブリダイゼーション複合体を形成するために、該第1ハイブリダイゼーション複合体において該第2プローブを切断する工程と、
(c)該標的鎖にハイブリダイズした第1連結鎖を形成するために、該第1プローブを該第2プローブのハイブリダイズしたフラグメントに連結する工程と、
(d)該標的鎖から該第1連結鎖を変性させる工程と、
(e)工程(a)〜(d)の1つまたは複数の追加のサイクルを実施する工程であって、ただし最終サイクルでは工程(d)が任意に省略される、工程とを含み、
該第1プローブ、該第2プローブのうちの少なくとも一方またはそれらの両方は請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドである方法。
【請求項47】
前記第1領域は、前記第2領域と1ヌクレオチド塩基で重複する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する、請求項46〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記第1プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する、請求項46〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記第2プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記第2プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記第2プローブの3’末端は、ヌクレオチド3’ヒドロキシル基以外の基で終結する、請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記第2プローブの3’末端は、ヌクレオチド3’リン酸基で終結する、請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
(a)第3および第4ポリヌクレオチドプローブが標的相補鎖内の第1および第2領域とそれぞれハイブリダイズし、第3ハイブリダイゼーション複合体を形成するために有効な条件下で、該標的相補鎖を、
(i)該標的相補鎖内の第1領域に相補的である配列を含有する該第3ポリヌクレオチドプローブ、および
(ii)該標的相補鎖内の第2領域に相補的である配列を含有する該第4ポリヌクレオチドプローブであって、該第2領域が該第1領域に対して5’に位置し、少なくとも1ヌクレオチド塩基で該第1領域に重複する、該第4ポリヌクレオチドプローブ、を含む第2プローブ対と反応させる工程と、
(b)該標的相補鎖、該第3プローブ、および該第3プローブの3’末端ヌクレオチドに隣接して位置する5’末端ヌクレオチドを有する該第4プローブの第1フラグメントを含む第4ハイブリダイゼーション複合体を形成するために、前記第2ハイブリダイゼーション複合体において該第4プローブを切断する工程と、
(c)該標的相補鎖にハイブリダイズした第2連結鎖を形成するために該第3プローブを該第4プローブのハイブリダイズしたフラグメントに連結する工程と、
(d)該標的相補鎖から該第2連結鎖を変性させる工程と、
(e)工程(a)〜(d)の1つまたは複数の追加のサイクルを実施する工程であって、ただし最終サイクルにおいて工程(d)が任意で省略される工程とを含む、請求項46〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記第3プローブもしくは前記第4プローブのうちの少なくとも一方またはそれらの両方は、請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第3プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する、請求項54〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第3プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する、請求項54〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記第4プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する、請求項54〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第4プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’ヒドロキシル基で終結する、請求項54〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記第1、第2、第3および第4プローブの5’末端は、ヌクレオチド5’リン酸基以外の基で終結する、請求項46〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記第4プローブの3’末端は、ヌクレオチド3’ヒドロキシル基以外の基で終結する、請求項54〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記第4プローブの3’末端は、ヌクレオチド3’リン酸基で終結する、請求項54〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記プローブの少なくとも1つは、検出可能な標識を含有する、請求項46〜62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記標識が蛍光標識である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記標識が放射性標識である、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記標識が化学発光標識である、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記標識が酵素である、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記第1プローブおよび前記第3プローブのうちの少なくとも1つは、検出可能な標識を含有する、請求項54〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記第1プローブおよび第3プローブのそれぞれは、検出可能な標識を含有する、請求項54〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記第1プローブおよび第3プローブ上の検出可能な標識は同一である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記第2プローブおよび第4プローブのうちの少なくとも1つは、検出可能な標識を含有する、請求項54〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記第2プローブおよび第4プローブのそれぞれは、検出可能な標識を含有する、請求項54〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記第2プローブおよび第4プローブは、同一の検出可能な標識を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記切断する工程は、前記第2ハイブリダイゼーション複合体と結合していない第2プローブから第2フラグメントを生成し、前記方法は、該第2プローブ由来の該第2フラグメントを検出する工程をさらに含む、請求項54〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記切断する工程は、前記第4ハイブリダイゼーション複合体と結合していない第4プローブから第2フラグメントを生成し、前記方法は、該第4プローブ由来の該第2フラグメントを検出する工程をさらに含む、請求項54〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記第2プローブおよび第4プローブのうちの少なくとも1つが、(i)蛍光色素および(ii)該蛍光色素が蛍光励起エネルギーを受けるとき、該蛍光色素からの蛍光発光を消光させることができるクエンチャー色素の両方を含有し、前記切断する工程は該第2プローブおよび/または該第4プローブにおける該蛍光色素と該クエンチャー色素との共有結合を切断し、それによって該蛍光色素からの観察可能な蛍光シグナルを増加させる、請求項74〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記第2プローブおよび第4プローブが、それぞれ、(i)蛍光色素および(ii)クエンチャー色素を含有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
両方の第2フラグメントを検出する工程をさらに含む、請求項74〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記第2フラグメントが、前記標的鎖に実質的に相補的ではない1つまたは複数の連続するヌクレオチドを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項80】
前記1つまたは複数の連続するヌクレオチドは、1〜20個のヌクレオチドを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
固体支持体上に前記第2フラグメントを固定化する工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項82】
前記第2フラグメントを電気泳動に供する工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項83】
質量分析法によって前記第2フラグメントを検出する工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項84】
最終サイクル後に前記第2フラグメントを検出する工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項85】
複数のサイクル中または後に前記第2フラグメントを検出する工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項86】
全サイクル中に前記第2フラグメントを検出する工程を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
少なくとも1回のサイクル後に、前記第1ハイブリダイゼーション複合体、前記第2ハイブリダイゼーション複合体、またはそれらの両方を検出する工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項88】
Rはシアノである、請求項1および15〜21のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項89】
Rはニトロである、請求項1および15〜21のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項90】
Rはシアノである、請求項22〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
Rはニトロである、請求項22〜87のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2008−535518(P2008−535518A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506424(P2008−506424)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/012570
【国際公開番号】WO2006/112818
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】