説明

プッシュスイッチ装置

【課題】縦方向サイズを減らして薄型化できるプッシュスイッチ装置を提供する。
【解決手段】押しボタン40を押し操作することによって、第1及び第2押圧部材20と30が相互逆方向に相対回転し、押圧方向転換手段は前記第1及び第2押圧部材20と30の相対回転運動をスイッチング方向の押圧運動に転換するので、第1押圧部材20の押圧突起が可動端子14の頂点部中央を正確に垂直に押圧することができる。したがって、可動端子14が弾性変形及び復元する時のクリック感を向上させ、可動端子14と押圧部材の押圧突起との間から発生する滑り摩擦を最小化して摩耗による操作性の低下や部品の寿命短縮を防止できる。また、押しボタン40の操作時直進性に優れ、可動端子14の弾性変形による反撥力の他に別の反撥力がさらに発生しないので、押しボタン40の操作性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプッシュスイッチ装置に関するもので、より詳細にはドーム状の可動端子の頂点部を下方に押圧するスイッチング方向に対してスイッチ操作のための押しボタンの押し方向を直交するように配置することによって、縦方向サイズを減らして薄型化できるプッシュスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に携帯電話機やゲーム機、各種オーディオ機器などに多く使用するプッシュスイッチ装置は、絶縁樹脂などで成形したハウジングと、ハウジング内に設けられたドーム状の可動端子及び複数の固定端子と、前記ハウジングから突設されて可動端子を作動させる押しボタンを備える。したがって、押しボタンの押し操作で可動端子の頂点部を押圧すると、頂点部が下方に弾性変形及び復元して複数の固定端子を電気的に接続または開放させることによって、スイッチ機能を行う。
【0003】
このようなプッシュスイッチ装置は可動端子の頂点部を押圧して下方に弾性変形させる方向、即ちスイッチング方向に対して押しボタンの押し方向を直交するように配置することによって、縦方向サイズを減らして薄型化を試みている。
【0004】
例えば、特許文献1には、図8に示したようにドーム状の可動端子130の頂点部を押圧して下方に弾性変形させるスイッチング方向と押しボタン110の押し方向を直交するように配置した構成が開示されている。
【0005】
しかし、前記プッシュスイッチ装置は押しボタン110を押し下げると、押しボタン110の先端に形成された押し部111が傾斜板140により下方の対角線方向に移動しながらドーム状の可動端子130の頂点部を押圧するようになる。これによって可動端子性変形する時発生するクリック感は可動端子のスイッチング方向に対して押しボタンの押し方向を同一に配置した既存の方式に比べて低下する。その上、押し部111の下降により連結部112が下方に曲がるようになる。これによって押しボタン110の直進性が低下し、連結部112の曲げ変形による反撥力が押しボタン110の押し力を加重して押しボタン110の操作性を顕著に低減させる短所がある。
【0006】
また押しボタン110の押し部111と可動端子130の接触点の位置が、可動端子130の頂点部中央を外れた位置から頂点部中央位置の間で移動するため、移動距離の分だけ滑り摩擦による摩耗が発生するようになる。このようなスイッチ操作過程における摩耗の発生は、プッシュスイッチ装置の機能及び操作性を低下させるだけでなく、部品の寿命を短縮させる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許登録第10−755223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、前述したような従来の問題点を解決するためになされた本発明は、ドーム状の可動端子のスイッチング方向と押しボタンの押し方向を直交するように配置したプッシュスイッチ装置において、押しボタンの押し力が可動端子の頂点部中央に垂直下方に正確に作用してスイッチ操作時のクリック感を向上させ、可動端子とこれを押圧する押圧部材との間の摩耗を最小化できるプッシュスイッチ装置を提供することにその目的がある。
【0009】
本発明の他の目的は、押しボタンの直進性を向上させ、可動端子の弾性変形による反撥力の他に、さらに発生する反撥力を最小化して押しボタンの操作性を向上させることができるプッシュスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するための本発明は、ハウジングと、前記ハウジング内の底面に配置された接続片をそれぞれ備える第1及び第2端子と、前記ハウジングの内部に設けられて押圧により頂点部が弾性変形及び復元して前記第1端子の接続片と第2端子の接続片を電気的に接続または開放させるドーム状の可動端子を備えたプッシュスイッチ装置において、前記可動端子の上部に位置して可動端子の頂点部中央に接触する押圧突起を備え、可動端子の頂点部を下方に押圧して弾性変形させるスイッチング方向を中心軸として回転するようにハウジング内に設けられた第1押圧部材;前記第1押圧部材上に重ねて第1押圧部材と同一な回転中心軸を中心として回転するようにハウジング内に設けられた第2押圧部材;前記ハウジングの一側壁を貫通して一部が外部に露出し、前記可動端子のスイッチング方向に対して直交する押し方向に直線移動して前記第1及び第2押圧部材を相互逆方向に相対回転させる押しボタン;及び前記第1及び第2押圧部材に形成され、第1及び第2押圧部材の相対回転運動を前記第1押圧部材の押圧突起が可動端子の頂点部を下方に押圧するスイッチング方向の押圧運動に転換させる押圧方向転換手段を含むことを特徴とするプッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0011】
また、本発明の他の態様は、ハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、押圧により頂点部が弾性変形及び復元してハウジングの底面に備えられた第1端子の接続片と第2端子の接続片を電気的に接続または開放させるドーム状の可動端子を備えるプッシュスイッチ装置において、前記可動端子の上部に位置して頂点部中央に接触する押圧突起を備え、可動端子の頂点部を下方に押圧して弾性変形させるスイッチング方向を中心軸として回転するようにハウジング内に設けられた第1押圧部材;前記第1押圧部材上に重ねてハウジング内に設けられた第2押圧部材;前記ハウジングの一側壁を貫通して一部が外部に露出し、前記可動端子のスイッチング方向に対して直交する押し方向に直線移動して前記第1押圧部材を回転させる押しボタン;及び前記第1及び第2押圧部材に形成され、第1押圧部材の回転運動を前記第1押圧部材の押圧突起が可動端子の頂点部を下方に押圧するスイッチング方向の押圧運動に転換させる押圧方向転換手段を含むことを特徴とするプッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0012】
また、本発明の前記押圧方向転換手段は、前記第1押圧部材の上面に形成され、第1押圧部材の回転中心軸を中心とする円周上に配置された複数の傾斜突起と、前記第2押圧部材の底面に形成され、前記複数の傾斜突起にそれぞれ挿入されるように傾斜突起と対応する形状に形成された複数の傾斜溝とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のプッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0013】
また、本発明は、前記第1押圧部材の上面回転中心に支持軸を突設し、前記第2押圧部材の底面回転中心に前記支持軸が挿入される支持孔を形成したことを特徴とする請求項3に記載のプッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0014】
さらに、本発明は、前記押しボタンによる第1及び第2押圧部材の逆方向相対回転の構成は、前記第1及び第2押圧部材の一側外周面にそれぞれ突設されて相互180度の間隔に配置された1対の回転突起と、前記押しボタンから二つに分岐して形成され、その先端が前記1対の回転突起の近くにそれぞれ位置して押しボタンの押し方向移動時、前記第1及び第2回転突起を押圧して第1及び第2押圧部材を相互逆方向に回転させる押しバーとからなることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ装置に特徴がある。
【発明の効果】
【0015】
前述した本発明の特徴的構成によれば、押しボタンを押し操作することによって、第1及び第2押圧部材が相互逆方向に相対回転し、押圧方向転換手段は前記第1及び第2押圧部材の相対回転運動をスイッチング方向の押圧運動に転換するので、第1押圧部材の押圧突起が可動端子の頂点部中央を正確に垂直に押圧できるようになる。
【0016】
したがって、可動端子のスイッチング方向と押しボタンの押し方向を同一に構成する方式と同様に、可動端子が弾性変形及び復元する時に優れたクリック感を維持でき、可動端子と第1押圧部材の押圧突起間から発生する滑り摩擦が最小化して摩耗による操作性の低下や部品の寿命短縮を防止できる。また、押しボタンの操作時、直進性に優れ、可動端子の弾性変形による反撥力の他に別の反撥力がさらに発生しないので、押しボタンの操作性が向上する。
【0017】
また、本発明の第1及び第2押圧部材を相互逆方向に相対回転させる構成は、第1及び第2押圧部材のうちいずれかを回転させる構成に比べて、相対回転角度を1/2に低減することができる。これによって押しボタンの押し方向移動距離も1/2に減少させることができるので、押しボタンの操作性をより向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るプッシュスイッチ装置の斜視図である。
【図2】本発明に係るプッシュスイッチ装置の分解斜視図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は本発明に係るプッシュスイッチ装置の作動状態を示した縦断面図である。
【図4】本発明に係るプッシュスイッチ装置において第1及び第2固定端子の設置状態を示したハウジングの横断面図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は本発明に係るプッシュスイッチ装置の作動状態を示した横断面図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は本発明に係るプッシュスイッチ装置の他の実施形態を示した横断面図である。
【図7】図7(A)は図5(A)及び図6(A)のA−A線断面図であり、図7(B)は図5(B)及び図6(B)のB−B線断面図である。
【図8】図8は従来のプッシュスイッチ装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1及び図2は本発明のプッシュスイッチ装置を示した斜視図及び分解斜視図である。本発明のプッシュスイッチ装置は内部空間を有する六面体のハウジング10を備える。ハウジング10は絶縁樹脂を射出成形して構成するもので、内部に部品を設けることができるように上部は開放しており、部品の設置後は開放した上部を蓋11で覆うように構成する。
【0021】
ハウジング10と蓋11の係合構造は、ハウジング10の両側壁に係合突起10aを形成し、蓋11には前記係合突起10aが挿入されて係止される係合溝11aを形成して構成する。
【0022】
ハウジング10にはスイッチ機能のための第1及び第2固定端子12、13と、前記第1及び第2固定端子12、13を接続または開放する可動端子14が設けられる。
【0023】
図2及び図4に示したように、第1及び第2固定端子12、13は伝導性金属で製造し、ハウジング10の射出成形時、共にモールドしてハウジング10内に埋設される。第1及び第2固定端子12、13は外部との電気的接続のためにハウジング10の両側壁下部に露出する外部端子12a、13aをそれぞれ備え、ハウジング10の内部底面は前記可動端子14との接続のために露出した接続片12b、13bをそれぞれ備える。この時、第1固定端子12の接続片12bはハウジング10の底面中央に配置し、第2固定端子13の接続片13bはハウジング10の底面角部の両側2個所にそれぞれ配置する。
【0024】
図2及び図3(A)に示したように、可動端子14は伝導性と弾性に優れたステンレススチールで製造し、ドーム状に形成してハウジング10の底面上に設ける。上方に凸に湾曲した可動端子14の頂点部は第1固定端子12の接続片12b上に位置させ、可動端子14の角部は第2固定端子13の接続片13bに接触させて設ける。したがって、可動端子14の頂点部を押圧して下方に弾性変形させると、図3(B)に示したように可動端子14の頂点部が第1固定端子12の接続片12bに接触することによって、第1及び第2固定端子12、13が電気的に接続される。一方、押圧力を除去すると、図3(A)に示したように可動端子14の頂点部が弾性復原力により元の位置に復帰して第1及び第2固定端子12、13が電気的に開放される。
【0025】
前記可動端子14の頂点部を押圧するための構成は前記ハウジング10内の可動端子14の上部に上下に重ねて設けた第1及び第2押圧部材20、30と、ハウジング10の一側壁を貫設した押しボタン40からなる。これらの構成要素は絶縁樹脂で製造する。
【0026】
可動端子14の真上に設けられる第1押圧部材20は、円板状に形成され、底面は可動端子14の頂点部中央と接触する押圧突起21を備え、前記押圧突起21が可動端子14の頂点部を垂直下方に押圧して弾性変形させるスイッチング方向を中心軸として回転するようにハウジング10内に設けられる。
【0027】
第1押圧部材20上に重ねて設けられた第2押圧部材30もやはり、円板状に形成され、第1押圧部材20と同一な中心軸を中心に回転するようにハウジング10内に設けられる。
【0028】
図2及び図5(A)に示したように、ハウジング10には前記第1及び第2押圧部材20、30を回転可能に支持するため、押しボタン40が設けられる方には第1及び第2押圧部材20、30の外周面と対応する円弧状壁10bを立設し、前記円弧状壁10bに対向する一側壁には円弧状面10cを形成することが好ましい。
【0029】
また、前記第1押圧部材20の上面回転中心には支持軸22を突設し、前記第2押圧部材30の回転中心には前記支持軸22が挿入される支持孔31を形成する。これによって第1及び第2押圧部材20、30は相互回転支持されると共に、第1押圧部材20は第2押圧部材30に対して支持孔31及び支持軸22の軸方向、即ちスイッチング方向に直線運動するように支持される。
【0030】
一方、押しボタン40は前記ハウジング10の一側壁を貫通して一部が外部に露出され、押し方向が前記スイッチング方向に対して直交するように配置され、前記第1及び第2押圧部材20、30を相互逆方向に相対回転させるように構成される。
【0031】
前記押しボタン40の押し操作による第1及び第2押圧部材20、30の相対回転構成は、図2及び図5(A)に示したように、前記第1及び第2押圧部材20の一側外周面にそれぞれ突設されて相互180度の間隔に配置された1対の回転突起23、32と、前記押しボタン40から二つに分岐して形成され、その先端が前記1対の回転突起23、32の近くにそれぞれ位置した押しバー41、42とからなる。したがって、図5(B)に示したように押しボタン40を押し下げると、両側の押しバー41、42が第1及び第2押圧部材20、30の回転突起23、32を同時に押圧するので、第1及び第2押圧部材20、30は相互逆方向に所定角度、相対回転する。
【0032】
また押しボタン40の押し操作による第1及び第2押圧部材20、30の相対回転構成は、前述した第1及び第2押圧部材20、30を相互逆方向に相対回転させる構成に限定するものでなく、第1及び第2押圧部材20、30のうちいずれかのみを回転させるように構成しても良い。
【0033】
例えば、図6(A)及び図6(B)は押しボタン40の押し操作で第1押圧部材20のみを回転させる構成を示したものである。即ち、押しボタン40の押しバー41、42のうち第2押圧部材30側の押しバー42の長さを短く形成して押しボタン40の押し操作によっても押しバー42が第2押圧部材30の回転突起32に到達しないようにすると共に、第2押圧部材30の回転突起32はハウジング10の内壁面に形成した固定溝10dに挿入して第2押圧部材30が回転しないように構成することによって達成できる。
【0034】
また、図示しなかったが、前述したような構成を反対に適用して第1押圧部材20は回転しないようにし、第2押圧部材30のみを回転するような構成によっても達成できる。
【0035】
この時、第1及び第2押圧部材20、30のうちいずれかのみを回転させる構成は、第1及び第2押圧部材20、30の両方を相互逆方向に相対回転させる構成に比べて、押しボタン40の押し方向移動距離を2倍に設定しなければ同一な相対回転角を得ることができない。
【0036】
また図2、図3(A)及び図5(A)を参照すれば、第1及び第2押圧部材20、30は第1及び第2押圧部材20、30の相対回転運動を前記第1押圧部材20のスイッチング方向への押圧運動に転換する押圧方向転換手段を備える。
【0037】
押圧方向転換手段は、前記第1押圧部材20の上面に突設され、第1押圧部材20の回転中心軸を中心とする円周上に配置された複数の傾斜突起24と、前記第2押圧部材30の底面に形成され、前記複数の傾斜突起24にそれぞれ挿入されるように対応形状に形成された複数の傾斜溝33とからなる。前記傾斜突起24と傾斜溝33は90度の等間隔に4個所に形成することが好ましい。
【0038】
したがって、図5(A)及び図7(A)に示したように、第1押圧部材20の傾斜突起24が第2押圧部材30の傾斜溝33に挿入された状態で、第1及び第2押圧部材20、30を逆方向相対回転運動させて図5(B)及び図7(B)に示したように傾斜突起24と傾斜溝33がくいちがうと、第2押圧部材30に対して第1押圧部材20がスイッチング方向、即ち押しボタン40の押し方向に対して直交する方向に移動するようになる。これによって、図3(B)に示したように第1押圧部材20の押圧突起21は可動端子14の頂点部中央を垂直に正確に押圧して下方に弾性変形させるようになる。
【0039】
この時、第1押圧部材20の傾斜突起24は、切頭円錐形状において両側面の一部を第1押圧部材20の円周方向に切断した形状に構成する。これによって第1及び第2押圧部材20、30の接触面積を減らして逆方向相対回転運動をより円滑に行うことができる。また、第2押圧部材30の傾斜溝33は、切頭円錐形状において内側面の一部を第2押圧部材30の円周方向に切断した形状に構成して第2押圧部材30の外径をより小さく設計できる。
【0040】
また、図3(A)に示したように、ハウジング10内に設けられた可動端子14は薄い保護シート15で覆って遮断することによって、可動端子14への湿気による悪影響を防ぐようにする。
【0041】
このように構成した本発明の作用を説明すれば次の通りである。
【0042】
図3(A)及び図5(A)に示した状態で押しボタン40を押し下げると、押しボタン40の押しバー41、42が押し方向に直線移動して第1及び第2押圧部材20、30の回転突起23、32をそれぞれ押圧する。したがって、第1及び第2押圧部材20、30は押しボタン40の押し方向に対して直交するスイッチング方向を中心軸として相互逆方向に所定角度、相対回転運動するようになる。
【0043】
第1及び第2押圧部材20、30が相互逆方向に相対回転すると、図5(B)及び図7(B)に示したように第1押圧部材20の傾斜突起24と第2押圧部材30の傾斜溝33が外れながら第1押圧部材20は第2押圧部材30に対してスイッチング方向に直線移動するようになる。これによって図3(B)に示したように第1押圧部材20の押圧突起21がドーム状の可動端子14の頂点部中央を垂直に押圧して下方に弾性変形させるようになる。したがって、可動端子14の頂点部は第1固定端子12の接続片12bと接触するようになって、第1固定端子12と第2固定端子13を電気的に接続する状態になる。
【0044】
続いて、押しボタン40の押し力を除去すると、可動端子14の弾性復原力により頂点部が図3(A)に示したように元の位置に復帰して第1固定端子12の接続片12bから離間するようになる。したがって、第1固定端子12と第2固定端子13はまた電気的に開放の状態になり、これと同時に第1押圧部材20は可動端子14の弾性復原力によりさらに上昇して図5(A)及び図7(A)に示したように傾斜突起24が第2押圧部材30の傾斜溝33に一致するようになるので、第1及び第2押圧部材20、30と、押しボタン40は押す前の状態に復帰するようになる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
このように本発明は、押しボタン40を1回押し操作すると、可動端子14の頂点部が弾性変形及び復元して第1及び第2固定端子12、13を電気的に接続及び開放させることによって、スイッチ機能が円滑に行われる。また、可動端子14の頂点部を下方に弾性変形させるスイッチング方向に対して押しボタン40の押し方向を直交するように配置することによって、プッシュスイッチ装置の縦方向サイズを大幅に減らして薄型化を図ることができる。
【0046】
特に、本発明は押しボタン40の押し操作により第1押圧部材20の押圧突起21が可動端子14の頂点部中央を正確に垂直に押圧することによって、クリック感に優れる。また、可動端子14の頂点部を対角線方向に押圧する従来の構成に比べて、可動端子14と第1押圧部材20の押圧突起21との間の滑り摩擦を最小化して、摩耗による操作感の低下や部品の寿命短縮を防止できる。
【0047】
さらに本発明は、押しボタン40の押し操作による第1及び第2押圧部材20、30の回転運動をスイッチング方向への直線運動に転換して可動端子14の頂点部を弾性変形させるものであるので、可動端子14の弾性変形による反撥力の他に別の反撥力がさらに発生しない。これによって押しボタン40の直進性が良くなり、押しボタン40の押し力が減少してスイッチ操作感が向上できる。
【0048】
また、本発明の第1及び第2押圧部材20、30を相互逆方向に同時に相対回転させる構成は、第1及び第2押圧部材20、30のうちいずれかを回転させる構成に比べて相対回転角度を1/2に減らすことができ、これによって押しボタン40の押し方向移動距離を1/2に減少させることができて押しボタン40の操作性をより向上させることができる。従って、本発明の産業利用性はきわめて高いものといえる。
【0049】
一方、本明細書内で本発明をいくつかの好ましい実施形態によって記述したが、当業者ならば、添付の特許請求範囲に開示した本発明の範疇及び思想から外れずに、多くの変形及び修正がなされ得ることがわかるはずである。
【符号の説明】
【0050】
10 ハウジング
11 蓋
12 第1固定端子
13 第2固定端子
14 可動端子
20 第1押圧部材
21 押圧突起
22 支持軸
24 傾斜突起
30 第2押圧部材
31 支持孔
33 傾斜溝
40 押しボタン
41、42 押しバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内の底面に配置された接続片をそれぞれ備える第1及び第2端子と、前記ハウジングの内部に設けられて押圧により頂点部が弾性変形及び復元して前記第1端子の接続片と第2端子の接続片を電気的に接続または開放させるドーム状の可動端子とを備えたプッシュスイッチ装置において、
前記可動端子の上部に位置して可動端子の頂点部中央に接触する押圧突起を備え、可動端子の頂点部を下方に押圧して弾性変形させるスイッチング方向を中心軸として回転するようにハウジング内に設けられた第1押圧部材;
前記第1押圧部材上に重ねて第1押圧部材と同一な回転中心軸を中心として回転するようにハウジング内に設けられた第2押圧部材;
前記ハウジングの一側壁を貫通して一部が外部に露出し、前記可動端子のスイッチング方向に対して直交する押し方向に直線移動して前記第1及び第2押圧部材を相互逆方向に相対回転させる押しボタン;及び
前記第1及び第2押圧部材に形成され、第1及び第2押圧部材の相対回転運動を前記第1押圧部材の押圧突起が可動端子の頂点部を下方に押圧するスイッチング方向の押圧運動に転換させる押圧方向転換手段を含むことを特徴とするプッシュスイッチ装置。
【請求項2】
ハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、押圧により頂点部が弾性変形及び復元してハウジングの底面に備えられた第1端子の接続片と第2端子の接続片を電気的に接続または開放させるドーム状の可動端子とを備えるプッシュスイッチ装置において、
前記可動端子の上部に位置して頂点部中央に接触する押圧突起を備え、可動端子の頂点部を下方に押圧して弾性変形させるスイッチング方向を中心軸として回転するようにハウジング内に設けられた第1押圧部材;
前記第1押圧部材上に重ねてハウジング内に設けられた第2押圧部材;
前記ハウジングの一側壁を貫通して一部が外部に露出し、前記可動端子のスイッチング方向に対して直交する押し方向に直線移動して前記第1押圧部材を回転させる押しボタン;及び
前記第1及び第2押圧部材に形成され、第1押圧部材の回転運動を前記第1押圧部材の押圧突起が可動端子の頂点部を下方に押圧するスイッチング方向の押圧運動に転換させる押圧方向転換手段を含むことを特徴とするプッシュスイッチ装置。
【請求項3】
前記押圧方向転換手段は、前記第1押圧部材の上面に形成され、第1押圧部材の回転中心軸を中心とする円周上に配置された複数の傾斜突起と、前記第2押圧部材の底面に形成され、前記複数の傾斜突起にそれぞれ挿入されるように傾斜突起と対応する形状に形成された複数の傾斜溝とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のプッシュスイッチ装置。
【請求項4】
前記第1押圧部材の上面回転中心に支持軸を突設し、前記第2押圧部材の底面回転中心に前記支持軸が挿入される支持孔を形成したことを特徴とする請求項3に記載のプッシュスイッチ装置。
【請求項5】
前記押しボタンによる第1及び第2押圧部材の逆方向相対回転の構成は、前記第1及び第2押圧部材の一側外周面にそれぞれ突設されて相互180度の間隔に配置された1対の回転突起と、前記押しボタンから二つに分岐して形成され、その先端が前記1対の回転突起の近くにそれぞれ位置して押しボタンの押し方向移動時、前記第1及び第2回転突起を押圧して第1及び第2押圧部材を相互逆方向に回転させる押しバーとからなることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−185929(P2012−185929A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46593(P2011−46593)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510298263)マグマ カンパニー リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】MAGMA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75−2,Pungmu−dong,Gimpo−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】