説明

プラグインハイブリッド電気自動車充電用の層状多ポリマー高アンペア数オーバーモールドコネクタアセンブリ

【課題】オーバーモールドのソリューションは水、氷、ほこり、紫外線、油および自動車流体を含み得る極端な環境要素から優れた環境保護を提供する。
【解決手段】電気自動車用の電気コネクタにおいて、バネラッチ132は密閉されず、その代わりにコネクタ本体はバネラッチ132機構に入ってしまう水を無害に排出することを可能にする孔132を有する。前方向きのLEDまたは他の光源はフラッシュライトとして動作する。一度コネクタが接続されると、コネクタが接続され自動車を充電する能力を有することを確認するために前方向きのLEDをオフにし、後方向きのLEDまたは他の光源をオンにする。コネクタは3層の構成でオーバーモールド122により製造され、各層はコネクタ内でその層の位置に有利な材料を有する材料から形成可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2011年1月6日出願の米国暫定特許出願第61/430,456号および2011年5月4日出願の米国暫定特許出願第61/482,459号の利益を請求する、現在未決定の2011年8月17日出願の米国特許出願第13/211,867号の一部継続出願である。本出願はまた、両願とも、現在未決定である、2010年12月30日出願の米国意匠特許出願第29/382,230号および2011年12月9日出願の米国意匠特許出願第29/408,312号の一部継続出願である。上述の参照出願の開示は、参照することによって、全体として、本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は電力を電気自動車に供給するための電気コネクタに関し、具体的に環境の水に対する改善された抵抗および改善された使用性を有する、そういったコネクタに関するものである。
従来の技術
【0003】
電気自動車は益々注目を受けている。これはシボレーボルトのようなプラグインハイブリッド自動車および日産リーフのような完全電気自動車を含む。
【0004】
北米においては、電気自動車の電池を充電するための電気コネクタは、電気自動車ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(SAE)のSAE J1772規格により標準化される。フォークリフトや産業機器のような、他の応用もその規格を適用することがある。
【0005】
その規格によると、コネクタの前面は標準化された形状および標準化された配置に5つのピンを有することによって全てのコネクタはどの電気自動車でも動作する。5つのピンは、2つの交流電力ピン、接地ピン、接近検知ピンおよび制御パイロットピンである。コネクタの残りに関しては各コネクタのメーカーはある程度自由である。従来のコネクタは充電時に自動車にコネクタを固定するためにバネラッチを典型的に使用する。
【0006】
そのようなコネクタが典型的に室外で使用されるため、水のような環境関係の要因を考慮しなければならない。例えば、水はバネラッチの機構に入って、腐食または他の劣化を引き起こしてしまう可能性がある。普段はそのような劣化を防ぐ方法はゴムの密閉を使用しバネラッチを保護することである。しかし、密閉は故障することがある。
【0007】
また、運転者が通常に見られない夜間にコネクタを使用すること、およびコネクタが完全かつ正常に挿入された際に運転者に知らせることに問題がある。
【0008】
また、従来のコネクタは典型的に複数の部品から製造される。そのため、製造費用が高くて故障の傾向もある。
【0009】
今まで、電気自動車(EV)市場で全ての入手可能なソリューションは2つの半分(クラムシェル)から構成され、トルクスねじのような不正開封防止のファスナーを使用し機械的に組み立てられる。古いまたは従来のSAE J1772仕様の機械的に組み立てられたコネクタは、現時点で水がハンドルアセンブリに入ってしまうことを可能にし、それによって水およびゴミが詰まってしまう機会に繋がる。更に、クラムシェルによってハンドルの部分および全体的に太めな外観となり、それはUL 2251に記載された、自動車の転覆および破砕の要件を抵抗するための更なる機械的な特徴が原因である。これらの従来の機器は車庫および屋内の応用には適切である。屋外にて使用される場合、これらのクラムシェルの設計は天候に露出されるため、比較的に短い寿命を認めることがある。
【発明の概要】
【0010】
従って、本発明の一目的は上述の懸念に対処することである。
【0011】
本発明の別の目的は、低費用で、魅力的で、人間工学的で、調整可能なソリューションを提供することである。
【0012】
上述の目的および他の目的を達成するために、本発明は下記の特徴の中で少なくとも一つを有するコネクタに関するものとする。
【0013】
バネラッチは密閉されず、その代わりにコネクタ本体はバネラッチ機構に入ってしまう水を無害に排出することを可能にする孔を有する。前方向きのLEDまたは他の光源はフラッシュライトとして動作する。一度コネクタが接続されると、コネクタが接続され自動車を充電する能力を有することを確認するために前方向きのLEDをオフにし、後方向きのLEDまたは他の光源をオンにする。
【0014】
コネクタはオーバーモールドにより製造される。例えば、コネクタは3層の構成で製造し得る。コネクタは埋め込み用の材料、プレモールドおよび一体構成のオーバーモールドの3層構成により製造可能である。各層はコネクタ内でその層の位置に必要な特徴を備える異なる材料から形成可能である。そのモジューラー設計はより迅速な製品更新を可能にし、製品多様化のために共通プラットフォームを提供する。
【0015】
上記の特徴はいかなる方法で組み合わせてもよい。
【0016】
本発明により解決される問題はEV(電気自動車)の市場(例えば相手先商標製品の製造会社(OEM)および電気自動車充電装置(EVSE)の製造者)に対して、ライフサイクルコストを削減し、よりよい製品信頼性を提供し、機械的な係止機能およびハードウェア(例えばトルクスねじ)に関連する不正使用および破壊行為のリスクを削減する、高耐久化かつ統合されたオーバーモールド仕様のSAE J1772コネクタおよびケーブルアセンブリのソリューションを提供する。このオーバーモールドのソリューションは水、氷、ほこり、紫外線、油および自動車流体を含み得る極端な環境要素から優れた環境保護を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
下記、図面を参照し好ましい実施形態を詳細に記載する。
【図1】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図2】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図3】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図4】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図5】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図6】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図7】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図8】好ましい実施形態によるコネクタおよびその様々な構成要素における様々な視点からの図面である。
【図9A】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図9B】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図10】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図11】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図12A】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図12B】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図13A】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図13B】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図14】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図15】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図16A】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図16B】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図17】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図18】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図19】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図20】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図21】図1〜8のコネクタを製造するステップを示す図面である。
【図22A】好ましい実施形態の変化によるコネクタの図面である。
【図22B】好ましい実施形態の変化によるコネクタの図面である。
【図22C】好ましい実施形態の変化によるコネクタの図面である。
【図22D】好ましい実施形態の変化によるコネクタの図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
下記好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明し、参照番号は全て同一の要素を示す。
【0019】
図1〜8に示すように、好ましい実施形態によるコネクタ100は複数のピン104、106、108、110、112を有するコネクタ前方片102を含む。好ましい実施形態においては、コネクタ前方片102およびピン104〜112は、SAE J1772規格に従う。ピン104〜112は埋め込み用の材料116によりコネクタ前方片102内に密閉された位置でケーブル114に電気的に接続される。コネクタ本体118はコネクタ前方片102およびケーブル114の上にプレモールド120およびオーバーモールド122により形成される。プレモールド120およびオーバーモールド122はコネクタ本体118の強度を高めるために隆線124、126を備えて形成される。コネクタ本体はピン132およびバネ134を有するバネラッチ130を含むラッチ領域を有する。
【0020】
第1のLEDまたは他のライト136は、フラッシュライトとして動作するように提供し得、それによってユーザーは低光量の状況で夜にコネクタを使用可能である。第2のLEDまたは他のライト138は、コネクタと自動車の正常な電気的接続を達成することを示すために裏面で提供してもよく、その時に第1のLEDをオフにする。回路140、例えば以下に説明するプリント回路(PC)の板はLEDを制御するために備えられる。
【0021】
ラッチ領域128は水に対して密閉しなくてもよい。その代わりに、ラッチ領域128に入る水は孔142を通って出る。図面に示すようにラッチ領域128の両面に3つの孔142があり、オーバーモールド122を通してラッチ領域128内まで延在する。孔142は、水が溜まる場所がないように、ラッチ領域128の下面でラッチ領域128に向かって開いている。しかし、図面144に示す孔の代わりに、またはそれらに加えて、いかなる適切な数および構成の孔を使用してもよい。
【0022】
例えば雨が降る時の使用において、コネクタ100に当たる雨水はバネラッチ132の周囲に流れることによってラッチ領域128に入る。ラッチ領域128に溜まる代わりに水は孔142を通してラッチ領域から出る。上記のように、孔142はラッチ領域128の下面144に相対して位置され、それによって全ての水は孔142の下に水たまりを生成せずラッチ領域128から排出する。
【0023】
孔142はオーバーモールドを可能にするために水平に延在しているように示される。オーバーモールドに使用される型の左右部分は孔142に対応する突起物を有し得、それによって孔142を形成し得る。オーバーモールドの工程が終了すると左右部分を水平の方向に取り外すことによって、それで形成された孔142から突起物を引っ張る。しかし、孔142の構成は様々な製造技法によって変更してもよい。例えば様々な製造技法において、孔142はラッチ領域128から下に傾斜してもよく、ラッチ領域128から垂直に下に延在してもよい。また、孔142は他の適切な方法、例えば掘削する方法により製造してもよい。
【0024】
更に他の構成も可能である。例えばラッチ領域128は、平面または、水を孔142に通させるために隆起する下面を有し得る。また、孔142は細長いものを示すが円形等いかなる適切な形状であってもよい。
【0025】
好ましい実施形態は高耐久化かつ頑丈なオーバーモールド仕様のSAE J1772コネクタアセンブリを提供する。好ましい実施形態の製造は、図9Aおよび9Bにおいて146として示され、環境(f1)紫外線等級およびUL 2251規格に定められる電気的かつ物理的な衝撃および強度の特徴に対して100以上の相対温熱指数(RTI)を含むUL94 V-0難燃性等級を有するポリカーボネート材料から成る10〜90 ampの挿入形成SAE J1772コネクタをもって開始する。
【0026】
SAE J1772コネクタ本体のアーキテクチャ146は、剛体の設計に基づいたものであり、架橋接着を促進する、および・又は機械的結合を可能にする機械的な特徴、およびプレモールド120およびオーバーモールド122を含む機械的係止特徴を組込む。これらの機械的な特徴はフロースルーチャンネル、開けられた孔、隆起の突起物または隆線を含み得る。
【0027】
コネクタ本体は上記のように、銀または金メッキでありえる、5つの353½の硬い黄銅接点104,106,108,110,112 を含む。2つの8サイズの電力接点104、112は楕円状に巻かれる高アンペア数かつ低挿入力の内部つる巻きバネ148を組込み、それによってマイクロアーク放電による加熱の機会を減少しながらより高いアンペア数を可能にし、また他のメーカーにより製造された自動車の注入口(IAW SAE J 1772)との逆互換性を無事に実現するのに更に機会を提供する。これらのつる巻きバネ148は、時間が経つにつれる工程変化の自然な傾向に対応することにも役立つ。バネ148は、図面に示すように、複数のトロイダルバネとして構成してもよく、例としてChabotによる米国特許第4,810,213号を挙げ、その開示は、参照することによって、全体として本出願に組み込まれる。
【0028】
挿入成形SAE J1772コネクタ本体146は、二酸化炭素、二酸化硫黄および硫化水素等の腐食性ガスから接点への攻撃を防ぐことに役立つために対面の表面に非燃性(FR)のUL規格認定取得済のクローズドセルガスケット150も組み込む。
【0029】
次に、図11に示すように、SAE J1772に特定されるピン配列図に対応するためのはんだ付け工程により、コネクタ本体146は、FFSO、UL規格認定取得済のケーブル114に組み立てられる。挿入形成SAE J1772のはんだ付けされた接点はアセンブリ全体のケーブル固定を向上させ、製品のライフサイクルを短くする短絡故障および接地故障に繋がり得るマイクロアーク放電およびより線のほつれの機会を減少する。更に、はんだ付けされた接点は露出される接点での湿気吸収に伴うウィッキングおよび毛管効果を防ぐために更なる防止対策を提供する。ウィッキングとは水および湿気の吸収を意味し、銅腐食を加速し製品ライフサイクルを短くし、その結果として分岐回路からより高いアンペア数を取って、過度な熱および顧客不満に繋がることがある。
【0030】
環境的に密閉されたマイクロスイッチのサブアセンブリ152は、上記のマイクロスイッチアセンブリである回路140を実装するために、一つの150 Ohm ½ watt抵抗器156および一つの300 Ohm ½ watt抵抗器158を組み込まれるFR-4 PCのULにリストされたPC基盤154にはんだ付けされる。次に、図13Aおよび図13Bに164として示されるグロメットは、マイクロスイッチのサブアセンブリ140に追加され、図14に示す位置に組み立てられる。グロメットは環境(f1)紫外線等級およびUL 2251規格に定められる電気的かつ物理的な衝撃および強度の特徴に対して90以上の相対温熱指数(RTI)を含むUL94 V-1難燃性等級を有するポリマー成形材料から製造される。アセンブリ152および板154は図15に示すように、2つのフライングリード(近接および接地)160、162を近接および接地接点106、108にはんだ付けすることによってコネクタ本体146に付着され、SAE J1772規格により必要となる直流パルス信号を可能にする。このPC板154は、EVSEにより有効化されるまたは必要となる充電およびフラッシュライトの要件に対するLED信号を組み込む銀回路の仕様も満たす。
【0031】
はんだ付けの工程を完了すると、図16Aおよび16Bに示すように、コネクタ本体146、PC板アセンブリ154およびケーブル114は環境的かつ誘電的に、環境(f1)紫外線等級およびUL 2251規格に定められる電気、物理的衝撃および強度の特徴に対して90以上の相対温熱指数(RTI)を含むUL94 HBまたはV-0難燃性等級を有する2部分のポッティング材料166にポッティングされ、ポッティング116を形成する。次に、こういったポッティング材料166は、翌日までの停止または熱補助の製造補助により硬化される。FFSO電気自動車のケーブルジャケット、絶縁された導体およびはんだ付けされた接続はこの2部分のポッティング材料によりカプセル化される。
【0032】
ポッティング材料166は露出される接点での湿気吸収に伴うウィッキングおよび毛管効果を防ぐために第一レヴェルの防止対策を提供する。より線の筒は、時間が経つにつれ毛管効果を起こす可能性を持ち、湿気が露出される接点領域から銅のより線へ逃げ、それによって銅腐食を加速し製品ライフサイクルを短くし、その結果として分岐回路からより高いアンペア数を取って、過度な熱および顧客不満に繋がることがある。ポッティング材料166は、誘電特徴も備え、電力接点およびアースの間に潜在的な空気中のアークから更にアセンブリを絶縁する。このポッティング材料166は、基礎となり、設計中に追加のポリマー材料に追加の構造および支持のために使用される。
【0033】
2部分の環境的かつ誘電的なポッティング材料166が完全に硬化されガス抜きとなってポッティング116を形成した後、図17に示すようにプレモールド120は、次にコネクタ本体146、FFSO電気自動車ケーブル114およびポッティング接点を含むサブアセンブリの上に成形される。プレモールドはUL94 V-0難燃性等級および100以上の相対温熱指数(RTI)を有する高衝撃ポリアミド (PA6またはPA66)に基づいた材料である。ガラス入りのテレフタル酸ポリエチレン(PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性加硫物(TPV)または高衝撃ポリプロピレン(HIPP)等、他の特別に工学的に生成された混合物も使用可能である。プレモールド120はサブアセンブリをカプセル化し、アーキテクチャの「骨格」を提供するに加えて、SAE J1772の形成コネクタアセンブリシステムの全体に更に環境的かつ誘電的な特徴を追加する。プレモールド120は完成品の孔142に対応する孔168を含む。
【0034】
プレモールドのアーキテクチャは剛体の設計に基づいたものであり、架橋接着を促進する、および/または機械的結合ならびに外部の「オーバーモールドスキン」層の機械的係止特徴を可能にする機械的な特徴を組込む。これらの機械的な特徴はフロースルーチャンネル、隆起の突起物または隆線、または凹む谷およびフロースルーTチャンネルを含み得る。
【0035】
図18に122として示すオーバーモールドまたはスキンはSAE J1772の形成コネクタアセンブリシステムの全体に対して、ユーザーインターフェース、衝撃エネルギーの吸収、抹殺抵抗、流体やガソリン抵抗および全体的な紫外線(UV)保護のためである。SAE J1772の形成コネクタアセンブリのオーバーモールド材料はUL94 V-1難燃性等級およびUL 2251規格に定められる電気的かつ物理的な衝撃および強度の特徴に対して90以上の相対温熱指数(RTI)を有する。EPT、EPDMおよびシリコーンまたは液体状シリコーン注入剤のように、他の熱硬化性の材料も、外部スキンの物理的かつ性能の要件に対応するために組み込んでも良い。
【0036】
一度システムが完全に成形されると、UL94 V-1難燃性等級、環境的(f1)紫外線等級およびUL 2251規格に定められる電気的かつ物理的な衝撃および強度の特徴に対して100以上の相対温熱指数(RTI)を有するポリカーボネート(PC)等のポリマー材料から製造されたラッチアーム130が付着される。このラッチアームは成形またはステンレススチール(300シリーズ)のピンにより付着される。ラッチはSAE J1772自動車の注入口および、充電開始前ならびに充電完了時にマイクロスイッチサブアセンブリを有効化する機械的なレバーとの機械的な結合を備える。ラッチアームを付着するステップは、図19に示すようにラッチ領域128にラッチバネ134を挿入するステップ、図20に示すようにラッチアーム130をバネ134の上にラッチ領域128に挿入するステップおよび図面21に示すようにラッチピン132を挿入するステップを含む。
【0037】
更に市販品として、多くの場合にケーブルおよび接点の大きさによって支配される30 AMPおよび75 AMPとリストされたアセンブリしか提供されていない。好ましい実施形態において実施される技術は、将来的に直流高速充電の要件に対応するためにより高い電流等級(より高いアンペア数)のケーブルアセンブリを可能にする。
【0038】
好ましい実施形態は誘電的かつ環境的なポッティング材料を組み込まれる高耐久化かつ頑丈なオーバーモールドコネクタアセンブリを備え、統合されたポリマー基板およびオーバーモールドのポリマースキンは極端で厳しい環境状況から保護を提供する。好ましい実施形態はオーバーモールドおよび統合されたポリマー(層状)の設計およびマイクロスイッチならびに充電表示とフラッシュライトを備えるLEDライトを有する統合されたPC板を組み合わせる。このソリューションは、ライフサイクルコストを削減し、よりよい製品信頼性を提供し、機械的な係止機能およびハードウェア(例えばトルクスねじ)に関連する不正使用および破壊行為のリスクを削減することを備える。このオーバーモールドのソリューションは水、氷、ほこり、紫外線、油および自動車流体を含み得る極端な環境要素から優れた環境保護を提供する。
【0039】
好ましい実施形態、またはいかなる実施形態でも、交流充電および高速直流充電に両方とも対応し、ユーザーがいずれの充電形態を使用するかを選択可能にするように変更可能である。図22Aは、そのように変更されたコネクタ2200の真正面を示す。図22Bは図22AのXXIIA-XXIIA線から見られる、そのコネクタの断面図である。図22Cおよび22Dは、それぞれ側面図および上面図である。コネクタ2200は上記開示のコネクタ100のように構造使用されるが、コネクタの前方片102およびピン104〜112に加えてコネクタ2200は、リード2206に繋がり、第2のコネクタ前方片2208の中に密閉される、更に2つのピン2202、2204も有する。ユーザーが交流充電および高速直流充電から選択可能のようにするためにいかなる適切なスイッチを備えても良い。
【0040】
好ましい実施形態は以上記載されるが、本開示を見直した当業者は本発明の範囲内で他の実施形態も実現可能であることを理解するであろう。例えばいかなる適切なラッチ機構、そしていかなる適切な材料を使用してもよい。また、コネクタはいかなる標準または独自の配置に合わせて適応可能である。よって、本発明は添付された請求項のみによって制限されると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ本体と、
前記コネクタ本体内での複数のコネクタピンと、
電気コネクタを電気自動車に固定するためにコネクタ本体上のラッチ領域に搭載するラッチとを含み、
前記コネクタ本体は前記ラッチ領域に入った水が前記ラッチ領域から出ることを可能にする複数の孔を有する、
電気自動車用の電気コネクタ。
【請求項2】
前記複数のコネクタピンに隣接するライトを更に含む請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタピンと反対である前記コネクタ本体の一部に第2のライトを更に含む請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記コネクタ本体がオーバーモールドにより形成される請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記コネクタ本体は
ポッティング材料と、
前記ポッティング材料の上に形成されたプレモールドと、
前記プレモールドの上に一体形成される外側のコネクタ本体とを含む請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記ポッティング材料が二片の誘電ポッティング材料を含む請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記プレモールドがポリアミドに基づいた材料、ガラス入りのテレフタル酸ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、およびポリプロピレンからなる群から選択される材料を含む請求項6に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記外側のコネクタ本体がEPT、EPDMおよびシリコーンまたは液体状シリコーン注入剤からなる群から選択される材料を含む請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記プレモールドが前記外側のコネクタ本体と架橋接着、機械的結合および機械的係止の少なくとも一つを提供するように形成される請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記複数のコネクタピンは第1の充電形態のための第1連のコネクタピンおよび第2の充電形態のための第2連のコネクタピンを含む請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記第1の充電形態は交流充電形態であり、前記第2の充電形態は直流充電形態である請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
(あ)充電ケーブルおよび少なくとも1つのコネクタピンを有するコネクタ本体を備えるステップと、
(い)前記充電ケーブルおよび前記少なくとも1つのコネクタピンの間に電気接続を備えるステップと、
(う)前記コネクタ本体および前記コネクタ本体に隣接する前記充電ケーブルの一部にポッティング材料を塗布するステップと、
(え)前記ポッティング材料、前記コネクタ本体および前記コネクタ本体に隣接する前記充電ケーブルの一部の上にプレモールドを塗布するステップと、
(お)前記プレモールドの上にオーバーモールドとして外側のコネクタ本体を一体形成し前記コネクタを形成するステップとを含む、
電気自動車における電気コネクタを製造する方法。
【請求項13】
前記コネクタの動作を制御するための回路を備えることを更に含み、ステップ(う)は回路の上に前記ポッティング材料を塗布することを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ポッティング材料が二片の誘電ポッティング材料を含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記プレモールドがポリアミドに基づいた材料、ガラス入りのテレフタル酸ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、およびポリプロピレンからなる群から選択される材料を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記外側のコネクタ本体がEPT、EPDMおよびシリコーンまたは液体状シリコーン注入剤からなる群から選択される材料を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プレモールドが前記外側のコネクタ本体と架橋接着、機械的結合および機械的係止の少なくとも一つを提供するように形成される請求項12に記載の方法。
【請求項18】
自動車に前記コネクタをラッチするためにラッチを前記コネクタに搭載することを含む請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記コネクタ本体はその中にラッチが形成される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記外側のコネクタ本体は、前記ラッチの領域から出ることを可能にするために複数の孔を有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(お)は前記複数の孔を有するように前記外側のコネクタ本体にオーバーモールドを形成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(あ)は第1の充電形態のための第1連のコネクタピンおよび第2の充電形態のための第2連のコネクタピンを備えることを含む請求項12に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の充電形態は交流充電形態であり、前記第2の充電形態は直流充電形態である請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【公開番号】特開2012−146652(P2012−146652A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−480(P2012−480)
【出願日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【出願人】(507202725)ジェネラル・ケーブル・テクノロジーズ・コーポレーション (7)
【Fターム(参考)】