説明

プラズマアーク溶接方法及びマイクロリアクタの製造方法

【課題】板材に別の板材を立てた状態で溶接するに際して、特に立てる板材の間隔が狭くとも溶接することができるプラズマアーク溶接方法及びマイクロリアクタの製造方法を提供する。
【解決手段】枠体723の一方の開口を底板722で蓋をするように枠体723に底板722を重ねることで、枠体723の各側壁及び隔壁724を立てた状態で底板722の一方の面に当接させる。そして、底板722に関して枠体723及び隔壁724の反対側で溶接トーチ701の先端を底板722の他方の面に向ける。そして、溶接トーチ701からプラズマアーク711を噴出させる。そして、溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で底板722の縁部に沿って枠体723及び隔壁724をなぞるよう、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマアークを用いて被加工材の溶接を行うプラズマアーク溶接方法に関するとともに、プラズマアーク溶接方法を用いたリアクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は小型でもエネルギーの利用効率が高いために小型電子機器の電源としても注目されている。燃料電池に水素を供給すれば電気エネルギーが得られるが、水素はアルコール類等の液体燃料をマイクロリアクタによって改質することによって得られる。マイクロリアクタを小型電子機器に搭載するために、マイクロリアクタをより小型化する必要があり、例えば特許文献1に記載されているように、溝が形成された基板同士を接合することによって小型なマイクロリアクタが製造されている。
【0003】
ところが、基板同士を接合したマイクロリアクタの場合、溝の容積を除いたマイクロリアクタ全体の体積が溝の容積に対して大きくなってしまうことがある。そのため、マイクロリアクタ自体の熱容量が大きくなってしまい、エネルギーの利用効率が低下してしまう。そこで、非常に薄くシート状の板材を微細加工技術により溶接し、マイクロリアクタを組み立てる試みがある。マイクロリアクタを組み立てるに際しては、図14(a)に示すように薄板901に対して蝋材904を介して、外壁となる薄板902,内壁となる薄板903を並べて立てた状態で溶接している。なお、図14では、薄板902,903の間が流路となる。
【特許文献1】特開2005−132712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蝋材904は、矢印Aのように、薄板901の内面901a側から蝋材904の融点以上に加熱されることによって溶融できるので薄板902,903を薄板901の内面901aに溶接できる。さらにこの薄板901に溶接された薄板902,903を薄板907に溶接するためには、薄板907の内面907aの溶接部に蝋材906を設けた後、蝋材906を加熱しなければならない。このとき、外壁となる薄板902は矢印Bに示すように薄板907の溶接部に当接した状態で薄板902のさらに外側から熱を加えることによって蝋材906を溶融することができる。しかし、内壁となる薄板903は、薄板907の溶接部に当接してしまうと、薄板902が立体障害となって薄板903と薄板907とを結着する蝋材906を加熱することが難しく、接合不良を起こす恐れがある。
そこで、本発明は、板材に別の複数の板材を立てた状態で溶接するに際して、立てる板材を容易に溶接することができるプラズマアーク溶接方法及びマイクロリアクタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、プラズマアーク溶接方法において、板状の第1の被加工材の一方の面に板状の第2の被加工材を立てた状態で当接させ、前記第1の被加工材の前記一方の面の反対側の面にプラズマアークを噴出することで前記第1の被加工材に前記第2の被加工材を立てた状態で溶接することを特徴とする。
【0006】
請求項1に係る発明によれば、例えば、第1の被加工材の一方の面側において第2の被加工材の近くに障害物等があったものとしても、第1の被加工材の他方の面にプラズマアークを噴出するので、第2の被加工材と第1の被加工材との当接部の近くに溶接トーチを挿入する必要がない。したがって第2の被加工材と第1の被加工材を当接する際に第2の被加工材及び第1の被加工材の少なくとも一方が立体障害になることなく容易に溶接できる。このようなプラズアーク溶接方法は、特に小型なマイクロリアクタの製造に好適である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプラズマアーク溶接方法において、前記第2の被加工材が前記第1の被加工材に当接する箇所に沿うよう切り込みが前記第1の被加工材に形成され、前記切り込みに向けて前記プラズマアークを噴出することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明によれば、第1の被加工材に切り込みを形成することによって溶接に必要なエネルギーを抑えられ、第1の被加工材や第2の被加工材の歪みを抑えることができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のプラズマアーク溶接方法において、前記第2の被加工材が前記第1の被加工材に当接する前記一方の面の箇所に沿うよう溝が前記第1の被加工材の前記反対側の面に形成され、前記溝に向けて前記プラズマアークを噴出することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1又は3に記載のプラズマアーク溶接方法において、前記第2の被加工材が前記第1の被加工材に当接する箇所に沿うように溝が前記第1の被加工材の前記一方の面に形成され、前記第1の被加工材の前記反対側の面のうち前記溝に対応する箇所に向けて前記プラズマアークを噴出することを特徴とする。
【0011】
請求項3、請求項4に係る発明によれば、第1の被加工材に溝を形成することによって溶接に必要なエネルギーを抑えられ、第1の被加工材や第2の被加工材の歪みを抑えることができる。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のプラズマアーク溶接方法において、前記溝に前記第2の被加工材を嵌め込んだ状態で前記プラズマアークを噴出することを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明によれば、溝に第2の被加工材を嵌め込むことによって第1の被加工材に第2の加工材を仮止めすることができる。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れか一項に記載のプラズマアーク溶接方法を用いてマイクロリアクタを製造することを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明によれば、小型なマイクロリアクタを製造することができる。
【0016】
請求項7に係る発明は、内面に隔壁が設けられた枠体の開口を板材で蓋をするよう前記枠体に前記板材を重ねる工程と、前記板材に関して前記枠体及び前記隔壁の反対側から前記板材にプラズマアークを噴出することで前記枠体及び前記隔壁を前記板材に溶接する工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明によれば、板材の一方の面に枠体を重ね、反対側から板材の他方の面にプラズマアークを噴出したので、板材に枠体及び隔壁を溶接することができる。ここで、枠体が小さかったり、枠体の内側に隔壁が設けられていたりしても、板材の他方の面にプラズマアークを噴出するので、板材と枠体の当接部の近くや枠体と隔壁の当接部の近くに溶接トーチを挿入する必要がない。そのため、小型なマイクロリアクタを簡単に製造することができる。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のマイクロリアクタの製造方法において、前記隔壁が前記板材に当接する箇所に沿うよう切り込みが前記板材に形成され、前記切り込みに向けて前記プラズマアークを噴出することで前記隔壁を前記板材に溶接することを特徴とする。
【0019】
請求項8に係る発明によれば、板材に切り込みを形成することによって溶接に必要なエネルギーを抑えられ、板材、枠体及び隔壁の歪みを抑えることができる。
【0020】
請求項9に係る発明は、請求項7に記載のマイクロリアクタの製造方法において、前記枠体及び前記隔壁が前記板材に当接する箇所に沿うよう溝が前記板材の前記枠体とは反対側の面に形成され、前記溝に向けて前記プラズマアークを噴出することで前記枠体及び前記隔壁を前記板材に溶接することを特徴とする。
【0021】
請求項10に係る発明は、請求項7又は9に記載のマイクロリアクタの製造方法において、前記枠体及び前記隔壁が前記板材に当接する箇所に沿うよう溝が前記板材の前記枠対側の面に形成され、前記板材の前記枠体とは反対側の面のうち前記溝に対応する箇所に向けて前記プラズマアークを噴出することで前記枠体及び前記隔壁を前記板材に溶接することを特徴とする。
【0022】
請求項9、請求項10に係る発明によれば、板材に溝を形成することによって溶接に必要なエネルギーを抑えられ、板材、枠体及び隔壁の歪みを抑えることができる。
【0023】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載のマイクロリアクタの製造方法において、前記溝に前記枠体及び前記隔壁を嵌め込んだ状態で前記プラズマアークを噴出することを特徴とする。
【0024】
請求項11に係る発明によれば、溝に枠体及び隔壁を嵌め込むことによって、枠体及び隔壁を板材に仮止めすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第2の被加工材と第1の被加工材を当接する際に第2の被加工材及び第1の被加工材の少なくとも一方が立体障害になることなく容易に溶接でき、小型なマイクロリアクタを簡単に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、マイクロプラズマアーク溶接方法を用いてマイクロリアクタを製造する方法について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0027】
まず、溶接装置について図1を用いて説明する。図1は、溶接トーチ701の要部断面等を示した概略図である。
図1に示すように、溶接トーチ701は、タングステン製の陰極バー702と、陰極バー702から外側に所定間隔をあけて陰極バー702と同軸に配置された筒状の陽極ノズル703と、陽極ノズル703から外側に所定間隔をあけて陰極バー702と同軸に配置された筒状の拘束ノズル704とを備える。陽極ノズル703の先端には陰極バー702の先端位置に対応した開口部712が設けられており、拘束ノズル704の先端には開口部712の位置に対応し且つ開口部712の周囲を囲むように開口部713が設けられている。陽極ノズル703はその先端が絞られた形状とされ、拘束ノズル704もその先端が絞られた形状とされ、陰極バー702、陽極ノズル703及び拘束ノズル704の先端が被加工材710に指向している。
【0028】
陰極バー702と陽極ノズル703との間の通路705にはプラズマガス供給装置が接続され、プラズマガス(例えば、Ar)が通路705に供給され、プラズマガスは後述するようにイオン化されたプラズマの状態となってから、開口部712からプラズマアーク711として放電される。プラズマアーク711の径は、開口部712の内径等によって設定することができ、溶接される枠体723や隔壁724の厚さ程度であることが好ましい。陽極ノズル703と拘束ノズル704との間の通路706にはシールドガス供給装置が接続され、シールドガス(例えば、ArとH2の混合気)が通路706に供給され、シールドガスは、放出されたプラズマアーク711が大気と接することを防止するために、プラズマアーク711の周囲を囲みながら開口部713から放出される。
【0029】
被加工材710と陰極バー702との間にメイン電源707が接続され、陰極バー702と陽極ノズル703との間には低電流のパイロットアーク電源708が接続されている。
【0030】
この溶接トーチ701においては、プラズマガス供給装置によって通路705にプラズマガスを送り込み、パイロットアーク電源708を作動させると、陰極バー702と陽極ノズル703との間にパイロットアークが発生する。そして、メイン電源707を作動させ、陽極ノズル703を水冷し、同時にシールドガス供給装置によってシールドガスを通路706に供給すると、収束された高温・高密度なプラズマアーク711が陰極バー702と被加工材710との間に発生する。プラズマアーク711の温度は、被加工材710の融点よりも高く、10000℃〜20000℃程度になる。
【0031】
マイクロリアクタの材料について図2を用いて説明する。図2は、マイクロリアクタの分解斜視図である。
図2に示すように、マイクロリアクタの材料として、矩形薄板状の天板721及び底板722と、上面及び下面が開口した矩形枠状の枠体723とを用いる。枠体723の内側においては、四つの側壁のうち2つの側壁の内面に薄板状の隔壁724が設けられ、枠体723の内側が隔壁724によって葛折り状の流路725に仕切られている。隔壁724の高さは周囲の枠体723の高さにほぼ等しい。天板721、底板722、枠体723、隔壁724は何れも、流路725内を流れる物質に対して化学反応を引き起こしにくいステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなる。なお、天板721、底板722が第1の被加工材であり、枠体723の各側壁や隔壁724が第2の被加工材である。
【0032】
マイクロリアクタの製造方法について図3を用いて説明する。図3はマイクロリアクタの製造工程を順に示した断面図である。
【0033】
まず、天板721及び底板722の両面を研磨する。次に、直方体状の金属塊に型彫り放電加工によって流路725を形成することで、隔壁724及び枠体723を工作する。なお、天板721、底板722、隔壁724、枠体723の各側壁の肉厚は0.1〜0.2mmとすると、マイクロリアクタの熱容量が少なくなり、エネルギーの利用効率の高いマイクロリアクタを提供することができる。
【0034】
図3(a)に示すように、枠体723の一方の開口を底板722で蓋をするように枠体723に底板722を重ねることで、枠体723の各側壁及び隔壁724を立てた状態で底板722の一方の面722dに当接させる。そして、底板722が図1の被加工材710となるように、底板722にメイン電源707を接続し、底板722に関して枠体723及び隔壁724の反対側で溶接トーチ701の先端を底板722の他方の面722eに向ける。そして、溶接トーチ701からプラズマアーク711を噴出させる。プラズマアーク711の放出方向は、底板722の他方の面722eに対して垂直方向に設定されている。そして、溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で底板722の縁部に沿って枠体723をなぞるよう、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させ、底板722の他方の面722eになぞられた部分は溶融される。溶融された部分はその後大気で冷却されて固化し、この際に枠体723を固着して、枠体723の各側壁を立てた状態で底板722に溶接する。このとき、枠体723において、底板722に当接している部分も一部溶融していてもよい。なお、底板722と枠体723との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は底板722及び枠体723よりも融点が低い方が迅速に溶解するので底板722及び枠体723を加熱し過ぎなくて済み、底板722等の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は底板722及び枠体723を必ずしも溶融する必要はない。
【0035】
次に、図3(b)に示すように底板722に板状のジグ730を重ねる。ジグ730は、セラミック等のように融点が底板722の融点よりも高く、また溶融した底板722が張り付きにくい材料で形成されていることが好ましい。ここで、ジグ730には、隔壁724に対応した切り込み731が形成され、ジグ730を底板722に重ねると、ジグ730の切り込み731で露出されている底板722の一方の面722dの所定部分の裏面側に隔壁724が重なる。そして、溶接トーチ701から底板722の他方の面にプラズマアーク711を噴出した状態で、溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で切り込み731に沿って切り込み731をなぞるよう、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させる。プラズマアーク711の放出方向は、底板722の他方の面722eに対して垂直方向に設定されている。これにより、隔壁724を底板722に立てた状態で底板722に溶接する。このとき、隔壁724において、底板722に当接している部分も一部溶融していてもよい。このようなジグ730を用いることで、溶接箇所が切り込み731によって分かり、更にプラズマアーク711で加熱された溶接箇所の周囲の熱が、底板722に接しているジグ730に伝わって拡散するので、底板722のジグ730に接している部分の溶融を抑え、溶接箇所を局所的に加熱することができる。溶接箇所を局所的に加熱することで、底板722等の歪みを抑えることができる。なお、底板722と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は底板722及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので底板722及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、底板722等の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は底板722及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。
【0036】
次に、図3(c)に示すように、枠体723の他方の開口を枠体723の一方の開口を天板721で蓋をするように枠体723に天板721を重ね、枠体723の各側壁及び隔壁724を立てた状態で天板721の一方の面721dに当接させる。そして、枠体723に底板722を接合するのと同様に、溶接トーチ701が天板721の外側の面721eに向けてプラズマアーク711を放出する。天板721は、プラズマアーク711によって面721eと反対側の面721dまで加熱されて、枠体723と天板721との当接部が溶融されることによって天板721の縁部に枠体723に溶接する。このとき、プラズマアーク711の放出方向は、天板721の外面721eに対して垂直方向に設定されている。また枠体723において、天板721に当接している部分も一部溶融していてもよい。なお、天板721と枠体723との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は天板721及び枠体723よりも融点が低い方が迅速に溶解するので天板721及び枠体723を加熱し過ぎなくて済み、天板721等の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は天板721及び枠体723を必ずしも溶融する必要はない。
このように、接合面721dと反対側の面721eにプラズマアーク711を放出させるので、従来、図14に示すような斜めから加熱するのに比べて、当接部に均等に熱を加えることができ、良好に接合することができる。
そして、更にジグ730を配置後、溶接トーチ701が天板721の外側の面721eに向けてプラズマアーク711を放出することによってプラズマアーク711が放出された面721eと反対側の面721dにおいて隔壁724を天板721に溶接する(図3(d))。このとき、プラズマアーク711の放出方向は、天板721の外面721eに対して垂直方向に設定されている。また隔壁724において、天板721に当接している部分も一部溶融していてもよい。なお、天板721と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は天板721及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので天板721及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、天板721等の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は天板721及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。
このように、接合面721dと反対側の面721eにプラズマアーク711を放出させるので、従来、図14に示すような斜めから加熱するのに比べて、当接部に均等に熱を加えることができ、良好に接合することができる。特にマイクロリアクタのように、隔壁724同士の間隔や枠体723と隔壁724との間隔が狭くても容易に接合することができる。
【0037】
以上のように天板721及び底板722を溶接する前又は後に、流路725を形成した内面全体(天板721の内面721d、底板722の内面722d、枠体723の内面723a及び隔壁724の両側面724a)に触媒を担持させ、天板721、底板722、枠体723の外面に電熱線をパターニングする。触媒を担持する際には、酸化アルミ等の多孔質の担持体を予め流路725の内面全体に形成後、担持体に触媒させる。
【0038】
完成したマイクロリアクタにおいては、反応物が流路725に送り込まれて流路725を流動している際に、反応物が反応する。ここでの「反応」とは、「化学反応」のみならず、熱エネルギーを受けることによる気化、液化といった「状態変化」も含む意である。反応物を状態変化させる場合にマイクロリアクタを用いる場合には、流路725には触媒を担持させない方が良い。
【0039】
なお、図4に示すように、溶接の前に、ワイヤー放電等によって隔壁724に沿う切り込み722aを底板722に形成し、図5に示すように底板722を溶接する際には、隔壁724に切り込み722aを重ね合わせ、枠体723に底板722の周縁を重ね合わせ、溶接トーチ701が底板722の外側の面722eに向けてプラズマアーク711を放出する。底板722、枠体723及び隔壁724は直接プラズマアーク711が接触して加熱されて、枠体723と底板722との当接部及び隔壁724と底板722との当接部が溶融されることによって底板722の縁部に枠体723に溶接し、底板722の切り込み722aの周縁に隔壁724に溶接する。なお、底板722と枠体723との溶接箇所及び底板722と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は底板722、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので底板722、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、底板722、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は底板722、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で切り込み722aに沿って切り込み722aをなぞるよう、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させることとしても良い。プラズマアーク711の放出方向は、底板722に対して垂直方向に設定されている。
【0040】
同様に、溶接の前に隔壁724に沿う切り込み721aを天板721に形成し、天板721を溶接する際には隔壁724に切り込み721aを重ね合わせ、枠体723に天板721の周縁を重ね合わせて、溶接トーチ701が天板721の外側の面721eに向けてプラズマアーク711を放出する。天板721、枠体723及び隔壁724は直接プラズマアーク711が接触して加熱されて、枠体723と天板721との当接部及び隔壁724と天板721との当接部が溶融されることによって天板721の縁部に枠体723に溶接し、天板721の切り込み721aの周縁に隔壁724に溶接する。なお、天板721と枠体723との溶接箇所及び天板721と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は天板721、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので天板721、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、天板721、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は天板721、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で切り込み721aに沿って切り込み721aをなぞるよう、天板721、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させることとしても良い。プラズマアーク711の放出方向は、天板721に対して垂直方向に設定されている。ここで、天板721、底板722は、隔壁724に当接するため、切り込み721a,722aの幅は、隔壁724の肉厚よりも小さいことが望ましい。
【0041】
以上のように、天板721、底板722に切り込み721a,722aを形成することによって、溶接に必要なエネルギーを抑えられ、天板721、底板722の歪みを抑えることができる。
【0042】
また、図6に示すように、溶接の前に、切削又はエッチング等によって枠体723及び隔壁724に沿う溝722bを底板722の接合面の反対面である外面722eに形成し、同様に、溶接の前に枠体723及び隔壁724に沿う溝721bを天板721の接合面の反対面である外面721eに形成してある。そして図7に示すように底板722を溶接する際には、溝722bに枠体723及び隔壁724を重ね合わせて、溶接トーチ701が底板722の外側の面722eの溝722bに向けてプラズマアーク711を放出する。底板722、枠体723及び隔壁724はプラズマアーク711によって加熱されて、枠体723と底板722との当接部及び隔壁724と底板722との当接部が溶融されることによって底板722の縁部に枠体723に溶接し、底板722の溝722bに対向する内面722dに隔壁724に溶接する。なお、底板722と枠体723との溶接箇所及び底板722と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は底板722、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので底板722、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、底板722、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は底板722、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で溝722bに沿って溝722bをなぞるよう、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させることとしても良い。プラズマアーク711の放出方向は、底板722に対して垂直方向に設定されている。
【0043】
同様に、天板721を溶接する際には枠体723及び隔壁724に溝721bを重ね合わせて、溶接トーチ701が天板721の外側の面721eの溝721bに向けてプラズマアーク711を放出する。天板721、枠体723及び隔壁724はプラズマアーク711によって加熱されて、枠体723と天板721との当接部及び隔壁724と天板721との当接部が溶融されることによって天板721の縁部に枠体723に溶接し、天板721の溝721bに対向する内面721dに隔壁724に溶接する。なお、天板721と枠体723との溶接箇所及び天板721と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は天板721、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので天板721、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、天板721、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は天板721、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で溝721bに沿って溝721bをなぞるよう、天板721、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させることとしても良い。プラズマアーク711の放出方向は、天板721に対して垂直方向に設定されている。
【0044】
以上のように、天板721、底板722は溝721b,722bが薄くなり、プラズマアーク711によってより熱が伝搬しやすい構造となっており、溶接に必要なエネルギーを抑えられ、速やかに接合できるとともに切り込みのある場合に比べて機械的強度があるので、天板721、底板722の歪みを抑えることができる。
【0045】
また、図8に示すように、溶接の前に、枠体723及び隔壁724に沿う溝722cを底板722の接合面722dに形成し、枠体723及び隔壁724に沿った溝721cを天板721の接合面721dに形成しておく。溝722cの幅は、隔壁724や枠体723の幅と同等かやや広く設定されており、図9に示すように底板722を溶接する際には溝722cに枠体723及び隔壁724を嵌め込んで、溶接トーチ701が底板722の溝722cの反対側に位置する面722eに向けてプラズマアーク711を放出する。底板722、枠体723及び隔壁724はプラズマアーク711によって加熱されて、枠体723と底板722との当接部及び隔壁724と底板722との当接部が溶融されることによって底板722の縁部に枠体723に溶接し、底板722の溝722cで隔壁724に溶接する。なお、底板722と枠体723との溶接箇所及び底板722と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は底板722、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので底板722、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、底板722、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は底板722、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で溝722cに沿って溝722cをなぞるよう、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させることとしても良い。
【0046】
溝721cの幅は、隔壁724や枠体723の幅と同等かやや広く設定されており、天板721を溶接する際には枠体723及び隔壁724に溝721cに嵌め込んで、溶接トーチ701が天板721の溝721cの反対側に位置する面721eに向けてプラズマアーク711を放出する。天板721、枠体723及び隔壁724はプラズマアーク711によって加熱されて、枠体723と天板721との当接部及び隔壁724と天板721との当接部が溶融されることによって天板721の縁部に枠体723に溶接し、天板721の溝721cで隔壁724に溶接する。なお、天板721と枠体723との溶接箇所及び天板721と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は天板721、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので天板721、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、天板721、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は天板721、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。
【0047】
溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で溝721cに沿って溝721cをなぞるよう、天板721、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させることとしても良い。
【0048】
以上のように、天板721、底板722に溝721c,722cを形成することで、枠体723及び隔壁724を天板721や底板722の溝722cに嵌め込んで仮止めした状態で溶接を行うことができるので位置ズレを防止できる。更に溶接に必要なエネルギーを抑えられ、天板721、底板722の歪みを抑えることができる。
【0049】
また、図10に示すように、溶接の前に、底板722の接合面722dの反対面722eに枠体723及び隔壁724に沿う溝722bを形成し、底板722の接合面722dに、溝722bの位置に対向するように枠体723及び隔壁724に沿う溝722cを形成しておき、さらに、天板721の接合面721dの反対面721eに枠体723及び隔壁724に沿う溝721bを形成し、天板721の接合面721dに、溝721bの位置に対向するように枠体723及び隔壁724に沿う溝721cを形成しても良い。溝722cの幅及び溝721cの幅は、隔壁724や枠体723の幅と同等かやや広く設定されている。溝722b、溝721bの幅は隔壁724や枠体723の肉厚よりも狭くても良い。そして、図11に示すように底板722を溶接する際には溝722cに枠体723及び隔壁724を嵌め込んで、溶接トーチ701が底板722の溝722cの反対側に位置する溝722bに向けてプラズマアーク711を放出する。底板722、枠体723及び隔壁724はプラズマアーク711によって加熱されて、枠体723と底板722との当接部及び隔壁724と底板722との当接部が溶融されることによって底板722の縁部に枠体723に溶接し、底板722の溝722cで隔壁724に溶接する。なお、底板722と枠体723との溶接箇所及び底板722と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は底板722、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので底板722、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、底板722、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は底板722、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で溝722bに沿って溝722bをなぞるよう、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させる。
【0050】
そして、天板721を溶接する際には枠体723及び隔壁724に溝722cに嵌め込んで、溶接トーチ701が天板721の溝721cの反対側に位置する溝721bに向けてプラズマアーク711を放出する。天板721、枠体723及び隔壁724はプラズマアーク711によって加熱されて、枠体723と天板721との当接部及び隔壁724と天板721との当接部が溶融されることによって天板721の縁部に枠体723に溶接し、天板721の溝721cで隔壁724に溶接する。なお、天板721と枠体723との溶接箇所及び天板721と隔壁724との溶接箇所には、蝋材が介在されていてもよく、その場合、蝋材は天板721、枠体723及び隔壁724よりも融点が低い方が迅速に溶解するので天板721、枠体723及び隔壁724を加熱し過ぎなくて済み、天板721、枠体723及び隔壁724の歪みを抑えることができる。蝋材を用いる場合は天板721、枠体723、及び隔壁724を必ずしも溶融する必要はない。溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で溝721bに沿って溝721bをなぞるよう、天板721、底板722、枠体723及び隔壁724に対して溶接トーチ701を相対的に移動させる。
【0051】
以上のように、天板721、底板722に溝721b,722bや溝721c,722cを形成することで、溶接に必要なエネルギーを抑えられ、天板721、底板722の歪みを抑えることができる。
【0052】
また、上述の説明では枠体723及び隔壁724を型彫り放電加工によって作成したが、溶接トーチ701を用いたマイクロプラズマ溶接方法によって枠体723及び隔壁724を組み立てても良い。つまり、四つの薄板を矩形枠状に組むに際してそれぞれの角部をマイクロプラズマアーク溶接方法によって溶接することで枠体723を作成し、更に枠体723の四つの側壁のうち2つの側壁の内面に隔壁724をマイクロプラズマアーク溶接方法によって溶接する。
【0053】
〔応用例〕
上述のマイクロプラズマアーク溶接方法は、図12、図13に示されたマイクロリアクタモジュール1の製造方法に用いることができる。
【0054】
ここで、マイクロリアクタモジュール1について簡単に説明する。このマイクロリアクタモジュール1は、ベースプレート102、下部枠104、中部枠106、燃焼器プレート108、上部枠110、蓋プレート112を積層してなる高温反応部4と、ベースプレート28、下部枠30、中部枠32、上部枠34及び蓋プレート36を積層した低温反応部6と、高温反応部4と低温反応部6との間に架設された連結管8と、低温反応部6の下面に連結した多管材10と、多管材10の周りにおいて積層された燃焼器プレート12と、低温反応部6の下面にパターニングされた電熱線170と、低温反応部6から連結管8、高温反応部4にかけての下面にパターニングされた電熱線172と、低温反応部6の下面から燃焼器プレート12の外面にかけてパターニングされた電熱線174とを備える。
【0055】
燃焼器プレート12が接合されて接合面に流路が形成されているが、気体燃料と空気の混合気が多管材10を通って燃焼器プレート12の流路に流れ込み、その流路において触媒燃焼が起こる。また、多管材10に液体燃料と水の混合液が供給されるが、燃焼器プレート12における燃焼熱や電熱線174によって混合液が気化する。気化した燃料と水の混合気はベースプレート28の流路、連結管8を通って高温反応部4の下部の内側に送られる。高温反応部4の下部はベースプレート102、下部枠104、中部枠106を積層したものであるが、これらの積層体の内側に流路が形成され、その流路を混合気が流れて水素等が触媒反応により生成される。この触媒反応には熱が必要だが、電熱線172や燃焼器プレート108から熱エネルギーが供給される。ここで、燃焼器プレート108が上部枠110と接合することでその接合面に燃焼室が形成され、気体燃料と空気の混合気が多管材10、ベースプレート28の流路、連結管8を通って燃焼室に供給され、燃焼室において触媒燃焼が起こる。
【0056】
ベースプレート102、下部枠104、中部枠106の積層体から混合気が更に上部枠110の内側に送られる。上部枠110の内側には複数の隔壁109が設けられ、上部枠110の上側開口が蓋プレート112によって閉塞されることによって上部枠110の内側に流路が形成される。上部枠110の内側に送られた混合気は上部枠110の内側の流路を流れて水素等が触媒反応により生成される。そして、水素等を含む混合気が連結管8を通って低温反応部6の内側に送られる。
【0057】
低温反応部6はベースプレート28、下部枠30、中部枠32、上部枠34、蓋プレート36を積層したものであるが、これらの積層体の内側に流路が形成され、その流路を混合気が流れて混合気中の一酸化炭素が選択的に酸化される。一酸化炭素の選択酸化反応は室温よりも高い温度で起こるので、低温反応部6が電熱線170や燃焼器プレート12によって加熱される。低温反応部6で一酸化炭素を除去した水素リッチガスが多管材10を通って燃料電池の燃料極に供給される。燃料電池では酸素極に空気が供給され、酸素と水素の電気化学反応により電気エネルギーが生成される。
【0058】
高温反応部4、低温反応部6、連結管8は断熱パッケージ内に収容されているが、断熱パッケージ内が真空圧とされているので、断熱効果が高くなっている。また、断熱パッケージ内にはゲッター材188が設けられ、リード線192,194、配線190を通じてゲッター材188のヒータに電圧を印加すると、ゲッター材188が活性化して、断熱パッケージ内の真空度が高まる。リード線192,194のほかにも何本かリード線が設けられているが、リード線176,178は電熱線170に接続され、リード線180,182は電熱線172に接続され、リード線184,186は電熱線174に接続されている。
【0059】
このマイクロリアクタモジュール1を製造するために上述のようなマイクロプラズマアーク溶接方法を用いるが、特に蓋プレート112を上部枠110に接合する時や蓋プレート36を上部枠34に接合する時に上述のマイクロプラズマアーク溶接方法を用いる。
【0060】
ここで、蓋プレート36,112が上述の天板721又は底板722に対応し、上部枠34,110が上述の枠体723に対応し、隔壁33,109が隔壁724に対応する。つまり、上部枠34の開口を蓋プレート36で覆い、蓋プレート36の上から溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で上部枠34及び隔壁33をなぞることで、蓋プレート36を上部枠34に接合することができ、上部枠110の開口を蓋プレート112で覆い、蓋プレート112の上から溶接トーチ701の先端のプラズマアーク711で上部枠110及び隔壁109をなぞることで、蓋プレート112を上部枠110に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】溶接装置の概略図である。
【図2】マイクロリアクタの分解斜視図である。
【図3】図2のマイクロリアクタの製造工程を順に示した断面図である。
【図4】マイクロリアクタの分解斜視図である。
【図5】図4のマイクロリアクタの製造方法を示した断面図である。
【図6】マイクロリアクタの分解斜視図である。
【図7】図6のマイクロリアクタの製造方法を示した断面図である。
【図8】マイクロリアクタの分解斜視図である。
【図9】図8のマイクロリアクタの製造方法を示した断面図である。
【図10】マイクロリアクタの分解斜視図である。
【図11】図10のマイクロリアクタの製造方法を示した断面図である。
【図12】斜め下から示したマイクロリアクタモジュールの斜視図である。
【図13】マイクロリアクタモジュールの分解斜視図である。
【図14】従来の溶接方法を示した図面である。
【符号の説明】
【0062】
1 マイクロリアクタモジュール
33、109 隔壁
34、110 上部枠
36、112 蓋プレート
701 溶接トーチ
711 プラズマアーク
721 天板
722 底板
723 枠体
724 隔壁
721a、722a 切り込み
721b、722b 溝
721c、722c 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の第1の被加工材の一方の面に板状の第2の被加工材を立てた状態で当接させ、前記第1の被加工材の前記一方の面の反対側の面にプラズマアークを噴出することで前記第1の被加工材に前記第2の被加工材を立てた状態で溶接することを特徴とするプラズマアーク溶接方法。
【請求項2】
前記第2の被加工材が前記第1の被加工材に当接する箇所に沿うよう切り込みが前記第1の被加工材に形成され、前記切り込みに向けて前記プラズマアークを噴出することを特徴とする請求項1に記載のプラズマアーク溶接方法。
【請求項3】
前記第2の被加工材が前記第1の被加工材に当接する前記一方の面の箇所に沿うよう溝が前記第1の被加工材の前記反対側の面に形成され、前記溝に向けて前記プラズマアークを噴出することを特徴とする請求項1に記載のプラズマアーク溶接方法。
【請求項4】
前記第2の被加工材が前記第1の被加工材に当接する箇所に沿うように溝が前記第1の被加工材の前記一方の面に形成され、前記第1の被加工材の前記反対側の面のうち前記溝に対応する箇所に向けて前記プラズマアークを噴出することを特徴とする請求項1又は3に記載のプラズマアーク溶接方法。
【請求項5】
前記溝に前記第2の被加工材を嵌め込んだ状態で前記プラズマアークを噴出することを特徴とする請求項4に記載のプラズマアーク溶接方法。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のプラズマアーク溶接方法を用いてマイクロリアクタを製造することを特徴とするマイクロリアクタの製造方法。
【請求項7】
内面に隔壁が設けられた枠体の開口を板材で蓋をするよう前記枠体に前記板材を重ねる工程と、
前記板材に関して前記枠体及び前記隔壁の反対側から前記板材にプラズマアークを噴出することで前記枠体及び前記隔壁を前記板材に溶接する工程と、を含むことを特徴とするマイクロリアクタの製造方法。
【請求項8】
前記隔壁が前記板材に当接する箇所に沿うよう切り込みが前記板材に形成され、前記切り込みに向けて前記プラズマアークを噴出することで前記隔壁を前記板材に溶接することを特徴とする請求項7に記載のマイクロリアクタの製造方法。
【請求項9】
前記枠体及び前記隔壁が前記板材に当接する箇所に沿うよう溝が前記板材の前記枠体とは反対側の面に形成され、前記溝に向けて前記プラズマアークを噴出することで前記枠体及び前記隔壁を前記板材に溶接することを特徴とする請求項7に記載のマイクロリアクタの製造方法。
【請求項10】
前記枠体及び前記隔壁が前記板材に当接する箇所に沿うよう溝が前記板材の前記枠対側の面に形成され、前記板材の前記枠体とは反対側の面のうち前記溝に対応する箇所に向けて前記プラズマアークを噴出することで前記枠体及び前記隔壁を前記板材に溶接することを特徴とする請求項7又は9に記載のマイクロリアクタの製造方法。
【請求項11】
前記溝に前記枠体及び前記隔壁を嵌め込んだ状態で前記プラズマアークを噴出することを特徴とする請求項10に記載のマイクロリアクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−222936(P2007−222936A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50291(P2006−50291)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】